リプレイ
フルルズン・イスルーン
さて、前にカーミラにかまかけした時にバアル・ゼブルは居るっぽい情報は得てる。
なんか戦争で倒した方とは別に同期個体いるんだって。アークデーモンか大天使かで揺れてるけど。
その上で勢力としてはどれくらいかな? 中立派閥と協調してるにしても遠い気がするけどね。
んじゃ、警戒してるならお越し願おうかね。アイス・ゴーレムくん。
向こうから来てくれるってなら待つ必要もないので、騒ぎを作って向こうから来てもらおうね。
バアル・ゼブルは大天使かアークデーモンかはっきりしろー!
目立つ黄金甲冑を見つけたら、まずはゴーレムくんによる駆けつけ一発の。
お前たちはロマノフのトループスだろうパーンチ!
そしてゴーレムくんブレストブリザードでびゅうびゅう冷やしながらとりあえず牽制かな。
エゼキエル勢力はロマノフの政争にでも組み込まれて、発言権増やしたければ地盤固めろとかでも言われたかい?
従属エネルギーと信仰エネルギーの都合上統治としては似たり寄ったりかもしれないけどね。
まあお前たちでは埒が開かないのでバアル・ゼブル呼んでこーい!
さて、フルルズン・イスルーン(ザ・ゴーレムクラフター・g00240)はアマーリエが根城に定めた集落にやってきていた。
取り合えずはこれまでの情報をまとてみよう。
ひとつ、バアル・ゼブルはたぶん居るっぽい。
これは以前、カーミラと話した時に情報を入手したという経緯がある。もっとも、アークデーモンか大天使かまでは意見が割れているところだが……フルルズンが気になるのはその勢力だ。なにしろ吸血ロマノフ王朝は一枚岩とは言い難いので。
「中立派閥と強調してるにしても遠い気がするけどね。それじゃゴーレムくん、派手にいってみようか」
――突如、街中に出現したゴーレムに住民たちはざわめいた。
歓声を上げて手を振る子どもを親らしき男が慌てて抱き上げ、逃げ出してゆく。家の中からも驚いて飛び出してくる人もあった。
「なっ、なんだあれは!?」
「おい、黄金騎士団に報告するんだ!」
てんやわんや、当の本人のフルルズンは落ち着いた様子で向こうから来てくれるのを待った。来た来た。駆けつけてくる黄金の甲冑隊を目掛け、ゴーレムをけしかける。
「まずは一発!」
「ぬッ――」
出会い頭の攻撃を受けた黄金騎士団は斧を構え、迎撃態勢を取った。
「貴様、ディアボロスだな!?」
「いいから、バアル・ゼブルは大天使かアークデーモンかはっきりしろー! そもそもお前たちってロマノフのトループスじゃん」
「それがどうした!」
「エゼキエル勢力はロマノフの政争にでも組み込まれてさ、発言力増やしたければ地盤固めろとでも言われたかい?」
「ディアボロスめ、言わせておけば!」
「そりゃ、従属エネルギーと信仰エネルギーの都合上、統治としては似たり寄ったりかもしれないけどね。まあお前たちじゃ埒が開かんので、とっととバアル・ゼブル呼んでこーい!」
まくしたてるフルルズンに、黄金騎士団は「うぬぬ」と戦斧を握り締める。
「こ、こいつ……! よいか、急いでアマーリエさまにご報告するのだ。その間、逃げられぬように残りの者で取り囲め!」
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【強運の加護】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!
フルルズン・イスルーン
ということでお話の時間だけど。
まあ殴り込みかけたからこれから対話にするってのもおかしな話だし、分かってること突き詰めて推論叩きつけて、様子を見て判断しようね。
ということで圧とゆさぶりの時間だ。フィロソフィアス・ゴーレムくん。
むぅ、バアル・ゼブルを呼べいと言ったのに下っ端が来るとは!
ああ、バアル・ゼブルなんて居ないというのは通じないよ。複数の言質取ってるからね。恨むならグランダルメでやられた方を恨むといい。
それにしてもティーホンないしロマノフ勢力に爪弾きにされて大人しく戦力集めしてるにしては挑発的じゃないか。なにしたらボクらが来るかは知ってるはずだ。
最近ラスプーチンが排斥力弱めてたから、何かしら新しい味方との合流がかなったのかな?
