リプレイ
イシュア・アルミゴス
はるばるアメリカからエイリアン、いや怪人だっけ?
よくもまあ他のディビジョンをフォンフォン飛び回って。
冥海機の連中負けそうだからって身でも売った?
買い叩かれちゃフローラリアみたいになんのに全く。
さて基本は水中適応で海中から様子を伺っていこうか。
怪人連中って海走れるだ。へー…速くない?まあいいや。
それじゃあ行こうかはるばる函館へ。新選組と言えばだからね。
海中から完全視界を利用して視界を確保。海上を警戒し
すぐに発見出来るよう立ち回ろう。時折浮上し双眼鏡でレンズの反射に
注意しつつ周囲を警戒。パラドクス通信ですぐさま連携出来るよう
連絡を取り合おう
あっちこっちのディビジョンに現れるくせして…
どこに行きたいか知らないけどなんで直接行かないんだろ。
あの円盤でもなんか制約があるのかねぇ。
月鏡・サヨコ
ヤ・ウマトが暗黒世界蝦夷共和国に働きかけようとしていることは、予想の範疇だった
そこにワイズガイが居るのは想定外の事象だ
そう言えば、以前エンタープライズがヤ・ウマトとコーサノストラとの関わりに言及していた
双方の繋がりは既に混成部隊が組まれるに至っていたか
今回は「函館」方面の偵察を提案する
史実における蝦夷共和国の中枢たる都市は、ディヴィジョンにおいても大きな意味を持つはず
高位のジェネラル級や断片の王と外交を目論むなら、避けては通れない土地と見た
【水中適応】状態で潜行し【完全視界】で鮮明な視野を保つ
離れた場所を見たい時は短時間浮上して双眼鏡を使うけれど、レンズの反射を見られないように要注意
海中での隠密移動を基本として行動する
冥海機やワイズガイの技術で開発された罠や探知機が海中に仕掛けられていないか注意し、不審なものがあれば仲間と適宜【パラドクス通信】で共有
迂闊に深入りしすぎないように注意しつつ、敵の姿や航跡や駆動音に注意して追跡を行おう
奇妙な取り合わせ、謎めいた意図……戦って真意を探るとしよう
アルラトゥ・クリム
『ワイズガイ』ね…私はまだ遭った事無いんだけど、
確かマフィアの隠語で『構成員』だっけ。
あっちじゃマフィアがクロノヴェーダなのかな?
与太はさて置き
水中適応があれば利用させて貰い、無ければ寒中潜水用の潜水服を用意して
白波やレンズの反射に留意しつつ、あれば完全視界を借用し
海中から潜望鏡を使って海面付近の海上・海中双方の偵察を行う
時折海中も観察し、機雷やソナーブイといった海中用の罠や探査機等の存在を警戒しておく
敵発見時など報告時の情報の正確性を確保する為にも
周辺の海図と方位磁石、可能なら太陽や星などで天測を行い
自身の現在位置を見失わぬ様に留意
自分達の探索範囲は『函館』此方に選択権があるなら津軽海峡など
身を隠し易そうな地形のあるルートを取る
パラドクス通信を使って偵察組の人達と連絡を取り合い
偵察箇所が被らぬ様留意して、なるべく広範囲を効率よく調査し
敵影や罠などの存在を発見したら、情報を全員で共有し奇襲の一助とする
はてさて。開けてビックリ玉手箱の中には、何が入っているのやら?っと。
アドリブ絡み連携歓迎
乾・玄辰
蝦夷共和共和国と海外の接触……歴史は繰り返すとは蓋し名言だ。
確か人類史のコーサノストラは港湾の利権を握っていたな。
ヤ・ウマトにしろ蝦夷に新拠点でも構えるつもりか。
クロノヴェーダの租界など作られたら堪ったものではないね。
警戒海域は函館湾周辺に絞る。
天然の良港且つ、下田と共に日米和親条約でいち早く開港した函館。
幻の蝦夷共和国首都となった土地は外せまい。
両勢力の支配地域を鑑みるに、津軽海峡から函館湾に入港が順当のルートかな。
拝借した【水中適応】で海面下に潜り、函館山の南端辺りから函館湾まで沿岸沿いに警戒。
配布された【パラドクス通信】で適宜連絡を交わし、
付近の仲間との通信圏内を維持しながら海上と海中を【完全視界】で索敵。
敵の手の内が知れぬ以上、海中も海上も些細な違和感を見逃さぬよう神経を集中する。
それにしても、冥海機と等速で水上移動とは……如何なる技術を用いているのやら。
敵群を発見した際は、ワイズガイの外観と装備等の特徴を観察したい。
連中の来航は果たしてこの世界における黒船となり得るのだろうか。
「ヤ・ウマトが暗黒世界蝦夷共和国に働きかけようとしていることは、予想の範疇だった、が……」
しんじゅく改級潜水輸送艦『みなと』艦内。月鏡・サヨコ(水面に揺らぐ月影・g09883)は眉を寄せながら、その思案を口にする。
「そこにワイズガイが居るのは想定外の事象だ」
「私はまだ遭った事無いんだけど、確かマフィアの隠語で『構成員』だっけ?」
アルラトゥ・クリム(現代の魔法使い・g05088)も首を傾げつつ、自分の知識を口にする。
ワイズガイが――コーサノストラがディアボロスの前に姿を現したのは、幻想竜域キングアーサー奪還戦だ。それからもう1年。いよいよ再び、その一端に触れる事になる。
「あっちじゃマフィアがクロノヴェーダなのかな? なんて与太はさておき……与太なのかな?」
今はそれすらも、まだ分からない。手元にある情報はあまりに少なく、新たな情報を得る機会は貴重だ。もちろん、そこにはリスクを伴い得るが――。
「蝦夷共和国と海外の接触……歴史は繰り返すとは蓋し名言だ。確か人類史のコーサノストラは港湾の利権を握っていたな」
乾・玄辰(最後の魔法使い・g01261)は最終人類史の歴史を思い出しながら、彼らの行動を考察する。クロノヴェーダは、元にした歴史に沿った行動を取る者も多い――そうでない者も多いが。
「ヤ・ウマトにしろ、蝦夷に新拠点でも構えるつもりか。クロノヴェーダの租界など作られたら堪ったものではないね」
「はるばるアメリカからエイリアン、いや怪人だっけ? よくもまあ他のディヴィジョンをフォンフォン飛び回って」
イシュア・アルミゴス(守護星蟲・g00954)は不機嫌そうに吐き捨て、ため息を零す。……はるばる新宿駅からパラドクストレインで世界中のディヴィジョンを飛び回るディアボロスの事は、気づいているのかいないのか、棚上げである。
「冥海機の連中、負けそうだからって身でも売った? 買い叩かれちゃフローラリアみたいになんのに、全く」
「あちらにしてみれば、滅びるよりはマシだろう。……思えばエンタープライズも、コーサノストラに言及していたな」
『状況が変わった』。サヨコは、グアム沖で戦ったジェネラル級冥海機の言葉を思い出す。冥海機とワイズガイの共闘、そして暗黒世界蝦夷共和国への接触果たしてそれは何を意味し、何を齎そうとしているのか……。
今回ワイズガイの動向を探る他の仲間達と分担し、主要港の警戒に当たるディアボロス。この依頼で目的地と定めたのは、函館近辺である。
