リプレイ
ラキア・ムーン
ふむ、完全に冥海機だけの防衛戦力……か
海上防衛故適材適所、といった所だろうか?
ワイズガイの指揮官くらいは居るかと思ったが少々意外だな
とはいえ、やる事は変わらん
一歩ずつ、作戦を進めるのみだ
敵はUボートIX型……潜水艦型か
ならば海中よりいかせて貰おう
パラドクストレインより出撃
水中適応を使用し海中へ
守備寄りの戦いをすると言うなら正面から突っ込んでも、粘られるだけ……か
なら、此方を追わせよう
海中深くまで潜りUボート達をやり過ごし、防衛ラインを越えていこうとする動きをする
守りを固めるなら無視をして指揮官を狙うように侵攻し、Uボート達に此方を追わせよう
【Call:Divine_Edge】起動
《RE》Incarnationを強化し、追ってきたUボート達を狙う
敵が此方を追う動きを見せたら反転し、敵へと一気に接近
槍を振り、ダメージを与えていこう
Emu【E.S】展開
魔術障壁を周囲に展開し、敵の魚雷へと当てる
武装制服越しに爆発を受けて、ダメージコントロールを行おう
さて、突破させて貰うぞ
アドリブ連携等歓迎
「ふむ、完全に冥海機だけの防衛戦力……か。少々意外だな」
海上防衛ゆえの適材適所にしても、ワイズガイの指揮官くらいは居るかと思ったが。疑問を呟きながらも、【水中適応】で海中から防衛ラインへと接近するラキア・ムーン(月夜の残滓・g00195)。
「とはいえ、やる事は変わらん。一歩ずつ、作戦を進めるのみだ」
UボートIX型達は予知の情報通り、引き気味に防衛ラインを形成している。守りに入られては面倒だ、なんとかその陣形を崩せればと狙い、敢えて彼女達を無視して海底への突破を図る。
「さて、此方を追ってきてくれれば良いが」
指揮官を狙う動きを見せれば、ラインを崩して追跡してくるだろう……そんな狙いのラキアへと降り注ぐのは、頭上からの魚雷の雨。Uボード達達自身はこちらを追わず、パラドクスだけが狙いを定めて来る。
「ちっ……そう上手くはいかんか……!」
そもそもここを無理に突っ切ったとして、困るのは後背に戦力を残して挟撃を受けるラキアの方である。それを企図しての防衛ラインであろうし、それが分からないUボートではないだろう。加えて、パラドクスの射程が視界内無限と言う、逆説連鎖戦の特性も厄介な所である。
あるいは作戦の意図が分からぬ練度の低い敵か、功を焦るような血気盛んな敵ならば、反応して出て来たかもしれない。だが今回の敵は練度が高く士気が低い、全く正反対の相手だ。
「仕方ない……こちらから出向くか……!」
軽く舌打ちしながらも方向転換すると、周囲に防壁を展開しながら魚雷の中を突き進む。爆ぜる衝撃を武装制服越しに受け止めてのダメージコントロール、爆炎を突き抜けての急接近。
対するUボート達は、もちろんそれを迎え撃ってくる、が。
「……!!」
「士気が低い、と言うのは本当のようだな」
そこに闘志のような物は見受けられず、その瞳に光はない、やや引き気味に構えながら、機械的にこちらへ魚雷を放ってくる。こんな遠い海で沈みたくはない、さりとて持ち場を離れる気力もない、と言う所だろうか。
「哀れだとは思うが、同情するつもりはない。突破させて貰うぞ」
「……!」
そんな彼女達に対して、ラキアは容赦なく突撃を敢行する。パラドクスの術式で強化した突撃槍の切っ先が、Uボートのうち2体を貫いた。練度自体は高いようだが動きがやや硬く、付け入る隙は多い。
一方で仲間をやられた他のUボートは僅かに動揺を見せるも、それで陣形が崩れる事はない。感じられるのは結局はこうなるのだと言う、そんな諦念。
「…………!」
「くっ……いっそ防衛を諦めてくれれば良いのだがな……!」
相手の士気が低かろうと、ただ単純に魚雷を打ち続けられるだけでも、それなりに脅威だ。防具の守りで防ぐにも限度があり、その身体に傷が蓄積していく。一方で、Uボート達は数を徐々に減らしつつも、未だ健在だ。
初動こそやや躓いたが、ラキアの作戦や動きが悪かったと言う訳ではない。ただ単純に、トループス級の『数』は戦場において脅威となり得る……単騎で突破するのは容易な事ではない。
