鉱山のカナリアは鳴かない(作者 絲上ゆいこ
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#機械化ドイツ帝国  #ルール炭鉱破壊作戦 

●ルール地方のある炭鉱にて
 優美に飾り付けられた室内。冷たい瞳色をした女が、窓の外を見下ろしていた。
「随分と数が減りましたね」
 小さな囁き声。
 彼女の視線の先では、トロッコで運び出されてきた石炭を、労働者たちが荷車で一生懸命運び出している。
 石炭で真っ黒になった労働者は皆一様に首輪を付けているが、労働条件としては老若男女を問わぬらしい。
 大柄な男たちに混じって子どもや老人までもが、重たそうな石炭を苦しげに抱えている。
 しかしその姿はどう見たって、望んで働いているようには見えぬ疲労を抱えているように見え。
 その見立てを裏付るように、女が見下ろしている最中にも、荷車を引いていた痩せぎすの男がよろけて倒れ伏し。
 ……それからぴくりとも動かなくなってしまった。
「あのペースでは3日立ったって、今日のノルマが終わりそうにありませんね」
 女は興味を失ったように肩を竦め、瞳を伏せると長いまつ毛を揺らして。
「あなたたち」
 それから振り向くと、扉の前で控えていた筋骨隆々の男たち――プロトタイプ・ヴィクター・モンストロたちへと視線を移し。
「新たな労働者たちを仕入れて来てくださいな。その後は遅れを取り戻す為にも今日の二倍のノルマを課しましょう」
 女――この炭鉱を支配するクロノヴェーダ。
 ヴィクター・ブラウト『ツェツィーリエ』は、感情の伴わぬ淡々とした声音で告げた。

●ターミナル
「おはようございます! 本日もパラドクストレインにご乗車ありがとうございまーすっ!」
 元気に挨拶をした硯田・すずめ(天使のワールドハッカー・g03204)は、敬礼をぴしっとキメて。
「もうご存知かも知れませんけれど、不肖ながらわたし硯他からご説明させていただきますねっ!」
 頭を上げたすずめはディアボロスに、しっかり視線を向けて言葉を紡ぎ出す。
「皆さんの目覚ましい活躍と調査の結果! 機械化ドイツ帝国を支える資源が採掘されている鉱山が『ルール炭鉱』である事が判明しました!」
 彼女はさらさらと羽ペンを空中に走らせると、炭鉱と言う文字を書くと大きくバツを重ね。
「そこで本日は、炭鉱を支配するゾルダートの撃破をお願いしたいのです!」
 重要な拠点である炭鉱を閉鎖に追い込む事ができれば、機械化ドイツ帝国の戦略を狂わせる事ができます! と。元気に大きく腕を振るった。

「何を隠そう、この炭鉱に集められ働かされている皆さんは、ひとり残らず非合法な手段で攫われてきた方々なのです」
 不幸にも『労働者狩り』に遭い鉱山の労働者にさせられてしまった一般人たちは、ノルマを達成しない限り言葉を発する事もできなくなる首輪を嵌められて、過酷な労働を強いられているそうだ。
 しかし。そのノルマは坑道を一日で60m以上掘り進んだり、掘り出した石炭を10トン運び出す、なんて。到底達成する事が出来る訳も無い厳しいもの。
 ――ゾルダートたちは達成すれば首輪と外すと言う飴を用意した上で、決して達成できないノルマを与えて労働者たちを縛り付けているのだ。
 その上趣味の悪いことに首輪は無理やり外そうとしたり、鉱山から脱走しようとすると、爆発してしてしまうのだとすずめは告げてから、とびきり悪戯っぽく笑った。
「ですが……皆さんならば、その位ちょっと頑張れば達成できちゃいますよね?」
 そう。
 逆に言えばノルマさえ達成すれば、首輪は外して貰えるのだ。
 実際一般人であれば、決して達成することは不可能であろう。
 しかし、ディアボロスであれば――。
「と、言うわけで皆さんには、一度攫われて労働者になって頂きまーす!」
 労働者として攫われ鉱山に侵入して、労働ノルマを達成し、首輪を外された一般人労働者から情報を聞き出して敵の居場所を掴み、撃破する。
 なんて、すずめは空中にさらさらと目標を書き出して。
「次に労働者狩りが行われる町も、もう解っています!」
 ゾルダートたちが欲している資源は、『一般人が命がけで掘り出した資源』であろうと推測できる。
 資源を採取するだけならば、一般人を利用する必要なんて無いのだから。
 ……その為にゾルダートたちが攫う者たちの特徴は、純粋に資源を採取するのに適した力自慢。
 そして。
 いかにも重労働を課せば直ぐに死んでしまいそうな、弱そうな女・子ども、そして老人たちである。
「皆さんは自分の魅力を生かして、思わずゾルダートたちが攫いたく成るような素敵な被拐取者さんになってくださいね!」

 なんて、冗談めかしていたすずめは、一息。
「……攫われた一般人さんたちは、過酷な環境で話す事もできずに苦しんでいます」
 一刻も早く、皆を救ってあげて下さい、と彼女は付け足してから。
「そうそう。鉱山を支配しているゾルダートを撃破すれば、鉱山も崩落し、首輪の効力も失われるそうです!」
 そのどさくさで一般人の皆さんには逃げ出すように話をしておく事も忘れないでくださいね、と顔を上げて。
「それでは、出発進行です!」
 すずめはもう一度ぴしっと敬礼をした。

●炭鉱、トロッコ前
「……ぐ……っ」
 荷車を引いていた、名前も知らぬ痩せぎすの男が突然ふらついて倒れた。
 がしゃんと大きな音を立てて、彼の引いていた荷車も倒れ。
 大量の石炭が地へと投げ出される。
「……」
 喋ることを禁じられている少女は、無意識に首輪に手を寄せてかぶりを振ると、倒れた男から視線を外し。
 荷車を立て直してから、地へばら撒かれてしまった石炭を拾い出した。
「……」
 ひゅうひゅうと浅い呼吸を続ける男は、過労からか、または栄養失調からか。
 どちらにせよ、もう動き出す事も無いように見えた。
 少女はこのような状態に陥った者を、何人も見てきていた。
 採掘中に天井が崩れて潰された者を、何人も見てきていた。
 突如飛び出した鉄砲水に流され、帰ってこなくなった者もいた。
「……」
 意識もしていないのに、ほろほろと少女の瞳から涙がこぼれだす。
 ……ああ、かみさま。
 かみさまがもしいるとしたら、……どうして私を助けてくれないの。
 ああなってしまうのは、明日には私かもしれないのに。


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【士気高揚】
1
ディアボロスの強い熱意が周囲に伝播しやすくなる。ディアボロスから「効果LV×10m半径内」の一般人が、勇気のある行動を取るようになる。
【飛翔】
1
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【怪力無双】
6
周囲が、ディアボロスが怪力を発揮する世界に変わる。全力で力仕事をするならば「効果LV×3トン」までの物品を持ち上げる事が可能になる。
【強運の加護】
3
幸運の加護により、周囲が黄金に輝きだす。運以外の要素が絡まない行動において、ディアボロスに悪い結果が出る可能性が「効果LVごとに半減」する。
【一刀両断】
1
意志が刃として具現化する世界となり、ディアボロスが24時間に「効果LV×1回」だけ、建造物の薄い壁や扉などの斬りやすい部分を、一撃で切断できるようになる。
【照明】
1
ディアボロスの周囲「効果LV×20m」の空間が昼と同じ明るさに変化する。壁などで隔てられた場所にも効果が発揮される。
【腐食】
2
周囲が腐食の霧に包まれる。霧はディアボロスが指定した「効果LV×10kg」の物品(生物やクロノ・オブジェクトは不可)だけを急激に腐食させていく。
【罪縛りの鎖】
2
周囲に生き物のように動く「鎖つきの枷」が多数出現する。枷はディアボロスが命じれば指定した通常の生物を捕らえ、「効果LV×2時間」の間、移動と行動を封じる。
【友達催眠】
1
周囲の一般人を、誰にでも友人のように接する性格に変化させる。効果LVが高いほど、昔からの大切な友達であるように行動する。
【熱波の支配者】
1
ディアボロスが熱波を自在に操る世界になり、「効果LV×1.4km半径内」の気温を、「効果LV×14度」まで上昇可能になる。解除すると気温は元に戻る。
【光学迷彩】
2
隠れたディアボロスは発見困難という世界法則を発生させる。隠れたディアボロスが環境に合った迷彩模様で覆われ、発見される確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【エイティーン】
1
周囲が、ディアボロスが18歳から「効果LV×6+18」歳までの、任意の年齢の姿に変身出来る世界に変わる。
【無鍵空間】
1
周囲が、ディアボロスが鍵やパスワードなどを「60÷効果LV」分をかければ自由に解除できる世界に変わる。
【完全視界】
2
周囲が、ディアボロスの視界が暗闇や霧などで邪魔されない世界に変わる。自分と手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人にも効果を及ぼせる。
【活性治癒】
5
周囲が生命力溢れる世界に変わる。通常の生物の回復に必要な時間が「効果LV1ごとに半減」し、24時間内に回復する負傷は一瞬で完治するようになる。
【土壌改良】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の地面を、植物が育ちやすい土壌に変える。この変化はディアボロスが去った後も継続する。
【建造物分解】
1
周囲の建造物が、ディアボロスが望めば1分間に「効果LV×1トン」まで分解され、利用可能な資源に変化するようになる。同意しない人間がいる建造物は分解されない。
【操作会得】
2
周囲の物品に、製作者の残留思念が宿り、ディアボロスの操作をサポートしてくれるようになる。効果LVが高い程、サポート効果が向上する。
【ハウスキーパー】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の建物に守護霊を宿らせる。守護霊が宿った建物では、「効果LV日」の間、外部条件に関わらず快適に生活できる。
【アイテムポケット】
1
周囲が、ディアボロスが2m×2m×2mまでの物体を収納できる「小さなポケット」を、「効果LV個」だけ所持できる世界に変わる。

効果2

【能力値アップ】LV10(最大) / 【命中アップ】LV1 / 【ダメージアップ】LV6 / 【フィニッシュ】LV1 / 【反撃アップ】LV2 / 【先行率アップ】LV1 / 【ドレイン】LV5(最大) / 【アヴォイド】LV3 / 【ダブル】LV3 / 【ロストエナジー】LV4

●マスターより

絲上ゆいこ
 こんにちは、はじめまして。お久しぶりの方は、お久しぶりです!
 絲上ゆいこ(しじょう・-)と申します。
 今回は機械化ドイツ帝国が舞台です、よろしくお願い致します。

●目的:アヴァタールゾルダート、ヴィクター・ブラウト『ツェツィーリエ』の撃破
 炭鉱を支配している彼女を撃破すると、鉱山の区画は崩壊して採掘不能になります。
 ここは戦闘を目的とした施設では無い為か、ゾルダートもあまり配置されていません。
 敵となるのは、ツェツィーリエ及びその配下のプロトタイプ・ヴィクター・モンストロ3体です。

●やること
 ②敵に誘拐される囮作戦。
 まずはとても治安の悪い町で、思い思いの『悪い炭鉱に労働者として誘拐されそうな一般人』を演じて頂きます。
 すぐ死にそうなとても貧弱な者を装ったり、逆にとても強そうな者を装ったり、アピール方法は様々!
 路地裏などを無防備に歩いて、プロトタイプ・ヴィクター・モンストロに気軽に攫われて下さい!!

 ①鉱山重労働。
 無事に攫われて侵入に成功してから、選んで欲しい選択肢です。
 一般人労働者たちと一緒に労働してノルマをクリアする事で、首輪を取ってもらった一般労働者たちから、敵の情報を得て下さい。
 労働者の首輪をつけている間は、ディアボロスでも会話をする事はできませんので、コミュニケーションは気合で取ってくださいね。
 ノルマが達成できなかった場合は、皆さん一律で罰が与えられまーす!

 本日のノルマお品書きは、
 坑道を60m以上掘り進む。
 掘り出した石炭を10トン運び出す。
 染み出してきた地下水でびちゃびちゃになった区画をどうにかする。
 だ、そうです。よろしくお願い致します!!

 ②と①が終えてからは、敵を撃破に行っていただければ嬉しく思っております!
 それでは、素敵なプレイングをお待ちしておりまーす!
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このシナリオは完結しました。



発言期間は終了しました。


リプレイ


宮生・寧琥
ねーこはさー…そーゆぅの、ホントよくないと思ぅ…
さらわれるのとか、むりやり働かされるのとか、めっちゃこわい…けどぉ
でも、こーゆぅの、ねーこヤだから
がんばって、さらわれ、るっ!

えっとぉ…日本だと、一人で、人目につかない道帰ってるときとかあぶない…よねぇ?
よわそーな子なのは、ねーこ多分クリアしてるしぃ
つまり、ねーこがそこにいれば、すぐさらってもらえる…!?
…。
えぇー、うれしくなぃぃ…
でも、ねーこはがんばるねーこだから、何かイイ感じの路地を見つけて、一人でのろのろ遊んでおくっ
さらう役の人たちが来ても、気づいてないふりー…

ぴ!やっぱりこわい!
あーん、はなしてぇ~!!
って、攫われていくねーこであった


ミサゴ・ゾーリンゲン
人に首輪嵌めて飼いならすってのはいい性癖してんな。
歪んでやがる。

町がわかってて狙われる人も当たりが付けられる
それならやりようは幾らでもある

狙われるだろう弱そうな女性、子どもに当たりを付けてその傍で待機
彼ら、彼女らが誘拐されそうになったらそれを庇うためにゾルダートの前に出る
立ち向かって直接腕っぷし、他の人間よりも力がある事を示してやれば攫う対象がこっちに移るだろ。たぶんな