「天然の良港且つ、下田と共に日米和親条約でいち早く開港した函館。幻の蝦夷共和国首都となった土地は外せまい」
「そうだな。高位のジェネラル級や断片の王と外交を目論むなら、避けては通れない土地と見た」
コーサノストラ同様に暗黒世界蝦夷共和国にも謎が多いが、歴史上の主要都市に重要拠点を構えるのはクロノヴェーダの基本戦略である。ワイズガイがどこまで把握し、意識しているかは不明だが、警戒するならこの周辺は外せまい。
「新選組と言えば、だからね。さて、それじゃあ行こうか」
イシュアが【水中適応】を発動させると、みなとから離れて行動を開始するディアボロス達。サヨコの【完全視界】によって、海中の視界の悪さも大きく緩和される。
「両勢力の支配地域を鑑みるに、津軽海峡から函館湾に入港が順当のルートかな」
「此方に選択権があるなら、私も同じ経路を取るよ。海峡は身を隠しやすい地形も多いだろうからね」
玄辰やアルラトゥのそんな意見もあり、そちらに重点を置いて観察する。もちろんここは冥海機ヤ・ウマトであり、蝦夷の陸地は全く見えないが、予知は『冥海機が蝦夷共和国と接触しようとしている』と言う物である。
ならば、蝦夷方面から来ると言う可能性は、除外して良いだろう。ディヴィジョンの境界線を意識しながら、移動を続けるディアボロス達。
「本命はこの辺りの海域かな……」
防水加工の海図と方位磁石を手に、現在位置を把握するアルラトゥ。海図はもちろん最終人類史のものではあるが、おそらく蝦夷の形は2021年の北海道とそう変わるものではなく、参考にんはなるだろう。
ひとまず哨戒ポイントを定めると、早速警戒を開始する。【パラドクス通信】によって通信機を召喚しつつ、離れすぎない程度に手分けして、周囲を確認して。
『機雷やソナーブイとか……探査機なんかもあるかもしれないからね。注意しよう』
『海戦に長けた冥海機は無論、ワイズガイも科学力に優れた勢力のようだ。警戒は怠らない方が良いだろうな』
サヨコもその通信に答えながら、しばし周囲を探索する。幸いにしてと言って良いのかどうか、そのような機械は発見される事はない。その後も哨戒を続けるが、今のところ、冥海機の接近は察知出来ない。
『うーん……そろそろ海上に出てみるよー』
『ああ。レンズの反射には気をつけてくれ』
サヨコの言葉には大丈夫、分かってると返しつつ、言葉通りに海上に頭を出すイシュア。いくら【完全視界】があるとはいえ、やはり海上の方が視界は良い。
もちろんそれは、相手からもこちらが見つけやすい、と言う事ではあるので、多用は出来ないが。細心の注意を払いつつ、周囲をぐるりと見回していく。
『……うん、今の所は敵影なしかな』
『海中も同じく、だな』
そうしてイシュアが海上に注意を払っている間は、他のディアボロスが海中を警戒する。通信に返しながらも、些細な違和感も見逃すまいと目を凝らし、じっと異変を探る玄辰。
『函館に近づくとすれば、函館山の南端から函館湾の湾岸辺り……陸地が見えないとやりにくいね』
『大きく離れてはいないはず。水質が変わったら蝦夷の領域に逸れてるから注意しよう』
アルラトゥの助言に礼を返しつつ、海中に吐息をこぼす。周囲に何もなく変化の薄く海を神経を凝らして見続けるのは、それなりに精神を疲労するものだ。
とはいえそれで気を抜いて、敵を見逃す訳にもいかない。ディアボロスにとって、焦れる時間が続いていく。
『――来た』
それが、どれほど続いたか。流石にそろそろ焦れて来た頃に、海上に出ていたサヨコの言葉が通信に乗る。
他のディアボロス達も緊張を高めながら、すぐさまそちらへと移動・合流して。海上に上がりながら、あちらから見つからないように波間に隠れ、懸命にその目を凝らしていく。
肉眼だとまだ距離は遠く、注意していなければ見失ってしまいそうだ。だが、確かに海とも波とも違う何かが、こちらに近づいてきている。
肌色を中心とした一団は、トループス級冥海機『融甲泳女』だろう。ならばその奥に控える、派手な風貌の人型は。
「ここからだとまだよくは見えないが……予知通りの姿だな。如何なる技術を用いているのやら」
「へー……速くない? まあ良いけどさ」
少しでもその様子を確かめようと、懸命に目を凝らす玄辰。ともあれ見える限りは、何か乗り物に乗っていると言う事はなさそうだ。
海上移動の能力は、クロノヴェーダとしてのワイズガイに元々備わっているものなのだろうか。もちろん何らかの外付け能力の可能性も、現状では否定できないが。
徐々に距離が近づくが、その軌道はこちらから少し逸れている。まだ見つかっていないと見て良いだろう。その風貌が、よりはっきりと見えてくる。
「やっぱり怪人、って感じだよねぇ。まー、お洒落しちゃって」
「今回のトループス級冥海機がシンプルな水着だから、目立つよね……まあ格好の事は私達も似たようなものだけど」
イシュアの憎まれ口にそう応じつつ、姿を観察するアルラトゥ。ワイズガイ、『ジェントルマサカー』。ディアボロスが確認した限りでは、代表的なアヴァタール級ワイズガイである。
その名の通り紳士のような風貌だが、同時に『虐殺者』との通り、手には重々しい斧。
「その格好はともかく、奇妙な取り合わせであるのは確かだな」
それに視線をじっと向けながら、呟きを零すサヨコ。ワイズガイと冥海機の協調行動。それは、ディアボロスの今までの情報には無いものだ。
「加えて、謎めいた意図……戦って真意を探るとしよう」
「そうだねぇ。話を聞くにしても、冥海機は邪魔だし」
サヨコの言葉にイシュアが頷き、戦闘準備を取るディアボロス達。距離も大分詰まって来た。これ以上近づかれると、流石に発見されるリスクが高くなるだろう。だが今ならばまだ、奇襲をかける事が出来る。
ただし逆説連鎖戦においては、攻撃に対する反撃は必然の権利。初撃は不意を突く事で優位になるだろうが、それ以降は確実に発見されるはずだ。
最初の奇襲でどれだけの戦果を上げられるかが、重要となるだろう。
「はてさて。開けてビックリ玉手箱の中には、何が入っているのやら? っと」
「連中の来航は、果たしてこの世界における黒船となり得るのか……興味は尽きないが」
アルラトゥや玄辰が興味をそんな興味を口にしつつ、パラドクスの発動準備を整える。
2人の告げるように、この戦いは一体、何をもたらすのか――。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【水中適応】LV1が発生!
【完全視界】LV2が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
【フィニッシュ】LV1が発生!