方針の違いはあれど、もしブネの他にいるならもう少し派手に動いてたろうからね。
合流したのは黙示録の四騎士かな?
それとも捉えきれない『ふかくていなもの』でも居るのかな?
「こ、こいつ……!」
黄金騎士団の慌てぶりにも関わらず、フルルズン・イスルーン(ザ・ゴーレムクラフター・g00240)は堂々としている。なにしろ殴り込みをかけたのだ、のんきな対話ができるとは端から思っていない。
「かけるなら圧とゆさぶりだろう? フォロソフィアス・ゴーレムくん」
賢者の石のゴーレムはフルルズンの傍らにどっしりと構えた。どこからどう見ても液体なのに、形を保っていることはまさしく錬金術的な神秘を思わせる代物である。
「……にしても、ボクが呼んだのはバアル・ゼブルなんだがね? なのにこいつら下っ端じゃないか!」
「おのれ、バアル・ゼブル、バアル・ゼブルと縁起の悪い名前を連呼しおって」
おや、とフルルズンは思った。
てっきりそんなやつは居ないとでもはったりかますか、本当に知らないのかと思ったが、わりといい反応が返ってきたぞと。
「あのアマーリエさまが怯えるほどの存在だ。なるほどディアボロスにもその存在が知れ渡っているとはさすがといったところか……」
ふむふむ、とフルルズンは話を合わせる。
「アマーリエというのがお前たちの上司だったな? ティーホンないしロマノフ勢力に爪弾きにされて大人しく戦力集めてるにしては挑発的ーっ」
「ぐぬッ」
まあ、バアル・ゼブルの存在は裏が取れたものの、こいつらの反応を見る限りではノヴゴロド地域とは無関係のようだ。
(「最近ラスプーチンが排斥力弱めてたから、何かしら新しい味方との合流がかなったのかなとか思ったんだけどもね」)
フルルズンは試しに黙示録の四騎士や『ふかくていないもの』の名前をさりげなく出してみたが、こちらに対しては特に気になる反応はなかった。しらばっくれているとかじゃなく、どうやら本当に知らないらしい。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【水源】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
リノーカ・ヴィエルィリーニャ
仲間とのアドリブ歓迎、連携重視
【戦闘中は】口調(私、呼び捨て、無感情)
兎にも角にもアマーリエの居場所を判明させるべきか。
その為のトループス級は既に仲間が誘い出しているようだ。
可能であれば聞き出し、その後は掃討する。
パラドクス『樹は仄めく』で姿を霞ませながら戦地に入る。
【光学迷彩】も補助的に使用。
その際にアマーリエへ報告に行った者の向かった方向が分かるか視認する。
視認出来ない場合は視界から黄金騎士に銃剣を突き入れ姿を見せ、
「私達が此処にいる。ならばあなた達の主が今頃どうなっているかは分かるだろう。」
とハッタリを掛けて黄金騎士が視線を居場所の方へ向けないか試す。
結果に関わらず再び『樹は仄めく』で体を霞ませ、地形を利用し或いは積雪に紛れ姿を晦ませ、
射撃や刺突で倒して行く。
味方と連携が叶う場合は味方の死角を補う位置で立ち回り、
敢えて居場所を明かすことで敵の聞いたりと柔軟に。
出て来ないのなら部下の尽くを討ちご自慢の根城を荒らし回らせて貰う。
元より帝国はツァーリの物、魚にくれてやる土地などないが。
ディアボロスを発見した黄金騎士団の仕事はアマーリエへの報告である。ならばその機に乗じるまでと、リノーカ・ヴィエルィリーニャ(赤錆びた樹の末裔・g04321)は過たずに判断して行動開始する。
兎にも角にも、アマーリエの居場所を判明させなければ。
(「そちらは任せたぞ」)
情報収集は仲間に任せてリノーカは街道を離れるトループス級の後を追いだした。
「あら?」
通りすがりの住民が小首を傾げる。
「今、誰かいたような気がしたんだけど……」
【光学迷彩】の効果も借りて、リノーカはついに黄金騎士団に追いついた。彼らが入り込もうとしていたのは廃教会の地下であった。地面に隠された入り口を開けようと跪いた首元へリノーカが銃剣を突き入れる。
「き、貴様ッ、ディアボロス!? 他にもいたのか!」
「私達が此処にいる。ならばあなた達の主が今頃どうなっているかは分かるだろう」
「ぐッ――」
勝負は一瞬で着いた。
リノーカの体は仄かな気配となり、降りしきる雪の結晶にさえ晦ませられるほどの存在感しか残らない。相手からすればまるで霧や霞と戦っているような心地だったろう。悉くを討ち取り、ご自慢の根城を荒らすが目的。
「……おやめなさい」
静かな女の声が足元から聞こえた。
刹那、地下への隠し戸が火炎の渦によって吹き上がる。火柱から姿を現したのは美しき『紅人魚』アマーリエそのものであった。
「よくぞ私の居所を突き止めましたね。褒めて差し上げますわ」
「アマーリエか」
リノーカは眉ひとつ動かさない。
「元より帝国はツァーリの物、魚にくれてやる土地などないと思い知れ」
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【光学迷彩】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】がLV2になった!
