リプレイ
ラズロル・ロンド
仮プレ
ついにここまで来れたー
ここから先は隠密行動も難しそうだね
でも…情報は極力渡さないに限る!
しっかり【通信障害】をかけて
ゴルディアスの結び目設置の為にも
ここいら一帯のアルタンを倒していこうか
大型の指揮で統制された動きを崩すべく大群アルタンに向けて
東南の風に乗せた火矢を打ち込もう
冷涼な空気に覆われたハマル=ダバン山脈方面。新たな拠点を設営すべく融合世界戦アルタン・ウルクの大地に降り立った復讐者たちは、目標地点とする高地の一つに向けて進んでいた。
「ついにここまで来れたー。感無量だね!」
深い感慨を秘めた様子で、ラズロル・ロンド(デザートフォックス・g01587)が前方の景色に目を向ける。
彼の視線が向けた先、東西に走る形で聳えるハマル=ダバン山脈の威容は、さながらモンゴル国境地帯への道を阻む巨大な壁のようにも見えた。
あの山を越えた先には、アルタン・ウルクの中枢が待っている――そう思えば戦意もいや増すというものだ。攻略の意欲を滾らせながら、ラズロルは敵群が待ち構える戦場へまっすぐに駆けて行く。
荒れ果てた高地を南下すること暫し、行く手に現れたのは撃破目標であるアルタンの群れだった。
通常形態の大群と、それを指揮する蟲将形態の大型が1体。それを目にしたラズロルは、すぐさま通信障害で敵の交信手段を封じると、迷わずに敵との距離を詰めにかかる。
(「大型個体は、配下たちを手足同然に動かせる。となれば、通常形態の大群から片付けた方が良さそうだね」)
群れを成して蠢く四脚の異形たちを標的に、ラズロルが疾駆の速度を上げた。
迅速な完遂が望まれる今回の作戦は、すなわち時間との勝負でもある。1日でも早い達成を為す為にも、ここは一気に畳みかけるべきだろう。
「さあ、蹴散らして行こうか。唸れ、砂漠の風よ!」
天に翳した『月陽のウインドオーブ』が、パラドクスの輝きを戦場に放つ。
それを合図に、ラズロルは疾風の如き速度を以て、敵陣へ攻撃を開始するのだった。
一陣の風が唸りを上げて、アルタン・ウルクの群れに牙を剥く。
月と太陽を象る宝珠を介して発動された、それは『東南の風』のパラドクスだ。叩きつけるような強風が、たちまち敵陣を包み込む。続け様、ラズロルの狙い定めた標的目がけ、虚空より火矢の嵐が次々と降り注ぎ始めた。
「このまま、消し炭になって貰うよ!」
先手を取ったラズロルの号令一下、流星雨さながら敵陣に殺到する無数の火矢は、地上に展開するアルタン・ウルクの巨躯を炎上させていく。
荒れ狂う風に煽られて、火の勢いはいよいよ強い。矢を受けた敵は為す術なく、火達磨となった肉体から不気味な呻き声を洩らしながら次々と絶命していった。
『シュゴオォォ……』『シュゴオオォォォォ……!』
「かかって来い、僕が相手だ!」
襲撃を察知し、迎撃に動き出すアルタン・ウルクの群れ。
それを前に、ラズロルは一歩も下がること無く、火矢の嵐を尚も敵陣へと見舞い続ける――。
『シュゴオオォォォォ……シュゴオオォォォォ……!』
一糸乱れぬ動きで体勢を立て直すと同時、異形の眼球から生じた光がラズロルへ襲い掛かった。
禍々しい赤色を帯びた、パラドクスの破壊光線だ。直撃すれば深手は免れない痛烈な反撃を、しかしラズロルは巧みに受け流し、暴風と火矢で敵群を翻弄し続ける。この後に続く仲間の為にも、迅速な作戦完遂の為にも、ここで手を拱いている余裕は存在しない。
「これで……決めるっ!」
