リプレイ
瀧夜盛・五月姫
連携、アドリブ、歓迎、だよ。
さあさあ、相馬さん。ビルの陰から、出て、おいで。
でっかい骸骨、出てくるだけでも、パニック、なるんじゃ、ない?
動揺はしれば、それは、隙。【ダッシュ】で飛び込み、【斬撃】していく、よ。
相馬さん、もちろん、張りぼてじゃない。
クロノヴェーダ、踏みつけ、掴んでは投げ、そして戦場を混沌に堕とそう。
そんな相馬さんに、釘付けになれば、ほどほどで【臨機応変】に、撤退。
あとは、よろしく、ね?
赤上・イズル
■アドリブ絡み歓迎
少しずつ戦果が上がってます
しかしここで手を緩めるわけにはいきません
ハルファスが再び配下を集め、力を得る前に片を付けないと
それにしてもハルファスの子ら、ですか
外見だけでは自分ともそう年が違わない少年少女です
感情を失ったとはいえ若い身空の者達に刃を向ける事に些か抵抗を感じなくもない
しかしどんな理由があって配下になったとしてもここは討つしかありません
…大丈夫ですよマリコさん。俺は戦えますよ
そうモーラットの『マリコさん』に言い陽炎一文字を強く握り戦闘開始
【誘導弾】で何人かを大勢のグループより引き離し
そこをパラドクス【日輪】で複数敵に浴びせる
飛鳥・遊里
『よお、そこのお子ちゃま連中。退屈ならちょっとお兄さんと遊ばないか?』
そうだな…リズムゲームで対戦なんてどうだ?難易度はハード通り越してるかもしれないけどな?
【接続不良・反転迷路】を起動。さあ、最後まで踊り切れるかな?
全ての動きが【反転】する結界、下手すりゃ同士討ちで自滅するかもしれないぞ、しっかり踊ってくれ
まあ、対応してくる奴も出てくるかもしれないから、信号拳銃で閃光弾や煙幕弾を適時打ち込んで、気を散らしまくってやる
ああそうそう、ダンスに夢中になるのはいいんだけどさ
お前たちの相手は俺だけじゃないんだぞ?
ただでさえ仲間内で連携もろくに取れてないのに、こっちの仲間たちの波状攻撃しのげるかな?
一ノ瀬・綾音
統率が取れていないのを数だけ揃えても、一騎当千って言葉があるのを教えてあげるか!
ミッドレンジを保ちながら相手に接近、確認出来たら『高速詠唱』からの【雷魔法】を放つよ!そのままそこで痺れちゃえ!
ただやがて相手も人数をそろえてくるだろうから無理はしないで人数が集まってきたら撤退する。その際、【パラドクス通信】でみんなに連絡を取りながら、【雷魔法】で相手のナイフなどの敵が持ってる金属に攻撃して麻痺を狙っていくよ。
ごめんね、今日は君たちと長く遊んでいるわけにはいかないんだ。
また今度、主さんも交えて遊ぼうね!
時惣・継
余り時間的余裕は無いよね。怖いなんて言ってらんないか。
力を合わせて全力でここを制圧することだけ考えよう。
戦闘開始まで余裕があるのであれば、偵察・観察・情報収集を行う。
敵の正確な数、配置、武装、地理、利用できそうな地形、不意打ちに適した襲撃ポイント、それらを可能な限り調べたい。
大事なのは皆で無事に帰ること、そして勝利すること。
小賢しくともそれが俺にとっての戦いだからね。
戦闘になったら数を減らすことを第一に考えて、味方の邪魔にならないようにパラドクスを使って手榴弾の攻撃を多めに行う。
戦場の状況は常に把握しながら行動して、閃光手榴弾や煙幕手榴弾で味方の援護をしたり、銃で援護したりするのも欠かさない。
「あれがハルファスの子ら、ですか」
心なしか沈んだ声音で赤上・イズル(陽炎の剣士・g04960)が呟けば、近くで時惣・継(半影蝕・g04161)は頷く。
「間違いなく、ハルファスの配下……なんですよね」
確かめるかのような継の一言を聞き、睫毛をそっと伏せた瀧夜盛・五月姫(無自覚な復讐鬼・g00544)もやはり、首肯で応じる。
「敵、変わり無い。外見で、惑わして、こようとしても」
「気持ちは分からなくもないけどな」
五月姫に連ねて飛鳥・遊里(リサイクラー・g00512)が肩を竦める間に、心を配る一ノ瀬・綾音(綺羅星の如く・g00868)の表情がイズルを覗き込んだ。だからイズルもそっと顎を引いて云う。
「……見た目とは、なんとも恐ろしいものですね。いきましょうか」
