リプレイ
月鏡・サヨコ
犠牲を容易には許容せず、人道と不可分の勝利を掴む決意
それはきっと、クロノヴェーダと復讐者を分かつ境界を越えずに在り続けるため必要なことだ
……ディヴィジョン奪還と共に消える命だとしても、戦いには奪わせない
≪トンファー≫とゴム弾を装填した拳銃を手に一般人が待ち受ける陣地に向かおう
銃に撃たれても私達は平気とはいえ、誤射などで思いがけず犠牲が出るのは避けたい
【隔離眼】で兵士が持つ武器を消失させ、その隙に制圧する
もし一度に複数のものを隔離できないなら「離れた相手の銃を消して横槍を封じてから近くの者を地力で狩る」方針を取ろう
頭蓋骨の陥没や目の破壊と言った重篤な後遺症を残さないように注意しつつ、打擲や低殺傷性の銃撃が齎す苦痛で怯ませたり、組み伏せることで人々を無力化
彼らの腕を後ろ手に縛り、脚と脚を結び、布を噛ませて触手の攻撃を受けない範囲に集める
一度に全員が戦わなくてもいいほど余裕のある状況が出来たら、拘束・護送役と戦闘役を分担して時間短縮を図るのも手か
……救うべき者に望まれずとも、為すべきことを為す
ラキア・ムーン
一般人の士気も高いか
厄介な事だ
自身の死が力になる事を知っているというのは、ディヴィジョン支配としてはかなり完成されている事を痛感する
だからこそ、死なせん
例えどう思われようとも、その忠誠を発揮させはせん
鎮守府内にて一般人を探していこう
隠れる必要も無い、《RE》Incarnationを構え進んでいこう
目立っておけば向こうから攻撃してくるだろう
武装制服や槍で一般人の攻撃を捌く
反撃はしないよう注意し、此方に向かってくるなら槍の石突で軽く叩き態勢を崩す
そして縄で体を絞り、口輪を嵌め自害をされないように対処だ
距離がある一般人に対しては罪縛りの鎖で対処
一旦これで移動や行動を封じ、先程と同じ手順で拘束
ある程度対処したら、後方の戦闘に巻き込まれなさそうな位置まで移送
万一動き回られても困るので、移送地点で拘束した一般人を更に数珠繋ぎに繋いで容易に移動出来ないようにしておこう
そちらの覚悟には敬意を払う
だからこそ、貴様らには生き残って貰う
この戦いの趨勢を見届けるといい
アドリブ連携等歓迎
荒田・誠司
アドリブなど歓迎
【心情】
忠義心が高いっていうのはこういうのが厄介なんだよな
命なんて二の次で吶喊してくるんだから
真正面から突っ込んでくるのが戦いだけじゃないってのを教えてやる
何でもありってのが戦場だ。悪く思うなよ
【行動】
仲間とは声を掛け合いながら積極的に協力する
反撃を行わないように注意しておく
一般人の無力化ならトラップを張る
トラップ生成を使用して殺傷力のない罠を張り巡らせよう
まずは地面の一部を磁石が仕込まれた物に変える
金属製の武器を持っているなら効果があるはずだ
武器を手放して来ようとすると思うから
今度は落とし穴や溝を作って足を取られ倒れた先にある粘着する地面、絡まりやすいように緩ませた網も張り用意しておこう
罠があるというだけで進むには慎重にならざるを得ないから
思う通りに動けなくなるだろう
そう簡単の前に進めないようにし戦闘に参加できないようにする
必要なら臨機応変に対処する
ミッドウェー鎮守府に辿り着いた復讐者達を迎え撃つのは、其処に防衛戦を敷く人々――トループス級クロノヴェーダですらない、ただの一般人達であった。
「うおおおっ。冥海機様ばんざーい。超大和様ばんざーい!」
「私達は冥海機様の、超大和様のお役に立って死ぬのっ。こんなに誉れはないわっ!」
「皆、続けッ! 俺達の生き様を鬼畜悪魔共に見せつけてやるッ!!」
おそらく冥海機達から支給されたのであろう。
銃剣を握りしめ、そのまま復讐者達へと吶喊してくる。
誰もが死を謳っていた。誰もが死を口にしていた。死を叫び、その想いすら力に変えながら、復讐者達へと突撃してくる。
それは、まさしく死の行進であった。
だが、彼らの切っ先が復讐者達に届く事は無い。
悲しくも、彼らはただの一般人であった。戦意は高く、士気も高く、忠誠心も高く。しかし、戦闘に於ける練度はトループス級クロノヴェーダ達すらと比べる迄もない。遙かに劣るそれに、復讐者達が苦戦する理由は何処にもなかった。
そう、彼らは悲しくも、ただの一般人だったのだ。
(「忠誠心が高いってのはこういうのが厄介なんだよな」)
銃剣による刺突を捌きながら、荒田・誠司(雑草・g00115)は嘆息する。
彼らは最早死兵と化している。誰もが死を恐れず、忠誠を叫び復讐者へと襲い掛かってくる。その事に嘆息せざる得なかった。
「彼らは、自身の死すら力になることを知っているからな」
突撃槍の石突きで銃剣を払いながら、ラキア・ムーン(月夜の残滓・g00195)もまた同じ表情を浮かべていた。
故に、この冥海機ヤ・ウマトは改竄世界史の支配として完成されたシステムなのだ、と思う。そして、同時に彼女は決意する。
(「だからこそ、死なせん」)
彼らの忠誠心はおそらく、尊い物なのだろう。
そんな彼らにどう思われようともその忠誠心を発揮させない。それこそがラキアの矜持であった。
「ま、と言う訳で、真っ正面から突っ込んでくるだけが戦いじゃないってのを教えてやるよ!」
このまま銃剣を捌き続けるのも容易い。たかだか一般人に復讐者を討つ力は無い。だが、その時間は惜しく、そして、復讐者達は彼らの無力化を性急に行うべしと唱えていた。
自身を含めた皆の意志に従い、誠司はパラドクスを発動させた。
ワイヤー型トラップのパラドクスは天井に向けて空打ちする。彼の本命は其処から繰り出される残留効果――【トラップ生成】であった。
「見えないことは何もない証明にはならないぜ!」
即座に発動し、敵を捉えた力は、目に見えぬそれ――即ち、磁力であった。
「お、俺の武器がっ!」
「吸われる――?!」
誠司の残留効果によって地面に生み出された磁石は、人々の得物を吸い上げ、そのまま張り付かせる。磁力は距離が離れれば著しく減衰するが、しかし、その世界法則すらも誠司は書き換え、人々から武器を奪っていく。
(「トループス級が残っていなくて万々歳って所か」)
相対する存在が一般人のみだからこそ、成せた技であった。
復讐者と同じ存在である歴史侵略者達がいれば、世界法則は更に上書きされ、ここまで上手く行くことは無かっただろう。
