リプレイ
ポーリーン・フォレット
大量破壊兵器を爆発させるなんて、皆凄いわねぇ~
この勢いに乗ってガンガン攻めていこうってことかしら?
でもその前の下準備よね!
ウフフ、噂話ならおばあちゃんにお任せあれなのよ~
大変、大変よぉ~
「リア充は爆発しろー!」なんて言いながら変な集団が攻めて来たわよ~!
…リア充って何かしらね?よく分からないけど…
でも連中はモテる人や伴侶のいる相手を激しく憎んでいるみたい
とても恐ろしくて…そして強そうだったわ
私の孫娘も怯えてしまってさっきから何も喋れなくなってしまって…
傍らのアイリーンを労りながら彼らの恐ろしさを伝えてみるわね
アイリーンは聡い子ですから怯えた演技もお手の物だと思うわ
私が見たときは壁を爆破しているだけだったけど
貴方みたいなモテそうな男前は見つかったらきっと殺されちゃうわ
そちらのお嬢さんだって捕まってしまったら何をされるか……
みんな、ひとまず逃げましょう!
な~んて、イケてる殿方や素敵なお嬢さんにお声掛けしてみたり!
噂というか…そこまで嘘は言ってないわよね?大体本当の事ですものね!
小田原城の北側の城壁から入り、雑木林の中央通路を進んで行くと、戸惑う一般人が右往左往と行き交うのが見えた。
ポーリーン・フォレット(エルフのおばあちゃん・g06164)とサーヴァントのアイリーンが、混乱する人混みの中で、のほほん空気をまき散らしながら参上する。
「大量破壊兵器を爆発させるなんて、皆凄いわねぇ~」
ポーリーンが話しかけると、アイリーンはウンウンと頷いて返す。その背後では、人々が戦々恐々としているのだが。
「この勢いに乗ってガンガン攻めていこうってことかしら?」
彼女の問いに、アイリーンは身振り手振りで返答している様子。傍から見るとさっぱり分からないが、ポーリーンには理解できるのだろう、悪戯娘に戻ったような笑みがその老女に降りてきた。
「分かったわ、でもその前に下準備よね!」
アイリーンも悪戯っぽく微笑み、彼女に大きな葉をくるんだメガホンを差し出してみせる。
それを受け取ったポーリーンの目が光る。
「ウフフ、噂話ならおばあちゃんにお任せあれなのよ~」
ポーリーンはチョコチョコチョコ……と小走りで人の近くに擦り寄り、葉のメガホンを口元に当てた。
「大変、大変よぉ~! 『リア充は爆発しろー!』なんて言いながら変な集団が攻めて来たわよ~!」
お互い身を寄せ合っていたカップルらしき2人がその声に反応した。
「一向一揆宗が攻めてきたの!?」
ポーリーンはアイリーンに耳打ちする。
(「……リア充って何かしらね?」)
サーヴァントはクローバーで編んである紐を引き、エプロンの後ろから紙の束を差し出した。
ポーリーンはそこに書いてある文章を読む。
「連中は『モテる人や伴侶のいる相手を激しく憎んでいる』みたい」
そこで慌てたのが数人の男性陣。
「まずい! 一向一揆宗だ!」
本当にモテるかはさておき、もう一押ししてみる。
近くでぽかんと口を開けて聞いていた数人に、葉のメガホンを向けた。
「とても恐ろしくて……そして強そうだったわ! 私の孫娘も怯えてしまって、さっきから何も喋れなくなってしまって……」
その言葉を受けてハッとしたアイリーンが、唐突にしおがれて見せる。
中々の役者っぷりに騙された周囲の一般人は、足元が浮ついてきた。
「貴方みたいなモテそうな男前は、見つかったらきっと殺されちゃうわ!」
振り返り様、バッと指を指す。
「え、お、俺が男前だって
……!?」
「そちらのお嬢さんだって、捕まってしまったら何をされるか……」
バッ。
「えっ、私も!?」
無自覚なモテを指摘された数名が、震えだした。
今けしかければ尻に火がつくはず。
「みんな、ひとまず逃げましょう!」
その声で悲鳴が上がり、自称モテナンバー1の誰かが走り出すと、それを追いかけてわらわらと蜘蛛の子供が散り始めた。
アイリーンが出口である爆破された壁に誘導しているのを横目に、口元を抑えて笑いを堪えている悪戯なおばあちゃん。
素晴らしい風の術で、かなりの人数が逃げだしたようだ!
