海底遺跡、狂気の決戦

 蛇神『イグ』(元は、ジェネラル級キマイラウィッチ『ヴイーヴル』)の拠点が、ロゴ・トゥム・ヘレがいた海底神殿跡である事が判明しました。
 攻略旅団の作戦に従い、海底神殿があった海底に向かい、イグとの決戦に挑んでください。
 イグを撃破する事で、アーカムで狂気に犯されている一般人の回復が見込めるかもしれません。

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海底遺跡の決戦〜揺籃の蛇神(作者 秋月諒
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#空想科学コーサノストラ  #海底遺跡、狂気の決戦  #蛇神『イグ』  #ヴイーヴル  #キマイラウィッチ  #狂気 


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●鱗を抱くもの
 水の、滴りおちる音がしていた。ぴしゃん、ぴちゃん、冷たい水音がつるりとした床を叩き——その中央、玉座に翼をおいて微睡んでいた存在が、ゆるりと顔を上げた。
「あぁ、囁いているわ。蠢いているわ。動いているわ」
 それは美しい女の顔をしていた。艶めいた長い髪が揺れ、ほう、と息を零した女は微睡みの中、笑みを零す。
「また動いた。中で動くの……ふふ、あぁ聞こえる? 聞こえるわ。たくさん割れて、骨の奥で、たくさん、たくさん、たくさん、たくさんたくさん」
 玉座に触れる手は、翼の形をしていた。空を知っていたその翼は、今や海底神殿跡の奥深く、大広間にある玉座を抱きしめていた。
「卵を孵しましょう。増やしましょう。もっとたくさん、あぁ。そうね、そう。みんな……あぁ、あなたの背骨柔らかいでしょう?」
 身をくねらせれば、蛇の下半身が冷たい床に触れる。気だるげに身を起こし、ふえるわ、と囁く。
「ラグクラフト様、ラグクラフト様……! ふふ、ふふふふ。あぁ、増える、ふえるわ。卵の音。骨から、肉から、卵から生まれましょう」
 歓喜を紡ぎ、翼を広げ、蛇の下半身を持つ女——蛇神イグは、元はジェネラル級キマイラウィッチ『ヴイーヴル』だった存在は謳う。
「私の骨、わたし、わた……あたし……、わたくしの卵。動く音が聞こえるわ。割れるの。海鳴りは聞こえる? 卵の中で。そうね、きっと今度見舞える舌も、良い蛇になるわ」
 聞こえるの。聞こえるわ。きこえる? と狂気に飲まれた蛇は告げる。完全に狂気に飲まれた彼女は、誰との会話も成立しない。ただ虚空に投げるように彼方に捧げるように歌った。
「背骨の中で、蛇が鳴いてるもの!」

●揺籃の蛇神
「皆様、お集まり頂きありがとうございます。
 蛇神『イグ』についての情報が集まりました」
 そう告げたのはセド・ファジュル(人間の風塵魔術師・g03577)であった。
「蛇神イグについては、既にお聞きの方も多いかと。
 元は、ジェネラル級キマイラウィッチ『ヴイーヴル』であったもの。ラヴクラフトにより『蛇神イグ』にされた存在です」
 その拠点と、状況が等々判明したのだ。
「拠点の場所は、ロゴ・トゥム・ヘレのいた海底神殿跡。
 攻略旅団の提案により、ジェネラル級キマイラウィッチ『蛇神イグ』を撃破作戦を行うことが決定しました」
 そう、再びかの海底ピラミッドに挑むのだ。
「一度戦場となったピラミッドですが、現在は建て直しや修復が行われているようです。……ですが、こちらは一度は突入している身です。再度の突入作戦は、そう難しいものでは無いでしょう」
 とはいえ、慎重になるところは慎重になるべきだろう。
「そして、蛇神イグですが、元はジェネラル級キマイラウィッチ『ヴイーヴル』だったとはいえ、完全に狂気に呑まれています。会話等は行うことはできません。唯一、撃破することがせめてもの道標となりましょう」
 キマイラウィッチとしてその身に抱き続けてきたモノも、今の彼女には——蛇神イグと成った『者』には無い。狂気に呑まれ、意味不明の言葉を紡ぎ続け、敵を屠り、狂気に触れさせるだけだ。
「それと……、蛇神イグの撃破後、アーカム地域を見に行っていただけますでしょうか?
 イグの撃破による変化があるのか、なにより、アーカム地域の狂気の一般人の治療を試みていただければと」

 そう告げると、セドはディアボロス達を見た。
「では、拠点についての情報を改めてご説明いたします。
 蛇神イグがいるのは、ボストンに面したメイン湾の海底、水深は200m地点に或る建設・修復中のピラミッド型の遺跡となります」
 光の射さない深海の遺跡。深海という定義でいえば、ギリギリという深さではあるが。
「海の中、深くにあるのは確かですから。【水中適応】などのパラドクス効果の準備をして挑む必要があります」
 水深200mは、光も殆ど届かない。
「その対策も必要となるでしょう」
 海に潜り、海底遺跡を発見した後は、遺跡の修復、建築作業を行っているトループス級を撃破し、ピラミッド内に潜入することとなる。
「ピラミッド内部は、防衛態勢がまだ整ってはいません。一直線に、蛇神イグがいる玉座の間に向かい決戦に挑んでください」
 完全に狂気に呑まれているとはいえ、蛇神イグは強敵だ。
 道中、出会うのは蛇神イグの護衛である蛇人間たちだろう。
「玉座の間に入る前でしょう。振り切ることもできるでしょうが、その場合、蛇神イグとの戦い時に参戦してきます」
 蛇神イグとの戦いと思えば、先に倒した方が良いだろうが——……。
「こちらは、皆様に判断をお任せしたく。
 そして、蛇神イグとの戦いに勝利した後は、アーカムの狂気の一般人の治療を試みていただきたく」
 イグの撃破、という事実が彼らに何かを齎すのか。
「治療に至らずとも、イグを撃破したことで症例に何らかの変化があれば、今後に繋げる事が出来るかもしれません」

 そこまで話すと、セドは集まったディアボロス達を見た。
「蛇神イグを撃破すれば、コーサノストラに逃れてきたジェネラル級キマイラウィッチは全滅となりましょう」
 蛇神イグ——嘗てのジェネラル級キマイラウィッチ『ヴイーヴル』そして、最後のジェネラル級キマイラウィッチたる存在。
「その最後が、ラヴクラフトに利用されたままというのは考えるところはありますが……、正気であってもキマイラウィッチである以上、私たちディアボロスとは戦う道にあったでしょう」
 キマイラウィッチとしての矜持は最早彼女には無いだろうが。
「全力で戦いましょう。それが、唯一示せることでしょうから」
 それぞれに、胸に抱くものはあるだろう。戦いの中で示そう。ここまで、ディアボロスもまた、辿りついたのだから。



 海底遺跡のイグを撃破後、アーカムの狂気の一般人の様子を確認したり治療を試みます。
 イグを撃破した事で症状が改善できる可能性はありますが、症状の改善が見込めない場合もあるでしょう。
 症状が改善できない場合も、なんらかのヒントを得る事が出来るかもしれません。
 詳しくは、オープニングやリプレイを確認してください。



特殊ルール 【完結条件】この選択肢の🔵が👑に達すると、シナリオは成功で完結する。
👑4

→クリア済み選択肢の詳細を見る


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【悲劇感知】
1
「効果LV×1時間」以内に悲劇が発生する場合、発生する場所に、ディアボロスだけに聞こえる悲劇の内容を示唆する悲しみの歌が流れるようになる。
【一刀両断】
1
意志が刃として具現化する世界となり、ディアボロスが24時間に「効果LV×1回」だけ、建造物の薄い壁や扉などの斬りやすい部分を、一撃で切断できるようになる。
【勝利の凱歌】
1
周囲に、勇気を奮い起こす歌声が響き渡り、ディアボロスと一般人の心に勇気と希望が湧き上がる。効果LVが高ければ高い程、歌声は多くの人に届く。
【泥濘の地】
1
周囲の地面または水面が泥濘に変わり、ディアボロスは指定した「飛行できない対象」の移動速度を「効果LV×10%」低下させられるようになる。
【光学迷彩】
1
隠れたディアボロスは発見困難という世界法則を発生させる。隠れたディアボロスが環境に合った迷彩模様で覆われ、発見される確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【断末魔動画】
1
原型の残った死体の周囲に、死ぬ直前の「効果LV×1分」に死者が見た情景が動画として表示される世界になる。この映像はディアボロスだけに見える。
【平穏結界】
1
ディアボロスから「効果LV×30m半径内」の空間が、外から把握されにくい空間に変化する。空間外から中の異常に気付く確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【完全視界】
3
周囲が、ディアボロスの視界が暗闇や霧などで邪魔されない世界に変わる。自分と手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人にも効果を及ぼせる。
【水面走行】
1
周囲の水面が凪ぎ、ディアボロスが地上と同様に走行や戦闘を行えるようになる。ディアボロスと手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人も同行可能。
【パラドクス通信】
3
周囲のディアボロス全員の元にディアボロス専用の小型通信機が現れ、「効果LV×9km半径内」にいるディアボロス同士で通信が可能となる。この通信は盗聴されない。
【水中適応】
2
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」が、クロノヴェーダを除く全ての生物が水中で呼吸でき、水温や水圧の影響を受けずに会話や活動を行える世界に変わる。

効果2

【能力値アップ】LV1 / 【命中アップ】LV4 / 【ダメージアップ】LV3 / 【ガードアップ】LV3 / 【先行率アップ】LV1 / 【アヴォイド】LV2 / 【ダブル】LV1 / 【ロストエナジー】LV1

●マスターより

秋月諒
秋月諒です。
どうぞよろしく御願い致します。

蛇神『イグ』との決戦となります。
*蛇神『イグ』は完全に狂気に呑まれています。意味不明な言葉をくり返し、会話などは行えません。

●シナリオの流れ
③→②→④→①

*②に関しては、事前に撃破しない場合、ボス戦に参戦します。

●リプレイについて
③海底ピラミッドへの突入作戦 からスタート
海底で活動する準備(パラドクス効果とか)をしつつ、海底へ→作業中の敵を撃破を目指します。
章の選択肢の概要も御確認ください。

*深海の遺跡での戦いとなります*
【水中適応】【完全視界】などのパラドクス効果が必須となります。

→必要技能は被っても各自持っていった方が安全な場合も結構あるよ
→比較的早めのご参加の場合は、自身が持ちこんだ技能以外は存在しない可能性が高いよ


●プレイングについて
1〜2日置いてプレイング採用となります。先着順ではありません。
また、必要人数をぐわっと大きく越えた採用は無いので、そんな感じです。

*技能は、パラドクスを越えた効果は発揮しません。

*パラドクスの説明文章を過大解釈したなんかすごい行動、なんかものすごい装備品(設定準拠)の使い方によっては、不採用でお返しする可能性がございます。
*残留効果の説明、基本ルール、戦闘ルールを御確認ください。

どの効果もあれば良い、というよりはどう使うかが重要となってくるかと。
また、戦闘時、負傷判定の場合は負傷の描写があります。血の描写など苦手だよ、という方はご注意ください。

蛇神『イグ』は狂気に呑まれているとはいえ、強敵です。
皆様どうか、御武運を。
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 現在「6人」が挑戦中です。
 このシナリオに挑戦すると、他の挑戦中のプレイングが確認できます。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


次の12件を見る

システムメッセージ  3月14日19時
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(g05705)が登場する、③🔑👾海底ピラミッドへの突入作戦『深き海に魅入られし者達』のリプレイが公開されました。

システムメッセージ  3月15日01時
一里塚・燐寧(g04979)が登場する、③🔑👾海底ピラミッドへの突入作戦『深き海に魅入られし者達』のリプレイが公開されました。

システムメッセージ  3月15日02時
断章が追加されました。

システムメッセージ  3月15日11時
ラキア・ムーン(g00195)が、②👾護衛するトループス級『蛇人間』に参加しました。

システムメッセージ  3月15日16時
シアン・キャンベル(g01143)が、②👾護衛するトループス級『蛇人間』に参加しました。

システムメッセージ  3月15日18時
ソレイユ・クラーヴィア(g06482)が、②👾護衛するトループス級『蛇人間』に参加しました。

システムメッセージ  3月15日22時
一里塚・燐寧(g04979)が、②👾護衛するトループス級『蛇人間』に参加しました。

システムメッセージ  3月16日08時
ラキア・ムーン(g00195)、シアン・キャンベル(g01143)、ソレイユ・クラーヴィア(g06482)、一里塚・燐寧(g04979)のプレイングが確定しました。

システムメッセージ  3月16日08時
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(g05705)が、②👾護衛するトループス級『蛇人間』に参加しました。

システムメッセージ  3月17日08時
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(g05705)のプレイングが確定しました。

システムメッセージ  3月17日21時
マスターが、ラキア・ムーン(g00195)のプレイングの採用を宣言しました。

システムメッセージ  3月17日21時
マスターが、ソレイユ・クラーヴィア(g06482)のプレイングの採用を宣言しました。

システムメッセージ  3月17日21時
マスターが、一里塚・燐寧(g04979)のプレイングの採用を宣言しました。

システムメッセージ  3月17日21時
マスターが、エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(g05705)のプレイングの採用を宣言しました。

システムメッセージ  3月20日21時
一里塚・燐寧(g04979)が登場する、②👾護衛するトループス級『蛇人間』のリプレイが公開されました。

システムメッセージ  3月21日22時
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(g05705)が登場する、②👾護衛するトループス級『蛇人間』のリプレイが公開されました。
②👾護衛するトループス級『蛇人間』をクリアしました。

システムメッセージ  3月22日17時
ソレイユ・クラーヴィア(g06482)が登場する、②👾護衛するトループス級『蛇人間』のリプレイが公開されました。

システムメッセージ  3月22日19時
ラキア・ムーン(g00195)が登場する、②👾護衛するトループス級『蛇人間』のリプレイが公開されました。

システムメッセージ  3月22日19時
断章が追加されました。

システムメッセージ  3月25日08時
一里塚・燐寧(g04979)が、④👿海底ピラミッド玉座の間の決戦『蛇神『イグ』』に参加しました。

システムメッセージ  3月25日08時
ラキア・ムーン(g00195)が、④👿海底ピラミッド玉座の間の決戦『蛇神『イグ』』に参加しました。

システムメッセージ  3月25日11時
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(g05705)が、④👿海底ピラミッド玉座の間の決戦『蛇神『イグ』』に参加しました。

