🎄最終人類史のクリスマス2025

 天正大戦国奪還戦の勝利により、北海道と滋賀県を除く日本のほぼ全てが奪還できました。
 混乱を避けるため、日本各地での『帰還』は順次行われています。
『帰還』した日本の人々、そして世界各国(特に戴冠戦線で守られている中国やヨーロッパ)の人々からは、ディアボロスとの友好を深める為にクリスマスパーティーへの招待状が送られてきています。
 日本をはじめ、世界各国で行われるクリスマスパーティーに参加して、素晴らしい聖夜を過ごしましょう。

!🎄クリスマスアイコンフレーム!
 このシナリオでプレイングが採用された方(トレインチケット含)は、クリスマスアイコンフレームをゲットできます!
 デザインはこちらをご確認ください。

成都の聖夜に平安の赤い果実を(作者 絵琥れあ
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#最終人類史(新宿島)  #🎄最終人類史のクリスマス2025  #クリスマス2025  #挿絵あり 


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「皆様、先の大戦、お疲れ様でございました」
 恭しく、品のある所作で会釈する蒋・綱月(待宵之蜜・g08567)。
 そんな彼女がどこに案内しようとしているのか……それは中国、成都の地。
 今、かの地は綱月の提案で、歴史ある街並みが中華飾りで彩られ、クリスマスに向けて催しの準備が進められているという。
「切欠は、現地からの協力要請でございます。平安夜……クリスマスも近く、皆様の為に労いの宴をと……成都は、私の故郷にも近いですから」
 そして、中国式のクリスマス。
 祝日ではなく、あくまでも商業色が強いが、主に若い恋人たちの絆を深めるためのイベントとして盛り上がりを見せているようだ。もちろん、友達同士で楽しむ者たちもいる。
「街の明かりや、お買い物などを楽しむ人々も多いですが、平安を願って赤い苹果……林檎を贈り合うという文化もございます」
 宗教色が薄いがゆえの、独自に発展したクリスマス文化なのだろう。
 綱月の言う通り、林檎は中国では苹果、そしてクリスマスは平安夜という。そこで、『苹』と『平』の読みが同じであることから、林檎を贈るという文化が流行り始めたとされている。
 会場となる錦里古街は元々、伝統的な赤い提灯が並ぶ、古き良き街だ。そこに赤をメインにした中華飾りやイルミネーションを取り入れて、赤く煌めく街並みを演出したとのことだ。
「現地では屋台も出して頂きまして、林檎は勿論の事、林檎飴やアップルパイ等を並べて下さる様子。或いは、調理スペースを貸せるというお店もございますから、ご自身でお菓子を作られるのもよろしいかと」

 つまり、何が言いたいのかと言えば。
「皆様、林檎をご準備下さいませ。持参されても、現地で入手されても、どちらも差し支えはございません。ご自身で味わうもよし、流行に則って贈り合うもよし。現代の、大陸流のクリスマスを楽しもうではございませんか」
 ニコニコと笑う綱月は、この催しを楽しもうと、ディアボロスにも楽しんでくれたらいいと、心から思っているようだ。
 付き合ってあげるのもいいだろう。どこか、少し寂しそうでもあったから。


「ディアボロスさまのもふもふしっぽー!」
「あー! ずるい! わたしもー!」
「………………」
 無表情、やや無愛想……いやかなり。
 そんなとっつきにくさもお構いなしと言わんばかりに、子供たちがウェアウルフの少年のもふもふ尻尾に飛びついている。
 そこに慌てて駆け寄ってくる、母親と思しき女性。
「こら! すみません、娘達が……」
「……強く引っ張らなければ別にいい。どうせ僕には、まともな設営の手伝いは出来ないからな」
 経験上、屋台の柱を倒したり、食品関係は味見しか出来なかったりで、手を出しても邪魔になるだけと判断した彼は、警備と子供たちの御守りに徹することにしたようだ。と言っても、後者は特別相手をしているわけではないのだが、このように寄ってくるので、余程のことがなければ来るもの拒まずのスタンスを取ることにしたようである。
 そしてそこに到着する褐色エルフの少年。
「お疲れ様です、エドガーさ……って何やってるんですか」
「僕に聞かないでくれ」
「まあ、会場を壊さなければ何でもいいですけど……さて、今度は向こうの様子を見てきます」
 翠市が向かった方にいたのは、数人のグループ。
「ディアボロス様の勝利をお祝いするぞーっ」
 率先して会場の設営を行っているのは、どうやら若者たちのようだ。
 彼らより更に歳を重ねた者たちは手伝いながらも、どこか呆れと微笑ましさの混ざった様子で彼らを見守っている。
「張り切っちゃってまあ。ディアボロス様の為に、って……気持ちは解らなくもないけどねえ」
「自分等も一緒になって楽しめるからって、浮かれてんだろ? アイツなんか最近彼女出来たってんで、自慢して回ってたからなァ。ま、やる気があるのはいいこった」
「違いないねえ。こりゃあアタシ達も負けてられないね!」
 ディアボロスへの敬愛はこうして奇妙な、しかし確かな世代間の絆も生んでいたようだ。
 異国の地の、ちょっと変わったクリスマス。足を運んで、歴史と伝統を楽しみながらも、最近の流行に乗ってみる……そんな体験も、たまには悪くないだろう。



 最終人類史で行われるクリスマスパーティーに参加します。
 時先案内人と新宿島の人々が、ディアボロスへの感謝を込めて、いろいろ準備してくれたようですので、思いっきり楽しみましょう。

 開催されるクリスマスパーティーの内容などは、オープニングの情報を確認してください。


特殊ルール この選択肢には、特殊ルールはありません。
👑60 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

→クリア済み選択肢の詳細を見る


●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【一刀両断】
2
意志が刃として具現化する世界となり、ディアボロスが24時間に「効果LV×1回」だけ、建造物の薄い壁や扉などの斬りやすい部分を、一撃で切断できるようになる。
【神速反応】
1
周囲が、ディアボロスの反応速度が上昇する世界に変わる。他の行動を行わず集中している間、反応に必要な時間が「効果LVごとに半減」する。
【勝利の凱歌】
1
周囲に、勇気を奮い起こす歌声が響き渡り、ディアボロスと一般人の心に勇気と希望が湧き上がる。効果LVが高ければ高い程、歌声は多くの人に届く。
【友達催眠】
2
周囲の一般人を、誰にでも友人のように接する性格に変化させる。効果LVが高いほど、昔からの大切な友達であるように行動する。
【平穏結界】
1
ディアボロスから「効果LV×30m半径内」の空間が、外から把握されにくい空間に変化する。空間外から中の異常に気付く確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【エイティーン】
1
周囲が、ディアボロスが18歳から「効果LV×6+18」歳までの、任意の年齢の姿に変身出来る世界に変わる。
【完全視界】
1
周囲が、ディアボロスの視界が暗闇や霧などで邪魔されない世界に変わる。自分と手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人にも効果を及ぼせる。
【水面走行】
2
周囲の水面が凪ぎ、ディアボロスが地上と同様に走行や戦闘を行えるようになる。ディアボロスと手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人も同行可能。
【パラドクス通信】
1
周囲のディアボロス全員の元にディアボロス専用の小型通信機が現れ、「効果LV×9km半径内」にいるディアボロス同士で通信が可能となる。この通信は盗聴されない。
【水中適応】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」が、クロノヴェーダを除く全ての生物が水中で呼吸でき、水温や水圧の影響を受けずに会話や活動を行える世界に変わる。
【乗物改造】
1
「60÷効果LV」分をかけて馬や馬車など「地上用の乗物」を改造し、最終人類史のオートバイまたは四輪乗用車のような外見に変化させる。改造後のオートバイは最大2人、乗用車は最大「4+効果LV」人まで搭乗可能で、最高時速「100+効果LV✕10」kmで走行できる。改造した乗物は破壊されない限り、24時間後に元の姿に戻る。

効果2

【能力値アップ】LV2 / 【命中アップ】LV1 / 【ダメージアップ】LV1 / 【ガードアップ】LV4 / 【反撃アップ】LV1 / 【アクティベイト】LV1 / 【リザレクション】LV1 / 【先行率アップ】LV2 / 【ダブル】LV1

●マスターより

絵琥れあ
 お世話になっております、絵琥れあと申します。
 中国で何か出来そうだからやりたかったんだ。

 こちらのシナリオ内選択肢で出来ることは以下の通りです。
 プレイング冒頭に【】つきの番号を振っていただければ適用いたします。
 (同行の方やグループ名の記載はその下の行にお願いします)

 選択肢①【1】林檎を贈り合う。
 選択肢①【2】林檎スイーツを食べて回る。
 ざっくりとした情報はオープニングの通りですが、もう少し踏み込んだ説明や、屋台の詳細など断章にてご説明させていただきます。

