リプレイ
野本・裕樹
これで……本当に天正大戦国であった全ての大地が奪還されるのですね。
ですが、一区切りであったとしても天正大戦国に関わる全てが解決した訳ではありません。
まずは今この場で出来る事を一つずつ取り組んでいきましょう。
既に地続きの大地であったとしても漂着出来る可能性が高いのはクロノ・オブジェクトのはず。
土台と思われる石垣部分の周囲に、巨大な金属の骨組みのような機械仕掛けの塔……安土城偵察の際にクロノ・オブジェクトと目された部分です。
機械仕掛けの塔が残っていないかを調査しましょう。
安土城が飛び上がる為に利用された物ならば同程度の物を飛び上がらせる事も可能かも。
千早城改は損傷状況の確認を、特に多脚部分の損傷です。
千早城は城の部分が改修で大きく姿を変える事になりましたが、下の多脚部分は改修においてその姿を変えていません、変えれなかったと言うべきでしょうか。
再利用が可能かどうかは移動城塞としての根幹たる多脚部分次第という事になるかと思います。
再利用出来たとして性能への影響が出るのかも見ておきたい所です。
音羽・華楠
千早城改――
日光東照宮の陽明門に特攻した、とは聞きましたが……損傷の具合が気になりますね。
天正大戦国の奪還を果たし、以降の運用について考える為にも、しっかりと調査しましょう。
確か……千早城の本質は移動用の多脚を含めた基部で、上部はその気になれば丸ごと入れ換えても良いんでしたっけ?
千早城を『改』にする際に、それくらい大掛かりな改造を行ったとも聞きますし。
つまり、上の天守閣的な部分は、それこそ全壊してても造り直せますけど――
……基部が修復不可能なほど壊れてたら、もうどうしようもないということですよね……。
とにかく、基部を入念に調査しましょう。
目視でひたすら確認するのも当然ですが、既にここは最終人類史ですし。
専門家の皆さんの力も借りた方が良いかもしれませんね……。
建物の内部構造とかを、超音波などで調べる装置も確かあったはずですし。
そういうのを引っ張ってきた方が良いかもしれません……。
目視では解らない損傷もあるかもしれませんし。
勿論、一般人の技術者の皆さんが、明智勢と接触しないよう細心の注意を。
月下部・小雪
や、やりました!
明智光秀さん達が引っ越ししてくれて、日本一の琵琶湖が無事に戻って、きました!
さっそく漂着した安土城の残骸と千早城さんの調査に向かいましょう♪
ボクとコダマは安土城の残骸を調べて回りますね。
あ、あんなに大きなお城が浮かんでいたのです。天空寺院のヴィマナ・アルゴーさんの改造の役に立つ情報があるかも、しれません!
まずは安土城を飛行させていた部品がどれだったか探してみましょう。
浮かせる部品が壊れていても、それ以外に移動させるパーツとかもあったかもしれません。そっちも要チェック、です。
うーん、あれだけのモノを浮かせていたので何かしらの動力源もあったかも、しれません?
エネルギーを通す経路とかがあればそれを手繰って部品の動きを推測していきましょう。
なにかロックがかかっている部分があれば【無鍵空間】を使って解錠しちゃいましょう!
※アドリブ連携大歓迎
●琵琶湖漂着物調査の開始
琵琶湖沿岸部、安土城跡地で待機していた、野本・裕樹(刀を識ろうとする者・g06226)達ディアボロスの前で、琵琶湖の水面が光り輝いていく。
「奇麗……ですね」
その美しい光に、ほぉっと息を吐いた裕樹の足下にも、光が広がり、近江国全体を包み込むんでいく……。
そして、光が収まった時、裕樹達は最終人類史の滋賀県の琵琶湖湖岸に立っていたのだ。
「ふぅ……。明智勢力は問題無く海に出たようですね。
これで……本当に天正大戦国であった全ての大地が奪還されました。
ですが、一区切りであったとしても天正大戦国に関わる全てが解決した訳ではありません。
まずは今この場で出来る事を一つずつ取り組んでいきましょう」
裕樹は、皆にそう言葉を掛けると、周囲の確認を行った。
彼女がいたのは、近江国の安土城跡地だが、周囲の様子は大きく変わっている。
拠点として整備されていた周囲は、森に代わり、その森の中に点々と、クロノ・オブジェクトが漂着しているような状況になっている。
最終人類史の安土城跡地が森になっているので、その森にクロノ・オブジェクトが漂着したという事だろう。
森の中には、安土城本丸跡地に繋がる幅の広い石段の道があり、そこから、麓の道まで降りる事が可能のようだ。
そして、何より、
「ここから見えるのは、琵琶湖の西の湖でしょうか。その周囲に最終人類史の町並みも広がっていて、奪還したのだなと言う感慨がわきますね。
千早城改の姿はここからは確認できませんが、おそらく、近江八幡市の琵琶湖沿岸あたりに漂着しているのでしょう」
千早城改の捜索は、【飛翔】を使えば、それほど難しくないので、その調査を他のディアボロスにお願いすると、
「さて、千早城改と安土城跡地、どの程度使い物になるでしょうか……」
裕樹は、残る仲間達と協力して、漂着した安土城のクロノ・オブジェクトの捜索と調査を開始するのだった。
●安土城跡地の調査
裕樹の号令で調査を始めたディアボロス達。
中でも、月下部・小雪(おどおどサマナーところころコダマ・g00930)とコダマのペアは、元気よく森を駆けまわり、クロノ・オブジェクトを発見していく。
「らったらった、琵琶湖の奪還、嬉しいね♪」
小雪とコダマは鼻歌を歌いつつ、安土城跡地を見て回る。
どうやら、クロノ・オブジェクトの根幹部分は漂着しているようだが、それ以外の土台とか石組などは、漂着していないので、バラバラになってしまっているようだ。
「バラバラなのは残念だけけど、クロノ・オブジェクトで無い部分は、最終人類史の技術で代用できるから大丈夫だよね♪」
逆に、ある程度バラバラになっている事で、運び出しやすいという利点も生まれているかもしれない。
「パラドクストレインの貨物車両には載せられないけど、最終人類史の重機があれば全部運べそうだしね」
そして、ディアボロスの怪力無双で持ち上げられるのは30トン程度。
本当に大きな部品以外は、この効果だけでも、殆どの部品は運び出す事が出来る。
動かせない大きなクロノ・オブジェクトの周囲に、他のクロノ・オブジェクトを運び込んでおけば、後の作業も楽に進むだろう。
勿論、発見時の状況などは詳細なデータを残しておくのも忘れてはいない。