システムメッセージ  3月25日13時
ソレイユ・クラーヴィア(g06482)が、④👿海底ピラミッド玉座の間の決戦『蛇神『イグ』』に参加しました。

システムメッセージ  3月25日20時
四葩・ショウ(g00878)が、④👿海底ピラミッド玉座の間の決戦『蛇神『イグ』』に参加しました。

システムメッセージ  3月25日22時
伊吹・祈(g10846)が、④👿海底ピラミッド玉座の間の決戦『蛇神『イグ』』に参加しました。

伊吹・祈  3月25日22時
御機嫌よう。決戦の人手は十全でしょうか。

若輩者ですが前座の一助になれば、と。
手が足りていればお見送り迄。

システムメッセージ  3月26日08時
一里塚・燐寧(g04979)、ラキア・ムーン(g00195)、エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(g05705)、ソレイユ・クラーヴィア(g06482)、四葩・ショウ(g00878)、伊吹・祈(g10846)のプレイングが確定しました。

システムメッセージ  3月26日21時
ゼキ・レヴニ(g04279)が、④👿海底ピラミッド玉座の間の決戦『蛇神『イグ』』に参加しました。

システムメッセージ  3月26日23時
レイラ・イグラーナ(g07156)が、④👿海底ピラミッド玉座の間の決戦『蛇神『イグ』』に参加しました。

システムメッセージ  3月27日08時
ゼキ・レヴニ(g04279)、レイラ・イグラーナ(g07156)のプレイングが確定しました。

システムメッセージ  3月27日11時
マスターが、一里塚・燐寧(g04979)のプレイングの採用を宣言しました。

システムメッセージ  3月27日11時
マスターが、ラキア・ムーン(g00195)のプレイングの採用を宣言しました。

システムメッセージ  3月27日11時
マスターが、エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(g05705)のプレイングの採用を宣言しました。

システムメッセージ  3月27日11時
マスターが、四葩・ショウ(g00878)のプレイングの採用を宣言しました。

システムメッセージ  3月27日11時
マスターが、伊吹・祈(g10846)のプレイングの採用を宣言しました。

システムメッセージ  3月27日11時
マスターが、ゼキ・レヴニ(g04279)のプレイングの採用を宣言しました。

システムメッセージ  3月27日11時
マスターが、レイラ・イグラーナ(g07156)のプレイングの採用を宣言しました。

システムメッセージ  3月27日11時
マスターが、ソレイユ・クラーヴィア(g06482)のプレイングの採用を宣言しました。

システムメッセージ  3月31日17時
一里塚・燐寧(g04979)、ラキア・ムーン(g00195)、エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(g05705)、ソレイユ・クラーヴィア(g06482)、四葩・ショウ(g00878)、伊吹・祈(g10846)、ゼキ・レヴニ(g04279)、レイラ・イグラーナ(g07156)が登場する、④👿海底ピラミッド玉座の間の決戦『蛇神『イグ』』のリプレイが公開されました。
④👿海底ピラミッド玉座の間の決戦『蛇神『イグ』』をクリアしました。

システムメッセージ  3月31日18時
一里塚・燐寧(g04979)が、①アーカム狂気の治療に参加しました。

システムメッセージ  3月31日18時
断章が追加されました。

システムメッセージ  4月1日08時
一里塚・燐寧(g04979)のプレイングが確定しました。

システムメッセージ  4月1日19時
四葩・ショウ(g00878)が、①アーカム狂気の治療に参加しました。

システムメッセージ  4月1日20時
ソレイユ・クラーヴィア(g06482)が、①アーカム狂気の治療に参加しました。

システムメッセージ  4月1日21時
伊吹・祈(g10846)が、①アーカム狂気の治療に参加しました。

システムメッセージ  4月1日22時
ラキア・ムーン(g00195)が、①アーカム狂気の治療に参加しました。

システムメッセージ  4月2日08時
四葩・ショウ(g00878)、ソレイユ・クラーヴィア(g06482)、伊吹・祈(g10846)、ラキア・ムーン(g00195)のプレイングが確定しました。

システムメッセージ  4月2日08時
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(g05705)が、①アーカム狂気の治療に参加しました。

システムメッセージ  4月3日08時
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(g05705)のプレイングが確定しました。

システムメッセージ  15時間前
一里塚・燐寧(g04979)が、①アーカム狂気の治療に参加しました。


リプレイ


ラキア・ムーン
ふむ、そういえばこの神殿はそのままにしていたんだったか
手落ちだったな、もう少し警戒するべきだった
ま、結果オーライだ
勝手知ったる海底ピラミッドで戦えるなら、敵に地の利は無いさ

水中適応を使用し、水中へ侵入
ヘッドライトを付けて光源を確保しつつ、使用出来るなら完全視界を使用
戦闘に問題がない状況を整えていこう
準備が整ったら《RE》Incarnationを構えて、目的深度まで進む

【Call:Divine_Edge】起動
槍を魔力とオーラで強化し構える
作業中の敵の姿が見えたら接近
槍を短めに持ち、小回りを効かせて『薙ぎ払い』
強襲の利点を活かし、敵の迎撃態勢が来る前に落とす
仲間と狙いを共有し、ダメージを集中
可能な限り時間をかけないように動き、即制圧を狙おう

反撃が来たら敵の動きを観察
凶器を槍で受けるようにし、敵の攻撃を防御
衝撃ダメージという形で敵の攻撃を受け、傷を受けないように気を付けていこう

まだダイビングをするには時期的に少し寒いんだがな
ま、墓直葬と考えれば多少の不便は仕方なしか

アドリブ連携等歓迎


ソレイユ・クラーヴィア
連携アドリブ歓迎

海底神殿の建設は阻止したつもりでしたが、ラブクラフトはどうしてもルルイエを再現したいようですね
つまり、イグを倒し再び海底神殿を破壊してやれば、ラブクラフトの目論見を足止めできる、と
ふふっ、中々割の良い仕事になりそうです

完全視界、起動
借りれるなら水中適応を借り
無ければ酸素ボンベを持ち込みます
暗闇に溶け込む闇色のダイバースーツで障害物に身を隠しつつ潜入
前回の侵入経路を辿り、仲間と突入タイミングを合わせて一気に玉座の間を目指します

宙に展開した鍵盤で「光輝」を演奏
輝く雄鹿のルークを喚び、角を構えた突進攻撃を仕掛けます
仲間と攻撃対象を合わせて体力が低い敵を積極的に狙い、増援が現れる前に進路をこじ開けます

何度修復しようと無駄ですよ
ルルイエの浮上など絶対に許しませんから

反撃には守護の青薔薇を展開して急所を避けるように受け流します
精神の均衡は演奏に集中することで保ちましょう
多少のダメージは必要経費と割り切り
今は出来るだけ早く玉座の間に辿り着けるよう、演奏を続けます


●再び海底へ
 冷えた水の感触があった。季節を思えば不思議も無い。ほう、と零す息が白く染まり――冷えた空気をラキア・ムーン(月夜の残滓・g00195)は肺に落とす。
「ふむ、そういえばこの神殿はそのままにしていたんだったか」
 ボストンに面したメイン湾の海底――水深200m地点にあるピラミッド型遺跡は、ディアボロス達も知るものであった。
「手落ちだったな」
 緑の瞳を細め、ラキアは海面に足を付けた。とぷり、と足先は沈み――体は水に慣れていく。適応の加護は、パチン、と一つ指を鳴らした瞬間から展開された。
「もう少し警戒するべきだった」
 ロゴ・トゥム・ヘレがいた海底神殿跡――あの遺跡を蛇神イグが拠点としたのだ。
「ま、結果オーライだ。勝手知ったる海底ピラミッドで戦えるなら、敵に地の利は無いさ」
 片手に武器を取り、静かに息を吐いたラキアの横で、海面が僅かに波紋を描いた。
「海底神殿の建設は阻止したつもりでしたが、ラブクラフトはどうしてもルルイエを再現したいようですね」
 二度、三度。鍵盤を叩くような軽やかな音色が響き――ふいに、海の向こうが、その仄暗い海の底が見やすくなる。
「……」
 一度伏せた瞳。二色のそれを持つ青年が、音色の主であった。蒼穹と黄昏の瞳が僅かに輝き、完全なる視界の加護を紡ぐとソレイユ・クラーヴィア(幻想ピアノ協奏曲第XX番・g06482)はゆっくりと顔を上げた。
「つまり、イグを倒し再び海底神殿を破壊してやれば、ラブクラフトの目論見を足止めできる、と」
 行先は深海の名を持つ深さだ。展開した加護を確認しながら、ソレイユは闇色のダイバースーツに包んだ身で海に入る。
「ふふっ、中々割の良い仕事になりそうです」
 とぷり、と沈んだ海は、一瞬の暗さも無く視界が広がる。同じように身を沈ませたラキアが静かに頷いた。
「順調に進ませて貰おう」

●潮騒の下で
 前回の侵入経路を辿りながら、ディアボロスは海底神殿跡――現在はイグが拠点とする場所に辿りついた。周囲を警戒しながら、滑り込むように中に入れば、冷たい石の床に出迎えられる。
「警備を多く配置しているということは無いようです」
 小さくそう告げると、ソレイユは辺りを見渡した。ぴしゃん、ぴしゃん、と水の落ちる音が暗がりに響く。
「……気が付かれた様子は無いか」
 ラキアがそう言いながら、狭い廊下を見る。壁や床に、以前来た時と変わらぬ見た目だ。
「……」
 あの時も、暗がりを見渡す視界を有していた。光の届かない遺跡は、内部にあっても未だに暗がりを有していた。
「……えぇ」
 1度、ソレイユは耳を澄ます。水音は変わらず、何かが近付いてくる足音も聞こえない。
「この侵入経路も勘づかれていないようです。壁に修復の跡も無いようですし、この辺りは修繕には入っていないのでしょう」
 一歩、足を進め、暗闇に身を紛れ込ませながらソレイユは告げる。
「水音が、変わっています」
 ぴしゃん、ぴしゃん、と聞こえていた水音に、ぬちゃりと粘着質な音が混じりだした。水の音は重くなり、僅かにキィ、と鋭い音が混じる。金属が、鋭い何かが石に触れたかのようなその音。長く続いた廊下を進んだ先、あの時は無かった十字路の向こうに――彼女たちはいた。
「あ……ぁあ、あ」
「ぁあ、あ……」
 ぺたりと、魚のように鱗の生えた手で壁に触れる。とて、と、と、と覚束ない足取りで壁に触れ、ぬめりと落ちた何かが補強するように拡がった。手にしたナイフは、削り広げる為か。
「ひ、ふふ、あ」
「……」
 それは、深き海に魅入られし者達。作業に集中している彼女たちは、こちらに気が付いている様子は無い。ソレイユは、ラキアへと視線を向けた。突撃槍を手にしたラキアが、半歩だけ身を前に出す。
「私が前に出よう。存分に目立ってくるさ」
「こちらも合わせて仕掛けます」
 こういう場所は、とソレイユは告げる。
「音色も良く響くでしょう」
 指先を空に滑らせる。淡く輝く光と共に、宙に展開した鍵盤にソレイユが手を添える。最初の一音が響くその瞬間、突撃槍を短く構え直したラキアが跳ぶように前に――出た。
「今此処に」
 《RE》Incarnation――再誕の名を冠した突撃槍が炎を抱く。踏み込みと共にラキアの纏うオーラが尾のように揺れた。短い踏み込みに足音は無い。ラキアがそう身を運んだから。ただ、跳ぶように前に出て魅入られし者の影を踏む。
「強靭なる刃を授けよ」
 瞬間、一気に展開された術式が炎のように煌めいた。ざん、と薙ぎ払う一撃、ぐらりと傾ぐ身に初めて彼女達は侵入者達の存在を知る。
「――ぁあ」
「ぁあ、あああ……!」
 ぐらり、と一体が崩れ落ち、残されたもう一体が辛うじて身を揺らすようにして立ち上がった。
「ほう、動くか。だが――」
「聞け、神聖なる領域を侵す者よ」
 一音が響く。最初の一音は重く、開演を告げる。戦いの次なる始まりを、その光の顕現を。指先を鍵盤に滑らせながら、ソレイユが奏でるのは壮麗な行進曲。堂々と響くその旋律こそ、溢れる光を――この暗い遺跡に黄金の光を灯す。
『    』
 それはきざはし。かの王を呼ぶもの。
 嘶きは響いたか。金色が踊るそれが応えか。
 旋律が招くは、森の王たる白の神鹿。応じ、顕現した白の神鹿は、ただ一度、己を呼びし奏者を見ると――すぐに、命を脅かす者達へと視線を向けた。
「あぁあ、ぁああああ!」
「あぁあ、ぐ、ぁああ!」
 それを、正しく敵と捉えた魅入られし者達が叫ぶ。だが、その声が仲間を呼ぶより先に森の王が行く。その疾駆が、飲み込まれ狂気の淵にある者達に後れを取るわけも無い。命の煌きを放つ雄々しき角を振り翳せば、その一撃に敵が崩れ落ちる。
「ぁあ、ぁ――」
 ぐらり、と一体、落ちた先でどろりとした液体に変える。ぬめつくそれを踏むようにして、魅入られし者が前に出た。
「い、ああ、いひ」
「ひひ、ははは!」
「――」
 それは、人の域など越えた膂力。ひゅん、と穿ち出された攻撃は――だが、ソレイユに、ラキアに届くその前に、銀、と弾き上げられる。
「――悪いが」
 受け止めしは突撃槍。背に嘶く森の王の気配を感じながら、ラキアは、ふ、と笑った。
「遅い」
 深海の魔力を帯びた凶器の、その力を突撃槍が喰らう。炎が、風が巻き上げ散らす。この位置は、ラキアの間合だ。
「まだダイビングをするには時期的に少し寒いんだがな」
 キィイイン、と突撃槍が歌う。風が唸る。薙ぎ払う一撃が、二体を斬り払い――落とす。
「ぁあ、ぁ――!」
「ま、墓直葬と考えれば多少の不便は仕方なしか」
「何度修復しようと無駄ですよ」
 狂気の叫びがあった。深海の魔力を帯びた泡が、ソレイユを囲む。その異様な色彩に感じたのは、精神へ関与する淀み。
「ルルイエの浮上など絶対に許しませんから」
 それを理解した上で、ソレイユは守護の青薔薇に触れる。咲き誇る花弁が、ソレイユを守るように花開く。泡が一片に触れようとも――最後の花弁まで、花はソレイユと共にあるから。
「――」
 演奏を続ける。奏でる行進曲の中、森の王は行く。この地が深海であろうとも、蛇神の寝所であろうとも――突き立てる角は変わらず。森の王は聖域を守り、駆け抜ける娘と再誕の槍は――道を、切り開いていた。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【水中適応】LV1が発生!
【完全視界】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!

エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
ヴイーヴルもラヴクラフトの餌食か
先の情報から想像はしていたが……哀れだ
魔女達を率いたグリムは精神病院の主、蛇の魔女も水底か……
せめて顔を見に行くさ

前回の情報から海底ピラミッドの座標を確認しておく
装備の深海で目立たぬ色のドライスーツにマスクで視野を確保し
水中適応と完全視界はできれば共有
フィンで波立てぬよう深海へ
水中適応がなければ潜水用の空気タンクを活用
水深計も頼りに深みへ潜行
敵に先手を許さぬよう、ピラミッドを捉えたら、遠方から耐水双眼鏡で観察
(目立ちそうなら速攻重視)
修復や建築に当たる敵を発見し見つかる前に奇襲
仲間とはハンドサイン等で機を合わせる

そこからは速攻を
水の梟を海水に紛らせてPDで強襲
仲間と狙いを合わせ、突入に邪魔な敵から倒す
同等ならより負傷した敵を優先
集まってくる敵は仲間に位置や接近を知らせ、直接妨害する者のみ相手
速やかに敵を倒し侵入

敵の攻撃には大量の泡に直接触れぬよう荊の魔力障壁を巡らせ防ぎつつ忍耐
俺も聖人君子ではないし
ヴイーヴルを倒す闘志をよすがに対抗


●the turning of the tide
「ヴイーヴルもラヴクラフトの餌食か」
 遠く、荒れた波音が響いていた。潮風に揺れる髪を一度、軽く纏めるとエトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)は息をついた。
「先の情報から想像はしていたが……哀れだ。魔女達を率いたグリムは精神病院の主、蛇の魔女も水底か……」
 海面に掌で触れる。とぷり、と沈んでいく感覚は、同時に仲間の展開した水中に適応する加護と、強化された視力を感じさせた。
「せめて顔を見に行くさ」
 一度、エトヴァは瞳を伏せた。深い海の底は、ヴイーヴルの知る空からは遠いだろう。揺れる髪をそのままに、息を吸う。ゆっくりと瞳をあけた先、銀の煌めきが長きに渡る戦いの中で知った存在への想いを残していた。
(「水深は200mか」)
 深海で目立たない色を選んで身につけたドライスーツとマスクと共に、エトヴァは海の中へと身を沈めた。前回の情報から、ピラミッドの座標は確認してある。
「……」
 あと少しか、とエトヴァはフィンを揺らす。ごつごつとした岩場は、海流が作り出したのだろう。耐水双眼鏡を手に距離を取ってみれば、先に行った仲間が、ひらりと手を振るのが見える。あそこが侵入経路だ。
(「前回の侵入経路はまだ生きているか。内部の修復に優先したか」)
 遺跡の外に修復作業に出ている者の姿は無い。するり、と遺跡の中へと滑り込めば、最初に出会ったのはぴしゃり、ぴしゃりと水の滴り落ちる音と――湿った重い空気だ。
「……」
 つるりとした床に、同じ材質で作られた壁、天井もそうだろうか。所々に、修復の跡がある。明かりの類いは無いようだ。
「内部の構造はシンプルだな」
 所々、曲がり角や廊下はあるが、広い道は一本だ。
「……」
 だからこそ、進む度にエトヴァは妙な音を聞く。水音と共に足音とも違う、ぬるり、とした粘着質のある音。ぬにゃり、ぺちゃり、ず、と響いたその音は――何かを伸ばしているのか。
「ぁ、ああ」
「あ、ぁ……」
 それは魚のような鱗の映えた手で壁に触れる。罅割れた床を撫でる。呻き呟いた何かと共に修復を続けているのは深き海に魅入られし者達だ。
(「あなた達もまた、魅入られた者だとしても……」)
 せめて、此処で送ろう。
 言葉は無く、ただエトヴァは掌を掲げる。空に、深く海の底から、その青を知る者は、魔術を紡ぐ。ふつ、ふつと泡が青年の足元から浮かび上がり――生まれるのは一羽の水の梟。
「――行って」
 囁くように紡ぐ。そこで初めて、一歩足音を響かせた青年の迸る魔力が、フクロウの形をした水塊を突撃させる。
「――ぁ、あ?」
 その突撃に、羽ばたきに振り返ることも出来ずに一体が崩れ落ち、辛うじて振り返った魅入られし者が、ぐ、と手を伸ばす。
「ぁあ、ぁあ――」
「……おやすみ」
 その方向に、その指先を避けること無くエトヴァは告げる。水の梟が縋る一体を穿てば、清らかな水が一瞬、暗い廊下に広がる。飛沫が、煌めきを還すだけの光は無く――ただ、叫ぶ声が耳に届く。
「ぁあ、ぁああああ!」
 叫びが呼び起こしたのは深海の魔力。大量に生まれた泡がエトヴァを囲った。
「……」
 その色彩に、僅か青年は瞳を細める。触れては駄目だと、直感的に思う。
(「精神に関与するタイプだな」)
 軽く手を握る。細い指環に触れれば、展開されるのは黄金の荊の障壁。
「俺も聖人君子ではないし」
 は、と息を吐く。静かにひとつ笑って、胸に抱くのはヴイーヴルを倒す闘志。荊が泡を弾き、届く前に散らすのを見ながら、触れても己が膝を付かぬようにエトヴァは前を見て、言った。
「向かう為に、行こう」
 辿り着く為に。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【完全視界】がLV2になった!
効果2【ダブル】LV1が発生!

一里塚・燐寧
海底の拠点じゃ、こっちとしても常駐して監視するワケにはいかないんだよねぇ
再利用されても暫く気づけなかったのはしょーがないよぉ
それに前の戦いが効いてるのか、再建は全然終わってないみたいじゃん?
今度こそ完全に終わらせたげるよぉ

【水中適応】で潜水し、【完全視界】を借りて現地に向かうよぉ
深海で作業してる辺り、敵は夜目が利くタイプの可能性が高いかなぁ
暗闇だからって安心はせず、うまく身を隠しながら侵入して奇襲をかけよう
海底の地形や、残存する・または既に再構築された神殿の建造物を移動中の遮蔽物として利用
前回とあんま変わってなきゃ嬉しいけど、様子はどーかなっと

うまいこと隠密裏に接敵できたら『呪式:不破雷動』で先制攻撃をかけるよぉ
敵が見てない所に出現した鬼火が、いきなり――ドカン!
爆発によって水流を荒れ狂わせ、神殿の壁や床に叩きつけることで仕留めちゃおう
反撃で作り出される泡は≪テンペスト・レイザー≫の切っ先で割りながら、残る敵も殲滅してくよぉ

善い人ほど効果がある攻撃ねぇ?
いやー、あたし悪い子で良かったよぉ


●深淵に潜む
 潮風が、ピンク色の髪を揺らしていた。はぁ、と溜息ひとつ落として、一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)は、ふわりと柔らかな髪を結いあげる。
「海底の拠点じゃ、こっちとしても常駐して監視するワケにはいかないんだよねぇ」
 足先を海に沈める。先に行ったディアボロス達の展開した水中での加護が広がっていくのを感じながら燐寧は視線を上げた。
「再利用されても暫く気づけなかったのはしょーがないよぉ」
 ぱしゃん、と足先で水に触れる。遠く見えた波が細やかな水音をかき消していく。
「それに前の戦いが効いてるのか、再建は全然終わってないみたいじゃん?」
 は、と息を吐く。溜息染みたやつはこれで終わりだ。幸せとか逃げてくみたいだし。
「今度こそ完全に終わらせたげるよぉ」
 ゆるり、と口元に一つ笑みを作って、燐寧は暗がりの海へとその身を沈めていった。
「……」
 海の底まで届くような光は無い。潜る程に暗くなっていけば、仲間の展開した加護が瞳に宿る。完全にひらけた視界で見渡した先、尖った岩が見える。
(「深海で作業してる辺り、敵は夜目が利くタイプの可能性が高いかなぁ」)
 深海の暗さは、敵にとっても同じ筈だ。作業が修復ともなれば『視えた』方が便利だし――何より、そうだとしたらこっちも視られる可能性は高くなる。
「……」
 ゆっくりと水を蹴る。前回に来た時もあった構造物に一度身を寄せると、あの時と同じ侵入ポイントが見えた。外で作業をしている相手がいないのは幸いだ。するり、と遺跡の中へと滑り込めば――つるり、とした床と高い天井が燐寧を出迎えた。
「前回とあんま変わってなきゃ嬉しいけど、様子はどーかなっと」
 舌の上にそう、言の葉を零す。小さく呟きながら進む道は、手前ほど修復されている場所が多いようだ。
(「これって、前回突入したときに壊れたあたりだよねぇ」)
 修復が基本って感じだねぇ、と燐寧はゆっくりと進んでいく。前回、来た時とまったく同じというわけでは無いが――道は残されている。あの最深部に向かうには、真っ直ぐに、この一際大きな廊下を抜けていけば良いのだろう。
(「新しく追加されたものもなし。意味のありそうなのも無いんだねぇ」)
 唯一あるとすれば、と燐寧は前を見る。ぬちゃり、と響く粘着質の音。修繕に使われていたのは『彼女たち』が作り出した深海の魔力か。
「ぁあ、ぁ……」
「ひひ、ぁ、あ……」
 それは呻き声か、祈りか。深き海に魅入られし者達に、燐寧は一つ息を吸うと――軽く、その手を握った。
「……」
 指先から零れ落ちるのは怨念と呪詛。赤茶色の瞳が捉えた先、ただ、遺跡の壁を見つめていた魅入られし者の周りに生まれるのは――鬼火。彼女たちの視界の外に生みだしたそれは、一瞬の内に展開し――この暗い遺跡に光を灯す。
「花火大会の時間だよぉ。至近距離で楽しんでねぇ?」
 ドカン、と燐寧の言の葉を合図とするように、一斉に鬼火が弾けた。
「ぁあ、あ――」
「ぁぁ? あ、ぁああああ!」
 それは警戒か、怒りか。だが、突然の光と熱に飲み込まれた彼女達の伸ばした手は燐寧には届かない。
「いいぁあああ!」
「よっと」
 だん、と荒く床を蹴った一体も、連鎖爆発に飲み込まれれば、その背後に立った魅入られし者が、髪を振り乱しながら燐寧を見た。
「ぁあ、ぁあああ!」
「いっぁあああ!」
 奇っ怪な叫びが呼び起こしたのは大量の泡。深海の魔力を帯びたそれが、近付くより先に燐寧は巨大鎖鋸剣を振り下ろした。
「――は」
 泡が、弾ける。テンペスト・レイザーの回転する鋒が魔力を割り、その色彩が燐寧の意識を浸食する。だが――。
「善い人ほど効果がある攻撃ねぇ?」
 ひっかく程度のそれでは、燐寧は揺らがない。
「いやー、あたし悪い子で良かったよぉ」
 ゆるり、口元で笑みを描く。燐寧は――一里塚・燐寧は己を理解しているからこそ、嘗ての己を知っているからこそ、そう言って、最後の敵を鬼火と共に散らした。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【水中適応】がLV2になった!
効果2【ガードアップ】がLV2になった!

●深淵の先へ
「ぁあ、ぁああ」
「い、ぁあ、ああああああ……!」
 炎に飲まれ、輝く黄金の光と、穿つ一撃の中、水の梟の羽ばたきで深き海に魅入られし者達は崩れ落ちた。水の泡が全て消えれば、ぴしゃん、ぴしゃん、というあの水音だけが帰ってくる。
「海底ピラミッドへの侵入は無事に成功しましたね。周囲から敵が集まってくる音も無いようです」
 ディアボロスのひとりがそう告げる。
「ですが、長居には向かないでしょう」
「他のとこに修繕に行ってるのもいるよねぇ」
 スピード重視だし、またひとりのディアボロスが告げる。
「さくっと進もうか。見る限り、前に来たときと大きく変わったとこもないみたいだし、基本は一本道、だよぉ」
 横道は増えてるけど、ともう一人が告げる。横道自体は、修繕に必要だったのだろう。前回、ディアボロスが突入したとき——あの影響で壊れたあたりの修繕を主に行っていたようだった。
「道も広く、ある意味分かりやすいな」
 此処を通れと言わんばかりだが……、と呟いたひとりが顔を上げた。
「神殿というあり方を思えば不思議はないか」
「そうだな。このまま進めということだ」
 おそらくは、と一人が告げる。
「護衛はいるだろう。邪神イグを守るべくな」
 そして『それ』がいるということは、当たりということでもある。
 ディアボロス達は加護を乗せた瞳で、暗がりの遺跡を迷わずに進んでいく。光の射さぬ地、明かりは無くとも進むのに問題は無い。急ぎ、移動をしていけば一行の目に見えたのは、一際大きな門と、その前に立つ蛇人間達だった。
 蛇人間達を倒せば、安心してイグとの決戦に挑むことができるだろう。勿論、蛇人間を今は躱し——速攻で、蛇神・イグとの決戦に挑む手も在る。その時は、蛇人間達はイグの援護に現れるだろう。

 ——さぁ、どうする?

✦・┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ ・✦

いつもお世話になっております。
秋月諒です。

選択肢②を想定していますが、④も可能です。
④を選んだ場合、②の蛇人間を事前に倒していない場合は、イグ戦に蛇人間が参戦します。


●戦場について
 玉座の間に続く廊下。
 戦うのに問題の無い広さがある。
 壁に飾られた調度品などは、前回の突入時と変わらないようです。壊れても特に問題は無いです(蛇人間君も気にしないです)

●プレイングについて
1〜2日置いてプレイング採用となります。先着順ではありません。
また、必要人数をぐわっと大きく越えた採用は無いので、そんな感じです。

*技能は、パラドクスを越えた効果は発揮しません。

*パラドクスの説明文章を過大解釈したなんかすごい行動、なんかものすごい装備品(設定準拠)の使い方によっては、不採用でお返しする可能性がございます。

*残留効果の説明、基本ルール、戦闘ルールを御確認ください。

どの効果もあれば良い、というよりはどう使うかが重要となってくるかと。
また、戦闘時、負傷判定の場合は負傷の描写があります。血の描写など苦手だよ、という方はご注意ください。

それでは皆様、御武運を。
一里塚・燐寧
いやー、やっぱりイグの脇を固めるのは蛇人間なんだねぇ
ラヴクラフトはこんなところでも原作再現に拘るタチって所かなぁ?