至極当然の話として、ディアボロスの戦力とて限りがある。アメリカ西海岸の厚い防衛陣を突破するのは、少々骨が折れるかもしれない――。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【水中適応】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
十野・樞
アドリブ連携歓迎
水中で鋼の淑女達と死の舞踏とは
恐れ入るぜ
ロッドより重てえものを持った事がねえ魔術師くずれのおっさんには骨が折れる
まあ、ちょいと気合い入れて踊り抜くとするかね
【水中適応】拝借し潜行
【パラドクス通信】で先陣と情報共有し死角無きよう立ち回ろう
敵が先陣に気を取られているなら
敵背後または側面から攻撃
奇襲になればしめたもの
敵が固まっているならその箇所を優先的に
散開しているなら撃破優先で負傷しているものを先に狙おう
叶う限りの高速でパラドクス詠唱展開
Nunc aut numquam ――
敵が周囲の空間に潜行しようとするなら
その空間ごと灼き払うまで
鋼と科学には魔術と神秘で対応を
お前さん達の領域である水底ですら、雷霆神の御業は顕在だろうさ
敵攻撃は暗器とロッドでの受け流しで軽減を試みる
「全く、水中で鋼の淑女達と死の舞踏とは恐れ入るぜ。こっちはロッドより重てえものを持った事がねえってのによ」
魔術師くずれのおっさんには骨が折れる依頼だと、肩を竦める十野・樞(有謬・g03155)。先行したディアボロスの【水中適応】を借り、【パラドクス通信】で連携を取りながら、敵の防衛ラインへと接近する。
「まあ、ちょいと気合い入れて踊り抜くとするかね」
すでに攻撃を受けているUボート達は、ガチガチに守りを固めている。流石に戦闘中の相手に奇襲を仕掛けるとはいかないが、先手を取るのは難しくない。
ロッドを翳せばそこに刻まれた無数の罅から、決して色褪せぬパラドクスの魔力が溢れ出す。
「Nunc aut numquam――」
今行うか、永遠に為さぬか。魔力は紡がれたその詠唱に従い、破壊を撒くべく形を変える。すなわち霹雷、苛烈にして無慈悲なる奔流。
海中に散る事なく駆け抜けたそれは、3体のUボードの身体を撃ち抜いた。電撃で痺れさせると言うよりは、その高圧によって相手を灼き尽くす一撃。
「……!!」
「お前さん達の領域である水底ですら、雷霆神の御業は顕在だろうさ」
断末魔の悲鳴すらなく、Uボートは黒く炭化し、消滅する。一方でUボートの放った反撃は、その攻撃手を失ってなお、樞へと迫り来て。
「やれやれ、最後まで律儀な事だ……っ!」
着弾し爆ぜる魚雷を受けるのに、ロッドを用いるのは適さないだろう。そう判断した彼は、その腕を――と言うよりは、その服の袖を振るう。
そうして放たれた鏢は海を斬り裂き、あるいは貫くようにまっすぐ飛ぶと、魚雷の信管に着弾した。自身から離れた所でそれを爆ぜさせる事で、その爆風から逃れていく。もちろんパラドクスの魚雷を全て防ぎ切る事は出来なかったが、ダメージを多少なりとも減ずる事ができただけで、成果としては十分だろう。
「ぐっ……全く、やる気があるんだか無いんだか……」
Uボートは引き続き戦闘行動を取り、パラドクスで姿を隠しながら攻撃してくる。その動きは十分に統率が取れている一方で、こちらを倒すと言う気概が感じられない。
弱敵と言う訳でもなく、さりとて難敵とも言いにくい……ちぐはぐな印象にはやや気勢を削がれるが、ここを突破しなければ西海岸に辿り着けないのは紛れもない事実。
「まあいいさ……そっちが隠れるならその空間ごと灼き払うまでだ」
鋼と科学には魔術と神秘を。再びその杖を掲げ、詠唱を口遊む樞。放たれた霹雷は言葉の通り、Uボート達を海水ごと灼き尽くさんとする。
先に他のディアボロスがひと当たりしていた事もあり、相手の陣形には瑕がある。場当たり的に立て直そうとしているようだが、もちろんそれを許しはしない。
「ここはまあ、問題なく行けそうだな」
逆にその瑕を広げるように放たれた雷は、崩れ行く次々と相手を海の藻屑へと変える。もはやこの状況で、負ける事はないだろう。
最後まで気を抜く事ないが、目指すはさらにその先へ。樞は次の戦いへと、その意識を向けていく。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【ダブル】LV1が発生!
