リプレイ
黄泉王・唯妃
【魔女の薬店Aチーム】で参ります。
英の事は「あきらさん」と呼んでる。
さて。派手にやるのは馬鹿2人に任せるとしてこちらは防衛戦に備えますよあきらさん。
戦場になる場所の少し手前に【防衛ライン】を敷いておきます。
後は村人達への避難勧告ですね。
特に理由をつけなくてもいいなら現状をそのままお話しして避難してもらうのがいいでしょう。
「せっかく祭りで盛り上がりましたのにまた暗くなるのもお嫌でしょう? 我々がもうひと花火上げてみせますのでここは信じて避難していただけますか?」
「さて。馬鹿2人の好きにさせるんですから精々派手に暴れてくださいよ」
小鳥遊・英
【魔女の薬店Aチーム】で参加です
黄泉王さんとペア
馬鹿2人て……
まあ否定できねーですけれど
こちらは遅滞戦術に集中しますか
うーん、戦線に立たなくていいって素晴らしい
わたしの戦い方とはかくあるべきですね
ホログラムコンソールとキーボードを展開し、コードを実行
【泥濘の地】効果を発動させます
今回のお相手はすべて二足歩行のご様子
これなら遅滞戦術に貢献出来るでしょう
さて、準備が整ったら……避難勧告……です……
あの人見知りにはハードル高くないです?適材適所間違ってません??
……いや、ド派手に戦う方が合ってないか
適材適所でした……
モーラットの回線安定丸を心の安定剤代わりにぎゅっと抱きしめて村人の方々へお話に行きましょう
「わたし達はディアボロスなんですけど……ハイ、気……気の短いお猿さんが……ですね、滅茶苦茶にしてやると息巻いてまして……アノ、危なくなるので避難を……サーセン……」
回線安定丸をぎゅっとする度不機嫌そうな声で「モギュウウウウ!」とか聞こえるけど気にしません
がんばります
こっちのが重労働です……
●
ディアボロスたちは摂津西宮を守るために駆けつけた。
四人のメンバ-のうち、二人ずつ二組に分かれて行った。
「さて。派手にやるのは馬鹿2人に任せるとしてこちらは防衛戦に備えますよあきらさん」
「馬鹿2人て……」
黄泉王・唯妃(アトラク=ナクアの娘・g01618)の言いよう様に小鳥遊・英(Code name/Falcon・g00772)は閉口した。物も言い様で角が立つ、割る気が無くとも腹は立つ。もう少し言い方があるのではないかと思ったのだが……。
「まあ否定できねーですけれど」
弁護しようとして開始三秒で挫折した。
戦闘タイプだからって悪気はないじゃないですか……と思ったのだが英は止めました! だって砲台メイジに正面突撃アタッカーといかにも脳筋過ぎるのだ。まあ、なんというか自他認める正確であり、どちらかといえば愛称であるのも確かだった(特に日本語は馬鹿一つとっても、発音で意味が多彩に代わるので)。
「こちらは遅滞戦術に集中しますか」
英は走りながら切り替える。
敵の到着を遅らせ、場合によっては不利な状況に追い込む手段。
そんなクレバーな作業こそ自分の役目だと思ったのだ。
策を作って終わりとか、そういう手作業だけではなくもっと出来る事があるだろう。
「うーん、戦線に立たなくていいって素晴らしい。わたしの戦い方とはかくあるべきですね」
英はコンソールを空中に表示し、キーボードを展開した。
素早く周囲の地形を入力し、判ってる範囲で相手の情報を入力する。
そして色々と仕掛けていく位置を計算し始めた。
「あきらさんのお陰で判り易くて良いですね。私はこの辺りに防衛ラインを敷いておきます」
「はいな」
唯妃はその画面を簡単に指差し、出来る限り狭い場所を探した。
相手は見せしめのために村に向かっている為、ディアボロスを警戒してはいない。おそらく一直線に来るので無駄にはならないのだ。
「……どうせなら確実を期すつもりですけど、ここは念のために我々を無視する場合に備えましょうか」
唯妃は移動しながら思案して、戦場で罠にかけるというよりは、その手前でディアボロス達が抜かれた場合に備えた。一直線に駆け抜けるならばその位置で止まるし、ディアボロスに追われた上で道を迂回するとは思えないからである。
「絶対に通さない……ですか。ならば今回のお相手はすべて二足歩行のご様子、これなら遅滞戦術に貢献出来るでしょう」
その間に英は敵のデータを打ち込み、敵部隊が二部隊とも徒歩であることに着目した。
泥濘の地という残留効果はディアボロスの周囲にいる敵に歩行速度が大幅に低下するのだ。会敵さえしてしまえば通用するし、他のチームも流用できるので有用だろう。
「後は村人達への避難勧告ですね」
「ええ、準備が整ったら……避難勧告……です……。あの人見知りにはハードル高くないです? 適材適所間違ってません??」
唯妃に合流した英はハタと気がついて向き不向きを唱えた。
だが、任務からは逃れられない。この場で他に用事を思いつかなければ一緒に村人を説得することになるだろう。
「それとも今からでも馬鹿二人と一緒に戦いますか? 場合によっては連戦ですけど」
「……いや、ド派手に戦う方が合ってないか。適材適所でした……」
唯妃が嫣然と微笑んで『好きにしろ。だが判って居るな?』というニュアンスを含ませると、英は悩み悩んで溜息を吐きながら渋々納得する。いや、彼女の頭脳明晰な灰色の脳細胞には最初から分かっていたのだ。『走り回って、しかも痛い思いをする方がイヤ!』であると。
(「さて、説得ですか。特に理由をつけなくてもいいなら現状をそのままお話しして避難してもらうのがいいでしょう。クドクドいうのは趣味ではありませんし、ベラベラ喋って理論を着けようとすると、勘ぐられそうですしね」)
もう一人が何を考えているかは特に気にすることはなく唯妃は村へと歩いて行った。話す内容はシンプルに、言うべきことはしっかりと。目を見て話すとして、後は誠意を持って伝えればよいであろう。
「おや? あんたたちは確か……」
「せっかく祭りで盛り上がりましたのにまた暗くなるのもお嫌でしょう? 我々がもうひと花火上げてみせますのでここは信じて避難していただけますか?」