超成功🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【友達催眠】LV1が発生!
効果2【アクティベイト】LV1が発生!
一騎塚・喜一
なるほど破壊工作と流言飛語
なかなか楽しそ……いえ、心苦しい作戦ではありますが
小田原城攻略の足がかりとする為にも全力でまいりましょう
先ずは着替えをしておきます
和装に白い狐面、背中には旗印
一向一揆宗に見た目を寄せておきます
混乱した状況であればこれでも十分なりすまし可能かと思います
現場についたら演出用に爆竹や発煙筒も用いながら城壁をパラドクスで粉砕
再建用の機材も見つけ次第壊して使い物にならなくしてしまいましょう
組織のトップにリーダーシップが足りないと対応も後手後手になりがちですよね
先手先手を意識して動いていきましょう
ある程度城壁を壊し終えたら殺気に満ちたクソデカドス利きボイスで太刀を抜き身で構えながら
「リア充は居ねがー」と、なまはげよろしく城内に向けて練り歩いていきます
これまでに見聞きしたリア充たちのキャッキャウフフを思い出しながら
ここぞとばかりに自分がモテないという事実をフル活用して
城内の一般人に八つ当たり…じゃなくて脅していきます
先に誘導して頂いた方向へ追い立てるように動いて回りましょう
エルフの立てた風に煽られ、逃げ惑う人々の中、通路の中央で、眼鏡をキュピンと光らせるその人、 一騎塚・喜一(一騎刀閃・g04498)。
「なるほど、破壊工作と流言飛語。なかなか楽しそ……いえ、心苦しい作戦ですね」
途中でゲフンゲフンと咳払いをしたので、危ないポイントは誰にも聞こえていない。
心苦しいと言いつつも、その表情はどこか覇気があるように思う。
「小田原城攻略の足がかりとする為にも、全力でまいりましょう!」
言うや徐ろに、着ていた外套を脱ぎ捨てると、どこかで見た『アレ』がそこにいた。
七分丈の黒の着物、白い狐面、背中には旗印。
どこから見ても……一向一揆宗!
「この混乱を利用して、敵になりすまし……嵐を巻き起こします!」
喜一は仮面の上に眼鏡を乗せ、5本指の間に挟んだ爆竹を顔の前に翳す。
横に咥えた線香の束に、豪快に燃える火がメラメラと仮面の影を揺らしていた。
そのまま爆竹に火をつけると、それを足元に放り投げる。
パラパラパラパラ!!
「キャアア!?」
「うわあ!?」
大きな音に驚いた一般人の中には、その場で腰を抜かす者もいた。
喜一は発煙筒を焚き、手早くそれを周囲に投げていく。
濛々と立ちこめる白い煙に慌てふためく人々は、逃げ場をなくして足を止めた。
「もうお終いよおお!!」
その隙に、城壁の一部をパラドクスで粉砕。再建用の機材になりそうなものも、かたっぱしから壊して回る。
無論一般人の目に、ディアボロスのスピードは追い付かない。
何が起きているか把握できない人々は、1つ所へ固まって身を寄せ合った。
北条氏政の弱いところをつついてまわる抜け目のない喜一が、足を止めて一息をつく。
「よし、このくらいでいいでしょう」
そして、もう一度ゴホンと咳払いを1つ。
「ぬおおお……」
彼の腹の底から声がもれ始めると、ゴゴゴ……と地響きが地表の小石を踊らせ、崩れた城壁の一部から大きな石が崩れ落ちた。
「リア充は居ねがー!!」
持てる限りのドスを利かせて雄叫びを上げつつ、両手に太刀を握って歩き始めると、白い煙の向こうから現われた偽一向一揆宗を見た人々は恐怖に悲鳴を上げる。
「ぎぃやあああ!! 一向一揆宗だあああ!!」
中の人が喜一だとも知らず、自分たちを殺しに来たのだと勘違いした人々は我先に逃げ出した。
「うおーっ、リア充はいねがああ!!」
やたらと迫真の演技は、一向一揆宗そのもの。
それもそのはず。かつて見たリア充たちのキャッキャウフフを思い出し、ここぞとばかりに自分がモテないという事実をフル活用した非モテクニック(非モテ×テクニック)は、人々の心を恐怖で震わせた。
すっかり人気がなくなり、場が閑散とした頃、どこからともなく大勢の足音が聞こえてくる。
ザッザッ……。
「リア充……」
「は……」
ポーリーンがそちらへ視線を投げた。
「来たわね」
喜一は仮面を取り、彼女の横につく。
「城内の一般人に八つ当たり……じゃなくて脅しが利いた今、ここには誰もいませんよ!」
引いていく発煙筒の向こうから、本物の一向一揆宗が現われ出た!
