リプレイ
ラキア・ムーン
さて、まずは現場保存だな
アレの現状を全方位から撮影して、現状を把握
後は接触の為に必要な情報を集めよう
先ずは直には触りたくないし、様子見も兼ねて持って来た棒で羽と体
それから槍と鎖を突こう
時間が止まっている以上、どうともならんだろうな
無いとは思うが、近付いて発動する罠があっては困る
持って来たボールを数個ヘルヴィムにぶつけて様子を見よう
大丈夫だとは思うが
大丈夫そうなら接近して、心臓から一番遠い部分にある槍を手に取り抜けないか試すか
触った時に違和感等あればすぐに離せるように気を付けつつ、問題無ければぐりぐりと弄り抜けそうなら抜いてみよう
空いてた穴が閉じないように、抜くと同時に先程使用した棒を代わりに突っ込み穴の保持に使用
抜けた部分に変化は無いか、またこの槍について何か情報は無いかを確認
ついでに抜いた部分の周囲の時間が動き出す等、変化が無いかも確認しておこう
下手に現状を変えて藪蛇にはしたくは無いが……まあ、何かを得るにはある程度リスクが必要か
しかし、こうして見世物にさせられているのも気の毒だな
音羽・華楠
……いえ、真面目な状況なのは重々承知なんですけどね?
…………これだけは言わせて下さい――
――ヘルヴィムこいつ何で全裸なんですかー!?
せめてっ、下半身には何か……!
翼は服の代わりにはならないんですよ!!
……色々とあれですが、ヘルヴィムの姿をスマートフォン型式神霊柩丸で撮影。
その映像がエゼキエルの残党関連で役に立つかもしれませんし。
……とにかく、如何にしてヘルヴィムの時間を動かすか、ですよね?
奴に突き刺さってる黒い光の槍が怪しいですが――
……これ、私たちが触れても大丈夫なんでしょうか?
曲がりなりにも元・断片の王。
その座を退いてもジェネラル級相当の力はあったはずのヘルヴィムをここまで弱体化させてるのが、或いはこの槍かもしれないわけです。
……私たちだと、下手をすると触れただけで本当に死亡するだけの威力があるかも……?
ヘルヴィム、それにこの疑似ディヴィジョンの状況は、帰還前の奪還地域にも似てますよね?
なら、【勝利の凱歌】で時間を動かせる可能性はないでしょうか?
私はそれに期待して歌ってみます。
ラウム・マルファス
エゼキエル出身として思うところが無いわけじゃないケド、今は一旦置いておこウ
ボクは決戦前に新宿島に流れちゃったし、得られる情報は、とても大切だからネ
まずはゆっくり近づいて状態を観察
時は止まっているらしいけど、槍との関係性が気になるネ
時を止めるのが槍の効果なのか、それともココへ来て何者かに襲撃され、『自身と周囲の時が止まっている』ディヴィジョンを作って延命したのカ
ヘルヴィム以外の仕業なら、罠とか盗聴装置があるかもしれないからネ
鎖と槍は同じ存在の力なのか別物なのかもできれば調べタイ
もし死にかけてるなら延命を試みるヨ
情報貰うまで死なせるわけにはいかないからネ
心臓エネルギーでなんとかなりそうなら注いでみよウ
信仰が必要なら……嫌だけど何人か手伝ってもらって形式だけでも祈ってみようカ
時間を動かすのは、鍵が必要なら無鍵空間を使ウ
信仰や祈りが必要なら、頑張って対応しよウ
槍と鎖の権能なら、反応を見ながら少しずつ抜くヨ
ディヴィジョン自体の性質なら、ボク達がいることで排斥力が低下するから、そのうち目覚めるだろウ
●黒き『槍』と『鎖』の謎
大天使ヘルヴィムを含めた疑似ディヴィジョン内の時間は停止している。
この現象は、最終人類史に奪還済みで未帰還の地域と同様の状況と考えられた。そして、この疑似ディヴィジョンは最終人類史の影のような存在だ。
「人々を『帰還』させる時と同じように【勝利の凱歌】を使えば、大天使ヘルヴィムの時間も動き出すでしょうか?」
そう考えるディアボロスは、音羽・華楠(赫雷の荼枳尼天女・g02883)をはじめとして複数いた。
【勝利の凱歌】で時間を動かす範囲はディアボロスの任意である程度限定できる。
今月はロシアでスターシティの施設だけを動かしている他、全面『帰還』がままならない時期に、各国から有用なごく一部の人員だけを『帰還』させていた時期もあった。疑似ディヴィジョンのその他のエリアに影響を及ぼさずに、ヘルヴィムの時間だけを動かすことは可能だろう。
華楠とラキア・ムーン(月夜の残滓・g00195)は接触の前に、まず状況を保存しようと撮影を行っていた。
「断片の王だった者が、こうして見世物のようになっているというのも、気の毒といえるかもな」
ヘルヴィムの今の姿は、彼が冒した何かの『リスク』の結果かもしれないと、ラキアは考える。そんな中、華楠は耐えきれなくなったように、それまで誰も触れなかったことを口にした。
「――ヘルヴィム――何で全裸なんですかっ!?」
華楠は照れと怒りの入り混じったような表情を作りつつ、スマートフォン型式神霊柩丸のカメラをヘルヴィムへ向ける。ラキアは室内を撮影しながら、淡々と応じた。
「宗教画に近い姿だろう。それに、大天使やアークデーモンには……いや、クロノヴェーダには露出度が高いの、色々いないか……?」
「そうかもしれませんがっ……! でもせめてっ、下半身には何か……! 翼は服の代わりにはならないんですよ!!」
特にアークデーモンは鱗で覆われていたり、紫肌だったりもするので、露出度がよく分からない個体も色々といる。そうした敵については、戦闘時に気にはしないが、人間に近い姿だと意識してしまう点かもしれない。
賑やかに撮影を終え、いざ接触という段になって、華楠はぽつりと呟いた。
「……これ、私たちが触れても大丈夫なんでしょうか?」
黒い『槍』や『鎖』の存在は、どうしても考慮しなければならない部分だった。
「曲がりなりにも元・断片の王。その座を退いてもジェネラル級相当の力はあったはず……」
だが、今のヘルヴィムはパラドクスの使用もままならないほどに弱体化している。
その原因であろう『槍』や『鎖』に、華楠は強い危険性を感じ取っていた。
「下手をすれば、触れただけで死ぬんじゃ……?」
「では、まずこれを使ってみるか」
そう言って、ラキアは準備よく持参していた長い木の棒を、指先で軽く持った。
ラキアの手にした棒の先端が、ヘルヴィムの心臓から一番遠い部分にある『槍』に僅かに触れる。
その瞬間だった。
『槍』に触れた棒の先端が、泡のように弾けて消えた。
変化は先端に留まらない。泡化は一瞬のうちに、ラキアが棒を掴んだ部分へ及ぶ。
「ラキアさん!」
「……ッ!」
咄嗟にラキアが棒を捨てた直後、棒の全体が泡となって消える。だが泡への変化は指先に及んだ。舌打ち一つ、ラキアはパラドクスを発動させる。
「炎弾(フレイムバレット)!!」
炎がラキアの掌中で炸裂した。自らのパラドクスで指の第一関節から先を吹き飛ばしたのだ。
華楠のスマートフォンのカメラは、吹き飛ばされた指の先端が床に落ちるより早く、棒と同様、泡となって消えるのを捉えていた。
「変化、止まってますか!?」
「ああ……幸いな。少し休めば治るだろう。だが、厄介な状態だぞ」
ラキアが平静な表情を作って言う。
一瞬の出来事を見ていたディアボロス達も理解した。
「時間を動かせば、ヘルヴィムの体が一気に泡にされて消えるということですか……?」
「おそらくだが……。あの『槍』や『鎖』は見え方が違うだけで、性質は同一だろう。
いずれも、尋常でなく強い、具現化された『排斥力』だ。
触れればディヴィジョンから追い出されるばかりか、存在そのものが無に帰すほどの……」
ラキアは自身の体感した感覚を説明する。
華楠は触れたら即死する可能性を警戒していたが、不用意に触って全身を泡にされていたら、新宿島に漂着できない『完全な死』を迎える可能性すらあっただろう。
ラキアは遅れてやって来た痛みと共に、そう感じていた。
「その排斥される瞬間が、泡となって消えるように見えている……ということカナ」
ラウム・マルファス(研究者にして発明家・g00862)は、改めて状況を捉え直す。TOKYOエゼキエル戦争の出身者として断片の王に思うところはあるにせよ、今は必要なことを為さねばならない。
「大天使ヘルヴィムは、『槍』と『鎖』のせいで死にかけていル。
どうやら時間が止まっているのは、ヘルヴィムにとって幸いのようダ。
彼は『自身と周囲の時が止まった疑似ディヴィジョン』を作って延命したのカナ?」
『槍』に貫かれ、『鎖』に縛られ、なおヘルヴィムが存在を保っているのは、むしろ奇跡的と言って良いかもしれない。
「いずれにせヨ、彼をさらに延命しないと、情報をあまり引き出せそうにないネ」
時間を動かしたところで、一瞬でヘルヴィムが『排斥』され消滅してしまっては意味がない。そこで、ラウムはクロノ・オブジェクトの使用を提案する。
「『巨大神像の心臓』を持って来ようカ」
大天使は『信仰』の感情をエネルギーとする種族だ。
『円卓の間』に集まる世界中の『信仰』のエネルギーをクロノ・オブジェクト『巨大神像の心臓』で注げば、ヘルヴィムから情報を引き出すまでの時間を稼げるかもしれない。
「『槍』をどうにかする手段が、今後見つかるかどうかも分からなイ。
ここまで、散々手間をかけさせてくれたんダ。情報を貰うまで、死なせるわけにはいかないヨ」
何としても、ヘルヴィムから情報を引き出してみせる。
それは、この場にいるディアボロス達の総意に違いなかった。
●翼持つ者達の王は告げる
疑似ディヴィジョン内の時間は止まっており、最終人類史に戻って『巨大神像の心臓』を準備して来るのにも支障は無かった。エネルギー供給準備を整えると、ディアボロス達は【勝利の凱歌】を歌う。
ヘルヴィムの行いに感謝する者。歌声に『信仰』の感情を乗せようとする者。逆に渋々歌う者。
様々な感情の籠もった歌声が、ホールを満たしていく。
「いいネ、反応しタ……!」
ラウムが快哉を上げる。『巨大神像の心臓』に満たされていたエネルギーが減っていく。
それは『信仰』をエネルギーとする存在……大天使ヘルヴィムの時間が、【勝利の凱歌】を受け、再び動き出そうとしている証拠だった。
前触れのようにヘルヴィムの瞼から流れる血の雫が滴り、落下した床を赤く染める。
反応するように『槍』と『鎖』がヘルヴィムを消し去らんとするも、『信仰』のエネルギーはそれを阻止した。
急激な消滅を免れたヘルヴィムが、かすかに身じろぎする。
いまだ自由な身動きは出来ないまま、彼は安堵の混じった声音で、周囲で【勝利の凱歌】を歌っていたディアボロス達に言葉をかける。
「嗚呼、この力は……あなた達は、新宿区のディアボロスですね。
あなた達が、これ程までに強くなり、私に『信仰』の力をもたらすとは……」
ヘルヴィムは感慨深げに深く息をついた。そして想像を絶する苦痛に耐え、ディアボロス達がここに至るまでの道程を労るよう、穏やかな笑みすら浮かべて言葉を続ける。
「どうやら、我が子達は正しい選択を為せたようです。
あなた達、ディアボロスが生き延びた事も、私は祝福しましょう。
あなた達が、ここに来たという事は、《戴冠の戦》が始まろうとしているタイミングでしょうか。
さて、あなた達ディアボロスの主は、誰が務めているのですか?