排斥力で記憶がおぼろげでも、この辺りは既にディアボロスの保護下だ。
誰かが詰めている事も多いし、『秋祭りで愉しんだ記憶』はディアボロスを排斥する力とは無関係なファクターなので忘れられることはない(正義の陰陽師や鬼狩人という単語が排斥されないのと同じ)。
「ああ、その節はどうも。しかし、避難ですか?」
「わたし達はディアボロスなんですけど……ハイ、気……気の短いお猿さんが……ですね、滅茶苦茶にしてやると息巻いてまして……アノ、危なくなるので避難を……サーセン……」
その時、英は呼吸困難になった。
唯妃がなまじハッキリと目線を合わせて話しているため、村人も感化されてハッキリ話して来るのだ。そんな時に英のように話慣れてない者には敷居が高い。ネット環境でチャット越しなら既に三行か四行くらいは朝飯前であるが(ネットスラングを除いたとしても)、実に心労が激しい。
「天魔武者が来るんです。さあ、お早く」
「は、はい! 今すぐに支度をしますので」
唯妃はその様子を見て『コリャだめだ』とコントのようなセリフを内心に居空いたが、嫋やかな顔には出さず村人たちを説得して行く。
「でぃあぼろすさん、がんばってー」
「がんばります。こっちのが重労働です……」
子供たちの信頼に満ちた目線が心臓に痛い。
無理して笑顔を浮かべ、『エヘっ♪』とアイドルのような照れ顔でwピースしようとする。しかし、体は上手く動いてくれず、モーラットの回線安定丸はまるで精神安定剤代わりにギューっとされてしまい、不機嫌そうな声で『モギュウウウウ!』と鳴くことが度々……頻繁にあったという。
「さて。馬鹿2人の好きにさせるんですから精々派手に暴れてくださいよ」
そんな様子を眺めていた唯妃は内心で『コリャだめだ』と天井をしていたが、やはり顔には出さず御淑やかで村人が安心できそうな澄まし顔をキメていたのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【防衛ライン】LV1が発生!
【泥濘の地】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
陳・桂菓
【魔女の薬店Bチーム】
さて、なるべく派手な戦い方をして人々を勇気づけてくれ、という注文だったが。
……どうだろうな。私は近接戦闘が主だが、威力はともかく見た目は普通っぽい技の方が多いのだよな。
まあいい。今の私にできる、派手に見える技となると……【蚩尤猛掃逐】か。これなら、オーラでできた巨大な刃を振り回すことになるからな。
まずは、鷹頭刀『熊鷹』を軸にして、蚩尤旗のように赤い、旗のようにはためく巨大な刃を生み出そう。
仮に一閃で装甲を両断することはできないとしても、かなりの圧を生み出すことはできるはず。弾き飛ばし、押し退け、容易に懐には入れないようにしよう。
まあ、仮に懐に入られたとて、近接距離での武器のカチ合わせで私がそうそう後れを取ることもなかろうが。
力強く振り回される巨大な蚩尤旗は遠くからでも見えるだろうし、縦横に武者を薙ぎ払う様は復讐者の強さを示すことになるはずだ。
まあ派手な炎使いもいることだし、それほど絵面に困ることもないか。
「これでも注意を惹きつけてやっている。自分の身は自分で守れ!」
エルフリーデ・ツファール
【魔女の薬店Bチーム】で。
まあ桂菓とだけどな。
折角祭りを成功させたってのにすぐさま潰しに来やがるとはなァ。
秀吉より信長みてェだよな。
まあ、いいさ。こっちは相変わらず派手にやればいいだけだからな。
さて桂菓。暴れる準備は出来てるか?
桂菓を前面に押し出して、こっちは派手にデカいパラドクスの準備だ。
太陽と見紛うばかりのこの炎! とくと御覧じろってなァ!!
味方を巻き込まないのは当然だが寄ってくる敵と奥の敵を狙えるように射線を調整しておきてェ。
多分後ろの事なんぞ知ったこっちゃないだろうからなあのバカ。
相手の反撃だが、実は炎と電撃は相性悪いんだよなァ。
大気中の炎は状況としてはプラズマになってるっていうから電撃を通しやs(略)
「おい桂菓! ちょっとは後ろにいる人間の事も考えろ! お前があんまり撃ち漏らすと私が死ぬぞ!」
●
仲間たちが村への守りを用意し、避難勧告をしている間。
同じ時間を使って村の入り口方へ向かった者たちがいる。
向かって来る別部隊の足止めと時間稼ぎであり、天魔武者など相手にならぬとイメージさせるための組である。
「折角祭りを成功させたってのにすぐさま潰しに来やがるとはなァ」
エルフリーデ・ツファール(紫煙の魔術師・g00713)は煙草をふかしながら道端を占拠した。
特に隠れる様子はなく、気分良く紫煙を上げている。
「秀吉より信長みてェだよな。まあ、いいさ。こっちは相変わらず派手にやればいいだけだからな」
せっかく村の為にやったことを台無しにされると腹が立つ。
だがエルフリーデ直ぐに機嫌を直した。
そんなことはさせないと決めているし、直にそうなるからだ。
「さて桂菓。暴れる準備は出来てるか?」
「もちろんだ。単純に戦えば良いなら今直ぐにでも可能ではある」
エルフリーデの言葉を陳・桂菓(如蚩尤・g02534)は切って捨てた。
単純にトループス級と戦うだけならば簡単なのだ。
歴戦のディアボロスにとって勝利とは掴む物であり、夢見る物ではない。では何が面倒なのかというと……。
「さて、なるべく派手な戦い方をして人々を勇気づけてくれ、という注文だったが。……どうだろうな」
なんというか、今回の任務の一つに『人々に勇気を与えるような、派手で格好良い戦い』というものがあるのだ。桂菓はそれに頭を悩ませていた。
「構やしねーってーの。とにかく派手にデカいパラドクスだ。それで釣りがくるぜ」
「ふむ。私は近接戦闘が主だが、威力はともかく見た目は普通っぽい技の方が多いのだよな」
からからと笑うエルフリーデであるが、桂菓は難しい顔を崩さない。どちらかといえば正面から殴り合うブルファイトのアタッカーであり、派手に戦う軽戦士スタイルや大剣豪スタイルではないのだ。
