リプレイ
クローディア・ベネット
宮殿に人が働きに出てるなら盾にすりゃいいのにな
大天使やアークデーモンから私達の傾向を聞けてなくて、発想が出てこなかった……って所か?
まぁいい。真っ向から潰し合えば済むのは大助かりだ
ガマ野郎との長い付き合いを終わらせるぞ!
隙間なく敷き詰められたバリケードを全部消し飛ばしてたら、それこそ敵の思うつぼだ
接近戦で敵陣の内側に滑り込もうとする仲間のために、「ここさえ潰せば敵の護りに死角が出来る」って所を望遠鏡で見定め、後衛からの砲撃で突き崩そう
――『野郎ども、地獄の炎を見せてやれ!』
赤熱した砲弾をバリケードとその向こうの敵に放てば、転がる弾が宿す熱で庭園の草木に火が点く
壁に弾を防がれる分、炎で追加のダメージを与えると共に、その場に突っ立っていられないように文字通り焙り出してやるよ
逃げるか、死ぬか……どっちにせよ持ち場から無理やり外させて仲間が飛び込む隙を作るのさ
敵がしがみ付こうと腕を伸ばして来たら、此方から腕を掴み返して狙いを外させて耐えるよ
どうやら、あんた達も追い出されるべき邪魔者だったようだな
ジェーン・コーネリアス
ようやくガマ野郎も尻に火がついたらしい
市街地に侵入され、港を破壊され、それでようやく……っていうのはお笑い種だけどね
このまま干からびさせることもできるだろうけど、キマイラウィッチのこともある。この地域の制圧は急務だ
ガマには焼きガエルになってもらおうか
リスボンの制圧作戦でも何度もやってきた防衛ライン突破だ
ガマの直属だろうと乗り越えていくよ、「おたから」!
アクアスライム「おたから」を呼び戦闘
突出せず、他の復讐者と同時、かつ別々の方向から防衛ラインに攻撃を仕掛けよう
防壁に身を隠しながらの攻撃は厄介だけど、アビスローバーだって体は1つで目と手は2つだ
複数から攻撃を受ければ全てから身を隠すことや全てに注意を払うことは難しいだろう
『水弾の舞踏』で防壁内に飛び込み、跳ねまわるおたからの体当たりでデイヴィ・ジョーンズの囚人たちを倒していこう
敵がするりと防壁から出て来て鎖で攻撃してきたらカトラス「Macha」と「Mórrígan」で防御。出てきたところを逃さずおたからに仕留めさせる
さぁ、カチコミだ!
シル・ウィンディア
ここまで追っていた人たちがいる。
だから、力にならないとね。
さ、それじゃ、目一杯行ってみましょうかっ!!
防衛ラインは苦手なんだけど、そうも言ってられないか。
世界樹の翼をtype.Bにして、誘導弾を連射。
狙いはバリケードにつけて撃ちつつ、奥の敵に向ってパラドクスの竜雪光風撃を撃つよ。
誘導弾で崩れるようなバリケードじゃないと思うけど、確認だけはしておかないとね。
潰せたらラッキーってことで。
誘導弾が効果を出さないなら、以降はパラドクス攻撃のみで行動だね。
敵一体を巻き込みつつバリケードを巻き込みたいところだね。
巻き込めないなら、味方が攻撃した敵を中心にして、攻撃を重ねていくよ。
少しでもダメージを重ねて、出来れば退治して回復をしたいところ。
敵の攻撃に対しては、動き回るようにして少しでも動きを封じられないようにして対抗してみるよ。
自由な風の様なわたしに枷は必要ないから、お断りしますっ!
しかし…。
相変わらず防衛ラインは厄介なものだよね…。
骨が折れるーっ!!
アンゼリカ・レンブラント
ヨーロッパで奪還を果たしていない地は
もう残すところあと僅か
さぁ仕上げは近いね、必ずガマをやっつけないとだ
気合十分、勇気全開でいざ挑むっ
【パラドクス通信】で皆と連絡を密に
バリケードの一角崩す遠距離攻撃の仲間に続き
崩れたところから接近戦で滑り込み、雷光斬撃で仕掛ける
反撃を堪え囲まれないよう動く
相手は音もなく近くまで忍び寄る相手だらけ
いつもよりも警戒して動く
友と攻撃の狙いを合わせ確実に数を減らしていく
ダメージのかさんだ相手を集中攻撃し
焦らず少しずつ防衛部隊の敵を崩していくよ
敵の狙いや罠など分かればすぐに通信で仲間に周知だよ
大丈夫、今日も勝つよ!私達自身を信じないとさ
ヨーロッパ全土を、脅威から解放された地にするって気合いと共に!
常に気を吐く言葉を上げ仲間を鼓舞
ピンチの仲間がいれば狙いをそらすよう攻撃を入れる
「どこ見てるのかな?私はこっち!」
敵の数が減っていくのに合わせきっちり敵防衛ラインを崩していこう
《雷剣波紋衝》、私達の志と共に最大まで輝けっ!
まずは第一関門突破だね、この調子でどんどんいこう!
●開門
リスボン総督府――壮麗なるベレン宮殿の門前は、アビスローバーが設置したバリケードで守りを固めている。
「ようやくガマ野郎も尻に火がついたらしい」
呆れを隠さず、ジェーン・コーネリアス(pirate code・g10814)は肩を竦めた。
「市街地に侵入され、港を破壊され、それでようやく……っていうのはお笑い種だけどね」
無論、対策を許さず攻略した己達の手腕もある。
しかし、あちらがディアボロスを過小評価していたのは確かだろう。
リスボン攻略を始めた時に、手を打っていればまた違う展開もあっただろうに――。
にしても、とクローディア・ベネット(黒き旗に矜持を掲げて・g10852)は帽子の鍔を上げて周囲を見渡し、しみじみ不思議そうに呟く。
「宮殿に人が働きに出てるなら盾にすりゃいいのにな」
わざわざ外に出してやるなんてな、と。
「大天使やアークデーモンから私達の傾向を聞けてなくて、発想が出てこなかった……って所か?」
「純粋に、邪魔だったのかもね」
ジェーンは言って――自分の言葉を考えるように、瞑目した。
何の邪魔か――という一手までは、推測が入り交じる。まあ、時間稼ぎにせよ、クローディアの言うように一般人を盾にしたほうが、此方には効いただろうが。
彼らの心配をせず、ただ攻め込めるのは僥倖だ。
「このまま干からびさせることもできるだろうけど、キマイラウィッチのこともある。この地域の制圧は急務だ――ガマには焼きガエルになってもらおうか」
切り替え、目の前の防衛ラインを破ろうか、とジェーンが不敵に笑えば、クローディアもその通りと応じる。
「まぁいい。真っ向から潰し合えば済むのは大助かりだ――ガマ野郎との長い付き合いを終わらせるぞ!」
威勢良く言い放ち――改めて、望遠鏡で戦場を見る。
ベレン宮殿は防衛の城ではない。
だがファサードとバリケードは相性がいい……入口は制限され、宮殿前の庭から本邸に通じるまでの距離が長い。
デイヴィ・ジョーンズの囚人らは賢い敵ではない。が、凶暴なそれらは全滅するまでディアボロスの突破を許さぬだろう。
だが。馬鹿正直にバリケードを一掃する必要は、ない。
「焼玉用意! クズどもを炎の海で溺れさせろ! ――野郎ども、地獄の炎を見せてやれ!」
クローディアが召喚するは、幻影の砲台と共に道半ばで倒れた海賊たちの魂。
号令に従って、一斉に園庭に真っ赤に熱された鉄塊を、砲弾を撃ち込む――。
バリケードを破壊し、背後に潜む敵を撃つ。放っておけば、青々茂る庭に火焔を広げる灼熱の砲弾だが、刹那、大波が押し寄せる。
彼女が狙った炎上まるごと、デイヴィ・ジョーンズの囚人の起こす波飛沫に、呑まれていく。
波に乗って一直線――縋りつくように跳びかかって来た亡霊どもに、クローディアは不敵な笑みを向けた。
「考え足らずは、防衛に向かない……ってな」
半歩だけ退いて、腕を掴み返す。怪力に引き摺り込まれることさえなければ、構わないと――力任せの駆け引きが行われる傍ら。
クローディアが作った隙、毀れたバリケードを駆け込むディアボロス達がいる。
「ヨーロッパで奪還を果たしていない地は、もう残すところあと僅か――さぁ仕上げは近いね、必ずガマをやっつけないとだ」
巨大な剣を高々掲げ、アンゼリカ・レンブラント(光彩誓騎・g02672)が満開の笑みで躍り掛かる。
「気合十分、勇気全開でいざ挑むっ――雷光よ、我が剣に集いて敵を焼き払え!」
雷光を纏ったアンゼリカは黄金に輝き――刀身にみちみちた雷を、振り抜くと同時に叩き込む。
落雷の音と、激しい衝撃にアビスローバーが弾き飛ばされる。
突如と現れたアンゼリカに驚くこともなく――それほどの知性を持ち合わせていないらしい――囚人は、枷の鎖を巻き付けんと、身体を伸ばす。
そこへ、
「竜よ息吹よ、暁の光よ、凍てつく水よ、吹きすさぶ風よ、我が前の障害を凍てつかせよっ!」
詠唱と共に――光と水と風の混合精霊魔法による激しい吹雪が、辺りを凍てつかせる。
アンゼリカに釣り出された囚人は一瞬で凍りつき……吹雪の直撃を受けたバリケードは破損した。なれどその後ろに控えた相手が耐えたのを、直感的に悟って、
「防衛ラインは苦手なんだけど、そうも言ってられないか」
長杖を銃モードに構えたシル・ウィンディア(虹を翔ける精霊術師・g01415)は光の翼が消える前に駆け抜ける。
バリケードの力は侮れぬ。パラドクスで容易に崩せるといっても、その一手だけは、敵を重点的に叩けぬ。
パラドクスを用いぬ通常の攻撃でも、いずれは破壊できるだろうが――どちらにせよ一手分の隙を敵に与えることになる。
……けどっ、とシルはひたむきな眼差しを城へと向ける。
「ここまで追っていた人たちがいる。だから、力にならないとね――さ、それじゃ、目一杯行ってみましょうかっ!!」
この守りをこじ開けてみせる――高らかに告げた彼女の言葉に、ふっとジェーンが微笑んで。
「リスボンの制圧作戦でも何度もやってきた防衛ライン突破だ。ガマの直属だろうと乗り越えていくよ、『おたから』!」
カトラスを突き出せば、ぽんっと弾力のあるものが跳ねた。
それは崩れたバリケードを跳び越え、あらぬ方向から囚人どもを襲う。
「アビスローバーだって体は1つで目と手は2つだ――複数から攻撃を受ければ、全てに注意を払うことは難しいだろう」
無軌道な跳躍と、詰めているジェーン自身。そして、仲間達の配置……それらが目眩ましになって、相手が行動を選択するよりも早く。
おたからはうんと力強く地を跳ねて、アビスローバーの伸びきった腹に突進した。
「ッ!」
渾身の体当たりに、囚人は痛恨の悲鳴を上げて倒れ込む。
ドシンというよりズシンと。ゼリー状の軟体生物とは思えぬ破壊力で、おたからはそのまま跳ね回ってから、一時、ジェーンの傍まで戻ってくる――デイヴィ・ジョーンズの囚人は、その動きに釣られ――ジェーンの首へと鎖を巻き付けようと水飛沫を立て、地を跳ねた。
ざらりと鎖の鳴る不穏な音を聞きながら彼女は両手のカトラスを閃かせる。
赤と青の魔力が、鎖を阻む――鎖で打たれた痛みはあれど、首つりは御免だね、と浅く笑い。
「おたから!」
ばいん、と足元で相棒が跳ねた。
ジェーンの背後にいた囚人の胸を穿つ体当たりが、それらをただの水に返す。振り返ることもなく、ジェーンが叫ぶ。
「やれ!」
「おう! 撃て、野郎ども!」
応え、クローディアが叫ぶ。
その大音声を越える轟音が、再び、進路のバリケードを吹き飛ばす。