平気だと応じる代わりに、敵を見据えた。
「これまで上がった戦果が、今へ結び付いたのですから」
戦いの色にまみれたアスファルトから目線を持ち上げて、イズルは続ける。
「ハルファスが再び配下を集め、力を得る前に片を付けないと」
琥珀に濡れるイズルには、微かな揺らぎが宿ったままだ。
「ん。行こう。向こう、姫が対処、する」
肯いと宣言ひとつ傾けた五月姫は、すぐに方角を定め歩を運ぶ。
一方、継は夥しい数のハルファスの子らを認め、渇いた喉を鳴らす。
(「……時間的余裕は無いよね」)
時間を要しては、品川区の大天使がどう動くかも分からない。
立ち止まっている暇も、迷っている時間もないと、継は拳をきゅっと握って。
(「怖いなんて、言ってらんないか」)
俯きかけた顔を上げ、踏み出した。
統率はたしかに取れていないと、敵陣を見据えて綾音は思う。こんなに大勢の仲間がいるにも拘わらず、グループで固まる者たちもあれば、何やら抗争めいた罵り合いをぶつける子らもいて。一口に『ハルファスの子ら』と言っても、指揮する者なき今、多様さは拭えないらしい。
綾音は相手との間合いを計りながら、羽ペンを指先で遊ばせる。
彼女が好機を手繰る間に、帽子を被り直しながら遊里が蝟集へ声をかけていた。
「よお、そこのお子ちゃま連中。お兄さんと遊ばないか?」
「あ? ンだオッサン、ナメてっとケガすんぜ」
テンプレート的な反応を示す悪魔だが、遊里も丁寧に相手をする性質ではない。
余裕を帯びた遊里は既に、グレネードを投擲する準備ができている。
「リズムゲームなら退屈凌ぎになるだろう。まあ、難易度は察してくれよな?」
「ハッ、リズムで負ける俺らじゃねーぜ」
明らかな嘲りを吐いた彼らへ、遊里が叩きつけた挑戦状こそ、パラドクス。
ナイフを握り突撃してきた四体の子は、遊里が炸裂させたグレネードの威に呑まれ、悲鳴とも呻きとも取れる声を鏤め、爆ぜた。
しっかり踊ってくれよ、なんて口端をもたげた遊里の後方では、イズルがひどく冷える手足に重たさを覚えていた。少年や少女の見目をした子らに、感じる抵抗は些かだけれど。四肢が鈍い原因は、きっとそこにある。
「……大丈夫ですよマリコさん。俺は……」
俺は、戦えます。
皆で掴んだチャンス。攻勢を緩めるわけにいかない。
「もきゅっ」
マリコさんが一鳴きしたのを受け入れたのち、イズルは地を蹴った。
彼が走れば、そこへ狙いをつけてやってくる敵も多い。だが。
「こっち、大丈夫」
不意に群集へかかった声――こくんと頷いた五月姫のものだ。
都会の駅舎よりも遥かに小さな少女の細腕が、緩やかに天へ掲げられるや。
「さあさあ、相馬さん。出て、おいで」
現れたのは、五月姫よりも遥かに巨大な骸骨だ。
かれは戦場の慌ただしさをよそにのっそり動き、そして大きなこうべで影を生む。
「な、なんだアレ……!」
「でけぇ!?」
ざわつく戦場で、視線を吸い上げた骸骨が動く。そのうちナニクソと叫んだ少年が、身体の限界を超える力で骸へ抗うも――巨躯の重量が圧しかかり、凄まじい重さで以ってかれを叩いた。
混沌とした戦場を見渡し、五月姫は目許へ緊張を滲ませる。
「相馬さん、もちろん、張りぼてじゃない」
表情は変わらずとも、戦場に立ったがゆえの朱を白皙の頬へ刷く。
すると敵陣もまた、骨にもディアボロスにも負けまいと声を張り上げ出した。
「数の暴力に敵うと思ってんのかゴルァア!?」
「テメェ囲んじまうぞ!」
綾音めがけて、熱り立った少年たちが突き進む。だが綾音は微笑みながら片目を瞑って。
「一騎当千って言葉、知ってるかな?」
まばたき程の速さで結わえた詠唱が、雷を喚ぶ。
「ビリビリに痺れちゃえー!」
少年らが振りかざした悪意の刃ごと焼く、ライトニング・グリード。
挙がった断末魔をも雷鳴が掻き消し、三つの悪魔が朽ちた。
ぱちり、ぱち、と雷魔法の残滓が踊る中で、綾音が一群へ双眸を向けた、そのとき。
仄かな赤が翔ける。それこそが、イズルの握る陽炎一文字の刀身。
「援護します!」
すかさず継が魔弾を模る。
射手たる継の弾は、狙い過たず四体の子らを撃つ。冠する四手の名に違わぬ流れで。
チッ、と敵の舌打ちが継の耳に届いた。