「でも、残念だなぁ。安土城を飛行させる為の部品があると思ったのに……」
集めたクロノ・オブジェクトを確認しつつ、小雪は残念そうにコダマの頭を撫でる。
飛行能力は安土城本体にある為、安土城跡地は『整備』と『補給』が主となっているようだ。
地上から飛び立つ為の補助的な機構は存在しているようだったが、あくまで補助に過ぎないようだ。
「あと、残念なのは……」
更に、小雪は天正大戦国のクロノ・オブジェクト技術の残念な点を指摘する。
「獣神王朝エジプトのクロノ・オブジェクトに比べると洗練されていない事ですよね。移動させる必要が無かったというのもあるかもしれないけれど……」
巨大神像は、あの大きさに、多くの技術が詰め込まれている上、自動修復機能など、天正大戦国には無い技術もふんだんに使われている。
なにより、
「燃費が段違いですよね」
小雪は、集められたクロノ・オブジェクトの一部。安土城跡地のエネルギー関連設備と思われる部品を、見て、嫌そうに眉を顰める。
その部品は、ヒルコを生贄にしてエネルギーを生み出す装置で、いったいどれ程のヒルコを生贄にしたのか、クロノ・オブジェクトは拭いきれない血の跡で汚れ切っていたのだから。
「とりあえず、うまく研究すれば、クロノ・オブジェクトの補給・整備基地ぐらいには出来そうですね。あとは……、資材として使うか……」
小雪は、そう評価しつつ、最終人類史の技術者などに引き継ぐ為の、資料の作成を開始したのだった。
●発見、千早城改
裕樹の予測に基づき、琵琶湖沿岸を【飛翔】して調査を行っていた、音羽・華楠(赫雷の荼枳尼天女・g02883)は、琵琶湖沿岸の近江八幡運動公園に擱座していた、千早城改の発見に成功していた。
「千早城改発見しました。皆さん、いきますよ」
華楠の号令に、千早城を捜索していたディアボロスは、一路、近江八幡運動公園に向かっていく……。
「これは、酷いですね」
そして、擱座した千早城改の周囲に降り立った華楠達は、その損傷具合に嘆息せざるを得なかった。
天正大戦国奪還戦で、陽明門に特攻させたのだから相応の被害は覚悟していたが、城の上部については原型を止めないほどに破損していたのだ。
「これは……、おそらく破損が酷かった部分が、そもそも漂着していないようですね。もしくは、千早城改への改造した部分が千早城の一部として扱われなかったのかもしれません」
華楠は、そう分析しつつ、表面からは確認できなかった脚部の調査を念入りに行い始める。
「ふぅ、良かったです。脚部の損傷は軽微ですよ。上側については、装甲版を用意すれば修復可能ですので、脚部の機構が無事なら、千早城改は、まだまだ使えます!」
華楠の調査結果に、ディアボロス達が喜びの声を挙げる。
千早城から千早城改に改造した時のように、新たな装甲を用意すれば、千早城改はディアボロスの頼れる戦力として再起動する筈だ!
だが、更に調査を続けた華楠は、漂着した千早城改について、残念な情報を確認してしまう。
「千早城改ですが、エネルギーが完全に枯渇しているようです。再起動には、かなり大量のエネルギーが必要になりそうです。改造に必要な資材とエネルギーと合わせると……。再建するべきかどうか、判断が難しくなりそうですね」
千早城改を修復し、更に大量のエネルギーを注入して再起動させるかどうかは、千早城を活用したいというディヴィジョンの攻略旅団次第となりそうだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【一刀両断】LV1が発生!
【怪力無双】LV1が発生!
【無鍵空間】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
【先行率アップ】LV1が発生!
【ラストリベンジ】LV1が発生!
エレナ・バークリー
昨日の敵は今日の友。私は懐柔路線で。
話合の相手は日向守光秀殿と陸奥守官兵衛殿を。
天魔武者の方々、国替えお疲れ様です。
本当なら何か振舞いものを出すところですが、皆様の躯体が飲食物を受け付けるか不明でしたので別のものにしました。
最終人類史の『書物』です。
系統は主に三つ。
現在の武士道を規定した『葉隠』。これは、出来れば天魔武者全員に読んでいただき、今の民が武士にどんな生き方を求めているか知ってもらいます。
あなた方が主君を裏切り命惜しさに寝返ったと申すお方も、我々の中には残念ながら存在します。
しかしそれは『葉隠』に始まる泰平の世の武士道。
戦国の世の武士道とは、己と一族郎党が生き延びるための規範でしょう。ですから、あなた方は正しい選択をしたと私は評価しています。
それから、勧善懲悪を描いた時代娯楽小説。船旅の無聊をかこつ役に立てば。
最後に日本史の教科書。この歴史の先で、皆様は何を求めますか?
ところで、いつまでも『明智勢』とお呼びするのは据わりが悪くありませんか?
例えば『機兵隊』と名乗るのはどうです?
文月・雪人
安堵する明智勢、それは俺も同じかもしれない。
復讐のその先を考える上で、これもまた一つの可能性の形ではあるのだろう。
未来は未知であるからこそ、今彼らと向き合う機会を得られた事に大きな意味がある様に思う。
明智光秀や、クロノオブジェクト整備に精通した者との情報交流を希望。
巨大砂上船ミウ・ウルの整備について相談したい。
明智光秀は安土城や坂本城など、大型移動クロノオブジェクトの技術に精通していると思われる。
ディヴィジョンの違う技術ではあるけれど、
ディアボロスと最終人類史の技術者に、クロノオブジェクト開発の基礎技術を伝授して貰う事で、
これまでブラックボックスであった部分を理解して、整備の技術力を高められないだろうか。
ミウ・ウルがどんな船か資料を見せて説明し、
これまで行われた改修についても説明していこう。
現代技術による改修は細かい調整が効く反面、
クロノオブジェクトでない部分の強度が落ちるという側面もあった。
例えば、現代部品を自分達でクロノオブジェクト化する事が出来れば、
改造の幅も広げられないだろうか。
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
明智側から地理的情報・戦略の担当を出して頂ければと思う
挨拶し、注意事項や情報と対策を伝える
『アルタン・ウルク』をご存じだろうか?
