切歯扼腕の将ジル・ド・レ(作者 あき缶
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#火刑戦旗ラ・ピュセル  #オルレアン戦争~ジル・ド・レ軍迎撃決戦  #オルレアン  #ジル・ド・レ軍  #オルレアン戦争 

●張眉怒目ジル・ド・レ
 ギリギリ、ギリ。ジル・ド・レの大きな腹部にある口が歯ぎしりをする音が戦場に響く。
 罠にかけられてオルレアンを離れ、信じて任せた同僚の将は謀殺された。
 守るべきオルレアンは既にディアボロスの手に落ち、今まさに眼前で部下も死んでいる。
「すべて! すべて! ディアボロスのせいで!!!」
 があっと吼えたジル・ド・レの全身からおぞましいオーラが放たれていた。
 憎悪と憤怒によってブーストされた復讐のエネルギーが溢れ出しているのだ。
「ぐ、ぐう……まさか、ここまで虚仮にされるとは……。
 だが、いやこれを認めるのは本当に悔しいが、だが今の戦力では、力押しでオルレアンを制圧し返すのは難しい……っ」
 ぎゅううっと二対の大きな拳を握りしめ、ジル・ド・レは憤怒に我を忘れそうになりながらも、将としての戦術判断を進める。
 目の前が真っ赤になるほどの怒りに煽られても、なお名将たるジル・ド・レは理性的な思考ができた。
「こうなってしまっては致し方ない……。勝つためには後続の部隊を再編して、長期戦を行う、これしかあるまい。
 包囲殲滅のための軍勢が、ブルージュからも上がってくるはずなのだ」
 臍を噛みながらジル・ド・レは血を吐くように呻いた。
「やむをえぬ、戦線を下げて部隊の再編を……」
 ジル・ド・レは配下に命じて各将に伝令を飛ばした。
 しかし彼が冷静でいられたのもここまでだった。
 配下が走っていった背を見送ったジル・ド・レは、地面を叩き、天に向かって絶叫する。
「ぐぅううおおおおっ、ディアボロスゥウウ!! 絶対にッ、絶対に殺してッ、殺してやるぞッッ!!!」
 ぜえ、はあ、と怒りに震える己を鎮めんと深呼吸するジル・ド・レは、オルレアンの城門が開くのを認めた。
 憎しみをこめて、ジル・ド・レは城門から出撃するディアボロスを充血した瞳で睨めつける。
「ええい、ディアボロスめ、絶対にここで殺してやる……覚悟を、覚悟をせよッ!」

●ジル・ド・レ殲滅作戦
 新宿駅でアンリ・カルヴァン(氷華の人形遣い・g03226)は、ジル・ド・レ軍迎撃戦の勝利を寿いだ。
「これでオルレアンに攻め込まれることなく、ジル・ド・レに決戦を挑めるね」
 ジル・ド・レ軍の将を鏖殺できれば、火刑戦旗ラ・ピュセルの奪還も決して遠くはない。
「皆の頑張りで、ジル・ド・レ軍は勢いをなくしている。けれど、彼らの狙いは後続部隊との合流だ。
 戦力の再編を図っているんだね」
 そんなことを許すわけには行かない。速攻で決戦に持ち込まねば。
「攻略旅団の作戦で、後方に回り込んでいる仲間がいる。彼らが後続部隊の阻止に回っているはずだよ」
 つまり、今こそジル・ド・レ軍完全殲滅の好機なのだ。

 ジル・ド・レをはじめとするジェネラル級の狙いは、後続部隊が到着するまで防戦し、戦線を提げて後続部隊と合流することだ。
 ディアボロスの後方の部隊が、後続部隊の阻止に成功していれば、ジル・ド・レ軍に撤退の機会すら与えずに戦えるだろう。
「まず、城門を出たところにジェネラル級に近づかせまいとする敵部隊……いわゆる防衛ラインがいる。
 防衛ラインを撃破して、ジェネラル級のもとに向かっておくれ」
 だが、ジェネラル級キマイラウィッチは猛烈な復讐心を持っている。
「ジル・ド・レを倒しても、彼の猛烈な復讐の念はジャンヌ・ダルクの元へ還り、彼女の力となってしまうんだ」
 そこまで言ってから、アンリはふと思い出す。
「……そういえば、攻略旅団で、キマイラウィッチの復讐心を弱める研究が行われたんだって?
 可能なら、その研究成果を試してみるというのも、今後を考えるとアリなのかもしれないね」

 アンリはパラドクストレインの扉の前に立ちながら、今から乗り込もうとするディアボロスたちに硬い表情を向ける。
「気をつけておくれ。相手は間違いなく強敵だよ。復讐の念が凄まじく高まっているキマイラウィッチなのだからね。
 油断すれば、いかなディアボロスでも新宿島への漂着を阻止されて、完全に死んでしまうかもしれない」
 時先案内人に『死』を明示され、新宿駅ホームの空気がひりつく。
 しかしアンリはあえて場を和まさず、硬い表情のままディアボロスに告げた。
「それでも僕は、皆なら必ず良い知らせを持って帰ってきてくれると信じているよ」

●極寒の防衛ライン
 トループス級『ウェンディゴ』の群れは、オルレアンの城門が開いたことに気づくと油断なく槍をしごいた。
 ――このまま決戦を挑もうという無法者共を、ひとりたりともジル・ド・レ様のところに通さぬ。
 そう言わんばかりに、ふしゅうと鹿の頭骨めいた頭から冷気を吹き出させた巨人ウェンディゴらは、城門からやってくるディアボロスに銀槍の穂先を一斉に向けた。
 巨大な氷の槍衾が、ディアボロスを迎え撃つ――。


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【飛翔】
2
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【強運の加護】
1
幸運の加護により、周囲が黄金に輝きだす。運以外の要素が絡まない行動において、ディアボロスに悪い結果が出る可能性が「効果LVごとに半減」する。
【一刀両断】
1
意志が刃として具現化する世界となり、ディアボロスが24時間に「効果LV×1回」だけ、建造物の薄い壁や扉などの斬りやすい部分を、一撃で切断できるようになる。
【罪縛りの鎖】
1
周囲に生き物のように動く「鎖つきの枷」が多数出現する。枷はディアボロスが命じれば指定した通常の生物を捕らえ、「効果LV×2時間」の間、移動と行動を封じる。
【浮遊】
1
周囲が、ディアボロスが浮遊できる世界に変わる。浮遊中は手を繋いだ「効果LV×3体」までの一般人を連れ、空中を歩く程度の速度で移動できる。
【託されし願い】
2
周囲に、ディアボロスに願いを託した人々の現在の様子が映像として映し出される。「効果LV×1回」、願いの強さに応じて判定が有利になる。
【勝利の凱歌】
1
周囲に、勇気を奮い起こす歌声が響き渡り、ディアボロスと一般人の心に勇気と希望が湧き上がる。効果LVが高ければ高い程、歌声は多くの人に届く。
【隔離眼】
1
ディアボロスが、目視した「効果LV×100kg」までの物品(生物やクロノ・オブジェクトは不可)を安全な異空間に隔離可能になる。解除すると、物品は元の場所に戻る。
【完全視界】
3
周囲が、ディアボロスの視界が暗闇や霧などで邪魔されない世界に変わる。自分と手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人にも効果を及ぼせる。
【パラドクス通信】
2
周囲のディアボロス全員の元にディアボロス専用の小型通信機が現れ、「効果LV×9km半径内」にいるディアボロス同士で通信が可能となる。この通信は盗聴されない。
【クリーニング】
1
周囲が清潔を望む世界となり、ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の建造物や物品が、自動的に洗浄殺菌され、清潔な状態になる。
【水中適応】
2
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」が、クロノヴェーダを除く全ての生物が水中で呼吸でき、水温や水圧の影響を受けずに会話や活動を行える世界に変わる。

効果2

【能力値アップ】LV1 / 【命中アップ】LV5(最大) / 【ダメージアップ】LV2 / 【ガードアップ】LV4 / 【反撃アップ】LV2 / 【先行率アップ】LV1 / 【ドレイン】LV1 / 【グロリアス】LV2

●マスターより

あき缶
 お世話になります。あき缶です。
 ついにブチ・キ・レのジル・ド・レとの決戦です。
 しかし、復讐心が強まっているキマイラウィッチはトループス級も含めて強敵です。
 対トループス級でもかなり苦しめられる難易度になっていますので、ご油断なさいませんよう。
 重傷のリスクも高く、死亡もあり得る決戦シナリオとなっています。
 皆様の奮闘を期待します。

 !注意!
 このシナリオでは「重傷」を負う確率が高くなっています。
 また選択肢『ジル・ド・レ軍迎撃決戦』では、復讐に燃えるジェネラル級キマイラウィッチとの交戦により「死亡」を受ける可能性があります。
 選択肢『ジル・ド・レ軍迎撃決戦』への参加時にはご注意ください。
 なお、選択肢「ジル・ド・レ軍の将軍との会話」での会話内容によっては、死亡発生率を低下できる可能性があります。
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このシナリオは完結しました。



発言期間は終了しました。


リプレイ


ソレイユ・クラーヴィア
連携アドリブ歓迎

あれだけ挑発しても、まだ多少の理性が残っている辺り
流石はジェネラル級という所でしょうか
時を与えて彼らが冷静さと勢力を取り戻す前に攻め込みます

まずは城門の物陰に隠れて双眼鏡でウェンディゴ達の様子を確認
突出すればハチの巣にされそうですから
仲間と機を合わせ、少数の敵を集中攻撃して防衛ラインに穴をあけるとしましょう

宙に展開した鍵盤で「熱浄」を演奏
天より落つる焔星を喚び、敵の頭上から燃やし尽くしてやります
頭上に意識が一瞬でも向けば、地上から攻める仲間の攻め込む隙になるかもしれません
一撃入れたら、反撃に備え
直ぐに城門の影から影へと移動し、視線を遮断する事で更なる追撃を避け
別の場所から再度演奏を行いましょう
体力の低い敵を優先して狙い、パラドクス通信で仲間と各個撃破の意思疎通
強敵相手と十分に警戒し
一体ずつ確実に防衛ラインを潰していきます