「ふざけたマネしやがって……やっちまえぇ!!」
号が轟き少年少女が継へ飛びかかるも、それぞれの一手で着実に敵数は減っている。
そこでイズルが吐く呼気はひとつ。戦のにおいを吸うのは短く。こうして彼は御仏の力と己の意思を結び――群れを切り払う。薙いだそばから強打を浴びるも、イズルは崩れない。
同じ頃、遊里の築いた迷宮化のひとときを逃れた子があった。
しかし遊里は特に気にする素振りもなく、ああそうそう、と連ねる。
「ダンスに夢中になるのはいいんだけどさ……」
「は……? 今度は何だよ」
「お前たちの相手は、俺だけじゃないんだぞ?」
にやりと不敵さを燈す遊里の周りへ、突如として響くのは――。
「そろそろいいかな、撤退するよ!」
綾音の掛け声だ。
「っ、はい、わかりました」
継も倣って後退する。誰もが判断を誤らない。今、ここで大事なのは。
(「皆で無事に帰ること。勝利を掴んだ上で、皆で」)
あどけなさを残す少年の瞼も、戦特有の空気にほんのり上気していた。
そして五月姫も、ひらりと舞うように踵を返す。
「また、ね?」
再会があるのかは分からなくても、小さく振った五月姫の手につられ、ハルファスの子らが雄叫びと共に追走を試みる。捕まるつもりなどさらさらない少女は、透けるような髪をなびかせ、仲間たちと駆け出した。
ごめんねー、と速度を緩めぬまま綾音が彼らへと叫ぶ。
「また今度、主さんも交えて遊ぼうね!」
「待てやコラァァ!!」
逃げるなとけたたましく絶叫する子らの姿を後に、品川駅の一角で共闘した五人は、同じ速度で撤退していった。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴
効果1【怪力無双】LV1が発生!
【建物復元】LV1が発生!
【迷宮化】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
【完全視界】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!
【ダブル】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
リヴァル・アーク
……どうやらだいぶ退屈しているようですね。
忘れてもらっては困りますね、ハルファスが降伏した以上、貴方達はすでに……喉元に刃を突きつけられているのと同じだということを。
どうも、呼ばれたので来ました。肉まんを食べる前に、オレたちとの戦いはどうでしょうか。
もちろん、肉まんを食べる暇など与えるつもりはありませんが。
【光閃の禍】を発動、『ダッシュ・突撃』し、『貫通撃・グラップル・破壊』の連撃を叩き込みます。
『ドラゴンスペル・スケーター』を使用しヒット&アウェイを心がけましょう。深追いは禁物ですね、やることをやったら撤退します。
天音・梓
千載一遇のチャンスというやつですね、ハルファスはここで倒してしまいたいところ、なる速で制圧してしまいましょう
相手の様子は……グダグダとくだを撒いている感じですね
攻撃して挑発して釣り出して、また攻撃してで疲れさせましょう
まずは彼らに宣戦布告の鏑矢代わり一矢射て、顔を見渡し挑発します
まだこんなところに存在していたのですか
あなた達では私たちに勝てません、ここで終わりです。だってあなた達は……やる気なし、意気地なし、甲斐性なし、倒されるのも致し方なし、そういう話、お分かりですか?
挑発に乗ってくるのなら一旦引きつつ急雨で雨矢を雨霰と射て、退くようであればまた長距離射撃で一人一人狙って攻撃していきます
イツカ・ユメ
皆の頑張りでハルファスを追い詰められたみたいだけれど……ここで焦ったらダメだよね。何が起こるかわからないし、しっかり足場を固めておかなくちゃ!
孤立して囲まれたらやばいし、周囲のディアボロスさん達と協力して連携を取り合いつつ、
【ダッシュ】で切り込んで殴ったら逃げる!の繰り返し。
……ねぇ、ハルファスなんかに従うよりも、わたしとイイコトしない?なんて。
ほんのり【誘惑】な【演技】をして相手の油断を誘ってみてもいいかも?
