🍁ヨーロッパの秋フェスタ

 人々が帰還したばかりのヨーロッパでは、人々の不安を解消する為に、各地で秋のフェスタの開催が企画されているようです。
 秋のフェスタは、ドイツのオクトーバーフェストなどが有名ですが、ヨーロッパ各地では、毎年、その地域らしいフェスが多種多様に開催されているので、独自色のある楽しいフェスも多くあるようです。

 必要な物資や食材などは、東京23区やオーストラリアなどから潤沢に運び込まれているので、帰還したばかりの人々の不安を払うフェスが開催できる筈です。

 地域密着型のフェスにディアボロスが参加すれば、ヨーロッパの人々のディアボロスへの理解や親睦を深める事が出来るでしょう。
 また、ディアボロスの手で更にフェスを盛り上げたり、ディアボロスらしい派手なイベントを行なえば、ディアボロスの特別な力を知ってもらうきっかけになるかもしれません。

!🍁秋祭りアイコンフレーム!
 このシナリオでプレイングが採用された方(トレインチケット含)は、秋祭りアイコンフレームをゲットできます!
 デザインはこちらをご確認ください。

!特殊ルール!
 このシナリオで得られた🔵数に応じて、ヨーロッパ圏の人々の、人類応援度が上昇します。

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己の名を唱えよ(食材で)(作者 baron
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#最終人類史(新宿島)  #🍁ヨーロッパの秋フェスタ  #🍁秋祭り2024  #アイコンプレゼント・キャンペーン  #採用人数に限りなし 


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「好! 復讐者の諸兄。攻略旅団の提案により、帰還したヨーロッパの地域の秋祭り(オータムフェスト)にディアボロスが参加する事になりましたとさ。要するに、帰還したばかりの連中に、俺たちディアボロスの事を知ってもらう良い機会になるでしょうって企画だ。ここまでは良いか? まっ新人の俺が言うのもどのツラ案件だけどな」
 ミャオ・チーシン(尸解仙の仙道士・g11465)がポスターをででんと張り出した。
 そこには『多くのヨーロッパの人々と親愛を結ぶことが出来れば、人類応援度の上昇も期待できます』と書かれている。
「こまけー話は良いんだよ。欧州の連中と秋祭を愉しみ、一緒に盛り上げていこうじゃねーか! ってことよな。遊んで任務が果たせんなら、望む処だろ? おい」
 そう言って肩で笑う。
 表情が硬いのは元死人だからだろう。
「今回の催しが上手くいけば、蹂躙戦記イスカンダルから奪還した国々の内、イタリアやバルカン半島、トルコなどでも『帰還』を行っていけるでしょう。とか書いてあるぜ? 祝い事をやるなら出来るところ全部でやりたいよな。とはいえまずは第一歩だ、高望みするよか、まずは足元を固めるのが筋だよな。気がつきゃ火の手が回って、後ろからバッサリなんて御免だぜ」
 そういって二枚目のポスターを用意した。

「今回の舞台はフランスの中心部だ。あちこちで食って騒ぐお祭りをやってるから、そこいらで顔を出すのが要件だな。ただ、それだけだとつまらねえんで、ちょっとした企画を用意しているぜ。適当な料理に、自分の名前にちなんだ食材をのっけて自己紹介と行こうや。もちろんそんなに都合が良い奴ばかりじゃねえから、そんときゃこじつけでもOkだ。俺だったら北斗七星をあしらったクレープとかガレットとか……ま、別にピザでも餃子でもよいわな。故郷の食材も交えろって? なら臭豆腐を棺桶に見立ててで麻婆豆腐でも作るかねぇ」
 結局は、現地の人々と交流が出来れば良いのだ。
 何なら直接に現地の人々とではなく、その目の前で仲間と交流しても良いだろう。
 そもそも規格に乗る必要もないので、フランスで食べられる物を適当に食べても良いだろう。
「ああ、そうそう。現地の人らは普通にソースで文字を描いたり、でっかい肉をくりぬいて文字を刻むとかするらしいな。さっきのルール? んなの出来たらエレガントな催しってこった。こまけーこたあ良いんだよ」
 みんなで楽しめたら気にしなくて良いと笑った。
 何しろ漢字で複雑な文字を描く者とか、それだけでネタになるものだ。
 それに、記憶が無くて保護者が適当に付けた者も居るだろう。そういう意味で、細かい事は気にしない方がよさそうである。

「ただし! 俺の用意した企画は基本形に過ぎねえ。何も無ければ迷うからな。つーわけで、自分たちで思いついた面白企画がありゃあ、それを通してやるのが俺の役目だな。好きなのやれよ、物資は現地に届けてあるし、常識的な範疇で試せば良いさ。ただソーセージを喰うだけでも良いし、マシュマロ焼こうが構わねえ。迷うなら、自分の名前を冠した料理を作ってみろつーだけだな。そんで、現地の人々が笑ってくれりゃあ苦労した買いがあるってもんじゃねえの?」
 ディアボロスがクロノヴェーダにも負けない強い正義の味方である事を示す事も重要だが、それだけでは、ディアボロスへの力への不安を助長してしまう。人々の心に寄り添える存在だと示す事も重要だろう……そう言う感じのお題目を最後に唱え、ミャオは物資の申請書を並べるのであった。