「まあいい。今の私にできる、可能な限りを尽くすまでだ。派手に見える技となると……アレか。アレなら、オーラでできた巨大な刃を振り回すことになるからな」
桂菓は溜息を吐きながら手に持つ長柄の武器を眺めた。
大ぶりな得物を振り回すだけではちと印象が薄いが、そこから光の刃が現れるならば別だろうと判断したのである。
そして軽く一振りし、やって来る敵の前に旗の様にはためく巨大な刃を見せつけたのである。
「この先は通行止めだな。どうしてもというならば首を置いてから他に道を当れ」
『敵?! ディボロスの守備隊か!」
桂菓がゆったりと現れると、敵は刀に手を掛けて陣列を組み直した。
そのまま駆け抜けて来ないのは、油断していないのと数で攻めるタイプだからであろう。
「来るか? ならば全てを斬り払う!」
桂菓はこの瞬間に飽き程までの悩みを捨てた。
いつまでもグジグジ悩むタイプではないし、戦いに成れば気合を引き締めるからだ。
強引に敵へ闘気の刃を叩き付け、一体を切り捨て二体目には傷を負わせる。
死体を強引に弾き飛ばし、敵集団を押し抜けて容易には接近させないように挑んだのである。
『抜刀! 切り捨ててから村を焼くぞ!』
『おう!』
敵は陣列を組み直して刃を抜いた。
揃ったタイミングでディアボロスに迫り、即座に一体が切り殺されるが桂菓へ果敢に接近戦を挑んでいく。
「おーっとボーっとしてんじゃねえぞ! 太陽と見紛うばかりのこの炎! とくと御覧じろってなァ!!」
エルフリーデは煙草を握りつぶしながら手元に火種を作った。
即座に灰に変じるが、その灰が零れ落ちる前に溶けて消える程の火力である。
「眩く輝く朝焼けのように――黄金色に染め上げろ!」
赤い光が閃光のように広がると、それを一点に集約することで色彩が変化する。
青から白に移り、やがて黄金色の閃光が戦場を薙ぎ払っていくのだ。
(「さて、このまま射線を調整スッカ。多分後ろの事なんぞ知ったこっちゃないだろうからなあのバカ」)
エルフリーデはいわゆる砲台メイジである。
留まって延々と攻撃呪文を唱えるタイプの事を示すのだが、それでも思案はする。
パラドクスに誤射はないが、そrでも巻き込めば心理的に影響して技の精度が鈍るかもしれない。
それでなくとも今回は村人の印象が重要なので、立ち位置には注意してぶっ放したのである。
『遠間から来るぞ! うてー!』
「けっ。大気中の炎は状況としてはプラズマになってるっていうから電撃を通しやs(略)」
炎と電撃は相性が悪いと人は言う。
実際にそうかはともかく、エルフリーデはそう信じている。
パラドクスだから反撃を受けただけだろうというが、確率から言えばたまには無傷の時があっても良いはずだ。しかしあまりそんな事は無かったーなーと、運が悪く成ってるならやはり相性が悪いんだろうと思う事にしたエルフリーデであった。
「おい桂菓! ちょっとは後ろにいる人間の事も考えろ! お前があんまり撃ち漏らすと私が死ぬぞ!」
「これでも注意を惹きつけてやっている。自分の身は自分で守れ!」
苦手意識がなせる業か、エルフリーデは素直に桂菓へ言葉を掛けた。
だが、桂菓としても真面目にド突きあっているところなのだ。自らが得意とする白兵戦なのでそうそう遅れをとるとは思っても居ないが、何か面倒事があったはず……『そうだ、派手に戦うんだった、ならばエルに任せよう』と声を掛け直す事にした。
「まあ先に倒してしまえば良いだろう。派手な方は任せた」
「任された! だから通すんじゃねえぞー特に電撃はよぉ!」
桂菓が自分に出来ない無茶振りを行うと、負けずにエルフリーデも無茶振りを返した。何のかんのとこの二人は気の合う相棒なのだろう。その姿を遠目に見ていた仲間は『だめだコリャ』と三度目の溜息を吐いていたとかいなかったとか。
それはともかくとして、当時の記録には戦場の光の旗が舞い、黄金の閃光が翔ける姿を見た村人が居たという。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【断末魔動画】LV1が発生!
【建造物分解】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【命中アップ】がLV2になった!
●
村の近辺で戦いが起こってたその頃、本隊もまた村へと向かっていた。
戦闘している部隊が村を痛めつけるための先遣隊であるならば、こちらは村を確実に焼き、同時にディアボロスが居れば片付けるための本命である。
『秀吉さまの命である。ディボロスの側に着いた者どもを見な殺しにせよ!』
『『はっ』』
蒲生氏郷が号令すると周囲に鉄砲隊の姿が浮かび上がる。
ただ村を焼くという任務に対して投入されたが、彼らは本来、蜂須賀小六旗下の精鋭部隊。
油断などしていないし、ディアボロスとの戦闘よりも村人への殲滅戦を挑む可能性があった。
だがそれだけに、ディアボロスが行った工作は有効なのである。
小鳥遊・英
【魔女の薬店】
さて、無事に合流ですね
こちらの戦果は上々(ただしわたしの心労は無かったものとする)
そちらも大変楽しく暴れて来てくださった模様
お次は有象無象の鉄砲兵ですか……えーと、みなさん頑張ってくださいね
……サセン、ちゃんとヤリマス
ウーン、やはり泥濘の地は大変便利
こちらは飛ぶ準備でもしときますか
機動力で物を言わせるんです
あ、でも今は飛んじゃダメですよ、狙い撃ちされますからね
ホログラムコンソールとキーボードを展開し、コードを実行
多数を相手取る場合、いかに撹乱出来るかがキモです
ゲームで学んだことは裏切らないんだなぁ……
敵陣のど真ん中や、まさに攻撃しようとする個体めがけて爆発させます
待って待ってウワアアアアアアダッシュでなんか来た!こわい!!近い!!やめて!!誰かーーーーッッッ!
タスケテーーー!!!
(桂菓さんが来る)ヤッターーー!!
(敵もゾロゾロ来る)アーーーーッッッ!!来ないでーーーーッッッ!!