……それに、狙われた人をついでに逃がせるし
ちっさい子どもが親元からちょっとでも引き剥がされるのがいいわけはないしな


多少殴られるのは我慢してやるよ
あとで覚えとけよな


●誘拐は犯罪です
 茜色に染まった空は、町の影を長く長く伸ばしている。
 きっと半刻もすれば、この町は夜の色に包まれているのであろう。
 落書きのされた古臭い壁に、舗装もされていない土が剥き出しの街路。
 そこかしこに積み上げられたままのゴミは、随分と長い間そこに放置されているのだろうと感じさせる風化具合。少し道を曲がったと思えばすぐに行き止まりに行き当たる細い路地の多い、入り組んだ迷路のような死角の多い道。
 大きな黒い獣尾を揺らす黒狐の少年――ミサゴ・ゾーリンゲン(カムイチカフ・g00067)は、聞き及んでいた通りの治安が悪そうな町並みを歩んでいた。
「……ん」
 そんな治安の悪そうな町の路地裏の暗がりに、小さな少女が一人で座りこんでいるのが見えた。
 この町にゾルダートが現れる事を考えれば――きっと狙われるのは、ああいう子どもだろ、と。
 かぶりを振ったミサゴはゴミ山の影へと身を潜めて、少女の動向を見守りだした。
 ――なによりちっさい子どもが親元から引き剥がされるのは、ミサゴにとって気分の良い事では無いのだから。
 この石はちょっとドーナツに似てる。この石はひつじみたい。
 薄暗い路地裏の階段に腰掛けて。
 なんとなく石を積み上げて一人遊びしている、ああいう子ども――宮生・寧琥(ちっちゃくて、あったかい・g02105)は、ミサゴよりひとつお姉さんである。
 寧琥は自身が決して、強そうに見えない事をちゃんと理解している。
 だからこそ。
 こういうイイ感じの路地なんかで一人遊びをしていたら、ゾルダートもきっと、きっと攫いに……。
「……」
 あのさー、あのさぁー……、ねーこはそーゆぅの、ホントよくないと思ぅんだよねぇ……。さらわれるとか、めっちゃこわいんだけどぉ……。
 寧琥は二つに括った髪先を指でくるくると弄りながら、目線を地に落として困った顔。
 んんん~~。でも今日のねーこはがんばるねーこだからさー、がんばるけどぉ……。
 一人百面相、気持ちに活を入れなおした寧琥は両拳をきゅっと握りしめ。
 決意を眠たげなはちみつ色の瞳の奥に籠めて顔を上げた、瞬間。
「ぴっ!?」
 土埃をもうもうと上げて屋根の上から降り立ってきたプロトタイプ・ヴィクター・モンストロの姿に、肩を跳ねたポーズのまま、寧琥は目をどんぐりのようにまあるくしたまま固まってしまう。
 しばし二人は、見つめ合い。
「あ、あ~ん、まって、まってぇ、こ、こわい!?」
 ぴゃっと瞳から涙が零れ落ちて、にらめっこは寧琥の負け。
 攫われると決めていても、いざ攫われるとなると怖くなってしまうもの。
 ね、ねーここーゆぅの、ほんとヤなんだけど!?
「おい」
 そこに身軽なステップで彼女を守る形で割り入ったのは黒狐の少年――彼女を陰ながら見守っていたミサゴは寧琥を背に覆い隠すように、モンストロに啖呵を切って。
「えええ、えと、……」
 あっ、あっ。
 寧琥はどう見たって仲間であるディアボロスに守られてしまって、あわあわするばかり。
 そんな二人の前に立つモンストロは、邪魔なミサゴを先に黙らせる事にしたのであろう。大きな拳を振りかぶって、水平に彼へと叩き込み。
 ミサゴはその拳の動きを見切って、自ら横っ飛び。殴りつけられる威力を殺して、地を転がった。
 そこで。
「……ア?」
 目をまあるくしたままの寧琥が、ディアボロスであったことに気がついた。
 少しだけ驚いて、ミサゴが一瞬動きを止めてしまった、刹那。
 ゾルダートが振り下ろした拳に強かに頭を殴りつけられ、そのまま小脇に抱えられ。
「あ、あーん、はなしてぇ~~!」
 寧琥もぱたぱた身体を捩って抵抗するも、簡単に持ち上げられてしまった。
「……」
 ミサゴはそのまま目を瞑って、ぐでっとした振り。
 いいや、割りと普通に頭はズキズキしているのだけれども。
 ……ま、人に首輪嵌めて飼いならすような歪んだ性癖の奴らに、一般人が攫われなくて良かったけど。――しかしこいつ、殴りやがったな……あとで覚えとけよ。
 なんて、内心復讐を誓い。
「ぴーっ」
 逆の腕に抱えられた寧琥は、手足をぱたぱたまあまあ嫌がる振り――いいや本気かもしれない。
 ともかく。
 二人はモンストロに抱えられ、無事誘拐されて行くのであった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【無鍵空間】LV1が発生!
【完全視界】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!

白臼・早苗
誘拐の時点で許せない事だけど、その目的は衰弱死させるためだなんて、絶対に許せない
奴らに一泡吹かせる為にも、今はただただ雌伏の時かな

世間知らずを装って、労働者狩りが行われている町でうろうろと彷徨うよ
無知な少女が何も知らずに路地裏に1人というシチュエーションなら、絶交だよね
モンストロが近寄ってきた際も警戒心を持ってないかのように自分から近づき、「母を見ませんでしたか?」のようなことを言って、自衛力の無い存在だと思わせよう
念には念を入れて、力づくで掴まれた際も抵抗は弱弱しく、「ひ、人違いじゃありませんか?」と何も分かってないかのようにふるまうよ


●純真無垢
 彼女の臀部から伸びる尾が、悲しげにゆらゆら揺れる。
 空の茜色も届かぬ路地裏は薄暗く、埃っぽい匂い。
 どこかうら寂しい通りを、とぼとぼ一人の少女が歩んでいた。
 空の色を宿しす瞳に浮かぶは、哀色。
 周りを見渡して漏らす、困ったような細いため息。
「……、おかあさん……」
 吐息と共に溢れた言葉からすれば、きっと彼女は迷子なのだろう。
 しんと静まり返った道に、最初から何もなかったかのように彼女の呟きは溶ける。
 この通りに彼女はひとりきり。母親の姿なんて、どこにも見当たりはしない。
「!」
 しかし。道の奥に立っている大きな誰かの影を認めた少女は、ぱっと頬を綻ばせて駆け出した。
 その姿はまるで、誰かに尋ねれば母親が見つかると思い込んでいるような足取りに見えるだろう。
「あ、あの!」
 駆けた少女――白臼・早苗(深潭のアムネジェ・g00188)は息を弾ませて。
 ぱっと花が咲いたような微笑みを浮かべたまま、大きな人影へ声を掛ける。
「……おかあさ、……母を見ませんでしたか?」
 彼女が声を掛けた相手は、プロトタイプ・ヴィクター・モンストロ。人々の誘拐を企てる、もはや見た目からして悪い者だ。
 そりゃ早苗だって普段ならば、こんな風に声を掛けたりしないけれど。
 今は、今は、奴らに一泡吹かせる為に雌伏の時。
「……」
 警戒心のかけらも持ち合わせていないような立ち振舞いで話しかけてきた早苗を、モンストロは鉄仮面の奥から値踏みするように睨めつける。
 彼女の姿はこのような治安の悪い街に、存在するわけもない純真無垢なる少女に見えた。
 しかし。
 モンストロは決して、難しいことを考えはしないクロノヴェーダだ。
 攫いやすそうな少女が自分から声を掛けてきた事をただの幸運として、早苗をモンストロは小脇に抱えこむ。
「……えっ!? あ、あのっ……!?」
「……」
 ひょいっと持ち上げられてしまった早苗は目を丸くして、わたわた。
「も、もしかして母の所に連れて行ってくれるのですか……?」
 そんな訳は無いのだけれども。
 何も理解していないように振る舞う早苗の弱々しい抵抗を構うことも無く、モンストロは彼女を抱えて歩みだした。
「あの、人違いじゃ、ありませんか……!?」
 なんて、早苗は瞳を閉じる。
 第一段階は成功、って所かな。
 ――絶対に許さないからね。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【活性治癒】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!

東禅寺・征緖
【春雪】
困っている人を助けるのがシスターの役割よ!
まずは敵に誘拐されなきゃならないわね
アタシは春一ちゃんの様子を見ながら後ろについて見守りましょ

春一ちゃん、可愛らしい見た目だから力自慢は信じて貰えなさそうだわ……
まぁでも上手く連れて行かれそうな感じだから、アタシも向かいましょ

えっ、アタシ?アタシも勿論貧弱な一般人枠
……違う?嘘よね、どう見ても善良でか弱いシスターじゃない
つべこべ言うなだなんてシャイな子ね!いいわ、付き合ってあげちゃう
それに春一ちゃんは友達なの、その子も連れて行くならアタシも行くわ

春一ちゃん、今は堪えて堪えて
此処で暴れちゃ作戦が台無しだもの、今は大人しく連れて行かれましょ


樹・春一
【春雪】
力自慢ですね! 任せてください! これで見た目以上に腕力も持久力もあるのです!
えっ、子供枠? 何故ですか!

まあその、元々シスターってそんな強くなさそうな格好なので、このままうろうろしてればいいですよね
本当は最強の装束ですが! 力強さの証ですが!
猫でも探しながら注意散漫にしてれば【誘惑】効果も相まってささっと拾い上げてくれるでしょう
大変癪ですが!!!

ううっ、我慢です僕!
うっかり反撃でもしようものなら悪を粉砕してしまいかねません!
ここは声を出して発散しておきましょう
シスター・スノーコード! 助けてください!
悪漢です! 変質者です! 誘拐です~!
ついてくるのではないのです! 助けるのです~!


●シスター・スクランブル
 いかにも治安の悪そうな、がらくたの積み上げられた視界の悪い通り。
 歩み寄る者の気配を感じ取った様子で、しなやかに尾を跳ねさせた猫がひょいっとガラクタの上へと飛び乗った。
「まあ! 猫ちゃん!」
 シスター服に身を纏った樹・春一(だいたいかみさまのいうとおり・g00319)は、いつものようにまあまあデカい声とぴっかぴかのシスタースマイルで野良猫に微笑みかける。
 猫ちゃんは生まれからして、尊い生き物だ。
 眺めているだけでも脳内から幸せ物質がドガドガ発され、見るもの全てを幸福へともたらす素晴らしい生き物なのだ。
 春一はここで出会えた幸運を神に感謝しながら、自らの尻尾をひらひら揺らすと、猫の視線をじっと引きつけて。
 ――やってるわね、春一ちゃん
 猫と戯れる春一を、物陰から優しく見守る美しき影。
 それは金色のような柔い髪を清楚なウィンプルに包んだ、気は優しくて力持ち。
 巨大な鬼人のシスター東禅寺・征緖(シスタースノーコード・g01483)の姿だ。
 立派にうきうきわくわくぽんやり子ども枠を演じている春一を、征緖は腕を組んでウンウンと見守っている。
 もちろん彼が見た目以上に力自慢である事くらい、征緖はよくよく知っているけれども。
 ――とてもあの可愛らしい見た目からは、そんなの想像つかないわよね……。
 彼の強さと見た目のギャップを重々承知しているからこそ、ほうと頬に手を当てた征緖はかぶりを振り。
 そこで突然。
 春一の前で尻尾をじっと見ていた猫が、慌てて逃げ出した。
「ああっ!」
 逃げていってしまった猫の尾を残念そうに見送った春一は、それから自らの横に立ち塞がった大きな影……プロトタイプ・ヴィクター・モンストロへと、ゆっくりと振り返る。
「こんにちは! 何でしょうか! もしかして僕に何か御用ですか?」
 ただ通りすがるにしては、この距離感はあまりに近い。
 もしかしなくても、これはあまり強そうな見た目をしていない僕を攫おうとしているのですね! なんて。春一はとっても聡いので理解してしまう。
 なんたって、シスター服はあんまり強くなさそうに見える格好だ。
 いいやいいや。
 本当はシスターと言えば最強だし、力強さの証だと言う事も知っている。
 姉さんだって全部殴り倒せば勝ちだっても言っていた。
 しかしまあ、世間一般のご意見にも耳を貸す事は必要ですからね!
 真実は春一の心の中にあれば、それは信じる力となるものだ。
 子ども扱いは、大変! 大変!! 大変!!! 癪ではありますが!!!!!!!!
「……」
 モンストロは春一の葛藤を知る筈も無く、彼へと一歩詰め寄って。
 思わず一歩後ずさった春一は、ぎゅっと拳を握りしめて自らを制止する。
 ――我慢、我慢です、僕!
 うっかり反撃なんかしてうっかり悪を粉砕してしまえば、この作戦は御破算です!
 ならばせめて。
「――助けてください!!! 悪漢です! 変質者です! 誘拐です~っっ!!!!」
 大きな声を出して、このもやもやを発散するくらいは許されるだろう。
 その声に驚いたようにモンストロが春一の口を押さえると、一気に俵抱きで掲げあげて――。
「春一ちゃん!」
 刹那。
「むむむー・むむーむーむー!(シスター・スノーコード!)」
「春一ちゃんを誘拐しようっていうのね!?」
 そんな彼を慮りかばうように駆け寄ったのは、どこからどう見たって超か弱い190cm超えのシスター、征緖であった。
「!」
 春一を小脇に抱えたモンストロは、思わず一歩引いてしまう。
 征緖の巨躯から突然攻撃を仕掛けられたら、無事では済まないとの判断だ。
 そんな敵の思考を知ってか、知らずか。
 征緖はツカツカとモンストロに詰め寄ると、モンストロの開いたほうの手をぎゅっと握って真っ直ぐに視線を交わして――。
「その子は友達なの! その子を連れて行くっていうのなら、アタシも行くわ!」
「……??」
 鉄仮面の下でモンストロが、困惑している気配を感じる。
 もうひと押しね!
「アナタ、か弱い子を攫おうとしているのでしょ? アタシも行くわ」
「????」
「……シャイな子ね! いいわ、付き合ってあげちゃう!」
「むむむー・むむーむーむ! むむむむむむむむむーむむ! むむむむむむむんむむ~~!!」
 困惑するモンストロの開いている腕にぎゅっと腕を絡めた征緖。逆の腕に抱えられたまま、騒ぎまくる春一。
 ――困惑しまくったモンストロは、しばしその場に立ち尽くしてから。
 結局主の命を果たすべく。
 あと普通に力自慢っぽいので、征緖も連れ帰る事としたのであった。
 ……なんとか作戦は成功したみたいね。
 今は大人しく従うべき時だ。
 征緖は春一にウィンクを一つ、モンストロに寄り添って歩みだすのであった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【怪力無双】LV1が発生!
【活性治癒】がLV2になった!
効果2【能力値アップ】がLV2になった!
【ドレイン】がLV2になった!

護藤・勇佐季
※共闘・アドリブ歓迎

カス共らしいやり口だ、頭にクるぜ。

俺自身、人相は悪い方だ。
ちょっと服や装備を汚して、顰めっ面で肩で風を切る感じで歩けば、拐われても誰も気にしないようなチンピラの完成ってワケだ。
力仕事だ、居なくなっても問題なさそうなガタイのいい成人男性なんて絶好のカモだろうよ。

拐われやすいように路地裏をブラつく。
薄汚れたチンピラなんて、そういう場所に居ても違和感なんざ欠片も浮かばねェはずだ。
もし他に似たような一般人が近くにいたら、因縁付けて追い払うか。
力のアピールにもなるし、何より一緒に捕まったら寝覚めが悪ィ。


青天井・イカス
※アドリブ・連携歓迎

誘拐に強制労働ネぇ…手本になリそウな悪人ムーブ
おミゴト、オ見事
褒めチャいネェが

ンじゃ、俺は浮浪者に成リすまシて、文字通リのお邪魔するトしますカね
奴サンらも、労働者候補のガードが固クなるノは望マねぇだろウ
イなくなッて騒ギがデカくナる奴よカ、イなくナッても気ヅかれナイ人間のガ都合イイはずダ

ッつーワケで、ボロ布、ボロ服、手足顔の見エるトコは泥デ汚してレッツ変装
路地裏に布敷イて、壁に寄っ掛カり、ココに今にモ死にソーなヤツいますッテ、ゴホゴホ咳でモしテおくゼ
実際はモウ死んでンだガ

