リプレイ
守都・幸児
喩嘉(g01517)と一緒に行動するぞ
※アドリブ・連携歓迎
山育ちの俺の前で山を荒らそうとするとはいい度胸だ
しかも奈良を狙いやがって
やっと奪還した土地にも民にも、指一本触れさせるもんかよ
山歩きになるから装備品の黒曜履をしっかり履いていくぞ
まずはあの怪火どもを片付ける
俺の使う技は「定」
触れれば刃に変じる結界の壁を、無数に張り巡らせる技だ
木々に紛れて移動し、喩嘉には敵群の上をとってもらい、俺は下に回る
可能な限り敵の配置を把握したら
敵群を囲むように結界を張り、逃げ道を塞ぐ
そこを喩嘉の雲行雨計で攻撃してもらい一網打尽にしてやるぞ
さらに結界の壁で敵を敵の火の粉や炎、爆風を阻んで
周囲への被害も最小限にと留めてやる
木々への延焼は絶対に避けてえからな
突出する敵がいたらそいつの四方を囲むように結界を張って強制的に結界の刃に当たらせてやろう
奈良方面を背に【防衛ライン】も展開しておいて
後ろを取られたり包囲されたりするのを防ぐぞ
喩嘉がPOWで狙われてたらディフェンス
反撃でもきっちり敵の火の粉を結界で封じながら倒す
喩・嘉
幸児(g03876)と共に行動する。
※アドリブ・連携歓迎
元よりクロノヴェーダなど信じてもいないが
まるで法の穴を突いたかのような進軍。なんともせこいな。
美しい森を、豊かな自然を荒らされては困る。
とっとと片付けて平穏を取り戻そう。
被害を抑えるために怪火からやっつけよう。
幸児と分かれて上へ向かい、
敵の位置を把握した後に羽扇を振るい、
雲を呼んで『雲行雨計』を使用する。
あたり一面に雨を降らせて敵の放つ炎が延焼しないように抑え込みつつ、
敵群に包囲されているような錯覚をさせて精神を錯乱させる。
【命中アップ】で着実に攻撃を当てて敵の数を減らし、殲滅しよう。
幸児がWIZで狙われていたらディフェンス。
反撃でも確実に敵を制圧していこう。
シエルシーシャ・クリスタ
アドリブ・連携は歓迎だよ
さすがにこのまま奈良への襲撃を許すことはないよ。
……それにしても随分短絡的な攻めだね?
こっちの警戒に回す手は足りてないと読んでたのかな。
まずは数の多い怪火を潰そうか。
後回しにして散らばられちゃうと、残さず片付けるのが大変だからね。
纏まってる内に一気にやっちゃうのが一番。
仲間が場を作って仕留めにかかるみたいだし、私は『蹂躙者』で飛び込んで暴れちゃおう。
敵陣を掻き乱して混乱を煽る感じだね。
こっちに向かって来たら叩き潰す。逃げようとしてもとっくに塞がれてる。
奈良の人たちを焼こうとしたんだし、容赦はしないよ。
敵の反撃は一気に突っ切るか、『蹂躙者』と盾でしのぐか、かな。
……こいつら倒してる間にすり抜けていかれたら厄介だけど、まとめ役が脳筋の羅刹なら大丈夫だね、まず思いつかない。
むしろ景気づけだって勢いで突っ込んできそう。
●
紀伊山地の深き森、月光が木々の隙間から差し込む中、守都・幸児(祥雲・g03876)は黒曜履の紐を締め直した。
「山育ちの俺の前で山を荒らそうとするとはいい度胸だ」
藍色の瞳に怒りの炎が宿る。隣では喩・嘉(瑞鳳・g01517)が漆黒の翅を広げ、夜風を捉えていた。
「まるで法の穴を突いたかのような進軍。なんともせこいな」
軍師として幾多の戦を見てきた嘉の声には、侮蔑の色が滲む。
――二人の視線の先、谷間に無数の火の玉が蠢いていた。怪火の群れは互いにぶつかり合い、火花を散らしながら進軍の時を待っている。
敵は思いのほか多い。ざっと見ても五十は下らない数だ。油断すれば森全体が火の海と化すだろう。
「やっと奪還した土地にも民にも、指一本触れさせるもんかよ」
幸児の言葉に応えるように、嘉は鳳凰扇を取り出す。