 選択肢②【1】林檎を贈り合う。
 選択肢②【2】林檎スイーツを食べて回る。
 こちらも①とほぼ同様ですが、トリを飾りたい! などありましたらこちらにどうぞ。
 (万が一、余りに早すぎると流れる可能性がございます)
 選択肢①でも出来ることですので、こちらにプレイングがなくとも頃合いを見てトレインチケットで〆させていただきます。
 そのため、誰か一人はこちらにプレイングをかけなければ、などはございませんのでご安心くださいませ。
 (断章は追加しませんが、頃合いを見てマスターページに受付開始日時を追加すると思います)

 他、幾つか補足を。

 ・時間帯は夜で固定となります。
 ・グループ参加は【2名様まで】とさせていただきます。
 ・現地に綱月、翠市、エドガーの3名がおり、お声掛けいただければご一緒させていただきます。
 特にお誘いがなければリプレイ中に登場することはなく、皆様の邪魔をすることもございません。
 ・趣旨から外れたものや公共良俗に反するものは採用いたしかねますのでご承知置きくださいませ。

 受付は断章投稿後、マスターページに開始日をお知らせする形とさせていただきます。
 それでは、どうぞよろしくお願いいたします。
32

このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ



 成都、錦里古街は平素にも増して、鮮やかな赤に彩られていた。
 伝統を感じる赤い提灯はもちろんのこと、赤い紐飾りやリボンでの装飾が施され、イルミネーションの電飾も、赤や橙、赤みのかかった黄色が温かく夜の街並みを照らしている。
 立ち並ぶ屋台では、林檎にまつわる様々な商品が並んでいた。赤々と、そして艶々とした大玉の瑞々しい林檎。伝統に則りそのまま贈るもよし、屋台の調理スペースを借りて林檎を使ったお菓子を作るもよし、だ。
 また、お菓子類は屋台でも購入することが出来るようだ。
 生のそれよりやや小ぶりなものを用いた林檎飴は、溶かした飴で薄くコーティングされていることで、食紅を使っていないにもかかわらず、赤い宝石のように鮮やかに煌めいている。
 アップルパイは、あえて皮を残してくし切りにして、色が飛ばない程度に軽く煮た林檎を何個分も並べて敷いた、パイとは言いつつ見た目はフランスのタルト風。それを六等分、或いは八等分にして、包み紙もしくは紙皿、贈り物用に菓子箱に入れて出してくれるようだ。
 飲み物も林檎尽くしで、ジュースにフレーバーティーの他、クリスマスらしく、蜂蜜と林檎のグリューワインなども出ている様子だ。もちろん、未成年(や、そう見えかねない者)にはアルコールは出せないので、その場合は蜂蜜入りホットジュースになってしまうが。
 また、定番の紅茶の他、林檎の実だけではなく……蕾を使った花茶、葉を用いた葉茶も用意されている。こちらには林檎の花や葉をあしらった、ちょっとしたクリスマス飾りもついてくるそうだ。

 ……さて、では林檎を贈り合いたい者、或いは散策や食べ歩きに興じる合間の休憩を取りたい者は、どこへ向かうべきか。
 たとえば、提灯の明かりが並ぶ街の入口付近や、イルミネーションの多い交差点。ここなら明るく、比較的開けているから、恋人、或いは親しい友人同士で一時立ち止まる場として適しているだろう。
 それでもいわゆる『広場』ほど広くはないため、人通りはある。どうしてもそれが気になるなら、屋台を出している一部の店が、平素営業している茶館、茶席の前のオープンスペースを貸し出しているようなので、そこを借りるのもいいだろう。ゆっくり腰を落ち着けて、時を過ごすことが出来るはずだ。
 或いは、三国志の聖地のひとつでもある武侯祠の近辺も候補に挙がるだろう。ここも比較的開けており、伸びる紅壁や周囲に広がる竹林は、まさに中国の歴史的な光景と呼ぶに相応しい。
 流石に武侯、すなわち諸葛亮の祠そのものの敷地内は、その崇敬や歴史的背景を重視し、イベント用の装飾は避けられているが、錦里側の入口付近や外壁の側であれば、クリスマスの雰囲気は十分に味わえるようになっている。

 林檎色に染まる成都の、古き良き街並みの平安夜。
 ひとりゆったり散策も、ふたり林檎の贈り合いも。
 どなた様もどうか、素敵な夜を。
陳・桂菓
【1】
白・明江(g11020)と参加。

クリスマスに林檎か。知らん風習だな。まあ時代差を思えば当然なんだが。
ま、里帰り――とも少し違うが、いい機会だ。行ってみるか、成都。

まず武侯祠に行く。私も群蟲三国志の出だからな。どうせなら三国志所縁の観光地とやらを見てみたい。
……あ~。確かに私の一族はいわゆる南蛮に含まれているから、人類史に照らし合わせれば諸葛亮らに征伐されたことになるのかな。しかし私自身は、仇はあくまで蟲将という認識だ。ま、思う所が全くないではないが、別に腹が立ったりせんよ。今は昔の話になったんだなぁ、と思うだけだ。
あれ、明江って馬超の麾下じゃなかったのか。まだ知らんことがあるものだな。

少し調べたが、林檎はメッセージを刻んだりラッピングしたりするのが一般的らしい。普通は平穏を祈る言葉を刻むらしいが……武人同士で贈り合うのだから、武運長久を祈るような文言を刻みたいな。ここは『馬到成功』としよう。涼州の出なら、馬に馴染みもあるだろう。
さて、観光はほどほどで切り上げて、飯でも食いに行くか。


白・明江
【1】
陳・桂菓(g02534)と参加。

二千年近くも経ってりゃ色々変わって当たり前や。何なら、俺らの時代のまんまの習俗の方が少ないやろ。しかし、面白いこと考えたもんやね。
成都か……南の方やんな。俺、多分行くの初めてやわ。

武侯祠って、劉備やら諸葛亮やらが祭られてんのやろ? 桂菓はんにとっては、同時代の英雄ってよか仇に相当する連中ってことにならん? むしろ見てたらイラっとせえへんの?
ま、アンタがええならええわ。
蜀の功臣たちの像か……正直ほとんど知らんな。そら名前くらいは聞いたことはあるけど、感覚としちゃ『頑張ってる人がおるらしい』程度やったな。
あ、俺は涼州出身やけど馬超のトコとは別の軍閥やで。戦場を転々としたけど、基本ずっと北やったよ。

林檎は、曲がりなりにも女性への贈り物や。店員さんに、ピンクのリボンでかわいくデコってもろたで。刻むメッセージは、俺からも武運を祈って『旗開得勝』や。蚩尤旗を掲げたがる桂菓はんにピッタリやろ。
馬の世話はしとったな。俺はずっと歩兵やってたけど。
飯か~。肉がええなぁ。



