リプレイ
音羽・華楠
キング・オブ・ポップ……グラハム・ベルとの経済戦争では奴の存在に苦しめられました。
絶対に決戦の場に引っ張り出し、打ち倒したいところです……。
私はですね、『忍者』をテーマとし、それを全面に押し出した映画を提案します。
より正確には、現実の戦国時代の日本で活躍した本物の忍者ではなく、創作の世界で形作られた、ド派手で超常的な忍術を使う忍者たちです。
最終人類史の米国では、そういう忍者たちが活躍する作品が大人気だったと聞いてますし。
コーサノストラの人たちだって、きっと興味を持ってくれると思うんです!
その辺りは、アメリカ人の本能に刻まれてるはずですから!!
主人公にはアメリカ社会の裏に生きる忍者の男性を据えて、とか。
ヒロインには可憐かつセクシーなくの一を。
忍犬などのマスコットも居れば楽しいかも?
彼らが米国支配を目論む宇宙人や吸血鬼と戦うのを物語の主軸として、友情やロマンスも展開。
……まぁ、尺の都合も考えれば、映像はド派手な忍術を見せるのが良いですかね?
パラドクスでそれっぽいのをぶちかましましょう!
一里塚・燐寧
へー、忍者か~
忍法帖ものがジャンルとして成立するのは50年代以降だし、アメリカの忍者ブームは80年代のアクション映画の影響が強いけど……(オタク特有の早口)
コーサノストラでは未来を先取りしたセンスや技術の映画を作ってるからこそ、刺さる可能性はあるかもねぇ
オッケイ、あたしもそれに乗らせてもらうよぉ
この時代のアメリカ、特にハリウッドがあるカリフォルニアは日系人がそこそこいるし……
「この世の影に隠された悪を討つため、移民に紛れてアメリカへと渡った日本の伝説の戦闘集団、それが忍者!」とかの設定をぶちあげられそうだねぇ
外連味のあるナレーションとド派手な映像でトンチキすぎる設定をぐいぐい脳に流し込み、カッコよく見せてこう
忍者と戦う宇宙人や吸血鬼は造形物やCGで作りつつ、忍者側のアクションはワイヤーすらなしのガチで!
といっても復讐者だから、普段の戦いの経験を活かしつつ、【エアライド】とか【落下耐性】でめちゃくちゃな動きを実現してるだけだけどねぇ
ま、現実に人がそうやって動いてるって凄みは出せるはずだよぉ
企画の主題は比較的すぐに決まった。
「私はですね、『忍者』をテーマとし、それを全面に押し出した映画を提案します」
「へー、忍者か~。オッケイ、あたしもそれに乗らせてもらうよぉ」
いまのは、最初の会議室での、音羽・華楠(赫雷の荼枳尼天女・g02883)と一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)のやり取り。
日を空けずに、出番のありそうな企業から専門家を集めて本格的な製作が始まる。
音頭取りはやはり、言い出しっぺの華楠が務める。
「より正確には、現実の戦国時代の日本で活躍した本物の忍者ではなく、創作の世界で形作られた、ド派手で超常的な忍術を使う忍者たちです。最終人類史の米国では、そういう忍者たちが活躍する作品が大人気だったと聞いてますし」
「にん……」
「忍法帖ものがジャンルとして成立するのは50年代以降だしぃ」
専門家が口を開きかけているあいだに、燐寧がヲタク特有の早口で答えた。
「はちじゅ……」
「80年代のアクション映画がアメリカの忍者ブームに与えた影響は強いけどぉ」
「コー……」
「コーサノストラでは未来を先取りしたセンスや技術の映画を作ってるからこそ、刺さる可能性はあるかもねぇ」
「はい、そうなんです。現地のハリウッドの人たちだって、きっと興味を持ってくれると思うんです。その辺りは、アメリカ人の本能に刻まれてるはずですから!!」
華楠が感嘆の声をあげると、専門家たちは合わせて拍手した。
ディアボロス忍者映画予告編での、燐寧の役割は大きいと皆が認める。
「この時代のアメリカ、特にハリウッドがあるカリフォルニアは日系人がそこそこいるし……『この世の影に隠された悪を討つため、移民に紛れてアメリカへと渡った日本の伝説の戦闘集団、それが忍者!』とかの設定をぶちあげられそうだねぇ」
「主人公にはアメリカ社会の裏に生きる忍者の末裔の男性を据えて、とか。ヒロインには可憐かつセクシーなくの一を。忍犬などのマスコットも居れば楽しいかも?」