命懸ケれる労働者をお望ミみテェだガ、生憎こちとラ懸けル命も無クてナ
残念ハズレって、バレないよう舌出しトクぜ


●ドリフターズ
 据えたような匂いが、むっと漂う裏路地。
 一度火を点けてから消した紙巻きたばこ……シケモクをポケットから取り出して、火を灯すと一口。
 煙を吐き出すと、同時に濁った苦しげな咳がこぼれた。
「……はあ、……ゲホ……」
 泥にまみれた肌、ボロボロの衣服。
 薄汚れた壁と積み上げられたコンテナの隙間に敷いたボロ布の上に座り込んだ青天井・イカス(このうえなく・イカス・g02133)は、いかにも帰る場所も無く路上で生活をずっとしてきたといった姿で、肩を竦めたままぷかぷかと煙を吐き出す。
 ……誘拐に強制労働。全く全く、おミゴトお見事。
 全然褒めちゃいない称讃を、内心贈ったイカスはまた煙を一口。
 ゲホゴホゲホ。
 ――お手本のような悪人ムーブにゃァ、イなくなッて騒ギがデカくナる奴よカ、イなくナッても気ヅかれナイ人間のガ都合イイはずだろウ?
 生贄が欲しイのなラ、今にも死にそウな俺は、奴サンらにとってごちそうに見エるハズだ。
 道行く人々はそんなイカスと目を合わそうともせずに、スタスタと歩んで行く。
 そこに。
 肩で風を切って歩んできたのは、護藤・勇佐季(新宿理心流・g05829)の姿であった。
 もとよりガタイも良く、強面の勇佐季は少しばかり顰め面をすれば、笑う子も泣く立派なチンピラとして完成してしまう。
 そんな『如何にも』仕上がった様子の勇佐季の前へと、イカスの吸うタバコの煙がふわりと絡みつき。煙にうっとうしそうに眉を寄せた勇佐季は、煙草を吸うイカスを睨めつけ見下ろした。
「あァ? てめぇ、誰に断ってそんな所で寝てんだ」
「ァ……」
 いかにも声が掠れてしまった、と言った様子で、イカスは返事もせずに咳き込んだ。
 ――本当は。
 二人とも相手が同じ仲間だという事は、先程同じ列車に乗っていた事から重々承知している。
 しかし、しかしだ。
 かたや、ぜいぜいと咳き込み続ける死に体の、宿無し路上生活者めいた男。
 かたや、人相も決して良くはない、街の鼻つまみ者といった体の厳しい男。
 きっとどちらがこの街から居なくなったって、誰も騒ぎはしないだろうと思われる者達の諍いを演出する事は、人払いとしてあまりに都合が良かった。
 一般人たちは狙い通り、いかにも煙たそうに表情を曇らせて。
 蜘蛛の子を散らすように一般人が散って行く様に、二人は内心笑ってしまいそうになる。
 アア、それでイイ。良い子でお家に帰ルんダよ。
 まかり間違えて一般人が捕まるのは、目覚めが悪ィからな。
 そうして人払いを終えた路地裏で、視線を交わしあう二人へと近づいて来たのは、二人よりもずっと大きな男――プロトタイプ・ヴィクター・モンストロであった。
 彼は近づきざまに、ほぼノーモーションで勇佐季を力任せに殴りつけ。
「ぐうっ」
「アー……、ゲホッゲホッ……」
 思わず鈍い声を漏らした勇佐季は、その勢いにコンテナをばきばきと破壊しながら倒れ伏す。
 見た目通り、敵の力はそこそこ強いらしい。
 痛覚を忘れてしまったイカスには痛みまでは理解出来ぬがいかにも痛そうな音がした、と思う。
 しかしどれだけチンピラを装っていようが、勇佐季だって剣術家。なによりも、腕に覚えのあるディアボロスなのだ。
「てめぇ、何しやがんだ!」
 痛そうな音を立てながらもきちんと受け身を取っていた彼は、壊れたコンテナの間から顔を覗かせると、壊れたコンテナを更に叩き潰し。モンストロへ噛みつかんばかりの勢いで顔を寄せると、吠えた。
 そんな如何にもなチンピラムーブに、モンストロは鉄仮面の奥で気持ちを決めたらしい。
「……ぐうっ!?」
 返事代わりに勇佐季の頭を掴んで片手で持ち上げる事で言葉を奪ったモンストロは、次いで咳き込むイカスを値踏みするように見下ろした。
「……ヒ……ッ」
 イカスは怯えたような声を漏らしてあげる。
 命を懸けられる労働者を探しているのならば、今にも死にそうな姿を装おってあげよう。なんたって誘拐さえされれば、第一段階は大成功なのだから。
 そうして。
 無事、と言うべきか。モンストロが逆の腕でイカスを捉えてくれれば、イカスは内心舌を出す。
 残念、ハズレ。
 ――生憎もう死んでンだ、懸けられる命も無イんダ。
 なんて。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【ハウスキーパー】LV1が発生!
【強運の加護】LV1が発生!
効果2【ダブル】LV1が発生!
【アヴォイド】LV1が発生!

薬袋・透
ブラック企業が可愛く見えるレベル……おまけに力自慢ならともかく弱い立場の人間を狙うなんて思い切り裏がありそうね?

ボロを纏いいかにも病におかされ直ぐに死にそうな擦れた女の演技
自慢の尻尾や翼もなるべく脱力させ無気力に見せかける
あとは咳き込みながら帝国への愚痴でもぼやいていようかしら
生活が楽にならないとか病気で苦しむならいっそのこと…とか
血糊も吐いてみたらリアリティ増すかも?

奴らが騙されて引き寄せてくれたら儲けもの
「な、なんなの貴方達!?」と
形ばかりの抵抗をしつつ内心しめしめとばかりに誘拐されるわ
アドリブ絡み歓迎


神之蛇・幸人
ばあちゃんや妹と同じくらいの歳の人も、働かされてるんだろうな
どうせ攫われるなら、体力のなさそうな人の身代わりになれるほうがいい
路地裏でそういう人を見かけたら、少し離れて後をついてく

……たぶん、物盗りかなにかに見えるんじゃないかな
うん、振る舞いもそんなふうにしてみようか。
あからさまには近付かない。
でも、値踏みするみたいに、隙を窺うように見てる感じ……とか?

怖がらせるかもしれないのは申し訳ないけど、攫われるよりはきっといい。
それに、悪いやつに見えたなら。
もし攫われるところを見られても、相手の心がそんなに痛まないかと思って

捕まるときに軽く抵抗すれば、
周りの人が逃げるくらいの時間は稼げるかな



 神之蛇・幸人(黎明・g00182)はふらふらと杖を突いて歩むお爺さんの足取りに合わせて、一定の距離を保って歩んでいた。
 この街は今、老若男女、体力がありそうな者も、無さそうな者も。どのような者でも攫われる可能性がある。
 その事実を聞いた際に幸人の脳裏に過ぎったのは、自身のばあちゃんや妹の姿であった。
 ――どうせ作戦の上で攫われなければならないのであれば。一人でも助けたいと、幸人は思ってしまうのだ。
 元より治安の悪い街だ。あからさまに近づいて居なくとも、怪しげな道を一人歩きする者を値踏みするように窺うだけで、慌てて人々は逃げて行く。
 物盗りのように思われているのならば、それはそれで良い。怖がらせているかもしれないけれど、それで自主的に避難をしてくれているのならば。攫われるより、ずっと良いと幸人は思うのだ。
 しかし。
 先程から追いかけているこのお爺さんは随分とのんびり屋さんのようで。付かず離れず、様子を窺っていてもなかなか逃げてくれないものだから。幸人はじっと彼を見守るような形になりつつ在った。
「けほ、けほ……っ」
 そんなお爺さんの歩む先に、一人の女が苦しげな咳を零していた。
 ――襤褸切れのような服。
 メイクによって、青さを増した肌。
「げほっ、ごほっ」
 黒い龍尾や翼をだらんと力なく垂れ下がらせた彼女が咳こむと、乾いた音に混じって血色が口からこぼれ落ちる。
 薬袋・透(無彩の魔女の系譜・g02087)の吐いた血は勿論本物では無く、用意した血糊だが、体調が悪そうな様子はアピールできているだろう。
「はあ……っ、はあ……っ、……苦しい。――こんなに苦しいばかりの生活なら……」
 お爺さんは怨嗟を吐き出した透と目を合わせないように、少しばかり速度を上げて歩み出す。
 そりゃあ治安の悪い街中で、路地裏でブツブツ言いながら吐血する女は怖いだろう。
 透は内心、少しだけ可笑しくなってしまう。
 ……僕だってそう思うから、早く逃げてね。いまから現れるであろう誘拐犯は、弱い立場の人間もお構いなしに狙うようだもの。
「……それならばいっそのこと……」
 演技続行。
 透がふるふるとかぶりを振ると、埃を被った彼女の赤髪に影が落ちた。
 それは先程まで姿も見えなかった、巨躯の影。
 プロトタイプ・ヴィクター・モンストロが、建物の上から降り落ちてきた影であった。
「ひ、ひええーっ!? な、なんなの貴方!?」
 ずしん、と砂埃を上げて着地したモンストロに、透は目をまあるくして、半分本気、半分演技の驚いた声を上げる。
 それを目撃してしまったお爺さんが、驚きからか思わず足を止めてしまっているものだから。
 ――幸人はそちらへと向かって、一気に距離を詰めた。
 透がディアボロスなのは、先程まで乗っていた列車の中で顔を見たので分かって居る。
 だからこそ、彼女に関しては心配はしていないが――。
「……お金、出して」
「……ひいい……ッ!」
 このままではお爺さんまで巻き込まれてしまうと判断した幸人は、どさくさに紛れて物盗りをしようとしているかのような言葉を口にした。
「いやあーっ、止めなさい!」
 二人が悶着を起こしている間にも、モンストロは透を抱き上げて。彼女は身を捩って抵抗する振りをしながら、大きな声を上げる。
 幸人がお爺さんを逃がそうとしている事を察したからこそ、当初の想定よりも大きく身体を透は動かす。――それは、この隙に逃げなさいねと彼女が身体で訴えているように、幸人には感じられた。
「た、助けて……ッ!」
 そこに。
 お爺さんがやっと怯えた声をあげて逃げ出してくれるが、モンストロだって老人を逃すつもりはないらしい。合わせて駆け出そうとしたモンストロの前に――。
「逃がさない」
 割り入ったのは、まるでお爺さんを狙っているかのような言葉を吐いた幸人であった。彼はモンストロの進路の前へと滑り込み、体当たり気味に突っ込むことでモンストロの動きを止めて。
「ひいい~~っっ」
 駆けて行く老人の速度は決して速くはないけれども、幸人につまずいたモンストロが追いつけるほどの距離でも無いだろう。
 強かに地へと転がされた幸人はモンストロに拾い上げられながらも、お爺さんが逃げていった方向へと瞳を眇める。
 もしかするとモンストロと幸人は仲間だと、お爺さんには思われてしまったかもしれない。
 ――それでも良い。
 もしそれで悪いやつに見えていたのならば。こうやって攫われていたって、あのお爺さんの心はそんなに痛まないだろうから。
「離してえ!」
 透のあげる悲鳴も一般人を逃がす事を成功した事に、どこか弾んでいるように聞こえた。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【怪力無双】がLV2になった!
【操作会得】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV3になった!

峰上・悠凪
人をさらって過酷な労働をさせる……酷いね。
はやく斬りにいきたいけど、捕まってる人たちのためにもまずは中に入り込まないとね。

……大げさな演技って下手だし、攫われる確率が高そうな体力がある所をアピールしてみようかな。実際体力には自信あるからね。

攫いやすそうなひと気のない場所なんかを探してそこで木刀で素振りをしながら体力のある所をアピールして攫われるのを待つね。
呼吸を整え真剣だったら鎧を両断するような勢いで木刀を振ってれば力自慢のアピールにもなりそうだし試してみるね。

敵が攫いに来たら適当に木刀で抵抗しつつそのまま攫われることにするね。木刀を持ってるのに無抵抗だとなんか怪しまれるかもだしね。


●修行
「……はあっ!」
 峰上・悠凪(無口な剣術少女・g00211)は、大袈裟な演技は苦手だ。
 だからこそ、普段のように過ごす事に決めたのであった。
 人気の少ない場所で、木刀を振るう。
 型を意識しながら、一歩踏み込んで大きく素振り。
 足を引いて戻りながら、もう一太刀。
 手首を反して斜めから斬りかかり、後退しながら返す手でもう一太刀。
 これは悠凪にとって、いつも通りの練習と同じような動き。
 ――体力があることをアピールできれば、きっとプロトタイプ・ヴィクター・モンストロも便利だと思ってくれるだろうから。
 裂帛の気合。
 吐き出した呼気と共に鋭く突き出した木刀は、刃も無いのに全てを両断しそうな鋭さを持って空気を裂く。
「……ふう」
 短く切りそろえられた黒髪を掻き上げて、汗を拭った悠凪はかぶりを振って。
 何となく今日の目的に思いを馳せる。
 ――無理矢理人を攫って、死ぬまで過酷な労働をさせる。
 死ぬ事自体が目的で、救いなんてそこにはひとつも有りはしない。
 ……酷いな。
 知らず知らず悠凪の木刀を握る手に、力が籠もっていた。
 早く斬りに行きたい、と思う。
 早く捕まっている人たちを助けてあげたい、と思う。
「はっ!」
 その気持ちを籠めて、全て断ち切ろうとするかのように、再び悠凪は木刀を振り上げて――。
 そこで現れた敵意の気配に、思わず大きくバックステップを踏んだ。
 それは彼女が待っていた気配でもあるのだが――。
 モンストロはそんな彼女へと一気に駆け込んでくると、木刀の先を握ってその動きを食い止めて。
 刃のついていない得物は、なるほど握り締められてしまえば身動きが取りづらい。
「……止めて」
 そりゃあ悠凪だって本気で抵抗をしようとしている訳だから、別に太刀筋を止められるのは良いのだけれども――。
 ひとつも振るわせて貰えないのは、それはそれで少し嫌なもの。
 むっと眉根を寄せた彼女は、そのままモンストロに身体を抱え上げられて――。
 ……早く斬らなきゃ、と悠凪は心に強く誓うのであった。
大成功🔵​🔵​🔵​
効果1【怪力無双】がLV3になった!
効果2【能力値アップ】がLV4になった!

鵙目・隆尋
少し汚れた粗末な服に着替えて街を彷徨こう
視線は下げ気味に余り景気の良くない顔でもしてみよう
生活苦で明日処か今日喰うものにもありつけなさそうな
仕事探してるけど門前払いされっぱなし、みたいな
そんな感じの景気の悪い顔

相手が『非力な子供』って認識してくれればいいんだけど
多分、イケると思うんだよね、ほら、俺って案外童顔だし?