 錦里古街は中国、成都の歴史ある街並みだ。
 しかし、大戦乱群蟲三国志……すなわち、三国時代出身のディアボロスにとっては。
「クリスマスに林檎か。知らん風習だな。まあ、時代差を思えば当然なんだが」
「二千年近くも経ってりゃ色々変わって当たり前や。何なら、俺らの時代のまんまの習俗の方が少ないやろ。しかし、面白いこと考えたもんやね」
 陳・桂菓(如蚩尤・g02534)に白・明江(腥紅狼・g11020)、二人にとっては見るもの全てが目新しいと言っても過言ではない。勿論、歴史ある街ゆえ、見覚えのある光景もないではないが、少なくとも二人が本来生きる筈だった時代とは大きく様変わりしている。
『ま、里帰り――とも少し違うが、いい機会だ。行ってみるか、成都』
『成都か……南の方やんな。俺、多分行くの初めてやわ』
 なんて、折角の中国での催しなのだし足を運んでみるかと、こうして来てみれば。
「さて、まず武侯祠に行くか。私も群蟲三国志の出だからな。どうせなら三国志所縁の観光地とやらを見てみたい」
「ん? 武侯祠って、劉備やら諸葛亮やらが祭られてんのやろ?」
 明江の言う通り、武侯祠は諸葛亮だけでなく、その主君である劉備やその功臣、有名なところで言えば関羽や張飛、趙雲なども祭られているのだ。
 それを考えると、桂菓には多少なりとも思うところがあるのでは、と考えるのも無理からぬこと。
「桂菓はんにとっては、同時代の英雄ってよか仇に相当する連中ってことにならん? むしろ見てたらイラっとせえへんの?」
「……あ~。確かに私の一族はいわゆる南蛮に含まれているから、人類史に照らし合わせれば諸葛亮らに征伐されたことになるのかな」
 桂菓は一瞬、言われてみればという顔をしたが。
 そう、それも本当に一瞬のこと。彼女はすぐに、さっぱりとした顔をして。
「しかし私自身は、仇はあくまで蟲将という認識だ。ま、思う所が全くないではないが、別に腹が立ったりせんよ。今は昔の話になったんだなぁ、と思うだけだ」
「ま、アンタがええならええわ」
 返ってきた言葉に、嘘はなさそうだ。そう判断して、明江は彼女が不快感を押し殺しているのでなければいいと、納得することにした。
「しっかし、蜀の功臣たちの像か……正直ほとんど知らんな。そら名前くらいは聞いたことはあるけど、感覚としちゃ『頑張ってる人がおるらしい』程度やったな」
 五虎大将軍ほどのビッグネームならまだしも、そこまで行かないと最早誰だっけレベルである。そんな明江に、今度は桂菓が首を傾げた。
「あれ、明江って馬超の麾下じゃなかったのか」
「あ、俺は涼州出身やけど馬超のトコとは別の軍閥やで。戦場を転々としたけど、基本ずっと北やったよ」
「そうか……まだ知らんことがあるものだな」
 思いがけず、互いのことを深く知るいい機会にもなったようだ。
 そんな中、林檎が売られている屋台の並ぶ区画まで辿り着いた二人。桂菓は林檎をひとつ手に取り、それを少し眺めて。
「さて、少し調べたが、林檎はメッセージを刻んだりラッピングしたりするのが一般的らしい」
「成程なあ……ほんと、よく考えるわ」
 流行に乗る、と言うのなら、とことんまで。
「普通は平穏を祈る言葉を刻むらしいが……武人同士で贈り合うのだから、武運長久を祈るような文言を刻みたいな」
 と、桂菓が手に入れた林檎に文字を刻む間。
「よしよし、これでええやろ。店員さんおおきにな」
 明江は店員さんに頼んで、ちょっと仕込みを。
 それから、互いにメッセージの準備も終えてから、開けた場所に出て。
「では、私からはこれを。『馬到成功』……涼州の出なら、馬に馴染みもあるだろう」
「確かに馬の世話はしとったな。俺はずっと歩兵やってたけど。さて、俺からはこれな。武運を祈って『旗開得勝』や。蚩尤旗を掲げたがる桂菓はんにピッタリやろ」
「おや、これは……」
 交換で受け取った林檎を見て、桂菓が瞬く。
(「曲がりなりにも女性への贈り物やしな」)
 明江が贈った林檎のヘタには、可愛らしいリボンが蝶々のように結ばれている。
「店員さんに、ピンクのリボンでかわいくデコってもろたで」
「さっき何か話していたようだったが、成程これか」
 二人、顔を見合わせて穏やかに笑う。
 しっかりと『平安夜』の気分を味わって、それから。
「さて、観光はほどほどで切り上げて、飯でも食いに行くか」
「飯か~。肉がええなぁ」
 腹が減ってはなんとやら、ということで。
 戦友同士、連れ立って再び歩き出した。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【乗物改造】LV1が発生!
【一刀両断】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!

マリアラーラ・シルヴァ
【1】
【モラ林檎】

共闘アドリブ歓迎

モラさんやシャルロットと一緒に来てみたけど
新宿とは雰囲気が全然違うみたい
そのうえリンゴがリンゴリンゴしてるから
いっぱい目移りしちゃいそう

でもマリアも負けないよ!
お取り寄せした美味しいリンゴで
錦里古街ナンバーワンリンゴの座を射止めちゃうんだから!

あれー?シャルロットどうしたの?
おはなし?
わーモラさんのリンゴすっごいツヤツヤしてる!
いっぱい気持ちを込めてくれたんだね…うんマリアもモラさんのこと大好きだよ!

シャルロットも一緒に遊ぼうねって
二人からリンゴを受け取ったらマリアもお返しリンゴするよ
取り出したのは
・金色リンゴ(新宿品種改良品)
・出展するために持ってきたリンゴ
・リンコさん(謎リンゴ生物)

モラさんはどのリンゴをお返しに貰いたい?
いちばんマリアの大好きだよって気持ちが籠ったリンゴはどれかなー?

なんてクイズ形式にして
まっすぐな好意に照れちゃってるのを誤魔化しつつ
リンコさんが「ワタシはヒトに知恵を与えたの…」って黄昏てるのを放って
三人でリンゴのお祭りに繰り出すね


シャルロット・アミ
【1】
【モラ林檎】

翠市さんはご無沙汰しております
今日は私の大好きな方と林檎を交換に
用意した二つの林檎を見せてご挨拶とお礼を

中国はマリアさんもたぶん
そして私もあまり関わらなかったから
やっぱり物珍しいわね
紅色に煌めくクリスマスはヨーロッパや新宿島とも違う
心がうきうきしてしまうわ

(モラさんが林檎を持ってそわそわしている)
ふふ、そうね、先に大事なことをしましょうか
マリアさん、お誘いを受けてくださってありがとうございます
よろしければ街を見る前にお話が

街の入口で足を止めて
林檎を持ったモラさんをそっとマリアさんに差し出しましょう
モラさんがね、マリアさんのことが大好きだって
いつもありがとうの気持ちを林檎に込めて
(「もきゅー」モラさん、林檎をマリアさんに差し出す)
勿論、私からも
どうぞ林檎を受け取ってくださいね

これからも一緒に遊べますように

ふふ、モラさん照れちゃって
え?マリアさんからいただく林檎はりんこさんがいいの?
…本当に?
(モラさん照れてりんこさんと林檎の区別がついていない)



「おや、シャルロットさん」
「こんばんは。翠市さんはご無沙汰しております」
 見知ったエルフの少年を見つけて、シャルロット・アミ(金糸雀の夢・g00467)は声をかけた。
 彼は街の入口付近の、人の邪魔にならない場所で林檎の葉茶を飲んでいたようだったが、シャルロットに気がつくと通りに出てきた。
「お久しぶりです。お元気そうで何よりです」
「翠市さんも。今日は私の大好きな方と林檎を交換に……そちらはイベントのお手伝いですか?」
「そんなところです。その林檎が交換用ですか」
 翠市が視線で示した林檎はふたつ。
 シャルロットが手にしたものと、もうひとつはモラさんの手に。
「はい、今回も素敵なイベントをありがとうございます」
「こちらこそ、参加してくださってありがとうございます。どうぞ楽しんで」
 こうして二人と一匹が、和やかに挨拶を交わしていた頃。
 シャルロットの約束の相手であるマリアラーラ・シルヴァ(コキュバス・g02935)は少し離れたところ、通りの少し開けたところにいた。
(「モラさんやシャルロットと一緒に来てみたけど……」)
 きょろきょろ。
 辺りを見渡せば、赤い飾りに温かな光が異国の街を彩っている。
 飾りの大半が街の雰囲気に違わず中華飾りなのも、異国情緒をより強めているだろう。
「新宿とは雰囲気が全然違うみたい。そのうえリンゴがリンゴリンゴしてるから、いっぱい目移りしちゃいそう……」
 屋台に並ぶ瑞々しい林檎に、甘い香りを漂わせている林檎スイーツ。
 街は林檎色に染まっていると言ってよく、行き交う人々が思い思いに林檎を求め、楽しんでいる。その様子はマリアラーラにも魅力的に映ったものの。
「でもマリアも負けないよ! お取り寄せした美味しいリンゴで、錦里古街ナンバーワンリンゴの座を射止めちゃうんだから!」
 と、いうわけなので林檎は自前で準備があります!
 そんなマリアラーラに合流しつつ、シャルロットはふふと微笑み。
「中国はマリアさんもたぶん、そして私もあまり関わらなかったから、やっぱり物珍しいわね」
 そして、現代に取り戻した中国にこうして来てみれば。
「紅色に煌めくクリスマスはヨーロッパや新宿島とも違う……心がうきうきしてしまうわ」
 独自のクリスマス文化はやはり物珍しく、だからこそ心惹かれる。
 そして、そんな空気や空間の中では心もふわふわ躍るような気分にもなろうもの。
 どうやら林檎を持ったモラさんが、そわそわとどこか落ち着かない様子。
「ふふ、そうね、先に大事なことをしましょうか」
 シャルロットは更に笑みを深めて、ぐっと意気込んでいるマリアラーラの背中に声をかけた。
「マリアさん、お誘いを受けてくださってありがとうございます。よろしければ街を見る前にお話が」
「あれー? シャルロットどうしたの? おはなし?」
 マリアラーラが振り返れば、目の前に林檎を持ったモラさんがそっと差し出された。
「モラさんがね、マリアさんのことが大好きだって」
 もきゅー、と更にそのモラさんが林檎を差し出す。
 いつもありがとう、の気持ちを赤くて大きな林檎に詰め込んで。
「勿論、私からも。どうぞ林檎を受け取ってくださいね」
 モラさんとシャルロット、ふたつの林檎を受け取って、マリアラーラはぱっと表情を輝かせた。
「わーモラさんのリンゴすっごいツヤツヤしてる!」
「これからも一緒に遊べますように、って。私もモラさんも」
 心からそう思っていると、シャルロットはまっすぐに伝える。
「いっぱい気持ちを込めてくれたんだね……うん、マリアもモラさんのこと大好きだよ! シャルロットも一緒に遊ぼうね」
 心を込めて林檎を選んで、そして贈ってくれたのだ。
 マリアラーラにも、それは伝わったから。
 これはしっかりと、お返しをしなければなるまい。そう思って、マリアラーラが取り出したのは。
「マリアもお返しリンゴするよ、はい!」
 ひとつは金色の林檎、ひとつは出展予定のお取り寄せ林檎、そしてもうひとつは……生きている、ように見える……?
「ふふ、モラさん照れちゃって……ところでマリアさん、これは?」
「リンコさんだよ!」
 大好き、を貰ってかどこかふわふわした様子のモラさんに微笑みつつ、シャルロットは最後の選択肢について尋ねた。
 するとマリアラーラはそう答えを返した。それがこの……生きているようにも見える謎林檎の名前か。
「モラさんはどのリンゴをお返しに貰いたい? いちばんマリアの大好きだよって気持ちが籠ったリンゴはどれかなー?」
 ちょっとおどけたクイズ形式なのは、実はまっすぐな好意に対する照れ隠しだ。
 しかし幸か不幸か、モラさんはそれに気づいていない……というより、そんな余裕がない、ようにも見えた。
「え? マリアさんからいただく林檎はりんこさんがいいの? ……本当に?」
 どうやら三つの林檎の区別すらついていない様子である。もしかしてモラさんも照れている……のだろうか。
 シャルロットとマリアラーラは、おかしそうにひとつ笑って。
「それじゃあ、リンゴのお祭りに繰り出すの!」
「ええ、モラさんも行きましょうか」
 ワタシはヒトに知恵を与えたの……なんて、黄昏れたような声がリンコさんの方から聞こえたような気がしたけれど、今はそんなことより。
 大好きで結ばれた三人で、平安夜の祭りを楽しもう!
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【一刀両断】がLV2になった!
【完全視界】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!