決意と共に繰り出す矢の嵐が、アルタン・ウルクの大群へと降り注ぐ。
その攻勢はすさまじく、受けに回った敵陣はじわりと数を減らし始めた。それは同時に、復讐者たちへの追い風と同義だ。襲撃で掴んだ好機の手応えに、ラズロルは得たりと会心の笑みを浮かべる。
「さあ、勝負はここからだよ!」
大型個体との決戦に臨む為にも、ここで立ち止まることは許されない。
ラズロルの決意に応えるように、戦場を席巻する砂漠の風。それが今、次なる復讐者を戦場に呼び込もうとしていた。
成功🔵🔵🔵🔴
効果1【通信障害】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
ラウム・マルファス
ようやく湖を抜けたネェ。あと少し、拠点を作るまでは手早く終わらせたいネ。
目立ちにくい色の服を纏い、まずは隠れて敵を観察。大群、湖でバレてたらこれが湖岸にミッシリしてたのカナ。怖いネ。
囲まれたらイヤだからなるべく端の方から戦うヨ。可能なら通信障害も借りて、1体ずつ手早く確実に仕留めて数を減らそウ。太極扇から黒い鳳凰を飛ばして、氷漬けにするヨ。光線は氷龍の盾で可能な限り軽減するけど、多少の怪我は覚悟の上サ。攻撃優先、本命の蟲将型が来る前に少しでも数を減らしたいからネ。
新たな攻略拠点を設ける為、ハマル=ダバン山脈の高地に到達した復讐者たち。
その一人であるラウム・マルファス(研究者にして発明家・g00862)は、現地に展開するアルタン・ウルクの様子を、戦場の端から息を潜めながら観察していた。
(「いやはや、中々の大群ダ。湖でバレてたらあれが湖岸にミッシリしてたのカナ……怖いネ」)
呟きつつ見澄ました先には、撃破目標である通常形態の群れが見て取れる。単体で行動していたバイカル湖の敵とは違い、その規模はかなりのものだ。
だが幸い、そんな敵は今、先行したラズロルの猛攻で着実に削り取られている。ここは更なる猛攻を浴びせ、優勢を盤石とするとき――そう判断したラウムは一切の迷いを見せること無く、敵群との距離を慎重に詰め始めた。
(「拠点を作るまでは手早く終わらせたいネ。ここはひとつ、加勢と行くヨ」)
好機を活かした追撃を仕掛けるべく、『太極扇・瑞鳥示現』を手にしたラウムが敵群へ肉薄する。
標的に選んだのは、群れの端部分を構成する集団だ。敵から包囲される事態を極力防ぐ為にも、ここは手早く確実に標的を仕留めたいところ。やがて相手を狙える距離まで接近すると、ラウムは『吉兆:鳳凰の舞』を発動。扇より現れた漆黒の鳳凰を敵陣にけしかけ、襲撃の狼煙と為す。
「貰ったヨ。――押し留め、切り開ク」
『シュゴオォォォ……!!』
大空で双翼を広げた鳳凰が、戦場の空に身を躍らせた。
襲撃を察知したアルタンが一呼吸おいて動き出すが、余りに遅きに失した動きと言わざるを得ない。その頭上では、鳳凰による死の舞いが、既に幕を開けている。
蠢く無数の眼球を見澄まし、不敵な笑みで返すラウム。パラドクスを湛えた彼の青き瞳が見据えるのは唯一つ、この戦いの勝利のみだった。
「通信障害は発動済、状況は上々ダ。それじゃ、始めるとしようカ」
青と赤、対峙する両者の眼光が、敵意を帯びて戦場に交錯する。
先手を取ったのは、ラウムの鳳凰だった。標的の頭上で円を描いて飛翔しながら、鳳凰の演舞は未だ止まらない。黒き瑞鳥の正体は凍気の塊であり、ひとたび狙われれば逃れる術は絶無だ。
「冷気の大盤振る舞いだ、受け取るといいヨ」