「誰かのサーヴァントの出番かなぁ。敵はどうしようかねぇ」
「ワイズガイの映画に対抗しましょう。主役の忍者チームが米国支配を目論む宇宙人や吸血鬼と戦うのです。それで、友情やロマンスも展開。……まぁ、尺の都合も考えれば、映像はド派手な忍術を見せるのが良いですかね?」
「うんうん。外連味のあるナレーションと映像でトンチキすぎる設定をぐいぐい脳に流し込み、カッコよく見せてこう。忍者と戦う宇宙人や吸血鬼は造形物やCGで作りつつ、忍者側のアクションはワイヤーすらなしのガチで!」
ふたりが次々と出すアイデアを専門家たちがまとめていく。主には、要求に応えられる人選。
つまりは座組だ。
「それでしたら、VFXはウチが……」
「映画よりもショートフィルム作家が適任かもしれません、ウチが……」
「え、えと。仕出しの美味しいおにぎり屋を知ってて……」
もちろん、俳優はディアボロスだ。
予告編とはいえスクリーンデビューして、現地で戦えるハリウッドスターになることが目的だ。
「忍術は、パラドクスでそれっぽいのをぶちかましましょう!」
「普段の戦いの経験を活かしつつ、『エアライド』とか『落下耐性』でめちゃくちゃな動きを実現すればいいねぇ。ま、現実に人がそうやって動いてるって凄みは出せるはずだよぉ」
会議も三回目になると撮影に必要な事項はおおむね決定する。
あとは実際の撮影に編集だが、これも滞りなく終わった。むしろ、上映のセッティングが間もなく完了する。
「キング・オブ・ポップ……グラハム・ベルとの経済戦争では奴の存在に苦しめられました。絶対に決戦の場に引っ張り出し、打ち倒したいところです……」
華楠が願うなか、現地で乗っ取った映画館で開演のベルが鳴る。
はたして、銀幕に映しだされたものは……。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【水面走行】LV1が発生!
【プラチナチケット】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
音羽・華楠
私の配役は、くの一兼マスコットの立ち位置で。
普段は狐の姿で愛らしく振る舞いつつ、戦いでは人の姿になって大暴れ!
そんな感じを希望です。
……狐から人、人から狐への変身は、撮影が最終人類史なら【狐変身】が利用出来ませんかね?
無理そうならCGでお願いします。
映像のメインはやはり戦闘シーン。
くの一として派手に忍術をぶちかます場面をやりたいです。
忍者といえば、当然分身の術!
ちょうど私のパラドクスにも《雷幻想・群雄》という分身の術がありますので、それを使います。
敵の宇宙人の大群をCGで演出してもらいつつ。
一人でそれに立ち向かう私が、多勢に無勢をひっくり返す為に分身の術を使う形で。
沢山の私が画面狭しと大立ち回りを演じる……そんなのはどうでしょうか?
派手さで目を引くのは勿論、私の顔を観客の皆さんにしっかりと憶えてもらう意味でも、分身の術は悪くないと思うんですが。
あと、衣装はこの後の戦闘も見越して、『陰陽巫女装束・雷狐』をそのまま使う形で。
辛うじてくの一に……見えませんかね?
ディアボロス忍軍、出陣です!
一里塚・燐寧
【プラチナチケット】を利用して「映画館のスタッフ」のフリをしながら、映写室に侵入するよぉ
中に人がいた場合は【友達催眠】で説得しやすくしつつ、違う映画のフィルムを間違えて置いてたから交換に来たとか、適当に理由をつけて騙そう
頑固な相手なら【現の夢】をかけた上で絞め落とし、暫く寝てて貰うよぉ
映像の中でのあたしの配役は、忍者の父親とヨーロッパで代々ヴァンパイアハンターを営んできた母親を持つアメリカ生まれの忍者!
忍者装束とシスターの頭巾を混ぜたみたいな、怪しげな服装で登場しちゃおう
え、ふざけすぎだってぇ?
別にいいでしょ、忍者が出て来た時点でどうせなんでもアリだし……
今回の事態に吸血鬼が一枚嚙んでいることを察知してメインのくのいちと共闘することになり、そのまま宇宙人とも戦うよぉ
ヴァンパイアハンターの鞭と忍者の鎖鎌を同時に振り回したり、聖水を振りかけた日本刀で吸血鬼をばったばった切り倒したり大暴れ!
