【蹂躙戦記イスカンダル奪還戦】王の策略、揺るがす楔を(作者 紅葉茉莉
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#蹂躙戦記イスカンダル  #【蹂躙戦記イスカンダル奪還戦】戦術王の必勝の策  #蹂躙戦記イスカンダル奪還戦  #⑦『戦術王』ピュロス1世  #ディアドコイ評議会 

 ディアドコイ評議会、列せられた有力なジェネラル級亜人の一人、『戦術王』ピュロス一世。
 イスカンダル大王がゼウスの雷、そのチャージと制御に徹するが故に全軍の指揮を任された彼は広大な戦場を示した地図を前にして、前線指揮を行う亜人達に作戦について語っていた。
「ディアボロスが攻めてくるとすれば、古代都市カルケドンか、ペルガモンからなのは間違いない。だが、その対策は充分に取らせてもらった」
 地図に示された都市を剣先で示しつつ、ディアボロスが通るであろうルートを滑らせて。
 他の指揮官もそのラインは防衛勢力が十分だと頷き次の言葉を待っていた。
「カルケドン方面から来るディアボロスは、この俺とリシュマコスが守る。ペルガモン方面は、テュポーンとその手勢が固めている」
「と、いうことは?」
「うむ、つまり、ディアボロスといえども、大王のゼウスの雷を止める手段など存在しない……この戦争、勝ったな」
「おおー! さすがはピュロス様、素晴らしい戦術です!」
 前線で進軍を阻み、ゼウスの雷にて屠る戦術を考案した、それが実行できると豪語するピュロス一世。
 勝利を確信したその言葉に他の指揮官も興奮、ピュロスを称賛し己が役割を果たす様に武器を振り上げ防衛の任に就くのであった。

 新宿駅グランドターミナル、大規模な戦いの前哨戦へ多数のディアボロスがパラドクストレインで送り出される中、新たなパラドクストレインが出現し。
 ミレー・マリエット(サキュバスのガジェッティア・g03547)が戦場へ向かうディアボロスを出迎え説明を開始していた。
「はいどうもーっ! もう戦争の詳細は多分聞き飽きてるとは思いますが、この電車も前哨戦、相手の戦力を削ぎ落す為の戦場に向かうものになりますよ!
 今回の蹂躙戦記イスカンダル奪還戦では攻略旅団の方針、そして成果があってアルタン・ウルクが侵攻できず、蛇亀宇宙リグ・ヴェーダが占領地から動かない好機、それを生かして蹂躙戦記イスカンダルから歴史と大地の奪還を狙いましょう!」
 手にした羽扇をバサバサ動かし、興奮気味に語るミレー。
 とりあえず危険なゼウスの雷なんてとんでもない大技が相手にはあるが、それ以外の外部介入が少ないのは大きな利点、チャンスという事での興奮だろう。

「ゼウスの雷をはじめとした、オリンポスの遺物とかオリンポスの残滓は二度は使えない必殺兵器、そしてそれを確実に新宿島に、ディアボロスにぶっ放せる状況を作れた、とピュロス一世は考えている様です。
 つまりは勝ったな、風呂喰ってくる! ガハハハハ、といった気持ちでしょうがそうは問屋が卸さねぇ、皆さんの力でそんな戦術はぶち壊し、確実に厄介な勢力を駆逐しちゃいましょう!」
 勝利を確信している敵の様子を勝手に想像、それをバシッと阻止してやろうと言いながら、パンと派手に音を立てつつ羽扇を畳むミレー。
 そしてパラドクストレインの扉が開かれて、前哨戦たる戦場にディアボロスを送り出すのであった。


