リプレイ
エルゼ・シュヴァイツァー
連携・アドリブ歓迎
いつもはこちらから出向いておりますが、今回はこちらが守勢となりましたか。鮮血の革命術式とやら、げに恐るべし。
しかしここは我らが最後の寄る辺。死地になろうと戦い抜きましょう。
最終人類史では残留効果が使えるようなので、【完全視界】を使っておきましょう。ヴランゲリとやらは闇の領域
を広げるようです。
「わざわざ最終人類史までご苦労様です。ですがここは人の世、血を啜る悪鬼の居所はありません。去るがよろしい。
彼岸までは鴉がご案内致します」
錫杖を鳴らし、詠唱を行います。
「深山より お越し下され 黒き風」
空から巨体の大鴉、シュヴァルツヴィントを召喚して強風を起こさせ、白軍精鋭兵を吹き飛ばします。
逃れられぬように風下には【防衛ライン】を出現させ、挟み込みます。
去る者は追わぬ主義ですが、今回は決して逃しません。
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎
首都に残った民が気がかりで仕方ない……
ロマノフの民を使い潰す。果てしなく外道な仕打ち
今またこの地で繰り返そうとするなら、その息の根を止めてみせよう
……俺の二つの故郷
機械化ドイツ帝国の縁、最終人類史の縁
血の一雫さえ、触れさせはしないよ
ロマノフ王朝に終焉を齎すため
最終人類史の守護者として相手する
強化の威力を知らぬ奇襲は最も効果を上げやすい
初撃から一気に優勢を手繰りたい
仲間と連携し、PD通信で情報共有
予知と暗黒領域の存在を元に、双眼鏡で偵察し位置を捕捉
迷彩コートと光学迷彩、平穏結界で周囲に紛れ、なるべく不意打ちの角度で奇襲
戦況を観察しつつ把握
無数の黄金の光の輪を呼び放ち、多数をPD攻撃し刈り取ろう
隊列があれば防衛ラインで乱し隙を突き
狙いを揃え、基本は一撃で倒せる敵>消耗した敵の順に
敵多数の間は囲まれぬよう味方の陣を維持
敵の攻撃には、津波の方向に対し多段エアライドで角度をつけて舞い直撃を避け
魔力障壁とコートで血から身を守る
愛しき大地、人々の顔が浮かぶ
この地に一体の禍も残しはしない
ロザーリヤ・ユスポヴァ
機械化ドイツ帝国から引き継ぐ形で攻略が始まった必然として、吸血ロマノフ王朝は最終人類史の中欧との接点を早期に失陥していた
故に、七曜の戦で威力偵察すら実行できず……今日の惨事を招くに至ったのだ
必勝を期して地獄に迷い込むとは、哀れなことよ
せめて何も知らぬままに葬り去ってくれよう
平時より圧倒的に強化されているとはいえ、敵も相応に精鋭であろう
事前に戦域周辺の地形や建物の様子を把握
無策に真っ向勝負を挑むのではなく、【光学迷彩】【モブオーラ】【平穏結界】を纏った状態から奇襲をかけよう
建物に潜んで窓から敵を見て時を待つもよし、物陰や屋上から飛び出すもよし、だ
【通信障害】も発動し、戦う中で復讐者の異常な強さに関する情報が広がりづらく、混乱が長引くようにしよう
待ち伏せ地点に獲物が現れたら≪魔性契約『精髄払底』≫で急襲
変異した腕を突き刺して生命力を奪い取り、干からびた骸を投げ捨てては次の敵を狩る
迫撃砲は建物を壁として耐え、損害は【建物復元】で修復を
お前たちは最期に素晴らしき未来を垣間見たのだ
喜んで死ぬがよい
一ノ瀬・綾音
ロマノフもなかなかどうして、面白いジョーカーを使ってくるじゃん。
まさか最終人類史まで一気に攻め込めるとは思わなかった。
だけど、ジェネラル級を送ったという事は大戦力を送ったという事、それが全滅してしまえば……どうなるだろうね?
飛翔することもできるけどそのためには大群を潰さないと、だよね。
相手の視界に入らないように遮蔽物に身を隠しつつ光学迷彩とモブオーラで相手に気づかれにくいようにしながら大群を纏めて視認しやすいポジションを探す。
見つけたら相手が纏まっているのを双眼鏡で確認しつつ、通信障害で報告ができないようにしながら【色彩天泣】で不意打ちだ!
反撃も含めなるべく相手の視界に入らないように遮蔽物を使い、遮蔽物が壊れる前に素早く別の遮蔽物へと移動する。それでも当たってしまう時の為に破竜剣とガードアップで致命傷を防ぐ準備はしておくよ。
もし相手の能力による闇が展開されていたら完全視界で視界を確保して進んでいくよ。
あいにくと君達を受け入れる余裕がここにはないんだよね。
ここで命、置いていっちゃってよ。
●
「いつもはこちらから出向いておりますが、今回はこちらが守勢となりましたか。鮮血の革命術式とやら、げに恐るべし」
突然最終人類史に割って入った敵軍にエルゼ・シュヴァイツァー(渡鴉・g11192)は驚きを隠せない。
「ロマノフもなかなかどうして、面白いジョーカーを使ってくるじゃん。まさか最終人類史まで一気に攻め込めるとは思わなかった」
一ノ瀬・綾音(色彩に溢れし少女・g00868)が言うように、これまでロマノフはこちらにやってきたことは無い。聞けばランダム要素に頼るのが普通で、歴史的な縁のある場所で繰り返し試みてようやくと言う確率らしい。そういった条件を踏破したのだから、驚くなという方が難しいだろう。
「首都に残った民が気がかりで仕方ない……。ロマノフの民を使い潰す。果てしなく外道な仕打ちだ」
それほどの術式だけに、コストは大きく果てしない。
その事を思うとエトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)の心は痛む。
サンクトペテルブルクの民は全員を避難させたわけではないし、そもそもリスクを追っ手まで連れ出したのは、冬のロマノフで容易く人が死ぬからだ。本格的な冬が来る前に奪還戦を終えておきたいというのもあったからである。それがまさかこんな形で居怒り組を消耗するとは思いもしなかったのである。
「今またこの地で繰り返そうとするなら、その息の根を止めてみせよう」
「ええ。ここは我らが最後の寄る辺。死地になろうと戦い抜きましょう」
エトヴァが唇を嚙みしめるように決意を固めると、エルゼは頷いて戦闘態勢を整えた。
これより先は最終人類史、今はまだ時間が凍結されている場所だが、奪われたら大変な事が起きるし、更にドイツへ侵入されたらそこでは人々が暮らして居るからである。決して負けるわけにはいかなかったのだ。
「……さて、諸君。機械化ドイツ帝国から引き継ぐ形で攻略が始まった必然として、吸血ロマノフ王朝は最終人類史の中欧との接点を早期に失陥していた」
ここでロザーリヤ・ユスポヴァ(“蒐集卿”・g07355)は話題を変えた。
起きてしまった事はどうしようもないし、沈み込む気持ちを切り替えたいからだ。
「故に、七曜の戦で威力偵察すら実行できず……今日の惨事を招くに至ったのだ」
「そーそー。ジェネラル級を送ったという事は大戦力を送ったという事、それが全滅してしまえば……どうなるだろうね?」
ロザーリヤの言葉に綾音は頷いた。
ゲーマーである彼女は手段としての儀式をひとまず許容し、そのコンボを考えたり同時に欠点も思い浮かべる。そしてゲームの中ですら、いや、ゲームという過程であるからこそ戦力と言うリソースは有限なのである。
「うむ。必勝を期して地獄に迷い込むとは、哀れなことよ。せめて何も知らぬままに葬り去ってくれよう」
ロザーリヤは我が意を得たりと頷き戦いへと向かい合った。
決意やら異議やら何やらを語る時間は過ぎ去った。
ここからは戦いのための時間だろう。
「平時より圧倒的に強化されているとはいえ、敵も相応に精鋭であろう。事前に戦域周辺の地形や建物の様子を把握し、無策に真っ向勝負を挑むのではなく様々な残留効果を纏った状態から奇襲をかけよう」
ロザーリヤの示す方針はシンプルだ。
相対的優位だけに頼るのではなく、地形を把握して待ち構えた上で奇襲すべきだという。パラドクスは隠れていても反撃できるが、その命中精度は大きく変わるからだ。待つ段階で一般的な残留効果を、戦闘時に戦闘用の残留効果をフルで使用すれば戦いは相当な有利さをもって戦えるだろうという。
「強化の威力を知らぬ奇襲は最も効果を上げ易い。初撃から一気に優勢を手繰りたいところだな」
その話を聞いてエトヴァはタイミングの重要性を明示した。
ディアボロスが強いという情報を知られたら抵抗され易いし、撤退してゲリラ戦に切り替えられ易いからだ。
「狙う相手だけど、飛翔することもできるけどそのためには大群を潰さないと、だよね」
「方針は決まったな。建物に潜んで窓から敵を見て時を待つもよし、物陰や屋上から飛び出すもよし、だ。その上で、相手の情報伝達を遅らせる努力もしておこうか。何、最終人類史だ。その場での思い付きならばともかく、コレクションを披露する場には事欠かん」
綾音は後を考えると敵の本隊よりも周囲の軍団を叩きたいと言い、ロザーリャは両者の意見を汲みつつフォロー案を口にした。
「最終人類史では残留効果が使えるようなので、【完全視界】を使っておきましょう。ヴランゲリとやらは闇の領域を広げるようです」
そしてエルゼも重要な残留効果を明示した。
煙幕などで視界を塞ぐのと同じでディアボロスならば闇夜も何とかなる。
簡単に用意できる小細工は簡単に排除できるからだ。だが、敵の主将たる黒男爵ウランゲリの能力は、ノーコストで自動発動できるタイプである。排除しても排除しても再成立するなら面倒だし、障害物の向こうなどに隠れられたら面倒であろう。
