妖刀を授ける鬼

 攻略旅団の調査・探索提案に基づき、妖刀の鬼狩人となる武士に、妖刀を与えている存在の探索を行います。
 武士に妖刀を授けているのは、『天の魔焰』立烏帽子 という名の鬼であるようです。
 彼女は『妖怪の圧倒的な力の前に心を折られた武士』に、『妖怪を倒すことが出来る妖刀』という力を授け『妖刀・縁斬り』に変えています。
 彼女が狙っている武士に、彼女よりも先に接触して身柄を確保、やってくる『天の魔焰』立烏帽子を迎え撃ち、撃退しましょう。

 『天の魔焰』立烏帽子は、平安鬼妖地獄変のジェネラル級クロノヴェーダの一体で、現時点で撃破するのは難しいですが、ディアボロスが、彼女の強力な一撃を耐え抜く事ができれば、呼び出した配下に後を任せて撤退するようです。

 多くの武士を彼女の魔の手から救い、『天の魔焰』立烏帽子を挑発することが出来れば、彼女と決戦し、彼女が引き起こす妖刀の事件を終息させることが出来るかもしれません。

美鬼の刀は魔性に誘う(作者 一二三四五六
8


#平安鬼妖地獄変  #妖刀を授ける鬼  #妖刀 


タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#平安鬼妖地獄変
🔒
#妖刀を授ける鬼
🔒
#妖刀


0



●魔焰の策謀
「力なき正義は無力……そうは思わないかしら?」
「…………」
 西暦971年、山城国。
 妖怪に敗れ傷ついた女武者・牡丹に、その『女』はそう語りかけた。
 一見すれば、そちらもまた美しき女武者。されど見る者が見れば、尋常な存在でない事が分かる。
 だが牡丹は女自体よりも、その女の持つ刀に吸い寄せられていた。妖しくも美しき、尋常ならざる刀。
「この刀さえあれば、あなたの望みは叶う。圧倒的な力をもって、妖怪達を打ち倒す事が出来る」
「……そう、その刀さえあれば……」
 まるで魅入られたかのように、牡丹はその刀に手を伸ばす。女は、求められるがままに、牡丹へと刀を授け――。
「ああ、この力があれば……私は……!!」
「ふふふ。存分に振るいなさい、その力を――」
 そしてまた。一人の『妖刀・縁斬り』が生み出された。

●新宿駅グランドターミナル
「来てくれてありがとう、みんな。じゃあ早速だけど、事件の説明をさせてもらうね!」
 西暦2021年、新宿駅。
 ホームに集まったディアボロス達をぐるりと見回すと、時先案内人、ミア・スカーレディア(妖精達の娘・g03198)はそう切り出した。
「今回向かうディヴィジョンは、平安鬼妖地獄変。新たに確認されたジェネラル級クロノヴェーダ、『天の魔焰』立烏帽子の陰謀を阻止してもらうよ!」
 つい先日まで発生していた、武士に『妖刀・縁斬り』を与えクロノヴェーダ化すると言う事件。攻略旅団による調査依頼の結果、その首謀者がこの立鳥帽子と呼ばれる鬼である事が判明した。彼女は鬼である事を隠し、武士になりすますなどして他の武士と接触。妖刀を授け、縁斬りに変えていたようだ。
「これまでのみんなの努力と攻略旅団の調査のおかげで、今回はこの立鳥帽子と武士が接触する前に、この武士の元に向かう事が出来るようになったんだ。そこで、先回りしてこの武士の身柄を確保して、やってくる立鳥帽子とその部下達を撃退して欲しい!」

 今回、立烏帽子に狙われている武士は、牡丹と言う若い女武者だ。血気盛んで正義感が強く、人々を脅かす鬼を討とうと戦いを挑んだ。だが、一般人が、クロノヴェーダに勝てる筈もない。戦いに破れ大怪我をして、ほうほうの体で逃げ帰り、身を隠している。
 命にこそ別状はないが、何より心の方が深く傷ついているようだ……それこそ、明らかに妖しい刀すら、受け取ってしまうほどに。
「依頼としては、身柄を確保して立烏帽子を撃退すれば良いんだけど。できれば励まして、立ち直らせてあげて欲しいな」
 もし心折れたままで依頼を終えれば、いずれまた同じような勧誘を別のクロノヴェーダから受ける事も有り得る。人情のみならず、将来の禍根を断つと言う意味でも、重要であると言えるだろう。
「その後は、立烏帽子が部下を引き連れてやってくるよ」
 立鳥帽子の戦闘能力自体は、ジェネラル級としては可も不可もなく、と言う所。それでも、アヴァタール級に比べれば遥かに強い。準備を整えて戦うべき相手で、今回の依頼で打倒する事はまず不可能だろう。
 だが、とミアは人差し指を一本立てて見せる。
「幸い、立烏帽子はキミ達を思いっきり見下してるからね。攻撃してくるのは、たったの一度きり。その一度に耐えさえすれば、キミ達への評価を多少改めて、素直に撤退しちゃうんだ。それと、この時上手く挑発すれば、いずれ決戦の場に引きずり出す事が出来るかもしれないから、試してみて」
 立鳥帽子は撤退する際、配下のクロノヴェーダ……トループス級『大江山の巫女』と、アヴァタール級『金童子』を残していく。これらを順に打ち倒せば、依頼は完了となる。

「アヴァタール級クロノヴェーダを容易く増やす特殊能力を持つジェネラル級。そんな脅威を放置しておく訳にはいかないよね。強力な相手だけど、キミ達の力で、立烏帽子を撃退してほしい!」
 そう言ってミアはディアボロス達を見回すと、微笑みと共に頷きかけた。
「どんな強敵でも、キミ達なら大丈夫。だから、みんなの勝利と帰還を待ってるよ!」

●折れた刀、折れた心
「く……ぅ……」
 そうして女武者・牡丹は、ずるずると足を引きずり、都を目指していた。
 両の足だけでは歩く事も出来ず、武士の魂である筈の刀を杖代わりに、なんとか前に進む。
「は……武士の魂など、笑わせる……」
 その刀を見下ろし、惨めさに己を嘲る牡丹。鬼を狩り、民を守る……彼女はそのために、腕を磨いて来た筈だった。
 だが、結果はどうだ。愛らしい鬼の巫女、その一匹にすら、惨めに敗れる有様だ。
 自分が生きているのは、鬼達が何かの気まぐれで見逃してくれたからに他ならない。
「……あっ」
 その戦いでヒビの入っていた刀が、体重を支えきれず、ポキリと折れる。倒れ込み、土に塗れた牡丹は、這うようにして近くの茂みに飛び込み、その身を隠す。
「ふふ……ははは……」
 折れた刀を見つめ、牡丹は乾いた笑いを零す。折れたのは刀ではなく、彼女の心だった――。