→クリア済み選択肢の詳細を見る


●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【怪力無双】
1
周囲が、ディアボロスが怪力を発揮する世界に変わる。全力で力仕事をするならば「効果LV×3トン」までの物品を持ち上げる事が可能になる。
【照明】
1
ディアボロスの周囲「効果LV×20m」の空間が昼と同じ明るさに変化する。壁などで隔てられた場所にも効果が発揮される。
【エアライド】
1
周囲が、ディアボロスが、空中で効果LV回までジャンプできる世界に変わる。地形に関わらず最適な移動経路を見出す事ができる。
【断末魔動画】
1
原型の残った死体の周囲に、死ぬ直前の「効果LV×1分」に死者が見た情景が動画として表示される世界になる。この映像はディアボロスだけに見える。
【クリーニング】
1
周囲が清潔を望む世界となり、ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の建造物や物品が、自動的に洗浄殺菌され、清潔な状態になる。

効果2

【命中アップ】LV1 / 【先行率アップ】LV1 / 【ドレイン】LV2 / 【ダブル】LV1

●マスターより

紅葉茉莉
 こんにちは、紅葉茉莉です。
 今回は蹂躙戦記イスカンダル奪還戦のファーストアタックをお届けします。

 敵は基本大軍で、数の力で攻め寄せるディアボロスを迎撃し、足止めしようと待ち構えています。
 ある程度指揮官的な者が命令を出しているようですが良く判らぬ異形の集団、時折少数ではぐれ彷徨う者や、少数の変異した個体とそれに付き従い、別行動を行う小集団が出たりと全体としては数が多い物の、全てが同じ大軍団として動いているわけではない様です。

 ですので、攻める場合は大軍団の群れに突撃しての大立ち回り、あるいは、本来は群れているのにはぐれてしまった、はぐれテュポーンを索敵して各個撃破をするか、または謎の変異から無駄に小集団を作り遊軍のように彷徨う集団を叩くか。
 大軍団か、ごく僅かか、小集団か、どういった敵を叩くか行動方針を決めると良いかと思います。

 今回はファーストアタックシナリオの為、必要な🔵数を大きく上回っての採用はありません。
 チームで参加されても必要人数+1~2人程度の採用になるかと思います、ご了承下さい。

 では、ここまで長文を読んで頂きありがとうございました、ご縁がありましたらよろしくお願いします。
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このシナリオは完結しました。



発言期間は終了しました。


リプレイ


エイレーネ・エピケフィシア
【方針:大軍団を狙う】

防衛戦に長けた将軍は、攻めに傾倒した亜人にとって貴重な人材と言えますね
されど、ペラやオリンポス山の堅牢な護りは予想した上で、わたし達は今日まで攻略を続けてきました
この先制攻撃を助けに、立ち塞がる最後の壁も押し通って見せます!

大群に取り囲まれないように離れた所から攻撃を行います
周囲に小高い丘や建物の屋根等、見通しがよく、集中攻撃を受ける前に後退するか降りれば敵からは見えづらい高所があれば利用
高い視座から俯瞰すれば、練度が高い者や時々生じる得意個体を見つけて優先的に狙い、連携を乱すことも期待できるかもしれません

≪神護の長槍≫を投擲すると同時に『降り注ぐ影の槍』を発動
空中に出現した幻影の槍を次々と射出し、敵の身体を串刺しに
反撃に対しては、この場に集った仲間たちの姿を思い起こして闘志を奮い起こして、畏怖を打ち払いながら声の規則性を探ります
そして≪神護の輝盾≫を構え、敵の声をどう動くかのヒントとして連携攻撃を防ぎましょう

負傷が嵩んで逃げきれなくなる前に、頃合いを見て撤退します


捌碁・秋果
※連携、アドリブ歓迎

防衛もきっちりしていて、『ゼウスの雷』という強力な戦術兵器もある。侮れません。
彼らの戦術を崩せるのはトレインと案内人さんのおかげですね、いつものことながら感謝です。