第一に、『アルタン』に食われないこと
配下も含めて、というのが重要だ
アルタンは融合で自身を強化する
たとえトループスの一体であっても、天魔武者は新たな糧とされるだろう。ジェネラル級は言わずもがなだ
松前や他の地域においても、アルタンを発見時は至急復讐者に報せて頂きたい
明智勢の知らぬ世界的な情勢を伝えるのは控える
ただ、『蝦夷』の防衛に当たって必要な事は情報共有しよう
アルタンは蝦夷共和国の北方、東方の海や島での侵略行為は確認されているが、本格的な侵略ではない
いずれ本格的な侵略に切り替わる可能性があるので、注意して頂きたい
彼らは境界付近から、海を越えてやってくる
闇雲に交戦して刺激すれば、大群に襲われる事となるだろう
必要な対応は、天魔武者だけで相手取らず、復讐者に速やかに戦いを引き継ぐことを願いたい
また、アルタンは寒さに弱い
冬を過ぎれば活発化する可能性があるかもしれないな
ピオニア・フィングストローゼ
目的地の松前には管理要塞都市があります。明智は遅かれ早かれ領地と欲するのではないでしょうか
最終人類史の専門家に圧政を行った場合の影響を聞きましょう
人類応援度の影響はディアボロスにだけ開示して頂きます
明智光秀を指名します
圧政を望まない者は私達の中にもおります
圧政を無くす事でも、ディアボロスの信頼を得ることができましょう
私達が懸念しているのは、蝦夷で圧政を行う事の影響です
武者様方が圧政を行えば、市民から新選組に覚醒する者が現れないとも限りません
そうなった時、不利になるのは武者様方です
松前戦線に勝利した後の行方も気になりましょう?
何処であっても、武者様方が統治を請け負う場合は、ディアボロスと同じ方針で統治をして頂きたいと思います
明智様にグラフや数値で圧政のメリットとデメリットの効果を示しましょう
1つの都市で幸福エネルギーを下げる圧政を行うならば、かわりにディアボロス式の統治に着手しても良いはずです
効果が大して変わらなければ、圧政を行う必要性も減少します
圧政が唯一の統治手段でない事をご理解下さい
●明智勢力との船上情報交流
天正大戦国の近江国、いや、既に奪還が終わっているのだから、最終人類史の滋賀県を出た天魔武者達は、ディアボロス達が用意したタンカーに詰め込まれ、日本海に出向する。
タンカーは小回りの利く内航タンカーでも、6000トンあるので、このタンカーが数隻あれば、近江国の天魔武者全てを運べる計算だ。
「天正大戦国各地から天魔武者が漂着した影響もあるのだろうけど、想定よりも数が多かったですね」
大雑把だが作成された乗船名簿を見て、文月・雪人(着ぐるみ探偵は陰陽師・g02850)は、そう所感を述べる。
想定よりも数は多かったが、睡眠も食事も休息も必要のない天魔武者は、同じ姿勢を長時間保つ事も得意であった為、荷物扱いで詰め込み輸送ができた。輸送計画に支障は出なかったようだ。
その後、出航後もトラブル無く、予定の航路を進み始めた事を確認した雪人は、仲間のディアボロスと共に、ジェネラル級が滞在する区画へと向かった。
今回向かう区画は、本来、タンカーの乗員たちが寝起きする場所だ。
タンカーは、その大きさに比べて、乗員が非常に少ない。
その区画に居るのは、明智光秀、黒田官兵衛、丹羽長秀、池田恒興、長曾我部元親、細川幽斎らのジェネラル級と、数名の側仕えといった程度のようであった。
雪人は、まずは、無事に出航できた安堵を光秀達に伝えると、早速、情報交流を行なう事を提案する。
当然、光秀達に、それを拒否する理由は無く、ディアボロスと明智勢力との船上情報交流が始まった。
まずは、雪人が「未来は未知であるからこそ、今彼らと向き合う機会を得られた事に大きな意味がある様に思う」と未来志向の情報交流にしたいという旨を伝えた後、持ち込んだ資料を提示しながら、『巨大砂上船ミウ・ウル』の整備について相談を持ち掛ける。
これに対しては、史実でも築城の名手と名高い、黒田官兵衛が、率先して対応してくれた。
「これは、また、凄まじい技術でございますな」
官兵衛は、示されたミウ・ウルのカタログスペックに驚きの声をあげる。
「浮遊しての移動に自動修復……。
技術という面で見れば、秀吉殿が開発した『千早城』など、足元にも及ばないでしょう。
安土城は、断片の王の力によるもの故、比較は出来ませぬが……天正大戦国の技術では、同じものを造るのは不可能と言わざるを得ないかと」
この官兵衛の返答は、ある意味、折り込み済みであったので、雪人は鷹揚に頷くと、
「獣神王朝エジプトのクロノ・オブジェクト技術は隔絶しているから、複製までは期待していない。
天正大戦国の技術に期待しているのは、整備や修復だね」
と、要求を伝える。
官兵衛は、それならば、ある程度はご期待に沿えるかもしれませぬが……と言いつつ、天正大戦国の技術について説明する。
官兵衛の説明によると、天正大戦国のクロノ・オブジェクトの製造法は、『既に存在する物品』に対して、付与したい能力を『陣』として刻み込み、そこにヒルコを生贄に捧げることで、エネルギーを注入して変化させる技術であったらしい。
大量のエネルギーにより、元の物品が魔法的に変化し、クロノ・オブジェクト化するようだ。
エネルギーにより魔法的に物品を変化させると言えば、横須賀に移転した冥海機ヤ・ウマト技術の造船所もあるので、クロノヴェーダ的には、一般的な技術なのだろう。
「ヒルコの犠牲は、地獄変エネルギーで代替はできる。その点に問題は無さそうだね」
これまでに天正大戦国のクロノ・オブジェクトを利用した経験から、雪人はそう判断する。
官兵衛は更に、
「ですので、実際に、そのクロノ・オブジェクトに触れる事が出来るのならば、修復の為の『陣』を用意する事は可能でしょう。
あとは、充分なエネルギーを注ぎ込めば、修復・整備は可能となります。
ですが、このミウ・ウルとやらには、一定の自動修復が可能な機能も存在しているようです。
我らが手を出す必要性があるものかどうか」
と、修復・整備については、懐疑的な意見も提示する。
天正大戦国の技術力は、獣神王朝エジプトとは別の方向を向いている。
同じ結果を得るにしても、天魔武者達が手を出したところで、獣神王朝エジプトの技術と比べて、エネルギー効率が大きく劣るだろうという事だ。
が、雪人は、この説明を聞いて、天正大戦国技術の利点について思い至った。
「天正大戦国の技術は『改造』には有益かもしれないね。改造の方針を示して『陣』とやらを用意させれば、それにエネルギーを注ぐ事で改造が出来るという事だから……。エネルギーは大量に必要だろうけど、最終人類史の技術で無理矢理改造するよりも、効果は高いかもしれない」