その点を考えれば、トループス級を全て打ち破った意味はあった、と彼は独白する。
「ならばこれでどうだ!!」
だが、それでも全ての武器を制圧することは出来ない。
未だ健在の銃剣を抱き竦めた中年男性は、己が身を顧みず、その引き鉄を引く。狙いすら付けず吐き出された弾丸は、復讐者のみならず、壁や床、天井を、そして仲間達すら傷付ける凶弾と化す。
――その筈だった。
「犠牲を容易には許容せず、人道と不可分の勝利を掴む決意。それはきっと、クロノヴェーダとディアボロスを分かつ境界を越えずに、在り続けるため必要なことだ」
己が心情の吐露と共に月鏡・サヨコ(水面に揺らぐ月影・g09883)が紡いだ残留効果【隔離眼】がそれを赦さない。
彼女の残留効果により、中年男性の抱えていた銃のみが、刹那に消失したのだ。故に、中年男性の指は空を切り、当然、其処から凶弾が発せられることは無い。
目を丸くする中年男性の顎に叩き付けられたのは暴徒鎮圧用のゴム弾――サヨコの放った銃弾であった。
それをまともに受け、中年男性はその場に崩れ落ちる。傍目からもただの気絶である事を見て取れ、サヨコはほっと一息吐く。
今は敵対する相手だが、しかし、彼もまたサヨコが庇護するべき一般人だ。死はおろか、重篤な後遺症も残って欲しくないと、彼女は本気で考えていた。
「そうでないと、ディヴィジョン奪還の後、貴方の子か孫に張り倒されるやもしれんしな」
大地の奪還とは、最終人類史にその世界を組み込む行為でもある。
冥海機ヤ・ウマトと最終人類史との開きは76年もあり、おそらく大地の奪還を為しても、この中年男性とサヨコが最終人類史で遭遇する事はないだろう。76年と言う月日は、彼が天寿を全うするには充分過ぎる程の乖離だ。
だが、それでも、恨み言を子々孫々に語り継がれても困る。過去では感謝の言葉を継承し、そして最終人類史でようやく実を結ばせた、と言う実例もある。負の実例が自分になるのも御免被りたい、と言うのは彼女の本音であった。
(「いや、違うな」)
念の為に中年男性を縛り上げながら、サヨコは内心で首を振る。
理由をどう取り繕うとも、彼女はただ、犠牲者を生みたくないのだ。その心の現れに、むしろ、自身に戸惑いすら感じてしまう。
「……救うべき者に望まれずとも、為すべきことを為すさ」
だから、と言うべきか。サヨコは、人々を無力化しながら、その文言を独白する。
それは己に言い聞かせるように、彼女の口から零れていた。
「ええいっ。武器が無いならっ!」
そして、彼らは庇護される一般人では無く、紛れもなく戦士であった。
磁力や隔離眼に影響されないよう、武器を捨てて殴りかかる様は、自身等も未だ戦えると切に訴えてくるようであった。
だが、それでも、復讐者には遠く及ばない。
「そちらの覚悟には敬意を払おう」
ラキアの紡ぐ【罪縛りの鎖】は、そんな彼らを縛り上げ、地面へと転がす。効果時間である2時間もあれば全てが終わりそうだが、それに留まらず、無力化した人々へ、縄を用いた拘束も忘れない。
縛られ、転がされた彼らは、罵声のみを彼女に叩き付けた。
「この、鬼畜共が! 殺せっ。冥海機様に顔向け出来ぬ位なら、いっそ此処でっ!」
「それは認めない」
止めは刺さない。そして、自決も赦さない。
ラキアは叫ぶ青年の口に口輪を嵌めながら、声のみを叩き付けた。
「貴様らの覚悟には敬意を払うと言った。だからこそ、貴様らには生き残って貰う。この戦いの趨勢を見届けるといい」
「んーーっ。んーーっ!」
青年から返ってくるそれは、ただの呻き声であった。
だが、おそらく痛烈な面罵なのだろうな、とラキアは微笑を浮かべ、そして、他の【罪縛りの鎖】が捉えた一般人へと向かうのであった。
時間にして半刻も有さなかっただろ。
復讐者達により、此処に集う一般人達の捕縛は為されたのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【隔離眼】LV1が発生!
【罪縛りの鎖】LV1が発生!
【トラップ生成】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
【ドレイン】LV1が発生!
ラキア・ムーン
何が必要になるか……は分からん
必要にならなかったら、ならなかったで良いさ
むしろ、取り越し苦労である方が良い
だが、やれる事はやっておく方が良いさ
セルフクラフトで1m四方のコンクリートの立方体を生成
それの周囲に土嚢や、鎮守府よりコンテナ等接収できればそれを用い簡易的な目隠しエリアを作っておこう
鎮守府付近の周囲の地形で利用できるものがあれば、それも利用
敵の視線を遮る事の出来るエリアを複数作成しておき、何処に此方が潜んでいるか即座には判断できないようにしよう
時間が許す限り、こういったエリアを一つでも多く作成していこう
防御力は二の次だ、これを使用せねばならん場面になった際敵から一方的に発見される可能性が低くなればそれでいい
逆説連鎖戦だ、防御力には期待できんが此方を先に補足されなければ敵に先手を取られる可能性も減る
限られた時間に出来るのはこの程度だろう
後は出たとこ勝負だ
これを使わねばならなくなった時に、考えるしかないな
無論使わなくなるようにはしたいが……まあ、今の段階で考え過ぎても仕方ないだろう
音羽・華楠
本当に必要になるかは、まだ解りませんが――
……色んな事態を想定して準備を整えておくことは、やっぱり大事ですよね。
さぁ、この海岸への防衛施設の構築、始めますよ!
ありきたりではありますが、塹壕を掘りましょう。
掘る為の道具は新宿島から持ち込みます。
シャベルやスコップ、運搬用一輪車。
……ミッドウェー島は石灰岩質と聞きますし、つるはしもあった方が良いですかね?
道具を駆使して掘っていきましょう。
掘って出た砂や土も無駄にしません。
新宿島から持ち込んだずだ袋に詰めて土嚢にし、海岸の各所に積み上げて壁代わりにします。
……まぁ、冥海機たちの一般法則破壊の前には足止めにもならない代物でしょうが、とにかく敵の視線を遮る障害物が沢山あることが大事という考えですね。
作業は大体肉体労働になると思いますし、【怪力無双】を使えば効率が上がるでしょうか?
また、【トラップ生成】もお借りして、各所に落とし穴とか虎挟みとか括り罠とかも設置しておきます。
鳴子とか警報ブザーとかもあると良いかもですね。
やれることはやったでしょうか?
