オルレアン戦争~ブールジュ方面軍救援阻止作戦
攻略旅団の予測により、オルレアンのジル・ド・レ軍の戦いを支援する為に、オルレアンの南にある大都市『ブールジュ』から、大軍勢が迫っている事が判明しました。
ブールジュから出撃した軍勢は、ジェネラル級キマイラウィッチ『童話の魔女グリム』が統率する、複数のジェネラル級が参加した軍勢で、その規模はジル・ド・レ軍の全軍にも劣らない模様です。
オルレアン迎撃決戦の最中に、この軍勢が到着してしまえば、ジル・ド・レ軍の撃破だけでなく、オルレアンの維持すら難しくなるでしょう。
遅滞戦術を繰り返して敵の増援部隊を食い止め、オルレアン迎撃戦の支援作戦を行ってください。
!特殊ルール!
この事件で選択肢『遅滞戦術』をクリアしていれば、オルレアン迎撃決戦への増援の到着を阻止できます(シナリオが未完結でも、後で撤退してもOK)。
攻略期限までに「6本」以上のシナリオを『アヴァタール級を撃破』して成功させた場合、撤退するブールジュ方面軍に対する更なる作戦を行う事が出来るかもしれません。
ブールジュ方面軍に対する作戦を行う場合は、3月の攻略旅団で提案を行ってください。
ただし提案が採用されても、条件を満たさない場合は作戦を実行できません。
童話の魔女グリム
※25年3月1日:『最終人類史のバレンタインデー2025』により、攻略期限が23日延長されました。
モンスター・トレイン(作者 西灰三)
#火刑戦旗ラ・ピュセル
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「オルレアンでの迎撃戦に勝利した事で、ジル・ド・レ軍を殲滅させる為の作戦が開始されている」
アスアド・ガーメディー(人間のオークスレイヤー・g08920)が切り出す。火刑戦旗ラ・ピュセルの戦いはここに来てなお激しいものとなっている。その趨勢の変化について彼は説明を始める。
「この調子で後方を遮断してジル・ド・レ軍を包囲殲滅する作戦が成功すれば、多大な戦果が期待できるだろう。だが攻略旅団の予測により、オルレアンの南方からキマイラウィッチの大軍勢がオルレアンに向かっている事が判明した」
この軍勢はオルレアン南方にディアボロスが流した偽装情報に引っ掛かり『ブールジュ』から出陣していた軍勢だ。
「この軍勢は複数のジェネラル級キマイラウィッチが率いている。その規模はジル・ド・レ軍にも匹敵するかもしれない。こいつらはオルレアンがディアボロスに奪われたという情報を得ており、やはり取り返すべくオルレアンに向かっている。決戦の邪魔をさせぬよう遅滞戦術を繰り返し、時間稼ぎを行って欲しいのが今回の作戦の目的だ」
作戦の主目的はあくまで敵の進軍を遅らせることであると彼は言う。
「敵は大群であり真正面から戦うより、散発的な攻撃を仕掛けていけば進軍速度を遅らせることが可能だ。それが終われば撤退を行い作戦を終了させてくれ。……もっとも」
ある程度口にしたところで彼はあえて口を開き続きを言う。
「この作戦で敵に打撃を与える事が出来れば、ブルージュ軍に対する新たな作戦も行えるかもしれないが、無理をする必要は無い」
先ほども言った通り敵は大群だ、加えて戦意も高いだろう。戦うとするのならそれなりの危険が付きまとう。
「それを行うつもりなら魔女化したアヴァタール級ドラゴンとトループス級アークデーモンを狙うといい。姿を少しでも見せれば釣りだせるはずだ」
だが損耗も少ない敵兵たちだ。戦うのならば油断しないようにすべきだろう。
「ドラゴンやアークデーモンと説明したが、ブールジュから出撃した軍勢は、兵というよりは魔物の群れという色合いが強い。その点貴族や将軍の名を持つジェネラル級の多い、ジル・ド・レ軍とは雰囲気が違う。もっとも魔女という名に着目するのならこちらの方が種族名に合致しているのだろう」
そして敵の動きとしてはやや微妙というところのようだ。
「オルレアンとブールジュの距離はやや長い。阻止行動をしなくても敵の救援が間に合うかは怪しい。だがジル・ド・レ軍の殲滅を確実にするならば救援の阻止も手を抜かず行う必要がある。油断せず熟して欲しい」
そう言って時先案内人はディアボロス達を送り出した。
●
