ディジョン拠点化作戦

 攻略旅団の方針により、ジェネラル級キマイラ・ウィッチ『ニコラ・フラメル』を撃破して解放した『ディジョン』の防衛態勢を整え、ディジョン再制圧部隊を迎え撃ちます。
 ですがニコラ・フラメル配下の大天使達はディジョンの人々の救い手として振る舞っていたため、人々は大天使を追い払ったディアボロスに対する不信感を抱いています。まずは不信感の払拭が必要になるでしょう。
 敵増援に対しては、先手を取ってディジョンの街へ向かう敵を分断、撃破する作戦が提案されています。

!特殊ルール!
 ディジョンは周囲を敵勢力圏に囲まれており、ディジョンを再制圧しようとする敵の増援部隊が続々と送られて来ます。
 その為、毎月1日に、このシナリオタイプの必要成功数が「3」増加します。
 ディジョンの防衛が困難だと判断した場合は、攻略中断の提案などを行ってください。

※現在の必要成功数
 8(初期値)+3(11月1日の増加分)=11

信心深いか嫉妬深い(作者 大丁
3


#火刑戦旗ラ・ピュセル  #ディジョン拠点化作戦  #ディジョン 


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#火刑戦旗ラ・ピュセル
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#ディジョン


0



 その街区の人々は、ことあるごとに振り仰いだ。
 尖塔の先に掲げられたモニュメントを。
「いつ大天使様がお出ましになられてもいいように、儂らだけでも信仰の証を護っていこう」
 年寄りがひとり、そうした人々に声をかけている。
 クロノヴェーダの配下とは違い、一般人が純真な心でもって大天使の加護を欲しているのだった。多くの者は見上げたまま首を縦にふるが、なかには傾げる若者もいる。
「けどな、爺さん。大天使様と同じように、食料支援は続いているんだぜ」
「そりゃあ、キマイラウィッチの軍勢が攻めてくるって噂はあるけどよ」
 反論に悪気はない。年寄りにしても、さらに言い返したりもせず。
「う、ううむ」
 結局、若者も年寄りもまた振り仰ぐのだ。

 新宿駅グランドターミナルに、攻略旅団トレインが出現していた。
 『火刑戦旗ラ・ピュセル』行きの車内には、時先案内人のファビエヌ・ラボー(サキュバスの人形遣い・g03369)と彼女のぬいぐるみによって、『ディジョン』周辺の地図が掲出される。
「ごきげんよう。ジェネラル級キマイラウィッチ『ニコラ・フラメル』の撃破に成功し、当地を拠点化する作戦が継続中です」
 指差された箇所を見れば、敵勢力圏に孤立した状態がわかる。
 再制圧しようとする敵軍は、時間が経つにつれて増加するだろう。
「拠点化が確立できれば、ディアボロスにとってこれほどイイコト、イイ土地はありません。今回の依頼では、ディジョンの内外で活動していただきます。市民の理解を得るための演説。再制圧部隊の合流を遅らせること、そして実際に集まった部隊を追いかえし、配置されてきたアヴァタール級も撃破してください」

 ファビエヌは演説の意義を説明した。
「電撃戦でニコラ・フラメルを打倒した結果、ディジョンの住民は『大天使』への信仰心を失っていません。大天使に替わって現れたディアボロスへの不満すら持っています。放置すれば暴動などに繋がってしまうでしょう。ぜひ、住民を安心させるような宣伝活動をお願いしたします」
 物資の援助は行われている。
 必要なのは精神的なものだという。
「特に、大天使時代には無かった、キマイラウィッチの侵攻への不安が大きいようです。皆様の勝利への自信を見せれば安心してくれるかもしれません。場合によっては遅滞戦術や敵部隊撃破を先に行って、戦果を説明するのもイイでしょう。証拠などなくとも通じるものですわ」
 そう話すあいだに、ぬいぐるみたちはキマイラウィッチの画像の掲出を済ませる。
「トループス級『テンプル騎士団』が合流しつつあります。攻略旅団からは、先手を打って分断・撃破する方針が示されており、遅滞戦術を行なってください。うまく分断させてからでないと、この『テンプル騎士団』とは不利な戦いを強いられてしまいますわ」
 敵の数は多く、すべてを撃破することもかなわないが、ある程度の戦果を得られれば、敵はいったん退くとのことだった。
「別の土地から配置されてきたアヴァタール級『妬み嫉むインヴィディア』が遅れて現れるので、単独でいるところを撃破してください。これも再制圧部隊全体の戦力を削ることに繋がりますから」

 プラットホームから、皆を見送るファビエヌとぬいぐるみたち。
「申し上げたとおり、ディジョンの拠点化が成功すれば、地の利を生かした作戦を攻略旅団で提案する事が可能となります。がんばってきてくださいね」

 全体は白い蛇だった。
 『妬み嫉むインヴィディア』は僅かな手勢とともに再制圧部隊との合流を急いでいる。
 まさしく、かなりの速度で地面を這うのだ。
「おほほほっ。信仰、畏怖、処刑、蹂躙、ですって? ディアボロスを倒せるのは生粋のキマイラウィッチ! わたくしのような嫉妬の虜をおいて他におりませんことよ!」
 蛇の鼻先に、裸の女性の上半身が埋まっている。
 ほかにも牙が人の指であったり、口腔の奥に人間の歯を備えていたりと、人体と動物の混ざり具合が、混沌を極めている。
 自ら、生粋と称するだけのことはあった。