あ、美味しそうな匂いする……

ふらふら~と飲食店に近付いて
街に住む荒くれ者に追い払われたりしたら
店の裏手に向かおう
残飯でもあればいいなぁみたいな感じでね

攫われたら驚いてジタバタするけど
過度に抵抗はしないでおく

腹減って、もう体力なんて残ってないし
抵抗しても無駄だって諦めたように見せ掛けて


篝・ニイナ
労働者拐いね
死にかけのじーさんばーさんやガキまで連れてくのは”人でなし”ってやつだな
まあ、ほんとに人じゃねーんだが

できるだけボロいローブを纏って
煤で髪と肌を汚す
全てを失って、酒に溺れた哀れな若者のフリでもしようかね
錆びかけたスキットルの中身をひっくり返して
虚な目で丸まってりゃ
酒が尽きて今にも死にそうですって感じだろ?
死にかけの演技なんざ、博打で大負けした時のこと思い出せば余裕よ余裕

弱々しくその辺で転がってりゃ
ひょいと拐ってくれねーかね
今なら地獄への片道切符もついてお得よ?
なんて、減らず口は声に出さないように

※アドリブ歓迎


●行き倒れ
「美味しそうな匂い……」
「坊主、さっさと帰りな。ケガしたくなきゃな」
「……」
 汚れた服に身を包んだ鵙目・隆尋(幼年期の終わり・g00735)は飲食店にふらふらと吸い寄せられるように近寄ると、店主に野良猫を追い返すように手で払われて、不機嫌そうに唇を尖らせて見せた。
 大きく溜息を漏らす。
 仕事も見つからず明日の食い扶持どころか、今日喰うものにさえ困っている表情。
 視線は自然と地を這い、景気の悪さを一身に背負っているかのような雰囲気。
 この街で擦れ違う人々は、そんな空気を背負っている者が何人も居た。
 隆尋は上手に溶け込めているだろうか、ふらふらとした歩みで飲食店の裏口方面へと周りながら、なんとなく自問自答する。
 非力な子どもだと認識されれば、早めに攫ってくれるかもしれない。
 ……うん、ほら、俺って案外童顔だし、イケてるよな?
 さっきも坊主呼ばわりされたし……。
 なんて、考えながら歩いていると――。
 道に人が落ちていた。
 ボロボロのローブに、顔も腕も煤けた褐色。
 黒曜石のような髪もすっかりと白っぽく埃に染まってしまっている。
 手には錆びかけたスキットルを握り締めたままだが、中身は全部地面へと零れてしまったのだろう。水分が広がる形で、地面がじんわりと濡れていた。
「……え、生きてる?」
 思わず隆尋が地に転がっている篝・ニイナ(篝火・g01085)に声を掛けると、ニイナは虚ろな視線を隆尋へと向けた。
「……」
 ひゅう、と喉をただニイナは鳴らす。
 これは博打で大負けした時にヤケクソになって地面に転がっていた時と同じ表情だと、ニイナ自身は把握している。
 そう、これは。
 ニイナ渾身の全てを失って酒に溺れ、酒が尽きてもはや死に体の哀れな若者の振りなのだ。
「ァ……」
 下手に喋ると減らず口が飛び出してしまいそうだから。
 喉が擦れて、か細く漏れたような小さな音だけをニイナは返し。
 演技にしたって詳細を知りもしない隆尋は、少し困ったように眉を下げた。
「ん。もしかして、腹が減りすぎて喋れないとか……?」
 ならそこの残飯を拝借しようか、なんて。
 まるで本当に困っている者達のように、薄暗い路地裏で二人は言葉と音を交わし合う。
 攫われるとしたってここまで弱ってしまっていると、労働者どころか本当にただ死ぬ為だけに攫われる事となるだろう。
 なんとなくニイナを不憫に感じた隆尋は、飲食店のゴミ箱に視線をやると立ち上がろうとして。
「わかった。今盗ってきて――」
 その身体を、巨大な掌に押さえ込まれてしまった。
 それはプロトタイプ・ヴィクター・モンストロの腕。
 床に寝っ転がったままのニイナも目を見開くが、逆の腕にさっと捕らえられてしまう。
「やめ……っ」
 隆尋は身を捩るが、腹が減ってそれ以上は動けないと言った様子で。
 いつだって被害を受けるのは弱い者だ。
 ここで使い捨てられるのならば、それも運命なのだろう。
 だらんと足を下げると、すっかり諦めてしまった様な顔をした。
「か、……はっ……」
 乾いた吐息を零したニイナは。
 まんまとひっかかってくれるものだから、思わず笑ってしまいそうな唇を、きゅうっと真一文字に引き絞る事に集中する。
 ――人でなしの皆様、地獄の片道切符をご購入ありがとうございまーす。
 なんて、内心で考えながら。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【操作会得】がLV2になった!
【怪力無双】がLV4になった!
効果2【能力値アップ】がLV6になった!

●ハイホー、ハイホー、仕事が嫌い
 無事にというのも、少しおかしな話ではあるのだが。
 誘拐をされる事に成功したディアボロス達は周りの景色も見えぬように麻袋を被せられ、運び込まれた先で『労働者の首輪』を嵌められていた。
 この首輪が嵌められている限り鉱山から逃げ出す事も出来ず、一日のノルマを達成しない限り、話す事すら許されないとアヴァタールは語った。
 つまりはノルマを達成してしまえば、自由に話せる、ひいては情報収集を出来るという事なのだが――……。
 本日課せられたノルマは、坑道を60m以上掘り進む、掘り出した石炭を10トン運び出す、染み出してきた地下水でびちゃびちゃになった区画をどうにかする。
 ココには最先端の大型の機械がある訳でも無い、立派な道具がある訳でも無い。
 そりゃあ。
 攫われてきた素人の一般人達だけでは、一日でノルマを達成しろと言われたって無理な話なのだろう。
 ……そう、ディアボロスでも無い限り。
神之蛇・幸人
地下水びちゃびちゃ区画だけは嫌だなと思ってたら、そこに派遣された
刻逆のあとも水難には事欠かないみたい

地下水、まだ染み出してきてるのかな
パラドクスの結界術。周囲に気付かれないよう地面に生やすのは地縛り
これで水が染み出してくるのは防げると思う【土壌改良】
今あるのは……これ、手作業でやらなきゃだめかな
【操作会得】【怪力無双】で少しでも効率化

声が出せなくてもそんなに困らない。元々、喋るほうじゃないし
体調の悪そうな人は少しでも休めそうな場所に誘導
代わりに頑張るからだいじょうぶ。って感じのジェスチャー

首輪が取れたら、戦いが起きること、その後鉱山が崩壊することを伝える
動くのが難しい人がいれば、助けてあげて


樹・春一
【春雪】
……

…………

喋れないのってつらい!!!

とにかく掘り進めるしかありません
60mってどれくらいでしょう。喋れるようになったら60mってことで!
役立ちそうなパラドクスはありませんが、ディアボロスのパワーはございます
【照明】効果で明るくして進んでいきましょう!

掘削とはただ掘るのみにあらず
掘った土を運び出さねば埋まってしまいます
シスター・スノーコード! 掘るのは任せましたよ!
僕は土を捨ててくる役目をしますので! 連係プレーです!
猫車お借りしますね!

お喋りできるようになったら休憩タイムです!
怪我人などいらっしゃいましたら【活性治癒】しまして
もう大丈夫ですよ! 神のお導きに従い助けに参りましたので!


東禅寺・征緖
【春雪】
無事に潜入はできたけど、お喋りできないって辛いわぁ
悲しい事も辛い事もお話して楽になれたりするじゃない?
肉体もだけど精神的にもやられちゃうわね、これは

とりあえずノルマは熟しちゃいましょ
60m……100m走よりも短いわね
ポジティブにいきましょ、ポジティブに!

鬼人の膂力、粉砕と破壊の技能
でも力任せにやったら天井が崩れちゃうわ
地形を利用して天井は崩さないように注意と硬くて支えになりそうな所は壊さない
この辺りを意識しながら掘り進めていきましょ

うんうん、春一ちゃんの照明の効果もあって視界も良好
土も捨てに行ってくれるようだから、これで役割は決まったわね
春一ちゃんがサポート、アタシは掘り進めるのみ!


薬袋・透
パラドクスで地下水を凍らせる、無言でも発動するのがこの技の良いとこよね
凍らせたら軽くなって運びやすくもなるし

後は「操作会得」でツルハシを使いカチ割った氷を「怪力無双」でひたすら運び出す。どうせ喋れなきゃ働くくらいしかやることないのだもの、さっさと終わらせちゃいましょ。病気設定?そんなのもあったわね確か。たった今消えたけど

ノルマが終わってない人がいたら率先して助けに行くわ、手伝っちゃダメなんてルールないでしょ?今までそんな余裕なくて出来なかっただけで
 
休憩時に崩落に備えてお守りも渡せたら良いわね

アドリブ絡み歓迎


峰上・悠凪
ちょっと不本意だけど潜り込めたね。後であいつ斬らなきゃだしやることはすぐやっちゃおう。
首輪で喋れないけどどうせそんなに喋んないし気にせずやっていくよ。

石炭を10トン……普通なら難しいんだろうけど、今だと怪力無双で楽勝だね。
とりあえずさっさと作業を終えて首輪が外れたら近くの人から情報を聞いてみようかな?そういうのは苦手だけどね……

首輪があっても取り巻きのトループス級が巡回とかするだろうし、いつもこの方向からやってくるとか帰る時はどの通路を使うとかそういうのを聞けば居場所を割り出せるかな?
話を聞いたら首輪の効力がなくなった後に鉱山が崩落するから逃げてって話をしておくのも忘れないようにしないとね。


鵙目・隆尋
さっさとノルマこなしちゃおう
首輪つけられた事への怨みは
後で攻撃と一緒に遠慮なく敵にぶつけよう

石炭の運搬に行くよ
他の一般人のフォローもしつつ運搬作業
だってほら、知らない人とは言え
目の前で酷い目にあうのは嫌だもの

動きがおぼつかない荷車があったら
ジェスチャーで引手を変わると訴えて交代

多分、形だけの巡回で見張りなんだろうけれどね
余計な疑いをもたれるのも警戒されるのも避けたいもの

でも、見張りとか居ないところでは
怪力無双を使ってさくさくっと運ぼう

一般人の人達には逃げるっていう大仕事があるから
出来るだけ体力を温存して貰いたいしね

ノルマを達成したら
鉱山が崩落する事や首輪の恐怖が無くなる事を話しておかなきゃ……


宮生・寧琥
ねーこ、あんまし掘るのとか得意じゃない…
【怪力無双】で石炭運ぶのやるねぇ
ねーこ的にも、そっちのが助かるしぃ

実はねーこ、秘密のアイテムを持ってきてたりしてぇ
てててーん!
塩飴とかの、キャンディいっぱい!
【アイテムポケット】にたくさん詰め込んできたから、行ったり来たりするときに、そっとみんなに配ったげるっ
ちょっとだけだけどさー、あめなめると元気出るよ、きっとっ
栄養ほきゅーには足りないかもだけどぉ…少しでもみんなが、ぜったい帰るぞ!って気持ちになったらいいなぁ

あ、おしごとも、ちゃんとやる!ますっ!
ひぃひぃ、べそかきながら石炭運ぶよぉ
こんなおしごと、ねーこしたこともないのに
ぐすん
悪い人たち、きらい…っ!


リップ・ハップ
きらきら輝くサムズアップは私に任せとけの印
……通じるよな? てゆか精魂尽き果てて見る余裕も無かったり??
まいっか
通じようが通じまいが私はやることやるだけだ
リップちゃんの魅力で振り向かして……じゃねい、フィジカルをその目に焼き付けさせてやんぜ

サクサク掘り進むつもりだけど、もしこーゆー作業が止まんなら大岩にぶち当たってってのがお決まり?
力任せに【強打】して【粉砕】、【破壊】だ
振んのが伯爵じゃなくてピッケルってのがしっくりこねいとこだけど
ま要領は同じだろ。シルエット似てっし。知らんけど

岩ぶち抜いたらまたまたサムズアップ。私かっきーだろの印
身振り手振りでも親交深めといて損ないよな
この後情報貰うわけだし


白臼・早苗
さて、ここで気弱な演技は終わり
逆転の下地を作っていこう

ほんとは周りの人たちを鼓舞したかったけど、声が出せないからそれは叶わないね
それでも、【逸する一角獣の角】の【活性治癒】で周りの人たちを元気にして、気力を持たせるようにするよ

後は予めみんなが残してくれてる残留効果を使わせてもらうね
【怪力無双】と【操作会得】で坑道を掘り進んで行こうか

ノルマを終えたらチャンスだね
この鉱山から脱出するように伝えて、周囲の地形の確認をしておこう
相手を攻撃するのに良さそうな場所とか、脱出する人たちが戦場に巻き込まれないようにとか、そういった地理的な話が聞けるといいな


青天井・イカス
ンー
掘削、運搬は人数足リてソだな
ンじゃ、俺は地下水の処理ニ行くカ
鉄砲水ガ来てモ俺ァもう死人だカラ、一般人の代わリにナるなラ儲けモンだしナ

使えソな残留効果ハ、【怪力無双】ぐらいカ
モちっと向いテる効果アレば楽だッタろォが──無いモノ強請リしテもしゃーナイわな
他の面々モ何とカ遣り繰リしてルみてェだシ、俺も俺で頑張リまスかネ

ッつーワケで【怪力無双】で、担当の区画に石やラ岩ヤら敷き詰めるゼ
土ダとキリがネェんで、石デ
ついデに、水ガ湧いテそなトコにモ石詰めテおこウか
ナーニ、直感直感
【強運の加護】サマがイイ感ジに湧き水ポイントを塞イでくレるッテ、信じテ〼

ダメだったラ…ま、一遍ぐラい死ンでも多分楽シイゼ?