果たして次の刹那、鳳凰の夥しい冷気がアルタンを包み込んだ。凍える空気は異形の巨体を覆い尽くし、その強靭な生命力を容赦なく奪い去っていく。
ラウムのパラドクスは一度に狙える数こそ少ない反面、折り紙付きの威力を誇る。
逃れる術も、防ぐ術も、そこには一切存在しない。ただ凍え死ぬだけが、敵に許された全てだ。
「生憎だけど、そう簡単にボクは倒せないヨ」
『シュゴォォォォ……シュゴォォォォ……!』
そうして全身を氷に覆われた標的が絶命すると、ラウムはすぐさま新たな敵を求めて動き出す。
敵群が放つ破壊光線にも、態勢が崩れることは無い。『氷龍の盾』を頼りに反撃を凌ぎ切ると、ラウムは得物の扇を翻し、なおも敵陣に凍気を放ち続けるのだった。
それからも、ラウムの猛攻は一切衰えぬままに敵を葬り続けた。
鳳凰を象った凍気が戦場を舞えば、その度にアルタンは屍となって転がった。身を切るような冷気の中、瑞鳥の舞いは未だ衰えを知らず、敵の骸を山と築き上げて行く。着々と数を減らしつつある敵群を見遣り、ラウムは序盤戦の勝利が近いことを無言のうちに感じ取った。
「配下の殲滅完了まで、後少しダ。このまま確実に仕留めていこウ」
通常形態との戦いを制すれば、次は大型個体との決戦が待っている。拠点設営の為にも、ここは確実に勝利すべき局面だ。後に控える激戦を早くも見据え、復讐者たちはアルタン・ウルクの大群を蹴散らしていく――。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【モブオーラ】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
コートの中は防寒着を着ていくよ
現地はもう冬の気配だ
仲間から戦場を引き継ごう
【通信障害】は引き続き展開し、PDで攻撃
大群の残りを仕留めていこう
【冷気の支配者】で少しでも動きを鈍らせ包囲を避けて立ち位置を取りつつ応戦
極寒のシベリアを思わせる雪嵐で満たした結界に閉じ込めて攻撃
味方が傷つけた個体から狙い、より消耗した敵から倒し、着実に数を減らそう
戦況は常に観察し把握
仲間と共闘できるなら
味方と死角を補い合うように立ち位置を取り、危険や気づきがあれば報せ合う
仲間を死角から狙う敵は優先し攻撃に巻き込もう
敵の反撃に備え
敵の攻撃にはタワーシールドで光線を防ぎつつ
間に合わない場合や態勢で庇いきれない部分はSegenの魔力盾で対応
ここは未だシベリアの領域だった場所
ロマノフが距離の防壁とし、アルタンが奪ったものは大きかったな
今は進軍し、いつかすべてを取り戻そう
アルタンは正常な思考を失った存在であると
冬将軍に話を聞いて以来、静かにアルタンの存在に思いを馳せてきた
彼の意思に共鳴するものを抱く
アルタンから大地を守ろう
不毛の大地で繰り広げられる激戦によって、アルタン・ウルクの大群は着実に排除されつつあった。
統率された動きで執拗な抵抗を試みる通常形態の抵抗にも、復讐者たちの攻撃は一切緩むことがない。パラドクスの輝きがいや増しながら戦場を席巻する中、序盤戦を締め括る最後の攻勢にエトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)は臨もうとしていた――。
「殲滅まであと一息だな。俺も手を貸そう」
通常形態の群れに視線を向けながら、エトヴァが冷気の支配者を発動する。