夏候・錬晏
【2】蒋殿と希望。苦参殿もぜひ
※アドリブ歓迎。プロフィールより砕けた口調で可

中華の地で異国の文化を味わうことになるとは…
ディアボロスとなって生きていると、思いもよらない体験に繋がるな

朗らかに笑いつつ、漢服の上に防寒の外套を着込み、蒋殿たちの歩調に合わせて賑やかな錦里古街を進んでいく

今日呼んだのは他でもない、何時も時先案内人として俺達に力を貸してくれる蒋殿に、労りと礼をするためだ
気軽に楽しんでくれれば嬉しい

専ら聞き役かもしれないが、十分に楽しんでいる様子は隠さず素直に示して過ごす

洋菓子は未だ食べ慣れず苦手だが果物であれば問題ない
腹の容量は武人のそれ。軽食ならばいくらでも…と思っていたが、存外腹に溜まるものだな

おや花茶があるのか。包んでもらって、義理の――…母となってくれた人へ贈ろうかな

ラウム(g00862)が俺を養子に迎えてくれたんだが
その奥方殿にも挨拶をした矢先に…ジェネラル級との戦いで重傷を負ってしまって、酷く心配を掛けてしまったんだ
その時の見舞いの品の返礼と、詫びに。…どうだろうか?



 大戦乱群蟲三国志。
 かの地に生まれ、かの時代を経てここに辿り着いた者にとって、ここは故郷の、未来の姿である。
「中華の地で異国の文化を味わうことになるとは……」
 赤く照らされた街の光景に、しみじみと零した夏候・錬晏(隻腕武人・g05657)にとってもそうだ。そして、彼に同行している綱月もまた然りである。
「ディアボロスとなって生きていると、思いもよらない体験に繋がるな」
「私達の時代では、考える由もない事で御座いましたね」
 朗らかに笑う錬晏の纏う空気は穏やかで、綱月の微笑みも平素に増して柔らかい。
 綱月の傍らトコトコ歩く苦参の歩幅は狭く、それに合わせてゆったりと歩く。少し風が吹いて、錬晏の羽織る外套と、その下の漢服の裾が微かに揺れた。
「さて、今日呼んだのは他でもない、何時も時先案内人として俺達に力を貸してくれる蒋殿に、労りと礼をするためだ」
「まあ」
 綱月は一瞬、少し驚いたように瞬く。
 しかしすぐに、いつも通り柔らかく笑った。
「有難う御座います。お気遣い頂き光栄に存じます」
「そのように畏まらずとも、気軽に楽しんでくれれば嬉しい」
「ふふ、では屋台を見に行きませんか。あの辺りが装飾も多いですから」
 綱月自身も、歩幅が広くも、歩みが速くもない。
 だが、錬晏はそれに合わせることを苦とは思わなかった。
「歩き辛くはありませんか、楽しめておられますか?」
「ああ、十分に楽しんでいるよ。蒋殿こそ、退屈してはいないだろうか」
 専ら聞き役である自覚はあったので、そこに少し懸念はあったが。
 楽しんでいると素直に伝えれば、綱月は安堵したように微笑みを深めた。
「滅相も御座いません。この様な機会を頂けた事、幸甚に存じております」
 よかった、と錬晏は素直に思う。そうして賑やかな錦里古街を進むうち、屋台の並ぶ区画へ辿り着いた。
「こちらはお菓子が並んでおりますね」
「洋菓子か」
 陳列台に並ぶアップルパイ。
 皮を残し赤で彩られたその造形は、芸術の域にあると言える。
「洋菓子は未だ食べ慣れず苦手だが、果物であれば問題ない」
「それなら安心致しました。あちらで頂きましょうか」
 茶館の店先の席に腰掛けて、包んで貰ったアップルパイをいただく。
 ニコニコとちまちま食べている綱月に対して、錬晏は武人ということもあり健啖家、なのだが。
「軽食ならばいくらでも……と思っていたが、存外腹に溜まるものだな」
「見た目は華やかで、軽そうにすら見受けられるのですが……」
 なんて談笑しつつ、ふと錬晏の目に先程の店とは別の、近くの屋台が留まる。
 綱月が食べ終えるのを待ち、そこに向かえば。
「おや、花茶があるのか」
 並ぶ茶の缶の中に、それを見つけた。
「包んでもらって、義理の――……母となってくれた人へ贈ろうかな」
 義理の、母。
 俺を養子に迎えてくれた人がいる、と錬晏は言った。その人物は、綱月も知る一人のディアボロスだった。
「その奥方殿にも挨拶をした矢先に……ジェネラル級との戦いで重傷を負ってしまって、酷く心配を掛けてしまったんだ」
 今度は綱月が、静かに錬晏の言葉を聞いている。
 深い呵責と、祈りにも似た感謝の念が、錬晏の声から、言葉から感じ取れたから。
「その時の見舞いの品の返礼と、詫びに。……どうだろうか?」
 女性の視点から意見を聞きたいと錬晏が問えば、綱月は少し、眩しそうな瞳で彼を見て。
「錬晏様は、見つけたので御座いますね」
 少し光に揺らいだ、琥珀の瞳で。
 そうして、それから。
「ええ、きっと喜んで頂けます。錬晏様が、その方を想って選ばれたものですから」
 そう言って柔らかく笑うので、ああ、きっと大丈夫だと。
 不思議と、そう思えた。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【平穏結界】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!

金刺・鞆
【1】
ロキシアさま(g07258)と、異国のクリスマス体験、です。

京とはまた趣の異なる風光明媚の街並みに、提灯の明かりがなんとも幻想的。……迷ったら、帰れなくなってしまいそうな。そんな妖しさもございますね?
平安の字はわたくしの生まれの刻、リンゴは故国たる信濃……今は長野、ですね。特産なのだそうで。
どちらもを正しきに戻せたことのお祝いに、なんだかぴったりなお祭りに思えて。しんぱしー、というものです。

林檎は、持参したものを。
帰還した方からの戴きものではございますが……奪り還した日常の証、平安果そのものと言えましょう。
これを……あなたと、食べてみたいと思ったのです。

(手をつなぐ。今まで、普通にできていたことなのに)
(気付かないでほしいような、気付いてほしいような)
(指先が逡巡して……えいや、とあなたの小指をつかまえる、と――)

――はい! では、あちらの通りも見てみましょう、ロキシアさま!