細い体のラインがよく出るハイキックなんかのアクションもばっちりこなして、あたしを視聴者に印象づけちゃおう
『Tokyo-Japan(日本、東京)』の白地テロップ。
シダ系植物が生い茂るジャングルと、淀んで曲がりくねった河を遡航する小舟。竿をあやつるのは笠をかぶった少年で、肩には一匹の子狐がのっかっている。
少年と子狐は仲良しで、鼻同士をつつき合わせて笑っていた。
しかし、それも草木を抜けて視界が開けるまで。大きな池に黄金でできた寺院がそびえる。
少年は表情を引き締める。寺院には黒装束の男たちが整列し、最上段の椅子に座る老人の前へと進み出るのだった。おそらくは、なんらかのイニシエーション的な儀式が執り行われ、少年はなにかの階位を授かったらしいが、異国の文化なので詳細は不明。
ただ、儀式にナレーションが被る。
「日本の伝説の戦闘集団、それが……」
『Ninja(忍者)』。
と、画面いっぱいにロゴが出た。この映画のタイトルだ。
つづけて、『America, 1925(アメリカ、1925年=現代)』のテロップとともに、ロサンゼルス界隈の通りをきょろきょろしながら歩く青年の姿が。
肩には狐がのっていて、冒頭の少年が成長した姿だと判る。
「この世の影に隠された悪を討つため、移民に紛れてアメリカへと渡った忍者。数々の妨害をうけ、いま怪しい女が立ちふさがった」
ナレーションのとおり、裏通りで腕組みの女。
忍者装束とシスターの頭巾を混ぜたみたいな、珍しい服装。一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)が扮しているが、その名はまだ表記されていない。
「これ以上、あぶないことに首をつっこまないことね!」
上半身は布地が多いのに、脚のラインはむき出し。それで蹴りの構えをとってくる。青年は両手をふって拒む。
「女は斬らない主義なんだゼ」
ちょっと、口パクが合っていない。
「わたくしの出番ですわ!」
女の声がして、青年の肩から狐が飛び出し変身する。本物の『狐変身』だ。露出過多な『陰陽巫女装束・雷狐』をまとった、音羽・華楠(赫雷の荼枳尼天女・g02883)となる。
「くのいち、は女の忍者だ」
ナレーションとともに、場面は急にビルの屋上となり、ふたりのくノ一が手裏剣や煙玉という、観客の多くが知らない武器で渡り合う。仲裁にはいる、青年。
「まってくれヨ。その忍術はマスターハセガワから伝授されたものじゃないのカ?」
「パパを知ってるの? ええ、私はハセガワの娘でアメリカ生まれの忍者。ママはヨーロッパで代々ヴァンパイアハンターを営んできた一族で、その末裔でもあるわ」
急に設定を話し出す燐寧……が演じる美脚くノ一。
「あなたが味方で心強いですわ」
華楠のくノ一狐とのあいだに友情が芽生えたようだ。青年は笑っているが、このへんから彼の出番が減ってくる。燐寧がもたらした情報というていで、吸血鬼と宇宙人の数々が、敵の姿として映し出されていく。
燐寧は、ヴァンパイアハンターの鞭と忍者の鎖鎌を同時に振り回したり、聖水を振りかけた日本刀で吸血鬼をばったばった切り倒したりで、大暴れするシーンのモンタージュショット。
例の、細い体のラインがよく出る服でのハイキックをかます。
そうかと思えば、場面は暗い部屋になってロマンスの香り、青年に迫ってくる華楠。
「わたくしはもう、子狐ではなくってよ」
唇が触れる寸前で画面が大量宇宙人軍団に切り替わる。
たったひとりで立ち向かう華楠が、印を結び始めた。
「『臨』! 『兵』! 『闘』! 『者』! ……」
セリフに合わせて、画面に大写しとなる漢字。忍者といえば当然のこれも観客は知らないはずだ。
『雷幻想・群雄(ファンタズム・エインヘリアル)』で、華楠が分身した。
多勢に無勢をひっくり返す、派手な忍術のぶちかまし。
『A new star is born in Hollywood!(ハリウッドに新しいスターが誕生!)』。
ここで、俳優と役名の紹介が並んだ。
寺院の老師が最初で次が主役の青年。ヒロイン、ふたり。
マスターハセガワ、黒忍者のカメオ出演、街のごろつき、パン屋の店主、子役……。
『now! see it come true(いま! それが現実になるところを目撃してください!)』の文言が、大群と戦いはじめる分身くノ一の映像にかぶさる。
「ディアボロス忍軍、出陣です!」
号令をかける、華楠。
画面にはふたたび、『Ninja(忍者)』のタイトルロゴ。
『Coming soon to theaters(近日劇場公開)』、と流れてこの予告編は終わった。
次のCMにかわったのに、観客の総立ちと拍手は収まらない。
その光景を映写室の窓から眺めるディアボロスたち。傍らには『プラチナチケット』に『友達催眠』、『現の夢』と、潜入用エフェクトをくらった映画館スタッフがいるけども。
「え、ふざけすぎだってぇ? 別にいいでしょ」
燐寧は、ハイキックアクションを軽く再演してみせた。
観客に印象付けられた手応えはある。
「いえ、私の衣装は辛うじてくの一に……見えませんかね?」
華楠の懸念はあたらない。
「忍者が出て来た時点でどうせなんでもアリだし……。ほら、沢山の華楠ちゃんが画面狭しと大立ち回りを演じるとこ、顔を憶えてもらうのに良かったと思うよぉ」
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【友達催眠】LV1が発生!