「やっば、マジディアボロス来てるし。エグくね?」
「Uっちも役立たなすぎっしょ。マジ有り得ないんですけどー」
Uボートを退け、防衛ラインを突破したディアボロス達。だがその前には新たに、オーガー級軽巡洋艦が立ちはだかる。明らかに士気の低かったUボート達と比較しても、彼女達の士気は高いようだ。……まあ気だるいギャルめいた言動のせいで分かりにくいが、多分。
「ぶっ潰してやるんですけど!」
「海の藻屑になってもらうし!」
何故彼女達とUボートの様子が違うのかは、気になるかもしれないが……彼女達に難しい会話は出来そうにない。その辺りの情報が気になるなら、この奥のアヴァタール級に聞くべきだろう。
あるいは聞く事がないとしても、西海岸を目指すにはここを突破しなくてはならない――!
ラキア・ムーン
先の敵と違い今度は士気は高いようだな
ふむ、ワイズガイ使われるのにも慣れた……というか割り切れるといった所か?
まあどちらでも良いがな
此方としては、倒して先へと進むのみなのだから
水中適応で接近しつつ浮上
ちょうど敵の手前で浮上出来るように調整しながら進む
《RE》Incarnationを構え浮上と同時に攻撃が仕掛けられるように、戦闘準備
飛び出すように浮上し、同時に水面走行へと切り替え
【Call:Flame_Edge】起動
浮上と同時に炎の刃を穂先へと展開
槍を振り『薙ぎ払い』
炎の刃で敵を焼き切りながら、攻撃を与えていこう
攻撃後も足は止めずに水上を駆け、敵との間合いを保っていく
移動しながら敵の射線を散らし、砲撃の集中を避ける
射線を散らし敵の砲撃が届くタイミングをズラし対応しやすくし、タイミングを見て槍で砲撃を防ぐ
迎撃し、直撃を避けつつ敵の攻撃を凌いでいこう
流石にそろそろ、海戦も飽きてきた
いい加減上陸の為に本腰を入れさせて貰う
お前達との付き合いも、そろそろ終いにしたい所だ
アドリブ連携等歓迎
一里塚・燐寧
おー、敵もけっこー気合い入ってるねぇ
別にさっきやられた奴らと立場は変わんないだろーに、なんでこんなモチベが違うのかは気になるけど……一旦どかしちゃおっか
こいつらが知ってることは上司も知ってるんだろーしねぇ
救援機動力で戦線に合流
【水面走行】を借りて海の上を走って戦うよぉ
相手は海上戦に慣れてるはずだし、チームワークや陣形の組み方も上手いのかなぁ
特に場馴れしてて周りを仕切ったり同族のフォローをするような奴がいたら優先的に狙って、敵の連携を邪魔しよう
戦うときは《テンペスト・レイザー》に紫の鬼火を宿し『呪式:襲風炸爆』を使うよぉ
回転鋸刃を押し付けて敵の装甲や外皮を斬り削り、体の内側で炸裂する爆発でブッ壊す!