(握り返してくれるあたたかさが、幾戦経てど今もとなりにあることが)
(わたくしは、たまらなくうれしいのです)


ロキシア・グロスビーク
【1】
鞆ちゃん(g03964)と一緒に歩く平安夜
ゴスロリ姿も、紅灯笼の下ではちょうどいい

日本じゃ観光地でも中々見られない古色、美しくも熱を感じられるけど
人も多いから逸れないようにしないとだ
ふふ、お誂え向きの舞台。テンション上がるよね

軒先に連なる祝いの文言に相応しい笑みをかんばせに
ありがとう、鞆ちゃん
今日の夜に相応しいプレゼント、とっても嬉しい
美味しいスイーツにしてみようかな
この国なら……豆沙蘋果圈、きっときみも気に入るよ

手にした平安果は道すがら用意したもの
この国で育った紅富士なんだ
表面に施されたおめでたい文言、ラブリーな意匠を見せて
新宿からヒトの世を紡ぎ直してゆくディアボロス
贈るなら、日本から世界に発った品種がいいと思ってね
僕からも。鞆ちゃんと祭日の象徴を

それじゃあ祭りに、と切り出す矢先
視界の端を捉えた仕草に足を止め、ひとつ伸びをして
目を閉じぼんやり喧騒に耳を傾けるように

――おっと。僕が言ったことだものね
感謝と微笑みを一つずつ
指から手繰って繋ぎ直せば、会場を楽しみに歩む心持ちはより暖かく



 平安夜、異国情緒、赤い光と夜の闇。
 黒を貴重に赤をアクセントとしたロキシア・グロスビーク(啄む嘴・g07258)のゴスロリ衣装も、赤い提灯の下ではよく映える。
 彼の纏う色彩に、よく馴染んだこの街を、傍らの金刺・鞆(虚氏の仔・g03964)はぐるり見渡した。
(「京とはまた趣の異なる風光明媚の街並みに、提灯の明かりがなんとも幻想的」)
 灯りに照らされどこか朧気な人の波。
 まるで異世界と錯覚するほどの、奇妙で愛しい異国情緒。
「……迷ったら、帰れなくなってしまいそうな。そんな妖しさもございますね?」
「日本じゃ観光地でも中々見られない古色、美しくも熱を感じられるけど……人も多いから逸れないようにしないとだ」
 神隠し、の三文字がふと頭を過る。
 光の隅、影に囚われればそのまま、夜に溶けてしまいそうな。
 それほどまでに、今夜の錦里古街はどこか浮世離れしていた。
 だが、憂う必要もないと知っていた。だって今夜はめでたき平安夜。
「平安の字はわたくしの生まれの刻、リンゴは故国たる信濃……今は長野、ですね。特産なのだそうで」
 現代、この地を生きる若人たちが、平安の字に擬えて、平安と同じ音を宿した果実を贈り合うようになった。
 異国の地なれど、鞆にとっては不思議と通じるもののある催しであった。
「どちらもを正しきに戻せたことのお祝いに、なんだかぴったりなお祭りに思えて。しんぱしー、というものです」
「ふふ、お誂え向きの舞台。テンション上がるよね」
 ロキシアも、まるで自分のことのように、心を共鳴させるように、嬉しそうに微笑み返す。
 だから、足を止めて、絆の証を贈り合うのもまた必然。
「帰還した方からの戴きものではございますが……」
 鞆が贈る、赤い心の結晶は、そう、故郷の地がもたらした恵みの果実。
「奪り還した日常の証、平安果そのものと言えましょう」
 白い林檎の花咲むように、鞆もふわり、はにかみながら微笑んで。
「これを……あなたと、食べてみたいと思ったのです」
 その確かな幸いに、ロキシアも穏やかに、軒先に連なる祝いの文言に相応しく、返すそのかんばせに微笑みを。
「ありがとう、鞆ちゃん。今日の夜に相応しいプレゼント、とっても嬉しい」
 笑顔の花が、平安の夜に、平安の果実に連なる。
 それはこの場のどんな灯りよりも眩しくて、美しかった。
「美味しいスイーツにしてみようかな。この国なら……豆沙蘋果圈、きっときみも気に入るよ」
 ここよりも東、けれど同じ中華の大地の名物スイーツ。
 鞆の喜ぶ顔を思い描いて、ロキシアの笑みも花綻ぶよう深まった。
「見て、この国で育った紅富士なんだ」
「これは……」
「新宿からヒトの世を紡ぎ直してゆくディアボロス。贈るなら、日本から世界に発った品種がいいと思ってね」
 ロキシアが鞆へと贈り、指し示したそれは、道すがら用意したもので。
 日本で生まれこの地に根付いた存在でもあり、見かけてこれだ、と電流にも似た衝撃が走ったものだ。
 表面に施されたおめでたい文言と、ラブリーな意匠はロキシアが、今日この夜のため刻んだもの。
「僕からも。鞆ちゃんと祭日の象徴を」
「ありがとう、ございます。とても……うれしいです」
 自分のために、ここまで。
 時も心も、惜しみなく砕いてくれる人がいることが。
「それじゃあ鞆ちゃん、祭りに」
「……あ、」
 一瞬。
 誘いの言葉に応じようとした鞆は、しかし、自分でも理由がわからぬままに、踏み留まる。
 視界の端を捉えた仕草にロキシアは足を止め、ひとつ伸びをして目を閉じ、ぼんやり喧騒に耳を傾けるようにして、いる。
 待ってくれている。わかっている。早く、早く行かなければ、そうは確かに思う、のに。
(「手をつなぐ」)
 これまで、自然としていたそれが、うまく動きにならずに彷徨う。
 嫌悪ではないのだ。決してない。
 むしろ……むしろ、これは。
(「今まで、普通にできていたことなのに」)
 躊躇いの理由は、鞆の中ではふわふわとして。
 そして、宵にも似て藍く、右の瞳にまっすぐ映ったロキシア、には。
(「気付かないでほしいような、気付いてほしいような」)
 視線が光の海を泳ぐ。
 指先が逡巡する。
 掌が熱くなる。
 それでも。
「!」
 えいや、と心を決めて。
 控えめに、それでも確かに、その袖にほとんど隠れた小指をつかまえる。
 纏う黒が薄く肌を隔てても、確かにそれは温かかった。
「――おっと。僕が言ったことだものね」
 その温もりは、ロキシアにも共有される。
 紡ぐ言葉にはすぐに、感謝と微笑み、ひとつずつ乗せられる。
 そうして甘んじて、捕らえられたその指から手繰って、繋ぎ直した。しっかりと、熱を分け合って、そして高め合うように。
 冬の夜空の下でも、寒くならないように。
「――はい! では、あちらの通りも見てみましょう、ロキシアさま!」
 ぱっと、声が明るく弾む。その顔も、幸福の笑顔に花開く。
 そんな鞆の様子にロキシアもまた、会場を楽しみに歩む心持ちはより暖かく。
 同じ時を、この特別な夜を、共に過ごす奇跡に世界はまた、明るくなった。
 確かな熱と感触に、鞆はきゅっと握り返す。
(「握り返してくれるあたたかさが、幾戦経てど今もとなりにあることが」)
 その全てが幸いで、ざわめく心も平安の名に撫でられる。ほのかに火照った想いすらも、安らぎの夜に包まれるように満たされる。
 ああ、赤く瑞々しい果実の、その甘さを噛み締めるように。

(「わたくしは、たまらなくうれしいのです」)
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【勝利の凱歌】LV1が発生!
【神速反応】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV3になった!

喩・嘉
【2】
幸児(g03876)と一緒に林檎のスイーツたくさん食べたいな

俺は中原の出だが、生まれは揚州だからこのあたりは元々は来た事はなかったな
だから、最終人類史であることを除いても
懐かしいとかいう感情はないんだが
成都武侯祠の周辺は、どことなく昔いた場所のことを思い出すな

幸児と一緒にあたりをのんびりと散歩してから、赤い提灯を頼りに屋台を見て回る
イルミネーションがとても綺麗。すっかりクリスマスの雰囲気だが、俺のこの漢服の装いでも
あまり浮かないのは、やはり土地柄によるものかな

繋いだ手を揺らしながら、屋台を眺めて考えて、
幸児と交換する用にアップルパイを買い求めた
可愛らしい紙皿に乗せてもらって、オープンスペースで食べられるように

人々で賑わうイルミネーション会場を眺めながら、
幸児の買ってくれた見た目にも綺麗な林檎飴を食べて、ワインも飲んで、大満足
真っ直ぐに褒められると、毎回でも照れてしまうな


守都・幸児
【2】
喩嘉(g01517)と一緒に林檎のスイーツいっぱい食べるぞっ

おー、賑わってるなあっ
そうか、ここは喩嘉の故郷からはちょっと離れてるのか
俺も奪還戦の戦場くらいでしか知らねえから、散策するの楽しみだ
平安夜かあ、俺は平安の生まれだから、平安って言葉が使われてるのがなんか嬉しい

喩嘉と一緒にのんびり散歩してから、屋台を見て回るぞ
赤い提灯の光に照らされた喩嘉の漢服姿が、すごく雰囲気に溶け込んでて
見惚れながら微笑んじまう俺だぞ
見失うことは絶対ねえが、人混みの中では手をしっかり繋いでおく

屋台を眺めて、喩嘉と交換する用に、小さな林檎がいくつも連なった林檎飴を買うぞ
日本の林檎飴とちょっと形が違うんだな
飴がたっぷりきらきら光って、宝石みたいに綺麗だぞ
ホワイトチョコもトッピングしてもらう
ついでにグリューワインも二人分買うぞ