【ダブル】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
月鏡・サヨコ
米国で「コーサノストラ」と称される暴力団が勢力を誇った時代は、ヤ・ウマトの時代から十数年前
だけど装備を見比べると、むしろワイズガイの方が技術的には優越しているように感じる
……とはいえ、冥海機も普段通り油断ならない相手。手を緩めず殲滅しよう
【水中適応】で潜水した状態からの奇襲攻撃で戦端を開く
敵が他部隊や上官との連絡手段を持つ可能性を警戒し、【通信障害】も用意
≪電磁投擲鞘『銀鉤』≫から給電された≪対艦軍刀『銀鉤』≫を抜刀
軍刀より放電し、その刀身を軸として伸びた長大な稲妻の刃を用いて『プラズマスラッシュ』を放つ
大きく横薙ぎに振るう斬撃で多数の敵を一気に巻き込み、纏めて破壊しよう
海軍軍人が得体の知れないやくざ者と懇ろにしているとは、感心しないな……
敵の反撃は……どうにも相手しづらい曖昧な力だな
ひとまず頭部などの急所に当たらないように、放出された力を軍刀の刀身で受け止めたり、≪海戦装用増設防盾≫で防ごう
捌いた後は再び『プラズマスラッシュ』を放ち、残敵を駆逐する
残るはワイズガイのみ……どう出たものか
イシュア・アルミゴス
ER作戦とやらの為だとしてもワイズガイが率いているってのがねえ。
ハワイの方にはトループスが居るみたいだけどこっちにアヴァタールってなると…ふーん
んじゃま気になるとこだしちゃちゃっと話し合いの場を設けちゃおうか。
海中から槍を構えて狙いを定めて…それじゃあトループスの諸君。
こんなところで現地ガイドのバイトお疲れ様。早期退職させてあげるよ。
水中適応で海中からパラドクス発動。槍を振るって雷球を生成。それじゃあ楽しんでくれ。
一息に雷球を突き勢いよく射出。どうせ不意打ちだ、敵陣目掛けて一直線に炸裂させて
ド派手な花火といこう
敵の突撃に対してはアヌビスの守護で守りを固めて受け止めるか槍ので敵の軌道を
反らしたりしながら被害を減らしていこう。
さて、そちらのお客さん。今日は円盤じゃないんだね?ちょっと世間話でもしていくかい?
乾・玄辰
いざ海原を疾走するワイズガイの異相を拝むと、
冥海機の方が常識の範疇の存在に思えてしまうな。
ともあれ、海面下で先手を譲って貰えるのだ。
ここは一つ、海の狩人にお越し願おう。
【水中適応】で海中に潜んだまま"抜錨・征途溟海"を発動。
仄暗い海底から幻影の潜水艦隊を浮上させる。
間近の一隻の艦首に立ち【完全視界】で標的を捕捉して各艦に発令。
永らく待たせたね、伊号潜水艦諸君――さあ、狩りの時間だ。
深海で磨き上げた顎を奴らに突き立ててやれ。
各艦、魚雷戦用意。一番から四番、魚雷発射管開け……撃て!!
先制雷撃の一斉射で敵群を混乱させれば、仲間も仕掛けやすいだろう。
以降は各艦の判断で雷撃を続行、味方と共同で残敵を駆逐する。
ふむ。相手も似た様な業を用いるらしい。
しかし、太平洋の荒波で鍛えられた海の猛者達に練度で勝てるかい?
実体のある艦では不可能な急速潜航と浮上を駆使して相手の攻撃を躱し、
反撃の魚雷をお見舞いしてやる。
お次は文字通り、悪の手先とのご対面か。
我らの手並みをあの奇怪な面の奥で如何に見て取ったのだろうね。
アルラトゥ・クリム
見た目は海水浴中のお姉さんだけどね。
妖怪みたいな物だと思えば、そう理不尽でも無いのかなあ。
初手は水中適応を用いて海中から奇襲させて貰う
完全視界も活用して敵を観察し、なるべく効果的な一撃を叩き込める相手を選んで攻撃
幸い魔力弾なら海中からでも、有利も不利も無いからね
パラドクスを起動して精神集中し、敵を確と観察して情報収集を行い
その行動の『起こり』や癖、砲塔の種類や方向・角度等を看破
XMA宜しき体捌きや殺陣が如き位置取りで、敵の照準を定め難く立ち回りつつ
収集し解析した情報を元に、銃形態ブレードガンから魔力弾を撃ち放ち
梵我一如の理の一端を示すが如き精確な照準とタイミング(自称)で
弱った敵から確実に撃ち貫き、その数を確実且つ的確に減らしていく
反撃は収集し解析した情報を元に体捌きにて回避を試みつつ
被弾しそうな敵弾はブレードガンの魔力弾で迎撃
必要ならブレードガンを剣形態に変えて斬り払い
防ぎきれぬ敵弾は防具を差し込み受け流してダメージを抑える
後は仮称マフィアかな。空想科学って呼称はそそるんだけどね。
「いざ海原を疾走するワイズガイの異相を拝むと、冥海機の方が常識の範疇の存在に思えてしまうな」
海上を冥海機と等速で移動する、ジェントルマサカー。その姿を見て乾・玄辰(最後の魔法使い・g01261)は、そんな呟きを零す。
「米国で『コーサノストラ』と称される暴力団が勢力を誇った時代は、ヤ・ウマトの時代から十数年前のはずだが」
相手の風貌をじっと見つめた月鏡・サヨコ(水面に揺らぐ月影・g09883)は、その科学技術の発展性に疑問を抱く。キングアーサー奪還戦の時の話では、『お客様』から提供された技術をワイズガイの賢人が活用していると言う事だが。
「ER作戦とやらの為だとしても、ワイズガイが率いているってのがねえ」
イシュア・アルミゴス(守護星蟲・g00954)も考え込むように、その眉根を寄せる。別の方面でもワイズガイの活動が予知された、と言う話もあるが。
「ともあれまずは冥海機を排除しないとね。……見た目は海水浴中のお姉さんだけど、妖怪みたいなものと思えば、かなあ」
「そうだね、ちゃちゃっと話し合いの場を設けちゃおうか」
そんなディアボロス達の思案を、アルラトゥ・クリム(現代の魔法使い・g05088)の言葉が打ち切った。話を聞くにしてもまずは、トループス級を排除してからだ。イシュアもそれに同意すると、戦闘――いや、奇襲の準備を整える。
「あちらも普段通り油断ならない相手。手を緩めず殲滅しよう」
海中にその身を潜め、出来る限りの距離を接近していくディアボロス達。奇襲である以上は、初撃が最も重要……鞘に収めたままの刀の柄を握るサヨコの手にも、力が籠もる。
「せっかく海面下で先手を譲って貰えるのだ。ここは一つ、海の狩人にお越し願おう」
そんな中まず戦端を開くのは、玄辰だ。色褪せた決戦旗を掲げてパラドクスを発動すると、海中に喚び醒まされるは幻影の潜水艦隊。
「永らく待たせたね、伊号潜水艦諸君――さあ、狩りの時間だ。深海で磨き上げた顎を奴らに突き立ててやれ」
仄暗い水底から浮上するそれの、一隻の艦首へと降り立つ。【完全視界】で見据える先は、海上の標的。
まだこちらには、気づいていない彼女達へと、決戦旗の先を真っ直ぐに向けて。
「各艦、魚雷戦用意。一番から四番、魚雷発射管開け……撃て!!」
その号令と共に、艦隊から発射される多数の魚雷。それらは敵軍の先頭を切る3体の融甲泳女へと殺到し……着弾と共に、大爆発を起こす。
「ぐぁっ、何だっ
……!?」
「攻撃だと、どこからだっ
……!?」
撃破にこそ至らぬ物の、突然の攻撃に狼狽する泳女達。十分な成果を上げた攻撃は、逆説連鎖戦においても相手に反撃を許さない。とはいえ相手も、全く油断していた訳ではない。すぐに体勢を立て直すと、こちらを補足せんとする。