「まとめるが予知と暗黒領域の存在を元に、双眼鏡で偵察し位置を捕捉。迷彩コートと光学迷彩、平穏結界で周囲に紛れ、なるべく不意打ちの角度で奇襲。こんなところで間違いないな?」
「異存はない」
「了解しました」
「おっけー」
最後のエトヴァが締めて作戦が決まった。
やがて一同は敵集団を遠目に見つけ、その進路に割り込む形で攻撃を掛ける事になった。
「みーっけ。この位置からが一番近いかな。隠れられるところまでもうちょいってところ。この送信の後で綾音ちゃんも移動するね」
綾音は双眼鏡を下すフードを被り直してと急いで移動した。
光学迷彩は隠れて居ないと機能しないが、隠れて見つからない様に工夫すれば見つからない確率が良くなるのだ。特に今回は最終人類史なので、上手く隠れたらまず見つからない。ここで手を抜くなどありえまい。
(「……俺の二つの故郷。機械化ドイツ帝国の縁、最終人類史の縁。血の一雫さえ、触れさせはしないよ」)
エトヴァも移動した後で一度だけ双眼鏡で確認すると、綾音に続くように戦場を迂回し始めた。このポーランドの地は機械化ドイツに組み込まれており、宿縁の戦いも含めて幾度となく駆け抜けた場所であった。
「わざわざ最終人類史までご苦労様です。ですがここは人の世、血を啜る悪鬼の居所はありません。去るがよろしい。彼岸までは鴉がご案内致します」
エルゼは一足早く戦場となる場所に辿り着くと、錫杖をシャンシャンと鳴らした。
実際には綾音もやってきているのだが、遮蔽物を探している分だけ一手遅れた。
「深山より お越し下され 黒き風。幽冥境を越えて三千世界をお渡りくだされ」
エルゼはまるで竜の如き巨大な鴉を呼び出した。
その翼が織りなす風は竜巻の如く。
それは彼女の一族が神話の時代から伝承した、深山幽谷に棲む大鴉『黒き風』の放つ暴風である。
『おあああ?! 何が起こった!』
『判らん! とにかく反撃だ! どこでもいい、反撃しろ!』
これに対して敵は慌てふためくが、そこは精鋭部隊である。
咄嗟に反撃して赤い波が周辺に襲い掛かった。
その一つがエルゼに向かいダメージを与えたかもしれない。
『どこだ! 探せ!』
「遅い遅い。ほら、世界が泣いている。君の存在を否定するように、数多の色を輝かせながら」
敵は捜索をしようとしたその時には、既に綾音が詠唱を終えていた。
隠れながら天を垣間見て、空中に魔法陣を描いている。
様々な色が空中に輝き光の矢を降らせる、その色彩たるや虹色どころかまるでコンサート会場のようではないか。
『怪しい奴! 何も近寄らせるな、攻撃を続行しろ!』
「おおっと。流石に反撃は来るよね。でも、それは予想通りなんだな! んじゃっ、ばいびー」
綾音は相手から放たれる血の波を次の遮蔽物に移動しながら、剣で弾いて遠のかせた。実際には剣で防御したというよりは、ガードアップなどを載せた結界か何かで防いだのだろう。
『何者だ! 名を名乗れ!』
「ロマノフ王朝に終焉を齎すため最終人類史の守護者としてお相手する」
敵が周囲を赤く染めていく中、エトヴァはここに一般人が居なくて良かったと溜息を吐く。
だが、実際に出たのは怒りの声であり、宣戦布告の声であった。
手は空に黄金の輪を描き、刃として放っていたのである。
「このまま確実に敵を倒しながら戦っていこう。出来るだけ相手の陣形は崩し、こちらは連携して」
エトヴァはジャンプしながら次の位置に移動し、空から負傷した敵を見つけて光の輪を放つ。そして味方に集中攻撃を提示しつつ、相手から放たれた血飛沫による攻撃を魔力障壁やコートでガードしたのである。
『くそ。このままでは全滅だぞ! 先に奴らを倒せ!』
「出来るかな? いや、それよりも、だ。文字通り、全てを奪い去られる。それがどういうことか想像できるかね」
ロザーリヤは混乱する敵に異形の力を差し向けた。
借り受けた悪魔の力を行使し、腕を変形させて相手の魂を貪って行く。
本来ならば殴られ、あるいは爪で切り裂かれるのだが、悪魔の力で異形化しているがゆえに命と魂の根幹であるナニカを喰らっていくのだ。
『化け物め! 撃て撃て!』
「そうとも? だが知るが良い。真の化け物とは民も国も顧みぬお前たち自身だ」
ロザーリヤは仲間と違って移動を繰り返さなかった。
優位位置の中で大きな建物を選び、それ全体を壁として消耗を防いだ。
そして余裕があれば砲撃で砕けていく建物を修復し、再利用したのである。
『なんだ?! 建物が一瞬で構築されただと?』
「くふっ。ははは、お前たちは最期に素晴らしき未来を垣間見たのだ。喜んで死ぬがよい」
最後にロザーリヤはそういって目の前に居た敵を握り潰した。
その前後で戦いは終局へと向かう。全ての敵が落ち着いて戦えるわけでもないからだ。
「去る者は追わぬ主義ですが、今回は決して逃しません」
「愛しき大地、人々の顔が浮かぶ。この地に一体の禍も残しはしない」
その頃、風下側では防衛ラインを使ってエルゼとエトヴァは敵集団を足止めして戦い始めた。
敵が陣形を再編成したり、あるいは逃げないように設置しておいたのだ。
「あいにくと君達を受け入れる余裕がここにはないんだよね。ここで命、置いていっちゃってよ」
逃げる敵を倒していく綾音は、心を鬼にしてという言葉が、今の状況に当てはまらないなと自覚した。
なんというか戦いは空しいのだが、残虐非道のロマノフ軍を前にすると呆れと怒りの方が大きいからだ。
いずれにせよ大多数の敵軍を討ち取り、この地に侵入した敵部隊を撃破。
残るはジェネラル級が率いる本隊のみである。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【クリーニング】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
【水面走行】LV1が発生!
【植物活性】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!
【ガードアップ】LV2が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
●
「なんだ? 何が起きた」
「付近の白軍と通信途絶しました。おそらく敵襲かと」
手内していた敵は数が多いので、平穏結界があっても流石にナニカが起きたのは判る。
だが、通信も視界も通らないのではどうしようもない。『黒男爵』ピョートル・ヴランゲリの質問に執事はディアボロスとの交戦だと推測するしかなかった。
「戦いが起きたのか? それ自体は良い。しかしデニーキン殿は、何故、増援に来ないのか。ディアボロスとの戦いは、軍部の仕事であろう」
ウランゲリは大領主ゆえの度量で何も分からないという執事を許した。
実際、彼にも全く分かっていないので、他人に厳しく当たるばかりではいけないということくらいは判る。
その上で即座に思いつける戦略……懇意にしているジェネラル級との連絡を計ったのである。
「その、そちらへの通信も先ほどから……」
「ええい。もう少し待って再度連絡せよ。無理ならば徒歩ででもな」
そう言って気を引き締め直して戦闘準備を整えるのだが、味方が居た筈の方向に対して警戒する以外の行動がとれなかったのである。
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
【CCTS】
アドリブ、チーム外連携も歓迎
民を受け容れるつもりとはいえ……目的が儀式の成就ではな
この闇を無用の長物にし、容赦なく倒し切る
完全視界、通信障害を用い、双眼鏡にて状況を観察し把握
連絡に出た護衛がいれば、そちらから仕留め、移動中なら追跡からの開戦
敵陣営に護衛が詰めていれば、タイミングを合わせ再び奇襲
警戒側を避け、闇色のコートと光学迷彩で周囲の陰に潜み、不意を打てる方向を探る
味方とPD通信で連携、飛翔し高速で接敵しつつ先制を狙う
空中戦の味方とは上空で連携、後方につき援護や追撃を仕掛け
地上からの援護を受けつつ、立体的に挟撃を取り
こちらには標的を絞らせず、急転換や撹乱軌道を取りつつ交戦
PDにて攻撃
一撃で倒せる>消耗した敵を目安に、狙いを合わせ、確実に打ち倒していく
久しぶりの空だ
狩りと行こう
敵の攻撃には魔力障壁で身を守り、影を弾いてよせつけぬように
絡みつきは撹乱軌道でかわしつつ、本格的に捕まらぬように振り払う
最終人類史の空は、闇ではなく
多様な色彩と表情が似合うから
晴らしに来たよ、ヴランゲリ
括毘・漸
暗闇をもたらす者が、暗中となるとは面白い話もあったものです。
そのまま目的地までの道程も迷ってくれればよいのですが、それを待っていては日が暮れてしまいますからね、ここで仕留めませんとな。
大群がいなくなり大分見通しもよくなりましたね。
敵軍は動揺しているようですし…ここは、驚かせてやりますかね。
【飛翔】が使えるとのことですし、予め地上500メートルの高さまで飛んでおき、【完全視界】で視界も確保して敵を捕捉したら最大速度の900Kmの速さで空から落下していき、空中から【隠し刃・狼爪】を発動させて【命中アップ】の光を辿りながら、落下の勢いを加えた飛び蹴りで敵を貫き、着地の衝撃を回転へと変換し薙ぎ払う回し蹴りを見舞いましょう。
はぁい、空からこんにちは。
こんなところで暗闇を張ってたら丸わかりですよ?