オープンスペースにのんびり座って
お互いのスイーツを交換するぞ
喩嘉の買ってくれたパイを頬張り大満足

喩嘉の瞳は林檎飴よりも綺麗だよなって思いながら一緒にワインも飲んで
にこにこご機嫌で見つめるぞ



 平安夜はまだ明けず、その光は提灯やイルミネーション、ぽつぽつと灯る街の明かりがほとんどだ。
 行き交う人々も思い思いに楽しんでいて、まだ街が眠る気配はなく、集ったディアボロスもそれぞれに時を過ごしている。
「おー、賑わってるなあっ」
 守都・幸児(祥雲・g03876)と喩・嘉(瑞鳳・g01517)も、その一組だ。
 お目当ては林檎のスイーツ。それに中華の地と言えば、喩嘉の故郷だ。
 ……いや、中華の大地はあまりに広い。ゆえに、厳密に言えば。
「俺は中原の出だが、生まれは揚州だからこのあたりは元々は来た事はなかったな」
「そうか、ここは喩嘉の故郷からはちょっと離れてるのか」
 彼の生きた三国時代で言うなら、故郷の地は呉の、それもより海側に近い地域にあった。当時は戦乱の世であったし、気軽に他国の領地になど渡る機会がそうそうあるわけもなく。
「だから、最終人類史であることを除いても、懐かしいとかいう感情はないんだが……」
 それでも、同じ中華の地。
 喩嘉の視線は、武侯祠側に向けられた。
「成都武侯祠の周辺は、どことなく昔いた場所のことを思い出すな」
「そっか……俺も奪還戦の戦場くらいでしか知らねえから、散策するの楽しみだ」
 林檎も魅力的だが、ここは歴史の面影が残る街。
 ここにいる間、色々と見て回るのも悪くない。
「しかし平安夜かあ、俺は平安の生まれだから、平安って言葉が使われてるのがなんか嬉しい」
「そうだな、思わぬ繋がりだ」
 平安の先の時代では、都で大変な騒動があったから。
 今代は、平らかで安らかなものであるようにと込められた願いの名前、その時代に幸児は生まれた。
 国や由来こそ違えど、その名が同じ思いでつけられたことは、喩嘉の言う通りの繋がりでもあり、素直に喜ばしかった。
 ではそろそろ散策へと、どちらともなく並んで歩き出す。言葉にせずとも、心を読んで示し合わせたかのようにそうなった事実に、ふたり顔を見合わせて少し笑った。
 武侯祠の辺りから、提灯の赤い灯りがより照る方へ、それを屋台エリアの目印として、のんびりと歩いていく。
 林檎の甘い香りに近づくのを感じた。それに伴い、装飾や人の流れも多くなっていくのがわかる。
「イルミネーションがとても綺麗。すっかりクリスマスの雰囲気だが、俺のこの漢服の装いでもあまり浮かないのは、やはり土地柄によるものかな」
「………………」
「幸児?」
「あ……ん。悪い、ちょっとぼーっとしてた。やっぱり似合ってるもんな、その服」
 面映げに微笑んだ幸児。
 思考が少し飛んだのは、心密かに見惚れていたから。
 中華伝統の赤い提灯の光が、異国情緒の風情を醸した濃い色と、その色を乗せたきめ細やかな肌を照らして、エキゾチックな漢服の装いも、ゆったりとしながら身体の動きに合わせて揺れて、その様がひどく艶やかだったから。
「見失うことは絶対ねえが、人通りが多いからな。はぐれないようにな」
 半ば照れ隠し混じりに手を差し出した幸児の胸中に、気がついているのかいないのか。どこか曖昧な、意味深な微笑みで彼を見つめて、喩嘉はその手を取った。
 繋がれたその手をゆるり揺らしながら、並ぶ屋台とスイーツを眺める。
 ふたり、それぞれ少し思案して、幸児は小さな林檎がいくつも連なった林檎飴を。喩嘉は花のように均等に敷き詰めた皮付きアップルパイを買うことに。勿論、ふたりとも後で交換するつもりで。
 そうして目当ての物を手に入れて、茶館のオープンスペースへ。
 ふたりで腰を下ろして、戦利品を分け合う。
「日本の林檎飴とちょっと形が違うんだな。飴がたっぷりきらきら光って、宝石みたいに綺麗だぞ」
「ところで、その白いものは……」
「ああ、ホワイトチョコもトッピングしてもらったんだ。喩嘉の買ってきてくれたアップルパイの紙皿もかわいいな」
「色々種類があったから、折角なら目でも楽しめるものを選んできた」
 まずは幸児が買ってきた、蜂蜜と林檎のグリューワインで静かに乾杯。
「蜂蜜は高級品という認識だったから、今の時代ではこうして手軽に味わえるのも不思議な感覚だな」
「俺の時代も貴重品の扱いだったなあ……時代は変わるもんだ」
 蜂蜜と林檎の甘さが、ワイン独特の苦味をまろやかにしている。かと言って完全に打ち消すわけでもなく、寧ろより絶妙に、フルーティーな風味を生み出していた。
 それからお待ちかね、スイーツの交換。
「ん、美味い! 甘く煮た林檎の果汁が染み出て生地とよく合ってるぞ」
「林檎飴は甘いが、見た目ほど重たくはないな。幸児の言う通り、宝石のようで見ていても飽きないしな」
 文句なしに大満足!
 綺麗な林檎飴、食べ応えのあるアップルパイ、心も体も温まるワイン、そして行き交う人々の賑わいと、温かく美しい街の灯り。
 その光景を、焼きつけるように見つめる喩嘉の眼差し。
「林檎飴も綺麗だけど」
 深く濃い、その赤い瞳は。
「喩嘉の瞳は林檎飴よりももっと、綺麗だよな」
 当たり前のようにそう告げて、にこにこと上機嫌で、まっすぐに見つめてくる、灯りに照る夜よりもなお鮮やかな藍の双眸に、はにかむように喩嘉は相好を崩して。
「真っ直ぐに褒められると、毎回でも照れてしまうな」
 そうして、寒風も熱を燈さんばかりの微笑みで、応えた。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【友達催眠】LV1が発生!
【水中適応】LV1が発生!
効果2【アクティベイト】LV1が発生!
【ガードアップ】がLV4になった!

イツカ・ユメ
【2】
古安くん(g02347)とクリスマスデート♪

大きな戦いの後に、街の賑わいを見るとホッとするよね。
…わたし達、皆の笑顔を、皆の帰る場所を守れたんだな、って。
大活躍した古安くんへのご褒美も兼ねて、今日は中国式のクリスマスをいっぱい楽しみましょ♪

サンタクロースも大きなツリーも無いクリスマス、ってちょっと新鮮。
甘い林檎の香りが漂ってくるし、イルミネーションも赤や暖かみのある色合いが多いから、林檎の街に迷い込んだ気分だわ。
まずは屋台の方に行ってみるのはどうかな?
焼き立てのアップパイ、すっごく気になるの!あとりんご飴も大きくて美味しそうだったし……蜂蜜と林檎のグリューワイン、ですって!?
……古安くん。ちょこっとだけ、呑んじゃダメ?
大丈夫、酔っ払うほどは呑まないから!


一通り屋台を巡った後は、ゆっくりイルミネーションが見られる場所で。
古安くんに、林檎を贈りたいな。
あなたに恋をして、あなたと一緒に歩んで育った、わたしのハートみたいに赤くて甘い林檎だよ。
受け取って、くれる?……ありがとう。大好きだよ。


九重・古安
【2】
イツカ(g02834)と。

奪還戦を越えて今年も無事に年末年始を迎えることができそうだな。
先日の戦功もひとえにイツカが一緒に戦ってくれたからこそだ。……それはそれとしてご褒美は遠慮なく頂くが!

クリスマスで赤と言えばサンタクロースやケーキのイチゴだがこちらではリンゴが主役なのか。
それでいて賑やかで、どこか温かくて、祝い事の雰囲気が伝わってくるのは万国共通というやつだな。

郷に入っては郷に従え、まずは腹ごしらえしつつ楽しんでいこう。
りんご飴にパイに、ホットドリンクは蜂蜜との組み合わせか。提灯の赤も加わって色鮮やかだな。
……ど、どうしたのだイツカ、何か気になるものでも……なるほどそういうことか。
もちろん大丈夫だとも。もし酔ったとしても俺が付いている。

屋台で飲み食いして腹を満たしたら落ち着いた場所でリンゴの贈り合いを。
思えば最初に肩を並べて戦ったのも中国を舞台にした奪還戦だったな。
これまでも、これからも、一緒に絆を育んでいきたい。その気持ちを込めて、俺からも大きく育ったリンゴを贈らせてくれ。