陳・桂菓
【魔女の薬店】で参加。それぞれ、エル、小鳥遊、唯妃と呼ぶ。
鉄砲による狙撃が本職らしいが、小鳥遊が爆撃で撹乱してくれるようだし、隊伍が乱れているうちに隙を突いて肉迫することはできるだろう。まあ、乱れてなくても突撃するけど。
使用武器は双短戟『騰蛟昇竜』
敵も近接戦の心得がないではないようだが、泥濘の効果がある分、こちら有利で戦える。太刀だの零距離射撃だのと手札は豊富なようだが、私の戟と足で間断なく連撃を叩き込まれても、支えられるかね?
頭数の不利は手数で補う。そのための双短戟だ。
袋叩きだけは怖いので、常に動き回るのが肝要。
……小鳥遊の悲鳴?
一体や二体が抜けた程度、奴ならどうとでも対処できそうなのに……あれだけの腕でへっぴり腰が改まらんのは何故?
とはいえ、爆撃の援護抜きで戦うのは少々厳しい。助けに行くか。
前線の支えがなくなったらモンスタートレインみたいな格好になるかもしれんが、まあその時はその時。さっさとトンボ返りすれば構うまい。
何となれば、敵列が伸びた所を横から喰い破ってくれる者もあろう。
エルフリーデ・ツファール
【魔女の薬店】で参加。
呼び方はそれぞれ「唯妃」「桂菓」「あきら」
常にタバコを吸っています
よし、後はバシバシ倒すぞ。
フォーメーション『いつもの』だ!!
あきらの正面に陣取って全体を眺めつつ、通った射線に砲撃をブッこんでいくぞ。桂菓が引き連れてきたやつを効率よく片付けていこう。
アワアワしてるのをケラケラ笑ってやるのが楽しいよな。
唯妃が中衛に配置してくれてると思うので桂菓を無視してこっちに来た奴は任せよう。
敵の反撃は背後からのものらしいので。あきらをうまく壁にして背後を取られないように頑張るぞい。
「ふんふんふふーん♪(鼻歌交じりで魔術を行使する)」
「オラオラ、もっと暴れろよ桂菓。お前が敵を引き付ければ引き付けるほどこっちは楽できるんだからよォ」
黄泉王・唯妃
【魔女の薬店】で参加。
それぞれの呼び方は「エル」「桂菓」「あきらさん」
3人ともディフェンスしておきます。
さて。お次は雑賀衆が相手ですか。
基本的には銃による遠距離攻撃ですがそれだけでもなさそうです。
ここは広く蜘蛛糸を張り巡らせ、正に縦横無尽に戦場を跳ねまわって全員をカバーしつつ戦うとしましょう。
狙うのは足、ですかね。いかに銃とは言えど足を止めて撃つだけのそれはさして危険ではありません。
逆に動けなくして的になる恐怖というモノを身体に教え込んであげましょう。まあ、覚えたところで次なんてありませんけどね。
「はいはい。お好きにお暴れなさいな。フォローはやっておきますので」
「最早ここいら一帯は私の――いえ、私達の巣の中ですよ。哀れな羽虫がどうなるかなんて、わかりきっているでしょう?」
●
「お、来た来た。あきら達少し遅せえんじゃあ……」
「ああ、来たな。敵が思ったよりも早く……」
エルフリーデ・ツファール(紫煙の魔術師・g00713)と陳・桂菓(如蚩尤・g02534)は別々の方向を眺めて似て非なる言葉を口にした。
「ははは」
「ふふふ」
別々の方向を見ていた二人は顔を見合わせて大笑いした。
一人は全体を見まわして味方の到着を告げ、もう一人は最も関心のある敵の到着を告げたのである。
「さて、無事に合流ですね」
「馬鹿どもは何を大笑いしてるのかしら」
その様子を小鳥遊・英(Code name/Falcon・g00772)は見なかったことにして、黄泉王・唯妃(アトラク=ナクアの娘・g01618)は目くじらを立てた。スルースキルを発揮して『巻き込まれたくないな~』と日寄って居るのが英であり、全体を管理して任務をさっさと解決したいと思って居るのが唯妃である。読んで字のごとく、英邁に空気を読む才能を発揮し、事務所の女将として責任を持つ者の差であろう。
「こちらの戦果は上々。そちらも大変楽しく暴れて来てくださった模様」
英は土産に箱入りの饅頭を配るような顔で挨拶をした。
無難な顔で無難な話題をしたとも言うが、先ほど彼女に起きた心労は無かったものとする。
「お次は有象無象の鉄砲兵ですか……えーと、みなさん頑張ってくださいね」
「ほーん?」
「へえ」
「は?」
自分なんかもう不要ですよね? みたいなことを言うインドア派に対し……。
残り三人は独自のスタンスを貫いた。
一人は『どうせ巻き込まれるのにな』、一人は『遠慮しなくて良いのにな』、最後の一人は『あなたも?』である。
「……サセン、ちゃんとヤリマス」
という訳で英は秒で詫びを入れた。
スイーツ食べ放題の代金負担は勘弁して欲しいが、あんぱんx3くらいならばあえて受け入れる所存。それとも中華まんの方がいいスか?
「さて。お次は雑賀衆が相手ですか。遠距離主体の様ですがそれだけでもなさそうですね」
「どうだろうな? 白兵戦も得意そうだから接近してしまえば思考を絞れるだろう」
唯妃が相手の得意分野の広さに注意を喚起すると、桂菓は相手の対応力を逆用すれば良いと告げた。桂菓は自他共に認める脳筋であるが、あえてシンプルな解決手段を主張するタイプである。双方の能力や戦術に気が付けない訳ではない(要するに好みの問題)。
「仕方ありませんね。ここは十八番(蜘蛛糸)で何とかするとしましょうか」
なんのかんのと面倒見の良い唯妃は、その言葉に溜息を吐いて敵が来る前に糸を張り巡らせ始めた。その上で自分は中衛の位置に付き、前衛後衛の両方をこなせるタスクを自らに課す。
「よし、後はバシバシ倒すぞ。フォーメーション『いつもの』だ!!」
そしてエルフリーデはカラカラと笑い咥えていた煙草を一気に吸い切る。
炎使いである彼女にとってシケモク(後で火を点け直すことも出来る吸い殻)など発生しない。吸い切った端から全てが炎に巻かれて灰となって散った。
やがて相対距離が近づき、どちらともなく交戦に入った。
『居たぞ。敵だ!』
『待て、なんだか 動きが……』
敵はディアボロスを見つけて戦闘態勢に入った。
だが、ここは既に防御の準備をしているところである。
タイミングを計った飛び込んだ心算が、出遅れる者たちが多発する。
「ウーン、やはり泥濘の地は大変便利。こちらは飛ぶ準備でもしときますか。移動力の差が違うんですよね。まあ、狙い撃ちされちゃうから今じゃないんスけど」
その瞬間に英はキーボードに指を滑らせた。
ホロが輝き、あるいは陰が落ちて明滅して行く。
なんというかホログラムを投射するタッチパネルって、ホテチで汚れないのが良いよねと思う英である。
「たかたかたか、チーン♪ 多数を相手取る場合、いかに撹乱出来るかがキモです。ゲームで学んだことは裏切らないんだなぁ……爆発っ!」
英は擬音を口で発音しながらホロキーボードのボタンを打鍵。
そして格好良いポーズで眼鏡を押し上げようとして……。
『今時、てつはうだと!? くそっ! 罠か! 小賢しい!』
「待って待ってウワアアアアアアダッシュでなんか来た! こわい!! 近い!! やめて!! 誰かーーーーッッッ!」
ヤダ、ヤメテ。ケダモノ~!? タスケテーーー!!!
