オルレアン戦争~敵の戦力増強を阻止せよ
現在、ディアボロスの去手となった『パテー』と、ジェネラル級キマイラウィッチ『ジル・ド・レ』の拠点であるオルレアンを巡る、オルレアン戦争の前哨戦が行われています。
この前哨戦の後、本格的なオルレアン攻略が始まるでしょう。
ジル・ド・レ側も、前哨戦後を見据えて、オルレアン近隣集落で、一般人をキマイラウィッチに覚醒させる作戦を行っているようです。
攻略旅団の提案により、このジル・ド・レの作戦を阻止する事が可能になっています。
本格的なオルレアン攻略に先立ち、ジル・ド・レの配下に制圧されているオルレアン近隣集落に向かい、一般人のキマイラウィッチ化を阻止してください。
!特殊ルール!
この作戦を成功させる事で、前哨戦後に行われる攻略作戦の必要成功数が減少します。
ジル・ド・レ
村長が座る椅子(作者 大丁)
#火刑戦旗ラ・ピュセル
#オルレアン戦争~敵の戦力増強を阻止せよ
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集落を通り抜けた街道は、川に掛けられた橋につながる。
村の大人たちは、その上に集められていた。皆が欄干にしがみつき、身を乗りだしている。
河原には、木製の起重機のような装置が据えてあり、川の流れの中心にロープで何かを垂らしている。村人たちが凝視しているのは、ロープの先に結わえ付けられて、沈められているその何かだ。
大っぴらに叫ぶ者はいない。
すでに嗚咽を漏らす者はいる。そしてときおり、起重機を操作するキマイラウィッチの方を見る。
トループス級『クール家商人』のリーダー格は、巻き取りハンドルに手を置きながら、傍らの椅子に座る男に囁きかけた。
「なぁ、村長さんよ。あんたの密告のおかげだ。前の村長さんが企んだ、反逆を事前に止められた。だから、村のみんなも感謝してる。あんたがいま座っている、新しくて豪華な椅子は、あんたのような指導者にふさわしいってな」
「う、ううう……れ、礼を言われるほどの……ことは……」
村長と呼ばれた男はまだ若い。
クール家商人は、今度は橋の上にむかって叫んだ。
「まさかとは思うが、反逆に加担した村人がまだいるかもしれない。これはその取り調べだ。前の村長が名前を言えば、その者も同じ拷問にかける。さて、現村長に問いただしていただこうか」
ハンドルが回され、川から引き上げられた。
椅子に縛り付けられた老人が。
「そ、そん……ちょ、ア、アルノー! アルノーさぁん!」
若者、ベランジェは老人にむかって呼びかけたが、返事はなかった。
欄干の村人たちの目線の高さまで持ち上げられた椅子の揺らぎは、主人がこと切れていることを示していた。
血の涙を流す者たちが、河原のベランジェを睨みつける。
これは、すでに行われてしまった過去である。被害が出る前まで遡ることはできない。
「皆様、ご説明したように今回の依頼には、助けられない人が含まれておりますわ」
案内人ファビエヌ・ラボー(サキュバスの人形遣い・g03369)は、最初にことわりをいれた。
『火刑戦旗ラ・ピュセル』のオルレアン周辺地域行きのトレインだ。
「現地では、ジル・ド・レ配下の軍勢との戦いが進行中です。攻略旅団の提案により、これとは別にオルレアンがらみの行動を起こすこととなりました。二面作戦でオルレアンの本攻略を円滑に進められるかもしれません」
あらためて、オルレアン近郊集落の略図が広げられる。
ファビエヌの手が、大きく円を描き、敵の動きを示した。
「ジル・ド・レ配下は、ディアボロスの襲撃に備えて戦力を増強する為なのか、キマイラウィッチによる拷問などを行ない、集落の人々の復讐心を煽っていますわ。この行為により、血の涙を流し復讐を誓う一般人がキマイラウィッチに覚醒し、敵の戦力に組み込まれてしまいます」
拷問を行う者とそれをみて覚醒する者。
ふたつの画像を前にして、ファビエヌは今回の依頼の目的を話した。
「皆様にはこの集落に向かい、一般人を説得してキマイラウィッチ化を阻止していただきます」
依頼参加者が河原に到着したとき、そこには『クール家商人』がいる。
一般人が『グリーディラミア』に覚醒するのを見届けようとしているという。
「『クール家商人』はすぐに逃げ出します。キマイラウィッチの撃破が、説得の助けになるかもしれません。そしてもうひとつ……」
密告した現村長は魔女化せず、その場に残される。