キマイラウィッチは全員ブッ殺した方がいい奴らだけど、こーゆーゴッコ遊びに付き合わされてるのはちょっとだけ不憫だよぉ
さっさと手下を片付けて本題に入ろっか
ヴイーヴル自身のためにも、ねぇ

【水中適応】と【完全視界】を引き続き使用
水中という立体的な空間を使った戦いで、お互いの姿を一時的に見失ったりしても連携を取れるように【パラドクス通信】を用意しとくよぉ
仲間が見てない方向から急襲されそうだったり、敵が細い身体を活かして建物の隙間とかを使った奇襲を仕掛けてきそうな時はすぐ連絡しあってフォローしよう

武器を《DCブラスター》に持ち替え銃口から『闇雷収束咆・天眼通』をブッ放す!
敵がどの方向に動こうが遮蔽物の利用を試みようが、追尾する光弾で逃さずに撃ち抜いちゃおう
反撃の蛇は得物に備わった二枚の回転鋸刃で打ち払って、急所に噛みつかせないようにするよぉ

さてさて、かわいそうな蛇神様とご対面といこうか?


●深淵に牙は潜み
 鋭い牙から、小さく泡が零れていた。壁に背を預け、馴染んできた海水に一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)は足を置く。
「いやー、やっぱりイグの脇を固めるのは蛇人間なんだねぇ。ラヴクラフトはこんなところでも原作再現に拘るタチって所かなぁ?」
 玉座の間へと続く門の前、ゆらり、と立った蛇人間が一斉にこっちを見た。
「ヒヒ、ヒ」
「ヒヒヒヒヒ」
 奇っ怪な笑い声と共に、蛇人間達が尾を揺らす。殺意はあるのに敵意は遠く――零れる笑みは喜悦に似るか。
「キマイラウィッチは全員ブッ殺した方がいい奴らだけど、こーゆーゴッコ遊びに付き合わされてるのはちょっとだけ不憫だよぉ」
 息を、吐く。 眉を寄せた燐寧の前、蛇人間達はガラガラと尾を鳴らす。警告の音を歓待として響かせた蛇人間達がにぃ、と口をひらき、笑った。
「――キヒ」
「……」
 来る、と燐寧は思った。軽く足を引く。展開したパラドクス通信で「前から」と短く告げるのと蛇人間達が動くのは——同時だ。
「キヒヒヒヒ……!」
 囲むように通りに踏み込んで来た蛇人間に、燐寧は手にしていた武器を一度掲げ――持ちかえた。ガシャン、と鈍い音が遺跡の中に落ちる。
「さっさと手下を片付けて本題に入ろっか」
 ダブルチェーンソーブラスターは――榴弾砲は、詰めこまれた薬莢と共に時を告げる。
「ヴイーヴル自身のためにも、ねぇ」
 前を見る。敵は正面の三体。残りは、不気味な装飾の影を踏んだか。
(「まぁ、どこに隠れようともさぁ」)
 ブラスターの柄を強く握り、踏み込んでくる相手を――その不気味な腕を見る。
「怨み募りし魂よ、群がり集いて荒れ狂え」
 紡ぐ言葉は呼び起こすもの。クロノヴェーダに命や存在を奪われた犠牲者たちの怨念が湧き上がり滲み出す。
「汝ら、怨敵を逃さず」
 器たる燐寧に向かって。
 靴先に触れ、足を這い上がり、爪を染めるように黒が落ちる。魂が宿る器として燐寧は適した『死体』だ。止まりきった歳は、流れる歳月に過ぎず――その歳月で、燐寧はここまで戦ってきた。怨念の声を、その囁きを感じながら、重くなる体で引き鉄を引く。彼らが成仏する際に放出されるエネルギーを重ねて、束ねて――装填する。
「輪廻の果てまでも追い詰めん……な~んてね、ドドヒューンっていくよぉ!」
「キヒ、ヒヒヒヒ――」
 轟音が、海底の神殿に響いた。震えとなって燐寧の放った無数の光弾ミサイルが、蛇人間達を撃ち抜いていく。伸ばした腕が弾け、ぐらり、崩れた一体を見た蛇人間がしゅるり、と装飾の横に身を隠す。だが、その程度では――……。
「躱せないよねぇ」
 燐寧の瞳が、蛇人間を捉える。追尾する光弾は、束ねた怨念はその程度では敵を見失いはしない。
「逃さずに撃ち抜いちゃうよぉ」
「キイィイイ……!」
 光弾が、蛇人間たちを穿つ。奇妙な叫びを上げながら崩れ落ちた屍を越えるように、何かが来る。
「ぉしやぐじじょぐ」
「変な言葉だけど――呪文、だよねぇ」
 濁った奇妙な声と共に、こちらに伸ばされた手が蛇に変わった。きぃいい、と甲高い声を上げながら牙が来る。
「――っと」
 ぐん、と得物を持ち上げる。身を後ろに跳ばす。回転鋸刃で蛇の牙を受けとめれば、ぐ、という重さと共に首を狙ってきた蛇の牙が、腕を掠っていく。
「キヒ、ヒヒヒ」
「……別にいいけどねぇ」
 笑う蛇人間に燐寧は息を吐く。鈍い痛みと、零れる血も別に構わない。痛みは、動ける証拠だから。だから、DCブラスターにもう一度力を込めた。
「さてさて、かわいそうな蛇神様とご対面といこうか?」
 みんな、片付けてねぇ。
 そう言って、燐寧は再びその身を怨念で満たす。死者の嘆きと怒りと共に、光弾を放った。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV2になった!

エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
割合、あっさり入れてくれるんだな
戦力補強が間に合っていないのか、建設を優先したか……
それにしても、ここにはまともな精神の敵はいないのかな
その門は何処への扉、だ

そのまま完全視界や水中に応じた残留効果を発動し、バイザー越しに蛇人間たちの数や配置を確認
仲間と共にタイミング合わせPD攻撃
パラドクス通信で情報や気づきを共有しながら
門に対し、包囲を受けないようなるべく一方向に相手取るように
基本は仲間と狙いを合わせ、より消耗した敵から数を減らしていこう

両手の銃に魔力弾を発射し、敵を内部から凍結させて身動きを封じながら、撃ち砕く

敵の攻撃には絡みつきは片腕に展開した籠手の魔力盾で制しつつ
毒牙のほうに集中し他方の魔力盾で対処
強化コートで軽減を

ラヴクラフトのやりようは不自然で異様だ……
今は正気を失くした彼女らにも戦う理由があった

その先に用があるんだ
ヴイーヴルへの道、開けてもらおう


●異形の門
 指先が、水に触れる。肌に感じる遺跡の様子が少しずつ変わってきていることにエトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)は気が付いていた。
(「海中の様子というよりは、奥まで進んできたからか?」)
 軽く足を引く。バイザー越しに見えた視界で、蛇人間達は門を背にこちらを見ていた。
「キヒ、ヒヒヒ」
「ヒヒヒヒ」
「身を隠す気はない、か」
 やれ、と息を吐く。向こうに隠れる気が無く、こちらの姿も確認されているなら、視界に映る奇妙な装飾物はちょっとした障害物に過ぎない。
(「ここまで随分とスムーズに進んできた」)
 基本的には一本道だ。迷うような道の造りでは無く——一際大きな幅の廊下を行けば、最奥に玉座の間へと続くのだろう。分かりやすさは足元にあり、装飾の施された床は左右にあった通路とはまるで違う。
(「割合、あっさり入れてくれるんだな。戦力補強が間に合っていないのか、建設を優先したか……」)
 これだ、と言い切るには情報が足りず——何より人員の配置が緩い。
「ヒヒ、キヒヒヒ」
「ヒヒヒヒヒィイイ!」
「……それにしても、ここにはまともな精神の敵はいないのかな」
 蛇人間達が笑う。ゆらり、と身を揺らした敵を前に、エトヴァは息を吐いた。確実に分かったことはひとつ。ここは考えを整理するには向かない。眼前には笑う蛇人間、視界に映るのは広い通りに奇妙な装飾。そして——扉。
「その門は何処への扉、だ」
「キヒヒヒヒヒヒ!」
「——」
 響く、蛇人間の声が空間を震わせた。ピリ、と感じた何かにエトヴァは即座に腰の銃を抜いた。施された神聖模様が淡く光を零し、大振りのそれを起点に、もう一丁を構える。
「――凍て」
 淡く髪が揺れる。紡ぎ出されるのは青き力。湧き上がる青が揺らめき、一筆、描き上げるように双銃に触れる。煙るは凍てつく魔力。その青き弾丸は——青年の言の葉を以て完成する。
「響き渡れ」
 ガウン、と響き渡る銃声の代わりに、キィン、と高く清廉な音で魔力が鳴いた。続けざまに引き鉄を引く。青の弾丸が正面の蛇人間を撃ち抜き、そのままエトヴァは身を横に振る。
「左」
 短く告げ、片足を軸に体だけを回して腕を向ける。相手を視認するより先に感覚で捉え、銃口が迫る蛇人間の腕にぶつかった。
「キヒヒヒ——」
「悪いが」
 銃口ごと、捉えるつもりか。だがエトヴァの放つ弾丸が、蛇人間の肩口を貫いた力が、彼奴の動きを鈍らせる。白い肌を斬り裂くように届かんとしていた爪先が——止まる。
「ここで終わりだ」
「ヒ、ヒヒヒ、ヒヒヒ、ア——」
 内側から凍りついた蛇人間たちが、ぐらり、と崩れ落ちる。最初の二体に、今の一体。青の弾丸で撃ち抜けば、目の端で何かが動いた。
(「——来る」)
 そう、思ったのは半ば反射だった。
「ぉしやぐじじょぐ」
 歪んだ声で蛇人間がそう唱えれば、伸ばされた腕が蛇に変わった。しゅ、と素早く絡みついてきた蛇腕が、エトヴァの腕を締めあげ——蛇の牙が、迫る。腕を狙うのは銃を落とさせ、抗う術を奪う為か。
「——だが」
 その牙を警戒していたのはこちらも同じだ。ギ、と食らいつく一瞬、魔力盾が滑り込む。一撃、凌ぎきりながら、飛び込んでくるもう一体を見る。
(「ラヴクラフトのやりようは不自然で異様だ……。今は正気を失くした彼女らにも戦う理由があった」)
 迫る毒牙を浅く受けながら、エトヴァは右の手で持つ銃を突き付けた。
「その先に用があるんだ」
 青の弾丸が行く。戦場を自在に駆けるように。凍てつく敵を射貫き、破砕の向こう見えた門を見据える。
「ヴイーヴルへの道、開けてもらおう」
 砕け散る青の向こう、瞳の蒼穹が最後の門を捉えていた。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【パラドクス通信】がLV2になった!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!

ソレイユ・クラーヴィア
連携アドリブ歓迎

引き続き完全視界と水中適応を使用

さて、お次はイグの眷属ですか
時間をかけてはいられませんが、無視できる程生易しい相手ではないでしょう
ならば、手早く退場願うだけです

宙に展開した鍵盤で「白の舞踏」を演奏
先程は明るい行進曲でしたから、第2楽章は恐怖の海底神殿に合わせたおどろおどろしい曲を
黒衣の死神を喚び、ヘビ人間を深淵へと引きずり込みましょう
光も差さぬ闇深き所は、もしかしたら貴方達には居心地が良いかもしれませんね
そのまま静かに沈んでいてください

泥濘の地も発動し、応援を呼びに行こうとするものがいれば優先的に攻撃し
静かに、手早く片付ける事を優先します
全員此方に向かってくるようなら、仲間と攻撃目標を揃えて体力の低い者から撃破します

反撃には守護の青薔薇とガードアップを展開して直撃を避けるように受け流します
蛇人間といえば、毒牙ですよね
あいにく、私の腕は命にも等しいもので
くれてやる訳にはいきません

さあ、玉座のイグ…、哀れなるヴィーヴィルに引導を渡しにいきましょうか


●さざめく使者
「キヒ、ヒヒヒ」
「ヒヒヒヒ!」
 キヒ、と笑う声と共に伸びてきた手に、ソレイユ・クラーヴィア(幻想ピアノ協奏曲第XX番・g06482)は身を後ろに跳ばす。水中に適応した身体が水を蹴り、伸ばす指先が奇妙な壁を鍵盤のように叩く。
(「遺跡はクロノ・オブジェクトですね」)
 この分だと泥濘の地を使うタイミングは無いだろう。何より、あの蛇人間達の意識は完全に此方に向いている。
(「さて、お次はイグの眷属ですか。
 時間をかけてはいられませんが、無視できる程生易しい相手ではないでしょう」)
 目に映るのは相変わらずの奇妙な装飾に、扉へと続く広い廊下。遺跡のあり方としては不思議も無く――ただ、この場しか守っていないのは修復を急いでいたからか、或いは『この中にある存在』が最も重要だからか。
「ならば、手早く退場願うだけです」
「キヒ、ヒヒ!」
 嗤う声と共に蛇人間達が一気に来た。床を蹴り、身を跳ばすように壁を蹴る。
「キヒヒヒヒヒ!」
「――」
 暗闇の中、加護を受けた視界で捉えた蛇の顔が牙を見せる。暗がりでは影は頬に触れず――だが、水流が身体を押す。そのまま、膝を付けとばかりに伸ばされた腕に、だが、ソレイユは壁に触れていた指先で宙を撫でた。
「先程は明るい行進曲でしたから」
 軽やかな旋律を追って、宙に鍵盤が展開される。指慣らしに響いた音は軽やかに、けれど、添えた左手は重く一音を響かせる。
「第2楽章は恐怖の海底神殿に合わせたおどろおどろしい曲を」
 低く、重く。指先は鍵盤に告げる。旋律は、この地に相応しき音を以て告げる。
「死を、忘ることなかれ」
 黒衣の死神の到来を。
「キヒ、ヒヒヒヒ――……!?」
 蛇人間の肩を、影が掴む。恭しく手を取るように黒の衣が揺れる。それは旋律より喚び起こされた黒衣の死神。奏でるは死へと誘う舞踏の調べ。蛇人間が身動ごうとも、誘う影からは逃れられない。
「キヒ、ヒ、ヒヒ――!」
 跳びこむように地を蹴れど、軽やかなステップと共に踊る黒衣の死神が異形の手を取る。重く重ねて二つ、響かせた音と共に死神が黒衣を揺らす。晒された骸骨はおどろおどろしいワルツを踊り――ソレイユを狙い、伸びた指先を重ね取る。
「ギィイイ!」
「光も差さぬ闇深き所は、もしかしたら貴方達には居心地が良いかもしれませんね」
 顔を狙うように来た爪だった。ガチガチと歯を鳴らす蛇人間の顔が死神の黒衣に隠れていく。
「そのまま静かに沈んでいてください」
 鍵盤の上、指を滑らせ続ける。足音が迫る。小さく落とす息と共に、ソレイユは崩れ落ちた二体の向こうに蠢く何かを見た。
「正面……いえ、右ですね」
 鍵盤の上、指を滑らせる。演奏は止めない。ワルツの調べに乗せて、足を引き、零す息と共に上げた視線、二色の瞳が捉えたのは蛇人間の弧を描く口元だった。
「ぉしやぐじじょぐ」
「ぉしやご」
 二体の、伸ばす手が紡ぐ言葉と共に蠢き、歪む。囁き笑う蛇が――しゅるり、と伸びてきた。
「――」
 狙う先は、ソレイユの腕だ。
「蛇人間といえば、毒牙ですよね」
 大口を開き、来た相手が腕に絡みつく。だが、絞め上げるその前に足元からふわりと青薔薇が舞った。花弁が溢れ――茨が蛇腕に絡みつく。
「あいにく、私の腕は命にも等しいもので」
 は、と息を吐く。直撃を避けるように牙が食らいつくより先に絡みついた茨が蛇を押し留める。鈍い痛みはある。だが直撃でなければ――旋律は、止めない。
「くれてやる訳にはいきません」
 顔を上げる。この腕が、蛇の腕がソレイユを掴んでいるということは、敵の動きも掴んでいるという事。それならば――……。
「ダンスは如何ですか?」
 黒衣の死神は、かれらの手を取る。
 旋律を重ねる。生者に死を、死者にはさいわいを。地の底まで引き摺り込むように、蛇人間達が黒衣に飲まれていく。
「さあ、玉座のイグ……、哀れなるヴィーヴィルに引導を渡しにいきましょうか」
 道がひらけば――後は、この扉を開けるだけ。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【泥濘の地】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!