敵は目に見えて頭数を減らしており、復讐者の優勢は一目瞭然だ。後方に控える大型個体に挑む為にも、ここは確実に撃破を完遂せねばなるまい。
「数が減ったとは言え、油断は禁物だ。迅速かつ着実に行かせて貰う」
残留効果によって生じた猛烈な寒気が、戦場を包み込んでいく。
劇的な有利こそ得られずとも、移動速度の低減は妨害には充分有効だ。アルタン・ウルクの足が鈍ったことを確かめると、態勢を立て直す暇も与えぬとばかり、エトヴァは戦闘を開始した。
凍てつく空気に満ちた戦場を、パラドクスの輝きが一際眩く照らし出す。
今や劣勢に陥った通常形態の群れは、しかし自分たちの状況に怯えの色一つ見せることは無い。不気味な唸り声を響かせて繰り出す攻撃は、どこまでも執拗だ。
『シュゴオオォォォ……シュゴオオォォォ……!』
(「……ここは未だシベリアの領域だった場所。ロマノフが距離の防壁とし、アルタンが奪ったものは大きかったな」)
敵の破壊光線を白のタワーシールドで防ぎながら、ふとエトヴァの脳裏に冬将軍と交わした会話の記憶が蘇る。
アルタン・ウルクは正常な思考を喪った存在――その話を聞いて以来、エトヴァは彼らの存在に思いを馳せてきた。
(「道を外れた存在……か」)
平壌での接触、更には上都での調査。それらを経て、少しずつだが彼らの謎も明かされつつある。
山脈の向こうに待つ中枢へと辿り着けば、更なる謎が明かされる可能性は高いだろう。その為にも、この戦いは何としても勝利すべきものだ。
「今は進軍し、いつかすべてを取り戻そう」
エトヴァの『冬将軍結界』が、戦場を瞬時に席巻する。
冬将軍の遺志に共鳴するように発動したパラドクスは、瞬く間に標的のアルタン・ウルクを結界に封じ込め、その巨体から生ける力を奪い去った。
極寒のシベリアに吹きすさぶ、生命の存在を許さない雪嵐。それに晒された敵群は一切の抵抗を許されず、ハマル=ダバンの高地に斃れ伏していく。
『シュゴオオオォォォォォォォ……!』
大群を構成していた最後の一体が、断末魔の呻きを洩らして絶命する。
理想的ともいえる短時間で復讐者たちが掴んだ、序盤戦の勝利だった。
そうして戦場から敵の大群を駆逐すれば、エトヴァの前には只一体の敵だけが残された。
群れを指揮する大型個体――アルタン・ウルク蟲将形態。並外れた巨体を誇るかの統率者こそ、復讐者が撃破すべき最後の難敵だ。対峙する復讐者たちを前に巨体を震わせ、無数の口より溢れる咆哮が折り重なって戦場に木霊する。
『『シュゴオオオオオォォォォォォォォォォォ!!』』
配下たちが戦場に屍を晒して尚、敵の戦意が衰えた様子は微塵も無い。
触手を変形させた長柄武器を得物に、戦闘態勢を取る大型個体。強敵との決戦が、今まさに幕を開けようとしていた。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【冷気の支配者】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV2になった!
ソラス・マルファス
兄貴(g00862)をディフェンス
相変わらず大量に居やがるんだな。全体で見れば減っている……と信じたいところだが。どこから湧いて出てきやがるんだか。
通信障害も借りて、蟲将型へ攻め込むぜ。何度も戦った強敵だ、油断せず味方と連携して攻めるぜ。先行して敵の前へ飛び込み、パラドクスで敵の動きを封じよう。長い時間は無理だが、味方が攻撃する隙は作れるだろう。