敵の攻撃には、【未来予測】の力で攻撃の軌道を読み、【隠伏の狼爪】に仕込んだ曲刃で爪を受け止めながら、反撃の回し蹴りを叩き込み、爪を圧し折る。
人々に害を及ぼすのなら、尻尾を巻いて帰るか…ここで討ち取られろ。
レイラ・イグラーナ
【CCTS】
付近に展開していた敵の掃討は完了しました。
これでこの周辺に残る敵はピョートル・ヴランゲリとその護衛のみ。
空と地から掃討いたしましょう。
【パラドクス通信】を使用し、【飛翔】を用いて戦う【CCTS】のメンバーと連絡を取り、空と地上、両方から同時に攻撃を仕掛けます。
私の攻撃は地上から。【手製奉仕・舞】を使用し、踊るようにして銀の針を投擲、立ちふさがるノーブルバトラーたちを貫きます。
地上の私たちを取り囲もうと敵が動けばその動きは空から見え、各個撃破頂けるでしょう。普段よりも前に出て敵陣をかき乱すことを重視します。
空で戦う部隊を地上から狙おうとする敵がいれば、その敵を集中的に狙い、地上への注意が疎かになっている間に撃破を狙います。
敵の反撃に対しては【ガードアップ】で肌を硬化させて伸縮自在の黒爪が深く突き刺さらないようにしつつ、足を止めずに攻撃を繰り返し殲滅します。
不用意にこの地へと立ち入ったこと、存分に後悔なさってください。
お覚悟を。
エリザベータ・シゲトヴァール
●心情
吸血蝙蝠どもも忌まわしきボリシェヴィキどもと同様ベルリンを目指すか。
どの時代、どの世界線でも変わらないとなれば、最早これは運命と呼ぶ他あるまい。
●行動
【CCTS】
初手【飛翔】から空襲。Lv10の残留効果による速力を活用。
友軍地上部隊への近接航空支援を主眼に行動。
【完全視界】で視野を確保し【パラドクス通信】での連携を密に。
【制圧射撃】で敵の出鼻を挫き、【泥濘の地】と併用し敵の組織的な抵抗を阻害。
敵の目を空中に吊り上げ、地上部隊が動きやすい様に意識。
泥濘から逃れようと空に上がって来るなら【空中戦】で撃墜数を稼がせて貰うわ。
付近の『友軍機』とロッテを組み、サッチウィーブ戦術で互いに死角をカバー。僚機への攻撃位置に付く敵機から優先的に攻撃対象に選定。
チェックシックスを怠らず、敵の手元の動きと爪の延長線上から射線を読み、無駄な被弾と直撃を避ける。
生憎だけれど、空はずっと飛び続けて来た私のホームグラウンドよ。
加えて安心して背中を預けられるウィングマンも居る。ここで私達に勝てるなんて思わないで。
メルキディア・セデクリエル
アドリブ・連携大歓迎
【CCTS】の援護へと向かいます
これ以上民間人の犠牲を増やさないためにもその闇を晴らしてあげるとしましょう
【完全視界】で視界を確保し、【パラドクス通信】で援護を行う旨を伝えた後、エスコートベッセルの左機械腕にカタパルトシールドを接続
そこから召喚陣を通して特機戦闘機エルシオンを発艦
(サモンアウェイ・エルシオンの発動)
自らは地上からエスコートベッセルの火器で対空砲火を行い、エルシオンは空中の仲間を支援する形で飛び回り護衛のノーブルバトラーを追い込んでいくわ
反撃のカースドクロウにはカタパルトシールドを用いていなすように防いでダメージを抑える
集中砲火が必要ならばエルシオンの高機動で攪乱させてエスコートベッセルの火器と合わせて一斉射を行うわ
エルゼ・シュヴァイツァー
連携・アドリブ歓迎
敵方には混乱が生じている様子。
ここはそれに乗じ、一気呵成に攻めましょう。
いつまでも最終人類史の土を踏ませるつもりはございません。
引き続き【完全視界】を用いて暗闇に対応しつつ戦います。
相手は闇の術に長けているようなので、偏向式結界の属性を光にして防ぎましょう。
飛翔なさる方もおられるようなので私は地上に残りましょうか。
【パラドクス通信】で意思疎通ができるようにしておきます。
まずは【泥濘の地】で機動力を奪います。
そして錫杖を鳴らし、詠唱を行い【散華】を発動します。
「清らかな 水面に映えて 散る華を 死出の門出の 風に手向けや」
外界の光を集めて圧し固め、それを風で無数の光の花弁として拡散させて操り、敵群の頭上から覆い被せます。
土を踏ませるつもりはございませんが、空へ上がらせる気もありません。
そこで果てなされ。
●
「掃討完了。大群がいなくなり大分見通しもよくなりましたね」
「付近に展開していた敵の掃討は完了しました」
括毘・漸(影歩む野良犬・g07394)が確認してきたと告げるとレイラ・イグラーナ(メイドの針仕事・g07156)はパラドクス通信で全員に連絡を送った。
漸を含めてメンバーが入り乱れる為、傭兵会社でのコールシアンは凍結している。
ウグイス嬢のお姉さん……いやメイドさんであった。
「敵方には混乱が生じている様子。ここはそれに乗じ、一気呵成に攻めましょう」
「そうですね。この周辺に残る敵はピョートル・ヴランゲリとその護衛のみ。空と地から掃討いたしましょう」
エルゼ・シュヴァイツァー(渡鴉・g11192)からの通信にレイラは返答する。
あれだけ居た大群の吸血鬼たちは全て倒され、直接戦闘していなかった者たちが包囲して生き残りが居ないかを確認していたのだ。
「ここはそれに乗じ、一気呵成に攻めましょう。いつまでも最終人類史の土を踏ませるつもりはございません」
「暗闇をもたらす者が、暗中となるとは面白い話もあったものです。そのまま目的地までの道程も迷ってくれればよいのですが、それを待っていては日が暮れてしまいますからね、ここで仕留めませんとな」
エルゼの決意と対照的に漸はのほほんと応えた。
今回のジェネラル級は周囲を闇で満たす力を持つという。
大領主の領地に攻め入る時には厄介であるが、向こうが最終人類史に出ている以上は見つけ易いから大丈夫と笑みを浮かべた。かつての狂犬は大切なモノを見つけて狩りに緩急をつける心得を身に着けていた。
「これ以上民間人の犠牲を増やさないためにもその闇を晴らしてあげるとしましょう」
「民を受け容れるつもりとはいえ……目的が儀式の成就ではな。その闇を無用の長物にし、容赦なく倒し切る」
領地が闇に包まれているという特徴を持って民衆を虐げている大領主。
メルキディア・セデクリエル(閃機術士のエンジェリアン・g03132)とエトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)は『闇』という言葉を用いて決意を示した。ディアボロスは元よりクロノヴェーダを倒し人々を解放する者だ。世界を追う闇であり、今回に至っては儀式で人々を消費する問亜人めいたことをしているのだから猶更であろう。
「そうね、容赦は不要よ。……吸血蝙蝠どもも忌まわしきボリシェヴィキどもと同様ベルリンを目指すか」
エリザベータ・シゲトヴァール(聖イシュトヴァンの剣・g00490)は深いため息をついた。かつて欧州を支配しようと西進したソヴィエト軍と重ね合わせてしまったのだ。
「どの時代、どの世界線でも変わらないとなれば、最早これは運命と呼ぶ他ないわね」
ノルマの為に容赦がない共産圏所属の酷吏などを『あの吸血鬼』と呼ぶが、ロマノフのクロノヴェーダは本当に吸血鬼であり、ソヴィエトめいたやり口にその忌々しさに苦笑を越えて呆れを含んだ溜息が出たのだろう。
「どれだけ居ようとも、対空砲火が出来る者を失ったのが運の尽きよ」
「何しろ時速900kmですからねえ。実に狩り甲斐があります」
エリザベータが気合を入れて空を見上げると漸はにこやかに笑った。
最終人類史では残留効果が実に高いレベルで発揮できるため、最初から高速で飛べるのだ。加えて言えばロマノフの軍勢は広域展開して移動している為、基本的には戦区が隣接していないのがありがたい。敵部隊の大半を討ち取れば、空を飛んでも問題が無いのだ。
「久しぶりの空だ、狩りと行こう。とはいえ伝令に出た護衛が居る筈だ。そちらから仕留め、移動中なら追跡からの開戦だな」
「じゃあ早速追い掛けて戦闘ね。計器はオールグリーン、いつでも出られるわよ」
エトヴァが翼を広げるとメルキディアは海戦装を装着し、シールドやバイザーを接続した。モニターに周辺の画像や数値やサインが現れ始め、シールドの魔法陣に込められた召喚エネルギーが表示される。
「飛翔なさる方もおられるようなので私は地上に残りましょうか」
その様子を眺めていたエルゼは、天地に分かれて移動するならばと自分の担当を決めた。
やがて一同はパラドクス通信を参考にしながら広域展開して行く。
「視界クリア。地上目標、航空目標をレンジに捉えてる」
「連絡があり次第に泥濘の地を使いますね」
エルゼは使うと気付かれる残留効果をギリギリまで待ち、メルキディアは既に機能させた完全視界をモニター越しに再調整させる。
「了解です。……こちら地上班。位置に着きました」
「後衛のエトヴァだ。伝令を始末次第に前線に合流する」
とレイラは味方に通信を入れるとエトヴァから即座に返事が返って来た。
空中班は既に展開を終えて今か今かと待ちわびていたのだろう。
「私は地上班の航空支援に徹するわ。先陣はお願い」
「お任せしますね。ではっ……敵軍は動揺しているようですし……ここは、驚かせてやりますかね」
エリザベータの言葉に漸が重なる。
前者の言葉は聞き取り易く、後者は少しくぐもって聞こえる。