暗闇で周囲を覆われたら、砲撃の音を頼りに反応して敵の攻撃を防ぐよぉ
得物の頑丈な刀身を寝かせて構え、広い横腹で出来るだけ弾を弾いてダメージを軽減するねぇ
冥海機ってのはどーにも肩に力が入りすぎててよくないよぉ
もーちょっと気楽に生きてもいいんじゃない?
ま、このアドバイスを活かせる時はもう来ないけどねぇ
「ふむ、ワイズガイ使われるのにも慣れた……というか割り切れるといった所か?」
Uボートと違って明らかに士気の高いオーガー級に、疑問を抱くラキア・ムーン(月夜の残滓・g00195)。とはいえ、こちらの推論を相手にぶつけても、答えてくれる雰囲気ではない。
「まあどちらでも良いがな。此方としては、倒して先へと進むのみなのだから」
水中からオーガー級に接近し、飛び出すと同時にパラドクスの炎を纏わせる。。突撃槍の切っ先が長大な炎刃となれば、勢いよく敵陣を薙ぎ払って。
「ぐぅぅっ……こんの、調子に乗んなしっ!」
「むっ……!」
それに対してオーガー級も、両腕の連装主砲で応じてくる。【水面走行】で海上を駆けながら、その集中砲火から逃れていくラキア。無論、完全に逃げ切れる訳ではないが、少しでも相手の狙いを乱し、砲撃の集中を回避する。
砲撃を槍で防いでも、至近で爆発されれば爆炎と破片がこちらの身を苛む……が、耐えられないほどではない。
「逃げてないでさぁ、おとなしく撃たれとけっつーの!」
「断る。流石にそろそろ、海戦も飽きてきた、そちらこそおとなしく斬り捨てられておけ」
粘るラキアに苛立ちを見せて、さらに砲火を激しくし始めるオーガー級。トループス級とはいえ、流石に単騎での突破は厳しいか……と言う所で、救援機動力によって一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)が到着する。
「けっこー気合い入ってるねぇ。さっきやられた奴らと立場は変わんないだろーに!」
「何、増援? ガチ無理っ、うっとうしいんですけどぉ!」
間合いに入ると同時にチェーンソー大剣に紫の鬼火を宿し、接近する勢いのままに斬りかかる。それを察知したオーガー級は身体から闇を噴き出すと、周囲を暗夜に変える事でこちらの視界を奪って来て。
「夜戦でぶっ潰してやるからぁ、マジ覚悟しとけよぉっ!」
「身を隠してる割に、大分うるさいねぇ!」
まあどうせ砲撃音が響くのだから喋ろうが黙ろうが関係ないと言う所だろうか、勢いよく放たれる砲撃を、その音を頼りにして大剣の横腹で受け止めていく燐寧。
無論防ぎきれるものではないとはいえ、無防備に喰らうよりは遥かにマシだ。さらにその音の方向へと踏み込んで、回転鋸刃を相手の身体に押し付ける。
「ブッ壊したげるよっ!!」
「っ~~~~~!?」
相手の装甲を斬り削り、体内に鬼火を流し込む。オーガー級の身体が内側から爆ぜると同時に、その爆風によって闇も吹き散らされた。
「っ、はっ……こんのっ、うっとうしすぎて草なんだけどぉっ!」
「冥海機ってのはどーにも肩に力が入りすぎててよくないよぉ。もーちょっと気楽に生きてもいいんじゃない?」
痛みに耐えて怒りを露わにするオーガー級に、挑発気味に軽い口調で問いかける燐寧。ついでに相手の布陣を見回すが、特にリーダー格と呼べる個体はいないようだ。
一方のオーガー級はそれに対して、嫌悪気味の視線を向けて来る。
「はぁ、それ本気で言ってるわけ? こんなとこまで来るあんたらの方がガチすぎてマジでドン引きなんですけど!」
「……あー、まーねぇ」