ラキア・ムーン
水中適応と完全視界を引き続き使用しつつイグの下へと移動しよう
門とその周囲に立つ蛇人間達の姿が見えたら、戦闘態勢へ

完全には壊れていないから、修理して使っている……という感じか?
涙ぐましいな、リフォームの手伝いくらいはしてやろう
先ずは一旦更地にでもさせて貰うがな

取り巻きを先に叩かせて貰う
蛇人間達に狙いを付け、仲間と連携し一気に攻撃を仕掛け早期の撃破を行おう
【Call:Invisible_Javelin】起動
周囲に不可視の槍を展開し、魔力で敵へと放つ
床沿いや天井沿い等、少しでも敵視界の端になりそうなコースを選び誘導
敵に防御姿勢を取らさず、直撃するように努めよう

《RE》Incarnationを構えて、敵の動きに対応
シリンジガンを槍で捌き、なるべく撃ち込まれないように努める
撃ち込まれたら、即座に身体を捻り中の血清が入りきる前に離れダメージを抑えよう

とんだ閑職に就かされたものだなヴイーヴルも
最後のキマイラウィッチだというのに、扱いが悪過ぎて気の毒になるよ

アドリブ連携等歓迎


●月光が告げる
 重く、響く旋律と共に蛇人間がぐらり、と崩れ落ちた。膝を付く前に黒衣の死神に手を引かれ、ディアボロスへと伸ばした爪が絡め取られる。重ね合わされた手の向こう、仲間の銃弾が蛇人間達を穿てば巨大な扉がすぐ傍に見えていた。
「キヒ、ヒヒヒヒ!」
「それで、踏み込めると思うな」
 荒い、踏み込みだった。水を蹴り、壁を蹴って来た蛇人間の腕がラキア・ムーン(月夜の残滓・g00195)を掴むより前に身を引く。半歩で良い。引いた足を軸に、ぐん、とラキアは突撃槍を振り上げた。
 ――ギン、と鋒が何かを弾いた。
「シリンジガンか」
 砕け散ったシリンジガンの中身が、どろり、と零れだして消える。その青く淀んだ何かを舌で舐めとりながら蛇人間は笑う。
「キヒ、ヒヒヒヒ」
「……さて。ここに居るということは、この道が同じように玉座に続くんだろう」
 槍を構え直す。浅く、息を吐く。吐息は海底の遺跡にあって常と同じように落ちた。この身に抱く加護は水の中で身体を動かし、暗がりを照らす。
「完全には壊れていないから、修理して使っている……という感じか?」
 一歩、足を前に出す。蛇人間達の意識が此方に向くのをラキアは見る。
「涙ぐましいな、リフォームの手伝いくらいはしてやろう」
 突撃槍を低く構える。動きを警戒するように、視線を向けてくる相手にラキアは、ふ、と口の端を上げるようにして笑った。
「先ずは一旦更地にでもさせて貰うがな」
 地を蹴り出す。踏みだした一歩、消えた足音と共に紡ぐのは不可視の魔力。
「キヒ、ヒヒヒヒ」
「ヒヒヒヒ!」
 左右から飛び込み、囲むように来た蛇人間達を前に、真っ正面の一体だけを見てラキアは言った。
「静かなる槍よ、来たれ」
「――キ、ヒ?」
 それは解き放つ言の葉。食らいつくように伸ばされた手が、ラキアの腕を掴むように来ていた爪が届く前に蛇人間が吹き飛ばされる。
「キィイイイイ!?」
 その異常に気がついたところでもう遅い。踏みだしたあの時から、魔力は紡いでいたのだ。周囲に展開した不可視の槍。魔力で敵へと放ったそれが、左右から向かってきた二体を吹き飛ばせば――真っ正面、ラキアが踏み込んだ先、蛇人間が身を横に跳ばす。
「キィイイイイ!」
 背を守るつもりか。壁と装飾の狭間に身を滑り込ませようとした蛇人間が尾を揺らす。だが――。
「そうだな。守ろうとするだろう」
 だが、と落とす。握る槍に力を込める。
「考えないと思うか?」
「キ、キィイイイイイ――!」
 不可視の槍が、天井沿いに蛇人間の頭上に落ちた。背を守ろうとも、周囲の景色に溶け込むそれが天井を這えば――真正面、踏み込むラキアを無視して真上など見てはいられまい。
「キヒ、ヒヒ、ヒ――」
 二体が崩れ落ち、微か、身を揺らした一体が床を蹴った。
「キヒヒヒヒヒヒ」
 ヒ。と笑う声と共に持ち上げられた腕が、ラキアへとシリンジガンを突き付けた。撃ち込まれた衝撃に、ぐらり、と一瞬視界が歪む。
「――ハ」
 息だけを落とし、ラキアは即座に身体を捻った。血清が入りきる前に、腕を振り払う。視線ひとつ、向けて不可視の槍を放てば目の端でもう一体が動いた。
「キヒ、ヒヒヒ!」
「二度も通じると思うな」
 再誕の名を冠した突撃槍で弾き上げる。傷みの中、吐き出す息は二度目はいらない。ただ前だけを見てラキアは不可視の槍を――その一撃を操るための魔力を紡ぐ。
「これで、穿つ」
「キヒ、ヒヒヒヒ、ギ、ヒ――!」
 装飾を砕き、最後の蛇人間を不可視の槍が貫く。ぐらり、と身を揺らし、崩れ落ちていく敵が、ヒ、ヒヒと笑いながら扉を見た。
「――イグ」
「……」
 ただ一度、明確にその名を呼ぶ。泡に飲み込まれるようにして消えていった蛇人間達に背を向けると、ラキアは扉を見た。
「とんだ閑職に就かされたものだなヴイーヴルも」
 巨大な門を見上げる。扉にも似たそれには両開きになっており、現れた取っ手には蛇の装飾が施されていた。
「……」
 今の今まで、見えなかったそれは『蛇神』とされた者が此処に居る証か。
「最後のキマイラウィッチだというのに、扱いが悪過ぎて気の毒になるよ」
 門へと手を伸ばす。ラキアが触れるその前に、ギィ、と巨大な門はひとりでに動き出した。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【平穏結界】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!

●蛇神『イグ』
「キヒ、ヒヒヒヒ、ギ、ヒ——!」
 最後の蛇人間が崩れ落ちる。ヒ、ヒヒ、と笑いながら蛇人間は己が守っていた扉を——あの巨大な門を見た。
「——イグ」
 ただ一度、明確にその名を呼ぶ。消え失せた蛇人間の笑い声が消え——ディアボロス達の前にあった巨大な門に、蛇の装飾が生まれた。
「……取っ手のようですね」
「これで開いてねって訳じゃないよねぇ」
 ここまで来て、とディアボロスの二人が告げる。ほんの一瞬、奇妙な違和感があったのだ。それは、この地を一度踏んだ者には余計に響き
——初めてこの場を踏む者にも妙に響いた。
「水の流れが……変わったのか?」
 これだけの巨大な門が、扉のような装飾をされた『もの』が開こうとすればそれだけの変化が訪れても不思議は無い。だが、何かが違う気もする。
「……行くだけだな」
 どちらにせよ、とディアボロスの一人が告げた。門へと手を伸ばす。蛇の装飾が施された取っ手を掴むより先に、蛇の門は開いた。
「……結局だよねぇ」
「えぇ。ですが……これは、水が……?」
 軽く肩を竦めたディアボロスがすぐに得物を持ち直す。回転する刃が低く唸る。指先、鍵盤にもう一人が滑らせたのはディアボロス達を出迎えた巨大な空間にあった。
「あぁ……そう、そうなのね。囁いているわ。生まれ直そうとしているの」
 それは、高い天井を持つ巨大な空間であった。一歩、一歩、ディアボロス達が足を踏み入れれば明かりが灯っていく。何より、海水が抜けている。
「ふふ、ふふふふ」
 その中央で『彼女』は歌っていた。腕の中に何かを抱くように。虚空を抱いて、両の腕の翼を広げる。
「いいこ、いいこね。かわいいこ。骨の奥で、たくさん、沢山聞こえるわ。蠢いているの」
 艶やかな笑みを浮かべ、甘く歌う。ぴしゃん、ぴしゃん、と水の滴り落ちる音がこの空間に——玉座の間に響き渡る。
「ふふ……すごいでしょう? 卵の割れる音が聞こえるの。ふえる、沢山沢山増えていくわ」
 ゆらり、ゆらりと身を揺らす。下半身に蛇の身を持ち、両の手の翼を持つ者。嘗てジェネラル級キマイラウィッチ『ヴイーヴル』だった存在——ラヴクラフトにより『蛇神イグ』とされた存在が、こちらを向く。
「あなたの舌、蛇になる形ね」
「——」
 その瞬間、ディアボロス達が感じたのは明確な圧であった。同時に、ひたひたと迫る何かがある。ヴイーヴルを飲み込んみ、蛇神とした狂気か。
「あぁ、ふふ、ふふふ聞こえる? 卵の音よ。背骨がきっとやわらかくなるわ!」
 炎が蛇神・イグの周りで踊り出す。空間が一気に熱を帯びていく。狂気に呑まれ、正気を喪おうともジェネラル級キマイラウィッチ『蛇神イグ』は強敵だ。イグとて、ディアボロスを甘くは見ないだろう。外敵というものを、逃しはしない。
 ——だが、ここで退く訳にも負ける訳にもいかない。
 言の葉も届かない以上、何かを示すことができるのは戦いでのみ。相手が狂気の中から決して帰らないとしても——全力で戦うことだけが、できることならば。
「あぁ、ラヴクラフトさま!」
 最後のキマイラウィッチとの戦いが、今始まろうとしていた。

✦・┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ ・✦

秋月諒です。
どうぞよろしく御願い致します。

●選択肢④ 海底ピラミッド玉座の間の決戦『蛇神『イグ』』

となります。

*蛇神イグは完全に狂気に飲まれています。正気を失っており、会話は不可能です。
*正気を失ってはいますが、ディアボロス相手に油断することは無いでしょう。

*難易度相応の判定を行います。
各種パラドクス、アイテムの使用も何をどう使うのか等々大切になってくるかと。

●敵について
 『蛇神イグ』
 元々は、火刑戦旗ラ・ピュセル奪還戦後に、コーサノストラに流れて来たジェネラル級キマイラウィッチ『ヴイーヴル』
 現在は正気を完全に失い、邪神イグとして存在している。
 完全に正気を失っている為、会話は不可能で、撃破する事しかできません。

●戦場について
 水が抜けた玉座の間
 空間は広く、明かりが微かに灯されている。

●プレイングについて
1〜2日置いてプレイング採用となります。先着順ではありません。
また、必要人数をぐわっと大きく越えた採用は無いので、そんな感じです。
必要に応じてサポートを使用していきます。

*技能は、パラドクスを越えた効果は発揮しません。

*パラドクスの説明文章を過大解釈したなんかすごい行動、なんかものすごい装備品(設定準拠)の使い方によっては、不採用でお返しする可能性がございます。

*残留効果の説明、基本ルール、戦闘ルールを御確認ください。

どの効果もあれば良い、というよりはどう使うかが重要となってくるかと。
また、戦闘時、負傷判定の場合は負傷の描写があります。血の描写など苦手だよ、という方はご注意ください。

最後の戦いとなります。
皆様、御武運を。
一里塚・燐寧
あは。地元を滅ぼされた恨みの一つも聞かせて貰えないと、却って落ち着かないもんだねぇ
ラ・ピュセルもジャンヌもどうでもよくなるほどに塗り替えられたってワケだぁ
ラヴクラフトの色にさ

きみを自由にしてあげる義理とかは、何一つないんだけど……
そーだねぇ、イカれた舞台から降りるのぐらいは手伝ってあげるよぉ!

敵の周囲で踊る炎に触れないように気をつけながら、攻撃を仕掛けていくよぉ
仲間とは立ち位置を住み分けて、互いの攻撃動作の邪魔にならずに多方向からガンガン攻めよう

《DCブラスター》の先端部に備わった二枚の回転鋸刃で、『屠竜技:裂傷徹し斬り』をぶちかますよぉ!
敵の蛇体に鋸刃を食い込ませ、激しい回転で鱗を弾き飛ばして肉と骨を抉っちゃおう
戦いの前半では、仲間の攻撃が突き刺さる傷を体の各所に作ることを重視
終盤戦では特に深い傷に【命中アップ】で狙い澄ました刃を突き刺し、奥の奥まで削り斬るっ!
炎の吐息が来たら、敵の側面から後方に回り込むように走って早く範囲から出よう

ここで終わらせたげるよぉ、きみを狂わせる悪夢をねぇ!