月鏡・サヨコ
吸血ロマノフ王朝奪還戦の開始が確定すれば、必然的に限りある新宿島の戦力を事前攻撃に割くことになる
ヤ・ウマトでの戦いが奪還戦に負担をかけすぎないようにするためには、こういった備えもあった方がいい
無論、全ての作戦を成功させることを諦めはしないけれど……
【セルフクラフト】を重ねて強化
ミッドウェー島は平坦な地形だし、私たちの姿を隠すなら縦に2m分はブロックを重ねられるようにした方がいいだろう
生成されたブロックを並べて海岸線付近に壁を構築する
もし最終人類史から塀用のブロックを持ち込めたり、周囲に敵が使用していたバリケードや車両があればそれも防衛線の一歩に組み込む
壁を構築する際は、積み方を工夫したり一部を削ることで、銃眼や狭間に類する極小の覗き穴を一部箇所に用意
襲撃を待っている間、「大きく身を乗り出さなければ敵の姿が見えない」状態に陥らないようにしよう
どこに私達がいるか容易に分かるようでは、待ち伏せの成立は難しいだろうから
ここまで過酷な作戦は過去に類を見ないはず
次善策の考慮も……避けられないことだ
詰め寄せる一般人を無力化した復讐者達は、そして、二手へと分かれる。一方はミッドウェー鎮守府の内部へと。そして、もう一方は今まで進んで来た道を引き返すと、何やら工作を始める。
そう。彼女達の目的はただ一つ、防御施設の構築であった。
「本当に必要になるかは、まだ解りませんが――」
おそらく新宿島から抱えてきたのであろうか。円匙を抱えた音羽・華楠(赫雷の荼枳尼天女・g02883)は、塹壕を掘るべく地質を伺っている。
その傍らで、ラキア・ムーン(月夜の残滓・g00195)もまた、彼女と同じ台詞を口にしていた。
「何が必要になるか……は分からん。必要にならなかったら、ならなかったで良いさ」
むしろ、取り越し苦労である方が良い。何も役に立たないと言う事は、即ち、防衛施設が有事に晒されなかったと言う事で、つまり、考え得る最悪――この場を舞台とした再度の戦闘だろうか――が発生しなかったと言う事だ。
だが、やらずに後悔するのは違うと、彼女は断ずる。
「やれる事はやっておく方が良いさ」
「それに、吸血ロマノフ王朝奪還戦の開始が確定すれば、必然的に限りある新宿島の戦力を事前攻撃ーーファーストアタックに割くことになる」
ポツリとした呟きは、月鏡・サヨコ(水面に揺らぐ月影・g09883)が零した物。だが、その懸念は華楠もラキアも抱く物であった。
「ヤ・ウマトでの戦いが奪還戦に負担を掛け過ぎないようにするためには、こう言った備えもあった方がいい」
無論、全ての作戦を成功させるとの気持ちも諦めてはいない。だからこそ策を練るのだ。これは後ろ向きな気持ちではないと、彼女は己の意見を露わにする。
「そうですね。色んな事態を想定して準備を整えておくことは、やっぱり大事ですよね」
同意の言葉に華楠は顔を輝かせ、そしておーっと片腕を掲げた。
「さぁ、この海岸への防衛施設の構築、始めますよ!」
来るべき時に備えて。
気合い充分な華楠の声に、ラキアとサヨコは簡潔な首肯のみを紡ぐのだった。
華楠が始めたのは、円匙で大地を掘る作業であった。
即ち、塹壕の構築であった。
残留効果【怪力無双】のおかげで大地はサクサクと、まるで砂糖菓子の如く削れていく。円匙一本で瞬く間に、直立する彼女の背丈ほど、深い塹壕が構築されていった。
「そうだな。視認させないことは大事だ」
残留効果【セルフクラフト】でコンクリート立方体を生成しながら、ラキアは是と頷く。
確かに敵もまた超常存在、歴史侵略者である。そして、戦いは逆説連鎖戦。故に、反撃のみは世界法則の書き換えによって、如何なる阻害があっても敵対者へ届いたりする。
だが、攻撃は別だ。たとえ復讐者だろうと歴史侵略者だろうと、攻撃を行う為には視認を始めとした何らかの方法で対象を認識する必要がある。ならば、先手を取られる可能性を減らす遮蔽物は、これからの戦いに有用となるだろう。
「私たちの姿を隠すなら縦に2m分はブロックを重ねられるようにした方がいいだろう」
これはラキアのブロックの上に自身が生み出したブロックを重ねるサヨコの台詞であった。
少し過度な気もするがここに華楠が掘る壕も合わされば、彼女達を視認することはかなり困難になるはずだ。
「それに、時間は限られているからな」
如何に《救援機動力》があるとは言え、悠長に時間を使う訳には行かない。断片の王『超大和』の一部である巨大触手との戦闘は程なくして開始となるだろう。
防衛施設の構築は、それまでの限られた時間にのみ、許される行為であった。
「後は、出たとこ勝負だ」
「そうだな」
「ですね」
生み出したコンクリートブロックに覗き穴を穿ちながらサヨコが頷けば、同意と
自らの生成物の副産物である砂礫をズタ袋に詰めながら華楠も頷く。ちなみに彼女が今、制作している土嚢も、遮蔽物になる予定だ。無駄がないのは素晴らしい。
「あとは……【トラップ生成】をお借りして、虎鋏とか括り罠とか設置しておきたかったのですが」
「括り罠はともかく、虎鋏が非殺傷性の罠か怪しいところでもあるが」
独白に返って来たのはサヨコの冷静なツッコミであった。
「それに、残留効果頼りの罠だ。必要な時期まで継続しているとも限らん」
ラキアもまた、微苦笑を浮かべる。
ならば【セルフクラフト】製のコンクリートブロックはどうなのだろう? との疑問はある。だが、それは試してみるしか無いだろう。もしかしたら時間経過で消えるかもしれない。有事まで残るかもしれない。それは今、議論するべきことで無いのは確かだった。
「と、ともかく」
華楠は会話を強引に打ち切る。その頬は僅かに朱に染まっていた。
ちなみに非殺傷の罠として呼子なども考えていたが、それを口にするのはやめた。なんだか言い訳みたいですし、と口の中でのみ、ごにょごにょ呟く。
ともあれ、敵の視線を遮る障害物を沢山構築したい。その想いは華楠もラキアもサヨコも共通した物だ。それは確かな事実であった。
「冥海機たちの一般法則破壊の前には足止めにもならない代物でしょうが、とにかく敵の視線を遮る障害物が沢山あることが大事という考えですね」
それが実を結ぶかは判らない。今の処、神ぞのみ知る、と言ったところであった。
「無論、使わないに越したことは無いがな」
防御施設の構築前と同じ感想を口にしつつ、ラキアはそれを願う。
だが、当たるも八卦。当たらぬも八卦だ。今の段階でそれを問うことは出来ず、それを論ずる意味は無い。
今の段階で考え過ぎても仕方ないだろうとのラキアの言葉は斯くも正しく聞こえるものだった。
「そう……だな」
逡巡じみた吐息を吐いたサヨコは、ふと空を見上げ、海に視線を落とす。そしてコンクリートブロックと塹壕へ続けざまな視線を送った。
(「ここまで過酷な作戦は過去に類を見ないはず」)
それだけ敵が強くなっていると言うことか。それとも何かの思惑が動いていると言うことなのだろうか。
「次善策の考慮も……避けられないことだ」
何があろうと、自分達は敗北する訳には行かない。その為に戦っているのだ。策を弄し労する事を厭うつもりはない。
「そろそろ時間だろう。行こうか。サヨコ、華楠」
そんな彼女の思考を遮るように、或いは先ほどの「考え過ぎても仕方ない」の実践なのだろうか。ラキアの殊更朗らかな声に、サヨコはこくりと頷いた。
もう賽は投げられた。ならばあとは己を信じ、進むのみだ。
「ええ。参りましょう! 急急如律令、と言ったところです」
意気込む華楠の視線は、既にミッドウェー鎮守府の内部へと注がれていた
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【セルフクラフト】LV2が発生!
【怪力無双】LV1が発生!
効果2【ラストリベンジ】LV1が発生!
【先行率アップ】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!
白石・明日香
一般兵の相手は他の人に任せてワタシはこいつの相手をしましょうか!
随分とデカいタコ足だけどなます切りにしてあげる。
撃破目指してその先駆けになりましょうか。
遮るものが一切ない戦場ならば真っ向から立ち向かうのみ!
残像で攪乱しながらダッシュで接近。とはいえこんな目くらましはさほどは効かないだろうね。
あの巨体が動き出す前に周辺海域の冥海機が倒れたことで発生した呪詛を血と固めて刃となしリーチと強度を重視で武器改造して懐に入り込み目にも止まらぬ早業で繰り出す捨て身の一撃でその触手を叩き切るよ!