「美しい森を、豊かな自然を荒らされては困る。とっとと片付けて平穏を取り戻そう」
作戦は既に決まっていた。嘉が翅を羽ばたかせ上空へ舞い上がる間に、幸児は木々に紛れて谷底へと降りていく。山歩きに慣れた足取りは、黒曜履の助けもあって音もなく移動を可能にした。
上下から敵の配置を確認し終えた瞬間――。
「定め、留め、戒めろ!」
幸児が見様見真似の紙符を放つ。無数の結界が怪火たちを囲むように展開され、透明な壁が逃げ道を塞ぐ。同時に上空から嘉の声が響く。
「雨よ、天帝の加護ぞあれ!」
鳳凰扇が振るわれ、晴天だった空に瞬く間に黒雲が立ち込める。激しい雨が降り注ぎ、怪火たちの炎を押さえ込んでいく。
雨音は怪火たちにとって、自らを取り囲む敵軍の声として聞こえた。錯乱した敵たちが互いにぶつかり合い、混乱の渦に呑まれだす。
「なんだこの雨は! 俺たちを包囲してやがるのか!?」
その隙を突いて、シエルシーシャ・クリスタ(水妖の巫・g01847)が動いた。
「さすがにこのまま、奈良への襲撃を許すことはないよ」
呪具を核に半物質化した呪詛が縒り合わされ、顕現したのは四腕の巨大な人馬。
「ナックラヴィー! 呪え、鎧え、踏み躙れ!」
狂瀾怒濤の蹂躙者が敵陣へ突入する。浮足立つ怪火を容赦なく踏み潰し、混乱を更に煽り立てた。
断末魔よろしく火の粉が飛び散るも、幸児の結界が周囲の木々への延焼を防ぐ。
「チクショー! なんだこの化け物は!」
怪火たちが反撃に転じる。炎の集中砲火が上空の嘉へ向かう。
そうはさせじと、幸児は即座に紙符を投げ上げ、空中に結界を展開。攻撃を受け止めた。
火の玉が一斉に大爆発を起こし、辺り一面を吹き飛ばそうとした。
爆風が山肌を抉り、土砂が舞い上がる。だが嘉が扇を大きく振るうと、豪雨が滝のように降り注ぎ、炎の威力を半減させた。同時に幸児の結界が網の目の如く展開され、飛来する火礫を次々と弾く。
シエルシーシャは割盾ヒルズで残る爆風を受け流しながら、蹂躙者に命じた。
混乱する敵陣の最も密集した箇所へ、四本の腕を振り上げて突進させる――。
突出してきた数体の敵に対し、幸児は素早く四方を結界で囲む。逃げ場を失った怪火は、触れた瞬間に刃へ変じる障壁に切り裂かれていく。
「木々への延焼は絶対に避けてえからな!」
実際、幾度も火の粉が古木に降りかかったが、幸児の張り巡らせた結界が即座に反応。透明な壁が樹皮を守り、千年杉の巨木すら無傷のまま保たれた。森の動物たちも、結界の内側で震えながらも無事であった。
幸児が奈良方面を背に引いた白い直線が、敵の後方回り込みを完全に遮断。続く嘉の精密な扇捌きにより、雨に紛れた精神攻撃が確実に敵を捉えた。
錯乱の極みに達した怪火が、自らの炎すら制御できずに消えていく。
乱戦は佳境を迎えていた。数十体いた怪火も、今や半数を切っている。それでも残った火の玉たちは、死に物狂いで抵抗を続けた。
爆発、炎の雨、熱風――紀伊の山が戦火に包まれそうになる度、三人がそれを押し返す。
業火を撒き散らし暴れ回る怪火たちは、結界に閉じ込められ、雨に打たれ――ディアボロス側の連携の前には為す術がない。
「奈良の人たちを焼こうとしたんだし、容赦はしないよ」
冷たく呟くシエルシーシャ。ナックラヴィーの四本の腕が紫の呪詛を纏い、逃げ場を失った怪火を片端から掴んでは握り潰していく。最後の抵抗すら許さなかった。
やがて最後の一体が、紅蓮の光を残して消滅。戦場に静寂が戻る。焦げ臭い煙が雨に流され、森は再び月光に照らされた。
……怪火の脅威こそ去ったが、紀伊山地にはまだ敵が潜んでいるはずだ。次なる戦闘に備え、三人は無言で頷き合った。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【防衛ライン】LV1が発生!