いきれに怯まず、アンゼリカとシルが馳せる――囚人達は水を纏う。熱が引いたところに、それは潜むはずだ。
両手で抱えた銃形態の杖が光を放つ。
シルがアビスローバーを凍てつかせれば、遅れて吹いた疾風が、その身体を砕く。
囚人らは、光の翼を背にブーストした彼女を捕らえんと、水で出来た呪いの手枷と足枷を投じる。
「自由な風の様なわたしに枷は必要ないから、お断りしますっ!」
青い髪を靡かせ、強引にターンを決める。
手足を捕らえられず、空中で爆発した枷が、小柄なシルに襲いかかる。怯まず、銃を薙いで――精霊に命じる。
収束した光は、至近距離で凍てる風となり、敵を打ち砕く。
あと少しっ、アンゼリカが鼓舞するように声をあげた。
「大丈夫、今日も勝つよ! 私達自身を信じないとさ――ヨーロッパ全土を、脅威から解放された地にするんだっ!」
振り上げた剣が風を切って唸る。
その姿勢のまま、剣に――身体に、雷電を纏わせ、深く膝を撓ませる。
届けっ、気合いと共に、前へと跳ぶ。
一足に斬り込んだ先、頭上に掲げた剣は烈しく輝く。
「《雷剣波紋衝》、私達の志と共に最大まで輝けっ!」
斜めに斬り下ろす――刹那、眩い雷光が戦場を駆けた。
バリバリと空気を灼く音、鋭い斬撃は、バリケードからはみ出す囚人の首を、胸を、腹を断つ。
迸った雷霆の残滓が消えた直後、残る囚人らが列を成してディアボロス達に襲いかかる。
それらが、一斉に横っ飛びに吹き飛んだ。
おたからの頭突き――体当たりか。巧く並んだアビスローバーを一纏めに打ち倒したおたからは、むんっと身体を歪ませて勝利を誇る。
そして。
望遠鏡を下ろしたクローディアが、終わったな、と呟く。
「どうやら、あんた達も追い出されるべき邪魔者だったようだな」
――出て行って貰うさ、総督府からも……リスボンからも。
囁いて、仲間達へと合流すれば、皆は慎重に宮殿の入り口まで進んでいた。
「しかし……。相変わらず防衛ラインは厄介なものだよね……骨が折れるーっ!!」
じれったさから零れたシルの叫びに、あはは、とアンゼリカは朗らかに笑う。
「まずは第一関門突破だね、この調子でどんどんいこう!」
そうとも、とジェーンは頷く。
「さぁ、カチコミだ!」
高らかに告げれば、皆、それぞれに――決意を漲らせ、総督邸たる本殿を見据えた。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
効果1【飛翔】LV2が発生!
【エイティーン】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【アヴォイド】LV1が発生!
【グロリアス】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
●ヴァスコ・ダ・ガマの決意
総督邸の中で一番豪華に飾り付けられた、ヴァスコ・ダ・ガマの私室にして執務室――今日まで、彼好みの美魔女を集めて、贅の限りを尽くしてきた部屋である。
今は彼一人を残すばかり。
否――。
「報告します!」
伝令役のアビスローバーが、緊張を隠さず訪れた。
手短に纏められたいくつかの言葉に、総督は唸る。
「……ぐ、もう防衛ラインが突破されたガマね」
「代わる脱出路の確保を進めております――しかし、手勢が少なく、時間はかかります」
海神の娘は、申し訳なさそうに頭を下げた。
「しかし、一方で、キマイラウィッチ将の漂着の気配ありとも……」
ただ、未確認情報ですので……と彼女は歯切れの悪い様子で続ける。
真実だったとして、間に合うのかどうかが一番の問題だ、と――。
「かくなる上は……自ら時間を稼ぐしかないようガマね」
意気込む割には、情けない話である――が、彼もジェネラル級アビスローバー。
それも、ポルトガル総督を任されているほどの。
決して軟弱な海賊ではない。ほんのちょっとだけ、口先で誤魔化すのが得意な面もあるが、狡猾と言って貰いたい――。
ほんの僅かでも希望があるならば、そこに全てを賭けて戦えよう。
「まだまだ、世界中の美女と巡り会っていないガマ! こんなところで茹でガエルのような死に様を晒すわけにはいかないガマよ! なんとしても生き延びるガマ!」
――なお、ヴァスコ・ダ・ガマはアンコウの魚人であって、ガマガエルでは……ない。
~~~~~
※注意
ヴァスコ・ダ・ガマが重要な情報を教えてくれる条件は、「かなり特殊なもの」になります。
🔵8以上となっても、なかなか会話に応じない可能性が高いでしょう。
条件満たせずガマ側から会話を打ちきる場合、そのご案内はしますが、会話に応じる状況がどのようなものであるか検討した上で、以降の行動を選んでいただければ幸いです。
ナイナ・ヴィラネスティズム
SPD
味方との協力・連携可
ガマガエルを逃げさせようと奮戦されるみたいですけども
逃げられる前にあなた方を殲滅すればよろしいのではなくて?
素通りして敵将だけ狙う事はできないでしょうからここは敵の殲滅を最優先
数を減らしつつ敵の開いた血路を塞ぐように立ち回る
味方と協力するならばパラドクス通信による通達・連絡・報告も欠かさず行う
さぞお強いでしょうけど逃げ道は閉鎖ですわよ
敵群への攻撃にはヴィラネスト・アイシクルニードル
氷の魔力で生成した2520本もの氷柱をダメージアップと命中アップ込みで敵の頭上より弾幕の雨の如く降らせていく
お裁縫に使えなさそうな針の筵にしてあげますわね
敵からの水槍攻撃には先の氷柱を自分の周囲にカーテンを下ろすかのように降らせて結界術を施しながらの防御展開
氷柱のカーテンと盾とで併せて防御しつつ、凍傷をおこさないよう四肢の体温を死守
確実性の低いアヴォイドは補助的に使用
反撃に繋げられるのであれば防御展開してた氷柱を再度敵の方に降らせていく
逃がさないと申し上げたでしょう
エレオノーラ・アーベントロート
〇敵を殲滅してしまいそうな時は様子見し、ガマに会話を引き延ばせば撤退できるという希望を持たせる
うふふ、おかしなことをやっていますわね。
「詰み」の状況になってからようやく足掻き出すなんて――そんなのろまですと、どうせこの先遠くないうちに死んでいたでしょうし、せっかくなら華々しく散るのはいかがですこと?
最期を飾るお手伝いならしてあげられますわよ。断っても無理やり最期にしますけれど、うふふ。
電磁レールガン「フェアレーター」を手に戦闘
陣形が乱れて撤退路を作ってはいけませんし、他の復讐者との陣形は意識。
乱戦にするよりも防衛線を作るような形で布陣し血路を開こうとするトループス級に対し、こちらから逆に攻撃を仕掛けていき押し返しますわ。
「第六十六の魔弾【漆黒】」で漆黒のエネルギーを連射、海神の娘たちをブチ抜きましょう。
放たれる竜を模した無数の水の槍に対しても怯まず撃ち続け、迎撃しつつ敵にも砲撃を届かせましょう。
うふふ、お洒落な技ですわね! 嫌いじゃありませんわよ。
●一縷の……
海神の娘たちは、急ぎ、ヴァスコ・ダ・ガマの退路を確保すべく総督邸を馳せた。
その行く手を遮るように――、
「ガマガエルを逃げさせようと奮戦されるみたいですけども……逃げられる前にあなた方を殲滅すればよろしいのではなくて?」
ナイナ・ヴィラネスティズム(喜殺令嬢・g00383)が立ち塞がる。
彼女の冷ややかな眼差しに射貫かれ、海神の娘たちは、はっと身構えた。
そして、更に背後から。
「うふふ、おかしなことをやっていますわね」
エレオノーラ・アーベントロート(Straßen Fräulein・g05259)が、娘らを小馬鹿にしたように微笑む。
「『詰み』の状況になってからようやく足掻き出すなんて――そんなのろまですと、どうせこの先遠くないうちに死んでいたでしょうし、せっかくなら華々しく散るのはいかがですこと?」
「っ、じゃ、邪魔しないでください~」
容赦の無いエレオノーラの台詞に、海神の娘は言葉を詰めるも、きっと睨み付けてきた。
まぁ、とわざとらしく眉を動かし――エレオノーラは傲然と煽る。
「最期を飾るお手伝いならしてあげられますわよ。断っても無理やり最期にしますけれど、うふふ」
不敵な眼差しを送れば、敵も覚悟を決めたか。びたん、と魚の尾で床を叩き、それぞれに二人を睨み返す。
元より、総督を逃すには自分達で血路を開かねばならぬ――。
表情が変わった敵を、ナイナは冷徹に一瞥すると、肩に掛かる金髪を払い、魔力を放つ。
「お裁縫に使えなさそうな針の筵にしてあげますわね――氷針点穴!襲い来る氷柱の応酬!」
たちまち辺りに冷気が立ちこめ、空気がパリパリと音を立てるや。
数千の細かな氷柱が、娘らに降り注ぐ。
路を断つような氷の弾幕に射貫かれ、小さな悲鳴を上げる。
穿たれながらも、巨大な水の槍を作りだし、氷柱とナイナを纏めて薙ぐ。
そのまま投擲された槍は氷を砕きながらナイナの脇を掠める。
身を翻した彼女の視界――エレオノーラが高重量の電磁レールガンを構える姿を見た。
「【漆黒】解放――」
砲口より、漆黒の魔弾が迸る。
直後、娘らから、小さな悲鳴が漏れた。
エネルギー波が次々と居並ぶ敵を消し飛ばす――ナイナの針に穿たれ苦痛にのたうっていた娘は、水が蒸発するように、消えた。
耐えきった娘らは、胸の前で両手を合わせる。周囲に漂う海水を集め、こねるようにして、竜を模した水の槍がずらりと並べ作り、放つ。
それは波濤の如く、エレオノーラに襲いかかる。
「うふふ、お洒落な技ですわね! 嫌いじゃありませんわよ」
果たして彼女は、ウインクひとつ、不遜に笑い――レールガンを突きつける。
眼前の槍を打ち消すよう、漆黒の弾を撃ち出す。
水が弾け、熱が走る。
両者の技が衝突した証と、蒸気が立ちこめる中、放たれた追撃の魔弾が娘の腹を貫いた。
しかし、戦場が動けば、状況も動く。
ディアボロスに遮られた退路にも隙が出来る――新たに作り出した槍を手に、仲間が倒れ行く中でも諦めず、アビスローバーは叫ぶ。
「い、今のうちにっ……!」
娘が焦ったように仲間へ声をかければ、咎めるような氷柱が、その鼻先を掠めた。
続き、次々に雨のように針が降る――。
側面を氷針で埋め尽くされて、またひとり娘が倒れ、海水に戻る。
じっとりと濡れた絨毯をヒールで踏みしめ、
「逃がさないと申し上げたでしょう」
ナイナがすげなく、どこまでも冷厳に言い放つ。
その眼差しよりも冷え切った氷柱の弾幕が、垂直に落ちて。彼女を狙って投じられた巨大な槍を断つ。
衝撃で砕けた氷粒が舞う中で、海神の娘らは一塊に背を預け合い、二人の隙を突こうと挑む――。
冷笑ひとつ。ナイナは何処までも苛烈に仕掛けるが――エレオノーラは少し攻撃の手を緩めて、身を守りながら、周囲の様子を見る。
血路が開かれること。それは、ヴァスコ・ダ・ガマの希望の綱である。
会話の緒に繋がるのだろうか――と。
娘達を弱らせつつ泳がせる……最終的に、一体たりとも逃がすつもりはないのだけれど。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【冷気の支配者】LV1が発生!