私は小集団のテュポーンを叩きます。
物陰に隠れて敵を見つけたらパラドクスを使用し、毒の力で敵の悍ましい声に怖がらないようにして戦いを挑みます。
藍色の槍で突撃し、薙ぎ払い、薙ぎ払い、薙ぎ払い!
そしてまた薙ぎ払いと見せかけてレースリボンテープで鞭のような一撃も加え、敵の不意をつきましょう。
敵が連携を仕掛けてきたら痛みを覚悟して前へ、額縁で敵からの攻撃を軽減しつつ怯まずに対応します。

ちょ、ちょっと猪みたいな戦いをしすぎたかな?
ここで倒れたら元も子もない。
体力が尽きる前に、頃合いを見計らって変質ステンドグラスを濃く展開して煙幕を発生させ、それに乗じて撤退します。
決戦は18日、必ず勝ちに来ますから…!


夏候・錬晏
※連携アドリブ歓迎

慢心も良いところだな。我らが亜人らが滅ぼしたディアボロスとは違うのだと、未だに気が付かないのか

それに、国の最大戦力を投入するという事は、それだけ自国が追い詰められているということだろうに

戦況が読めていないのなら、このまま押し切るまで
後の大戦に繋がる大事な前戦だ。ひと暴れさせてもらおう

黒龍偃月刀を構えて戦意を高めれば、朱殷の闘気が刃に宿り、龍頭を模した形に<武器改造>される
あの異形どもを、ことごとく噛み砕いてくれると、仲間と共に『アンティゴノス・テュポーン』の群れへ畳み掛ける

乱世を戦い抜いた<戦闘知識>を活用し、『テュポーン』らの連携を許さぬよう、分断するような立ち回りで、仲間の攻撃がより効果的なものになるように
ただただ煩い声を発する頭部を丸ごと飲み込むように、黒龍偃月刀を袈裟懸けに叩きつければ、大口を開けた龍の牙がその身を穿ち、噛み砕いていけば
規則性が乱れて、連携もまともに取れないだろう

確実に屠っていくことで、【ドレイン】を駆使して、猛攻を仕掛け続ける
撤退時は殿を


クロエ・アルニティコス
配置としてはそう悪いものではないのですけれどね。
それだけで勝てると思うなら、それは驕りというものです。

【方針:大軍団を狙う】
指示に従い、統率が取れている群れの方が残すと面倒でしょう。
大軍団へと攻撃を仕掛けます。

【カリュドーンボア・アルテミシア】を使用。カリュドーンの猪を象った植物の怪物を作り出します。
【先行率アップ】で先手を取り、大軍団に好き勝手に動かれ、包囲される前にこちらから攻撃を仕掛けましょう。
その見てくれでは、どれほど戦術を理解する知性があるのか疑問ですが……元よりお前たちを相手にやることは一つです。
カリュドーンの猪の突進でアンティゴノス・テュポーンを轢き、撥ね飛ばします。
大群の中から現れた特異個体による攻撃は守護の赤薔薇の防壁で防御を。
多少の傷はどうとでもなりますが、囲まれ攻撃を受けてはそうはいきません。数を減らすことを重視して攻撃的に戦いましょう。

限界が近づけば撤退を。
今はまだ無理のしどころではありません。


一ノ瀬・綾音
こういう実戦ってさ、こういう慢心している奴からやられていくんだよね……
慢心してる奴が勝ったのをあまり見ない気がする。

まあ今回に限ればその生殺与奪の権利を持っているのは綾音ちゃん達ディアボロスなんだけど。
つまり慢心しているところを突いてしまおうということだね、うん!