【水源】LV1が発生!
【スーパーGPS】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV2が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!
●
谷間から尾根へと続く獣道を進むディアボロスたち。怪火の全滅は敵に気取られたはずだ。奈良への最短ルートは既に封鎖されているかもしれない。
突如、風が変わった。
木々がざわめき、落ち葉が舞い上がる。それは自然の風ではない――鋭利な殺気を孕んだ、刃のような風圧だった。
樹上から無数の影が降り注ぐ。鎌鼬の群れだ。鋭い鎌を月光に煌めかせ、縦横無尽に木々を駆け巡る。その数、少なくとも二十。
「怪火どもを片付けたのはてめえらか!」
ひときわ大きな個体が、尾の鎌を巨大化させながら吼える。
「邪魔立てするなら容赦はせん。早良親王様の命により、奈良の大地を血で染め上げてくれる!」
包囲は既に完成していた。前後左右、そして頭上。鎌鼬たちの赤い眼が、獲物を見定めるように光る。山の風が唸りを上げ、次なる死闘の幕が上がろうとしていた。
守都・幸児
喩嘉(g01517)と一緒に行動するぞ
※アドリブ・連携歓迎
よし、火事は防げたな
次の相手は鎌鼬どもか
森を傷つけさせてたまるかよ
俺の使う技は「繋」
土地の力を借りて、成長させた木々で敵を絡め取る技だ
木々の枝を四方に張り巡らせ、すばしっこい敵群を捕えて締め上げるぞ
俺は邪魔な小さい鎌鼬どもの動きを封じ
ひときわ大きい個体を喩嘉が狙い撃ちしやすいようにする
群れの統率が乱れたら後は各個撃破だな
【命中アップ】の力も積極的に使って一匹たりとも逃さねえぞ
包囲されてるから背後を取られねえように注意して、喩嘉とお互いの死角を補い合う
敵の攻撃はパラドクスで生やした木々で受け、元々生えてるの森の木は守りたい
この森も、てめえらに荒らされたくねえってよ
俺は平安の生まれだから
早良親王の名と逸話は聞いたことがある
だがここは平安じゃねえし、ここは都じゃねえんだよ
だからてめえらはお呼びじゃねえ
とっととこの山から消え失せろ
喩嘉がPOWで狙われてたらディフェンス
守るように生やした木々の枝で敵の攻撃を受け止め、反撃でも締め上げてやるぞ
喩・嘉
幸児(g03876)と共に行動する。
※アドリブ・連携歓迎
ほう……獣の姿なのに喋るんだな
ならば戦略立った戦いが効くだろう
まあ、ボス格を狙うのは獣の群れだろうが効率的だろうが
幸児が敵の動きを制限している間に
羽扇を振るい、霧を発生させて『五里霧計』を使用する。
大きな個体から狙っていき、霧に紛れて背後を取り、鳳凰爪で刺して確実に倒す
一番大きな個体が喋ったということは、大きさが強さに比例しているだろうからな
強いやつから順に倒していってやる
幸児がWIZで狙われていたらディフェンス。
もし自分や仲間が攻撃を受けても【ガードアップ】で被害を軽減する。
●
鎌鼬たちの包囲網の中、守都・幸児(祥雲・g03876)は冷たく笑った。
「火事は防げた。次の相手は鎌鼬どもか」
隣では喩・嘉(瑞鳳・g01517)が羽扇を手に、敵の配置を冷静に分析している。
「ほう……獣の姿なのに喋るんだな。ならば戦略立った戦いが効くだろう」
二十を超える鎌鼬が、木々を縦横無尽に駆け巡る。その中でもひときわ大きな個体が、尾の鎌を巨大化させて威嚇していた。
「奈良の血を吸うまで、俺たちは止まらねえ! 早良親王様の命令は絶対だ!」
「……一番大きな個体が喋ったということは、大きさが強さに比例している可能性は高い」
嘉の推察に、幸児が頷く。