超成功🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【怪力無双】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
ポーリーン・フォレット
あらあら、本物の一向一揆宗のお出ましね?
…ええと、本当に本物よね?念の為確認しておきましょ
私ぐらいの年になると、もう「モテ」なんてどうでもよくなるのだけど
若い子にとっては切実なんでしょうねぇ…
適度にモテることは人生に潤いを与えてくれそうだけど
行き過ぎたモテは誰かしら不幸になりそうで心配になっちゃうわ
それでもモテたい?
え?神奈川のカッコイイイメージ?
それにあやかってモテたいのかしら…?
うーん、私には主に横須賀の印象しかないのだけれど
…やっぱり海かしら?
マリンスポーツなんてモテそうじゃない?
サーフィン…ええと、カッコ良さげな板に乗って波乗りするの!
あなた達もチャレンジしてみるといいわ!
さあ、アイリーン!彼らに水流をドカンとプレゼントよ!
「フォースィスィアの恵慈」よ!
あらあら、ごめんなさいね
サーフボードをプレゼントするのを忘れてたわ
おばあちゃん、ウッカリ♪
やだ、なんだか切なすぎる思い出が頭に流れてくるのだけど…
悲しくなってきちゃった…
結婚指輪を見て亡き夫との思い出を胸に、洗脳に抗ってみるわね!
一騎塚・喜一
わぁ…やっぱり本物は迫力が違いますね
先程の私の演技など足元にも及びません
ええ、演技です
でも正直、彼らのモテたい気持ちも分かるんです
周囲はどんどんモテだして、恋人ができて、幸せいっぱいだというのに
自分だけ!モテる気配もなく!相変わらず一人ぼっちで!
…自分だけ取り残された気分になるんですよね
そしてモテる人の真似をしたところで誰の目に留まることもなく…
なのでモテ要素を外部に見出すのは良い選択かもしれません
あ、確かにサーファーはモテそうです
日に焼けた肌と鍛えられた肉体にときめく者は多そうです
…私も始めてみようかなぁ…
(フォレットさんの出した水流を仰ぎつつ)
おや、びしょ濡れになっちゃいましたね
乾かして差し上げましょう
…ただし、嫉妬の炎でね!喰らえ【炎贔】
ディアボロスを差し置いてモテようなど、許す訳が無いでしょう
500年早いです
そして神奈川を貴方がたのモテの踏み台にはさせません
私の非リア成分で敵の攻撃力アップを相殺しつつこんがりと焼いて差し上げます
あ、日に焼けた感が出てモテるかもしれませんね…?
「貴様! 裏切りのリア充か!? 何故奴らを逃がした!」
足並み揃えてやってくる一向一揆宗を眺めながら、ポーリーン・フォレット(エルフのおばあちゃん・g06164)は訝かしげな様子で横にいる一騎塚・喜一(一騎刀閃・g04498)を確認する。
「本当に本物よね?」
「ええ、演技です」
喜一の眼鏡がキュピンと光る。
「ただ……モテない事実は否定できませんが」
限りなく本物に近い非モテということなのだろう。ポーリーンの後ろにいたアイリーンが同情のまなざしで彼を見つめていた。
「私ぐらいの年になると、もう『モテ』なんてどうでもよくなるのだけど、若い子にとっては切実なんでしょうねぇ……」
一向一揆宗はその会話に割り込んでくる。
「モテこそ正義! 老若男女関係なくモテたい! それは人の心理であろう、何をトチ狂ったことを!」
「適度にモテることは人生に潤いを与えてくれそうだけど、行き過ぎたモテは誰かしら不幸になりそうで心配になっちゃうわ。それでもモテたい?」
その場にいた一向一揆宗が全員、首を縦に振る。あまりの規律にザンという風の音すら聞こえた。
「人のことより!」
「まず自分!」
ザン!