ミサゴ・ゾーリンゲン
……これ、ゾルダートが自分たちでやったほうはええんじゃねえの?
まあ、人のやり方に口は出さねえけど

変わりに、手は出させてもらうぜ


大岩の前に居る作業員に、手で「離れてな」のサイン
別に助けようってわけじゃない
なに、トレーニングには丁度いいって話
うん。自分のため、自分のため

拳を握る
大岩相手に握った拳を叩きつけて――
その衝撃を、自分の中にため込んで逆の腕から発露させる

銃弾拳法ってやつの練習代わりにとにかく殴る
殴ってはその衝撃を逆の手に、また殴って――

岩が砕けるまでその繰り返し
終わった頃には、まあ、これからいろいろ起こるってことだけ伝えとくわ


●坑道を60m掘ろう!
 砂埃の舞う炭鉱の中。
 地の中へと掘り進められる坑道は、巨大なアリの巣をどこか想像させる。
 地を掘れば水が出てくる事は当然であるのだが。
 鉄砲水、排水の問題、落石、落盤。
 ――採掘とは様々な危険と、正に背中合わせの命がけの作業と言えるだろう。
 そのような危険な現場でツルハシを振るう、首輪を嵌められた人々の姿は老若男女問わず。
 だれもかれもがフラフラとした様子でろくな道具も与えられず、発破すら許されぬ現場で黙々と硬い土砂を掘り進めさせられていた。
 今日ここに集まった者達のノルマは、坑道を60m掘り進めると言うものだ。
 しかし。
 人の手と原始的な道具だけでは、硬い岩盤を持つ地は一日10cmしか掘り進められないと言う事もあるそうだ。
 以前よりこの場で働いている者たちはもはやノルマを達成できる訳がないと理解してしまっている。思い込んでいる。
 しかし手を動かさぬ限り、もっとひどい罰を与えられる皆も目の当たりにしてきた。
 そのため労働者たちは今日もツルハシを手にして、今にも途切れてしまいそうな気力を振り絞ってその気だるい身体を動かすのだ。
 暗い暗い地の底で、終わりも見えぬ過酷な作業を行い。今日も口一つ利けずに日が暮れてゆく事に絶望する、――筈であったのだ。
 しかし、今日はどうだろうか。
 劣悪な強制労働所の雰囲気がなぜだか一変していたものだから、労働者たちは顔を見合わせてから周りを見渡しあう。
「……?」
 なぜなのかは解らぬが灯りもまだ灯していない筈の坑道の中は、まるで太陽に照らされているかのように明るく。
 それにアレほど重たかった身体に活力が溢れてきたような気すらしてくるのだから、本当に不思議なものだ。
「――……」
 白臼・早苗(深潭のアムネジェ・g00188)は、細く息を吐いて。
 更に束ねた針を手に宙を薙ぐように腕を振るえば、輝く癒やしの力を宿した針がきらきら舞い踊った。
 言葉にして鼓舞をする事は叶わずとも、連日の労働で疲れ切った身体を癒やす事はできる。
 ――あなた達の身体が、少しでも癒えるように。
 胸裏で祈る言葉に合わせて、更に癒やしを重ねて。
 疲れ切っていたはず身体が軽くなった少女が目を丸くしていると、黒いマスクで口元を覆った状態でもよく分かる、ぴかぴか笑顔のリップ・ハップ(Reaper Harper・g00122)とぱっちりと視線が合った。
 その事に気がついた様子でリップは、サムズアップ。
 見てろよ、見てろよ。
 ――振んのが伯爵じゃなくてピッケルってーのは、しっくりこねいとこだけどねい。
 それからリップはツルハシをおおきく振りかぶって、ぐんと引いて。
 でもまー、要領は同じだろ! シルエット似てっし!
 リップに促されるがままに彼女を見ていた少女は、そこでまた目をまあるくする。
 黒いマスクのほそっこい身体が力強く地を蹴ったと思えば、勢いのついたツルハシが岩壁へと叩き込まれた、刹那。
 硬い岩盤がパイの一番端っこを切り分けた時のように、ぼろりと二つに崩れて倒れたのだから。
「……っ!」
 しかしこのまま割れた岩が倒れてしまうと、リップへと直撃してしまいそうだ。
 危ない、と少女は息を呑み。
 しかしリップは焦った様子も無く、返す手でツルハシをもういっちょ振るい直し。
 二つに割れた岩に再び刃先が叩き込まれた瞬間、衝撃に岩がバラバラと砕けて落ちた。
「……? ……!?」
 驚いた様子で口が開きっぱなしになっている少女に。
 ねえねえ、私かっきーだろぉ?なんて。もう一度リップがサムズアップをキメると、少女は何度もこくこく頷いて応じる。
 その様子に気分を良くしたように笑顔で応じたリップがツルハシを手に振り返ると、大きなシスターがぺたぺたと割れたばかりの岩盤を触っていた。
 大きなシスター……東禅寺・征緖(シスタースノーコード・g01483)は、それからこっくりと頷いて。
 ……こっち側の岩は残しておいたほうが、崩落の可能性は低そうだわ。
 早苗とリップに対して大きく手を振って、身体を動かして、みぶり、てぶり。
 むこうがわに。
 削れた岩盤の横に合わせて征緖は指差し、リップはこっくり頷く。
 すすむように。
 指差した先をぴっぴと動かす征緖。おうおうと頷くリップ。
 あっちにそって。
 そうして腕をぐいーんと宙に泳がせる征緖に合わせて、リップも同じ動き。
 ほりましょう!
 征緖はぐっと拳を握りしめ、つられたようににガッツポーズをするリップ。
「……」
 えっ、なになに? なあに?
 二人の動きに置いていかれて、ただただ目を丸くする早苗。
「……」「……」
 リップは首を小さく傾ぎ、征緖は更に身振り手振り。
「……」
 砂埃の舞う中で奇妙な踊りを交わし合う二人の、静かな視線と身振りだけの対話が始まる中。
 実はこの場に光をもたらしている光属性の男、樹・春一(だいたいかみさまのいうとおり・g00319)はなるほどーって顔をしていた。
 あれは多分、何も伝わってないですね!
 その事に気づいていたって、お話できないのは春一だって同じだ。
 それに、生まれる土砂は待ってくれはしない。
 掘削とはただ掘れば良いと言うものでは無い。
 外に土砂を運び出さねば、自分で入り口を埋めて生き埋めになってしまう。
 だからこそ春一は添え木として坑木を噛ませて、猫車に土砂を載せて、行ったり来たり。
 勿論坑道を掘る、と言うくらいなのだから、掘る事はとても大切なことだ。
 しかし、その後処理とも言うべき仕事だって、とてもとても大切な仕事。
 これは古来の日本では先山後山とも呼ばれていた――連携プレーの形なのである。
「…………」
 それにしたってですよ! 神よ! 喋れないって、とてもつらいのですね……!
 でも、でも!
 喋れるようになったら60mってことですよね! 神よ!
 猫車を手に次の土砂を受け取りに、春一は駆ける駆ける。
 春一が猫車を手にお次に駆ける先は、掘り進める壁の先に表れた大きな岩に相対するミサゴ・ゾーリンゲン(カムイチカフ・g00067)の方だ。
 ディアボロス達の働きに、その表情に喜色を浮かべる労働者達を手で制したミサゴは、少し離れていな、と掌を二度揺らした。
 ――別に作業員たちを、助けようってわけじゃない。
 ミサゴは腰を落として構えると、月の色をした瞳を細めて。
 オレはオレが一番良いと思ったことをしているだけ、――トレーニングに丁度良いってだけだ。
 鋭く息を吐き出し握った拳を真っ直ぐに叩き込むと、ビリビリと骨の芯まで震える打撃の衝撃の反動がミサゴの体内を駆け巡り、……その衝撃を身体の中に『溜め込む』。
 身体に巡る魔力に大きな尾がびりりと膨れて、もう一歩踏み込んだミサゴは溜め込んだ衝撃を逆の拳に乗せて、岩へと叩き込む。
 ぱん、と爆ぜるように岩の表面が砕けた。
 ワンツーパンチに似た動きだが、ミサゴの拳には衝撃を保った魔力が宿っている。
 もう一度刳りこむように逆の拳を叩き込めば、深い罅が刻まれ――。
 発露すると共に生まれた衝撃を、身体を駆け巡る魔力が再び溜め込む。
 吐き出して、溜め込んで。
 響く音は爆ぜる様に。
 それは拳であるはずだ。
 それは拳であるのに、まるで削岩機が岩盤を砕くかのように岩が砕けてゆく。
 これはミサゴにとってはトレーニングでしかない。
 そうだよ、――自分のためだ。
 でも……これ、ゾルダートが自分たちでやったほうはええんじゃねえの?
 なんてミサゴは考えるだけ。その代わり口を出さない分、手は出そう。
 ただただと拳を振るい砕き、地を削る。
 なんたって――これは自分のため。銃弾拳法の練習代わりなのだから。
 春一が左右にぴょこぴょこ跳ねて、弾け飛ぶ石を猫車で受け止めて砕けた石を器用に集め。
 早苗だってここに攫われて来る前のふわふわ世間知らずでか弱そうな様子は嘘のように、手にしたツルハシは力強く振るわれる。
 ――ディアボロスたちの掘り進める速度は、昨日までであれば決して達成出来ぬスピードだ。
 掘って、運んで、組み立てて。
 早苗は瞳を一度瞑ってから、掌に伝わる小気味よい感覚に肩を上げて、下げて。
 ……ここで今作られているのが坑道だけでは無い事に。勝利を掴むための逆転の下地を作っている実感に、ツルハシを握る手に更に力を籠めた。
 その横で異形の巨腕と化した指先で、まるで豆腐を砕くように土砂を抉り出した征緖は、ディアボロスたちの圧倒的な働きっぷりに驚いて、ぽかんと口を開いたままになっている労働者たちへと向かってにウィンク一つ。
 ねえ、ねえ。
 ノルマを今日こそこなしちゃいましょう!
 100m走るよりも短い距離を掘るくらいアタシたちならできるわよ。
「……!」
 そのウィンクから感じ取られるものがあったのだろう、春一に倣って猫車を運んできた少女が一生懸命土砂を集めだす。
 掘る速度で言えば、ディアボロスたちには労働者たちは確かに劣る。
 ならば、自分たちにもできる事を。
 少女が動きだした事で仕事を思い出した労働者たちは、添え木を運んだりと忙しく動き出す。
 そんな様子を確認した早苗が、片手でツルハシをふるいながら更に針を散らした。
 うんうん、頑張ろう。
 ――皆で頑張れば、お仕事だってすぐ終わる筈だもんね。
 お話できるようになったら、何を伝えようか、何を尋ねようか。
 まずは周囲の地形の確認に、敵の居場所に、戦いやすそうな場所に――。
 早苗がううんと天井を見上げて考えているうちにも、にわかに活気づいてくる採掘場。
 普段なら絶対クリアできなそうなノルマが、もしかすると達成出来るかも知れないという現場の高揚感が感じられる。
 ――皆の生きる意思を、感じられる。
 リップは動き出した労働者達へにっこりと笑って、再びいいねのサムズアップをするのであった。

●染み出してきた地下水でびちゃびちゃになった区画をどうにかしよう!
 坑道を掘っての採掘は、水との戦いと揶揄されるほど。
 染み出してくる水を汲み出す為には様々な方法があるが、そもそもゾルダートは『一般人が命がけで掘り出した資源』を求めている。
 労働者は死ねば死ぬほど、ゾルダートにとって望ましい。
 ついでに資源も沢山取ってきてくれるのならば万々歳なのだけれども。
 だからこそ水浸しになってしまった地域にすら、ろくな道具をゾルダートたちは配布をしていない。
 労働者達に与えられたのは、アルキメディアン・スクリュー。
 細い坑道に至っては、桶のバケツリレーで水を排水を行わされていた。
 ――この区画だけには行かされたくないなあ、と思っていたのだ。
 思っていたのに。
 ばっちりびっちゃびちゃに水浸し……と言うよりも、まるで溜め池のようになってしまっている坑道の惨状に、神之蛇・幸人(黎明・g00182)は元より目つきが良いわけでも無い瞳を細めた。
 水辺は苦手だと言うのに。
 ――水難に見舞われがちな幸人の運気は今日もバッチリ水方面と相性が悪いようだ。
 労働者たちがゆっくりと動き出す姿を横目に見やりながら。
 やれやれとかぶりを振った幸人が、壁に手を当てた刹那。
 掌を当てた先より植物の根が爆発的に、まるで地に血管を張るように伸び萌える。
 周りからすれば何をしているかなんて見えないだろうけれども、幸人の結界術は確かに地へと張り巡らされている。
 爆発的な速度で地に根を伸ばしたのは、できるだけ水を沢山吸い上げてくれるユーカリの根だ。
 暫くするとふさふさと緑の葉が壁に生い茂り、幸人は手を壁から離す。
 ――これで、少しはマシになってくれるかな。
 土壌改良は植物が育ちやすい土壌へと、土を変える効果を持っている。
 ユーカリの根で水を吸い上げると共に、術の効果によって水捌けの悪い地から、少しでも水捌けの良い地へと。今日水が捌かせてしまえば、明日からはもう掘る必要は無いのだから。
 更に水が湧き出さないように、地下へと通してしまおう。
 ……にしたって、今実際に溜まってしまっている分はどうしようも無いのだけれども。
 水は苦手なのだけれども、眉を寄せた幸人が桶を手に取ると――。
「……!」
 ぱきり、と目の前の水が凍りついた。
 そう。
 ここに訪れているディアボロスは、勿論他にも居るものだ。
 空色の瞳が真っ直ぐに見据えた先から、ぱきぱきと水が凍りついて行く。
 それは薬袋・透(無彩の魔女の系譜・g02087)の魔眼の力、彼女を魔女足らしめる瞳のちからの形。
 ――凍らせてしまえば、ただの水を汲み出すよりも扱いが楽になるでしょ?
 目をまあるくした労働者達の目前で、透は今凍ったばかりの氷をツルハシでカチ割ってやる。
 ――ン、オ? コレって、もしかしテ……。
 水の湧き出している場所へと石を敷き詰めようと運んできていた青天井・イカス(このうえなく・イカス・g02133)は、はたと閃いた表情。
 手にしていた猫車の中身を一度ひっくり返すと、透の割った氷を猫車へと積み込み出した。
 役二立ちそうな効果ハ、怪力くらいダト思っていたケド。
 逆ニ、丁度良イみてェだな。
 ――これモ強運の加護サマのおかげカモな。
 大量に氷を詰んで駆け出したイカスの様子を見て。
 何が起こったのか理解ができていなかった様子の労働者たちも、顔を見合わせてから桶を置いた。
 そうして猫車を取りに駆けてゆく姿に、透は少し気分良さげに尾をゆらゆら揺らして。
 大きく頷くと更に水へと視線を向けて、水を凍らせて、割る。
 透のツルハシさばきは力強く、小気味よい音を立てて氷を割る。
 それはとてもここに連れてこられるまで、病気の女で押し通していたようには見えない姿だけれども。うんうん。そんなの設定もあった気がするけれど、もう消えたものね。
 幸人とイカスも怪力を生かして、猫車で行ったり、来たり。
 掘削、運搬は人数足りてソ、と、ココに来たのにナ。
 結局掘削と運搬をしている事に、イカスは肩を竦めて。
 その間にも氷と化した水は、どんどん捌けて行く。
 そうして最後の仕上げと、イカスは当初の予定どおり持ってきた石で地の補強を始めて。
 労働者たちが手伝おうと近づくこうとすると、彼はそれを掌とかぶりを振ることで制止する。
 ……モし鉄砲水ガ来てモ、俺ァ、もう死人だカラな。
 幸人の張った結界によって、水が突然吹き出す可能性は随分下がっているかもしれないけれど。
 イカスが迷いなく前へと進むのは、自らが一度死んだ身である故。――ディアボロスであるからこそ。今死んではいない者たちまで、死んでしまう必要は無いと思っているからだ。
 イカスは唇にへらへらとした笑みを宿して彼らを見据えると、またかぶりを振って。
 ……ま、一遍ぐラい死ンでも多分楽シイかモ知レねェケドな。
 なんて思ったって、とても口にはできないけれど。
 大丈夫ダ。俺がお前を生かすカラよ。
「……!」
 そこで。
 猫車を引いたままふらついた労働者に、透はぱっと駆け寄ってその身を支えて。
 同時に距離を詰めていた幸人が、猫車が倒れぬように支えた。
「……ウ」
 小さく呻いた労働者は透に抱きとめられて居る事に気がつくと、ぱっと身体を離して何度も頭を下げる。
 その様子に透はかぶりを振って、良く頑張ったわねと。
 すっかりと水の捌けた空間に座って休むように身振り手振り。
 幸人も代わりに頑張るからだいじょうぶ、とジェスチャーを重ねて。
 また何度も頭を下げて感謝の意を示した労働者が、その場に座り込んで休みだす。
 ――こうやって倒れてしまいそうな程に、人々を追い込み酷使して。余裕を失わせて、苦しめて。
 透は地の上にいるであろうゾルダート達を睨めつけるように、上を見上げて思う。
 ……全く、覚悟しなさいよ。