反撃には守護の青薔薇を展開
指だけは守り、演奏を続けます

私の心を凍らせるには、まだ足りませんね
城門の先で待つオルレアンの人々を思えば
氷さえも温く感じますよ


●氷結防衛ライン
 城門から飛び出すのは愚の骨頂。
 ソレイユ・クラーヴィア(幻想ピアノ協奏曲第XX番・g06482)は城門の陰に潜みながら、双眼鏡を覗く。
「突出すればハチの巣にされそうですから」
 だが、ぐずぐずしている時間もない。
 時間がたてばたつほど、ジル・ド・レらのような怒り狂いながらも戦線を下げる判断ができる名将ならば、冷静さを取り戻して兵をまとめあげてしまうだろう。
 それに後続部隊も刻一刻とオルレアンに近づいているはずだ。
 ソレイユの双眼鏡に映る、ずぅらりと氷の巨人『ウェンディゴ』が居並ぶ姿はまさに氷壁、圧巻である。
 さすが南方軍の防衛ラインを任されるトループス級といったところか、亜人であっても練度も高そうだ。蟻一匹這い出る余地もないような壁ぶりである。
「千丈の堤も蟻の一穴より崩れる……穴を開けるとしましょう」
 宙に鍵盤を展開し、ソレイユは打って出ることにした。
 奏でるは幻想ソナタ「熱浄」――旋律は燃え盛る焔星を呼び、天を焦がしながらウェンディゴの頭上に落ちていく。
 ウェンディゴは空を見た。墜ちる赤い星を見た。
 だが、ウェンディゴに隙は生まれず、彼らは自動的に星を呼んだ者に死を与えようと一斉に槍を投げた。
 たとえソレイユが彼らの視線を切ろうと城門の陰から陰へと移動しようとも、凶槍は届く。
 もはやここは戦場だ。逆説連鎖戦のパラドクスが届く所、あまねく敵の反撃も届く。
 青きガーディアンローズがソレイユの手元に咲き誇る。
 ピアニストは指さえ動けば幻想ソナタを奏で続けられるから。
 しかし青薔薇は槍を受けて無残に散っていく。
「く、う……私の心を……凍らせるには、まだ足りませんね」
 寒いと言うよりも痛い槍に貫かれながらも、ソレイユは焔星を呼び続ける。
「城門の先で待つオルレアンの人々を思えば……っ」
 降り注ぐ流星、返ってくる氷槍。
「氷……さえも温く感じますよ……」
 守護の薔薇もかくやという真っ青な唇を震わせ、ソレイユは意地を張る。
 もはや根性で立っているに近い幻奏ピアニスト。
 しかしウェンディゴの防衛ラインが崩れる様子は未だ無い。
善戦🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!

エイレーネ・エピケフィシア
愛するクロエ様(g08917)をディフェンスし共闘

オルレアンを掌握していながら、自ら城門を開き打って出ねばならないとは……困難な戦況です
しかしこれは都市と人々を戦禍に晒さぬため選んだ茨の道
必ずや勝利を掴んでみせましょう

あの槍衾は、わたし達の時代におけるファランクスに少し似ていますね
密集陣形の弱みは横の護りの薄さですが、開戦時の状況は回り込みを許しません
そこでクロエ様と共に「敵の陣形の端の縦列」に集中攻撃を仕掛け、側面の打開を試みます
同様に敵陣の片翼の崩壊を狙う仲間達がいれば協力
前衛は槍衾を迂回して横から更に敵陣を乱し、後衛も敵が隊伍を組み直す隙を突ける状況を作りに行きましょう
目論見を果たした時は全軍に【パラドクス通信】で伝え、共に猛攻

油断なく≪神護の輝盾≫を構えながら城門を出て『邪悪を裂く浄化の光』で攻撃
≪神護の長槍≫から放つ光線で最前の敵を撃ち、後ろのもう1体までも貫通
爪を盾で弾き、槍が発する光線の余熱と≪防寒戦闘服≫で冷気を少しでも抑え、戦い続けます

亜人よ、奈落で王の下に集いなさい!


鳩目・サンダー
アドリブ、連携、歓迎です。
トループス級でこの強さかよ……。
だからこそ、僭越ながらディアボロス最高レベルの一角と自負するあたしが見ぬふりする訳には行かん。
「弱くありたくない」その一念で鍛え上げた技量、使いどころを見つけたり。

【パラドクス通信】で状況を共有し、パラドクス綻んだポイントに遊撃し追撃をかける。
こいつは本来多数相手には向いていないパラドクスだが……そんな事言ってられないぐらい敵が固い。だから敢えてダメージに特化した技を使う。それに敵の攻撃に対する反撃も考えればそこまで分の悪い賭けじゃないはずだ。

兎に角「蟻の一穴」。
一体だけでもいい、隊列を乱すだけの切欠を作るんだ。

もし狙いを定められるなら、足。巨人を崩すには足を折るのがセオリー。……逆説連鎖戦で通じるかどうかは知らん。知らんがやらずに後悔はしたくない。

行くぞ、お前たちを滅ぼすのは力あるディアボロスの義務だ!!


クロエ・アルニティコス
愛するエイレーネ(g08936)をディフェンスし共に戦います。

魔女どもは復讐心を糧にします。
都市を巻き込み、人が死に、復讐心が高まればそれも力にする。
ですが、どんな困難も……あなたとならば越えられます。

槍を持った密集陣形に亜人。蹂躙戦記イスカンダルでの戦いを思い出しますね。
強大な相手とはいえ、ならば私たちにとっても慣れた戦場です。
エイレーネと共に陣形端の列に対して攻撃を仕掛けます。

【ステュムパーロスバーズ・ストレリチア】を使用し、ステュムパーロスの鳥を象った植物の怪物たちを作り出します。エイレーネと標的を合わせ、光線に貫かれた敵を鳥たちに貫かせ、切り裂かせましょう。
敵の陣形が堅牢なうちは突出をせず【命中アップ】でじっくりと狙い、敵が倒れて陣形を乱す好機があれば【パラドクス通信】も用いて私とエイレーネだけでなく、他の復讐者とも陣形を一気に崩すべく畳みかけます。

反撃の槍の投擲は「守護の青薔薇」の防御結界で身を守り、大きな傷を受けないように。

来なさい、怪物ども。オルレアンには立ち入らせません。


 居並ぶ亜人ウェンディゴを睨み上げ、エイレーネ・エピケフィシア(都市国家の守護者・g08936)は眉を寄せる。
「オルレアンを掌握していながら、自ら城門を開き打って出ねばならないとは……」
 しかし籠城は悪手、なぜならまさに将ジル・ド・レつまり南方派遣軍の理想とする戦況こそディアボロスをオルレアンに籠城させて囲み殺すことだからだ。
 故に、困難な状況であろうともエイレーネは都市と人々を戦禍に晒さぬため選んだ茨の道を進み、城門から出なければならない。
「必ずや勝利を掴んでみせましょう」
 愛するエイレーネの覚悟を決めたつぶやきに、クロエ・アルニティコス(妖花の魔女・g08917)も頷く。
「どんな困難も……あなたとならば越えられます」
 たとえ相手が、都市を巻き込み、人を殺し、復讐心が高まればそれも力にする復讐心を糧にする魔女が相手であろうとも。
 眦を厳しくしつつクロエは城門の前に、まるで氷壁と言わんばかりのウェンディゴ密集陣を見る。
「槍を持った密集陣形に亜人。蹂躙戦記イスカンダルでの戦いを思い出しますね」
「ええ。あの槍衾は、わたし達の時代におけるファランクスに少し似ていますね」
 同じ蹂躙戦記イスカンダルの出身であるクロエとエイレーネは、頷きを交わす。
「強大な相手とはいえ、ならば私たちにとっても慣れた戦場です」
 知った陣形、相手取る方法も知っている。
 とはいえ、密集陣形の弱点たる横をつく最適解はこの状況で取りづらい。
 ならば彼女らの考える次点の戦法で対応するだけのこと。
 狙うは、敵陣系の端、縦一列だ。
「打開します!」
 神護の輝盾を構えながら、エイレーネは城門から走り出た。
「聖なる光よ、この地を脅かす闇を消し去りたまえ!」
 彼女の信仰が、エイレーネの内なる魔力を増大させる。
 ダンッと勢いよく足を前に踏み込み、全身の力を持って槍を突き出す。
 神護の長槍からまっすぐに伸びる熱線がウェンディゴを貫いた。
 同時にエイレーネの胸に四本二組、つまり八本の血の筋が交差状に走る。しかし傷口から血は溢れず、凍傷のように凍りついた。
 すでに光の粒となって消えた一列目のウェンディゴと未だ立つ二列目のウェンディゴの、凍れる爪による反撃の結果がエイレーネの胸に刻まれたのだ。
 肺すら凍りつかせるほどの冷たさに、エイレーネは息すら困難になりつつも、立ち続ける。
 倒せた。ならば穿ち続けるだけのこと!
「来なさい、怪物ども。オルレアンには立ち入らせません」
 クロエが魔力と後悔を注ぎながら落とすはストレリチアの種。ここでしくじり、勢いを取り戻した南方派遣軍にオルレアンへ突入されては、魔女はこの種子すら枯れ果てるほどの後悔を覚えるだろう。
「種子に宿るは我が悔やみ、芽吹け『ステュムパーロスバーズ・ストレリチア』!」
 爪、翼、嘴が青銅の人食い怪鳥を思わせる植物の怪物から放たれた花が飛ぶ。
 高速で飛び回る花の群れが、二列目、三列目のウェンディゴを苛む。
 時空を超えて飛翔し、クロエの腹を突くウェンディゴの銀槍二本。パッと散る青薔薇。
「う、うぅ」
 クロエは激痛に思わず呻く。これがトループス級亜人の反撃だとは到底思えぬ強さだ。
 これが復讐心による強化の結果だというのか。これがジル・ド・レ直下のトループス級の力だというのか。
「クロエ様!」
 エイレーネが振り向く。クロエは無理に微笑み首を横に振った。
「いいえ、これしき……」
 そうだ、こんなところで止まっていられない。
 クロエは再びストレリチアの種を植える。それを見て、エイレーネも邪悪を裂く浄化の光を放ち続ける。
 ウェンディゴの防衛ラインを削り切る! せめてそれまでは立っていたい……!
「トループス級でこの強さかよ……」
 激戦を繰り広げる眼前の二人の負傷ぶりを見て、鳩目・サンダー(R-18フルカラーリアライザ・g05441)は背筋を汗が伝うのを覚えていた。
 だがサンダーは怯えるのではなく、深く一つ頷く。
「僭越ながらディアボロス最高レベルの一角と自負するあたしが見ぬふりする訳には行かん」
 弱くありたくない――その一念で鍛え上げた力。その使いどころは今此処に。
 エイレーネとクロエが穴を開けようとしている箇所に、サンダーは走る。
 相手は複数だ。だがサンダーは分かる。今は全力を一箇所に集めるべきだと。
「兎に角『蟻の一穴』。一体だけでもいい、隊列を乱すだけの切欠を作るんだ」
 サンダーが狙うは巨人の足。巨人を崩すなら足元を。部位狙いが逆説連鎖戦で有利になることは滅多にない。だが、それでも。
 やらずに後悔はしたくない!!!
「お前の話は聴きたくない、お前の価値観を受け入れない」
 サンダーの周囲に大きな泡が生じる。障壁と化した泡がウェンディゴを拒絶する――その存在までも。
 最後列のウェンディゴが消し飛ぶ。
 サンダーの腹に銀槍が刺さるが知ったことか。防衛ラインに穴が開いたのだから。
 途端に亜人の統率が乱れる。
 崩れる陣形、崩れる氷壁……今ならば!
 パラドクス通信を通して、サンダーの士気高い声が仲間たちに響き渡る。
「行くぞ、お前たちを滅ぼすのは力あるディアボロスの義務だ!!」
 サンダーはフィルターバブルでウェンディゴを拒絶し、事象を書き換え続ける。
 乱戦になってしまえばこっちのものだ。
 暴れて、暴れて、暴れ尽くしたその先に――ジル・ド・レを囲む『少年合唱団・猿』の気味の悪い満面の笑みが待っていた。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​
効果1【パラドクス通信】がLV2になった!
【クリーニング】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV2が発生!
【ドレイン】LV1が発生!