「彼の行動は予知にあがってきませんでした。戦闘中に逃げてしまうか、一般人のいる橋へと謝罪に行くか。何もせずに河原で椅子に座ったままなのかも」
ファビエヌは、操り糸を指でいじる。
ぬいぐるみの首がカクッと傾いだ。
「説得して復讐心を捨てさせることだけが、橋の上にいる一般人を覚醒から救う方法ですが、復讐の対象にこの現村長が入っていますので、彼にも話をして説得に協力させるのもイイコトかも……」
案内人はまだ歯切れが悪かった。
「ごめんなさいね。ただ、現村長の行動が予知できないということは、ディアボロスによって干渉を受け、事態を変化させる存在に感じたのです。保証はできません。どうしても復讐心を無くすことができない状況もありえます。その際は、せめてその場で撃破してあげてください」
車内に資料を残し、ファビエヌはプラットホームに降りた。
「これだけははっきり言えます。ジル・ド・レは、最低最悪な手段を用いる、狡猾かつ残酷な性質をもっています。わたくしたちは、オルレアン戦争に勝利しなければなりません」
いまはまだ橋の上にとどまり、指導者アルノーの死を悼む。
ベランジェに密告され、その罰をひとりで受けてくれたのだ。ここで暴動を起こしても、無駄になってしまう。
村人たちの思いは同じ、だが流す涙に血が混じる者とそうでない者がいる。
キマイラウィッチの商人たちは、河原から見上げて勘定していた。ジル・ド・レに献上できる戦力のほどを。
全員が反逆の徒であるととっくに判っていたのだ。
拷問でそれを明らかにするよりも、復讐したいが簡単には為しえない状態に吊るしたほうが、覚醒への効率がいい。
リプレイ
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎
速やかに現場に介入
プラチナチケットを発動し、復讐者を名乗る
その場の全員に宣言するように
俺はディアボロス。キマイラウィッチの討伐に来た!
アルノーさんに手を出したキマイラウィッチは、俺が倒す
正しきを成そうとした者を悼むなら、見届けてくれ
クール家商人の逃げ道を塞ぐように矢を放ち、一体たりとも逃さない
河畔の新村長は巻き込まない位置で、だが見える場所で戦おう
彼が逃げ出しそうなら一声
見届けてくれ、と告げて制す
クロスボウから矢を放ち、PD攻撃
戦況を観察し、逃亡する敵を率先して狙い
一撃で倒せる敵、次いで消耗した敵を優先し確実に倒す
反撃には、タワーシールドを頭上に掲げつつ移動し防御
逃げ出すなら挑発を
ディアボロスを前に逃げだすのか? 臆病者のキマイラウィッチ!
大部分を始末した所で、最後の一体に矢を向けてから新村長に問う
「ベランジェ、この者を断罪することを望むか?」と
大声で問おう
橋の上まで聞こえるように
それ以前に、彼が謝罪に走るようならば止めない
彼が不承不承密告した事が伝わるように応じ、護ろう
ニルキャス・トーネード
連携アドリブ歓迎です
いいね。人を励ます姿は…恰好良いな。
守るべき人と、処すべき敵がいる。これは、お誂え向きかもね
僕は今まで、ちょっとした世捨て人になっていたんだ…都合の悪い自分の過去に、向き合う為に
だから僕は世間知らずかもしれないけれど、君らを残しても良いことは何も無いってことは理解しているつもりだよ
取りこぼせばアヴァタール級にだって変貌するかもしれない。だから、ここで禍根はきっちりと…来い、空葬竜鎌ダムナティオ。
再始動だ。さあ過去の力を、もう一度…今度はせめて生きた人だけでも、守り抜く為に
背を向けるなら遠慮なくPDを使い暴風で加速して竜鎌で刈り取る。立ち向かうなら豚の首に鎌を宛がい上方向に加速して刈り、急降下して人型部分も唐竹割りで両断するよ
悪いけど、僕が今欲しいのはお金じゃないんだよね。死ねばあの世にお金は持っていけないから…だから君らも、その金銭欲を置いて逝けばいい。
僕の殺意を侮られたら困る
件の村長さんもきっと弱みに付け込まれただとか、訳があるよ。生きる限り苦痛は続くけれど…
「俺は……ディアボロスだ!」
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)は、まず復讐者を名乗った。
土手の上から姿を見せ、橋にあつまった村人たちに。そして、豪華なほうの椅子に座らされている若者、その傍らの『クール家商人』。つまり、場の全員に宣言した。
「キマイラウィッチの討伐に来た。アルノーさんに手を出した奴らは、俺たちが倒す。正しきを成そうとした者を悼むなら、見届けてくれ!」