雪人は、そう考えて満足そうに頷く。
「問題は、『陣』を用意できる天魔武者を、その場に連れていく必要があるという事かな」
何せ、天魔武者はパラドクストレインが使えない。
予めその場に行って作業をしてもらう必要があるだろう。
と思考しつつ、自分の交流を終えたのだった。
雪人が官兵衛との情報交流を終わらせると、エレナ・バークリー(Highlander/Absolute Wish・g00090)が、手にした書物を並べながら、光秀と官兵衛とに相対した。
「日向守光秀殿、陸奥守官兵衛殿に、まずは挨拶を。この度は、国替えお疲れ様です」
エレナは、そう挨拶しつつ、並べた書物を、光秀と官兵衛に一読するように促する。
そして、ある程度、内容を読んで貰った所で、話を始めた。
「私達ディアボロスと、天魔武者である皆さんが共にある為に必要な事は、互いを理解する事に他なりません。
文化的・慣習的な問題による些細な行き違いが、悲劇を生む事は歴史を見ても枚挙にいとまがありませんから。
皆さんと実際に交流したディアボロスであれば、天魔武者とはこういう存在であるという認識を正しく持つ事が出来るかもしれません。
ですが、最終人類史に住む数多の一般人達が、その認識を持つ事は出来ません。
ですので、皆さんには『最終人類史の一般人が認識している、天魔武者のイメージ』を理解して欲しいのです。
その認識が統一されれば、行き違いによる悲劇を遠ざける事が出来るでしょう」
そう言うエレナが準備した書物は、現在の武士道を規定した『葉隠』であった。
『葉隠』は、江戸時代中期に執筆された書物で、武士の心得を記されている。
『武士道とは死ぬことと見つけたり』という一節は、日本人ならば一度は聞いたことがあるだろう。
史実を元にした仇討ち物語『忠臣蔵』など、日本人が理想とする武士のイメージに近い……つまり、最終人類史の一般人に受け入れられやすい、天魔武者の行動規範と言える筈だ。
内容を一読した光秀と官兵衛は、ところどころで考え込む表情を作るが、全体としては理解を示してくれたようだ。更に、光秀は、
「いきなり、ディアボロスのディヴィジョンの法律に全て従え……などと言われるよりも、受け入れやすい内容なのは間違いありません。
松前への到着後は、早速、この内容を配下に伝達し、意識改革を行っていきましょう。
下々まで思想を浸透させるには、多少の時間は掛かるでしょうが、当面は、最終人類史の一般人と接触する事もありませんので、問題なく執り行えるでしょう。
それに何より、この書物の『武士』の生き様は、天魔武者から見ても、共感できる所が多くあります。この書物を、我らに与えてくれた、エレナ様には、最大の感謝を」
と言って、エレナに感謝の礼を示したのだった。
この『葉隠』は、今後の天魔武者の行動を決める一つの指針となる事だろう。
懸念点としては、『葉隠』が軍国主義的・非民主的であるとして、GHQから禁書扱いされていた事だが……『武者としての精神性を持つクロノヴェーダ』の意識改革の初手としては、最良の一手である事は、おそらく間違いないはずだ。
エレナは、そう考えた後、書物の量産や配布などについての話を詰めた後、今回の交流を終わらせたのだった。
エレナに引き続いて、明智光秀との情報交流を望んだのは、ピオニア・フィングストローゼ(一凛華・g11346)であった。
ピオニアは、光秀に対して『圧政』について、釘を刺しておく心づもりであるようだ。
「天正大戦国の天魔武者のエネルギー源は『圧政』ですが、この圧政について、最終人類史の多くの者が眉をひそめている事を、まずは理解して欲しいのです」
ピオニアがそう言うと、光秀は、重々承知していると答えを返す。
「我ら天魔武者は、『圧政』からエネルギーを得る事が出来ますが、圧政をしなかったからといって、精神に変調をきたすような事はありません。
そうですね、圧政は、ディアボロスの皆様が考える所の『仕事』のようなものでしょうか。
トループス級やアヴァタール級の中には『仕事』をしていないと不安になり、どうしても『仕事』がしたくなる者も皆無とは言えませんが、これは、ディアボロス様のディヴィジョンにおける『ワーカホリック』なる一種の病気ですので、例外と考えて良いかと。
勿論、この病気の者は見つけ次第隔離、ディアボロス様が望むならば処分させて頂きます」
この光秀の言葉を、ピオニアは疑いつつも受け入れた上で、最終人類史の専門家と準備した資料を手渡した。
その資料は、暗黒世界蝦夷共和国の一般人に対して『圧政』を行った場合の懸念点を示した物だった。
懸念点の一つ目は、蝦夷共和国の一般人は『幸福な状態しか知らない為、ストレス耐性が低い』事だ。
天魔武者が考える『軽めの圧政』であっても、精神的に追い詰められて自殺者が多発する危険があるというものだ。
この資料の内容には、光秀も驚いたようで、黒田官兵衛や細川忠興らを呼んで、資料の内容の検討を開始させる。
「そして、こちらがより重大なのですが……」
ピオニアはもう一つの懸念点を伝える。
それは、幸福度が下がった場合に、一般人の中から『新選組』が覚醒する可能性があるという問題だ。
『圧政』により、幸福度が著しく低下した場合、新選組がどの程度現れるか不明だが、場合によっては、管理要塞都市全体が機能不全になる事もありえるだろうというデータが提示されている。
こちらも、光秀達は良く吟味して読みこむと、こちらも思案顔の後に官兵衛らと長めの検討を行い……その後、ピオニアに驚きの返答を返してきた。
「……正直言って、我々も驚きました。
天正大戦国と暗黒世界蝦夷共和国は水と油。決して相容れない関係だと思っていたのですが……。
ピオニア様にいただいた資料が真実だとすると、蝦夷共和国の統治は間違いなく『圧政』の条件を満たしていると言わざるを得ません。
一般人の『幸福』を維持しつつ『圧政』を強いる、高度に洗練された統治システムと言えるでしょう」
「それは……もしかして『圧政』とは、民を苦しめることのみではない、ということですか」
光秀の言葉にピオニアも驚きを返すが、考えてみれば、納得できる返答だった。
「一般に『圧政』とされる定義は『権力者が人民を支配して自由を奪う事』、『個人の自由を制限し、言動を縛り付ける事』……。暗黒世界蝦夷共和国の支配は、まさしく圧政ですね」
「左様です。上位者の考えた『幸福』を押し付ける。これもまた『圧政』の一形態に他なりませぬ」
「画一的な『幸福』を徹底した管理社会、ディストピア。まさしく『圧制』ですか……」