ソレイユ・クラーヴィア
連携アドリブ歓迎

なんとか突破できましたね
しかし、ここからが本番
取り巻きは排除させていただきます

ネメシス化
黒鍵翼のマエストロ姿に変身

宙に展開した鍵盤で「月虹」を演奏
猫にも似た姿の月の化身を喚び、先行率アップで敵より早く仕掛けましょう
命中アップの加護も使い敵を切り裂けと指揮します
仲間と攻撃タイミングと標的を合わせ、各個撃破で数を減らします
囲まれぬよう仲間の死角をカバーするように立ち回りましょう
攻撃優先は体力の低い者、次いで仲間に近い位置にいる者

反撃には守護の青薔薇を展開
腹に口があるとは、なんとも言えない不気味さがありますね…
合唱団という触れ込みですが、これでは合唱どころかただの獣にしか見えません
その獣の復讐の矛先が人々へと向く事は絶対に阻止せねば
可能ならトドメを狙いグロリアスとドレインで体力を維持し
手早くジル・ド・レに迫れるよう演奏に力を込めます

百歩譲ってディアボロスへ復讐するのは分からなくもないですが
全く無関係の人々に悪逆な復讐を強いる事は絶対に許せません
この城門の先へは、行かせませんよ!


●腹が嗤う猿
 崩れた防衛ラインを走り抜けながら、ソレイユ・クラーヴィア(幻想ピアノ協奏曲第XX番・g06482)は己の姿を変えた。
「なんとか突破できましたね」
 彼のデーモンの翼は、いつもの青い白鍵から、赤黒い黒鍵へと変わる。
 優しげな眦もつり上がり、まさに今のマエストロの姿は憤りと罰の擬人化――メネシス。
 ソレイユの変身を見て、トループス級『少年合唱団・猿』は頭上で手をパンパン叩きながらキッキキャッキャと嘲笑った。
「わぁあ~、スゴイスゴーイ、キャハハハハ」
 出てくる言葉は無邪気なのに声は異様に野太い。
 だが煽る猿どもをソレイユは取り合わない。彼らのペースに乗って怒り狂っては向こうの思う壺である。
「ここからが本番……取り巻きは排除させていただきます」
 残留効果による風が戦場に吹き荒れる中、ソレイユは空中に浮かべた鍵盤に指をおいた。もうこの指も凍傷でぼろぼろだ。
「月の調べ、光の加護よ」
 奏でるソナタは『月虹』。旋律に喚ばれて、さやかに注ぐ月光が猫のような姿に変じる。
「切り裂け!」
 マエストロの指揮に従い、月の化身は荒々しい狂気を孕みながら、『少年合唱団・猿』へと飛びかかった。
「あはーはーはーはー」
 全身を月に引っかかれながら血を吹き出しながらも、猿は気味悪く嗤う。
 ひたすら猿の腹にある顔が嗤う。
「遊ぼうよぉおお。あ~そ~~ぼ~~~よぉおおおおおお」
 不気味な声と哄笑が、ソレイユの鼓膜を通じて脳と精神を揺さぶる。
 めまいと吐き気がするほどの嫌悪が脳にねじ込まれる。
 さすがジル・ド・レが己の護衛に選んだトループス級、並大抵の力ではない。
「う。……ぉええっ」
 おもわずえずいてしまって口から垂れた唾液を荒れた手の甲で拭い、ソレイユは気を引き締めた。
 猿の不気味な笑い声は守護の青薔薇など意味をなさない。
「合唱団という触れ込みですが、これでは合唱どころかただの獣にしか……」
「えぇ~~ひぃどぉい~。キャーッハハハハ」
 気味の悪い顔でくねくねと品をつくったあと、猿は腹を抱えて野太くけたたましく嗤う。
 気分が悪くなる笑い声が、ソレイユの頭の中をかき回す。思わず胃の中身を全部吐き、ソレイユは咳き込んだ。
「……獣の復讐の矛先が人々へと向く事は絶対に阻止せねば」
 鍵盤を叩く指に力を込めるソレイユ。
 闇夜に潜むものよ、畏れ給え。闇照らす光より逃れる者、誰一人として能わず――。
「ギャーッハ……ぅ」
 月の狂気に貫かれ、ようやく一匹の猿の笑いが止まった。
「っはぁ……」
 トドメをさせば、グロリアスの力でかなりの体力が回復できる。
 ソレイユは少し安定した精神にひと心地つくと、更に力こめてソナタを奏で続けた。
「ヒャハハ……やぁめぇ……」
 倒れゆく猿をソレイユは厳しく睨めつける。
「百歩譲ってディアボロスへ復讐するのは分からなくもないですが、全く無関係の人々に悪逆な復讐を強いる事は絶対に許せません」
 こんな猿にかかずらっている暇はない。目指すはただひとつ、ジル・ド・レの元だ。
 ソレイユの鬼気迫る演奏で少年合唱団は一匹、また一匹と消えていく。
 しかし猿はソレイユの真剣な様子をひたすら嘲笑する。
 キャハハハハ! キャーッハハハハハ!! ギャーッハハハハ!!!
 木霊す不気味な猿の哄笑。
 クロノヴェーダに囲まれ、散々に笑われて、ついにソレイユの精神は限界に達する。気負い、無理をしすぎた。
「……路、なかばで……」
 がくりと倒れ伏すソレイユを見て、少年合唱団・猿は手を叩いて笑い転げている。
 だが、その数は少ない。敢闘したソレイユへの負け惜しみに近い嘲笑であった。

『ソレイユ・クラーヴィア(幻想ピアノ協奏曲第XX番・g06482)は重傷を負った』
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【飛翔】がLV2になった!
効果2【グロリアス】LV1が発生!

鳩目・サンダー
アドリブ、連携歓迎です。
ネメシスモードは『使わない』。ノーマルのままで戦う。

供回りは猿どもか……。見た目からすると供回りというよりはジル・ド・レの眷属ってとこかな?
何が遊ぼうよだ、血みどろの手と口で良く言うぜ。
駆除、駆除、駆除だ、害獣どもが。

パワーアップしていることを鑑みて慎重に戦う。具体的には傷ついている個体を常に射程に捕らえる。
ダメージの深さではなく倒し切る事を意識する。
奴らは瀕死の個体でも攻撃力は変わらない。だが数を減らせば確実に手数が削れる。