なんて言いながら英は突っ込んで来る敵から逃れようとする。
何しろ敵集団は太刀を振り下ろし、あるいは銃で殴りつけるなどの乱戦志向だ。
白兵戦も遠距離戦も狙撃も隠形も罠も全部出来る欲張りセット。普通の女の子が襲われたら乱●って言葉自体が怖いよね。と思う英であった。
「よし、爆破で乱れたな。突撃する!」
「っ! ヤッターーー!!」
ここで誰が来る? 私が来る!
とばかりに桂菓が飛び足て来た。
英が敵を爆破し、泥濘の地で動きが鈍っているのだ。
今が攪乱の時と判断してもおかしくはあるまい。
『新手か! 構わん。切り殺せ、寄らば殴り倒せ!』
「そう来るだろうな。だが、既に勝機は逸しているぞ! このまま打ち倒す!」
敵は桂菓にも構わずそのまま突撃して来るが、双戟を構えて桂菓は暴れ回った。戦場でそのまま得物を振り回し、あるいは勢いよく回転しながら斬りつけていく。周囲に森まるゆえに槍ではなく、短めの戟で所狭しと暴れ回っているのだ。
「にぎゃー(敵もゾロゾロ来る)アーーーーッッッ!! 来ないでーーーーッッッ!!」
(「……小鳥遊の悲鳴? 一体や二体が抜けた程度、奴ならどうとでも対処できそうなのに……あれだけの腕でへっぴり腰が改まらんのは何故? 環境かそれとも性格かな。爆弾は必要だから援護に向かうとして……その内、獅子と一緒に谷にでも突き落とすべきか」)
しかし、相変わらず英のへっぴり腰は直らない。
別に桂菓とかに媚びって百合展開したいわけでもないだろう。
つまり、早い話が誰かが急接近したり、一気にピンチになる展開が苦手なのだろう。溜息を吐きながら援軍に向かう桂菓であった。
「すぐに戻るが万が一の場合は任せた」
「はいはい。お好きにお暴れなさいな。フォローはやっておきますので。最早ここいら一帯は私の――いえ、私達の巣の中ですよ。哀れな羽虫がどうなるかなんて、わかりきっているでしょう?」
桂菓が後衛の援護に向かった所で、唯妃に対してフォローを要請。
その言葉に溜息をもう一度吐くと、唯妃は自ら張り巡らせた糸に飛び乗ったのである。
「さあ、早く糸を解いて逃げなければ! この後どうなるかなんて、考えずともわかるでしょう……?」
『ちぃい! 散れ!』
敵は森陰やら起伏の影に隠れようとした。
だが唯妃は糸を手繰り寄せ、あるいは鋭い刃のように叩きつける。
狙うはその足、機動戦を挑んで敵将の元に行ったり……仲間へと攻撃しようとする相手であった。
「相手の射界を狭く……でしたっけ? 動けなくして的になる恐怖というモノを身体に教え込んであげましょう。まあ、覚えたところで次なんてありませんけどね」
そして陰に隠れた敵兵を意図で絡めとり倒していく。
中には無傷の者も居て、意図による攻撃を受けただけでは死なない者も居た。だが、泥濘の地に飛び込み、糸に絡められた段階で終わりなのだ。
「トドメはお願いしますよ」
「アワアワしてるのをケラケラ笑ってやるのが楽しいよな。ふんふんふふーん♪」
唯妃が指示を出すとエルフリーデは移動しながら魔術を使った。
周囲に迸る炎を集約し、黄金色の輝きに変えて一点集中する。
『おのれ。許さんぞ……何とか後ろに回って……』
「暗闇に紛れるだあ? んなの影ごと焼き払えば済むよな! 眩く輝く朝焼けのように――黄金色に染め上げろ!」
隠れ潜んで銃を撃ちあるいは刃で挑もうとする敵をエルフリーデは焼き払った。地形を利用し、あるいは仲間達を間に挟むことで移動経路を絞って特定して行く。え? 英の悲鳴が聞こえる? アーアーアーア、聞こえなーい。
「オラオラ、もっと暴れろよ桂菓。お前が敵を引き付ければ引き付けるほどこっちは楽できるんだからよォ」
「判った判った。やってみるさ!」
エルフリーデが笑いながら敵が潜んだその辺を焼き払い始めると、桂菓は躊躇なく強引に周囲を薙ぎ払って進軍して行く。
こうして敵集団を瞬く間に殲滅し、ディアボロスはトループス級を蹴散らしたのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】LV1が発生!
【泥濘の地】がLV2になった!
【建造物分解】がLV2になった!
【壁歩き】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV5(最大)になった!
【ロストエナジー】LV1が発生!
陳・桂菓
【魔女の薬店】で参加。
蒲生氏郷か。史書では軍略にも武勇にも優れた知勇の将で、さらに茶人としても優れた文化人でもあったという。そんなマルチな器量人の名を奪っておいて、まさか並の使い手ではあるまい。
というわけで、少々仲間にワガママ言ってみる。
「一瞬だけ! 最初だけでいいから、一騎打ちさせてくれ」
で、【竜虎相搏陣】で挑む。ここで退けば名折れだろうし、まさか受けないはずはないよな? な?