 錦里古街の灯りは未だ消えることなく。
 歴史ある成都の街並みは、林檎色に染まっている。
(「古安くんとクリスマスデート♪」)
 イツカ・ユメ(いつかかなうゆめ・g02834)の胸中もまた、赤く実った林檎のように、幸福で満たされていた。
 その理由は、隣を歩く九重・古安(巻き戻り路逸れる針・g02347)の存在だ。そして、古安もまた満ち足りた心でここにいる。
 だが、これで完全に熟したとは言い難い。このイベントを、ふたりで楽しみ尽くさなければ。
「奪還戦を越えて、今年も無事に年末年始を迎えることができそうだな」
「大きな戦いの後に、街の賑わいを見るとホッとするよね。……わたし達、皆の笑顔を、皆の帰る場所を守れたんだな、って」
 人々の営みの息遣い、空気に滲む幸福と感謝の念……それもまた、ディアボロス冥利に尽きるというもの。
 この、当たり前であって、当たり前でなくなってしまった平穏な時間が帰ってきた。その光景が、何よりの報酬だ。
「大活躍した古安くんへのご褒美も兼ねて、今日は中国式のクリスマスをいっぱい楽しみましょ♪」
「そうだな。だが、先日の戦功もひとえにイツカが一緒に戦ってくれたからこそだ。……それはそれとしてご褒美は遠慮なく頂くが!」
 並み居る敵を捌き、打ち破り、勝利に大きく貢献した古安。今日はその労いも兼ねていた。
 更に言うなら、彼は戦場において猛攻に曝されたイツカを何度も身を呈して護ったのだ。イツカが惚れ直さないわけがなかった。勿論、そうでなくとも彼への想いは天井を突き抜けているわけなのだが!
 そういったわけでまずは林檎色の街の散策。
 赤い提灯に中華飾り、暖色のイルミネーションが待ちを照らし、彩る。まさに伝統の中華風といった装飾に、現代的な光が添えられて、異国情緒溢れる装いだが。
「クリスマスで赤と言えばサンタクロースやケーキのイチゴだが、こちらではリンゴが主役なのか」
「ね、サンタクロースも大きなツリーも無いクリスマス、ってちょっと新鮮」
 より装飾の多い屋台の近くまで来てみても、定番王道のクリスマスの雰囲気はあまりない。
 しかし、だからこそ独特の雰囲気があり、一風変わった異国のクリスマス体験としては印象に残りそうだった。
「甘い林檎の香りが漂ってくるし、イルミネーションも赤や暖かみのある色合いが多いから、林檎の街に迷い込んだ気分だわ」
「うむ。それでいて賑やかで、どこか温かくて、祝い事の雰囲気が伝わってくるのは万国共通というやつだな」
 これが、この国の若者流のクリスマスの祝い方。
 様式は違っても、祝いは楽しく。その気持ちは変わらないということだろう。実際、ふたりもその違いすら楽しめている。
 さて、屋台の並ぶ通りに近づくとイツカの言う通り、林檎の甘い香りがより強くなってくる。彼女はその瞳に、イルミネーションにも負けない光をたたえて古安を見た。
「ここまで来たし、まずは屋台の方に行ってみるのはどうかな?」
 そうやって瞳を輝かせる彼女に、古安はふふと温かく、柔らかく微笑んで。
「郷に入っては郷に従え、まずは腹ごしらえしつつ楽しんでいこう」
 可愛い恋人のお誘いともなればなおのこと、受けない理由はない。
 早速、ふたり連れ立って屋台巡りへ。林檎飴は赤く艷やか、アップルパイは果実も生地も香ばしく焼き上がっており、つい目移りしてしまう。
「やったぁ! あのね、焼き立てのアップパイ、すっごく気になるの! あとりんご飴も大きくて美味しそうだったし……」
「りんご飴にパイに、ホットドリンクは蜂蜜との組み合わせか。提灯の赤も加わって色鮮やかだな」
「!?」
 と、ここで古安の言葉に電流が走ったかのように、イツカがカッと目を見開いた。
 それから、わなわなと震え始める。突然のことに思わずぎょっとする古安。何だ何だ何があったとその様子を窺ってみると。
「……ど、どうしたのだイツカ、何か気になるものでも……」
「蜂蜜と林檎のグリューワイン、ですって!?」
 そういえば確かに、林檎のそれに混ざって仄かなワインの香りがする、と。
 匂いの方へとイツカが、そしてそれに倣って古安が視線を向ければ、林檎色の可愛らしい鍋の中身をお玉で回す店員の姿。中を見せて貰うと、確かに蜂蜜と、恐らくは林檎とも一緒に煮ているらしいワインの彩があった。完成品には皮付きカット林檎も添えられるらしい。
「……古安くん。ちょこっとだけ、呑んじゃダメ?」
 再び古安へと向き直り、お願い! と手を合わせて拝むイツカ。
「大丈夫、酔っ払うほどは呑まないから!」
「なるほど、そういうことか」
 そんな彼女の可愛らしいおねだりに、古安は安堵と微笑ましさで、ひとつ溜息を吐きつつも。
「もちろん大丈夫だとも。もし酔ったとしても俺が付いている」
 安心させるようにそう告げれば、イツカの表情が再びぱっと輝いた。
 イルミネーションよりも眩いその笑顔に、古安は少し目を細めた。

 屋台スイーツ、そしてワインを堪能して。
 ふたりは、通りの比較的、開けた場所まで歩いてきた。屋台の区画から少しだけ離れた、赤い飾りとイルミネーションの煌めきに彩られたその場所に。
 互いに、その意味はちゃんと理解していた。やがて、どちらともなく足を止め、ゆっくりと向き合う。
 大切な人だから、その証を贈りたい。
 その気持ちは、同じだ。
「思えば、最初に肩を並べて戦ったのも中国を舞台にした奪還戦だったな」
「そうだったね」
 ぽつぽつと零した古安の言葉に、イツカはほんの少しだけ、懐かしむように目を瞑り。
 それでもすぐにまた、その瞳に古安を、彼だけを映すようにして。
「あなたに恋をして、あなたと一緒に歩んで育った、わたしのハートみたいに赤くて甘い林檎だよ」
 取り出したのは真っ赤で、瑞々しくて、艶があって、そして大きくて……そう、共に時を過ごして色づき、今も大きく育ち続けるその想いを表したような。
 本当はこれでも足りないくらいだけれど、収まりきらないその気持ちをぎゅぎゅっと詰め込んで。
「受け取って、くれる?」
 実った想いのその彩と大きさは、古安の心を満たしてくれた。
 だが、それだけでは足りないのだ。満たされるだけでは、満ち足りたとは言い難い。同じ想いの丈を返したい。そうして、イツカを満たしたい。
 共に満たされて初めて、ふたり満ち足りたと言える。
「もちろんだ。これまでも、これからも、一緒に絆を育んでいきたい。その気持ちを込めて、俺からも大きく育ったリンゴを贈らせてくれ」
 受け取って、そして渡す。それが贈り合うということ。
 想いを交わすということ。
「……ありがとう。大好きだよ」
 その言葉が全て。
 林檎も、染まる錦里古街も赤く、美しい。
 だが今は、寄り添うふたりの心の果実はそれよりも、何よりも、きっと――。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【友達催眠】がLV2になった!
【エイティーン】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】がLV2になった!
【リザレクション】LV1が発生!

ジズ・ユルドゥルム
【2】
カラン(g11878)と

縁あって面倒を見ている若者と、裏方として催しの手伝いに入る。

どうしてもカランを祭に連れ出したくて、「手伝い」という体で連れてきた。

彼をこの世界の人々ともっと関わらせたい。今、私達が生きているのは、蛇亀宇宙でも獣神王朝でもなく、最終人類史なのだから。

さて。動機はどうあれ、手伝いを申し出たからにはしっかりと務めを果たすぞ。

食材の足りなくなった店に【怪力無双】や【アイテムポケット】で食材を運び、溜まった食器を【クリーニング】で清掃し、
店を回りながら必要なことをどんどんやっていく。
なに、コンロが故障して鍋を温められない?ううん…カラン、【熱波の支配者】でこの鍋を温めてくれないか。
私は向こうで迷子の親探しをしてくる。

親探しから戻ったあと、カランの前に並んだたくさんのお菓子や飲み物に目を白黒させつつ

少し休憩しよう。君の法典に「もらったお菓子は粗末にするべし」とは書いていないだろう?

それはな、林檎飴というお菓子だよ。
おいしいか?
そうか、そうか。よかった。
よかったなぁ…。


カラン・ジェナ
【2】
婆様(g02140)と

…恩義ある婆様が、手伝いをしろと言うので来た。
祭に、興味はない。…嫌っているわけではない。興味、というものをどうやって持ったらいいのかが…分からん。
裏で働くほうが、性に合う。

婆様が働けと言う通りに、働く。
運べと言われたものを運び、清めろと言われた器を清め、温めろと言われたものを温める。
…子供の相手はあんたに任せる。俺が行っても、泣かせるだけだ。

しかし…なぜ、ここの人々は物怖じせず話しかけてくるのだ。俺が気の利いた返事をできんことくらい分かるだろうに。

…しかも皆、俺に果実や菓子を飲み食いさせようと迫真の勢いで迫ってくる…。
いや、いらん。飲み食いしに来たわけではない。
…ム…、好き嫌いはないが…ともかく、俺はいらん。
…いらんと言っても勝手に置いていく…。わけがわからん…。

戻ってきた婆様へ、温まった鍋と
どっさり置かれた菓子類を示し
店の者達が婆様へ礼を言っていたと伝える

…あんたも言うようになったな。誰の影響だ?