→クリア済み選択肢の詳細を見る


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【水源】
1
周囲に、清らかな川の流れを出現させる。この川からは、10秒間に「効果LVトン」の飲用可能な水をくみ上げる事が出来る。
【神速反応】
1
周囲が、ディアボロスの反応速度が上昇する世界に変わる。他の行動を行わず集中している間、反応に必要な時間が「効果LVごとに半減」する。
【友達催眠】
1
周囲の一般人を、誰にでも友人のように接する性格に変化させる。効果LVが高いほど、昔からの大切な友達であるように行動する。
【プラチナチケット】
1
周囲の一般人が、ディアボロスを関係者であるかのように扱うようになる。効果LVが高い程、重要な関係者のように扱われる。
【迷宮化】
1
洞窟や家屋、砦などの内部を迷宮に変化させる。迷宮化により、敵は探索や突破に必要な時間が「効果LV倍」される。
【泥濘の地】
1
周囲の地面または水面が泥濘に変わり、ディアボロスは指定した「飛行できない対象」の移動速度を「効果LV×10%」低下させられるようになる。
【光学迷彩】
1
隠れたディアボロスは発見困難という世界法則を発生させる。隠れたディアボロスが環境に合った迷彩模様で覆われ、発見される確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【パラドクス通信】
2
周囲のディアボロス全員の元にディアボロス専用の小型通信機が現れ、「効果LV×9km半径内」にいるディアボロス同士で通信が可能となる。この通信は盗聴されない。
【建物復元】
1
周囲が破壊を拒む世界となり、ディアボロスから「効果LV×10m半径内」の建造物が破壊されにくくなり、「効果LV日」以内に破壊された建物は家財なども含め破壊される前の状態に戻る。

効果2

【能力値アップ】LV1 / 【命中アップ】LV2 / 【ガードアップ】LV1 / 【フィニッシュ】LV1 / 【反撃アップ】LV1 / 【リザレクション】LV1 / 【先行率アップ】LV3

●マスターより

大丁
 オープニングをお読みいただきありがとうございます。
 マスターの大丁です。

 今回は、火刑戦旗ラ・ピュセルのディジョン内外にて、拠点化の準備をするシナリオとなっております。

 遅滞戦術は、アヴァタール級『妬み嫉むインヴィディア』との戦闘がはじまると選べなくなるのでご注意ください。
 また、アヴァタール級の撃破によってシナリオは完結します。演説やトループス級『テンプル騎士団』戦が途中の場合は、これも成功させられなくなるので注意が必要です。
 今回は、原則として②→①→③→④の順番でリプレイ執筆いたします。
 ただし、プレイング内で、○○よりも先に、と指定があればそれが採用される可能性があります。

 戦いに、冒険に。そして、ドキドキを。
 みなさまの素晴らしいプレイングをお待ちしております。
60

このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


アルトゥル・ペンドラゴ
(ヌル:g10747と同行、連携アドリブ歓迎)

……味方の演説が少しでも円滑に進められるよう、こちらは外部の襲撃に備えるか……

(地図を広げ状況を確認)
敵勢力の進路を阻害するようにこちらの『青龍水計』で【水源】を発生させ、ディジョンへの襲撃を阻むとしよう
【水源】を避けるように迂回を実行したならば、そこでまた一つ罠を……
――ヌル、貴様は確か迷宮を発生させるパラドクスを有していたな。それを、敵勢力の迂回ルート上に張り巡らせることは可能か?

(返答を聞いて)
……ではその手筈で事を進めていこう
迂回に迂回を重ね、少しでも勢力の到着を遅らせる。遅らせることができれば、それだけ敵も体力と士気を消耗していくはずだ
相手が限界を迎えた所を、確実に仕留める

狡猾? 陰湿? ……は。言う輩がいるのであれば、勝手に言わせておけば良い
敵方とて、さんざん似たことを民衆にやってきたのであれば。相応の応酬をされても文句は言えまいよ

民衆の心を掴む役割は味方に託した。私達は私達のやり方で支えるまでだ

――やりきるぞ。この“時間稼ぎ”を


ヌル・バックハウス
(アルトゥル:g10746と同行、連携アドリブ歓迎)

やー、民衆の心に響く演説(パフォーマンス)はアタシにゃ無理だ
こいつは出来る奴にお任せして、こっちは敵の襲撃を少しでも遅らせるために動いていこっか
――とは言ったけど、何から手をつけようねぇ?

(指示を聞きながら地図を見て)
んー……多分いけると思う。オッケーオッケー、やってみるよ
『偽真の自由』を使って、指定されたルート上に【迷宮化】を適用して っと

――にしても
水で進路阻んで、迂回させたところに迷宮重ねて迷わせたり、もう一度迂回させようとするとか……アルトゥルも割とえげつないねぇ
敵さんが知ったら『狡猾』とか『陰湿』って言われそう

……ま、そうだね。相手がやいのやいの言ってもスルーするが吉だ。言わせとけってのは同感だよ
あっちだって色々やりたい放題してきたんだから、ちょっとくらいの“お返し”決めてもバチ当たらないって言うか?