使用武器は鷹頭刀『熊鷹』
敵の鯰震剣は威力凄まじいっぽいので、喰らうのは避けたい。頑張って避けよう。
隙を見つけて斬りつけることになるが、天魔武者、まして氏郷の鎧が柔ということはあるまい。一撃一撃に渾身の力を宿して繰り出そう。頑強な熊鷹の刃で斬り裂けないこともなかろう。
まあ一騎打ちは殺されない間に切り上げるけど。
「やはり、ギリギリ勝てるか勝てないかくらいの戦いが一番だな。あっさり勝てる戦でもあっさり負ける戦でも、何かが身になる気がせん」
「んむ、満足した(つやつや)」
「すまんな、氏郷。ここから先は袋叩きのターンになる」
エルフリーデ・ツファール
【魔女の薬店】で参加。
前座は片付いたな。
後はアヴァタール級の蒲生何某だけか。
私はこの国の歴史にはさほど明るくないんだが強いのか、アレ。
教えて有識者!
は? 一騎打ち? バカなの? ごめん、バカだったわ。
まあお前がどうしてもと言うなら好きにすればいいと思うが。
(桂菓以外に)
ああは言ったが旗色が悪そうならすぐに飛び込むぞ。
どうせ『強敵と闘えるんでオラワクワクすっぞ』くらいの気持ちだろうし、数合打ち合わせりゃ満足するだろ。
初撃のタイミングは相手が一騎打ちに乗ってくるようなら桂菓に意識が向いて攻撃が大振りになった瞬間、今回のパラドクスなら相手の視界も奪うので反撃も雑になってくるはずだ。
幾ら必中でも見えてる相手と見えない相手じゃあ急所なんかは狙いづらいからな。
人数の差を活かして間合いと連携を意識して立ち回ろう。
「しかし桂菓はバカだ脳筋だとは思ってたが、それに乗る相手も大概バカだったんだなァ。ほら見ろ唯妃、さっき私も含めてバカにしたがアレが本当のバカの姿だぞ」
小鳥遊・英
【魔女の薬店】
まあ史実の何某さんとは別モンなんで歴史に造形が深い方でも強いか弱いかはわからんのではないですかね
……知らんけど
まあ戦って向こうが負けなかったら強い、負けたら弱いでいいんじゃないですか?
なるほど一騎打ち。いいじゃないですか一騎打ち。
そのまま倒してきてくださいよろしゃす
……わたしも動かなきゃだめかぁ。
エルさんがド派手にやってくださる模様
であればわたしはサポートへ
【完全視界】を得るためにこの世界を書き換えましょう
はい有能〜はいえらい〜はいわたしの仕事終わり〜
……ハイ、ちゃんとやります
こちらからは丸見えですからね、さっき仕込んでおいた【飛翔】も使いつつ、回避運動を
隙を見逃さず衝撃波を与えます
なるほどこれは袋叩きですね
しかしアヴァタール級、侮らずしっかりと堅実に参りましょう
黄泉王・唯妃
【魔女の薬店】
まあ、流石にアヴァタール級ですから有象無象よりは強いでしょうけど。強かろうと弱かろうと最終的に勝てばいいので私もその辺は興味ありませんね。
一騎打ちするメリットあります?
桂菓が何処までも自己満足でやる分には全然構いませんけど。
それで戦線を離脱するような事になったら説教が待ってますからよく考えてやってくださいね。
暫くは成り行きを見守りますが、早々に手出ししておきましょう。
普通に考えたら一人で勝てるような相手ではないわけですし。
撃ち出す糸玉の狙いは顔や関節駆動部ですかね。
弱そうなところから攻めるのは常套手段です。
エルが派手にやってくれる分、此方はチクチクとダメージを蓄積させて貰います。
「負けてもいいですから死なないでくださいよー」
「さて。で、どうでしたか一騎打ちの感想は」
●
「前座は片付いたな。後はアヴァタール級の蒲生何某だけか」
エルフリーデ・ツファール(紫煙の魔術師・g00713)は向かって来る敵を見てデータを思い出した。頭出し的な覚え方をしているので名前は思い当たるが、そこからが続かない。
ディアボロスたちが進軍すると、敵将もまた向かって来た。
いささかゆっくりだったのは、家臣を信頼していたのか、それとも虐殺を好まぬだけか。
『おのれ。よくも我が家臣たちを! 許さぬぞ!』
だが、部下を殺されて嬉しい将も居ないだろう。
アヴァタール級である蒲生氏郷は刀を抜いてディアボロスの元へ駆ける。
「その何某が来たようですよ。迎え討ちましょう」
「……スっす」
黄泉王・唯妃(アトラク=ナクアの娘・g01618)がその姿を認めて戦闘態勢を促すと、小鳥遊・英(Code name/Falcon・g00772)は気だるげに語尾だけで答えた。任務が既に面倒なのだ、『はい、そうですね』みたいな挨拶を繰り返すのも面倒なのだろう。なお、冷たい目で一睨みされて即座に敬礼した模様。
「私はこの国の歴史にはさほど明るくないんだが強いのか、アレ。教えて有識者!」
「蒲生氏郷か。史書では軍略にも武勇にも優れた知勇の将で、さらに茶人としても優れた文化人でもあったという。そんなマルチな器量人の名を奪っておいて、まさか並の使い手ではあるまい」
半ば冗談のつもりで尋ねたエルフリーデであるが……陳・桂菓(如蚩尤・g02534)の思惑は違った。早口でまくしたて、通常の三倍で言い切ったのである。赤くて角でもあるんかお前? とか思ったが、よく考えたらインセクティアだね。触角があるわ。しかも赤ら顔だし。
「まあ史実の何某さんとは別モンなんで、歴史に造形が深い方でも強いか弱いかはわからんのではないですかね。……知らんけど」
英はデータ派の人間……嘘です、ゲーマーなのでだいたい知ってる。
織田とか六角で始めると登用できる武将で、かなりパラメーターが良かったはずだ。
ただ、クロノヴェーダと歴史の武将との比較はあんまり参考にならない。だって鬼島津の強い武将もアヴァタール級だし、地元民以外は名前も聞かないようなお姫さまもアヴァタール級だったりするからね。なので『歴史に詳しい者でも、強いか弱かは判らない筈だ』と言うに留めた。
「流石にアヴァタール級ですから有象無象よりは強いでしょうけど。強かろうと弱かろうと最終的に勝てばいいので私もその辺は興味ありませんね」