おそらくは高速飛行を開始したかの差であろう。パラドクス通信とはいえ携帯や通信機レベルに過ぎないのだから。
「眼に見えるものが全てでは無く、形無きものが虚構でも無し―――我が秘めしは、断絶の刃」
漸は高高度から落下する様に加速しながら急降下攻撃を掛けた。
橙色の焔を纏い、手足を使って空中を駆け抜けていく。
それは天を駆ける獣のようであり、流星やオーロラのようでもあった。
「はぁい、空からこんにちは。こんなところで暗闇を張ってたら丸わかりですよ?」
『なっ!?』
漸は炎を纏う飛び蹴りを浴びせながら、仕込まれた刃を振るった。
片足が敵を焼くと同時に、返す刀で武器を仕込んだ足が敵を切裂いて行く。
『ぐっ。まさか……です、が、ぐふっ』
「人々に害を及ぼすのなら、尻尾を巻いて帰るか…ここで討ち取られろ」
漸は敵府が振るう詰めを仕込んだ曲刀で受ける。
未来予知は戦闘中には使えないが、ダメージを減らすだけなら普通に叩けば良い。戦闘用の残留効果を総動員してダメージを減らしながら回復を併用したのである。
「空中班の効果を確認。アイオンフレーム・エルシオン、カタパルトスタンバイ……発艦ッ!」
メルキディアはこのタイミングで攻撃を敢行した。
彼女自身は地上班であるが、空中班の援護も兼ねている。
海戦装の腕に装着した盾をカタパルトのように使用して、召喚術式から特機戦闘機"エルシオン"を発艦させたのである。
『不埒者め。ご主人様の前で恥をかかせるとは……』
「そこねっ。いっけえー!」
敵は仲間を追い掛けて攻撃しようと飛び立ったところだった、そこへメルキディアが横入りしてエルシオンに光学武装で射撃をさせる。それはまるでシューティングゲームか何かの様だ。
『なんですと? まだこれほどまでに敵が居るとは』
「どこまでがここまでなの? さっきの仲間と私だけ? それともあそこの伝令をやってる仲間とかも!? その数をあなたが知ることはないと思うけどね」
敵が苦し紛れの反撃を行うたびに、エルシオン越しにメルキディアへも爪痕が刻まれる。だが深い傷はないし、ダメージを与えれば吸収で直ってしまうものがほとんどだ。このまま追い込めば大した傷はないだろう。それよりも移動している伝令は大丈夫かと、暗闇の切れ間を飛ぶ敵を眺めた。完全視界は僅かな光に頼ることなく敵を捉えている。
「悪いが此処までだ。君を、君だけは逃がす訳にはいかない」
『敵が、こんなところにまで!?』
後方にいたエトヴァは光学迷彩と迷彩服を組み合わせて隠れていた。
移動する敵の伝令をまず討つために待機していたのだ。
パラドクスに後方も前方もないが、移動し続ける伝令を追うならば近い方が良いだろうとの判断である。
『ご主人様の命令です。ここでやられる訳にはいきませんな!』
「その言葉は聞くわけは行かない。――潜み、描いて、網と成れ」
敵が闇を迸らせてエトヴァの声明を吸収しようとすると、暗闇を来割くように銀の糸が待っていた。ソレはエトヴァが空中を踊る様に動くたびに、鮮やかな切り口で敵を切裂いて行く。周囲が闇の色であるだけに、日差しを吸って輝くソレは羽のように待っている様だった。
「何とか始末できると思う。だけれど出来るだけ確実に行きたいから時間を掛ける、向こうの援護を頼めるかな?」
「了解したわ。これより航空支援を敢行する」
エトヴァは自分ではなく前線の援護を要請したのでエリザベータが動いた。
地上に降りた仲間と二人一組を組むために降下。
仲間の死角、自分の死角を確認しながら上がって来る敵に対応する。
『許せませんねぇ。落ちなさい!』
「生憎だけれど、空はずっと飛び続けて来た私のホームグラウンドよ。加えて安心して背中を預けられるウィングマンも居る。ここで私達に勝てるなんて思わないで」
エリザベータは仲間と入れ替わる様にひねりを駆けて飛び込んだ。
マシンキャノンで射撃し、無数の弾丸で面制圧を行っていく。
指を回転させて位置を交代しようとサインを送り、黒い爪をかわしながら柔らかい敵の横腹に飛び込んだのである。
「清らかな 水面に映えて 散る華を 死出の門出の 風に手向けや」
その頃、エルゼは周囲の光を凝縮させた。
闇で覆われているからと言って光が無いわけではない。そして外からも呼び寄せ固めていった。
光を世界の未来の如く借り集め、人々の希望の如く代り集めて光の花を開かせる。
「土を踏ませるつもりはございませんが、空へ上がらせる気もありません。そこで果てなされ」
『お、お、おのれええ』
エルゼがフっと息を吹きかけると、光の花は花びらを散らして周囲を焼き払った。
光の風花が闇の帳を灼き祓う。思い出すが良い、鴉は弔いの鳥。
魂を運ぶとも、喰らうともされる鳥である。自らの一族の弔いとして魂を運び、邪悪の魂を喰らう鳥たちは……吸血鬼や死者の類には厳しいぞ!
「弾む律動、焦がす熱情。揺蕩う瞳が心意を射貫く」
仲間達が順調に戦う中、レイラは集中力を欠いている敵を狙った。
もちろん死にそうな敵を見かければトドメを刺すが、仲間達に気を取られている敵を後ろから銀の針で刺し貫いて行く。
『うあっ』
「不用意にこの地へと立ち入ったこと、存分に後悔なさってください。お覚悟を」
レイラは舞うようにして暗き戦場を渡り歩き、踊る様にして敵を仕留めて行ったのであった。
「みんな! 注意して! そろそろジェネラル級が出て来るわよ」
メルキディアは黒男爵の動きをモニターに映し出していた。
パラドクスは一瞬なので戦闘は即座に終わるが、それでも完全ではない。
ゆえに仲間たちと情報を共有し、対応を促したのである。
「時間稼ぎは行ってみますね。とはいえ相手も飛べるわけですが」
その言葉にエルゼは血を拭い、闇を祓いながら泥濘を操った。
相手の移動力を落し、味方が集結するまでの時間稼ぎである。
「最終人類史の空は、闇ではなく多様な色彩と表情が似合うから、晴らしに来たよ、ヴランゲリ」
そしてエトヴァたちがやって来る。
強大な敵であり、最終人類史を喰らおうとする闇を許さぬとディアボロスたちは集ったのである。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】がLV2になった!
【壁歩き】LV1が発生!
【士気高揚】LV1が発生!
【フライトドローン】LV1が発生!
【狼変身】LV1が発生!
【熱波の支配者】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV2が発生!
【ダメージアップ】がLV3になった!
【先行率アップ】がLV2になった!
【ガードアップ】がLV3になった!
●
『やれやれ。いきなりの挨拶であるな』
『私はピョートル・ウランゲリ。仲間達には黒男爵で通っているよ』
『さて、戦うというのも良いだろう。私と君たちは出来だからな』
そのジェネラル級は急襲されたにも関わらず余裕を崩さなかった。
実際にそうなのかもしれないし、パラドクスは戦闘時間が一瞬な上に暗闇で見えなかっただけかもしれない。
『試みに尋ねるのだが……茶などどうかね? 味にはうるさくてね。執事だけでなく自分でも心得はあるとも』
そう言って周囲の暗闇を自分の元に凝縮させた。
本当に戦う前に茶でも振舞う気か? それとも……。
さて、ディアボロスたちは何か尋ねることはあるだろうか?
特になければ直ぐに戦うのも良いだろう。
エルゼ・シュヴァイツァー
アドリブ歓迎
この期に及んで茶とは……
何か企んでいるのか、単なる趣味なのか図りかねますが、毒など盛ろうにも我らには効ぬはず。
時間稼ぎをしたところで他所は友軍が抑えています。
ここは一つ乗ってみますか。
密かに信号などを発信されても困ります【通信障害】を使用しておきましょう。
「それでは遠慮なくお招きにあずかると致します。私はエルゼ・シュヴァイツァーと申します。
どうぞよしなに、ヴランゲリ男爵」
とは言っても重要な情報を持っている可能性は低いのでしたか。
私なりに対話してみましょう。
「……常に暗く、冷たい世界。
なるほど、そこに優しさと安らぎを見出す者もいるでしょう。否定はしません」
「されど春に芽吹く草花の香りを嗅ぎ、夏の清流に戯れ、秋の夕暮れに虫の声に耳をすまし、冬は縁ある者と火を囲み吹雪が去るのを待つ……
左様なものです、豊かさとは」
「理解できぬとは存じますが、左様な感性の者もまた確かにこの世には営んでいるのです。
……たいへん美味しゅうございました。そろそろ終いと致しましょう。
それでは、お覚悟」
括毘・漸
ほほう、お茶のお誘いですか………いいですねそのお誘い乗らせて頂きましょうか。
敵の将とお茶を飲み交わすなんて、面白い土産話になりそうですからね。
しかしながら、紅茶に美術品、音楽とロマノフの大貴族様はそれぞれが趣味に打ち込んでいるご様子。
それをやれる程の余裕……いや矜持があるんですかね?
重要な情報は聞けなくとも、今目の前にいる敵の事は知れますからね言葉は交わしておきましょう。
言葉通り、紅茶も美味しいですなぁ………淹れた手際もそうですが茶葉もいいところの品を使っていると見ました。
ところで男爵殿、茶葉がどうやって出来るかはご存知ですか?
一般的な植物と同じく、水や肥沃な土、そして太陽の光が必要となりすね。
男爵殿、貴方が言う雪と闇で包まれた世界では、このような茶葉は育ちますかな?