「まだ帰還していない地域も次々と帰還する予定のようだ」
「ならいずれ、元の秩序が戻って来るだろう。今居ない連中の多くも死んだわけではないのだろう?」
 知識層はそんな風に冷静に対処できている。
 見知った情報を整理し、虚偽を判断するだけなのでそれほど難しい事はない。
「しかし、ロシアやフランス中部はまだ敵の手中にあるらしいな」
「そこもいつかは奪還できるだろうさ。向こうの方が強いが、場所や時間を選べるのだディアボロスの強さだ」
 敵味方の強さを知り、ディアボロスが苦労してクロノヴェーダの戦略を自分たちの利点を活かして打ち崩している。
 そう考えれば、いつかは倒せるだろうと理解できるからだ。
「でもねぇ、私は不安だねぇ。そのディアボロスって人達は、不思議な力を使うんだろ? それって、どうなんだろうねぇ」
 そう言って老婆は預かっている子供たちを眺めた。
 見守っているだけだが、駆けまわって一つの遊びをやっていたのだ。
「俺はディアボロスだ! 邪悪なクロノヴェーダは皆殺しだぞ!」
「痛いよぉ……」
「これ。やり過ぎてはいけませんよ。ディアボロスさんに怒られますよ」
 それはディアボロスごっこであり、助けてくれた彼らに対する親愛と同時に、畏怖の入り混じる光景であったという。


→クリア済み選択肢の詳細を見る



 秋フェス参加後、一緒にフェスを楽しんだ人々に、ディアボロスからの挨拶を行なってください。
 この挨拶で、ディアボロスへの印象が変わるかもしれません。
 また、ディアボロスがこれからどんな活動をするつもりかとか、ヨーロッパの人々にして欲しい事などを、呼びかけるのも良いでしょう。
 詳しくは、オープニングやリプレイを確認してください。



特殊ルール 【完結条件】この選択肢の🔵が👑に達すると、シナリオは成功で完結する。
👑2

●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【士気高揚】
1
ディアボロスの強い熱意が周囲に伝播しやすくなる。ディアボロスから「効果LV×10m半径内」の一般人が、勇気のある行動を取るようになる。
【友達催眠】
1
周囲の一般人を、誰にでも友人のように接する性格に変化させる。効果LVが高いほど、昔からの大切な友達であるように行動する。
【液体錬成】
1
周囲の通常の液体が、ディアボロスが望めば、8時間冷暗所で安置すると「効果LV×10倍」の量に増殖するようになる。
【書物解読】
1
周囲の書物に、執筆者の残留思念が宿り、読むディアボロスに書物の知識を伝えてくれるようになる。効果LVが高くなる程、書物に書かれていない関連知識も得られる。
【アイテムポケット】
1
周囲が、ディアボロスが2m×2m×2mまでの物体を収納できる「小さなポケット」を、「効果LV個」だけ所持できる世界に変わる。

効果2

【ダメージアップ】LV1 / 【反撃アップ】LV2 / 【アクティベイト】LV1 / 【ロストエナジー】LV1

●マスターより

baron
baronと申します、よろしくお願いしますね。
今回はヨーロッパでお祭りとなります。

●流れ。
 プレイングがあっても30日締め切り、1日出発までは執筆をしないつもりです。もちろん、無ければもっと待ちます。
基本的には各地のフェスに顔を出して食事会をする感じですね。
その上で、迷うなら『自分の名前を冠した料理をその場で作る』という自己紹介が企画されて居ます。

①『料理で自己紹介』
1:ベースを適当に選ぶ。
 クレープ・ガレット・お好み焼き・ピザあたりが楽でしょう。
もちろん凝った料理が出せるならばそれで構いません。
甘い系でもショッパイ系でも良いでしょう。現地には屋台用の大きな鉄板もありますが、小さなコンロなども沢山あります。

2:名前にちなんだ食材を載せる。なければこじつける。
「自分の名前は●●だから、●●を載せました!」で十分です。
より複雑で、みんなが納得が出来ればエレガントに見えるでしょう。
ミャオの場合、金平糖を七粒でもこじつけられますが、中華料理のアレンジだったら多少は感心されるような物です。

なお、困ったらソースで名前を書くとか、肉に名前を掘るだけでも構いません。大多数の地元参加者はそうするようです。
これらの素材は主に現地の産ですが、常識的な範疇で用意されます。

②終了宣言。
「今回は楽しかったです!」みたいな総括をして終了します。
居なければトレインチケットで解決すると思われます。

●NPC。
緋奈子やアウグストにミャオは誘われたら出て来るでしょう。逆に言えば無理に出て来ませんのでご安心ください。
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 現在、挑戦者はいません。
 シナリオに挑戦してみよう!