→クリア済み選択肢の詳細を見る


→クリア済み選択肢の詳細を見る


→クリア済み選択肢の詳細を見る


→クリア済み選択肢の詳細を見る


●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【水源】
1
周囲に、清らかな川の流れを出現させる。この川からは、10秒間に「効果LVトン」の飲用可能な水をくみ上げる事が出来る。
【飛翔】
3
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。【怪力無双】3LVまで併用可能。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【怪力無双】
3
周囲が、ディアボロスが怪力を発揮する世界に変わり、「効果LV×3トン」までの物品を持ち上げて運搬可能になる(ただし移動を伴う残留効果は特記なき限り併用できない)。
【託されし願い】
1
周囲に、ディアボロスに願いを託した人々の現在の様子が映像として映し出される。「効果LV×1回」、願いの強さに応じて判定が有利になる。
【友達催眠】
2
周囲の一般人を、誰にでも友人のように接する性格に変化させる。効果LVが高いほど、昔からの大切な友達であるように行動する。
【活性治癒】
2
周囲が生命力溢れる世界に変わる。通常の生物の回復に必要な時間が「効果LV1ごとに半減」し、24時間内に回復する負傷は一瞬で完治するようになる。
【建造物分解】
3
周囲の建造物が、ディアボロスが望めば1分間に「効果LV×1トン」まで分解され、利用可能な資源に変化するようになる。同意しない人間がいる建造物は分解されない。
【口福の伝道者】
1
周囲が、ディアボロスが食事を摂ると、同じ食事が食器と共に最大「効果LV×400人前」まで出現する世界に変わる。

効果2

【能力値アップ】LV2 / 【ダメージアップ】LV9 / 【凌駕率アップ】LV1 / 【反撃アップ】LV1 / 【ラストリベンジ】LV1 / 【ドレイン】LV2

●マスターより

一二三四五六
 新たなジェネラル級は、特殊能力やばい系。

 ごきげんよう。平安ディヴィジョンに初下車。一二三四五六です。

 今回の推奨解決順は、①→②→③→④となっています。順番通り。
 ①はオープニング最終段落からスタートします。冒頭部は、「ディアボロスが介入しなかった場合に起こる事」なので、実際には発生しません。
 ②では、ジェネラル級『天の魔焰』立烏帽子が一撃食らわせて来ます。
 食らわせて来るのは一撃なので、採用出来るプレイングも一撃分、最大2人程度となります。送られたプレイングの中から良いと思ったプレイングを優先的に採用します(先着順ではありません)。
 なお、どのような攻撃を食らわせて来るかは、①の終了後に描写されます。

 プレイングは①が30日、②が来月2日、③が3日、④が6日朝までのプレイングを採用する予定です。
 ②以外に関しては、人数で不採用にする事はないので、遠慮なくどうぞ。
 リプレイの方は、〆切後即日~翌日昼間までにお返しします。もし遅れた場合は〆切が後ろ倒しになったりしますが、遅れないように頑張ります。
 なお、『パラドクスの説明文は、演出以上の大きな効果はない』『パラドクスや道具なしに技能だけでは、特殊な能力は発動できない』と言うのは注意しましょう。例えば念動だけで超能力を使えたり、○○使いだけで属性魔法を使えたりはしません。
 残留効果1を使用する場合も、よく説明文を確認しておくと良いでしょう。

 それでは、皆様のプレイングを楽しみにお待ちしています。
111

このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


イルヴァ・ヘレナ
...見つけた。
傷だらけだが生きている...が心が折れているようだな。
ディアボロスでもない者が奴らに勝てるわけがないだろう。
だが、ここのままにしておくには惜しいな...ならば

パラドクスを使用し見た目を敵のようにしてから接触しよう。
そして「魂をよこせ...!?」と首を絞める。苦しいだけで済むように。
その後は悪辣な言動を語り発破をかける。お前が守る人間を喰らってやると言いながら所有する魂を見せたり等を怒りを検知するまで行う。

検知できたなら解放して元の任務に戻り活性治癒を適応しておく
「まだ死んではいない。その怒りを忘れるな、奴らに負けたらこれでは済まないことが起きるぞ」

なお、自身への評価は無視する。


サァエフ・エピファニア
凛然と姿を現し、ファラオの威光をもって折れた心を打ち直しましょう
時には戦士と語らうも偉大なるものの務めなれば!

笑わせる?
では笑うのを止めなさい
その笑みで傷つくのは己だけでしょう? 自傷など不愉快です
勇敢に戦ったあなたを誰が笑いましょうか!

我らディアボロスは多くが復讐者、その執念を一般人に語るのはいささか酷かとは思いますが、それでも気持ちをぶつけずにはいられません
私はたしかに勝利を届けるもの、しかしいつか勝利を望まぬものには何事も届きません

《トトの眦》にて見つめ、問いましょう
悔しければ、笑うのを止めなさい。私は笑いませんよ。勇敢な戦士よ


平良・明
力とは、正義とは何か、論じるつもりはありません
だって、途方もない話で、とても語りつくせない。

目の前の小さなことから解して組み立てるのが人の道だ
旅行者、ひいては復讐者としての私の心得です

例えば私の装備のあったか~い缶コーヒー
プルタブを上げる瞬間がとてもいい
その前に、疲れたまぶたに当てるとじんわりと心が温まります
刀の柄に張り付いた手を緩めて、代わりに握るとひどい強張りに気が付く
そんな色々を解せば、苦くともいい味です

飲み込みかたも色々
途方もない理不尽が目の前にあるのなら、ただ祈る
そういうのもいいんじゃあないでしょうか

生き残った事には意味がある、たぶん。
立ち止まるのは一瞬、ただ目の前を見て戦え


ソラ・フルーリア
※連携アドリブ歓迎します。

心の折れちゃった女武士、ってわけね。
気持ちはわからなくも無いけど、クロノヴェーダにするわけにも行かないのよね!

さ、立って! アナタを助けに来たわ!
笑ってる場合でも、心を折ってる場合でも無いんだから!

アタシも、絶対に敵わない同業の人なんて何人も見てきたわ!
実力でもなんでも勝てそうにない、何年掛かっても上回れそうにない人よ。
けどね、一度決めた信念があったから、腐らずにやってこれたの!

都の人々を守る、それがアナタの信念のはずよね!
負けたとしてもまだ生きてるじゃない! だったら、まだ民を守る事は出来るでしょ!
アナタの武士の魂は、まだ死んでいないはずよ!


ライヤ・フリメア
【心情】負けた悔しさ…確かにとてもよくわかりますわ。なんとか彼女を立ち直らせねば…

【説得】命あっての物種ですわ。格闘技も同じです…いくら負けても次は勝つという想い…そして勝てなかった相手の動きや技を思い出し対策を練る…そして悔しさをバネに鍛練を怠らないのですわ…!見る限りあなたも闘志はまだ残ってると思いますの…!いろいろな物を乗り越え再び挑みましょう!その負けたという鬼に!(絡み・アドリブOK)