コレだけは言っておきます、人々の命を使い潰すような『鮮血の革命』は絶対に阻止させて頂きます。
…男爵殿、支配と従属だけが世界の有り様ではありません。
お茶、ご馳走でした。
では、戦いましょうか。
●
ジェネラル級クロノヴェーダであるピョートル・ヴランゲリはなんとお茶会を申し込んで来た。
ディアボロスの一部が応じる気配を見せると、笑って応対の準備を始めた様に見える。
「この期に及んで茶とは……」
「ほほう、お茶のお誘いですか………いいですねそのお誘い乗らせて頂きましょうか」
その申し出にディアボロスちは衝撃を覚えた。エルゼ・シュヴァイツァー(渡鴉・g11192)は驚愕し括毘・漸(影歩む野良犬・g07394)は不敵な笑みを浮かべる。受け止め方に差があるのは当然であろう。
「敵の将とお茶を飲み交わすなんて、面白い土産話になりそうですからね」
漸は静かに敵の周辺を確認した。
黒男爵と称されるヴランゲリの周囲にある闇は、そこらの公園をテーブルとベンチに変える。あるいは建物を壊されているだけで、実は喫茶店なのかもしれないが、周辺が暗く真相はようとして知れない。
「しかしながら、紅茶に美術品、音楽とロマノフの大貴族様はそれぞれが趣味に打ち込んでいるご様子。それをやれる程の余裕……いや矜持があるんですかね?」
ディアボロスが側近を倒した時、ヴランゲリが即座に戦わなかったのは即席陣地に居たからだ。
そこに持ち込んだ食器や軽食の類を見て、戦争に来ているのかそれともピクニックに来ているのか判らないほどだ。本人に言わせてみれば『新しい領地の視察に来ているのだ』と言わんばかりである。その姿に漸は『自分は野蛮な軍人とは違う、慌てふためくのは格好悪い』という感触を得た。だからこそ『余裕ではなく、矜持ではないか?』と感じたのだ。
「何か企んでいるのか、単なる趣味なのか図りかねますが、毒など盛ろうにも我らには効ぬはず。時間稼ぎをしたところで他所は友軍が抑えています。ここは一つ乗ってみますか」
「ええ。重要な情報は聞けなくとも、今目の前にいる敵の事は知れますからね言葉は交わしておきましょう」
エルゼの推測に漸は頷いた。
相手の目論見の一つは、他の吸血鬼たちが援軍に駆けつけて来るのを待っているのだろう。だが、ヴランゲリは知らずともディアボロス達は『確信している』。最も近くにジェネラル級……デニーキンですら援軍に来ることはないだろうと。
やがて準備が整ったのか、ほかほかと温められた専用の道具で湯が用意された。
「それでは遠慮なくお招きにあずかると致します。私はエルゼ・シュヴァイツァーと申します。どうぞよしなに、ヴランゲリ男爵」
『うむ。私がピョートル・ヴランゲリ男爵である』
エルゼは敵将へ接近するにつれてその詳細を確認した。
非常に落ち着いており理知的な雰囲気を感じる。
傍らのバケットには甘いジャムの香りがする他、何か脂の臭いがした。
焼けた何かの香りもすることから、パンなりクッキーを焼しめた物を添えてあるのだろう。そんなことを思いながら、通信障害を設置しておく。
『いきなり開戦であったが安心したよ。何処の蛮地に出向いた物かと不安であったのでね。さあ、遠慮せずに好きな杯を選び給え』
ティーポットから落ちる暖かいナニカの音。
香り高く感じるように計算し尽くされた所作が、三つのカップに注がれてく流れも見事だ。
「括毘・漸です。漸・括毘と言うべきやもしれませんがね。言葉通り、紅茶も美味しいですなぁ………淹れた手際もそうですが茶葉もいいところの品を使っていると見ました」
『そうとも。添えた物も含めて、いずれも我が領地で得られた物だ。什器に関しては他の領地から仕入れた物だがね』
漸が見た所、服装や宝石品は全て一流で統一されているが、超一流は無いとだけ判った。
バランスよく合わせてあり、そのどれもがヴランゲリの品に寄りそうことはあっても越えることはない。超一流の品を一つ二つ混ぜるのでは下品になりかねないし、皇帝でもない者が超一流だけで固める訳にはいかないからだろう。だが、身だしなみにそれほど詳しくない彼は、恋人ほどにその手の事は判らなかった。あえて言うならば、添えられた脂が鳥のレバーか何かをペースト状にしてあるというのを獣の鼻で理解しただけである。
「ところで男爵殿、茶葉がどうやって出来るかはご存知ですか?」
漸はジャムではなくレバーを選んでパンに乗せて口にする。
一見、合わないのではないかと思ったが、紅茶を飲むと口を洗ってくれる。
ジャムと紅茶が甘さのベストマッチだとするならば、こちらはリセット用とか腹ごなしとして用意されたものだろう。甘い物ばかりでは飽きるからではないだろうか。
『ふむ?』
「一般的な植物と同じく、水や肥沃な土、そして太陽の光が必要となりすね。男爵殿、貴方が言う雪と闇で包まれた世界では、このような茶葉は育ちますかな?」
漸は一般知識を口にした。新宿に居れば簡単に手に入る知識の範囲である。
決して残留効果ありきのマジカル一般教養ではない。
『民へこういう物が欲しいと伝えて満足するまで用意させる物だよ。私にとってはね』
今の回答が自分たちとヴランゲリとの意識の差であると気がついた。
彼は小さな差をまるで気にはしていない。従属させる人々が、自分の欲望を叶えるかどうかだけを見ているのだろう。
『私の命令を受けて手に入れられるのならば、私の世界で手に入るのであろう。そうなる様に努力している姿を見たし、仮に形ばかりの生産で民が売りに出し、私好みの品を手に入れているのであれば……私はその努力を愛そう。何故ならば、私に忠誠を尽くすためであり、私の暗く冷たい世界を彩る為に努力したのだからね。その努力を私は従属と呼んでいる』
ヴランゲリはやはり、ロマノフのヴァンパイアノーブルなのである。
何処にでもいるような大貴族めいた所作をしているが、支配し従属させることが根幹にあるのだ。『自分好みで世界を染める』という欲望で動いており、従う物には寛容であるに過ぎない。無駄には殺さないであろうが、必要ならば殺すであろう。
「……常に暗く、冷たい世界。なるほど、そこに優しさと安らぎを見出す者もいるでしょう。否定はしません」
エルゼは一部のみは判る気がした。
彼女は視線を封じており、急な明暗や騒音が得意ではない時がある。
戦闘では頭で理解し切り替えることは容易いが、新宿で急に切り替わったら驚くことはあるからだ。だからゆったりと代り映えの無い世界を用意しておいて、散策なり茶会で聞いた外の情報を自分の解釈で愉しむ行為自体は否定しなかった。
「されど春に芽吹く草花の香りを嗅ぎ、夏の清流に戯れ、秋の夕暮れに虫の声に耳をすまし、冬は縁ある者と火を囲み吹雪が去るのを待つ……左様なものです、豊かさとは」
エルゼにとって幽霊自然のように世界に揺蕩い、その変化を我が事として愉しむものである。大きな変化を押し付けようとも思わないし、ましてや他者の領域を自分の趣味に染め上げようなどとは思いもしなかった。やはり理解できるのは安定という意味であり、そのほかはちっとも相容れなかったのである。
『そうかね。それは民の価値観なのだろうな。支配者の価値観ではない。支配者とは方針を示し、その方針の通りに動けば民はそれで済む。悩みも何も無く、全ての成功も失敗も支配者に帰する物だ』
この男の思考にまったくブレがない。
大領主とはそういう物かと思う。
貴族であり、そのスタイルこそを至上と思って皇帝に仕え、代わりに民衆を支配する存在なのだろう。それ以上でもそれ以下でもない。
「理解できぬとは存じますが、左様な感性の者もまた確かにこの世には営んでいるのです。……たいへん美味しゅうございました。そろそろ終いと致しましょう。それでは、お覚悟」
考え方の根幹が別方向に向いており、その方向で固定されている。
だから話は出来るが、どうにかできるような相手ではない。
「コレだけは言っておきます、人々の命を使い潰すような『鮮血の革命』は絶対に阻止させて頂きます。……男爵殿、支配と従属だけが世界の有り様ではありません。お茶、ご馳走でした。では、戦いましょうか」
軍部に所属するジェネラル級が戦うための存在名r束、大領主たちは支配し統治するための存在なのだろう。ラスプチーンのように責任を持つ相手なら折れるだろうが、大領主たちはそうではないから話が通じないのだと思われた。漸は苦笑しながら一礼し、宣戦布告を行う。
『理解できぬことは納得したとも。そして相容れぬモノが出逢えば戦いあるのみだ。それが確認できたことだけが、この茶会の収穫であろう。よろしい、戦争だ』
二人の言葉を受け入れてヴランゲリは負うように頷く。
少しも自分には刺さらなかったようだが、どうして戦うのかを理解して満足をしている。
全て自分が満足する為、そのために小さな闇の世界を想像し管理する男。
ピョートル・ヴランゲリは闇の世界の中に血の赤を呼び起こした。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】がLV3になった!
【士気高揚】がLV2になった!
効果2【ダブル】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV4になった!