『紅人魚』アマーリエが潜伏していたのは討ち捨てられた教会の地下だった。手入れを忘れ去られた伸び放題の雑草が生い茂る場所。蔦は外壁という外壁に絡みつき、主を失った城のように暗澹とした雰囲気を醸す美しき大天使の根城であった。
「よくぞ私の居所を突き止めましたね。褒めて差し上げますわ」
炎だ。
アマーリエは燃え盛る炎を纏い、ディアボロスと対峙する。
「ディアボロスを駆逐すれば、それは即ち私の功績となって地位を盤石なものとしてくれる……さあ、そのための踏み台になっていただきましょう。せめて苦しまずに焼き尽くしてさしあげますわ……!」
リノーカ・ヴィエルィリーニャ
仲間とのアドリブ歓迎、連携重視
【戦闘中は】口調(私、呼び捨て、無感情)
情報は仲間がある程度得た、か?
ならば討つとしよう。
帝国の同胞、正教の徒を誑かした対価を払わせる。
長銃剣「Jigit」をガジェッティアの力で短機関銃「キパリス」へと変え弾をばら撒くように射撃。
協同する際は敵への牽制、仲間の攻撃機会を優先し、弾の散布域やタイミングを意識。
アマーリエが炎を放つのに合わせてパラドクス『樹は呑む』で闇を周囲に展開する手榴弾を周囲に炸裂させ、
炎を相殺し銃を「Jigit」に戻しての銃剣突撃を狙う。
踏み台か、哀れだな。
あなた達大天使はペトログラード…ペテルブルクの吸血鬼達にとって、ディアボロスの接近を知らせるカナリアだ。
そんなカナリアの中であなたは上位の大天使のカナリアに過ぎない。
尤も…あなたほど美しければ、観賞魚ほどの寵愛は得られていたのかも知れないが。
結局、あなたの望む功績も地位も、最初から有りはしなかった。その者の踏み台となって此処で死ぬ。
そう微塵も哀れみの無い声音で、探りを入れてみながら。
ディアボロスを迎え撃つアマーリエに対し、リノーカ・ヴィエルィリーニャ(赤錆びた樹の末裔・g04321)の長銃剣が短機関銃へと形を変化するのが開戦の合図となった。
アマーリエの炎に先んじ、散布される弾丸は大天使の動きを牽制するかのようなタイミングで廃墟の庭を迸る。
「そのようなもの……」
だが、直後に炸裂した手榴弾はパラドクスによる本命である。
一瞬にして周囲が闇に覆われた。
赤から黒へ、見事なる世界の転換が行われる。
リノーカは颯爽と、長銃剣に戻した「jigit」の刃でアマーリエを貫いた。それは、素早い突撃からの隙の無い突穿であった。
「踏み台か、哀れだな」
力の限りに刃をねじ込み、囁くように。
「あなた達大天使はペトログラード……ペテルブルクの吸血鬼達にとって、ディアボロスの接近を知らせるカナリアだ。そんなカナリアの中であなたは上位の大天使のカナリアに過ぎない。尤も……」
アマーリエは深手を受け、血塗れであっても美しかった。
ゆえに観賞魚ほどの寵愛は得られていたのかも知れない。だが、結局はそれだけ。望む功績も地位も最初から有りはしないと思い知るがいい。
「もう一度言おう、あなたはその者の踏み台となって此処で死ぬ」
リノーカの声色からは哀れみなど微塵も感じられない。兵士らしく、必要なことだけを伝えるための口調。
「……その原因を作った者がよく言う。ブネ様さえ生きていれば、今頃は……!」
アマーリエの業火が扇によって煽られ、庭にある木々や木の葉に燃え移りながら苛烈に襲いかかった。だが、それでもリノーカは攻撃の手を休めない。帝国の同胞、正教の徒を誑かした対価を払ってもらうために。
超成功🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【完全視界】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
フルルズン・イスルーン
ラスプーチンの彫刻してたら別所で首魁の名前が出てしまったのだ。
じゃあ、バアル・ゼブルは今何をしているのだ? 別個体だから傾向が掴めないんだよ。
まあ今知る由もなく、どっちもここで触れるものではないけども。
むぅ。色々予想が外れたのでグレイシャー・ゴーレムくん誤魔化しに行っておくれ!
