最終人類史の納涼妖怪イベント!

 ワイルド・カードから、お化け屋敷や妖怪に関するお祭りイベントを最終人類史で開催、地獄変のエネルギーとする作戦が提案されました。
 夏と言えば怪談やお化け屋敷は定番です。

 開催されるイベントは、ディアボロス主催の『怪談語りイベント』と『お化け屋敷』イベント。  そして、最終人類史の一般人が開催してくれる『妖怪横丁』の3つとなります。

 楽しくイベントに参加し、地獄変にエネルギーをチャージしましょう。

【🍉夏休み選択肢🍉】
 選択肢「【🍉夏休み】ディアボロスの怪談」「【🍉夏休み】最終人類史のお化け屋敷病棟」「【🍉夏休み】妖怪横丁を楽しもう」でプレイングが採用された方には、「2024夏休みアイコンフレーム」をプレゼント!
 獲得できるアイコンフレームのデザインはこちらで確認して下さい。

とある真夏の宵物語(作者 小鳥遊彩羽
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#最終人類史(新宿島)  #最終人類史の納涼妖怪イベント!  #🍉夏休み選択肢有 


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#最終人類史(新宿島)
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#最終人類史の納涼妖怪イベント!
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●とある真夏の宵物語
「みんな、お疲れさま! すっかり夏だね……!」
 残留効果のおかげで過ごしやすい日が続いてはいるが、日本はまさに夏真っ盛り。
 花峯・真帆(Starry Bouquet・g03187)はいつもと変わらぬ笑顔ながら、どこかそわそわした様子で肝試しだよ!と切り出した。
「もきゅ!」
 モーラット・コミュのすずらんも、いつになく張り切った様子である。
「そう、ワイルド・カードからの提案でね、地獄変のエネルギーをチャージするために肝試しをやることになったの。怪談語りとか、妖怪がわーってするお化け屋敷とか、だいたいそんな感じかなあ。最終人類史の人たちも楽しみにしてるから、よければぜひ参加して、みんなを怖がらせつつ楽しませてあげてほしいの!」

 それから、真帆はそれぞれのイベントについての説明に入った。
「怪談話は、最終人類史にある『演芸場』で開催されるんだけど、ディアボロスであるみんななら、それこそ怪談話になるような体験をしているひとも少なくない……と思うから、勿論全部本当のことじゃなくて、少しフィクションを混ぜたりして、いい感じに話してみて!」
 勿論、怪談話は100%の作り話でも構わない。
 ディアボロスであるならばいつでも飛び入り参加が出来るので、何かいい感じの話が思いついたら参加してみてほしいと真帆は続ける。
「お化け屋敷はね、都内にある大きな病院のひとつを借りて、そこでやることになってるんだ。私たちは【活性治癒】が使えるから、最終人類史の人たちが病気や怪我をしても、すぐに治すことが出来るでしょう? だから、入院用の病棟とかが結構余ってるみたい」
 そこで、折角なので病棟をまるごとお化け屋敷にしてしまおう、というのが、お化け屋敷イベントの概要だ。
「演出に必要な機材とかは全部借りられるから、何かすごい仕掛けを作っても大丈夫だし、うっかり壊しちゃったりしても【修復加速】があるから建物は大丈夫。でも、【活性治癒】があってもお客さんが怪我しちゃうような演出はだめだよ!」
 そして、最後は最終人類史の人々が準備してくれた、妖怪横丁だ。
「妖怪横丁は、和風のハロウィンみたいな感じで、ワイルド・カードの方針に賛同してくれた最終人類史の人たちが、浅草周辺を貸し切って開催してくれているの。提灯がわーって連なってとっても素敵な感じになっててね、妖怪のコスプレをして街を歩いたり、妖怪をモチーフにした飲食物の屋台が出てたり……もちろん普通のお祭りみたいな感じの屋台も出てるし、屋台でもしやりたいことがあるならディアボロスのみんなも自由に出してくれていいし、あとは近くにあるカフェで雪女さんの氷で作ったかき氷とか、座敷わらしをイメージしたあんみつとか食べられるから、のんびり過ごしてほしいな。妖怪の格好で行ってもいいし、せっかくの夏祭りだから浴衣を着ていってもいいと思う!」
 屋台では化け狸の葉っぱをイメージした饅頭や、河童印の濃厚な抹茶ジェラート、赤鬼のストロベリーソーダや青鬼のブルーベリースムージー、他にも妖怪をモチーフにした様々な一品が食べ歩きのお供を努めてくれることだろう。カフェの内装も勿論今回のイベントに合わせてちょっぴり薄暗かったり、それっぽい灯りが飾られていたりな妖怪仕様となっている。ふわふわのかき氷のフレーバーは苺や梅、桃、抹茶や紅茶、練乳にみぞれなどなど、色々あってどれも美味しそう!とのことだ。座敷わらしのあんみつは口の中でほどけるようにやわらかな寒天にどこか上品な甘さの小豆餡と黒蜜が美味しいのは勿論、色とりどりのフルーツやリボンの形の求肥で可愛らしさを表現した一品なのだという。
 最終人類史の人々は、皆を守るために戦っているディアボロスに、少しでも楽しんでほしいと願っている。人々の期待に応えるためにも、よければ是非参加してほしい――と真帆は笑顔で告げた。

「今回のイベントは、お化け屋敷や妖怪がモチーフだから、日本での開催なんだけど……このイベントの様子は、欧州やオーストラリアでも配信されることになってるの」
 そうすることで、最終人類史の人々が帰還した外国でも感情のエネルギーが得られる見込みなのだという。
「それに、もうすぐ蹂躙戦記イスカンダル奪還戦が始まりそうな予感もしていると思うけど、だからこそ、改めて今の自分や、これからの戦いに思いを馳せてみるいい機会になるといいな」
 真帆はそういって説明を終えると、楽しんできてね!とディアボロスたちを送り出すのだった。


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【士気高揚】
2
ディアボロスの強い熱意が周囲に伝播しやすくなる。ディアボロスから「効果LV×10m半径内」の一般人が、勇気のある行動を取るようになる。
【飛翔】
3
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【狐変身】
2
周囲が、ディアボロスが狐に変身できる世界に変わる。変身した狐は通常の狐の「効果LV倍」までの重量のものを運べるが、変身中はパラドクスは使用できない。
【未来予測】
1
周囲が、ディアボロスが通常の視界に加えて「効果LV×1秒」先までの未来を同時に見ることのできる世界に変わる。
【強運の加護】
4
幸運の加護により、周囲が黄金に輝きだす。運以外の要素が絡まない行動において、ディアボロスに悪い結果が出る可能性が「効果LVごとに半減」する。
【現の夢】
2
周囲に眠りを誘う歌声が流れ、通常の生物は全て夢現の状態となり、直近の「効果LV×1時間」までの現実に起きた現実を夢だと思い込む。
【一刀両断】
1
意志が刃として具現化する世界となり、ディアボロスが24時間に「効果LV×1回」だけ、建造物の薄い壁や扉などの斬りやすい部分を、一撃で切断できるようになる。
【照明】
1
ディアボロスの周囲「効果LV×20m」の空間が昼と同じ明るさに変化する。壁などで隔てられた場所にも効果が発揮される。
【腐食】
1
周囲が腐食の霧に包まれる。霧はディアボロスが指定した「効果LV×10kg」の物品(生物やクロノ・オブジェクトは不可)だけを急激に腐食させていく。
【罪縛りの鎖】
3
周囲に生き物のように動く「鎖つきの枷」が多数出現する。枷はディアボロスが命じれば指定した通常の生物を捕らえ、「効果LV×2時間」の間、移動と行動を封じる。
【避難勧告】
1
周囲の危険な地域に、赤い光が明滅しサイレンが鳴り響く。範囲内の一般人は、その地域から脱出を始める。効果LVが高い程、避難が素早く完了する。
【友達催眠】
5
周囲の一般人を、誰にでも友人のように接する性格に変化させる。効果LVが高いほど、昔からの大切な友達であるように行動する。
【セルフクラフト】
1
周囲が、ディアボロスが、一辺が1mの「コンクリートの立方体」を最大「効果LV×1個」まで組み合わせた壁を出現させられる世界に変わる。
【冷気の支配者】
3
ディアボロスが冷気を自在に操る世界になり、「効果LV×1km半径内」の気温を、最大で「効果LV×10度」低下可能になる(解除すると気温は元に戻る)。ディアボロスが望む場合、クロノヴェーダ種族「アルタン・ウルク」の移動速度を「効果LV×10%」低下させると共に、「アルタン・ウルク」以外の生物に気温の低下による影響を及ぼさない。
【スーパーGPS】
1
周囲のディアボロスが見るあらゆる「地図」に、現在位置を表示する機能が追加される。効果LVが高ければ高い程、より詳細な位置を特定できる。
【過去視の道案内】
1
移動時、目的地へ向かう影が出現しディアボロスを案内してくれる世界となる。「効果LV×1日以内」に、現在地から目的に移動した人がいなければ影は発生しない。
【完全視界】
1
周囲が、ディアボロスの視界が暗闇や霧などで邪魔されない世界に変わる。自分と手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人にも効果を及ぼせる。
【活性治癒】
4
周囲が生命力溢れる世界に変わる。通常の生物の回復に必要な時間が「効果LV1ごとに半減」し、24時間内に回復する負傷は一瞬で完治するようになる。
【植物活性】
2
周囲が、ディアボロスが指定した通常の植物が「効果LV×20倍」の速度で成長し、成長に光や水、栄養を必要としない世界に変わる。
【建造物分解】
1
周囲の建造物が、ディアボロスが望めば1分間に「効果LV×1トン」まで分解され、利用可能な資源に変化するようになる。同意しない人間がいる建造物は分解されない。
【操作会得】
2
周囲の物品に、製作者の残留思念が宿り、ディアボロスの操作をサポートしてくれるようになる。効果LVが高い程、サポート効果が向上する。
【口福の伝道者】
2
周囲が、ディアボロスが食事を摂ると、同じ食事が食器と共に最大「効果LV×400人前」まで出現する世界に変わる。
【パラドクス通信】
2
周囲のディアボロス全員の元にディアボロス専用の小型通信機が現れ、「効果LV×9km半径内」にいるディアボロス同士で通信が可能となる。この通信は盗聴されない。
【クリーニング】
2
周囲が清潔を望む世界となり、ディアボロスから「効果LV×300m半径内」の建造物や物品が、自動的に洗浄殺菌され、清潔な状態になる。
【通信障害】
3
ディアボロスから「効果LV×1,800m半径内」が、ディアボロスの望まない通信(送受信)及びアルタン・ウルク個体間の遠距離情報伝達が不可能な世界に変わる。
【アイテムポケット】
3
周囲が、ディアボロスが2m×2m×2mまでの物体を収納できる「小さなポケット」を、「効果LV個」だけ所持できる世界に変わる。
【コウモリ変身】
1
周囲が、ディアボロスが小型のコウモリに変身できる世界に変わる。変身したコウモリは最高時速「効果LV×50km」で飛行できるが、変身中はパラドクスは使用できない。
【防衛ライン】
1
戦場が、ディアボロスが地面や床に幅10cm、長さ「効果LV×10m」の白い直線を出現させられる世界に変わる。敵はこの直線を突破できず、上空を飛び越える場合、最低「効果LV」分を要する。直線は戦場で最初に出現した1本のみ有効。
【防空体制】
1
周囲が、飛行する存在を察知しやすい世界に変わる。ディアボロスが屋外を飛行中の敵を発見するまでに必要な時間が、「効果LVごとに半減」する。
【狼変身】
1
周囲が、ディアボロスが狼に変身できる世界に変わる。変身した狼の咆哮は「効果LV×10m」以内の指定した通常の生物を怯えさせ、「効果LV」分の間、行動不能にするが、変身中はパラドクスは使用できない。
【影忍び】
3
周囲が、ディアボロスが「自身が視認している、3m以内にいる一般人1人」の足元の影に変身できる世界に変わる。変身中は対象とした一般人の足元を離れられず、この効果の解除を除く自発的な行動は行えない。最大「効果LV✕10分」で解除。

効果2

【能力値アップ】LV10(最大) / 【命中アップ】LV4 / 【ダメージアップ】LV10(最大) / 【ガードアップ】LV4 / 【凌駕率アップ】LV2 / 【フィニッシュ】LV2 / 【反撃アップ】LV4 / 【リザレクション】LV3(最大) / 【ラストリベンジ】LV1 / 【先行率アップ】LV2 / 【ドレイン】LV5(最大) / 【アヴォイド】LV3 / 【ダブル】LV1 / 【ロストエナジー】LV5 / 【グロリアス】LV2

●マスターより

小鳥遊彩羽
 ご覧くださいましてありがとうございます、小鳥遊彩羽です。
 今回は『最終人類史(新宿島)』より、夏休みシナリオをお届けします。

 リプレイの時間帯は夕方~夜となります。
 どの選択肢からご参加いただいても大丈夫ですし、選択肢ひとつのみのご参加も勿論大丈夫です(アイコンフレームはどの選択肢でも獲得できます)が、『③【🍉夏休み】妖怪横丁を楽しもう』が完結条件となっておりますので、特に①や②に参加をご希望の場合はちょっぴりご注意ください。
(①と②は状況次第ではさくっと締め切り、③は最初にプレイングを頂いてから一週間くらいは受付の予定です)
 ③妖怪横丁で楽しめる食べ物やスイーツなどは、オープニングにあるもの以外にもご自由に指定していただいて構いません(妖怪っぽくなくても大丈夫です)。また、妖怪のコスプレの描写を希望の場合はモチーフを、浴衣の場合はイラストの有無にかかわらず色や柄などに軽く触れていただけると助かります(お任せ不可)。いずれもご希望がない場合はリプレイでは触れません。
 全体的に細かいことはあまり気にせず、ゆるっとそれっぽい雰囲気でお楽しみ頂ける方向けです。

 個別、もしくはグループごとでの描写となります。ご一緒される方がいらっしゃる場合は【お相手の名前とID(ニックネーム可)】もしくは【グループ名】をご記載ください。
 参加人数に制限はありませんが、全採用の確実なお約束は出来ません。状況によっては4名以上のグループ様は採用が厳しくなる可能性があります。なるべく頑張りますが、ご了承の上でのご参加をお願いします。
 また世界観を大きく逸脱した内容や公序良俗に反する内容、未成年者及び未成年に見える方の飲酒や喫煙の描写も出来ません。
 その他の補足などはお手数をおかけしますが、マスターページをご確認ください。

 NPCの花峯・真帆とアレッサンドロ・カリオストロもご一緒出来ますので、何かありましたらお気軽にお声がけください。
 以上となります。どうぞよろしくお願い致します。
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このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


八上・霞
怪談話!こんな感じでどう?

昔昔、ある所に大事に育てられた娘がいた。
その娘はとても我儘で、親も手を焼いていた。
ある日、両親が出かけている間に、娘はある部屋を訪れた。
そこは父親から「絶対に入ってはいけない」と念を押されていた部屋。
その部屋は小さな和室で、床の間に刀が飾られていた。
なんだこんなものかと、娘が落胆しながら一歩踏み出した時。その瞬きの間に、部屋の中に見たことの無いほど美しい貴公子が座っていた。
思わずその美しさに見惚れた娘に、男は口を開いた。
「いいね。とても相応しい」
そう言って刀を手に取ると、娘の前に置いた。
刀はとても美しい拵で、思わず触ってみたくなるほど。
「どうぞ、抜いてご覧」
男の言葉に操られるように娘は刀を手に取り、鞘からほんの少し、刀身を抜いた。

その日を境に、我儘だった娘は人が変わったように慎ましくなった。ただ、あの部屋にあった刀を片時も離さず傍に置き、時にうっとりと眺めるようになった。
娘の母親は我儘ぶりが直ったと喜んだが、父親は「妖刀に魅入られてしまった」と嘆きましたとさ。


 薄ぼんやりとした灯りに照らされた、演芸場。
 集まった観客たちが息を呑んで見守る中、舞台に上がった八上・霞(閃光・g00118)は一礼してから座布団に座り、腰に下げていた刀を脇に置いて、客席を一瞥する。
 次なる語り部が霞――ディアボロスであると先に知らされた観客たちの眼差しは、期待に満ち溢れているようで。
 そんな彼らの思いに応えたい。そう思いながら霞は背筋を伸ばし、漣のようなざわめきが静まるのを待って、静かに語り始めた。
「――昔むかし、ある所にそれはもう大事に育てられた娘がいた。けれどそのせいか、娘はとても我儘で、親も大層手を焼いていた……」
 霞の伸びやかで落ち着いた声に、観客たちはあっという間に引き込まれていく。

 ――はじまりは、ある日のこと。
 両親が揃って出掛けている間に、娘はとある部屋を訪れた。
 そこは父親から“絶対に入ってはいけない”と念を押されていた部屋だったが、咎める父親は家にいない。
 だからこそ、娘は好奇心、怖いもの見たさ――あるいは何かに導かれるように、その部屋へと足を踏み入れていたのかもしれない。
 一体、部屋にはどんな秘密が隠されているのだろう。
 父が絶対に入ってはいけないと言うくらいだ、きっと、とても凄い何かがあるに違いない。
 そんな娘の想いとは裏腹に、その部屋は床の間に刀が飾られているだけの、小さな和室であった――。

 霞がひとつ息をつくと同時に、霞の言葉を一言一句聞き逃さぬように耳を傾けていた人々も、ふっと息を緩めたようだった。
 けれど、それも一瞬のこと。
「……なんだ、こんなものか」
 彼らの思いを代弁するかのように、霞は観客席をゆっくりと見渡しながら続ける。
「と、娘が落胆しながら一歩踏み出した時――その瞬きの間に、部屋の中に見たことの無いほど美しい貴公子が座っていた」
 そこにいたのは、この世のものとは思えぬほどに美しい男だった。
 かれを見た瞬間、娘はまるで己がこの世ならざる場所へと迷い込んだような心地に襲われたが、それ以上に、男から目を離すことが出来なかった。
「……思わずその美しさに見惚れた娘に、男は口を開いた」

『――いいね。とても相応しい』
 男はそう言って刀を手に取り、娘の前に置いた。
 とても美しい拵を持つ刀を前に、娘は希った。

 ――触れたい、と。

 そんな娘の胸の裡を見透かしたように、男は言った。
『どうぞ、抜いてご覧』

 まるで呼吸さえも忘れられてしまったかのように、しんと静まり返った観客席。
 揺らめく蝋燭の炎が、霞の影をゆらりと泳がせる。
 真っ直ぐに霞へと視線を注ぐ観客たちの表情は、続く言葉を待ち望みながらも、緊張と得体の知れない恐怖に包まれているように見えた。
「男の言葉に操られるように娘は刀を手に取り、……鞘からほんの少し、刀身を抜いた」
 しなやかな両の手を宙に滑らせ、身振り手振りで見えない刀を抜いた霞に――。
 人々は何度目か、ごくりと息を呑むのだった。

 ――そして、その日を境に、我儘だった娘は人が変わったように慎ましくなった。
 ただ、あの部屋にあった刀を片時も離さず傍に置き、時にうっとりと眺めては、物思いに耽るようになった。
「そんな娘の変貌ぶりに、母親は我儘が直ったと大層喜んだが……父親は“妖刀に魅入られてしまった”と、心底嘆きましたとさ――」

 幕の代わりに静寂が下りる中、ゆっくりと観客席を見渡してから、霞は両手をついて深々と頭を下げる。
「――ご清聴、ありがとうございました」
 そして霞は傍らに置いた――鞘に納められたままの刀を手に取り、後に続く仲間に目配せをしながら舞台を後にした。
 その姿を見た観客たちが最後にもう一度息を呑んだのは、また、別の話だ。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【未来予測】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!

ゼキ・レヴニ
怪談、幽霊の話か…
そんじゃ一つ、昔話を。

これは新宿島に流れつく前、ドイツディヴィジョンに居た頃の話だが…
当時兵士だったおれは、ある晩歩哨に立つ事になってな。
現場にはおれともう一人。暗いんで顔は良く見えなかったが、知ってる奴の声だった。
おりゃてっきりそいつがとっくに戦死してるモンだと思ってたから、再会が嬉しくってな。
まァ小声で色んな話をしたよ。
で、そのうちそいつが「煙草一本くれねえか」なんてせがんできてよ。バカか撃たれるぞって注意はしたぜ。
だのに「明日死ぬかも分からんのだから今喫いてえんだ」って。
あんまり強情で仕方ねえんで一本投げてくれてやった。

そのうち朝日が登ってきてな。そろそろ交代だなってそいつの方を向いたら…
誰もおらんのよ。生きてる奴は、だあれも。
それなのに、煙草の残り香だけがぷうんとしててな。
じゃあおれが話してた男は…ってあん時はゾッとしたが、
今は、奴に一服させてやれて良かったと思うぜ。

…おっと、怖いってよりしんみりさせちまったか?
だってよ、どっかから呻き泣く声が――
…なァんてな!


 ――怪談と言えば文字通り、怪しさや怖さ、あるいはどこか不思議さを感じさせる物語だ。
 そして、大体において怪異や幽霊といった存在が登場するもの。
(「幽霊の話、か……」)
 先の同胞と入れ替わるように舞台へと上がったゼキ・レヴニ(Debaser・g04279)は悠然と座り、観客席を見渡す。
 それだけで、さっと波が引くように――観客たちの間に広がっていたざわめきが消え去ったようだった。
「そんじゃ一つ、昔話を――」
 しんと静まり返った空間に、朗々と響く声。
 観客たちは一気に、ゼキの語る言葉に引き込まれていく。
「……当時兵士だったおれは、ある晩歩哨に立つことになってな」
 それは、ゼキがディアボロスとして新宿島に流れ着く前――かつて機械化ドイツ帝国と呼ばれていた世界での話だ。
 その日は良く晴れた、星の綺麗な夜だった。
「現場には、おれともう一人。暗いんで顔は良く見えなかったが、知ってる奴の声だった」
 顔が見えなくとも、声ですぐにそうだとわかった。
 最後に逢ったのはいつだったか、どこかの戦場で別れてそれきりだった。
 あの頃のゼキにとってはそれが当たり前の日常であったから、それも特別なことではなく。ただ疾うの昔に死んだと思っていた相手と再会出来たのは、純粋に嬉しいことだった。
 戦場で別れて、それから二度と逢えなかった者など――あの頃は、数え切れぬほどにいたのだから。
 どうやら向こうもそう思ってくれていたらしく、話に花が咲くのはあっという間で。
 勿論哨戒中であるし、いつ敵襲があるとも限らない。それは互いにわかっていたから、交わした言葉は囁くような小さな声だったけれど――それでも話が弾むにつれて表情が和らいでいるのを自覚するくらいには、夜の静寂に緊張がとけていたようだった。
「――で、そのうちそいつが“煙草一本くれねえか”なんてせがんできてよ。バカか撃たれるぞって注意はしたぜ」
 何せ声が届く場所にいる相手の顔さえもわからないような暗闇の中だ。たとえ煙草の小さな火であっても、敵に居場所を示すには十分すぎるほど。
「だのにそいつは……“明日死ぬかも分からんのだから今喫いてえんだ”って聞かねえんだ」
 ゼキはそこでふ、と息をつき、それからほんの少しだけ苦く微笑った。
「あんまり強情で仕方ねえんで、一本投げてくれてやった。……そのうち朝日が登ってきてな」
 そんなに時間が経っていたのかと、そこでようやく気づくくらいには、あっという間の出来事だったように思う。
「そろそろ交代だなってそいつの方を向いたら……誰もおらんのよ。生きてる奴は――だあれも」
 ほんの少し、芝居がかった声で。抑揚をつけながらゆっくりと語れば、観客たちが次々に息を呑んだ気配が感じられた。
 観客の反応にゼキはにやりと笑みを深め、小さく息をついてから続ける。
「……それなのに、煙草の残り香だけがぷうんとしててな。じゃあおれが話してた男は……ってあん時はゾッとしたが、」
 煙草を寄越してやった時の、ありがとうと紡がれた礼の言葉が――。
 やけに穏やかな響きだったのを、ゼキは今でも覚えている。
「今は、奴に一服させてやれて良かったと思うぜ」
 最後に煙草を吸うような仕草を添えて、ゼキは改めて観客席を見やる。
「……おっと、怖いってよりしんみりさせちまったか?」
 それから何事もなかったかのように笑って、続けた。
「だってよ、どっかから呻き泣く声が――」
 その瞬間、どこからともなくふわりと、生暖かい風が吹き抜けて――。
 蝋燭の明かりが大きく揺らめいて、観客たちが一斉にその身を強張らせた。
「……なァんてな!」
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【腐食】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!

ロキシア・グロスビーク
マシロさん(g09241)と。アドリブ連携ご自由に

お化け屋敷・イズ・病院(個人規模)。そして一般人の方々を怖がらせる
未だ嘗てないミッションを前に少々の緊張と大いにワクワクを携えるのは
今年のディアコレ姿をお化粧で青白ーくしたロキシアくん
マシロさん、準備よろし?
ふふ……貴女こそ。蜘蛛の女王さまかと見紛う美貌ですよ
そう、照明やタイミングを計ればね。工夫あるのみてことで
えいえいおー!

僕はこの洋画とかに出そうな夜に出会したらビビるであろう姿で勝負
使う残留効果は主に【影忍び】。ほっと一息ついた所を狙える!
「また一人、生贄が……」とか言ったりくすくす意味深に笑うんだ
【コウモリ変身】も移動に使って雰囲気を出そう
マシロさんが驚かした人の逃げた先でぬうっと出現シアくん
折角だしSeptentrionにも頑張って貰おうかな
血糊つけて、普通の置物だと思わせてから動かすだけでも怖くなるさ

さーてあちらは上手く行ってるかな……?
と見に行ったら驚き危うく蝋燭を落としかけながら
うわあマシロさん僕です僕!びっくりしましたよ!