「まったくなんて不甲斐ない連中なのかしら!」
空を舞う闇色のドラゴンから甲高い女の声が響き渡り、部下の有翼の獣が耳を絞る。自分達と大して待遇の変わらないこの上司はブールジュから出てきてから所々で癇癪を起している。元からのキマイラウィッチでない彼らはそれなりの統制が取れているものの、感情的であることには違いない。この憂さを晴らすべくのこのことディアボロス達が出てきてくれればいいが、そう都合よくいくかどうか。
「何、その目。何か文句でもあるの?」
「いや……」
「ならそんな不愉快な視線を私に向けない事ね! ああトループス級のくせに腹立たしい! 私もジェネラル級なら……!」
どうせ同じように嫌われていただろうと獣の方は思った。上下関係でなければ噛みついていただろうと。かくてやかましさとともに彼らは進む。もしこの場にディアボロスがいたら彼らは手柄や憂さ晴らしのために嬉々として襲い掛かるだろう。
リプレイ
マリアラーラ・シルヴァ
共闘アドリブ歓迎
ベーダ達の足を止めれば良いんだよね
なら遠いオルレアンよりも
確実に復讐者に出会えそうな手がかりを
ベーダ達に見つけさせれば良いんじゃないかなって
ほら穴を探しておき離れた所で
新宿駅で買ってきたスナック菓子を開封
一応マリアの予備のリボンを枝に引っ掻けた感じで残しつつ
食べ歩きしながらほら穴へ
着いたら意味深に石を並べたり
匂いが辛いお菓子の袋を追加で開けて
マリア自体は【浮遊】しながらほら穴から出るよ
(匂いがマリアに付かないように注意するね)
こうすれば匂いに敏感な羽狼ベーダが匂いに気づく
化学調味料な匂いやリボンの素材から
トーキョー出身の羽狼は復讐者の存在を連想する
そしてほら穴へはマリアが入った足跡のみ
きっと復讐者の南の拠点の入口を発見したと思い込む
でも空からは内部の様子は分からないし
気づかれたら別の出口から逃げられるかも
慎重な…じっくり時間をかける調査が必要
全部はうまく行かなくても
早いメンバーのベーダ達は伝令や迂回戦術担当だろうから
少しでも足が止まるだけで大軍団の進軍が遅れちゃうと思うの
●
(「ベーダ達の足を止めれば良いんだよね」)
ひょっこりと物陰から顔を出し黒い点の集まりのように見える行軍を見たマリアラーラ・シルヴァ(コキュバス・g02935)はどうすべきか思案する。時先案内人は『散発的な攻撃』を例に出していたが、何せ相手はディアボロスに色々依存しているキマイラウィッチ達である。
(「なら遠いオルレアンよりも、確実に復讐者に出会えそうな手がかりをベーダ達に見つけさせれば良いのかな」)
結局の所攻撃をするというのはディアボロスの存在を知らせるのにシンプルな手段であるというのが大きい。それができるならば戦闘にこだわる必要はない。マリアーラは口元に指を当てしばし考えた後、こそこそとキマイラウィッチ達の進行方向へと先回りするように急ぐのだった。
●
「……?」
街道を行くキマイラウィッチ達の内の一体がふと異変に気づく。道すがらのやや離れた所で見慣れぬ白い欠片を認めた。即座に彼らは足を止め指示を仰ぐ。彼らの直接のリーダーと思わしき個体がその白いものに鼻を近づけ臭いを嗅ぎ、近くに同じものの存在を感じ更にそれを追う。途中何かを引っかけて折れたような枯れ枝の跡も見つかり、そして洞穴にたどり着く。その手前には小さな足跡が洞穴に入り込んだ形跡がある。
「……」
キマイラウィッチ達はここにいるであろうディアボロスの姿を確かめ、そして狩るべく入り込む。しかし残されていたのは保存食らしきものが開けられた跡で、近くには謎の石積みが残されている程度だ。ともかくここにいたはずのディアボロスは既に脱出しているようだ。
「……」
肩透かしを受けた彼らは足を止めていた行軍の元へと戻っていく。その様子を更に遠くから見ていたのはマリアーラだ。どうやらそれなりに彼らの動きを止めたことには成功したようだ。
(「上手くいったみたいだね」)
これで今回の作戦の主目的は達成された、あとは襲撃をかけるかどうかだが、その判断をする時間はまだ若干の時間がありそうだ。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【浮遊】LV1が発生!