反撃は痛手になるものを大剣の腹で受け流し、多少の怪我は耐えるぜ。早い所決着をつける方が、結果的に被害は少ないだろうからな。相手が倒れるまで攻撃を続けてやるぜ。
ラウム・マルファス
ソラ(g00968)と連携
群れの残りはエトヴァに任せて、ソラと一緒に蟲将型を攻めるヨ。群れの邪魔が入らないようタイミングを計り、味方と連携して一気に攻めよウ。
蟲将型の動きを観察し、太極扇から黒い鳳凰を飛ばすヨ。さっきも使った攻撃だけど、蟲将型は対応してくるカナ?前は学習している感じは無かったけど、今も通用するか敵の反応を観察しよウ。もし対応されても、鳳凰の方は動きに緩急を付けたり回り込ませたりすれば何とかなるハズ。ボクを狙ってくるなら、その分味方が攻撃する隙になるだろうし、ソラの風が蟲将の動きを阻害してくれるだろウ。
熱線は氷龍の盾で防ぎつつ耐えるヨ。下手に避けようとするより、耐えつつ攻撃を続けて手早く倒そウ。
『シュゴオオオオオォォォォォォォォォォォォ!!』
凍える空気の中、雷鳴めいて木霊する咆哮。その源である一体の異形と復讐者たちは対峙していた。
群れを率いる蟲将形態――それが異形の正体だ。統率者に相応しい巨大な体躯と、そこから溢れ出る威圧感は、敵の強大な戦闘力を雄弁に物語る。
配下の大群を撃破して尚、油断できない相手であることは明白。そんな敵を前に、ラウム・マルファス(研究者にして発明家・g00862)の態度は、しかしどこまでも堂々としたものだった。
「群れの方は片付いたようだネ。流れに乗って一気に攻めようか、ソラ」
「ああ。派手に切り込んできっちり片付けようぜ、兄貴」
ラウムの言葉に応えるように、ソラス・マルファス(呪詛大剣・g00968)が蟲将形態の前へ進み出る。
その手に構えた『呪詛の大剣』は、ソラスの戦意の現われだ。敵の戦闘力は元より承知、その上で勝利するという決意は、彼の中で微塵も揺らいでいない。
戦いを制し、アルタン・ウルクの中枢に向かう為。
先陣を担うラウムとソラスは、敵との距離を静かに詰め始めた。
対峙する蟲将形態を前に二人が組んだのは、ソラスを先頭に据える陣形だった。
先行するソラスが敵へ斬り込み、ラウムが追撃。後に続く味方が攻撃する隙を作ること、それが彼らの狙いだ。通信障害を始めとする残留効果の発動を確認すると、二人は息の合った動きで標的に狙いを定める。
「長い時間は無理でも、味方が攻撃する隙くらいは作ってみせるぜ」
「耐えつつ手早く、が理想だネ。援護はボクに任せて、存分に暴れるといいヨ」
攻撃を仕掛ける一瞬を探るソラスに頷きを返しつつ、ラウムが得物の太極扇を掲げる。大群との戦闘に続き、鳳凰を象った凍気で敵を翻弄する構えだった。
『シュゴオオオオォォォォォォォ……シュゴオオオオォォォォォォォ……!』
(「前はこっちの攻撃を学習している感じは無かったけど、油断は禁物ダ。間違っても目は離せないけれど……」)
無数の眼球にパラドクスの光を湛え始める敵を凝視しながら、ラウムの顔には不敵な笑みが浮かんでいた。
確かに敵は強力だが、復讐者の連携はそれを凌ぐ。最後に勝つのが自分たちであることを、ソラス同様、彼もまた確信して
いるのだ。
「続く仲間たちの為にも全力で行くヨ。さあ、戦闘開始ダ」
扇と大剣、二つの得物がパラドクスを帯びて輝く。
それを合図に、決戦の火蓋は叩き切られ。
戦場に木霊する蟲将形態の雄叫びが、逆説連鎖戦の開始を告げた。