「……見つけた」
「な、何者だ……」
 茂みに身を隠していた牡丹の姿は、すぐに見つかった。イルヴァ・ヘレナ(寡黙な全身鎧の戦士・g05698)が真っ先に歩み寄れば、警戒……いや、恐怖の表情を浮かべる。
 完全に心折れたその姿。折れた刀を構える事すらせず、引き攣った表情でこちらを見上げている。
(「ディアボロスでもない者が奴らに勝てるわけがないだろう。だが、このままにしておくには惜しいな……」)
 そんな表情を見下ろすと、彼は無造作に、牡丹の首に手を伸ばした。その首に手をかけると、絞め上げる。
「魂をよこせ……!?」
「ひっ……ぎゅぅっ!?」
 もちろん手加減はしているが、それでも全身鎧姿のイルヴァはひどく威圧的だ。その向こうに覗く瞳に射竦められた牡丹は目を見開き、口をぱくぱくと開閉させる。
 ただただ、恐怖に青褪めるだけのその姿に蔑むような視線を送り、冷たい魂をその身に纏わせるイルヴァ。
「お前が守る人間を喰らってやろうか?」
「あ、ぁぁ……やめて……」
 怒りを煽るようにそう囁く……が、牡丹はますます恐怖し、ガタガタと歯を鳴らすばかり。戦おうと言う気概も、イルヴァに対する怒りも、僅かばかりも垣間見えない。
 それも、当然の事だ。彼女はまさに怒りをもって戦いに挑み、そして怒りだけでは何も守れない事を、思い知らされたばかりなのだから。
「……ふん」
 興味を失ったとばかりに首を振り、牡丹を放り出すイルヴァ。纏う魂によって、【活性治癒】を施していく。だが傷が癒えたところで、心が癒える事はない。己の身を掻き抱き、恐怖と言う寒さに震える牡丹。
 平良・明(時折の旅行者・g03461)はそんな彼女の手に、取り出した缶コーヒーをそっと押し当てる。
「ぁ……」
「力とは、正義とは何か、論じるつもりはありません。だって、途方もない話で、とても語りつくせない」
 かじかむ手を温めてやりながら、優しく言葉をかける。僅かに怯えも緩んだのを見ると、瞳をじっと見つめて問いかける。
「でも、この缶コーヒーも……ほら。こうして握れば、その手がひどく強張っている事に気づくでしょう?」
「う……」
 戦い敗れてからずっと、強く握りしめていたのだろう。その手のひらに、爪が食い込んだ痕が――治癒はされているが、血の痕も――残っている。
 そんな手を優しく解きほぐし、缶コーヒーを握らせる。そしてプルタブを押し上げれば、ぷしゅ、と心地の良い音が鳴り響いた。
「この瞬間も、とてもいい。さあ、飲んでみてください」
「……あ、ああ」
 未知のものを警戒する余力もないのだろう。牡丹は言われるがまま、口を付けて――。
「……!!? げふっ、げふっ!?」
「おっと、苦かったですか? すみません、慣れればいい味なのですが」
 そして、その味にむせ返る牡丹にあわてて謝罪する。そして何であれ感情の動きを見せた牡丹の瞳を、じっと覗き込んだ。
「飲み込みかたも色々。途方もない理不尽が目の前にあるのなら、ただ祈る……そういうのもいいんじゃあないでしょうか」
「ただ、祈る……か。そうだな、私に出来るのはそれくらい、か……」
 その言葉に牡丹は、自嘲するように笑みを浮かべる。やはり悲観的な思いは、そう簡単には解れないようだ。
 だがそれでも、自分に出来る事を意識し始めた。それは良い兆候だと感じると、サァエフ・エピファニア(勝利をもたらす腥風・g00099)が凛然と歩み出る。
「その、笑うのを止めなさい」
「っ……」
 偉大なるものの威光に打たれたように、身を強張らせる牡丹。だがサァエフはあくまで、厳しく問い詰めて。
「その笑みで傷つくのは己だけでしょう? 自傷など不愉快です」
「……それは……」
 それには、自覚があるのだろう。恐怖とは別の痛みに、顔を歪める牡丹。傷ついた表情には、サァエフの心も痛む、が。
(「我らのような復讐者(ディアボロス)の執念を一般人に語るのは、いささか酷かとは思いますが……」)
 だがそれでも、気持ちをぶつけずにはいられない。どうしても伝えたい一言がある。
「勇敢に戦ったあなたを誰が笑いましょうか!」
「……!」
 その言葉を聞き、はっと顔を上げる牡丹。見上げた先、サァエフは凛とした表情で見つめ返す。彼女の瞳が――トトの眦が、じっと牡丹の瞳を覗き込む。
「悔しければ、笑うのを止めなさい。私は笑いませんよ。勇敢な戦士よ」
「わ、私は……」
 それは王が戦士の心を震わすための視線の技法であり、そして同時に、彼女の本心である。そのどちらもが伝われば、ほんのりと顔色に熱が戻ってくる。
 それを見ればソラ・フルーリア(歌って踊れる銀の星・g00896)も、その手をぎゅっと握りしめて。
「さ、立って! アナタを助けに来たわ! 笑ってる場合でも、心を折ってる場合でも無いんだから!」
「あっ……」
 グッとその手を引けば、引かれるがままに立ち上がり……そして自分が立ち上がった事に、驚きの表情を浮かべる牡丹。自力で立つ気力が残っていたと言う驚きもあるし、傷が癒えていた事にすら、今気づいたのだろう。
(「気持ちはわからなくも無いけど、クロノヴェーダにするわけにも行かないのよね!」)
 それほどショックを受けていたと思えば、同情する気持ちもある。だが、だからと言って、折れたままでいさせるつもりもない。
「アタシも、絶対に敵わない同業の人なんて何人も見てきたわ。実力でもなんでも、ね」
 刻逆の前はアイドルとして、その戦国時代を勝ち抜いてきたソラ。その実体験をもって、彼女は語りかける。
「何年掛かっても上回れそうにない人達……けどね、一度決めた信念があったから、腐らずにやってこれたの!」
「信念……そう、私は……都の人達を、守りたくて……」
 自分の信念は一体なんだったか。牡丹は己の胸に手を当て、それを思い出す。ならば、と両手でその手を握りしめ、満面の笑みで微笑みかけて。
「そうでしょ? だったら、負けたとしてもまだ生きてるじゃない! まだ民を守る事は出来るでしょ!」
「で、でも、私などに……」
 ようやく、心は戻りつつある。ただ、そうは言ってもまだ、完全に立ち直りはしていない。それはやはり、力及ばなかったと言うその事実が、重くのしかかっているから、だろう。
「負けた悔しさ……確かにとてもよくわかりますわ。けれど、命あっての物種と言うでしょう?」
 ならば、とライヤ・フリメア(エンジェル・ファイター・g04845)も声をかける。彼女にとっても、敗北は実体験……格闘家にとって、それは決して避けては通れぬ物であって。
「格闘技も同じです。でも、いくら負けても、次は勝つと言う想いが大事なのですわ!」
「次は、勝つ……」
 だが、彼女の敗北は、牡丹のように足を止める敗北ではない。明るい笑みを浮かべ、グッと拳を握って見せつける。
「そう、悔しさをバネに、鍛錬を怠らないのですわ! 勝てなかった相手の動きや技を思い出し、対策を練るのです!」
「鍛錬、を……」
 無論、いくら鍛えても、一般人である牡丹はクロノヴェーダには勝てない。それは、残酷にして純然たる事実ではある。だが、それでも。勝つために前を向く事が重要だと、ライヤは思う。
「見る限りあなたも闘志はまだ残ってると思いますの……! いろいろな物を乗り越え再び挑みましょう!」
「闘志……私の中に、まだ、あるのだろうか……?」
 牡丹は足元に落ちた、折れた刀を拾い上げ、それをじっと見つめる。そしてふと顔を上げ、ディアボロス達を見回した。
「ええ、きっとありますわ。その負けたという鬼に、挑みましょう!」
「大丈夫。アナタの武士の魂は、まだ死んでいないはずよ!」
 ライヤが力強く頷きかければ、ソラもアイドルらしい満開の微笑みを向ける。そんな2人に、勇気づけられ、微笑む牡丹。
「私は勝利を届けるもの、しかし、いつか勝利を望まぬものには、何事も届きません」
「生き残った事には意味がある、たぶん。立ち止まるのは一瞬、ただ目の前を見て戦え」
 サァエフと明は、鼓舞するように強く牡丹を見つめ、頷きかけた。真剣な表情でそれを見つめ、頷きを返す。
「まだ死んではいない。鬼に挑もうとした、その怒りを忘れるな。奴らに負けたらこれでは済まないことが起きるぞ」
 イルヴァは少々キツ目に、プレッシャーをかける。それには流石にたじろぐが……それでも、最初のように、ただ怯えるだけではない。視線を逸らさずイルヴァを見つめるその姿に、少しだけ殺気を緩める。
「ありがとう。私はもう、折れない。たとえ力及ばずとも……決して諦めはしない」
 折れた刀を強く握りしめ、牡丹はディアボロスに頭を下げる。その表情に、もう、恐怖はなく――。
「あらあら?」
 ――そこに、声が響いた。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【活性治癒】LV1が発生!
【友達催眠】LV1が発生!
【口福の伝道者】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
【建造物分解】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV3が発生!
【凌駕率アップ】LV1が発生!