来栖・マシロ
ロキシアさん(g07258)とご一緒に。アドリブ連携歓迎です
怖がらせる。怖がらせるですかぁ~~……ひ、非常に苦手かも、ですけど!
なかなかむずかしそうですけれど、ハロウィンで妖怪っぽい格好をしたので…ありました!
洋風女郎蜘蛛っぽい感じで、背負いモノの蜘蛛脚の大きさもありますし…暗闇からでちゃえばきっとびっくりです!
ロキシアさんは、わあ。綺麗ですね! ふふ、ちゃんと見合っちゃうと、怖がれませんけれどそこはお互い腕の見せ所ということに!えいえいおー!

さてでも……うらめしやぁ……ってわけにはいきませんし……
は、いくつかそういえばそのときに作った蜘蛛のぬいぐるみもありましたね
ロキシアさんの笑い声にあわせて、そうっとおっきな蜘蛛脚のシルエットをのぞかせたて驚かせて
【トラップ生成】でつくった罠をうごかして天井から垂らして首筋にぬいぐるみをぼとり。驚かせたりしちゃいます!

ふふふ、悪戯してるみたいでちょっと楽しくなっちゃいそうです
おや次のひとも――あ、ロキシアさんでしたか……!つ、つい、ごめんなさい~~!


 ――お化け屋敷 is 病院。
 そして、この日を楽しみにしていた一般の人たちを、怖がらせる。
 地獄変へのエネルギーチャージが主な目的ではあるのだが、それ以上の未だかつてない重大なミッションを前に、ロキシア・グロスビーク(啄む嘴・g07258)は少々の緊張と、そして大いに“わくわく”を携えていた。
 そんなロキシアくんの今日の勝負服は今年のディアコレで仕立てて貰った黒薔薇が咲くゴシックドレス。メイクでいつもより青白くした肌に黒いヴェールを被ればその姿はさながら洋画に出てくるゴーストや吸血鬼の少女のようで、夜に出くわしたら驚くのは間違いないだろう。
「マシロさん、準備よろし?」
 そう別室で同じく準備をしていた来栖・マシロ(エンゼルノッカー・g09241)の様子を見にゆけば――。
「は、はい~……! ど、どうでしょうか……?」
 そこにはスリット入りの黒いドレスに身を包み、大きな蜘蛛の脚を背負ったマシロの姿があった。
 さながら洋風の女郎蜘蛛といった出で立ちのマシロの装いは、昨年のハロウィンの南瓜行列のものだ。
「怖がらせるのは……ひ、非常に苦手かも、ですけど! なかなかむずかしそうですけれど……でも、暗闇からでちゃえばきっとびっくり! ではないでしょうか!」
 苦手と言いながらもやる気いっぱいのマシロを微笑ましく見やり、ロキシアは彼女を勇気づけるように大きく頷いてみせる。
「ふふ、大丈夫ですよ、マシロさん。蜘蛛の女王さまかと見紛う美貌ですよ」
 ロキシアの言葉に、マシロの笑みがぱあっと輝く。
「ロキシアさんも、わあ。綺麗ですね! ふふ、ちゃんと明るいところで見合っちゃうと、怖がられないかもですけど……そこはお互い腕の見せ所ということに!」
 二人が選んだ肝試しの舞台は、個人経営の病院だ。
 内装も仕掛けも準備は万端だし、今回のイベント専用サイトでの宣伝もしっかりと済ませてある。
「そう、照明やタイミングを計ればね。工夫あるのみ――てことで……では、景気づけにいっときますか!」
 大きく頷き合った二人は拳をきゅっと握り、そして高く掲げて気合いを新たにする。
「「えいえいおー!」」

 ――重たく感じられる扉を開けば、薬品の匂いを帯びた冷たい風が出迎える。
「怖いよ、兄ちゃん……」
「大丈夫だって、ほら、さっさと出口まで行こうぜ」
 最初に訪れたのは、中学生と小学生くらいの兄弟のようだった。
 待合室のソファには血に染まった包帯を巻いた黒いテディベアのぬいぐるみたちが力なく横たわり、壁に貼られたポスターはすっかり風化している。
 緊張と恐怖で震える手をしっかりと繋ぎ、電気が全くついてない真っ暗な病院内を、二人は手元の懐中電灯の明かりだけを頼りに恐る恐る進んでいく。
 ――すると。
 不意にばさばさと音がして、兄弟はびくりと肩を跳ねさせた。
「わぁっ、こ、コウモリ!?」
 けれどコウモリはまるで歓迎するかのように、あるいは別の世界へ誘うかのように二人の頭上を飛び回ってから、そのままふわりと暗闇にとけるように消えていく。
「な、なんだよ……脅かすなよ……よし、行くぞ」
 コウモリをやり過ごした二人は意を決したように頷き、鍵のかかっていない扉を開けた。
 どうやらそこは、病室らしい。空っぽのベッドがまるで荒らされたかのようにばらばらに並んでいて、仕切りのカーテンはぼろぼろに破れていた。
「ここは……何もない、か?」
 その時だった。
「あ……」
 探るように向けた懐中電灯の光に、ゆらりと大きな蜘蛛脚のシルエットが映り込んだのだ。
「……っ!!」
「に、兄ちゃん、何か、いる!!」
 蜘蛛脚が伸びる先を辿れば――微笑みながらもどこかそわそわとしているマシロと目が合う。
「く、蜘蛛のおねえちゃん……?」
「ふふ、うらめしやぁ……ではないですけど、いっぱいびっくりしましたか~?」
 同時に、兄弟の元へゆらりと天井から小さな影が近づいて――ぼとり。
「っひゃあああああ!!?」
 首筋に落ちてきた、ちょっぴりひんやりした蜘蛛のぬいぐるみに、兄弟は今度こそ飛び上がって逃げるように駆け出した。
 ――だが、兄弟の受難はまだ終わらない。
「こ、ここは……」
 辿り着いた先は、どうやら処置室のようだった。
 兄弟はそこでほっとつきかけた息を、すぐに呑み込むことになる。
「――また一人、いや、二人も生贄が……」
 横倒しになったままの椅子や、錆びた医療器具で散らかる室内には誰もいない――にもかかわらず、どこからか囁くような微かな声が聞こえてくる。
「……っ!?」
「だ、誰だ……? どこだ!?」
 室内を懐中電灯で照らして歩きながら声の主を探す兄弟は、ふと、それまでなかったはずの気配に気がついた。
「あれ……兄ちゃん、あの人形――」
 いつの間にか兄弟の目の前にずらりと並んでいたのは、待合室に転がっていた黒のテディベア。
 テディベアたちは円らな瞳を向けたかと思うと、突如として大きく跳ね上がり、二人に飛びかかってきた。
「わああああっ!?」
 そうして、逃げようと咄嗟に振り返った兄弟は、凍りついたように動きを止める。
 懐中電灯に照らされた影が突然膨れ上がり――そこからすうっと姿を見せたロキシアが、くすくすと笑んで二人を見やる。
 手にした蝋燭の火にぼんやりと照らされたその顔は、いつになく妖艶に見えたことだろう。 
 そう、先程のコウモリの正体もロキシアだ。【コウモリ変身】で挨拶代わりに二人の前に姿を見せたロキシアは、更に【影忍び】を使って兄弟の影に隠れていたというわけだ。ちなみに、血糊つきの包帯でおめかしをしたテディベアはロキシアの武器でもあるSeptentrionである。
「お、お化け……?」
 影から現れたロキシアに、兄弟は完全に固まっていた。
 そんな二人を見つめながら、ロキシアは笑みを深めてぺろり、と軽く舌舐りをしてから囁く。
「ふふ、きみたちの血は、どんな味がするのかなあ……?」
「う、うわあああっ――!!」
 兄弟は悲鳴を上げながら一目散に診察室から飛び出して、ばたばたと廊下を駆けていく。
「あ、出口はそこを真っすぐ行った先だよ。もう迷い込まないようにね~!」
 彼らが今宵感じた恐怖や驚きは、間違いなく地獄変の新たなエネルギーとなったことだろう。
(「さーて、あちらは上手く行ってるかな……?」)
 二人を見送ったロキシアは、マシロが身を潜めている病室へと向かう。
「おや、次のひとでしょうか――」
 一方、足音に気づいたマシロはというと、意気揚々と仕掛けた罠を発動させて――。
「うわあマシロさん、僕です僕!」
 天井から一斉にぶらんと垂れ下がった蜘蛛のぬいぐるみ群に危うく蝋燭を落としかけつつ声を上げたロキシアに、マシロははわっ!とすぐにぬいぐるみを操る手を止めた。
「び、びっくりしましたよ……! 驚かすのすごく上手でしたよ、マシロさん!」
「あ、ロキシアさんでしたか……! つ、つい、ごめんなさい~~!」
 慌てて謝りながらも、マシロはでも、とどこか嬉しげに笑みを綻ばせて。
「そう言ってもらえて、嬉しいです~……」
 どこか照れた様子で言うマシロの、とても楽しそうな笑顔に――ロキシアも満足気に頷き、それから入り口の扉が開く気配に振り返る。
「どうやら次のお客さんが来たみたいですよ。――また頑張りましょうね、マシロさん!」
 そう言って、ロキシアは悪戯な笑みをにっこりと深めて、マシロも笑みを輝かせながら大きく頷いた。
「ふふ、悪戯してるみたいでちょっと楽しくなってきました。ええ、頑張りましょうっ!」
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【影忍び】LV1が発生!
【罪縛りの鎖】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV2が発生!

百鬼・運命
【ヨアケ】で参加

🔳心情
さて病院でお化け屋敷をやろうとはまた大規模だな
だがそれだけに仕掛けを作る側としては腕がなる
旅団の皆と楽しみつつ、一般人もあっと驚かせて楽しませよう

🔳行動
さて借り受けた病院にヨアケの皆で仕掛けを施していこう

まずは怖がらせる為にも外観をお化けが出そうなぼろい感じにしつつ、通路の一部を封鎖して順路を設置
他にも梟の鳴き声を流したり、冷気の支配者で病院の気温を少し下げてより怖がらせるように
また参加者が休めるように、出入り口に休憩所や救護室もあった方がいいかな?

さて病院の準備はこのくらい
後は驚かす準備だけど、今回はなかなか使用機会のない【影忍び】を試してみよう
コスプレイヤーのアオイさんの力を借りてお化けに変装
病院入り口で「ようこそヨアケ病院へ」へと参加者を出迎え
中に人々が入ったのを見届けたら、にやりと笑ってその影に【影忍び】だ

あとは要所要所でお化けの如く姿を現しては消えるを繰り返して人々を驚かせつつ、危ない時やルートをそれそうなときにはフォローをしていこう


メルキディア・セデクリエル
【ヨアケ】で参加
アドリブ・連携大歓迎

病院でお化け屋敷…シチュエーションではよくあるけど仕掛ける側になるのはめったいないからね
楽しませてもらうわよ

ヨアケの皆と一緒に仕掛けの準備に入ります
外観などの装飾関係は運命さんと一緒に手を加えて……あ、もしギブアップする人の為の非常口は確保した方がいいかしら?

ステージ準備ができたらどんな役をしようかなと…ふと天使の像が思い浮かび閃いたわ
ナース服の服を着た天使の像をやりましょう!

行きと帰りの道の横にそびえたつ天使の像に成りすましてじっとしています
行きの時はじっと見つめて近づいたところに手を振って軽く脅かしたり。
帰りの時は【避難勧告】のサイレンを出して脱出をせかすようなシチュエーションを出しつつ慌て過ぎて危なそうな人はそっとフォローして出口を指さしたりします
脅かし役と言うより案内役兼任と言った感じになるかな?


緋詠・琥兎
【ヨアケ】
本格的な舞台でお化け屋敷をするのは滅多にない体験だな
しかも場所が病院か
お化けのモチーフのバリエーションが豊富そうだ

適度に一般人を楽しませられるよう、頑張ろうか

ステージ内に【操作会得】で動かせる小道具を順路上に散りばめておき
自分は完全に裏方の方に回って【完全視界】で客の様子を見つつ
適度におもちゃのナイフ(手術用メス相当)や白骨模型といった人形の類などの小道具を【操作会得】で動かし、驚かそう

コースの途中で長時間動けなかったり
体調に変化があるなどの客を【完全視界】で見つけたら
近場にヨアケの誰かが居たら【パラドクス通信】で連絡
近場にいなければ、自分が順路の裏側から出てきて途中離脱用の出口に誘導しよう

燈杜美はアオイ嬢の用意してくれたお化けの衣装でお客さんを驚かそうか
自分が【完全視界】を使ってタイミングよく指示できるように
燈杜美には自分と通信ができるインカム(目立たないタイプ)を身に着けてもらおう

休憩所や救護室には
リラックス効果のあるハーブティーなどを用意しておこうか


アドリブ
絡み歓迎


桜・姫恋
アドリブ・連携歓迎
【ヨアケ】で参加

ホラーは苦手だけど仕掛ける側なら楽しみね。

さて、病院と言うことだし少し病院ぽい要素のお化け屋敷にはしたいところよね。

【冷気の支配者】である程度気温は下げて寒さと不気味さを演出しておく。
通路や壁に所々血糊でも塗って血を演出したりホラーっぽい声「タ……スケ……テェ」等の声を録音したものを仕掛けて流しておこうかしら?

もちろん途中で離脱できるように離脱用の出口とかも用意しておくわ

さて、準備がある程度できたら私も着替えないとね……
色々と考えたけど病院だし病衣着た上で少し青白く見えるようにメイクを施した患者ゾンビとして病室のベッドにでも寝てようかしらね

人が近づいてきたら「ウゥゥ……」って感じで起き上がって驚かせていくわよ

驚いて逃げていく人を軽く追いかけて追い打ちをかけつつ驚かしていこうかなと

怖すぎて泣いたりとか腰抜かしちゃった人とかがもしいればきちんと出口まで送り届けてあげましょうかね


アオイ・ダイアログ
【ヨアケ】から!
アドリブ歓迎

なるほど、肝試しですね!
正直試される側は嫌ですが仕掛けるのは楽しそうです🎵
コスプレイヤーとして凝った衣装を用意したいですね!
ヨアケのパフォーマンス力を見せつけてあげましょー🎵

【植物活性】で外観や廊下に蔦を生やしたりして廃墟感を増してみます
あと皆さんにちょっとボロくしたナース服やお化けとかのコスプレ衣装を用意しますよ!
後は目立たないようにしつつ途中で棄権する為の出口も複数用意しときましょう

私はボロいナース服を着て血糊っぽいの付けつつ順路にある部屋辺りに後ろ向きで椅子に座って
「あらぁ…急患、ですかぁ?」
とか演技で声を作りつつ注射器のおもちゃに色水入れたのを持ってよたよた近づいて驚かせましょうかね
部屋は当然薄暗いですよ!

怖くて動けなくなっちゃったお客さんは演技をやめて助けてあげつついくつか用意した途中離脱用の出口に誘導しますよ
状況次第では【士気高揚】でメンタルケアです
チョコミントアイス食べます?

やー、皆さん気合入ってますね!
絶対楽しんでもらいましょう🎵


「病院でお化け屋敷をやろうとはまた大規模だが……仕掛けを作る側としては腕が鳴るな」
 常の落ち着いた調子で紡ぐ百鬼・運命(ヨアケの魔法使い・g03078)だが、その声音は常よりもほんの少し弾んでいた。
「病院でお化け屋敷……なんてシチュエーションではよくあるけど、仕掛ける側になるのは滅多にないからね」
 楽しませてもらうわよ、とメルキディア・セデクリエル(閃機術士のエンジェリアン・g03132)も気合い十分だ。
「本格的な舞台でお化け屋敷をするのは、滅多にない体験だな」
 緋詠・琥兎(その身に潜むは破滅か。それとも朧げな標か・g00542)もまた大きく頷く。オラトリオの燈杜美もいつになくわくわくしているようで、あどけない笑みを綻ばせていた。
「しかも場所が病院とは……お化けのモチーフのバリエーションが豊富そうだ。適度に一般人を楽しませられるよう、頑張ろうか」
「なるほど、肝試しですね! 正直試される側は嫌ですが仕掛けるのは楽しそうです♪」
「ええ、ホラーは苦手だけど仕掛ける側なら楽しみね」
 アオイ・ダイアログ(響き合う言霊の繰り手・g02687)が声を弾ませるのに、桜・姫恋(苺姫・g03043)が応じる。
 肝試しは去年もやったが、やはり怖いものはそう簡単に克服できるようなものではない。
 それでも、馴染みの旅団の面々と一緒ならば――苦手な気持ちも紛れるというものだし、それ以上の楽しさがあることを姫恋はよく知っている。
「病院ということだし……少し病院ぽい要素のお化け屋敷にはしたいところよね」
 折角ならば、一般人を驚かせて楽しませるだけでなく、自分たちも楽しみたいもの。
 そして、一行は顔を突き合わせてどのような仕掛けや外観にするかなどを話し合い――。
「やー、皆さんとっても気合い入ってますね! ヨアケのパフォーマンス力を見せつけて、絶対楽しんでもらいましょう♪」
 あらかた纏まったところでアオイがそう言いながら高く拳を掲げるのに、仲間たちもみな「おー!」と元気良く応じる。
 運命とメルキディアはまず病院の外観をいかにもお化けが出そうな廃病院のような感じにしつつ(もちろん終わった後の現状回帰はちゃんと忘れていない)、通路の一部を封鎖することで迷わないように順路を設置していく。
 アオイの提案により、外観や廊下には【植物活性】で育てた蔦などの植物を生い茂らせて、廃墟感もましましだ。
 よりホラーな感じを演出すべく、壁には破れかけたポスターを貼ったり、赤いペンキで血のような跡を散らしたりもしておく。
「……あ、もしギブアップする人の為の非常口は確保した方がいいかしら?」
 メルキディアがふと零した言葉に、運命は確かにと頷いた。
「そうだな、地獄変のエネルギーのためとはいえ、無理をさせたいわけではないからな」
 空き病室を整えて、参加者が休めるように休憩所や救護室を用意するのも忘れない。
「リラックス効果のあるハーブティーなどを用意しておこうか」
「あ、じゃあチョコミントアイスも置いておきますねー♪」
 琥兎の提案にアオイが乗っかり、飲み物とアイスの準備も万端である。
「――さて、今日はコスプレイヤーとして、皆さんのために凝った衣装を用意してますよ!」
 きらきら輝く笑顔で言いながら、アオイは最後に【アイテムポケット】から継ぎ接ぎのナース服やお化けなどのコスプレ衣装をたくさん取り出した。

「――ようこそ、ヨアケ病院へ」
 入り口で参加者を出迎えるのは、アオイが用意した衣装でお化けに変装した運命だ。
「わー、オバケさんだ! こんばんは!」
 きゃっきゃと無邪気にはしゃぎながらお化け屋敷ならぬお化け病院へ繰り出していく最初の挑戦者は、小中学生くらいの子どもたちのグループだ。
 待ち受ける数々の恐怖をまだ知らない彼らの背を見送った運命はにやりと不敵な笑みを浮かべながら、【影忍び】を用いて彼らの影に潜り込む。
 病院内は【冷気の支配者】によるひんやりとした空気が漂っていて、より一層の不気味さを醸し出していた。
「すごーい……本当に病院がお化け屋敷になってる……」
 電気がなく闇に包まれた病院内を、子どもたちは懐中電灯のささやかな灯りだけを頼りに進んでいく。
 しんと静まり返ったリノリウムの廊下に、こつり、こつりと、子どもたちの足音ばかりがやけに大きく響き渡る。
 そんな中、時折聴こえてくるのは梟の鳴き声や、正体のわからない金属音、そして――。
「タ……スケ……テェ……」
「ひいっ!」
 勿論これはいずれも録音された音声で、用意したのは運命と姫恋なのだが、抑揚を変えながら不規則に何度も繰り返されるそれは確かな恐怖を子どもたちの心に刻んでいた。

 ――順路通りに進んだ子どもたちが最初に辿り着いたのは、手術室であった。
 暗闇の中、手術中と記された扉の上の表示灯が、ちかちかと不規則に明滅を繰り返している。
 やがて、ふつりと明かりが消え――鈍い音を響かせながら、扉が開かれる。
 薄暗い部屋の中にある手術台には誰かが横たわっているような膨らみがあり、その上に真っ白な布がかけられていた。
「ど、どうする……?」
「やだ、あれ絶対お化けだよ……」
 そうと確信しながら、それでも彼らは勇気を振り絞り、手術台へと近づいてくる。
 ――ならば、仕掛ける側としてもその心意気には大いに応えなければなるまい。
 お約束通りがばっ!と手術台の上で勢いよく何かが起き上がり、被されていた布を取り払う。
「ほらーーー!!!」
「おばけーーー!!!」
 それは裏方よろしく完全に身を隠した琥兎が準備していた骨格標本であり、よく見ると人形遣いが使うような強靭な繰糸が琥兎の指と繋がっているのだが、無論、子どもたちに見えるはずもない。
 同時に天井から吊り下げられた、手術用のメスに見せかけたおもちゃのナイフたちが賑やかに動き出し、そして――。
 がしゃん!と盛大な音を立てて、そのまま手術台から降りようとした骨格標本がバランスを崩して派手に転げ落ちた。
「うわーーー!!!」
(「さすがに本職のようにはいかないか……」)
 想定していた動きとはちょっぴり違ったのか、琥兎は絡まる糸を引きながら胸中で独りごちるが、それでも子どもたちを驚かせる演出としては十分。
「に、逃げろーーー!!!」
 床の上で全身を軋ませながらカクカク動く骨格標本は、生きた子どもたちという獲物を前に起き上がろうともがいているように見えたのだろう。子どもたちは急いで手術室から逃げようと我先にと踵を返した。が――。
「……燈杜美、今だ」
 皆と同じくアオイが用意した衣装でお化けに変身した燈杜美は目立たない場所につけたインカム越しに聞こえた琥兎の声にこくりと頷き、隠れていた場所からふわりと子どもたちの前に姿を見せた。
 ばあ、と両手をそっと上げる仕草は何とも愛らしい。だが残念ながら子どもたちにしてみればそれどころではない。
「もう無理ーーー!!!」
 さらにびっくりを重ねた子どもたちは今度こそ、全力で手術室から逃げていく。
「よくやった、燈杜美」
 先鋒としては大成功だ。もしも何か不測の事態が起こるようなら脱出口へ誘導するつもりでいたが、あれだけの元気があれば、途中で倒れたりする心配はなさそうだ。
 そうして子どもたちを見送った琥兎は燈杜美を優しく撫でて労いつつ、次なる挑戦者を静かに待ち受ける。

「見て、あの部屋……明かりがついてる……」
 手術室から無事に逃れた子どもたちは、暗闇の中、ちかちかと順路を示す明かりに導かれるまま次なる部屋へ訪れていた。
「だ、誰かいますか……?」
 そっと覗き込めば、どうやらそこは診察室のようで。そこには扉に背を向ける形で、“誰か”が座っていた。
「わ、……な、ナース……さん?」
「あらぁ……急患、ですかぁ?」
 呼ぶ声にくるりと、常と違う声色で振り返ったのは――血(糊)で染まったぼろぼろのナース服に身を包み、腕や頭に汚れて擦り切れた包帯を巻いたアオイであった。
 アオイはがたん!とわざと大きな音を立てて椅子を転がしながら立ち上がり、ビビットなミントカラーの液体が入った注射器を手に、サバイバルホラー的なゲームのゾンビよろしくゆらゆらと覚束ない足取りで子どもたちのほうへ歩み寄る。
 注射器は勿論おもちゃだし、中に入っている液体はただ色を付けただけの水なのだが(ちなみにほんのりミントの香りがする)、当然子どもたちに見抜けるはずもなく――。
「チョコミントアイス……食べます?」
 にっこりと青白い――気合いを入れて施したメイクの顔で笑いながら、アオイはかくん、と首を傾げる。
「ひいっ……」
「あ、後で食べますーーー!!!」
 言うなり脱兎の如く逃げていく子どもたちの背に、アオイは呼びかけた。
「入り口近くの休憩室にありますから、お好きなだけ召し上がってくださいねー♪」

 一方、こちらはとある病室。
 患者が着る病衣に着替え、のっぺりとした青白いメイクを施した姫恋が演じるのは、アオイ同様ゾンビになってしまった患者だ。
(「少し気合い入れすぎたかも? でもこれくらいでちょうどいいわよね、多分」)
 奥のベッドに横になり、子どもたちがやって来るのを待つ姫恋。
 静寂と暗闇に沈む室内に、ひとりきり。【パラドクス通信】で離れていても連絡自体はいつだって取れるとはいえ、いつだって色んな仲間たちに囲まれている姫恋はふと、この僅かな時間に幾許かの寂しさを感じた――ような気がした。
 そんな姫恋の心のささやかなゆらぎを感じ取ったかのように、ぱたぱたと近づいてくるいくつもの足音。
「ここは……病室?」
 並ぶベッドは四つ。
 開いた窓から入ってくる夜風が、ふわりと手招くようにカーテンを揺らす。
「……っ」
 一瞬息を呑んでから、それでも子どもたちは意を決したように、懐中電灯で中を照らしつつ室内へそろりと入ってきた。
(「ふふ、来たわね」)
 口元に微かな笑みを浮かべてから、姫恋は息を吸い込んだ。
「ウゥ、ゥ……」
 普段の彼女のそれとは違う、低い呻き声。
「だ、誰かいる……!」
 すぐに気づいた子どもが、懐中電灯で姫恋を照らし――。
 同時に姫恋はがばっと起き上がると、凡そ仲間たちには見せられないような迫真の怖い顔を子どもたちへと向けた。
「ア、ア……、ア゛ァァァッ――!!」
「ぎゃーーー!!!」
 一目散に逃げていく子どもたち。だが、大人しく逃がすつもりは姫恋には毛頭ない。
「ア゛、ア゛、ウヴ……アァァッ!!」
「ごめんなさいーーー!!!」
 全速力で走っていった子どもたちが角を曲がったところまで追いかけて、姫恋は足を止めるとふう、と息をつく。
「……怖がらせすぎちゃったかしら?」

「も、もうゾンビさん、追ってこない……?」
 何とかゾンビ(姫恋)をやり過ごした子どもたちは、いよいよお化け病院の終盤に差し掛かっていた。
 ――だが、彼らの受難はまだ終わらなかった。
「……あれ?」
 不意に冷たい風が吹き抜けて、子どもの一人が何気なく足元を見やる。
「ね、ねえ……」
 おそるおそる懐中電灯で照らしてみると、廊下に伸びる影が明らかに膨らみ始めていた。
「えっ……?」
「ククク……ようやく気づいたか……」
 ――それは、子どもたちが探索を始めてからずっと、彼らのうちの一人の影に【影忍び】を用いて身を潜めていた運命であった。
 意地悪な笑みを浮かべながら、運命はトレードマークでもある丸眼鏡の縁をくいっと持ち上げ――告げる。
「さあ、お前たちも我々の仲間に――」
「逃げろーーー!!!」
「……む」
 運命の口上を最後まで聞くことなく、子どもたちは出口を目指して走っていった。

 いくつかの階段を上り、下りて、子どもたちはようやく一階まで戻ってきていた。
「待って、誰かいる……!」
 廊下の端に、佇む人影。
 それは準備の時にどんな役をしようかと考えた末、天啓を受けたメルキディアが扮する、ナース服を着た天使――の像であった。
 微動だにしない、石膏のように全身が真っ白なナース天使の元へ、子どもたちは恐る恐る歩み寄る。
「この天使の像、看護師さんのおようふく着てるね」
「……まって、こっち見てる……!」
 じっ――と子どもたちを見つめるメルキディア。
 子どもたちはそろそろと、目を離さないようにしながらメルキディアの前を通り過ぎ――ようとして。
「……わああ、動いた!」
 にっこりと笑って軽く手を振ってみれば、これまでに多くの恐怖を味わってきた子どもたちにしてみれば、それだけでも怖いもの。
 慌てて逃げ出そうとする子どもたちへ、メルキディアは出口の案内板を手に、そっと出口の方向を指し示す。
「あれ……?」
 子どもたちは一瞬、違う意味で驚いてから、にっこりと笑顔を見せて駆けていった。
 今宵のメルキディアはさしずめ、脅かし役というよりも案内役だ。
 こうしてメルキディアに導かれ――子どもたちは飲み物とチョコミントアイスも貰いつつ、無事に病院からの脱出を果たしたのであった。
 彼らのこの経験はきっと、ひと夏の忘れられない経験となったことだろう。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【影忍び】がLV2になった!
【避難勧告】LV1が発生!
【操作会得】LV1が発生!
【冷気の支配者】LV1が発生!
【植物活性】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV4になった!
【先行率アップ】LV1が発生!