【エイティーン】がLV2になった!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
【ダブル】LV1が発生!
ジェーン・コーネリアス
さて、弁舌でこっちの隙を狙ってくるってことだったね
まずはその思惑に乗ってやろう
時間を稼ぎ、僕らを引き付けてれば脱出ができるかも……なんて思わせてね
血路を開こうとするトループス級を横目にガマへと話しかける
Ahoy! 調子はどうだい、キャプテン。いや、総督様と呼んだ方がいいかな
前にポルトから海賊船を頂戴した時には君は留守だって聞いてたんでね
挨拶が遅れてすまない
七曜の戦では随分活躍したって聞いてるよ
海賊島からこっちに戻ってたってことは、戴冠の戦でも軍を率いるつもりだったのかい?
けど悪いね、今はポルトガルより東はグランダルメじゃなくて僕らの土地なんだ
勝手に上がりこまれて好き勝手されるわけにはいかないんだ
グランダルメが滅んでるのは既知の情報だし話してもいい
ガマはどうせここで倒すしポルトもリスボンも制圧する。戴冠の戦についての話なんて別に興味はないしあっちも話すつもりはないだろうけど、情報を聞き出そうとしている……ってポーズは見せておこう
●緩衝
「く、こんなところまでもう来たガマね――」
ヴァスコ・ダ・ガマは忌々しげにディアボロス達を見る。
口調こそ焦りが見えるが――個の実力ではガマが上であろう。
そうであっても、此所から無事逃げ出さねば死が待つという認識はあるらしい。
これがリスボン総督、ヨーロッパに残されたジェネラル級アビスローバーかと、値踏みするように眺めたジェーン・コーネリアス(pirate code・g10814)は。
(「さて、弁舌でこっちの隙を狙ってくるってことだったね」)
素早く、言葉を纏め始める。
丁度、部屋から出ようとする海神の娘らとの戦闘が始まったところだ。
その様子を――ガマは、こちらに警戒を向けながら、ちらちらと気にしている。
(「まずはその思惑に乗ってやろう――時間を稼ぎ、僕らを引き付けてれば脱出ができるかも……なんて思わせてね」)
ふっと、笑いの息が零れた。
そのまま、強気に、ジェーンはガマへと声をかけた。
「Ahoy! 調子はどうだい、キャプテン。いや、総督様と呼んだ方がいいかな」
「む――如何にも、ガマ」
ガマは、ジェーンの挨拶に威厳のようなものを取り繕った。
冷笑が浮かびそうになるのを、目を伏せて堪えてジェーンは軽妙な口調で続ける。
「前にポルトから海賊船を頂戴した時には君は留守だって聞いてたんでね。挨拶が遅れてすまない」
肩を竦める仕草から……目を開き。
相手を見定めるような鋭い眼差しで、低く問う。
「七曜の戦では随分活躍したって聞いてるよ」
それを――ガマは、げらげらと笑った。
「そうガマ! 活躍が認められたから、こうして総督役と、贅沢を楽しめているガマ!」
嬉しそうに、部屋を自慢する――宮殿のような邸宅、壮麗に仕立てられた内装、良い調具、絨毯……ガマはあれやこれやを指さし、ディアボロス達に羨ましかろう、と胸を張った。
「なんなら酒のひとつ振る舞ってやってもいいガマよ?」
「……総督様ともなると、羽振りもいいもんだ」
辟易として、ジェーンは遠慮するよと頭を振って、続ける。
「海賊島からこっちに戻ってたってことは、戴冠の戦でも軍を率いるつもりだったのかい? ――けど悪いね、今はポルトガルより東はグランダルメじゃなくて僕らの土地なんだ。勝手に上がりこまれて好き勝手されるわけにはいかない」
滔滔と語りながら……ガマの様子を窺う。
(「ガマはどうせここで倒すしポルトもリスボンも制圧する。戴冠の戦についての話なんて別に興味はないしあっちも話すつもりはないだろうけど」)
こうやって言っておけば、そちらの釣り針に掛かるかもしれない、というポーズになる。
「そんなことはガマの決めることではないガマよ」
実際、ガマは唸りながら、密かに笑っていた。
垣間見たそれは、大変不気味なにやけ面ではあったが――、相手が確かに期待を抱いただろうという手応えは感じた。
しかし、ガマの様子を見るに、まだ本気で焦っているようには思えない。
交渉ごとを得意とする相手である。賭ける物が命であればこそ……駆け引きは、簡単にはいくまい。
(「こちらに情報を売るとしたら、窮地か、期待か……さて、どうするかな」)
放っておけば、更なる時間稼ぎに別の調具の自慢を始めようとする敵を前に、ジェーンは小さく息を吐いた。
成功🔵🔵🔵🔴
効果1【エイティーン】がLV3になった!
効果2【アヴォイド】がLV2になった!
一里塚・燐寧
んふふ。手柄とかお屋敷はもう十分自慢し終わったかなぁ?
どーにもきみには大した話題がないみたいだねぇ。あたし、段々聞いてるのに飽きちゃったよぉ
ね。もーちょっと面白い話を思いつけないなら、さっさと死んでくれる?
ガマとの会話を続けるために更に追い詰め、危機感を持たせるよぉ
今の話題に復讐者は興味を失ってて、話の流れを変えないと時間稼ぎすらできない、って思って貰わなきゃねぇ
一緒に戦う仲間とは【パラドクス通信】で連携
あたしは前衛で立ち回るから、仲間の攻め手に応じて挟み撃ちでの近接攻撃や後方からの狙撃をお願いするよぉ
敵に生まれた隙や傷は見逃さず、その時動ける人が素早く追撃を入れよっか
≪テンペスト・レイザー≫を手に敵へと躍りかかり『屠竜技:大回転爆砕斬り』をぶちかますっ!
回転斬りの勢いを爆発で加速し、でっぷり太った腹に廻る鋸刃を食い込ませて斬り裂くよぉ
電撃が来たら剣を地面に突き刺して避雷針代わりにしつつ、低空の【飛翔】で地を走る電流を逃れ、凌いだ後再び剣を拾おう
あはっ。アンコウ解体ショーの始まりだよぉ!
ジェーン・コーネリアス
いい傾向だ
けど、「このまま適当に喋っていれば時間を稼げる」と思われちゃ情報も得られない
次は鞭の時間にしよう
あぁ、悪いけど調度品の説明は不要だ。興味はあるけどね
だけど……どうせこの屋敷も調度も全部頂戴するんだ、戦利品の鑑定は後でゆっくりするのも乙なものだろう?
カトラス「Macha」とピストル「Nemain」を抜いて戦闘
敵の懐に飛び込み、カトラスとピストルの連撃を仕掛ける『海嵐の極み』でガマを攻撃する
ジェネラル級……それも船1つどころじゃなく、この欧州を任され七曜の戦でもこの方面の司令官を務めるような奴だ
軽い態度だけど実力は本物だろう
他の復讐者と同時に攻撃を仕掛け、前衛で戦う仲間とは逆方向から挟撃するように
仲間の攻撃で僅かでも隙を見せたら【命中アップ】でその隙を狙いすまし痛打を入れるよ
敵の海水を纏っての突進攻撃にはカトラスを盾にして直撃を防ごう
全く、陸の上でのんびり暮らしていた奴の力とは思えないね……けど、傷つかないわけでも死なないわけでもなさそうで、安心したよ
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎
リスボンを、ポルトガルを取り戻す為の大事な戦いだ
気を引き締めて対峙する
言いたい事はそれだけか
総督と言いながら、大した決定権もなさそうだし、さっさと倒してしまうか
「後がつかえている」しな
……とあえて会話には興味なさげに振る舞っておこう
まだ余裕がありそうだしな
仲間と連携を取り行動
戦況を観察し把握
水は注ぐまい。干上がっていただこう
クイーンズフレアの炎を放ちPD攻撃
命中やダメージアップをのせた炎で包み、動きを捉えて余裕を奪い焼き尽くす構え
環境にあわせ仲間とはなるべく多方向から仕掛けるように、死角に回るように動きつつ攻撃
仲間と互いに隙を作りあうように動く
見せた隙は逃さない
油断せず攻撃後は反撃に備える
敵の攻撃には
ガマが跳躍したら、敵に対してタワーシールド構えて
電撃の直撃を防ぎつつ、残りはラバースーツと強化コートで軽減を
攻防を重ねガマの余裕を削ぎ落としていく
今は余計な事は喋らないでおくが
一般人を先に追い出した事には内心で感謝してる
それだけでも総督として見直してるよ
●リスボン総督ヴァスコ・ダ・ガマ
さて、ヴァスコ・ダ・ガマは時間稼ぎに喋りながら、ディアボロス達が飽きていることに気付いていた。
というよりも、時間が稼げれば何でも良いのである。
中身はくだらなければくだらない方が都合が良い。
腐っても総督である。簡単にアビスローバーについての、ちょっとした情報すら、喋りはしない。
――聴かされる方は溜まったものではないが。
「んふふ。手柄とかお屋敷はもう十分自慢し終わったかなぁ? どーにもきみには大した話題がないみたいだねぇ。あたし、段々聞いてるのに飽きちゃったよぉ」
唇とがらせ、一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)は退屈そうに身体を揺する。
「そうだな」
ジェーン・コーネリアス(pirate code・g10814)が、もういい、とジェスチャーで示す。
「あぁ、悪いけど調度品の説明は不要だ。興味はあるけどね――」
金の瞳を眇め、悪戯っぽく続ける。
「だけど……どうせこの屋敷も調度も全部頂戴するんだ、戦利品の鑑定は後でゆっくりするのも乙なものだろう?」
海賊なんだし、と言われてしまえば、ガマも「むむ!」と唸るしかない。
そゆこと、と燐寧が笑う。