「あれがお前の負かしたと言う女かしら? やけに元気そうじゃない。どうなってるのかしら?」
「あれ? 確かにへし折ってあげた筈なのですけど……」
 そうして現れたのは、鬼達の軍団。その首領格と思しき鬼が、傍らの巫女姿の鬼に問いかける。おそらくはその巫女鬼が、牡丹を負かした鬼なのだろう。
 だが、そんな事は今は、どうでも良い。そう思える程に、ディアボロスの視線は、一点に集中する。
「ひっ……なんだ、アレは……」
 折れぬと誓ったばかりの牡丹が、恐怖に青ざめ、身体を震わせる。だが、それを咎める者はいない。
 その女は、あまりに別格であった。
「そう。お前達の仕業かしら?」
 こくりと首を傾げ、ディアボロス達を睥睨する、鬼の女。
 人ならざる肌、美しくも嗜虐的な表情、三本の角。烏帽子に、巫女服を思わせる緋袴。されど白衣(はくえ)は申し訳程度に、形の良い胸元を隠すばかり。
 そう、彼女こそ、ジェネラル級クロノヴェーダ。『天の魔焰』立烏帽子。
「ならば、お前達を片付けたら、その女も私に傅くかしらね」
 無論、別格と言えど、絶対的ではない。ディアボロスがジェネラル級と邂逅するのは、これが初めてと言う訳でもない。
 だが、この場にいるディアボロスだけでこの相手に勝利する事は、不可能だ。それも、言い切れる。
「なら、そうね……どれを使いましょうか」
 立烏帽子は腰に携えた3本の刀を軽く弄び、思案するように首を傾げる。そして、そのうちの1本を選ぶと、すらりと抜き放った。その瞬間、ディアボロス達は、心の奥底を覗かれるような……そんな感覚を覚える。
「そうね、これにしましょう――三明の剣が、顕明連。この刀の神通力は、お前達の心を見通し、全ての行動を読み切るわ」
 感覚の正体を、立烏帽子は隠す事なく口にする。それだけ、こちらを見下していると言う事だろう。付け入る隙があるとすれば、きっとそこ。
「もちろん、腕も切れ味も、お前達に勝ると思いなさい。ゆえにこの一刀を防ぐ事は、お前達には出来ないわ」
 それでもなお、侮れる相手ではない。それでもなお、この一刀を凌がねばならない。
「さあ、首を刎ねてあげる。アタシに討ち取られる事、光栄に思いなさい!」
 そうして立烏帽子は、ディアボロスへと斬り掛かってくる。この場を生き残らなければ、勝利はない――!
イルヴァ・ヘレナ
死ね。死んでしまえ。
貴様ら全員を喰らっても俺は満たされん...!
我らの憎しみを知るがいい、糞共が!?
【我が名はレギオン】
ここで死ねぇ!

行動を読む?それがどうした結局は殺意に身を任せる戦いしか俺にはできん。例え胴を両断されようとも残った上半身で一撃を喰らわせてやる。小指一本の損傷だけだろうが貴様を殺す.

よく見ておけ!、これが魂までを憤怒に焼かれたディアボロスというものだァッ

勢いよく飛び出し武器を盾にしながらタックルを喰らわせる。
何もかも負けている戦いだがそれでも譲れないものがある。

ここで敗れても数千のディアボロスが貴様を狙っているぞ、精々怯えて死を待つがいい。

※不屈の意思で耐えるという意味です。


アンゼリカ・レンブラント
心を見通せるというなら、堂々と相対するよ
ジェネラル級同じことだよ、
クロノヴェーダの攻撃に膝は折れない

【勇気】と共に向かうよ!
【オーラ操作】して纏うオーラと共に
《光獅子闘拳》で打ちかかる…
のは【フェイント】で、集めたオーラは
私のクラッシュ衝撃をさらに厚く、
防御を高めるためのもの!

なるべく無心で行う
此方を見下している立烏帽子なら引っかかってくれるかな
狙いが攻撃ではなく防御とまで見斬られても
気合い十分に耐えるのは同じ――
カウンターで斬りに来たところをめいっぱい、耐える!
苦しんできた人々の事を想い、懸命に踏みとどまるぞ!

耐えきったなら、ここぞとばかり得意がろう
お前たちの首を刎ねるのは、ディアボロスだ!


「そっちが心を見通せるというなら、堂々と行くよ!」
 立烏帽子の攻撃に対し、自ら真っ直ぐに飛び込むアンゼリカ・レンブラント(黄金誓姫・g02672)。手甲から黄金獅子状のオーラを身に纏い、拳を振りかぶる。
「ジェネラル級だろうと同じ事だ。クロノヴェーダの攻撃に、膝は折れない!」
「あら、向かってくるなんて、生意気ね!」
 殴りかかってくるその態度に立烏帽子は、ひどく気分を害して見せる。そして攻撃ごと一刀に斬り伏せるべく、顕明連を振り上げ――そして同時に、その瞳がギロリ、とアンゼリカをまっすぐに見据えた。
(「うっ……」)
 陽光を照り返す刀の輝きは、まるでこちらの全てを見透かすかのよう。アンゼリカの心を容赦なく暴き立て、その作戦をも抉り出そうとする。いくらこちらを侮っていると言えど、見逃す事までは期待出来ない。
 ならば、その能力への対策は、顕明連の前に立つための最低条件だ。
(「――無心、で……!」)
 だからアンゼリカは自らの心を無に保ち、事前に立てた作戦の通りに身体を動かそうとする。ただ、全くの無を保つのは容易な事ではなく――。
「死ね。死んでしまえ」
 そうして生じそうになった僅かな揺らぎを、塗りつぶすほどの鳴動。イルヴァ・ヘレナ(寡黙な全身鎧の戦士・g05698)はその手に大剣を強く握りしめると、立烏帽子へと真っ直ぐに突き進む。
「貴様ら全員を喰らっても俺は満たされん……! 我らの憎しみを知るがいい、糞共が!」
「何よ、いちいちうるさいねっ!」
 全身全霊が憎しみを叫び、死者の魂が怨嗟を謳う。心の中も外も、一切変わらない。ただ、クロノヴェーダを殺す。それしか考えない突進。
「我が名はレギオン。貴様はここで死ねっ!!」
「ふん、死ぬのはそっちに決まってるでしょうっ!」
 確かにこれなら、攻撃を読まれる事はない。ただ、それは作戦が無いのと同義でもある。同格以下ならともかく、ジェネラル級を突破するには、あまりに心もとない作戦。
(「だがそれでも、譲れないものがある……!!」)
 ならば、それを埋めるのは意地。自らの何もかもを顧みず、全ての意志を殺意に集中する。たとえ斬られようと斬る、そんな気迫で、彼我の戦力差を埋める。
「よく見ておけ! これが魂までを憤怒に焼かれたディアボロスというものだァッ!」
「だったら、怒ったまま死ねっ……!?」
 そして、立烏帽子がイルヴァの殺気に気を取られたならば、それは、アンゼリカを意識から外したと言う事でもある。
 不足を埋めるもう1つのピースは、同じディアボロスの仲間。
「やらせる、かぁっ……!!」
 アンゼリカの輝く拳と顕明連がぶつかりあい、懸命にその刃を鈍らせんとする。さらにイルヴァの大剣もまた、魂をもって渾身の力を叩きつける。そうして、光と闇、対照的な2つが、ジェネラル級の力と拮抗し。
「っ、ちぃぃっ、アタシの一刀を耐え抜くなんてね」
 ギィンッ、と音を響かせて。互いの身体が弾けるように、間合いを広げる。
 もしどちらかが欠けていれば、結果は違っていたかもしれない……それでも、防ぎ切る事は出来た。確かな手応えを感じ、2人は立烏帽子に拳を、切っ先を向ける。
「お前たちの首を刎ねるのは、ディアボロスだ!」
「数千のディアボロスが貴様を狙っているぞ、精々怯えて死を待つがいい」
 そんな言葉に、立烏帽子はふんと名乗りを上げる。僅かながら滲む血を、指で拭い取って。
「そう、ならば次会う時まで命を預けて置いてあげる。せいぜいこの首、取りに来なさい」
 あくまで上から目線を崩さぬまま、立烏帽子は興が削がれたとばかりに背を向ける。そうして去り際、彼女は、その場の鬼達に声をかけた。
「お前達、アタシの代わりにこいつらと遊んであげなっ」
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【怪力無双】LV2が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV4になった!