先頭のソラスが疾駆の速度を俄かに上げる。息を合わせ、ラウムの鳳凰が凍結の舞いを踊る。
二人の繰り出す連携攻撃は一分の乱れも無く、雪崩の如き勢いで蟲将形態へと襲い掛かった。
「地に落ちろ! 天狗風!」
先手を取って牙を剥いたのは、ソラスが発動した『天狗風』だった。
シベリアの空から吹き降ろす旋風が、鉄槌めいた威力を帯びて蟲将形態へと炸裂する。その力は凄まじく、見上げるような異形の巨躯がたちまち地面に縫い付けられた。
『シュゴオォォォォォ……!』
「よし……! 兄貴、今だ!」
「流石だね、ソラ。――逃がしはしないヨ」
次の刹那、漆黒の鳳凰が齎す冷気が、敵の巨体を包み込む。
ソラスが突風で身動きを封じ、畳み掛けるようにラウムが繰り出す追撃は、着実に蟲将形態へ傷を刻み込んでいく。
二人の復讐者が繰り出す猛攻が、間断なく降り注ぐ。
並のアルタンなら跡形も無く消し飛ぶであろう強烈なパラドクスの奔流を、しかし大型個体は平然と耐え続けていた。手足となる配下を失って尚、その戦闘力は決して侮れるものではない。
『シュゴオォォォォォォ……シュゴオォォォォォォ……!』
巨体より繰り出される触手の乱打と、熱戦の雨霰。嵐の如き反撃を懸命に凌ぎながら、二人は尚も戦場に踏み止まる。
敵に与えたダメージは、未だ十分とは言い難い。有利を盤石とする為にも、ここは更なる一撃を浴びせたいところだ。
そして次の刹那――降り注ぐ触手を受け流したソラスが、渾身の力で旋風を巻き起こす。敵の巨体を確実に縫い留めたことを確認すると、彼は後方のラウムへ合図を送った。
「兄貴、チャンスだぜ!」
「引き受けたヨ。このまま切り開ク」
合図に呼応するように、ラウムの扇が翻る。
発動した『吉兆:鳳凰の舞』で、漆黒の鳳凰が繰り出すのは必殺の凍気だ。蟲将形態の周囲を飛翔しながら放った冷気は、命中率アップの光に導かれ、標的の巨体を構成する触手を、眼球を、大顎を、次々に凍結させていく。
『シュゴオオォォォォォォォ……!』
(「よし、効いている様子だネ。良い流れダ」)
直撃を浴びた蟲将形態の口から、悲鳴にも似た呻き声が洩れる。
そこに確かな手ごたえを感じ取りながら、ラウムは尚も鳳凰の舞いで凍気を見舞い続けるのだった。
阿吽の呼吸を武器に、大立ち回りを演じ続けるラウムとソラス。そんな二人の戦いは、少しずつ、しかし確実に敵の余力を奪い続けていた。
たとえ強大な力を誇る敵であろうと、不死身の存在などでは有り得ない。このまま攻撃を続ければ、決着の瞬間は遠からず訪れるだろう。ソラスが送る視線にラウムは頷きを返すと、後方の仲間たちへすぐさま合図を送る。二人の攻撃で生み出した隙を活かす好機は、今をおいて無い。
「もう一息だネ。さあ、後は頼んだヨ」
「遠慮は無用だ。あのアルタン・ウルクを、全力でぶちのめすぞ!」
全力で生み出したチャンスと共に、戦いのバトンが託される。
その意思に応じるように、後続の復讐者たちは息を合わせて動き出した。
決戦の決着までは後少し。その最後を、今こそ勝利の二文字で締め括る為に――。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【完全視界】LV1が発生!
【モブオーラ】がLV2になった!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
【命中アップ】がLV2になった!