天無・衣縫
◆心情
へー!お化け屋敷やるの?
前から一度お化け役やってみたかったのよねー!
なら気合い入れてやってみせるわ!

◆担当
大病院で演る人いるのかなぁ
いるならちょっと一スペースを任せて欲しいのよね

私が演じるのは「死んだ患者の世話をし続けている看護婦」のお化け
ゾンビ的な感じにメイクして、血糊べったりの制服を着て
車椅子を押しながらお客様を追い掛け回しましょう

◆開業!
よーーーし!おどかすわよ!!
インカムとか借りられたら他のスタッフと連絡取りつつ待機
お客様がやって来るまではゆっくり車椅子を押してましょう
お客様を見つけたら、掠れた低い声で

「ああ……ダメじゃないですか……病室から抜け出したら……」

と近づきましょう
一定距離離れられたら発狂したような甲高い声で
「駄目ですよ!!さあ!!部屋に戻って!!」
と叫んで追い掛け回すわ
いいわねー!お化けにビビる新鮮な悲鳴!お化け役冥利に尽きるわー!!

でももしマナー違反なお客様なら……
【混水摸魚】でちょっとお仕置きを
攻撃はしないけどビビらせ演出くらいはしても……いいよね?


 ――それから、時は少し遡って。

「わー、結構イケてるんじゃない?」
 外観も内装も蔦で覆われた大病院の一角、鏡の前で身支度を整えた天無・衣縫(虚声・g09323)は、満足げな笑みを浮かべてうん、とひとつ頷く。
 地獄変へのエネルギーチャージのために、ディアボロスの総力を上げて開催されることとなった納涼妖怪イベント。
 お化け屋敷ならぬお化け病院をやると聞いて居ても立ってもいられなくなった衣縫は、大病院でお化け屋敷を演るという旅団の企画に乗って、スペースのひとつを借り受けることとなった。
 前から一度お化け役をやってみたかったと意気込む衣縫が演じるのは、“死んだ患者の世話をし続けている看護婦”だ。
 肌はゾンビのように全体的に青白くくすませ、べったりと血糊で染めた制服を着て、さらに包帯なんかも巻いてみたりして。
(「よーーーし! おどかすわよ!!」)
 同じ病院にいる同胞からの連絡を【パラドクス通信】で受け取った衣縫は、診察室と病室を繫ぐ廊下の一角で錆びた車椅子を押しながら客である子どもたちがやって来るのを待ち受ける。
 ――すると。
 程なくして、曲がり角の向こうから懐中電灯の光が伸びて、足音と話し声が近づいてきた。
「骸骨さんとナースさん、怖かったねー」
「出口まではまだあるんだよね……うう、行きたくないよう……」
(「来たわね……!!」)
 呼吸をひとつ、衣縫は“お化け”モードにスイッチを切り替えて。
 ギィ、とこれみよがしに大きな音を立てて車椅子を押せば、角を曲がってきた子どもたちが一斉に息を呑むのがわかった。
「あ……」
 懐中電灯の細い光だけを頼りに進んできた彼らにとって、闇の中に浮かび上がった衣縫の姿は恐怖を呼び起こすもの以外の何物でもなかったことだろう。
「ああ……ダメじゃないですか……病室から抜け出したら……」
 掠れた低い声でそう言いながら、衣縫は車椅子を押してゆっくりと子どもたちとの距離を詰める。
 子どもたちは互いに顔を見合わせ、うん、と頷いてから――駆け足で衣縫の脇を抜けていく。
 そう、このお化け病院は一方通行。後戻りは出来ないから、先に進むしかないのだ。
 ――無論、そう簡単に進ませるつもりは衣縫には毛頭ない。
 少し離れたところで衣縫は車椅子ごと振り返り、勢いよく地を蹴った。
「――駄目ですよ!! さあ!! 部屋に戻って!!」
 発狂したような甲高い声が、廊下に響き渡る。
「いやーーー!!」
「きゃーーー!!」
「さあ!! 病室はこちらですよ!!」
 子どもたちの悲鳴が重なる中、衣縫は迫真の(誰にも見せられないような)表情で彼らを追いかけていく。
「やだあああああ!!!」
 勿論、相手が子どもであろうと容赦はしない。
(「いいわねー! お化けにビビる新鮮な悲鳴! お化け役冥利に尽きるわー!!」)
 全力で逃げる子どもたちを廊下の先まで追いかけたところで、衣縫の仕事は完了だ。
 子どもたちは次なる部屋へと進み、そして更なる恐怖を味わうことになるだろう。
「あー楽し! ……ちょっと癖になっちゃいそうだわ、これ」
 満足気に息をつき、衣縫はギィギィと軋む車椅子を押しながら、次の客をそわそわと待ち受けるのだった――。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【現の夢】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!

咲樂・祇伐
🌸樂祇

華やかな真心とに溢れた横丁はどこか懐かしい

桜猫又の浴衣を纏い見渡して─ひゃあ!?
お、お兄様、何をっ!
抱きしめられてアタフタ
べ、別に妖が怖い訳では無いからね!
こんなにも心臓がばくばくなのにあなたはからから笑っているから
…にくらしい烏天狗だわ

花道とはその通りね
提灯の灯りは皆の心の、希望の灯のよう
あちこち屋台に顔をだし買ってもらった青鬼のブルーベリースムージーで喉を潤す
ふと見上げた先、楽しげに笑うあなたの姿が─とてもうつくしく目が合って慌てて誤魔化す
た、ただお兄様の赤鬼のストロベリーソーダが美味しそうだったから
じゃあ一口ずつ交換こ

しゅわりと弾ける炭酸と甘酸っぱい苺の味が広がって
熱せられた心を冷ま──何を笑って?
か、かんせっ

もう!ばか!
ぽかぽかパンチは照れ隠し
嬉しかったなんて絶対言わない!

むう…大盛りにしてくれたら許してあげる
ツンと拗ねてしまう
何て自分は可愛くないと嫌になる

そうね
優しい想いと感謝に溢れた素敵な催しね
私達の守る世界はとても美しい
重なる心は同じ
共に過ごす時がとても幸せ
お揃いね


咲樂・神樂
⚰️樂祇

妖怪横丁、言葉だけでワクワクしちゃうわね!
怖がり祇伐をちらりとみやり、かぁいらしい桜猫又の仮装した愛しい子を抱きしめる
大丈夫よう、あたしがついてるんだから!
…照れる姿もかぁいらし
ふふふ、よく分かったわね!あたしは烏天狗の仮装なの!

さて、行こうか
妖しの提灯が照らす屋台の道は宛ら花道のようだと思わない?
赤鬼のストロベリーソーダを片手に辺りを見渡せば
まるで異界の宴のようで実に楽しく──ふと視線に気がついた
祇伐の青鬼のブルーベリースムージーを一口くれたら、あたしのもわけてあげる!

……
………ふふ

何を笑ってるか、って……ほら、これって──間接キスって、やつでしょう?

赤鬼ソーダより赤くなったかぁいい子!
ぽかぽか猫パンチも実にこそばゆい!
よいよい!なんて機嫌よくからから笑ってしまう

次は座敷わらしのあんみつを食べようか
それで機嫌をなおして頂戴

…あたたかいお祭りね、祇伐
守っている存在にこそ守られているのかも
今までの私が識り得なかったこと
こんな日々をあなたと過ごすこんな日々をずっと…一緒に
まもりたいな


 不思議な模様が描かれた提灯と蝋燭のどこか妖しくも幻想的な灯りが揺れる、妖怪横丁。
 夜の訪れと共により一層の賑わいを増した世界は華やかな彩りと人々の真心に満ち溢れていて、どこか懐かしさすら覚えながら、咲樂・祇伐(花祇ノ櫻禍・g00791)は軽やかに下駄の音を響かせ歩む。
 ――けれど、弾む足音とは裏腹に。
 目の前に広がる光景は、どこかこの世ならざるものであるような気もして。
 ちら、と桜咲く柘榴の眸を傍らへと馳せれば、楽しげに輝く逢魔が時の空の双眸と重なった。
「……どうしたの、かぁいらしくてちょっぴり怖がりな桜猫又さん?」
 ぱっと大輪の花咲くような満面の笑みで、咲樂・神樂(離一匁・g03059)は桜猫又が楽しげに遊ぶ浴衣を纏う嫋やかな身体を腕の中に隠すように抱き締める。
「――ひゃあ!? お、お兄様、何をっ……!」
 幸か不幸か薄暗がりで人目につかないとはいえ、このような場所でいきなり抱き締められるなど想像だにしていない。
 白い肌を仄かに染めながらあたふたと慌てる祇伐に、神樂はいっそう笑みを深めて――。
「大丈夫よう、あたしがついてるんだから!」
 回した腕に僅かに力を籠めながらしれっとそう続ければ、祇伐の柳眉がきゅっと吊り上がる。
「べ、別に妖が怖いわけではないからね!」
「……照れる姿もかぁいらし」
 とはいえこれ以上祇伐に機嫌を損ねられても困るから、神樂は名残惜しい気持ちを胸の奥に仕舞い込みながら腕を解いた。
「……にくらしい烏天狗だわ」
 だって、こんなにも心臓の鼓動が跳ねて仕方がないというのに。
 ――あなたはからからと、笑っているから。
 ほんの少しばかり拗ねた響きを帯びた声――それもまた“かぁいらしい”と思ったことは胸に秘めて。
 神樂は身に纏う山伏の装束の広袖をひらりと翻しながら、快活に笑ってみせた。
「ふふふ、よく分かったわね! そう、今宵のあたしは烏天狗なの!」
 それから、神樂は祇伐へ恭しく手を差し伸べて、言った。
「――さて、行こうか」

 闇の中に揺らめく灯りは、まるで異界へと誘う導のよう。
 座敷わらしや狐の面を被った子どもたちが楽しげに駆けていく中、軒を連ねる屋台の人々もみな思い思いの妖怪に扮して、訪れる人々をもてなしている。その光景はまるで異界の宴のようで――。
「妖怪横丁って、言葉だけでワクワクしちゃうわね! ……妖しの提灯が照らす屋台の道は、宛ら花道のようだと思わない?」
 視線を巡らせながら楽しげに紡ぐ神樂の手には、赤鬼のストロベリーソーダ。祇伐も買ってもらった青鬼のブルーベリースムージーで喉を潤しながらこくりと頷く。
「ええ、花道とはその通りね。提灯の灯りは皆の心の、希望の灯のようで――」
 そうして何気なく傍らを見上げれば、楽しそうに笑う神樂の――仄かな灯りに照らされた横顔が、とてもうつくしくて。
 まるで、時間が止まってしまったような気がした。
「……っ、」
 吸い込まれたように縫い留められて、息を呑む間もなく重なった視線。
「……祇伐、どうしたの?」
 人々の賑やかな笑い声に紛れることなく届く唯一の音にはたと瞬いた祇伐は、慌てて誤魔化すように小さく首を横に振った。
「い、いえ、……お兄様の、赤鬼のソーダが美味しそうだったから」
「あら、そうなの? じゃあ祇伐の青鬼のスムージーを一口くれたら、あたしのもわけてあげる!」
 そう言って笑う彼は、いつもの兄だったから。
 祇伐はどこかほっとしたような心地を抱きつつ微笑んで、そっと赤鬼のソーダを差し出した。
「じゃあ、一口ずつ交換こ」
 そうして神樂から受け取った赤鬼のストロベリーソーダを口に含めば、忽ちの内にしゅわりと弾ける炭酸と甘酸っぱい苺の味が広がって、不意打ちで熱せられた心を冷ましてくれるよう。
「……、……ふふ」
 それを見た神樂が、ふと笑みを零す。
「――お兄様、何を笑って?」
「祇伐、気づかない? ほら、これって──」
 きょとんと小さく首を傾げる祇伐に悪戯めいた眼差しを向けながら、彼女が持つ赤鬼のソーダを示して神樂は続けた。
「間接キスって、やつでしょう?」
 そうして、今度こそ――一瞬ではあるけれど、時が止まる。
「……、……か、かんせっ……、――もう! お兄様のばか! いじわる!」
 りんご飴みたいに真っ赤に染め上げて、祇伐は頬を小さく膨らませながらぽかぽかと神樂を叩く。
 実にこそばゆいその猫パンチを、神樂はからからと機嫌よく笑いながら甘んじて受け入れた。
 神樂からすれば祇伐は何をしたって可愛いのは言うまでもないけれど、怒っている姿さえも可愛いのだから仕方がない。
「赤鬼ソーダより赤くなったかぁいい子! よいよい!」
 もちろん祇伐だって本当に怒っているわけではなくて、言ってしまえば照れ隠しなのだが、きっと神樂にはお見通しだろう。
 ――でも。
(「嬉しかった、なんて……絶対言わないんだから!」)
 そんなことを言おうものなら神樂が喜ぶのはわかりきっているから。
 だから今思ったことは祇伐の胸の裡にそっと仕舞い込んで、代わりに――というわけでもないのだけれど、ちょっぴり恨めしげに、睨むように見つめれば、ひとしきり笑った神樂がふと小さく息をつく。
「……次は座敷わらしのあんみつを食べようか。それで、機嫌をなおして頂戴」
 優しい響きを帯びた神樂の声に、祇伐は小さく頬を膨らませたまま、幼子のようにつんと拗ねた様子で答えた。
「……大盛りにしてくれたら許してあげる」
 彼の前では本当はいつだって笑っていたいのに、どうしてこんなに可愛くない態度を取ってしまうのだろう。
 そんな自分が、祇伐は嫌になるばかりだけれど――。
 神樂は何事もなかったように笑みを深めて、祇伐の手を優しく握って歩き出した。
 きっと、祇伐はまだ知らないだろう。
 神樂にしてみれば祇伐はどんな姿でも可愛いし、幼子のように拗ねるその姿だって言うまでもなく“かぁいい”ものなのだということを。
「……あたたかいお祭りね、祇伐」
 笑い声を響かせながら行き交う人々を、通りに軒を連ねる様々な屋台を。
 慈しむように見つめながら、神樂はふと零す。
「……そうね。優しい想いと感謝に溢れた、素敵な催しね」
 人々の想い――願いと祈りが籠められた、今宵の祭り。
 復讐者として、人々を守るために戦っている日々ではあるけれど。
 守っている存在にこそ、守られているのかもしれない、なんて――。
(「……今までの私が、識り得なかったこと」)
 だからこそ、神樂は想うのだ。
「――こんな日々を。あなたと過ごすこんな日々をずっと……一緒に、まもりたいな」
 紡がれた願いに、祇伐は小さく頷いた。
 この美しい世界で共に過ごす、ありふれた――さいわいに満ちた日々を。
 守りたいと、重なる心は同じ。
「私も、同じ気持ちよ。……お揃いね」
 そう言って花咲くように笑みを綻ばせる祇伐を見つめ、神樂もまた、笑みを深める。
(「――いいえ、」)
 守り、護ってみせる。
 何故なら自分はそのために、ここにいるのだから。
 
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海・ほろぶ
【ほろーど】

濃紺地に格子柄の浴衣へ、きつねのお面も付けて
射的の屋台を準備して、楽しんでもらおう
オードが用意してくれたカセットテープのケースに、厚紙に描いた妖怪の絵を貼って
これが的です
上手く当てたら、それぞれのケースに対応したカセットが貰えるよ
そっちのきつねさんの特選だよ、と同じくきつねのお面のオードを示し

絵を用意する時に一応あれこれ調べたんだけど、妖怪も色々いるもんだね
幽霊に猫又、河童、唐傘、赤い鬼に青い鬼
ついでにその辺の提灯に目でも描いちゃえばよかったかな
オードはカセットにどういう曲入れたの?
説明を興味深く聞き、変わった曲もまた色々あるんだなあと思う
景品にする前に聴かせてもらっとくんだった!
次にこらぼする時には私にも聴かせてね、なんて
作ったものをどう思ったか感想もらえるような感覚
音楽の分野だとなんていうんだっけ アンサーソング?

お、提灯売ってるんだ
それじゃあ後でぜひ。折角なら、休むついでに他のものも見て回ろ
祭りの夜の間にやりたいことをどんどん積んで
楽しみだね、と自然と口からこぼれた


オード・レヴニ
【ほろーど】

鶯色の格子柄の浴衣に、狐のお面付けて
射的の屋台を空間ハックで飾り付け、人魂達で賑やかに
よってらっしゃいみてらっしゃい
ちみもうりょーの射的だよー

ほろぶの説明が終わったら
お客さんに射的の銃を渡して撃ち方を教えるね
ちびっこには弾一発おまけしちゃう
好きな妖怪を、よく狙って撃ってね
貼ってある絵は、あっちのきつねさんが描いたんだよ
うん、上手なんだ。ふふん

妖怪、種類たくさんだね
曲はほろぶの絵に合わせて入れてみたよ
猫又のには猫の鳴き声をサンプリングしたEDM
河童のには河童伝説のある地方の盆踊りの曲
へんてこな曲が多いけど、聞いた時にクスっとしてもらえたらいいかなって
ほろぶの絵と、わたしの好きな音楽と。こらぼみたいで嬉しい
ほろぶの作品、いっぱい見たいから。いくらでもアンサーしちゃう
こういうの、何ていうんだっけ。ぱとろん?

あ、じゃあ後でちょっと屋台休んで、提灯買いに行こうよ
あっちで売ってるのを見かけたよ
お祭りの夜はまだまだこれから、目一杯楽しもう
ほろぶから溢れた素直な言葉に、うん、と口元綻ばせ


 宵闇に揺れる、いくつもの提灯。
 夏の宵が深まる頃、妖怪横丁の賑わいはより一層の盛り上がりを見せていた。
「よってらっしゃいみてらっしゃい。ちみもうりょーの射的だよー」
 通りの一角で一際異彩を放つのは、提灯の妖しげな灯りに照らされて浮かび上がる射的の屋台。
 鶯色の格子柄の浴衣に狐のお面をつけたオード・レヴニ(頌歌・g01759)の呼ぶ声に、人々は吸い寄せられたかのように足を止める。
「ちみもうりょー、おばけさん?」
 猫又や座敷童子に扮した子どもは不思議そうに、屋台の周りを飛び回る人魂や可愛らしいお化けを目で追いかける。ホログラムよりもリアルなそれらは、オードが空間をハッキングして生み出したものだ。ワールドハッカーたる彼女の力があれば、現実世界を描き換えることなど造作もない。
 子どもたちの問う声にオードはこくりと頷いて、優しく答える。
「そう、おばけさん。だけど怖くないから、大丈夫」
「これが的です。上手く当てたら、それぞれのケースに対応した、そっちのきつねさん特選のカセットが貰えるよ」
 濃紺地に格子柄の浴衣を纏い、オードとお揃いの狐面をつけた海・ほろぶ(君の番だよ・g04272)が、オードを示しつつ、妖怪の絵が描かれた厚紙が貼り付けられたカセットテープのケースを見せながら説明する。
「その絵は、あっちのきつねさんが描いたんだよ」
「わー、きつねさん、すごーい!」
「きつねさん、じょうず!」
 目をきらきら輝かせながらほろぶが描いた妖怪の絵に見入る子どもたちに、オードはまるで自分が褒めてもらえたみたいに嬉しくなりながら、小さく胸を張る。
「うん、上手なんだ。ふふん」
 オードはそのまま子どもたちに射的の銃を渡し、撃ち方をわかりやすく説明する。
「ちびっこには弾一発おまけしちゃうよ。好きな妖怪を、よく狙って撃ってね」
 子どもたちは早速銃を構えると、お目当ての妖怪へ狙いを定めた。
 幽霊に猫又、河童、唐傘、赤い鬼に青い鬼――。
「妖怪、種類たくさんだね」
 ほろぶが描いた様々な妖怪たちに、オードは改めて感嘆の声を漏らす。
「妖怪も色々いるもんだね。絵を用意する時に、一応あれこれ調べたんだけど……ついでにその辺の提灯に目でも描いちゃえばよかったかな」
 夜風に揺れる提灯を見上げ、ふと呟いたほろぶに、オードが応じる。
「それも面白そう。あ、じゃあ後でちょっと屋台休んで、提灯買いに行こうよ。あっちで売ってるのを見かけたよ」
「お、提灯売ってるんだ。それじゃあ後でぜひ。折角なら、休むついでに他のものも見て回ろ」
 それから、ほろぶは少し考えて、何気なく問いかける。
「ところで、オードはカセットにどういう曲入れたの?」
「曲はほろぶの絵に合わせて入れてみたよ。猫又のには、猫の鳴き声をサンプリングしたEDM。河童のには、河童伝説のある地方の盆踊りの曲……へんてこな曲が多いけど、聞いた時にクスっとしてもらえたらいいかなって」
 何せ狐の妖怪が開いた屋台なのだから、きっとこれくらいの不思議でちょうどいいし、化かされたのだと思ってもらえれば本望というもの。
 オードの答えに興味深く耳を傾けながら、ほろぶは変わった曲も色々あるんだなあと何とはなしに思って――そこでようやく、とても大事なことに気がついた。
「……景品にする前に、聴かせてもらっとくんだった!」
「じゃあ、また次に何かやる?」
 自然とそう口にしていたのは、作るのが楽しかったからだ。
 ほろぶが描いた絵に合う音や曲を、ひとつずつ考えて、探して――それは、オードひとりでは決して完成させることが出来ないものだった。
「ほろぶの絵と、わたしの好きな音楽と。こらぼみたいで嬉しいし、またつくれるならもっと嬉しい」
「じゃあ、次にこらぼする時には、私にも聴かせてね」
「うん、いちばんに聴かせるよ」
 ほろぶが描いた絵に、オードが曲をつける。
 それはほろぶにとって、自分が作ったものに対して、オードがどう思ったかの答えを受け取るような感覚で――。
「音楽の分野だとなんていうんだっけ。アンサーソング?」
 言葉を探すように呟いたほろぶに、オードはほんの少しだけ口元を綻ばせて頷いた。
「ほろぶの作品、いっぱい見たいから。いくらでもアンサーしちゃう。……こういうの、何ていうんだっけ。ぱとろん?」
「ぱとろん……は、合ってるような、違うような……? あ、うぃんうぃん?」
 互いが互いの創造性を刺激して、新しい何かを、喜びや楽しさを生み出せるのならば――それは、きっと。

 祭りの夜の間に、やりたいことをどんどん積んで。
「……楽しみだね」
 ほろぶの口から自然とこぼれた素直な言葉に、オードもうん、と口元を綻ばせて小さく頷く。

 ――不思議な狐の射的の屋台は大盛況で。
 用意していたカセットテープは、みな無事に旅立っていった。
 そして。
 きっとふたりの狐が横丁を後にする頃には、ひっそりとどこかに提灯のお化けが紛れ込んでいることだろう。
 
超成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
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効果2【反撃アップ】LV1が発生!
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カラタチ・リッカ
【ふたり座】

俺様は天狗モチーフな格好で~
下駄履いたり団扇もったり御面つけてたら
其れっぽく見えないかなぁと思って
天狗ってアマツキツネとも
呼ぶらしいから何だか親近感…?
お揃い狐尻尾も揺らして
妖怪姿ミアちゃんと横丁歩きを楽しもう

和風のハロウィンみたいな感じって聞いてたのもあって
何だか涼しい気分にもなってくるような
わーって提灯が連なってるのもお祭気分で楽しいねぇ
色々屋台もあるみたいだけど何から食べよ~
カキ氷に餡蜜に……あ、あそこの赤鬼青鬼のヤツも面白そう
ミアちゃんはソーダのとスムージーだったらどっち好き?
じゃあ俺様は赤鬼ストロベリーにしよう、っと
ふたつ仲良く並べてみるのも楽しそうかなぁって

色々楽しんだらカフェでものんびりしたいような
カキ氷も餡蜜も美味しそうだったよねぇ
梅とか紅茶のカキ氷って珍しい気もするから
ちょっと味見もしてみたいような~
分けっこ提案うれしいなぁと
酸っぱい梅味は暑さに勝てそうかなんて思いながら
昔のヒトもオバケや妖怪と並んでこんな風に
涼を取ってたのかもしれないねぇ、なぁんて


ミア・メア
【ふたり座】

ミアは狐の妖怪さんの格好をしますよう
狐さんの付け耳に水干という古の衣装
背にふさふさ尻尾も付いてます!
カラは天狗ですね!よくお似合いです
ほうほう、天狗もキツネの別名が
カラに良くお似合いなのも至極当然という感じですねえ
お揃いで尻尾をふさふさゆらゆら
横丁へ参りましょうっ

此処が妖怪横丁!
確かにハロウィンの時のような賑やかさ
提灯も綺麗で別世界のような雰囲気ありますねえ
わっ、屋台!参りましょうっ
まずかき氷は外せませんし…赤鬼青鬼?ふおお、面白いですの
ミアは…悩ましいですがブルーベリーでしょうか
いいですね!並べて写真もとってみませんか

いっぱい巡りましたものね!休憩致しましょう
は!そうでした、かき氷をまだ頂いていませんの
梅と紅茶ならばカラはどちらを選びます?
もう片方はミアが注文しますので、分けっこ致しませんか
折角ですから両方味わっちゃいましょう
ではカラは梅味ですね
更にはミアは餡蜜もいっちゃいます!