【現の夢】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!
【ロストエナジー】LV1が発生!
映画本編が流れる頃合いになって、客席は静けさを取り戻した。
しかし、銀幕に映し出されたナレーターが、預言めいた挙句を並べおえたとたん、それは成就される。
「いま! それが現実になるところを目撃してください!」
舞台袖、前後の出入口から、ヘルメット姿の隊列が入ってくる。
両手交差の敬礼ののち、かざしたマントで顔の下半分を隠した紳士、吸血鬼が入場してきたのだ。
サプライズ舞台挨拶と思われたのだろう。
観客たちはわくわくとした表情で、このワイズガイたち、トループス級『ビッグアイエージェント』とアヴァタール級『アルバート・フィッシュ』の動向を見守っていた。
いまこそ、ディアボロスが『ハリウッドスター』として戦うときである。
シガー・キャメル
(トレインチケット)
映画のなかでは吸血鬼役のアヴァタール級が、いまは白い光だけを映すスクリーン前に立つ。
大仰な仕草で客席の一点を示した。
スポットライトが当たったのは中央階段、盆に軽食をのせた男性の姿が浮かび上がる。普通は映画館の店員と思うところ。でも、服装が違う。
「フハハハハハ! 変装しても無駄だディアボロス! 吾輩の劇場で勝手なことをしおって……」
黒マントの吸血鬼が指摘したとおり、それはフロラン・フォンテーヌ(水底の天使・g03446)だった。『ビッグアイエージェント』が両側から取り押さえ、吸血鬼のところまで連れてくる。
このトループス級は、巨大な眼球を思わせる頭部が特徴的なワイズガイだが、その形状をヘルメットにみたてて、宇宙人役を演じていた。
いっぽうフロランは手を掴まれているのに盆の角度を維持する。
観客は気がつく。
「待って、あのパン屋さん。さっきの『Ninja』だったかの予告編に出てた人じゃない?」
「本当だ。あんな恰好だった」
「ひょっとして、ふたつの映画の合同プロモーションなのか?」
確かに、フロランの扮したパン屋兼コーヒースタンドの店主が、珈琲をこぼさずにゴロツキをとっちめるシーンがあった。
囚われのパン屋は、吸血鬼によって死刑を宣告される。
数体の宇宙人が、ヘルメットから光線を発射した。あわやの瞬間に、パン屋の腕を押えていた宇宙人の片方が、突如として動きだし、自分も光線を発射して同族のはずの処刑人たちを打ち倒す。
「きさま! 吾輩を裏切るのか!?」
「裏切りではござらん! 拙者でGO☆ZA☆RU!」
たぶんマジで動揺している吸血鬼に、救出者はヘルメットを脱いで明かす。
中身もまだ黒い覆面で、目元の穴からのぞく傷跡と、鋭い眼光に特徴がある。ワイズガイもさきほどの予告編を思い出した。
「お、おまえか、えと……黒忍者め!」
「吸血鬼と宇宙人、ディアボロス忍軍がまとめて退治し申す!」
演じているのはシガー・キャメル(元第3特別突撃隊「Lighter」隊長・g05245)。長身で体格も良く、近寄りがたい雰囲気を醸し出す。いつのまにか、服装全部がモノトーンの忍者装束になっている。
実をいうと、シガーは喋りが得意じゃない。お芝居であっても。
口元を覆った忍者スタイルならばアテレコできる。
黒忍者に庇われているふりをして、彼の背後で彼のセリフをあてているのは、フロランである。味方になったビッグアイエージェントの姿と演出も、フロランが『リアライズペイント』で出したものだ。
敵を描くと、描いた絵が実体を持ち、敵を攻撃してくれる。
(「何だって使わせてもらうよ」)
珈琲と芸術を愛する自由人は、隠れた位置から『サプライズショー』を操る。
そこまでして、シガーを抜擢したのは、ひとえにこの技があったからこそ。
「オン、キリキリバサラ……火遁の術!」
炎を発して敵を焼く。
『メタリックプロミネンス』の威力と、客席の一般人に当てない正確さだ。
善戦🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
効果1【熱波の支配者】LV1が発生!