そしてまたこちらも当然、ぼうっとその雷撃を見ていた訳ではない。魚雷の爆発に乗じて、他のディアボロス達もすでに間合いを詰めている。
「こんなところで現地ガイドのバイトお疲れ様。早期退職させてあげるよ」
言って槍を大きく振るい、無数の雷球を生成するのはイシュア。その雷球の一つを槍で突けば、別の雷球と激突し、さながらビリヤードのように弾けて飛び散る。
「ド派手な花火だ。楽しんでくれよ!」
「がああっ
……!?」
そしてそれらの雷球は全て、一直線に泳女へと飛んだ。輝きが海の中を鋭く切り裂いて、4体の泳女に炸裂する。そのうち魚雷を受けていた個体は、反撃も出来ないままに雷球に灼かれて消し飛んだ。
そうでない個体も、痺れて身体が動かないようだ。そんな様子を見据えながら接近するサヨコは、その鞘から軍刀を奔らせて。
「――斬る!!」
「っ、あああっ
……!!」
泳女達が斬られた事に気づいたのは、すでに刀が振るわれ終えた後だ。鞘の電磁誘導によって加速し、大きく横薙ぎに振るわれた抜刀術の斬撃が、4体の泳女を斬り捨て、魚雷や雷球のダメージと合わせて爆散させる。
「海軍軍人が得体の知れないやくざ者と懇ろにしているとは、感心しないな……」
「っ、ディアボロス……!」
機能を停止して水底へと沈んでいく泳女とすれ違い、接近しながら声をかけるサヨコ。その冷静な視線に反発した泳女は、こちらを強く睨みつけ――。
「――っ」
「……まず一体」
そのうちの一体が魔力弾にこめかみを撃ち抜かれ、断末魔の声すら上げぬままに沈んでいく。撃ち込んだのは、アルラトゥだ。
心を鎮めて周囲と自身を同化させる事で、周囲の情報の流れを全て掌握するパラドクス。それによってブレードガンから放たれた魔力弾は、最も効果を発揮するタイミング――すなわち、泳女の意識が他のディアボロスに集中したその瞬間を逃さずに、的確に相手を撃ち抜いた。
標的が一体に絞られている分、他のパラドクスより威力も高い。無傷の泳女を、一撃で仕留めて見せた。
「さあ、次だね」
だが彼女はその戦果を誇る事なく、すぐに次の標的へと銃口を向ける。冷静に、的確に。思考を戦闘に最適化するように研ぎ澄ませていく。
一方で泳女達も、いつまでも動揺していてはくれない。ディアボロスへの迎撃体勢を取り始め、パラドクスによって幻影の駆逐艦を身に纏う。
「ディアボロスめ……冷たき水底へと沈むが良い!」
「ふむ。そちらも似た様な業を用いるのか……」
駆逐艦より放たれる対潜魚雷が、玄辰の潜水艦隊へと突き進んでくる。艦数の上ではこちらが有利だが、同じ一つのパラドクスである以上、当然その戦力にさしたる差はない。
むしろ一体の艦に力を集中している分、性能では艦隊を形成するこちらの上を行く。魚雷の雨霰に晒された潜水艦隊は、その陣容を崩されてしまう。
無論、艦上に立つ玄辰もまた、その爆風に晒される。冷たい海の中で焼け付くような熱を感じると、苦痛にその顔を歪め。
「くっ……しかし、太平洋の荒波で鍛えられた海の猛者達に、練度で勝てるかい?」
だが、そこからの復帰にこそ艦隊戦術の本領有りとばかり、潜水艦隊へと指示を出す玄辰。一度は大きく崩れた陣形が、急速に建て直されていく。
その動きは実態ある艦では不可能な、物理法則に縛られぬものだ。あっと言う間に建て直された戦列をもって、反撃の魚雷が幻影駆逐艦へと放たれる。
「ぐぅっ……おのれっ……まだだっ!!」
その着弾を受けた駆逐艦は大きく揺らぐも、その装甲によって耐える事で、体勢を保つ。放たれる対潜魚雷はさらに、アルラトゥへも降り注いで来て。
「流石にこれは、防ぎきれないか……」
その攻撃の苛烈さを分析して結論を出し、だがアルラトゥに動揺はない。梵我一如の理――己と言う情報すら、戦場における一要素と捉える事こそ、このパラドクスの真価。
自身が傷を受けるとしても、それはアルラトゥと言う戦力への損耗でしかない。無論、それを最低限に留める事こそが、勝利への道に繋がると認識し。
「魔力弾なら、海中でも水圧に阻まれる事はないね」
ブレードガンから放たれる魔力弾が、魚雷を――無数の魚雷のうち、自分への脅威になるものだけを撃ち落としていく。飛び散る破片や爆風まで計算に入れて迎撃しつつ、巧みな体捌きによって回避する。避けきれない物は流動装甲によって受け止め、ダメージを軽減する。
それでも全てを防ぎ切る事は出来ないが、そんな結論はすでに出している……苦痛はあれど動揺はない。反撃の動きに一切の淀みはなく、幻影艦の装甲――その傷を撃ち抜き、中の泳女を仕留めていく。
「次……」
「くっ、ディアボロスめっ……無為で沈んでなるものか!」
一方で別の泳女は、幻の艦ではなくその質量と水力のみを身に纏い、その海へと身を投じる。一見すればただの女性に見えるその姿のままに繰り出す、質量の暴力。
「っ、重っ……!」
それを手にした槍で受け流そうとするイシュアだが、見た目からは想像もつかない重さを反らしきれない。咄嗟に盾で身を守りながらも、大きく海中を後退する。
「女の人にあんまり重いとか言いたくないけど、流石にね……!」
「構うものか、我々は兵器だ……だが無礼と思うなら、沈んで詫びるがいい!」
さらに迫りくる超重量。まともに喰らえばぺしゃんこに潰されかねないそれに対して、イシュアはもう1度槍を向ける。今度は受け流そうとは思わない。代わりに大きく振るい、雷球を壁のように出現させて。
「それはお断り、かなっ……!」
「ぐぅっ!!」
放ったそれはぶつかり合い、弾き合いながら、様々な方向から泳女に殺到していく。傷つきながらも強引に突っ切ってくる泳女だが、その体当たりを余裕をもって盾で受け止めて。自分から大きく弾き飛ばされる事で、身体が受けるダメージを抑えていく。
「沈め、ディアボロス……護国の敵よ!」
「ちっ……どうにも相手しづらい力だな……!」
サヨコと対峙する泳女が放つのは、曖昧なる概念の火。パラドクスの力を、そのまま形を持たせぬままに、『相手を沈める力』として撃ち出して来る。
そんな攻撃は実体が掴みにくく、なんとも手を焼かされるサヨコ。それでもその力を斬り捨て、あるいは海戦装に増設した盾で身を守る事で、致命傷を避けていく。
「沈め、沈め……国のため、冥海機ヤ・ウマトのために、沈むがいい……!」
「国のため、か……」
優位と見た泳女は一気呵成に、その力をさらに降り注がせて来る。その全てを防ぎきれるものではなく、じわじわと削られていく体力。
だが、そんな状況にも、サヨコの表情に動揺はない。冷たい瞳から放たれる視線が、真っ直ぐに泳女を射抜く。その右手は再び、鞘に収められた軍刀の柄にかかっており。
「ならば――先に国を奪ったのはそちらだ。沈められても、文句は言うまいな」
「……がっ!!」
再び雷と共に抜き放たれた刃が、泳女を電光と共に斬り捨てた。機能を停止し水底へ沈んでいく泳女に一瞥だけ送り、次の泳女と対峙していく。
ディアボロスの奇襲を受けたにも関わらず、泳女は過度の動揺を見せる事なくこちらに挑んできた。その奮闘ぶりはディアボロスにとっても脅威であったと、認めざるを得ない所だろう。