効果2【グロリアス】LV1が発生!
パルトロメウ・ローレン
ちょっかいをかけるのもなんだか怖そうな方々なのですぅ
オルレアンでは沢山の仲間達が奮闘しているのです
コワイのですが…パルのやれること頑張るのです
行軍を再開したマルコスさん達を奇襲する為に
行軍先の身を隠しやすい場所に潜み待ち伏せするのです
目立たないよう地形の色にあったカモフラージュマントも被るのです
攻撃がしっかり当たる射程圏内に入りましたら
パラドクスで瞬時に簡易拠点を構築し覗き穴越しに攻撃するのです
パルの言葉は武器なのです
ヨワヨワパルは逃げながら攻撃するのです
反撃の纏わり攻撃は
簡易拠点で背中を守りつつも、空いた側は腕の魔力障壁で防いでダメージを減らすのですぅ
簡易拠点の強度も心配なのです
隙を見て飛び出しては逃げて
即時簡易拠点を作っては攻撃を繰り返し
マルコスさんを翻弄するのです
オルレアンには行かせないのです
ここで倒されて下さいですー
マリアラーラ・シルヴァ
共闘アドリブ歓迎
ベーダのこと観察させて貰ったよ
悪態つかず仕事を全うする姿から
口煩い上司への反感はあれど確かに統制は取れてるみたい
そして行き止まりなほら穴へ入るだけの不自然な痕跡を
不思議がらず冷静にしてる所から
復讐者の神出鬼没な所を理解してる
つまりベテランさん達とみたの
なら復讐者が去ると暫く再出現はないって経験則から
油断しちゃってる可能性は高いよね
仲間の奇襲案に乗っかるよ
隊長は飛んでるけれど
狼ベーダ達はそうじゃない
それなら木の上のほうに隠れてれば
両者の死角になる
そこから錬成した黄金騎士レンジャー部隊に撃ちおろして貰えば有利に戦えるんじゃないかな?
三角飛びとかして樹上から飛びかかってくるかもだけど
そういうのは【防空体制】で関知して迎撃
木を斬り倒してマリアを地上に下ろそうとしても【浮遊】してるから無意味
なんとか黄金騎士に爪を届かせてもおかわり錬成いっぱいしてあげるからね
ベテランでプロフェッショナルなベーダだからこそ先読みしやすい
貴方達の「ディアボロス対策」みたいなことはマリア達もやってるんだよ
●
行軍を続けるブールジュからのキマイラウィッチ達の行軍。彼らがクロノヴェーダと言えども常に移動し続けるという訳ではない。定期的に休みを入れることもある。その中でドラゴンとアークデーモンの混成部隊である彼らは、本体からやや離れた所で腰を下ろしていた。そんな彼らを木々の合間から密かに覗く四つの瞳があった。
「(ちょっかいをかけるのもなんだか怖そうな方々なのですぅ)」
その内の海を表すような色の方、パルトロメウ・ローレン(星巡り・g10813)が小声で明らかに怪物然とした敵の姿に素直な感想を小声で呟く。ブールジュから出てきたキマイラウィッチ達は事前の情報の通り怪物然とした姿の者が殆どだ。
「(怖そうなのは怖そうだけど、ちゃんと冷静みたいだよ)」
そのパルトロメウよりも更に小柄な方、先ほど遅滞戦術を行ったマリアラーラ・シルヴァ(コキュバス・g02935)だ。その中で彼女が敵について見たことをパルトロメウに伝える。
「(あんな姿だけど仕事は真面目だから、全く良く分からない相手じゃないよ。口うるさい上司にはヘキエキしてるみたいだけど)」
「(口うるさいのですか)」
カモフラージュマントの下でこそこそと言葉を交わす二人。その上司とやらの甲高い声が離れていてもこちらに届いた。
「あなた達、休憩は終わりよ! さっさと立ちなさい!」