ピオニアは、そう納得すると、光秀に対して、
「では、明智勢力が蝦夷共和国の管理要塞都市を統治する場合、蝦夷共和国の体制を維持して管理する事が可能という事ですか?」
と問いかける。光秀は、
「そうですね。我々は食料の準備は出来ませんし、住民が必要とする娯楽に対する理解も明確に不足しております。その点をディアボロスの皆様にフォローして頂ければ……蝦夷式の『幸福』なる『圧政』を、天魔武者の手で再現して見せましょう」
と請け合って見せた。
この光秀の言葉が正しいか否かは確証は得られないが、暗黒蝦夷共和国の統治について、新たな選択肢の一つとして考えられるのかもしれない。
なお、一人の一般人から得られるエネルギーの総量は有限である為、『圧政』と『幸福』が同時に満たされた場合、天魔武者と新選組がエネルギーを分け合う事になるだろうと予測される。
つまり、一般人の幸福を維持しつつ、新選組の得るエネルギーを減らす効果も期待できるのだ。
「攻略旅団の方針によっては、根室や釧路などを天魔武者に管理させる方針もあるのかもしれないのですね」
ディアボロス達が複数の管理要塞都市を制圧し、数カ月が過ぎた。
これらの都市は根室での統治実験を経て、25年9月に立案された『ディアボロス式』の統治体制を元に管理されて来ている。
だが、この体制は松前の攻略に取り掛かった時点で『半年から1年しか保たない』と明言されていた。
早ければ26年3月、遅くとも9月。
新たな手を講じなければ、制圧済の管理要塞都市の統治体制は、早期にディアボロスの統治下に入った都市から順に崩壊していくだろう。
天魔武者による『幸福』な『圧政』は、その体制を長引かせる助けとなるかもしれない。
ピオニアは、蝦夷の統治状況について考えつつ、情報交流を終わらせたのだった。
「明智勢力の皆、情報交流に協力して頂き感謝する。とても有意義な情報交流が出来た事を嬉しく思う」
この情報交流の最後を担当する、エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)は、これまでの、情報交流の成果を大きく評価した後、必要な伝達事項として、集まった明智勢力の天魔武者達に、アルタン・ウルクの危険性について説明を行うのだった。
「天魔武者の方々も、『アルタン・ウルク』についてはご存じだろう。
《七曜の戦》では、九州北部の対馬で戦ってもいたと思うが、このアルタン・ウルクには、他のクロノヴェーダには無い能力がある事が判っている。
彼らは、他のクロノヴェーダ種族を自らに融合し、取り込んで力としてしまうのだ。
現時点で『松前』には、アルタン・ウルクの侵攻は確認されていない。
しかし、暗黒世界蝦夷共和国の北部や東部の境界は、アルタン・ウルクによる侵攻も始まっており、予断は許されない。
アルタン・ウルクと、天魔武者のようなクロノヴェーダとの相性は非常に悪過ぎる。
まともに戦えば、天魔武者はアルタン・ウルクに喰われ、アルタン・ウルクが力を増す為の肥料にしかならないのだ。
蝦夷共和国での活動中にアルタン・ウルクを発見した場合は、すぐさま撤退した上で、俺達ディアボロスに知らせて欲しい。
対処は全て、ディアボロスに任せていただこう」
エトヴァの説明に、光秀は、当然のように了承を伝えた。
戦わずに撤退してディアボロスに対処を任せるというのであれば、明智勢力側にデメリットは存在しないだろう。
更にエトヴァは、アルタン・ウルクが海を渡って来る事、最初は少数でも放置すれば群れをつくって大群かする事がある事、寒さを嫌う性質があるので、特に季節が夏に近づくにつれ危険度が上がって来るといった注意点を申し送ると、光秀達は、その内容を確実にメモをとって共有してくれたようだ。
光秀達が、アルタン・ウルクに対する注意点を共有したのを確認したエトヴァは、今回の情報交流の終了を宣言した。
「間もなくこのタンカーは、青森沖に到達する予定だ。津軽海峡に入れば、新選組の哨戒活動などが行われる可能性があるので、注意して欲しい。
だが、その前に、一時、無人島『上の島』沖に停泊して、島の上での交流試合を行いたいと思うので、宜しくお願いする。
交流試合には、丹羽長秀殿、池田恒興、長曾我部元親にお手合わせをお願いする予定だ」
そうエトヴァが説明するのと、青森沖に到着したタンカーが移動を停止したのは、ほぼ同時であった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【浮遊】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
【完全視界】LV1が発生!
【狼変身】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【命中アップ】がLV3になった!
【ダメージアップ】LV1が発生!
ルチルーク・フレンツェン
池田恒興氏と交流試合したいです。
言葉にはせず内に秘めますが、先月の天正大戦国の奪還戦でもし同盟を破棄していた場合
どのタイミングで京都市に攻めてきたか正確に未来予知が唯一できなかったのが恒興氏です。
有効打を与えたいのは当然として、この交流試合を通じて恒興氏の
敵にとって脅威となりうるナルシストっぷりや奇策を掴み取ってみたいです。
当機の打てる手は以下の三つ。
一つ目は実際の戦闘を見越して最終人類史内で本来は使える残留効果を使わず、
純粋に普通に【力ある電脳文字】で真向攻撃。
二つ目は屋外の戦闘を見越して【飛翔】をLv1分の速度と高度で
攪乱移動する奇策での【力ある電脳文字】
三つ目は今の無人島を最大に活用するべく【水中適応】と【寒冷適応】で
海中に身を隠して何時攻撃するか焦らす別種の奇策での【力ある電脳文字】
今思いつく攻撃は以上です。
一つ目はともかく二つ目三つ目で有効打を与えられたら素直にガッツポーズ。
こちらの負けでしたら参りましたと素直に頭下げます。
手加減して下さったとはいえ、個性的パラドクスでしたね。
西堂・千衛蔵
実は、明智勢に対して胡散臭さが拭えない
ほぼ明智光秀が提案した作戦に沿って話が進んでいる辺り『誘導された』感覚が強い
奴にどこまで知識があり、どこまで計算通りだった?
自分は頭良くないもんで、それを問い質す方法はわからん
わかるのは戦う事だけだ
明智と戦えたら良いが無理そうなんで、為人がまだわからない丹羽長秀に試合を申し込む
戦い方にはそいつの性格や想いが出る
試合を通じてそれがわかれば僥倖だ
「自分は西堂千衛蔵、小竜は赤煙!