ラキア・ムーン
……もはや完全に書き換えられた、戦闘能力のある置物だなこれは
敵ではあるが、こういう扱いをされるのは流石に気の毒だよ
せめてもの慈悲だ、ここで終わらせてやる
コーサノストラ最後のキマイラウィッチとして、此処で果てよ

限定解除、形状変換
再誕の槍よ更なる先へ……《RE》Incarnation:Extend、顕現

右肩を引き前傾姿勢で槍を構え、中央のイグへ向かい駆ける
【Call:0_0_0】起動
槍の機能を解放し、魔力の槍を重ねて展開
あと数歩の所まで近付いたら、強く地面を蹴ると同時に肩を突き出す
駆けた勢いと、槍を突き出す膂力
それらを槍先に乗せて、敵の体へ槍先を捻じ込み深く魔力の槍を突き立てよう

魔力の槍との接続を一旦解除し、槍を引いて距離を取る
Emu【E.S】展開
魔術障壁を床に敷くように複数展開し、足場兼呪いの炎を逸らす障壁に
障壁上を駆け、呪いの炎に直接焼かれない様に気を付けながら敵の攻撃を武装制服で受けて防御していこう

まあ、ぴったりの配役があって良かった……のか?
それとも不幸だったのか

アドリブ連携等歓迎


エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
ヴイーヴル!
復讐の炎は鎮まり、水底に潜む姿
それが安らぎならば何も言うまいが
『ラヴクラフト様』?
『ジャンヌ様』の間違いだろう?

名を奪い役割を書き換え操られるだけの存在
その身さえ焼き尽くさんとする程に燃え滾る魔女達の復讐は!
刻逆の舞台で踊った彼女たちは、もう用済みだとでも言いたげに
こんな悍ましい事が罷り通ってなるものか

PD通信も併用し仲間と声掛けあい連携
仲間とは角度をつけ対峙し、互いに注意をひきあえるように
蛇の尾や手も合わせ、敵の動きを観察し、攻撃動作や癖、移動を把握

両手の銃を連射しPDで攻撃
無防備な箇所を看破すれば優先
蛇の太尾と両肩を縫いとめ、続けざまに心臓、最後の一撃は額の宝石を狙う
腹は狙わない

炎の吐息は両手の籠手Segenに魔力盾を展開して広範囲を防ぎつつ範囲から飛び退き
強化コートで火勢を減じる

貴女の抱いた復讐に、復讐者として相対する

貴女はイグでも狂気の化け物でもない
キマイラウィッチの『ヴイーヴル』として送り届ける

魔女グリムは意志で抗ってみせた
貴女はそのまま、最後のときまで
……ゆくのか


ソレイユ・クラーヴィア
ショウ(g00878)と共闘

ラヴクラフト様、ですか…
キマイラウィッチの核たる復讐も忘れ狂気に塗り替えられた姿は哀れですね

合流したショウに頷き一つ
ええ、行きましょう
最後の魔女を葬る為に

宙に展開した鍵盤で「凱歌」を演奏
馬上槍を構えた白馬の騎士を喚び、敵を貫けと突撃攻撃を指揮します
トップスピードでイグとすれ違い際に一撃を入れ、即反転し次撃へ備えます

ショウが惹きつけたら、私は背後から
此方に向かってきたならショウが隙を突き易いように立ち回りましょう
最後のダンスを飽きさせはしませんよ

貴方の耳に聞こえているのは、何の音なのでしょうね
何かが壊れる音、軋む音?
もしかすると、ヴィーヴルの心が卵の殻のように砕け潰れた音なのでしょうか
なんて、返事は返ってきませんけど

反撃の炎にはガードアップと守護の青薔薇を展開して直撃を避けます
確かに威力は十分でしょうけれど、何故でしょうね
復讐の炎として放っていた方が、きっとより熱く激しく燃え盛っていただろうと思いますよ

塵は塵に、灰は灰に
狂気も復讐も、灰となって消えてしまいなさい


四葩・ショウ
戦友のソレイユさん(g06482)に合流、共闘する

救援機動力で玉座の間に駆けつけて
――やぁ、おまたせ

Hydrangea(ハイドレインジア)で
引き寄せた硝子のレイピアを一閃
燕達を引き連れて
わたしもその一羽になろう
さぁ、最後の復讐劇をはじめよう

直撃するものを魔力盾で防ぎつつ
祝別のヴェールで火の粉を払う
呪いの炎が身を包んだって、痛みに脚を止めたりはしない
このまま世界に
狂気を振り撒かれる訳にはいかないからね
それにこうして
劫火と躍るのが
わたし達には似合ってる、そうだろう?

さぁ、みせてあげるよ
ディアボロスのコンビネーション
ね、ソレイユさん
友達が指揮する突撃攻撃に合わせて動き
挟み込むようにして、時には隣に並び立っての連携で
積極攻勢する献身の剣捌きで視線を惹きつけよう
――わたしは蛇に、なれそうかな?
だとしてもお断りさ

復讐を奪われ、狂気の母になっても
その美しい宝石と呪いの炎は変わらないんだね、ヴイーヴル
ざんねんだったね、レディ
『お前』の子供達は――狂気は孵らない、孵さない

さよならの時間だ、ヴイーヴル


伊吹・祈
合流し、徐に眼鏡を押し上げながら
蛇の女神とは。何ともシンパシーが湧きますね
服の上。一撫でする黄金蛇のタトゥーは見えずとも

ああ、僕には視えますよ。あなたの擁する愛らしい卵が
――美味しそうだ。丸呑みにしても?
だなんて戯言を発すれども、表情は冷ややかな儘
残念ながら僕の舌は既に蛇ですよ
卵を狙う蛇の如き執拗さで攻め立ててみせる

テノールの聲彩で燕のあなたを呼ぶ
寄添うソプラノを導く様に歌い上げる
胎教に如何ですか? 僕等の調べを味わうが良い
アーカムの人々を狂気に染め上げる蛇神

仲間の動きの間隙を突き、間髪を入れずに攻撃を仕掛ける
浮上するお心算でした?
尤も、此れだけ不完全ならばそれも叶わないだろうけれど

我が宝石、奪うことを許さずには、ガードアップと救恤のガントレットの護りで対処
召喚体であろうとも教え子には火片一つ触れさせない想いで
アーカムに蔓延る狂気の闇を晴らす為ならば
あなたを此処で滅ぼす為ならば、僕は
⋯⋯この身など惜しくはないんですよ

僕の理想の、邪魔をしないでくれないか
あなたごと。丸呑みにして差上げる


ゼキ・レヴニ
ラヴクラフトの野郎、ジェネラル級を何体も使って随分豪華な人形劇を演りやがる
これがただのワイズガイなら、最後のキマイラウィッチなんて貴重な因子、ショーケースに大事に仕舞っておきそうなモンだが…
何れにせよ、早いとこ奴の狂気のショーの幕を引かにゃな
遅参だが、その分の働きはするぜ

グリムん時みてえに、こっちまで狂気に踊らされんで良いのは幸いってトコか
戦意を滾らせ、頭は冷静に
勇敢な軍犬の記憶を金属塊『躯』に宿し、片腕を覆う大狼の顎に変じる
『躰』は獣脚に似た柔軟な形態に調整し、身を低く地面を蹴り
正面から跳び込む様に見せ、敵が炎を吐く動きを見せた所で回り込むように跳躍
蛇と言えど八岐大蛇じゃねえ、炎を吐く首は一つ
なら首が回り切る前に喰らいつきゃいい…!

鋼の牙を深く食い込ませて離さず、イグの動きを制限して味方の攻撃に繋げる
会話は出来んだろうが、イグの狂気を利用した言葉で気を散らすぐらいはできねえか
卵を喰らう狼が来たぜ、うまそうで涎が出ちまうなァ!
攻撃を繋げたなら肉を食い千切りながら距離を取り、次の機を狙うぜ


レイラ・イグラーナ
キマイラウィッチらはいつも、皆口を揃えて私たちへの復讐を語っておりました。
火刑戦旗の復讐はジャンヌ・ダルクにより仕組まれたものではございましたが、ジャンヌ・ダルクが討たれ、各地に散ったジェネラル級らの復讐は王を討った私たち復讐者が受け止めるべきものであったでしょう。
ですが今や……せめて、その力は受け止めましょう。

細剣「Дед мороз」を手に蛇神『イグ』と向かい合います。
特殊な能力は持たないものの、高い切れ味の刃を振るう【天上奉仕・白銀】で攻撃を仕掛けましょう。
前衛で戦いながら【パラドクス通信】で背後の仲間と連絡を取り連携、仲間と同時に攻撃を仕掛けたり、片方が気を引いている隙にもう片方が攻撃したりと攻撃を重ねます。
額の宝石から放たれる熱線は防御ではなく回避を。完全に避けきることはできずとも、攻撃を重ねて敵の姿勢を崩し、急所を避けるように回避します。

ラ・ピュセルで成したこと、奪還戦において最終人類史で成そうとしたことを思えば同情は致しません。ただ……成すべきことを成しましょう。


●蛇神・イグ
「あぁ、聞こえる。卵が——もうすぐよ」
 ぴしゃん、ぴしゃん、と滴り落ちてきた水音が不意に――止んだ。水の抜けた大広間に一度、生温い風が吹く。
「もうすぐ」
 甘く囁く声と共に、玉座の間に風が吹いた。蛇神イグへと変えられたものは、その手に残された翼で風を起こし、水滴が舞いあがる。
「みんな、孵るわ」
「あは」
 目が、あった。確かに、目があったと思うのに、こっちなんか見えていない、とも思う感覚が一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)にはあった。
「ラ・ピュセルもジャンヌもどうでもよくなるほどに塗り替えられたってワケだぁ」
 赤茶色の瞳が、ひたりとイグを見据える。
「ラヴクラフトの色にさ」
「あぁ……ラヴクラフトさま」
 蕩けるような甘い声で、イグは両の手の翼を広げる。虚空を抱くのは、卵でも抱いているつもりなのだろうか。
「……もはや完全に書き換えられた、戦闘能力のある置物だなこれは」
 静かにラキア・ムーン(月夜の残滓・g00195)が息を吐く。
「敵ではあるが、こういう扱いをされるのは流石に気の毒だよ」
 正気は失ってどれ程立つのか。
「せめてもの慈悲だ、ここで終わらせてやる」
 言の葉をひとつ、ラキアを落とす。静かに槍を持ち上げる。
「ラヴクラフトの野郎、ジェネラル級を何体も使って随分豪華な人形劇を演りやがる」
 あの目は、こっちなんざ真面に見てねぇ、と男は息を吐く。くわえた煙草はとうに湿っていた。
「これがただのワイズガイなら、最後のキマイラウィッチなんて貴重な因子、ショーケースに大事に仕舞っておきそうなモンだが……」
 しけた煙草をポケットに握りつぶして、ゼキ・レヴニ(Re-Lighter・g04279)は息を吐いた。
「何れにせよ、早いとこ奴の狂気のショーの幕を引かにゃな」
 濡れた髪を軽く振るう。床の感触を確かめるように、足に力を入れれば――コツリ、と静かな足音が響いた。
「蛇の女神とは」
 黒衣が、影のように揺れていた。滴り落ちる水が、彼の影の中で揺れる。徐に眼鏡を押し上げながら、男は掌から逃れた青の瞳で揺らめく尾を――微笑むイグを見た。
「何ともシンパシーが湧きますね」
 手のひらをゆっくりと降ろす。服の上、一撫でする黄金蛇のタトゥーは見えずとも。吐息一つ零すようにして、伊吹・祈(アンヘル・g10846)は微笑んだ。
「あなた」
 口の端は、僅かに上がったか。瞳の青は左右で僅かに色彩を変え――その深きを有す男は、水滴を払う。だが青の髪を揺らす彼にしては幾分か珍しい、荒く足音が響いた。
「ヴイーヴル!」
 復讐の炎は鎮まり、水底に潜む姿。それが安らぎならば何も言うまいが――青年の目に映るのは虚空を抱くジェネラル級キマイラウィッチであった者の姿だ。
「『ラヴクラフト様』? 『ジャンヌ様』の間違いだろう?」
 敢えて、彼女をエトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)はヴイーヴルと呼んだ。蕩けるように甘く微笑んだイグが――ヴイーヴルであった者が、こてり、と首を傾ぎ、瞳は弧を描く。
「聞こえる? 骨が囁いてる」
「……」
 エトヴァは唇を引き結んだ。吐き出しかけた言の葉を飲み込み――拳を強く握る。
「キマイラウィッチらはいつも、皆口を揃えて私たちへの復讐を語っておりました」
 足音も無く、彼女はその身を晒す。ふわりと揺れたスカート。美しい一礼と共に、正気を失った敵を――復讐を変えられた相手を見る。
「火刑戦旗の復讐はジャンヌ・ダルクにより仕組まれたものではございましたが、ジャンヌ・ダルクが討たれ、各地に散ったジェネラル級らの復讐は王を討った私たち復讐者が受け止めるべきものであったでしょう」
 来し方を辿るように彼女は告げる。静かに上げた視線ひとつ、生温い風に、銀糸が揺れる。
「ですが今や……」
 ゆらりゆらりと揺らめくイグの瞳を見る。少しずつこちらを捉えていく瞳は、殺意より、敵意より狂気に満ちている。ひたひたと迫るそれは、ヴイーヴルをイグとしたものに近い。
「せめて、その力は受け止めましょう」
 レイラ・イグラーナ(メイドの針仕事・g07156)はそう言って、一歩前に出る。
「殻の中で謳っている。ラヴクラフトさまも喜んでる」
「ラヴクラフト様、ですか……」
 ソレイユ・クラーヴィア(幻想ピアノ協奏曲第XX番・g06482)は、失われた正気を、後に続いた声に思う。
「キマイラウィッチの核たる復讐も忘れ狂気に塗り替えられた姿は哀れですね」
 知っていたからこそ、思う。復讐を掲げ、紡ぎ、駆け抜けてきた相手を。
「……」
 声は静かに落ちた。その奥に沈めた、来し方の苦みよりも一つ軽やかな足音がソレイユを呼んだ。
「――やぁ、おまたせ」
 視線を上げる。水滴の舞いあがった戦場に、プラチナブロンドが煌めいて揺れた。カツン、と降ろす足音ひとつ、救援機動力で吹き抜ける風と共に玉座の間へと降り立った四葩・ショウ(After the Rain・g00878)が水滴を散らす。
「ええ、行きましょう。最後の魔女を葬る為に」
 ひとつ、ソレイユは頷く。イグの囁きが、床を這う蛇が、鱗が不可解な音を鳴らす。
「殻が割れるわ……みんな揃うの」
 あぁでも、とイグが零す。こちらを見ながら、まだ何処か遠くを見ていた赤い瞳がこちらを向く。ひたりと捉え、瞬間、一際強く炎が舞った。
「――来る」
 それは誰の言葉であったか。この場にいたディアボロス達の言の葉が重なり、警戒は通信に乗る。下げた鋒を上げる。緩めた手を強く握りとけば、赤い瞳を煌めかせるようにしてこの地にて最後の一体となったイグが翼を広げた。
「材料が来た」
 湿った風は熱を帯び、一瞬にして炎が玉座の外壁を浚う。ジェネラル級キマイラウィッチ蛇神イグ――コーサノストラに流れてきた最後のキマイラウィッチとディアボロスの戦いが、始まろうとしていた。