ラズロル・ロンド
アドリブ連携歓迎
シャム兄(g04075)の加勢が心強く視線を交わし頷き
エトヴァ君の手で大軍アルタンが倒されるのを確認したら、
残る大型蟲将形態に狙いを定めて切り込むよ
【冷気の支配者】で更に冷気を満たし、アルタンの動きを鈍らせ
ネメシス化。歯の隙間から青白い炎が漏れ、頭と腕、足が白狐化した半獣姿に変じていく
シャム兄の【銀花射】で敵が凍り付いた瞬間を見逃さず、
四脚で地を駆け、跳躍と共に鋭い爪を繰り出して【氷紅華】を使い
裂傷から咲き誇る氷の華が、アルタンの血を吸って鮮やかに広がる
敵の熱線は動きの初動を見極め、跳ねて避けるか、転がり込んで火の筋から抜けることで被害を最小限に
シャム兄と死角を庇い合いながら、動きのリズムを合わせていこう
凍って脆くなった箇所には容赦なく、氷紅華を叩き込むよ
シャムス・ライラ
※口調は基本~です、~ますの丁寧語ですが
ラズ(g01587)は弟的扱いなので~だ等の砕けた口調になります
ここまで前線を押し上げてきたのだ
さらにもう一歩
仲間が大軍アルタンを倒したことを確認し
私達は大型に向かおう
周囲に合わせた迷彩服着用
《通信障害》も利用して
弟分であり友であるラズと共に
いつもながら頼もしく思うよ
私も隠密を旨とする者
ラズに大型が気を取られている隙に
高地の地形を利用し、回り込んで挟み撃ちと行こう
タイミングを合わせ
【銀花射】を無音で発動
低く地を這い回り込んで必ず捉える必中の矢
アルタンは冷気に弱いならそれを突き
矢が当たった部分から凍らせてしまおう
さぁ、ラズ
ネメシスの力を振るう時だ!
凍って壊れやすくなったところを打ち砕いてやれ
敵の攻撃は炎で囲ってくるのか
動きを良く見て予備動作があれば
素早く間合いを取り回避を
難しい場合は防御して、可能な限り損害を減らそう
お互いに死角を補いフォロー
強敵だが着実に進めて行けば必ず成果に表れる
謎の多いアルタン・ウルクだが
これでまた中枢に近づいた
アドリブ等歓迎
復讐者たちが仕掛ける猛攻は、大型の蟲将形態を怒涛の勢いで追い詰めつつあった。
一方の敵は、その巨体を駆使して未だ抵抗を続けるも、全身に刻まれた傷は最早隠しようがない。
『シュゴオオオオォォォォォォォォ……!』
「いよいよ大詰めだね。なら僕も、この姿で行かせて貰おうかな!」
敵を打倒する決意を胸に秘め、ラズロル・ロンド(デザートフォックス・g01587)はネメシスの力を開放する。四肢と頭を白狐の半獣に変えた彼の姿は、強敵を全力で叩き潰す覚悟の現われだ。新たに加勢で駆けつけたシャムス・ライラ(極夜・g04075)と共に、この戦いに勝利を導くとしよう。
「とっても心強いよ。今日もよろしく、シャム兄!」
「ああ。私たちの力、アルタン・ウルクに見せてやろう」
ラズロルの言葉に首肯を返し、シャムスは標的の蟲将形態に視線を向けた。
かの強敵の手足とも言うべきアルタンの大群は、仲間たちの奮戦によって全滅している。憂いの要素は既に無く、後は全力で眼前の敵を叩き潰すのみ。前線を更に押し上げる為にも、ここで失敗は許されないのだ。
戦場に孤立した蟲将形態を撃破すべく、二人は早速行動を開始した。
ネメシス形態のラズロルが先行する中、迷彩服を着用したシャムスが風景に溶け込むように戦場へ身を隠す。冷気の支配者で敵の足を封じ、隠密行動で攻撃を仕掛ける為だ。
「戦闘開始だ。行くよ、シャム兄!」
敵の動きが鈍ったことを確かめると同時、大地に突き立てた四肢の爪を頼りに、ラズロルが勢いよく加速する。
息を合わせ、敵の後方へ回り込むように動き出すシャムス。二人は息の合った動きで瞬時に敵を挟むと、一気呵成の勢いで挟撃を仕掛けていく。
「さあ、僕が相手だ。かかって来い!」
『シュゴオオォォォォォ……!』
次の刹那、先陣を切って肉薄するラズロルを睥睨する無数の眼球より、一斉に赤い輝きが放たれる。