ポーリーンはウーンと軽く唸りながら、相模湾からやってくる潮風に視線を流す。
「そうだわ、ここは近くに海があるし、マリンスポーツなんてモテそうじゃない? そういったもので輝いたら、人を不幸にしないでモテるんじゃないかしら」
一同(喜一も含む)、食い込み気味で身を乗り出す。
「それは何ですか!?」
思わず敬語になってしまうあたり、とても必死だ。
アイリーンが手際よくカンペを取り出して見せ、それをポーリーンが読み上げる。
「サーフィン……ええと、カッコ良さげな板に乗って波乗りするの!」
「板!? 板なんて乗ってもカッコよく見えないだろ!?」
「本当にカッコイイんだから、あなた達もチャレンジしてみるといいわ!」
『本当にカッコイイ』……。その言葉に一向一揆宗のモテ心が揺れた。その隙を悪戯おばあちゃんは見逃さない。
「さあ、アイリーン! 彼らに水流をドカンとプレゼントよ!」
ニヒッと笑みをつけたサーヴァントが純白の羽根を広げると、地表に大きな渦が現われた。
その流水は回転しながら上空へ登り、高い位置から激流となって一向一揆宗の頭上に超水圧をもたらす。
「ぐああああ!?」
「うひいいい!!」
週末の洗濯機に押し込めたため込んだ洗濯物のように、敵はきりもみしながらお互いでぶつかり合う。
「あらあら、ごめんなさいね、サーフボードをプレゼントするのを忘れてたわ。おばあちゃん、ウッカリ♪」
ポーリーンの言葉に輝きを見いだした喜一は、震える拳を握る。
「日に焼けた肌と鍛えられた肉体……確かにサーファーはモテそうです!」
その時、フォースィスィアの恵慈から命からがら逃げ出した一向一揆宗の1人が、近くにいた喜一の腕を引いた。
「ボーっとしてんじゃねえ! 呑み込まれるぞ!!」
「そいつは仲間じゃない、ただのモテない奴だ!!」
ただのモテない奴……ただのモテない奴……ただのモテない奴……!
一向一揆宗の衣装を身につけている喜一を仲間と勘違いしたが、地雷を踏んだ。
背後に渦を巻く水流で影になった喜一の顔は、口元だけが笑って見える。
「おや、びしょ濡れになっちゃったようですね。乾かして差し上げましょう」
メラメラと体から立ち上る赤いオーラは、周囲の温度を急激に上げていく。1拍置いて爆発するように発熱すると、目の前で地雷を踏み抜いた2体を丸焦げにした。
「ぬおおおおおおお嫉妬の炎を喰らえええええ!!」
走馬灯がフルスピードで彼の脳裏に蘇り、ディアボロスらしいっちゃらしい怒りが喜一を支配する。
焦げた一向一揆宗が地に崩れ落ちると、彼はニヒルに鼻を鳴らして言った。
「ディアボロスを差し置いてモテようなど、許す訳が無いでしょう」
500年早いです、と付け加えたが、いいのかそれで。
一向一揆宗たちはその勢いに怯み始め、ズルズルと背後に退いている。
アイリーンがそれを指さしたが、喜一は追おうとはせず、その場に崩れ落ちた。
「あらあら、大丈夫?」
怪我をしたのかと慌てたポーリーンの耳に、拳で地表を叩く音が。
「……でも正直、彼らのモテたい気持ちも分かるんです」
おや? と思っていると、非モテの嘆きが湧き出る泉の如く溢れ出す。
「周囲はどんどんモテだして、恋人ができて、幸せいっぱいだというのに……自分だけ! モテる気配もなく! 相変わらず一人ぼっちで!」
それを聞いていた一向一揆宗は、完全に戦意喪失。共感という名の同調により、肩を抱き合って泣きだす有様。
しかし、すっくと立ち上がる喜一の目に、復活の光が見える。
「なのでモテ要素を外部に見出すのは良い選択かもしれません! 私も始めてみようかな、マリンスポーツなど!」
そこで甲高い老人の声が聞こえた。
「なんちゅううっとうしい奴らじゃ」
喜一がポーリーンを振り返るが、彼女は首を横に振る。
すかさずアイリーンが示した先に、アヴァタール級『悪魔老師アガレス』が!