衝撃波は武器で切り裂きその際に後ろに飛んで威力を少しでも殺してダメージを軽減してやり過ごすよ。
一口サイズにはまだほど遠いけど貴方を返すわけにはいかないのよねぇ
そして、ミッドウェー鎮守府内部。最深部への防衛を担うその場所に、それはいた。
蠢くそれを言い表すならば、大量の戦艦を纏った超巨大な蛸と言うべきか。それこそ正に、断片の王『超大和』の一部、巨大触手であった。
そんな常識外規格外のそれと対峙する者がいた。
彼女の名は、白石・明日香(弔いの狩人・g02194)。復讐者の一人であった。
「撃破目指してその先駆けになりましょうか」
遮るものが何も無いのであれば、真っ向から立ち向かうのみ。
双剣型の妖刀を構えた彼女は、地を蹴ると、そのまま触手へと肉薄し、そして――己が身体に、その双剣を突き立てた。
肉を断絶する鈍い音が響く。血が吹き上がり、鉄を思わせる臭いが零れる。
しかし、そんな凶行に巨大触手は反応しない。ただ、迫り来る敵を打ち倒すべく、明日香の身体へと衝撃波を放つのみであった。
自決と砲撃。それに晒され、少女の身体は塵の如く消え去る――。
「そう。ジェネラル級巨獣クラスと言っても、やはり兵器なのね」
呪詛と己が血を纏わせた双剣を構え、衝撃波を跳躍して躱した明日香は、にぃっとした笑みを浮かべた。
そして、跳躍の勢いそのままに、巨大触手へと双剣を叩き付ける。
鈍い音と切り裂く音、そして、巨大触手のものらしき体液が周囲へと飛び散った。
だが。
(「ちっ。浅い!」)
防御特化とは誰の台詞だったか。
攻撃はさほど鋭くなかったが、その防御の厚さに辟易してしまう。膾斬りどころか、僅かに残る斬撃後に、むむっと表情を歪めてしまう。
(「思いの丈を叫び、攻撃しろって言っていたっけ」)
一種の冗句のようにも聞こえた台詞だったが、もしかしたら、あながちそうで無かったのかもしれない。
思いの丈を叫ぶということは、気持ちをぶつけると言う事だ。そんな気持ちを携えた一撃が――即ち気合いのこもった一撃が全てをひっくり返す一打になりかねないことを、明日香もまた理解している。
「ま、今はそんなこと言ってられないか」
彼女がミッドウェー鎮守府を攻め入る復讐者だからか。
それとも、些細とは言え手傷を負わせた存在であるが故か。
巨大触手は猛り、幾多の衝撃波を明日香へと飛ばしてくる。
それらを双剣で切り裂き、或いは後方に飛んで衝撃を殺しながら、明日香は距離を保つ。
「もしも巨大触手じゃなくてジェネラル級クロノヴェーダなら、怒りに吼えていたところかしら?」
そして、言い切った。
「まだ、貴方を返すわけにはいかないのよねぇ」
断片の王の下に戻すつもりはない。目指すは完全撃破だ。
彼女の宣誓に、返る声は無い。
ただ、返答代わりに放たれた無数の衝撃波が、彼女へと叩き付けられるのみであった。
成功🔵🔵🔵🔴
効果1【断末魔動画】LV1が発生!
効果2【ドレイン】がLV2になった!
ラキア・ムーン
まさに圧巻だな
断片の王の海戦装とはいえ、一部でこれ程の耐久力を誇るか
先ずはギリギリまで、削る
フィーア(g05428)と連携して攻める
撤退されない範囲でギリギリまで巨大触手にダメージを与え、削っていこう
次の攻撃で撃破出来るようにダメージ調整
《RE》Incarnationを構え巨大触手の周囲を駆ける
そもそも、その質量自体も驚異的だ
触手自身の動きもよく観察
動きに巻き込まれないように位置取りを注意して戦闘していこう
衝撃波で此方を吹き飛ばそうとしてきたら、防御姿勢を取りつつタイミングを合わせてバックステップ
多少飛ばされるのは割り切り、着地をきっちりとこなし態勢の立て直しを重視しよう
槍に魔力を込めつつ、タイミングを合わせて火力を集中
【Call:Flame_Canon】起動
魔力を高め、燃え上がらせた炎を槍先より放つ
耐久力が高い以上、削りの段階とは言え半端な攻撃は出来んな
触手の芯を狙い、しっかりとダメージを重ねていこう
焼いたからといって、味が良くなる類ではなさそうだ
厄介な武装だな、全く
アドリブ連携等歓迎
フィーア・オルリア
うーん、ちょっと海戦装のスケール大き目
立体化する時に装備する人は一般販売で、海戦装はプレミアムな台パンサイトで発売されるやつ
予約時間帯になるとトイレが混雑するね、きっと
ラキア(g00195)と連携
あとあれ、撤退させない程度にギリギリまで削っとこう
削ってタコ刺しゲットゲット
いやまあ、食べたくは無いけど……
触手に潰されたら怖いから、距離を取りながら観察
このナリで衝撃波飛ばして来るって、なんだかギミックボスっぽい感じしない?
例えるなら、アクションゲームのラスボスだけ音ゲーになるみたいな…
兎も角、動きをよく見て触手の動きに巻き込まれないように移動しつつ衝撃波が飛んで来たらジャンプ
避けようも無いだろうし、中空で衝撃波を受けて吹き飛ばされよう
フライトドローンを発動してドローン展開
飛ばされながら手近なドローンに掴まって態勢を立て直し、地面に叩き付けられるのは回避しよ
ノーパソくん戦技003実行
風の魔力で槍を形成
タコ足の狙う場所は相方と合わせて、一点突破アタック
生成した槍を放って巨大触手にダメージ与えよう
うねうねと動き、衝撃波を発する触手を、どう見るべきか。
「うーん。ちょっと海戦装のスケール大き目」
風の槍で牽制しながら、フィーア・オルリア(大流行・g05428)は超大和の巨大触手をそう評する。
「立体化する時に装備する人は一般販売で、海戦装はプレミアムな台パンサイトで発売される奴。予約時間帯になるとトイレが混雑するね、きっと」
何処かズレた評価だったが、つまりは『凄く豪華』と言いたいのだろう。多分。
「正に圧巻だな。断片の王の海戦装とはいえ、一部でこれ程の耐久力を誇るか」
ラキア・ムーン(月夜の残滓・g00195)もまた、フィーアと同じ評価を下す。
端的に呟いた彼女は、しかし、と突撃槍を構えると、炎を纏いながら笑みを零した。
「先ずはギリギリまで、削る」
「そうそう。撤退させない程度にギリギリまで削っとこう。削ってタコ刺しゲットゲット」
ラキアの言葉にいつもの口調を添えたフィーアの表情は、しかし、食べたくは無いけれど……と微妙な色を形成していた。
ともあれ、超大和の巨大触手は禍々しく、色合いもまた毒々しい。蛸が海の悪魔と言う言われるのも、判る気がする。
「焼いたからと行って、味も良くなる類いでは無さそうだしな」
フィーナの冗談に呼応した言葉を返したラキアは、そのまま、彼女と共に巨大触手へと突撃する。
幾多の砲門を抱く巨大触手だが、しかし、攻撃は衝撃波と触手そのものによる殴打の二種のみであった。
その双方を掻い潜り、燃えさかる得物を突き付けたラキアは、しかし、と舌打ちする。
それは奇しくも、先に仲間が零した物と同じ感想であった。
(「やはり、この質量は脅威か」)
防御主体との前評判は、確か時先案内人からの物だったか。
それに違わぬ守備の高さに、刹那、辟易の表情を浮かべるラキアであった。
「ならば、中途半端な攻撃は出来んな」
芯を断つ気持ちで槍を振るい、しっかりとダメージを重ねていく。その一打一打が形勢を変えていく筈。そう信じ、彼女は攻撃を重ねていく。
「このナリで衝撃波を飛ばして来るって、なんだかギミックボスっぽい感じしない? 例えるなら、アクションゲームのラスボスだけ音ゲーになるみたいな……」
ラキアの攻撃に合わせながら風の槍を飛ばすフィーアは、そんな益体も無い感想を抱く。
(「まあ、きっと、防御主体で動くから、なのだろうけど」)
砲門が不気味な沈黙を保っていることから、そう推測せざる得ない。
きっと、その果てに何かを狙っているのだろう。それが何かは判らないけれども、代償が高く付いたことだけは教えてやろうと、フィーアは強く頷いた。
「行くよ。ラキア。合わせる」
「ああ。任せた!」
互いに最小限度、攻撃を避ける算段は取ってある。
だが、被害そのものを無には出来ないだろうとの割り切りもあった。
衝撃波に吹き飛ばされようとも、二人はその後の立て直しを重視したのだ。特にフィーアは【フライトドローン】に捕まりながら身体を起こすと、そのまま再度、風の槍を召喚。ラキアが刻んだ巨大触手の傷痕に叩き付け、その破壊を大きくしていく。
連携と言えば連携な波状攻撃に、しかし、巨大触手は動じない。そもそも、動揺を表現しそうな部位が見受けられないのだ。
故に、二人の攻撃が何処まで有効かなど、測ることが出来ない。
(「それでも構わんさ。私達はただ、攻撃を積み重ねるのみだ」)
次に続く仲間を信じ、ただひたむきに刺突を繰り返す。
愚直とも呼べる行動がどの様な花を咲かせるか、今現在のラキアには判らなかったけれども。
「抵抗は無駄。それを理解して」
フィーアの静かな呟きもまた実って欲しい、と。
蠢き衝撃波を放つ巨大触手へ、幾多のパラドクスを叩き付けながら、最良の結果を願うのであった。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【水面走行】LV1が発生!