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


システムメッセージ  9月28日22時
奴崎・娑婆蔵(g01933)が、①ヨーロッパの秋のフェスタに参加するに参加しました。

システムメッセージ  9月28日23時
黄泉王・唯妃(g01618)が、①ヨーロッパの秋のフェスタに参加するに参加しました。

システムメッセージ  9月29日08時
奴崎・娑婆蔵(g01933)、黄泉王・唯妃(g01618)のプレイングが確定しました。

システムメッセージ  9月29日11時
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(g05705)が、①ヨーロッパの秋のフェスタに参加するに参加しました。

システムメッセージ  9月29日12時
マスターが、奴崎・娑婆蔵(g01933)のプレイングの採用を宣言しました。

システムメッセージ  9月29日12時
マスターが、黄泉王・唯妃(g01618)のプレイングの採用を宣言しました。

システムメッセージ  9月30日08時
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(g05705)のプレイングが確定しました。

システムメッセージ  9月30日14時
マスターが、エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(g05705)のプレイングの採用を宣言しました。

システムメッセージ  10月1日12時
八雲・譲二(g08603)が、①ヨーロッパの秋のフェスタに参加するに参加しました。

システムメッセージ  10月1日15時
三間・勲(g10186)が、①ヨーロッパの秋のフェスタに参加するに参加しました。

システムメッセージ  10月2日08時
八雲・譲二(g08603)、三間・勲(g10186)のプレイングが確定しました。

システムメッセージ  10月2日13時
マスターが、八雲・譲二(g08603)のプレイングの採用を宣言しました。

システムメッセージ  10月2日13時
マスターが、三間・勲(g10186)のプレイングの採用を宣言しました。

システムメッセージ  10月4日00時
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(g05705)が登場する、①ヨーロッパの秋のフェスタに参加するのリプレイが公開されました。

システムメッセージ  10月4日01時
奴崎・娑婆蔵(g01933)、黄泉王・唯妃(g01618)が登場する、①ヨーロッパの秋のフェスタに参加するのリプレイが公開されました。
①ヨーロッパの秋のフェスタに参加するをクリアしました。

システムメッセージ  10月5日00時
八雲・譲二(g08603)、三間・勲(g10186)が登場する、①ヨーロッパの秋のフェスタに参加するのリプレイが公開されました。


リプレイ


エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
フランスの帰還を見られるのは嬉しいな
人々の賑わいを見て歩くだけで、笑みがこぼれる
屋台を巡って名物の食べ歩きしつつ
現地の人々と交流を

ふーむ、自己紹介か……
俺の姓は、通り名から来ていて……天空の煌めきという意味だ
ふと、空色に輝く瞳を細めて笑もう

ガレットにブルーベリーのソースと空色のゼリーをのせて
食用の銀箔をちりばめる
ここで終わらないのが、フルーツガレット
『画家』も自己紹介に添えよう
苺やアプリコット、ラズベリーにオレンジ、細かくしたフルーツをミックスし、フライパンにバターと砂糖で軽く熱を入れて照りを出す
マスカットはそのまま刻んでミックスし、周囲に飾りつけよう
額縁に見立ててガレットの端を折り返し、色彩を包み込んだら
青く色づけたソースでエトヴァのサイン

エトヴァ・ヒンメルグリッツァ。
よろしく頼む。

普段は絵を描いたり演奏したり、事務仕事もしてるよ
親しげに笑って

お手隙ならばミャオさんをお誘いできれば嬉しく
ところで、ミャオさんの自己紹介も気になるんだけど
どんな風にやってるのかな?と覗き込み
絡みアドリブ歓迎



 ディアボロスたちはフランスに来ていた。
 とはいえラ・ピュッセルに隣接していないので、場所は東部と何処か懐かしい光景に思えて来る。
「フランスの帰還を見られるのは嬉しいな」
 エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)は古い町並みが残る場所を訪れた。
 数多くの戦いを繰り広げた彼であるが、少しずつスイスまで敵を探り倒していった記憶は新しい。それは区域を守るジェネラル級たちとの戦いというだけではなく、グランダルメを追い込み世界に奪還するための戦いでもあった。
「僕はキャスパール。三賢者の名前だね」
「ああ、それでガレット・デ・ロワ風なんだね。おれはクリスだから十字架を背負ってるのさ」
 ガレットやパイを作っている少年が二人いた。
 一人目は植物かなにかを示した(本人は月桂樹と主張している)を模した表面で、中に何か仕込んでいるようだ。もう一人はシンプルに十字架を描いて上にクリームで人の形を模している。ちなみにクリスとはクリストファー(キリストを背負う者)の略であるという。
「ふーむ、自己紹介か……」
 屋台を巡って居たエトヴァは交流スペースにやって来た。
 そこでは大きな鉄板や無数のコンロを使い、何かの生地を焼いている。
 先ほどの二人はキリスト教関連の名前だからそれをモチーフにしたのだろう(もちろんキリスト教圏なので割りとある話だ)。
「俺の姓は、通り名から来ていて……天空の煌めきという意味だ。だから、それにちなんだ物を作りたいな」
 エトヴァはそう言いながら、ふと、空色に輝く瞳を細めて微笑んだ。
 あの光景を生地の上に描けたならば最高だろう。
 興が乗ったら社の友人たちも描いても良いが、まずは自分の自己紹介からである。