これが唯妃になると殆ど興味がない。
まだ妖怪の方が詳しいくらいで、『クロノヴェーダなら倒せば良いでしょ』とのスタンスから崩れる事はない。
「一瞬だけ! 最初だけでいいから、一騎打ちさせてくれ」
ここで桂菓は少々仲間にワガママ言ってみる。
フンスフンスと散歩に行くワンコのように今にも飛び出しそうであった。
「ふぁ!?」
その様子に英は思わず高い声を漏らした。
え、何言ってんの? つか、言ってる意味が分かんないんスけど。
と、表情が如実に語り返している。
「は? 一騎打ち? バカなの? ごめん、バカだったわ。いや、まあお前がどうしてもと言うなら好きにすればいいと思うが」
(「いいよねと、期待している目、キラキラと。物や思うと、人の問ふまで」)
エルフリーデは苦言を言おうと思ったが、その瞬間に和歌を思いつく程度に桂菓の気持ちを思い知った。腐れ縁はあっても惚れた弱みなど無いので却下しても良いのだが、あまりにも馬鹿馬鹿し過ぎて否定する気に成れない。
「一騎打ちするメリットあります? 桂菓が何処までも自己満足でやる分には全然構いませんけど」
唯妃もまたエルフリーデと同じ結論を出す。
尋ねるだけ尋ねるのがせめてもの親心……ちがうな保護者役……仕方なく面倒を見てる者の役割だと切って捨てた。
「まあ戦って向こうが負けなかったら強い、負けたら弱いでいいんじゃないですか? なるほど一騎打ち。いいじゃないですか一騎打ち。そのまま倒してきてくださいよろしゃす」
そして英は宇宙を眺める猫みたいな顔をしていたが、思考が真っ白に漂白されて、収容違反になる前に再起動した。よくよく考えたら彼女自身に面倒がない。仮に一騎打ちで戦って勝ったら、これにて任務終了。楽で良いんじゃないかなーと思い直す事にしたのだ。決して面倒だからフォローに回ったわけではない。
「それで戦線を離脱するような事になったら説教が待ってますからよく考えてやってくださいね」
みんなして止めなかったので唯妃が仕方なく締めくくった。
流石に無傷で負けるような事は無いだろう。
ならば傷ついた敵に、残り三人が戦えばまず任務は果たせるはず。
痛む頭グリグリやりながら、唯妃はゴーサインを出したのである。
そして鷹の頭にも似た刃を持つ得物を手に桂菓は一人前に出た。
長柄武器は身長よりも大きなことが基本だが、それを斜めに腰のあたりで回転させ、武器に使われているのではなくシカと操っているのだと示した。
「この私を恐れるか!? さにあらずんば、掛かってこい!」
『……私を相手に一騎打ちだと? 家臣たちの仇だと思えばこそ、乗ってやろう』
桂菓の挑発にアヴァタール級クロノヴェーダである蒲生氏郷は三つの事を確認した。
まずは他の三人やそのほかの伏兵はいないかと、卑怯な策ではないかと確認したのだ。
その上で一騎打ちに応じるメリットとデメリットを天秤に掛け、一人ならば勝つのは容易く、部下の仇を取れるならば手の内を晒すデメリットくらいは良いかと判断したのである。
「ああは言ったが旗色が悪そうならすぐに飛び込むぞ。どうせ『強敵と闘えるんでオラワクワクすっぞ』くらいの気持ちだろうし、数合打ち合わせりゃ満足するだろ」
その様子を見ながらエルフリーデは敵が確実に勝てると把握している事を理解した。
死んでも新宿に戻れるとはいえ、無駄に散らせる必要は無い。
いや、死んでも良いから突っ込ませるなんて後ろ向きな発想がエルフリーデにもディアボロスにも無いのだ。恨みによる不死性を担保した特攻などラ・ピュッセルのキマイラウイッチと大差あるまい。彼女たちを始めとしたディアボロスの矜持では無かった。
「出来りゃあ桂菓に注意が向いたところでブッパしたいところだが、あの様子だと無理だな」
「暫くは成り行きを見守りますが、早々に手出ししておきましょう。普通に考えたら一人で勝てるような相手ではないわけですし」
エルフリーデの意見に唯妃は溜息を吐きながら応じた。
そもそも以前のディアボロスは雑魚『だった』のだ。
しかし今では相当に強くなって、数人居れば確実に勝てるようになった。同時に、それでもまだ一人では無理なのだ。その事を知らない無知な者はともかく、秀吉旗下で歴戦の天魔武者たちがこちらを侮ることはあり得まい。手の内を見るために、一人が防戦しながら全員で様子見するなり、援軍を待つくらいの警戒はしている筈である。
「……わたしも動かなきゃだめかぁ。エルさんがド派手にやってくださるなら、わたしはサポートに回りますよ」
その話を聞いた英は肩をすくめながらドッカリと座る。
エルフリーデは煙草を取り出して咥えてるし、サポーター系能力者なのだから、座って油断を演出するくらいは良いのではなかろうか? あーあ、本当に一騎打ちで倒してくれないかな。なんてさっき考えたことをもう一度リフレインする。
「では行くぞ!」
『掛かって来い!』
桂菓は鷹の頭の様な刃を横に薙ぎ払った。
敵はそれを刀で下から上へ受け流し、そのまま大上段に『溜め』を作った。
「片手で受け流したな? 流石の膂力だが、迂闊だぞ!」
『ふん。それで十分よ!』
桂菓は氏郷が片手で受けたのは、次の攻撃に注力する為だと気がついた。
現に『溜め』て振りかぶってからの攻撃を放つ所作をしている。
だが、それだけに彼女の攻撃を受けてしまっている。ディアボロス一人の力では死なないどころか重傷にもならないと理解しているからだろう。
「誰が私の攻撃が一撃だと言った! ドンドン行くぞ!」
桂菓は打ち上げられた刃を、長柄の武器を活かしてバランスを取る。
肩を中心に一回転、そして腰を軸に二回転目の斬撃を続けて繰り出したのである。
『軽い! それに、その動きはもう見たぞ! かあぁ!』
氏郷は桂菓の盾回天を肘や膝で受け流して逸らせ、横回転の前に刀を振り下ろした。