念の為、周囲の様子を【観察】して【情報収集】と警戒も忘れずに。
何か異変や発見があったら【パラドクス通信】で随時皆に伝えるよ。
必要な時は【完全視界】でサポートもするね。視界良好、安全第一!
神坂・樟葉
話を聞いたところ、此度の相手は随分と短気のようじゃ。
ちと挑発でもして誘い出してみようかの。
「いやはや、この時代の建物は味気ないなりに美しいと思っておるが、あちこちで喧嘩はするわゴミは捨てるわだと見るに堪えんのう」
「躾のなっておらぬ童どもの主はなんと言ったかの、ハルファスか?」
後は寄ってきた奴から結界にかけておくぞ。
挑発に乗らなんだら、近場の奴に結界で実力行使じゃ。
撤退の際も近い奴に結界をかけて距離を取れるようにするが、
寄って集られている仲間がいれば、そちらの援護を優先しよう。
里木・啓吾
「寒そうな格好してますね、暖めてあげましょうか?」
騙されやすそうですし、最初は敵意を隠して<不意打ち>を狙います
【使用パラドクス:炸裂召喚】
「ただし、木端微塵だが」
装備しているリボルバー銃を<連射>
パラドクスで銃弾をグレネードに入れ替えて<爆破>で制圧していきます
【防御】
「餓鬼が。死に急ぐつもりで?」
敵の攻撃に対しては手は銃で埋まっていますので
蹴りで相殺による防御を狙います
防いでいたら自滅してくれる分、楽ですが……
【心情】
まぁ、復讐もできず、ただの悪魔となった以上殺すのが慈悲です。
バンバン射撃して殺していきますね
「詐欺師に騙されたことだけは同情しますよ」
「改造ごと吹っ飛ばしやる、もっと来い」
本郷・夏深
蛆虫のような多勢と戦うのもまた一興!
お暇でしたらカフカが今日だけ特別に遊んであげます
もしも私を倒せたら大いなる栄光を手に入れられますよ!
懐へ潜り込んで正面から、或いは背後から
臨機応変に位置を変えつつ攻撃して参ります
あまりにも相手が多い場合は先に脚を切り裂いて機力を奪い、
後で順番に仕留めていって差し上げますよ
偉大なる私の手に掛かるということ以上の名誉はありませんから、
どうぞ喜んで死んでいって下さい
敵の攻撃は広げた扇を盾にして、
もしくは舞い踊るように躱して往なして凌ぎます
自分の身体を壊してまで繰り出す一撃となると凄まじい強さですね!
まあカフカは恵まれているので身体を壊す事なく強烈な一撃を放てますが
宮之本・真一郎
この辺の敵はある意味で交戦的な感じっすね。少し悪い気もするっすけど、そこをつかせてもらうっすよ。
敵に先制攻撃ができるような距離まで身を隠しながら近づくっすよ。近づいたら先制攻撃でショットアタッチメントとドリルアタッチメントを組み合わせた最大威力のサンドストームブラストで攻撃っすよ。
攻撃で敵が混乱しているうちにショベルアタッチメントを組み立て切り込んでいくっすよ。砂をうまく使って敵の視界を悪くしつつ、混乱が解ける前に離脱をするっすよ。
離脱時にあえて敵に追いかけることができる余裕を残して、追いかけてきた敵をウィンチアタッチメントのワイヤーで簡易的な罠で足止めしていくっすね。
ウツロ・ジャレット
「呼んだかい?」
駅前コンビニの制服姿で熱々の肉まん片手にハルファスの子らの前に現れる。
「ハハハ!貴方達がお探しなのはハルファスちゃんを追いかける復讐者かな?それとも肉まん?――…あ、両方?あ、そう。いいねぇ、ガキに謙虚さはまだ早い。こんぐらいナマイキさがあるくらいじゃねぇとな」
一斉に武器を振り上げて襲い掛かってくるハルファスの子らに脱ぎ捨てた制服を覆いかぶせるように目隠し、右手に装着したメリケンサックで躊躇なく殴りかかり、顎を砕いた相手を左腕で捕まえ、口に熱々の肉まんを一人1個ずつ押し込んでいく。
「残さず食えよ?蒸したてだぜ?」
【アドリブ大歓迎】
井手口・倖詩
う、うわーパリピだー!?
陰キャの敵がこんなに…これ何て地獄?
だだだ大丈夫落ち着こう…深呼吸…すーはー
…今の俺はただでゆすられたりはしないっす
復讐者の力、思い知れー!