ディアボロスと天魔武者は、戴冠の戦と『その先の戦』を共に戦い抜く相棒になり得るか、互いに試し合おうぜ!」
明智にも聞こえる位の声で、戴冠の戦に更に次がある事実を適度に暈して言う
意味があるかはわからんが言うだけ言っておく
よし、気は済んだ
後は丹羽との試合に集中
使える残留効果は全て使って真っ向勝負だ!
反撃は赤煙に警戒させ、手持ち武器なら金棒、それ以外なら紫煙と鬼火で受け流す
有効打を入れる事だけ考えて強引に押し込むぜ
「『一撃入れられたら勝ち』は実戦でも同じだ。味方に残留効果を渡せるからな」
ジェーン・コーネリアス
【黒旗の掟】
長宗我部元親を指名
やれやれ、血気盛んだね
水軍を率いる領主なんて、僕らにとっちゃ一番戦いを避けたいやつだっていうのに
ま、もうお互いに本業は廃業してるんだ、純粋な腕比べも悪くないか。付き合ってもらうよ、大将!
【水面走行】で海の上に立ち、海上戦を挑むよ
海流を操る力、それにパラドクスも存分に振るってもらおう
カトラス「Macha」とピストル「Nemain」を手に戦闘
海流を操れば波立って自由自在、【水面走行】で足元を薙がせても普段のようにはいかないだろう
急に足元が揺らいだり、はたまた急に大波が発生したり、普通じゃあり得ないような海流の動きにも対応できるよう、戦いに神経を集中させる
クローディアの銃撃での援護も受けて接近、長宗我部元親にカトラスとピストルの連撃、『海嵐の極み』を叩きこむ
人遣いの荒い船長だ、任せなよ!
あちらの反撃も喰らうだろうけど、こっちにも意地がある
攻撃や妨害を喰らおうと一歩踏み込み、一撃はくれてやろう
お互い船を操っての海戦や船上戦も楽しそうだ
次の機会も作りたいもんだね
●青森県沖無人島の交流試合
タンカーが青森沖に停止した後、ディアボロス達は【水面走行】で、無人島である『上の島』へと上陸する。
上の島の全域が試合場となる為、試合を見学のディアボロスは、海岸近くに椅子を用意したり、海の上にゴムボートなどを並べて観戦席を用意していた。
天魔武者は飛行能力を持たないが、今回の交流試合に参加するのは、さすがにジェネラル級というべきか、海面を飛ぶように移動して、上の島へと上陸していた。
上の島の上では、ディアボロスの代表の一人、西堂・千衛蔵(竜燈鬼・g01901)が一礼して、対戦相手の上陸を迎え入れる。
千衛蔵の相手は、織田家の重臣で、何をするにも欠かす事ができないとして『米五郎左』の異名を持った、丹羽長秀である。
審判役のディアボロスが試合開始を告げると、千衛蔵と長秀は互いに礼をして相対する。
長秀は、交流試合に自分が呼ばれた理由を訝しみつつも、愛刀である『にっかり青江』を構えて、千衛蔵の出方を伺った。
「有効打を先に入れた方が勝ち……という事ですが、今回は、交流試合を通じて親睦を深めるという事でもありますので、すぐに勝負を決めるのは無粋……ですな」
そう言うと、長秀は、パラドクスを使用せずに、千衛蔵に向かってにっかり青江で打ちかかる。
千衛蔵は、その攻撃を真正面から金棒で受けきると、力勝負に持ち込んでみせる。
「わかってるじゃねぇか。この戦いは、頭の悪い俺が、納得を得る為のものだ。
自分は西堂千衛蔵、小竜は赤煙! あいにく頭良くないもんで、言葉じゃ伝わらねぇが、戦ってみれば、伝わるものがあるはずだ。
ディアボロスと天魔武者は、戴冠の戦と『その先の戦』を共に戦い抜く相棒になり得るか、互いに試し合おうぜ!」
千衛蔵の言葉に、長秀はにっかりと笑むと、彼の金棒を押し返して跳ね除けてみせた。
「千衛蔵様との言いたい事は伝わりました。軽い接待試合で済ませようかと思いましたが……それでは、千衛蔵様は納得しないのでしょう」
その言葉と同時に、島の周りに、黄金の稲穂の幻影が広がり、長秀の手元にエネルギーが高まっていく……。
千衛蔵のミニドラゴンの『赤煙』が、全身で警戒を表す。
千衛蔵は、赤煙の首筋を撫でて、了解を示すと、そのエネルギーを紫煙と鬼火のオーラで受け流そうと試みた。
撃ち放たれたエネルギーは、目論見通りオーラで流すが、ダメージを完全に消し去る事は出来ない。
少なくないダメージを受けた千衛蔵。だが、この程度では有効だとは認めない。
「オン・アミリタ・テイ・ゼイ・カラ・ウン」
お返しとばかり、阿弥陀如来の無量光を借り受けた救世の光が、千衛蔵の頭上の灯篭から発せられ、長秀を撃つ。
こちらも、有効打には到底至らないが、長秀を怯ませ、隙を生み出した。
すかさず、今度は、千衛蔵が助走をつけて飛び上がると、通常の重力ではありえない高速で落下しつつ、高質化した腕や角で、長秀に体当たりをかましてみせた。
その技の名は、鬼神空中自爆衝。
これこそ、千衛蔵が長秀を理解する為に放った、肉体言語に他ならない。
この肉体言語に対して、長秀は一瞬で城塞をくみ上げると、その城塞の上で待ち構えて迎え撃った。
「真正面からの自爆特攻ですか。戦術的には避けて逸らして反撃するのが良いのでしょう。ですが、千衛蔵様は覚悟を決めていらっしゃる。ならば、正面から受けるてみせるのが正解……と『葉隠』に書いてありましたな」
長秀のにっかり青江と、千衛蔵の肉体がぶつかり合う。
拮抗する力と力、ギリギリと締め上げるような力勝負の末、千衛蔵の拳が長秀を撃ち、長秀も、逆説連鎖戦の反撃の一撃を千衛蔵に討ち放った。
この攻撃は、互いに有効打となるが『有効打を先に入れた方が勝ち』というルールにより、千衛蔵が勝者と判定される……。
「最初に見た時は、胡散臭い笑い顔だと思ったが、お前は、根っからの悪人というわけじゃなさそうだ。今後ともよろしく頼む」
千衛蔵がそう言うと、長秀も、「知恵蔵様には叶いませんな」といって、互いに手を握り合ったのだった。
千衛蔵と長秀の試合が終わり、荒れた試合場の修復が終わると、第二試合のディアボロス代表である、ルチルーク・フレンツェン(均衡を破りし逆襲機械・g02461)が試合場に姿を見せた。
対するジェネラル級天魔武者は、池田恒興。
史実では信長の地兄弟であり、織田家の重臣の一人でもある。
その見た目は、蝶のように華麗で煌びやか、質実剛健な者が多い天魔武者の中にあっては、ナルシストで目立ちたがり屋といった性質をもっている。