●満ちる狂気
 ごう、と吹き抜ける風が、玉座の間に残されていた水を一気に消した。熱を帯びた風だけではディアボロスに傷を与える事など出来ない。これはただの威嚇か、或いは狂気か。
「卵を孵しましょう。あの方の為に」
 笑うように告げたイグが、しゅるり、と身を前に滑らせた。床を蛇の鱗がする音が響き、動きは――速いか。
「きみを自由にしてあげる義理とかは、何一つないんだけど……」
 DCブラスターを低く、燐寧は構える。強く持ち手を握りしめれば、二枚の回転鋸刃が唸る。
「あぁ、ラヴクラフト様!」
「そーだねぇ」
 距離を、一気に詰めてくるイグへと燐寧は床を蹴った。た、と短く、飛びこんだ娘の髪がさぁあと揺れる。靡くピンクの向こう、赤茶の瞳が煌めき、手の中のダブルチェーンソーが唸る。獣のように低く、重く唸る武器を手にぶつかるように来た相手を前に、軽く跳ぶ。
「イカれた舞台から降りるのぐらいは手伝ってあげるよぉ!」
 軽い跳躍から、燐寧は一気に蛇の下半身へと二枚の回転鋸刃を振り下ろした。ギィイイン、と鈍い音が響き渡り――腕に、固い感触が変える。鱗か、だが、燐寧のチェーンソーは、欠けはしない。
「あたしのチェーンソーは、どんなに硬い壁だってぶち抜くよぉ!」
 激しい回転と共に、刃が鱗を抉る。肉を晒し、飛び散るのは赤か、淀んだ色彩か。
「ふふ」
 それは確かな痛みであろうに。笑うイグが両の腕をこちらに――伸ばした。
「孵りましょう」
 イグが囁く。声音が呪われた吐息に変じる。空間が一気に熱を上げ、赤黒い炎が放たれた。
「そうだよねぇ」
 骨を焼くような傷みがあった。
 呪炎が、周辺を焼き尽くしていく。踏み込んだ燐寧を飲み込むように。灰とするように。だが、強烈な傷みに燐寧は身を横に跳ばす。イグの側面を目指すように回り込む。床を蹴り、壁に一度手をつきながら三歩目、鋒を下げた武器を持ち直す。
「相手を見失いはしないよねぇ」
「あぁ、貴方も蛇になる」
 炎の中、這うように進むイグが一気に燐寧を目指す。だが、そこにひとつの銃弾が撃ち込まれた。
「名を奪い」
 エトヴァだ。両手の銃を続けざまに放つ。 踏み込み引いた引き金は、まずは踏み込む太い尾に銃弾を叩き込めば、零れた赤と共にイグが振り返る。
「骨が、鳴って」
「役割を書き換え、操られるだけの存在」
 エトヴァは唇を引き結ぶ。銃口を持ち上げる。揺れはしない。ここで迷いはしない。相対するキマイラウィッチの為にも。
 ――ガウン、と銃声が響く。
 それは、狙い澄ました正確な射撃。踏み込む敵の、振り返るその尾を迷い無く撃ち抜き、振り返ったイグと――ヴイーヴルと向きあう。
「その身さえ焼き尽くさんとする程に燃え滾る魔女達の復讐は!」
「ふふ」
 蛇の太い尾から血が滴り落ちる。舞う炎が赤を焼いていく。割けた尾を晒しながら、微睡み笑うキマイラウィッチの瞳がこちらを――エトヴァを、見た。
「材料ね」
 瞬間、熱が来た。ヴイーヴルの声と共に一気にエトヴァの周辺が燃えあがる。炎は這い上がるようにエトヴァの上に掛かる。大口を上げた蛇が獲物を飲み込むように、喉を焼くような熱が来る。
「――」
 その熱に、腕を引き上げる。瞬間、溢れた白銀の光が籠手から魔力の盾を生成した。キィン、と高く響いた音ひとつ、殺しきれなかった熱が腕を這っていく。それは紛うこと無き呪いの炎だった。
「刻逆の舞台で踊った彼女たちは、もう用済みだとでも言いたげに」
 肩口に触れ、心の臓へと掛からんとする一瞬に、エトヴァは身を後ろに跳ばす。コートがばさり、と揺れ、致命から守る。
「こんな悍ましい事が罷り通ってなるものか」
 傷みはあった。焼けるような熱が、喉を枯らす。それでも、エトヴァは声を上げた。手にした銃は引き金から離さずに――それでも、上げる声は、ヴイーヴルであった彼女の為のものだ。
「今までも、これからも……」
 その炎に、重なる靴音があった。カツン、と高く響く音は一つ、二歩目は聞こえない。
「成すべきことを成しましょう」
 手にした細剣を縦に構え――レイラは行く。踏み込みは早くあった。三歩目、敢えて響かせた足音に、風が吹く。イグが両手を広げたのだ。床をひっかくようにして狙いをレイラへと変える。蛇の尾が床を叩き、あぁ、と正気の失った声が響いた。
「卵の割れる音がするの」
「――」
 ぐ、と伸ばされた手と共に、イグの額の宝石が光った。眩しさに似たその赤に、だがレイラは踏み込む。四歩目、踏み込みと同時に突き出すように構えた細剣が煌めく。
「ねぇ、貴方も蛇になるの?」
「――いいえ」
 身を沈める。頭上をイグの手が抜ける。低く、レイラは前に跳んだ。あと一歩、足をかけたその場所はレイラの間合いだ。
「貴方様と相対するため」
 剣を、突き出す。踏み込みと共に、腕を前に出す。鋒は、燐寧の刻んだ傷口に沈み――そのまま、深く穿てば、頭上で蛇神が笑った。
「蠢くわ。暗がりの中で」
 ねぇ、とイグが囁く。正気を失った瞳がこちらを見据える。
「聞こえるでしょう?」
 次の瞬間、イグの額の宝石が煌めいた。キィイイン、と甲高く響く音と共に走る光がレイラに――来る。
「――」
 反射的にレイラは身を横に振った。走る光が腰を抉り――だが、貫く筈であった熱線だ。致命は避けた。足元、零れた血が床を濡らす。それでも、レイラは顔を上げた。短く息を吐き、細剣を持ち上げたのはイグの意識が此方に向いていると分かっていたから。
「仕掛けましょう」
「――ええ」
 応じる声と共に、音が響いた。重く響いた和音。重なり響いた音色と共に青年の指先が宙を叩く。展開されていく鍵盤と共に、ピアノの音色が明るく変わっていく。
「高らかに謳え」
 走るような音色と共に、深海の戦場に光が零れた。月明かりが告げる音色は、嘶きと共に勝利の凱歌へと変わる。溢れる光と共に、水面を蹴るようにして現れたのは白馬の騎士。
「その歌を」
 騎士は、白馬と共に一足で玉座の間を蹴って出た。速度を上げていく騎士の外套が揺れる。風を生むのは――こちらだ。
「あぁ、あなたも蛇になるの」
 しゅるり、とイグが蛇の尾を揺らした。突撃から身を逸らすように、両の翼を広げる。距離を厭うように毀れた炎が舞う。
 ――だが。
「させないよ」
 告げる言の葉は、炎へ。零れる光は指先へ、ショウに告げるもの。軽く掲げた指へ、触れて落ちるはひかりの魔力。硝子窓の向こう、ショウの瞳に映るのは幾重にも分岐する断片のかけら起こり得なかった未來。
「……」
 魔女の、わたし。
 伝い落ちる頬の滴に触れ、憐れみ囀る彼女の薔薇色の心臓から硝子のレイピアを引き抜けば、硝子窓は砕けて落ちる。その破片が、床に触れるその前に無数の羽ばたきに変わる。燕達を引き連れて、床を蹴ってショウは――行く。その一羽となって。身を逸らして一撃を避けんとする蛇神へと翼を以て告げる。
「さぁ、最後の復讐劇をはじめよう」
 高らかに転じた音色と共に、ショウはイグへと一気に踏み込んだ。足音は羽ばたきと共に、駆ける幻想の騎士を正面に見ながら――挟み込むように行けば一瞬、イグが迷うように視線を巡らせた。
「レディ。デートの時間だね」
 その一瞬を、迷わずショウは掴む。蛇神の影を踏んで――振るう。一閃、薙ぎ払う硝子のレイピアと共に燕たちが舞う。
「――ぁ」
 ぐらり揺らした身が、逃げを打つにはカン、と蹄が床を叩く音が近かった。は、と振り返るだけの時さえ――無い。白馬の騎士はトップスピードですれ違いざまに一撃を叩き込んだのだ。
「ぁああ!」
 怒号に金切り声が混ざる。キィン、と甲高く響いた音の向こう、僅かに混ざった何かにソレイユは顔を上げた。

●揺籃を揺らす
 一瞬にして空間の熱が上がる。呪炎の吐息が二人を襲い――這うように炎が広がっていく。
「卵に孵るときよ」
 イグが囁く。その熱を感じるより先に、ショウは腕を振り上げる。顕現した硝子窓が熱を受けとめ――僅か勢いを殺す。
「呪いの炎が身を包んだって、痛みに脚を止めたりはしない」
 腕を這い来る傷みに、は、と息を吐く。この手を鈍らせる訳にも、ここで灰となる気も無い。痛む手で、ショウは祝別のヴェールをひいた。
「このまま世界に、狂気を振り撒かれる訳にはいかないからね」
 火の粉を払う。その白を指先でひいて、肌を焼く熱を払って顔を上げる。
「それにこうして劫火と躍るのが、わたし達には似合ってる、そうだろう?」
「踊って孵りましょう、卵に」
 狂気を零す瞳が、その手がショウへと伸びた。「エスコートには手を取っていいけれど、今じゃないかな」
 一歩、身を後ろに跳ばす。間合いを取り直す。ひゅん、とレイピアを構え直せば、鍵盤の上を滑るような音色と共にソレイユの旋律が帰ってくる。
「貴方の耳に聞こえているのは、何の音なのでしょうね」
 血濡れの指先で宙に触れる。指先、滑らせるようにして展開と共に音色を続ける。それは凱歌であるからこそ。勝利を告げる早馬が如く、駆ける騎士は再び指揮者の傍らに立つ。
「何かが壊れる音、軋む音?」
 ソレイユは瞳を細める。肩を焼き、這い上がる炎の全てを散らした青の花弁がひらりと舞い落ちる。
「もしかすると、ヴィーヴルの心が卵の殻のように砕け潰れた音なのでしょうか」
 ソレイユは視線を上げる。
「なんて、返事は返ってきませんけど」
「卵が、歌っているの」
 赤黒い瞳は狂気に沈んだまま。
「聞こえるわ。孵るの」
 高く、イグが告げる。咆吼に血濡れの玉座の間が震えた。海底にあって水が抜け、羽ばたきと共に吼えたイグに水滴が舞いあがる。煌めきがディアボロス達の前で上がれば、は、と息を吐いたイグがこちらを見た。
「だから、たべなきゃ」
「――腹、壊すぜ?」
 低く響いたその声に、男は笑うように告げた。だん、と床を蹴る。身を前へと跳ばしながら、手の中、金属片を――躯を強く握る。三歩目、瓦礫を飛び越えると、ゼキは真っ正面からイグを見た。
「――世界一勇敢な犬ってのは」
 それは忠実な友だった軍犬の記憶。尾を振り、駆けた姿を思い出しながら――ゼキは、躯を変えていく。
「あいつのことさ、」
 形作るは、牙片腕を覆う大狼の顎。四歩目、イグの影を踏むように行った男に、蛇神が笑う。
「あぁ、卵になりましょう」
 すぐに、と囁き落ちた声は甘く――瞬間、空間が熱に満ちた。
「来るぞ」
 ラキアが告げる。その鋭さが僅かに違うのは、ゼキのしようとしていることを分かっているからだろう。
(「なら、問題ねぇな」)
 呪炎が、迫る。その熱が、靴先に触れるその一拍前に――ゼキは身を横に振った。た、と置いた足ひとつ、そのまま身を沈める。低く、速度を乗せてゼキは床を蹴った。ぐ、と力を入れた脚に獣脚が寄り添えば、回り込むには充分だ。
「だいじょうぶ、全部孵すから」
 イグが振り返る。視線が追ってくる。
(「蛇と言えど八岐大蛇じゃねえ、炎を吐く首は一つ」)
 床を蹴った。着地の脚を軸に、ゼキは体を返す。距離を取るためじゃない。次の一歩は――踏み込む為。
「なら首が回り切る前に喰らいつきゃいい……!」
「全部焼べてあげる」
 炎の吐息と、ゼキの踏み込みは同時にあった。だが床を蹴る一歩、男が前に出る。突き出した腕が、共にある顎が大口を開く。
 ――ガキン、と音がした。食らいつく牙が、イグの喉を喰らう。
「ぁあ、ぁ――」
「卵を喰らう狼が来たぜ、うまそうで涎が出ちまうなァ!」
 蛇神と成ったキマイラウィッチから、血がしぶく。暴れるように身を捩ったイグが、叫ぶ。
「まご、卵、ぁあああ!」
 ごぉおお、と呪炎がゼキを襲った。食らいつく腕より、残した片手を、半身を這うように炎が来る。肩を這い、首を伝い――男の頬が焼ける。
「は」
 それでも、鋼の牙を深く食らい込ませて離さずに、顔を上げる。歪む意識を、熱を、沸騰する血の感覚を機械の四肢と成った男は知っているからこそ――。
「まだ、だよな?」
 食らいついた牙が、男の命を奪いきりはしない。片腕を覆う大狼の顎がイグを抑え込んでいるからこそ――共にあるからこそ。
「再誕の槍よ更なる先へ……」
 一陣の風が、抜ける。声は静かに響く。右肩を引き、構えた再誕の槍が――低く、唸る。風と炎が、穂先から溢れ尾を引くように揺れる。
「《RE》Incarnation:Extend、顕現」
 その衝撃に、ラキアは足で床を掴む。前を見る。さぁあ、とピンク色の髪が揺れ、広げた翼は衝撃の凡てを抑え込むように、飲み込むように――彼女の踏み込みを、押していく。
「コーサノストラ最後のキマイラウィッチとして、此処で果てよ」
 ガシャン、と重く響いた音と共に、リミッターが解除された。右肩を引くようにして、ラキアは身を前に倒し――駆ける。
「ぁあああ!」
 荒ぶる咆吼に、ラキアは強く地面を蹴った。重ねた魔力の槍が唸る。ゼキに捉えられたままのイグが身を捩る。だが、この距離で、この状態で避けられる訳もない。
「再誕の槍の名の下に……我は世界を穿つ者也!」
 肩を突き出す。敵の体へ槍先をねじ込むように、ラキアは魔力の槍を突き立てた。
「ぁ、ああ」
 イグが叫ぶ。身を捩り暴れる蛇神に、は、と息を吐いてゼキが牙を外す。食いちぎった血と、己の血で地面を叩いて身を跳ばした男よりも、イグが見たのは突き立ててきたラキアか。
「溶かすの、ぜんぶ!」
 何重にも重なり合うような声と共に、ラキアの足元に炎が上がった。
「呪いか」
 身を後ろに跳ばして、たん、と靴裏で床を叩いた。瞬間、展開されたエルダー・サインが――再現された力が魔力の障壁となる。
「――は」
 それを足場に、直撃を避ける。長居は出来ない。身を跳ばした先、這い上がるように来た炎が足を焼くのを感じながら――それでも、動く体でラキアは槍を持ち直す。
「キマイラウィッチ」
「ぜんぶ。かえすの。卵を……!」
 暴れるように蛇の尾が床を叩いた。ごう、と炎が唸る。満ちていく呪いが空間を熱していく。
「ああ、僕には視えますよ。あなたの擁する愛らしい卵が」
 その炎の中、こつりと男は足音を響かせる。訪いを告げる音は、イグの意識を引く。卵と言ったからか。広げた翼で、ヴイーヴルは――イグは、殺意を以て告げる。
「材料にしなきゃ」
「――美味しそうだ。丸呑みにしても?」
 唇に戯れ言を載せる。祈の言葉に、イグが唸るように熱風を放つ。ただの風だ。ディアボロスを傷つけるものではなく――ただ、揺れる外套をそのままに、男は冷ややかな顔をイグへと向けた。
「残念ながら僕の舌は既に蛇ですよ」
 卵を狙う蛇の如き執拗さで攻め立ててみせる。
 言の葉は囁くように落ちたか、風の合間に届いたか。
「あぁああ!」
 かっと、目を見開いたイグが叫ぶ。切り裂くような爪が届くその前に、その鋒を見ながら祈は薄く唇を開いた。
「囀りなさい、僕だけの――」
 テノールの聲彩で燕のあなたを呼ぶ。伸ばす指先は空に。降り立つあなたに手を添えて、掻ききる爪は払うように半身だけを逸らして、傍らに降り立った燕の彼女だけを見て、最初の一音を重ねた。
「   」
「えぇ」
 寄添うソプラノを導く様に。響き渡るのは聖歌の二重唱。淡く灯る光しか無い玉座に、天を告げる星が煌めき――イグに、光が射す。
「ぁあ、ぁ――」
「胎教に如何ですか? 僕等の調べを味わうが良い」
 ――そして光が来た。降り注ぐ光雨。異常に気がついたようにイグが顔を上げる。暗がりの天井に煌めく光を見付けても、身を捩るには――もう遅い。
「アーカムの人々を狂気に染め上げる蛇神」
 天より篠突くそれは、玉座の間にてラヴクラフトを奉じる蛇神を磔にしていく。聖歌は重なり響いて、燕の羽ばたきと聖句に天が応えていた。