エリザベータ・シゲトヴァール
●心情
『支配者の価値観』、ね。否定はしないわ。
けれど統治者もまた国家と言う装置を動かす歯車だと言う事もお忘れなく。
民族が国家を持ち、国家があってこそ国民がある。故に国民を率いるのは、ひとえに国家を富ませ、民族に繁栄を齎す為よ。
ボリシェビキどもと同じく収奪する事しか出来ない愚物が『支配者』を語るなど片腹痛いわ。
●行動
【CCTS】
【飛翔】及び【完全視界】【パラドクス通信】での連携は継続。
空に上がる友軍と共にロッテを複数組み合わせたシュヴァルムを臨時編成し、死角を潰しつつ空中に包囲網を形成。
敵は飛行能力を持つ。空からの突破には要警戒よ。
攻撃行動は全てパラドクス。全リミッターを解除し【空中戦】。
高G旋回で敵後方に回り込み、距離に応じて兵装を使い分けながら友軍との協同撃墜を狙う。
攻撃態勢に入った僚機の背後をカバーし、【制圧射撃】で牽制し敵に致命打を打たせない様に。
サーベルによる斬り込みには高機動により生じる【残像】とチャフ/フレア放出で目測を狂わせると共に、ヘッドオンから爆撃槌を振るって切り結ぶ。
レイラ・イグラーナ
【CCTS】
1つの支配の……上に立つ者の有り様として、間違いではないのでしょう。
2つ、お伝えすることがございます。
1つ目は肯定。仰るように私たちは人民の側に立つ。相容れぬことが確認できたのは私たちに取っても収穫です。
2つ目は……人民の成功も失敗も支配者に帰する物だと仰いましたが、血もまたそうである、ということをご理解頂きたく。
貴方が流した人民の血は、ただ貴方の血によってのみ贖われる。
黒男爵ピョートル・ヴランゲリ。お覚悟を。
【飛翔】を用いて仲間とともに空中戦を挑みます。
包囲し戦うことで多方向から攻撃を加えて有利に戦闘を進めるとともに、ヴランゲリが一時退いて態勢を立て直したり、強行突破したりも防ぎましょう。
射撃、銃撃が戦う仲間が戦いやすいよう、仲間に距離を詰めようとするヴランゲリを妨害するように空中で交錯しながら【手製奉仕・剣】による斬撃で攻撃。
騎馬突撃に対しても飛翔で真っ向から向かい、仲間の支援も受けながらギリギリで回避すると同時にパラドクスで攻撃、ヴランゲリを切り裂きます。
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
【CCTS】
民の努力を従属と呼ぶか……大領主らしいな
だが、世界は
より美しくある
皇帝の支配にも芽吹きの春はある
貴方好みの世界に染めるなら
貴方は何も視てはいないのだろう
PD通信で仲間と連携を取り
【飛翔】し空中戦
完全視界で視野を確保
戦況を観察しつつ、敵味方の動きを把握
視野を広く取る瞬間を交え
仲間と立体的に包囲を取り、穴を埋めるよう立ち回る
留まらず、敵を中心に大きく球や半球を描く意識で包囲面を維持
PDで緩急をつけた射撃
仲間が後背や手薄な方向を突けるよう引き付け
接近戦の味方の攻撃に合わせ多角的に援護
味方と死角をフォローしあい、敵の位置を報せ、援護射撃
敵が飛翔したら、包囲網が崩れぬよう追撃と抑え込みに入り、味方の方へ追い込む
近くの味方をディフェンス
隙を狙われたり集中攻撃を受ける仲間を優先
敵の反撃には、棺の開く方向を避けるよう飛び続け、闇を追い返すよう荊の魔力障壁を張り対抗
味方の回避を支援
世界よ、彩り豊かであれ
季節も、景色も、人々の喜びも、悲しみでさえも日々のいろ
それを闇に塗り潰す権利は、貴方にはない
エルゼ・シュヴァイツァー
【CCTS】
連携・アドリブ歓迎
なるほど、支配者の価値観とは左様なもので。
何故に我らが祖先達は自らの上に王を立てるなと言い遺したか、今こそ理解できました。
感謝申し上げます。
暗い闇が広がっております。【完全視界】を使い、【パラドクス通信】で仲間と連携し、背中に黒い炎の翼を発生させて【飛翔】します。
それと【温熱適応】で対応できる範囲で【熱波の支配者】と【照明】を使います。嫌がらせ程度にはなるでしょう。
ヴランゲリを逃がさぬように仲間と共に包囲網を形成します。
「見事な茶でした、黒男爵。次の世では要らぬことをせず茶の道を征かれよ」
効きはせぬでしょうが【罪縛りの鎖】を脚に絡め【フェイント】に使います。
「落日に 陰る世にこそ 光あれ」
その隙に【原初の光】で天に出現させた光輪から一条の光を放ち、闇の領域ごとヴランゲリを貫きます。
鈍色の 冷ゆる日々こそ 愛でるなら
ほのか湯立てた 茶こそ嗜み
メルキディア・セデクリエル
【CCTS】
アドリブ・連携大歓迎
支配者のとしての価値観、ね……革命期前の古い貴族の価値観が近いのかしら
私からはちょっとだけ言わせてもらうなら…国も上位者も民あってこそ成り立つもの
支配者もまた人民によって支えられていると言う事よ
地上からの火力支援は任せて!
【完全視界】で視界を確保し【パラドクス通信】で連携は継続
装着したままのエスコートベッセルの搭載火器で援護射撃を行いつつ
左籠手から取り出したファニングバンカーを構えて狙撃態勢をとる
棺からの闇は自動制御させたエスコートベッセルのミサイルで吹き飛ばしたり、エスコートベッセル自体を盾にしてダメージを抑える
これはただの杭打機にあらず、そのまま撃ち出すことも可能…吸血鬼に聖なる杭は効果覿面でしょ
そう呟いてピョートル・ヴランゲリに「パイルシュート・ディラプター」を狙撃するように撃ち込むわ!
昏い理の一方的な支配は私達のいる最終人類史にはあってはならない……光さす世界に汝ら暗黒住まう場所なし、よ!
●
「民の努力を従属と呼ぶか……大領主らしいな」
「だが、世界は」
「より美しくある」
敵の言葉を聞いていたエトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)はそう漏らした。
人を従えることを当然とし、個性ではなく結果を見る存在。相容れぬ相手であった。
誰かに支配されることを当然とする、一つだけの価値観ではないとエトヴァは否定した。
『デニーキン殿は、何故、増援に来ないのか』
そんな中、ピョートル・ヴランゲリは自分の紅茶を飲み干した。
そうではないかと思ったが、時間を稼いでも無駄であったようだ。
『ディアボロスとの戦いは、軍部の仕事であろうに』
ならば後は戦って勝利を求めるまで。
優雅にコップをテーブルに置き、さっと手を一振りしてそれらを消し去る。
『大領主であるこの我が、有象無象の手でこのような蛮地にて命を失おうとは、許されぬぞ』
立ち上がってコキリと体を動かし、手を握って力が通っているのを確かめる。
すると周囲に暗黒の力が迸り、その周囲に血の赤が零れた。
『願わくば君たちが有象無象ではないことを祈るとしよう』
左手を後ろに、右手で自らを誇示する様に胸を張った。
彼の名前は『黒男爵』ピョートル・ヴランゲリ、白軍最後の指導者の名前を奪った吸血鬼である。
「なるほど、支配者の価値観とは左様なもので」
エルゼ・シュヴァイツァー(渡鴉・g11192)は黒男爵が立ち上がって身構えるのを待った。
奇襲してどうこうというタイミングではない。ならば仲間たちと歩調を合わせる方が良いからだ。
「何故に我らが祖先達は自らの上に王を立てるなと言い遺したか、今こそ理解できました。感謝申し上げます」
だが、歩調を合わせることと意見を無理に一つにまとめることは同じ意味ではない。
絶対強者に従う事は、ある意味の快楽である。全ての苦悩を自分より凄い者に押し付けられる。
しかし、それは自らを殺してそのものと一体化する事に他ならない。生死の全て、野に生き文明の中で生きる事を放棄する事に他ならなかった。まさに意見無き有象無象になり果てるのだ。
「支配者のとしての価値観、ね……革命期前の古い貴族の価値観が近いのかしら」
「否定はしないわ」
メルキディア・セデクリエル(閃機術士のエンジェリアン・g03132)の漏らした言葉にエリザベータ・シゲトヴァール(聖イシュトヴァンの剣・g00490)が応じる。その当時に生きたエリザベータとしては変遷して行った価値観の一つであることは承知していた。ただ、彼女は『空』に魅せられた事でそれほど重いきを置いては居なかっただけだ。
「1つの支配の……上に立つ者の有り様として、間違いではないのでしょう」
「けれど統治者もまた国家と言う装置を動かす歯車だと言う事もお忘れなく。民族が国家を持ち、国家があってこそ国民がある。故に国民を率いるのは、ひとえに国家を富ませ、民族に繁栄を齎す為よ」
同じようにレイラ・イグラーナ(メイドの針仕事・g07156)が部分的な肯定を示すがエリザベータたちは決して黒男爵を認めたわけではない。あくまで 統治法の一つとして、一時代を形作った価値観であると言うだけだ。船頭多くして舟が山に登る事が無いように、少数の指導者に統一した見解を許しているに過ぎない。
「私からもちょっとだけ言わせてもらうなら……国も上位者も民あってこそ成り立つもの。支配者もまた人民によって支えられていると言う事よ」
その意味で支配者もまた国家を富ませる為のシステムに組み込まれた存在に過ぎないのだ。
メルキディアは国も支配者も、逆説的に言えば人々が居なければ成り立たないのだと口にした。
『有象無象と戦う事は好まぬから囀る事は受け入れよう。他に何かあるかね?』
「2つ、お伝えすることがございます。1つ目は肯定。仰るように私たちは人民の側に立つ。相容れぬことが確認できたのは私たちに取っても収穫です」
黒男爵はそれらの言葉を受け流した。
貴族同士で意見の相違があり、派閥があり、そしてそれらを束ねる権門がある。