クロスボウを構えると、河原の商人に矢を放つ。
豚の融合怪人は、ぶるっと震える。この初撃は、あきらかに逃げ道を塞ぐためのものだ。実際、低所から背をむけて走るのはよろしくない。かといって、川に飛び込むのもどうか。別に弱点ではないが、男性型でも魔女だ。躊躇われる。
自分たちの命を第一に考えているからこそのまごつきだった。
その間に、土手にもうひとり、ニルキャス・トーネード(葬戮圏象-Carnage Weather・g05173)も現れる。
(「いいね。人を励ます姿は……恰好良いな」)
黙って、成り行きを見守る。
作戦を聞いたときは、大いに共感できた。しかし、戦意の低い敵を撃破するだけなら簡単だが、村人たちの覚醒を防ぐため、いくつかの条件を同時に満たさねばならない。
ひとりだけのディアボロスでは難易度は上がる。
そして、手助けする動機がニルキャスにはあった。
見たところ、橋の上の村人たちは、血涙の如何に関わらず、橋の欄干にしがみついたままだ。河原を注視している。エトヴァの言葉が効いただろう。
椅子の上の若者は、キマイラウィッチの注意が自分から逸れていると気付いている。矢も飛んでこないと確信したならば、逃げ出すかもしれない。
覚醒をおこしていない一般人だ。『罪縛りの鎖』もあるし、捕まえるのは容易い。
だが、作戦はそうなっていない。若者がその足で、踏み止まらなければ。
「エトヴァ君……!」
短く促す。すぐに察し、改めて一声がかけられる。
「見届けてくれ!」
椅子から振り返っていた怯え顔に届くと、新村長ベランジェは歯を食いしばった。
立ち上がって数歩、水辺へと後退する。
クール家商人たちからは離れたが、元村長の亡骸には近づいた。その商人たちは、射手の注意が逸れたので、土手を駆け上りだす。
ディアボロスを突破して逃げることにしたのだ。
(「守るべき人と、処すべき敵がいる。これは、お誂え向きかもね。僕は今まで、ちょっとした世捨て人になっていたんだ……都合の悪い自分の過去に、向き合う為に。だから僕は世間知らずかもしれないけれど……」)
ニルキャスは立ち塞がる。
「君らを残しても良いことは何も無いってことは理解しているつもりだよ。取りこぼせばアヴァタール級にだって変貌するかもしれない。だから、ここで禍根はきっちりと……来い、空葬竜鎌ダムナティオ!」
死鎌を召喚し、薙いだ。
「ひぃ、ひえええっ!」
はなから腰の引けていた敵だ。エトヴァは一番逃げ足の速そうな商人にクロスボウを向けた。
「『Rosenschwur-Ⅲ(ローゼンシュヴール・ドライ)』!」
矢には引火性の塗料が塗られている。
豚のうえで色彩の爆発が咲き、仰向けになったキマイラウィッチは土手を転がり落ちていった。ふたりの攻撃を合わせれば、一体たりとも通しはしない。
「再始動だ。さあ過去の力を、もう一度……今度はせめて生きた人だけでも、守り抜く為に」
ニルキャスは踏み切り、『Afterburning Gail(アフターバーニングゲイル)』の加速で、急降下した。トループス級の身体を、唐竹割りで両断する。
残った敵は、リーダー格のようだ。
硬貨を生み出すパラドクスを放ってくるが。
「悪いけど、僕が今欲しいのはお金じゃないんだよね。死ねばあの世にお金は持っていけないから……だから君らも、その金銭欲を置いて逝けばいい」
死鎌を、豚の頭部にあてがった。
「ま、まて、話をきいてくれ、交渉の余地が……」
「僕の殺意を侮られたら困る」
ニルキャスは冷たく言い放つが、エトヴァに目配せする。クロスボウも向けつつ、彼は大声で新村長に問うた。
「ベランジェ、この者を断罪することを望むか?」
水辺の若者はもちろん、橋の上まで聞こえるように。
(「村長さんもきっと弱みに付け込まれただとか、訳があるよ。生きる限り苦痛は続くけれど……」)
鎌で商人リーダーを押えながらも、ニルキャスは祈るような心持ち。
はたしてベランジェは、応えた。
「お願いします! 私は、偽の椅子など欲しくはない!」
矢と鎌は、人型と豚型の頭部を同時に撥ねた。
キマイラウィッチの抑圧がなくなったとたん、人々は思いを吐露する。正気のものはディアボロスの勝利に喝采を送ったが、少なくない人々が血の涙を流しながら、ベランジェを罵りだす。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【プラチナチケット】LV1が発生!