●遥か遠きに
「ぁあ、うごめく。孵す、かえさなきゃ」
 蛇神と成ったキマイラウィッチが呻く。血濡れの身を捩る姿は、最初に出会った時より多くのダメージを受けていた。
「ラヴクラフトさま」
「貴女の抱いた復讐に、復讐者として相対する」
 剣戟と熱を抱きながら、戦いは加速していた。呪炎の中、エトヴァは銃を構え直す。
「前だ」
「任せてよぉ」
 援護はよろしくねぇ、と告げる燐寧が一気に前に出る。二枚の回転鋸刃が唸る。武器を握る己の手が、血で滑るのを感じながらそれでも燐寧は強く床を蹴った。
「溶かさなきゃ。あなたも蛇になるわ」
「趣味じゃないんだよねぇ」
 笑うイグの放つ炎の吐息に、燐寧は身を横に跳ばす。
「ここで終わらせたげるよぉ」
 側面から燐寧は回り込む。床を蹴って、飛びこんだ彼女の血と髪が揺れる。
「きみを狂わせる悪夢をねぇ!」
 それは竜狩りの狩猟技術。
 どれほど硬い表皮を持つものであろうが、切り裂き破る一刀。肉体を両断する一撃必殺の態として、燐寧が昇華したもの。
 ギュイィイン、と唸る回転する刃と共に、燐寧の一撃がイグに落ちる。
「ぁあ、ぁ」
 蛇神が身を揺らす。尾が床を叩き、傾ぐ身はだがすぐに跳ねるように持ち上がる。
「ひらくの」
 叫ぶ声と共に伸びた手に――だが、白馬の騎士が飛びこんだ。突撃する騎士の槍がイグの腕に届き、身を逸らした蛇神がソレイユを向く。
「あつめるの、ぜんぶ」
 叫ぶ声と共に炎が来た。呪炎の吐息が戦場を駆ける。足を引くより、鍵盤に手を滑らせたまま――奏でる旋律は止めずに、ソレイユは一音だけをずらす。
「薔薇よ」
 ふわり、と青薔薇が舞う。守護の花弁が炎を阻むように舞う。
「確かに威力は十分でしょうけれど、何故でしょうね」
 這った熱が、喉を焼く。致命傷では無い。花弁が旋律と共に舞いあがったから――だからこそ、ソレイユは視線を上げて真っ直ぐにイグを見た。
「復讐の炎として放っていた方が、きっとより熱く激しく燃え盛っていただろうと思いますよ」
 血と熱が玉座の間にはあった。燃え盛る炎と、流れ落ちた血は互いに傷が浅くは無い事を示し――だが、ディアボロス達は足を止めない。武器を落とすこと無く、この身がどれだけ焼かれようとも、痛みの中にあろうとも前に、イグを見た。
「ソレイユさん」
「大丈夫です」
 声をかけた先、返された言葉にショウは信頼を以て頷いた。
「うん、なら」
 すぅ、と息を吸う。足音ひとつ、ソレイユの旋律と共に現れた騎士と並び立つ。淡い光と共に、再び二人を守るように立った騎士に、イグに一礼をしてショウは告げた。
「さぁ、みせてあげるよ。ディアボロスのコンビネーション」
 ね、ソレイユさん。
 微笑んで告げるショウに、ソレイユが頷く。宙の鍵盤を叩く指先は力強く、最初の一音は高らかに凱歌を告げる。
「凱歌を」
 ソレイユの指揮で白馬の騎士が行く。その踏み込みに、共にショウは地を蹴った。弧を描くように回り込めば、一足、軽やかに蹴った分か、イグの視線がこちらを向いた。
「あぁ。骨が、卵になるわ」
 炎が来る。身を逸らして避けて踏み込む。イグの意識を引きつけるように。頬を撫でるように来た炎を避けるより、靡く白衣と突き出す一撃をショウは選ぶ。
「――わたしは蛇に、なれそうかな?」
 イグの影を踏む。蛇と成ったものを見上げ、解き放つは硝子の燕達と翔る白焔の剣戟。
「だとしてもお断りさ」
 ヒュン、と鋭くショウの刃がイグへと届いた。あ、と蛇神が声をこぼす。翼を残した手が、硝子の燕たちを仰ぐ。
「ぁあああ!」
「復讐を奪われ、狂気の母になっても、その美しい宝石と呪いの炎は変わらないんだね、ヴイーヴル」
 空間が熱を帯びていく。踊るように炎から僅かにだけ身を逸らして、ショウは硝子のレイピアを縦に構える。
「ざんねんだったね、レディ。『お前』の子供達は――狂気は孵らない、孵さない」
 ソレイユの指揮で騎士が駆ける。その突撃が見える中、ショウは告げた。
「さよならの時間だ、ヴイーヴル」
「たまご、を」
 ザン、と払うショウの一閃が、ソレイユの凱歌と共に来た騎士の一撃が同時に落ちた。
「ぁあ、ぁ」
 蛇の、鱗が散る。しぶく赤の向こう側、駆け抜けた騎士が即座に突撃槍を構え直すのを見ながら、ショウはたん、と床を蹴った。
「こっちも行くぜ」
 ゼキが、前に出る。飛び込み、再び食らいつくように腕を前に出せば、今度こそ、とイグが身を逸らす。呪炎が舞い――だが、それは届かない。
「浮上するお心算でした?」
 聖歌が、光がそこにあったから。
 祈のテノールが、寄り添うソプラノと共に響く。響鳴する歌声が再び、天より光雨を降らせる。
「尤も、此れだけ不完全ならばそれも叶わないだろうけれど」
「ぁあ……」
 長い髪が絡みつくように蠢く。蛇の尾が揺れる。貫かれ、射貫かれたイグの体が傾ぐ。翼手が床を叩き――ぐん、とこちらを、祈を見た。
「――」
 来る、とそう思った瞬間、祈は教え子の手を取った。ぐ、っと手を引いて、背に守る。襲い来る呪炎を前に迷い無く男は手を出した。
 キィン、とその手に黄金の魔力が宿る。指先を金色が覆っていく――其は救恤のガントレット。
「アーカムに蔓延る狂気の闇を晴らす為ならば」
 召喚体であろうとも、火片一つ触れさせぬように燕の彼女の前に立って。その身の全てで炎を防ぎ、足りぬなら受けとめて焼ける腕など構わずに祈は言った。
「あなたを此処で滅ぼす為ならば、僕は……この身など惜しくはないんですよ」
 血に頬が染まる。口元を拭うと、血濡れの指先でつい、と眼鏡を上げた。
「僕の理想の、邪魔をしないでくれないか」
 教え子の手を取る。火の粉が触れていないのを安心しながら、炎の向こうにある彼女を見る。火の粉を払う白の衣に、ほう、と一つだけ息をついて祈は言った。
「あなたごと。丸呑みにして差上げる」
 イグへと。狂気に満ち、狂気を紡ぐ蛇神へと。
「ぁあ、ふふ」
 呪炎が舞う。足元、吹き出る炎を障壁で越えて、ラキアが行く。
「うごくの」
「終わりだ」
 穿つ一撃に、レイラが駆ける。放たれた炎が身を焼こうとも、手にした刃を落とすこと無く。
「ラ・ピュセルで成したこと、奪還戦において最終人類史で成そうとしたことを思えば同情は致しません」
 滴り落ちる赤を、傷みを置いて前に出る。握りしめた剣が、白く輝く刀身が炎を写す。
「ただ……成すべきことを成しましょう」
 今、この時もまた全てを――賭ける。
「ぁあ、あ――」
 穿つ、一撃が。切り裂く刃が蛇神に沈んだ。はらはらと髪が落ちる。燻るように呪炎が落ちる。零れ落ちる血のように、蠢き揺れる赤を踏んでエトヴァは前に出た。
「貴女はイグでも狂気の化け物でもない。
 キマイラウィッチの『ヴイーヴル』として送り届ける」
 最後の銃弾を込める。傷みで視界が歪み、それでも男は前に出た。引き金を引いて、呪い炎を齎す吐息を――伸ばされた手と向きあう。
「魔女グリムは意志で抗ってみせた」
 来るよ、と仲間の警戒の声がする。頷いて、それでも狙うのは額の宝石。
「ほねが、うごめくの――」
「――」
 エトヴァは引き金を引く。ガウン、と一撃が蛇神・イグに――ヴイーヴルを貫き、額の宝石が割れる。
「ぁあ、あ――ラヴクラフトさ」
 ぐらり、と巨体が揺れる。蛇の尾が力つきたように落ち、炎がエトヴァに届く前に消えていく。 
「貴女はそのまま、最後のときまで。……ゆくのか」
 すれ違うようにヴイーヴルが倒れていく。血溜まりに崩れ落ちた体から、蛇の鱗が落ち――ふいに、揺らめいていた赤い瞳が、僅か色彩を変えた。
「ジャ……、アァァ、タスケ」
「――」
 は、とディアボロス達は顔を上げる。
 それは、命が尽きるその時だからこそ引き寄せられた意識。ディアボロス達が呼び続けた名が、彼女に最後に『ヴイーヴル』としたのか。
「……ァア」
 ラヴクラフトではなく、たったひとりの存在の名を紡ぎながら蛇神イグは――コーサノストラに流れて来た最後のジェネラル級キマイラウィッチ『ヴイーヴル』は倒れた。
 彼女と向き合い続けたディアボロスに見送られながら。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【完全視界】がLV3になった!
【光学迷彩】LV1が発生!
【パラドクス通信】がLV3になった!
【勝利の凱歌】LV1が発生!
【断末魔動画】LV1が発生!
【悲劇感知】LV1が発生!
【一刀両断】LV1が発生!
【水面走行】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV4になった!
【アヴォイド】LV2が発生!
【ダメージアップ】がLV3になった!
【ガードアップ】がLV3になった!
【ロストエナジー】LV1が発生!

✦・┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ ・✦

秋月諒です。
ご参加ありがとうございます。

●選択肢①アーカム狂気の治療 となります。

採用数は👑4相当となります。
なので、色々と思い付いたことをプレイングでかけていただければ。

●プレイングについて
→4月4日(土)8:31〜 プレイングの確認、判定を行います。

 このタイミングでプレイングが残っているように御願い致します。
(タイミングで流れてしまった……という場合など再送していただければ)

オープニングにもあるように、治療に至らずとも、イグを撃破したことで症例に何らかの変化があれば、今後に繋げる事が出来るかもしれません。

それでは、
皆様、どうぞよろしく御願い致します。

✦・┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ ・✦