悪魔には悪魔をぶつけんだよ精神で
召喚するのはノエさん
高速詠唱の落雷で撹乱しつつ一気にダメージを与えていく
ノエさんに攻撃を任せている間
俺は確りと周囲を観察しておくっす
刃物なんて物騒なもん振りかざして襲ってこられたら怖いし
そういう奴が来たらそっちを優先して攻撃してもらわないと
あ、後は気を配れる範囲で
他の皆さんが攻撃されそうなら援護も考慮
…め、めっちゃ疲れる
いや、今まで色々戦ってきましたけれど
今日以上に精神に来る敵って中々いないっすよ!?
●左方にて
ハルファス陣営の歪みは露見した。継ぎ接ぎだらけだったハルファスの勢力は、ディアボロスという存在の介入によって、いよいよ閉じぬ傷口となったのだ。だからこそと集ったディアボロスたちの想いは様々だが、目的地はひとつ。
品川に集結した『ハルファスの子ら』を蹴散らすこと。
千載一遇のチャンス。その現実を噛み締めて、天音・梓(雨兆す・g03821)は唇を引き結ぶ。
皆で繋いだ好機を、逃すわけにはいかないと、少しばかり気負っていて。
「かれら、好戦的っすね。ある意味」
そんな彼女のそばで、宮之本・真一郎(働くサイボーグ・g01393)が柔らかな目を眇めていた。
ふぅむ、と神坂・樟葉(自称超特級厨陰陽師・g03706)は顎を撫でる。
「此度の相手は、随分と短気のようじゃ」
若さゆえか気質ゆえか、はたまた悪魔の一味だからか。
いずれにせよ緩い三日月を描く樟葉の双眸は、彼女の策を物語っていた。
こうした仲間たちの言を受け、宝石めく瞳へ標的を映した梓は、一拍だけ呼吸に時間を費やす。
「グダグダとくだを撒いている感じなら、わかりやすいですね」
緊張を孕んでいた梓の肩の力も、少々抜けたようで。
「撤退の援護は自分がするっす」
「では、そのときはお任せします」
自らの胸をトンと叩いた真一郎へ首肯を寄せ、里木・啓吾(研銃医・g00216)は早速前へと歩み出た。
ディアボロスとハルファス陣営との戦いは、疾うに始まっている。
ここにいる彼らも、別の一角から攻めている仲間たちも。
時間が惜しまれる。思考を、身体を、志を――全力で動かすときが来た。
●右方にて
「う、うわーパリピだーッ!!?」
だー……だー……だー……。
井手口・倖詩(コンダクタ・g03394)の心からの叫びが品川駅前で残響する。
「るっせぇ! ァんだ文句あっか!」
「うわーっごめんなさい見てません!」
パリピから睨まれ、倖詩は一目散に逃げ出した。リヴァル・アーク(竜滅の拳・g00136)たちの後背へ。
「陰キャの敵だらけじゃないっすか! ここは……!」
もしかして:地獄。
走馬灯のように様々な言葉が脳裏を過ぎった倖詩をよそに、イツカ・ユメ(いつかかなうゆめ・g02834)は沈思していた顔をあげる。
区の支配者を、他区へ降るまで追い詰めることができた。やっと、やっと手が届く。
そんな想いを胸に秘めるイツカに、過去はまだわからないけれど。たとえ自分が歩んできた歴史から遠かろうと、「取り戻せる」との期待は膨らむ一方で。だからこそイツカは深呼吸をした。
(「だからって、ここで焦ったらダメだよね」)
気を引き締め直す彼女とは対照的に、平時と変わらぬ高らかな声音を紡ぐのは。
「蛆虫のような多勢と戦うのもまた一興!」
本郷・夏深(逢魔が夏・g00583)だ。
のけ反らんばかりに胸を張ったその姿は、持っていない金の扇を今にも扇ぎそうな様相で。
彼とはまた別の意味で、存在感を主張している仲間もいた。
「呼んだかい?」
気さくさの権化とも呼べる声色は、雲集する敵を散らしにきたとは思えぬほど穏やかだ。
声の主ウツロ・ジャレット(リターナーのデーモンイーター・g02611)に対し、勇敢な少女が怒鳴る。
「呼んでねぇよ! のこのことやられに来たってか?」
お決まりの文句でキャンキャン吠えるハルファス一味の少女を瞥見して、ウツロは続けた。
「貴方たちがお探しなのは、ハルファスちゃんを追いかける復讐者ですか? 肉まんですか?」