実際の所、軍人としての使命感が強い真面目な冥海機ならともかく、万事軽い態度のオーガー級にぶつける言葉としては若干的外れな言葉だったかもしれない。まあ的外れだからこそ逆に、挑発として機能はしているが。
そんな反応に肩を竦めた燐寧は、鋸刃を回転させながらオーガー級に再度斬りかかる。
「じゃーまーガチなディアボロスらしく、ガチでぶった斬ったげるって事でぇ!」
「ん、のっ……ぐぅっ!?」
結局の所、本気だろうと気を抜いていようと、目の前の相手を倒す事にかわりはない。売られた言葉を買いながら、相手に鬼火を叩き込む。相手の夜で再び視界を阻害されるが、構わず音を頼りに刃を振り回して。
一方でその夜の外では、ラキアがオーガー級めがけて炎刃を振るう。
「流石にそろそろ、海戦も飽きてきた。お前達との付き合いも、そろそろ終いにしたい所だ」
「それはあーしらの台詞なんだけど! 飽きたんならそっちが沈んでろし!」
オーガー級の放つ激しい砲撃を、海上を駆ける事で散らしていく。集中砲火でさえなければ耐えられぬ量ではなく、こちらが沈められる前に一気に接近、一閃の元に斬り捨てた。
「断る。いい加減上陸の為に本腰を入れさせて貰おう」
「がっ……マジ……ムカつくん……ですけどぉ……」
両断された身体を炎上させながら、海へと沈んでいくオーガー級。それに一瞥さえも送らず、次のオーガー級へと飛びかかるラキア。
「こんの、よくもっ……いい加減、沈めし!」
「そちらが、沈め」
相手の砲撃はさらにこちらを沈めんと気迫を増すが、士気ならこちらも劣る気はない。何より敵の数が減れば、砲撃の密度も減る。より凌ぎやすくなれば、より積極的に間合いを詰めて、敵を薙ぎ払い。
「気になる所はあるけどぉ、こいつらが知ってることは上司も知ってるんだろーしねぇ、一旦退かしちゃうよぉっ!」
「くぅぅ……ざけんなしっ……ぃっ
……!!」
燐寧もまたオーガー級を紫炎で爆ぜさせ、辺りに包まれた夜を打ち払っていく。程なくして敵戦線は崩壊し、オーガー級達はその全てが海へと沈んでいく。
「ようやく、か。だいぶ時間をかけてしまったが……次だな」
動く敵がもういない事を確認すると、ラキアは東の海へと視線を向ける。その先にあるのは、アメリカ西海岸。だがそこを目指すための戦いは、まだ終わっていない……。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【水面走行】LV1が発生!
【フライトドローン】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
「ディアボロス……侮っているつもりはありませんでしたが、この寡兵でオーガー級を打ち破るとは」
そうして西海岸を目指すディアボロスの前に立ちはだかるのは、アヴァタール級冥海機『マジェスティロード』。玉座型の大型海戦装に腰掛けた彼女は、冷たい瞳でディアボロスを見下ろす。
そこにはディアボロスの戦力に対する興味も滲む。どうやら会話の余地はありそうだ、上手く会話を運べば何か情報を聞き出す事が出来るかもしれない。
もちろん、相手がペラペラとなんでも答えてくれる訳ではないし、特に機密情報を引き出すのは望むべくもないので、それなりの話術と質問内容の吟味が必要とはなるだろうが。
「ですが、お前達の上陸を許すつもりはありません。ここで海の藻屑と消えなさい」
あるいは話す事などないとばかりに、さっさと戦端を開いてしまってもいい。何しろロードの砲塔は、まっすぐにディアボロスへと向けられているのだから……!