【液体錬成】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】がLV2になった!
【反撃アップ】LV1が発生!
音羽・華楠
――ハリウッドのワイズガイたちのお出ましですね。
彼らを倒した先にキング・オブ・ポップが居る……!
ここで負けるわけにはいきません。
役者の違い、見せてあげます!
身も心も成り切りましょう、映画の中のヒロインのくの一に――
「わたくしの出番ですわ!」
劇中の彼女の台詞とともにトループス級たちの前へ躍り出ます。
宇宙人の大群相手に使うのは当然、映画の展開と同じく分身の術!
《雷幻想・群雄》!!
詠唱もしっかり行い、忍者っぽく印を結ぶポーズで発動させ、ビッグアイエージェントたちへ分身たちをけし掛けます。
映画の一場面のように落とし込みましょう。
観客の皆さんへ、サービスっぽく分身たちからウインクを飛ばしてみたり。
……分身たちを雷速で動かすとお客さんたちが目で追えないので、敢えて移動速度は落とし気味に。
代わりに、トループス級たちの近接格闘術と正面から相対させ、要所要所で打撃や蹴撃を雷速で放ち、見所のある殺陣の演出を。
1体倒す毎に分身に稲光を放たせ、勝鬨のように見せ付けます。
「わたくしはもう、子狐ではなくってよ」
一里塚・燐寧
今回はこーゆーノリかぁ。何か本当に映画の話が始まっちゃったみたい
役者としての個性を出してくより、役に入り続けた方がいいかもねぇ
とうっ!と掛け声と共に映写室から飛び降りて、敵と相対するよぉ
あなた達がここに来ることなどお見通しよ!
ハセガワ流忍術と吸血鬼狩りの技の精髄、身を以て味わいなさい!
うーん、ノリと勢いで決めちゃったせいであたしの「素」と役柄の距離がびみょーに遠いよぉ
撮り直しが効くいつもの撮影ならともかく、一発勝負にはちょっと向いてなかったかもねぇ
今までクロノヴェーダや現地の人たち相手にしゃべくって、煽ったり騙したりしてきたの思い出して、頑張るけどさぁ!
技も普段と違うカンジにしとこう。『リュミエール・コメット』を使うよぉ
映画館の暗闇にスターの姿を映し出す照明……という体で光りながら突撃
飛び蹴りを浴びせて敵をぶっとばし、他の敵に衝突させて一気に三体にダメージを与える
敵のナイフを忍者刀で防ぎ、格闘術をこちらの拳足で受け流し、映画そのままのアクションを見せちゃおう
世に悪が栄えた試しはないのよ!
「今回はこーゆーノリかぁ。何か本当に映画の話が始まっちゃったみたい」
映写室の窓からスクリーン前の乱闘を覗き、一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)は出番を待つ。
「役者としての個性を出してくより、役に入り続けた方がいいかもねぇ」
潜入時の関係者っぽい恰好から、忍者装束とシスターの頭巾を混ぜた衣装へと着替え終わった。
「クロノヴェーダとは役者の違い、見せてあげます!」
音羽・華楠(赫雷の荼枳尼天女・g02883)は、興奮気味。
ハリウッドのワイズガイたちと闘えるからか。
「彼らを倒した先にキング・オブ・ポップが居る……! ここで負けるわけにはいきません」
先行してショーを指揮していた仲間が、キュー出しをしてくれる。
マイクからの音声で、華楠は劇場中に叫んだ。
「わたくしの出番ですわ!」
劇中のセリフのままだ。
客席がわーっと湧くなか、華楠と燐寧が映写室から飛び降り、トループス級たちの前へ躍り出た。
「あなた達がここに来ることなどお見通しよ! ハセガワ流忍術と吸血鬼狩りの技の精髄、身を以て味わいなさい!」
燐寧もちゃんとセリフを叫ぶ。
ダブルくノ一ヒロインが揃った。
「こしゃくな……者ども、かかれッ!」
吸血鬼は配下をけしかけるとマントで顔を覆い、いったん下がる。宇宙人たちは各自でナイフを抜いて、格闘術とともにふたりへと襲いかかってきた。
(「うーん、ノリと勢いで決めちゃったせいであたしの『素』と役柄の距離がびみょーに遠いよぉ」)
と、いったあたりが燐寧の心中。華楠は、身も心もなりきってる。