この丸いつやつやしたものは…林檎飴、というのか。
…うまいな。



(「……恩義ある婆様が、手伝いをしろと言うので来たが」)
 夜も深まりなお明るい、錦里古街の街並み。
 行き交う人々の賑わいも絶えず、そこかしこから楽しげな声が聞こえる……が、カラン・ジェナ(触れられざる者・g11878)は羽目を外すどころか、楽しんでいる様子もなかった。
 ……いや、厳密には、楽しみ方がわからない、と言った方が正しいだろうか。
(「祭に、興味はない。……嫌っているわけではない。興味、というものをどうやって持ったらいいのかが……分からん」)
 そう、彼が思っているのは知っていた。
 だからこそ、ジズ・ユルドゥルム(砂上の轍・g02140)は、縁あって面倒を見ている彼を連れ出したのだ。どうしても、この機会に彼を祭の場に連れ出したかった。恐らく彼は、裏方の方が性に合っていると考えているだろうから、自分自身も含めて『手伝い』という体で連れてきたのだ。
(「彼をこの世界の人々ともっと関わらせたい。今、私達が生きているのは、蛇亀宇宙でも獣神王朝でもなく、最終人類史なのだから」)
 最終人類史という『現在』を生きること。
 そこに息づく、人々の営みの中で、彼が苦しくならないように。
「さて。動機はどうあれ、手伝いを申し出たからにはしっかりと務めを果たすぞ」
 やると決めたからには、しっかりと最後まで。
 カランも、ジズの指示通りに働くつもりでいるようだ。
 ちょうどその時、アップルパイの屋台から声がする。
「そろそろ新しいのを作らないとな。店の倉庫から林檎出して来てくれ」
「はいっ!」
 どうやら力仕事が入用のようだ。
「よし、行こう」
 ジズが声を掛ければ、カランもこくりと頷いて、手伝いに向かう。
 そうして残留効果も駆使して、運搬が必要であれば運び、材料が足りなくなれば補充し、溜まった食器は洗ってすぐに使えるように。
「………………」
(「……うん、黙々と働いているな」)
 ちらと、ジズは時々カランの様子を確認していたが。
 黙々と作業をするのは、やはり苦ではないようだ。言われた通り、材料を運べと言われれば運び、食器を洗えと言われれば洗う。
 十分すぎるほど、彼はよくやってくれている。が、やはり祭を楽しめているか、と言われるとそこまで辿り着けていない様子。いきなり最初から馴染むというのも厳しいのだろうとは、ジズも理解はしているのだが。
「お、其処のお二人さん、一寸良いかい? 色々手伝って回ってるんだって?」
 と、思案するジズに声を掛けてくる者がいる。
 どうやら飲み物、特にグリューワインを売っている屋台の店員のようだ。
「なに、コンロが故障して鍋を温められない? ううん……」
 ジズが逡巡する様子を見せたのは、同じタイミングでどうやら親とはぐれてしまったらしい、まだ幼い少女の姿を見つけてしまったからだ。ぐすぐすと今にも泣き出しそうな気配。
 というわけで、ここは役割分担。
「カラン、この鍋を温めてくれないか。私は向こうで迷子の親探しをしてくる」
「わかった。……子供の相手はあんたに任せる。俺が行っても、泣かせるだけだ」
 子供の扱いに長けているとは言い難い自分が行くよりも、ここは素直に任せた方がいいだろうとカランも承知した。カランが店の手伝いに周り、ジズはそのまま迷子の方へ。
 適材適所というやつだ。
(「しかし……」)
 カランには、疑問が拭えなかった。
「ところでディアボロスの兄ちゃん、外国の人かい?」
「この国は初めて? 今日は存分に楽しんでいって頂戴ね」
「あっあの、よかったらこれ、どうぞ!」
「………………」
 やたら周囲の人間が、気さくに話しかけてくる。
 カランが馴染めていないと見てお節介を焼いているのだろうか、それとも単純に自分がディアボロスという存在だからか、或いはお国柄なのか。カランにはわかりかねた。
(「なぜ、ここの人々は物怖じせず話しかけてくるのだ。俺が気の利いた返事をできんことくらい分かるだろうに」)
 愛想を振りまいたり、気さくな返しが出来る性質ではないという自覚は十分すぎるほどある。
 それでも、全く気にした様子もなく声をかけてくる人々。更に言うなら、カランにとって不可解なことはそれだけではなかった。
(「……しかも皆、俺に果実や菓子を飲み食いさせようと迫真の勢いで迫ってくる……」)
 一人が差し入れを始めると、あれよあれよと食べ物飲み物を持って人が集まってきてしまった。目の前に積み上がる差し入れの山。
「折角だし、これも食べて行きな! 甘くて美味し〜いよ!」
「いや、いらん。飲み食いしに来たわけではない」
「ん? 甘い物は嫌いかい?」
「……ム……、好き嫌いはないが……ともかく、俺はいらん」
「なら遠慮しなさんな! 此処に置いとくからね!」
「………………」
 作業中のため、手は離せないが、カランは頭を抱えたい気持ちになった。
(「……いらんと言っても勝手に置いていく……わけがわからん……」)
 と、そこへジズが戻ってきた。
「カラン、そっちはどうだ? こっちは無事に親が見つかっ、て……」
 ジズが目を白黒させ、その頭上に疑問符を浮かべたのも、無理からぬことだっただろう。
 戻ってみれば、カランの目の前に食べ物飲み物、果てはお土産品らしいちょっとした伝統工芸の小物まで、ありとあらゆる差し入れが山のように積み上がっていたのだから。
 それでいて本人は解せぬという顔をしているし、やはり彼が望んで貰ったものではないらしいということだけは、すぐに察しがついたが。
「ああ、鍋を温めていたら、店の者達や通りすがりの者が置いていった。……いらん、と言ったのだがな……それと、店の者達があんたに礼を言っていたぞ」
「お、おう、そうか……」
 しっかり温まった鍋と、どっさり置かれた菓子類を示しながらそう答えたカランに、少しだけ面食らったジズだが。
 すぐに穏やかに、微笑んだ。
「なら、少し休憩しよう。君の法典に『もらったお菓子は粗末にするべし』とは書いていないだろう?」
「……あんたも言うようになったな。誰の影響だ?」
 なんて、軽口の欧州を重ねつつも。
 オープンスペースのテーブルを借りて、貰った差し入れを並べて座って。
 その中からふと、何とはなしにカランが取り出したのは。
「この丸いつやつやしたものは……」
「それはな、林檎飴というお菓子だよ」
「林檎飴、というのか」
 ジズが教えれば、反芻するように、カランが繰り返して。
 それから、おもむろに一口。
「おいしいか?」
 口の中で転がして、時折咀嚼して。
 それらが落ち着いた頃に、ジズが問えば。
「……うまいな」
 素直に、そんな感想が返ってきたものだから。
「そうか、そうか。よかった」
 何だか、感慨深くなってしまって。
「よかったなぁ……」
 自分の分を食べる手も口も、思わず止めて。
 黙々と食べるカランを、ジズは微笑ましげに見守るのだった。

 変わりゆくものへ、すぐに馴染むのは難しいかも知れない。
 それでも今、生きていく時代に触れるきっかけを得られたのなら、そこから何か、変わっていくこともあるのかも知れない。
 時折吹く風に揺らめく、光のように。
 明けない夜は、ないように。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【パラドクス通信】LV1が発生!
【水面走行】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV2になった!

ルゥルゥラナ・レイラ (トレインチケット)




(「そろそろ夜が明けますね」)
 運営の手伝いに来ていたルゥルゥラナ・レイラ(宵闇の刃・g08924)は、遠くの空にイルミネーションの光とは違う、淡い金色が混ざり始めたのに気付く。
 夜明けにはこのイベントも終わりだ。灯りは提灯のそれを残して落ちる。役目を終えた飾りたちはまた一年の眠りに就く。
 賑やかな人々の会話も呼吸も、静謐の朝に溶けていくのだろう。
(「清掃のお手伝いに行きましょうか」)
 祭りの終わりは名残惜しさを残すが、それは同時に日常へ帰るということ。
 現在を生きる人々には、必要なことだ。そしてそれが、穏やかであるよう心を砕くのも、ディアボロスの役目だ。
「エドガーさん、お手伝いしますよ」
「……そうか」
 そこでゴミ拾いをしていたエドガーに声を掛け、彼が片手で運んで引きずっていたゴミ袋を広げた。そして、彼がゴミを拾いに移動するのについていく。フラートもてちてちとその後を追い、ゴミ拾いを手伝った。
「日が昇る前に終わらせよう」
「そうですね。後片付けまでがお祭りです」
 名残惜しさよりも、やりきった充足感で、誰もがこの夜を終えられるように。
 古き良き成都の街並みが、美しい朝を迎えられるように。
善戦🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【水面走行】がLV2になった!
効果2【ダブル】LV1が発生!

最終結果:成功

完成日2025年12月28日