【フライトドローン】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
エヴァ・フルトクヴィスト
戦闘海域での最後の勝利者になれないという、断片の王「超大和」の言葉。
海戦による感情や落命でエネルギーを得る種族故に、なのでしょうか?
……ですが、私達も譲れないものがあります。
海をクロノヴェーダから最終人類史に取り戻す為に巨大触手、撃退では無く、撃破を狙わせて貰いましょう!
一気呵成に撃破まで持っていくために。
その道筋を私も作ってお手伝いさせて貰いますよ!
敵の攻撃は精神を集中、触手の動きから敵の攻撃を看破出来るように努めて。
パラドクスと残留効果の神速反応、加減速による残像とフェイントを交えて攻撃や衝撃波を回避、
または立て直して距離を詰めて。
これまでの人たちが攻撃を重ねてきた部分に私も速度を乗せた一撃を喰らわせますよ!
これまで多くの人たちの戦いと数多の想いの積み重ねがあった。
一つでも欠けてもここに至らなかったからこそ!
過去も、最終人類史たる今も、そして人類の未来も守る為。
奪ったものを取り戻す為、触手撃破を大戦略とやらを打ち砕く狼煙としますよ!
【命中アップ】の残留効果を残して後の撃破、託します!
(「『このミッドウェー海域の最後の勝利者となる事は出来ぬ』、ですか」)
時先案内人の予知内で語られた断片の王『超大和』の台詞を、エヴァ・フルトクヴィスト(星鏡のヴォルヴァ・g01561)は反芻する。
その文言の意図は、エヴァが理解出来る物では無かった。
真意を紐解けば、もしかしたら、海戦による感情や落命で、エネルギーを得る種族故の発言だったのかもしれない。
もしかしたら、ただの負け惜しみなのかも知れない。
(「いえ、流石に後者は違うでしょうね」)
予知を聞いた自分ですら、其処に込められた凄みを感じたのだ。ならば、負け惜しみからの発言ではないことは、認識出来た。余程『全てのディアボロスにとって最善の結果となったとしても揺るがぬ大戦略』とやらに自信が在るのだろう。
(「……ですが」)
彼の断片の王が発した言葉の真意は分からない。だが、それを肯定する理由は何処にもない。
「私達も譲れないものがあります。海を、冥海機ヤ・ウマトと言うディヴィジョンをクロノヴェーダから最終人類史に取り戻す為に!」
巨大触手の撃退では無く、撃破を狙わせて貰いましょう!
叫びに呼応するように、彼女を包む魔力が煌めきを増していった――。
壁を破壊し、戦域を広げながら戦う触手相手に、負けじとエヴァもその身体を追う。
床を、壁を、天井を、そして巨大触手そのものを足場と蹴飛ばしながら進む姿は、まさしく鬼神そのものであった。
(「撃破まで持っていく為に。その道筋を私も作ってお手伝いします!」)
身体を包むは神の愛馬たる駿馬の力。その電光石火の一撃は触手の装甲を剥ぎ取り、表皮を斬り裂いていく。
対する衝撃波も、エヴァを止めるに至らない。
ただ肉薄し、魔力を叩き込み続ける彼女を捉えるに能わず、ただ、虚しく空を切っていった。
「これまで多くの人たちの戦いと数多の想いの積み重ねがあった」
魔力を紡ぎ、触手を打ち据えながらエヴァは唱える。
数多の想いは彼女達が紡いだ物。そして、彼女達が受け取った物だ。
「一つでも欠けてもここに至らなかったからこそ! 過去も、最終人類史たる今も、そして人類の未来も守る為ッ!」
圧縮した魔力が触手を穿つ。
弾丸と化したそれが衝撃波を貫き、触手本体を梳って行く。
それらを幾度と無く圧唱する彼女は、そして、魔力そのものと共にそれらを叩き付ける。
――それは想い。それは願い。それは祈りだった。
「奪ったものを取り戻す為、触手撃破をッ! 貴方の大戦略とやらを打ち砕く狼煙としますよッ!!」
祈りは叫びとなり、叫びは力となって巨大触手を打ち据えた。
エヴァの喚んだ魔力は破壊となり、それが折り重なり紡ぐ音は、ミッドウェー鎮守府内に悲鳴の如く響く崩壊の音と化す。
蠢く触手のその先で、エヴァはぎりりとした歯噛みの音を聞いた気がした。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【神速反応】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV2になった!
クィト・メリトモナカアイス
【連合艦隊】
号令に合わせて開幕の台詞をなんか入れる
モナカ砲撃型を抱えて戦闘。さっそく突撃……ではなく、一旦待機。
我の役目は援護が開いた道をくぐりぬけてべしーんとやること。今は待つのだ。
援護の攻撃を見て、触手が怯んだここぞというタイミングで華楠の放つ式神と一緒に触手の根本に接近。
タイミングを逃さぬよう【パラドクス通信】で連絡も取れるようにしておこう。
接近したらモナカ砲撃型の秘密兵器を起動。
「砲撃のシャルトリュー」で射出されるひっさつのパイルバンカー。
固い装甲だろうと我の秘密兵器も負けぬ。ゆけー!
触手の反撃の衝撃波を受けてふっとばされるまでは攻撃を続け、我らの攻撃で倒すことはできぬまでも次の攻撃が良く通るようにごりごりと装甲を削り続ける。我らの役目は装甲削り。触手の衝撃波を受けたら衝撃に身を任せて触手の傍を離脱して受け身。
その後も攻撃を仕掛ける体力があればもう一度一斉攻撃であたっく。
あれらが汝の娘なら。
汝戦争を生む者、戦争の父。
海の安寧のため、浮かべてはおけぬ。つらぬけー!
シル・ウィンディア
【連合艦隊】
弱っているのなら、ここでしっかりと破壊まで持って行きたいよね。
これを乗り越えられなくて、超大和に辿り着けるわけないし。
だから、絶対に乗り越えるっ!