【パラドクス通信】で状況を確認しつつ引き続き遊撃人員として走り回る。
その為には、接近戦で掴まえられる事は避けなくちゃな。

「こちら絵描き!武器はWISダメージ1560対象3体!技能補正は全部上回ってる!」

「御用がなければ勝手にやってるぜ!」

お呼びがかからない限りは、味方の攻勢から挟み撃ちするように敵の薄い部分を狙って動く。


 目の前で倒れたソレイユを見て、鳩目・サンダー(R-18フルカラーリアライザ・g05441)は眉を寄せた。
 彼のようなネメシスになることは控え、サンダーはそのまま戦うことにした。
「供回りは猿どもか……。見た目からすると供回りというよりはジル・ド・レの眷属ってとこかな?」
 ソレイユを囲んで笑っていた『少年合唱団・猿』の首がぐりんっと回って、気味の悪い目がサンダーをとらえる。
「あそぼぉおおおおおよぉおおおお」
 地の底が震えるような気味の悪い声とけたたましい笑い声がサンダーの精神を穢す。
「おえぇっ……げほ。何が遊ぼうよだ、血みどろの手と口で良く言うぜ」
 少し吐いてしまってから、サンダーは『少年合唱団・猿』を睨んだ。
「駆除、駆除、駆除だ、害獣どもが」
 サンダーは腕に覚えがある。
「こちら絵描き! 御用がなければ勝手にやってるぜ!」
 戦場全体に叫んでから、サンダーは傷ついた敵から順番に殺していくことにした。
「どれが本物か?触って確かめてみればいい」
 サンダーが周囲に作り出した、サンダー人形。精巧な作りでまるでクローンだ。
「ヒャハハ、おもしろ!」
 間抜けで好奇心旺盛な猿がやってきて、サンダー人形に触れる。
 そして人形ごと爆殺された。
 サンダーが作り出したのは爆雷人形だ。
「!?」
 驚いて飛び退こうとした猿もサンダーは容赦しない。
 飛び退く前に人形を爆発させる。
 爆炎と共に猿が死ぬ。死にながらも猿は笑い続ける。
 げろげろともはや胃液だけを吐き、ぐらぐらと揺れる脳を押さえながら、サンダーは哄笑と爆音が響き渡る戦場を走り回った。
「奴らは瀕死の個体でも攻撃力は変わらない。だが数を減らせば確実に手数が削れる」
 サンダーは逆説連鎖戦を知り抜いている。
 だからこそ、全力で護衛のトループス級の数を減らす。
「ギャーッハハハハ、ギャーッハハハハ」
 それでも相手もジル・ド・レ護衛のトループス級だ。
 彼らの爆笑は、サンダーの足を止め、心を傷つけ、ついに一歩も動けなくしてしまった。
「いーっひひひひ、遊ぼぉお、遊ぼぉよおお~キャーッハハハハハ」
 死にそうな不快感と目眩に耐え、サンダーは己の周囲を取り囲んで、飛び跳ねながら手を叩いている猿が、最後の三体だと知る。
「なら、一緒に死んでいけよ」
「ええ~~? ヒャハハ、キャハハハハ、ンキャアッハハハハー?」
 嫌悪感を掻き立てる猿共の大笑いに包まれながら、サンダーはクローンフィッシングの人形をすべて爆発させた。
 空気すらビリビリと震える大爆発によって『少年合唱団・猿』をすべて肉片に変えてから、サンダーはついに頭から大地にぶっ倒れた。

『鳩目・サンダー(R-18フルカラーリアライザ・g05441)は重傷を負った』
成功🔵​🔵​🔵​🔴​
効果1【水中適応】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!

鳩目・サンダー
ネメシスモード不使用。アドリブ、連携歓迎です。

ヒンメルグリッツァ(g05705)と連携だが分割での採用でもOKです。
「かつてラ・ピュセルでキマイラウィッチの拷問や刑罰を実施し、オルレアン奪還にも関わったディアボロスがジル・ド・レの配下にすら打ち倒された惨めな姿」を見せることでジル・ド・レの復讐心を少しでも満たすことが目的。
少年合唱団・猿との戦いの傷や汚れはそのままに、倒れ伏して呻く。

・きっちりカタにはめてオルレアンを奪ってやったはずなのに、小猿共にやられるとは
・もうだめだ、このままオルレアンまで取り返されちまう
・拷問、火刑、その報いがこれか

と絶え絶えの息で絶望的な言葉を吐く。
悔しがるよりは、
「自分たちが間違っていた」
「心から屈服してしまった」
という方向での演技を行う。

生きて動いているところを長く見せてしまうととどめを刺しに来られるかもしれないので、暫く呻いた後はそのまま倒れ伏して死んだふり。
呼吸を止めていられるなら尚良し。


エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
サンダーさん(g05441)と連携。分割採用可
復讐心を弱める目的で演技し会話
ラ・ピュセル出身の仇を演じ、オルレアン解放の立役者がやられたと叫ぶ

護衛に倒された仲間の下へ駆けつけ
信じられぬと驚愕し、悲嘆に暮れ

リーダー!?
シャルル7世からオルレアン奪還の拝命を受けた、ディアボロスの英雄のあなたが、どうしてこんな……!?
オルレアンはあなたの武勲で解放できたんだ!
かつて魔女どもを狩りだした時のように、ジル・ド・レも火刑に処すと言っていたではないか!

ジル・ド・レめ
よくも、よくもやってくれたな!

ジルドレを振り仰いで、無傷なのに青ざめ
まさか……!?
おまえではなく、その配下にやられたというのか?
嘘だ、ありえない……
ではおまえの強さはいかほどだというのか……!

静かな驚愕を顔に広げ、剣を取り落とす
か……勝てない
倒れた仲間と背後のオルレアンを交互に見て首を振り

だ……だめだ、戦線が崩れる……オルレアンを護れなくなるぞ

どうする……退くか………?
今なら命は助かる
こんな風にはなりたくない!!

恐怖に足をもつらせ逃げ出そう


●静かな戦場で
 猿のけたたましい笑い声がぱたりと止んだ戦場は、耳が痛いほどに静かだった。
 死屍累々の護衛たちを見下ろし、ジル・ド・レはわなわなと震える。
 もはや単騎。
「私の……私の大事な少年合唱団をよくも……。どこまで虚仮にしてくれるのかディアボロス、必ずや殺す」
 静かに怒りと殺意を高めていくジル・ド・レは、ふと倒れ伏した鳩目・サンダー(R-18フルカラーリアライザ・g05441)に目を留めた。
 どうやら少年合唱団・猿も一矢報いたようだ。ジル・ド・レは自分の指揮した部隊の戦果に、少しだけ心が凪いだ。
 だがサンダーは苦痛に呻き、ひくひくと動いている。まだ死んではいない。
「ふん……だがまだ息はあるか。こちらは死んでいるというのに!」
 ジル・ド・レの目には今も燃え盛る激怒が揺らめく。
「きっちりカタにはめてオルレアンを奪ってやったはずなのに、小猿共にやられるとは。もうだめだ、このままオルレアンまで取り返されちまう」
 サンダーの呟きを、ジル・ド・レは話半分に聴いた。
 そうだ、このまま南方派遣軍を再編すれば、オルレアンを奪還できるのだ。
 まずは目の前の城門から出てくるディアボロスをすり潰してやる必要があるが……。
 そう将が考えているうちに、青い翼のディアボロスがサンダーに駆け寄ってきた。
「リーダー!」
 青い翼のディアボロスことエトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)はサンダーの横に座り込むと、天を仰ぎ大いに悲嘆に暮れた。
「シャルル七世からオルレアン奪還の拝命を受けた、ディアボロスの英雄のあなたが、どうしてこんな……!?」
 助け起こそうとするエトヴァの手を力なく払い、サンダーは弱りきった声で呟く。
「拷問、火刑、その報いがこれか……」
「しっかりしてくれ、リーダー! オルレアンはあなたの武勲で解放できたんだ! かつて魔女どもを狩りだした時のように、ジル・ド・レも火刑に処すと言っていたではないか!」
 ジル・ド・レはジロリと赤い眼球だけを動かして愁嘆場を見やる。
(「ふん、どうだか?」)
 ジル・ド・レの心は動かなかった。
 ラ・ピュセル出身のディアボロスなのなら、己の手で殺してやれれば溜飲が下がる……だが、あの女はどうせ己が倒した相手ではない。己がとどめを刺した相手ではない。
 これから倒す相手ならば、まだよかった。だがもうあれは動けまい。動けぬ相手にとどめを刺してもつまらない。この全身が沸騰するような復讐の憎悪も癒えない。
 興味を失ったようにジル・ド・レは前を向く。
「ジル・ド・レめ。よくも、よくもやってくれたな!」
 ジル・ド・レはエトヴァの大声に、複数ある顔のひとつだけで彼に目を向ける。
 するとエトヴァは翼の色もかくやというほど顔面蒼白になりながら、後ずさると、手にした剣をカランと取り落とす。
「まさか……!? リーダーはおまえではなく、その配下にやられたというのか? 嘘だ、ありえない……。ではおまえの強さはいかほどだというのか……!」
 勝てない、と絶望を滲ませ、エトヴァはオルレアンとサンダーの間で首を忙しなく動かす。
「だ……だめだ、戦線が崩れる……オルレアンを護れなくなるぞ」
 恐慌の悲鳴を上げながら、エトヴァは足をもつれさせながら逃げ出した。
「こんな風にはなりたくない!!」
 逃げる天使を見送ることなく、ジル・ド・レはつまらなさそうに目を前に向ける。
 ラ・ピュセルのディアボロスらしきあの青い翼のディアボロスが、ジル・ド・レに向かってくるならばよかった。今から殺してやる、と叫ぶのならよかった。
 ならば思いっきりぶち殺して、ジル・ド・レが抱く煮え立つような憎悪も弱められたろうに。
「逃げられてはな……。まあいい……オルレアンを鏖にすればよいだけのこと」
 配下の活躍のお陰で少し凪いだものの、ジル・ド・レの憤怒と復讐の心は未だ収まらず。
 ジル・ド・レは殺意の高い目でオルレアンの城門を睨めつける。
善戦🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​
効果1【水中適応】がLV2になった!
【浮遊】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV3になった!