んふふ、素敵ですねえ
人もオバケも妖怪も仲良く出来たら
暑さもへっちゃらになれそうです


 幻想的な光を燈す提灯と蝋燭の揺らめく焔に誘われて、からりころりと下駄の音を響かせながら歩むふたつの影。
「見てくださいカラ! 美味しそうなものがいっぱいありますよ!」
「うん、美味しそうなのがいっぱいだねぇ~」
 アメジストの双眸と表情を輝かせ、はしゃぐ声を響かせながら振り返るミア・メア(璃々・g07746)を、カラタチ・リッカ(空言・g05558)はゆるりと笑んで追いかける。
「今日は狐なミアちゃん、転ばないように気をつけて」
「はい、お任せあれですよう!」
 カラタチがそう声をかけたのにはちゃんと理由がある。ミアの格好が、いつもと違うからだ。
 ミアが纏うのは水干と呼ばれる古の装束。更に狐耳とふさふさの尻尾もつけた今宵のミアは、狐の妖怪である。
 一方のカラタチはというと――。
「カラは天狗ですね! よくお似合いです」
 ミアの弾む声に、カラタチは満更でもなさそうに笑みを深めて頷く。
 山伏の衣装をベースに下駄を履き、羽団扇とお面をつければ――カラタチが思っている以上に天狗らしい装いに仕上がった。
「天狗ってアマツキツネとも呼ぶらしいから、何だか親近感があるというか……?」
「ほうほう、天狗にはキツネの別名があるのですか。なら、カラに良くお似合いなのも至極当然という感じですねえ」
 うんうんと頷くミアに、カラタチはゆらりと自前の狐尾を揺らして笑う。
「それじゃ、とびきりの美味しいを探しに。れっつご~」
「はい、ごーごーですよう!」
 ――今宵は、狐耳も尻尾もお揃いで。ふたりは軽やかな足取りで妖怪横丁へ繰り出していく。

 和風のハロウィンのようだと聞いていた通り、様々な妖怪に変装、もとい化けた人々が、太鼓や笛の音を響かせながら百鬼夜行の如く練り歩いている。
(「……あれ?」)
 聞こえてくる音は賑やかなのに、この世ならざるお化けの格好をした人々が集まっているからだろうか。何故だかふと涼しい気分を感じたカラタチであったが、取り敢えずミアが隣にいる今は気の所為ということにしておいた。
「提灯も綺麗で、別世界のような雰囲気ありますねえ」
 夜風に揺れる提灯は、まるでいくつもの光がふわふわと浮かんでいるようにも見えて。
 きらきらと瞳の輝きを増すばかりのミアに、カラタチも微笑みを深めて大きく頷いた。
「わーって提灯が連なってるのも、お祭気分で楽しいねぇ。色々屋台もあるみたいだけど……何から食べよ~」
 かき氷にあんみつに、赤鬼青鬼のソーダとスムージーも面白そうで。
「ミアちゃんは、ソーダのとスムージーだったらどっち好き?」
「ミアは……悩ましいですがブルーベリーでしょうか」
「じゃあ俺様は赤鬼ストロベリーにしよう、っと。ふたつ仲良く並べてみるのも楽しそうかなぁって」
「いいですね! 並べて写真も撮りましょう!」
 しゅわしゅわ弾ける赤鬼のストロベリーソーダと濃厚な青鬼のブルーベリースムージーは、デフォルメされた鬼の顔が描かれたカップに注がれて、二人の手の中で鮮やかに映える。
 冷たくて甘酸っぱいソーダとスムージーを片手に屋台を巡った二人はやがて、氷の旗が掲げられたカフェに辿り着いた。
「かき氷も餡蜜も美味しそうだったし、やっぱり決めないとだよねぇ」
「は! そうでした、かき氷もあんみつも外せませんの!」
 おそらくは常よりも照明が控えめになっているであろう薄暗い店内には、そこかしこに蝋燭が燈されて、まるで異世界に迷い込んでしまったかのような心地になりながら。どうやらこちらも今回のイベント仕様らしい、そこかしこに可愛らしい妖怪の絵が描かれたメニューを覗き込む。
「かき氷のお味もいっぱいですねえ!」
「梅とか紅茶のかき氷って珍しい気もするから、ちょっと味見もしてみたいような~」
 迷うねぇ、なんてのんびり笑いながらメニューを眺めるカラタチに、ミアは一瞬真剣な表情になって続ける。
「時に……梅と紅茶ならば、カラはどちらを選びます? もう片方はミアが注文しますので――」
 分けっこ致しませんか?と、ほんの少しばかり悪戯めいた笑みを浮かべながら声を潜めて続けるミアに、カラタチも楽しげな笑みを深め、同じく声を潜めて返した。
「じゃあ、俺様は梅にしようかな。何となく暑さに勝てそうな気がする~」
 分け合えば、美味しさも楽しさも倍になる。だからカラタチにとっても、ミアの提案はとても嬉しいもの。
「カラは梅味ですね、ではミアは紅茶味を。そして何と! ミアは更にあんみつもいっちゃいます!」
「お~、さすがミアちゃん」
 梅のかき氷は自家製の梅シロップを使ったもので、口の中に広がる梅の豊かな香りと甘さが絶妙に調和した一品となっていた。紅茶のかき氷もまた、上品な紅茶の香りと甘さが程よくとけあって――ふんわりと優しい口当たりの氷と共にあっという間に喉を通り抜けては、身体を心地よい清涼感で包んでくれた。
「昔のヒトも、オバケや妖怪と並んで……こんな風に涼を取ってたのかもしれないねぇ、なぁんて」
 そう、のんびりと紡ぐカラタチに、ミアも楽しげな笑みをいっぱいに咲かせて頷いた。
「んふふ、素敵ですねえ。人もオバケも妖怪も仲良く出来たら、暑さもへっちゃらになれそうです!」
 ――他愛ない話の種を、いくつも芽吹かせ、咲かせながら過ぎていくひと時。
 いつか、星を繋いでふたりだけの星座を作ったみたいに。
 ふたりだけの想い出を、またひとつ重ねていく。
 
超成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【狐変身】LV1が発生!
【強運の加護】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!
【アヴォイド】がLV2になった!

フィリア・リーシェ
ラーシュ(g05795)と

こういう「普通のデート」が初めてなんて、何だか不思議ね

レンタルした藤柄の浴衣姿で
浴衣を着るのは初めてだけど…ふふ、似合ってる?
今の貴女にお似合いですよって選んで貰ったの

…わ、本当に魔物の姿をして歩いてる人もいるのね
うぅん…ニホンの妖怪にはあまり詳しくないけれど…。
そうね、妖怪…というより魔物だけど、ラタトスクかしら
いたずらっ子だけど可愛いリスの魔物なのよ
…、…ラーシュ…(女性の妖怪ばかり、とちょっとジト目)

ふふ、いい香りで少しお腹が空いてきたみたい
わたし達も何か食べましょう?

これは…氷を削って作るデザートなのね
(葡萄のかき氷を一口)ふふ…甘酸っぱくて美味しい

あ、そうだわ。少しやってみたいことがあって…。
(スプーンでかき氷をすくって)…あ、あーん…。
その…恋人同士はこうして食べさせ合う、って聞いて…。
だ、だってこういうのはやったことなかったんだもの…!

あら、いいの?少し大きいけど、じゃあ一口…。
…あー…ん、ん…!(もぐもぐ)
お、美味しいけど…少し食べづらいかも…。


ラーシュ・アンニス
フィリア(g09062)と。

デートだなー。
恋人になってから初めて?
そうだっけか?
…………あー、そうかも。

浴衣、流石に似合うじゃないか。
何着てもだいたい似合うし可愛いけど、シチュエーションと場所に合った服は趣があるね。
俺はまあ、いつもの格好だけど。
アッハハ、女の子の方だけ特別な格好って、そういうの良くない?

ハロウィンの仮装みたいだな。
本物の妖怪も混じってる、ってのがお約束なんだっけ?

フィリアは好きな妖怪とかいる?
俺はあれだ、猫娘とかろくろ首、濡れ女とか口裂け女とか……。
…………あー、いや、なんでもない。

屋台の味は確かに気になるなー。
カキ氷?いいね、暑いしね。
俺はフランクフルトとかベビーカステラが好きなんだけど……。
お、あるじゃん、手杵の棒のフランクフルト……?
聞いたことないな、どういう妖怪だ?

ん、あーん。つめた。
……照れることか、今更?
まあかわいいけど。
それじゃ俺の方も……ほら、フランクフルト、食いさしだけど一口あげるよ。
……食いにくいか?
ほらほら、あーん。アッハハ、ちょっと大きかったか?


 提灯と蝋燭の明かりに照らされた、どこか妖しくも幻想的な世界。
 人々の楽しげな声で賑わう妖怪横丁を、ゆるりと辿るふたつの影。
「……デートだなー」
 ぽつりとそう零したラーシュ・アンニス(ローディフェンサー・g05795)に、傍らを歩むフィリア・リーシェ(夢幻夜想・g09062)はそうね、と小さく頷き、柔らかな笑みを浮かべて続ける。
「こういう“普通のデート”が初めてなんて、何だか不思議ね」
「恋人になってから初めて? そうだっけか?」
 フィリアの言葉に首を傾げながらも、ラーシュは記憶を辿るように暫し考え込んで――。
「…………あー、そうかも」
 そんなことを改めて実感するくらいには、いつの間にか、恋人として一緒にいるのが自然で当たり前になっていたということなのだろう。
「……なら、今日は恋人らしいこともそれなりにしないとな? ――浴衣、流石に似合うじゃないか」
 そう言って笑みを深めるラーシュに、フィリアは星煌めくサファイアブルーの瞳を瞬かせてから、はにかむように微笑んだ。
 フィリアが纏うのは、上品で繊細な藤の花が優雅に咲く藤柄の浴衣。艶めく長い黒髪も、浴衣に合わせて少しアレンジしてもらった。
「今の貴女にお似合いですよって、お店の人に選んで貰ったの。浴衣を着るのは初めてだけど、ふふ、似合ってるなら嬉しいわ」
「フィリアは何着てもだいたい似合うし可愛いけど、シチュエーションと場所に合った服は趣があるね」
「折角だから、ラーシュも浴衣を着てみればよかったのに」
「アッハハ、女の子の方だけ特別な格好って、そういうの良くない? ――それじゃ、行こうか」
 普段通りの格好で来たラーシュはそう言ってあっけらかんと笑い、フィリアへ手を差し伸べた。
 妖怪の格好をした出店や屋台の店主が思い思いに客を呼び込んでいる中、座敷童子や子狐、子狸などに扮した子どもたちが楽しげに駆けていく。
「……わ、本当に魔物の姿をして歩いてる人もいるのね」
「ハロウィンの仮装みたいだな。本物の妖怪も混じってる、ってのがお約束なんだっけ?」
 出店や屋台を巡る中、行き合ったのは狐や天狗、河童や猫又、小豆あらいに海坊主、それから数人がかりのろくろ首など――様々な妖怪に扮した人々が太鼓や笛の音を響かせながら練り歩く百鬼夜行のパレードだ。
「フィリアは、好きな妖怪とかいる?」
「うぅん……ニホンの妖怪にはあまり詳しくないけれど……」
 パレードを眺めつつ何気なく問うラーシュに、フィリアは少し考えてから答える。
「そうね、妖怪……というより魔物だけど、ラタトスクかしら」
 ラタトスク。その名をなぞるように呟いたラーシュは、そのまま首を傾げた。
「聞いたことないな、どういう妖怪だ?」
「最終人類史だと、神話の中に出てくるの。いたずらっ子だけど可愛いリスの魔物なのよ。……ラーシュは?」
 聞き返されて、ラーシュもまた少し考えてから――。
「俺はあれだ、猫娘とかろくろ首、濡れ女とか口裂け女とか……」
「……、……ラーシュ……」
 ――ラーシュが挙げたのは、どれも女の妖怪ばかり。
「…………あー、いや、なんでもない」
 ちょっぴりジト目になってしまったフィリアを見て、ラーシュは気まずそうに顔を逸らした。
 心地よい涼しさを運ぶ夜風が、頬をそっと撫でてゆく。
 同時にふわりと鼻腔を擽った香りに瞬いたフィリアは、ふ、と息を零して微笑んだ。
「ふふ、いい香りで少しお腹が空いてきたみたい。わたしたちも何か食べましょう?」
 ちょうど小腹が空いていたのも確かだし、屋台の味が気になっていたラーシュも、勿論異論はない。
 ずらりと軒を連ねる華やかな屋台へ足を向ければ、一際目を引く“氷”の文字。
「あれは……氷を削って作るデザートなのね」
「カキ氷? いいね、暑いしね。俺はフランクフルトとかベビーカステラが好きなんだけど……」
 早速フィリアがかき氷を作ってもらっている間に視線を巡らせたラーシュは、ちょうどすぐ近くに見えるフランクフルトの暖簾に笑みを深めた――が、すぐに首を傾げることになる。
「お、あるじゃん、フランクフルト……、……手杵の棒?」
 雪女の氷で作られたというかき氷と手杵型のフランクフルトを手に、近くの空いた縁台に腰を下ろせば、祭りの喧騒が不思議と少しだけ遠く感じられた。
 フィリアは葡萄のかき氷を一口運び、口の中いっぱいに広がる氷の冷たさと葡萄のシロップの濃厚な甘酸っぱさに目を細める。
「ふふ……甘酸っぱくて美味しい。あ、そうだわ。少しやってみたいことがあって……」
「ん?」
 思い出したように呟き、それからフィリアはどこか遠慮がちにスプーンでかき氷を掬って――ラーシュの口元へと差し出した。
「……あ、あーん……その……恋人同士はこうして食べさせ合う、って聞いて……」
 フィリアの照れたような、恥ずかしそうな表情につい見入りそうになってしまったラーシュだが、すぐに彼女の求めに応じるままに口を開いた。
「ん、あーん。……つめた。……照れることか、今更?」
 見る間に頬が赤く染まっていくフィリアを見て、ラーシュはつい小さく吹き出してしまう。
「だ、だってこういうのはやったことなかったんだもの……!」
 恋人としてのデートこそ初めてだったけれど、確かに“こういう”ことも初めてのような気がする。
 どこで聞いてきたかなどわざわざ聞くつもりもないけれど、フィリアがラーシュのためにしてくれたということがラーシュにしてみれば嬉しくもあり、何より――。
「まあ照れるフィリアもかわいいけど。それじゃ、俺のほうも……ほら、フランクフルト、食いさしだけど一口あげるよ」
 笑みを深めながら、ラーシュはお返しにとフランクフルトを差し出した。
「ほらほら、あーん」
「あら、いいの? 少し大きいけど、じゃあ一口……あー……ん、ん……!」
 小さな口で、ぱくりと一口。その様子を見守りながら、ラーシュはそっと問いかけた。
「……食いにくいか?」
 口元を軽く押さえながら、もぐもぐとゆっくり咀嚼するフィリアは、やがてまたほんの少し照れたようにそっと答えた。
「お、美味しいけど……少し食べづらい、かも……」
「アッハハ、ちょっと大きかったか? まあでも、口にあったなら何よりか」
 その答えがまた何とも可愛いというのは、ラーシュの胸に秘めておくことにして。
 恋人になってから、初めての――“普通”のデート。
 幻想的な夜の賑わいに包まれて、二人だけの幸せの時間は、静かに過ぎていく。
 
超成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【過去視の道案内】LV1が発生!
【現の夢】がLV2になった!
効果2【ロストエナジー】LV2が発生!

月見里・千隼
【月日夫妻】
※妻の伊吹と同行、アドリブ歓迎
浴衣:シンプルな黒地に伊吹をイメージしたような柄の帯

和風であるが夏の浅草で一足お先にハロウィン気分を味わえるとはお得だな。
でも…浴衣を纏った幸せな伊吹を隣と言う特等席にて間近で見る事が出来るのは至福の時だ。
猫の浴衣、似合っているぞ。伊吹は可愛いな。

ふむ、伊吹好みの映える妖怪スイーツが揃っているな。
俺は験担ぎも兼ねて座敷童子の餡蜜をいただこうかな。
ん、ハイカラであるが小豆餡も黒蜜も上品な甘さで寒天も求肥ももちもちしてて果物とよく合う、
御利益が降り注ぐような美味さだ。
騎手と言う職業柄で少食なので、伊吹から一口もらうのは申し訳ないので
座敷童子の餡蜜をはい、あーんして食べさせてみたり。美味いか?
飲み物は…青鬼のスムージーで。
言われてみれば…ん、青色なら伊吹の瞳の色と同じ、お互いの色を選んだな。

伊吹に一口のシェアしてもらいながら食事を楽しめるのは良いものだ。
伊吹とのデートは楽しくて一口だけなら少食の俺でも多くを味わえるからな。


月見山・伊吹
【月日夫妻】
旦那の千隼と一緒、アドリブOKだよ!


わぁ!妖怪横丁だねぇ千隼!
和風ハロウィンみたいな賑やかさがあるけど、提灯の明かりがノスタルジックだねぇ。

今回のとある猫好き浮世絵絵師さんが描いたような可愛い猫の絵がいっぱいある浴衣に
猫かんざしつけてお揃いの浴衣を着たスフィンクスのシフォンを
肩に乗せて千隼の前でひらりと浴衣姿お披露目。
どうだい似合うかい?

んんー妖怪スイーツ、どれも可愛くてどれにしようか迷っちゃうなぁ。
まずはアマビエのゆめかわパフェと化け猫もなかアイスいただきまーす!
キジムナーの苺味綿飴も塗り壁サンドウィッチも天邪鬼のあべこべカラフルアイスキャンディも
浪小僧のサーフィンソーダゼリーも美味しいなぁ。
シフォンには猫用に用意してもらった牛肉入り猫もなかをどうぞ。

ふふっそうだねぇ。
赤鬼ソーダ、千隼の目の色みたいだよねぇ。

少食の千隼が少しでも楽しめるように私が買ったスイーツを一品につき一口はい、あーん…。
おや?あんみつ一口頂いてもいいのかい?あーん…美味しい!

楽しいなぁ幸せだねぇ千隼。


「夏の浅草で、一足お先にハロウィン気分を味わえるとはお得だな」
「妖怪の人たちはみんな賑やかだし、提灯の明かりがノスタルジックだねぇ」
 しみじみと呟く月見里・千隼(硝煙と魔弾の騎手/現代ラストジョッキー・g03438)に、隣を歩く妻の月見山・伊吹(太陽の恵み、日蝕の災禍・g04125)は太陽のように満面の笑みを咲かせて頷く。
 ハロウィンはハロウィンでも、和風のハロウィンではあるけれど――様々な妖怪に扮した人々が仮装行列のように練り歩く百鬼夜行は圧巻の一言だった。
「それはそうと猫の浴衣、似合っているぞ」
 そう言っていつものようにさらりと妻を褒める千隼は、シンプルでありながらシックな黒地の浴衣に、伊吹をイメージしたような華やかな柄の帯を結んで。
「ふふ、似合っているかい? 千隼にそう言ってもらえて嬉しいよ。ねえ、シフォン?」
 満更でもなさそうに笑みを深め、伊吹は肩に乗せたスフィンクスのシフォンと共にその場でくるりと回ってみせる。
 伊吹の浴衣は、とある猫好きの浮世絵絵師が描いたような可愛い猫がたくさん描かれた浴衣であり、シフォンとお揃いだ。さらに猫のかんざしで太陽のように鮮やかに煌めく琥珀の髪をゆるりと巻いて、普段とは少し違う雰囲気を纏っている。
「ああ、伊吹はいつだって可愛いな」
 浴衣を着て幸せそうに笑う伊吹の姿を、彼女の隣――千隼にのみ許された“特等席”で見られるのは、千隼にとって至福のひと時だ。
 からころと下駄の音を重ねて響かせながら、二人は手を繋いで妖怪横丁を巡る。
「んんー妖怪スイーツ、どれも可愛くてどれにしようか迷っちゃうなぁ」
「ふむ、伊吹好みの映える妖怪スイーツが揃っているな」
 お目当ては勿論、様々な妖怪モチーフのスイーツだが――。
 不思議な文様が描かれた提灯とたくさんの蝋燭の火に照らされた通りは、どこか妖しく不思議な雰囲気を帯びていて。
 シフォンもどこかそわそわと髭を動かしたり、翼をぱたぱたと動かして、スイーツだけでなく横丁の景色にも興味津々のようだった。
 ――やがて、数々のスイーツがテーブルの上にずらりと並ぶ。
 アマビエのゆめかわな彩りが散りばめられたゆめかわパフェに、肉球が愛らしい化け猫の最中アイス。ふわっと苺の味がするキジムナーの綿飴に、竹炭パウダーを練り込んだ灰色のパンで作られた塗り壁サンドウィッチ、それから色と味が想像と異なる天邪鬼のあべこべカラフルアイスキャンディと、涼し気な色合いの浪小僧のサーフィンソーダゼリー。それらはどれも、まるで妖怪たちの宴で出されるご馳走のようだ。
「うーん、どれも美味しそうだねぇ!」
 屋台を巡って仕入れた戦利品の数々に伊吹は満足気に頷いて、シフォンには猫用にと用意してもらった牛肉入りの猫もなかをプレゼント。もなかを目にした瞬間にシフォンはきらきらと目を輝かせ、テーブルの上にごろんと仰向けで寝転がったとか。
 そんな伊吹とシフォンを微笑ましく見守りながら、千隼が選んだのは見た者に幸運が訪れるという験担ぎも兼ねて、座敷童子のあんみつだ。
 テイクアウト用のカップには、どうやら座敷童子らしい、おかっぱ頭にリボンをつけた女の子の絵が描かれている。
 飲み物は、千隼が青鬼のブルーベリースムージーを、そして伊吹が赤鬼のストロベリーソーダを選んだ。
「この赤鬼ソーダ、千隼の目の色みたいだよねぇ」
 言いながら、鮮やかな赤色のソーダと千隼の瞳の色を比べるようにカップを掲げる伊吹に、千隼は手元の青いスムージーと、伊吹の顔とを交互に見つめて。
「言われてみれば……ん、青色なら伊吹の瞳の色と同じ、お互いの色を選んだな」
 そんな何気ないことでも幸せが満ちて、互いの顔に笑みが綻ぶ。
「はい、千隼。あーん」
「……ん、美味いな」
 騎手という職業柄、少食の千隼に、伊吹は自分が買ったスイーツを一品につき一口ずつ差し出す。
 千隼が少食なのは伊吹が一番良く知っているから、少しでも楽しめるようにと考えてのことだ。
「伊吹もどうだ? 一口と言わず何口でも」
「おや、……頂いていいのかい?」
 千隼もお返しに座敷童子のあんみつを、あーんして食べさせる。
 見た目はハイカラだが、小豆餡も黒蜜も上品な甘さで、寒天も求肥も果物とよく合う素朴な味わいや舌触りだ。
 千隼にしてみれば、存分にご利益が降り注ぐような美味しさだったけれど――。
「……美味いか?」
 ほんの少しばかり案じるように問いかけてみれば、返るのは勿論――満面の笑みだ。
「うん、美味しい!」
 少食でも一口ずつシェアしてもらえば、多くを味わえる。そうすることで一緒に食事を楽しめるのは、千隼にとってとても楽しい時間であり、そして、それは伊吹にとっても同じなのだ。
 ――同じものを分かち合えば、幸せは二人分になる。
「あぁ、楽しいなぁ」
 伊吹はそう心からの想いを口にして、満面の笑みで千隼を見やる。
 こうして、二人で紡ぐ――何気ない時間が。
「幸せだねぇ、千隼」
「――ああ」
 伊吹の眼差しを受け止め、しっかりと見つめ返しながら、千隼は大きく頷いた。
「とても、幸せだ」
 
超成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【友達催眠】がLV3になった!
効果2【能力値アップ】がLV6になった!
【ダメージアップ】がLV3になった!