ラキア・ムーン
……うーむ、進めば分かる事だからわざわざ聞くのもどうかとは思うが
少しお喋りができそうなら、例えば母港について探りを入れてみるのも悪くないか
まあ、反応があれば儲けもの程度の気持ちで
……しかし、西海岸の防衛で冥海機が現場指揮官になっているのは意外だったな
ワイズガイの指揮の下にこき使われているのかと思っていたが……奴らも、有用な指揮官は適材適所で配置するようだ
そういう意味では、お前は評価が高いのだろうな
だが、冥海機も大変だろう?
コーサノストラはヤ・ウマトより20年ほど年代が遡る
西海岸沿いの海軍基地といえば、私の知識で言えばサンディエゴ辺りが有名だ
だがこの時期ではさほど、特に冥海機であるお前達が満足できるような港湾施設にはなっていないだろう?
ましてやそれ以外の地域であれば、尚更だ
西海岸の防衛を任されているとはいえ、母港がそれでは苦労しているのではないか?
と、どの辺りから出撃してきたかをそれとなく聞いてみるか
上陸した時の指針になるかもしれん
それにまあ、世間話をするのも悪くは無い
「……しかし、西海岸の防衛で冥海機が現場指揮官になっているのは意外だったな」
何を聞いたものかと内心で考えながら、ひとまず探り探りに会話を始めるラキア・ムーン(月夜の残滓・g00195)。進めば分かる事をわざわざ聞く必要ないか、とも思うが、反応があれば儲けものではある。
「ワイズガイの指揮の下にこき使われているのかと思っていたが……奴らも、有用な指揮官は適材適所で配置するようだ」
「あら……おだてて見逃して欲しいとでも?」
マジェスティロードを持ち上げるようなその会話に対して、相手はこちらも探るように視線を向ける。ひとまずは、戦闘よりこちらの意図を探る事を優先したようだ。
それに対してラキアも、相手の反応を見ながら会話を進めていく。
「だが、冥海機も大変だろう? コーサノストラはヤ・ウマトより20年ほど年代が遡る」
西海岸沿いの海軍基地と言えば、ラキアの知識ではサンディエゴなどが該当する。だが、最終人類史でそれらの海軍基地が整備されたのは、第二次世界大戦……それこそ冥海機ヤ・ウマトの時代であるはずだ。
「ましてやそれ以外の地域であれば、尚更だ。母港がそれでは、苦労しているのではないか?」
「ふん……浅はかですわね」
この会話で相手の母港について探れれば、上陸した時の指針になるかもしれない。そんな意図の会話であったが、ロードはこちらを嘲笑うように口元を抑えた。
そして誇るように、あるいは教え諭すように、こちらに告げてくる。
「コーサノストラの空想科学力は、冥海機ヤ・ウマトをはるかに上回っているのです。我々冥海機を運用するには、十分過ぎるほどですわ」
「なるほどな……」
この空想科学コーサノストラは、時代に反したオーバーテクノロジーを持つディヴィジョンだ。今の所、ディアボロスはその一端に触れたに過ぎないが、たかだか24年の差は容易に覆せるのだろう。
そんな相手の返答を確かめながら、内心で思案を続けるラキア。
(「母港の場所は、簡単には吐かないか。いや、会話の持って行き方次第か?」)
先程こちらも考えた通り、この情報は『進めば分かる事』である。ロードが簡単に喋ったのも、そういう事だろう。とはいえ聞き方次第では、もう少し別の有用な情報を引き出せる可能性はある。
「我々は、時勢の読めない真珠湾の連中とは違うのです」
(「……ふむ?」)
例えばそんなロードの言葉も、相手にとっては大した情報ではないが、こちらにとっては相手の事情を類推する切っ掛けとなりうるだろう。Uボート達だけが士気が低かったと言う疑問も、その辺りに理由があるのだろうか。
(「……さて、どうしたものか。元より、ダメ元の世間話程度のつもりではあったが」)
ロードはこちらへの警戒を緩めてはいないものの、もう少しぐらいなら会話に付き合ってくれそうな空気もある。このままさらに会話を続けるか、それとも打ち切って戦端を開いてしまうか――。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV2になった!