アルケーか、セノイか、あるいはラミエルか。他の者でも構いません。
大至急、この場に呼び寄せてください。
これからの事を話し合わねばなりません」
(((──いや、何言ってんだコイツ)))
ディアボロス達は怪訝な表情を浮かべないよう、表情筋に力を入れつつ確信する。
(「大天使ヘルヴィムの意図と、最終人類史の迎えている現状は、大きく食い違っている……」)
ヘルヴィムは『大天使がディアボロスを率いている』のが、当然の前提であるかのように言った。
彼の意図したところでは、彼が姿を消した後、そうなるはずであったのだ。
だが、ただ単にヘルヴィムの言を否定していても埓が空かない。
『信仰』エネルギーには限りがある。
ヘルヴィムが消滅する前に、知る情報を引き出さねばならないだろう。
そのためには、どのように話を進めれば良いか……。
神妙な表情を作りつつ、ディアボロス達は考えを巡らせるのだった。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
効果1【未来予測】LV1が発生!
【勝利の凱歌】LV1が発生!
【無鍵空間】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!
【能力値アップ】LV2が発生!
又平・衣玖
アドリブ歓迎
これがTOKYOエゼキエル戦争の新宿区を再現した疑似ディヴィジョン、ですか
ヘルヴィムとの会話は気にはなりますが、私は私で気になることがあるので捜索します
敵もいないのなら【飛翔】して移動時間の短縮を狙いましょう
私が探索するのは新宿断層碑文が発見された各所です
断層碑文がもしもヘルヴィムと関係あるのなら、断層碑文が発見された場所にはなにかあるはずです
何も無いならないで、それはそれで空振りだろうとなんらかの判断材料にはなるでしょう、たぶん
此方の新宿駅もパラドクストレインの秘密があるかもしれないので気にはなりますが、最初にこの疑似ディヴィジョンに着いた時には特に違和感などはなかったのですよね?
まぁ新宿駅の地下など探せばなにかある可能性もゼロではないですかね?
なにかしら得た情報はトランシーバーかなにかでヘルヴィムと会話している皆様に逐次報告します
逆にヘルヴィム対応側からの情報から捜索のヒントがあるかもですけどね
又平・衣玖(お色気デーモンシスター・g09547)は、新宿区内の各所……他区との境界近くにいた。
「ここも無し……と。次へいきましょうか」
持って来たリストにチェックを入れると、彼女は翼を翻して飛び立つ。
衣玖は新宿区内を【飛翔】で飛び回っていた。彼女が巡っていたのは『新宿断層碑文』が発見された場所の数々だ。
2021年8月15日から、新宿島と他区の境界だった場所で、断層碑文は次々と発見された。それらの位置は過去の調査で把握されている。
光の壁で遮られ、新宿区外へ出ることはできない。断層を外側から調べることは出来ないが、そこは勝手知ったる新宿だ。
断層碑文が発見されたのと同じ場所へ赴いて地面を掘ったり、地下鉄線路であれば線路を歩いたりといった形で移動し、衣玖は碑文が無いことを次々に確認していた。
「断層碑文は、一種のクロノ・オブジェクトだと判明していますね。
そして、おそらく最終人類史に送っているのは南極にいる『絶滅人類史』の『観測者』……」
『新宿断層碑文』については、過去にもワイルド・カード主導での調査が行われ、何者かが発見されるように送ったらしいと判明していた。
そして《戴冠の戦》開戦時に行われた強行偵察で、南極に赴いたディアボロス達は『観測者』を名乗る存在と遭遇していた。僅かな時間しか接触できなかったが、そこで得られた情報は、ディアボロスの推測を裏付ける内容も含めた、非常に大きなものだ。
「そして観測者は、碑文伝達機能というものを使えるのですよね」
単独で送っていたのかは不明だが、観測者が断層碑文を送っていた一員であること自体はほぼ確実だろう。
「ですが……やはり、TOKYOエゼキエル戦争の時点では、まだ送られていなかったようです」
光の壁のせいで調べられない場所も何箇所もあったが、おそらく同様だ。
初期の『新宿断層碑文』には巨大なものも複数ある。
このディヴィジョン……TOKYOエゼキエル戦争の新宿区にも送られていたのであれば、幾つかは発見できたはずだ。
「観測者が断層碑文による情報支援を始めたのは、最終人類史の確立以降と考えて良さそうです。特別扱いされているのは、最終人類史に辿り着いたディアボロスだけなのでしょう」
ディアボロスが生き残り、死を経ずに直接合流したディヴィジョンとしては、火刑戦旗ラ・ピュセルも存在する。だが、彼らが断層碑文を現地で見たという話は聞いたことが無い。他のディヴィジョンの出身者達も同様だ。
「私のような他のディヴィジョン出身者も、最終人類史に来る前と後で大きく変化しています」
成長の速さと戦闘力の高さ。
ジョブとパラドクスの豊富さ。
一般人を『帰還』させると、成長限界が上がる現象。
攻略旅団でディアボロスが支持した内容で、自分達ばかりか最終人類史の人々の行動にまで良い影響を及ぼしうる能力。
致命的なダメージを受けても、最終人類史に漂着する形で蘇生できる能力。
『断層碑文』による情報的な支援。
時空を越える『パラドクストレイン』と、その情報を読み取れる時先案内人の存在。
そして本拠地にして決戦兵器である『新宿島』。
いずれも、他のディヴィジョンで滅ぼされたディアボロスには無いものだ。
それらのうち「単に他のディヴィジョンでは得る機会が無かっただけのもの」「最終人類史のディアボロスの特殊性ゆえに得られたもの」はそれぞれどれなのか?
観測者が最終人類史にだけ肩入れしている理由と、逆に観測者が肩入れした結果として得られたものは?
今の衣玖には、ただちに正確に判断することは難しかった。
「各ディヴィジョンの確立前に滅ぼされた、現地のディアボロス。
最終人類史のディアボロス。
そしてディアボロスに近い存在と思われる『絶滅人類史』と……《刻逆》を使った者達」
ディアボロスといっても、様々だ。
『新宿決戦』は、ディアボロスの変化にどれほど関係しているのか?
それを突き止めるための問答は、衣玖の見上げる新宿カテドラルの上層で行われようとしていた。
成功🔵🔵🔵🔴
効果1【飛翔】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
ヘルヴィムに跪き、頭を垂れ臣下の礼節と大天使への信仰と敬意を示そう
ヘルヴィム様、お会いしたく存じました
復讐の力持つ我々を迎え入れられたこと
貴方様の慧眼であらせられました……
主たるラミエル様(主の名は先の方に合わせる)には、既にご報告申し上げましたが
戴冠の戦という大局に面し、参られるには時間がかかりましょう
その間にも、急ぎ我々がお伝え出来る事をお伺いします
しかし、おいたわしいお姿……一体何者が貴方様にそのような仕打ちを……?