超成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【水源】LV1が発生!
【活性治癒】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!
一騎塚・喜一
むう……うっとうしいヒゲの人にうっとうしい奴なんて言われたくないんですがー!
相手も言葉を巧みに使うようですし、取り敢えず言い返しておきましょう
さて、見るからに妖術を使いそうな雰囲気ですし
一緒に居る鰐も絶対に強いでしょう
ならばとっておきの技をぶち当てる作戦でまいります
可愛らしい見た目からは想像もつかない邪悪そのものな演説…
たとえ精神力の強いディアボロスであってもダメージは免れないでしょう
…しかし軽減することは可能かもしれません
もしも対象が気品に満ち溢れたリア充ディアボロスであれば大ダメージになるでしょう
その点私は!嫉妬の炎で戦うような低俗で卑劣なディアボロス!
破壊される尊厳も気品も無きに等しいのです!がはは!
…泣いてない、泣いてないですよ!
それに、ここには誰もおりませんし一般人の皆様の心配もせずに済むでしょう
もう、さっきからごちゃごちゃうっさいんですよ。このハゲ!
パラドクスと共に言葉の一刀両断も添えて放つは、一閃【月】
刃も言葉も鋭くあれ、です
※良い子は真似しないで下さいね
ポーリーン・フォレット
あれが悪魔老師アガレスね!
名前からしてエゼキエルの勢力かしらね?
油断ならない相手のようですし、気を引き締めていきましょ
あらあら、地震で攻撃してくるなんて
ますます城壁が壊れちゃいそうだけどいいのかしら?
しかも宙に浮いているアイリーンにまで衝撃が届いているみたいね
怖いパラドクスだわ
アイリーンと支え合いながら地震に備えるわね
瓦礫に当たっても然程ダメージは無いでしょうけど
周囲に崩れそうな壁なんかがあったら念の為離れておくわね
アイリーン大丈夫?もうひと踏ん張りよ、一緒に頑張りましょう!
おいたの過ぎるおじいちゃんにお灸を据えないとね!
さっきまでの自分を棚に上げてる気がしないでもないのだけど
ま、細かいことはいいじゃない♪
それじゃあ、ちょーっと大人しくして貰おうかしら♪……神聖光輝陣!
まばゆいガーデニングアーチ風の結界に閉じ込めちゃうわね
うふふ、とっても輝いてるわね~
でも新宿島のアイドル達には敵わないかも!
まあお年寄りアイドルもアリだと思うのよね
モテは老若男女関係なし、だったかしら?一理あるかもですし!