アンダルシア・ノォヴェント
妖怪・・・?
これは興味深い・・・和風のハロウィン、なるほどなーですね?

英気を養うために、少し遊んでいきましょうか?
何かしら、またインスピレーションを刺激する物事に出会えるかも、ですしね?

浴衣の人も多いですね?
あいにく今回は私はこのままで・・・和の妖怪の中に洋の魔女・・・というのも良いものでは?

屋台ですか?
日本の屋台、さてさて・・・?
妖怪モチーフの食べ物・・・試みが面白いですね?
ふむ、この毛羽毛現の黒焼きそば、美味しそうですね?
こちらは酒呑童子の酒ゼリー・・・お酒のゼリーですか?
一反木綿のイカ煎餅、ふむ・・・目移りしてしまいますね?

ふふ、皆さん楽しそうで何よりです、文化の違いが弾圧や争いになっていた時代とは異なりますね?
あの頃もこのような平和な考え方があればよかったのに・・・ね?

さて、次は何を食べようかしら?
ひとり気ままというのも、たまにはよいものですね?


「妖怪……? これは興味深い……和風のハロウィン、なるほどなーですね?」
 笑みを深めるアンダルシア・ノォヴェント(アンダルシアの魔女・g05231)の前を、思い思いの妖怪姿に扮した人々が練り歩く。
 日本では百鬼夜行と呼ばれるそれは、西洋で言うならばハロウィンなどの仮装行列のようなもの。
「ふむ、浴衣の人も多いですね?」
 妖怪横丁と名がついているとはいえ屋台が多く出ているのならば、この時期ならば夏祭りと言っても差し支えないだろう。
 ゆえに道行く人々の中には妖怪ではなく、普通の浴衣を着ている人も少なくはない。
 当のアンダルシアはというと、普段と変わらぬとんがり帽子がトレードマークの魔女姿だ。
「魔女のおねえさん、こんばんはー!」
「はい、こんばんはですね? ふふ、どうか道に迷わないように、お気をつけて?」
「はーい!」
 こんな風に声をかけてくる子どもたちだっているのだから、アンダルシアにとっては普段通りの装いでも何ら問題はないだろう。
(「和の妖怪の中に洋の魔女……というのもなかなか良いものでは?」)
 満足気に頷き、アンダルシアは提灯の明かりと揺らめく蝋燭の火に照らされた妖怪横丁へと繰り出していく。
 来たる大きな戦いの前に、英気を養うために。
 あるいは――インスピレーションが刺激されそうな何かに出逢えることを願って。
「日本の屋台、さてさて……?」
 賑やかな通りのそこかしこに軒を連ねる屋台は、一般的な日本のお祭りとは少し雰囲気が違う、妖怪たちのもの(という設定)だ。
「妖怪モチーフの食べ物……試みが面白いですね?」
 アンダルシアが見つけたのは、毛羽毛現という全身が毛むくじゃらの妖怪をモチーフに取り入れた黒焼きそば。それから、日本酒や焼酎を使った酒呑童子の酒ゼリーに、一反木綿のように薄く伸ばされたイカ煎餅などなど、どれも目移りするものばかりだ。
 食べ歩き用とお土産用とにいくつか仕入れつつ、アンダルシアは改めてのんびりと妖怪横丁を漫ろ歩く。
 行き交う人々はみな笑顔で、楽しそうで――平和で穏やかな日常の世界がそこにあった。
「ふふ、皆さん楽しそうで何よりです? 文化の違いが弾圧や争いになっていた時代とは……異なりますね?」
 アンダルシアはそう独りごちながら――かつて己が身を置いていた世界を思い返していた。
(「あの頃も、このような平和な考え方があればよかったのに……ね?」)
 たとえばそんな世界があったなら――己が視てきたいくつもの終焉も、違った姿や未来を描いていただろうか。
 なんて取り留めもなく泳いだ思考を繋ぎ止めながら、アンダルシアはとんがり帽子をほんの少しだけ深く被り直す。
「さて、次は何を食べようかしら? ……ひとり気ままというのも、たまにはよいものですね?」
 
超成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【飛翔】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV2になった!

イツカ・ユメ
古安くん(g02347)と一緒に。

今年の夏は、妖怪ホラーでひんやり大作戦!ってカンジなのかな?
去年仕立ててもらった青い浴衣に、まんまるお皿とキュートな甲羅を合わせたら……じゃじゃーん!可愛い河童、イツかっぱだよ!
古安くんは、なかなかに気合いが入ってるね。
周りの人達も、ひやりとしちゃうんじゃない?
……でも、わたしは。
こんなに素敵な妖怪さんと一緒だと、
ひやりとするどころか、ドキドキして熱くなっちゃうな。

浅草の通りもいつもと雰囲気が違って、
本当に妖怪の国に迷い込んだみたい。
古安くんはかき氷?わぁ!雪山みたいにふわっふわ!!
わたしのはね、『つらら女のアイスキャンディー』だって!氷柱みたいな形してるの!
もし気になるのなら、
かき氷と交換してあげてもいいのだよ?

夏のスイーツを半分こして、舌の色はお揃いの抹茶色。
次はどこに行こう、何をしよう?
こうして一緒に悩む時間も、楽しくて愛おしい。


…隙があれば、横顔に、ひんやり冷たい口付けの悪戯をお見舞いしちゃうよ。
だってわたしは、古安くんに好きだらけなんだからね♪


九重・古安
イツカ(g02834)と一緒に。

今年の夏は妖怪がテーマか。地獄変のエネルギーを抜きにしてもこういうイベントは大事だな。
俺も最近の暑さには気が滅入っていたところだし、息抜きと暑気払いを兼ねてイツカと共に浅草の街を満喫するとしよう。

今回は妖怪がテーマだから、仮装も和風のものが良さそうだな。
浴衣は去年用意した矢筈柄のものを着るとして、妖怪……顔の左半分、普段髪で隠れている辺りに骸骨の仮面をつけてがしゃどくろをやってみるか。
イツカの仮装は、なるほどイツかっぱ。悪戯されてしまわないよう、ひんやりしたお供え物を用意しなくては。……いや、あえて悪戯されるのもそれはそれで。

見渡した感じ、やはり涼をとれる品が人気なようだな。売り手の工夫もあって見ているだけでも楽しめそうだ。
どれにしようか迷いどころだが、ここは夏らしくかき氷を頂こう。フレーバーは抹茶と練乳で。
……凄いぞイツカ、最近のかき氷はふわふわとは聞いていたが本当にふんわりだ。
ふむ、そちらのアイスキャンディーも気になる……ここは半分こでどうだろう。


 一歩足を踏み入れれば、そこは妖怪横丁。
 宵闇に連なる提灯の明かりと蝋燭の火が、通りを歩く人々の影をまるで踊っているかのように揺らめかせている。心地よい夏の夜風が通り過ぎていく中、賑やかな声が飛び交うその場所は――まるで、別世界に迷い込んだかのようだった。
「今年の夏は、妖怪ホラーでひんやり大作戦!ってカンジなのかな?」
 楽しげな声を響かせながら駆けていく、妖怪姿の子どもたち。その背を見送り、イツカ・ユメ(いつかかなうゆめ・g02834)は傍らを歩む九重・古安(巻き戻り路逸れる針・g02347)に視線を向ける。
「地獄変のエネルギーを抜きにしても、こういうイベントは大事だな」
「わたしたちはデートが出来て、地獄変のエネルギーも増やせる。とっても大事だよね!」
 最終人類史を生きる彼らにとっても――ディアボロスの力で快適に過ごせるとはいえ――やはり日本の夏は暑いものであり、こと最近の暑さは気が滅入るほどだ。そこで、息抜きと暑気払いを兼ねて浅草の街を満喫すべく、連れ立ってやって来たのだった。
 横丁を行き交う人々は、みな妖怪の格好をしたり、浴衣を着たりして、思い思いに楽しんでいる。妖怪に扮した人々が百鬼夜行のようにそこかしこを練り歩いたりもしていて、さながら和風のハロウィンといった様子だ。
 イツカが纏うのは、深い青を基調とした地に桔梗やアネモネなどたくさんの花が爛漫と咲き誇る大人っぽい浴衣。そこにまん丸なお皿とキュートな甲羅を合わせれば――。
「じゃじゃーん! 可愛い河童、イツかっぱだよ!」
「ああ、イツカは河童になっても可愛いな」
 可愛い“イツかっぱ”を前に真顔でしみじみと頷く古安も、夏らしく矢絣柄の浴衣を纏い、普段は髪で隠れている顔の左半分を骸骨の仮面で覆っていた。その姿は、さながらかしゃどくろと言ったところだろうか。
「イツかっぱに悪戯されてしまわないよう、ひんやりしたお供え物を用意しなくては。……いや、あえて悪戯されるのもそれはそれで」
「……悪戯されてもいいの? 古安くんは、なかなかに気合いが入ってるね。周りの人たちも、ひやりとしちゃうんじゃない?」
 悪戯めいた笑みを浮かべたイツカは、でも、とすぐにはにかむように微笑んで、ほんの少しだけ声を潜めて続けた。
「わたしはこんなに素敵な妖怪さんと一緒だと、ひやりとするどころか、ドキドキして熱くなっちゃうな」
「……、行くか」
 照れが感染ったのを誤魔化すように古安はイツカの手を取り、けれど急ぐでもなく彼女の歩調に合わせて歩き出す。
 周囲は喧騒に包まれているはずなのに、二人の間には言葉に出来ない静けさが満ちているようで。
 だからだろうか、繋いだ手の指先の熱がいつもよりも強く伝わってきて――暑気払いに来たはずなのに何故だか余計に暑くなったような、そんな気がした。

 見慣れた浅草の通りもいつもと雰囲気が違って、本当に妖怪の国に迷い込んだような心地がする。
「やはり涼をとれる品が人気なようだな。どれにしようか迷いどころだが……」
 雪女や幽霊に扮した白い着物姿の店主や売り子が人々を呼び込む様子は、見ているだけでも楽しめる。
 迷いに迷った末、古安が選んだのは抹茶と練乳のかき氷。早速ひと掬いして口に入れれば、その瞬間に氷がふんわりととけていくのを感じた。
「……凄いぞイツカ、最近のかき氷はふわふわとは聞いていたが本当にふんわりだ」
 驚きを隠せないまま、古安はイツカに告げる。
「古安くんはかき氷? わぁ、本当! 雪山みたいにふわっふわ!! わたしのはね、じゃーん! “つらら女のアイスキャンディー”だって! 氷柱みたいな形してるの!」
 イツカが見つけてきたつらら女のアイスキャンディーは、イツカの言う通り、氷柱のように先端が尖った細長い棒アイスで。淡い水色をしているところを見るに、どうやらソーダ味のようだ。
「ふむ、そちらのアイスキャンディーも気になるな……」
「……もし気になるのなら、かき氷と交換してあげてもいいのだよ?」
 きらりと瞳を輝かせるイツカに、古安はこくりと頷いた。
「ああ、ここは半分こでどうだろう」

 冷たくて甘い夏を分かち合い、二人の舌もお揃いの抹茶色に染まって。
 次はどこに行って、何をしようかと――そんなことを一緒に悩む時間さえ、楽しくて愛おしいものだ。
「……ね、古安くん」
「ん?」
 イツカは不意に顔を近づけて、古安の横顔にひんやりと冷たい口づけの悪戯を贈る。
「……、イツカ、」
 提灯の明かりみたいにほのかに赤くなった古安を見て、イツカは満面の笑みを咲かせて告げる。
「だってわたしは、古安くんに好きだらけなんだからね♪」
 妖怪横丁の、夏の夜。提灯の柔らかな灯りに照らされて、二人の恋は更に深まっていく――。
 
超成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【強運の加護】がLV2になった!
【飛翔】がLV2になった!
効果2【リザレクション】LV1が発生!
【アヴォイド】がLV3になった!

アドル・ユグドラシア
※アドリブ、絡みok

赤の浴衣を着用。

まぁ、お祭りだから浴衣が定番だろう。
決して仮装ネタが思い付かなかったからではないぞ、うむ(謎の負け惜しみ)

いや待て、折角妖怪横丁を巡るのだ。
通行人や同輩達から仮装のインスピレーションを得るのも手か?
今役立たずとも、今後役立つことがあろう。
具体的には秋の南瓜行列とか。

む、思考が横に逸れた。
祭りは楽しんでこそだからな。
定番の屋台巡りといこうではないか。

祭りの屋台なら、所謂B級グルメがメジャーだったはずだが、ここだと妖怪モチーフの食べ物となるか?
定番の焼きそばとかたこ焼きとか、後はフランクフルトなどがあろうが、どのような妖怪に扮しているか見てみるとしよう。
味の付け方にお勧めがあれば聞いてみるのも良いな。

一通り食べ歩いたら、どこかに落ち着いて、かき氷と抹茶を頂いて一服するとしよう。
一休み中には通行人達の往来を眺めるのも風情があるだろう。

後は屋台遊びにも定番があったはずだが、射的とかあれば久し振りにやってみるとするか。
珍しい景品があれば狙ってみるのも面白かろう。


 人々の楽しげな声で賑わう妖怪横丁を、アドル・ユグドラシア(我道の求道者・g08396)は興味深そうな視線を巡らせながら歩む。
 欧州出身の彼が今宵纏うのは、赤地に月の模様が描かれた浴衣だ。
 妖怪の仮装が思いつかなかったから――というのもあるが、夏祭りといえば浴衣が定番でもあるから別段浮いているというわけでもないし、行き交う人々の中にも妖怪の仮装ではなく浴衣を着ている人は少なくない。
(「……いや待て、折角妖怪横丁を巡るのだ。通行人や同輩たちから仮装のインスピレーションを得るのも手か?」)
 今ではなくとも、いつか役立つことがあるかもしれない。そう、具体的には秋の仮装行列に活かせる可能性だってある。
 何か心に響くものがあれば、覚えておいて損はないだろう。
 そんな感じで思考を泳がせながら、アドルは賑わう通りをゆるりと歩む。
 アドルを追い越すように駆けていくのは、座敷わらしだったり、狐の面を被った子狐に扮している子どもたちだ。
 屋台へと目を向ければ、河童や狸、白い着物の幽霊などに変装した店主たちが客を呼ぶ声が聞こえてくる。他にも鬼の面を被った赤鬼や青鬼もいるようだ。
 屋台を巡ってみれば、目についたのは焼きそばやたこ焼き、串焼きなど、やはりお祭りでは定番のものが多い。聞けば唐辛子やスパイスで少々辛めにして食べるのがたぶん妖怪っぽい――らしく、どうやら鬼火や狐火、火の玉など、そういったものをイメージしてみたとのことだった。
 他にも一反木綿のクレープや天邪鬼のりんご飴――これはいわゆるオーソドックスなりんご飴と違い、抹茶のチョコレートでコーティングされている――などの甘味もある。河童の店主の屋台で出されているきゅうりの一本漬けなどは……どう見ても普通のきゅうりの一本漬けなのだが、どうか深く突っ込まないでほしい。切実に。
 一通り食べ歩きを楽しんだアドルは、甘いかき氷と苦い抹茶で一服する。
 目の前を行き交う人々はみな、楽しげに笑っていて。
 これが、アドルたちが日々守り続けている平和な日常の姿なのだと思えば、アドルは更なる戦いへの想いを新たにするばかりだ。奇しくも時を同じくして、蹂躙戦記イスカンダルの奪還戦も始まる。
(「さて、屋台遊びにも定番があったはずだが……射的とかあれば久し振りにやってみるとするか」)
 珍しい景品があるのならば、狙ってみるのもきっと面白いだろう。
 一休みして英気を養ったアドルは思いを馳せながら――のんびりと射的の屋台に向かうのだった。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【通信障害】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV2になった!

桜・姫恋
【ヨアケ】で参加
下の名前呼び捨てで普段は呼んでいる
天夜・理星のみ恋人のためりぃちゃん呼び

お化け屋敷は大成功で終わったわね。
さて、ここからはお化け屋敷には間に合わなかった人たち含めみんなで妖怪横丁を回りましょうか。

(浴衣は2023年の浴衣コンのものを着ている)

りぃちゃんやっほー?
暑そうね。
早く回りに行って涼しみましょう?

サカハも楽しんでる?
屋台全制覇?お腹壊さないでよね?
あ、運命が付き添ってくれるなら安心かな?

みんなと楽しみつつ義弟や恋人との楽しい時間を満喫しながら屋台を見て回っていく。


音無・サカハ
※アドリブ、絡みOK
※【ヨアケ】の皆と同行

妖怪横丁か、これは楽しいそうだな、丁度熱い時期だし、何か氷菓子とかないのかな。
今回は普通の服で行く感じ、浴衣と妖怪コスも悪くないけど、今回は普通の感じで行きたい

今回は大人しく皆さんと一緒にゆっくりっと楽しもう
普段は一人行動の俺でもこういう時間が欲しいだよ、せかっく義姉の一人である桜・姫恋がいるし、家族と一緒に居る時間、大切にしないと。

でもせっかくなので、目指せ、屋台全制覇!
財布は大丈夫と想定し、この後どうなるのか言わないお約束、せっかくのイベントだし、楽しまないと損だぞ?
大丈夫だ桜姉、俺の鋼の胃袋を信じよう、なんとかなるさ!…多分


今咲・栄華
【ヨアケ】
※アドリブ大好き
※浴衣2023DCで参加

途中参戦、妖怪横丁に何かようかいーッて連れない事言うなよォ。(誰も言ってない)

アタシは頭から市場調査が離れなくッてさァ、職業病ッて奴?
運命もそりゃ立派な職業病だね
飲食店で映えるフードやドリンクがあッたら買ッてスマホで写真を撮ることにしてる。
自撮り棒持ッて自分と一緒にパチリ☆
お店情報と共に写真SNSにアップ~(ポチポチ)
閲覧数稼いでアカウントを回しつつ、配信して世界の人に興味を持ッてもらッて観光地潤せちゃッて、エネルギーを集めて世界まで救っちゃうなんてWin-Winよねェ~。
皆も美味しいものがあればイイ角度から写真を撮らせてねェ。
猫耳のリコリスが猫耳のりんご飴食べてるゥ!
サカハ達の美味しそうな顔も
姫恋理星のカップルもエモな写真に仕上げてあげよォ
イリヤ自身も含めて撮影して思い出を保存しちゃおうねェ


リコリス・ライブレス
【ヨアケ】同行
アドリブ・絡み大歓迎

妖怪横丁という面白そうな催し物の話を旅団で聞いたのでな、バーンと共についてきた。
まあ、僕もバーンも妖怪みたいなものだが……(狼耳を触りつつ、バーンと目配せして苦笑)
せっかくなので、楽しませてもらおう。
ふむ、こういった夏祭りは浴衣を着るのが定番だと聞いた、ここは衣装に詳しいコスプレイヤーアオイさんに浴衣を一着お借りすることにしよう。
……似合っているか?

旅団の皆に混じり、横丁を散策しよう。
へえ、屋台も沢山並んでいるな……甘味も選び放題か……!(※甘い物好き)
(バーンに袖を引っ張られ、そちらを見る)おお、りんご飴じゃないか!(※りんご飴が特に大好物)
……なになに、『ねこむすめのりんご飴』というのか……おお、ちゃんとりんごで耳まで付けてあるし、顔も描かれていて可愛いな。見てくれ、みんな。
食べるのがもったいないが……(しばらく鑑賞した後、遠慮なく齧る)やはり食べ物はありがたく頂かないと。
うむ、大変甘くて美味だ。


イリヤ・レダ
【ヨアケ】
※アドリブOKです。

レンタルした浴衣で参加。
着付けはネットで調べたし間違ってないと思うけれど。
通気性もいいというか良すぎるというか。ちょっと落ち着かないなあ。

でも、不審人物に見えたら困るから落ち着いていこう。
何かヨアケ以外でも見たような人がちらほらと居る気がするんだけど、まあ今回は旅団メンバーとのんびりいこう。

うん。射撃や型抜きはちょっと自信あるなあ。
屋台の食べ物もおいしいんだよね。そういえばりんご飴が大好きなヒトもいたね。ここらへんも「仲間」(奪還後に再会したい子供達)に見せたいからちょくちょく撮影しておこうかな。

妖怪横丁。うん、ちょっと調べはしたんだけれど。
日本の妖怪さんって独特のモノがあるよね。
出来のいいものは素直に褒めていこう。撮影っていいのかな?
許可を貰えたら、保存して置きたいな。


緋詠・琥兎
【ヨアケ】
無事にお化け屋敷の催しが終わってよかった
一般の人たちが楽しめたようで何よりだ

ハロウィンはまだまだ先だが、妖怪横丁も面白いな
せっかくだ
去年の浴衣コンテストで用意したのを燈杜美と共に着て
ヨアケの皆と一緒に回ろうか

って、おい
百鬼
頼むからそのお面につられて逆に羽目を外さないようにしてくれよ?

音無は食べ過ぎて腹を壊さないようにな
後で消化にいい飲み物とかを用意しておくか

一緒に回れそうなヨアケメンバーが居れば
声を掛けて行こう

それにしても妖怪横丁ならではの飲食メニューのライナップがあるな
盛り付けなども“らしい”ものばかりで目も楽しませてくれるし

お、今咲嬢が買ったものも良いな
参考にしよう
(喫茶店で働いている

って、なんだ?燈杜美
あぁ、射的で欲しい景品を見つけたのか
取るのは自分でもいいが、せっかくだ
射的に自信のある奴に頼んでみるのもいいんじゃないか?

暑い時期だし、かき氷もいいだろう
早く食べると頭が痛くなるから、口にするのはゆっくりな?

のんびりと
時々、誰かのフォローもしつつ皆と楽しもう


アドリブ
絡み歓迎


アオイ・ダイアログ
【ヨアケ】からー
絡み、アドリブ歓迎

せっかくなんでさっきのお化けナース服のまま来ましたよ
なかなか盛況で良かったですよね🎵

ほうほう、ではリコリスさんには赤の浴衣を差し上げますね🎵
ちょっと大人びた柄で綺麗に纏めましょう!
当然似合ってないはずないですよ!
とっても綺麗です🎵

しかし屋台の人も妖怪モチーフで色々考えますねぇ
サカハさん全制覇するんですか?
流石に大変そうですけど……あ、私はこっちのかき氷貰ってますね
小豆もいいけどやっぱりブルーハワイが最強かなーって思うんですよね
あ、りんご飴いいですね、かわいいー🎵
私も買いまーす!

うん、残留効果で涼めるのはなかなか反則くさいですよねー
やり過ぎるとディヴィジョンに行った時辛いから自制してますけど
理星さんちゃんと休めてます?


天夜・理星
やっとグランドターミナルの所用終わっ、
めっちゃ、疲れ、
なんだっけ、右左どうなってましたっけ。

あっそうだ【ヨアケ】の皆また楽しいことやって、

……あぢ

そうかこれ妖怪横丁か。
今日は薄着の夏コーデで来たけど、やっぱ浅草の真夏の祭りは良いもんだね。
あっ残留効果もある、アァ〜涼s、
大丈夫大丈夫こうしてわいわい涼めるだけで十分お休みなのさアオイさん。

あ、
やっほ〜ひーちゃんっ!
ああ、おかげさまでこの夏はこの気温だ、一緒に色んなもの回って涼むかあ。

……やっぱ綺麗だな。
見ている全部が、きらきらしてる。
妖怪なのにキラキラってのも変な話だけどさ。
それだけこの時間が、楽しくてたまらないんだわ、アタシ。
へへっ、楽しいねえ、ひーちゃん?
暑いのもいっぱい吹き飛んだ気がするや!

みんなもすげえ満喫しているようで何よりだわ……お、なんだ写真か栄華さん?
そっちも綺麗に仕上げてくれるの、楽しみだなあ?
おっと食べ物も食べなくちゃな、色々ありすぎてどれ食べようか迷うくらいなんだ。

……お面すげえな、運命さん。
んですげえ食うね、義弟よ。


百鬼・運命
【ヨアケ】で参加

さてと無事にお化け屋敷も終わったし、後は妖怪横丁で戦争に向けて英気を養うことにしようかな

皆に合わせて此方も浴衣(黒を基調として帯は黄色)を着用
お化け屋敷でアオイさんに施してもらったお化けメイクはせっかくだしもう少しこのままで
とりあえずお化けメイクを隠すように嫉妬団のお面をかぶっておこうかな?
羽目を外しすぎている人がいたら、お面の下の顔を見せて驚かせるとしよう
楽しむのもいいけど、戦争前に多少地獄変エネルギーも稼いでおきたいしな

さて屋台の方はいろいろとあるけど、なるほどどれもこれも妖怪っぽい見た目にアレンジされているのか
今咲さんも熱心にチェックしているけど、これは面白いなあ
妖怪テーマの遊園地で恒常的に地獄変へのエネルギー回収が出来ないかと攻略旅団に提案した事があるが、こういうお菓子の販売で恒常的に地獄変へのエネルギー回収もできそうだ

おっと、いけない
戦争前の息抜きになっていないな
意識を切り替えてゆっくりするとしようか

音無さんは屋台全制覇に挑戦するのか?
付き合ってみるとしようかな


フィーナ・ユグドラシア
※アドリブ、絡みok
※【ヨアケ】同行、ユリウスも同行

※雪女モチーフの仮装(2022南瓜行列SD)で参加

妖怪横丁、ですか。
ハロウィンとは時期がズレますけれど、納涼スポットとしては最適ですね。
どんな催し物があるか楽しみですよ。
皆様もどんな装いになっておりますやら。

基本的には皆様と共に行動です。
暑い日々なので、雪女っぽく、周囲に迷惑にならない程度に冷気を振り撒いても良さそうです。ユリウスも手伝って下さいね。
でも、雪は流石にやり過ぎでしょうか?