●石炭を10トン運ぼう!
 ぎこぎこと車輪が音を立てる。
 ひぃ、ひぃ。
 ディアボロスが怪力の力を発揮していたとしたって、重たいものは重たいもの。
 汗をかきかき、宮生・寧琥(ちっちゃくて、あったかい・g02105)は半分ベソをかきながら荷車を押していた。
 でも、でも、ねーこ、掘るのとかは得意じゃないしぃ……。
 こんなおしごと、ねーこしたこともないのに。
 ぐす、ぐす。
 ぐずりながら寧琥は荷車に額をぺったり押し付けて、ほろほろ涙を零しながら歩む。
 その姿は攫われてきた少女が、無理やり働かされているようにしか見えないだろう。
 ――ディアボロスで無い者ならばどれほど屈強な大男であっても、押すことすら出来なさそうな量の石炭を積んだ荷車を、なんだかんだで押して歩いている事を除けば。
 えぅ……、こんなおしごと、ねーこしたこともないのにぃ……っ。
 はちみつ色の瞳いっぱいに涙を湛えながら、寧琥は大量の石炭を運んでゆく。
 そんな彼女の横を歩んでゆく少年は、どうみたってふらふらで。
「……!」
 今にも倒れそう、と寧琥が思った瞬間。
 ふらり、と少年の足が縺れた。
 大量の石炭が積まれた荷車が揺れて――。
 後ろから荷車ごと駆けてきた鵙目・隆尋(幼年期の終わり・g00735)が、一気に詰め寄ると荷車に荷車を押し当てる事でその倒れそうな動きをせき止めて、少年を逆の手で抱えた。
「……、……」
 隆尋は瞳を細める。
 こうやって倒れる者を見るのは、一度や二度では無かった。
 この少年もはっとすぐ意識を取り戻したが、ひどく驚いたように瞳を見開くと慌てて立ち上がり。
 ――すごく追い詰められているんだろうな、と強く感じる動きだ。
 隆尋が顎を引いて、このまま持っていくと動きだけで伝えると、少年はぶんぶんとかぶりを振って。
 再び荷車に身体を寄せると、憔悴しきった表情で足を止めてしまった。
 できれば一般人の人たちには、逃げると言う大仕事の為に体力を温存してもらいたいのだけれども。
 恐怖に苛まれながら働く彼らにその事を伝える事は難しいらしい。
「……ぅ」
 そこへ近寄ってきたのは、ぼろぼろ涙を零す寧琥であった。
 ――そうして。
 少年へと差し出したのは、ねーこの秘密アイテムの飴であった。
 そうっと彼の掌に握らせると、少年はきょとんとした表情。
 寧琥は真似をしてみて、と言うように飴を自分の口へと放り込み。
 じんわり広がるちょっとしょっぱくてあまい飴は、元気の味。
 少年も周りで見ている者が寧琥と隆尋しかいないことを確認すると、彼女に倣うように飴を口へと放り込んで。
「……!」
 少年の表情は、少しだけ緩んだように見えた。
 隆尋はもう一度彼の荷車に手を寄せると、人差し指を唇によせて、内緒の指。
 ちょっとだけでも、隠れて休んできなよ。
 視線と手振りで伝えれば、彼は飴を転がしながらこっくり頷いてから、ぺこぺこと頭を下げて木陰に座りに行った。
「……」
 隆尋がほっと吐息を吐いて頷くと、寧琥は手を振ってから、にいっとほっぺたを持ち上げて笑った。多分笑えた。
 ちょっとだけだし、栄養ほきゅーには足りないかもだけどぉ、――あまいあめをなめると、心もほとーって溶けて、元気でるよねぇ、きっと。
 それから荷車が二つに増えた隆尋は、キョロキョロ周りを見渡して。
 ――さてさて、見張りが来ない内にさくっと運んじゃおうか。
 余計な疑いを持たれないようにゾルダートたちの姿が無い事を確認してから、隆尋は駆け足で石炭を運んで行く。
 ――知らない人とは言え、目の前で痛い目にあわされている姿なんて見たくないもの。
 この首輪のお礼をするためにも、さっさとノルマをこなしちゃおう。
 駆けてゆく隆尋の背中を見ながら、寧琥はまたえっちらほっちら自分の荷車を引いて歩みだすのであった。
 ……ううう、ぐすん。ちゃんと、やる! ……ますっ!
 峰上・悠凪(無口な剣術少女・g00211)の引く荷車もまたぎしぎしと軋みながら、なんとか大量に載せられた石炭の重量に耐えているようであった。
 所定の石炭置き場にたどり着いた悠凪は、ほうっと吐息を吐いて。
「……よいしょ」
 そして悠凪が思わずこぼした、否。こぼす事のできた言葉に、真横で荷車を引いていた屈強な労働者が目を丸くした。
「……あ」
「え!?」
 とても驚いた様子の男に、悠凪は瞬きをぱちぱち重ね。
 喉に手を当てると、あー、あー、と確かめるように声を出して。
「……あ、……ノルマ、達成したみたいだね」
 それから掌を見つめて改めて声を紡ぐと、石炭を運んでいた労働者たちからわあっと歓声が上がった。
 喜ぶ皆がハイタッチをしたり抱き合う中、悠凪はうーんと言葉を選ぶみたいに首を傾げて。
 話を聞くとかは、得意じゃないのだけれど。
「……ねえ、……見張りや巡回って、どっちから来るかわかるかな?」
 意を決して悠凪が声をかけると、労働者は何を尋ねだすのかと驚きの表情を浮かべた。
「私たちは、あなたたちを助けに来たんだよ」
「……ほう?」
 労働者の男がココに来てから、ノルマが達成する事なんて勿論無かった。
 ありえない事だったのだ。
 それが今達成されて――その上この幼気な少女は、自分たちを助けに来たと言う。
 何かが起こっている、としか言いようのない状態に、彼はこっくり頷いて。
「向こうにここにそぐわない作りの屋敷があるだろう。……大男たちはいつもそちらの方から来るよ」
 こっそりと悠凪に耳打ちするように告げた。
「……うん、解った」
 悠凪も相槌を一つ、それから顔を上げて。
「今日、私たちは敵を倒すよ」
 そうして彼女はでも、と言葉を次いで。
「私たちが敵を倒すと、首輪の効力がなくなった後に鉱山が崩落するみたい。……皆にも逃げてって、伝えて貰えるかな……?」
 勿論仲間たちが皆に教えてくれるだろうけれども。
 労働者同士で伝えてくれるに越したことはない。
 ……後は何より、悠凪はそんなに喋るのが得意じゃないもので。
「ああ、勿論! 俺たちに出来る事は他になにかあるか?」
「そう、……ですね……」
 労働者の男の言葉に悠凪は、ほうっと胸を撫で下してから。
「……逃げてもらうのが一番、かな?」
 なんて首を傾ぐのであった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【土壌改良】LV1が発生!
【照明】LV1が発生!
【怪力無双】がLV6になった!
【罪縛りの鎖】LV1が発生!
【友達催眠】LV1が発生!
【アイテムポケット】LV1が発生!
【活性治癒】がLV4になった!
【強運の加護】がLV2になった!
【建造物分解】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV9になった!
【反撃アップ】LV1が発生!
【ロストエナジー】がLV2になった!
【ダメージアップ】がLV3になった!
【先行率アップ】LV1が発生!
【ドレイン】がLV4になった!
【アヴォイド】がLV2になった!

●作戦開始
 また陽も高い内だというのに、ディアボロスの素晴らしい働きによって、達成できる訳も無いノルマは速やかに達成された。
 久々に言葉を発した事に、労働者たちは喜びあい、語り合い。
 そうして、ゾルダートの情報を語りだす。
 曰く。鉱山の区画に立てられたいくつかの小屋の内、屋敷と言う作りに相応しい建物が一つだけ存在する。
 取り巻きのトループス級の『プロトタイプ・ヴィクター・モンストロ』は、3体しか見かけた事が無い。
 アヴァタール級であるヴィクター・ブラウト『ツェツィーリエ』は基本的には屋敷の奥におり、刑罰を与える際にしか出てこない。
 つまり、そのゾルダートたちを4体倒してしまえば、この区画は開放されるという事のようだ。
 敵の数は決して多くは無い、ならば後は。
 ――敵が違和感に気づき手を打つ前に、屋敷へ直接乗り込んで倒してしまおうか。
 労働者達に鉱山が崩れきるまえに逃げるように伝えたあなた達は、最後の始末をつけるが為に。
 屋敷へと向かう事となるだろう。
峰上・悠凪
アドリブ&連携歓迎

説明もなんとかできたし敵を倒せば囚われてた人たちも大丈夫、かな?後はちゃんと斬らないとね。うん、喋るよりは得意だから頑張るよ。

敵はこっちにまだ気がついていないんだ……じゃあこっちから奇襲をかけようかな?
「光学迷彩」を発動して気付かれないように館に侵入、取り巻きたちのいるところまで移動するよ。

発見されるまでは「光学迷彩」で少しづつ近づいていくけど、発見されたら低い姿勢で「ダッシュ」して一気に接近し「我流・地龍二文字」で敵を攻撃するね。

前は木刀だったから防がれたけど今度は違うよ。機械化された腕だろうと構わずに両断する斬撃を見せてあげるね。


リップ・ハップ
おーおーおー。筋骨隆々が服着て歩いてるよーな奴だな。半裸だけど
いいぜやろうか、フィジカル勝負

どつき合いだ
鎌の刃は向けず、棍にでも見立ててフルスイング。金属棒の一振りを打ち払うぜ

ムキんなって一層大振りになったら御の字
パワー勝負するとは言ってねーから、私
その隙に素早く回り込んで、伯爵を背面からぶっすり突き立てる
はい終わり。後は任したわ、好きにやんなよ、伯爵

そんだけ筋肉、特に広背筋ついっちゃってたらよ
背中に手ぇ届かねいだろ
この巨漢ぷり、伯爵にとっちゃ啜りたい放題のドリンクバーだな

パワーは確かにトンデモだけど、スピードとフレキシビリティがてんで駄目
リップちゃん背中で右手と左手握手できんもんねー。わはは


●プロトタイプ・ヴィクター・モンストロ
 倉庫用の東屋や、労働者たちの掘っ立て小屋が連なる区画の奥の奥。
 少し小高くなった場所に、その屋敷は存在する。
 ――流石にゾルダートたちも、流石に異変には気づいているようで。
 プロトタイプ・ヴィクター・モンストロが一体屋敷から出てくると、迷いなく労働者たちの居る作業場――こちらの道へと向かってくる姿が見えた。
 迷彩に体を覆わせた峰上・悠凪(無口な剣術少女・g00211)は息を呑んで、横を共に駆けていたリップ・ハップ(Reaper Harper・g00122)とアイコンタクト。
 まだこっちに気がついていないなら……。
 おー。
 戦場では視線だけでも伝わる言葉があるものだ。
 悠凪とリップは視線を交わしあうと、同時に東屋の影へとそのまま身を潜めて。どたどたと大股で歩む巨漢――モンストロが自らこちらへと来てくれるタイミングを気配を殺したまま推し量る。
「おーおーおー。筋骨隆々が服着て歩いてるよーな奴だな」
「……うん」
 リップが小声でどこか楽しげに呟くと、悠凪は警戒を解くことなく小さく相槌を打ち。
 ――今!
 潜めていた息を鋭く吐き出した悠凪は、まるで蛇のように低く低く身をかがめて駆け出し。
 逆にリップは地を蹴ると大きく大きく跳ねて、伯爵――大きな鎌の刃は敵からそっぽを向かせ、上半身をぎゅっと捻ると体のバネを引き絞るよう。
「……!?」
 突如飛び出してきた何かに、モンストロが思わず腕をガードに上げると、リップは敢えてその腕目掛けて伯爵の柄側を棍めいて振り抜き。
「わはは、どつき合おーぜ」
 高い音を立てて、モンストロの手にする金属の棒とリップの一撃が交差した。
 高い位置から強襲したリップに対応するモンストロにとって、低い位置から地を踏み切った悠凪は、丁度死角に居る。
「……ふっ!」
 リップの作った隙を逃すことなく、悠凪は鋭く吐息を吐き出して。
 モンストロへと向かって鋭い斬撃を叩き込むと、返す手で逆袈裟にもう一太刀。
 ――我流・地龍二文字。
 攫われた際に彼女は、あえて木刀を持っていた。
 それは攫われてあげるための、手加減をしていたと言えよう。
 しかし。
 今悠凪の手には、彼女の本来の得物である茜丸が握られている。
「……斬るのは、得意だよ」
 刹那。
 ばらり、とモンストロの機械腕が斬り捨てられる。
「ひゅーっ、やるね」
「……グ、オオッ!」
 悠凪の見事な一刀……二刀両断にリップが口笛を吹くと、モンストロは苛立たしげに拳を振り上げ。
「やーん、パワー勝負するとは言ってねーからね、私」
 大ぶりの一撃にリップはやれやれとかぶりを振り。
 東屋の壁を蹴るとくるりと空中で一回転。
 モンストロが拳を振り下ろすと共に、肩に片手をついて、翻弄するかのように身軽にぽーんと更に大きく跳ねた。
「そんだけ筋肉ついちゃってたらよー、背中に手ぇ届かねいだろ?」
 モンストロの一撃は地を砕き、罅を蜘蛛の巣のように広げるが。
 それほどのパワーがあろうとも、当たらなければ何の意味も無いものだ。
 そうして伯爵のカバーを外すと、今度は刃側を向けて上半身を引き絞る。
「……鍛え方が、良くないね」
「わはは、リップちゃんは背中で右手と左手握手できんもんねー」
 モンストロがもう一度体勢を立て直す前に、全ては終わっていた。
 悠凪の斬撃と、リップの大鎌が同時にモンストロの背へと飲み込まれて――。
 砂埃をあげて、その巨体は倒れ込んだ。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【光学迷彩】LV1が発生!
【一刀両断】LV1が発生!
効果2【ダブル】がLV2になった!
【命中アップ】LV1が発生!

東禅寺・征緖
【春雪】
皆、声を出せるようになって喜んでいるわね
これなのよねぇ、アタシ達の使命って……感動しちゃう

……さて、この喜びが続くようにそろそろ反撃といこうかしらね
春一ちゃんも子供扱いやら、ひ弱に見られてたり不満だったでしょ
天もきっとお怒りだわ

金棒と粉砕と破壊の力に加えて、怪力無双の効果も上乗せしちゃうわ
数が多くても、一撃で怯ませられれば上々
春一ちゃんとも狙いや動きを合わせて片付けましょ

ストリートストライクで鉱山の道具も活用
ツルハシもハンマーも結構殺傷力があるわね
道具も使いようによっては凶器よねぇ、怖いわぁ

敵からの攻撃は回避はせずに得物で防御
こっちに来たからには反撃されてもいいってことよね?


樹・春一
【春雪】
お邪魔します! ぶっ倒す!
貴方ですよ貴方! よくも僕をお子様のように抱えてくれましたね!
この落とし前きっちり……みっついますね。どれだかわかりますかスノーコード!
全部! なるほどよかろうでしょう!

ですがまずはよろしいですか!
僕は断じてか弱い子供などでは! ありません!!!
レディにはレディの扱いをするように、大人には大人の扱いをするのです!
よし! ならばまいります!

スノーコードは大きく得物を振るうので、僕はサイドから細かく攻めていきましょう
威力は細かくないですけどね! どれも爆弾級ですよ!
どっちが威力出せるか勝負しましょう! つよく殴れた方が勝ちです!
神よこの拳に力を! ハレルヤ!!!


●労働者たち
 大きな声で喜ぶ者。
 ありがとう、と何度も涙を流して告げる者。
 本当にこれで助かるのだろうかと怯える者。
 疲れ切った仲間たちを気遣う者。
 体だけでは無く、心まで細り切った労働者たちの反応は様々ではあったが、その誰もが瞳色に未来への希望を宿しだしていた。
「安心してね、アタシたちがあいつらなんて蹴散らしてくるわ!」
 バチーンとウィンクをキメた東禅寺・征緖(シスタースノーコード・g01483)が労働者たちへと声を掛ければ、どこか不安そうにしていた者たちも先程のディアボロスたちの活躍を。――またはシスタースノーコードのあまりの心強さに安心したのか、逃げ出す計画を語り合う。
 ――うん、うん。
 これよ、これなのよねぇ、アタシ達の使命って。
「さ、春一ちゃん。――この喜びが続くように、反撃といきましょ」
「はい、スノーコード! 敵は速やかにぶっ倒すべきだと神も言っています!」
 征緖の横でその様子を見守っていた樹・春一(だいたいかみさまのいうとおり・g00319)も、拳をきゅっと握りしめるとピカピカ物理で輝く笑顔を浮かべて頷いた。
「ええ、天もきっとお怒りだもの。遠慮はいらないわ」
 敵も異変を嗅ぎつけて、労働者たちの元へと訪れたのであろう。
 屋敷に向かわずとも向こうから来てくれるのならば、好都合といえば好都合である。
 征緖が拳を逆の手のひらで包み込むとぱきりと関節が鳴り、大金棒をひっつかむと。その前に飛び出した春一がぎゅっと拳を握りしめて、朗々と吠えた。
「それでは、お先に! 貴方!! まずマナーについてお話をいたしますね!?」
「……!?」
 突然飛び出してきて、お時間をいただこうとする春一の言葉に、モンストロは何を言っているのだと言った表情で鉄の棒を構えたまま。
「よくも僕をお子様のように抱えてくれましたね! 僕は断じてか弱い子供などでは! ありません!!!」
「エ?」
「ハァッ!」
 春一の言葉にまあまあ本気で首を傾げているモンストロに、隙だらけだと征緖は思い切り金棒を振り上げて。
「ッ!」
 咄嗟に振り上げられた敵の金属棒が、金棒とぶつかり合って火花をちらした。
 力と力のぶつかり合いの勢いにモンストロのかかとは轍を生み、空気がビリリと震えたように感じただろうか。
「レディにはレディの扱いをするように、大人には大人の扱いをするのです!
 ――貴方! 聞いていますか!? 貴方ですよ、貴方! よくもお子様のように抱えてくれましたね!?」
 そんな二人の激しい衝突にも怯まず、説法を続けていた春一はぎゅっと拳を握り込み。
「よし! ならばまいります!」
 一通り伝え終えれば満足した様子で、神の教えの通りに殴ることにした。
「グ……!」
「あら、浮気はダメよ。アタシだけを今は見て頂戴?」
 横っ飛びに地を蹴って駆けてくる春一に向かって、モンストロが視線を向けようとするが、巨大な金棒を逆袈裟に振り抜いた征緖が許してはくれない。
 神よ、この拳に力を。
「――ハレルヤ!」
 金棒と金属棒が再び交わされ。征緖の生み出した隙を狙って飛び込んだ春一の、光を蓄えた軌道がモンストロの脇腹で爆ぜて。
「もういっちょ、――強ハレルヤッッ!」
 ワンツーパンチの要領で、刳りこむようにもう一発!
 神の威光を宿した拳は、軽く見えて結構痛い。
「ギ……!」
 モンストロは体勢を崩しながらも春一を憎々しげに睨めつけて、金属棒を手に春一を睨めつけるが――。
 次の瞬間。
 金属棒は弾けるような甲高い音を立てて、地へと押し込まれ、――否、縫い留められている。
 それは征緖の振り抜いたツルハシの一撃が金属棒を貫通して、地へとその刃ごと沈んだ姿で有ることを、モンストロが理解できたかは定かでは無い。
 しかし。
「あらぁ、仕事の後に道具を片付け忘れていたのね、危ないわぁ」
 征緖はやれやれとかぶりを振って、白々笑う。巨体を支える膂力と、粉砕力と、破壊力と、ちょっとのひらめき。
「グ……!」
 そして信頼できる仲間がいれば、シスターは大体最強無敵だと言うことだけは、モンストロはその体で知る事となる。
「――神よ!」
「こっちに来たということは、天罰を与えられる覚悟があるってことよ――ねっ!」
 同時に振りかざされた巨大な金棒と光宿す拳は、モンストロの巨体を強かに打ち据えた!
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【強運の加護】がLV3になった!
【活性治癒】がLV5になった!
効果2【アヴォイド】がLV3になった!
【ドレイン】がLV5(最大)になった!