 ふとジル・ド・レは睨みつけた先、つまりオルレアンの城壁の奥の様子が変わったことに気づいた。
「……?」
 将は注視し、耳をそばだてる。
 どうやらオルレアンの中で人々が口々に何やら叫んでいるらしい。
 小さな旗が振られているらしきバタバタという音も聞こえる。
「がんばれ、ディアボロスさん!」
「ディアボロス頼むぞーっ!」
「勝ってくれ、ディアボロスたち!」
 様々な声とともに城壁のてっぺんから、横断幕が垂れ下がった。もちろん、そこにはディアボロスを激励する言葉が並ぶ。
「な、な……なんだというのだ……」
 オルレアンの住民たちの大きな声援に、思わず呆然とするジル・ド・レ。
 一方、応援を受けたディアボロスたちの闘志がみるみる漲ってくる。
 今ならば、いつも以上の力が発揮できそうだ。相手が如何なラ・ピュセルの二番手たるジル・ド・レであろうとも。
 ――もし力及ばず倒されようと、きっと再起不能になるほどの傷を回避し、意地でも新宿島に流れ着いてみせよう。
 そんな確信と勇気を武器に、ディアボロスはジル・ド・レへと果敢に向かっていく。
プターハ・カデューシアス
アドリブ歓迎
【賽】
ソレイユや錬晏と連携
相互ディフェンス

ソレイユを初めラ・ピュセルで力を尽くしてきた皆様が
この世界を大分追い詰めているようですね、お疲れ様です
多少なりとも力になれれば幸い

おやおや、ジル・ド・レ
なんとも…キマイラウィッチらしい出で立ちですね

同じ復讐心を糧とする者達、少しの共感をもてるかとも思っておりましたが
全く以て共感は致しかねます
私たちは「復讐心」を糧とする戦いから「未来を繋ぐ」戦いに昇華させます
悲しい「報復」という連鎖、此処で断ち切って差し上げましょう
オレルアンの声に背中を押され【賽】の仲間と共に仕掛けます
戦いながら恨み言を吐いてくるのならば
できる限り相づちを打ちつつ聞きましょう
「恨み」という膿が少しでも彼の心から零れるように

先手必勝、サンダー様達の演技や市民の声に意識を向けている敵に
先行・命中アップを乗せた召雷破で攻撃

反撃にも充分気を抜かずドレインやグロリアスを活用し少しでもダメージ回復
冷静に戦況を見極め臨機応変に仲間と連携を繋ぎます
閉ざされた歴史の先へ時を繋げるように


ソレイユ・クラーヴィア
【賽】
連携アドリブ歓迎

引き続きネメシス化

オルレアンの人々の声援を受けては、倒れているわけにはいきませんね
キマイラ・ウィッチが復讐を巡らせ力を得続けられるように
私達ディアボロスは人々の想いがあれば何度でも立ち上がれます

プターハと錬晏と共に、ジル・ド・レへ仕掛けていきましょう
攻撃タイミングを合わせ、同時に多方向から攻撃します
宙に展開した鍵盤で「凱歌」を演奏
馬上槍を構えた白馬の騎士を喚び、先行率・命中アップの加護を纏わせ敵を貫けと指揮します
その土手っ腹にある顔を刺し貫き、そのまま駆け抜け反転し反撃に備えます
プターハが、錬晏が刻んだ傷跡を、より深く抉り
ジル・ド・レの命を捉え、オルレアンに旭日を齎します!

反撃には守護の青薔薇とガードアップを展開して急所を避けるように受け流します
どんな重い一撃を受けようとも、指と心が動く限り演奏を続けます
倒れる時には
そん、な…
と絶望の表情で復讐心を満たしてやります

オルレアンは既に魔女の支配下に非ず
オルレアンに貴方の居場所はありません
勿論、ジャンヌの元へも返しません


夏候・錬晏
【賽】連携アドリブ歓迎
プターハ、ソレイユと相互ディフェンス

黒龍偃月刀を携え、プターハと共に救援機動力でソレイユの元へ駆け付ける

民らの声援は、このディビジョンで懸命に戦ってきた仲間の功績
期待を裏切るわけにはいかない。護るべき民たちのため、全力で力を尽くす!

ソレイユや周りの熱意に負けじと戦意を昂らせれば、朱殷の闘気が巨大な怒龍を形成
『ジル・ド・レ』の復讐心と己の戦意をぶつけて火花を散らす

プターハ、ソレイユと共に阿吽の呼吸で打ちかかる
偃月刀の薙ぎ払いに合わせて朱殷の怒龍も襲い掛かり【命中アップ】の一閃を叩き込む

反撃には、4対の腕の動きを冷静に見極め、完全に捕まらないように素早く立ち位置を変え、頭や足を掴まれないように
少しは大籠手の【ガードアップ】があるとは言え、最悪右腕はくれてやる覚悟
いつもは心内にある心情も吐露して拮抗を演出

己も【反撃アップ】を効率的に使い、返す刃はより一層の鋭さを帯びて傷跡を残す

プターハ、ソレイユはもとより、息も絶え絶えでながらも他の仲間へも繋げるような立ち回りで戦い抜こう


●応援歌を力に
 赤黒い黒鍵の羽、ネメシスの姿のままソレイユ・クラーヴィア(幻想ピアノ協奏曲第XX番・g06482)は、ジル・ド・レの前に立つ。
 護衛戦の際に重傷を負った彼の背を押すのは、オルレアンから聞こえてくる人々の声援だ。
「これを受けては、倒れているわけにはいきませんね」
 苦笑し、ソレイユは顔を一度拭う。
 キッとジル・ド・レを見上げ、ソレイユは言った。
「キマイラ・ウィッチが復讐を巡らせ力を得続けられるように、私達ディアボロスは人々の想いがあれば何度でも立ち上がれます」
 ジル・ド・レは複数の顔すべての赤い魔眼でソレイユを見下ろす。
「小癪な。どこまでも小癪な」
 もはやジル・ド・レは溢れんばかりの憤怒を込めた殺意の塊。
 キマイラウィッチの視線はそのまま、六顔歪・支配の魔眼としてソレイユを縛り、乗っ取った全身の命令系統を操ってソレイユの四肢をめちゃめちゃに無理やり動かした。
「あぐうっ!?」
 反撃の余地も許されなかったソレイユは、無理に動かされた腱と筋の痛みに耐えながら、今度は自分の番だとばかりに宙に鍵盤を広げた。
 その時、彼の側へと二人のディアボロスが駆けてくる。
 黒龍偃月刀を携えた夏候・錬晏(隻腕武人・g05657)、
「民らの声援は、このディビジョンで懸命に戦ってきた仲間の功績。期待を裏切るわけにはいかない。護るべき民たちのため、全力で力を尽くす!」
 そして、
「お疲れ様です。多少なりとも力になれれば幸い」
 プターハ・カデューシアス(祝福龍・g03560)はそうソレイユを労うと、ジル・ド・レを見た。
「なんとも……キマイラウィッチらしい出で立ちですね」
 ディアボロスもクロノヴェーダへの復讐心で立つ者。同じく復讐心を力とするキマイラウィッチと共感できうる所があるとプターハは思っていたのだが……視認した怒りの塊に彼は全く共感できかねた。
「よし、合わせるぞ」
 錬晏の声にプターハは思考をやめ、戦闘態勢に入る。
「ええ。悲しい『報復』という連鎖、此処で断ち切って差し上げましょう」
 プターハの祈りが呼んだ紫電一条、ジル・ド・レの脳天に突き刺さる。
「高らかに謳え、その歌を」
 雷鳴をきっかけにソレイユが奏でる凱歌によって、幻想によって生まれた白馬の騎士がランスを構えて駆けていく。
 騎士の駆る白馬に並走するのは錬晏だ。
「全て、切り刻む」
 怒りを黒龍偃月刀の刃に集め、殺気で研ぐ。しかし振るう手は冷静に。歴戦の武人は怒りに惑わされない。
 騎士の刺突と同時に黒龍偃月刀はジル・ド・レの足を払った。
 瞬間。ジル・ド・レの大きな手が地面を掬うように動き、プターハと錬晏をとらえる。
「ぬぅん」
 ジル・ド・レの大猩々を思わせる両の手が組み合わさる。渾身の力を込めてジル・ド・レは組んだ手を握りしめた。まるで熱心に祈る信者のように。
 つまり、手の中にいるプターハと錬晏は締め上げられ、圧搾される。
 まるで果実から果汁を搾り取るように、彼らの体から血が流れ、骨がきしみ、折れた。
 オルレアンの人々の声援を受けて、残留効果を積み重ねて、少なからず有利に立っているはずのディアボロスでも、このダメージ。
 一撃で戦線離脱や致命傷に陥っていないとはいえ、ジル・ド・レが如何に強敵か分からせられる。
「プターハ、錬晏! ……っ!」
 思わず仲間の名を呼んだソレイユにもジル・ド・レの反撃たる魔眼の一瞥が襲いかかる。
 ソレイユを守る青薔薇が無残に散る。
「……く、う……この程度で、わ……たしの、演奏を、止められると思わないでください……っ」
 出鱈目な鍵盤を叩かんと、まるで水揚げされた鮮魚のごとくバラバラに踊り狂う指を必死に制御し、ソレイユは凱歌を弾き続ける。
「オルレアンは既に魔女の支配下に非ず!」
 ソレイユは叫んだ。心まで侵食してこようとする支配の魔眼をはねのけるために。
「オルレアンに貴方の居場所はありません。勿論、ジャンヌの元へも返しません!」
 ソレイユの叫びに、ますます怒ったジル・ド・レが手の力をますます込める。
(「最悪右腕はくれてやる覚悟、だが……っ」)
 ギリギリと押しつぶされながらも、血反吐を吐きつつ錬晏は耐える。
(「いや、まだ。まだ戦える……!」)
 なおも握りつぶそうとしてくるジル・ド・レの指を『慷慨刻離』の一撃で切り放ち、プターハが召喚した雷の閃光に乗じて、錬晏はプターハを連れて飛び降りた。
「ジャンヌ様の元に帰らせぬと? 笑止! たとえ此処で命尽きようと我が復讐心はジャンヌ様のお力に……」
 と言いかけたジル・ド・レはハッとする。
「……たとえ此処で命尽きようと?」
 自分が死ぬ、つまり敗北する可能性を思考に入れてしまっている――。ジル・ド・レは己に愕然とした。
善戦🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​
効果1【強運の加護】LV1が発生!
【勝利の凱歌】LV1が発生!
【一刀両断】LV1が発生!
効果2【グロリアス】がLV2になった!
【ガードアップ】がLV4になった!
【反撃アップ】LV1が発生!