大勢いた一向一揆宗も、身も心もズタボロに敗北していなくなった。
悪魔老師アガレスはただ一人、ディアボロスの前へと進む。
燃えるような巨大な鰐がのっしのっしと歩き始めると、胡座をかいたひげもじゃの老人がその振動に揺られて体を揺する。ただ体軸はしっかりしており、肉体の中で踊る骨と筋肉は、無駄のなく力を外に逃がしていた。
容姿からとぼけたじじいに見えるが、ポーリーン・フォレット(エルフのおばあちゃん・g06164)はいち早くそれを見抜いた。
「油断ならない相手のようね」
前の戦いで嫉妬パワーが満ち満ちている一騎塚・喜一(一騎刀閃・g04498)は、アガレスを睨みつけたまま口を開く。
「うっとうしいヒゲの人に、うっとうしい奴なんて言われたくないんですがー!」
小学生か。
敵も言葉を巧みに使うようだと判断した後、取り敢えず言い返しておこう的な企みだ。
「やりおるわ」
利いている。
今の一撃(?)でアガレスもこちらの力量を把握したのだろう、反撃をしてきた。
「サーフィンはやばいぞ」
「え?」
ポーリーンと喜一は不意を突かれた。
「そこのご婦人、マリンスポーツなんて若人に勧めるもんじゃない」
「あらどうして?」
「ワシの乗ってるこの鰐、これはサーフィンじゃ」
「何ぃぃ!?」
嫉妬でモテ耐性の弱った喜一が引っ掛かる。
「乗りこなすまで調教せなならん。因幡の白兎もモテようとした挙げ句あのザマじゃ、いいことなんぞない」
「全然カッコよくないじゃないかああ
……!!」
ちょっとマリンスポーツもいいかなと思っていた喜一は嘆き崩れたが、ポーリーンがそれを支える。
「喜一くんしっかり、あいつの演説を本気にしちゃダメよ」
「ハッ……!」
危なかった。喜一は眼鏡を整え、身構える。
「邪悪そのものな演説……! 見るからにかっこいいマリンスポーツをサゲようだなんて、太い野郎です!」
「誰かがこんな話を聞いて、未来に影響があったりしたら大変だったわ」
「あああ! そうですよ! ここには誰もおりませんし、一般人の皆様はみんな避難してしまいましたからね、やーいやーい、ざまあないのです!」
ディアボロスに悪い流言飛語は利かぬようだと分かり、アガレスが歯ぎしりをした。
「ぬうっ! では実力行使でいかせてもらおう! お主らを倒した後、かわいいお年寄りを痛めつける悪漢として吹聴してやるわ」
「まあっ、悪い子ね!」
ポーリーンが憤ったところを制し、喜一がスッと前へ出る。
「やるがよいのです! あることないこと、できるものなら!」
「困るぞ! 貴様らの仲間もな!」
「ハッハーン! 私は! 嫉妬の炎で戦うような低俗で卑劣なディアボロス! 破壊される尊厳も気品も無きに等しいのです! がはは!」
「自分で言うか、このやけのやんぱちめ!」
「もう、さっきからごちゃごちゃうっさいんですよ! このハゲ!」
ズバッ!!
「うおお!?」
いきなり太刀を構えて切りかかる喜一の攻撃を食らい、かわいい年寄りは鰐から転がり落ちる。
「不意打ちとは卑怯じゃぞ!! 後世に伝えてやる!! みなさーん! こいつはハゲと他人をののしりましたー!」
悪魔老師アガレスの破滅に導く演説が周囲に響き渡るが、誰もいない上に、今の喜一に効果はない。
「フフーン」
「キーッ!」
小学生並みの戦いが繰り広げられているのを眺めながら、ポーリーンとアイリーンはお茶を飲んで座っていた。
「そろそろ収拾した方がいいかしら」
アイリーンが肩をすくめながら立ち上がると、その手を取ってポーリーンが背を伸ばす。
「アイリーン大丈夫? お腹空いてない?」
コクコクと頷く金髪の向こう、グーパンチでポカポカやってる二人が視界に入る。
「もー、おいたの過ぎるおじいちゃんね」
のんびり立ち上がる彼女が足に力を込めた。
「はー、どっこいしょ」
そのいかにもお年寄りな掛け声が終わった瞬間、地に白い閃光が走り、周囲が純白へと照らされる。
次に視界がひらけると、そこに花咲き乱れるガーデニングアーチが現れ、結界となった内部でアガレスと鰐は神聖によって浄化された。当然、敵は喜一をその場に残し、大きな口を開けて外へ転がり出るわけだが。
「あちゃちゃちゃ……なにをするこのバ様は!!」
「やんちゃが過ぎるお年寄りには、お灸を据えないとと思って」
「アンタが言うな!」
ポーリーンは思い出したように振り返る。
「ねえ、喜一くん、アイドルとかどうかしら? 新宿島のアイドル達はキラキラして素敵よ~?」
「モテの結晶ですね! いやー、でも夢のまた夢……」
アガレスは鼻で笑う。
「お主がなれるわけないじゃろう」
「くっ……悔しいが言い返せない……!」
「お年寄りアイドルは斬新よね」
ん?