右手にメリケンサック、左手にもうもうと湯気が立ちのぼる肉まんを持つウツロだ。
急にそんなことを尋ねられては、ハルファスの子らも動揺が隠せないらしい。ならば――。
退屈ですか、とリヴァルが問う。
決まってるだろ、と敵が眉根を寄せる。
「そうですか。……来て正解でしたね」
「ア?」
怪訝と苛立ちを食むハルファスの子へ、リヴァルの唇は弧を描いてみせた。
「どうも、オレも呼ばれたので来ました。肉まんを食べる前に、オレたちとの戦いはどうでしょうか」
リヴァルが繋げれば、ウツロもなるほどと顎を引く。
「復讐者と肉まんの両方だ? いいねぇ、ナマイキじゃねぇか」
褒め称えるウツロに、少年たちの怒りもみるみるうちに高まっていく。
一方、ひっ、と蚊の泣くような音を零していた倖詩は。
「だだだ大丈夫、大丈夫」
深呼吸で落ち着きを取り戻しつつある。
(「今の俺は、ただでゆすられたりはしないっす」)
いろいろあったらしい彼の、澄んだ瞳は潤みっぱなしだ。だがそのつま先は間違いなく敵を――前を向いていて。
そこで両の頬をぺちりと手で挟んだイツカが、琴剣を手に駆ける。
「うん、切り込むよ!」
朗々とした彼女の足取りは、まるでダンスのよう。
こうして、右方は右方の戦いが始まった。
●左2
背に成すのが窓ガラスに反射した陽でも、ビル風でもないのなら。ここにいるディアボロスたちが背負うものはきっと、場所が都会だろうと山奥だろうと、変わらないもの。それを明確に見るわけでも聞くわけでもないが、かれらは品川駅前で腕を揮う。得物を振るい続ける。
そんな中で啓吾は、晩秋の頃合いだというのに薄着をしている少年少女へ、とある提案をした。
「寒そうな格好してますね、暖めてあげましょうか?」
「くだらねぇこと言うんだな、ディアボロスっつーのはよ」
嫌そうな顔と声で突き刺されるも、啓吾に気にする素振りは微塵もなく。
「残念ですね。親切で言っているんですよ、これでも」
まったく残念に思っていない顔で、啓吾はリボルバーを構えた。
「詐欺師に騙されているとも知らずに、可哀相ですからね」
「は? 誰が騙されてるって?」
軋む。ギィッと鈍い音を立てて、かれらの心身が怒りに軋んでいく。
しかし誰かは言うまでもないと、啓吾の銃口は敵陣から照準を逸らさずに。
「同情します」
「好き勝手言いやがって、ブッ飛ばしてやるよ!」
発言による追い撃ちが決め手となり、ハルファスの配下たちが駆け出した。
「こんな感じで、適当に引き付けておきます」
そうとだけ言うと、啓吾は炸裂召喚を放つ。
「さて、あっちは任せておくかのう」
重くはない腰を上げて、樟葉が笑みを頬へ含む。こうしている間にも、啓吾の銃より放たれた弾はグレネードとなって爆ぜ、場にいた子たちを破っていった。同時に彼らからの一撃が啓吾めがけて重なるも。
「餓鬼が。死に急ぐつもりで?」
銃を握る腕を引っ込めながら身を捻り、蹴飛ばす。
バランスを崩した子らを案じる必要もなく、樟葉もまた視界内に蔓延る敵の命を一瞥した。
「いやはや、この時代の建物は味気ないなりに美しいと思っておるが……」
語り出した妖狐を振り向くのは勿論、ハルファスの子たち。
「しかしのう、あちこちで喧嘩はするわゴミは捨てるわだと、見るに堪えんのう」
「なんだぁ? 正義の味方でも気取ってンのか?」
ギャハハハと汚らしく大笑いで反応する彼らに、しめしめとばかりに樟葉は目線を外した。
「躾のなっておらぬ童どもの主はなんと言ったかの、ハルファスか?」
ぴたりと、かれらの声が止む。
「蛙の子は蛙、とはよく言ったものじゃのう」
「……蛙の子……? なあ、わかるか」
「さあ……」
「バッカてめぇら! すんげえバカにされてんだよ俺らもハルファス様も!!」
真っ当な指摘が入ったことで、一同怒りの炎を点し始める。
(「人事に問題がありそうじゃのう、ハルファスとやら」)
情けないとしか言いようのない応酬に、樟葉はやれやれと肩を竦めてかれらの到来を待つ。
哀れみで喉を潤しながら。
啓吾と樟葉の挑発が敵陣を呻かせているところへ、今度は梓が矢を放つ。