パラドクスの力を帯びた熱線が戦場を駆け巡り、立ちはだかるのは強烈な炎の壁だ。それを前にしたラズロルは、尚も疾駆の勢いを緩めず敵の懐へ飛び込むと、その鋭爪を勢いよく振るった。
「シャム兄!」
「ああ、逃がすものか。――凍て失せよ」
ラズロルが視線を向けた先、敵の背後からシャムスがパラドクスを発動する。
地を這う蛇にも似た動きと共に、繰り出すのは『銀花射』。射出した金属片で標的を穿ち、傷口から生じた氷で全身を包み込む一撃だ。音も無く発射した必殺の一矢は、果たして狙いを過つことなく蟲将形態の胸板を貫き、その巨躯を瞬く間に凍結させていく。
『シュゴオォォォォ……シュゴオォォォォ……!』
「捉えた……! 今だ、ラズ!」
「任せて。逃がしはしないよ!」
凍てつく敵の巨躯に、ラズロルの鋭爪が振り下ろされる。
渾身の力を込めて叩き込んだ一撃は、凍結した触手の束をいとも容易く粉砕し、更なる傷を蟲将形態に刻んでいった。
戦場を席巻するパラドクスの輝きがいや増す中、ラズロルとシャムスの攻勢は更に勢いを増していく。
蟲将形態の熱線が生み出す炎を前に、二人は互いに死角を補いながら、被弾のダメージを最低限に抑える形で敵を追い込み続けていた。彼らの動きは正に一心同体であり、付け入る隙を敵に与えない。
この作戦を成功に導き、モンゴルの地へと進撃する――共に戦う仲間たちの想いに応えんと、シャムスは更なる追撃で敵の巨体を凍結させ続ける。
敵の絶命には至らずとも、問題は無い。この一撃は、あくまで“本命”に向けた導線なのだから。
『シュゴオオオオォォォォォォォ……!』
「さぁ、ラズ。ネメシスの力を振るう時だ!」
そして、次の刹那。
シャムスの一撃が齎す氷が、敵の全身を包み込んだ瞬間をラズロルは見逃さなかった。
力を込めた四肢を武器に、ラズロルの体が勢い良く跳躍する。そうして振るった爪は、蟲将形態を肉体の芯まで凍結させ、禍々しい一輪の大花を咲き誇らせた。
ネメシス化によって強化された力を余さず込めて、ラズロルが発動するのは『氷紅華』。標的より吸い上げた血で生成した氷の花は、たちまち蟲将形態の全身を包み込み、その身に速やかな死を齎していく。
「これで、とどめだ。……お休み、アルタン・ウルク」
『シュ……ゴォ……』
巨体の口から末期の呻きが洩れるのを最期に、舞い散る鮮血の花吹雪が戦場を満たす。
やがて花の一片までもが残さず消えれば、そこに敵の姿は跡形も無く。曇天の下に広がる静寂が、復讐者たちに戦いの勝利を告げていた。
「よし、撃破完了だ。シャム兄、皆、お疲れ様!」
アルタン・ウルクの一掃された高地を見渡しながら、ラズロルは仲間たちに会心の笑みを向けた。
拠点設営に向けた作戦は、これで早くも一つ成功を重ねた形だ。このペースで高地の敵を撃破していけば、遠からず新たな戦線も発生することだろう。それに勝利すれば、モンゴル到達はいよいよ目前となる。
「これでまた中枢に近づいた。このまま着実に進めて行きたいな」
勝利の手応えに安堵の吐息を洩らし、ふとシャムスはハマル=ダバン山脈の聳える南方へと目を向ける。
かの山々を越えた先、そこで復讐者を待つものは何なのか。未だ見えぬ、融合世界戦に広がるモンゴルの大地に暫し思いを馳せた後、シャムスはラズロルに合図を送った。
「さあ、戻ろうラズ。新たな戦いが待っている」
「そうだね。最後まで全力で駆け抜けるよ!」
シャムスの言葉に頷いて、ラズロルもまた帰路を歩き出す。
ハマル=ダバン山脈を巡る戦いは、まだ始まったばかり。
高地の一つを無事制圧し、復讐者たちは最終人類史へと帰還していった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【冷気の支配者】がLV2になった!
【寒冷適応】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV3になった!
【命中アップ】がLV3になった!