「おう、分かったぜ、立烏帽子の姉貴!」
 その立烏帽子の命令に答えるのは、悪鬼・金童子。その身の丈ほどの金棒を振り回し、ディアボロス達を威嚇する。
「姉貴の刀を防ぐたぁなかなかやるじゃねぇか、面白ぇ。なら、俺が本気で相手してやるのも吝かじゃあねぇが……」
「いえ、ここはまず私達が」
 そして、そんな金童子を制して前に出る、巫女服姿の女鬼達。それを見て金童子は、鷹揚に頷いた。
「おう、そうだな。まずはお前らが相手をしてやれ」
「ありがとうございます。さて……」
 許しを得た巫女は、鋭い爪を剥き出しにしてこちらを威嚇する。そしてふと、立烏帽子との攻防を声もなく見守っていた牡丹を見ると、くすくすと笑みを浮かべた。
「それではその女武者のように、あなた方もへし折ってあげます。覚悟してくださいね!」
「っ……!」
 その嘲笑にハッとなり、刀の鞘を握る牡丹。恐れはある、だがもう心折れないと、ディアボロスの言葉を支えに踏み留まってみせる。
 ……とはいえ彼女が鬼巫女に勝てないのも、残念ながら純然たる事実。立烏帽子とは比較にならぬトループス級とはいえ、気を抜いて良い相手ではない。
 牡丹に代わり、都に仇なす敵を……まずは尖兵を打ち砕くとしよう。
イルヴァ・ヘレナ
連携歓迎!

奴は退いたか...後は残りの屑を片付けるとしよう。
最初に向かってくるのは巫女か?ふむ、小さくちょうどいい。

先頭の巫女を捕まえ首や髪を持ち盾にする、怪力無双があるから重くないはずだ。
そのまま敵をパラドクスで焼き払うが掴んでいるのが死にしだい相手に投げつけ新しく捕獲する。

卑怯?ならば死ね、貴様ら屑に慈悲も遠慮も必要ない。
我らの憤怒を身をもって知るがいい...【セメタリーオブファイヤー】

一応女武士を守る立ち回りはするがもし相手に捕まってしまった場合女武士ごと殺る。

...前に出るなよ女(牡丹)、もし相手に捕まりでもしてこちらの不利になるようであれば殺す。先ほど傷は治したはずだ、邪魔はするな。


ソラ・フルーリア
※連携アドリブ歓迎します

あら、残念ね!
彼女は「強さ」……折れない心を手に入れたわ!
覚悟するのがどちらの方か、教えてあげる!

最初から全力で行くわよ!
【飛翔】して高所を取って、味方の攻撃とかで相手が集まった所に【羨望と幻惑の最大光量!】!
【誘導弾】、【全力魔法】で多くの敵を巻き込めるようにするわ!
太陽よりも眩しい光よ! 存分に踊ってちょうだい!

相手の反撃は……ふふん、【ダンス】では負けないわよ!
アイドル舐めないで貰いたいわね!

牡丹を狙ってくるなら、『レゾネイト』で攻撃を弾いたりして絶対に守るわ!
彼(イルヴァ)も口は悪いけど……アナタのことが心配なんだと思うわよ!


内方・はじめ
背中どころか肩まで丸出しだなんて、破廉恥な巫女さんねえ
じゃあ、もっと破廉恥な格好にしてあげるわ

【飛翔】で飛行しつつ、敵の攻撃を掻い潜り、双翼魔弾を敵群へ叩き込む
攻撃時は砲撃、弾幕、誘導弾等を活かし確実に敵に当てるように

周囲の木々やらを盾にしつつ飛翔し、空中戦、一撃離脱、撹乱を活かし、仲間と連携し敵を撹乱
敵の動きは看破、情報収集で把握し、敵からの集中砲火を浴びないよう立ち回る

「最初に居たような気がしたけど、どこに行ってた?」
って?

……色々と都合があるのよ(単なる不採用)
別に……滑ってはずかちいから、隠れてたりしてた訳じゃあないわ

証拠でもあるの?

だって、何も記録は残ってないもの(不採用だからね)