えーい! 知らんというのならここで仕留めるだけなのだ!
氷のゴーレムくんを呼び出してのシェイプアップ! バトルモード!
氷の剣で大天使をケチョンケチョンに切り刻んでやれー!
おや反撃かな? 生意気な!
何が呪詛か、何が炎か! 終末の炎枝でもなし。氷河の厚みに通用するものか!
悔しかったら正面から氷盾を叩き割ってゴーレムくんにダメージを叩き込むが良い!
なに? 失態の理由は雑なごり押しと思い込み?
うーんよくわからないね! 三下ムーヴといわれようと最後に立ってたらボクが正しい!
最初から妙に調子がくるってるのはお前が悪いのだー!
理不尽といわれようが知ったことかー!

零識・舞織
この転落劇はあなた方が招いた結末なのですから逆恨みも甚だしいですね。
しかしアルハンゲリ…大天使の名を持つ吸血鬼の下に居る大天使というのは因果ですね。
ちょうどロシアにはアルハンゲリクスという都市がありますし大天使が吸血鬼に仕えるのも仕方ないと言えるかもしれませんね。
さて挑発はここまでにして攻撃を開始しましょう。
今私が纏う武装はロマノフのジェネラル級コルチャークに縁があるものです。
そんな武装で貴方を包囲し集中砲火といきましょう。
反撃は恨み言混じりですがその羽のせいで物理的に目を奪われてしまいますね。
下手に突っ込むことなく冷静に後ろから艦砲に指示を出し攻撃は途切れさせないようにしましょう。
大天使の名を持つ吸血鬼に良いように扱われ屍を晒す様は哀れではありますがそれも運命と受け入れていただきます。
こちらには手心を加える理由はございませんので。
ヴェルチ・アリ
さぁて…やりますか。遅れてきちゃってすみませんね。その分の仕事は、最低限させてもらいますよ。
この様な極寒の地であれば、火炎を抑え込むはまさに氷雪使いが相応しいんでしょうが…見せてやりましょう。毒を以て毒を制す。ならば、火炎を、更なる劫火をもって飲み込むことも、可能であると。
【火炎使い】を使い、相手の火炎を超える劫火をもって呑み込み、焼き払う。
この様な場所でもなおもそう鮮やかに燃え盛る紅、実に見事です。…見事だからこそ。寄越せ、その炎を。更に燃え盛り、更に燃やし尽くし。何もかもを焼き熔かす。それがウチであり、僕の在り方であり、俺の全てだ。故に、その感情のままに何もかもを焼き広がらせ、燃え盛っていく炎は、実に素晴らしい。欲しい。
踏み台は…さて、どっちかな?始めよう、アマーリエ。この灼熱をもって、答え合わせといこうじゃないか。
アドリブ、絡みを歓迎します。
ヴェルチ・アリ(GE-■■・SOL■■×××・g03614)の炎は真っ向からアマーリエのそれと対決した。まるで毒をもって毒を制するかのように。
更なる劫火によって抑え込まれたアマーリエは、不機嫌も露わに吐き捨てる。
「無礼者!」
「失敬、あまりにも見事な紅でしたので思わず」
その時だ、ヴェルチの口調が変わったのは。
「……ゆえに、奪わせてもらおう。炎を糧に炎で燃やし尽くすまで」
炎の刃が紅蓮の炎を焼き斬る、という光景はあまりにも奇怪であった。教会の庭を火の海に変えるほどの嫉妬の業火に触れた途端、炎剣の異名を持つそれはまるで溶かすようにして両断してしまうのだから。
「よくも……!」
怒りに身を震わせるアマーリエ。
零識・舞織(放浪旅人・g06465)は呆れたような表情を浮かべる。
「逆恨みも甚だしいですね。この転落劇はあなた方が招いた結末そのものでしょうに」
――アルハンゲリ。
舞織は判明したその名を反芻する。
「吸血鬼でありながら、大天使の名を持つ者に仕える……因果な巡り合わせです。ああ、そうだ。ちょうどロシアにはアルハンゲリクスという都市もありましたね」
「何が言いたい?」