「ね。もーちょっと面白い話を思いつけないなら、さっさと死んでくれる?」
下から覗き込むような彼女の表情は、笑みの形でありながら、昏い殺意を隠さない。
(「話の流れを変えないと時間稼ぎすらできない、って思って貰わなきゃねぇ」)
「ぬぅ! せっかちな小娘どもガマ」
ガマは少々不機嫌そうな声をあげた。悠長に時間を使って欲しい――は本音であろう。
「これだから素人は困るガマよ。胸襟を開くには世間話を交わす、交渉の基本ガマ」
などと嘯く。まあ、本音ではあろう。
はあ、と解りやすく嘆息し、エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)が冷ややかな眼差しを其へ向けた。
「……言いたい事はそれだけか。総督と言いながら、大した決定権もなさそうだし、さっさと倒してしまうか――『後がつかえている』しな」
ガマの情報に興味ないという者もいるぞという素振りを見せ……焦らせようと揺さぶっておく。
(「まだ余裕がありそうだしな」)
それはガマ自身がまだ一切命を削られていないからだ。
この窮地を覆す術がなかろうと――敵を倒しきれば、地上から脱出できる――かもしれない。
だが、それを許すつもりはない。
(「リスボンを、ポルトガルを取り戻す為の大事な戦いだ」)
逃しはしない。
睨むように出方を窺っていれば、ガマもやむを得ぬと弛緩した空気を振り払った。
「ほとほと、身の程知らずばかりガマ」
狼狽えていたアビスローバーは消え……一ジェネラル級としての威厳と、威圧をディアボロス達に向けた。動じる三者ではないが……戦端は開かれた。
躊躇うことなく燐寧は、ガマへと距離を詰める。
「あはっ。アンコウ解体ショーの始まりだよぉ!」
妖気と呪力を帯びたチェーンソー大剣を振り上げ、大きく身をよじる。何をするかわかっていても、そのインパクトからは逃れ得ぬ――破壊の一閃。
「どかーんと行ってブッタ斬っちゃうよぉ!」
叫ぶや、呪詛と怨念から形作られた鬼火が爆発し、その斬撃は加速した。
加速する彼女の剣――甲高い絶叫を上げる回転刃が、突き出たガマの腹を捉える。
丸みを帯びた敵のシルエットが真横に掻き裂かれた……と思った瞬間、ガマは高々と跳躍していた。
ガマは仰け反るような体勢から、思い切り首を振る。
来る――燐寧は咄嗟に剣を床へ突き立てた。カッとガマの脳天で光ったそれは、燐寧へと真っ直ぐ落ちる。
(「流石に、普通の雷のようにはいかないかぁ――」)
身を撃つ衝動を堪えつつ、すぐさま剣を拾い直す。
それとて驚異的なことだ。全身をバラバラに消し飛ばすほどの衝撃を、燐寧は軽く貌をしかめるだけの反応にとどめ、脚を止めなかった。
床を揺らし、ガマが着地する。
ふぅ、と息を吐くも、存外柔らかな身のこなしであった。
腹には、確かに疵が走っているものの、深手には見えぬ。既に出血もないのだから、表皮か筋肉か脂肪か、かなり厚いのだろう。
ガマが体勢を正すより、早く。
部屋全体を舐めるように、低く劫火が走る。
「水は注ぐまい。干上がっていただこう」
囁き、エトヴァが炎を繰る――突如と身を取り巻く炎熱に、ガマはゲェと潰れたカエルのような声をあげたが、ごろりと前のめりに炎を押しつぶす。
その動きすら見越して炎を操るエトヴァだが、ガマは身体を転がしてでも火から逃れる――前進して敵との距離をつめるというのも、意識的か否か、あったのだろう。
「アチチ……あぁ! マントが焦げたガマ!」
などと叫びながら、再びゴム鞠のようにガマは跳ねた。
エトヴァは炎を放ちながら既に防御の備えがあった。タワーシールドを掲げ、雷撃を受け止める。
強烈な電圧が駆け抜けていく――エトヴァも、燐寧も、心構えがあるからこそ、受けながら凌げたが……それでも逃しきれぬ余剰の負荷は、やはり相手の底力であろう。
相手に付け入られぬよう、体勢を崩さぬよう――表情を歪めぬよう、じっと耐える。
電撃は一瞬の痛みで、ガマは先程と同じく、小さな振動とともに着地する。
身を捻り睥睨する目つきは険しい、が。
左に握る血のように赤い魔力を帯びるカトラスで空を断ち、白い拳銃を右手に、ジェーンが床を蹴る。
「剣と弾、好きな方で斃れていきなよ!」
言動――外見や口調から、戯けた奴に見えるが……ジェーンは緊張をもってガマへと躍り掛かる。
(「ジェネラル級……それも船1つどころじゃなく、この欧州を任され七曜の戦でもこの方面の司令官を務めるような奴だ――軽い態度だけど実力は本物だろう」)
数発撃ち込んで相手の防御を誘い、がらあきになった胴を薙ぎ払う……一息に剣と銃弾を叩き込んだ。
手応えはあった。剣が布地を裂き、肉を打つ。だが、剣先が重く引っかかった瞬間、ジェーンは後ろへ飛び退くという判断を下した。
潮の匂いがした。刹那、波濤が押し寄せる。
カトラスを水平に差し出し、波と共に迫るガマの巨体を、弾く――全身がびりびりと痺れるような痛み。
急加速したガマの体当たりの軌道を、力任せに撥ね除けた。
その反動に軋んだ身体に苦笑を一つ、ジェーンはひたと敵を睨んだ。
「ぐぬぬ……お気に入りの服とテーブルが台無しガマ」
ガマは、荒く息を吐いていた。言葉通り、彼の衣服は戦闘で敗れ、戦場となっている部屋は広いものの、中央に置かれていたものはボロボロである。
「全く、陸の上でのんびり暮らしていた奴の力とは思えないね……けど、傷つかないわけでも死なないわけでもなさそうで、安心したよ」
呆れと共に――及ばぬ敵ではない、とジェーンは不敵に笑った。
「どーせ総督邸と一緒に捨てるんだから、心配いらないでしょ」
そもそも、地獄に財はもってけないよぉ、とぶんと大剣を振るって燐寧が口角を上げた。
「うるさいガマね!」
むっとしたガマはダンッと脚を踏みならし、そのまま前へ跳んだ。
高々と跳躍した敵が雷を放ってくるのは解っている――燐寧は息を吐きながら、攻撃の姿勢に入る。
目の眩む閃光と、狂乱に唸る彼女の剣が交錯する。
光の中央を禍々しい炎が割って――ガマの身体を捉える。腰から肩へ振り上げるように、しかし表面をなぞった刀身は、遠心力の儘に敵から遠ざかる。
背後から、ジェーンが銃を撃つ。
すかさず垂直に斬り下ろすが、予想外に俊敏なガマの反撃に合い、深手には至らぬ。
海水に湿ったガマを、再び密度の高い火焔が包んだ。
息も吸えぬほどの高熱をガマへと集中させながら、エトヴァは双眸を細める。
「一般人を先に追い出した事には内心で感謝してる――それだけでも総督として見直してるよ」
「フンッ、お前に評価されても何の得にもならないガマ!」
――機嫌の一つもとっておけと、先程自分は言わなかっただろうか。
全身に汗を掻き苛立つガマを取り囲み。ディアボロス達は一歩も退かず、次の攻勢へ移る――。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
効果1【エイティーン】がLV4になった!
【一刀両断】LV1が発生!
【植物活性】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!
【命中アップ】がLV2になった!
【ダブル】がLV2になった!
ジェーン・コーネリアス
少し焦り始めたようだけど、まだ手段を選ぶ余裕が見える
それじゃあまだ足りない、この場を切り抜けるためなら手段は選んじゃいられない……そう思ってもらわないとね
そうだ、僕らにとってはこの屋敷もお宝も後で手に入るものだけど……君にとってはこれが見納めだ
僕の「おたから」を紹介するよ
遠慮はいらないさ。いくよ、おたから!
アクアスライム「おたから」を呼び出して『水槍の秘宝』で水の槍に変形、水の槍で突き、払い、意外と機敏だったガマに攻撃を仕掛けるよ
他に一緒に近接攻撃を仕掛ける復讐者がいたら前後や左右から挟撃して、少しでも攻撃を当たりやすくする
遠距離から戦う仲間とは遠距離攻撃で敵が怯んだり、あるいはそっちへ防御や回避の手を割いたところを狙っていく連携でいこう
海水の球に包まれても、伸縮自在の水槍を内部から伸ばしてガマに反撃、回避や防御に意識が向いたところを球を脱出する
こっちは遊びにきてるんじゃないんだ
屋敷と宝と町でもまだ足りない
その命も置いていってくれないと
クローディア・ベネット
はっはっは!私達からの評価を得に出来るかはあんた次第さ
潔く死ぬまで戦い続けて灰になるって言うなら、別に構わないがね
全く……この期に及んで余裕をかましてくれる野郎だな
だったら、自分が崖っぷちにいるって分かるまで押し込んでやろう
――『野郎ども、全ての砲門を開け!』
号令に応えて現れた海賊の霊達が大砲を操り、一斉に砲撃を始める
【命中アップ】の力を借りて精密に狙いをつけ、なるべく多くの弾を敵にブチ当ててやろう
まあ、ツキに見放されて残留効果が働かなかったとしても、後衛から無数の弾を連射する行為が敵の気を引いてくれりゃいい
確実に増える傷の痛みと、視界を覆う弾の鬱陶しさに気を取られてくれりゃ、前衛の仲間が動き易くなるんだからな
海水の球が飛んで来たら命中する前に大きく息を吸い込み、攻撃の終了まで窒息しないように
球の中でも身振りで召喚した霊達への指示を続け、根競べと洒落込もう
値踏みもそこそこにしておかないと、目当てのものがなくなっちまうぞ
生き汚い人生と華々しい最期だったら……あんたはどっちを買いたいのかい?