 という訳で冷蔵庫のスペースを確認し、コンロを一つ予約する。
 材料はふんだんにある蕎麦と小麦をチョイスし、触感を考えながら調整だ。
(「ガレットにブルーベリーのソースと空色のゼリーを載せて、後は食用の銀箔を散りばめよう。だが、これでは通り一辺倒に完成させただけだな」)
 ガレット生地を焼きながら、そこに乗せる空色と輝きは簡単に用意できる。
 おそらく手順を説明すれば子供たちでも出来るくらいだろう。
 だからこそ、エトヴァはここからレイズして完成度を上乗せする事にした。
 ちなみにパイではなくガレットにしているのは、こちらの方がフランスのイメージが強いからだけではない。絵を描くためのキャンパスに近い形状に出来るからだ。
(「ここで終わらせずに、フルーツガレットにしようか。『画家』も自己紹介に添えよう。フルーツで絵を描いて……でも比率的には空を重視しないとな。少し主張を抑えないと……刻むか」)
 エトヴァはいくつか選んだ果実をカットし、色がつかない程度に同じ味のベースにするためバターを使用して焼く。味に統一感を持たせつつ、細かくしたフルーツをミックスして花畑のように一部に寄せていく。イチゴにアプリコットに、ラズベリーやオレンジまでは焼き、最後にマスカットだけは生のまま使うが甘過ぎるので日本産を使わないのがコツだ(日本のは単品で完結する程に甘い)。
「あらあら。美味しそうねぇ。これは何というの?」
「額縁風ガレットに、俺の名前であるヒンメルグリッツアをあしらった輝く空のガレットですよ」
 近くに居たおばさんが尋ねるので、エトヴァはガレットの端を額縁のように調整。
 最後に青いソースで折り返した下の部分に、エトヴァ・ヒンメルグリッツアと描いて締めとした。
「よろしくお願いしますね、シトワイヤンヌ」
「ええ。よろしくお願いね、シトワイヤン・ヒンメルグリッツア」
 おばさんの名前が判らなかったので女市民殿と昔風の呼び方をした。
 革命期に流行った呼び方だそうで、おばさんも市民エトヴァ殿と返して微笑み合った。
「すげえなあ兄ちゃん。いつもは何してるんだ? 料理人?」
「普段は絵を描いたり演奏したり、事務仕事もしてるよ。君たちだって教会で牧師はしてないだろう?」
 先ほど通りがかった青年が尋ねて来たので、エトヴァは笑って答えた。
 新宿だったら改まって会話をしたりするのだが、特に自己紹介とか無しに『いけてる』とか言いながら通り抜けていく。その時に先ほどの料理を見て、連想ゲームをするの者も居るだろう。
「おや。ミャオさんは金魚鉢でゼリーですか? 中のはタピオカ?」
「おう。甘点心ってやつだな。龍の球を模して、中に星を七つ。それを見え易くってとこだ」
 暫くして人だかりの中に案内人のミャオが居た。
 金魚鉢の中に透明なゼリーを階層仕立てにしている。
 段差ごとにタピオカで星を配置し、ある程度固まったら次の階層である。
 最終的に七つの星が配置され、一つだけナタデココで添え星を透明にしていた。妙見七星というやつだが……周囲の人だかりは、某有名なアニメーションで見た、七つの星を持つ玉の影響かもしれない。
「そうか。透明な羊羹で銀河とかを見ましたが、そうやって作るんですね」
「ケーキで中にチョコを配置するのと変わらねえよな。そっちの『絵』も良いじゃねえの』
 ミャオのやってる金魚鉢ゼリーは大して美味しくはないだろう。
 だが、見てるものが参考になるような作り方をしている。
 周囲の子供たちには『これなら俺にだってできらあ』とか言ったり、母親らしき女性が『一つの星から始めて起きなさい』みたいな忠告をしているのを楽しそうに見ていた。
「来年は面白いものが見れそうですね」
「そうだな。来年も何かするとしようや。催し自体は何でも良いだろうけどな」
 二人は何気なく『来年』という言葉を使った。
 クロノヴェーダに勝つんだろとか、勝たなきゃな……などとは口にしない。
 それは当然掴むべき未来であり、もたらすのはもっと楽しい未来である筈だからだ。

 そんな未来を夢見て、ディアボロスたちは進み続ける。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【液体錬成】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!

奴崎・娑婆蔵
【黄泉王・唯妃(g01618)と】
こちらの祭りに顔を出すべし。よござんす
とは言えこの通り顔面包帯ぐるぐる巻きじゃァありやすがね、カハハ(鉄板ネタ)

おっ唯妃、あっちの子供らを見てみなせえよ
ディアボロスごっこだとよ
口上がちと荒っぽいのは、親御さん方にしてみりゃァ眉の顰めどころやもしれやせんが……

ようよう、そこなキッズ
あっしらも混ぜて下せえよ
日本のディアボロスの最新トレンドをお教えしやすぜ
奴崎なにがしという寡黙な刀の達人がおりやしてねえ
クロノヴェーダ相手に大立ち回りするにつけ、最後に残す言葉は決まってこう
『トンカラトン……』ってな
(危なくないオモチャの刀で居合の超絶技巧を見せたりして)
(後あまり物騒じゃない言葉遣いを流行らせる狙い)


●料理で自己紹介も
・そこらのフェスタに参加

1:ベース選び
・クレープ生地をセレクト

2:名前にちなんだ食材載せ
『トンカラトン』とまたあっしの名前よ
ってなァわけで、トン(豚)! カラ(唐)! トン(豚)!
(豚こま肉の唐揚げをクレープで包むという超食べ応えありそうなやつ!)