相手は恐らく群の中にいる特異個体。恐らく強いだろうね。
そんなのの大群を相手したら綾音ちゃんでもやられちゃうだろうから小集団のそういうのを狙って、こちらも最大威力の魔砲、『厄災の星光』をぶっ放す!
サーチアンドデストロイ、何かされる前にやる!よし!の精神でやっていくよ。相手の姿や声などで足がすくんだりしても困るしね、早々にやるに越したことはないでしょ。
あ、反撃は破竜剣で致命箇所を防ぐ程度で。
撤退時は仲間とタイミングを合わせて逃げるよ。

いや確かにピュロス一世も強いな、こんなのを配下にするなんて。
この恐ろしい奴を従えるんだ、さぞやピュロス一世も強いんだろうねー?
もし会えたら魔砲の一発でもぶち込んでみるか?なんてね。


「グルル……ガアアア!!」
 呻き、叫び、そして与えられた命令に従い周囲を徘徊する亜人、アンティゴノス・テュポーン達。
 理性感じられぬその姿ではあるが、上位者であるジェネラル級の命令に従い敵対者、つまりはディアボロスの襲撃に備え、ある者は大集団で、またある者は変異した者を中心とした小集団で、またある者は軍団からはぐれて彷徨って。
 攻撃可能な地点は多数ある、ただし場所によっての成果や立ち回りが大きく違う、そんな中。
「防衛もきっちりしていて、『ゼウスの雷』という強力な戦術兵器もある。侮れません。彼らの戦術を崩せるのはトレインと案内人さんのおかげですね、いつものことながら感謝です」
「でも、こういう実戦ってさ、こういう慢心している奴からやられていくんだよね……慢心してる奴が勝ったのをあまり見ない気がする」
 勝利を確信した敵、だがそれが慢心でありくみ上げられた策を突き崩せる事に感謝しつつ捌碁・秋果(見果てぬ秋・g06403)が物陰で呟けば。
 敵は慢心、そしてその隙を突ける自分達の優位性を実感しつつ、自分達もその優位性から慢心してはいけないと自戒する様に一ノ瀬・綾音(色彩に溢れし少女・g00868)が言葉を続ける。
「まあ今回に限ればその生殺与奪の権利を持っているのは綾音ちゃん達ディアボロスなんだけど。つまり慢心しているところを私達は慢心せず突いてしまおうということだね、うん!」
「ええ、そうですね。では……あの集団が近づけば一気に行きましょう」
 自分達は慢心せず、確実に数を減らそうと綾音が言えば秋果も同意、標的となる小集団に狙いを付ければ、物陰で二人息を潜めて待ち。
 小集団が大軍より離れた時を狙い、一気に殲滅すべく飛び出したのは秋果であった。
「先陣は任せて下さい、突き崩しますので」
「じゃあそこを一気に広げちゃおうかな、デカイやつの準備はしとくから!」
 手にした藍色の槍を前面に突き出しながら小集団に突撃を敢行。
 咄嗟にテュポーンが反応、身をよじる事で穂先が少し体を掠める程度で済んだが秋果の攻撃はそれで終わりではなく、さらなる猛追が待っていて。
「横に避けたのなら……これで!」
 突きから繋がる薙ぎ払い、穂先での切断は望めぬが柄による打撃効果は見込めるその攻撃。
 右へ左へ薙ぎ払い、強引に敵の集団の中へ切り込むように突き進むがテュポーン達もやられたままではない。
 心胆寒からしめる悍ましき咆哮と共に秋果に向かい一斉に飛び掛かるも、自らを酩酊させ高揚させる毒を取り込んだ彼女には相手を威圧する叫びですら耳に届かず、痛みと恐怖を忘れたままに切り込み、テュポーンの異質な拳を受けながらも槍を振るって突き進む。
「うぐっ、この程度、まだまだ!」
 痛覚が後々戻った時の激痛も覚悟して、盾である額縁を展開、打撃を正面だけでなく、各方向から受けながらも強引に前進し、槍を振るって突き進めばテュポーン達の注意は彼女一人に向けられて。
 他に狙う者、綾音の存在に気付かず背を向けたその瞬間を見逃さず、ウィザードロッドを一振りする綾音。
 それと同時に彼女の前面に六芒星の魔方陣が出現、その6つの頂点がそれぞれ別の色に輝き複数の属性を合わせた魔法であることを物語り、更にその中心へ杖の先端を突き立てる。
「焦熱の炎、極寒の氷、激流の水、烈震の土、浄化の光、堕落の闇……世界に溢れし6つの力よ、今こそ一つに集い、彼の者を滅する極光となれ!」