「俺は平安の生まれだから、早良親王の名と逸話は聞いたことがある。――非業の死を遂げた親王の名を騙るとはな」
怒りを込めた声が、夜の森に響き渡る。
「だがここは平安じゃねえし、ここは都じゃねえんだよ。だからてめえらはお呼びじゃねえ。とっととこの山から消え失せろ!」
幸児が陰陽五行の木の気を高めると、土地の力が呼応した。
「繁ろ、絡げろ、締め上げろ!」
地面から無数の樹木が爆発的に成長し、小型の鎌鼬たちを片端から捕縛していく。枝葉が網のように張り巡らされ、すばしっこい敵群の動きを封じた。
「森を傷つけさせてたまるかよ……!」
同時に嘉が鳳凰扇を振るう。
「深き霧の中で、迷い子のように惑え」
光を屈折させる霧がたちまち戦場を覆った。視界を奪われた鎌鼬たちが混乱する中、嘉は最大の個体へと忍び寄る。
「なんだこの霧は! どこから攻撃が――ぐあっ!」
背後から鳳凰爪を振りかぶり、深々と突き立てた。急所を貫かれた大型個体は、どうと音を立てて倒れ伏す。
「強いやつから順に倒していってやる」
「くそっ、頭領が!」
リーダー格を失った鎌鼬たちが動揺する。それでも残った個体が、必死の突撃を仕掛けてきた。
「切り刻んでやる! ディアボロスも、一般人どもも!」
風の刃が乱れ飛び、樹皮を削る音が響く。
そんな中、嘉を狙うは大尾鎌の一撃。しかしそうはさせじと幸児が即座に割り込む。
成長させた樹木の枝が盾となって攻撃を受け止め、そのままの勢いで伸び、逆に敵を締め上げた。すかさず嘉が鳳凰爪を突き出し、トドメを刺す。
「早良親王様の御為に……!」
敵側も七転八倒、荒れ狂うが、二人の防御態勢は堅固で、環境ともども被害は最小限に抑えられる。残留する加護が幸児の動きを導き、狙った獲物は確実に蔓が捕らえる。
幸児と嘉は互いの死角を補い合いながら、確実に敵の数を減らしていく――。
やがて残る一匹が、嘉の爪に穿たれて血飛沫を上げ、動かなくなった。
「これで最後だ」
倒れた鎌鼬たちは土へ還るように消えていく。森に静寂が戻り、霧が晴れていった。
鎌鼬の血の匂いが風に乗る。この先にはまだ、最後の強敵が待ち構えているはずだった。
二人は奈良への道を守り抜く決意を新たに、無言で頷き合うのだった――。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【建物復元】LV1が発生!
【平穏結界】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV2が発生!
●
一歩、また一歩と、何か巨大なものが近づいてくる。木々がざわめき、鳥たちが一斉に飛び立つ。月光を遮るように、赤黒い影が立ち上がった。
人喰らいの悪鬼『羅刹』。
その巨体は三メートルを優に超え、赤銅色の肌が月光に照らされて禍々しく輝く。筋骨隆々たる四肢は、一振りで巨木をへし折るほどの破壊力を秘めている。
「怪火も鎌鼬も片付けたか……上等だ」
羅刹の声は地鳴りのように響く。血走った眼が、獲物を見定めるようにディアボロスたちを睨みつけた。
「早良親王様は言った。奈良を血の海にしろと。だが俺は違う。てめえらディアボロスを喰らうことしか考えてねえ!」
羅刹が大地を踏みしめる。その一歩で、地面に亀裂が走った――。
守都・幸児
喩嘉(g01517)と一緒に行動するぞ
※アドリブ・連携歓迎
よお、鬼
ディアボロスならここにいるぞ
喰らえるもんなら喰ってみやがれ
俺は硬いから覚悟しとけよ
でかい図体のくせに素早い鬼みてえだな
それじゃあこっちも電光石火で対抗するか
俺の使う技は「ジュピターミキサー」
自分の肉体と武器に雷の力を宿す技だ