「あら、残念ね! 彼女は『強さ』……折れない心を手に入れたわ!」
 巫女達の牡丹への威圧を遮るように、前へと歩み出るソラ・フルーリア(歌って踊れる銀の星・g00896)。
「覚悟するのがどちらの方か、教えてあげる!」
「あら、心なんてね、それはもう簡単に、ぺきっと折れるものですよ。例えば、より強い力に叩き潰された時とか、ね♪」
 巫女が嘲笑えば、イルヴァ・ヘレナ(寡黙な全身鎧の戦士・g05698)は冷たくそれを睨みつける。そして無造作に歩みを進め、笑う巫女へと手を伸ばした。
「ほう……ならばお前の心も、さぞや容易く折れるのだろうな」
「折れるものならご自由にっ!」
 当然、相手はそんなイルヴァを、迎え撃つ。舞うような動きと共に繰り出される、矢継ぎ早の連撃。
 イルヴァの纏う全身鎧すらも易々と斬り裂く斬鉄の爪が、次々とその身体に吸い込まれ、血を噴き上げさせられ……。
「ふふ、他愛な、がっ!?」
「小さくちょうどいい。へし折りやすいと言うものだ」
 そしてその血を意に介さず、首を絞め上げ、持ち上げた。目を見開く相手の身体に、自らの纏う魂を分け与えて。
「我らの憤怒を、身を持って知るがいい……」
「っ…………!!?」
 その魂が燃料となり、相手の身体を炎上させる。怒りと怨嗟を燃料とした炎に包まれ、悲鳴も上げられずにジタバタともがく巫女。
 その燃え続ける身体を、他の巫女への盾にして、掲げていく。
「今更、卑怯とは、言うまいな?」
「言わないですよっ、けれど、さっさと離しなさい……!」
 そんな巫女を迂回して、イルヴァを挟もうとする巫女達。その一方を、ソラが【飛翔】しながら見下ろして。
「最初から全力で行くわよ!」
「空を飛ぼうと、無駄な事です……!」
 すると巫女達はその背を見せつけながら、艶かしく踊り始める。見る者の精神を蝕む、邪悪なる神楽だ。飛んでいようと容赦なく見せつけられる舞は、目を背ける事も許されぬ存在感。
「ふふん、アイドル舐めないで貰いたいわね!」
 だがそんな踊りはむしろ、ソラの心を昂ぶらせる。ダンス勝負で負けるものかと、華麗な空のダンスを披露して。
 そうしてそんな舞と踊りの上に、光が降り注いだ。
「っ……ぐ、あああ!?」
「さあ、太陽よりも眩しい光よ! 存分に踊ってちょうだい!」
 それは巨大なステージライト……もちろん、ソラがパラドクスによって用意した物だ。最大光量を背負って踊れば、ソラを見上げる巫女達の目は灼かれるばかり。
「そしてこれが本番! よぉく味わってねっ!」
「っ~~~~!」
 そこへダメ押しに降り注ぐ、巨大な光の魔力。それが目だけではなく、巫女の身体を灼いていく。
 一方で、イルヴァを挟んで反対側。こちらには内方・はじめ(望郷の反逆者・g00276)が、同じく【飛翔】で接近する。
「背中どころか肩まで丸出しだなんて、破廉恥な巫女さんねえ」
「あら、もっと見惚れていいんですよっ!」
 巫女はその爪を閃かせ、跳躍しながらこちらを引き裂こうとしてくる。それを、木々を盾にして跳び回る事で、巧みに防ぐはじめ。逆にこちらはアームキャノンからの魔弾で、敵陣を撹乱する。
「そう、じゃあ、もっと破廉恥な格好にしてから、たっぷりと見させて貰うわよっ!」
「っ、くっ、ちょこまか逃げ回って……あぐっ!」
 直線的な近接攻撃であるあちらに対し、こちらの魔弾は木を避けて巫女を狙う。地形の利を存分に生かした攻撃で、相手を撃ち抜いていくはじめ。
「後からやって来て、鬱陶しいんですよっ!」
「……色々と都合があるのよ!」
 巫女の罵声に対しては、いろいろと誤魔化すように叫び返して魔弾で黙らせようとする。そうして、片方からははじめ、片方からはそら、そして中央からはイルヴァ……三方から巫女達を潰していくディアボロス達。
「このまま、一気に畳み掛けるわよっ!」
「ああ。だが前に出るなよ女」
 挟み撃ちにしても声が届く範囲まで押し込むと、一気に畳み掛けにかかるはじめ。イルヴァは炭になった巫女を放り捨てると、次の相手に向かう前に、牡丹をちらと振り返る。
「もし相手に捕まりでもしてこちらの不利になるようであれば殺す。先ほど傷は治したはずだ、邪魔はするな」
「くっ、分かっている……」
 牡丹もこれまでの戦いを見て、割って入る事が出来ないと理解しているのだろう。悔しげな表情で頷きを返す。
「彼も口は悪いけど……アナタのことが心配なんだと思うわよ!」
「……わ、分かっている!」
 それはそれとしてソラのフォローに微妙に言い淀むのは、まあ、やっぱりちょっと距離を取りたいと思っているのだろう。まあイルヴァ自身は、そういうのは全く気にしていないが。
「ともかく、アナタには手を出させないっ!」
 巫女は特に牡丹を狙ってくる様子がない……と言うかディアボロス以外を狙う余裕はないが、それでも警戒は絶やさず、スポットライトを輝かせるソラ。
「余計な事を言うヤツは消してあげる。それで証拠も何もなくなるでしょう?」
 はじめも魔弾を次々と放ち、巫女達を撃ち抜いていく。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【建造物分解】がLV2になった!
【友達催眠】がLV2になった!
【飛翔】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】がLV7になった!

「おおっと、まさか巫女どもを全員倒すとは……驚きだぜ」
 余裕なのか何なのか、戦いに最後まで加勢する事なく見守っていた金童子。組んでいた腕を解き、ニヤリと笑う。
「立烏帽子の姉貴には及ばねぇが、テメェらもなかなかやるじゃねぇか。そうでなくちゃあ、なぁ」
 そして傍らにおいた大棍棒を、ブンッ、と大きく振り回す。風を薙ぐ音だけで重さも威力も分かるそれを肩に担ぎ、彼はディアボロスの前に歩み出た。
「いいぜ、弱いヤツを潰すのは好きだが、強いヤツを殺すのはもっと好きだ。それでこそ、燃えるってモンだ」
 粗暴にして残酷、だが何より力を尊ぶその鬼は、ディアボロス達に向け、闘志と殺気を露わにする。
 さて、最終戦。牡丹を守るためにも、立烏帽子をいずれ決戦に引き出すためにも、見事この悪鬼を討ち果たしてみせよう!
龍統・光明
『その業喰わせて貰う。さぁ、貴様の業を数えろ……』

ドラゴニアンのガジェッティア × レジェンドウィザード

性別:男

口調:俺、呼び捨て、だ、だな、だろう、なのか?

特徴:基本冷静沈着。但しノリは良い。
普段二刀流と蹴術を織り交ぜる戦闘スタイルだが、
AS展開時は一転二丁銃と羽形ブラスターを操り戦う。

基本回避優先で防御の際は左腕を盾代わりに使う

常にクールである事に努めており、他に迷惑をかけない様に心掛けている

例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!(NG:ギャグ・コミカル)


イルヴァ・ヘレナ
残るは奴のみ...
数ではこちらが有利とはいえ油断はできん。
最初は奴の行動を観察するとしよう

奴の能力の把握が終わったら大剣で地面の砂や土を吹き飛ばし目つぶしをおこなう、目が見えなくなり体制を整えようと下がろうする時に足の下に剣を入れテコの原理で持ち上げバランスを崩させる。そうしてできた隙に首などの急所を狙い斬りかかる。

一度しか通用しないだろうがそこで重傷を負わせることができればこちらに有利にことが運ぶはずだ。
それと戦闘が始まった直後に牡丹を戦闘範囲から遠ざけておく(最悪自分が運んでもいい)、巻き込まれて死なれでもしたらたまったものではない。

退けよ女、貴様は下がってこいつが死ぬのを見ておけばよい。


アンゼリカ・レンブラント
立烏帽子といずれ決戦を挑むためにも、
お前には負けてられないよ!

【飛翔】の残留効果も生かし舞い上がって
パラドクスの力強い一撃をお見舞いだっ!
そのまま相手の反撃を受け切ったら、

反転してもう1回【突撃】――仕掛けるけど、
すんでで方向転換する【フェイント】を仕掛け、
相手の死角からパラドクスの打撃を叩き込む!

ただ突っ込むだけでは勝てていけないよね
勿論、あの立烏帽子にもね!

ともに戦う仲間と連携を意識して叩き込んでいこう
私の攻撃を呼び水にして、仲間のパラドクスの
クリーンヒットを誘ったり
その逆に仲間に気を取られる敵に強烈な一撃を見舞ったり!