黄泉王・唯妃
【奴崎・娑婆蔵(g01933)と】
折角ですし色んな所に顔を出したいですね娑婆蔵さん。
まあまあ、うふふ(微笑)

うちのシマの子供達もヤツザキジャーごっことかしますしね。
我々がヒーロー的な立場を得ているのは喜ばしい事です。

(はしゃぐ娑婆蔵達を見ながら親御さんの方に近づき)
さっきの子達、少し手荒な感じでディアボロスを見ているようですが我々の中にはこの子達と同じくらいの年齢で戦いに身を投じている子達も居ます。
ですがこんな状況でも荒むことなく純真な心を持つ子達ばかりです。
それなりに成熟したものは構いませんが、そんな子供達がいる事もお心の片隅に覚えておいてください。

●料理で自己紹介も
・そこらのフェスタに参加

1:ベース選び
・クレープ生地をセレクト

2:名前にちなんだ食材載せ
ザクロとマスカットを生クリームで。
ザクロはペルセポネが冥界(黄泉)にとどまらせるためにハデスが食べさせた果物で、マスカットはマスカット・オブ・アレキサンドリア、すなわち『ぶどうの女王(妃)』にちなんでみました。



「折角ですし色んな所に顔を出したいですね娑婆蔵さん」
「なら、こちらの祭りにも顔を出すべし。よござんす」
 黄泉王・唯妃(アトラク=ナクアの娘・g01618)の言葉に頷いて奴崎・娑婆蔵(月下の剣鬼・g01933)はパラドクストレインの扉をくぐった。そこが何処であるかなど気にしない。嫁さんが望んだのであれば、男として叶えるのが旦那の務めであろう。
「とは言えこの通り顔面包帯ぐるぐる巻きじゃァありやすがね、カハハ」
「まあまあ、うふふ」
 男はハロウィンにゃあ早いと鉄板ネタを口にし、女は自分は気にしないと笑った。男が傷つき包帯だらけなのも、女はインセクティアだから気に……いや、そもそも外見如きで惚れたわけではないと微笑む。
「俺はディアボロスだ! 邪悪なクロノヴェーダは皆殺しだぞ!」
「痛いよぉ……」
 暫くして子供たちが遊んでいるのが見えた。
 催しを退屈そうにしながら、親が何かやってる最中に適当な棒でポカリ。
 一緒に遊んでいたから不意打ちではないにしろ、叩かれた方はただでは済まない。
「おっ唯妃、あっちの子供らを見てみなせえよ。ディアボロスごっこだとよ」
 その時、娑婆蔵の眼がキランと光った。
 闇夜でランランと輝く時とは違い、実に楽しそうで悪戯心に満ちている。
「うちのシマの子供達もヤツザキジャーごっことかしますしね。我々がヒーロー的な立場を得ているのは喜ばしい事です」
 唯妃の方はその光景を良くある一つの風物詩として受け取った。
 ならば考えることは簡単だ。そのまま受け入れつつ、問題行動が出ない様に調整するまでである。
「これ。やり過ぎてはいけませんよ。ディアボロスさんに怒られますよ」
「カカカカ。口上がちと荒っぽいのは、親御さん方にしてみりゃァ眉の顰めどころやもしれやせんが……」
 母親らしき女性がたしなめていると、娑婆蔵は笑って許した。
 許したも何もないが、引き合いに出されたディアボロスなのだから出て来ても良い。
 というか、このままではナマハゲとかの腫物扱いだしね。
「え?」
「ようよう、そこなキッズ。あっしらも混ぜて下せえよ」
「わー!? 怪人包帯男だ!」
 娑婆蔵が声を掛けてお母さんは驚いたようだが、子供は素直だ。
 目を大きく開いて口をあんぐり開けている。
「日本のディアボロスの最新トレンドをお教えしやすぜ」
「ホントー?」
「本当でさあ」
 子供の『本当?』とは真実の事を意味しない。
 だいたいの方向性が合致している前提で『それって面白いの?』の方が正しい翻訳だろう。
「奴崎なにがしという寡黙な刀の達人がおりやしてねえ」
「まあ」
 娑婆蔵が何を言い出すかと思えば、自分のアピールである。
 男の我儘を女は黙って見守る。自分の事を誇れないより、誇る事が出来る上で、プライドにはこだわらずに遊びの一つにもじってしまうくらいが楽しいではないか。
「クロノヴェーダ相手に大立ち回りするにつけ、最後に残す言葉は決まってこう。『トンカラトン……』ってな」
「わっ! スゲー!』
 娑婆蔵は玩具の刀を振り回し、超人的な抜刀術を見せた。
 達人相手なら即座に納刀して、貫手を見せぬ方が良い。
 だが、子供相手ならば愉快に痛快、ド派手に小粋な方が良いだろう。
 一刀で数歩を往復したり、ダイナミックな一撃だったり、数発連続で放ったりと色々見せてやった。
(「後あまり物騒じゃない言葉遣いを流行らせる狙い」)
 と、被告は主張しており……。
 誰も口調に関しては弁護しなかったという。
 まあ、暴力はいかんというくらい伝わったかもしれない。
「もし」
「はい?」
 その間に唯妃は母親の方にフォローに入る事にした。
 旦那の説明はアレだが、ヤツザキジャーごっこを見ているから大丈夫だろうと判断したのだ。
「さっきの子達、少し手荒な感じでディアボロスを見ているようですが、我々の中にはこの子達と同じくらいの年齢で戦いに身を投じている子達も居ます」
「はあ……」
 唯妃の言葉は知識的な説明だ。
 体感ではなく、まずは頭から入る。
 答弁を繰り返して、丸め込むのではなく、ゆっくりと力強く説明するのが欧米流だからだ。その上で、体感的に仲良くなるのは旦那の方に任せておけば良いと判断したのだ。まあ、この後に料理で色々やるしね。
「ですがこんな状況でも荒むことなく純真な心を持つ子達ばかりです。それなりに成熟したものは構いませんが、そんな子供達がいる事もお心の片隅に覚えておいてください」
 唯妃の言葉は、決して自分達を弁護する言葉ではない。
 ディアボロスは問題ないとは言いつつも、メンバーの子供たちを対象にしている。
 あくまで子供たちの未来を背負って、その交流のためにこそ心を砕くのだ。
 それは自己弁護に徹するよりも、後で聞いてくるだろう。いや、そもそも唯妃は必ずしも理解されることを求めてはいない。あくまでいつかの為の布石として、そしてメンバーの子供たちの溜めに言わざるを得なかったからだ。