(「宇宙人の大群相手に使うのは当然、予告の展開と同じく分身の術!」)
印をしっかり結ぶ。
「臨む兵、闘う者、皆、陣列ねて前を行く! 多重雷分身――急急如律令!! 『雷幻想・群雄(ファンタズム・エインヘリアル)』!!!」
詠唱も省略しない。
雷で構成された、術者と瓜二つの分身を無数に生み出し、ビッグアイエージェントたちへけし掛ける。
最大速度をだすと、まさに雷になってしまうので、お客さんたちが目で追えるように敢えて落とし気味に。
サービスっぽく分身たちからウインクを飛ばすこともする。
映画の一場面のようで、客席はまた総立ちとなった。
燐寧はなんとかついていく。
敵のナイフを忍者刀で防ぎ、格闘術をこちらの拳足で受け流し、シークエンスそのままのアクションを見せる。
(「撮り直しが効くいつもの撮影ならともかく、一発勝負にはちょっと向いてなかったかもねぇ。今までクロノヴェーダや現地の人たち相手にしゃべくって、煽ったり騙したりしてきたの思い出して、頑張るけどさぁ!」)
すると燐寧にも、華楠のやってることが、見せるための戦いと判る。
速度を落した代わりに、トループス級たちの近接格闘術と正面から相対させ、要所要所で打撃や蹴撃を雷速で放ち、見所のある殺陣の演出を心掛けている。
一体倒す毎に分身に稲光を放たせ、勝鬨のようにしていた。
(「そぉかぁ。あたしの技も普段と違うカンジにしとこう。『リュミエール・コメット』を使うよぉ」)
呪詛や怨念や人体破壊はナシ。
彗星の如き光を全身から放ちながら、敵群へ向け突撃するこのパラドクスも、映画館の暗闇にスターの姿を映し出す照明……というていにアレンジする。
本気出したら、一般人の目が潰れる。
スポットライト程度に光りながら飛び蹴りを浴びせて敵をぶっ飛ばし、他の宇宙人に衝突させていっきに三体を撃破した。
「『Ninja』! 『Ninja』!」
客席の盛り上がりをみれば、ディアボロスが『ハリウッドスター』に認められているのは明らかだ。
むしろ、この承認が貰えなければパラドクスの威力は下がるという話だった。『本気』攻撃は本当の威力にならない。
「世に悪が栄えた試しはないのよ!」
燐寧の唇からスラっと、いつもとは違う口調が出る。華楠は、残った吸血鬼にむかってキメ台詞。
「わたくしはもう、子狐ではなくってよ」
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【友達催眠】がLV2になった!
【士気高揚】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
【能力値アップ】LV1が発生!
星宮・結城
(トレインチケット)
牛島・義弘
(トレインチケット)
「うッ……!」
『アルバート・フィッシュ』は咄嗟の仕草で、どうにかこうにか、たじろぐ芝居を維持した。
小声でぼやく。
「(ディアボロスめ……観客を味方につける研究をしてきたな?)」
失った配下のぶんを支えるためか、アヴァタール級は血液人形を作って戦力に加える。さらには、血の赤がうっすらと透けるガラス製の棺桶、墓標、そして納骨堂を召喚する。
それらで相手を拘束し、茨で鞭打つ戦闘法だろう。
吸血鬼は左手でマントをかざして顔の下半分を慎重に隠しながら、右手に茨の鞭を握った。拘束具がディアボロスたちに襲い掛かる。黒忍者がガラスの納骨堂に閉じ込められてしまう。
「むむ! 不覚をとったでござる!」
ここでこっそりキャストが入れ替わっていた。
初代は細かい芝居に向かないから、以後は黒装束を身につけた、星宮・結城(魔道具屋・g01816)が代わりを務める。
(「あのクロノヴェーダ、一般人を巻き込まないようにしてんのか……」)
鞭は壁を透過してくる。
打たれながらも結城は、冷静に観察している。
(「人の命を踏みにじる行為、見た目に外道な行為もない。どうせ、『ハリウッドスター』システムとやらで能力を維持したいんだろうがよ。俺が本気出す相手じゃなさそうだぜ。なら……」)