我々はイレギュラーたる存在……
もしや、我々を迎え入れることが罪であったというのでしょうか
会話の主題は
『ヘルヴィムが槍打たれた理由と、槍を打った存在』について
彼は消失を避けるため他の区を切り離し、ジェネラル達に王の座を競うよう言い残したとして
今の瀕死の状態さえ加味していたように思える
黒い槍はおそらく外部の強烈な力、なら
何者の仕業か
彼が槍打たれるに至ったものが禁忌なら、何であったのか
ディアボロスとはそれほどまでに価値あったのか
復讐だけならキマイラウィッチも強力であったが……
イシュア・アルミゴス
これは…仕方ない。
片膝をつき、頭を垂れて敬意をもって嘘をつこう。
まず状況を共有いたします。
戴冠の戦は既に始まり、我らの王はラミエル様です。
我々は大天使の方々の麾下、多くの敵と相対してまいりました。
しかし現在、イレギュラーたるアルタン・ウルクの苛烈な侵攻により
防衛および一時的同盟を結ぶための交渉に追われ、
王を含め、この場へ赴くことは叶いませんでした。
その為僭越ながら我々が伝言役を務めます。どうかご容赦ください。
本題なのですが新宿決戦の際、貴方様は勝利も敗北も選ばず
ディアボロスを滅ぼさず、王座を他へ委ねられました。
それは慈悲でも、敗北の結果でもないと認識しております。
故にお尋ねいたします。貴方様は一体、何を見られたのでしょうか。
何を成した結果として、そのようなお姿になられたのか。
幾つかの偶然が重なり、我々は今回、貴方様を発見。
救出に動きましたが、信仰の力は永続せず
王すら排斥し得るその力に我々は抗う術を持ちません…。
どうかそのお心を、今なお帰還を待つ方々へ伝えさせてください。
四葩・ショウ
(――そういうことなら)
ばさりとペリース翻して
すぐさま跪く
その通りだ。大天使ヘルヴィムさま
(まずは、
大天使の思惑通りの使徒を演技してみせよう
『黒き槍』の正体を識るためにも)
わたし達は新宿区のディアボロス
われわれの主に代わって、ヘルヴィムさまを迎えにきた
残念だけど、すでに戴冠の戦は始まっている
今は2017年12月、残るディビジョンは4つ
わたし達TOKYOエゼキエル戦争は
13のディビジョンに勝利を納めた
(もしも
新宿断層碑文とヴェーダ・クロニクルがなくて
導き手として大天使があらわれたなら
新宿島のわたし達は、かれらの使徒になってただろうけど
そうならなかったのは、何故?
そのヒントが槍と鎖にあるはず)
ヘルヴィムさま
貴方を縛める、忌々しきその槍と鎖は
誰の仕業なのかな? 強力な排斥力のようだ
一刻も早く貴方を解放しなければ
齟齬で訝しがられるなら臨機応変に
新宿決戦後大天使さま方からも、貴方の真意が失われてしまった
だからわたし達は戴冠の戦に間に合わなかったんだ
意図的な排斥力が働いたのかもしれない
って誤魔化そう
●演技開始
「その通りだ。大天使ヘルヴィムさま」
ヘルヴィムの告げた内容を聞き、咄嗟にペリースを翻し跪いたのは、四葩・ショウ(After the Rain・g00878)だった。
「わたし達は新宿区のディアボロス。われわれの主に代わって、ヘルヴィムさまを迎えにきた」
「ヘルヴィム様、こうしてお会いできたこと、誠に光栄です」
「しかし現在、イレギュラーたるアルタン・ウルクの苛烈な侵攻により、防衛および一時的同盟を結ぶための交渉に追われ、王を含め、この場へ来ることは叶いませんでした」
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)とイシュア・アルミゴス(守護星蟲・g00954)が、ショウに続いた。信徒が信仰と敬意を示すかのように跪き、話を合わせる。
「残念だけど、すでに《戴冠の戦》は始まっている。
残るディヴィジョンは4つ。わたし達は、13のディヴィジョンに勝利を収めた」
「主たるラミエル様には、既にヘルヴィム様の発見をご報告いたしております。
ですが、《戴冠の戦》という大局に面し、このディヴィジョンへ到達するには時間がかかりましょう」
「その為、僭越ながら我々が伝言役を務めます。どうかご容赦ください」
「私という王無しで、そこまでの大勝利を……?」
ヘルヴィムは、凄まじい大戦果の報告に、疑問を抱いたようだった。
エトヴァは話を逸らすように、痛ましげにヘルヴィムへ告げる。
「しかし、おいたわしいお姿……。一体何者が貴方様にそのような仕打ちを……」
「全く、ヘルヴィムさまを縛めるとは忌々しい……! その槍と鎖は誰の仕業なのかな? 強力な排斥力のようだ。一刻も早く貴方を解放しなければ」
「一体、何を見られ、何を成した結果として、そのようなお姿になられたのか」
「我々はイレギュラーたる存在……。もしや、我々を迎え入れることが罪であったというのでしょうか」
口々に言い、ヘルヴィムを心の底から案じているように問うディアボロス達。
ヘルヴィムはひとまず疑問の追求を止め、ディアボロス達の疑問に応える姿勢を見せる。
「ジェネラル級達にあなた達を導くよう命じ、新宿区を私のディヴィジョンから分離させ、あなた達ディアボロスへ私の力の一部を譲渡する……。
私にとってはつい先程のことですが、短時間に為さねばならないことは多く、ごく限られた情報しか伝えることはできませんでした。
《戴冠の戦》が既に大詰めであるならば、改めて説明できることもあるでしょう」
(「今すごいこと言わなかった!?」)
(「分かってるフリで! 『新宿決戦』で起きたことを、当然お互いに知っていると思われている!」)
イシュアとエトヴァは叩き込まれた情報に混乱しつつも頷いておく。
ヘルヴィムの瞼が閉ざされているのは、幸いであったかもしれない。
「戦の後に備える必要もある。繰り返す時間も惜しい。録音して、ラミエル達にも共有して下さい」
「勿論です。どうかその御心を、今なお帰還を待つ方々へ伝えさせて下さい」
21世紀の東京を統治していた断片の王らしい指示を出したヘルヴィムは、イシュアの促しを受け、話を始めた。
●裁きの理由
「さて、あなたは『罪』と言いましたが……『ルール違反』というべきかも知れません。
最も大きなものは、私があの時、戦いに関する様々な事実を『思い出してしまった』ことです」
ヘルヴィムは、先程のエトヴァの言葉に対する回答を口にする。反応したのはショウだ。
「事実を、思い出してしまった? もしやヘルヴィムさまにも、南極の『絶滅人類史』の者達と同様の制約が?」
類似した現象を、《戴冠の戦》開戦時の遭遇で、ディアボロス達は知っていた。
ショウをはじめ、南極へ強行偵察に赴いたディアボロス達は《戴冠の戦》の開戦時、南極に潜む『絶滅人類史』の観測者を名乗る存在と遭遇している。
その際、観測者は最終人類史のディアボロスに味方する姿勢を見せつつも、情報伝達に著しい制約をかけられていたのだ。
「既に彼らと接触していましたか……!」
「はい、一時的な遭遇でしたが。流石はヘルヴィムさま。彼らのことをご存知とは」
「ところで『絶滅人類史』と名乗ったのですか? 自虐的ですね。いえ、自覚的でしょうか……」
ショウとヘルヴィム、双方が驚いた様子だったが、ヘルヴィムが南極勢力こと『絶滅人類史』のことを知っているのは確定的だった。
それもまた、『思い出してしまった』事実の一部なのだろう。
「わたし達の遭遇した『絶滅人類史』の者は、何らかの制約でまともな会話もままならない状況でした。
もしや、ヘルヴィム様のその『槍』は、制約を破ってしまった故に……?」
「彼らのことを知っているのであれば、その想像は正しいでしょう。
ですが、どこまで話せるか……。未来の情報を持ち込めば排斥される。『断片の王』になった者には、排斥力に一定の耐性がありますが、それでも、まだ条件の厳しい早期に受けたのは拙かった……」
排斥力の『槍』が軋む。ヘルヴィムの表情が、痛みに歪んだ。
(「つまり『槍』は直接的に誰か攻撃して来たわけではなく、断片の王に科された制約の発動? でも、何故?」)
ヘルヴィムが何を考え、『新宿決戦』で何をしたのかを改めて知る必要がありそうだと、ディアボロスは判断する。
●『新宿決戦』の顛末
イシュアは話をヘルヴィムが姿を消した『新宿決戦』へ向ける。
「……『新宿決戦』の際、貴方様は勝利も敗北も選ばず、ディアボロスを滅ぼさず、王座を他へ委ねられました。あの行為は単なる慈悲でも、まして我らに敗北すると思われたからでもないと認識しておりますが……」
「あの戦いは、そう呼ばれているのですね。
そもそも、私が断片の王として有した知識は『あなた達ディアボロスもまた、真の敵に対抗する力となりうる存在である』ということでした。
それ故に、クロノス級によるディアボロス絶滅を行うことはしませんでした」
そればかりかヘルヴィムは、クロノヴェーダを人間に憑依合体させ、天使とデーモンという『異種族』が生まれることも許している。
異種族はクロノス級以上の強力なクロノヴェーダになりやすい一方、人口比で見た時、明確にディアボロスにもなりやすい。
「ディアボロスとクロノヴェーダが一時的に敵対したとて、いずれ《刻逆》の先にある戦いを知れば、融和は叶うはずでした」
ディアボロス達はヘルヴィムの言葉を受け、もし彼が言ったように自分達がTOKYOエゼキエル戦争の傘下に入っていたら、その戦い方はどうなっていたかを想像する。
ディアボロスは『効果を残留させて積み重ね、仲間全員が利用可能にする』能力を持つ。残留効果は、本来圧倒的な力の差がある強敵達との戦いを勝利に導くほどに強い。
クロノヴェーダは、この蓄積が行えないが、パラドクスの効果自体は使える。
では、クロノヴェーダとディアボロスが完全に仲間として協力し合えば、どうなるか。