●追撃
ヴァスコ・ダ・ガマは少々お冠のようだが、相手の機嫌など、どうでも良い。
「はっはっは! 私達からの評価を得に出来るかはあんた次第さ――潔く死ぬまで戦い続けて灰になるって言うなら、別に構わないがね」
クローディア・ベネット(黒き旗に矜持を掲げて・g10852)がガマの言葉を笑い飛ばす。
解りやすい態度を見せながら……クローディアは苦々しく敵を見た。
(「全く……この期に及んで余裕をかましてくれる野郎だな」)
それは虚勢なのかもしれない。
少なくとも、ガマが持てる起死回生の奥の手はないのだから。
(「少し焦り始めたようだけど、まだ手段を選ぶ余裕が見える」)
じっとガマの様子を観察し、ジェーン・コーネリアス(pirate code・g10814)は、誰にも見えぬよう軽く頭を振った。
(「それじゃあまだ足りない、この場を切り抜けるためなら手段は選んじゃいられない……そう思ってもらわないとね」)
自力で逃げることすらままならぬ状態まで追い込めば、相手の態度は変わるだろうか――少なくとも見逃すつもりはないのだから、もっと追い込んで損はない。
「だったら、自分が崖っぷちにいるって分かるまで押し込んでやろう」
ニヤ、とクローディアが笑った。
ガマに向けた挑発でいて、ジェーンを初めとする仲間たちへの鼓舞として。
「野郎ども、全ての砲門を開け!」
海賊砲手たちの魂と砲台が、クローディアの背後に召喚される。
「戦利品が残らなくたっていい。後腐れなく消し飛ばせ!」
号令に従い、次々と大砲が火を噴いた。
ガマが跳ぼうが駆けようが問題ない宮殿の一室だ――砲撃も、特に問題なく放たれ、ガマへと至る。
「っ!」
ぎょっとしたガマは、咄嗟に体内で生成した海水の球を吐く。
大きな水球が迫り来るのを前に、クローディアは肺に息を溜めた。身体に掛かる圧力――ディアボロスは水中でも窒息することはないが、敵のパラドクスだ。息苦しさよりも全身に掛かる負荷に耐えながら、なれど退かずクローディアは砲撃を命じ続ける。
両者の交錯は短い。
しゃんと飛び散る水滴を蹴散らし、ジェーンが前へと躍る。
「そうだ、僕らにとってはこの屋敷もお宝も後で手に入るものだけど……君にとってはこれが見納めだ」
折角だ、とジェーンは微笑む。
「僕の『おたから』を紹介するよ――遠慮はいらないさ。いくよ、おたから!」
呼ばれ、飛びだしたアクアスライムの、ぽよん、と丸いフォルムが。
すらっと長く細く、伸びた。
伸縮自在の液状の槍を手に、ジェーンはガマへ踏み込む。
薙いで、突く。
鮮やかな槍撃に肩と腹を裂かれ、ガマは身を折りながら後退った。
「鬱陶しいガマ!」
一喝し、再び水球を生み出すや、ジェーンに叩きつける。
家具を蹴り、距離をとったところで追いつかれ、海水に呑まれる――はっ、と小さく息を吐きながら、ジェーンはおたからで作った槍を前へと突き出す。
水球は破れ、伸びた鋒はガマの肩を突いている――「ぬあ!」と思わず叫んだのは、伸縮自在の範囲を甘く見ていたからだろう。
元より海水を湛えたセイレーンの髪を払い除け、ジェーンが挑発する。
「こっちは遊びにきてるんじゃないんだ。屋敷と宝と町でもまだ足りない――その命も置いていってくれないと」
ひとたびアクアスライムの形状に戻ったおたからも、いつでも行けるという姿勢で彼女の傍らで身を伸ばしている。
睨み合う両者の前に、再び熱が降る――。
「ほらよ!」
砲撃を仕掛けたクローディアが不敵に笑う。
孔だらけになった床を、ひょこひょこと跳び退いたガマが、忌々しげに両者を睨む――反撃を撃ちながら、「早く倒れるガマよ!」と喚く。
こっちの台詞だ、海水を叩きつけられながらクローディアは正面からそれを捻じ伏せ――無論、疲弊は重なっているのだが、それを見せずに睨みを利かせる。
「値踏みもそこそこにしておかないと、目当てのものがなくなっちまうぞ」
そして、余裕すら滲ませ、説く――。
「生き汚い人生と華々しい最期だったら……あんたはどっちを買いたいのかい?」
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【冷気の支配者】がLV2になった!
【動物の友】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
【命中アップ】がLV3になった!
一里塚・燐寧
敵が傷ついて徐々に余裕を失って来たタイミングで話しかけるよぉ
「復讐者がジェネラル級一人の命より大事な情報を求めていて、撃破を完遂するか悩んでいる」素振りを見せ、食いつかせよう!
ねぇガマくん。そろそろ冷静に自分の置かれたジョーキョーを考え直すタイミングだと思わない?
だってさぁ、そこそこ傷も増えて来たのにあたし達には大した被害を与えられてないじゃん
きみの逃げ場を確保するために頑張ってるトループス級も、半分以上死んじゃったみたいだし……
交渉をする気があるなら早めに決断しないと間に合わないかもねぇ?
幸い、ジェネラル級一人を逃がしてでも欲しい情報は色々あるんだよぉ
だけどねー、きみが何を知ってるかはわかんないから、生かしていいのかちょっと悩んじゃうんだよねぇ
ポルトガルの総督ともなると、断片の王とか海賊島の大物ジェネラル級から色々聞いてたりもするのかなぁ?
もし実際そーなら、けっこー気になるけどぉ……
本命の情報を聞き出す時は、多分不意打ち気味の奇策や話術を使うことになる
今はまだ中身のない話でいいよぉ……
●転
ディアボロス達との激戦の最中――ふうふうとヴァスコ・ダ・ガマが荒い息を吐く。
そろそろ頃合いかなぁ……と一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)は話しかける。
「ねぇガマくん。そろそろ冷静に自分の置かれたジョーキョーを考え直すタイミングだと思わない?」
「何の話ガマ」
ふん、と不遜に、ガマは応じる。
素っ気ない反応は気にせず、燐寧は続ける。
「だってさぁ、そこそこ傷も増えて来たのにあたし達には大した被害を与えられてないじゃん」
彼女の指摘は、実際ガマからどう見えているか、どう認識しているか……という問題はあるが、ガマが圧倒してディアボロスを退けている状態でないのは確かだ。
燐寧とて無傷ではないが、ガマはそれ以上に負傷しているのだから。
ガマはふん、と再び鼻を鳴らしたが、燐寧は不敵な微笑みのまま、更に話しかける。
「きみの逃げ場を確保するために頑張ってるトループス級も、半分以上死んじゃったみたいだし……交渉をする気があるなら早めに決断しないと間に合わないかもねぇ?」
少しだけ、譲歩の姿勢を窺わせるような……もっとも、苛烈に攻撃を仕掛けている最中のこと。どうにも恫喝の気配までは消せぬ。
ま、優しく懐柔したって嘘ってわかるもんねぇと、燐寧は思いつつ。
ある意味、正直に向き合っている。
「幸い、ジェネラル級一人を逃がしてでも欲しい情報は色々あるんだよぉ。だけどねー、きみが何を知ってるかはわかんないから、生かしていいのかちょっと悩んじゃうんだよねぇ」
頬に指を当て、悩んでます、というジェスチャーを見せる。
「ポルトガルの総督ともなると、断片の王とか海賊島の大物ジェネラル級から色々聞いてたりもするのかなぁ? もし実際そーなら、けっこー気になるけどぉ……」
ちらっと上目遣いもしてみる――ガマに愛想を向けたわけではなく、ただ反応を窺う姿勢として。
(「今はまだ中身のない話でいいよぉ……」)
今はただ、ジャブを打っただけ。その余裕で、敵を見つめれば。
「ふぅ、やれやれガマ。ディアボロスはとことん性急ガマねぇ」
果たして、ガマは再び、知らんぷりを決めた。
素振りを見せようが見せなかろうが……どのみち、ディアボロスは自分を殺しに来ている――自分が生きている時間を長引かせるには、如何すれば良いか。
確かに、燐寧のいうように、自分の有用性をちらつかせるのも手かも知れぬ。
だが、ちらつかせた時点でディアボロスが満足してしまったらどうだろう。下手な情報を齎し、挙げ句そのまま殺されては、何の得にもならぬではないか。
ちらりと、壁際に押し遣られている配下達を見る。逃げるには彼女達の協力が必要だ――ディアボロスの気分次第では危ういほどに傷付き、消耗している。
しかし、少しでも休ませてやれば……。
窓辺へ視線をなげ、ふっと似合わぬ笑いをガマは浮かべる。
「今日はいい天気ガマねぇ」
だから、ただ空惚けて、反応すら窺わせないのもまた――総督らしい振る舞いなのだ。
超成功🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【エイティーン】がLV5になった!
効果2【ダメージアップ】がLV4になった!
シル・ウィンディア
相棒のアンゼリカさん(g02672)と一緒に立ち向かうよ。
さすがに強いね。
全力を越えてお相手しましょうかっ!
ネメシスモード開放。
赤髪、青緑のオッドアイな精霊天使モードになって相手するよ。
それじゃ、行きましょうか。
アンゼリカさん、いつも通りに行くよ!
頼りにしているからねっ♪
左手に創世の光剣を持って、ガマに向って走っていくよ。
敵間合いに入る前に、サイドステップを行ってタイミングを外す形での行動を行うね。
走っていく最中には高速詠唱を行って…。
サイドステップから着地したら幻影魔砲撃を発動。
残像を生み出しつつ接近して攻撃を仕掛けるよっ!
さぁ、剣と魔砲のコンビネーションを受けてみてっ!
攻撃を仕掛けるときは、アンゼリカさん、もしくは、他の味方が気を惹いてくれていたら、その隙を突いていくよ。
逆に、わたしの方に意識が向いているなら、その隙を突いてもらう形で動くね。
敵パラドクスは、剣で電撃を受けて、切り払って直撃を避けるように動くね。
…まだまだ元気だね。
それじゃ、もうひと踏ん張り行きますか。
アンゼリカ・レンブラント
相棒のシル(g01415)と共に
まだまだガマは元気だね
押せ押せで弱らせちゃおう!
ネメシス形態は聖女モードに
光翼に光剣を構え真向勝負だよ
いつも通りだねシル、こちらこそ頼りにするよっ♪
真向からダッシュで駆けガマに接近
間合いに入るところでサイドステップをシルと反対側に行い
敵のタイミングを外すと共に撹乱するよう動くね
着地したら、ガマを中央にシルと反対側から
神火を収束させた手刀の一撃を叩き込む!
剣で斬ると思った?素手だって得意なんだよっ
叩き込んだ後も反撃を障壁で凌ぎ、
そのまま近接戦で注意を惹きつつ戦うね
こちらに注意を向けてくれるなら、友の攻撃の呼び水として
逆に他の仲間に注意を向けるなら、痛烈な蹴りを叩きこむよ!
敵パラドクスの海水の球が包まれようとされるところを
手刀で斬り脱出し動きを止めないようにするね
ディフェンスはシルにPOWで
そうそう通しはしないよ、こちらからも反撃を返す
【ダメージアップ】もしっかり重ねてるもの
めいっぱい力を溜めた《神焔闘獅子断》で削っていくよ
さぁ余裕もなくなってきたんじゃない?