だがそれでも、奇襲によって数を減らした相手は、ディアボロスの優位を覆すには至らない。戦いの趨勢は、開戦の時点で決まっていたと言っても良い。
「同志ではなくこんなやくざ者に従って沈むなど、不本意ではあろう。だが、選んだのは貴様達自身だ」
「くぅっ……ディアボロスめぇ……!」
斬り捨てながら告げたサヨコの言葉に、怒りと屈辱の表情を浮かべながら、また一体の泳女が沈んでいく。残り少ない泳女は固まってディアボロスに対抗しようとするが、そこに炸裂する魚雷の爆発。
「がぁっ……!」
「流石に動きが悪くなって来たね。けど、投降は認められないよ……する気もないだろうけれど」
放ったのは無論、玄辰の潜水艦隊。最後の一体を沈めるまで、攻撃の手を緩める事はない。イシュアもまた雷球を放ち、四方から追い打ちをかけていき。
「そろそろ退場してもらおうかなっ!」
「ディアボロスっ……くっ……ここで我らが沈もうとも、必ずや、同志達が……!」
憎悪を露わに、吼えるように叫ぶ、最後の一体の泳女。その急所にアルラトゥが静かに、銃口を向けて狙いを定め。
「……これで、最後」
「――!!」
それは狙い違わず、相手を撃ち抜いた。それを確認してパラドクスの集中と緊張を解き、沈んでいく相手とすれ違うように海上へと浮上していく。
そして首を振って海水を払うと、その視線を一点へと向けて。
「……っ、ふぅっ……ひとまずはここまで。……後は仮称マフィアかな」
「ワイズガイ、もしくはマサカーと呼んで欲しいですねぇ。いやぁ、見事なお手並みでしたよ」
視線を向けられたワイズガイ、ジェントルマサカーは、パンパンと拍手をしながらわざとらしい賞賛を口にする。本気でそう言っているのか、それともただの皮肉か。
「文字通りの悪の手先か。我らの手並みをあの奇怪な面の奥で如何に見て取ったのだろうね」
なんともわかりにくいその態度を、じっと見据える玄辰。元より人型以外のクロノヴェーダの表情は読み取りにくいが、それを抜きにしても、容易に艦上を読み取らせてくれるようには見えない。
「さて、そちらのお客さん。今日は円盤じゃないんだね? ちょっと世間話でもしていくかい?」
「いいですね、取引は大歓迎ですとも。何から話しましょうか」
イシュアに話を振られれば慇懃にそう告げ、両腕を広げてそれを受け入れるマサカー。どうにも信用ならないエセ紳士ぶりではあるが、今回の予知はワイルドカードの決定によって成されたもの。的確な質問を投げかければ、全くの嘘が返ってくると言う事はないはずだ。
とはいえ、相手はこのような交渉に長けた空気も感じさせる。術中に嵌まらぬよう、会話を拒否して戦うと言うのも選択肢の一つだろう。が、ほとんど未知のディヴィジョンについて知る機会を捨てると言うのも、如何にも惜しい。
「……どう出たものか」
マサカーのそんな様子をじっと見つめながら、呟きを零すサヨコ。
どのような行動を取るかは、ディアボロス次第だ。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【通信障害】LV1が発生!
【完全視界】がLV4になった!
【水面走行】LV1が発生!
効果2【グロリアス】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
月鏡・サヨコ
現状、コーサノストラ側に何の得があるのか判然としていないのは確かにそうだ
単純に復讐者を共通の敵に据えての大同団結なのかもしれないけれど、もう少し込み入った事情がありそうにも感じる
既存の情報から一歩進んで、内実を探るとするなら……
【通信障害】を使用し会話に応じる
あなた達は以前からヤ・ウマトに何らかの「要求」をしていたらしいな
冥海機のジェネラル級『エンタープライズ』は明らかにコーサノストラの求めを煙たがっていた
……純粋な助力の申し出でなければ、穏やかな交易の提案でもあるまい
恐らく、あなた達は冥海機との協力の見返りに「要求」に合意を得たのだろう
以前にアーサーから受け取ったドラゴンの『因子』と同様に、冥海機のそれが目当てか?
尤も、それを手に入れた所で何になるのかは疑問でしかないが
あなた達程の戦闘能力と円盤による移動能力があれば、攻勢に出て領土を奪えばいいものを、『因子』だけで満足するとはな
今のあなた達にドラゴンの力を活かしている様子もない
あの茶番劇に、果たしてどれだけの意味があったものやら……
乾・玄辰
取引ときたか。ならば礼儀に則り挨拶でも交わすかね。
三角帽子を脱ぎ一礼した後、訪ねてみよう。
……コーサ・ノストラの作法ならば致し方ないが、面を外して商談という訳にはいかないのかな?
それが素顔。或いは我々が素顔に驚愕せぬよう仮面を装着しているのならば、謹んでお詫びするよ。
いやなに。僕の知る北米の歴史にも、円盤に纏わる荒唐無稽の都市伝説が溢れていたものだから。
例えば秘密裏に人類にとって代わり支配を目論む異星人や、その操り人形といった具合にね。
なんて与太話はさておき、だ。我々も商いたい情報は多々あれど……
問い掛けてばかりというのも心苦しい。貴殿が特に買いたい情報はあるだろうか?
取引相手の求めるものを知らないことには、纏まる商談も纏まらないからね。
これぞと求める情報があれば、是非伺いたいものだ。
もし相手が欲する情報を口にしたら相槌を打ち黙して聞き、聞き終えた瞬間に拍手を打つ。
成る程。互いの理解が深まった様で実に喜ばしい。
では今日の会合を記念して――貴殿の名前に相応しい締め括りは如何かな。
(「取引、と来たか」)
ならば礼儀に則って挨拶をと、三角帽を取って一礼する乾・玄辰(最後の魔法使い・g01261)。
「ではよろしく頼むよ……コーサ・ノストラの作法ならば致し方ないが、面を外して商談という訳にはいかないのかな?」
「ふむ、ユーモアとしてはいまいちですね」
軽いジャブのつもりで放ったその言葉は、いまいちウケは悪かったようだが。人から外れたタイプのクロノヴェーダも多く見てきたディアボロスがワイズガイの容姿を揶揄するのは、会話としては少々無理が出る所ではある。
「いやなに。僕の知る北米の歴史にも、円盤に纏わる荒唐無稽の都市伝説が溢れていたものだからね。例えば秘密裏に人類にとって代わり支配を目論む異星人や、その操り人形といった具合にね」
「さて、注文ははっきりして欲しい所ですね。それが貴方の聞きたい事、と言うのなら、答えるに吝かではないですが?」
そんな皮肉から反応を読み取ろうにも、逆に首を傾げつつ諭される。クロノヴェーダとの会話において、論点が散漫となるのが良い結果を産む事は、まずない。
「いやいや、ただの与太話だよ。機嫌を損ねたのならすまないね」
「……まあ良いでしょう。それで、取引をなさる気はあるのですか?」
誤魔化すように両手を上げる玄辰に対して、やれやれと首を横に振るマサカー。これ以上機嫌を損ねれば、会話を打ち切られかねない。
そうなる前に、月鏡・サヨコ(水面に揺らぐ月影・g09883)が、【通信障害】を張り巡らせながら歩み出る。
「あなた達は以前からヤ・ウマトに何らかの『要求』をしていたらしいな?」