その内容を聞き少年少女のディアボロス達も飛び出す準備をする。
「(指揮をされる前に一気にやっちゃおう)」
「(オルレアンでは沢山の仲間達が奮闘しているのです。コワイのですが……パルのやれること頑張るのです)」
そしてそのままパルトロメウは進軍を始めたばかりのアークデーモンたちの前に飛び出した。
「なっ!? ディアボロス!」
「ここでマルコスさんたちを止めるのです!」
彼が言葉に意思と力を込めて放てば道を塞ぐように拠点の壁が生じる。
「オルレアンには行かせないのです!」
「くっ! 小癪な!」
その拠点の壁に爪を掛けて超えようとするマルコス達、近づけさえすれば鋭い爪で敵を切り裂くことができる。
(「と、考えてるのかな? あの時は一人だったけど今は二人いるからね」)
そのマルコス達の背を見下ろすのはマリアーラ。彼女が背後に控える即席で作った黄金の弓兵たちに指示を出すと次々とその敵の背中に黄金の矢が付き刺さる。
「伏兵!? ……吞まれるな!」
「さすがベテランなの、でも奇襲はマリア達の得意な事なの。貴方達の「ディアボロス対策」みたいなことはマリア達もやってるんだよ」
「お前達、最初からこれを狙って……!」
「はい、ですのでここで倒されて下さいですー」
新たにパルトロメウが作った簡易要塞を盾にしながらマリアーラがなお弓兵に命じてマルコス達を狩っていく。それでも残ったのはパルトロメウの力ある名言に打ちのめされて息絶える。最終的には指揮をアヴァタール級に取らせる間もなくトループス級達は打ち取られた。あとに残すのは魔女化したドラゴン、モルガン・ル・フェだけだ。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【セルフクラフト】LV1が発生!
【防空体制】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!
パルトロメウ・ローレン
アドリブ連携歓迎
奇襲成功にほっとするのも束の間
目の前には勇ましいドラゴンさんなのです
でも…トゲトゲ言葉は良くないのです
言葉を扱う者として、そんな言葉使いは悲しいのです
コワイけど、逃げ隠れせずパルは立ち向かうのです
武器のアストロシューターを構え
マリアラーラさんや仲間とタイミングを合わせ
クレセントスラッシュで攻撃なのです
撃ち出した星光の魔力は三日月の軌跡を描いて、弾道で切り裂くのです
反撃のブレスは飛び退き避けるか
魔力障壁で受け流すのです
負の感情を吸い上げたブレス
このまま霧散してくれたら良いのですが…
満足してもらうのもきっと大事なのです
負傷した時は苦しげに苦悶し
目に涙を浮かべ精一杯応じてる雰囲気を出すのです
……普段のパルと変わりありませんでした
精一杯応戦するのですよ!
仲間への攻撃を遮るように動き力を合わせて倒すのです
止めとなる攻撃の時には相打ちの演技をするのです
ああっ
死んでしまうのはイヤなの…です……
悲痛な表情と共に崩れ落ちるのです
敵の消滅後に起き上がり
泣いちゃいましたと安堵するのです
マリアラーラ・シルヴァ
共闘アドリブ歓迎
狼ベーダは凄く強敵だったね
でも…
そう部下を持ち上げつつ上司ベーダを見つめれば大爆発するでしょ?
その理由…マリアが暴いてあげる
上司ベーダを囲むように現れる3体の鏡像
左右の貴女が語り掛けるよ
ねぇ私
なんでいつも不機嫌なの?
ねぇ私
部下が充分な仕事してるのに怒るのはなんで?