●双翼
ヴァスコ・ダ・ガマの様子はさほど変わらぬ――そうに見えて、明らかに憔悴し始めていた。
「けど、まだまだガマ!」
希望はあると自分を鼓舞し、ディアボロスに向き合う。
そこへ、朗らかな声が響き渡る。
「まだまだガマは元気だね。押せ押せで弱らせちゃおう!」
「さすがに強いね。全力を越えてお相手しましょうかっ!」
アンゼリカ・レンブラント(光彩誓騎・g02672)と、シル・ウィンディア(虹を翔ける精霊術師・g01415)――息の合った相棒同士、二人は横並びに立ち、ガマを見据える。
「それじゃ、行きましょうか。アンゼリカさん、いつも通りに行くよ! 頼りにしているからねっ♪」
にこっとシルが微笑めば、
「いつも通りだねシル、こちらこそ頼りにするよっ♪」
応じるアンゼリカも声音も明るく、微笑んだ。
そして、ネメシスモード解放、とそれとなく声を合わせた刹那。
二人の姿が変わる――青かったシルの髪は赤く。瞳の色もオッドアイに。精霊の力を宿した六色の翼を広げる。
アンゼリカの纏う色彩は殆ど変化しなかったが、聖女のような装いに、清らかな輝く翼を広げ、光を湛えた剣を手に凜と立つ。
「真っ向勝負だよ!」
叫んだ声は真っ直ぐに、睨み付けるガマを捉える。
床を蹴り、羽のように軽やかに、疾風のように鋭く――両者は左右に別れ、距離を詰める。
「万物を断つ神焔の剣よ、我が四肢に宿りて侵略者を切り裂けぇっ!」
魔力とオーラ操作で収束した光を四肢に纏い、アンゼリカが奔る。
大剣を大ぶりに……否、振り下ろされたのは、神火を宿した手刀。
鋭く短く、防御を意識し開いたガマの首筋へと放つ。
「!」
「剣で斬ると思った? 素手だって得意なんだよっ」
得意げに笑う。
徒手の技であありながら、その一撃は打撃ではなく、紛れもなく斬撃であった――ガマの肩口から胸にかけて、赤い飛沫が上がったのがその証拠だ。
「動きが鈍ってきてるのかな!」
アンゼリカの言葉に反発するように、ガマは、海水を水球と叩きつける――だが、その重圧を掛ける時間を、シルは許さない。
いつもと違う色彩を纏った彼女は、最後の一歩を飛ぶように駆けながら、左手に握る淡い碧色の剣を触媒に、唱う。
「六界を司る使者よ、我が身に宿りて、全てを撃ち抜きし力を…。幻影の連撃、見切れるかなっ!」
ガマの側面から背面を過る形で、シルは加速する――が、消えぬ残像が空間に固定され、あたかも分身したかのように見える。
「さぁ、剣と魔砲のコンビネーションを受けてみてっ!」
ステップの間に、剣を繰る。
薙ぎ、突き、払う……その全ての動きは、翻弄するように寄せては引く。息も吐かせぬ、過密な攻撃のフィニッシュは――触れるほどの距離から放つ魔力砲撃であった。
「がっ!」
ガマは振り返ったが、遅い。その脇腹に渾身の光閃を受けて、蹌踉めく。
踏鞴を踏んで……されど、ガマは大きく跳び退いた。巨体は軽やかに弧を描き、しかし幾分苦痛に顔を歪めながら、頭上のイリシウムを輝かせる。
雷撃が来る――解って、シルは剣で身を庇う。
受け止めるのではなく、雷撃エネルギーを斬り払う――強い衝撃を身体が受け止めきる前に、払い飛ばす。
「ぬう! また面倒なディアボロスが増えたガマ!」
忌々しそうに叫ぶ。
自分がどんどん追い込まれていくという自覚――何せ、出口に向かうどころか、どんどん逃げ場のない空間に追い詰められている。
前方を一瞥すれば、アンゼリカが素早く距離を詰めて来た――。
かくなる上はと、狙いを彼女に定め、再び海水を放つ。
既に読んでいたアンゼリカは、それをも織り込んで距離を詰めていた。四肢に魔力を巡らせ、手刀で海水を断ち、その向こうに控えるガマをも斬る。
そのまま細かなステップで左右に跳びつつ距離を詰めたのは、ガマを攪乱するためと、拳や蹴撃を織り交ぜ、向こうに警戒されているであろう手刀を通しやすくするためだ。
息を合わせ挟撃を仕掛けるシルも同じく。
敢えて撓めた跳躍で緩急をつけ、ガマの狙いを分散させる――一気に距離を詰めるように見せかけ、離れる……しかしそれこそ、剣戟のための間合いであり、踊るような動きで斬りかかれば、ガマの方がシルから離れようと後退る。
それを遮るのはアンゼリカであり。
一瞬であれ生じた隙に、シルは深く斬り込みながら右手を突きつけ、魔砲を放つ。
合わせ、アンゼリカも高く振り上げた手をしならせ叩きつける。
「ギャッ!」
濁った悲鳴をあげて、ガマが死に物狂いで足掻く。
手足をばたつかせながら力任せに横っ跳び、雷撃をデタラメに放って二人の接近を阻む。
「さぁ余裕もなくなってきたんじゃない?」
花が綻ぶような笑みを向けるアンゼリカに。
「くっ、ま、未だやれるガマね――」
腹を押さえ、ガマは呻くように強がる。
二人も、それなりにガマの攻撃を受けているはずなのだ。だというのに、その気力が萎える様子はない。
望むところだと言わんばかりに瞳の奥を輝かせ、シルが剣を構え直す。
「……まだまだ元気だね。それじゃ、もうひと踏ん張り行きますか」
ふたりの少女は、不敵に微笑んで、床を蹴る。
「ぐぐぐ……!」
ガマは自分がかなり追い込まれたと自覚し――痛みや、疲労。そんなものは問題にならぬと、挑み掛かってくる二人に――否、ディアボロス達に。
明確に、慄く様子を見せた。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【一刀両断】がLV3になった!
効果2【ダメージアップ】がLV6になった!
ジェーン・コーネリアス
やれやれ、間の抜けた語尾だけど、とんだ食わせ物だ
本拠から離れた欧州を任されるだけはある
ただ命の危機や時間稼ぎってだけじゃ口を滑らせるにはまだ足りないかな?
剣と銃を収め、【エイティーン】を使用、一般的に「熟女」とされる50前後の年齢へと姿を変えよう
露出度は……いつもの格好でも低くはないか
そうつれない態度を取らないでほしいな
楽しい会話には楽しい話題が必要だ、そう思わないかい?
君の武勇伝を聞いてみたいな
性急に欲しい情報だけを取ろうとせずまずは語らせる
前に得た情報じゃガマはリスボンにも海賊島にも居ることは少なく、世界の海を渡り歩いてるって話だ
ダンジョン探索や見つけた宝の武勇伝には事欠かないだろう
あっちに武勇伝を話させ、それに対して持ち上げる。口の回りが良くなったところで欲しい話題に誘導しよう
話題は「それだけの宝は海賊島にもないんじゃないかい?」だ
ガマは知りようがないことだけど、僕らには髑髏迷宮っていう一度きりの侵入手段がある
それを上手く利用するために標的になるものの情報は欲しい
●真の海賊の功績
ヴァスコ・ダ・ガマは呟く。
拙いガマ――と。
それこそ戦いが始まる前は、何やら期待を伺わせる情報もあったのだが、ディアボロスと戦い始めてから状況が変化する気配も無く。
ディアボロスは一人も退かず、次々と自分を追い込んでくる――。
時間稼ぎも此所までか、と諦念を抱いた時。ディアボロスが情報を欲しているということをつと思い出す――丁度、そんなタイミングだ。
「やれやれ、間の抜けた語尾だけど、とんだ食わせ物だ。本拠から離れた欧州を任されるだけはある」
ジェーン・コーネリアス(pirate code・g10814)が微笑した。
剣と銃をおさめた彼女は――急に老いた。
エイティーンで五十歳頃の姿に変じたジェーンは、艶に笑う。
「そうつれない態度を取らないでほしいな。楽しい会話には楽しい話題が必要だ、そう思わないかい? 君の武勇伝を聞いてみたいな」
――などと、ガマの好みに合わせたものの。
ふん、とガマはつまらなさそうにあしらった。
「外見を変えただけで、お前が小娘であることは変わらんガマ」
「――そうかい」
効果が無い、と解った瞬間、ジェーンは元の姿に戻る。
「武勇伝を聴きたいのは本当だよ」
ボクも海賊の端くれだからねと囁いて、ガマを見る。
「あんたはリスボンにも海賊島にも居ることは少なく、世界の海を渡り歩いてるって話じゃないか」
仏頂面をしたアンコウだが、ジェーンの言葉を聴いてはいる。
「ダンジョン探索や見つけた宝の武勇伝には事欠かないだろう? ――それだけの宝は海賊島にもないんじゃないかい?」
(「ガマは知りようがないことだけど、僕らには髑髏迷宮っていう一度きりの侵入手段がある――それを上手く利用するために標的になるものの情報は欲しい」)
考えながら問い終えると、彼女はガマの解を窺った。
お宝ね――と呟き、ガマは目を細める。それは冷徹な、海賊めいた空気があった。
「ふん、下っ端の海賊は、宝箱一つで一喜一憂するガマ。だが、真の海賊は、宝を産み出すダンジョンごと持ち帰るガマ」
一区切り、ガマはどこか小馬鹿にした様子で、大きく頭を振った。
もったいぶった口調で、ガマは続ける――。
「海賊島のダンジョンは、世界中から持ち帰った素晴らしいダンジョンであるガマ――もっとも、運ぶのにも多大なエネルギーが必要ガマ」
ダンジョンを持ち帰ったことがあるような口ぶりであるが、それは不明である。
まぁ、とガマは口の端を歪める。
「海賊島に持ち帰る価値のあるダンジョンなど、滅多にみつかるものではないガマ」
「世界中から持ち帰ったダンジョン……」
自慢げなガマを尻目に、ジェーンは小さく繰り返す――果たして、この情報が新たな緒となり得るのか、考えながら。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【エイティーン】がLV6になった!
効果2【ダメージアップ】がLV7になった!
ナイナ・ヴィラネスティズム
WIZ
同選択肢の味方との協力・連携可
※敵群に完全にトドメを刺すかは味方とガマとの絡みの行方次第
互いの状況をパラドクス通信の連絡で取り合う
※冷酷
ご主人様が全く痛い目を見られていないというのにあなた方のその様はなんですのかしら
憐憫
手負いの敵が一番危険である事を念頭に入れて行動
油断は自分を殺しますし
一人も逃さないと先に申し上げたでしょう
こちらから攻撃を加える場合はヴィラネスト・デスペラード
氷の魔力で生成した氷製のLMG×86丁を念動力で操作し、地表と宙にそれぞれ均等分に配置し敵の死角を突くかの如く弾幕を張っての制圧射撃
命中アップとダメージアップを重ねて、防御も回避も身代わりも許さない程には蜂の巣にしてあげますわよ
敵からの棘付き水球には被弾に備え盾を構えての防御態勢を取りつつ、
生成したLMG数丁を水球へ連射し攻撃相殺を狙う
場合によってはLMG数丁を盾にしてでも直撃を避けるように防御
可能であれば冷気の支配者の効果を活用して攻撃後の体温低下に備える
冷氷を司る母親泣かせの私が海の水の闇に屈するとでも?
●完膚なき壅塞
残された海神の娘達は、何とか脱出の隙を窺っていた。
「うう、もう嫌~」
「頑張りましょ~まだ動けるんだからぁ」
間延びした喋り方は、彼女らの個性だから仕方が無い。
泣きが入っているものの……自分達が血路を開けばヴァスコ・ダ・ガマは脱出できるかもしれないという可能性は捨てていない――はっきりいってもう一縷の希望と呼ぶには細すぎる線であったが、諦めるわけにはいかなかった。
「ご主人様が全く痛い目を見られていないというのにあなた方のその様はなんですのかしら」
ナイナ・ヴィラネスティズム(喜殺令嬢・g00383)は憐憫の息を吐く。
――言いながら。彼女は一切、油断はしていなかった。
隙を見せれば跳びかかって来るだろう。
手負いの獣は危険である。自身が思わぬ反撃に遭う可能性も然り――一番の目的は、一体残さず、此所で始末をつけること。
それを成すために、ナイナは凜とアビスローバーらを睨めつけた。
「一人も逃さないと先に申し上げたでしょう」
告げる彼女の周囲の空気が、みしみしと音を立て始める。
さっと温度が下がる――息も凍るほどに。
「硝氷弾雨!一帯を霜焼け野原にせし豪雪の宴!」
氷製のLMGが、ずらりと居並ぶ――高所低所、宙に浮かんだLMGの銃口は、すべて娘たちに向けられていた。
ふっ、とナイナが笑う。残酷で容赦のない、笑み。
「防御も回避も身代わりも許さない程には蜂の巣にしてあげますわよ」
刹那、氷の弾丸が掃射される。
四方八方から放たれる弾幕に、娘達は悲愴な悲鳴をあげた。
しかしそれでもアビスローバーの矜持がある――堅く冷たい弾丸に容赦なく身を抉られながら、水球を生成し――棘を生やした巨大な水球を、ナイナへと叩きつける。
攻撃のみが、彼女らを守る唯一の手段であり、活路。
弾丸を防ぎ、LMGを叩き壊し、水球はナイナへと垂直に落ちる――。
しかしそれをナイナは盾で受け止め、一蹴する――無論、攻撃された負荷は掛かったが、膝を突くような致命的な一撃にはなり得ぬ。
ぱんと弾けた水球らが、ナイナの身を濡らし、急激に冷やしたとて。
「冷氷を司る母親泣かせの私が海の水の闇に屈するとでも?」
それを上回る冷笑を湛え――魚の尾を床に叩いて、距離をあけようとする海神の娘たちを取り逃がさぬよう、新たなLMGを作り出す。
「これでお終いですわ。ご機嫌よう」
ずばららと、氷製のLMGが歌う。小気味良い振動とともに娘らを吹き飛ばす。
九十近いLMGでドーム状に取り囲まれ、全方位から念入りに穿たれたアビスローバー達が耐えきれるはずもない。
娘の形をしていたものは――すべて、部屋の片隅で、泡と弾け、消えた。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【操作会得】LV1が発生!