大領主たる彼は権門の長として、色々な意見を聞く事もあったのだろう。だが、彼にとってのそれらがディアボロスと合わぬのだとレイラは言い添えた。
「2つ目は……人民の成功も失敗も支配者に帰する物だと仰いましたが、血もまたそうである、ということをご理解頂きたく。貴方が流した人民の血は、ただ貴方の血によってのみ贖われる。黒男爵ピョートル・ヴランゲリ。お覚悟を」
『ははは。そんなもの、とうの昔に出来て居るとも』
奪ったのだから奪われることも覚悟せよ。そう告げるレイラに黒男爵は笑った。
あるいは有象無象はまとめて一つの塊であり、貴族は一人で一つの塊。
他者を奪うという意味で、同じものだと言わんばかりの態度だ。
『王侯貴族など元を辿れば付近で最も強かった馬賊山賊の一形態に過ぎぬ。それらを人の頂点としたのは力であり、何を文明とするかの流れを作り上げたに過ぎぬ。まだ何かあるかね? あるならば聴こう、無ければ掛かってきたまえ』
力があるから支配者と呼ぶと黒男爵は告げた。
文明を持つからこそ貴族と呼ぶと黒男爵は告げた。
ディアボロスに異なる意見と文明を認めたからこそ、害虫や災害ではなく『敵』と認めた。誰かに言われて攻めて来る雑兵ではなく、次の世代の貴族に足るならばそう吼えてみよと言うのだろう。そう言う意味で、やはり黒男爵と意見が相容れないのだろう。
「皇帝の支配にも芽吹きの春はある」
「貴方好みの世界に染めるなら」
「貴方は何も視てはいないのだろう」
エトヴァはハンドサインで仲間達にパラドクス通信の確認を促した。
既にすべきことは通信機越しに通達してある。
ここで見知った仲間達ばかりであったこともあり臨時編成を組む。
「フェーデルより各位へ。ここからは戦いの時間だ」
「ボリシェビキどもと同じく収奪する事しか出来ない愚物が『支配者』を語るなど片腹痛いわ。ユサール、了解!」
エトヴァが翼を広げると、エリザベータはフライトユニットを動かした。
ディアボロス達は空を舞い、相手に隙を見せぬようにゆっくりと大地を離れ始めたのだ。
『大領主の足を地で汚さぬ事は褒めてやろう。乗ってやるぞ』
黒男爵も同様に空中へと移動した。
黒い空間自体が不意に空に浮かび、赤い力が彼を高速で動かし始める。
やがてクロノヴェーダもディアボロスも部隊を空へと移して空中戦の様相を呈して来た。
「こちらレイヴン。暗い闇が広がっております。完全視界はお忘れなく。また戦場が広域になる可能性もありますので、パラドクス通信の確認は定期的に!」
黒い炎の翼を広げてエルゼは次々に残留効果を設置した。
口にしている二つは既に設置してあるものだが、新たに熱波の支配者と証明を用意していた。接戦になる可能性を見据え、少しでも優位に立つために用意したのだ。それが嫌がらせに過ぎなくとも、やっておくこと自体は無駄ではないだろう。
「アイオーン了解。地上からの火力支援は任せて!」
メルキディアは海戦装をベースに各種天使由来の武装を展開。
ディスプレイ越しに周囲を監視しつつ、インカムで皆に連絡を送る。
そして搭載火器の内、ミサイルは全天に、左籠手の武装は黒男爵へと向け続ける。
「こちらアサー。包囲しつつウランゲリの撤退に備えましょう。強行突破もあり得ます」
「フェーデルより各位へ。アサーの意見を採り入れる。半球状の戦闘区域を構成し、攻めるために動く場合は誰かがその穴を埋めるんだ。俺はやや引いて戦場全体を俯瞰する」
レイラ達の案を容れたフェーデルは基本的な作戦案を編み出した。
両手に銃を構えて遠距離用のパラドクスをセット。
確実に包囲するため、少し離れた位置に着いた。
「こちらユサール。二機一組のロッテを二つ、東西に担当を分かれるシュヴァルムを組みましょう。西側にフェーデルとレイヴン、そちらのロッテは遠距離戦主体で逃走阻止を御願い。当機とアサーのロッテが東側と天頂(太陽)を抑えて近接を担当するわ。アイオーンは悪いけど天底(地上)から援護をお願い」
「「了解!!」」
ユサールは修正案として2x2+1のチーム分けを決めた。
二人一組であれば、自分が誰の死角を守るか、誰の穴を塞ぐかを考え易い。
バランスは取らずに西側に遠距離組を置いたのは、相手が逃走するとしたら東だからだ。もし逃げたら全員で追い掛ける事が出来るし……ドイツ・オーストラリア出身者と、ハンガリー・ロマノフ出身者という地理に対する抑えもある。
「見事な茶でした、黒男爵。次の世では要らぬことをせず茶の道を征かれよ」
レイヴンは罪縛りの鎖を駄目元で使いながらパラドクスを放つ。
天に巨大な光輪が現れ、暖かい光を放ち始めたのだ。
「落日に 陰る世にこそ 光あれ」
『暗き夜 眠りにつけよ 常しえにな!』
レイヴンが呼び出した光輪はまるで太陽がそこにあるかのように灼熱と貸した。
それを受けて黒男爵は自らの周囲からレイヴンに伸びる黒い棺を作り出す。
彼を縛る筈の鎖は、罪など気にしていないかのように引き千切られていく。
「……鈍色の 冷ゆる日々こそ 愛でるなら。ほのか湯立てた 茶こそ嗜み」
その攻撃に対してレイヴンは闇の中で温かな光が湯気を出すイメージを作った。
暗く寒い黒男爵の光を、白い光が切裂いて朝日を思い起こさせる閃光を発する。
「世界よ、彩り豊かであれ」
「季節も、景色も、人々の喜びも、悲しみでさえも日々のいろ」
「それを闇に塗り潰す権利は、貴方にはない」
そこから黒をキャンバスとして五つの弾丸が飛来した。
それはフェーデルの放つ色彩であり、暗闇の中に佇む黒男爵を穿つ。
『それも良し。されど我身が 愛でるのは 安寧の闇 常しえの夜』
黒男爵に撃ち込まれた弾丸が刻むのは光の十字架。
フェーデルが弾丸に込めた魔力であり、色彩を帯びた弾頭の力である。
だが、黒男爵は己の身に闇を取り込むと、体を再構築しながらフェーデルに反撃を放って来た!
「介入を掛ける……強制解除」
そこへユサールが後ろに回り込むように飛び込んで来た。
だが、高速で飛び込みつつも行うのは仲間のカバー。
レイヴン達の立て直しを援護し、逆方向に飛んだアサーから自分に目を向ける為であった。
「秘する鋼鉄、異相の瀏風。反骨の勇士が至宝を揮う」
その瞬間にアサーが銀色の針を二本の指で掴んだ。
その場所から魔力が迸り、まるで剣のように周辺を両断して行く。
通常の針ではあり得まい、だがそれを可能とする『針による切断』のパラドクスであった。
『ちょろちょろと飛び回りおって。ここを貴様らのワールシュタットに変えてやろう!』
「「っ!!」」
体を切裂かれながらも黒男爵はその血から黒い騎兵を生み出した。
かつて東からやって来た騎兵集団がワールシュタットで騎士団を蹂躙した。
アルタンウルク……ではなく、いわゆる蒙古騎兵の事であるが、その知識が無いのか、あるいは自分流に解釈して黒い騎兵に変えているのだろうか?
「くっ! こちらは問題ありません。攻撃の続行を!」
「了解! その覚悟、無駄にはしないわ! 空はレグニッツアじゃないしね!」
アサーが吹き飛びかけるが、彼女もまた仲間の援護を兼ねていた。
遠距離攻撃を行う仲間と白兵戦を行う仲間の繋ぎとして行動しており、その意を受けたユサールは周辺にフレア(熱源誘導体)をばらまきながら突撃して行く。相手の反撃から逃れるために山ほどばらまいたので、、牽制に放った銃がオマケに思えて来る。
「リミッター2解除、続けて3解除!」
ユサールが持つ鋼の体ですら悲鳴を上げる。
既にリミッターを一つ開放しているが、それは無事で済むライン。
自傷しかねない領域に飛び込み、更に敵の正面へとターンを掛けて爆撃槌を振るったのである!
『失せよ痴れ者が!』
「ちぃ!」
黒男爵はその攻撃に激昂し、サーベルの周囲に膨大な闇を迸らせた。
さながら巨大な暗黒の腕が、ユサールを掴んで放り投げたかの如くである。
「みんな! 援護、行くわよ! 一度離れて!」
その姿を見てアイオーンは周辺へミサイルを放った。
そして海戦装を盾にしながら、左腕を鳴動させる!
「これはただの杭打機にあらず、そのまま撃ち出すことも可能……吸血鬼に聖なる杭は効果覿面でしょ」
『先に言っておくがね。心臓を打たれて死なない人間は居らんよ。招かれないのに家に侵入するのはただの犯罪者だろう? お嬢さん』
アイオーンの言葉を煽り文句だと思ったのか、黒男爵は笑って応じた。
その軽口に対して真顔でスイッチオン。互いに相手の言葉など気にしていないし、思いつけば適当に返しているだけなのだ。
「パイル、バレルロック解除。撃ち出して破砕するッ!」
いつもはパイルバンカーとして機能させている超合金製の杭を実銃同様に発射する。
そして反撃として放たれる闇を、海戦装備で受け止めながら一言呟いたのであった。
「昏い理の一方的な支配は私達のいる最終人類史にはあってはならない……光さす世界に汝ら暗黒住まう場所なし、よ!」
アイオーンは溜息を吐きながらそう応じ、離れた位置から飛び込んで来る増援にバトンタッチしたのである。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】がLV4になった!
【一刀両断】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
【罪縛りの鎖】LV1が発生!
【モブオーラ】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV6になった!
【反撃アップ】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
【命中アップ】がLV3になった!