(「明智勢力と決裂して戦いになるとしたら、その原因になりそうなのが池田恒興でしょう。なら、この戦いで、池田恒興の情報を引き出してあげましょう」)
ルチルークは、まずは小手調べとばかりに、恒興と座標が一致する電脳空間に「emeth」の文字を電脳文字として記入すると、その電脳文字の『e』を消す事で、斬撃を具現化して切りつけた。
恒興は、その零距離の攻撃を、ヒラリと避けると、敢えて、逆説連鎖戦の反撃を行わずに、ルチルークに言葉を掛ける。
「今のは、まさか、攻撃なのでしょうかな? 噂に聞くディアボロスの一撃とはとても思えませぬが……」
訝し気にそう言葉を発する恒興。
それもそのはず、今の攻撃は、最終人類史におけるパラドクス効果の加算を差し引いた、ルチルークの手加減した一撃であったのだから。
(「この程度で、馬鹿にされたと怒りださない程度の理性はあるようですね?」)
ルチルークは、そう内心で評価すると、【飛翔】により空に舞い上がる。
続けて、恒興も蝶の羽をはためかせて空を舞った。
恒興の体から虹色の鱗粉が舞い、ルチルークとの空中戦が繰り広げられる。
「最高潮!」
調子に乗った恒興が、見学するディアボロスに見せつけるように華麗な空中舞踊を見せつける。
ルチルークが技と【飛翔】を抑えている状況なので、空の上は、恒興のワンマンショーの様相だ。
ルチルークとしては、【飛翔】で攪乱して奇策による攻撃を行うつもりであったのだが、この恒興の動きの前で奇策を仕掛ける事は難しいようだった。
(「自分が目立てる戦場ならば調子に乗りやすい……という感じでしょうか。目の前の敵と戦うよりも、目立つ事が優先……なのかな?」)
もし、天正大戦国奪還戦で、明智勢力と決裂していた場合でも、ディアボロスとの戦闘よりも、優先して一般人を鱗粉で攻撃するみたいな事をしていたのだろうか……。
ルチルークは、そう考えつつも、空中から水中へと突入、【水中適応】と【寒冷対応】を使って、身を隠して見せた。
ルチルークが、試合場である島の外の海に潜った事で、恒興は羽を振るわせて困惑してみせた。
その困惑のしかたも、いちいち、芝居掛かって見えるのが、恒興クオリティ。
虹色の鱗粉を振りまきながら、審判のディアボロスに、この試合どうするの? といった視線を飛ばすが、返答が得られないとわかると、ルチルークが消えた海の上をくるくる回って【飛翔】する。
海上にいる見学のディアボロスに格好良いポーズを見せる余裕すらあるようだ。
「……隙あり! 人類の味方には信頼の力を。人類の敵には命を断つ斬撃を!」
そんな恒興の大きすぎる隙を捕えたルチルークが、水中から姿を現すと、力ある電脳文字で、恒興の体を斬り裂いたのだった。
恒興は、ビックリして空中でたたらを踏むが、落下する直前に華麗に態勢を立て直して、周囲に華麗な技をアピール。
しかし、ルールにより敗退となったのだった。
「うーむ。あまり見せ場のある戦いではありませんでしたな。が、これもまた、ディアボロス様の戦いの一つなのでしょう」
そう感想を述べた恒興に、勝利のガッツポーズを取ったルチルークは、
「手加減して下さったとはいえ、個性的パラドクスでしたね」
と、感想を返して、握手を交わしたのだった。
その後、
「今度は戦いでは無く、華麗な飛行能力を競うような手合わせを望みますな」
「それは面白そうですね」
などと雑談をして、第二試合は、和やかに終わったのだった。
青森県沖の交流試合。
その最後の試合は、試合に挑むディアボロス、ジェーン・コーネリアス(pirate code・g10814)の提案により、変則ルールを用いる事となった。
「先程の試合では、試合場である『島』だけでなく、周囲の海も戦場となった。
であれば、試合場ば陸に絞る必要は無いのでは無いだろうか。
僕の対戦相手は、水軍を率いるジェネラル級天魔武者『鬼若子』長宗我部元親なのだから、戦いは陸では無く、海でやるのが筋だろう?」
ジェーンがそう言い放つと、対戦相手たる長宗我部元親も「望む所である」と、申し出を受け入れたのだ。
島の周囲で観戦していたディアボロスが、島に上陸し、島から海を眺めるように客席を入れ替えると、早速、ジェーンが【水面走行】で、海の上で待ち受ける元親の元に駆け出した。
海面を踊るような足運びで駆けるジェーン。
そのラテンなステップは、陰鬱な青森の冬の海には似つかわしくない、真っ青な南の海を思わせる。
対して、待ち受ける側の元親は、巨大な怒りの如き槍を振り回すと、竜巻を発生させる。
海は荒れ狂い暴風が水をまき上げ大波が海上を席巻した。
だが、ジェーンは、その嵐のような暴風をものともせず、盛り上がった大波に駆け上ると、大波の頂きを踏み台にして宙を舞うと、暴風雨の中心に向かって飛び込んだ。
「やれやれ、こんな疲れる戦いはしたくなかったんだけどね。
クローディアの奴が血気盛んで、どうせ戦うなら、水軍を率いるジェネラル級と純粋な腕比べをするべきだって言うんだ。まぁ、そんなわけで付き合ってもらうよ」
暴風雨の目に飛び込んだジェーンは、上空から白い銃身のピストル『Nemain』を高速連射で牽制しつつ、血のように赤いカトラス『Macha』で、元親の間合いに飛び込んだ。
このジェーンの突撃に対して、元親は大型鮫型ユニット『ワダツミ』と合体して、機械鮫の姿となり迎え撃つ。
戦場を高速で泳ぎながら錨型魚雷を放ってくる元親に対して、ジェーンは極限の集中力を発揮して、攻撃を避け続ける。
そして、錨型魚雷の攻撃が息切れしたタイミングで、反撃に転じる。
「剣と弾、好きな方で斃れていきなよ! これが海嵐の極みって奴だ!」
ジェーンのカトラスとピストルの連撃が元親を襲い、機械鮫形態から元に戻ろうとしていた元親に襲い掛かる。
元親は暴風雨を再び起こして、この攻撃を防ごうとするが、一歩遅く、『Nemain』の連撃をその身に受け、戦闘態勢を解除したのだった。
「冥海機とも違うが、良い戦いであった。また、戦いたいものだな」
元親にそう声を掛けられたジェーンは、「僕は、疲れたからもういいかな。次は、クローディアが相手をするよ」と返答すると、出迎えのクローディアにグータッチで勝利を報告し、戦場を後にしたのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【友達催眠】LV2が発生!