パラドクス通信は常にオン。
ただし、攻撃の邪魔になるのなら使用は控えるよ。
いざとなったら大声出して伝えるだけっ!!
わたしはみんなより少し後方で配置だね。
撃つのは七芒星精霊収束砲!
世界樹の翼type.Aを前に突き出して砲撃を撃つよっ!
撃った後は防御体勢は取るけど、重視するのは敵の動きを観察すること。
攻撃動作とはちがって、引っ込もうとしている動作を見つけたら、パラドクス通信で、戦場内の皆に伝達だね。
そろそろ引っ込みそうだから、一斉攻撃の準備をよろしくっ!!
一斉攻撃のタイミングになったら、高速詠唱で隙を減らしてからの全力魔法の七芒星精霊収束砲っ!
みんなで作ったチャンス、この一瞬に賭けるっ!
特に、サヨコさんの斬撃とはタイミングを合わせるようにして…。
これがわたしの全力全開…。遠慮せずに全部もってけーーっ!!
これがわたし達の絆の力だーっ!!
月鏡・サヨコ
【連合艦隊】
皆。ここに来るまでに拘束された兵士達を見たか
あれこそが冥海機ヤ・ウマトの姿
牙無き人々から掛け替えのない命を取り上げ、代わりに蟷螂の斧を握らせる世界の有り様
……こんなものは絶対に終わらせなければならない
『閃電・月夜見』を発動し≪対艦軍刀『銀鉤』≫よりプラズマ刃を発振
長大ながら重量が軽い光剣の利を活かし、距離を詰めながら素早い斬撃で傷を刻む
先行部隊や仲間の攻撃痕へと執拗に攻撃を加えて装甲を削り、総攻撃での突破口を準備
衝撃波のダメージと吹き飛ばしは≪海戦装用増設防盾≫を構えながら強く踏ん張って最小限に
触手の注意が後方の仲間へと向かった瞬間は見逃さず、一気に歩を進める
私は触手が引き戻される直前の総攻撃で、シルと共に必殺を期す『止め』の役回り
【パラドクス通信】での号令に過たず応じる
シルの光線と重ねるように最大出力のプラズマ刃を突き込み、迸る双光を触手の中枢まで貫通させよう
想いを叫び、心を重ね、勝利の瞬間を掴む
見ているならその目に焼き付けろ、超大和!
――私達が、平和への道を切り開く刃だ!
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
【連合艦隊】
道を拓いてくれた仲間達がいる
今この場に立つ、俺にできる精一杯を為そう
パラドクス通信を用い密に連携
俺はまほろばさん、勲さんと共に援護役
仲間の陣の後衛に、援護役の二人とだいたい等間隔に布陣し視野を確保
援護射撃を行い、接近する味方の道を切り拓く
戦況と触手の動きを観察しつつ把握
触手の動きを縫い留めるように、両手の銃でPD攻撃
攻撃や反撃のための動き出し、うねりはじめた箇所を看破し
跳弾させ方々から襲う弾丸で触手を縫い留め
防御を貫くように一点に集約させる
ダメージアップで損傷を重ねつつ、攻め役に繋ごう
触手の攻撃や撤退の兆し、装甲の脆くなった場所など気づきは共有
後衛側で吹き飛ばされた味方がいれば戦線復帰をフォロー
援護の手は止めない
反撃の衝撃波は腕のタワーシールドを構えて防ぎ、重みを受け流すようにして体勢を維持
触手が引き戻される兆候は全員で共有しタイミング合わせ
想いの丈を叫び、同じ個所を狙い一斉攻撃
最終人類史でめぐり逢った仲間達へ
世界奪還のために、懸ける思いは同じ
その道を行け! 吹っ飛ばせ――!
三間・勲
【連合艦隊】
アドリブ歓迎
ここまで来ればお互い気力の勝負です
皆さんがここまで繋いで下さったものを決して無駄にしないように挑みます
僕は遠距離からの砲撃で味方の援護を行います
同じく援護役を担う麗さん、エトヴァさんとは担当範囲を分担し味方同士で視野を補い合います
全体と【パラドクス通信】で連携を図り状況の把握を
反撃を受けたり攻撃準備が整った際など
他の援護役の方に自分の状況を積極的に共有して、互いにフォローしやすい態勢を作るよう努めます
号令、呼びかけの際はしっかりお腹から声を出します
必ず乗り越えて、皆さんと一緒に新宿島に帰ります!
機械兵器群を展開し担当する範囲から海戦装を包囲
味方とタイミングと狙いを合わせ一斉射撃を行い、着実に攻撃を通していきます
反撃や攻撃が来れば「氷盾」で身を守りつつ、怯まずに触手の観察は継続
少しでも挙動の変化を見逃さないように全神経を注ぎます
触手が撤退の素振りを見せれば、皆さんとタイミングを合わせて一斉攻撃を押し込みトドメに繋げましょう
勝つのは僕達!
ディアボロスだーッ!

音羽・華楠
【連合艦隊】
撃退で充分、とは思いません。
超大和へ刃を届かせる為に――奴の海戦装の触手、今、粉砕します!
援護役の皆さんが道を開いてくれると信じ、その瞬間、クィトさんと共に触手に肉迫。
触手の装甲を削ります。
……突っ込むのは私自身じゃありませんが――
――《雷幻想・天狼》!
雷の狼の式神を顕現、疾駆させます。
ロマノフの黒翼卿を始め、ジェネラル級にも牙を突き立ててきた式神です。
超大和の触手にも負けはしません!
そう己を鼓舞し、《天狼》へ力を注ぎます。
雷纏う牙で、触手の装甲を喰い千切らせましょう。
味方の攻撃での損傷箇所を狙い、さらに傷を広げるのも良いですね。
反撃の衝撃波は、攻撃に間を空けない為にも体勢を低くし、吹き飛ばされ過ぎないよう堪えます。
私自身は触手の動きを俯瞰出来る位置取りへ。
特に退く素振りを見逃さないよう。
察したら味方全体へ即共有を。
その為にも【パラドクス通信】で意思疎通は万全に。
触手への一斉攻撃時には改めて《天狼》を強襲させます。
直にその命、獲りに行きます!
首を洗って待ってなさい、超大和!!
麗・まほろば
【連合艦隊】
【超々々々弩級戦艦級海戦装『紀伊』】、仮想接続! 各種砲塔を装填装備!
勲さん、エトヴァさんと【パラドクス通信】を介して連動、援護射撃をするよ!
後方側、仲間たちとは一定の距離を保ちつつ構える
まほろばはもちろんおとなしいだけじゃない、最初っから全力全開でいくよ!
だってまほろばは超々々々弩級戦艦だからね!
動きをよーく観察
仲間たちとの攻撃タイミングを合わせ、触手が捩らせるところを全門斉射で牽制するよ!
他の仲間を狙おうとするのを阻止するように頑張るんだ!
そ、れ、に、こんなかわいいまほろばを無視しようだなんてつれない紳士様だねぇ?
あまりそっけないと……【51センチまほろば砲】で貫いちゃうぞ! どどーん!
反撃の衝撃波は【15.5センチまほろば砲】を盾にして直撃から逸らし、致命打をさけるよ!
触手が逃げ出そうとするのは絶対に見逃してはいけない
さぁ断片の王、覚悟しなよ。次はお前の番だ
――そしてもちろん、勝つのはまほろばたち! ディアボロスだよッ!