アテレコで悲鳴をあげ、ピンチ描写が続く、黒忍者。
観客はハラハラしどうしだが。
(「もうちょっとだけ捕まったまま、だらーっとしとこう」)
わりと無気力な銀狐。
その安寧を打ち破る気合。
「HIYAAAAAA!」
道着を纏った老人、牛島・義弘(風月流牛島派元師範・g04060)が血の拘束具の並ぶなかへと飛び込んできて、『破軍衝(はぐんしょう)』を打ちつけた。
広がる衝撃波に、棺桶や墓標、納骨堂の扉に亀裂がはいる。
黒忍者は、背を屈めながら、拘束具の出口から這い出てきた。
「マスターゴトウ、かたじけない」
「な~んのことじゃな? 儂は唯の爺よ。ま、多少は物騒かもしらんがの」
ほっほっほと笑ううちに、周りから声があがる。
「『Tokyo(東京)』の『sensei(先生)』だ!」
予告編の冒頭からよく見ていた客が言い当てた。
義弘のキャスティングはピッタリだ。椅子に座っているだけの短いシーンだったが、武術の達人で元師範が演じ、トレードマークのサングラスは外して求道者の素顔を見せていれば、説得力は十分だった。
まことに、『忍者の師匠』らしい。
「一発くらってもマントに引きこもっておるとは、吸血鬼もやりおるのう」
指摘のとおり、『アルバート・フィッシュ』はまだまだ姿勢を崩さない。
「(鋼の刃で斬滅させろ……スペリオルセイバー)」
黒忍者こと、結城は小声で詠唱した。
魔弓より、刀鳳の幻影と共に鎌鼬の魔力矢を放つ。アルバートに命中し、魔法の風が巻き起こるが、吸血鬼役は、ばたつくマントをおさえ、かたくなに左手を離さないのであった。
善戦🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
効果1【一刀両断】LV1が発生!
【エアライド】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV2になった!
【ガードアップ】LV1が発生!
一里塚・燐寧
とうとう現れたわね、ヴァンパイア!
ふっ……闇の魔術で往年のスターの姿を真似るなら、せめてもうちょっと老けさせた方がよかったんじゃないかしら?
あぁ、永遠に歳を取らないあなた達には、想像力が働かなかったのね。数十年を経たら人間がどうなるのか!
「偽物の名優だと看破する」のに加えて、役柄のまま相手を吸血鬼認定して啖呵を切るよぉ
煽り癖に普段のあたしが出てきてる気がするけど……気合い入れ直して、もーちょっと我慢しよう
今度の『屠竜技:点穴穿ち』もいつものスタイルとは一味違う
敵に十字架型のヴァンパイアハンタークナイを投げた後、クナイが突き刺さった部分を「弱点」に見立てて掌底を仕掛けるよぉ
忍者特有の気功を用いた一撃が突き刺さったクナイを弾丸の如く加速させ、体内をぶち抜く……って雰囲気を出そう
新生ハセガワ流奥義!点穴穿ち!
迫り来る血液の人形を回し蹴りや柔術で蹴散らし、ダメージを抑えながら観客にアクションを魅せよう
微塵も忍んでないけど気にしない!
ふぃー、その気になればやりきれるもんだねぇ
面白い経験ができたよぉ
音羽・華楠
引き続き、くの一ヒロインの役柄に成り切って――
……予告編映像のネタは大体使っちゃいましたし、ここからはアドリブ多めでいきますっ。
アルバート・フィッシュを意味ありげに指差し、指摘します。
「わたくしの、くの一の目は誤魔化せませんわ――」
アルバートが、ワイズガイ側の映画で吸血鬼役を演じてるという触れ込みの往年のハリウッドスターではないことを暴露します。
……アルバート、ずっと顔を隠すことに注心してますし。
恐らくより上位の相手から、正体がばれるのは厳禁と言い含められてるんでしょう。
「偉大な先人の名を騙る不届き者、その正体暴いてくれますわ!」
そう叫び、観客たちの興味を引きつつ、アルバートがより顔を隠すことを意識しなくてはならないように誘導して、動きを牽制します。
そうやってアルバートの隙を作り、そこを狙って放つのは《雷幻想・凶鳥》!
『飯綱落とし』というものもありますし、派手な投げ技も忍者の定番です!!