グアム沖、『USSエンタープライズ』との決戦。サヨコも参戦したあの戦場で、かのジェネラル級冥海機は、『コーサノストラの要求を一時は突っぱねた』と、そう口にした。
(「現状、コーサノストラ側に何の得があるのか判然としていないのは、確かにそうだ」)
復讐者を共通の敵に据えての大同団結。冥海機側はディヴィジョンへの軍勢の侵入を拒んだ。そんな単純な図式でも、一応の説明はつく。
だがサヨコには、それよりも複雑な事情があるようにも感じられる。
「……純粋な助力の申し出でなければ、穏やかな交易の提案でもあるまい」
「酷い言われようですね。まあ否定はしませんが」
マサカーは肩を竦めるが、その言葉には機嫌を損ねた様子はない。こちらが『取引』を持ちかけている限りは、その誠意にも嘘はないようだ。
「恐らく、あなた達は冥海機との協力の見返りに『要求』に合意を得たのだろう。……以前にアーサーから受け取ったドラゴンの『因子』と同様に、冥海機のそれが目当てか?」
「ほう! 面白い推測ですね」
その言葉を聞いたのは昨年、『幻想竜域キングアーサー奪還戦』直前の予兆。アーサー王はコーサノストラの円盤に対し、『目的は我らの因子か』と問うた。ならば今回もそれが目的であると言うのは、容易に想像出来る所だ。
「もっとも、それを手に入れた所で何になるのかは疑問でしかないがな。あなた達程の戦闘能力と円盤による移動能力があれば、攻勢に出て領土を奪えばいいものを」
現状、ワイズガイがドラゴンの『因子』とやらを活かしているようには見えない。あの茶番劇に何の意味が有ったのか、と鋭く視線を向けるサヨコ。
「少々買い被りもあると思いますが……さて。これからですよ、これから」
「これから?」
するとそんな言葉が返ってきて、怪訝そうにさらに問い返す。マサカーはシルクハットの鍔を弄りながら、楽しげな声音を滲ませて。
「ええ、見返りはこれから、です。それに滅びていないディヴィジョンから『因子』を得るなど、いくら、我々でも不可能ですよ」
(「因子は、滅びたディヴィジョンから得られるのか
……?」)
それは、初めての情報だ。マサカーの態度から見ても、嘘と言う事はないだろう。ならば滅びたディヴィジョンからどのように因子を得るのか、それをどのように利用するのか。
『これから』という言葉も気になる。果たしてその見返りとは因子の事なのか、別の物なのか。まだ得ていないと言うのはどういう理由か――疑問は尽きぬが、そこまでは喋る気はないようだ。
あるいは取引を重ねれば、それを話してくれる事もあるのだろうか。飄々とこちらを見つめるマサカーに対して、玄辰が再び呼びかける。
「我々も商いたい情報は多々あれど……問い掛けてばかりというのも心苦しい。貴殿が特に買いたい情報はあるだろうか?」
「ほう、そうですね? 正直に答えてくれるなら……幻想竜域キングアーサー奪還に動員したディアボロスは全戦力の何割だったかとか教えてくれると助かりますね」
そんな問いかけに対して軽く考え込んだマサカーは、人差し指をピン、と一本立てた。それから中指をもう一本、追加で立てる。
「それに加えて現在のディアボロスの戦力が、当時からどのくらい成長したか、などもサービスしてくれると嬉しいですが」
どうやらワイズガイは、ディアボロスの戦力に興味があるようだ。その事実に頷いた玄辰は――おもむろにパン、と拍手を打つ。
「成る程。互いの理解が深まった様で実に喜ばしい。では今日の会合を記念して――貴殿の名前に相応しい締め括りは如何かな」
「……こちらは誠実に、取引に応じたつもりでしたがね。どうやら相互理解と言う言葉に、見解の相違があるようです」
問うだけ問うて答えない、そんな玄辰の態度に、マサカーは不快さを隠そうともせず滲ませる。だがその態度こそが、彼がこの『取引』を本人の言の通り誠実にこなしたと言う――ひいてはワイズガイが『取引』を重く見ている証明ではあろう。
(「ならば先程の因子の話にも、嘘偽りはない、か」)
その事実を改めて確認したサヨコは、己の得物を構える。どちらにせよ、その誠意に満ちた『取引』は終了した。マサカーも己の斧を構え、こちらを見回して。
「まあ、どの道ディアボロスには退場いただく予定でしたので。名に相応しい締めくくりに、異論はありませんよ!」
そうして『虐殺者』は、ディアボロスへとその牙を剥かんとする――。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【水面走行】がLV2になった!
【未来予測】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV2になった!
【グロリアス】がLV2になった!
月鏡・サヨコ
アヴァタール級ワイズガイ……純粋に種族としての基礎能力が冥海機を上回る相手
海戦に特化していなくても、十分に海上での戦闘力を発揮して来るだろう
十分に注意して臨むべきだな
【水面走行】による海上移動と【通信障害】を継続
一人で突出せず、接近戦を挑む時は極力仲間と別々の方向から挑みかかるか
射撃を行う者と【パラドクス通信】で連絡し、互いの攻撃後に隙をカバーしたり畳みかけるために動くように打ち合わせておく
交戦経験が少なすぎる相手。用心して、しすぎるということもない……
『閃電・残月』を起動
≪対艦軍刀『銀鉤』≫の刀身からプラズマの刃を長く伸ばし、連続突きを見舞う
戦いの序盤では緩急をつけた不規則なテンポで連撃を行い、見切りづらい太刀筋で確実に傷を刻もう
敵が消耗しこちらの技を捌き難くなってきた段階で、胴体の1点を集中的に素早く突く型に移行
光り輝く灼熱の刃を連続で直撃させて体を前後に穿たんとする
斧が振るわれたら咄嗟に身を翻し、≪海戦装用増設防盾≫で刃と爆発を受け止めよう
ワイズガイ……その思惑には、謎が尽きないな
アルラトゥ・クリム
うーん。微妙に詐欺っぽいやり取りだったけど…
こっちの情報を極力出さない、って意味では最上だったのかな。
ま、向こうさんもすっかりやる気だし。
私達も元々やる気だったんだし…行き着く先は一緒って事かな?
水面走行で感触を確かめつつ海面に立ち
使用するPDの都合、中後衛的な場所に位置取り
パラドクス通信も併用して、極力仲間と連携し隙を埋め合う様に立ち回り
合間に捻じ込まれて流れを崩されぬ様留意する
左手のDEを励起して世界その物への侵蝕を開始
戦場一帯の空間を侵蝕して改竄・欺瞞して『理の断層』を生み出したら
断層の刃を自身の前方に放出して壁の様に展開
敵の斧と炎を刃の檻で相殺し、殺しきれぬ余波は防具で受け止め流して軽減し
敵の攻撃を堪え切ったら
断層の壁を更に前方へ押し出して敵を押し包み、包み込んで
全周囲から一気に敵を斬り裂き
倒しきれぬ時でも敵のペースを崩し、隙をこじ開けて仲間の攻撃の一助とする
とりあえず幾らかは、連中の事が分かったかな。
小さなピースでも、パズル全体を構成してるのには違いないから。
イシュア・アルミゴス
まあ、それぐらいなら教えてもいいんだけどね?
あいにくと僕は知らないんだ。ホントだよ?
まずは先人に聞いてきな。あの世って場所に居るらしい。
送ってあげるよ、超特急で!