横丁には屋台もあるみたいですし、まずは其方の見物からでしょうか?
妖怪モチーフの飲食物などもあるようですから、一通り食べ歩いても良さそうですね。
かき氷に和菓子があれば、其方を中心に食べてみましょう。飲み物は抹茶や麦茶が合いそうです。
ユリウスや皆様と食べ比べも楽しそうですね。

屋台となると、射的とか型抜きなどもあるのでしょうか?
ユリウスに出来そうなものがあれば、一緒に楽しめそうです。

皆様に誘われるなら、喜んでお邪魔します。
こういう催し物は皆で楽しむのが一番です。


メルキディア・セデクリエル
アドリブ・連携大歓迎
【ヨアケ】参加、ジェストも同行
※ディアコレ2023の和装に鎧を外した渡り巫女の服装で参加します
(黒い巫女服の天使をイメージすれば良いです)

新宿しますのみんなで用意してくれた妖怪横丁、たつぷりと楽しみましょう!

妖怪に肖った屋台料理やお菓子は見た目も面白くて手惹かれるわね…ジェストも食べて見る?
それじゃこのアイスを一緒に食べよっか

【ヨアケ】の仲間の誘いにも積極的にのってくわね

……念の為サカハさんに胃薬もっていこうかしら。


「お化け屋敷、なかなか盛況で良かったですよね♪」
「お客さんも喜んでくれたし、大成功で終わってよかったわね」
 お化け屋敷もといお化け病院から、楽しさの余韻を連れて妖怪横丁へ。
 先程のお化けナースのまま、アオイ・ダイアログ(響き合う言霊の繰り手・g02687)はやりきった顔で笑い、桜づくしの浴衣に着替えてメイクも直した桜・姫恋(苺姫・g03043)も満足げに微笑む。
「ああ、無事にお化け屋敷の催しが終わってよかった。一般の人たちが楽しめたようで何よりだ」
 緋詠・琥兎(その身に潜むは破滅か。それとも朧げな標か・g00542)もまた、二人に同意するようにしみじみと頷く。
「ハロウィンはまだまだ先だが……妖怪横丁も面白そうだな」
 そう呟いた琥兎は、オラトリオの燈杜美とそっと微笑みを交わし合った。妖怪横丁に行くに当たり、二人も浴衣に着替えていた。琥兎の浴衣は流水紋を重ねた深緑の地にたくさんの蜻蛉が舞っていて、燈杜美の浴衣は、薄い青紫の地にたくさんの花が咲いている。
「これからの戦いに向けて、十分に英気を養えそうだ」
 黒を基調とした浴衣に着替え、黄色の帯を締めた百鬼・運命(ヨアケの魔法使い・g03078)は、先程アオイに施してもらったお化けのメイクはそのままに、嫉妬団――と呼ばれる謎の集団のお面を被っていた。
「羽目を外しすぎている人がいたら、お面の下の顔を見せて驚かせようと思ってな。そうすれば地獄変のエネルギーも稼げるし、一石二鳥だ」
 言いながら、運命はマスクの下で微笑む。
「百鬼、頼むからそのお面につられて逆に羽目を外さないようにしてくれよ?」
 大丈夫か?と怪訝そうな顔になりながら、琥兎は本気で心配しているようだった。
 面白そうな妖怪横丁への誘いに乗り、ミニドラゴンのバーンと共にやって来たリコリス・ライブレス(アイガナクテハイキテイケナイ・g11070)は、妖怪の格好に扮する人々の姿に、ほう、と感嘆の息を零す。
「まあ、僕もバーンもある意味、妖怪みたいなものだが……」
 白い体に鮮やかな色彩のオーラを纏うバーンは、良き相棒ではあるけれど。
 狼耳を触りつつ、小さく呟いて。バーンと目配せをしたリコリスは、つい苦く微笑ってしまう。
 だが、今日は仲間たちと一緒に来ているリコリスも、楽しむつもり満々だ。
「ふむ、こういった夏祭りは浴衣を着るのが定番だと聞いたのだが……アオイさん」
「はい、何でしょう! 出番ですか?」
 そう元気よく答えたアオイに、どこかほっとしつつリコリスは続ける。
「良ければ浴衣を一着お借りすることは……出来るだろうか」
「ほうほう、そういうことでしたらリコリスさんには赤の浴衣を差し上げますね♪」
 リコリスの言葉にアオイは満面の笑顔で頷き、アイテムポケットからさっと赤い浴衣を取り出してみせる。
「折角ですから、こういうちょっと大人びた柄で綺麗に纏めましょう! 当然、似合わないはずはありませんし、絶対に綺麗ですよ! 着替えもお手伝いしますよ♪」
 手際の良いアオイに、リコリスは心からの感謝を籠めた微笑みと共に頷いた。
「有難う、アオイさん。宜しく頼む」
 そして、リコリスとアオイは着替えのために、暫しその場を離れていった。
「妖怪横丁、ハロウィンとは時期がズレますけれど、納涼スポットとしては最適ですね」
 フィーナ・ユグドラシア(望郷の探求者・g02439)は、いつかのハロウィンの時に用意した雪女モチーフの着物姿で。ダンジョンペンギンのユリウスも円らな瞳を輝かせながら、興味深そうにそわそわと辺りを見回している。
「どんな催し物があるか、ユリウスも楽しみですか?」
 微笑みながら問いかけるフィーナに、ユリウスはぴっと片手をあげて応じる。その無邪気な姿に、フィーナは心を和ませるばかりだ。
「……やっとグランドターミナルの所用終わっ……めっちゃ、疲れ、……なんだっけ、右左どうなってましたっけ」
 ふらり、と。今にも倒れそうな勢いで、待ち合わせの場所に姿を見せたのは、天夜・理星(復讐の王・g02264)だ。
「何だっけ、えっと……そうか、これが妖怪横丁か……あぢ」
 けれどすぐに、どこからともなく吹いてきたひんやりとした風が理星の頬を擽った。
「アァ~涼しい~……残留効果の音~……って何だ?」
「……りぃちゃん? やっほー?」
「……あ、やっほ~ひーちゃんっ!」
 恋人である姫恋の呼ぶ声に、理星はこれまでの疲れが全部吹き飛んだような笑顔で応える。
「暑そうね、早くお祭りに行って涼しみましょう?」
 姫恋の言葉に、ぱたぱたと手で顔を仰ぎながら理星は言った。
「ああ、でも残留効果があるからまだ涼しいよ。一緒に色んなもの回って涼むかあ……」
 そこまで言ってから、理星はちら、と浴衣姿の姫恋を見やり、続けた。
「……今日は薄着の夏コーデで来たけど、次があったら浴衣で来るのもいいね」
「おっと理星さん、ちゃんと休めてます?」
 アオイの案じるような言葉に、理星は笑って頷く。
「大丈夫大丈夫。こうしてわいわい涼めるだけで十分お休みなのさ、アオイさん♪」
 ぱたぱたと手で仰ぎつつ、ふと感じた涼しさに音無・サカハ(若き流星・g10149)はほっと息をついた。
「ちょうど暑い時期だし、何か氷菓子とか食べたいな」
 思い思いの装いの皆に混ざり、今日のサカハは普段着で。浴衣や妖怪のコスプレも悪くはないけれど、今回は気心知れた旅団の仲間や義姉である姫恋と理星がいる。普段は一人で行動することが多いサカハだが、家族や仲間たちと一緒に、“普通”の時間をゆっくり楽しみたいと、そんな時間を大切にしたいと思ったのだ。
 一方、レンタルした浴衣を着てきたイリヤ・レダ(はぐれ天使刃傷派・g02308)は、どこか落ち着かない様子だった。
「浴衣ってこんなに通気性がいいというか、良すぎるというか、こういう感じなんだね」
「ご自分で着付けされたんですか? バッチリじゃないですか♪」
 アオイの言葉に、イリヤはほっと息をつく。着付けについてはネットで調べつつ、間違わないように慎重にしたのだが、どうやら大丈夫そうだった。
 妖怪横丁を行く人々の中には見知った顔もちらほらいるような気がするが、多くのディアボロスが集っているから、そういう偶然もあるだろう。
「てかお面すげえな、運命さん」
 運命のお面に対する理星のツッコミがあったことはさておき。
 こうしてお化け屋敷ならぬお化け病院でのひと仕事を終えた旅団【ヨアケの星】の一行は、後から来た仲間たちと合流し、連れ立って妖怪横丁へと足を運んでいた。
「途中参戦だからッて、妖怪横丁に何かようかいーッて連れないコト言うなよォ」
 そんなことは誰も言っていないのだが、今咲・栄華(ゲットワイルド退職・g00910)は思いついたら言わずにいられないので仕方がなかった。ちなみに栄華も祭りとあらば――と、藍色の地に大輪の白薔薇が咲く浴衣をスタイリッシュに着こなしている。
「最終人類史の皆が用意してくれた妖怪横丁、たっぷりと楽しみましょう!」
 黒と紫の巫女服を着たメルキディア・セデクリエル(閃機術士のエンジェリアン・g03132)は、皆と一緒に楽しげに横丁の様子を眺めやる。ミニドラゴンのジェストもいつになく心が弾んでいるようで、ぱたぱたと飛びながら忙しなく辺りを見回していた。
 皆と共に歩きながら、フィーナはぴょこぴょこと動き回るユリウスと共に、雪女らしくふわっと冷気を振り撒きながら人々に涼を齎していた。
「それにしても妖怪横丁ならではの飲食メニューのラインナップがあるな。盛り付けなども“らしい”ものばかりで目も楽しませてくれるし」
 感心したように呟く琥兎。燈杜美もどこか楽しそうに微笑んでいる。
「暑い時期だし、かき氷もいいだろう。燈杜美、早く食べると頭が痛くなるから、口にするのはゆっくりな?」
 燈杜美は嬉しそうに買ってもらったかき氷を食べ、その様子を琥兎は微笑ましげに見守っていた。
「確かに琥兎さんの仰る通り、妖怪モチーフの飲食物もたくさんあるようですね、一通り食べ歩いてみるのも楽しそうです」
 フィーナとユリウスは抹茶のかき氷と猫の肉球が押されたお饅頭にお茶をチョイス。
「ユリウス、舌が緑色になっていますね……」
 言われて、ユリウスがかぱっと口を開ければ――そこには抹茶色に染まった舌があったとか。
「見た目も面白くてどれも惹かれるわね……」
 妖怪に肖った屋台料理やお菓子の数々。メルキディアはジェストと一緒に眺めやりながら、彼が気になったらしいアイスに目を留めた。
「ジェストも食べてみる? それじゃこのアイスを一緒に食べよっか」
 メルキディアは笑顔でそう言うと、ジェストに小豆とバニラのアイスを差し出した。
「しかし屋台の人も妖怪モチーフで色々考えますねぇ。流石に大変そうですけど……」
 言いながらかき氷の屋台に向かったアオイを見送った運命も、興味津々といった様子で屋台を眺める。
「なるほど、どれもこれも妖怪っぽい見た目にアレンジされているのか」
 見た目は何の変哲もない串焼きでも、妖怪の肉と言われればそんな気もしてくるから不思議なものだ。最終人類史の人々が趣向を凝らした屋台の数々は、運命がよく知るお祭りの屋台とはちょっぴり異なる様相を呈している。
「今咲さんも熱心にチェックしているみたいだが、確かにこれは面白いなあ」
「アタシは頭から市場調査が離れなくッてさァ、職業病ッて奴? 飲食店で映えるフードやドリンクがあッたら買ッてスマホで写真を撮ることにしてるンだ」
 感心したような運命の声に、栄華は自撮り棒も駆使して色々な屋台料理やスイーツを自撮りしながらにっと笑ってみせる。
「配信して世界の人に興味を持ッてもらッて観光地潤せちゃッて、更にディアボロス的エネルギーを集めて世界まで救っちゃうなんてWin-Winよねェ~」
 撮影した写真は宣伝も兼ねてお店の情報と共にSNSにアップし、閲覧数を稼いでアカウントを回すという完璧な戦略だ。
「お、今咲嬢が買ったものも良いな。参考にしよう」
 喫茶店で働く琥兎としては、仕事の上でも参考になりそうなものばかり。
「でしょ? 良ければイイよネ!をポチッとよろしくねェ~」
 琥兎の言葉に、栄華は満面の笑みを浮かべて続ける。
「皆も美味しいものがあれば、イイ角度から写真を撮らせてねェ」
 この度の蹂躙戦記イスカンダル奪還戦においても、戦略を考える上でより重要性が増したとも言える地獄変のエネルギー。これからますます激しくなっていくであろう戦いを思えば、可能な限り恒常的にエネルギーを回収する手段が欲しいと運命は考えていた。
「……おっと、いけない。ゆっくりするつもりで来たのにな」
 ついいつものように思考を巡らせて、運命は我に返る。
「まァた難しいコト考えてンだ? 運命もそりゃ立派な職業病だね」
 小さく肩を竦める栄華に、運命は苦笑する。
 戦いの前の息抜きに来たはずなのに、これではいつもと変わらない。
 ひとつ息をつき、意識を切り替えて――改めて仲間たちを見やれば、ちょうど鮮やかなブルーハワイのかき氷を手にアオイが戻ってきた。
「小豆もいいけどやっぱりブルーハワイが最強かなーって私は思うんですよね」
「へえ、屋台も沢山並んでいるな……甘味も選び放題か……!」
 アオイの見立て通り、レトロな風合いの赤色の浴衣をそつなく着こなして。
 皆に混じって横丁を散策しながら、リコリスは目を輝かせるばかり。
 甘い物が好きなリコリスとしても、目が離せないスイーツがいっぱいあるようだ。
「……ん、どうした、バーン?」
 バーンに袖を引っ張られ、リコリスは視線を映す。
 すると、そこには――。
「おお、りんご飴じゃないか!」
 甘い物の中でも特にりんご飴が好きなリコリスは、鮮やかに艶めくりんご飴が並ぶ屋台へ即座に吸い寄せられていく。
「……なになに、“ねこむすめのりんご飴”というのか……おお、ちゃんとりんごで耳まで付けてあるし、顔も描かれていて可愛いな。見てくれ、みんな。一つ一つ表情も異なっている」
 瞳を輝かせながら早速ひとつ購入したリコリスは、声を弾ませながら皆へ振り返った。
「あ、りんご飴いいですね、かわいいー♪ 私も買いまーす!」
 アオイはかき氷に加えてさらにもう一つ、ねこむすめのりんご飴もゲットである。
「屋台の食べ物もおいしいんだよね。そういえばリコリスはりんご飴が大好きだったね」
 りんご飴を手に嬉しそうなリコリスを微笑ましく見やるイリヤも、普通とは少し違った雰囲気の食べ物やスイーツに心惹かれていた。
「うん、ちょっと調べはしたんだけれど、日本の妖怪さんって独特のモノがあるよね」
 屋台の装飾や人々の格好など、出来が良いと感じたものは素直に褒めながら、イリヤは許可を貰ってスマホで撮影していく。
(「ここら辺も、“仲間”の皆に見せたいな……」)
 刻逆に奪われたままの、再会を願う家族のように大切な皆の顔を思い返しながら、イリヤは懐かしむように表情を和らげる。
「イリヤも写真撮ってンの? なら、イリヤごと思い出を保存しちゃおうねェ」
 そこにすかさず救援機動力にも負けぬ速さで栄華が現れ、屋台とイリヤの一枚を。
「こうも可愛いと食べるのが勿体ないが……やはり食べ物は有り難く頂かないとな」
「猫耳のリコリスが猫耳のりんご飴食べようとしてるゥ! そンじゃ、こっちも食べる前に一枚撮るよォ」
「おお、栄華さん、写真を撮ってくれるのか。では……」
 栄華は更に、ねこむすめのりんご飴と、そしてバーンと共に微笑むリコリスをばっちりとレンズに収めていく。
 それからリコリスはりんご飴を暫く鑑賞した後、思い切り齧りついた。
 口の中に広がる飴の甘さと、りんごの甘酸っぱさ。それらが混ざり合ってとけていく――リコリスにとっては至福のひと時だ。
「うむ、大変甘くて美味だ」
 不意に袖を引っ張られ、琥兎は目を瞬かせる。
「……どうした? 燈杜美」
 燈杜美が示すのは射的の屋台。何か言いたげな燈杜美に、琥兎はすぐに察して頷いた。
「あぁ、射的で欲しい景品を見つけたのか。取るのは自分でもいいが……せっかくだ、射的に自信のある奴に頼んでみるのもいいんじゃないか?」
 琥兎の言葉を聞いたイリヤが燈杜美の隣に歩み出る。
「うん。射撃や型抜きはちょっと自信あるよ。任せて、どれが気になってるの?」
 イリヤの優しげな声に、燈杜美はぱっと笑顔を咲かせてあれ!と言うように欲しいものを指し示した。
「折角ですし、私たちも挑戦してみましょうか、ユリウス。後で型抜きをしてみるのもいいですね」
 そう言って、フィーナもユリウスと共に射的の屋台へ立つのだった。
「折角だし、目指せ、屋台全制覇!したいな」
 最終人類史の人々がディアボロスのためにと開いてくれたイベントなのだから、隅から隅まで全力で楽しまなければ損だろう。
 宣言してからサカハはこっそりと財布を確かめたが、きっと大丈夫のはずだ。この後どうなるかは――言わないのがお約束というもの。
「すげえ食う気満々だね、義弟よ」
「屋台全制覇? サカハ、お腹壊さないでよね?」
 心配そうな理星と姫恋に、サカハはぐっとサムズアップ。
「大丈夫だ、俺の鋼の胃袋を信じよう、なんとかなるさ! ……多分」
(「思いっきりフラグでは?」)
 理星はついそんなことを思ってしまったが、義弟のために敢えて口にはしなかった。
「音無さんは屋台全制覇に挑戦するのか? じゃあ付き合ってみるとしようかな」
「あ、運命が付き添ってくれるなら安心かな?」
「サカハさんだけでなく、運命さんも全制覇するんですか? 頑張ってくださいね♪」
「音無も運命も食べ過ぎて腹を壊さないようにな。後で消化にいい飲み物とかを用意しておこう」
 姫恋とアオイ、そして琥兎に見送られ、サカハと運命は屋台全制覇の旅に出る。
(「……念の為、後でサカハさんと運命さんに胃薬持っていこうかしら」)
 心の中で呟くメルキディア。その隣で、ジェストがしみじみと頷いていたように見えたかもしれない。
「……やっぱ綺麗だな。見ている全部が、きらきらしてる」
 ふとそう零した理星の瞳も、きらきらと輝いているように見える。
「妖怪なのにきらきらってのも変な話だけどさ。それだけこの時間が、楽しくてたまらないんだわ、アタシ」
 そこまで言って、理星は傍らの姫恋に満面の笑顔を向ける。
「へへっ、楽しいねえ、ひーちゃん? 暑いのもいっぱい吹き飛んだ気がするや!」
 ――その時。
 カシャリ、と響いたシャッター音に、理星はぱち、と目を瞬かせた。
「エモい瞬間、イタダキ~」
 屋台を巡るサカハと運命の後について美味しそうに食べる二人と屋台の写真を撮っていた栄華は、恋人同士である姫恋と理星の“瞬間”をカメラに収めることも忘れていなかった。
「お、なんだ写真か栄華さん? そっちも綺麗に仕上げてくれるの、楽しみだなあ?」
「任せちゃッて。全力でエモエモな写真に仕上げてあげよォ」
 期待を込めて笑う理星に、栄華はぐぐっとサムズアップ。
「……やっぱ浅草の真夏の祭りは良いもんだね。みんなもすげえ満喫しているようで何よりだわ」
 それぞれに楽しむ仲間たちを眩しげに見やり、理星は思い出したように瞬いた。
「おっと、食べ物も食べなくちゃな。……って言ったらお腹がぐうって鳴ったな今。色々ありすぎてどれ食べようか迷うくらいなんだ」
 理星の言葉に、姫恋はほんの少し悪戯っぽく笑って。
「じゃあ、食べれるだけいっちゃう? 私も一緒に食べるから、大丈夫よ」
 そうして二人もまた、甘い時間を共有しながら――心地よい夜の喧騒の中にとけ込んでいく。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【活性治癒】LV3が発生!
【クリーニング】がLV2になった!
【スーパーGPS】LV1が発生!
【士気高揚】LV2が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
【完全視界】LV1が発生!
【友達催眠】がLV4になった!
【通信障害】がLV2になった!
効果2【ドレイン】がLV5(最大)になった!
【リザレクション】がLV2になった!
【命中アップ】がLV3になった!
【グロリアス】LV1が発生!
【フィニッシュ】LV2が発生!
【能力値アップ】がLV7になった!
【ダメージアップ】がLV4になった!

フィリス・ローラシア
※アドリブ、絡みok
※リュカ同伴

※ウェアキャットの仮装(2023南瓜行列SD)ベースですが、「猫又さん」の方が妖怪っぽいので、付け尻尾をもう一本生やします。

浅草って、元々観光地として有名なんでしたっけ?
妖怪横丁って、それの妖怪っぽいバージョンという事でしょうか。

うん、自分でも何を言ってるのかよく分かりませんが、凄く楽しみです。
リュカはどんなものが見たいです?

横丁を見回ってみる訳ですが、やはり屋台巡りが中心になるでしょうか。
猫又っぽく、クルクル踊りながら歩いても面白そうですが、他の人達にぶつからないようにしませんとね。
あ、屋根の上とかは行きませんよ?

屋台で気になる物となると、やはり妖怪モチーフの食べ物ですね。
夏ですし、かき氷を食べ比べしてみたいです。どんな味がありますかね。
リュカと一緒に色々試してみましょう。
ある程度食べたら、口直し?に餡蜜です。

そういえば、屋台ということは、遊べる店もあるのでしょうか?
日本の古い遊びが多いと聞きますし、面白そうな屋台があればリュカと一緒にやってみましょう。


「……浅草って、元々観光地として有名なんでしたっけ? 妖怪横丁って、それの妖怪っぽいバージョンということでしょうか」
 そこまで言いかけて、フィリス・ローラシア(夢現の竜使い・g04475)は思わず首を傾げていた。
「うん、自分でも何を言ってるのかよく分かりませんが、凄く楽しみです。……リュカはどんなものが見たいです?」
 けれどもすぐに気を取り直し、傍らを飛ぶミニドラゴンのリュカに問いかける。リュカはきょろきょろと興味深そうに辺りを見回しているが、興味の赴くままにどこかに飛んでいってしまうということはなさそうだ。
 行き交う人々は思い思いに、妖怪の格好や浴衣を着て歩いている。
 フィリスもまた、白いウェアキャットをモチーフとした衣装に身を包んでいた。ベースとなっているのは昨年の南瓜行列の仮装だが、大胆な露出はやや控えめにして、妖怪の猫又っぽく付け尻尾を二本に増やしている。
 時にくるくると踊るような足取りで、フィリスは横丁を巡る。勿論、猫又とはいえ猫のように屋根に登ったりなどはしないけれど――。
 ずらりと軒を連ねる屋台で気になるものと言えばやはり妖怪モチーフの食べ物だが、フィリスのお目当てはかき氷だ。
 屋台のかき氷は時先案内人が紹介していたカフェのものと同じく、雪女が作った氷を削ったものだというが、苺やレモン、メロンにブルーハワイ――などなど、お祭りでは定番のフレーバーが多いようだった。
 そんな中、特にフィリスの目を引いたのはレインボーの文字。見ればどうやらリュカもきらきらと目を輝かせているような気がしたので、フィリスはレインボーのかき氷を頼むことにした。
 雪女本人ではなくその知り合いだという、白い着物を着たちょっといかつい店主の手で作られていくレインボーかき氷。
 赤と青、そして黄色の三色のシロップでそれ以外の色が生まれるのは何だかとても不思議で、フィリスは思わず見入ってしまった。
 食べ比べのつもりで食べてみて、どこから食べても同じ味がすることにフィリスが気づくのはもう少しだけ先の話ではあるが――。
「あんみつも気になりますし、休憩がてら、あとで喫茶店にお邪魔してみるのもいいかもしれませんね」
 そんなことを言いながら、フィリスはリュカと共にまだまだ続く妖怪横丁を歩いていく。
 屋台というからには、勿論食べるだけでなく遊ぶための店もある。
 射的に輪投げ、ヨーヨー釣りに金魚すくい――日本の古い遊びが多いというから、面白そうなものがあるのならリュカと一緒に楽しむのも悪くはないかもしれない。
 
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【防衛ライン】LV1が発生!
効果2【ダブル】LV1が発生!

八雲・譲二
※アドリブ連携歓迎
【社員旅行】
CCTS旅団で参加を募ったメンバーで集合、妖怪横丁へ

奪還戦目前だが、だからこその納涼イベントだな!
去年の浴衣コンテストで買った青い法被を出して着る
折角だしズボンのベルトに尻尾型のアクセサリーを付けて、木の葉型のヘアピンでも指してこようか。化け狸っぽく。
おぉ、皆仮装が面白いな
そんじゃ楽しもうか

折角だから色々食べ歩いてみようぜ
どの店も凝ってて面白い。こう暑いとジェラートなんかが美味いな
そっちの店の饅頭と合わせて食べると餡子の甘さと抹茶ジェラートの苦みを交互に堪能出来て最高だ

皆と遊び歩く時間を確保したいので出店を出すのはパスしたけれど…
同じ商店会の知人の店で短時間ヘルプする約束をしてたんで、途中でちょいと寄っていく
かき氷が目玉か、そうそう練乳氷でやると美味いよな。苺とよく合うし。
珈琲味?お目が高い。ウチ提供の豆で作ったシロップがあるよ
手伝いが終わったら棒付きの冷凍果物をいくつか土産にもらって、一緒に来た皆と摘まもうか

来年もこうして皆と、夏を楽しみたいもんだなぁ…。


エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
【社員旅行】

社の皆と夜歩き
俺は化け猫の恰好を
青い猫耳尻尾つけて、顔色蒼白メイクを施そう
浴衣は淡い空色だ
うちわは破れた障子紙風
スフィンクス……!?