効果2【ダブル】がLV3になった!
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎
お喋りな蛙……いやアンコウか
こちらも暇ではないのだ
……ポルトガル総督としては似合う風采だなと思うが
横暴な支配を見逃す訳にはいかない
仲間と連携を取り行動、パラドクス通信も併用し声を掛け合う
戦況を観察し敵の動きを把握
敵の動きに合わせ、両手の銃でPD攻撃
左右の銃で時間差をつけ、敵を縫い留めるように掠めつつ、屋内に跳弾させ、銃弾で包囲し死角から穿つ
よく跳ねるので縫い付けよう
死角への警戒を誘いつつ動きを鈍らせ、仲間の攻撃に繋ぎ
ダメージアップをさらに重ね、仲間との攻防で見せた隙を撃ち抜こう
油断せず攻撃後は反撃に備える
屋内を移動しつつ仲間とは挟撃の位置取りを
敵の攻撃には
ガマが跳躍したら、誘因突起を警戒
電撃の直撃を避けるように動きつつ、Segenの魔力盾を展開し防ぎ
ラバースーツと強化コートで軽減を
会話への援護になる場合のみ、敵の様子をみつつ、焦った様子を見せよう
連中がここにきてしまっては意味がないと呟き
時間稼ぎに意味があり、時間をかけると何かしらの不都合がこちらにあると匂わせられれば
ジェーン・コーネリアス
なるほど……そうか
くっくっ、小娘呼ばわりしてくれてたからどうしてやろうかと思ってたけど、認めよう
確かに君の欲望は僕より遥かに高みにある。そりゃあ君からすれば小娘にも見えるか
見習わせてもらうよ、海賊
君の命、この屋敷、宝、街、欧州、そして無限の財宝を生み出す海賊島も。全て貰っていく!
カトラス「Macha」を両手で握り戦闘
これが最後だ。これまでの戦いよりも攻撃を重視。果敢に距離を詰め上段から切り伏せる『龍波断ち』で攻撃を行う
機敏な動きで避けられ距離を離されようとしつこく食い下がってやろう
可能なら他の復讐者とは同時に攻撃。別々の方向から連続で攻撃を行うことで、逃げる隙を与えないように
他の復讐者の攻撃で隙が出来たら力を溜めた一撃を叩きこんでやろう
敵の攻撃で海水の球に包まれ、重圧をかけられようと海水の中から反撃、上段からMachaを振り下ろし、【ダメージアップ】や【命中アップ】を重ねた一撃で水球ごとガマを叩き斬る
荒波も海も、一刀で……全て叩き割る!!
嘘は嫌いなんだ。大口叩いたからには、やってみせるさ
アンゼリカ・レンブラント
相棒のシル(g01415)と共に
ネメシスモード継続
さぁて決着をつけに行くよっ!
うん、もうひと頑張り
シルも皆もいる、絶対勝つともさ!
先程と陣形変更
横から挟む形を狙った先ほどと異なり、
少し下がって固定砲台を担うシルの砲撃の援護を受けつつ
正面からパラドクスの神焔剣で斬りこんでいくよ
これが私のありったけ、受け取れーっ!
叩き込んだら反動で一撃離脱、
反撃を凌ぎガマの側面に回り、
再度隙を突いて斬りこむよ!
近接戦を継続し、絶えず足を使って動きガマの注意を惹いていって
シル達遠距離から攻撃する仲間の為の隙を作り出していくね
私ばかりに注意を払って、いいのかなっ
反面他の仲間に注意が行ったところに、
神焔剣を痛烈に叩き込んでやろう
復讐者の戦いは積み重ね
残留効果を、絆を重ねどこまでも強くなる
今の私達は、先ほどまでの私達じゃないよっ
勝利に繋がっていくと信じてるから、どこまでも戦えるんだ
最後は全てを込めた《神焔収束斬》の一刀で両断を狙うねっ
私達の心の光よ、最大まで輝き勝利を掴めーっ!
終わったぁ~!
みんな、お疲れ様だよっ♪
シル・ウィンディア
相棒のアンゼリカさん(g02672)と一緒に。
赤髪青緑のオッドアイのネメシスモードは継続。
野暮用も終わったみたいだし。
それじゃ、あとはあなたを倒すだけ。
…ここまで来て逃がしはしないよ!
先ほどとは変わって少し下がっての立ち位置。
創世の光剣から世界樹の翼type.Aに持ち替えてっと。
それじゃ、アンゼリカさん。
もうひと暴れ行くとしますかっ!
言い放ってから、使うのは十芒星精霊収束砲。
高速詠唱で隙を減らしてからの全力魔法のフルパワーでぶつけていくよっ!
再戦の号砲にはもってこいだからね、これっ!!
撃った後は動かずに固定砲台のように立ち回るよ。
アンゼリカさんやほかの人に注意が行っているなら、その隙を突いてどんどんパラドクス砲撃撃っていくよ。
敵パラドクスは、背中の3対の翼で体を覆って防御を。
ふふ、ガードアップの効果はやっぱり効くね。
さっきより痛くないからねっ!
最後は合わせるようにして、十芒星精霊収束砲を撃つね。
これがわたしの全力全開。
さぁ、遠慮せず全部もってけーーっ!!
ふぅ、みんな大丈夫?
…お疲れ様♪
クローディア・ベネット
ダンジョンそのものを持ち帰るとは、ね。実に豪快でいいじゃないか
だが……世界中の探索をやってのけたあんたも、ついに抜け出せない迷宮に潜り込んじまったってわけだ
今日まで何ヵ月もかけて断ち切ってきた幾つもの逃げ道、その最後の一つをたった今潰した!
ここが迷宮の行き止まりさ!
――『野郎ども、大騒ぎの時間だ!』
《船長のサーベル》を掲げて叫べば、海賊の霊達もカトラスを手に割れんばかりの声を上げて応える
海賊達の先頭に立ち、総督閣下に荒くれ者の剣の味を教えてやろう
早い段階で行動する場合は、海賊に敵を取り囲ませ周囲の様子を見えづらくしながら戦う
仲間が技を準備したり意識外から攻められる状況を作ろう
逆に攻防の末に敵が疲弊したり隙をさらした大詰めの状況で動く時は、攻め手かが早い方がいい。まどろっこしい話はなしだ
海賊団で一丸となって突撃し、ガマ野郎を斬撃の嵐に飲み込んでやる!
水球を《聖遺の護符》で弾き飛ばし、捕まるまでの時間を引き伸ばして先にけりをつけるぞ!
あばよ、ヴァスコ・ダ・ガマ。あんたの冒険はこれで終わりだ!
●落日
トループス級部隊が潰えた。その事実に、ヴァスコ・ダ・ガマはぐうと呻いた。
「いや、まだガマ。まだ希望はあるガマ……」
ぶつぶつと自分に言い聞かせるが、正直厳しい。
ディアボロスに包囲され、満身創痍で――しかし海賊ならではのしぶとさか、諦めの悪さか。
「此所から奇跡の大逆転もあるガマ――海なら、あったガマ……!」
とにかく自身を鼓舞するように呟いて、ふんぬと鼻息を吐く。
そんな独白の時間が許されたのは、ひとえに――彼が先程告げた情報に、ジェーン・コーネリアス(pirate code・g10814)が思考を奪われていたからかもしれぬ。
「なるほど……そうか」
彼女はひとりごち……やがて、愉快そうに笑う。
「くっくっ、小娘呼ばわりしてくれてたからどうしてやろうかと思ってたけど、認めよう――確かに君の欲望は僕より遥かに高みにある。そりゃあ君からすれば小娘にも見えるか
見習わせてもらうよ、海賊」
彼女の不敵な――しかし明確に剣呑な瞳の輝きに、ガマが、ぐうと唸る。
なにせ、一度は下ろしたカトラスを再び――今度は両手で握っているのだ。
しかし、ジェーンばかりに気を取られてはいられない……。
そして、また傍らから、ははっと笑う声があった
「ダンジョンそのものを持ち帰るとは、ね。実に豪快でいいじゃないか」
クローディア・ベネット(黒き旗に矜持を掲げて・g10852)も高らかに笑うと、口の端を吊り上げた。
ガマにも散々見覚えのある、海賊めいた微笑みだ。
「だが……世界中の探索をやってのけたあんたも、ついに抜け出せない迷宮に潜り込んじまったってわけだ――今日まで何ヵ月もかけて断ち切ってきた幾つもの逃げ道、その最後の一つをたった今潰した! ここが迷宮の行き止まりさ!」
口上の締め括りとばかり、クローディアはサーベルを高々と掲げて、叫ぶ。
「野郎ども、大騒ぎの時間だ!」
おぉーと、鬨の声を上げながら駆けつけたのは道半ばで倒れた海賊たちの魂――クローディアの号令に従って、カトラス振り上げ、ガマへと突撃する。
「ぐぉおお!?」
海賊たちに一気に距離を詰められ、息つく暇も無く次々に斬りつけられ、ガマは思わず声をあげた。オラオラ、と胴間声が確かに響く中、黒髪を軽やかに躍らせクローディアが思いきりサーベルを振り下ろす。
躊躇のない剛刀は、ガマの腕に触れ――ギャッと短い声をあげる。
血飛沫が派手に弾けるも斬り落とすことは叶わず、クローディアは露骨に舌打ちした。そして、素早く刃を引く。
ガマの頬が膨れ、凹む――吐き出された海水の球が、戦場を洗い流すように押し出された。
前方を一掃する水球を見送り、ジェーンが今こそ、剣を閃かせた。
クローディアの喚んだ海賊らに紛れ迫り、背面に滑り込んだ彼女は。
赤い魔力を帯びたカトラスを大上段から振り下ろす――。
「君の命、この屋敷、宝、街、欧州、そして無限の財宝を生み出す海賊島も。全て貰っていく!」
背を割る一撃にガマは「ぐぉおぉぉ!」と叫びながら、前へと転がるように逃れた。
「ぐ、ぐぬぬゥ――!」
苦痛に耐えるように呻きながら、もう一球分、海水を吐いて、ジェーンを追い払う。
それが一時しのぎに過ぎぬことは、ガマも解っている。
「こんなところで、死んでいる場合ではない、ガマ――」
ぎりぎりと歯を鳴らしたガマの足元で。
一気に銃弾が、爆ぜた。
足元から頭部に向かい、抉るような角度で跳ねた銀の弾丸に、慌てて跳び退く。
「!」
ぎょっとしたガマへ――エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)が両手の銃口を突きつけていた。
軌道が読めぬ跳弾で、ガマを休ませぬよう――当然急所を射貫くという狙いで――追い立て。
「お喋りな蛙……いやアンコウか――こちらも暇ではないのだ」
鋭い眼差しを投げる。