【一刀両断】がLV2になった!
効果2【能力値アップ】がLV2になった!
【命中アップ】がLV5(最大)になった!
八雲・譲二
明智勢の松前送りは投票結果を危惧した蝦夷攻略旅団の独自提案で、元々の投票は奴等に領地をくれてやり圧政させるって内容だ
蝦夷での圧政を是と判断した仲間が大勢いた事に落ち込むし、この事態への対応で攻略旅団を手一杯にさせられたのも腹立たしい…
だがそれはそれ。個人的感情は裏に追いやり礼節を持って事務的に対応する
悔しいが蝦夷攻略が人手不足なのは事実だし、来ちまった以上は手綱を取る必要がある。戦線の引き継ぎは万全に行うぞ
松前戦線について認識のすり合わせをし、これまでの戦況推移を纏めたデータと出現率の高い新選組の情報を共有しよう
あとは可能なら、天魔武者の目線では新選組の戦術や動きをどう解釈するか意見を聞きたい。戦争と政の両方を知ってる戦国武将ならそういうのは得意だろうしな
今後どういう戦略で松前戦線に当たる予定か、ディアボロスとの分担や連携はどうするか提案もあれば聞くか
素直に丸ごと承認は出来んだろうが、それを元にこっちも攻略旅団を動かす事になるだろうしな
試される大地へようこそ
来たからには役立ってもらうぞ
●松前への到着
青森での交流試合を終えた明智勢力とディアボロスのタンカーは、津軽海峡を越えて、松前近海へと到達した。
松前の海岸近くに停泊したタンカーからは、天魔武者達が列をなして松前へと向かっていた。
タンカーが入港できるような港は無いが、天魔武者は海底を歩き、海面歩行機能がある個体はそのまま海の上を歩いて松前に上陸していく。その移動は途切れることなく順調だ。
その様子を管理要塞都市『松前』から苦々しく見た、八雲・譲二(武闘派カフェマスター・g08603)は、天魔武者を出迎えるべく、都市から海岸へと向かった。
今回の天魔武者の暗黒世界蝦夷共和国への転封は、天正大戦国の攻略旅団主導で決定したものだ。
天魔武者の行末を決める投票であるのだから、天正大戦国の攻略旅団で行うのが筋であるとは思うが、受け入れる側の都合も考えて欲しいというのが、譲二の偽らざる本心であった。
投票結果では『歯舞群島』『網走』『根室』の何れかを、新たな領地として与える手順となっていたが、暗黒世界蝦夷共和国の攻略旅団提案を使い、領地を『松前戦線』に変更したのは、最低限の意思表示であったのだろう。
「試される大地にようこそ」
だが、そんな内心の不満を隠して、譲二は天魔武者の軍勢の受け入れ態勢を整えつつ、明智勢力のジェネラル級を迎え入れた。
譲二は、これまでの松前戦線のデータを揃え、ブリーフィングを行い、円滑な引継ぎを行っていく。
この一連の手続きは、暗黒世界蝦夷共和国の攻略を進める上で、重要な任務であるのは間違いないのだから。
「譲二様には、天魔武者の受け入れにお骨折りいただき感謝いたします」
光秀達天魔武者も、この譲二の的確な引継ぎ作業に、純粋な感謝を示すと、戦場の地形や相手の進路などについて、細かな点を詰めて話し合いを進めていった。
「なるほど、地の利は新選組にありますが、均衡を維持するだけならば、なんとかなりそうですね。
我々が戦線を支えつつ、必要に応じて、ディアボロス様が遊撃や侵攻を行うのであれば、役割分担も出来るでしょう」
譲二との話し合いを終えた光秀がそう言うと、譲二からも、光秀に問いを発した。
「そうだな。天魔武者の目線では新選組の戦術や動きをどう見る? 奴らの目的を類推できるか?」
ぶっきらぼうな譲二の問い掛けに、光秀はしばし考え、
「指揮を執っている新選組の支配者を知らないので確たる事は言えませんが……『天正大戦国における令制国システムに似た防衛方針』だと言えます」
と答えを返した。
クロノヴェーダ同士の戦いは、『断片の王』を撃破されれば敗北となる。
なので、敵の攻撃を受けて領地を失ったとしても、『断片の王』に近づかせないよう、敵の足止めをする必要があるのだと、光秀は説明する。
「天正大戦国では、この足止めを『令制国の境界』で行っていました。暗黒世界蝦夷共和国は『令制国の境界』が無い為、足止めする為には軍勢を送らざるを得ないのでしょう」
新選組の個体戦力は高く、管理要塞都市の守りは決して脆くはない。
だが、戦略面ではディアボロスの攻勢や《戴冠の戦》の現状に対応できていないように見える。
あるいは、何かの逆転の策のために、時間稼ぎをしている可能性もあるのかも知れない。
この光秀の読みに、譲二は「なるほど、参考にさせて貰おう」と答えると、可能な限り速やかに前線に向かうように要請して、席を立ったのだった。
明智勢力の松前到着により、松前戦線は、天魔武者の軍勢が中心に支える事となる。
これにより、戦力を他の戦線に回す事が出来る他、戦線を天魔武者達に押し上げさせ、別動隊で函館に向かうような連携作戦も、実現可能となるだろう。
今後、松前戦線や天魔武者への指示に関して提案がある場合は、暗黒世界蝦夷共和国攻略旅団で提案を行っていくべきだろう。
「明智勢力の到来で、蝦夷攻略は新たな局面を迎えたことになる……か。
何にせよ、来たからには役に立って貰うとしよう」
《戴冠の戦》が開戦して、約5ヶ月。
クロノヴェーダとディアボロスの関係という面で見ても、明智勢力は『傘下勢力』という無視できない存在となった。
彼らの存在は、近江国(滋賀県)の他に一月ほど遅れての奪還により、最終人類史の人々にも伝わっているのだ。
大きな変化を迎えた松前で、譲二は白い息を吐き出すのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【未来予測】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】がLV2になった!