真ん中の鏡像が代弁するよ
気にくわないの
魔女どもは私を恐れ不当に扱っている
手柄が必要なのに行軍内容は斥候崩れ
だから部下が仕事をこなし復讐者に認められても面白くないのよ
いつしか自分で弁解している貴女
けど自分(鏡像)に嘘は付けないよ
違うよね
不機嫌なのはドラゴンである私が十把一絡げに扱われたから
私もジェネラル級ならあの不躾な眼差しの魔女どもを見返せる
なら見返すのはずっと無理ね…昇格に足りないのは手柄じゃなくて実力だもの
一生負け犬という認識を植え付けられ
上司ベーダが怒りに任せ鏡を割っても鏡像(心の傷)は陽炎の如く燻る
これがマリアの魔女対策
ベーダの復讐心を刺激し雑な攻撃を引き出しつつ
気持ちを発散させジャンヌに返さない作戦だよ
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎
オルレアンの激戦も佳境だ
奪還戦に向けて、オルレアンの戦線支援のために
今は、出来ることを一つずつ……だな
救援機動力で合流し、仲間に目礼
奇襲見事だった。ここから参戦する
しかし、人望のなさそうな振る舞いをするな
ドラゴンは誇り高き種族かと思っていたが……
戦況を観察しつつ把握
敵の飛翔にも備え、仲間とは別角度から攻撃を、加えていこう
タワーシールドを構え、攻防一体の動きで銃でPDにて攻撃
敵の攻撃を防ぎながら引きつけ、仲間の攻撃の好機を作り
敵が見せた隙は逃さずに攻撃
マリアさんの話しに合わせていこう
敵の攻撃には、頭の動きを観察しつつ、口の位置に対しタワーシールドを構えてブレスを防ごう
浴びないよう強化コートで身を守り軽減
相打ちの演技には
パルさんに駆け寄り
パルさん? パルさん!
なんてことだ、魔女めーー!
と悲嘆に暮れる演技を合わせる
●
「騒ぎを聞いてやってきてみれば、全く不甲斐ない連中ね!」
パルトロメウ・ローレン(星巡り・g10813)とマリアラーラ・シルヴァ(コキュバス・g02935)がマルコス達を撃破した後、大きな羽根音とともに頭の上の方からヒステリックな言葉が投げかけられる。二人が振り返ればそこには額から女性の半身を生やしたドラゴンが羽ばたいていた。
「……勇ましいドラゴンさんが来たのです」
「はあ!?」
そのドラゴン、モルガン・ル・フェは彼のある種の誉め言葉にも思える呟きに、怒声を以て吠える。
「この美しい私に勇ましいだなんて、目玉の代わりに泥でも詰まってるんじゃないの!」
「と、トゲトゲ言葉は良くないのです」
思想家らしく敵の言い方におずおずと指摘するパルトロメウ。もっともどう見ても煽っているのと変わらないので、モルガン・ル・フェはより激情を掻き立てられる。
「私にそんな下らない意見をするのなら覚悟をするといいわ!」
負の感情を口の中に溜めいざブレスとして吐こうとする女ドラゴン、その最中で双方の言葉に耳を傾けていたマリアラーラが口を開く。
「そっか、勇ましくないから、部下の狼ベーダ達よりも……」
「……。何が言いたいのかしら? 私があいつらよりも弱いとでも?」
先ほどまでパルトロメウだけに向いていた双眸が、更にマリアラーラにも向けられる。
「マリアは何も言ってないよ? もしそう思うなら、あなたがどこかでそう感じていたのかも?」
ここだけ見れば疑問を述べているだけに過ぎないようにも見えるが、これまでドラゴンに投げかけられた言葉を考えれば挑発以外の何者でもない。当然怒りに満ちた彼女はこれ以上口を開かせまいと負の感情をエネルギーとしたブレスを問答無用で二人に吐きかけた。
「させるか!」
だが二人とドラゴンの間に一人の影が入り込んだ。それはエトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)であり、吐息が広がる前に盾で射線を防いでいた。
「くっ! 増援か!」
「奇襲と時間稼ぎ見事だった。ここから参戦する」