レイ・シャルダン
【光彩旗】
あのジル・ド・レを、怯ませる程の力を人々は持っていました。
その声の力に背を押されたのなら…恥ずかしい姿は見せられない。

悪しき魔女を打倒する英雄達の戦いを始めましょう

ゴーグル型電脳デバイス『Boeotia』のテンプルをノックして起動
≪ - 人機接続:Lynx of Boeotia - ≫
『Boeotia』と精神と全武装をリンク
人と機械の力を最大限高め合う『人機一体』の状態へ。

PD通信を使用し、長年共に戦ったチームで息の合った連携
ボクはラズロルさんとペアになりディフェンス。
仲間が魔眼に捉われたら敵の眼を狙って攻撃します。

高速移動で敵を攪乱しつつ
飛行ユニット『アクロヴァレリア』の推進力で一気に距離を詰める。
パラドクスを発動し、
煌剣『シュトライフリヒト』で敵を早く精確に刺し貫きます。

ヒット&アウェイで攻撃後は速度を緩めずに回避行動
敵の攻撃に備え、捕えらえられても剣を突き立て抵抗し脱出します。
味方をガード時には『アルヴァーレ』の【結界術】を緩衝材に
敵の攻撃をわずかながらにでも軽減します。


ラズロル・ロンド
【光彩旗】
連携アドリブ歓迎

特にレイ君と息の合った連携をし彼女にディフェンス
エトヴァ、レイラ君組と2:2で挟撃布陣
連携攻撃でジル・ド・レに攻撃を叩き込むべく奮闘しよう

声援に応える為、ラ・ピュセル奪還の為にも攻撃あるのみ
僕は中距離からジルドレの動きを観察、情報収集し、P通信で仲間と共有し声掛けをする
的確なタイミングでアスファヤヌカトゥを使い
戦場の風を読み仲間の動きも考慮し看破し見えた1点に操る風を収束させた渾身の切り裂き攻撃を放つ

反撃の魔眼は魔力障壁で直視を遮り影響軽減を図るが
乗取りには抗うも意識が続く限り血反吐を吐こうとも耐え凌ぐ
死角を補いあい助け合うことで攻撃の糸口を掴み取ろう
ジルドレの動きに警戒しレイ君ディフェンス時には身を挺して遮り反撃を叩き込む

死ぬ覚悟は完了してるみたいじゃないか
僕等に負けるか?ジル・ド・レ
相打ちで満足してもらう為にも戦闘中は挑発を交え煽ろう
燻ぶった復讐心を持ち越されちゃ困る
最後の攻撃の時は反撃に倒れ伏し死亡演技
もしくは仲間の死に悲痛な叫びを上げジルドレに満足感を


エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
【光彩旗】
青き炎の六翼のネメシス化

俺も『ラ・ピュセルのディアボロス』だ!(と宣言)
同胞の応援を受けたなら戦う!

オルレアンを無傷で解放できた事、今声援を受けている事
すべて道の先へ繋がっていると信じ、立ち向かう

レイラさんをディフェンスしてペアを組み、ラズロル・レイ組と共に敵を2名:2名で挟撃
PD通信で連携を取る
敵の動きを観察し把握
タワーシールドを構え、狙い澄ましPD攻撃
後衛から近接の仲間の視野を補い、危険や気づきを報せあう
他ペアにも情報共有し、戦況を立体的に捉えて四者で攻撃
敵の動き出しを縫い留めるように射撃し、レイラさんを援護
敵の腕や注意を惹きつけ好機を作り、仲間の攻防で生じた隙は撃ち抜く
仲間が食われたら口回りや喉を連射し援護

反撃に備え銃をホルスターへ
敵の攻撃には、魔眼の影響を魔力障壁で軽減し
意思外の動きを抑え込み戻すように体に意識を向けて忍耐
【託されし願い】の応援を受け戦う

止めの場合は相打ち演技
動きを狂わされ、呻いて衝撃で崩れ落ちる
憎い仇の息の根を止められたと思わせたら
渦巻く復讐心に解放を


レイラ・イグラーナ
【光彩旗】
人民の皆様に意思の炎は灯りました。
皆様が力及ばずとも立ち上がるならば、私たちが力となりましょう。
革命家レイラ・イグラーナ。ラ・ピュセルの支配者を討ち、この地に革命を齎します。
魔将ジル・ド・レ。どうぞお覚悟を。

【託されし願い】で声援を力へと変え戦います。
エトヴァ様をディフェンスし、【光彩旗】4人でジル・ド・レを挟撃します。
この陣形ならばジル・ド・レの様子も仲間の様子もよく分かります。
ジル・ド・レに狙われる仲間がいればフォローをしつつ、仲間の攻撃に続いて畳みかけるように攻撃することでジル・ド・レへと痛打が与えられるように。
攻撃は【手製奉仕・縫】を使用。こちらを呑み込もうと伸ばし蠢く舌とすれ違い、隙間を縫うようにしてジル・ド・レへと接近、多数ある顔のうち一つの眼を狙い銀の針を突き立てます。

舌で絡め取られた場合は反撃に舌や顔、口内に針を突き立て、精神エネルギーを食われようと物理的には食われないように。
止めの場合は演技をされるエトヴァ様に駆け寄り、仲間を亡くした演技を。


 動揺するジル・ド・レを見て、青く燃える六翼を背負うエトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)は大きな声をあげる。
「俺も『ラ・ピュセルのディアボロス』だ!」
 ジル・ド・レの目がジロリとエトヴァに向かう。
 ぎくんっとエトヴァの四肢が意図せず跳ねた。支配の魔眼がエトヴァを襲ったのだ。
「無様に踊れ」
 ばらばらに動いて妙な動きをしようとするエトヴァの四肢。
「いや……同胞の応援を受けたなら戦う!」
 支配に抗うためにぎりりと歯を噛み締め、エトヴァは銃口をジル・ド・レに向けた。反撃の青く燃える弾頭がジル・ド・レを貫く。
 無傷のオルレアンに住む人々の応援の声が聞こえている。ならばここで立ち向かわねば何になる。
「願い、祈り、輝ける力に変えて」
 反撃の後、すかさず攻撃にうつるエトヴァによる、魔力を込めた弾丸が正しくジル・ド・レの一つの顔の眉間を貫く。
 ジル・ド・レが睨めつけるなり、エトヴァの手から銃が落ち、瘧のように震えがはしった。
「狂い果てよ、ラ・ピュセルのディアボロスを自称する者」
「っ……っ!」
 必死に自分を抑え込み、銃を拾い上げながら、エトヴァは戦況を見極めようとしていた。
 敵の攻撃は、そこまで辛くはない。だが相手に与えるダメージも、大きくはない。
 もう少し、火力が必要だ。
(「いや、ここまで積み重ねてきたなら……」)
 吟味し、打ち込んだパラドクスの残留効果が効いてくるはずだ。
「人民の皆様に意思の炎は灯りました。皆様が力及ばずとも立ち上がるならば、私たちが力となりましょう。革命家レイラ・イグラーナ。ラ・ピュセルの支配者を討ち、この地に革命を齎します」
 エトヴァから注意を逸らさせようと、レイラ・イグラーナ(メイドの針仕事・g07156)はことさら声を張り上げながら走った。
「魔将ジル・ド・レ。どうぞお覚悟を」
 狙うは数多くあるジル・ド・レの瞳だ。赤い眼球めがけてレイラは銀の針を突き立てた。
 刺さった。だが次の瞬間、ジル・ド・レの気味の悪い厚い舌がレイラを巻き取る。
 抵抗しようとするも、舌の力は異様に強くレイラはなすすべなくジル・ド・レの口内に取り込まれた。
「!」
 仲間の危機を見て、ゴーグル型電脳デバイス『Boeotia』のテンプルをノックし、人機一体となったレイ・シャルダン(SKYRAIDER・g00999)は飛行ユニットを蒸かして素早くジル・ド・レの口元へと馳せる。
 唇めがけ、煌剣『シュトライフリヒト』の刃を突きたて、フォトンを流し込んだ。
「ぐぬうっ」
 ばふんとジル・ド・レの口が爆ぜ、ペッと異臭のするよだれまみれのレイラが吐き出された。
 レイをジル・ド・レの気味の悪い舌が巻き取ろうとしたその時、周囲にオルレアンで応援している人々の映像が現れる。
「な……」
 一瞬動揺し、反撃を忘れたジル・ド・レとレイの間に風が強く吹き抜けた。
「風は収束し鋭く穿つ刃となる アスファ ヤヌカトゥ」
 ラズロル・ロンド(デザートフォックス・g01587)が収縮させた風が、ジル・ド・レの肉を切り裂く。
「レイラさん」
 ラズロルの援護を受けている間に、仲間を助け起こすレイにレイラは頷いてみせた。
「……随分嫌な目にあいました。が、物理的には食われていません」
 ぐったりと疲れているが、咀嚼はされていない。レイとレイラは手早くべっとりついたよだれを拭うと、体勢を立て直す。
 レイは微笑みながら、託されし願いの映像を指した。
「ええ、あれを見てください。ジル・ド・レを、怯ませる程の力を人々は持っていました。その声の力に背を押されたのなら……恥ずかしい姿は見せられない」
 一方、彼女たちを助けたラズロルはジル・ド・レに恨みの一瞥を向けられ、腕を本来曲がらない方へと拗られていた。ぷち、ぴち、と筋が嫌な音を立てて千切れていく痛みにラズロルの顔が歪む。
 目にも止まらぬ速度で戦場を撹乱しようとするレイに、ジル・ド・レは長く気味の悪い舌を伸ばした。
 にゅるりと嫌な柔らかさをもつ舌がレイを巻き取り、口の中に収めようと縮んでいく。
 レイも黙って食われるつもりはない。ねとねとした粘液にまみれた舌にサイバーレイピアを突きたてて離れようとするも、ぬるんぬるんと刃が滑って通らない。
 あーっと大きく開けたジル・ド・レの口の中に引き込まれようとする仲間を見て、
「レイくん! ……アスファ ヤヌカトゥ!」
 ラズロルの風がジル・ド・レの口の中を切り裂いた。
「死ぬ覚悟は完……ふぇふっ」
 挑発しようと開いたラズロルの口は、
「減らず口を」
 ジル・ド・レの支配によって強制的に閉じられる。
「滲む一滴、擦れる凩。銀の野薔薇が狭間を透かす」
 忍び寄っていたレイラの針が先ほどとは別の赤い魔眼を貫いた。
 不届き者のメイドをつまみ上げたジル・ド・レは、ポイッとまるでスナックでも食べるように口の中にレイラを放り込む。
 齧りきられる前に針で抵抗したレイラは吐き出されたが、ふたたび唾液にまみれた彼女の柔肌に痛ましい歯型が残った。
 泥仕合の果て。
「一条の光がボクを導く、――見極めたよ、その守り……貫く!」
 レイが青い閃光となって戦場を駆ける。随分と精神エネルギーを食われたが、動けないほどではない。
 貫いたフォトンの一撃、ジル・ド・レが痛みに叫んだ。反撃も来ない。
「よし!」
 手応えあり。重ねに重ねた残留効果、オルレアンの人々からの声援、その結実が此処に。
 エトヴァは愁眉を開き、思わず歓声を小さく上げる。
 ならば、とエトヴァは再びタワーシールドを構えながら引き金を引いた。
 まっすぐに奔る青い炎がジル・ド・レの歯の一本を砕く。
 同時にエトヴァの体は支配され、無理やり地に這いつくばらされたものの、
「ごああっ」
 苦鳴と共に血混じりの唾液と共に砕けた歯を吐き捨てたジル・ド・レは、確かに追い詰められつつある。
「いいね! 僕等に負けるか? ジル・ド・レ」
 風はディアボロスに吹いてきている。ラズロルはぐっと拳を握った。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​
効果1【完全視界】LV2が発生!
【託されし願い】LV2が発生!
効果2【ダメージアップ】LV2が発生!
【命中アップ】がLV3になった!
【反撃アップ】がLV2になった!