ん、演説に力入れてる味方(みんな)のために。全力で“時間稼ぎ”をやりきろう
アタシらはアタシらで出来ることをやってけばいいさ


 パラドクストレインに乗れるディアボロスは、アヴァタール級の赴任よりもはるかに早く到着できる。
 現地入りしたヌル・バックハウス(名も無き自由・g10747)はしかし、額に手をあてて唸った。
「やー、民衆の心に響く演説(パフォーマンス)はアタシにゃ無理だ。出来る奴にお任せして、こっちは敵の襲撃を少しでも遅らせるために動いていこっか」
 とは言ったものの、何から手をつけたものか。
 ディジョンの市街地へ真っすぐ向かう者もいれば、武器を担いでうろうろする者もいる。そんな中で、知った顔のアルトゥル・ペンドラゴ(篝火の騎士・g10746)が、車内でもらった地図を広げて、数人で相談をしていた。
「……味方の演説が少しでも円滑に進められるよう、我々は外部の襲撃に備える。それで配置は……」
 目的が同じっぽく聞こえたので、ヌルもその輪のあとから混ざってみる。
「……では、敵勢力の進路を阻害するように私はここで『青龍水計』を発生させるとしよう。ディジョンへの到着が遅らせられるはずだ。敵が避けて……このルートからの迂回を実行されたならば、そこでまた一つ罠を……」
 地図を指差しながらしゃべっていたアルトゥルが顔を上げる。
 人垣の後ろから首を突きだすようにしていたので、眼が合った。
「――ヌル、貴様は確か迷宮を発生させるパラドクスを有していたな。それを、敵勢力の迂回ルート上に張り巡らせることは可能か?」
「アタシ?! そんな大したモンじゃないよ、攻撃方法がそう見えるってだけ……んー」
 指示を聞きながら地図を眺めれば、あながち無理でもなかった。
「んんー……多分いけると思う。要は、散発的に敵を攻撃して進軍方向をずらせばいいんでしょ? オッケーオッケー、やってみるよ」
 ヌルに役割ができた。返答を聞いて、アルトゥルは地図をたたむ。
「……ではその手筈で事を進めていこう」
 時先案内や予知、事前の相談や資料があったとしても、実際の地形を眺めて照合するまでは判断できないことも多い。
 アルトゥルたちはその点、慎重だった。
「迂回に迂回を重ね、少しでも勢力の到着を遅らせる。遅らせることができれば、それだけ敵も体力と士気を消耗していくはずだ。相手が限界を迎えた所を、確実に仕留める」
 しかし、作戦が始まってみると、やり方は豪快で大胆だ。
 集結しつつあった『テンプル騎士団』は、いわゆる人馬型の兵である。突如として膨大な流水が出現し、馬の足がそれにとられて自由がきかず、吞み込まれていく。
 『青龍水計』を行う位置が絶妙だった。
「『偽真の自由(ギシンノジユウ)』を使って、道筋を増やしてっと」
 ヌルも、指定されたルート上に潜んでは、水計を逃れてきた騎士団にパラドクスを使う。
 真実を選べるまで、四足のキマイラウィッチたちは右往左往していた。
 遅滞戦術参加のディアボロスたちは、申し合わせた場所に集合する。
「――にしても」
 それぞれの報告が終わって、ヌルはもらした。
「水で進路阻んで、迂回させたところに迷宮重ねて迷わせたり、もう一度迂回させようとしたりとか……アルトゥルも割とえげつないねぇ。敵さんが知ったら『狡猾』とか『陰湿』って言われそう」
「狡猾? 陰湿? ……は。言う輩がいるのであれば、勝手に言わせておけば良い」
 アルトゥルは自信満々に答える。
「敵方とて、さんざん似たことを民衆にやってきたのであれば。相応の応酬をされても文句は言えまいよ。民衆の心を掴む役割は味方に託した。私達は私達のやり方で支えるまでだ」
「……ま、そうだね。相手がやいのやいの言ってもスルーするが吉だ。言わせとけってのは同感だよ。あっちだって色々やりたい放題してきたんだから、ちょっとくらいのお返し決めてもバチ当たらないって言うか?」
 会話しながらも、ディアボロスたちは地図と戦果を比較している。
 作戦が進めば、状況もかわってくるし、決戦をどこで行うかも変化する。
「――やりきるぞ。この時間稼ぎを」
「ん、演説に力入れてる味方(みんな)のために。全力で時間稼ぎをやりきろう。アタシらはアタシらで出来ることをやってけばいいさ」
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【水源】LV1が発生!
【迷宮化】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!

エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
ラズ(g01587)と協力し演説を

人々の輪へ、友達催眠を添えて話しかけつつ
……何を見ているんだい?
この街に、教会は、昔からあるのだよな
大天使達がやってくる、ずっと前からそこに……
……不安なのかい?

申し遅れた、俺はディアボロスのエトヴァ
話をしても構わないかい

俺達は、キマイラウィッチからあなた方を『守りに来た』
シャルル7世陛下と共に戦ったディアボロスの、その仲間のディアボロスだ
今、大勢の強い仲間たちが、この国に集っている

俺達は強いよ
これまで、多くの魔女を、この手で討ち果たしてきたよ
おや、信じられない顔だな?
そうだな……じゃああれを見て?
と、ラズの方を示して

尖塔を見上げていた方へ
微笑みかけ、手を重ねて取り、同じ目線で見つめ

信仰は、生まれた時から傍にあったのだろう
それが変わる事はない
日々が平穏であれと祈る心も、変わりはしない
俺達が応えよう

曇りなき心で
今とこれから、俺達が何を為すかを、見ていてほしい

俺達は、あなた方の隣人として
この街を守り抜こう
頼もしい仲間も、大勢来ているよ
自信満点の笑顔をみせよう


ラズロル・ロンド
アドリブ歓迎
エトヴァ(g05705)と協力し街人に演説しよう
話やすいよう友達催眠を使い

僕はディアボロスのラズロル
信じる力は尊いね
その気持ち僕等に向くと嬉しいけど
今は難しいかな?