 最大威力の一発と綾音が豪語するその魔法、魔力の放出と共に突風が吹いたと思えば同時に魔方陣の中心が輝いて。
 超新星の輝きが如く、まばゆい光の一筋がテュポーンを飲み込みその体を消滅させていたのであった。
「よっし、これで一体……って、結構察知されたかなこれ!?」
 確実に一体を屠った綾音、されど小集団かつ仲間に気が取られていたとはいえ、派手な一撃をぶちかまし、交戦して居れば周囲のテュポーンが気付くのも当然で。
 唸り声と共に体の一部が巨大な翼に変化、多量の翅を射出して綾音を射抜かんとする変異個体の攻撃を皮切りに、周囲のはぐれテュポーンが異変に気付き飛び掛かってきたのである。
「ちょ、ちょっと猪みたいな戦いをしすぎたかな? ここで倒れたら元も子もない」
「そうだね、でもこれだけで引くとしたらあんまり……」
 小集団を叩き連携を崩し、一体を屠っただけで撤退とするにはあまりに早い。
 されど既に標的とした集団以外、まだ少数ではあるが他のテュポーンが援軍として向かってくる中であまり無理は出来ないと二人が話している最中。
「ならば、あの連中の足止めは任せてもらおう。完全に統率できないままに配置する。戦況が読めていないのなら、このまま押し切るまで……後の大戦に繋がる大事な前戦だ。ひと暴れさせてもらおう」
 援軍として接近してきたテュポーンと二人の間に飛び込む黒い影。
 それは漆黒の黒龍偃月刀を構え、朱色の闘気を纏いつつ切り込む夏候・錬晏(隻腕武人・g05657)であり。
 少数が割り込むのならばここで足止めは十分に可能と纏った闘気を偃月刀の先端へと集めれば、朱色の龍、その頭の形となって刃より立ち昇り。
「ゴオオアアアアアア!」
「まるでただの獣だな……我が刃は牙の如く……!」
 迫るテュポーンに対し偃月刀を大振りに、大上段から叩きつければその黒き刃と龍の顎の二段攻撃。
 刃にて体が大きく切り裂かれれば、大口を開けた朱色の龍が鋭き牙による追撃を見舞っていけば、刀傷に加えて獣に噛みつかれたかのようなズタズタの傷が刻まれる。
 だがそれだけで倒れはしない、むしろ近づいたのならば喰いつけるとばかりにテュポーンの体が変異、両肩が蠢けばそこから新たに顔が生え、醜悪な牙を見せて伸びて行き。
「キィイイイイアアアアア!!!」
「ただただ煩い声だな……だが」
 大口を開けて自らの両肩に噛みついてきた新たな頭。
 その一撃を受けながら、右手の義手で左肩に組み付いた頭を掴み強引に引き離す錬晏。
 出血しながらもこれで終わりとばかりに再び偃月刀を袈裟懸けに振り下ろせば、刃にてテュポーンの首が飛び、龍の口が首を失ったその体を頭から齧り付き絶命させる。
 これで増援にと向かってきたはぐれ個体は撃破、だが大軍がディアボロスを察知して動き出している状況。
 しかし錬晏は落ち着き払い、また小集団と交戦を継続していた秋果と綾音にあの軍団は大丈夫だと示す様に偃月刀の切っ先で、敵集団とは少しそれた方角を指し示す。
 そこには二人、この大軍が動く事を見越して控え、一気に攻め立てんとしていたディアボロス、エイレーネ・エピケフィシア(都市国家の守護者・g08936)とクロエ・アルニティコス(妖花の魔女・g08917)の姿在り。
「私達を防ぎ反攻できる策を組む。防衛戦に長けた将軍は、攻めに傾倒した亜人にとって貴重な人材と言えますね」
「ええ、配置としてはそう悪いものではないのですけれどね。それだけで勝てると思うなら、それは驕りというものです」
 大軍勢が目標を定め動く時。
 即ち、無防備な側面を晒す好機を待っていた二人は小高い台地より自分達に気付いていないテュポーンの集団に向かい前進を。
 前衛をエイレーネ、後衛をクロエが務める布陣にて、敵の突撃を横合いから叩く為に動くはクロエ。
 三相の杖を一振りすれば、小さな種達が芽吹き蔦が伸び、獣の如き姿へと変容し。
「その見てくれでは、どれほど戦術を理解する知性があるのか疑問ですが……元よりお前たちを相手にやることは一つです。芽吹け『カリュドーンボア・アルテミシア』!」