「ゆえに仕方ない、と言えるかもしれないと思いまして」
アマーリエが怒るほど、舞檻の目論見は成功といえるだろう。挑発なのだ、結局のところは。同時に嘘偽りのない、純然なる事実でもある。
「むぅ」
腕を組み、ふくれっ面のフルルズン・イスルーン(ザ・ゴーレムクラフター・g00240)は小首を傾げる。
(「アルハンゲリが首魁なら、バアル・ゼブルは今何をしているのだ?」)
吸血ロマノフ王朝にいるのは確実であり、その存在を大天使に恐れられているのは事実のようだが……行方は一向に掴めない。
「えーい! 知らんというのならここで仕留めるだけなのだ! グレイシャー・ゴーレムくん、氷の剣でケチョンケチョンに切り刻んでやれー!」
永久凍土の武装は伊達ではない。
氷河の盾で炎を跳ねのけ、呪詛にも怯まず。粋な技巧を凝らした氷の剣が鮮やかにアマーリエに襲いかかる。
「くッ」
ずんずんと進撃するゴーレムはアマーリエの美貌にも心動かされることはなかった。フルルズンは八つ当たりするみたいに言った。
「悔しかったら正面から氷盾を叩き割ってみろなのだー!」
「言わせておけば……!」
アマーリエの注意がフルルズンに向いた刹那、舞織の艦砲が一斉に轟いた。いつのまにか包囲していたそれはコルチャークが率いた白き砲塔であった。
「さすがに、私も人の子ですからね」
どれだけ自制しても美しい羽に魅入られないとは限らないので。ならば、最初から近づくべきではない。背後から砲撃し続ける。卑怯? 戦略と言ってもらいたい。
ただ、それでも、彼女を憐れと思うのだけは嘘じゃなかった。
大天使の名を冠する吸血鬼に従い、利用され、屍を晒される……特に己の美しさを自負するアマーリエにとっては屈辱的であるはずだ。事実、彼女は憎悪を露わに舞織を睨みつけている。もっとも、それで手心を加えるような舞織ではなかった。
「運命と思って受け入れてくださいませ」
「否!」
「では、力ずくにて……」
さらに艦砲が暴れ、ヴェルチの炎を伴い派手に爆破する。
「なんて、綺麗な」
欲しい、とヴェルチは呟いた。
何もかもを焼き溶かすものとしての自分、それが『ウチ』であり、『僕』の在り方であり、『俺』の全て――ゆえの素晴らしき光景がこの炎らであった。どこからどこまでがアマーリエのそれで、ヴェルチのそれであるのかもはや判別できはしないだろう。
「踏み台は……さて、どっちだと思う? ねえ、アマーリエ」
「く……」
既にアマーリエは自身に勝ち目のないことを理解している。だが、諦めて命乞いをすることはプライドが許さない。
「答え合わせは既に終わったみたいだね」
「おのれ!」
せめて、道連れに。
「残念ながら、ご遠慮申し上げるよ」
アマーリエの悪足掻きはしかし、ヴェルチにとっては戯れに過ぎない。呪詛ごと呑み込む灼熱がその返答であった。
「失態の理由は雑なごり押しと思い込み? うーんよくわからないね! 最初から妙に調子がくるってるのはお前が悪いのだー!」
理不尽にも、アマーリエに全ての責任をなすりつけたフルルズンはゴーレムくんに命じて止めを与える。
氷の剣に貫かれたアマーリエは金切り声と共に炎へ還っていった。とにかく最後に立っていた者が勝者なのは間違いないので、フルルズンは留飲を下げる。
「これにて一件落着! ボクが落着っていったらとにかく落着なのだ! 完!」
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【アイスクラフト】LV1が発生!
【アイテムポケット】LV1が発生!
【熱波の支配者】LV1が発生!
効果2【ダブル】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV2になった!
【反撃アップ】LV1が発生!