復讐者が来て間もないし信じられないよね
頷き理解を示しながら言葉を続けよう
キマッチの軍勢が来るの心配だよね
実際…この後来そうだし…
今、僕等の仲間がキマッチ撃退に動いてる
僕もその準備に来たんだ

僕等これでもすっごく強いんだよ
信じられない?
じゃ、見せよう
離れててね

無人小屋を見つけたらデザートウォールの砂の手で小屋をペチンと潰そう
無人とは言え壊されたら怒るだろう
大丈夫、大丈夫と言って【建物復元】で壊れる前の状態に戻す
しかもこの小屋、頑丈になってるよ!
街人に棍棒を渡し壊れないか試してもらおう

すごいでしょ
僕達がキマッチ達を倒せる理由はこの力さ
ディジョンは必ず僕達が守ると約束する
大切な家が壊されないよう効果をかけて回り
街人と会話し僕等を理解してもらおう
君達の安心安全が僕等の願い
来ない大天使達より頼りになるよ絶対に
と自信を持って話す


 指定された街区に到着すると、モニュメントのある尖塔を眺める人々は思ったよりも多かった。
「……みんな、何を見ているんだい?」
 エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)は気軽に話しかける。
 振り返った顔は、一容に困惑していた。
 それは、大天使の再来を待ちわびる年寄りでも、疑問を呈する若者でも同じだ。けれども、すぐに『友達催眠』の効果が現れて、市民たちの表情は和らぐ。
「ええと、あんたが知らないのは無理もない。儂らは大天使様への信仰の証として、あれを大事にしてきたのじゃ」
 年寄りの返答に、若者たちも頷く。
 意見が対立していても、彼らにとっての『歴史』は動かされていないからだ。
 エトヴァはそこへ楔を打ち込んだ。
「この街に、教会は、昔からあるのだよな。大天使達がやってくる、ずっと前からそこに……」
 はたしてそうだったか。
 先の困惑とはまた別の感情が人々に表れている。
「それでも……不安なのかい?」
 言い当てられてハッとするものもいた。そして、最初に話しかけた数人を越える、多くの市民がエトヴァに注視しはじめる。
「申し遅れた、俺はディアボロスのエトヴァ。話をしても構わないかい」
 拒んだり、口を挟んだりする者はいない。
「俺達は、キマイラウィッチからあなた方を『守りに来た』。シャルル7世陛下と共に戦ったディアボロスの、その仲間のディアボロスだ。今、大勢の強い仲間たちが、この国に集っている」
 エトヴァは尖塔のある建物の前から、ゆっくりと離れる。
「俺達は強いよ。これまで、多くの魔女を、この手で討ち果たしてきたよ。おや、信じられない顔だな? そうだな……じゃあ、あれを見て?」
 と、崩れかけた別の建物を指差した。
 ツタの這うポーチで、ラズロル・ロンド(デザートフォックス・g01587)が両手を広げる。
「僕はディアボロスのラズロル。信じる力は尊いね。その気持ち僕等に向くと嬉しいけど、今は難しいかな? 復讐者が来て間もないし信じられないよね」
 人々の誘導はうまくいった。
 どうしても、この廃屋の前まで聴衆を連れてくる必要があった。ラズロルは話を続ける。
「キマッチの軍勢が来るの心配だよね。実際……この後来そうだし……。今、僕等の仲間がキマッチ撃退に動いてる。僕もその準備に来たんだ」
 いまや、エトヴァが連れてきたよりも、立ち止まる人の数のほうが多い。
「僕等これでもすっごく強いんだよ。信じられない? じゃ、見せよう。離れててね」
 話しながらラズロルも、建物のまえに出てきていた。玄関がわを振り返ると、物々しい仕草で詠唱する。
「砂塵よ集え!」
 砂でできた大きな手が、廃屋をペチンとあっけなく潰してしまう。
 無人とは言え壊されたら怒るだろう。そう思ってラズロルが振り返ると、人々はむしろ血の気がひいた顔で見上げている。
 ゆっくりと霧散していく砂の手を。
「だ、大丈夫、大丈夫」
 ラズロルは『建物復元』を行う。
 廃屋になってから日にちがたっていたから、這っているツタまで元通りだが、かえって人々の関心をひいた。
「しかもこの建物、頑丈になってるよ!」
 ラズロルが棍棒を差し出して試させようとした時には、若者から数人が希望したくらいだ。
 恐怖が、畏敬に変わっている。
 エトヴァの隣で年寄りは愕然としていた。
「な、なんという力じゃ……」
「信仰は、生まれた時から傍にあったのだろう。それが変わる事はない。日々が平穏であれと祈る心も、変わりはしない」
 年寄りの手をとり、エトヴァが微笑みかけると、彼や周りの人々も目線を合わせてくれた。
「俺達が応えよう。曇りなき心で、今とこれから、俺達が何を為すかを、見ていてほしい」
 畏敬はさらに信頼へと。
「あなた方の隣人として、この街を守り抜こう。頼もしい仲間も、大勢来ているよ」
「すごいでしょ。僕達がキマッチ達を倒せる理由はこの力さ。ディジョンは必ず僕達が守ると約束する」
 廃屋が頑丈になっていることを確かめた若者たちは、他の市民にもふれてまわった。
 自分たちが待っていたのはディアボロスだ、と。
「君達の安心安全が僕等の願い。来ない大天使達より頼りになるよ絶対に」
 言いつつラズロルは、決意を新たにする。
 遅滞戦術が成功したとしても、キマイラウィッチの部隊のいくつかは、ディジョンの近くまできているだろう。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【友達催眠】LV1が発生!
【建物復元】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!