水面走行で水上戦闘。槍を構えてパラドクス通信で味方と連携しながら
着実に敵を削っていこう。槍で敵の動きを妨害する様に突きながら
味方の攻撃の隙を突くタイミングで図ってパラドクスを発動。
神速の一撃で一気に敵を貫き痺れる一撃をお見舞いしよう
敵の攻撃に対してはアヌビスの守護を体に薄く纏っておき
帽子の軌道をよく見極め致命傷は避けられるように大きく後ろに
退いて被害を減らそう。
予想は外れたけど色々とルールはあるんだねぇ。
為にはなるけど滅んだディビジョンの何処から回収するんだ…?
ロマノフの様子を見るに残党?謎は尽きないねえ。
乾・玄辰
どうやら僕にはユーモアの才が無いらしい。
我が身の非才と無礼を詫びるよ。
代わりと言っては何だけれど、こちらも空想の御業には長けているのでね。
次の一手は隠さず披露する故、三途の川の渡し賃代わりに受け取ってくれ。
【水面走行】で海原に立ちながら四式詠唱小銃『火奔』を構え、
"黒熾の魔砲"の砲撃体勢に入る。
しかし得物が斧とは、コーザ・ノストラを名乗るにしても随分直截的だな。
映画の様にトミーガン相手の撃ち合いにならず少々残念だよ。
敵の戦斧から噴き上がる虹の炎ごと射ち貫くように、
接続した『バベッジ機関式小型疑似八卦炉』の内に渦巻く黒炎の熱線を放つ。
どうだい。こちらの火遊びも中々のものだろう?
一対多の常、囲んで叩く鉄則に従い包囲して追い詰めよう。
砲撃前は斜線上の仲間に【パラドクス通信】に短く通信を飛ばし回避を促す。
何度も同じ手を使っては気取られるだろうから、
【未来予測】も併用してここぞという好機に用いたいところだ。
この一戦を通じて、少しは我々を理解して貰えたかな?
――ではお去らばだ、ワイズガイ。
「うーん。微妙に詐欺っぽいやり取りだったけど……こっちの情報を極力出さない、って意味では最上だったのかな」
マサカーとの会話に、良いのかなぁと首を傾げるアルラトゥ・クリム(現代の魔法使い・g05088)。
「ま、向こうさんもすっかりやる気だし。私達も元々やる気だったんだし……行き着く先は一緒って事かな?」
「ええ、ええ。結局こうなる関係ではありますがねぇ」
対してマサカーは肩を竦めつつ、こちらへの殺意を高めていく。そんな視線に対して、白々しく肩を竦めるのはイシュア・アルミゴス(守護星蟲・g00954)。
「それぐらいなら教えてもいいんだけどね? あいにくと僕は知らないんだ。ホントだよ?」
とぼけた調子で言いつつも、槍を構えて切っ先を向ける。ちらりと仲間達に目配せを送ると、海上を蹴って一気に間合いを詰め。
「だからさ……まずは先人に聞いてきな。あの世って場所に居るらしい。送ってあげるよ、超特急で!」
「その商品は生憎と、受取拒否ですねぇ!」
戦艦の装甲をも貫くその生体槍が、マサカーの身体を真っ直ぐに穿つ。だが、その左胸を狙った一突きは、相手の巧みな体捌きによってずらされて。
それでも肩口に刺さりはするが、手応えは浅い。さらにマサカーの方はシルクハットを掴み、そこにパラドクスの力を篭めていき。
「おっと、そちらも気づいていますのでっ!」
「ちっ、だろうなっ……!」
かと思えばその顔が、おもむろに横に向けられる。その視線の先には、横合いから迫る月鏡・サヨコ(水面に揺らぐ月影・g09883)。タイミングを合わせた攻撃ではあったが、読めているとばかり。
だがサヨコの方も、読まれている事を予測している。迎撃に先んじるように踏み込んで、対艦軍刀を閃かせ。
「これは、どうだっ
……!?」
「そちらも出来れば拒否したい所ですが……」
パラドクスによって鞘の電力を刀に流し、プラズマを帯びさせての連続突き。刀身の長さに反比例するように軽い刃を振るい、次々と突きを叩き込み……だがそれは、相手の斧によって受け止められる。
決して軽い武器ではなかろうに、まるで手足の延長のような技を見せるマサカー。だがサヨコも突きのテンポを不規則にずらし、緩急をつける事で防御をかいくぐる。
「ほう、なかなか見事な剣技ですねぇっ!」
「その余裕で、よく言う……っ!」
有効打こそ与えたものの、痛打とまではいかない。そんな手応えを感じるサヨコの前で、斧が防御から反撃へと転じる。咄嗟に身を翻し、海戦装の増設盾を軌道上に割り込ませる事で、それを受け止めていく……が。
「ぐぅぅぅっ
……!!」
斧と盾が触れあえば強烈な爆発が生じ、その身体が勢いよく吹き飛ばされた。自分から飛んで衝撃を抑えはしたが、到底殺しきれないダメージが全身に響く。骨まで軋むようなその威力に、苦悶の声を滲ませて。海上に倒れそうになるのを、なんとか踏み留まっていく。
「ほら、そちらも」
そして当然のようにその反撃は、イシュアの方へも放たれている。こちらは巨大化したシルクハットが回転し、そのエッジ部分に生えた刃が、彼を両断しようと迫って。
「うぅぅぅっっ
……!?」
薄く張り巡らせたその身の護りは、容易くその刃に削ぎ落とされる。後ろに跳び下がっても追随され、その身を深く裂く刃に溢れる鮮血、苦悶の声。
「っ、強い、なっ……!」
「やはり、純粋に種族としての基礎能力は冥海機より上か……!」
下がっていなければ両断されていたかもしれないと、冷や汗を滲ませるイシュア。サヨコも今の攻防だけで、ワイズガイの強さを肌で感じ取る。
だが無論、ここで退き下がる訳にもいかない。相手がさらなる攻撃態勢を整えるよりも早く、アルラトゥは左手甲の触媒を励起している。
「ここで畳み掛けるよ……!」
「おっと、今度はそちらですか」
パラドクスによって広がる因果の力が、世界を侵食し改竄する。生み出されるは万象の断層、全てを引き裂く次元の断裂。相手がその斧を構え直し振りかぶった時には、すでにその刃で壁が完成している。
それによって振り下ろされる斧を、受け止めて。
「ほう、面白いパラドクスですね、しかし……!」
「ぐっ……!」
だが相手のパラドクスの力が、逆に空間を書き換え、壁を切り裂く。パラドクスとはすべからく空間を書き換える力、単純な破壊をもたらす攻撃であっても、強度が高ければ何者をも断ち切るは道理。
もちろんある程度の破壊力は相殺出来るが、それでもその重みだけでも十分な破壊力だ。盾を使って受け止めるも、それごと身体が弾き飛ばされ、さらには生じた虹炎によって身体を焼かれる。
「直撃うけてたらと思うと、ぞっとするね……でもっ……!」
「むっ!?」
それでも苦痛を堪えて踏み留まると、左手を前に翳す。砕かれた破片、あるいは斧の軌道を逸れた刃を操作し、マサカーを包囲するように動かして。
広げた掌をグッと握れば、それに合わせてマサカーの全身に降り注ぐ刃。防御姿勢を取った相手の体表に、無数の傷を付けていく。
「ふむ、なかなかやりますね……」
「硬いなぁ、もうっ!」
体勢を崩しつつもまだまだ倒れるには程遠いマサカーの様子に、辟易した声を上げるアルラトゥ。そんな中で乾・玄辰(最後の魔法使い・g01261)は、すでにさらなる追撃の体勢を取っている。