「個体戦闘力で勝る大天使様達を、ディアボロスが残留効果で支援する……十全に協力しあえば、我らに勝てるクロノヴェーダ種族など存在しません」
エトヴァの断言に、ヘルヴィムは感心したような表情を作る。
それこそが、ヘルヴィムの思い描いた最強の布陣だったのだろう。
「ですが……あの戦いの中で、私は重要な『別のルール』を思い出していました。
ディヴィジョン分割の確定前に、『復讐』の感情が鎮まらなければ、《刻逆》発動時のディヴィジョンとして確立できない、と」
「なんと……!」
それはおそらく、『絶滅人類史』の二の轍を踏まないための措置だろうと推測できた。
(「火刑戦旗ラ・ピュセルにもディアボロスはいたが、ジャンヌ・ダルクは『一時的にディアボロスを完全勝利させて復讐対象をなくす』『キマイラウィッチ全てを仮死状態にする』という大博打で、このルールをクリアしたのか。……いや、理屈がついても無茶だな……」)
火刑戦旗ラ・ピュセルの断片の王の血塗られた笑みが、エトヴァの脳裏を過ぎった。
「ですが、あの時、ヘルヴィム様は私達を滅ぼすのではなく、別の道を選んで下さいました」
「そうです。《戴冠の戦》の後に待ち受ける『真の敵』と戦うため、私達は力を合わせねばならないのですから……。私の元に辿り着いたディアボロスは、停戦に応じてくれましたね」
「はい。騙されるだけではないかという者もおりましたが……貴方様の言葉を信じたのは幸いでした」
イシュアは話を合わせておく。
新宿決戦の最終局面において、ヘルヴィムは戦うのを止め、配下にも攻撃停止命令を出した。
どうやらディアボロスの側も、攻撃を止めていたらしい。
(「まあ、僕達を『当時直接会話したディアボロス本人ではない』と見て言葉を飾ってるよね。拒否すれば死ぬから、乗らざるを得ない状況だったんじゃないか?」)
イシュアは当時の現地ディアボロスの心境を思うが、実際に覚えているディアボロスがいない以上、予想するしかなかった。
「もっとも、長く話す暇はありませんでした。
一つの記憶を呼び水として、私は連鎖的に多くを思い出し、世界から排斥されようとしたのです。
それに単なる対話程度で、ディアボロスの『復讐』の感情を完全に鎮めるなど、不可能であるとも分かっていました」
ヘルヴィムも断片の王とはいえ、自分の弁舌に盲目的な自信を持ってはいなかったらしい。
「私と共に、私のディヴィジョンが完全に消える……それは避けねばならない。
故に、私は各区のジェネラル級に後事を託し、あなた達を導くよう指示した。その後、『新宿区』を私のディヴィジョンから切り離し、同時にその影たるこのディヴィジョンを形成したのです」
「わたし達に力の一部を与えられたのも、その時だね」
先程のヘルヴィムの言葉を繰り返すショウに、ヘルヴィムは肯定の言葉を返す。
「そうです。集団を王にし、ましてやクロノヴェーダですらない相手への譲渡……。
何が起きるのかは分かりませんでしたが、あなた達からは、他のディヴィジョンの気配も感じる。
他のディヴィジョンの力も取り込めたのですか?」
「まさしくその通りです!」
「なるほど、その力があればこそ、多数のディヴィジョンに打ち勝てたのですね」
「ええ、『復讐』の力持つ我々に力を与えられたこと、貴方様の慧眼であらせられました……!!」
都合よく解釈するヘルヴィム。
エトヴァは顔を伏せ、ヘルヴィムを激賞しつつも、別のことを考えていた。
(「他のディヴィジョンで滅ぼされたディアボロスの漂着もそうだが、ヘルヴィムの意図していない事象が多々起きているようだな……」)
ヘルヴィムが切り離した新宿区は、彼が思っていたような、単なる『ディアボロスのディヴィジョン』にはなっていない。
新宿区のディアボロス達はクロノヴェーダでなく断片の王もいない。
自分達に有利となる都合の良い歴史改竄などは、当然行えなかっただろう。
その結果、新宿区は《刻逆》発動時に、ディヴィジョン化の影響を免れた。
本来の歴史の人々と共に『最終人類史』として維持され、ディアボロスが漂着する地となったのだ。
イシュアは顔を伏せ、ヘルヴィムのことを皮肉げに評価する。
(「ディアボロスの大恩人、僕達に滅ぼされたクロノヴェーダにしてみれば大戦犯だね」)
「《戴冠の戦》が始まれば、私に科せられた排斥力も弱まる。
その後に私を解放するよう伝えていましたが……。数々のディヴィジョンに勝利を治めているとは。
実に喜ばしいことです」
TOKYOエゼキエル戦争の滅びも知らぬままに告げられる言葉を、ディアボロス達はそれぞれに、何とも言い難い表情で受け止めた。
●排斥される意志
「しかしあなた達の主が、ラミエルとは……。
元々融和を訴えていた彼女なら、切り替えは早かったのかもしれませんが」
「……新宿決戦後、大天使さま方からも、貴方の真意が失われてしまっていました。
それ故、わたし達が来るのもここまで遅れた。
もしかすると『意図的な排斥力が働いた』のかもしれません」
ヘルヴィムに誤魔化して答えながら、ショウは別の確信を抱いていた。
(「ヘルヴィムは、わたし達ディアボロスを『大天使やアークデーモンの傘下勢力』として考えていた。
もし、『新宿断層碑文』とシメオン・グランツさんの持つ『ヴェーダ・クロニクル』がなかったなら。
TOKYOエゼキエル戦争の大天使達が、新宿区が別のディヴィジョンになっていると最初から気付き、《刻逆》発動の直後に霧を渡って現れ、わたし達を導いていたなら……。
新宿島のわたし達は、かれらの使徒になっていた可能性は高い」)
だがヘルヴィムの意志は、TOKYOエゼキエル戦争のジェネラル級達にまともに伝わらなかった。
新宿決戦に参戦したはずのディアボロスは、そこで起きたことの記憶を失った。
ヘルヴィムが送ったと言っている各区への伝令は、後に影響を及ぼしていない。
各区の支配者も、直属軍も、誰もヘルヴィムの真意を理解していない。
ヘルヴィムがディアボロスをあえて滅ぼさなかった意図も謎となった。
幾らなんでも、不自然なことが重なり過ぎている。
そして、ディアボロス達は、こうした不自然な情報の喪失を起こしうる原因を知り、目にしていた。
(「《刻逆》の真相を思い出したヘルヴィムの意図を阻害するよう、排斥力が働いたんだ!」)
ショウは『槍』を見る。先程、彼女自身の言ったことが真相の一端だろう。
『都合の悪い記憶や情報を消す』のは、排斥力の基本的な作用の一つだ。
各ディヴィジョンに働く排斥力は、ディアボロスの存在を直接関与した一般人からすら忘れさせ、行為の影響をも失わせる。そうした現象をディアボロス達は幾度となく経験し、対策を講じてきた。
(「断片の王すら世界から排斥する程の強烈な排斥力が働いた時、その王に関係した者は影響を受けなかったか? ……無理だね。影響を受けるに決まっている」)
ヘルヴィムが『槍』を受けた影響は本人のみならず、新宿決戦に参戦したディアボロスや、ヘルヴィムに仕えたクロノヴェーダ達の記憶、各種情報にまで及んでいる。
それこそが、ヘルヴィムにまつわる情報の混乱の原因に他ならなかった。
●今、問うべきことは
「ラミエル達は、まだ来ないようですね。
で、あるならば、私は再び時を止め、眠りにつくべきでしょう。
あなた達の強さと戦果は、私の想像を大きく上回っている。
ならば、あなた達が知るべきことを伝えるべきでしょう。
既に《戴冠の戦》が大詰めなのであれば、《刻逆》の先について、あなた達は知らねばなりません。
ですが、制約は私を蝕んでいる……質問には慎重にお願いします」
ヘルヴィムは間違いなく《刻逆》と、その先にある戦いについて多くを知っている……。
だが、真相を直接的に口にしたが最後、今度こそヘルヴィムは消え去るだろう。
彼がまたしても自身の発言で自爆しないよう、ディアボロス達はより的確な質問をする必要があるようだった。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
効果1【照明】LV1が発生!
【操作会得】LV1が発生!
【クリーニング】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】がLV3になった!
【リザレクション】LV1が発生!
四葩・ショウ
(ディアボロスの中で
ゆるせないと叫んだ、怒り
わたし達はそれを、刻逆とクロノヴェーダによるものだと思ってる
でも
本当の復讐は別のものに由来してた、とか?)
(情報を与えることで刻逆の関係者が
『真の敵』のことを思い出さないようにした?
だったら、
あのジャンヌ・ダルクが『復讐者は何も奪われていない』と告げたのも
……間違いじゃ、ない)
マドンナブルーの焔涙が伝う、
白百合の天使のネメシス(復讐神)形態へ姿変えて
(海神はこの力が『真の敵』のものであるような口振りだった
何かを思い出しそうになって苦しんでいるように、みえた
彼は『思い出している』し
『目をとじている』けど――感じることは、出来るはず)
ヘルヴィムさま
わたし達にはピンチの時に、発揮できる力がある
『思い出した』きみが、力を分け与えたから
こうなったのかはわからないけど
(かれが思い描いた構図通り
大天使の『信仰』をディアボロスがアシストしているなら
この先も問題はないのだろうけど。実際は、ちがう)
【この力を宿したままでも
わたし達に勝利は、あると思うかな?】
ソレイユ・クラーヴィア
断片の王は、元絶滅人類史の人間が変化したもの
王によって持つ知識の差があったのは、取り戻した記憶の差という事でしょうか
トループス級に覚醒する方法が常に一般人を介していたのも納得ですね…
あまり嬉しくない真実ですが
真の敵はディアボロスと同種の力を使うとのこと
かの者も、何らかの復讐心から地球へ侵攻したと仮定して
膝をつき頭を垂れ、問います
地球は宇宙で、どんな罪を犯してしまったのでしょうか?