ラズロル・ロンド
街人にいいとこ見せないとね
有言実行!
エトヴァ(g05705)と協力し
仲間の策で迂回しまくりのテンプル騎士を迎え撃とう
出来れば予め仲間から迂回ルートを聞き
かつディジョンを目指すなら通る場所へ先回り
【光学迷彩】を使い障害物に身を隠し
息巻く敵の横っ面に不意の襲撃を出来たらしよう
エトヴァとはP通信と手信号で以心伝心

敵が射程に入ればタイミングと狙いを合わせ
光王刃を放ち一気に仕留めに掛かる
動揺する敵を尻目に
こちらも捕捉され難いようエトヴァとは別方向に移動し続けながら
僕等の狙う敵は予め打合せた通りにダメージ多い敵から狙う

君達の大好きなディアボロスの大歓迎だよっ
漏れなく全員ぶっ倒すからこっちにおいでおいで

ディジョンから目を逸らす事間違いなしの挑発を交えて
片っ端から倒していこう
エトヴァとの位置関係は常に意識し
付かず離れずで動き回り
攻撃は二人の力で着実に敵の数を減らせるよう攻撃
反撃の撹乱蹂躙はこっちも惑わされぬよう追い縋らず避ける事に集中し躱す


グループを倒せたら別のグループが居ないか索敵
同じ作戦で倒し切るよ


エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
ラズ(g01587)と連携

ああ、仲間が作ってくれたチャンスだ
この程度の軍勢、追い返してみせよう

迷彩コートを纏い、救援機動力で合流
テンプル騎士団を迎え撃つ
可能なら、先行の仲間からPD通信で情報を引き継ぎ
良い場所を見つけ、ラズとは違う位置で【光学迷彩】で樹木や岩陰、地形の陰に潜み、双眼鏡で観察
敵が射程に入ったら、PD通信や手信号で合図しあって不意打ち、挟撃を仕掛ける

戦況を観察しつつ把握
両手の銃でPD攻撃
一撃で倒せる敵>消耗した敵の順に、ラズと声掛け狙いを合わせ
ディジョンへ抜けようとする敵は攻撃に巻き込むか挑発を
ラズが挑発するなら、俺は別角度から撃ち抜こう
ラズとはつかず離れずで移動しつつ戦闘

よそ見をしているのかい?
なんだ、その程度の復讐心だったのか
ここでディアボロスに倒されるというのに、随分と余裕だな!

敵の反撃には、魔力障壁で身を守りつつ邪気を打ち払い
己の香水を頼りに
隣のラズへ目配せし、思考を研ぎ澄ます

一団を殲滅したら、他の敵がいないか確認
まだいれば、同様に、挟撃や時間差の不意打ちを仕掛けよう


エイレーネ・エピケフィシア
魔女の名を瀆す怪物……キマイラウィッチの限りない残虐さは、亜人にも匹敵するものですね
邪悪なる者達が都市を脅かすことがないよう、ここで仕留めておきましょう

仲間が奇襲を行うつもりならわたしも合わせておきましょう
茂みや物陰に身を伏せ、敵を見つけたら【パラドクス通信】ですぐ伝達
攻撃開始のタイミングを合わせて、相手が状況を把握する前になるべく多くを討伐しましょう

『大地の激震』を引き起こして、地を伝う衝撃を敵に浴びせます
蹄から体内に駆け登る衝撃で、脚の骨を粉砕し、臓腑をかき乱しましょう
一撃では倒せない場合でもケンタウルスの肉体の強みである駿足を潰し、仲間の追撃を決まりやすく
更に攻撃と同時に【泥濘の地】を発動させて移動速度を低下、ディジョンへの強行突破も困難な状態に追い込みます

敵が振るう剣は《神護の輝盾》で防御
相手の剣術の流派や癖に慣れてきた辺りで、ただ防ぐだけではなく、剣やそれを握る手を強く弾いて姿勢を崩すことを狙います
隙を晒させて攻守を入れ替えましょう

汚らわしい蹄に、都市の石畳は踏ませません!