【罪縛りの鎖】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!
相原・相真
キマイラウィッチを倒して無事解決、とはいかないようですね。これは
けどここで村の方が覚醒してしまえば村長さんの犠牲が無駄になる
それだけは何としても防がないと…!
「そこまでです!」
大声を上げてベランジェさんを罵る人たちを制止
言葉で無理なら空に何発か銃を撃ってみせれば止まるでしょうか
「ここであったことはすでに聞いています。
…そうやって怒りに任せて復讐し獣に堕ちることが、アルノーさんの望みですか?」
【友達催眠】【プラチナチケット】を使用しながら呼びかけを行います
アルノーさんが無駄な犠牲を望まない人であったことは俺でもわかります
村人を守るために、彼はその身を犠牲にしたのだから
ならその人のためにも、貴方がたは獣に堕ちてはいけません
…それでも、どうしても怒りが消えないなら、その気持ちは俺たちに託してもらえませんか?
俺たちが、キマイラウィッチのこれ以上の行いを止めてみせます。必ず
*戦闘から参加されている方が参加された場合、
そちらを優先でお願いしたいと思います
「そこまでです!」
相原・相真(銀腕・g01549)は、土手から橋へと急ぎ、半ばまで渡って村人たちを制した。正気のものなら、この新たに加わったディアボロスが、ベランジェへの罵りを止めにきたことはすぐにわかった。
覚醒しない一般人が相手ならば、エフェクトが発揮される。
彼らは、様子のおかしい村の仲間へと、ディアボロスの説得が届くように橋の欄干から離れてくれる。
「ここであったことはすでに聞いています。……そうやって怒りに任せて復讐し獣に堕ちることが、アルノーさんの望みですか?」
吊り下げられた椅子を指差す、相真。
キマイラウィッチは倒せたが、事件は解決していない。血の涙を流す村人たちが、別のキマイラウィッチに覚醒してしまえば、アルノー村長の死は無駄になる。
(「それだけは何としても防がないと……!」)
罵り声は止まず、視線を誘導することもできなかった。言葉が通じているかもわからない。
相真の額には汗が浮き、言って無理なら空に何発か撃ってみせようかと、複合兵装を銃モードに切り替えようとしたとたん、河原から別の叫びが聞こえてきた。
「みんな! 許してくれなくていいから! いまだけは手伝ってください!」
ベランジェだった。
叫びながら起重機へとむかう。豚の商人は気楽にまわしていたハンドルだが、一般人ではそうはいくまい。彼を場にとどめたディアボロスたちも、彼のやりたいようにさせている。
覚醒しかけの村人たちは順番に口を閉じていった。
若者が取り組んでいる拷問具のさきへと意識はうつり、ようやく相真が示そうとしていたものを捉える。
「アルノーさんが無駄な犠牲を望まない人であったことは俺でもわかります」
相真は、トリガーから離した指を、ふたたび吊られた椅子へと向ける。
それはいま、ガタガタとぎこちなく揺れていた。
「村人を守るために、彼はその身を犠牲にしたのだから。ならその人のためにも、貴方がたは獣に堕ちてはいけません」
流す涙が渇きはしない。
けれども、血はもう混ざっていなかった。ベランジェへの憎悪よりも、アルノー村長への感謝が優ったのだ。
相真にも悲しい結末だと判っていたが、ともかく一般人のキマイラウィッチ化は防げた。村人たちが揃って橋から土手へと渡り、村長の遺体を降ろすために協力しているのを黙って眺める。
キマイラウィッチのこれ以上の行いを止めてみせると、誓いながら。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【友達催眠】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!