真の敵の能力や詳細を直接は語れないのであれば、彼らがどうしてそうなったかの過程を知る必要があります
全く価値観の違う未知の存在であればどうしようもありませんが
復讐には、必ず原因がある筈です
ヘルヴィムはディアボロスも真の敵に抗する力が未来予知に関係しているとして力を分け与えたのとしたら
真の敵の復讐の源を予知し、刻を遡り、始まりへと到達できれば
真の敵に抗することに繋がるのではないかと考えます
南極の観測者は語りました
「正当な怒りを忘れないで欲しい」と
それは真の敵にも言える事ではないでしょうか
正直、外れて欲しい予想ですけど
カタリナ・スノーホワイト
初めましてヘルヴィム様。私はカタリナと申します
ヘルヴィム様の寛大な御心と遠大な思慮に救われて参りました
膝を突き礼を尽くして、あくまで信仰の心を示す
もっとも、その言葉は全くの嘘ではない
これまで生き延びる事が出来たのはヘルヴィムのお陰でもあるのだから
こんな状態になってまでも逆転出来る手札があるからこそ
ヘルヴィムはあえて囚われの身となって今に至るのであれば
その根拠を知る事が出来ればディアボロスの力に出来る筈
だってクロノヴェーダとディアボロスの連合の為だけに
ここまで身を削る真似をするとは思えないもの
本当の敵が恐れる真実がそこにあると思うから
今後に繋がるであろうヘルヴィムの当初の目論見を知る事が出来れば……
サブリエル、リリアナと共に恭しく首を垂れて懇願する
手にした光の杖で癒しの力を示す事で
ヘルヴィムへの恭順を示しながら言葉を紡ぐ
これまで数多の難敵を討ち破れたのもヘルヴィム様の加護のお陰
かつて生き抜く為の力を与えて下さった様に
わたし達が戴冠の戦を戦い抜く為の標を
ヘルヴィム様……どうかお示し下さいませ
アンゼリカ・レンブラント
(排斥力を甘く見すぎたことと
「うっかり」が事態の原因かな…
ここからは慎重に質問をしていこう
ヘルヴィムを激賞し、気分よく話してもらう
【未来予測】を常時使い
彼が消え去り始めることが見えたら言葉を止める)
●質問
《戴冠の戦》は既に大詰めを迎えています
しかし『絶滅人類史』の『観測者』のうち
私たちが接触した者以外は我々の勝利を望んでいないといいます
『もし、《戴冠の戦》が決着を迎える前に
『絶滅人類史』が私たちと戦うことになった際は
それに抗う術はあるのでしょうか』
(場合によっては他ディヴィジョン攻略完了前に
南極に再度行かなければならないよね)
もう1つ尋ねられるなら《刻逆》の先について
《戴冠の戦》の後に待ち受ける『真の敵』
彼らについて知る事ができれば一番ですが、
認識することで彼らに感知されるリスクがある事も私たちは知っています
『観測者』は彼らに「断片の王でなければ、勝利できない」と言っていました。
《戴冠の戦》の勝者・絶対の王となった
断片の王だけが彼らに対抗できる力がつくのか
それとも既に力はあるのでしょうか
●断片の王の意義
カタリナ・スノーホワイト(Tears Drop・g05001)は奇妙な感慨を抱いていた。
(「これまで生き延びることができたのは、ヘルヴィムのお陰でもある……」)
複雑な心境を抱えつつ、カタリナはオラトリオのリリアナと並び、杖から【活性治癒】の力を発する。通常の生物とは異なるヘルヴィムを癒せるものではないが、彼への恭順の意志を示す意図だ。
「これまで数多の難敵を討ち破れたのもヘルヴィム様の加護のお陰。かつて生き抜く為の力を与えて下さったように、わたし達が《戴冠の戦》を戦い抜く為の標を、どうかお示しくださいませ」
カタリナに続きアンゼリカ・レンブラント(光彩誓騎・g02672)が進み出た。
《刻逆》発動間近の状況で、新宿決戦をはじめ様々なことが起きたためにヘルヴィムは今のような憂き目に遭っている。その轍を踏むわけにはいかないと、アンゼリカは慎重に話し始める。
「《戴冠の戦》は既に大詰めを迎えています。しかし『絶滅人類史』の『観測者』のうち、私たちが接触した者以外は、私たちの勝利を望んでいないといいます。
『観測者』は「断片の王でなければ、勝利できない」とも言っていました」
ディアボロスは、《戴冠の戦》の『イレギュラー』とされて来た。
断片の王という究極の個がいなければならない、《戴冠の戦》に勝利してはならない存在である……。
ディアボロスを否定する言説は、繰り返し聞かされて来ていた。
「あなた達にも、苦労をかけましたね」
ヘルヴィムはアンゼリカの発言を、だからこそ自分の復活を望んでいると捉えたらしい。アンゼリカはそんな彼に問う。
「『観測者』の発言どおり、《戴冠の戦》の勝者……唯一絶対の全なる王となった断片の王だけが、『真の敵』に対抗する力を得られるのでしょうか?」
「そうですね。《戴冠の戦》に勝利した王こそが、新たな人類史を統べる存在となります」
ヘルヴィムは、アンゼリカの言葉を肯定する。
「《刻逆》を経て確立される新たな人類史は『巨大な感情エネルギーを発生させた』歴史となる。
断片の王は、人類史の改竄によって生じるエネルギーで、『真の敵』との戦に勝利するのです」
それはヘルヴィム自身が断片の王であるという立場から、その価値を強調している部分もあるかもしれない。だが少なくとも、ヘルヴィムの知る計画ではそういう位置づけなのだろう。
自分の前にいるディアボロス達が、彼の意図から外れた『最終人類史』に集った者達であることを知らないヘルヴィムは、さらに告げる。
「戦いのため、地球と人類史の全てを、私への『信仰』と『畏怖』を生む機関と為す必要があります。
あなた達は、ラミエル達と共に計画を練り、実行して下さい。
断片の王は地球の勝利のために存在し、地球は断片の王の勝利のために存在するのですから」
(「ひどいワン・フォー・オール、オール・フォー・ワンもあったものですね」)
(「《刻逆》って、こういう『人間と人類史を完全に資源として扱える精神性』が必要なの?」)
カタリナとアンゼリカのみならず、話を聞いていたディアボロス達は、あまりの発言に絶句する。
ヘルヴィムは、そんなディアボロス達を激励するかのように告げた。
「あなた達は、私が不在の状況下でも、ラミエル達と共に13ものディヴィジョンを破った。
『真の敵』との戦いでも、私達の力となってくれることを期待していますよ」
「……ありがたいお言葉です」
カタリナは深々と頭を下げてみせる。
ヘルヴィムの認識はさておき、現在のディアボロス達は自分達の行動方針として『人命最優先』を掲げ、一般人に積極的に『復讐』の感情を抱かせるようなこともしていない。
『帰還』していない地域も多く、クロノヴェーダ的な見方をすれば、最終人類史という『全ディヴィジョンの中でも人口の豊富な時代』のポテンシャルを、完全に活かせているとは言い難いのは事実だろう。
クロノヴェーダ相手の奪還戦には連戦連勝とはいえ、ディアボロス達はその点に一抹の不安を覚える。
一方、ヘルヴィム自身に、自身が最強の個として積極的に敵と交戦する意志は感じられない。
断片の王という個人が不在でも、『真の敵』に戦いを挑むこと自体には支障がなさそうなのは、ディアボロス達にとっては幸いであると言えた。
「ですが、『絶滅人類史』が私たちを妨害して来る可能性は無いのでしょうか?」
不安げな様子を作るアンゼリカ。
ヘルヴィムはなだめるように、優しげな表情を浮かべてみせる。
「安心なさい。彼らは私以上に『排斥力』の影響を受けている。現在の地球ではまともに動けません。
それに、あなた達は、私やラミエルの傘下について戦っているのです。争う必要はありませんよ」
その答えは、《刻逆》の目的と異なるイレギュラーになっているディアボロス達と『絶滅人類史』が争う可能性が僅かながらもあることを意味していただろう。
だが、ディアボロス達はそれ以上に確認せねばならないことがあった。
「あの、ヘルヴィム様は、いずれ御自ら私達にご助力いただけるのですか? その『槍』や『鎖』は……?」
先程から、ヘルヴィムは『自分がディアボロスに助力する』という前提で話し始めている。
心配げに問うカタリナに、ヘルヴィムは鷹揚に応じた。
「先程の会話で確信しました。『排斥力』の縛りは緩んでいる。私がこうして会話を続けられているのは、あなた達の助けは勿論ですが、『排斥力』が弱まりつつあるのも一因です。
《戴冠の戦》が開戦しているならば、この『槍』や『鎖』が力を失うのも遠くはないでしょう」
「それは……素晴らしいことです!」
喜んでみせるカタリナを含め、ディアボロス達はヘルヴィムを消す必要性が高まったのを感じる。
TOKYOエゼキエル戦争のジェネラル級の残党も、そのほとんどは撃破しているはずだ。
だが、大天使ヘルヴィムが自由を取り戻し、合流でもされれば、また面倒な事態が起きるのは火を見るより明らかだった。
●断片の王と真の敵