「どうやら僕にはユーモアの才が無いらしい。我が身の非才と無礼を詫びるよ」
「ふん、心にも無い事を」
他のディアボロスはともかく玄辰に対して話すことはないと、振るった斧を引き戻すマサカー。対する玄辰はパラドクスによって、疑似八卦炉を励起して。
「いやいや、本音だよ。代わりと言っては何だけれど、こちらも空想の御業には長けているのでね」
生み出されるエネルギーを小銃に接続すれば、銃身を中心にして展開される八卦図。暗赤色の輝きが銃口に灯り、そして引き金を共に放たれた。
「次の一手は隠さず披露する故、三途の川の渡し賃代わりに受け取ってくれ」
「そのような川は知りませんねぇっ!」
対するマサカーは、目の前の空間に対して斧を縦一文字に振るい、そこから虹色の炎を立ち昇らせた。そこへ迫るは尾を曳き渦を巻く、黒炎の弾丸。
一直線に突き進んだそれは、炎の壁を正面から灼き穿ち。
「どうだい。こちらの火遊びも中々のものだろう?」
「いえ、大したことはないです、ねぇっ!」
だが、虹炎の火力はこちらに勝る。壁を撃ち貫こうとしたその弾丸は、減衰され、致命打とは成り得ない。逆に虹炎が銃弾の軌跡を遡るように、玄辰の身体へと襲いかかってくる。
「っ、ぐぅっ……随分と危険な火遊びだな……っ」
咄嗟にその身を庇うが、全身を炎に包まれれば、強烈な火傷の痛みに苦悶が溢れる。幸いにして威力を相殺したのはこちらも同じ、致命傷には至らないが……かといって、何度も受けて良い傷でもない。
「全く、コーサ・ノストラを名乗るなら、映画のようにトミーガン相手の撃ち合いと行きたい所だったがねぇ」
「ならそちらが持ち込むのが先でしょう?」
飄々とした態度で肩を竦めつつ、戻ってきたシルクハットを受け止めて被り直すマサカー。一通りの攻防を終え、彼の身体にも流石に傷が目立つが、それでも悠然と立っている。対するディアボロスの方も、決して余裕の戦いとはいかない。
自動人形や天魔武者にも通じる単純な人型ゆえに、どうしても見誤ってしまう所もあるが、マサカーや、いや、ワイズガイと言う種族は極めて強大だ。サヨコが先に述べたように、冥海機を上回る……いや、その評価ですら見積もりとして足りない可能性すらある。
あるいはそれこそ、アルタン・ウルクにすら届きうるか。
「だが……だとしても、勝つのは我々ディアボロスだ!」
「やれやれ、諦めてくれると楽なのですがねぇ!」
気を吐くサヨコに肩を竦め、再び斧を振り上げるマサカー。それが合図であったかのように、ディアボロスは一気に攻勢を仕掛けていく。
力、技量、頑強さ、パラドクスの火力。どれをとっても、強敵である事は間違いない。だが、それでも全員が戦意を萎えさせる事なく、果敢に挑んでいき。
「そこだっ!」
「むっ……!」
イシュアの鋭い突きが、マサカーの身体を捉えんとする。急所を守る動きを見せた相手に対して、こちらは敢えて狙いを外し、肩口を――先ほど同じ槍でつけた傷跡を狙う。
防御を掻い潜って突き立てた切っ先から、迸るのは鋭い電撃。さながら蠍の毒のように、相手の身体に流し込む。
完全に動きを止めるには至らずとも、マサカーの腕が痙攣し、その動きが僅かに遅れた。その後に反撃として投じられるシルクハットから、逃れるように後ろに跳んで……追いつかれはするものの、受ける傷は先ほどよりも浅い。
「むぅ、なかなか……っ!」
「おっと、まだだよっ!」
そしてその攻撃の遅れは、イシュアが逃れやすくするためだけではない。ワンテンポ遅れた事でマサカーに隙が生じれば、ちらと目配せした先で構えるのは玄辰。
イシュアの退避に合わせてタイミングを図っていた彼は、再び暗炎色の熱線を解き放つ。
「先ほどは重ね重ね申し訳ない。あの程度の火遊びでは不満だったようだっ!」
「ちっ……ぐぅっ!」
今度もマサカーは虹炎で壁を作るが、動きが遅れた分、やや薄い。今度こそその壁を突き抜けて、相手の身体に直接着弾する。
こちらも遡る虹炎に焼かれて海上に膝をつくが、視線はマサカーから離す事なく。
「なるほどなるほど、しかしまだ――」
「ああ、まだだ……!」
その視線の先で、体勢を立て直していくマサカー。だがそれが完全に立ち直るより早く、サヨコが一気に間合いを詰める。繰り出すは、最速の連続突き。先ほどのような、緩急をつけた物ではない。
ようやく生じた相手の隙に、立て直す暇を与える訳にはいかない。相手が斧で防いでも、構わずその上から、一点を狙って立て続けに繰り出して。
「くっ、しかしこの程度では……」
「だったらこっちもっ!!」
それに合わせてアルラトゥも再び、無数の断裂を生み出していく。一つ一つの刃を研ぎ澄ませながら、包囲し、殺到させる致命の刃。
「っ、このっ……邪魔ですよっ!」
「邪魔するためにやってるからねぇっ!」
マサカーは虹炎を立ち昇らせ、それらを薙ぎ払っていく――が、突きと断裂が雨霰と降り注げば、いかにマサカーと言えどその処理能力を超える。
いや、あるいは彼が万全ならば、これすらも対応して来たかもしれないが……蓄積する傷に加えて、イシュアと玄辰の攻撃で体勢を崩した状態では、立て直しきれず。
「これで……仕留めるっ!」
「おぉぉぉっっ――!」
サヨコの灼熱の切っ先が相手の胸を貫くと、マサカーの動きが硬直し。そこに振り下ろされた断裂の刃が、音もなくその首を断ち切った。
「……やれやれ。やられてしまいましたか……」
「この一戦を通じて、少しは我々を理解して貰えたかな? ――ではお去らばだ、ワイズガイ」
海面に落ちたその首が、嘆くような声を漏らす。それを見下ろした玄辰が、手向けの言葉を送り。
「ええ、それでは、さようなら」
その一言と共に、マサカーの全身は爆散し。海の藻屑と消えていった。
「予想は外れたけど色々とルールはあるんだねぇ。為にはなるけど、滅んだディヴィジョンの何処から回収するんだ……?」
「ワイズガイ……その思惑には、謎が尽きないな」
戦闘を終え、ワイズガイが消えた先を見下ろし、疑問を口にするイシュアやサヨコ。会話と戦いを通して接触を果たしはしたものの……まだ、謎は多い。むしろ疑問が増えたようにすら感じられる、が。
「でもまあ、幾らかでも連中の事は分かったね。小さなピースでも、パズル全体を構成してるのには違いないから」
アルラトゥが言う通り、一歩前進した事に間違いはない。たとえ一歩でも、積み重ねていけば、いずれは北米大陸上陸も果たせよう。
この戦いは、前哨戦に過ぎない。『空想科学コーサノストラ』――未知なるディヴィジョンへの道は、ディアボロスの前途に広がっている。
それを実感しつつ、ディアボロスは新宿島への帰路につく……。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【一刀両断】LV1が発生!
【友達催眠】LV1が発生!
【操作会得】LV1が発生!
【未来予測】がLV2になった!
効果2【能力値アップ】がLV4になった!
【先行率アップ】LV1が発生!
【グロリアス】がLV3になった!