和風に洋風、動物さんの妖怪がいっぱいだ
……ってわぁ、勲さんが本格的!?
なんかゾクッとしてきた

不思議な食べ物が沢山だ
きょろきょろ横丁の屋台を見渡しながら

そっとモブオーラかけ
仲間の袖口に目玉グミを入れてみたり
髪や服に花を挿してみたり
船幽霊の髪には大輪のガーベラ
悪戯をしかけるのは、化け猫の性分かな
一般人さんにも悪戯だ
素敵な横丁の御礼の気持ち
お代のかわりに小判の最中を渡して猫っぽい笑み

ふーん、かき氷が目玉かぁ(サッと悠雅さんや仲間の氷に目玉グミのせる)
かき氷はみぞれ味に……
へぇ、俺も珈琲味をミックスにできないかな?
なるほどひんやり……美味しいや
こっちのあんみつもシェアしよう
ほろっと解けて、優しい甘さだよ
ああ、スムージー飲んで青くなってしまった…(元々)
冷凍果物に顔が綻ぶ

ラズ狐を抱えたら妖狐連れの化け猫に
お稲荷さん見つけておいたよ、と口へ
ジョージさんへ頷く


明日葉・悠雅
【社員旅行】
アドリブ歓迎

コスプレってことなら執事服かね
昔着たやつが残ってたんだよ、運がいいのかね?
狼執事って需要ある?

おー、勲は可愛らしいね。船幽霊っていうのか
西洋で言うところのセイレーンなのかね?あれは歌で沈めるほうか

マティアスは色男だな
浴衣が良く似合うね

譲二は働きものだね
盛況そうでなによりだ
配膳や会計辺りで手伝うかね
こういう時の執事だろうしな

エトヴァが化け猫でラズロルがお稲荷さんと
よく似合ってるよ
並んでるとまた風流だねぇ

サヨコさん、とっても本格的ね……
一瞬誰か分からんかったよ
尻尾がブワッとなり、足の間に仕舞われる(かなりビビった)

食べるなら、河童印の濃厚な抹茶ジェラートかね
かき氷か……悩むが、みぞれだな
ん?って目玉!?……あ、グミ、はい……
ジョーク菓子があるのは知ってるが、いきなりは心臓に悪いぞ?
数は食べられないんでな……シェアしてくれるならありがたいね

飲み物ならホットコーヒーか紅茶か
暑い夜でも冷たい物を食べたら冷えるからな


ラズロル・ロンド
【社員旅行】
狩衣を着て耳穴が空いた立鳥帽子を被り
顔や尻尾に青いラインでちょっとカッコ良さげな隈取りを描いてもらい
妖狐の神様風なコスプレをしよう
譲二君は狸さんで化け仲間でイェイ
一般人が居たら
葛の葉を頭に乗せ、くるんと一回転ジャンプをすれば
【狐変身】でいつもより大きな狐姿に
食べちゃうぞ〜と口をクワッと開けて脅かしたりイタズラお狐様化するよ〜
その実、撫でられたり餌付けされるチョロ狐
悠雅君の狼執事さん!ふわふわゴールデン執事さんカッコよ!
嬉しそうに回りぐるぐる回り
サヨコ君迫真のゾンビにピャッと尻尾がぶわわ
勲君のところへ行って水遊びで、冷っこ〜したり
マティアス君とイタズラ変身ズで一般人を一緒に脅かしたり
譲二君の所へ、下さいなとおねだり狐
冷凍果物をあぐあぐシャクシャクつめたーっと狐食い
なんか目玉グミ増えた!とビクンとしながらも、あむあむ食す

最後はいつの間にかいつもの狐サイズになって
エトヴァの腕の中へすっぽり収まる定位置へ
供物をささげよ!とあーんと大好物のお稲荷さんを食べさせてもらい上機嫌お狐様


三間・勲
【社員旅行】
(アドリブ歓迎)

※仮装は船幽霊風
大きな白い布に目と口の穴のみのデフォルメ化されたお化け衣装+三角巾
通行人等にお声がけして、所持した穴開き柄杓を振る動作で【冷気の支配者】の冷気を適度に浴びせます

一足早いハロウィンみたいですね
今日の僕は船幽霊です
こうして船を沈めるんですよ(柄杓を振り)
エトヴァさんやシュトローマーさんが油断している隙に後ろから…!

猫に狸に狐に狼、個性的な尻尾が沢山
特に明日葉さんとロンドさんは本格的…
失礼、本物の尻尾でしたね!

ふふ、やるからには全力を尽くす…月鏡さんらしくて良いと思います
すみません、こういう所が可愛らしいと思うとつい笑顔に
さ…早速皆さんを驚かせに行きましょう

屋台を見てどれも美味しそうと迷いつつ、皆と感想を交わします
シェアも喜んで!
譲二さんなら世界中のお菓子を珈琲味にできそうです
僕はかき氷の梅味を! む、大人の味…(分け合えば一緒に渋い顔に)
あはは、舌の色が変わっちゃいました

気が付けば頭の上にお花が…?
英気を養ったら、再び冥海機との戦いに戻りましょう!


マティアス・シュトローマー
【社員旅行】

濃灰に幾何学柄、去年の浴衣を着て妖怪横丁へ
おおー、すごい!俺達のために工夫を凝らして準備してくれた新宿島の人達には感謝してもし切れないや

心なしか空気が冷んやり…って勲かー、びっくりし…(隣をちらり)うわあああゾンビ!
えっサヨコ?
正体がわかった上で二人を見るとマスコットっぽくて可愛いかも
悠雅はカッコいいなー!
需要有り有りだよ
実は元執事だったりする?

譲二がヘルプに入ったお店は大繁盛だなー
…俺がこのまま何もせずに終わるとでも?
ラズロルとアイコンタクトの後、並んでいるお客さんに狙いを定めて【コウモリ変身】。くるりと一回転してから元の姿に戻り、目の前に現れよう
ふふ、驚いた?君もお祭りを楽しんで!
こんなサプライズもお祭りの趣旨に合うはず

俺は青鬼のブルーベリースムージーにかき氷も涼しげでいいね
抹茶や紅茶があるのなら珈琲フレーバーもあったりする?
やった、さすが譲二!このほろ苦さが効く…!
エトヴァに何が!?俺は…良かった、オレンジのままだ(?)

これからもこの景色を見続けるために頑張らないとなー


月鏡・サヨコ
【社員旅行】

※仮装は兵士のゾンビ。汚した軍服と模型小銃を装備、化粧で顔にあざや傷を作り、眼が白濁して見えるコンタクトを着用
※一番仲がいいと思っている勲さんの近くに寄る傾向

ぐう゛う゛う゛……(迫真の白目剥きと、喉が焼けただれたような唸り声)
やるならば全身全霊を込めて、と思ったのだけれど、怖すぎるだろうか
勲としてはどう思う?
私もその船幽霊のように、可愛げのある仮装を考え付けばよかったのだけど

ラズロルの狐に対抗して譲二が狸。どちらが化かされる側になるのやら
エトヴァの猫は……意外だ。翼があるからスフィンクスか?
……マティアスは何かしないの?(ナチュラル無茶振り)

シロップと練乳をかけ冷凍苺を乗せたかき氷を口に運び、甘さと体の芯に響く冷たさに静かに頷く
梅味は癖が強かったようだな。完食が大変なら、私が食べてもいい
(シェアして貰った後、一瞬だけ酸味に顔をしかめて)
思いのほか強敵だった。……だけど兵士に二言はない

間もなく、ヤ・ウマトではグアムでの一大決戦が始まる
その前の骨休めとしては……悪くない一日だった


「おぉ、皆仮装が面白いな」
 八雲・譲二(武闘派カフェマスター・g08603)の呼びかけで集まった旅団【CCTS】一行は、この度の納涼妖怪イベントに合わせて思い思いの妖怪姿に扮していた。
 木の葉のヘアピンを指した譲二は、普段着の上に去年の浴衣コンテストの際に購入した青い法被を羽織り――更にズボンのベルトに尻尾のアクセサリーを付けて、さながら化け狸のような装いに仕上がっている。
「和風に洋風、動物さんの妖怪がいっぱいだ」
 青い猫耳と尻尾をつけ、顔には蒼白いメイクを施して。淡い空色の浴衣で化け猫に扮したエトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)は、破れた障子紙風の団扇でぱたぱたと仰ぎながら皆の姿に柔く微笑み――かけて、思わず背筋に感じた冷たさに肩を震わせる。
「……なんかゾクッとしてきたような……?」
「確かに、心なしか空気が冷んやり……」
 エトヴァと同じく背筋にひんやりしたものを感じたらしいマティアス・シュトローマー(Trickster・g00097)も首を傾げつつ振り返り――。
「ふふふ、お二人共、油断しましたね……?」
 エトヴァとマティアスの背後に、いつの間にか白い布をすっぽりと被った幽霊のお化けが立っていた。
「って勲かー、びっくりした……」
 顔が隠れていても、幼い勲ならば背格好と声ですぐわかる。
「はい、僕です。ちなみに今のは【冷気の支配者】の冷気で、これで一般の皆さんを驚かせようと思っていまして……」
 目と口の穴が空いた白い布をすっぽり被り、三角巾をつけた三間・勲(漁火・g10186)は、二人が感じたひんやりの正体を明かしつつ、穴の空いた柄杓で水を汲み入れるような仕草をしてみせる。
「今日の僕は船幽霊です。こうして船を沈めるんですよ」
 ――そして、勲の隣にゆらりと歩み寄る、影。
「ぐう゛う゛う゛……」
 喉が焼け爛れたような唸り声を響かせる、白目を剥いたような――。
「うわあああゾンビ!」
 迫真過ぎるその姿に、マティアスは飛び上がりそうなくらいに驚いて反射的に一歩後ずさった。
「その姿は……サヨコさんか……!? 本格的だ……!!」
「……って、えっサヨコ?」
 冷静にゾンビの正体を見出したエトヴァの隣で、マティアスはきょとんと瞳を瞬かせた。
 エトヴァとマティアスに名を呼ばれ、ゾンビの兵士に扮する月鏡・サヨコ(水面に揺らぐ月影・g09883)がこくりと頷く。
「やるならば全身全霊を込めて、と思ったのだけれど、……怖すぎるだろうか」
 所々が汚れた軍服に模型の小銃を携え、顔には痣や傷の特殊メイクを施し、更に眼が白濁して見えるようカラーコンタクトを入れて――そして先程の、迫真の演技である。
「……勲としてはどう思う? 私もその船幽霊のように、可愛げのある仮装を考え付けばよかったのだけど」
 遠慮がちに問うサヨコに、勲は布に隠れた顔に笑みを浮かべて大きく頷く。
「ふふ、やるからには全力を尽くす……月鏡さんらしくて良いと思います」
 彼女のこういう所が可愛らしいと思うと、勲はつい笑顔になってしまうのだ。今は布に隠れて見えていないだろうけれど、きっとサヨコにならば、声と雰囲気で十分に伝わっているだろう。
「……確かに、二人ともマスコットっぽくて可愛いかも」
 二人を改めて見やりつつ、マティアスはどこかほっとしたように笑った。
「サヨコさん、とっても本格的ね……一瞬誰か分からんかったよ」
 一方、ぶわっと膨らんだふわふわの狼尻尾を足の間に仕舞い込み、めちゃくちゃびっくりしたのを全身で表現しながら、明日葉・悠雅(求道者・g11206)が心なしかか細い声で呟いた。
「勲は可愛らしいね。船幽霊っていうのか。西洋で言うところのセイレーンなのかね? あれは歌で沈めるほうか」
 二人の本格的な妖怪姿に感心した様子の悠雅が纏うのは、クラシカルで高級感のある執事服。昔着たことのあるものが残っていたのは、悠雅にとっては幸運だった。
「ところで狼執事って需要ある?」
 そう、心の底から首を傾げる悠雅に――。
「「ある」」
 いくつかの(力強い)声が重なり、そしてマティアスが太鼓判を押すように満面の笑みを浮かべて言った。
「カッコいいし需要有り有りだよ。悠雅、実は元執事だったりする?」
 その言葉に悠雅はただ笑みを微かに深めるだけで答えず、代わりに去年仕立てた濃灰に幾何学柄の浴衣を纏うマティアスを見やり、告げる。
「マティアスは色男だな。浴衣が良く似合うね。それからエトヴァが化け猫でラズロルがお稲荷さんと……並んでるとまた風流だねぇ。よく似合ってるよ」
「そう言ってもらえると嬉しいよ~。悠雅君の狼執事さんも! ふわふわゴールデン執事さんカッコよ!」
 悠雅の言葉に、エトヴァの隣に立つラズロル・ロンド(デザートフォックス・g01587)が満面の笑みで応じる。
「譲二君は狸さんで化け仲間でイェイ!だね」
 狩衣に狐の耳穴が空いた立鳥帽子を被り、顔や尻尾に青いラインで格好良く隈取りを描いてもらったラズロルは、妖狐の神様といった出で立ちで、さり気なく譲二とサムズアップを交わし合う。余談ではあるが、ラズロルもサヨコ迫真のゾンビ姿にぴゃっとなって先端が水色に染まったふわふわの白い狐尾をぶわわとさせていたとか。
「猫に狸に狐に狼、個性的な尻尾がですね。特に明日葉さんとロンドさんは本物の尻尾ということもあって、より本格的なものに感じられます!」
「ラズロルの狐に譲二が狸。どちらが化かされる側になるのやら」
 感嘆の声を漏らす勲の隣で、皆の姿をまじまじと眺めやりながらサヨコがぽつりと言う。
「エトヴァの猫は……意外だ。翼があるからスフィンクスか?」
「スフィンクス……!?」
 想定していなかったサヨコの言葉に、エトヴァは思わず驚きの声を上げていた。

「そんじゃ早速、楽しもうか」
 譲二の声に一行は頷き、夜がふけてゆくにつれてより一層賑やかさを増している妖怪横丁へ繰り出していく。
 最終人類史の人々の手によってがらりと姿を変えた通りは、連なる提灯と蝋燭の火にぼんやりと照らされて、まるで別世界に迷い込んでしまったかのような心地になる。
「おおー、すごい!」
 目の前に広がる光景に、マティアスは思わず声を弾ませる。
 地獄変のエネルギーのチャージという大きな目的があるからとはいえ、それ以上にディアボロスの皆に楽しんでほしい――と、最終人類史の人々が工夫を凝らして準備をしてくれたことには、感謝してもしきれない。
「不思議な食べ物がたくさんだ……」
 きょろきょろ横丁の屋台を見渡しながら、エトヴァは趣向を凝らした飲食物の数々に感心するばかり。
「どの店も凝ってて面白い。こう暑いとジェラートなんかが美味いな。折角だから色々食べ歩いてみようぜ」
「食べるなら、河童印の濃厚な抹茶ジェラートかね」
 真顔で思案すること暫し、悠雅が零した呟きに譲二が答える。
「そっちの店の饅頭と合わせて食べると、餡子の甘さと抹茶ジェラートの苦みを交互に堪能出来て最高だ」
「俺は青鬼のブルーベリースムージーに……かき氷も涼しげでいいね」
 早速マティアスは青鬼のブルーベリースムージーをゲットしつつ、かき氷にも興味津々だ。
 同じくスムージーを手に入れたエトヴァは、一口飲んでから――ふと、真剣な表情になって呟く。
「ああ、スムージーを飲んで青くなってしまった……」
「エトヴァに何が!?」
 青褪めた顔で呟くエトヴァに、マティアスは明らかに動揺する。なお、エトヴァの顔が青いのは、今日はそういうメイクなので元々なのだが――。
「俺は……良かった、オレンジのままだ」
 思わずマティアスは鏡で顔を確認して――そして、安堵の息をつくのだった。
「どれも美味しそうですね、スムージーもかき氷も気になります……!」
 声を弾ませる勲の隣で、サヨコはかき氷のメニューとにらめっこ。
「皆さんと色々、シェアできたら嬉しいです」
「数は食べられないんでな……シェア出来るならありがたいね」
「それならあんみつをシェアしよう。ほろっと解けて、優しい甘さだよ」
 勲と悠雅の言葉に、エトヴァは微笑んで続ける。
「おっと、すまんが少し抜けるぜ。折角だ、少し休憩していくと良い」
 すると通りかかった店の前で、譲二は言った。皆と遊び歩く時間を確保したかったがために出店は出さなかったものの、同じ商店会の知人の店で短時間ではあるが手伝いの約束をしていたのだ。
「譲二は働きものだね、盛況そうでなによりだ。俺も手伝うよ」
 こういう時の執事だろう、と悠雅も加わる。
「大繁盛だね、譲二。……かき氷、抹茶や紅茶があるのなら、珈琲フレーバーもあったりする?」
 サヨコと一緒にメニューを覗き込んでいたマティアスが、ふと顔を上げて尋ねる。
「珈琲味? お目が高い。ウチ提供の豆で作ったシロップがあるよ」
「やった、さすが譲二!」
「へぇ、俺もみぞれに珈琲味をミックスにできないかな?」
 にやりと笑みを深める譲二にマティアスがぱっと笑みを輝かせ、エトヴァも期待を込めた眼差しで続く。
 やがてそれぞれの前に運ばれてきたかき氷は、まるで雪のように繊細でふわふわとしていて。
「このほろ苦さが効く……!」
 苦みの中にどこかフルーティーな酸味も感じられる濃厚な珈琲のシロップをたっぷりかけた珈琲味のかき氷に、マティアスは堪らずといった声を上げて。
「なるほどひんやり……美味しいや」
 練乳と程よく混ざり合い、甘さも感じられる氷を満足気に噛み締めつつ――エトヴァは、皆の氷にさっと目玉のグミを忍ばせていた。
「……ん?」
 冷えた身体を温めるために、一緒に頼んだホットコーヒーを一口飲んだところで、悠雅はみぞれのかき氷の中にいつの間にか現れていた目玉(グミ)と目が合った。
「って目玉!?」
「こういったサプライズを仕掛けようと思っているのだが、どうだろうか……?」
「……あ、グミ、はい……ジョーク菓子があるのは知ってるが、いきなりは心臓に悪いと思うぞ?」
 エトヴァの種明かしに、悠雅はほんの少しばかり苦く笑って目玉グミへ手を伸ばす。
「僕は練乳と苺にしよ~……あれ?」
 勿論ラズロルのお皿にもエトヴァがこっそり目玉グミをプレゼントだ。
「なんか目玉グミ増えた!」
 びくん!(尻尾ぶわっ!)としながらも、悪戯の主には気づかぬまま――ラズロルは、甘酸っぱいかき氷をあむあむと食す。
「練乳氷も美味いよな。苺とよく合うし」
 ラズロルと、そして同じく練乳と苺のかき氷にしたサヨコに、譲二が頷く。
 苺の風味と果肉の食感も楽しめそうな鮮やかな色合いのソースに練乳をかけて、一口。瞬く間に口の中でとけてゆく甘さと体の芯に響く冷たさに、サヨコは静かに頷いた。
「譲二さんなら、世界中のお菓子を珈琲味にできそうですね」
 笑顔の勲が選んだのは、梅味のかき氷だ。
「これは……想像していたよりもずっと甘いですね……!」
 梅のかき氷に使われているのは、青梅と氷砂糖で作った梅シロップだ。ゆえに勲が想像していたであろう味ではなく、まろやかな甘さの中と爽やかな梅の風味が感じられるものだった。
「……完食が大変なら私が食べてもいいぞ、勲」
 甘いと聞いて、こっそりとシェアをねだるサヨコの双眸は、いつになく煌めいていた――かもしれない。
「一足早いハロウィンみたいですね。では、いよいよ……皆さんを本格的に驚かせに行きましょうか」
 かき氷で一息ついた後、勲は再び布を被って船幽霊へと変身し、道行く人々に声をかけては、穴開き柄杓を振って【冷気の支配者】の冷気を適度に浴びせていく。
「冷っこ~」
 なんて一般の人たちと一緒になってラズロルも冷気を浴びていたのはまた、別の話だ。
 エトヴァもお代のかわりに小判の最中を渡し、猫っぽい笑みを浮かべる。ディアボロスのために用意してくれた素敵な横丁への御礼の気持ち――という名の悪戯だが、勿論この後にちゃんと代金は支払った。
 ――そう、悪戯を仕掛けるのは化け猫の性分。
 だから仲間たちの袖口に目玉グミを忍ばせてみたり、髪や服に花を挿してみたりもする。
「……マティアスは何かしないの?」
 髪飾りのように頭に可愛らしい花を咲かせたサヨコの声に、マティアスは悪戯めいた笑みを深めて。
「……俺が、このまま何もせずに終わるとでも?」
 マティアスはそう言うと、ラズロルとアイコンタクトを交わし、並ぶ人々に狙いを定めてコウモリに変身して飛んでいく。
 頷いたラズロルは葛の葉を頭に乗せてその場でジャンプ、くるんと一回転していつもより大きな狐に変身する。
「食べちゃうぞ~」
 大きな口をくわっと開けて、“いたずら”お狐様のラズロルが人々を驚かせたその時――。
 お狐様に気を取られた人々の目の前に飛んできたコウモリのマティアスが、くるりと一回転して元の姿に戻った。
「わあっ!」
 いきなり目の前に現れたように見えたマティアスにも、人々は驚いたよう。
「ふふ、驚いた? 君もお祭りを楽しんで!」
「もふもふ狐さん、可愛いね~!」
 一方のラズロルはというと――もふもふと撫でられたりおやつであっさりと餌付けされている姿が見られたとか。
「随分と盛り上がってるみたいだな、いいことだ」
 やがて、無事に手伝いを終えた譲二が、お土産にと貰った棒付きの冷凍果物を手に戻って来る。
「おやつの気配! 下さいな~」
 早速もふもふな狐のまま戻ってきたラズロルが冷凍果物をおねだりし、エトヴァも顔を綻ばせてひとつ手に取った。
「こういうのも祭りって感じがするよな」
 譲二と共に手伝いに明け暮れた悠雅も、ささやかな甘さと冷たさのご褒美に息をつく。執事服に全く汚れがついた気配がないのは流石といったところだろう。
「来年もこうして皆と、夏を楽しみたいもんだなぁ……」
 ふと零した譲二に、エトヴァは静かに頷く。
 そして、いつの間にか足元に来ていた小さな狐――ラズロルに、おや、と目を瞬かせた。
 ラズロルはそのまま定位置であるエトヴァの腕の中にすっぽりと収まり、二人合わせて妖狐を連れた化け猫に。
「供物をささげよ!」
「お稲荷さん、見つけておいたよ」
 あーんと上機嫌に口を開けるラズロルに笑って、エトヴァは彼の大好物であるお稲荷さんを口に運んでやる。
 仲間たちと、最終人類史の人々と――平和で穏やかな祭りの景色に、マティアスは改めて思うのだ。
(「これからも、この景色を見続けるために頑張らないとなー」)
「あれ……? お花が……?」
 気づけば頭の上に咲いていた大輪のガーベラに、勲は首を傾げる。
「化け猫の悪戯だろう」
 あっさりとそう言いながら、サヨコはどこか安心したように、小さく息をついた。
 間もなく始まる、蹂躙戦記イスカンダル奪還戦。そして冥海機ヤ・ウマトでも――グアム沖で真珠湾へ向かうジェネラル級との一大決戦が、そう遠くない内に幕を開けることだろう。
「……骨休めとしては、悪くない一日だった」
 ふと、そう呟いたサヨコに、勲も大きく頷いてみせる。
「英気も十分に養うことが出来ましたし、――戻りましょう、僕たちの戦いに」
 
超成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【アイテムポケット】がLV2になった!
【冷気の支配者】がLV2になった!
【狼変身】LV1が発生!
【狐変身】がLV2になった!
【通信障害】がLV3になった!
【コウモリ変身】LV1が発生!
【一刀両断】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】がLV3になった!
【能力値アップ】がLV9になった!
【ダメージアップ】がLV7になった!
【反撃アップ】がLV3になった!