最後は、めいっぱい【呼吸法】で力をためた
《光輝勇突撃》で仕留めるよっ!


ライヤ・フリメア
【心情】出遅れました!しかし最後の敵はあなたのみですわね!なかなかに力強そうな鬼さんですわね…でも力なら私も負けていませんわ!勝負ですわよ!牡丹さんの為にも負けられませんわ!

【作戦】翼を利用した飛翔や【残像】などで敵の攻撃は回避し、隙あらば【怪力無双】を利用した拳や蹴りでの【強打】、手足を掴んで【グラップル】による関節技などを決めますわ!
そして鬼さんこちら手のなる方へ!と【挑発】し、向かってきた所をエンジェルパンチですわ!!(絡み・アドリブOK)


内方・はじめ
ここの親玉は……あなたみたいね
破廉恥な巫女さんといい、見てる方が寒くなりそうな格好よね

蚤か蛙みたいにピョンピョン跳ね回るようだけど、わたしに追いつけるかしら?

【飛翔】し空中戦、撹乱で敵を振り回し、隙を見て報復の魔弾を敵に叩き込む
攻撃の際は砲撃、弾幕、誘導弾、一撃離脱等を活かし確実に当てるように

周囲の木々を盾にしつつ、木々の陰で体勢を立て直したり、木々に身を隠し別の場所から仕掛ける等、仲間と連携し敵を翻弄

仲間がピンチなら……敵を頭上や側面から急襲し、一気に距離を詰めるよう見せる等し牽制

敵が跳躍したら、冷静に落下コースから距離をとって回避

さあ、惨劇の犠牲者達の無念、恐怖、怨嗟をその身で味わいなさい


ソラ・フルーリア
※連携アドリブ歓迎します

アナタはさっきの巫女みたいに陰湿じゃなさそうで安心したわ!
とは言っても同じように全力で倒すだけ、だけどね!

じゃ、アタシは皆の攻撃を繋ぐように動こうかしら!
皆の攻撃に紛れて【飛翔】か【ダッシュ】を使って相手に接近、勢いそのままに『レゾネイト』を敵にフルスイングして【吹き飛ばし】を狙うわ!
敵の攻撃は『レゾネイト』で弾くわね!
ふふん、意外な攻撃だったかしら? 破軍拳士の腕力舐めないでよね!

相手に隙が出来たら、【飛翔】で飛んで【熱狂と湧然の四元光芒!】行くわよ! 勿論【全力魔法】!
さぁ、ここがアナタのラストステージ! 熱狂の渦に呑まれなさい!