クロエ・アルニティコス
愛するエイレーネ(g08936)をディフェンスし共に戦います。

人間が蹂躙され尽くし、ウェアキャットたちは亜人に支配される蹂躙戦記において、声援を受けることはほぼありませんでした。私の戦いは私の戦い。誰かに依るものではない……と思っていましたが、このような怪物退治も悪くはありません。

冥府の神衣を纏うネメシス形態に。【三界巡る冥府の火】を使用して三相の杖に冥府の火を灯します。
ここに至れば小細工はありません。ただこれまでのように2人で越えるのみです。
エイレーネとは常に側で戦い、エイレーネの攻撃で隙が出来る、あるいはジル・ド・レがエイレーネへ攻撃しようと意識が向いているタイミングがあればそこを狙い攻撃を行い、的確に攻撃を当てられるようにします。
エイレーネが両の手により掴まれている時は腕を狙って冥府の炎を放って助けへと入り、そうでない時は胴体の顔目掛けて炎を放ちます。

肉体操作は重ねた【ガードアップ】で耐え、僅かなりとも動けば杖から炎を放ち反撃を。

冥府の女神ヘカテーよ、どうかこの地この戦いに勝利を!


エイレーネ・エピケフィシア
愛するクロエ様(g08917)をディフェンスし共闘

戦う力を持たぬ人々の怪物への恐怖は、復讐者が感じる脅威を遥かに上回るでしょう
それでも皆様は、声を届けるため城壁の上まで進み出ました
――彼らの切なる想いに、勝利を以て応えます!

黄金の鎧を纏うネメシス形態を解放
クロエ様と互いの隙を庇い合うと共に様子がよく見えるように
片方が魔眼で不審な動きを始めたらもう一方が止め、被害を抑えます

≪オレイカルコスの聖槍≫の穂先より『勝利齎す女神の威光』を放射
クロエ様より先に動く場合、光放つ槍を巨剣の如く縦に振り上げ、巨体に並ぶ複数の眼を一閃で纏めて薙ぎ払います
魔眼を傷つけつつ視界を一瞬でも覆い、クロエ様の技を刺す隙を
後に動く場合は腹部の口に槍を向け光線を照射
【命中アップ】の導きの下、体内深くまで痛烈な一撃を届かせます

敵の手は盾を掴ませるか槍で払い、少しでも狙いを外させます
【ガードアップ】で耐え、敵が腕を使っている間に仲間に猛攻をかけて頂きます

アテーナー様!城市護り給う畏き女神よ、どうかオルレアンの平穏を護る力を!


 オルレアンの民の声援は今も戦場に木霊している。
 守るべき城壁を背に、クロエ・アルニティコス(妖花の魔女・g08917)は感慨深くそれを聞いた。
「人間が蹂躙され尽くし、ウェアキャットたちは亜人に支配される蹂躙戦記において、声援を受けることはほぼありませんでした」
 誰に依るでもなく、クロエはクロエとして戦ってきた。
 だが、こうやって明確に応援を聞きながら戦うのも……。
「悪くはありません」
「ええ、あの方々は戦う力を持たぬ人々。怪物への恐怖は、復讐者が感じる脅威を遥かに上回るでしょう」
 静かに微笑む愛する人を見て、エイレーネ・エピケフィシア(都市国家の守護者・g08936)は優しく頷く。
「それでも彼らは、声を届けるため城壁の上まで進み出ました。ならばわたしは――彼らの切なる想いに、勝利を以て応えます!」
 力強く覚悟を叫び、エイレーネは黄金の鎧纏う復讐の姿へと変じる。
 愛するエイレーネの想いに呼応し、クロエも冥府の神衣姿に変わる。
「ええ、ここに至れば小細工はありません。ただこれまでのように二人で越えるのみです。エイレーネ」
 本気でかかる。ここで殺す。オルレアンに勝利をもたらすために!
 二人は合図することなく阿吽の呼吸でジル・ド・レめがけて走り出した。
 走りながらクロエは詠唱する。
「冥府の女神にして魔術の女神ヘカテーよ、あなたを信じる者に目をかけて頂けるなら、どうかこの杖に神話の灯火を!」
 杖を掲げれば、先端に灯した黒い焔がジル・ド・レへと飛びかかり、巻き付くように燃え盛る。
 肉の焼ける嫌な匂いと共に身を捩ったジル・ド・レは、クロエをギリリと強く睨みつけた。
 支配の力がクロエの足を止め、顔から無様に転ばせる。
 なすすべもなく土にまみれるクロエを見たジル・ド・レが昏い喜びの笑い声をあげる。
「アテーナー様! 城市護り給う畏き女神よ、どうかオルレアンの平穏を護る力を!」
 ぐっと足を踏みしめ、腰に力を入れて、エイレーネはアテーナーの加護の光をジル・ド・レの笑う大口めがけ照射した。
「ははは、ははは。ふはははは! 泣かせる様だ……そんなことができる身分か!? 我らが同胞を拷問し、焼き、川に沈めて笑っていた貴様らが烏滸がましい!」
 勝利齎す女神の威光に灼かれながらも激昂するジル・ド・レ。
 ぬうっと伸びた毛むくじゃらの太い腕がエイレーネを握り込む。
「エイレーネ!」
 クロエの悲痛な叫び虚しく、エイレーネを高く差し上げたジル・ド・レは、拳を合わせ強く強く握りしめた。
「冥府の女神ヘカテーよ、どうかこの地この戦いに勝利を!」
「ははは、熱い熱い」
 クロエの放った冥府の炎に、ジル・ド・レは嗤いながら手を離した……というよりも握っていたエイレーネを放り投げた。
 強い締め上げで僅かの間気絶していたエイレーネは抵抗もできずに地に放り投げられる。
 しかしエイレーネは地に強く打ち付けられた瞬間に意識を取り戻し、近くに落ちていたオレイカルコスの聖槍を掴んだ。
 エイレーネは再び信仰する女神に訴えた。
「アテーナー様! 大神ゼウス様の姫神にして、勝利を齎す女神よ! どうかこの槍に、人々の敵を撃ち破る力をお与えください!」
 一歩も引かずに放つ黄金のまばゆい光。
 支配の魔眼による嘲弄で、体が捻じれた無理な姿勢ながらもクロエも合わせて黒い冥府の火でジル・ド・レを焼く。
(「先程に比べてジル・ド・レの口数が多い……。余裕のない証? 追い詰められているのを誤魔化そうとしているのでしょうか?」)
 クロエは冷静に敵将を見上げた。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【罪縛りの鎖】LV1が発生!
【隔離眼】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【命中アップ】がLV4になった!

鳩目・サンダー
ネメシスモード発動。
一番の参戦理由は 【命中アップ】残留効果増加だが。

復讐心という点であたしらとあんたらは似ている。違うのは『あたしらは復讐しなくても生きてはいける』って所だ。

あたしらの痴態は余りお気に召さなかったみたいだね。
同情するぜ。あんたらキマイラウィッチにはきっと心の平穏は来ない。
あたしらを殺し尽くす事が出来ても今度はディヴィジョン同士の戦いだ。
きっと死ぬまで復讐心を保ったままの不愉快な人生になるだろう。

だから……。
今この時だけは全部忘れてスカッとしようぜ。

ジャンヌに託す復讐心なんぞ忘れろ!
ぐちゃぐちゃ余計な事を考えてるみたいだが、ここはもう死地。
生き残る為、暴力の快楽の為だけに魔眼だけじゃなく余分に生えた口と手も使って踊りな、根限り!