最後は【影忍び】も使って忍者らしく不可思議に退場を。
「忍者は、あなたの影にも潜んでいますわ」
……とか。
「やっと現れてくれたけど、ヴァンパイア!」
一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)は、鋭く指をつきつける。ガラスの棺桶から、自力で脱出した音羽・華楠(赫雷の荼枳尼天女・g02883)も、意図を察した。
引き続き、くの一ヒロインの役柄に成りきりつつ。
(「……予告編映像のネタは大体使っちゃいましたし、ここからはアドリブ多めでいきますっ」)
意味ありげな指差しに加わる。
「わたくしたち、くの一の目は誤魔化せませんわ――」
『アルバート・フィッシュ』が、ワイズガイ側の映画で吸血鬼役を演じているという触れ込みの往年のハリウッドスターではないことを暴露したい。
あれだけずっと顔を隠すことに注心しているのだ。
恐らくより上位の者から、正体がばれるのは厳禁と言い含められていると予想がつく。
「偉大な先人の名を騙る不届き者、その正体暴いてくれますわ!」
華楠の叫びに、ワイズガイはぎょっとした。
「(いや、ディアボロスよ。そこんとこのお約束は守ってくれよ。こっちだってニンジャ? の、体裁は破ってないだろ……)」
懐柔する小声が漏れてくるが、口元を隠しているのはむこうだ。聞こえないフリは有効。
観客たちは、正体という言葉に興味を惹かれつつある。アルバートはより顔を隠すことを意識しなくてはならず、動きも抑制される。
燐寧が啖呵を切った。
「ふっ……闇の魔術で往年のスターの姿を真似るなら、せめてもうちょっと老けさせた方がよかったんじゃないかしら?」
『偽物の名優だと看破する』のに加えて、役柄のまま相手を吸血鬼認定したのだ。
「あぁ、永遠に歳を取らないあなた達には、想像力が働かなかったのね。数十年を経たら人間がどうなるのか!」
これは、燐寧にとっても諸刃の剣だ。
(「煽り癖に普段のあたしが出てきてる気がするけど……気合い入れ直して、もーちょっと我慢しよう」)
するうち、客席のざわめきが、異質なものとなる。
「え、『彼』が演じてるんじゃないのか……?」
「トーキーやカラー、ワイドスクリーン化から取り残されてるって噂は、本当だったようだな」
耳まで覆った疑惑の中心は、鞭を鳴らして誤魔化そうとした。
血液の人形が反応し、ディアボロスたちへと迫る。しかし、動きがぎこちない。
アルバート・フィッシュの『スター』力が落ちている。
ハリウッドの一般人が疑念をもったからだ。
燐寧は、人形を回し蹴りや柔術で蹴散らし、ダメージを抑えながら観客にアクションを魅せまくった。
「微塵も忍んでないけど気にしない!」
「『Ninja』! 『Ninja』!」
そうして観客は、アルバートの代役の件などうっちゃらかし、ディアボロスへの応援に染まる。
パラドクスの威力を後押しした。
(「今度の『屠竜技:点穴穿ち(スレイヤーアーツ・フェイタルプッシュ)』もいつものスタイルとは一味違う」)
敵の弱点となる部位を狙う技にはかわりない。
十字架型のヴァンパイアハンタークナイを投げた後、燐寧はクナイが突き刺さった部分を『弱点』に見立てて掌底を仕掛ける。
「新生ハセガワ流奥義! 点穴穿ち!」
忍者特有の気功を用いた一撃が、突き刺さったクナイを弾丸の如く加速させ、体内をぶち抜く……って雰囲気で。
背中から刃物が突き出たことで、吸血鬼のマントは引きちぎれ、ボロボロになった。
固いガードが剥がれると、アルバートは大口を開けて絶叫する。
「ぎゃああああっ――」
その顔をすぐに挟むものがある。
華楠の両太股だ。
(「『飯綱落とし』というものもありますし、派手な投げ技も忍者の定番です!!」)
頭部をおさえたまま、宙へ舞い上がった。小劇場なので、天井はすぐ。
「柔能く剛を制し、弱能く強を制す。柔は徳なり、剛は賊なり――急急如律令! 『雷幻想・凶鳥』!!」
超高速回転を加えて床へ投げ落とし、顔面にヒッププレスを喰らわせる。
「忍者は、あなたの影にも潜んでいますわ」
敵の撃破を認めたあと、華楠は謎めいた言葉をのこし、『影忍び』を使って忍者らしく不可思議に消えた。
観客から盛大な拍手が起こる。
上映が再開されれば、いまいちど場内は暗くなり、退出できるだろう。
彼女のパフォーマンスに注目が集まっているあいだに、ほかのディアボロスたちは映画館をあとにしていた。
「ふぃー、その気になればやりきれるもんだねぇ」
汗を拭きながら、燐寧は満足げだ。
「面白い経験ができたよぉ」
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【平穏結界】LV1が発生!
【影忍び】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV2になった!
【ダメージアップ】がLV4になった!