幾多の攻撃を受け、それでも断片の王『超大和』の一部たる巨大触手は健在であった。
「皆、ここに来るまでに拘束された兵士達を見たか?」
その巨体と対峙しながら、月鏡・サヨコ(水面に揺らぐ月影・g09883)は呟く。
否、静かに紡がれるそれはしかし、彼女の叫びであった。
「――あれこそが冥海機ヤ・ウマトの姿。牙無き人々から掛け替えのない命を取り上げ、代わりに蟷螂の斧を握らせる世界の有様」
こんなものは絶対に終わらせなければならない。
その決意を以て、サヨコは紫電を帯びた薄刃の軍刀を振るう。
一方で巨大触手は何も語らない。語る口を持ち合わせて居ないかのように触手を振るい、衝撃波をサヨコ達へと降り注がせていた。
だが、その攻撃は些か精彩を欠いている。
それはおそらく防戦に徹しているが故なのだろう、とエトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)は静かに思考を紡いでいた。
(「超大和の狙いがどうであろうと、俺達は俺達の為すことをするのみ」)
道を切り拓いてくれた仲間がいる。群がる一般人を拘束し、安全な場所へ移送した仲間がいる。巨敵を討つべくミッドウェー鎮守府へ乗り込んだ仲間がいる。そして何より、この冥海機ヤ・ウマトの改竄世界史を取り戻すと奮闘した仲間達がいる。
彼らの心意気に応える。それが今の自信の役割だと、エトヴァは双手の拳銃を構え、白銀の弾丸を吐き出していく。
「ここまで来ればお互い気力の勝負です! 皆さんがここまで繋いで下さったものを、決して無駄にしないように挑みますッ!」
三間・勲(漁火・g10186)もまた、仲間達と同じく息巻く一人だ。
気合い充分な砲声は機械兵器群のパラドクスと化し、巨大触手を撃ち貫いていく。
「そして、必ず乗り越えて、皆さんと一緒に新宿島に帰ります! 帰るんです!」
凱旋は勇ましく終わらせなければならない。遣り残した虚無感に囚われ、意気消沈の帰途は為すべき事では無い。
ならば――ここで全力を出さずして、何になるだろうか。
「だから、私達は、撃退で充分とは言いません!」
音羽・華楠(赫雷の荼枳尼天女・g02883)もまた、志を同じくする者であった。
幻想の雷を纏い、幻想の雷を放出する彼女もまた、気持ちは皆と同じと叫ぶ。
「超大和へ刃を届かせる為に――奴の海戦装の触手、今、粉砕します!」
此処に自分達が居る。此処に自分達が攻めてきた。
そう知らしめるため、彼奴の力を破壊するのだ。
そのために、今、自分達は力を振るうのだとの叫びは、霹靂の音を奏で、巨大触手を斬り裂いていった。
「これを乗り越えられなくて、超大和に辿り着けるわけないし。だから、絶対に乗り越えるっ!」
そう。目指すは撃退では無く撃破。シル・ウィンディア(虹を翔ける精霊術師・g01415)もまた、それを願う一人だ。
故に決意の叫びと共に、複合精霊魔法の術式を紡ぐ。
「六芒星に集いし六界の精霊達よ、過去と未来を繋ぎし時の力よ……。七芒星に集いて虹の輝きとなり、すべてを撃ち抜きし光となれっ!!」
白銀の長杖で描くは、7つの天頂を抱く七芒星。其処から放たれる光は魔法、もとい魔砲と化し、巨大触手を穿っていった。
「まほろばはもちろん大人しいだけじゃない、最初っから全力全開でいくよ! だってまほろばは超々々々弩級戦艦だからね!」
そして麗・まほろば(まほろばは超々々々弩級戦艦ですっ!・g09815)は、海戦装『紀伊』の展開。そして、その総てを叩き付けるべく、全ての砲門を開き、巨大触手へと指を突き付けた。
「【超々々々弩級戦艦級海戦装『紀伊』】、仮想接続! 各種砲塔を装填装備! ――この海に立ちし同志たちよ! 強大な敵に抗がわんとする勇者たちよ! この掲げる吾妻の旗を標しに、私と伴に祖国を護らんぞ!! ――放てっ!!」
それはまさしく暴風の如き攻撃だった。
超々々々弩級戦艦の面目躍如とばかりに放たれた砲弾は、巨大触手に着弾するとそのまま爆発。唸り、砕き、そしてその肉へと食い込んでいく。
獣であれば悲鳴を上げただろうそれも、しかし、巨大触手の反応はにべも無い。
代わりに放たれた衝撃波はまほろばを始めとした復讐者達の身体を捉え、後方へと弾き飛ばす。
だが、それで勢いを削がれる復讐者達では無かった。
「んむ。その程度で我等を停められると思うな、断片の王!」
距離を置き、挙動を観察し続けていたクィト・メリトモナカアイス(モナカアイスに愛されし守護者・g00885)はそう断ずる。
彼女が言い放った台詞に、しかし、当然の事ながら、巨大触手からの応答は無かった。
「……ふむ。まあ、そのつれなさは理解しているぞ」
彼奴の役割はこのミッドウェー鎮守府に鎮座し、復讐者達を足止めすること。決して会話することが主では無い。
故に言葉を発する事は無いだろう。
ただ――。
(「こう、良い感じの台詞に良い感じの返答が無いと、少々虚しいな」)
一抹の寂しさを覚えるのは、それはそれで仕方ないだろう、とクィトは内心でのみ、呟いていた。
幾渡目かの衝撃波が奔り、その都度、破壊の音が響き渡る。
それは復讐者達の防具が上げる悲鳴であり、そして、ミッドウェー鎮守府の建屋が上げる叫びでもあった。
「固い装甲だろうと我の秘密兵器も負けぬ。ゆけー!」
幾多の衝撃波をその身に受けただろう。
全身に痣と傷を穿たれたクィトは、しかし、それでもパラドクスを紡ぎ、触手へと肉薄する。
共に駆け抜けるは華楠の電狼。喚び出した式神を疾駆させながら、華楠はキッと凜々しい声を張り上げた。
「ロマノフの黒翼卿を始め、ジェネラル級にも牙を突き立ててきた式神です。超大和の触手にも負けはしません!」
断片の王とジェネラル級クロノヴェーダを同列に持ち出すのは不敬とすら言われそうな文言だが、しかし、この触手そのものがジェネラル級巨獣と同等、と言われているのだ。ならば、問題あるまい。
そして、己を鼓舞するのは、その言葉のみではなかった。
生み出す雷が、電狼こと天狼を強化する。仲間達の援護が、道を切り拓く。そして何より――。
「挙動の変化は見逃しません! クィトさん、華楠さん、後ろは任せてください!」
響く勲の声に、こくりと頷く。
仲間達の叫びが、自身等を後押ししてくれる。その状況で、負ける理由など、何処にも無いのだ。
「あっはっはっはっはっはっ。こんな可愛いまほろばを無視しようだなんてつれない紳士様だねぇ?」
哄笑するまほろばの砲撃もまた、巨大触手の動きを牽制し、衝撃波をあらぬ方向へと逸らしていく。
その隣で銃撃を紡ぐエトヴァもまた、うむ、と力強い笑みで頷いていた。後方彼氏面――もとい、後方兄貴面、と言う奴であった。
幾多の砲撃。幾多の銃撃。そして幾多の機械兵器達による攻撃。
それら全てを受け、蠢く触手に叩き込まれる必殺杭と天狼の牙は、その装甲を梳り、軟体へと食い込んでいった。
「――まだまだっ!」
「私達もいるぞ!」
そこにシルの魔砲が、そしてサヨコの双刃が突き刺さる。
如何に触手がジェネラル級巨獣の耐久力を有していても関係無い。それを上回るまで攻撃を重ねるとの二人の決意は、仲間達全てが有している想いであった。
そして、想いと共に迸る力は、巨大触手の躯体を半ばまで梳っていく――。