 敵のすべてを相手せず、突出したものさえ仕留めておけば侵攻を遅らせられる。
 今回の戦略はそこで一致していた。
 蹂躙を旨とするクロノヴェーダも削りに削って滅亡させたのだ。エイレーネ・エピケフィシア(都市国家の守護者・g08936)は、槍を短く持って力をこめる。
「魔女の名を瀆す怪物……キマイラウィッチの限りない残虐さは、亜人にも匹敵するものですね」
 都市を脅かすことがないよう、ディジョン周辺においても迎え撃つのみ。
 トループス級『テンプル騎士団』に強いた迂回ルートは、パラドクス通信などを用いて共有済みだ。『光学迷彩』も広く借りられ、ひとりずつが別々の場所で待機していた。
 樹木や茂み、岩陰、あるいは地形のへこみ。
 ディジョンに向かう残った道に対して、それぞれが横っ面から不意の襲撃が可能で、乱戦後は挟撃にもなる。
「街の人にいいとこ見せないとね。有言実行!」
 演説を行ったラズロル・ロンド(デザートフォックス・g01587)が、通信機にむかって気合を入れる。同じく、街頭から救援機動力で現在の配置についたエトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)が、仲間たちに礼を伝えた。
「ああ、皆が作ってくれたチャンスだ。この程度の軍勢、追い返してみせよう」
 迷彩コートのすき間から覗いた双眼鏡に、半人半獣の鎧騎士たちが映ったのは、それからすぐのことだ。大天使でもないのに信心深い連中だそうだが、騎士団がまとった雰囲気は邪気そのものだった。
「全体の射程にはいった!」
 エトヴァが叫ぶ。
 ディアボロスが隠れ場所から一斉に飛び掛かる。ラズロルだけは、位置が近かったので、その姿が直接見えた。とくに、自分のまわりに光の刃を形成しているからなおさらだ。ふたりで同じ標的に狙いをつける。
「――凍て、響き渡れ」
 二挺銃から青の銃弾を連射した。
 『Wunderfarber-γ(ヴンダーファルバー・ガンマ)』は、撃ち抜いた相手を内部から急速に凍りつかせる。行軍する敵の足を止めるには、うってつけだ。
 『テンプル騎士団』のなかから、水の次は氷だ、という言葉が聞かれた。
 ここに来る途中でくらった遅滞戦術を警戒し、仕掛けた相手を探しているのだろう。エトヴァは、それを挑発に利用した。
「よそ見をしているのかい? なんだ、その程度の復讐心だったのか。ここでディアボロスに倒されるというのに、随分と余裕だな!」
「君達の大好きなディアボロスの大歓迎だよっ。漏れなく全員ぶっ倒すからこっちにおいでおいで」
 そしてラズロルが、逆方向から誘いをかける。
 真っすぐに走るなら速かろうが、騎士団の脚、『ホーリーチャージ』は乱れた。
(「ラズ、とどめは任せた」)
 エトヴァからの目配せも受けて、具現化した『光王刃』を一斉に飛ばす。
 凍りついていた獣の下半身が、光の刃を受けて砕け散る。キマイラウィッチのうちの人体部分、鎧で防御を固めた上半身が、泥濘に落ちた。
(「よーし、よし。これでディジョンから目を逸らす事間違いなし」)
 ラズロルは、いったん距離をとった。
 慌てて突撃しても、まだ無事な敵が残した脚でかく乱してくるだろう。エトヴァと位置関係を意識し、ふたりの力で着実に敵の数を減らせるように攻撃していくだけだ。
 それが上手くいったのも、さきの敵が埋まった足場に関係がある。
「大地よ、不敬なる者どもの歩みを拒みたまえ!」
 エイレーネが、槍の石突きを全力で地面に叩きつける。
 『大地の激震(クラダニシス)』が、円状に広がる衝撃波を巻き起こし、蹄から体内に駆け登る振動で、四脚の骨を粉砕した。臓腑にも損害を与えたかもしれない。
 衝撃波はさらに液状化を促し、泥濘をつくったわけだ。
 敵軍の移動速度は低下、ディジョンへの強行突破も困難な状態に追い込む、とエイレーネも足狙いであった。
 トループス級たちは剣を掲げる。
「不敬なる者とは、貴様らであろう! 我が聖なる魂が、炎となってディアボロスを滅ぼす!」
 祈りの聖句を唱え、刃に業火を纏わせた。
 こんなところでも対抗してくる。エイレーネは『神護の輝盾』で、騎士団の『聖断火剣』を防いだ。
 しばし斬り結べば、相手の剣術の流派や癖にも慣れるもの。炎剣やそれを握る手を、槍で強く弾いて姿勢を崩させる。
「邪悪なる者達に、神護を破るすべはない!」
 攻守は入れ替わり、また一体を撃破した。
 この一団の指揮役だったらしく、残りの敵は散り散りになって退却していった。ディアボロスたちは追撃を控える。
「別のグループが居ないか索敵してからだね」
 ラズロルの意見に、同意の通信が集まる。エトヴァは、聞いていたよりも敵が少なかったと言った。
「分断した先遣が、まだここを通るかもしれないな」
「はい。汚らわしい蹄に、都市の石畳は踏ませません!」
 エイレーネはまた窪地に伏せて、槍を用意する。実際、同じ戦法で別の一団を撤退させられた。
 指揮する配下が集まらないまま、アヴァタール級『妬み嫉むインヴィディア』はやって来る。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【光学迷彩】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
【泥濘の地】LV1が発生!
効果2【リザレクション】LV1が発生!
【先行率アップ】がLV2になった!
【能力値アップ】LV1が発生!