「退けよ女、貴様は下がってこいつが死ぬのを見ておけばよい」
「わ、わかったっ……」
 牡丹の安全を確保するため、ジロリと睨みつけるイルヴァ・ヘレナ(寡黙な全身鎧の戦士・g05698)。牡丹は頷き、安全な範囲まで後退する。
「ハッ、そんな雑魚なんざ相手にしねぇよ。さっさとかかって来なぁ!」
 もっとも金童子は、牡丹を狙う気などさらさらないようだが。金棒を堂々一振り、こちらを挑発する。
「立烏帽子といずれ決戦を挑むためにも、お前には負けてられないよ!」
「姉貴と決戦だぁ? 舐めたことぶちかますじゃねぇか!」
 そこへ叫びながら、【飛翔】して真っ先に突っ込んでいくアンゼリカ・レンブラント(黄金誓姫・g02672)。パラドクスで光を纏いながら飛び蹴りを仕掛ければ、金童子はニヤリを笑う。
「そういうのは、嫌いじゃないぜ。そういう思い上がったのを、叩き潰すのはなぁ!」
「っ……んんっ、このぉっ!!」
 そして跳び上がり、金棒を真っ向から振り下ろしてくる。蹴りが相手の胸板に突き刺さり、逆に金棒がこちらの腹筋に叩きつけられた。
「良い蹴りしてるじゃねぇか。ぶちっと潰したくなるぜ!」
「うぐぅっ……まだまだぁっ!」
 互いの攻撃の衝撃に、相打ち気味に弾け離れる2人。金童子は着地し、アンゼリカは空中で姿勢を制御する。さらに追撃を仕掛けようとする金童子だが、その攻防に紛れるように、ソラ・フルーリア(歌って踊れる銀の星・g00896)が急接近する。
「いっくわよぉっ!」
「っ、あぁんっ!?」
 接近の勢いのまま、手に構えた杖をフルスイング、叩きつけにかかるソラ。杖も自身も愛らしいが、こう見えても破軍拳士、その殴打は力強い。
「舐めんじゃねぇ!」
「きゃっ……!」
 とはいえ無論、どんなに力があろうと技に優れようと、クロノヴェーダにパラドクスならざる攻撃は通じない。易々と受け止められ、逆に鬼の膂力で弾き飛ばされた。咄嗟に空中で、姿勢を立て直す。
「そんな弱火な攻撃が効くかってんだよっ!」
「ならば次は、私が勝負ですわよ! 牡丹さんの為にも負けられませんわ!」
 だがその殴打によって、金童子が防御で足を止めたのも、また事実。そこを逃さず、ライヤ・フリメア(エンジェル・ファイター・g04845)も間合いを詰めると、力強い拳と蹴りで、畳み掛けにかかる。
「なかなかに力強そうな鬼さんですわね……でも、力なら私も負けていませんわ!」
「だぁ、まどろっこしいってんだよ、ガキどもがッ!」
 やはりそれらも、容易く防がれる。だが構わず、さらに畳み掛けていくライヤ。振り払おうとする相手の腕を掴み、関節を極めようとする。
「取りましたわっ!」
「取ってねぇよ、うぜぇっ!」
 それを怪力をもって強引に振り解く金童子。ダメージは与えられていないが、相手に苛立ちを募らせる。そこに畳み掛けるように、またソラが。
「さあ、行くわよっ!!」
「効かねぇって言って……っ!?」
 苛立ちと共に顔を上げた金童子が見たのは、巨大な魔法陣を背負うソラの姿。杖を掲げたその先に、四つの輝きが灯る。
 今度は、パラドクスだ。 
「これも効かないかしら……ねっ!」
「う、ぐぉぉぉぉっっ!?」
 降り注ぐは、四元の魔砲。束ねし光が金童子を呑み込めば、今度は容易く防がせはしない。光が行き過ぎれば、金童子の身体からは白煙が噴き上がる。
「っ、くそ……やりやがったな、てめぇ。撃ち落とせッ!」
「あら、余裕がなさそうな顔をしてっ!」
 金童子は屈辱の表情で、パラドクスで召喚した部下に対空の火矢を放たせる。その反撃を回避すべく、距離を取るソラ。変わってライヤが、くすくすと笑みを投げかける。
「まんまと引っかかってしまいましたわね。ほら、鬼さんこちら、手のなる方へ!」
「あぁんっ!?」
 パンパンと手を叩いて煽り立てるライヤ。熱しやすい金童子はすっかり怒りに燃え上がり、彼女を強く睨みつける。
「舐めんじゃねぇ、叩っ潰すッ!!」
 そうして、金棒を振り上げて跳び上がり、全力で振り下ろされる渾身の一撃。だがライヤにしてみればそれは、待ち構えていた攻撃で。
「叩き潰されるのは、そちらの方ですっ……このっ! 拳でっ!」
「ぐぁぁっ!?」
 金棒を回避しながら、その顔面に叩き込む全身全霊の拳。カウンターでそれを喰らった金童子は、ゴロゴロと地面を転がっていく。流石に鬼だけあってタフで、すぐに起き上がるが、土に塗れた顔は屈辱に染まっており。
「く……て、めぇらぁ……」
「あらあら、惨めなものね。親玉の癖に」
 そんな金童子に対し、畳み掛けるように煽る内方・はじめ(望郷の反逆者・g00276)。【飛翔】して、たっぷりと上から目線で見下す。
「それにしても、破廉恥な巫女さんといい、見てる方が寒くなりそうな格好よねぇ」
「ちっ、てめぇは、ぶくぶく着込んで暑そうじゃあねぇかっ!!」
 そんなはじめを睨み返すと、金童子は金棒を手に追いかけて来る。上空にいるこちらを、跳びながら迫って来るその姿を見ると、くっと喉を鳴らすように笑って。
「ピョンピョン跳ね回って……蚤か蛙みたいね。わたしに追いつけるかしら?」
「っせぇッ、その口、閉じやがれッ!」
 その挑発に激情を露わに、さらに加速する金童子。彼我の距離を強引に詰め、こちらに金棒を振り下ろしにかかる。合間に置いて盾にした木々ごと、豪快に叩き潰すような鬼の剛力。
「砕けろやッ!」
「否……砕けるのは貴様だ」
 その瞬間、落下軌道から逃れるはじめとすれ違うように、イルヴァが前に出た。迎え撃つように振り下ろす、豪快な大剣の一撃。それは、相手の脳天を打ち砕く……ように見せて、その手前に着弾した。豪快な衝撃によって、巻き起こる土埃。
「うぉっ……ちっ、そんなもん喰らうかよっ!」
 目潰しはやはり大した効果はなく、サッと片手で払いのけられる。そのままターゲットを変え、イルヴァを金棒で打ち砕こうとする金童子。……だが、イルヴァは戦いが始まってからずっと、相手の動きを観察していた。多少の策など踏み潰し、前に出てくるその思考についても。
「まだだっ!!」
「っ、ちぃっ!?」
 ゆえにそうして踏み込んできた所に、今度は下から剣を跳ね上げた。自らの足を支点に、相手の足元を掬い上げるような動きで体勢を崩させる。
 崩したのはごく僅かな時間だが、跳ね上げはすでに、次の攻撃に繋がっていて。
「これで……狙い通り、だ!」
「がッ……!!」
 首筋を狙う、重い斬撃。魂を糧とし、魂を蝕むその大剣が、深々と金童子の首に食い込み、血を噴き出させた。
 深い斬撃は、人間なら致命傷。鬼たる相手はまだ倒れないが、それでもかなりの苦痛に顔を歪める。
「てっ、めぇ……っ!」
「おっと、私の方も忘れてはいないわよね?」
 そして、魂を集めるのはイルヴァだけでもない。立ち込める昏い怨嗟と嘆きが、漆黒に凝縮され、はじめの砲身へと詰められる。その狙いはすでに、金童子の元に向けられていて。
「さあ、惨劇の犠牲者達の無念、恐怖、怨嗟をその身で味わいなさい」
「っ、がああああっ!」
 放たれる弾丸は、違わず相手に突き刺さる。恨みが、怨みが、鬼の身体を激しく苛む。ぐらり、とその巨体がよろめいて。
「さて、畳み掛けさせてもらおうか」
 そこにさらに、間合いを詰めるのは龍統・光明(千変万化の九頭龍神・g01001)。二振りの神刀を手に、ロングコートをたなびかせて、一気に駆け寄る。
「ちっ、てめぇら、止めろぉっ!」
「……ふん」
 金童子は咄嗟にパラドクスで鬼の配下を呼び、迫る光明を阻もうとする。だが、その合間を縫うようにして、一切減速する事なく間合いを詰める。
 振り下ろされる金棒も、彼を捕らえる事はない。どうしても隙間がなければ、白銀の脚甲による強烈な蹴りで、道をこじ開けていく。
「この程度で、俺が止められるとでも思ったか?」
「くそっ、役立たずどもがッ……させるかよっ!」
 静かに言い放つ光明に対し、金童子は苛立ちを露わにしながら金棒を振るう。常人なら砕けかねない衝撃……だが所詮パラドクスではない苦し紛れのそれを、ひらりと跳躍して回避して。
「その業、喰わせて貰う」
「ぐ、ぁっ!?」
 空中で二刀を振るえば、そこから放たれるのは極限圧縮された龍氣。顕現した双頭の龍が、
「さぁ、貴様の業を数えろ……」
「っぜぇんだよっ!」
 だが、金棒を支えにして、倒れず踏み止まる金童子。ギラギラと輝く瞳に、先程のような余裕は見受けられない。
「無念だ、怨嗟だ、業だぁ? 弱ぇヤツは、弱ぇから虐げられんだよ!」
「だったらっ! お前をここで負かしてやるっ!」
 そんな金童子を仕留めるべく、アンゼリカは再び空中から急降下を仕掛ける。大きく息を吸い込み、腹筋に力を入れると、全身から光を放出させて。
「私のめいっぱいで、叩き潰してやるっ!」
「調子に、乗んなっ……がっ!?」
 先程と同様の飛び蹴りを、金童子は先程と同じように叩き潰そうと棍棒を振り下ろそうとする。だがそちらに気を取られた所へ、はじめの魔弾が突き刺さり。
「頑丈なのは別に構わないけど、そろそろ退場したらどうかしら」
「っ、くそっ……はっ!?」
 それによろめき、慌てて立て直した時には、すでにアンゼリカの姿はない。まっすぐの飛び蹴りだと見せたそれは、直前でのフェイントで、背後に回り。
「喰らえぇっ!」
「ぐがあっ!!? て、てめぇらぁ……」
 強烈な衝撃を受け、地面を転がっていく金童子。するとその頭上に、再び光が差し込む。放つのはもちろん、ソラ。
「さぁ、ここがアナタのラストステージ! 熱狂の渦に呑まれなさい!」
「ッ……ぐっ……あああああああっ!?」
 そうして。降り注ぐ四元の光は、金童子を跡形もなく吹き飛ばした。

「……ありがとう。お陰で私はまだ、武士でいる事ができそうだ」
 折れた刀を胸に抱き、ディアボロス達に頭を下げる牡丹。
「でも、無理しないでくださいましね?」
「ああ、分かっている。これからは身の程を弁えて、人々を守るとしよう。……とりあえずは鍛え直し、だな」
 ライヤが気遣うように声をかければ、しっかりと頷きを返す。もう、彼女が折れる事はないだろう。
「また手間をかけさせるなよ。次同じ事をするようなら、先に俺が殺してやる」
「あ、ああ。もちろんだ、肝に銘じておく」
 イルヴァの威圧にも、もう恐れる事はない。いや嘘、やっぱりちょっと怖いが……まあそのくらい慎重なのがちょうど良いのだろう。

 そうしてディアボロス達は、新宿島に帰還する。……いずれ至るであろう、立烏帽子との戦いを思いながら。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【活性治癒】がLV2になった!
【怪力無双】がLV3になった!
【託されし願い】LV1が発生!
【建造物分解】がLV3になった!
【飛翔】がLV3になった!
【水源】LV1が発生!
効果2【ドレイン】がLV2になった!
【能力値アップ】がLV2になった!
【ダメージアップ】がLV9になった!
【反撃アップ】LV1が発生!
【ラストリベンジ】LV1が発生!

最終結果:成功

完成日2021年12月07日