鵙目・隆尋
逃げる人達とこんにちは!とかされても嫌だし
倒すなら全部倒すに越したことはないよね
アヴァタール級狙いの人達の援護も兼ねれたらいいかな、って

刻明の祝福使用
天の廻りに魔力を纏わせてまずは投擲
斬撃を喰らってくれればいいけど
それが無理でも感覚に異変が生じてくれれば
多少は攪乱に役立つ……よね?

投擲と同時にダッシュで接近
同じく魔力を纏わせた魔晶剣で貫攻撃を仕掛けるよ
近くにいると馬鹿力で殴られそうだから
基本は一撃離脱

味方の攻撃で既にダメージを負ってる敵がいるなら
その敵を重点的に狙って行こう

敵の攻撃は狂獄の檻を展開してダメージ軽減
残像を置いて後方に退く形での回避も試みる
直撃喰らったら、人間の形保てるか怪しいもの


白臼・早苗
そういえば、演技してたとはいえ、容赦なく担ぎ上げてきたのはあなた達だったっけ
じゃあ、あんな酷い首輪を付けられた分の復讐を果たそうかな

力任せの攻撃、そんなのは私には当たらない
【偽る極楽鳥の舞】で華麗に攻撃を避けつつ針を突き立てて、体力を削って行こうか
いくら体力自慢と言っても、それは無限じゃない
私の舞が捕らえられるより先に、私の針がきっと致命に届く

彼らを倒したら、この悪趣味な鉱山を作り上げたボスを、後悔させてやらなきゃね


ミサゴ・ゾーリンゲン
……まあ、先に確保しとかなきゃねえしな。退路の安全は
それにつれてこられたときの借りもある
来いよ筋肉ダルマ。相手してやる

まともにやり合ってなんてやらない
距離を保って、自分に有利な距離で一方的に射撃を見舞う
ああ、電撃があるんだっけ?
だとしても飛び道具のカードはオレのほうが多いし、何よりその図体じゃ素早く何て動けないだろ
狐の俊敏さ、嘗めんなよな

右へ、左へ、相手の死角へ回り込むように移動し続けながら
《跳弾》や《弾速強化》のまじないを込めた弾丸であらゆる方向から、囲い込むような早撃ちをお見舞いしてやる
逃がしはしない

オレの本業はスナイパーなんだよ
筋肉ダルマと真正面からまともにやり合ってやるわけねえだろ


●屋敷突入
「――全部倒すに越したことはないよね」
「……まあ、先に確保しとかなきゃねえしな。退路の安全は」
 屋敷の奥に居たおそらく最後のモンストロに、鵙目・隆尋(幼年期の終わり・g00735)は瞳を細めて。
 彼と背中合わせで立ったミサゴ・ゾーリンゲン(カムイチカフ・g00067)はその言葉に同意するように小さく頷いた。
 異変を見に行った仲間たちが帰ってくる様子が無いために、見にゆこうとでもしていたのだろうか。
 モンストロはその瞳に憎々しげな色を宿して、低い声で呟く。
「オマエタチガ、ジャマヲ……?」
「そうだよ、筋肉ダルマ。相手してやる――連れて来られた時の借りもまだ返してねえしな」
 くん、と挑発するように人差し指を引いたミサゴは、大きな尻尾を揺らして肩を竦める。
「労働者たちの所には、もう行って欲しくないしね」
 モンストロはこちらを睨めつけ向かってきているが、まだ金属棒のリーチは届きはしない。
 ここに集まっているディアボロスたちは奇しくも皆、遠距離攻撃を持ち合わせているもので。
 隆尋は占い用のカードを手のひらで扇のように広げると、魔力をカードに宿して、鋭く腕を振るえば矢の如くカードが宙を駆けだした。
 このカードは当たれば感覚を狂わせるが、――決定打にはなり得ないだろう。だからこそ隆尋は魔晶剣を手にすると、弾かれた弾のように地を蹴り駆け出した。
「……そういえば、私をここへ連れてきたのはあなただったっけ?」
 そんな隆尋に並んでモンストロに肉薄したのは、白臼・早苗(深潭のアムネジェ・g00188)だ。
 彼女はどこかのんびりとした様子で質問を重ね、その踏み出す甘やかなステップは舞うように。振り下ろされた金属棒を紙一重で避けると、大きく腕を広げた。
「酷い首輪を付けられた分の復讐は、果たさせてもらおうかな」
「そうだね。――攫われてきた人たちの首輪の分まで、俺たちが殴っておこうか」
 ――その早苗の優雅な舞いの合間に針が投擲されている事なんて、きっとモンストロには気づく事も出来なかっただろう。
 彼女と敵を挟み込むように地を蹴った隆尋も、同意の言葉を重ねて。
「ガ……!」
 二手に別れたディアボロスたちに向かって、筋肉のバネをせいいっぱいに引き絞って、モンストロは大きく拳を構えるが。
 ――すでに彼は『感覚』を狂わされ、数多放たれた見えぬ針に貫かれている。何故か不思議と痛む体に、モンストロの動きは一瞬鈍くなり。
「……はっ!」
 ディアボロスたるものが、その一瞬の隙を逃す訳も無い。
 隆尋は一太刀叩き込むと、大きくバックステップ。
 一瞬遅れて、数秒前まで彼の存在した場所に、モンストロの巨大な機械腕が床へと叩き込まれた。
 刹那。
 ぐわぐわと地震が起こったかのように屋敷の廊下が撓んで、床が砕けて割れる。
「……わー、絶対に当たりたくないな」
「わっ、……当たったら壊れちゃいそう」
 隆尋の言葉に、早苗がぱちぱちとまばたきを重ねた。
 ヒットアンドアウェイが功を奏し、今回は無傷でいられはしたが、ずっと避け続けられるとは限りはしない。
「鬼さんこちら、ってな」
 ――ならば、自分に有利な距離を保てば良いだけだ。
 ミサゴはそもそも、本業がスナイパーだ。
 近接攻撃が得意な、力任せの一撃を受けてやる必要なんてひとつも無い。
 ――まともにやり合ってやらない事が、何より一番危険の少ない方法なのだ。
 ミサゴの手にした銃から放たれる弾は、まじないがかかっている。
 緻密な魔力が練り込まれ、制御された弾道は跳弾まですべてが計算されつくした軌道を描くもの。
 その分制御も大変なのだが、そこはミサゴの技術が光る部分であろう。
 瞳を眇めたミサゴの銃から、いくつもの弾が吐き出される。
「その図体の割には足が早いみたいだけれど、……いくつ避けられるかな」
 その一つ一つに込められた魔力が、跳ねて、飛んで。
 ――敵を囲い込むかのように、跳弾によって様々な角度から降り注ぐ。
「ガッ! グ……!」
 思うように距離が詰められぬというのはモンストロにとっても居心地の悪い事らしい。苛立たしげに跳ねる弾をうち落とそうとするかのように、モンストロはめちゃくちゃに金属棒で廊下を打ち払い。
「ねえ、――この悪趣味な鉱山を作り上げたこと、後悔させてあげるよ」
 狙いも無くめちゃくちゃに破壊される床板を蹴って。
 なおも、早苗の舞いは止まる事は無い。
 見えぬ針が雨の如くモンストロに降り注ぎ。
 リーチの差に気づいたのか、モンストロが憎々しげに下がろうとするが――。
「逃がす訳」「無いだろ?」
 それは刹那の事。
 感覚を歪められたモンストロに一瞬で距離を詰めた隆尋とミサゴは、その背と眉間へと、同時に刃と弾を貫き通した。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【光学迷彩】がLV2になった!
【士気高揚】LV1が発生!
【エイティーン】LV1が発生!
効果2【ダブル】がLV3になった!
【ダメージアップ】がLV4になった!
【能力値アップ】がLV10(最大)になった!

弔焼月・咲菜
ようやく見つけたぜ。あー、疲れた……。広すぎんだよこの炭鉱…。血生臭いし迷うしで最悪だったわ…。
後は…お前の首を撥ね飛ばしさえすりゃ、俺達の勝利ってことさね。さっさと殺るか。

面倒だからとっとと終わらせて貰うぜ。
【罪縛りの鎖】が発動してるみたいだから利用させてもらう。
後は【飛翔】で急接近し、敵を宙に放り投げてから容赦なく滅多斬りにする。

ほぉら、直撃だ。まずいまずい。生き残れねぇぞそんなことじゃ。
いや、生き残る可能性と必要は0さね。死ね。


薬袋・透
良くもあんなダサい首輪つけてこき使ってくれたわね?僕だけじゃなくて無力な一般人まで……さらう時だって演技とはいえ病気の人間をあんな乱暴に……普通の人間ならあの時点で死んでもおかしくなかったのよ?絶対許さないわ、覚悟しなさい

暗い坑道内でも問題なく動けるよう【完全視界】で視野を確保

敵のパラドクスは【怪力無双】と【操作会得】を使いツルハシで受け止め忍耐力を活かし耐える

相手の隙を突き高速詠唱、【パラドクス】で火炎使いの蛇を召喚
尾での強打とブレス攻撃の連撃を行う

アドリブ絡み歓迎


「……あー、疲れた……」
 弔焼月・咲菜(葬送の報復鬼・g01723)がやれやれとかぶりを降ると、甘い色の混ざった長い髪がゆるゆる揺れた。
 ――咲菜はこの屋敷にたどり着くまでに、さんざ広い鉱山の区画に迷いに迷ってしまっていた。
 しかし無事に屋敷の主らしき部屋にたどり着けたなら、結果オーライだろう。
 ……あー、そうだよな……?
「でも、まあ。後は……お前の首を撥ね飛ばしさえすりゃ、俺達の勝利ってことさね?」
「全く……! 良くもあんなダサい首輪つけてこき使ってくれたわね?」
 黒い龍の尾を苛立たしげに揺らした薬袋・透(無彩の魔女の系譜・g02087)は全ての元凶であろう、部屋の奥に佇む女――クロノヴェーダ、ヴィクター・ブラウト『ツェツィーリエ』を睨めつけた。
「それに僕だけじゃ無い、――無辜の人々をあんなに乱暴に攫うなんて! 普通の人間なら、あの時点で死んでもおかしくなかったのよ?」
「何ですか、あなた達は」
 咲菜と透の言葉にもただただ無表情でツェツィーリエは応じる。
 その瞳は二人をまっすぐに見ているのに、何も見ていないようにも見えて。
「――面倒だから、問答するつもりはねぇよ」
「そうね、何を話しても一緒だわ。――絶対許さないから、覚悟しなさい」
 腰を下げて構えた咲菜が大きな妖刀を構えると、透も拳をきゅっと握りしめ。
 対話が不要という点ではツェツィーリエも同意をしたようであった。
「あなた達が、この鉱山の運営に不要なものである事は理解いたしました。排除いたします」
 そうして巨大な玉がついたメイスを手にすると、一気に二人へと肉薄する。
「危ねぇな」
 咲菜がバックステップを踏めば――それは跳ぶでは無く、宙を翔ぶという事だ。
 刃に手を添えて、巨大なメイスを滑らせるように反らして。
 火花を散らしてツェツィーリエの一撃の勢いを殺してやれば、肩を竦めてまた笑った。
「そんなに優しい攻撃で、俺を排除しようってのか」
「排除される前に、焼き尽くしてあげるわ!」
 ――やがて龍へと至る炎。
 得物を振り切った後というのは、誰にとっても隙となりうるもの。
 ぐんと身を低くしてツェツィーリエへと寄った透は、炎の体を持つ蛇を彼女へと絡みつかせると同時に、回し蹴りを叩き込んで。
 敵の巨大な得物から距離を取ると、呼び出された炎の蛇はごうと彼女の顔に向かって炎を吐き出した。
「!」
「ほぉら、他所見をしている場合か?」
 刹那。
 滑空した咲菜がツェツィーリエを掴むと、――体勢を崩した彼女に向かって。
 袈裟斬りから返す手で逆袈裟に叩き込み、壁を蹴って踏み込みを深めると重ねて更に刃を叩き込む。
「まずいまずい。生き残れねぇぞそんなことじゃ」
「……く!」
 ツェツィーリエは苦々しく眉を寄せると、円を描くようにメイスを大きく振るい。
 咲菜は紙一重で叩き込まれた質量の塊を、空を蹴り避ける。
「まだまだ行くわよ!」
 透の背負う気持ちは、彼女だけのものではない。
 今までに攫われて、無茶な労働によって苦しめられた無辜の人々。
 そうして亡くなってしまった者達。
 全て、全て、この鉱山の区画で起こっていた事は、このクロノヴェーダが元凶であるのだ。
 ――そんなの許せるわけ無いじゃないの!
「もう一度行くわよ、燃やし尽くせ!」
 炎の体を持つ蛇へと、透はもう一度指示を出す。
 攫われてきた者の無念を、苦しみを、晴らすが為に。
 ごう、と吐き出された炎は弾けて――!
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【飛翔】LV1が発生!
【熱波の支配者】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV2になった!
【ロストエナジー】がLV3になった!

宮生・寧琥
っっっぷ、っへぇ~…!!
声がさー、出せないとさー、何か、息もしづらいよねぇー
ねーこ、息できなくなるかと思ったぁ

捕まってた人たちが元気なの見て、にへってしちゃう
よかったねぇ
情報も、ありがとぉ
気をつけて帰ってねぇ
ねーこは、悪い人をたおしにいき!ます!

教えてもらった情報の屋敷に突撃ー!
怖いけどぉ…一番悪い人を倒しにいくよぉ
あんね、あんね、今回の人たちは助けられたけどさー…ねーこたちが間に合わなかった人たちもいるんだもん
ねーこ、結構、怒ってるから

【神蝕呪刃】で攻撃
これ、疲れるからやなんだけど…でも、いっぱいいじめられた人たちの分、おしおきっ!
反省、してね?