盾とは反対の手で弩の引き金を引き、竜を追い払いブレスを中断させるエトヴァ。互いに間合いを取り直し一旦仕切り直しとなる。
「一々邪魔をして……弱いくせにぞろぞろと集まって!」
「人望のなさそうな振る舞いをするな、ドラゴンは誇り高き種族かと思っていたが……」
「はん、誇りが何か役に立ったっていうの? そんなものこの魔女の力に比べたら大したものじゃないわ。弱いお前たちに魔女たちよりも先に倒されたのがその証拠よ!」
実際の所はディアボロスの攻略タイミングの問題も多分に関係してはいそうだが、そのような事を伝えたところで意味もなかろう。それ以上に問題なのはこの魔女化した竜の強さが単なる自信過剰ではないという事だろう。
「これで多くのディアボロスを殺せる機会を得た! もう一度受けなさい!」
竜は巨体を先ほどよりも速く飛ばし、ディアボロスの背後に即座に回る。そして彼らが振り返るよりも早くブレスをパルトロメウに放った。
「ううっ……!?」
「パルさん? パルさん! うっ、近づけない!」
負の感情のエネルギーに飲まれた彼にエトヴァが駆け寄ろうとするが、踏み込む端から弾かれる。その助けに向かえない歯がゆさを叫びにしてエトヴァは叩きつける。
「なんてことだ、魔女めーー!」
「……死んでしまうのはイヤなの……です……けど……ああっ!」
怒りと苦しみに呻くパルトロメウとエトヴァを見ながらモルガン・ル・フェはほくそ笑む。しかしそんな彼女に囁く像が現れる。
『楽しそうね。溜まっていた不満を少しは吐けたから? なくなりはしないのに』
その言葉の主は暗い青の体色のドラゴン、つまり自分の姿から発せられていた。
『ねぇ私、なんでいつも不機嫌なの? ねぇ私、部下が充分な仕事してるのに怒るのはなんで?』
そしてその自信を挟むように反対側にも同じ像が現れ、そして正面にも同じものが浮かび上がる。ただそこから出る言葉はまるで彼女自身が口にしたようで。
『気にくわないの。魔女どもは私を恐れ不当に扱っている、手柄が必要なのに行軍内容は斥候崩れ。だから部下が仕事をこなし復讐者に認められても面白くないのよ』
『――違うよね?』
左側の自分がまた囁いた。
『不機嫌なのはドラゴンである私が十把一絡げに扱われたから。私もジェネラル級ならあの不躾な眼差しの魔女どもを見返せる』
『なら見返すのはずっと無理ね……昇格に足りないのは手柄じゃなくて実力だもの』
「五月蠅い! 黙れ!」
思わず自分を取り囲んでいた鏡像に怒声とともにブレスを浴びせ破壊するモルガン・ル・フェ。だがここまでがマリアラーラの仕込みの一連だ。
「あなたってばそういうヒトなんだね」
「お前の仕業か! 殺してやる!」
「悪いけどあなたには無理だよ、だって」
瞬間星のような光が竜の首を取り巻いて通り過ぎ、頭が地に落ちた。
「復讐心をもう先に使っちゃったから」
落ちた首にそうマリアラーラは言い放つ。そして自身の攻撃が止めになったことを確認しにきたパルトロメウも来る。
「演技のつもりでうっかり泣いちゃいました」
尤も彼が眼に涙を湛えるのはいつもの事でもあるのだが、落ちた体側の検分を終えたエトヴァが彼の演技を労う。
「名演技だったな、パルさん」
彼が一番熱が籠っていたような気がしなくもないがそれはそれ。
「マリアさんも重ねて有難う。これでオルレアンの激戦にプラスになるだろう」
多数の戦力がオルレアンを中心にして状況を形作っていく。ここからの戦いがこの火刑戦旗ラ・ピュセルでの趨勢に大きく関わってくるだろう。決着の日はそう遠くはなさそうだ。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【避難勧告】LV1が発生!
【乗物改造】LV1が発生!
【完全視界】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV2になった!
【先行率アップ】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!