大地を振るわせるほのエネルギーを蓄えた唐竹割りだ! 脳天どころか地面すら切裂かんとする。
「っ!」
(「負けてもいいですから死なないでくださいよー」)
その瞬間、桂菓は二発目の斬撃を加速。
唯妃が内心で心配する中、敵の胴体を殴って衝撃を発生させると、そこを軸に自分の体を強引に引き離したのである。
「っとっと! やはり、ギリギリ勝てるか勝てないかくらいの戦いが一番だな。あっさり勝てる戦でもあっさり負ける戦でも、何かが身になる気がせん」
桂菓はそのまま自ら倒れて転がる事で直撃を避け、立ち上がる事で態勢を立て直す。
いつもより長い武器を使っているのは、火力を高める意味もあるが、こういった連続行動を最初から計算に入れていたのである。
「助太刀貰った!! 参加するが文句を言うなよ!」
『ちっ!』
エルフリーデは不意打ち出来ないと知って、あえて大声を上げて呪文の詠唱を始めた。
敵は常に桂菓をこちらの中間に据えていた。
それは彼女を盾にするというよりは、視界を一つに入れて不意打ちされない為だろう。そもそも、一騎打ちが一騎打ちで終わった例など戦場にはない。たいていの場合、物言いをつけて生き残った方を討ち取る事がよくあったからだ。
「深紅の薔薇の花弁よ、狂い咲き舞い踊りて我が敵を引き裂け――」
エルフリーデは二本の指でささえた煙草を杖代わりにして呪文を放った。
紫煙と共に噴き上がる旋風と巻き上げられる砂塵。
そこに分割した炎を練り込み、真空の刃とヤスリのような砂塵、そして火傷を負わせる魔術であった。時折に派手さを見せる火焔が、まるで深紅の薔薇が花弁散らすかのようであった。
『来おったな! 蹴散らせい!』
「燃え墜ちろ!」
そこへ氏郷の放った巨大な燕状のエネルギーがぶつかった。
薔薇を蹴散らしていくのだが、炎の花弁までは撃ち落とせない。
互いにダメージを与えあい、攻め手である部分と、得意な属性である分だけエルフリーデの方が優位に終わったくらいか。。
「さて。で、どうでしたか一騎打ちの感想は」
「んむ、満足した。すまんな、氏郷。ここから先は袋叩きのターンになる」
唯妃が顔をしかめながら呟くと、桂菓は片手をあげて合掌ではないが軽く謝罪。
誠心誠意ではないが勘弁して欲しい。どうせみんながみんな一騎打ちで終わるとは思って居ないので良いだろうという判断である。そして一騎打ちでしか得られない成分を摂取した桂菓のツヤツヤした顔を見ながら溜息を吐いたという。
「しかし桂菓はバカだ脳筋だとは思ってたが、それに乗る相手も大概バカだったんだなァ。ほら見ろ唯妃、さっき私も含めてバカにしたがアレが本当のバカの姿だぞ」
「踊るアホウに見るアホウって知ってます?」
エルフリーデの言葉に唯妃は痛烈な皮肉を返した。
メリットの薄い行為を許容した段階で同罪だし、ならば自分がしたいことをしただけ桂菓の勝利だ。みんな甘いんんだから……と苦笑しつつ、唯妃もまた己が甘いことを自覚する。
「あきら!」
「はいはい。はい有能〜はいえらい〜はいわたしの仕事終わり〜」
唯妃の号令で英は分身したかに見える。
実際には世界を書き換え、べったり座っている一瞬前の彼女と、飛翔を始めて高速移動している次の瞬間の彼女に別れたのだ。決してヒスを少し前の自分に押し付けた訳ではない。
「あきら!」
「……ハイ、ちゃんとやります。なるほどこれは袋叩きですね。しかしアヴァタール級、侮らずしっかりと堅実に参りましょう」
大事な事なので唯妃は二度叱咤した。
英は仕方が無いので腕をサっと交差し、キメ顔でボタン連打。
ホログラムのウインドウを操作し、衝撃波を次々に叩き込む。
『つばくらめよ!』
「ぬおおおー!? ノォー!」
その動きに対して氏郷はジャンプして避けつつ、刀を振い衝撃波を叩き落とした。
英は思わず剣豪漫画みたいなことをしてんなーと思ったが、実は格ゲーであったそうな。もちろん斬撃の余波が彼女を追い掛けて来るので、ヘルプミーと脱出しながら次の衝撃波を放ってスラスターの代わりにすることにした。
(「……狙いは顔や関節駆動部ですかね。だいぶ見えてきました。弱そうなところから攻めるのは常套手段です」)
その間、唯妃は敵の動きを見て計算していた。
どうせ一人では終わらないのだから様子見して何が悪いの理論である。
「この糸の先、生という迷宮の出口へと送って差し上げます」
『ぬお!? 忍び、いや、妖怪か!』
残念、インセクティアです……とは唯妃は言わなかった。
ツッコミを入れるキャラではないし、死にゆく相手に補足しても無駄だからだ。
糸玉を放ち、そこから伸びる糸で氏郷を絡め取りながら追い込み始める。燕状のエネルギーも一本・二本を切ったとして、全ての糸を吹き飛ばせなどしなかった。
「これで、トドメです」
『馬鹿なっ、この程度で!』
糸は切裂く効果を持つほか、触れれば触れる程に反射で速度を上げて切裂いて行く。
粘りつくというよりは、反発する様な動き。触れた事でバネとなり、反射で切裂くこの罠に嵌り続け、蒲生氏郷は命を落としたという。
「ふう。終わりましたが……酒でもおごってもらいましょうかね」
「飲めないので別の物にしていただければ。エナドリとか」
「いいなソレ。葉巻でも買ってくれ」
「げげっ」
こうして一つの戦いを終えたディアボロスたちはそれぞれの思いを抱えて新宿へ帰還した。
あえて言うならば、共に祭を祝った摂津西宮が無事で良かったという所であろう。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【託されし願い】LV1が発生!
【熱波の支配者】LV1が発生!
【完全視界】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【凌駕率アップ】LV1が発生!
【ロストエナジー】がLV2になった!
【能力値アップ】がLV2になった!
【ダメージアップ】がLV2になった!