武器は鉄骨を使い、こいつに雷の力を込めて帯電させとくぞ
そのでかい足で森を踏み荒らされたら迷惑なんで
とっとと終わらせようじゃねえか
敵は速さが自慢みてえだが、パラドクスの力でこっちも雷のごとく迎え撃つ
俺が前に立ち、喩嘉の援護を受けながら
攻撃に最適な一瞬を見極めてみせるぞ
ここまで重ねた【命中アップ】の力を借りて確実な一撃を敵にぶち込んでやる
的がでかいから当てやすくて助かるぞ
【ガードアップ】の力も借りて、敵の攻撃を受けても怯まずに耐えてみせる
喩嘉にも仲間にもこの山の森にも、もちろん奈良にも
この鬼の攻撃を届かせやしねえ
喩嘉がPOWで狙われてたらディフェンス
攻撃を鉄骨で受け止めて反撃する
てめえの相手は俺がしてやるよ
喩・嘉
幸児(g03876)と共に行動する。
※アドリブ・連携歓迎
狙いはディアボロスだけか。
それは俺たちからするとありがたいな。
ご要望通りに相手をしよう。
まあ……俺は真正面から戦うとは言っていないが。
こういう手合いの相手は、俺よりも適任がいる。
幸児が前衛に出る分、今回は俺が引く。
化蛇弓を構え、『山繭幻惑弓』を使用する。
幸児の動きを見ながら適宜援護し、
的確に羅刹の動きを封じるように矢で手足を射抜いていく。
幸児がWIZで狙われていたらディフェンス。
反撃でもダメージを稼ぐ。
シエルシーシャ・クリスタ
アドリブ・連携は歓迎だよ
やる気は満々みたいだね。まあ、鬼らしいか。
早良親王は妖怪っぽいし、イマイチ気が合わないのかな?
まあ、一般人の被害を考えなくていいのは気が楽だ。
ここで片付けて、さっさと次にいこう。
敵に合わせるわけじゃないけど、小細工は抜きで行こう。
鬼神変。
巨大化した腕に無数の破片を呪詛を介して纏わせ、拳甲に。
武器を構え、相手の突進に真正面から思いっきりの一撃を叩きつける。
この図体だし、一撃じゃムリかもしれないけど、二度でも三度でも。
敵の反撃は迎撃して相殺するか、それが無理そうならしっかり受け止め、可能なら捕まえよう。
今の私はそれなりに力があるからね。
手や足をねじ切る、とまでは行かなくても、捕まえられたらちょっと痛い目を見ることになるよ?
それにしても、早いトコ、紀伊と高野山は落とさなきゃね。
いつまでも水際対策はしてられないし。
●
赤黒い巨体が大地を踏みしめる度、地面に亀裂が走る。
守都・幸児(祥雲・g03876)が一歩、相対するように前へ出た。
「よお、鬼。ディアボロスならここにいるぞ」
挑発的な笑みを浮かべながら、工事現場から借りてきた鉄骨を肩に担ぐ。
「喰らえるもんなら喰ってみやがれ。ただ俺は硬いから覚悟しとけよ」
喩・嘉(瑞鳳・g01517)は冷静に距離を取りながら、腕を差し伸ばす。
「狙いはディアボロスだけか。それは俺たちからするとありがたいな」
腕に巻き付いていた蛇のような弓が、瞬時に黄金の弓へと変貌する――。
「まあ……俺は真正面から戦うとは言っていないが」
シエルシーシャ・クリスタ(水妖の巫・g01847)も拳を鳴らす。
「やる気は満々みたいだね。まあ、鬼らしいか」
羅刹の血走った眼が、獲物を品定めするように舐め回す。唾液が牙から滴り、殺気は肌を刺すように濃密だ。
「三人か……まとめて喰ってやる!」
羅刹が大地を蹴った。巨体とは思えぬ速度で、残像すら残しながら突進してくる。
刹那、幸児の鉄骨に雷光が走る。
「でかい図体のくせに素早いな。それじゃあこっちも電光石火で対抗するか!」
ジュピターミキサーの力が幸児の全身を駆け巡る。帯電した鉄骨を振りかざし、雷鳴と共に羅刹を真正面から迎え撃つ。
「グオオォォ!! ミンチにしてやる!」