 そんなやり取りがあった後、二人は料理で自己紹介するスペースにやって来た。
 二人してスタンダードなクレープ生地を選び、それぞれのスタンスで食材を選ぶ。
「おじちゃん何作ってるの? おごはん?」
「カカカ。『トンカラトン』とまたあっしの名前よ」
 娑婆蔵は豚こま肉を作り下味をつけて、それを唐揚げにした。
 ラードもたっぷり使った油を用意し、カラっと揚げてクレープ生地で包む。
 実に肉にくしい、超食べ応えありそうな逸品である。
「ってなァわけで、トン(豚)! カラ(唐)! トン(豚)!」
 この料理の良い所は、タネさえ作れば幾らでも用意できるということだ。
 醤油辺りをベースの下味にすれば風味は着け易いし、欧州風にするならば別の下味にすれば良い。豚こま肉だから上げ易いし、最後はクレープで包むから盛りつけも簡単である。
「ええと、トンカラトン? ジャパニーズカタナの達人?」
「そうでさあ!  ガハハハ。食いねえ喰いねえ。説明用のはまた後で焼けば済む事よ!」
 妙に凝って量産出来ない人がいる中、これはシンプルに絞った娑婆蔵の手柄であろう。味変が必要ならば、スパイスとかマヨネーズ(欧州のは甘くない)使えば良いしね。
「そちらのお嬢さんのは?」
「ギリシャ神話はご存じでしょうか? ザクロはペルセポネが冥界(黄泉)に留まらせる為にハデスが食べさせた果物で、マスカットはマスカット・オブ・アレキサンドリア、すなわち『ぶどうの女王(妃)』にちなんでみました」
 唯妃の方は自分の苗字を示す果物と、名前を示す果物を盛りつけた。
 生クリームでザクロとマスカットを整え、クレープ生地で包む。
 良くあるデザートクレープであるが、フランスのクレープって実は厚くて野暮ったい物が多い。唯妃はスッキリと甘いフルーツだけを使い、生クリームの甘さをフルーツに合わせることでバランスを取っている。こちらもシンプルで作り易いのがウリだろう。
「そういえばギリシャから向こうも取り返したという話ですね」
「ええ。イスカンダル大王の名前を奪ったクロノヴェーダを撃退した所です。別の敵と接していますから、今の時間に復帰するのは、もう少し掛かりそうですけどね」
 なお、唯妃の例えは何パターンか用意できたはずだ。
 しかし、あえて地中海文化圏で揃えている。
 つい最近取り戻したイスカンダルの地にちなむ物であろう。
 娑婆蔵の方が初期に取り戻している中国や東京めいているのと対照的であり、同時に食事系とデザート系という対比もあったかもしれない。
「しかし、思ったよりも食いつきが良いもんで」
「みなさん凝ってますからね。味は二の次という方も居られるでしょうし。さて、もうひと頑張り行きましょうか」
 こうして夫婦水入らずとはいかないが、ガッツリと食べられる屋台に仕上がったという事であった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【書物解読】LV1が発生!
【友達催眠】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【アクティベイト】LV1が発生!