ソレイユ・クラーヴィア(幻想ピアノ協奏曲第XX番・g06482)は、先刻のヘルヴィムの発言から一つの確信を得ていた。
(「『断片の王になった』……つまり、断片の王は元絶滅人類史の人間が変化したのでしょう」)
クロノヴェーダのほとんどは、人間や各ディヴィジョンの異種族から覚醒している。
同様、ディヴィジョンを形成した断片の王も本来は人間だったというのは、自然な話ではある。
(「断片の王として有した知識の差があったのは、思い出した記憶の差か、あるいはそれだけは残したのか…………」)
だが真相の一端に触れながらも、ソレイユはあまり喜べなかった。
宇宙から襲来したと思しき『真の敵』が、そもそもの原因ではあるのだが。
(「とはいえ、地球の歴史全てを巻き込んだ《刻逆》と、それにもとづく悲劇の数々が、異なる歴史を辿ったとはいえ、同じ人間によるものとは……」)
思わず溜息が漏れそうになるのを、ソレイユは抑え込んだ。
「『復讐』こそが、全てのクロノヴェーダの根源たる感情である……」
四葩・ショウ(After the Rain・g00878)は、火刑戦旗ラ・ピュセルの断片の王、ジャンヌ・ダルクの言を思い出す。
(「わたし達一人ひとりの『復讐』の思いは、《刻逆》とクロノヴェーダから生じている。
でも、ディアボロスの中でゆるせないと叫んだ、怒り。
本当の『復讐』は、その先にある……」)
人類史の全てを費やし、全てを賭して行おうとした『復讐』こそが《刻逆》ならば、『復讐』こそが根源という意味も理解できて来る。
『結局、あなた達は、何も失ってなどいない』
火刑戦旗ラ・ピュセルの断片の王ジャンヌ・ダルクは、決戦の際にそうも言っていた。
奪還戦に勝利すればディヴィジョンは消滅し、最終人類史への被害はなかったことになる以上、最終人類史のディアボロスが失ったものなど、無いに等しいというのだ。
過程で生じている犠牲や被害を完全に無視した、極端な暴論だ。
しかし、そもそもの《刻逆》自体が『歴史を改竄してでも、勝ったという結果さえ得られれば良い』という理屈で行われたとすれば、一貫しているのかも知れない。
ソレイユは、ヘルヴィムの前に膝をつき、頭を垂れた。不用意な問いかけは、ヘルヴィムの即時消滅を招きかねない。発言内容を吟味し、彼は一つの問いを発する。
「地球は、宇宙で、どんな罪を犯してしまったのでしょうか?」
飛躍したとも思える問いかけは、『真の敵』の核心に迫るものであった。
ソレイユは一つの可能性を感じていた。
全ては『復讐』の渦中にある。ならば、《刻逆》の原因となった地球の滅びにもまた、『復讐』されるに足る理由があるのではないか、と。
だがヘルヴィムは、静かに首を横に振った。
「あなたの問いに返すに足る記憶は、『真の敵』しか持たないでしょう。
私達に理解できるものかも不明です。
戦は回避できない。《戴冠の戦》は、全面対決による早期決着が見込まれた戦いです。
開戦したのであれば、猶予はそう長くない。
私達は、決意を持って他のディヴィジョン全てを滅ぼし尽くし、戦に備えねばなりません」
「……承知致しました」
絶滅人類史による人類史改竄術式《刻逆》の決行という暴挙も、他の手段を尽くした後の最後の手段ではあったのだろう。理由なき滅びへの怒り。その強さを、ディアボロス達はよく知っている。
(「ですが、戦いは、滅びは……避けられなかったのでしょうか?」)
その思考はソレイユの中に、しこりとなって残るのだった。
ソレイユが退いたところで、ショウが再びヘルヴィムの前に進み出た。
彼女が問おうとしているのは、自分達が持つ力のうちの一つについてだった。
「わたし達にはピンチの時に、発揮できる力がある。『思い出した』きみが、力を分け与えたから、こうなったのかはわからないけど」
やや敬意の薄れた言葉と共に、ショウの身体が白い服と一体化したかのように純白に染まる。
背中から白百合を思わせる翼が生え、頭部から生えた翼は彼女の顔を覆った。
ネメシス形態へと変身しながら、ショウは、黄金海賊船エルドラードの断片の王『海神チャルチウィトリクエ』が決戦で見せた反応を思い出していた。
(「海神はネメシス形態を見て、何かを思い出しそうになって苦しんでいるように、みえた」)
マドンナブルーの焔涙を頬に伝わせ、白百合の天使へと変じたショウは問う。
「【この力を宿したままでもわたし達に勝利は、あると思うかな?】」
変化した声で問うショウ。様々な情報を既に思い出しているヘルヴィムの反応は、海神と同様に劇的だった。
「その……力、は……! まさか、既に地球への侵入を許していたのか!?」
『排斥力』の槍が震えた。一瞬虚脱したヘルヴィムの表情が、一転して怒りと苦痛に染まる。
「貴様らは、私が力を与えたディアボロスなどでは無いのか!?
ならば、その強さにも納得がいく……。私達の《刻逆》は、一体いつから失敗していた……?」
『槍』と『鎖』の力が急激に強まり、ヘルヴィムを消滅せしめんとする。
だが、ヘルヴィムはそれにも構わず叫びを上げた。
「私に告げた全ては嘘偽りか……!! 騙されている私を見るのは楽しかったか!? 貴様らが、我が子達を模した姿形を取るなど、冒涜にも程がある!」
「やはり……ネメシス形態は『真の敵』と同じ力だというんだね」
ショウは、ヘルヴィムの反応に自分の直感が正しかったことを察する。
ヘルヴィムを貫く『槍』が、彼が何かを思い出すのに反応するように、彼を消さんとする。
消えゆこうとするヘルヴィムに呼応する形で、疑似ディヴィジョン全体が鳴動を始めていた。
「この身を以て……せめて、一矢報いよう!!」
叫びと共に、ヘルヴィムは鎖に縛られた翼を大きく広げる。
しかし、ヘルヴィムはディヴィジョンを分割し、疑似ディヴィジョンを構築し、新宿区のディアボロスに力を譲渡するという大事業で力を消耗した直後で時間を止められており、ほぼ回復していない。
さらに『排斥力』に貫かれ、消えゆく寸前で持ちこたえただけの瀕死の身だ。
今の彼の力では、幾多の戦いを越えたディアボロス達を害することはできないだろう。
戻るべきディヴィジョンを持たない、時に取り残された断片の王大天使ヘルヴィム。
彼を滅ぼし、TOKYOエゼキエル戦争を巡る因縁に決着をつける時が訪れようとしていた。
善戦🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
効果1【パラドクス通信】LV1が発生!
【勝利の凱歌】がLV2になった!
【活性治癒】LV1が発生!
【未来予測】がLV2になった!
効果2【グロリアス】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!
【ドレイン】LV1が発生!
【先行率アップ】がLV4になった!
野本・裕樹
残された時間がどれだけか分かりませんが、時間の許す限りやれる事をやりましょう。
会話はお任せし私は探索へ向かいます。
TOKYOエゼキエル戦争にて『大天使の箱舟』は最終的に『大天使ノア』と心中しました。
ですが『大天使の箱舟』は新宿で建造されていたとの話があったと記憶しています。
そのデータがこのディヴィジョン内に残されていないでしょうか?
もし存在するならエンジェルシップの改良等に役立てられるのではないかと。
『大天使の方舟』は空飛ぶ舟、新宿区において空にも舟にも関係する情報が管理されていそうな場所と言えばここではないかと予想します。
求める情報は『『大天使の方舟』に関する情報』、向かう場所は『防衛省市ヶ谷地区』です。
【飛翔】で一気に飛んで移動の時間節約を。
重要な情報であればその管理も厳重な筈、【無鍵空間】【操作会得】が必要なら活用しましょう。
その場でどうにか出来ないと判断したら【アイテムポケット】での持ち帰りを試みます。
呉守・晶
なんとも呆れるやらなんやら、まぁ新宿決戦に参加してたはずの俺の記憶がない理由には納得だ
そんなとんでもない排斥力が働いていりゃなぁ
で、此処は切り離したTOKYOエゼキエル戦争の新宿区であり、同時に新宿島の影でもあると
ミカエルが新宿区を取り戻せと遺言を遺したのは、だからなのか?
まぁともあれヘルヴィムは演技上手な仲間達に任せて俺は気になるものを探すか
本来はエゼキエルの決戦兵器だっただろう「大天使の箱舟」だ。大天使ノアいわく「大空を自在に移動するこの無敵の拠点」
おそらくは欠陥のないエンジェルシップみたいなもんだろ、そのデータならエンジェルシップ改造に使えるはず
新宿カテドラル内で大天使の箱舟に関する資料がないか探すぜ
あれば【アイテムポケット】で回収するか魔導機械スマートフォンで写メ取っていくぜ
箱舟の建造場所の資料があれば、その建造場所にも【飛翔】を使って行って諸々必要そうな物を回収していくぞ
此処が新宿決戦時の新宿区の疑似ディヴィジョンなら、あるいは葛飾区に漂流する前の箱舟そのものもあったりしてな?