喜一とアガレスの目が『・』になる。
「モテは老若男女関係なし、だったかしら? 一理あるかも!」
ポーリーンがはしゃいでいると、アイリーンが大喜びして手を叩く。
確かに、一部のニッチ層に需要アリ。
「ぬおおおお、断じて許さーん!!」
アガレスの地雷を踏んだらしい。鰐に飛び乗ると地団駄を踏んだ。
「ニッチ層では数が少なすぎて、悪しき演説の効果が薄いではないか!」
「いいじゃな~い! それに、演説なんてさせませんからね」
「だめだめ!」
崩壊地震が周囲の壁や地面を崩していくが、その衝撃波をアイリーンが受け止めた。
ゼエゼエと肩で息をしているアガレスを見る限り、もう少しというところ。
「しぶといおじいちゃんね」
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【一刀両断】LV1が発生!
【クリーニング】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
【ドレイン】LV1が発生!
六藤・鈴鹿
さて、そろそろ一押しな所みたいだ
なら、切り込んでいくか!
パラドクスを起動
――鍛え上げられた剣技によって繰り出される城の城壁も魔法の守りも関係なく全てを切り裂く一閃を
そこから余波で発生する強烈な突風で周囲を薙ぎ払っていく
能力値アップに命中アップとダメージアップで威力と精度を上げ、反撃アップで相手の攻撃に対して痛烈な反撃として直撃すれば内部を破壊し、回避しても強烈な衝撃波を発する後ろ回し蹴りをアークデーモンに繰り出していく
並大抵の防御など意味をなさず敵を蹂躙する……そういうパラドクスはこちらも所持しているんだ
再び一閃を放ち、余波で薙ぎ払った後再び後ろ回し蹴りを
ロストエナジーで相手を削らせ、着実に連続攻撃を叩き込む
ここで小田原城を破壊すれば、後は東北と日光東照宮、房総半島南部のヘルヴィム直属軍だけが懸念事項になるんだ
その為にも……アークデーモン、貴様は特く消えよ
トドメの後ろ回し蹴りを頭部に食らわせ、アークデーモンを粉砕する
「よいか、そもそもな……」
アガレスが演説とは名ばかりの説教に入ろうかという時、天から彗星の如き深紅の雷光が彼らの横に落ちた。
大気が振動を伝え、混乱で騒がしい場内の奥深くへとその落雷の音は響き渡る。
焼けた大地の中心、煙を上げて立ち上がったのは、六藤・鈴鹿(第六天魔王・天女自在天ノ型・g08449)だ。
思わずあっけにとられたアガレスをはじめ、ポーリーンとアイリーン、喜一は大きく口を開けて彼を見つめる。
鈴鹿は彼らを見て一言。
「そろそろ一押しだな! なら、切り込んでいくか!」
「エッ」
アガレスが身構える前、鈴鹿は抜刀し、前触れもなく切りかかってきた。
「でやああ!!」
「ぬあああ!?」
鈴鹿のパラドクス発動。
無駄のない形から手首を返すと、光すら音を立てたように輝き、横一筋に空が割れた。
その余波で突風が巻き起こり、髪や布が引き寄せられ、周囲が薙ぎ払われていく。
「いきなり何すんじゃこの娘っこは
……!!」
その一言に眉を上げ、『彼』は膝の後ろにアガレスの首根っこを挟み込んで締め上げた。
「ぶおおお……ぐるじぃ……」
逃れようともがくアガレスであったが、鈴鹿はそのまま力を逃すように後ろ回し蹴りを喰らわす。
バウンドした爺が鰐に激突して、高く跳ね上がるのを目で追っていたポーリンとアイリーンと喜一は、落ちて地に突き刺さるアガレスの最期に幾度か瞬く。
「おおー」
パチパチと拍手をしている向こう、美しき少年は刀を肩に担いで笑った。
「貴様は特く消えよ!!」
キメポーズが輝いて見え、人はそれをこう表現する。
「カッコイイ……!」
「いいわねえ~」
やんややんやとしたまま、今回の任務も終了!
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【一刀両断】がLV2になった!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!