パラドクスではなく、これは鏑矢代わりの一矢。それと。
「まだこんなところに存在していたのですか」
ひとりひとりの顔を確かめながら、梓は声を張る。
「もう判っているでしょう? あなた達では私たちに勝てません」
「勝てない、だぁ!?」
「テキトー言ってんじゃねえぞ!」
案の定、噛み付いてきたかれらだが、梓は怖じけず、凛として続けるだけ。
「やる気なし、意気地なし、甲斐性なしの三拍子が揃っているのです」
三拍子、で纏められてさすがに子らも堪えたのだろうか。
積み重なっては破裂していた感情が輪をかけて強まっていくのを、梓もひしひしと感じて。
「ですので、倒されるのも致し方なし。……お分かりですか?」
少しばかり首を傾げて尋ねると、顔を真っ赤にさせた者たちが、空へと飛び上がる。
「っざけんなディアボロス!!」
「目にもの見せてやる!」
頭上から降り注ぐ罵声から目を逸らさずに、梓は仲間から離れていく。
引けば追ってくる獣めいた一群を見送り、よいぞよいぞ、と樟葉は自分が担当していた人々を手招いた。鞠のように跳ね、鈴のように笑う彼女へと迫る子たち。規則性も何もあったものではない翔けをする彼らへ、黒煙の魔力弾が与える施しは――結界だ。
彼女の築いた領域へ踏み入れたが最後、ハルファス配下たちをくるむのは式神で。
直後、黒煙を噴く魔の弾が、仕返しとばかりに樟葉を叩いた。
戦場のそこかしこから、攻撃と防御の音色が結び付き、響く。
それだけ皆が散開し、敵を引き受けているのだが、あまり長くは時間をかけていられない。
「……射抜きましょう」
ふと梓が番えたのは、水の気配。矢を模った青を自由にさせれば、幾つもの流水が生じ――天が泣く。ハルファスの子らは急な雨に打たれても尚、黒煙で梓を貫こうとした。だが梓も梓で折れず、めげない。
距離があいてしまった仲間を目だけで探しながら、喉を開く。
「ハルファスの元へ、一秒でも早く辿りつくためにも、なる速で制圧してしまいましょう」
「やりますよ、できるだけ」
聞き届けた啓吾が、群れの渦中から応じる。彼の射撃は休むことを知らない。
(「ただの悪魔となった以上、殺すのが慈悲です」)
来い、来いと少年少女を煽る眼差し。
挑発に乗って前のめりになった一群を、仲間が真っ向から叩いていく頃。
真一郎は左腕で狙いを定めた。熱が篭る機械部にセットしておいたのは、二種のアタッチメント。
統率はなくても、ハルファスの為に動くだけの気力があるのなら――そこを突くのが効果的で。
「……少し悪い気もするっすけど」
僅かに呟きながらも、力強く踏み出せば。
彼の腕から、砂が射出された。ただの砂ではない。真一郎の力を宿した砂だ。
「喰らいやがれっすよ」
砂塵が品川駅ではあまり拝めぬ嵐へと変貌し、敵対者を丸呑みにした。
黄と白の混ざった砂で四辺が包まれている、この間に。
「離脱するっすよ!」
パラドクス通信もあって、真一郎の呼びかけは砂嵐でもはっきり届く。
こっちだ、と誰が方角を示すでもなし。互いのシルエットだけ確かめた左側のディアボロスたちは、砂が眠るまでのほんの一瞬のうちに宣戦を離脱した。
●右2
「お暇とお聞きしましたから、カフカが今日だけ特別に遊んであげます」
「「は?」」
ハルファスの子らが精一杯の疑問符も、夏深の面差しは緩まない。
「もしも私を倒せたら、大いなる栄光を手に入れられますよ!」
大いなる栄光。心疼く響きを少年少女は途端に拳を鳴らす。
「ディアボロスをギッタンギッタンにやっつけれりゃ……」
「ああ、ハルファス様にもお褒めいただけるに違いねェ」
闘志漲る子らの視線を吸い寄せ、夏深は真っ先に追われるはめになった。だが。
「やはり私を打ち倒したくて仕方がなかったようですね、当然でしょう解っていましたとも!」
なんとも元気に声を響かせてくれるものだから、ディアボロスの仲間たちも動きやすい。
同じくイツカが敵へ、ねぇ、と甘く呼びかけていた。悪い顔をした少年が、イツカをねめつける。
「ハルファスなんかに従うより、わたしとイイコトしてみない?」