ゼロファスト・ニーレイ
(連携アドリブ歓迎)

「――ようやく、首級の方が見えてきたか」

迫るアヴァタール級を正面から見据えつつ、いつでも前線に立てるよう武器の最終確認を済ませ、対峙する
……姿を見れば見るほど、見るに堪えない様相だ。本当に醜い
今回の指揮を担うにしても、敵の上層ももう少し人を選ぶべきではないか……?
まぁ、見た目抜きにしても相手はクロノヴェーダ……街中に入れるわけにはいくまい。街に進撃する前に片を付けるとしよう

相手との間合いを詰め、『銃剣:地斬』を繰り出す
魔力に転じた弾丸を囮に繰り出される剣戟を、しかと喰らうがいい

――嗚呼、不愉快。実に不愉快だ……いや、貴様の事を指すなら“不愉快”よりも“不快”と形容した方が良いだろうか?
このような手合いは街の中を生きる者達の目に毒となろう。……何が言いたいか、理解できるか? クロノヴェーダよ

――さっさと去ね。この世と言う舞台から、永久にな!

接敵の距離を保ちながら、引き続き近接主体の攻撃を続ける
呪毒を撒かれようとも、耐えきればいい。敵の攻撃に意地でも喰らいついて見せようか


アルトゥル・ペンドラゴ
(ヌル:g10747と同行、連携アドリブ歓迎)

「……指揮役のお出ましと言ったところか」

相手を見据え、戦旗槍と盾を構え対峙しよう
この時『神速展開の陣』を発動し、進軍の合図をとる

「『全員、配置にはついたか? ついたな。――これより進軍を開始する!!』」

周りの攻勢に合わせて、私も接敵し、槍と盾で敵と応戦
今までと同じように。こちらが相手の攻撃を引き受け、味方が攻撃を仕掛ける隙を少しでも確保する
いかなる攻撃を仕掛けられようとも、こちらは捌き、耐えきるまでだ

こちらで攻撃の道筋を切り開こう
――ヌル、主たる荒事はそちらに任せるぞ。いけるな?

(答えを聞いて)
良い返事をいただき、感謝する。……いくぞ! 我等の勝利を、この手で掴み取れ!!

妬み、嫉み……知ったことか
ならば我々の連携を、勝利のために貪欲となる我々の在り方に妬けきり朽ちていただこう


ヌル・バックハウス
(アルトゥル:g10746と同行、連携アドリブ歓迎)

「おー……なーんか名状しがたい見た目の奴が出てきたね。あれが指揮役(ボス)?」

ま、細かいこと考えるのは良いや。姿見せてくれたんだから、ここから存分に殴らせてもらおうっと
片手斧二刀流で急速に間合いを詰めて、『カブキ必勝撃』をお見舞いしてあげよう。最初っからクライマックスと行こうよ、おねーさん?

(アルトゥルの言葉を聞いた後、ニヤッと笑みを浮かべて)
りょーかい♪ 飛んでくる攻撃の数々、ちゃんと捌ききってね?
……アンタのそういう所は、こっちも信頼してるからさ

そんじゃ。期待に添える形で連撃による猛攻を仕掛けて、っと

いやぁ、本当に相手が悪かったね。おねーさん
嫉妬とか、復讐とか……細々あれこれ考えてくれてるようだけど

アタシらは“復讐者(ディアボロス)”だ。アンタらが焚きつけられている以上の“感情(おもい)”を背負って生きてる身なんでね
――とっとと存在を散らしてもらおっか? なるべく、派手な感じにさ