でも、やっぱり素早く動かれるとこわいぃ~!!


青天井・イカス
オー、新シい死人ハ出ナかッタようデ何よリ、何よリ
いヤいや、揶揄っテんジゃねぇサ
来た甲斐ガあったッてモンだ
ンじゃ、後はサクッと黒幕倒しテ帰還と行こウゼ

守リが薄いンなラ手っ取り早ク頭叩くガ定石カ
っつーコトで、道中邪魔さレなキャ、屋敷の最奥へ
ズカズカ無遠慮に失礼スるぜ
モブオーラもあるシ、ジョブ柄、気取ラれず動くノは十八番ってヤツだ
出会イ頭に不意打ち一発【スコルピオンスティング】喰らワしテやるカ

なァに、一撃で倒せるたぁ思ってねぇさ
俺の仕事ハ、手前ェが目立ツことじャアねェ
他が動キやスクするコトだ
なァお前サン、ガタ(ロストエナジー)が来テるゼ?

命懸ケの仕事がお望ミだッタんダロ?
良カったな
死ぬ前に叶ッテ、サ


ミサゴ・ゾーリンゲン
必要なのは一発、一発だけでいい
確実に、正確に、対象を制圧、沈黙させられる一発
こっちも消耗してるんだからだらだらやってはいられねぇ

取り巻きも減った今なら狙いを付ける猶予は十二分にあるはずだ
他のディアボロスも交戦している、乱戦の中を縫うように狙撃を届けて見せるさ

《魔力腔綫》《空力砲身》《貫徹強化》
《弾速強化》《炸裂弾頭》《電磁加速》

ただの銃弾と思うなよ
ありったけの“まじない”を重ねた一発
とっておきの一発――雷だ。吹き飛べ


リップ・ハップ
……膝とか手首んとことかハートあっててちょっちかわゆ
でも血の気がさらっさらねいのはいただけねー
愛のねいやつが私に勝てっと思うなよ

どつき合いパート2。わはは
性質は違っても得物の間合いは似たよなもんだ
真っ向から張り合って釘付けにしてやる

んでよ
最大の性質の違いは鎌は内向きに刃がついてるってとこだ
外から内に向かって斬り込めるってとこだ
格闘戦? 挑んで来いよ
被弾しようが何だろうが踏み込む
顔突っつき合わせるくらい近くに
振りかぶった拳、幾ら突き出しても速度乗せらんねー超至近に

そこで伯爵を引く
プロムのパートナーの腰に手を回してやるように
大胆に、情熱的に、刃で抱き寄せる
踊ろうぜ、怪物
くたばるまで付き合ってやんよ


●ヴィクター・ブラウト・ツェツィーリエ
 ディアボロスたちがモンストロを抑えている事もあり、もとより守りの薄い館の最奥へと歩む者たちの足を止めるものは、もはや無い。
「ヨっと」
 一足先に始まった様子の扉の向こう側に感じる戦闘の気配に、青天井・イカス(このうえなく・イカス・g02133)は片足を持ち上げ。
「失礼スるぜ」
 曲げ伸ばしの反動に体重を乗せるだけの蹴りで扉を開くと、次の踏み込みで跳躍した。
 大きく振り上げた彼の手には、鉄製の捻じ曲がった棒。
「……プロトタイプ・ヴィクター・モンストロ達は、倒されましたか」
「っと……」
 炎に煽られ蹈鞴を踏むツェツィーリエが巨大なメイスをガードに上げ、バールのようなものがガツンと音を立てて阻まれる。
「それでは私がすべて、排除せざる得ないようですね」
 しかし取り付くように巨大な球体に足を立てたイカスは、跳ね返るように床へと自ら跳ね返り。
 巨大な武器故の死角、這うような低い体勢からツェツィーリエの足をバールのようなもので掬い上げた。
 ――何も一撃で倒そうとは、イカスだって思っちゃいない。
 それでも一撃入れば十分なのだ。
 彼はクカカと笑って、殴打の勢いそのまま床を転がり。
「ナるほドね。ま、ソンなにツレない事言うナよ」
 刹那。
 宙を駆ける、銀色にきらめく軌道。
「わはは、そーそー。リップちゃんとも遊んでもらうかんね」
 黒髪に溶ける朱色を遊ばせて。
 イカスと入れ替わるように間合いを詰めたのは、リップ・ハップ(Reaper Harper・g00122)であった。巨大なメイスの先と巨大な鎌の刃が噛み合い、刃の曲線が撫でるようにメイスの勢いを滑らせ殺すと、一度バックステップを踏んで距離を取る。
「ししし、その服ハート色んなとこあって、ちょっちかわゆ」
 ――でも、血の気がさらっさらねいのはいただけねー。
 なんて、リップはかぶりを振って、同じくらいの大きさの得物を視線だけで見比べる。
 打撃と斬撃、性質こそ違えど間合いは同じようなものであろう。
 何よりも違うのは、鎌の刃は内向きで、メイスは見ての通りどこからだって殴れるという点だ。
 そもそも通常の戦いであれば、長い柄から手元にかけては完全に死角となる巨大な武器は、お世辞にもあまり使い勝手が良いとは言えないだろう。
 巨大武器の応酬をする際に、内側に斬り込めるほうが間合いを詰めた場合は少しは有利かもしれない、程度だ。
 ――しかしその使い手がゾルダートであれば、……ディアボロスであれば、話は別だ。
 円を描くように振り上げられたメイスの一撃に、長い柄を地に突き立てて棒幅跳びのように跳ね避けたリップは、返す手で刃の弧の内側にツェツィーリエを捉えて。刃にその肌を食らわれる前に、刃に勢いが乗らぬように上げた踵で蹴り返す。
「ぴゃっ!?」
 突然目の前へと飛んできたツェツィーリエに、驚いた声をあげたのは宮生・寧琥(ちっちゃくて、あったかい・g02105)だ。
 ぱちりとツェツィーリエと目が合えば、思わず悲鳴がこぼれてしまいそうになるけれど。
 ――そぅ、……でも、このひとが、一番悪い人なんだよね……?
「もうもう……っ! ねーこさー、結構、怒ってるんだからねぇ……!」
 声がだせないとさー、なんか、息もしづらくてねぇ、ねーこ、息ができなくなるかと思った、んだよねぇ。
 あんね、捕まってた人たちは、ずーっと……だったんでしょ?
 そんなの、そんなのさー、たぶん、すごい、辛かったよねぇ。
 マヂむりってなっても、逃げられなくて、ずっと辛いやつだよねぇ。
 寧琥の思いに呼応するように、妖刀より溢れた呪いが黒く雲烟る。
「……いっぱいいじめられた人たちの分、おしおきっ!」
 右足を引いて、右斜めに向けた刀を脇に取って構えた寧琥は細く鋭い息を吐く。
 剣先を後ろに下げたまま一歩踏み込み。――左半身を敢えて無防備にする事で、敵の攻撃を誘い、誘導するように。
 振り上げられたメイスの影が落ちて、寧琥は怯みそうな心に自分で叱咤激励する。
 そんで、そんでさ。
 今回の人たちは助けられたけどさー、――ねーこたちが、間に合わなかった人たちも、いるんだよね。
 ――ねーこはそんなの、絶対ゆるしちゃだめだと、思う。
「やーっ!」
 怯えを、恐れを、怖さを、全部飲み込んで。
 叩き込まれたメイスを、傾けた刃で反らすと寧琥はもう一歩踏み込み。
 烟る呪いを宿した刃を返して、逆袈裟にツェツィーリエを切り払う。
「悪いことしたらっ、だめー、……なんだからねっ!」
 呪いが燻り、ツェツィーリエが体勢を立て直そうとするが。
 ぐら、と揺れる体。
「なァ、お前サン。――そろそろガタが来テるみテェだナ?」
 揺れたメイスがこちらへ向かわぬように、カンと軽くバールのようなものを振りかぶったイカスは、ひゅう、と口笛のような音を立てて。
 気だるげにも見える動きで得物をぶらんと揺らすと、間合いには近づかぬようにツェツィーリエから軽く距離を取って、またクカカと笑った。
 ……俺の仕事ハ手前ェが目立ツことじャアねェ、他が動キやスクするコトだ。
 そういう意味で言えば、イカスの仕事は一撃目を入れた時点で終えていたのだ。
 室内に満ちた死の瘴気は、彼女が自身で攻撃するたびに自らを侵食する呪いだ。
 戦いが長引けば長引くほど、ツェツィーリエの動きは鈍るだろう。
 ミサゴ・ゾーリンゲン(カムイチカフ・g00067)は、仲間たちと敵の交戦状況をじっと観察していた。
 彼が狙っているのは、確実な一発だけであった。
 ――確実に、正確に、対象を制圧、沈黙させられる一発だけだ。
 長い事労働していたのは、ディアボロスたちだ。
 彼女が長期戦をすべきでない理由が、瘴気に侵され倒れる事だとしたら、ディアボロスたちの理由は、単純に体力だ。
 みんなすでに消耗している。
 モンストロと交戦したものたちであれば、それは余計だ。
 死線を潜り抜ける体力消費は、決して侮れぬものであろう。
 ――だらだらはやってはいられねぇな。
 針穴に糸を通すように。
 猫の首に鈴をつけるネズミのように。
 必ずいつか訪れる、確実に彼女を滅せる瞬間を。
 皆の背後で構えるミサゴは、その確実な瞬間だけを狙っている。
 ふらついたツェツィーリエを円を描く刃の間合いで引き止めたリップは、マスクの下で――目元にとびきりの笑顔を浮かべて。
「踊ろうぜ、怪物」
 これだけ近ければ、巨大武器の間合いは無駄なものだ。
 ツェツィーリエだってわかっているのだろう。
 彼女達は同時に小ぶりを握りしめて、振りかぶる事もできぬ距離で膂力だけで殴り合う。
 その距離は額と額がくっつくほど。口づけの距離で――。
 なあ、愛のねいやつが私に勝てっと思うなよ。
「くたばるまで付き合ってやんよ」
 まるでプロムナードのパートナーの腰に手を回すように、甘やかなステップでリップは大鎌――伯爵の刃を引いた。
 内側に備え付けられた刃は、自然ツェツィーリアの腰へと引き絞られ。
 ――今だ、とミサゴは思う。
 『魔力腔綫』、『空力砲身』、『貫徹強化』、『弾速強化』、『炸裂弾頭』、『電磁加速』。
 そう、彼の本業はスナイパー。
 魔力が空気をぱちぱちと爆ぜさせるほど、集中した彼が放つレールガンは、ばぢ、と音よりも早く駆けて。
「……っ!」
「とっておきだ。――吹き飛べよ」
 ばぢん、と大きな音を立てたツェツィーリアが焦げ爆ぜて――。
「反省、……してねっ?」
「命懸ケの仕事がお望ミだッタんダロ」
 ふら、と揺れたツェーツィリアの頭に、同時に踏み込んだ寧琥とイカスが、交わす形で刃と捻れた棒をぶち込んだ。
「良カったな。死ぬ前に叶ッテ、サ?」
「……、失敗、ですか」
 ツェツィーリアは憎々しげに一言呟くと、その場に倒れ伏し――。
「ぴゃぁあ!?」
 その瞬間、外から地響きのような大きな音が響いた。
 思わず寧琥がびっくりした声を上げるが、皆何が起こったかは理解している。
 ――事前に聞いていたとおり、鉱山が崩れ出したのであろう。
「ンじゃ、後はサクッと帰還と行こウか」
 ゆるゆる手を降ったイカスの言葉に反対するものはもちろんいなかった。
 この鉱山で行われていた非道は、ディアボロスたちの活躍によって最早摘み取られたのだから。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【腐食】LV2が発生!
【罪縛りの鎖】がLV2になった!
【完全視界】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】がLV6になった!
【ロストエナジー】がLV4になった!
【フィニッシュ】LV1が発生!

最終結果:成功

完成日2022年01月03日

ルール炭鉱破壊作戦

 ゾルダート秘密工場から手に入れた裏帳簿や鉄道網の調査から、機械化ドイツ帝国を支える資源が採掘されている鉱山の位置が判明しました。
 それがルール炭鉱です。
 ルール炭鉱から採掘された資源は、ルール工業地帯でサイボーグ機械に組み立てられ、鉄道網を利用して機械化ドイツ帝国各地に運ばれているようです。

 ルール炭鉱では、多くの一般人が劣悪な環境で働かされています。
 彼らは、近隣地域から非合法な方法で集められた一般人達で、毎日のノルマを果たさない限り喋る事さえ出来ないという労働者の首輪を嵌められ、酷使されているようです。

 このルール炭鉱を支配するクロノヴェーダを撃破し、資源の採掘を止める事が出来れば、ドイツ機械化帝国の戦略を大きく狂わせることが出来るでしょう。


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#機械化ドイツ帝国
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#ルール炭鉱破壊作戦


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選択肢『鉱山重労働』のルール

 鉱山労働者として重労働を行います。
 鉱山の労働者は全員が『労働者の首輪』をつけられています。
 この首輪は、鉱山を支配するアヴァタールを撃破しなければ外すことが出来ず、首輪をつけている限り、鉱山から逃げ出す事ができません。
 また、毎日のノルマをクリアしない限り、話す事も許されない非人道的なクロノ・オブジェクトです(ディアボロスには効果はありません)。
 ディアボロスの力で、素早くノルマを達成する事で、一般人の労働者から必要な情報を集めることが出来るでしょう。
 情報を集めると同時に、脱出についての説明もしてあげると良いでしょう。

 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『【🔑】この選択肢の🔵が👑に達しない限り、マスターは👿のリプレイを執筆できない。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢『敵に誘拐される囮作戦』のルール

 一般人が誘拐される事件に介入し、代わりにディアボロスが誘拐されます。
 ディアボロスの外見や装備で疑われる事は無いので、外見や装備以外の行動部分で、いかに誘拐対象に成り代われるかが重要となるでしょう。
(外見を偽装しなくても失敗要因にはなりませんが、外見を偽装する事で成功する可能性が高まる事はありえます)
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 なお、この選択肢には、特殊ルールはありません。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👾取り巻きトループス級『プロトタイプ・ヴィクター・モンストロ』のルール

 事件の首魁であるクロノヴェーダ(👿)の取り巻きのトループス級クロノヴェーダ(👾)と戦闘を行います。
 取り巻きトループス級は、👿と常に一緒に行動していますが、戦闘時に👿を庇うような行動はとらず、👿が撃破すると、逃走していきます。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 記載された敵が「沢山」出現します(現れる敵の数は、オープニングの情報やリプレイの記述で提示されます)。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『この選択肢の🔵が👑に達すると、この敵集団を倒す。完結までにクリアしていない場合、この敵集団は撤退する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👿アヴァタール級との決戦『ヴィクター・ブラウト『ツェツィーリエ』』のルール

 事件の首魁である、アヴァタール級クロノヴェーダ(👿)と戦います。
 👿を撃破する事で、この事件を成功で完結させ、クロノヴェーダの作戦を阻止する事が可能です。
 敵指揮官を撃破した時点で、撃破していないクロノヴェーダは撤退してしまいます。
 また、救出対象などが設定されている場合も、シナリオ成功時までに救出している必要があるので、注意が必要です。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 記載された敵が「1体」出現します。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功 🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔴
 苦戦 🔵🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『【完結条件】この選択肢の🔵が👑に達すると、敵を倒し、シナリオは成功で完結する。ただし、この選択肢の🔴が🔵より先に👑に達すると、シナリオは失敗で完結する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※このボスの宿敵主は「リヒャルト・ヌルヌルフュンフ」です。
※クロノヴェーダには、同じ外見を持つ複数の個体が存在しますが、それぞれ別々のクロノヴェーダで、他の個体の記憶などは持っておらず、個体ごとに性格なども異なっています。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。