「はっ、ディアボロスと? 冗談じゃねーぜ」
片頬を上げて吐き捨てた彼に、イツカも控えめな吐息で笑う。
「だよね。なら、とことんやっちゃうよ!」
凄まじい人熱れの最中でイツカが展開するのは、歌。
よく分からなくても耳に残っていた曲を紡いで、彼女は華やかにかれらの周りを巡り出す。
彼女を目で追った少年らも、歌唱に紛れた姿を捉えきることは叶わずに。
(「しっかり足場を固めておかなくちゃ! ね!」)
意気込んだイツカが、きょろきょろし始めた悪い子へお仕置きを与える。
想像以上の一撃に少年は仰臥し、帰らぬ悪魔となった。
その近くでは。
「どうしました? 諦めましたか?」
いつのまにか子の懐へ潜り込んでいた夏深が、ふふんと鼻で笑いながら扇を開く。
開いた先から風が生まれ、夏深の眼前にいた少年を足から胴まで切り裂いていく。
「偉大なる私の手に掛かるということ以上の名誉はありませんね」
どうぞ、喜んで死んでいって下さい。
囁くや否や、苦痛に喘いだ少年はすぐに反撃を仕掛けた。
だが夏深が楽しげに舞い跳ねたおかげで、渾身の一撃は蝶の如く流麗に舞った扇で弾かれる。
一体が倒れ、生き延びたもう一体はキッと夏深を睨んだ。
「ご安心を。あなたも後で仕留めていって差し上げますよ」
順番は守ってもらいます、と付け足す夏深を前に、傷だらけの少年は悔しさを噛むしかなかった。
一方。イイ鴨だとでも思ったのか、倖詩へ向く少年たちの矛先がもあって。
「コイツからやっちまえ!」
「!!? ノエさんっっ!」
CODE:Ronoveを発動した直後、ハルファスの子らは雷鳴に狂わされ、苦悶を顔に浮かべて膝を折る。
「よ、よし。復讐者の力、思い知ったかー!」
足も声も震わせて、倖詩はこの場で立ち続けている成果を噛み締めた。
種々のパラドクスに押されたハルファス陣営は、いよいよ品川駅という地域からも追い出されそうで。
けれど追放よりも先に、ウツロの牙が剥く。
「どこでもウツロちゃんシステムから逃れられるわけがねぇのよ」
どこウツは目が利き鼻が利く。だから己の位置を掌握し、敵へと迫った。
たとえ少年少女が鋭利な刃で襲いかかろうと、ウツロの拳こそが、相手を笑顔にする拳。ゆえにウツロ自身も口端を吊り上げ、相手の顎を砕いていく。
そしてついでにウツロが手向けるのは。
「こっちは泉の女神からのサービスだ」
おいしい肉まん。まともに食べられないであろう少年の口へ、それを押し込んであげた。
「もががっ」
「残さず食えよ? 残しちまうとそれこそ女神に怒られるぜ?」
苦しむ少年をよそに、完璧だ、とウツロは細長い息を吐いた――そのとき。
「忘れてもらっては困りますね」
囁きが居合わせた者たちの耳朶を打つ。果たしてどこからか。それはもう間近から。
「貴方たちはすでに、こうされているのと同じなのですよ」
「んなッ
……!?」
反射的に飛びのこうとした少女の喉元には、リヴァルの黒烏が突きつけられていた。抵抗を試みた少女はそこで、迸る光を知る。閃いたのはリヴァルの拳。彼の動きに沿って竜の力が咲き、止め処ない殴打を贈る。
未だ生存している人々も、リヴァルへ飛びかかりはしたのだが。直後にリヴァルはアスファルトをするすると滑っていってしまう。軽く手を振り別れを告げたリヴァルは、そのまま皆が離脱した経路をゆく。
道中、ぜえぜえと息を切らしながら撤退中の倖詩と合流して。
「彼らと戦うのはもう遠慮したいっす!」
「確かに、何度も戦いたくはありませんね」
次こそハルファスへと到りたい。
願いにも似た情が渦巻くリヴァルの傍らからは。
「今日以上に精神に来る敵って中々いないっす! 疲れたっす!!」
倖詩の今にも泣き出しそうな訴えが、駅前広場へ痛々しくこだました。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【パラドクス通信】がLV3になった!
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