羅刹の突撃と幸児の鉄骨が激突。爆音と共に衝撃波が炸裂し、周囲の巨木が軋みを上げて揺れ動く。幸児は一歩も退かず、鬼もまた圧される様子はない。
「山繭幻惑弓!」
嘉が化蛇弓を引き絞る。鱗粉状のオーラが一陣の風とともに舞い散り、羅刹の視界を惑わせた。
狙いは手足の関節――動きを封じる急所への精密射撃だ。幸児が引きつけた隙を逃さず、確実に矢を撃ち込んでいく。
「ちィっ、小賢しい!」
羅刹が腕を振り払えば旋風が巻き起こされ、途上から嘉の矢を弾く。しかしすでに四肢へ刺さった分、その反応は着実に鈍くなっていた。
「小細工は抜きで行こう。――鬼神変!」
シエルシーシャの両腕が異形へと変貌する。筋繊維が膨張し、巨大化した腕に無数の破片が呪詛を介して纏わり、禍々しい拳甲を形成した。
「この図体だし、一撃じゃムリかもしれないけど……!」
幸児と対峙する鬼の横合いから、巨腕を叩き込む。
羅刹は防御姿勢を取るも、限界を超えて強化された膂力は想定を超えていた。
「二度でも三度でも! くらえ!」
「オオオォォォ……ッ!」
鈍い音と共に羅刹の肩が沈む。戦いは激化の一途を辿る。
羅刹の乱風覇斬が周囲の木々を薙ぎ倒そうとするも、嘉が素早く矢を放ち、風の流れを逸らしていく。
「そのでかい足で森を踏み荒らされたら迷惑なんで、とっとと終わらせようじゃねえか」
幸児の鉄骨が青白い電光を放ちながら、羅刹の膝をぶん殴る。
「早良親王は妖怪っぽいし、イマイチ気が合わないのかな?」
シエルシーシャが皮肉を込めて呟きながら、再び腕を振り上げる。
羅刹が体勢を立て直そうとした途端、シエルシーシャの巨腕がその右腕を掴んだ。
「手や足をねじ切る、とまでは行かなくても、捕まえられたらちょっと痛い目を見ることになるよ?」
呪詛を纏った指が音を立てて皮膚へ肉へ食い込み、羅刹の動きをわずか数秒、封じる。
幸児と嘉が追撃を仕掛けるには、それで十分で。
三方向からの猛攻は、羅刹へ苦境を強いる。幸児の稲妻を纏った鉄骨が羅刹の腹部を打ち据え、嘉の矢が足の動きを封じ、シエルシーシャの拳骨が容赦なく叩きつけられる。
「てめえらァ!」
羅刹が怒り狂い、無差別に暴れ回る。嘉を狙った肉挽骨穿が迫る。
幸児は即座に嘉の前へ立ちはだかり、鉄骨でもって攻撃を受け止めた。
「てめえの相手は俺がしてやるよ」
接触によって電撃が羅刹の腕を這い、筋肉を刺激し、一瞬の麻痺を誘う。積み重ねた戦いの経験が幸児の動きを導く。
雷撃を帯びた鉄骨が返す刀で、羅刹の胴体へ深々と突き刺さる。
「くっ……まさか、こんな……!」
羅刹の血が大地に滴り、膝が震え始めた。シエルシーシャが腕を振りかぶり、最後の一撃を放つ瞬間、羅刹の巨体がいよいよ傾ぐ。もはや限界だったのだろう。
「早良親王様……申し訳……」
終幕を告げる猛打を受け、羅刹は轟音を立てて大地に倒れ伏す。やがてその巨体は、土に還るように消えていった。
紀伊山地に静寂が戻る。幸児が鉄骨から電撃を解きながら呟く。
「これでひとまず守れたな」
嘉が化蛇弓を腕に巻き付け直し、シエルシーシャも巨腕を元に戻す。月光が再び森を照らし、平和が戻った証のように、夜鳥の声が響き始めた。
《戴冠の戦》におけるこの場の戦いは、ディアボロスたちの完全勝利に終わったのである――。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【ハウスキーパー】LV1が発生!
【防衛ライン】がLV2になった!
【怪力無双】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV2が発生!
【アヴォイド】LV1が発生!