八雲・譲二
※アドリブ歓迎
最近ジェネラル戦やその反省会を通して仲の深まった勲(g10186)と共に。

料理企画か。面白い
ディアボロスの事を知ってもらうにも良い機会だな
怖くないアピール兼ねて相方の可愛い系アクアスライムも抱えてこよう
俺は特級厨師だから普通に一品拵えるけど勲はどうする?何か作りたいなら手伝うぞ

さて自分の名前との紐付けは…
俺は八重の雲。丁度クレープの材料もあるし八枚重ねてミルクレープにしよう
高さを出すために生地をモチモチ厚手に調理して間のクリームも多めでいくぞ。輪切りのフルーツも挟むぜ
勲はパンケーキ?工程が似てるし一緒に作れるな
そうだなぁ、クリームは全体のバランス見て等間隔に絞れば綺麗だよ

デコレーションは…ん?何だ勲、友情出演?あらやだめんこい事してくれるじゃないの
じゃあこっちも上にたっぷりクリームを絞って三種のベリーを散らして飾ろう
合作って感じで良いな

いい感じに完成したら現地の方々へ挨拶しに行く
復讐者兼料理人のジョージ・ヤクモだ。よろしく。

さあてと、甘いお菓子のお供にコーヒーが欲しい人は?


三間・勲
(アドリブ歓迎)
仲良しのご友人、譲二さん(g08603)と

見慣れないフランスの街並みに興味津々
活動を通して現地の方ともお近付きになれると良いですね
譲二さんのお料理なら、すぐに皆さんの心を掴めると思います!

僕の名字にも数字の"三"が入っているので、小さなパンケーキを三段重ねにしてみます
焼く所から出来れば譲二さんとご一緒に
僕はヤ・ウマトで活動する事が多いので、上にチョコペンで簡単な船の絵を描きます
波型に生クリームを盛って更に海らしく
あの…譲二さん、綺麗に盛り付けるコツってありますか?