●大天使の方舟
野本・裕樹(刀を識ろうとする者・g06226)と呉守・晶(TSデーモン・g04119)の姿は、新宿区内の市ヶ谷地区にあった。
本来の歴史であれば、防衛省の庁舎群だったであろう建物は、聖堂を思わせる佇まいになっている。
新宿決戦の当日は、ここも戦場になっていたのだろう。各所に戦いの痕跡が見て取れた。
何棟もの建物がある市ヶ谷地区の全てを探ろうとすれば、短時間では済まない。
おまけにクロノヴェーダと人間では戦闘のために当然ながら組織も違う。
「先にカテドラルでどこに関係ありそうな部署があるか見ておいて良かったな……」
「どれだけ時間が残っているか分かりません。急ぎましょう」
裕樹は同行する晶にそう促した。
大天使ヘルヴィムが、いつ消えるかも分からない。
ディアボロス達は建物へ駆け込むと、手分けして調査を開始した。
「魔剣アークイーター、第四封印解除。変異開始、コード鋼糸剣『細キ解スモノ』っ!」
敵もいないので、扉の鍵等を探すのは諦め、片っ端からパラドクスで破壊して押し通っていく。
「情報の精査などは後回しです。関連のありそうな資料をとにかく集めていきましょう」
「【アイテムポケット】の限度もあるし、書類よりも、ノートパソコンとかの方が効率的かもな」
建物内には、書類棚は勿論だが、パソコンも何台も置かれている。
この疑似ディヴィジョンはTOKYOエゼキエル戦争と同じく2013年の東京を模している。技術もそれ相応であった。
「……大天使やアークデーモンも使ってたんですよね、パソコン……」
クロノヴェーダとはいえ統治側であり、いわば公務員だ。実務で便利なものがあれば使うだろう。
微妙にイメージを修正しつつ、ディアボロス達は防衛省の建物内を駆ける。
ディアボロス達が調べようとしていたのは、クロノ・オブジェクト『大天使の箱舟』の情報だった。
漂着した『大天使の箱舟』の修復を、柴又大黒天の施設で行っていた大天使ノア曰く、このクロノ・オブジェクトは『大空を自在に移動する無敵の拠点』であったという。
「察するに、欠陥のない『エンジェルシップ』のようなものだろうな」
晶はそう考えていた。
冥海機ヤ・ウマトがTOKYOエゼキエル戦争の技術を使って作った空飛ぶクロノ・オブジェクト『エンジェルシップ』も、類似する技術が使われていると思われた。
現状では短期間しか稼働できず、航続距離が短く、物理的に脆いという欠点がある。
だが、パラドクスに対しては極めて高い防御力を持ち、安土城への特攻作戦や、天正大戦国奪還戦での富士山でその役割を果たしていた。
「晶さんがカテドラルで見つけてくれた資料によると、新宿御苑をはじめ、二十三区内の樹木を集めて建造したようですね」
「『影のようなディヴィジョン』で決戦直前の状況を再現してるなら、実物がそのまま残ってるかとも思ったんだが、まあ流石にそれは都合が良すぎたか」
建造自体も新宿区内で行われていたようだが、実物は新宿区がTOKYOエゼキエル戦争から離脱した後に柴又に漂着している上に、晶を含めたディアボロス達の手で破壊済みだ。
「まあ、疑似ディヴィジョンを使って強力なクロノ・オブジェクトを複製できるのなら、悪いことを考える断片の王がいたでしょうからね……」
「……フランスあたりの情勢がさらに混沌としてそうだな」
2人は人形皇帝ナポレオンを思い浮かべつつ、手掛かり集めに没頭していく。入手した機材を最終人類史の専門家に預け、『大天使の箱舟』の情報を抜いてもらえば、エンジェルシップの強化自体は行えそうだった。建造には決して安くないエネルギーを使うことになるので、攻略旅団での提案は必須だが。
「ここは切り離したTOKYOエゼキエル戦争の新宿区であり、同時に新宿島の影でもあると。
ミカエルが新宿区を取り戻せと遺言を遺したのは、だからなのか?」
高位のクロノヴェーダがいたらしき部屋のパソコンや資料を漁りつつ、晶は疑問に思う。
《七曜の戦》の直前に断片の王となった大天使ミカエルは、その死の間際に、生き残った大天使やアークデーモン達へ新宿区奪還の命令を下している。
「ヘルヴィムが土壇場で、別のディヴィジョンを構築した可能性を察していたのかもな」
「実際、新宿区をTOKYOエゼキエル戦争が確保していたなら、ヘルヴィムの元へ辿り着ける可能性もあったかもしれませんね……」
裕樹はそう応じつつ、執務机に置かれていたノートパソコンを回収する。
その時だ。2人は、不意に足元が揺れるのを感じる。
「地震? いや、ディヴィジョン全体が揺れている……消滅しようとしているのか?」
「カテドラルで、何かがあったようですね」
疑似ディヴィジョンが消滅しようとしている。この疑似ディヴィジョンの主たるヘルヴィムの身に異変が起きたことを察した2人は、集めたデータと共に市ヶ谷地区を後にするのだった。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【アイテムポケット】LV2が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!
一里塚・燐寧
ヘルヴィムってわりと感情的だねぇ
煽り続ければ死に際に何か零してくれるかもしんない
期待はしすぎないけど……単純に言いたいことがあるって意味でも、黙る必要はないねぇ
あは。自分の行動の結果にグダグダ文句を言わないでぇ?
新宿島さえなけりゃ、ディアボロスは消されてそれっきりだったはずなんだからさ
あたし達の勝利で《刻逆》が失敗するなら、その時は――全部きみの責任だよぉ?
『絶技:界を絶つ巨剣』を発動し、≪テンペスト・レイザー≫を巨大化させるよぉ
刃を膨れ上がらせるのはクロノヴェーダの犠牲者達の怨念
長大なリーチを鎖と槍に直接触れないための壁として、怒りを込めた脳天への振り下ろしをぶち込むよぉ
きみが作ったTOKYOエゼキエル戦争って地獄の炎で、あたしは人生を焼かれた!
その落とし前を付けさせなきゃ!死んでも死ねないって!!
――今日までずっと!怒り続けてきたんだッ!!!
あたし達はきみ達から奪った力を使うことを躊躇わない
『真の敵』の力だって使い方は自分で決めるよぉ
選択の先にある未来を、草葉の陰で眺めてるんだねぇ!
八栄・玄才
痩せても枯れても相手は断片の王、油断はしない
戦士として誇りある死をくれてやれないのは申し訳なく思うが、もはや互いに引けるところにはねぇんだ
『絶情』の教えに基づき、鬼心の一撃で速やかに敵を無力化を試みる
槍に触れないように気を付けつつ、臓腑を抉り抜く一本突きを放つぜ
……それが救いになるか、追い討ちになるか、オレには分からねぇが、トドメを刺してからヘルヴィムが事切れるまで時間があれば、大天使達の敗北と現状、オレ達ディアボロスのこと、今度こそあるがままを伝えたいな
オレは命懸けの勝負を楽しみはするが、あくまで同意ない相手を殺し、敵勢を滅ぼすのは、生きるためという大義名分に基づく範囲でやってきたつもりだ
そこをヘルヴィムには誤解してほしくはないんでね
しっかし、ネメシス形態が『真の敵』と同じ力ね
オレぁネメシス形態になると破壊衝動に呑まれちまうから、うっかり以外で使ってこなかったが、良かったかもな
あれ、自分の武の外側にある力って感じがして好かねぇんだよ
日常的に使ってる人は知らず身体を蝕んでるとか大丈夫?
ネリリ・ラヴラン
貴方は力の起源だけを理由にわたし達が世界の敵なのだと思っているのかな?
真の敵と似た力だから、なんだっていうんだろう
エゼキエル戦争を生きた時も、貴方達の仲間と戦った時も
わたし達は居場所を奪ってしまう何者かから皆を守りたくて戦ってるだけ
何も変わっていないんだよ
確かに、簡単に許したり、認めたりは難しいのだけれど
今わたし達が戦う相手ってお互いではない気もずっとしているんだよね
だから、ディアボロスを育てて力を重ねるって作戦を聞いた時に少し嬉しく思った
利用するって気持ちだったのかもだけれど
未来を視たアナタが互いの力を合わせれば本当の敵への勝算になるって感じてるなら
最後に一度だけ、お願いをするよ
地球の未来のために、力を貸してはくれないかな
アナタが恨みを越えて、未来を願えるのだったら
わたしも背負った恨みを捨てる
ただ、どうしても敵だと決めるなら…
エゼキエルから始まった戦いの幕を
わたしもここで下ろそうと思う
でも、誓うよ
アナタがどう思っていようとも
皆が望んだ未来はわたし達が取り戻すわ
皆の王様として
●翼持つ者達の王に告げる
ネメシス形態に反応し、突如として激昂した大天使ヘルヴィムを前に、ネリリ・ラヴラン(★クソザコちゃーむ★・g04086)は、自分達の繰り広げて来た数多の戦いを振り返る。
ディアボロスのネメシス形態と、『真の敵』の間に、何らかの関係がありそうなのは分かった。
「でも、真の敵と似た力だから、なんだっていうんだろう」
TOKYOエゼキエル戦争を生きた時。
TOKYOエゼキエル戦争の大天使やアークデーモンと戦った時。
そして、その後の様々なクロノヴェーダ達との戦い……。
「いつだって、私は、居場所を奪ってしまう者から、皆を守りたくて戦ってるだけ。
力の起源なんて関係ない。『真の敵』に由来するって知ったって、何も変わっていないんだよ」
ネメシス形態へと変身し、姿かたちが変わろうと、ネリリにとってそれは、揺るぎのないものだった。
ネメシス形態以前に、新宿島への漂着やディアボロスへの覚醒の際、種族すら変わってしまった者は最終人類史のディアボロスには幾らでもいる。
だが、ディアボロス達を『真の敵』と同一視するヘルヴィムが、ネリリ達の戦いを知ることは無い。
ヘルヴィムは、鎖で戒められた手を強引に前へと伸ばす。
だが、本来はヘルヴィムの掌中に現れるはずだったであろう光の剣は、一瞬の後に雲散霧消した。
「くっ……ならば!」
ヘルヴィムはパラドクスが使えないと即座に判断し、それでも構わず自身の体をぶつけるように前進して来る。無論、それも攻撃である以上、ディアボロス達は逆説連鎖戦による反撃が可能なのだが……。
「あの『槍』と『鎖』に触れるわけにはいかないねぇ」
「一瞬でよく考えやがるな。痩せても枯れても断片の王か」
一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)の判断に、八栄・玄才(実戦拳術最前線・g00563)は同意を示した。
「俺達が『真の敵』なら、それは未来からの介入だ。『排斥力』が機能すると考えたか」
「窮地に陥った時に限って、妙に頭が回るやつだよねぇ……」
徹底的に足掻かずにいられない性格なのだろう。だが、その悪足掻きも、ここで断つ。
クロノヴェーダの犠牲者達の怨念が、燐寧の怒りに呼応し、超巨大な鎖鋸剣を作り上げる。
ほとんど目の前に壁が出現したような状態となったヘルヴィムへ、燐寧は渾身の力を籠めて鎖鋸剣を振り下ろした。
「きみが作ったTOKYOエゼキエル戦争って地獄の炎で、あたしは人生を焼かれた!
その落とし前を付けさせなきゃ! 死んでも死ねないって!!
――今日までずっと! 怒り続けてきたんだッ!!!