 号令を下すと同時に変貌しつつあった植物の獣は次々と巨大な猪の形に変化、雄叫びを上げるかのように頭を上げてから一斉に走り出す。
 軍勢の側面から想定外のもう突撃、テュポーン達が気付いた時には緑色に染まりし猪が既に軍勢の真横に迫り、強烈な突進力にての体当たり。
 凄まじい衝撃にて吹き飛ばされ、転がるところへ別の猪が突撃、蹄で踏み拉き新たな標的を求めて軍勢の真っ只中を突っ切っていく。
「キィイイイアアア!」
 だがその蹂躙を良しとしない、自分達こそが蹂躙する存在だと仲間を鼓舞。
 一部の個体が甲高い叫びと共に体が変化、腕の一本がまるで弓のように変異して、体外に伸びた骨を引き抜き矢のように番え、猪の御者であるクロエを狙い放っていく。
 空を切る骨の音、咄嗟に展開した赤き薔薇の防壁で軌道を逸らすも腕を、脚を骨の矢が掠め身を傷つける事を実感し。
 されどまだ包囲はされていない、そして敵軍が此方を認めただけならば、追加の攻撃は出来ると視線を前に向ければ放たれる矢を手にした神護の輝盾で受け止めて。
 矢には投げ槍で抗するとばかりに、神護の長槍を上空へ放り投げるエイレーネの姿があった。
「聖なる槍よ! 悪しき者どもを一人たりとも逃すことなかれ!」
 そう叫ぶや否や、空中に投げられた槍は数多の幻影を伴う形に分裂。
 標的と定めたのは先ほどクロエに反撃し、また自分が盾で受け止めた骨の矢を放った変異個体であり、数多の幻影、されど実態を伴った槍の雨が生きているかのように変異個体だけを狙い降り注ぐ。
 次々と突き立てられた槍にて絶命する個体も居れば、その程度では倒れぬと槍を引き抜き頭を上げる個体も居る。
 このまま倒れるものか、むしろ報復の一斉攻撃で討ち取ると意思疎通でもしたいのだろうか、大きく息を吸い込むような仕草をし。
「カアアアアアアアアア!」
「キィイイアアアアア!」
「コオオオオオアアアアア!」
 一体が叫べばそれに呼応する様に、複数の個体が次々と悍ましき叫びを上げてエイレーネに向かって翼のように変異した肉体を蠢かせての突撃を。
 猛撃を盾で受け止め、衝撃で後方へと押しやられつつも奮起して。
 ここで崩れれば自分だけでなく後ろから攻撃を加えたクロエも危機的状況に、そして大軍を自由に動かせば小集団を叩いていた仲間にまで危険が及ぶと踏みとどまったエイレーネは再び槍を構え、迫るテュポーンと相対し。
「やりますね、しかし……誰かが起点に、体を変異させて叫ぶ事で他も同じく変異する、までは見えましたよ。ならば」
 ここまで堅牢な守りを予測し攻略してきた、ならば今、壁として立ち塞がるこの集団も突破できる綻びを、楔を打ち込むとばかりに再び投げられた神護の長槍。
 空中で分裂した槍は再び敵陣に降り注ぎ、またクロエも再度、植物の猪をけしかけ軍勢を蹴散らせば遠方より聞こえる仲間の叫び。
「そっちに回り込んでるよ! 逃げるなら今!」
「そのままこちらへ! 視界は遮ります」
 敵の大軍が取り囲むように動いていると知らせる綾音の声と、ほんの僅かでも目を眩ませる煙幕はあると伝える秋果。
 そんな二人が動けるように、迫る少数の敵を切り伏せ退路を保つ錬晏が偃月刀を掲げ道を示せば、クロエとエイレーネは無理は出来ぬと走り出し合流を。
 奇声を上げて追いすがるテュポーンではあったが、元より統率の取れていない群集団、逃げに徹した面々を捕らえられず気付けば5人を見失う。
 残されたのは傷つき同胞を失い、ディアボロスを討ち取れず。
 怒りの叫びを上げ続けるテュポーンの群れであった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​
効果1【エアライド】LV1が発生!
【怪力無双】LV1が発生!
【断末魔動画】LV1が発生!
【照明】LV1が発生!
【クリーニング】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
【ダブル】LV1が発生!
【ドレイン】LV2が発生!
【先行率アップ】LV1が発生!