「――ようやく、か」
 ゼロファスト・ニーレイ(漆黒(くろ)の彼岸・g11308)は、黒い持ち手のリボルバー銃と、片手用の魔剣を準備する。最終確認は済ませた。
 隊列の前側で陣取り、迫るアヴァタール級を正面から見据える。アルトゥル・ペンドラゴ(篝火の騎士・g10746)の掲げる戦旗が、風をはらんで大きくなびいた。
 速さを運んでくれる、戦場に吹く風。
「……お出ましと言ったところだな」
「おー……なーんか名状しがたい見た目の奴が。あれが指揮役(ボス)?」
 無骨な片手斧をぶらぶらさせながら、ヌル・バックハウス(名も無き自由・g10747)も、白蛇の長大なうねりを眺める。ゼロファストは、蛇の鱗に浮かんだ犠牲者たちの顔に、嫌悪を感じているようだ。
「ああ。……姿を見れば見るほど、見るに堪えない様相だ。本当に醜い」
 無数に顔があっても、いまは単騎で突っ込んでくる。
「今回の指揮を担うにしても、敵の上層ももう少し人を選ぶべきではないか……? まぁ、見た目抜きにしても相手はクロノヴェーダ……街中に入れるわけにはいくまい。街に進撃する前に片を付けるとしよう」
「そうだね、ま、細かいこと考えるのは良いや。姿見せてくれたんだから、ここから存分に殴らせてもらおうっと」
 ヌルは、『片手斧二刀流』の独特の構えをとる。
「全員、配置にはついたか? ついたな」
 戦旗槍と盾を両方持ち上げ、アルトゥルは『神速展開の陣』を発動した。
「――これより進軍を開始する!!」
 合図に合わせ、ディアボロスたちは駆けだした。
「最初っからクライマックスと行こうよ、おねーさん?」
 『カブキ必勝撃』で急速に間合いを詰めるヌル。そう呼びかけたように、本体らしき女性部分が、大蛇の鼻先についている。
「おほほほっ! ディアボロスごときが軽々しく呼ばないでいただきたいわ! なによ、こんな斧……あら、けっこう鋭い……」
 生白い肌に、血の筋がはいった。
 斧刃を当てたヌルは脇によけ、蛇の頭とすれ違う。敵が向かったその先には、ゼロファストが待ち構えており、リボルバー銃から魔力に転じた弾丸を発射した。
「『銃剣:地斬(ジュウケン・チダチ)』!」
 蛇体がうねると、弾丸は鱗の顔に命中する。悲鳴をあげる犠牲者たち。本体の女性はまた甲高く笑った。
「あらあら、残念ですわね。けどディアボロスというのは、高価そうな武器をお持ちなのねぇ。羨ましいわ」
「違う。弾丸は囮だ。しかと喰らうがいい」
 魔剣が蛇の牙、人の指の形をしているのだが、それを数本斬り飛ばす。
「まやかしの顔など通用しない。いくらでも撃ち抜いてやる」
「でしたら、あなたも丸呑みされて、わたくしの鱗に加わってはいかが?」
 牙を折られてなお、噛み付いてきた。
 剣戟で抵抗するゼロファストを見る目は、値踏みのようだ。あるいは、本当に武器の値段をはかっているのか。
「――嗚呼、不愉快。実に不愉快だ……いや、貴様の事を指すなら不愉快よりも不快と形容した方が良いだろうか? このような手合いは街の中を生きる者達の目に毒となろう。……何が言いたいか、理解できるか? クロノヴェーダよ」
「もちろんよ。丸裸のわたくしには、お店でなんにも買えないって言うのね? くやしいわぁ」
 理不尽な問答に聞こえるが、これがアヴァタール級キマイラウィッチ『妬み嫉むインヴィディア』の、嫉み殺す蛇眼だ。
 些細な感情から、相手を金縛りにするエネルギーを得ている。
「違う――さっさと去ね。この世と言う舞台から、永久にな!」
 ゼロファストは、すんでのところで身体を動かし、蛇のアゴから逃れた。インヴィディアの嫉妬はさらに湧き出し、呪毒となって撒き散らされる。
 戦旗槍を振って一時の隙をつくると、アルトゥルはゼロファストに距離をとらせた。
「いかなる攻撃を仕掛けられようとも、捌き、耐えきるまでだ」
 氷と炎の意匠が刻まれた盾が、ガーディアンナイトをその場に留まらせる。白蛇のキマイラウィッチはまた、盾の値段の話をしているのだろうが、取り合わずに味方にむけて叫んだ。
「こちらで攻撃の道筋を切り開こう! ――ヌル、主たる荒事はそちらに任せるぞ。いけるな?」
 遅滞戦術でも組んだ相棒は、ニヤッと笑みを浮かべた。
「りょーかい♪ 飛んでくる攻撃の数々、ちゃんと捌ききってね? ……アンタのそういう所は、こっちも信頼してるからさ」
「良い返事をいただき、感謝する。……いくぞ! 我等の勝利を、この手で掴み取れ!!」
 風と呪毒がせめぎ合っているかのようだった。
 アルトゥルの姿は、禍々しい色のなかに埋もれ、だんだんと見えなくなっていく。ヌルは、斧をバツ字に構えて、蛇の背に乗った。蛇は振り落とそうとバタつくが、ゼロファストの魔剣が突き立ち、それを防ぐ。
「呪毒を撒かれようとも、耐えきればいい、か。俺も意地でも喰らいついて見せよう」
「アンタもあんがと♪ そんじゃ。期待に添える形で連撃による猛攻を仕掛けて、っと」
 バツ字の斧傷が、蛇の背を登っていく。
 頭部に近づくにつれ、インヴィディアの吐く話題が、ディジョンの民の信仰へと移っていることが判った。アルトゥルによる抵抗の言葉も、呪毒の渦から漏れ聞こえる。
「妬み、嫉み……知ったことか。ならば我々の連携を、勝利のために貪欲となる我々の在り方に妬けきり朽ちていただこう」
「いやぁ、本当に相手が悪かったね。おねーさん。嫉妬とか、復讐とか……細々あれこれ考えてくれてるようだけど」
 蛇の鼻先にたどりついたヌルが、さらに奇抜な構えをとる。
「アタシらは復讐者(ディアボロス)だ。アンタらが焚きつけられている以上の感情(おもい)を背負って生きてる身なんでね――とっとと存在を散らしてもらおっか? なるべく、派手な感じにさ」
 女性型の本体は目の前、空前絶後の一撃が、その首を撥ねた。
 切断されて真後ろをむいた『妬み嫉むインヴィディア』の顔が、笑ったまま固まっている。わずかに口が動いて、何か言った。
「おねーさんだなんて、軽々しく……恨めしいわ」
 とか、なんとか。
 力を失った蛇の長いからだが、ドサッと音をたてて地面にくたばる。ゼロファストが駆け寄ると、薄らいだ毒を一振りで払って、アルトゥルが元気な姿を見せた。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【神速反応】LV1が発生!
【パラドクス通信】がLV2になった!
【プラチナチケット】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV2になった!
【先行率アップ】がLV3になった!
【フィニッシュ】LV1が発生!

最終結果:成功

完成日2024年11月18日