情報を引き出すために今まで黙っていた分まで、燐寧はヘルヴィムへ感情を叩きつける。
それはTOKYOエゼキエル戦争の出身者として、人々が大天使とアークデーモンに支配される歴史を築いた断片の王へ向けるべき、当然の怒りの発露だった。
「人間の感情が必要とはいえ、ディアボロスが生まれる余地を残したのが……私の全ての過ちか!」
「あは。自分の行動の結果にグダグダ文句を言わないでぇ?」
振り下ろされた鎖鋸剣は、『槍』に怨念の一部を消されながらもヘルヴィムの頭部を削る。
鮮血に染まり、さらに存在を薄めていくヘルヴィムへと、玄才は突進した。
「鬼心でしか届かぬ速度がある。悪逆の手が弱き人々の命に触れる前にその命を断て。誉ではなく業を負うことこそ強者の責務とすべし」
八栄流の心得の一つ、『絶情』の一節と共に、玄才の拳はヘルヴィムの胴体へと吸い込まれた。
ヘルヴィムが生き延び、TOKYOエゼキエル戦争の残党に合流することは阻止しなくてはならない。
存在の薄まっていた胴体を拳は突き抜け、ヘルヴィムの抵抗力を根こそぎ奪い去っていく。
床に崩れ落ちるように倒れ、もはや動くことすらままならないヘルヴィムに、玄才は語り掛けた。
「悪いな。数々の区の支配者、アンタがいなくなった後で王を継いだミカエル、大天使やアークデーモン……それに直属軍の連中も、もう滅ぼしたぜ」
「おのれ……やはり、貴様らは……」
「それにな。オレ達は『最終人類史』に集ったディアボロス。
アンタが望んだような、『ディアボロスのディヴィジョン』の者ってわけじゃない」
「何、だと……? どういう、ことだ、それは……?」
玄才は、消えゆくのを待つばかりとなったヘルヴィムに、片っ端から事情を説明していく。
自身の計画が想定外の結果を招いたことを悟り、ヘルヴィムは言葉を失っていた。
「新宿島さえなけりゃ、ディアボロスは消されてそれっきりだったはずなんだからさ。
あたし達の勝利で《刻逆》が失敗するなら、その時は――全部、きみの責任だよぉ?」
とどめを刺すように言う燐寧。
愕然とするヘルヴィムに、ネリリは難しいとは分かりながらも告げた。
「……地球の未来のために、力を貸してはくれないかな」
ディアボロスを育て、クロノヴェーダと力を合わせる。
ヘルヴィムの計画は、都合の良すぎるものだったのかもしれない。最終的な勝利を得るのはクロノヴェーダであり、ディアボロスは利用するという意図しか無いものだったのかもしれない。
だが、それでも──クロノヴェーダとディアボロスの力を糾合し、共に真の敵に立ち向かうという姿勢は、他の断片の王には見られなかったものだ。
そうした考えを持つ王がいたという事実は、ネリリにとって確かに嬉しいものであったのだ。
しかし、ヘルヴィムはネリリの言葉に同意を見せることはなかった。
「……私がやろうとしていたのは、こういうことか」
自嘲するような声音だった。
禍根を捨て、敵だった者の傘下に加わって共に戦う……。
TOKYOエゼキエル戦争でディアボロスに求めようとしたことの難しさ、あるいは不可能性。
ネリリの問いを受け、己が禍根を捨てるかを考え、ヘルヴィムはそれを今さらながら実感しているようだった。
「『真の敵』……地球に絶滅をもたらすもの……。
その力のひとかけらなりとも持っている以上、貴様らと私が相容れることは無い」
「そう、だよね……分かってた」
クロノヴェーダとディアボロスは不倶戴天の間柄である。
その言葉に、また一つ根拠が付け加わってしまった。
ディヴィジョンの最初期からその座を譲っていない断片の王達は、記憶を取り戻せばこういう反応をするのだろう。明智光秀や、既に滅んだ冬将軍のように、王の座を継承した者達は別かもしれないが。
「……そういえば健康への影響とか大丈夫なのか、ネメシス形態? 体を蝕んでるとか無い?」
「無い無い。あったら、あたしとかとっくにあの世行きでしょぉ?
っていうか、変身してなくても、劣勢の後に戦闘力が増すのって同じことじゃないかなぁ?」
変身したことのない玄才に問われ、危機に応じて様々な姿に変身して来た燐寧が応じる。
ネメシス形態が『真の敵』と同種の力だと言われても、燐寧を含め変身した経験のあるディアボロス達の誰一人として、問題を感じたことは無かった。
当然のように使えるからこそ、改めて力の由来を問われると不思議ではある。
「それに、たとえ『真の敵』の力だろうと、使い道は自分で決めるよぉ」
「そりゃそうだな」
《刻逆》、大天使ヘルヴィム、絶滅人類史、それに『真の敵』。
最終人類史のディアボロス達が、様々な影響下で今に至る『きっかけ』を得たのは確かだろう。
だが、《刻逆》発動以降の戦いで決断を下して来たのは、常にディアボロス達自身だ。
生命をかけた戦いに伴う決断の重みを、ディアボロス達は今さら他の誰にも譲る気は無かった。
TOKYOエゼキエル戦争というディヴィジョンを巡る戦いに幕を下ろすべく、ネリリは呪文を唱えた。出現した三日月型の弓を構え、彼女はそこに光の矢を番える。
「誓うよ。アナタがどう思っていようとも、皆が望んだ未来はわたし達が取り戻すわ」
放たれた矢を受け止め、もはや怨嗟の言葉を吐くこともなく、大天使ヘルヴィムは静かに消滅していった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【モブオーラ】LV1が発生!
【ハウスキーパー】LV1が発生!
【寒冷適応】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV3になった!
【ダブル】LV1が発生!
ラキア・ムーン
さて、撤退も準備しておかねばな
疑似ディヴィジョン……奥の手でもあるのかと思ったが、主だった目的は時が来るまでの延命か
ま、排斥力にあそこまで影響されるとは思っていなかったであろうにせよ……籠って機を待つというのは碌な結末にならんな
状況を見つつ撤退を開始しよう
飛翔し聖堂より離脱
緊急性に応じて、聖堂を破壊しつつ最短距離で新宿駅を目指す
パラドクストレインに駆け込み、撤退しよう
流石に疑似ディヴィジョンの崩壊が起きるなら、巻き込まれては何が起こるか分からん
確実に離脱出来るようにしておこう
伝聞で得た情報はしっかりと精査をしよう、というのが今回の教訓か
『真の敵』……な
絶滅人類史やクロノヴェーダにとっては確かな敵なのだろう
では、我等最終人類史にとっては……さて
こればかりは実際に確かめられる時が来るまで、どうとでも出来るように備えるしかないか
情報がぼんやりしているというのは、歯痒いことだ
まあ、敵ならば戦う
戦える存在であるならぱ、『滅ぼせぬもののあるべきか』……だな
ま、悪くない
お楽しみが残っているという事だ
「撤退するぞ!」
ヘルヴィムの消滅を確認するや否や、ラキア・ムーン(月夜の残滓・g00195)はホールの奥にある窓へ、魔力でできた槍を叩き付けた。
大小の破片が飛び散り、ホールに風が吹き込んだ。ラキアを先頭に、ディアボロス達は次々にそこから飛び降りていく。
地表から一定の高度に達したところで【飛翔】が発動、ディアボロス達は水平飛行に映った。
都庁のかわりにそびえる新宿カテドラルから、新宿駅までは1kmも離れていない。
だが、急ぎ飛ぶ必要があった。
「通常のディヴィジョンと同様、ヘルヴィム自身が疑似ディヴィジョンの核となっていたか」
【飛翔】するラキア達の視線の先で、大天使ヘルヴィムによって疑似的に再現された新宿区は消滅しつつあった。
そして新宿駅があるのは新宿区の端、渋谷区との境界だ。
疑似ディヴィジョンの消滅に伴う崩壊は、駅もろともパラドクストレインを消し去ろうとしている。
「崩壊に巻き込まれても、再び最終人類史に漂着できる可能性は高い。
とはいえ、下手に死の痛みを味わう必要もないだろう」
おそらくヘルヴィムは、彼自身の死にディアボロス達を巻き込むことも意図していたのだろう。
ラキアは考えつつ、JRのホームへと降下する。
「ヘルヴィムは、この疑似ディヴィジョンへ来た手段があるのは察していたにせよ、私達の『漂着』による蘇生については知らなかったのだろうな」
ディアボロス達は停車中だったパラドクストレインに飛び込んだ。
列車は崩壊する新宿駅から走り出し、最終人類史の新宿駅へと帰還していく。
僅かな時間の後、白亜のパラドクストレインは新宿駅のホームへと進入した。
時の止まった疑似ディヴィジョンと異なり、喧騒に包まれた新宿駅の様子に、ディアボロス達は無事に戻って来たことを実感する。
ディアボロス達がホームに降り立つ。その背後で、役割を終えたパラドクストレインは消失していった。その光景を見つつ、ラキアは大天使ヘルヴィムのことを考える。
「延命のための疑似ディヴィジョンか……。ま、『排斥力』にあそこまで影響されるとは思っていなかったであろうにせよ……籠って機を待つというのは碌な結末にならんな」
既に多くのディヴィジョンを滅ぼしたディアボロスと最終人類史は、《戴冠の戦》において大きな有利を得ていると考えて間違いない。
だが、それでも残るディヴィジョン達には、油断ならないものをラキアは感じていた。今後も攻略を行っていかねばならないだろう。
「それにしても『真の敵』か。絶滅人類史やクロノヴェーダにとっては確かな敵なのだろう。
では、我ら最終人類史にとっては……どうなのだろうな。『真の敵』は敵か、敵の敵か……」
観測者との邂逅、そしてヘルヴィムとの対話。
様々な情報を得てなお、『排斥力』のもたらす情報制限は、『真の敵』に関する情報を曖昧模糊として掴ませようとしない。
「こればかりは実際に確かめられる時が来るまで、どうとでも出来るように備えるしかないか。
戦える存在であるならば、『一度生を受け、滅せぬもののあるべきか』……だな」
歯痒いものは感じるが、新宿決戦で記憶が消えたのとは異なり、ヘルヴィムとの対話の記憶が失われることはなかった。
今の自分達ならば情報を追求、精査し、備えていくことができる。
好戦的な笑みが、ラキアの口元に微かに浮かんだ。
「ま、悪くない。《戴冠の戦》の後にも、お楽しみが残っているという事だ」
何が来ようとも、必ず勝利する――その決意と共に、ディアボロス達は賑やかな新宿駅のホームを歩き出すのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】がLV2になった!
効果2【命中アップ】がLV2になった!