攻防には残留効果と装備を総動員。負けても復讐心だけは貰って行く。

魔眼対策として「頭を覆い隠す」事を試みる。パラドクスは意識さえあれば発動できる。手足や胴体なんて付属パーツ。CPUだけ守れればいい。
他班の連携の邪魔にだけはならんよう気を付ける。


 千手を背に生やし、鳩目・サンダー(R-18フルカラーリアライザ・g05441)はジル・ド・レの前にたった。
「よぉ、あたしらの痴態は余りお気に召さなかったみたいだね」
「き、貴様は……猿に殺されたのではなかったのか……」
「残念ながらね。生きてた」
 騙されたとジル・ド・レの目に憤怒が宿る。
「貴様ぁあ……むぐ!!!」
 ――認証要求、『ラプラース』『プリズム』『地獄の機械』。アクセス確認。次回攻撃行動まで感覚演算器のI/O制限解除。運命を開始する。
 吠えようとするジル・ド・レのすべての口をサンダーの千手が塞いだ。
「いいから聞きな。復讐心という点であたしらとあんたらは似ている。違うのは『あたしらは復讐しなくても生きてはいける』って所だ」
 もごぉむがぁ、とジル・ド・レの塞がれた口が動こうとするのをサンダーの無数の機械手は許さない。
「同情するぜ。あんたらキマイラウィッチにはきっと心の平穏は来な……っ!?」
 キィンと頭に痛みが走り、サンダーの口が無理やり閉じられる。
 ジル・ド・レの支配の魔眼による反撃だ。
「ほざけ、ディアボロス! 我らは貴様らを許さぬ!」
「最後まで聞け。だから……。今この時だけは全部忘れてスカッとしようぜ」
 彼女の言葉にジル・ド・レの複数の顔が呆気にとられたように弛緩した。
「ジャンヌに託す復讐心なんぞ忘れろ!」
 サンダーはそう叫んで構えた。
「ぐちゃぐちゃ余計な事を考えてるみたいだが、ここはもう死地。生き残る為、暴力の快楽の為だけに魔眼だけじゃなく余分に生えた口と手も使って踊りな、根限り!」
 ジル・ド・レの大きな口から哄笑があがった。
「ふははははは!!! それは貴様もだ死にぞこない! 貴様が本当にラ・ピュセルのディアボロスかは知らぬ。だがその可能性があるならば貴様は殺すッ!! そして私はジャンヌ様の元へと帰るとしよう!!」
 吹き上がるジル・ド・レの殺意を見て、サンダーは『そうこなくっちゃ』というも、背筋に冷や汗が伝っていた。
 ――死ぬかもな、あたし。
「さあ、まずは貴様が踊るがいい!」
 ジル・ド・レの六顔が歪み、魔眼の投射を受けたサンダーの全身が不随意に踊る。
(「パラドクスは意識さえあれば発動できる。手足や胴体なんて付属パーツ。CPUだけ守れればいい」)
 そうだ、いかに全身の支配権を奪われる攻撃であったとしても、ディアボロスのパラドクス発動までは支配できない!
「うおおおおおおおっ!!!」
 サンダーは雄叫びとともに千手で思い切りジル・ド・レに殴りかかった。
 長く唾液まみれの舌、毛むくじゃらのゴリラ腕、数ある気味悪い目、何するものぞ。
 背から無数に生えた機械の金の腕、そのすべてで殴打し、握り込んだ画具であらゆる災厄を描いて具現化してジル・ド・レを苛む。
 仲間が積みに積みましてくれた残留効果、与えてきたダメージ、そのすべてを活かして。
 強い支配でサンダーの四肢が折れる。胃がひっくり返る。
 サンダーのサイボークの脳が暴走熱で悲鳴をあげている。
「それでも、あんたの復讐心だけは貰って行く!!」
 ゴッと最後、機械の腕が握りしめるGペンがジル・ド・レの眼球に突き立った。
「ごああああああ……っ」
 断末魔を上げて、ジェネラル級が倒れる。同時にネメシス状態のままサンダーもひっくり返った。受け身も取れず、背の千手がガシャアンと無惨な音を立てる。
 オルレアンから爆発めいた歓声があがった。
 その声を遠く聞きながら、サンダーは自分がジル・ド・レを倒したことを知り、薄く笑いながら意識を失っていった……。

『鳩目・サンダー(R-18フルカラーリアライザ・g05441)は重傷を負った』
超成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【完全視界】がLV3になった!
効果2【命中アップ】がLV5(最大)になった!

最終結果:成功

完成日2025年03月09日
宿敵 『ジル・ド・レ』を撃破!

オルレアン戦争~ジル・ド・レ軍迎撃決戦

 オルレアンを制圧したディアボロスは、オルレアン奪還を目指すジル・ド・レの軍勢を迎撃。激戦の末、ジル・ド・レ軍の侵攻阻止に成功しました。
 攻略旅団が用意した幾重もの策により、勢いが止まったジル・ド・レ軍に決戦を挑みます。
 史実のジャンヌ・ダルク軍において、最も有名な将帥である『ジル・ド・レ』及び、有力な将軍である『フィリップ善良公』、『屠殺者』オリヴィエ・ド・クリッソン、『盲信の騎士』ジャン二世ら、ジェネラル級キマイラウィッチを撃破すれば、火刑戦旗ラ・ピュセルにおける戦いの大きな転換点とする事が出来るでしょう。

※特殊ルール
「オルレアンの戦い~後方攪乱・退路遮断作戦」「オルレアンの戦い~ブールジュ方面軍救援阻止作戦」の結果により、戦いの場に敵増援が出現、判定が悪化する場合があります。

ジル・ド・レ
フィリップ善良公
『屠殺者』オリヴィエ・ド・クリッソン
『盲信の騎士』ジャン二世


※25年3月1日:『最終人類史のバレンタインデー2025』により、攻略期限が23日延長されました。

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選択肢『ジル・ド・レ軍の将軍との会話』のルール

 決戦選択肢で戦う、ジル・ド・レ軍のジェネラル級キマイラウィッチとの会話を行います。
 キマイラウィッチは、事ここに及んで、ディアボロスと会話する意義を感じていない為、情報を引き出すような会話は難しいかもしれません。
 会話を通じて、攻略旅団の提案で研究を行った『復讐心を弱める方策』などを試す事も可能でしょう。
 復讐心を弱めた場合、決戦選択肢での死亡発生率を低下できます。
 詳しくは、オープニングやリプレイを確認してください。

 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、450文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★1個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は600文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

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 超成功 🔵🔵🔵🔵🔵
 大成功 🔵🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔵🔴
 善戦 🔵🔵🔴🔴
 苦戦 🔵🔴🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『👿または👾で出現する敵との会話に専念する。戦闘行動は行わない。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👾護衛するトループス級『少年合唱団・猿』のルール

 事件の首魁であるクロノヴェーダ(👿)を護衛するトループス級クロノヴェーダ(👾)と戦闘を行います。
 👾を撃破する前に👿と戦闘を行う場合は、👾が護衛指揮官を支援してくるので、対策を考える必要があるでしょう。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 記載された敵が「沢山」出現します(現れる敵の数は、オープニングの情報やリプレイの記述で提示されます)。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、450文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★1個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は600文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 🎖🎖🎖 🔵🔵🔵🔵🔵
 超成功 🔵🔵🔵🔵🔵
 大成功 🔵🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔵🔴
 善戦 🔵🔵🔴🔴
 苦戦 🔵🔴🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『この選択肢の🔵が👑に達すると、この敵集団を倒す。完結までにクリアしていない場合、この敵集団は撤退する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👾トループス防衛ライン『ウェンディゴ』のルール

 ディアボロスの侵入を防ぐ為に、トループス級クロノヴェーダ(👾)による防衛ラインが引かれています。
 防衛ラインは、都市を守る城壁や、道を塞ぐバリケード、関所の検問や、秘密基地の監視所などがありますが、この防衛ラインをクリアしなければ、事件の核心に迫る事は出来ません。
 防衛ラインを守るクロノヴェーダは、防衛拠点を利用して戦う為、戦闘で有利になります。
 なんの工夫も無く漠然と戦うだけでは、苦戦(🔴を得やすくなる)してしまうので注意が必要です。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 記載された敵が「沢山」出現します(現れる敵の数は、オープニングの情報やリプレイの記述で提示されます)。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、450文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★1個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は600文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

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 超成功 🔵🔵🔵🔵🔵
 大成功 🔵🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔵🔴
 善戦 🔵🔵🔴🔴
 苦戦 🔵🔴🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『【🔑】この選択肢の🔵が👑に達しない限り、マスターは他の選択肢のリプレイを執筆できない。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👿ジル・ド・レ軍迎撃決戦『ジル・ド・レ』のルール

 ディアボロスが制圧したオルレアンから出撃、迎撃により進軍が止まったジル・ド・レ軍の中枢に攻め込み、ジェネラル級の将軍達に決戦を挑みます。
 攻略旅団による数々の作戦を成功させて実現した、決戦の機会となるので、必ず勝利を掴みましょう。
 ただし、『ジル・ド・レ軍迎撃決戦』では、復讐に燃えるジェネラル級キマイラウィッチのパラドクスによりキャラクターが「死亡」する可能性があります。

 詳しくは、オープニングやリプレイを確認してください。


 記載された敵が「1体」出現します。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、450文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★1個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は600文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

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 超成功 🔵🔵🔵🔵🔵
 大成功 🔵🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔵🔴
 善戦 🔵🔵🔴🔴
 苦戦 🔵🔴🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『【撃破】【完結条件】この選択肢の🔵が👑に達すると、宿敵を完全に撃破し、シナリオは成功で完結する。ただし、この選択肢の🔴が🔵より先に👑に達すると、シナリオは失敗で完結する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※このボスの宿敵主は「レイ・シャルダン」です。
※クロノヴェーダには、同じ外見を持つ複数の個体が存在しますが、それぞれ別々のクロノヴェーダで、他の個体の記憶などは持っておらず、個体ごとに性格なども異なっています。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。