助言を頂きつつ慎重に飾り付け
最後に琥珀色のシロップを一振り、ブルーベリーを八粒
えへへ、友情出演というやつです

完成後は譲二さんと一緒に現地の方々へご挨拶とお披露目へ
僕は三間勲と申します。大好きな海を守り、一般人の犠牲を増やさないように皆さんと一緒に頑張っております

それにしても、食べるのが少し勿体ないですね…
端末で撮影して記録におさめましょう
皆さんにも譲二さんのコーヒーをお勧めしつつ、僕もご同伴に預かります



 フランス東部にディアボロス達がやって来た。
 中央から西部にかけてはラ・ピュッセルの影響があるので難しいとのことである。
「意外と古めかしい建物が多いな」
「そうですね。でも、その分だけ味わいがあると思います」
 八雲・譲二(武闘派カフェマスター・g08603)はアンティーク趣味であったという事を三間・勲(漁火・g10186)は思い出していた。いつぞや何処かで教えてもらったような気もするが、傭兵会社だったか……いや、開いている喫茶店がアンティーク喫茶だった。
「こういう町で蚤の市を巡ったら面白そうだな。かっぱ橋あたりで食器を探すのも面白いんだが……おおっと、いかんいかん」
 面白い色合いの陶器皿を見かけて、チーズでも載せたら面白いかも。
 そんな風に眺めていたが、譲二は同行者である勲の方に目を向ける。
「確か、食品サンプルとかも体験できるんですよね。……でも、こういう場所も凄そうです」
 勲の方も街並みに興味津々で、革命期の町並みを残す場所を珍しそうに眺める。
 かといって全区画が破壊されたとかいう、大戦時の跡が新しく復興し直されている対比と見比べて行った。
「活動を通して現地の方ともお近付きになれると良いですね。譲二さんのお料理なら、すぐに皆さんの心を掴めると思います! ほら、アレ!」
 そんな中で勲は話に聞いていた企画の方へ向かっていく。
 そこでは大人も子供も一緒になって、ピザを焼いたりクレープを焼いていた。
「料理企画か。面白い。ディアボロスの事を知ってもらうにも良い機会だな」
 譲二はアクアスライムのカプチーノを抱えつつ、参加者の料理を眺めていた。
 多くはピザに具材を載せて焼いたり、クレープで軽く丸める者ばかりだ。
 料理に自信がある者は、ガレットを作って四方を折り返していた。どうやら、具材の味よりも、自分が得意かどうかで影響を受けているらしい(というか、そもそも、名前を描くだけでも良いので、焼けるかどうかが重要な様だ)。
「俺は特級厨師だから普通に一品拵えるけど勲はどうする?」
「僕の名字にも数字の"三"が入っているので、小さなパンケーキを三段重ねにしてみます。ええと……」
 譲二の言葉の先に勲は気がついた。
 ここで報告を年上で専門家の譲二が行う必要は無い。
 スケジューリングをするにしても、言いようがあるだろう。
 つまり『何か作りたいなら手伝うぞ』と言う意味を含んでの事だろう。
「焼く所から出来れば譲二さんとご一緒に色々したいですね」
 勲は譲二と同じ傭兵会社に所属しているが、それほど縁が深いわけでもない。
 あくまで顔を合わせるレベルであり、それが深まったのはジェネラル級との決戦を通してである。話に出たついでとばかりに同行しているわけだが、どうせならこの機に仲良く成ろうと譲二は提案したのだ。ならば勲の方もやぶさかではない。いや、自分が未熟者と知るがゆえに、専門家である譲二に色々と薫陶をもらうのも悪くはないだろう。
「難易度というか完成先を思いつくか次第で分かれるのか。さて自分の名前との紐付けは……ふむ」
 譲二は専門家らしく難易度をあげていく事にした。
 凝った造りにするとして、名前をもじるだけでは面白くあるまい。
 その上で、周辺の素人が手にするのと同じクレープ用の材料を選ぶ。
「俺は八重の雲。丁度クレープの材料もあるし八枚重ねてミルクレープにしよう。知ってたか? こいつは日本産でな。色々と紹介するにゃあ面白かろう。元はフランスのパイだから違和感もないしな。刺身に興味がある人間に、タタキとローストビーフを並べて見せる様なもんだ」
 譲二は生地の量を多めに用意し、重ねて作る為の準備を整える。
 間にフルーツを入れクリームを多く入れれば沢山の人が楽しめるだろう。
 祭だからみんなのも食べることも考慮して、一口食べたら完結できるように、生地は厚めでモチモチっとするように仕上げていくつもりだ。
「勲はパンケーキ? 工程が似てるし一緒に作れるな。最初だから慣れてないから、推奨されている文字にするか、絵で表現するのが良いだろうな」
「はいっ」
 譲二は自分のクレープを用意しながら、勲の面倒も見ていた。
 普段ならばチョコクリームやコーヒークリームも同時に作っただろう。
 だが、今回は新しい友人と一緒に来ているのだ。ならば腕自慢をするよりも、一品に留めて仲間の為に時間を割くべきだと判断する。というか、たくさん作るならもっとするべきことがあると、サイフォンを用意しておいた。
「なら僕はヤ・ウマトで活動する事が多いので、上にチョコペンで簡単な船の絵を描きますね。波型に生クリームを盛って更に海らしく……」
 勲は少し考えて、譲二が選んだミルクレープとフランスの親和性を考慮する。
 名前で済ませる方が楽だが、フランス人に漢字は判らないかもしれない。
 それなら今まで戦っているヤ・ウマトを判り易く示す方が良いだろうと思ったのだ。
「あの……譲二さん、綺麗に盛り付けるコツってありますか?」
「そうだなぁ、クリームは全体のバランス見て等間隔に絞れば綺麗だよ」
 そして勲は譲二の手が空いている時に軽く質問をした。
 絵を描くだけなら漢字よりも簡単なくらいだが。クリームを綺麗に盛るのは難しい。そもそも彼は料理出来る少年であって、得意という訳でもないのだ(この歳の少年としては十分だが)。
「判りました。ありがとうございますね。……最後に琥珀色のシロップを一振りと、ブルーベリーを八粒っと」
 勲は途中まで忠告通りにデコレ-ションしていたが、ふと二つほど付け加えた。
 そして、はにかむような笑顔で新しい友人の顔を見上げる。
「えへへ、友情出演というやつです」
「デコレーションは……ん? 何だ勲、友情出演? あらやだめんこい事してくれるじゃないの。じゃあこっちも上にたっぷりクリームを絞って三種のベリーを散らして飾ろうか。合作って感じで良いな」
 勲の微笑みに譲二はふっと笑って他愛ない笑みを浮かべた。
 そして自身も追加でチョコチョコっと合わせていく。
 お互いに最初の計画に無いので中心線には添わないが、それも含めて図案としては丁度良いだろう。友人と一緒に来ています、というアピールである。
「僕は三間勲と申します。大好きな海を守り、一般人の犠牲を増やさないように皆さんと一緒に頑張っております」
 やがて勲たちは作品を持って他の人たちの方へと向かった。
「復讐者兼料理人のジョージ・ヤクモだ。よろしく」
 譲二も同様だが手慣れたもので挨拶もシンプルなものだ。
 なお、『復讐者』という言葉はディアボロスの翻訳能力でちゃんと『ディアボロス』になっているので誰かがギョっとするようなことはない。
「八層なのはヤクモって言葉に『8』という意味があるからで、この子が『3』だからだな。さあてと、甘いお菓子のお供にコーヒーが欲しい人は?」
「いただくわ」
「私も」
 譲二は簡単に説明しつつ、勲の分まで意味を解説して置いた。
 そして用意しておいたサイフォンを操りコーヒーを準備する。
「僕は主に海上ですからお船ですね。それにしても、食べるのが少し勿体ないですね……端末で撮影して記録におさめましょう。あ、僕のコーヒーは後でお願いしますね」
「おう」
 勲は自分たちの力作の他、住人たちの料理も眺めた。
 そこにはフロランタン風のトーストがあったり、焼き肉を載せたピザもある。
 かと思えば文字を書いただけのシンプルな物もあるので、本当に様々な人の個性を一目で見られるようだ。

 誰もが言葉だけで友人に成れるわけでもない。
 もちろん料理でも同じなのだが、欧米の人たちはホームパーティで仲良くなるという。
 そういった意味で、ほんの少し親しくなった気のする勲と譲二なのであった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
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