最終結果:成功

完成日2024年08月17日

【蹂躙戦記イスカンダル奪還戦】戦術王の必勝の策

 このシナリオは【蹂躙戦記イスカンダル奪還戦】に関連する特別シナリオです。
 蹂躙戦記イスカンダルのジェネラル級及び、パキスタン、アフガニスタンを強奪しようとしている『蛇亀宇宙リグ・ヴェーダ』、亜人の配下となっている『TOKYOエゼキエル戦争の大天使とアークデーモン』の軍勢に対して、戦闘を仕掛けます。

 この戦闘によって、敵の戦力を削ることが出来ます。
 勝利したシナリオ数に応じて、対応する戦場の敵の数が減少し、戦いを有利に進めることが出来るようになります。

 このシナリオの攻撃対象は、【『戦術王』ピュロス1世】の軍勢です。
 『『戦術王』ピュロス1世』は、単眼王・アンティゴノスの後継としてディアドコイ評議会に名を連ねた将軍で、亜人の軍勢の全軍を統括する総司令官の役を与えられているようです。

「成功したシナリオ数×5%」だけ、「⑦『戦術王』ピュロス1世」の敵残存率を低下させます。


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選択肢👾奪還戦ファーストアタック『アンティゴノス・テュポーン』のルール

 奪還戦直前のファーストアタックで、敵ジェネラル級の戦場に攻撃を仕掛けます。
 この戦闘に勝利する事で、奪還戦時の敵残存率を減少させることが出来ます。
 敵は軍団規模の戦力である為、ある程度戦って敵戦力を削った後は、頃合いを見て撤退してください。
 状況によっては、敵ジェネラル級と遭遇する場合もありますが、この戦闘で、ジェネラル級を撃破する事は不可能です。
 ジェネラル級も深追いはしてこないので、速やかに撤退すれば、逃げ切ることが出来る筈です。
 詳しくは、オープニングやリプレイを確認してください。


 記載された敵が「沢山」出現します(現れる敵の数は、オープニングの情報やリプレイの記述で提示されます)。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、450文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★1個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は600文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 🎖🎖🎖 🔵🔵🔵🔵🔵
 超成功 🔵🔵🔵🔵🔵
 大成功 🔵🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔵🔴
 善戦 🔵🔵🔴🔴
 苦戦 🔵🔴🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『【完結条件】この選択肢の🔵が👑に達すると、敵を倒し、シナリオは成功で完結する。ただし、この選択肢の🔴が🔵より先に👑に達すると、シナリオは失敗で完結する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。