それは、正しいまでの連携であった。
巨大触手の攻撃をエトヴァ、勲、まほろばの三名が捌き、クィト、華楠の両名が突撃。そして、巨大触手が怯んだ刹那、シルとサヨコが攻撃を重ねる。
連携とは役割分担であり、各々が十全にそれを全うすれば、その力は相乗され、十分どころか十二分までも昇華される。
そして、此度、『思いの丈を叫べば』との助言もあった。
ならば、それは勝敗を決する原則と化す。
そして、それらを全て制した復讐者達こそが、この戦いの支配者であり、頂点でもあった――。
砲撃が、魔砲が、弾丸が、斬撃が、雷撃が、機械兵器の集中砲火が、巨大触手を穿つ。
幾多に重なるパラドクスに、それは傷付き、そして、動きを緩める。
(「――撤退?」)
敵の不穏な挙動を勲はそう判断した。
そして、それを認めるつもりはなかった。それが織り成す結末は、彼らの目指すべき場所ではない。
故に、【パラドクス通信】の小型無線機へ、警告を発しようとして、――そして、彼は目を見開いた。
観測結果から導き出された答えは、しかし、彼の想定を全て覆す物であった。
びぃんと伸びた触手は周囲全てを薙ぎ、其処から放たれた衝撃波は、片っ端から全てを破壊へと導いて行く。
その構えが撤退を現す物ではないことを彼は即座に理解した。
「皆さん。奴の挙動が不審です。ですが、おそらく撤退ではなく――」
そして、叫ぶ。
「窮余の策――反撃です!」
「苦し紛れの一撃を!」
「本当っ。往生際が悪いぞ!!」
先程までの衝撃波と異なり、遙かに破壊力に満ちた一撃を受け、サヨコとまほろばが罵声にも似た言葉を口にする。返す刀で砲撃と斬撃を叩き付けたが、そこに巨大触手が怯む様子はない。更なる衝撃波を繰り出し、二人の海戦装を、そして身体を梳って行く。
「ふぅむ。窮鼠猫を噛む、と言う奴だな」
「或いは――覚悟を決めた、という事でしょうね」
杭打ちの一撃を打ち込みながら冷静に呟くクィトに、雷撃と共に是と頷く華楠。
肉薄する二人に叩き付けられる触手の殴打は、さすが断片の王の一部、と言った物であった。気を抜けば、その一撃だけで意識を持って行かれそうな錯覚すら覚えてしまう。
だが、それを発したという事はつまり。
「追い詰められている、と言う事だな」
銃撃を重ねながら、エトヴァはその文言を口にした。
本能か、それとも相応の知能があるのかは判らない。だが、彼奴は理解したのだ。撤退の構えを見せた瞬間、討ち取られると。
ならば、せめて相打ちに持ち込む。一人でも道連れにする。そう考えても不思議はない。
「……ジェネラル級巨獣に匹敵するはあくまで匹敵、ってだけだったんだね」
静かに呟くシルもまた、同じ考えに至ったのだろう。
もしも巨大触手が本当に巨獣と同じであれば、おそらく此処で選ぶ選択肢は、逃げの一手のみだったのだろう。だが、彼奴はあくまでも超大和の一部。ならば――獣とは一線を画す思考は、軍人たる彼が選ぶ道だろうか。
「それに応えるとは言わん。だが――」
「むざむざと返り討ちに――道連れになるつもりもありません!」
エトヴァの言葉に、力強い言葉が返る。
それは勲が紡ぐ心からの叫びであった。
新宿島に無事生還すると決めた。彼が決意したそれは、傷付き、流れ着く事を意味していない。
この二本の脚で立ち、喜びに満ちた凱旋を果たすのだ。
ならば、為すべき事はただ一つだ。
「行きましょう。皆さん。そして――生きましょう!」
勲の叫びに、一同は是と頷き、それぞれのパラドクスを紡ぎ始めた。
それは、不撤退の覚悟。それは、全てを奪還する誓いだった。
「さぁ断片の王、覚悟しなよ。次はお前の番だ。――そしてもちろん、勝つのはまほろばたち! ディアボロスだよッ!」
まほろばは勝利を叫ぶ。最大展開した紀伊による砲撃は衝撃波放つ巨大触手を捉え、その身に砲撃の跡を刻んでいく。
「あれらが汝の娘なら。汝こそが、戦争を生む者、戦争の父。海の安寧のため、浮かべてはおけぬ」
クィトが想うのは、散りゆく冥海機達の姿であった。
誰しもが笑いながら沈んだ。誰しもが恨み言一つ無く没した。
それが愛と言うならば、父に捧げる喜びと言うならば、それを断じて認める訳にいかない。
だから、彼女は超大和に――その一部たる触手に杭を打つのだ。
「つらぬけーっ!!」
そして、巨大触手の向こう側。全てを集約した先にいる筈の超大和へ言葉を叩き付けるのは、彼女達のみではない。
「見ているならその目に焼き付けろ、超大和! ――私達が、平和への道を切り開く刃だ!」
サヨコの斬撃は決意と共に。
奔る光はそれを示すように巨大触手を斬り裂き、その身体を断ち穿っていく。
「直ぐにその命、獲りに行きます! 首を洗って待ってなさい、超大和!!」
華楠の咆哮は雷撃の天狼を為し、巨大触手を捉える。雷の牙と爪が織り成す斬撃は、巨大触手を焼き、発せられた異臭は華楠の鼻を突く。しかし、彼女は表情を変えない。そんな暇は、彼女に残されていなかった。
「その道を行け! 吹っ飛ばせ――!」
「勝つのは僕達! ディアボロスだーッ!」
窮余の策。勲が称したその攻撃は激しく、そして重かった。だが、それに負けじとエトヴァと勲は叫ぶ。白銀の銃撃、そして機械兵器による蹂躙。それらを重ね、衝撃波を、触手による決死の一撃を防ぐ彼らの目は、力強く輝いていた。
己が力が仲間達の道を切り拓き、そして、それはいつか改竄世界史の奪還へと繋がる。
ならば、と二人は微笑う。
その未来は疑い様が無い。その笑みは何処までも穏やかで、そして優しい物だった。
「これがわたしの全力全開……。遠慮せずに全部もってけーーっ!!」
そして、全ての力を光に変え、集束砲を紡ぐシルは、全身全霊を以て叫声を放つ。
それは、自身の力だけではない。自身の想いだけでは無い。
仲間全てのそれらを以て、彼女は力を集約。そして、解き放ったのだ。
「これがわたし達の絆の力だーっ!!」
叫びと共に、ミッドウェー鎮守府を光が覆っていった――。
視界を焼いた光が晴れた後、其処にあったのは、半ば崩れたミッドウェー鎮守府の一画と、そして、荒い息を吐く復讐者達のみであった。
中にはもう一歩も動けないとへたり込む者もいた。地面に全てを預け、抱擁する者もいた。
そして、彼ら彼女ら以外に動く姿は、蠢く姿は何処にも無い。
ただ、自身等の前にあった触手を撃破し、討ち滅ぼしたことを理解する勝利への余韻。それだけが、其処にあった。
「――倒した」
「――勝った」
誰かが口にした。
その呟きは皆に伝播し、そして――。
「勝ちましたよ!!」
「僕達の勝利ですっ!!」
弾けるような歓喜が、周囲を覆い、そして支配していった。
超成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【狐変身】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV2が発生!
【光学迷彩】LV1が発生!
【アイテムポケット】LV1が発生!
【悲劇感知】LV1が発生!
【水面走行】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】がLV8になった!
【命中アップ】がLV4になった!