その口元に漂う厳しさは、殺意というよりも……欧州を最終人類史に取り戻したいという、強い意思であった。
「……ポルトガル総督としては似合う風采だなと思うが――横暴な支配を見逃す訳にはいかない」
ガマは違うが――たとい人望ある存在だったとて。
クロノヴェーダに預けてはおけぬのだ。
「そっちこそ、だ、黙るガマ!」
白銀の跳弾に脚を穿たれながら、ガマは反動を利用し、跳躍する。
その攻撃は先程見ている――エトヴァは注目すべきポイントを搾り、横へと跳んだ。
頭の頂点にあるイリシウムが輝き出すに合わせ、白銀のガントレットで守られた腕を突き出す――刹那、エトヴァへと放たれた雷撃を、魔力の盾が受け止める。
身体に重くのしかかる負荷はまだあるが、耐えきれる――。
彼は、ふっと目を細める。
二人の少女がそれぞれに、ガマへと攻撃を仕掛けた。
六色の翼を背負い、赤い髪を靡かせたシル・ウィンディア(虹を翔ける精霊術師・g01415)が。
白銀の長杖を手に、堂々とガマへ向き合う。
「野暮用も終わったみたいだし。それじゃ、あとはあなたを倒すだけ。……ここまで来て逃がしはしないよ!」
そして、アンゼリカ・レンブラント(光彩誓騎・g02672)へと笑いかける。
「それじゃ、アンゼリカさん。もうひと暴れ行くとしますかっ!」
「うん、もうひと頑張り――シルも皆もいる、絶対勝つともさ!」
先と同じく大剣を肩に担いだ聖女――アンゼリカが、明るく笑う。
「さぁて決着をつけに行くよっ!」
ぶん、と彼女の大剣が鮮やかな弧を描いて、青眼におさまる。
アンゼリカが前へと躍ると同時。
「世界を司る六界の精霊達よ、宇宙に集いし天体の守護者達よ、過去と未来を繋ぐ時よ、集いて力となり全てを撃ち抜きし虹光となれっ!」
シルが滑らかに――ほぼ一息に圧縮した詠唱を終える。
六色の輝きが杖の先端に集う。シル自身も強く輝きながら……その背に大きな光翼が広がるに合わせ、力を正面へ解き放つ。
「全力魔法のフルパワーでぶつけていくよっ! ――再戦の号砲にはもってこいだからね、これっ!!」
フルパワーの言葉に違わぬ、圧倒的質量を持つ光線が、戦場を駆け抜けた。
「なっ!」
ガマが動揺したのは、そのパワーにではなく。
「これが私のありったけ、受け取れーっ!」
同時にアンゼリカが皓皓と光に満ちた大剣を振り下ろして来たからである。
彼女の生命力をくべる光焔によって伸びた刀身を、斜めに斬り下ろす。輝く弧を描いた剣閃は、シルの一撃を受けたガマの懐へと撃ち込まれた。
二筋の光を身体で受け止めたガマは、濁った悲鳴をあげて吹き飛ぶ――が、もうもうと立ちこめた土煙の向こう、海水の大玉がアンゼリカを狙って放たれ、それらを跳躍したガマが天上から雷を落とす。
アンゼリカは剣を構えつつ、水球を打ち破らんと素早く退いたが、シルはその場から動かず、ただ受け止めた――六の翼の半分を使って身を包み、直撃を避けながらも、回避はしない。
カッと身を灼く痛みに正面から挑み……シルは青と緑の眸を細めて、笑う。
「ふふ、ガードアップの効果はやっぱり効くね。さっきより痛くないからねっ!」
――それでも、無理をしていることに変わりない。
ぎょっとしたガマが思わず叫ぶ。
「なっ、貴様、正気ガマ!」
「今の私達は、先ほどまでの私達じゃないよっ! 勝利に繋がっていくと信じてるから、どこまでも戦えるんだ」
狼狽えた敵へ、諭すような声色で告げ――アンゼリカが剣を突きつけた。
全身へ圧力をかけてくる水球を内側から叩き切り、ぴょんと前に出る。軽妙な身体捌きだが、的確にガマが無視できぬ間合いへ。
「ええい、もう一撃喰らうガマ――!」
その剣を厭ったガマが水球を吐き出すと、ふふっ、と楽しげにアンゼリカが笑った。
「私ばかりに注意を払って、いいのかなっ」
「っ!」
その肩を、ジェーンの斬撃が襲う。
「皮だか肉だか、脂肪だか知らないけど、なかなか厚いね」
苦笑交じりに彼女は呟き……即座に跳び退く。
入れ替わり、シルの援護射撃が走る。
視界を埋め尽くす魔砲の光。その威力もまた、ガマを消耗させるが、彼女の攻撃に乗じてディアボロスも一斉に動く――。
「野郎ども!」
クローディアの声が響く。隙間を埋め尽くす、霊の奔流。海賊たちの突撃に、数々の剣戟が幾筋もガマに疵を刻む。
雄叫びをあげながら、クローディアも躍り掛かる。深々と、刃が肉厚な身体に刺さる――腹からの止めどない出血にガマは膝を突き……しかし、笑った。
気付けば、血ではなく、海水が溢れ出し、大きな水球がクローディアの眼前に作り出される。力任せにサーベルを引き抜き――正面から叩きつけられた水球の盾にする。
蹌踉めきながら立ち上がったガマの側面を、青い影が横切った。
「――踊れ、導け、祈りの下に」
エトヴァは銃を両手に、とんと床を蹴る。ガマの視界から、自身の姿を切るように。
すっかり戦闘で荒れた宮殿の床は荒んでいるが、行動に問題はない――敵がどれほど弱ろうと……仕留めるまで、気は抜かぬと、エトヴァは構えた銃へ、祈りを籠める。
ゆっくりと腕を伸ばす。白銀の弾丸が吐き出される瞬間まで、不思議とゆっくりと時が流れた。
踊れ――弾よ、ガマよ。
唇で囁き、銃弾を操る。真横に、上に、垂直に――直前で軌道を引き直す弾丸でガマを翻弄し、ここぞというタイミングで一気に叩きつける。
実際にはほぼ一瞬で撃ち、着弾させたに等しいが、集中力が必要な作業である……その身体にほぼ全弾叩き込んで尚、にたりと笑う敵の姿を見た時、エトヴァは己の目が更に鋭くそれを見たと自覚した。
「しぶといな――」
「これが真の海賊だガマ!」
開き直ったらしいことばとともに、ガマが跳ぶ。
雷を放とうとする、その瞬間。
「待ってました!」
シルの声が、あらゆる喧騒を突き破って、響く――。
啾啾と杖の先に集まった力が鳴いている……じっくりと力を籠めた杖を両手で握り、なんの障害物もなく狙えるこの時に、解き放つ。
「これがわたしの全力全開。さぁ、遠慮せず全部もってけーーっ!!」
光の翼を開いて逆噴射しながら、守りも後も考えぬ全身全霊の魔砲を叩きつける。
ガマもまた声にならぬ叫びを放って雷を放つ。
それは拡散し――あちらこちらに痛みをばら撒く。
蹴散らすように前に跳びだしたのはアンゼリカ。
「裁きの光と共に輝け、生命の焔よ!絆を力とし、未来への道を拓けぇーっ!」
神火を燃やし、己のオーラで高めた光剣に絡めて、より赫く。
「私達の心の光よ、最大まで輝き勝利を掴めーっ!」
叫びながら、振り上げた剣を、真っ直ぐ下ろす。
基本に則った、実直な一閃。
それはガマの片腕をばっさりと切り落とす。
まだだ、クローディアが声をあげた――まだ、奴を仕留めていない。
「行け!」
そう告げたのはエトヴァだった。ガマを逃がさぬよう銃弾を放って、その場に縫い止めるよう、制御すると。
ジェーンが転がるような低さで疾駆した。
呻くようなガマの身体から、最後の抵抗とばかりに、大量の海水が迸る。
行く手を阻む水球に……ジェーンは両手で構えたカトラスを、全力で振り下ろす。
「荒波も海も、一刀で……全て叩き割る!!」
踏み込みながら、波のような球を一刀両断に伏す。
その斬撃は、ガマにも届く――既に膾斬りとなっていたアンコウの魚人は。
額から腰までを垂直に割られ、絶叫した。
ひゅーひゅーと声を漏らし倒れ込んだ其を取り囲んだのは、海賊の霊たち。それを率いるクローディアが、合図のようにサーベルを揺らめかせる。
海賊の剣が次々とガマを襲う。徹底的にやる、海賊の流儀に則るように――。
「あばよ、ヴァスコ・ダ・ガマ。あんたの冒険はこれで終わりだ!」
最後にクローディアが慈悲の一刀を背中から胸に突き入れ――ヴァスコ・ダ・ガマは呻き声も漏らさず、彼の城である提督邸で、ひとり絶命した――。
――沈黙が落ちた。束の間の、完全で完璧な静寂の中。
誰かの吐息が、それを破った。
疲弊と安堵――そして……。
「ふぅ、みんな大丈夫?」
そんな息を吐いた一人、シルが仲間を振り返る――ガマの戦闘スタイルの影響もあるが、絢爛豪華を誇った室内は見るも無惨にボロボロだ。
比べれば、ディアボロス達は綺麗なものである。
とはいえ……ほぼノーガードの殴り合いに近かったことで、言葉以上に疲弊していた。
「終わったぁ~!」
万感の籠もった声で腕を天に投げ出し……アンゼリカがそのままぐっと身体を伸ばしながら、戦い抜いた仲間を労う。
「みんな、お疲れ様だよっ♪」
「お疲れ様♪」
ふふっとシルは笑って、頷く。
「これでアビスローバー勢力は崩せたが……」
「そうだね、あいつ――」
銃を収めたエトヴァが重い息とともに呟くと、クローディアもまた彼方を睨んだ。
ガマを撃ち取ったことでリスボンは完全に制圧したが――波乱の種は残っている。
弛緩と緊張の狭間に置かれながら……ふ、とジェーンは金の瞳をきらり輝かせ、微かな笑声を零した。
「――嘘は嫌いなんだ。大口叩いたからには、やってみせるさ」
この屋敷、宝、街、欧州、そして無限の財宝を生み出す海賊島も――全て貰っていく。
どんな海賊よりも貪欲に。
すべて取り戻してみせる――と。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴
効果1【パラドクス通信】がLV2になった!
【一刀両断】がLV6になった!
【断末魔動画】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV8になった!
【先行率アップ】LV2が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!
最終結果:成功 |
| 完成日 | 2025年05月24日 |
| 宿敵 |
『ヴァスコ・ダ・ガマ』を撃破!
|