括毘・漸
連携・アドリブ歓迎
その矜持はロマノフの貴族としては正しいものなのでしょうね。
男爵殿のその貴族としての在り方は…この最終人類史では実現させてはダメなものです。
人々を守るためにも…ここで討ちます。
腰に佩いた銀のサーベルを鞘に擦り付けるようにゆっくりと引き抜き、刀身に熱を帯びさせ橙色の炎を灯らせる。
貴方がどれだけ、世界を闇に閉ざそうと炎で照らしましょう。
闇を照らす様に【照明】を使い視界を確保し、炎を灯したサーベルを大上段から振り降ろし【夕暮落とし】を発動させ、黒男爵が纏った闇ごと夕日が沈む円の軌道を描き橙色の炎で灼き斬り、両断する。
敵の攻撃に対しては、闇と影の蠢きを感じ取り攻撃の方向を見極め、そして先程味わった紅茶の香りを辿り、闇を纏ったサーベルの斬撃を此方の炎を纏ったサーベルの炎の斬撃で払い除け、闇を斬り裂く。
『その努力を愛す』…その言葉が出てくるのも納得のいい茶葉です。
香りもよく出ていました。
そして、人々の努力によって作られた茶葉で男爵殿を倒せました。
…お茶、美味しかったですよ。
イルドニス・クルヴィ
雪と闇に、包まれた世界を好むか……陰鬱すぎれば人は腐るぞ。
………貴族にとっては、支配する側にしては、そちらの方が従属させやすいのか……度し難いな。
背負った大剣を、背中から引き抜きながら大剣から大槍へと変形させる。
穂先を敵へと狙いを定めて地面へと縫い付けるように上段から下段に突き下ろす【振孤】を発動させ、地面ごと穿ち、更に追い討ちをかけるように地面へと突き刺した大槍を天へと突き上げるように振り上げながら敵を穿つ。
闇が濃くなれば、それに屈する者も多くいるだろう。
だが、深い闇の中でもソレに抗う者は必ず現れる。
闇から闇に移り渡り、闇を広める者を討つ者がな。
敵の騎馬突撃に対しては、大槍の石突を地面へと突き立て、穂先を敵に向けてる槍衾の姿勢をとり、両足を地面へとめり込ませながら吹き飛ばされぬように踏ん張りを効かせ、突撃の勢いに抗うように【ガードアップ】の恩恵を受けて大槍の穂先を突き立て、大槍を刺したまま無理矢理武器を変形させ再び大剣として振り降ろす。
闇の中であっても、光を追い求める事はできるはずだ。

ア・ンデレ
「かってにうばって、かってにきぞくづらをするな。にせものめ。
にせもののアンデレちゃんが、ころしてやる。」
を名乗るクロノヴェーダに対して煽りと名乗りを入れる。
アンデレちゃんは友達を取り返すためにここにやってきた。
アンデレちゃんにとって世界中の人類はアンデレちゃんの友達。
「ぜんぶ、うばわれたもの、かえしてもらうよ。」
アンデレちゃんの大切にしている友達と、友達の大切にしているものと、あとついでに全部を返してもらう。
ピョートル・ヴランゲリの名前もそのひとつ。
アンデレちゃんは腕をバキバキと変形させて翼とする。
翼を持つ悪魔を真似て作られた姿。醜い偽物の悪魔の姿だ。
腕は使えなくなるけど、アンデレちゃんには硬い頭と角がある。
アンデレちゃんは飛翔して突撃。
敵にすごい頭突きをごっつんこと叩き込んであげよう。
●
最終決戦の少し前、敵を逃がさぬようにディアボロス達はタイミングと位置を分けていた。
「雪と闇に、包まれた世界を好むか……陰鬱すぎれば人は腐るぞ」
イルドニス・クルヴィ(刃纏いの狼・g11345)は闇と雪に覆われた寒きロマノフこそが至高だというピョートル・ヴランゲリの言葉に顔をしかめた。
「その矜持はロマノフの貴族としては正しいものなのでしょうね」
その言葉に頷きながら括毘・漸(影歩む野良犬・g07394)は苦笑する。
一理はあるが、それを押し付ける態度が気に入らない。
そして何より、従属によってエネルギーを得るロマノフ王朝でしか通用しない理屈なのだ。
「……貴族にとっては、支配する側にしては、そちらの方が従属させやすいのか……度し難いな」
「ええ。男爵殿のその貴族としての在り方は…この最終人類史では実現させてはダメなものです」
イルドニスが苦虫を噛み潰した様な声を漏らすと漸は追従する。
クロノヴェーダの価値観でしかありえず、その中でも更にロマノフでしかあり得ない。
もしかしたら天正大戦国の圧政でも良いのかもしれないが、他の連中では駄目だろう。それだけ歪な支配構造であり、先行きの無い考えなのである。
「かってにうばって、かってにきぞくづらをするな。にせものめ」
その時、彼方からやって来る者が居た。
その名はア・ンデレ(すごいぞアンデレちゃん・g01601)。
我らがアンデレちゃんである。
「にせもののアンデレちゃんが、ころしてやる。」
「「……」」
その姿を見た二人は目を疑った。
何しろアンデレちゃんが二人。
いや、違うぞ! アンデレちゃんが変形しているからそう見えたのか!?
「もう片方のチームが足止めに成功したようだ。行くか」
なおイルドニスは漸の師である。
彼よりも早く意識を切り替え、気合を入れ直して戦いに集中した。
ああいう感じのパラドクスであるならば、別に何が起きても不思議ではないと割り切ったのである。
「人々を守るためにも…ここで討ちます」
それに遅れて漸も集中力を取り戻した。
腰に履いた銀のサーベルを鞘の鯉口にこすりつけるようにしてゆっくりと引き抜き、橙色の炎を刃に灯した。刀身は赤熱化し、何もかもを灼き斬る為だ。
「アンデレちゃんは友達を取り返すためにここにやってきた」
「アンデレちゃんにとって世界中の人類はアンデレちゃんの友達」
「ぜんぶ、うばわれたもの、かえしてもらうよ」
その時、アンデレちゃんは既に戦闘を始めていた。
前に戦っていた仲間の跡を受け継ぎ、腕を翼のように変形させながら戦っている。
『ええい。蛮族めが! 轢き殺せ!』
その攻撃を受け流しながら黒男爵は騎兵段を呼び出した。
血の中から現れる黒騎兵が蹂躙を開始する。
「ごーっつんこー!」
アンデレちゃんは腕を翼のようにしているから殴れない。
だから敵に対して頭突きをしながら飛び抜けていたのである。
アンデレちゃんには堅い頭と角があるからね。騎兵なんて貫通だ! 反撃は痛いけれど、我慢の子!
「貴方がどれだけ、世界を闇に閉ざそうと炎で照らしましょう」
『やって見よ! そのような事を言う者には私はそう返すことにしている。出来れば見事、出来なければ無様。それだけであろう!』
漸は言葉に黒男爵は言葉で返した。
橙色の焔を宿した刀身に、黒き闇を纏ったサーベルで切り結ぶ。
二人は空を走りながら何度も剣戟を交わし、何度も立ち位置を変えながら戦い抜いている。
「割り、引き裂け」
イルドニスは背中に背負った大剣を引き抜き、大槍へと変えていた。
穂先を敵めがけて貫き、大地へと縫い留めた後、上段へと構えるポーズ。
『おのれ! 大領主たる私を地に着けるとは!』
「闇が濃くなれば、それに屈する者も多くいるだろう。だが、深い闇の中でもソレに抗う者は必ず現れる」
敵を突き刺したまま大上段へと振り上げるようなポーズ。
敵は強引に振り回される中で、体を血液と暗闇に変えて再構築した。
その残りから黒騎兵が出て来るのだが……。
「闇から闇に移り渡り、闇を広める者を討つ者がな。やれ! 闇の中であっても、光を追い求める事はできるはずだ」
イルドニスは敵の動きに気にした風もなく、まるで予想していたかのように動いた。
大地に槍の石突きをめり込ませ、反動を殺しながら大槍で飛び込んで来る騎兵を討ち取ったのである。
『ぬおおおお! 闇よ!』
「時は過ぎ去り、日は落ちる」
敵が周辺を闇で多い巨大な刃を作るが、漸は円の軌道を刃で描いた。
橙色の焔が太陽の姿を現すかのようだ。
そして紅茶の香りを目印に、闇を纏ったサーベルを受け流したのである。
「アンデレちゃんの大切にしている友達と、友達の大切にしているものと、あとついでに全部を返してもらう。ピョートル・ヴランゲリの名前もそのひとつ!」
そして最後にアンデレちゃんのヘッドバットが敵を宙へ舞い上げた。
その攻撃を避ける余裕もないのか、騎兵を放つが動きはしない。
やがて地面へと落下し……。
『私はピョートル・ヴランゲリなんだぞ! ははは! 大地が私の腕に……』
顔面から落下した黒男爵は絶命した。
だが無様な死体を残すことなく、暗き闇と共に消えうせて行ったという。
「ふう。『その努力を愛す』……その言葉が出てくるのも納得のいい茶葉です。香りもよく出ていました」
そういって漸は消えゆく闇に声を掛けた。
黒男爵に声を掛けたというよりは、彼が虐げた領民たちに声を掛けているのかもしれない。
「そして、人々の努力によって作られた茶葉で男爵殿を倒せました。……お茶、美味しかったですよ」
こうして一つの戦いが終わった。
最終人類史へと攻め込んだジェネラル級クロノヴェーダがまた一人討ち取られたのである。
「次の敵だねー」
「そうだな」
その勝利に油断することなくアンデレやイルドニスたちは新宿へ撤収、あるいはそのままパラドクストレインに乗って何処かへと向かったという。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【熱波の支配者】がLV2になった!
【土壌改良】LV1が発生!
【飛翔】がLV5になった!
効果2【反撃アップ】がLV2になった!
【ダブル】がLV2になった!
【ダメージアップ】がLV7になった!
最終結果:成功 |
完成日 | 2024年11月06日 |
宿敵 |
『『黒男爵』ピョートル・ヴランゲリ』を撃破!
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