ソレイユ・クラーヴィア
【残響】の友人と

去年作った五線譜と秋の草花をあしらった浴衣に羽織姿で

妖怪モチーフの飲食店なんて、初めてみました
薄暗がりに何かが潜んでいるかのような雰囲気は心躍ります

実はホラーやこの世非ざる不思議な話は好きなんです
ディアボロスになってからは、よく考えるとそれパラドクスやら何やらでは?という空気になってしまい素直に怖がれないのが寂しいのですが…
私達が妖怪と言われれば、苦笑するしかありませんね

妖怪スイーツも色々と味わってみたいです
宵とはいえ、まだ暑いですから
まずは雪女のかき氷に梅味シロップと練乳掛け
涼やかな風味と沁みる甘さは癖になりそうですね

次は座敷童あんみつにしましょうか
繊細な寒天に小豆と黒蜜がよく合います
おや、みゆのスイーツにも小豆が
和菓子には馴染み深い素材なのですね

座敷童とは子供の妖怪でしたか
求肥の形…、これは鞠のようですね
菓子職人がどういう意匠をスイーツに落とし込んだのかを探すのも楽しく
確かにこうして宵の散歩と甘味を味わえたのは幸せかもしれません
楽しい時間をありがとうございますね


佐伯・みゆ
「残響」で参加。
アドリブ、連携、歓迎です。

黒地に白と赤の椿柄の浴衣で参加。

コラボカフェとかで妖怪カフェとかは見ますけど
確かにこんなに本格的なの初めてかも。
昔に比べると、今は夜が明るすぎるのかもしれませんね。
このくらいの明るさが、想像力を掻き立てるのかもしれません。

怖い話は好き、というほどではないですけれど
夏になると何となくテレビとか見てしまいますね。
正しく怖がるのが大事、と思ってます。
ふふ、確かに刻逆以前から見たら、私たち自身が妖怪と呼ばれてもおかしくないかも。

メニューを眺めて「豆腐小僧の杏仁豆腐」とあずきのアイスラテを頼んで。
ラテは小豆洗いがモチーフかな?
ソレイユさんが頼んだメニューも、涼しそうで可愛いです。

座敷童子は、会えると幸せになれる、って伝承がありましたよね。
パフェで喜んでくれたら、幸せのおすそ分けをもらえるかしら。
ふふ、ソレイユさんの言う通りですね。
これこそまさに「物怪の幸い」かも。

幻想的な雰囲気と、美味しいスイーツのひと時。
ご一緒してくださってありがとうございました。


 夜空のような深い青に黎明を思わせる金で五線譜と秋の草花を散りばめた浴衣に、碧色の羽織を重ねて。
 妖怪横丁の一角に佇むレトロな外観のカフェに足を踏み入れたソレイユ・クラーヴィア(幻想ピアノ協奏曲第XX番・g06482)は、薄暗がりに得体の知れないものが潜んでいるかのような何とも言葉にしがたい雰囲気に、自然と心が躍るのを感じていた。
「妖怪モチーフの飲食店というのは、初めてですね。妖怪スイーツも色々と味わってみたいです」
 扉を潜った瞬間に、異世界へと迷い込んでしまったかのよう。
 和の香りが漂う店内には至るところに蝋燭が置かれ、炎の揺らめきが妖しげな雰囲気を醸し出している。
「コラボカフェとかで妖怪カフェとかは見ますけど、確かにこんなに本格的なの初めてかも」
 黒と灰色の縞模様の地に、白と赤の椿と大輪のレースの花が咲いた浴衣を纏う佐伯・みゆ(悲歌。・g08231)もソレイユの言葉に頷きながら、楽しげに笑みを綻ばせて店内を見渡す。
 薄暗がりの中、他の客たちはみな囁くように言葉を交わしていた。その静かな、漣のようなざわめきは不思議と耳に心地よく響いて、心が擽られるような気さえする。顔すらもはっきりとは見えない彼らの中に、それこそ“本物”の妖怪が紛れていても、きっと気づかないだろう――なんて想像を、つい巡らせてしまったりするくらいには。
「昔に比べると、今は夜が明るすぎるのかもしれませんね。だから、かえってこのくらいの明るさが、想像力を掻き立てるのかもしれません」
「怖い話は好き、というほどではないですけれど、夏になると何となくテレビとか見てしまいますね」
 正しく怖がるのが大事――そう思っているのだとメニューを辿りながら微笑むみゆに、なるほど、と頷きながらソレイユもメニューを眺めやる。
 カフェのメニューもどうやら今回のイベント仕様らしく、ちょっぴりフォントがおどろおどろしかったり、デフォルメされて可愛くなった妖怪のイラストが随所に描かれていた。
「実は、ホラーやこの世非ざる不思議な話は好きなんです」
 ふと、ソレイユは内緒話のように呟いた。
「ディアボロスになってからは、よく考えるとそれパラドクスやら何やらでは?という空気になってしまい、素直に怖がれないのが寂しいのですが……」
 恐ろしいものを呼び出すパラドクスを扱うディアボロスもいるだろう。ソレイユにしてみれば、自分が扱うパラドクスにも見方によってはそのように見えるものだって、ないとは言い切れない。
「……私たちが妖怪と言われれば、苦笑するしかありませんね」
 そう言って、ほんの少し苦く微笑むソレイユに、
「ふふ、確かに刻逆以前から見たら、私たち自身が妖怪と呼ばれてもおかしくないかも」
 みゆもまた笑って、同意するように頷いた。

 みゆの前に運ばれてきたのは、豆腐小僧の杏仁豆腐に、あずきのアイスラテ。
 小豆洗いをモチーフとしたあずきのアイスラテには小倉あんが入れられており、上品な味わいに仕上がっている。
「ソレイユさんが頼んだメニューも、涼しそうで可愛いですね」
「宵とはいえ、まだ暑いですからね。みゆが頼んだ物も、可愛らしいですよ」
 そう言って微笑むソレイユが頼んだのは、雪女のかき氷。梅味のシロップと練乳をかければ、涼やかで爽やかな梅の風味と心身に沁み渡るまろやかな甘さが癖になりそうだった。
 口どけの良さもあって、かき氷はまるで妖怪たちに隠されてしまったかのようにあっという間になくなって。それから、ソレイユは追加で座敷童子のあんみつもオーダーする。
 硝子の器に散りばめられたフルーツの色彩は鮮やかで、中心にこんもりと盛られた小豆にさりげなく添えられた求肥のリボンが愛らしく。それらすべてが透明な寒天と白玉と上手く調和して、小さな器の中に一つの景色が作り上げられているかのよう。
「繊細な寒天に小豆と黒蜜がよく合いますね。小豆は……和菓子には馴染み深い素材なのですね」
「はい、和菓子には小豆を使った餡がよく使われますね」
 みゆのアイスラテにも見える小豆に、ソレイユは納得したように頷く。
「座敷童子とは、確か子どもの妖怪でしたか。求肥もリボンと……こちらは鞠のようですね」
 妖怪というモチーフに合うように、職人たちがスイーツに落とし込んだ意匠を探すのも楽しく、ソレイユにしてみれば、初めて触れるものばかりであるから、楽しさは尽きることはない。
「座敷童子は、会えると幸せになれる、って伝承があるんです」
 みゆの言葉に、ソレイユは少し考えてから続けた。
「確かに、こうして宵の散歩と甘味を味わえたのは幸せかもしれません」
 それも、きっと一人ではなく――こうして、大切な友人と一緒だったからこそだ。
「ふふ、ソレイユさんの言う通りですね。私も幸せのおすそ分けを貰ったみたい。……これこそまさに、“物怪の幸い”かも」
「物怪の幸い?」
 首を傾げるソレイユに、みゆは微笑んで答える。
「思いがけぬ幸運、という意味です。幻想的な雰囲気と、美味しいスイーツのひと時を……今日はご一緒してくださってありがとうございました」
「こちらこそ、楽しい時間をありがとうございますね」
 ――とある夏の宵。
 二人が共有したひと時と幸運は、想い出と共に胸に深く刻まれたことだろう。
 
超成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【影忍び】がLV3になった!
【口福の伝道者】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV8になった!
【凌駕率アップ】LV1が発生!

諷和・もこ
やちよお兄さん(g00584)と
(※片思い中)

妖怪って聞いてちょっとドキドキしてたんだけど
お化け屋敷とは違って怖くないからって聞いて
勇気を出して行ってみることにしたんだよ
…でも、ちょっとだけまだ怖いから、手を繋いでくれる?

鬼さんの恰好のやちよお兄さんに
違う意味で思わずドキドキ
角とか腕とか、ボクと色違いでお揃いなんだよ
えへへ、嬉しいなぁ
あんまり好きじゃない鬼人の特徴もちょっとだけ好きになれそう

ボクは虎柄の浴衣をワンピース風にアレンジした浴衣
袖レースとかもつけちゃって可愛くなってる…ハズ
髪には紫のメッシュを数本、やちよお兄さんとお揃いで
気づいてもらえれば嬉し気に笑顔を向けて


入ったお店は抹茶のお店
色々あって悩んじゃうけど
ボクは抹茶ソフトの乗ったかき氷にしよっかな
身体が冷えすぎないようにあったかいお茶もお願いします!

届いたやちよお兄さんの全部乗せ氷の迫力にビックリしたり
白玉とソフトクリームを、はいあーんって交換したり

二人同時に頭キーンってなっちゃって
顔を見合わせて笑い合い

そんな楽しいひと時を


四十万・八千代
もこ(g01739)と妖怪横丁へ

折角だから妖怪の格好していこうと連れの鬼人の少女に寄せて
頭のに一本の白い角、黄と黒の虎縞浴衣、腕は青いアームカバーで覆った青鬼コス
鬼人の見た目も格好いいと俺は思うぞ。
もこは髪にメッシュ入れたのか。俺と色違いお揃いだ。
ワンピース風にした浴衣も可愛くアレンジされてて良く似合っている。

浅草と言ったら抹茶味の印象。
納涼と抹茶味を堪能すべくカフェへ。
少し薄暗い店内をもこの手を引いて歩いて行く。
俺は雪女さんの作るふわふわかき氷を食べたい。
贅沢にトッピング増し増しで『わらび餅入り宇治金時練乳アイス乗せ』を注文。
抹茶ソフト自体が乗ったもこのかき氷も美味そうだな
後で少し交換しよう。

出されたかき氷を前に目を輝かせ
スプーンに盛った抹茶氷を思い切り頬張り……
直後訪れるアイスクリーム頭痛。ふわふわ氷では起きにくいと聞いた気がするが例外はある様だ。
こめかみ押さえ横を見れば、此方と違い分かりやすいくらいキーンとしている顔のもこの姿に
思わず口元を綻ばせて

そんな楽しい時間を過ごすよ


 宵闇に提灯と蝋燭の明かりが揺れる、妖怪横丁。
 ――“妖怪”と聞いて、ちょっぴりどきどきしたけれど。
 お化け屋敷と違って怖くない場所なのだというし、何より一人ではないことが、諷和・もこ(ふわもこうとうと・g01739)の心にあたたかな勇気を燈してくれた。
 でも――。
「あっ、あのね、やちよお兄さん。……ちょっとだけまだ怖いから、手を繋いでくれる?」
「――勿論」
 そっと紡がれた言葉に、四十万・八千代(悪食ハッカー・g00584)は微笑んで小さな手を取った。
 もこは安心して、ぎゅっと繋いだ手を握り返す。
 八千代と一緒のお出かけは、もこにとってはいつだって特別なもの。だから、もこはワンピース風にアレンジした虎柄の浴衣の袖口をさりげなくレースで彩り、より可愛さを添えていた。
 それだけでなく、ふわふわの白い髪に少しだけ入れた、紫のメッシュも――。
「もこは髪にメッシュ入れたのか。俺と色違いでお揃いだ。ワンピース風の浴衣も可愛くアレンジされてて、良く似合っている」
「……ありがとう、やちよお兄さん。とっても嬉しいんだよ」
 八千代の言葉にもこは胸が高鳴るような心地がして、ほのかに頬を赤らめる。髪に入れたメッシュに気づいてくれただけでなく、服装を褒めてくれたことも――ちょっぴり照れくさいけれど、それよりもずっと嬉しくて、もこはふわっと、宵闇の中でも輝くような満面の笑みを咲かせて頷いた。
 八千代もまた頭に白い角を一本生やし、黄と黒の虎縞の浴衣を着て、更に腕を青いアームカバーで覆った青鬼――鬼人であるもこに寄せた妖怪スタイルである。
 鬼の格好、しかももこと色違いでお揃いの姿になった八千代に、思わず違う意味でどきどきしてしまったのは、もこだけの秘密だけれど――。
「それに、鬼人の見た目も格好いいと俺は思うぞ」
 他の誰でもない、八千代がそう言ってくれるから。
「えへへ、嬉しいなぁ」
 あんまり好きじゃない鬼人の特徴も、ちょっとだけ好きになれそうな気がした。

 河童や狐、狸に天狗――笑顔で行き交う人々はみな思い思いに様々な妖怪に扮していて、鬼人の二人もその光景にとけ込んでいた。まるで本当に妖怪たちが住む世界に迷い込んだような感覚を楽しみながら、八千代ともこは手を繋いで歩いていく。
 納涼と、浅草といえば印象が強い抹茶味を堪能すべく二人が訪れたのは、横丁の一角に佇むカフェ。まるで妖怪たちの隠れ家のような雰囲気を醸し出す薄暗い店内で転ばぬよう、八千代はゆっくりともこの手を引いて席につく。
 テーブルの上には、和紙で炎を象ったランプが置かれていて。可愛らしい妖怪たちが描かれたメニューには、色々な種類のかき氷や甘味がずらりと並んでいたけれど――やはり、抹茶の文字が特に大きく踊っているようだった。
「俺は雪女さんの作るふわふわかき氷を食べたいんだ。もこはどうする?」
「色々あって悩んじゃうけど、ボクは抹茶ソフトの乗ったかき氷にしよっかな。身体が冷えすぎないように、あったかいお茶もお願いします!」
 やがて運ばれてきた、もこが注文した抹茶ソフトが乗ったかき氷と――。
「全部乗せ氷、とっても迫力があるんだよ……!」
 そう、もこがびっくりするほどの八千代の抹茶かき氷は、わらび餅入り宇治金時練乳アイス乗せ――トッピングましましの贅沢氷は、まるで宝石箱かと思うほど。
 想像以上の豪華さに、八千代は思わず目を輝かせる。
「ああ、美味しそうだ。もこのかき氷も美味そうだな。後で少し交換しよう。――いただきます」
「もちろんだよ、やちよお兄さん。……いただきます!」
 二人揃って、“いただきます”をして。
 八千代はスプーンに盛った抹茶氷を思い切り頬張り――。
「……っ」
 きーん。
 突如として引きつったこめかみを、八千代は軽く押さえる。
 八千代を襲ったのは、冷たいものを食べた時に良く起こる、頭がきーんと痛くなる――アイスクリーム頭痛と呼ばれる現象だ。ふわふわ氷では起きにくいと聞いた気がするが、どうやら例外はあるらしい。
 そして、こめかみを軽く押さえながら、ふと横を見やった八千代の視線の先には――。
「……っ」
 きゅっと目をつぶってふるふると震えながら、“きーん”としている、もこの姿があった。
 痛みを一生懸命我慢しているのだろう、自分よりもずっとわかりやすいその姿に、八千代は思わず口元を綻ばせてから、言った。
「大丈夫か、もこ。ほら、あたたかいお茶を飲むといい」
「う、うん……大丈夫、頭がきーんってなって、ちょっとびっくりしたんだよ……!」
 八千代の言葉に従い、温かいお茶でほっと一息ついて。改めて顔を見合わせれば、もこもつられるように笑みを咲かせて。
「やちよお兄さん、――はい、あーん!」
 宇治金時の白玉と抹茶のソフトクリームを交換したり、またきーんとならないように気をつけたり――。
 今宵の楽しいひと時も大切な想い出の一頁として、二人の心の中に色鮮やかに描かれていく。
 
超成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【活性治癒】がLV4になった!
【冷気の支配者】がLV3になった!
効果2【ロストエナジー】がLV4になった!

サアシャ・マルガリタ
【蠍と狐】
華やかな和柄の浴衣を着ている
(イラストはこれから発注予定)

んふふ。夏ですようタオちゃん
夏と言えばお祭り屋台!
さぁて、どれから食べましょっか(わくそわ!)
むむむ、またデリカシーのない発言を……
もちろん、食べたぶん遊ぶです!
(つついてくる指先を一瞬かぷっと囓ってみたりして!)

ブルーベリースムージーを飲んで青くなった舌をべっと出して
まものちゃん(タオの飼い猫)みたいじゃないです?なんて笑ってみたり、
焼きたてのベビーカステラをふーふー吹き冷ましてあーん?とタオに差し出してみたり
お返しに差し出されればあむっと食いつくです、ふふりふふり!
か、可愛いことしてました?(はわっと頬を赤らめつつ首傾げ)

いっぱい遊んだ帰り道
下駄の鼻緒が靴擦れして
はぐれないようにタオちゃんの手を掴みつつちょっとゆっくり歩くです
…ば、バレたですぅ……
か、顔見られるの恥ずかしいので、おんぶでお願いしますです…
失態に恥じ入りつつも
広い背中が心地よくてこっそり頬擦り
えへへ、ありがとですタオちゃん
だぁいすきです


タオタオ・ザラ
【蠍と狐】
黒字にアケビ、2022年浴衣
浴衣姿のサアシャを見てけらりと笑い
お淑やかに出来るかね、お嬢さん?
あんまりはしゃいで足痛くしないように気を付けろよ

屋台へ駆けていくサアシャの楽しそうな背を追って
どれから、ねえ
……って、食べ物限定?
マ、いいけどよ
タオなんでも喰えるからサアシャが食べたいの選べばよかろ
食べ過ぎでぷくぷくしないようにな、なんて頬を突く
噛まれればにんまり笑って
おや、悪い狐がいるなあ?
お淑やかはどこへいったのかね、お嬢さん?

アレコレ美味しそうに楽しそうに頬張る姿が微笑ましい
差し出されたものは躊躇いなく口で受け取ってから、こちらからもお返し
……あ、でも気を付けろよサアシャ
あんま可愛いことしてると、タオに食べられちゃうぞ

帰り道、すこし歩みの遅くなった姿を見れば
ああ、ほらと困ったように笑って
痛いならちゃあんと言えばいいのに
……ほれ
おんぶと抱っこ、どっちがいい?
おや、恥ずかしい
お子様だとか言ったりしないぞ?
背中から聞こえたお礼の言葉にくつりと笑って
おう、知ってる知ってる
……タオもだぞ


「んふふ。夏ですようタオちゃん! どうですか、今宵のサアシャはとってもレディではありませんか?」
 むふー、とちょっぴり得意げなサアシャ・マルガリタ(えいえいお!・g05223)の今宵の装いは、夜空の下でも一際映える、華やかな和柄の浴衣だ。
 わくわくそわそわ、耳も尻尾も楽しげに揺れているサアシャにつられるように、黒地にアケビが描かれた浴衣をシックに着こなすタオタオ・ザラ(大喰らい・g05073)はけらりと笑う。
「……お淑やかに出来るかね、お嬢さん?」
「もちろんレディですから! そして夏と言えばお祭り屋台!」
 言うなり早速屋台へ駆けていくサアシャの楽しげな背を追って、タオタオもゆるりと歩き出す。
「あんまりはしゃいで足痛くしないように、気を付けろよ」
 色とりどりの提灯と蝋燭の仄かな灯りに照らされた妖怪横丁には、不思議と心地よい喧騒が広がっていた。
 祭囃子の音色に合わせて様々な妖怪に扮した人々が百鬼夜行の如く賑やかに通りを練り歩き、そこかしこの屋台や出店からは客を誘う威勢の良い声が聞こえてくる。そして、それらの声と共にどこからともなく漂ってくる、香ばしい匂いの数々も――。
「さぁて、どれから食べましょっか?」
 振り返るサアシャの顔はいつになくきらきらと輝いていて、タオタオもつられて自然と頬が緩むのを感じながらも、彼女の言葉に少し遅れて首を傾げた。
「どれから、ねえ……って、食べ物限定? マ、いいけどよ」
 屋台といえば射的に輪投げ、金魚すくいやヨーヨーすくいなど、遊ぶものだって溢れているけれど、どうやらサアシャのお目当ては食べ物ということらしい。
 何にせよ、サアシャが楽しめるのであれば――タオタオにとってはそれが一番だ。
「タオなんでも喰えるから、サアシャが食べたいの選べばよかろ。……あ、でも食べ過ぎでぷくぷくしないようにな」
 なんて軽口を叩きつつ、ふと浮かんだ悪戯心のままに柔らかな頬をそっと突付いてみれば、ぷくーっと少し膨らんだ。
「むむむ、またデリカシーのない発言を……もちろん、食べたぶん遊ぶです!」
 つんつん、面白がって突付いてくる指先を、お返しとばかりにかぷっと齧ってみれば――。
「……おや、悪い狐がいるなあ?」
 にんまりと笑みを深めて、タオタオは言った。
「お淑やかはどこへいったのかね、お嬢さん?」

 青鬼のブルーベリースムージーで青く染まった舌をべっと出して、サアシャは笑う。
「タオちゃんタオちゃん、まものちゃんみたいじゃないです?」
 出された飼い猫の名に、その愛くるしい姿と目の前で無邪気に笑うサアシャを頭の中で比べて、タオタオは不思議と納得してしまったりもして。
 サアシャはあれこれと何でも興味を示し、美味しそうに楽しそうに頬張っている。その姿を微笑ましく眺めていたタオタオに、サアシャは焼き立てのベビーカステラをふーふーと冷ましてから笑みを深める。
「タオちゃん、あーん?」
「ん、……ほれ、サアシャもあーん?」
 差し出されたベビーカステラをぱくり。ふわりと広がる優しい甘さを堪能しつつ、タオタオもお返しにサアシャの口へ。
 サアシャも大きく口を開けて、あむっと――タオタオの指まで食べてしまいそうなくらいに食いついてから、ふふりと笑ってみせる。
 そんなサアシャを暫し見つめて、タオタオは告げた。
「……気を付けろよサアシャ。あんま可愛いことしてると、タオに食べられちゃうぞ」
「え、か、可愛いことしてました?」
 はわっと頬を赤らめつつ、不思議そうに首を傾げるサアシャに、タオタオはぐっと一瞬息を詰まらせてから、ぼそりと呟いた。
「……そういうとこだぞ」
 まず何より浴衣の時点で語彙力がどこかに吹っ飛んだくらいには可愛いし、さっきの頬をつんつんしたら膨らませてたのだって可愛いし、たくさんの食べ物にきらきらと目を輝かせ、美味しそうに食べているだけでも可愛いのだが、タオタオはぐぐっと呑み込んだ。
 だって今ここでそれを口にしたら、きっとサアシャはあっという間に茹でダコみたいになってしまうだろうから。だから、言うのは後でもいいだろう。

 ――そうして、いっぱい遊んだ帰り道。
 サアシャは言葉も少なく、逸れないようにタオタオの手をきゅっと掴みながら、いつもより少しゆっくりと歩いていた。
 そんなサアシャの歩調に合わせるようにゆっくりと歩いていたタオタオが、彼女の異変に気づかないはずはなくて。
「……ああ、ほら」
 ほんの少し困ったように眉を下げて、タオタオは笑った。
「……ば、バレたですぅ……」
 下駄の鼻緒が靴擦れして、足が痛くなってしまったこと。
 それを、タオタオに気づかれてしまったこと。
 それだけでも、恥ずかしさでいっぱいなのに――。
「痛いならちゃあんと言えばいいのに。……ほれ」
 空いた片手を広げるようにしながら、タオタオは続ける。
「おんぶと抱っこ、どっちがいい?」
 タオタオの言葉に、サアシャは繋いだままの手に思わずぎゅっと力を込めてから、ちょっとだけ視線を逸らすようにして、答えた。
「か、顔見られるの恥ずかしいので、おんぶでお願いしますです……」
「……おや、恥ずかしい。お子様だとか言ったりしないぞ?」

 タオタオの広くて大きな――いつだって護ってくれる背中に、サアシャはぎゅっとしがみつく。
 彼が歩みを進めるたびに、心地よい揺れが伝わってくる。
 優しく包んでくれるようなぬくもりが心地よくて、サアシャはこっそりと顔を押し当てて、すりりと頬擦りをした。
(「……確かに、おんぶのほうが良かったかもなあ」)
 背中越しに伝わる感触に、タオタオも、頬が熱を帯びていくのを感じずにはいられなくて。
「えへへ、ありがとですタオちゃん、……」
 笑みを綻ばせながら、サアシャはぽつりと続ける。
「――だぁいすき、です」
「おう、知ってる知ってる」
 軽く肩を揺らし、タオタオは答える。
「……タオもだぞ」
 遠く聴こえる宵のざわめきに紛れそうな声は、彼女にしか届かない。
 
超成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【強運の加護】がLV3になった!
【照明】LV1が発生!
効果2【グロリアス】がLV2になった!
【ガードアップ】がLV3になった!

小鳥遊・英
遊んで後方支援が出来るのって素晴らしすぎでは??
この際です、遊び尽くして遊び倒しましょう

紺色の甚平に、適当につっかけたビーチサンダルをぺたぺたして遊びに行きましょう
おばけちゃんのもふもふ帽子をかぶっておきますね


なにがあるかな、とぶらぶら歩いて、
あら、素敵ないちごのアイスを発見です!
これは……いちごですよね?
真っ赤な血にしか見えないのですが……
アイスを受け取り、ぺろぺろしながらぶらつきます
口も周りや甚平のほうにも真っ赤なアイスが溶け出して……
ふむ。なるほど。
道行く一般人へ、よたよた、がおー!とでもしてみますか。
笑って貰えたらサイコーですね
これで更にエネルギーが摂取できるのでは?

……しかしべとべと。クリーニングで綺麗になるかなあ


 紺色の甚平に、適当なビーチサンダルをつっかけて。
 ぺたぺたと足音を響かせながら通りを歩くのは、おばけちゃんのもふもふ帽子を被った小鳥遊・英(Code name/Falcon・g00772)だ。
 日が沈み、色とりどりの提灯の明かりが月の光も届かぬ世界に妖怪横丁の姿を浮かび上がらせている。賑やかで楽しげな声が響く通りには何とも妖しげな雰囲気の屋台が軒を連ね、道行く人々を夢と現実の狭間へ誘い込もうとしているかのようだった。
 少し歩けば、祭り囃子の音色に乗って踊るように練り歩く、妖怪に扮した人々の百鬼夜行と擦れ違う。コスプレと呼ぶにはあまりにも出来が良すぎる妖怪たちは、もしかしたら本当に本物なのかもしれないとさえ思ってしまうほど。否、きっと本物の妖怪がこっそり紛れていたとしても、誰も気づかないだろう。
 歴史を取り戻すために戦うディアボロスのために、最終人類史の人々が心を尽くして用意してくれた舞台――妖怪横丁。この催しを全力で楽しむことで、地獄変へのエネルギーチャージ――つまりは、ディアボロスが戦うための力を、得ることが出来るのだという。
(「……遊んで後方支援が出来るのって素晴らしすぎでは??」)
 改めてそんなことを思いながら、英は好奇心の赴くままに宝物を探すように視線を巡らせる。
 この際だ、心ゆくまで遊び尽くして遊び倒すのもいいだろう。
「――あら、素敵ないちごのアイスを発見です!」
 早速目に留まったのは、真っ赤ないちごのアイス。屋台の灯りに照らされて艶めく赤は、何とも毒々しい。
「これは……いちごですよね? 真っ赤な血にしか見えないのですが……」
 聞けば人間の生き血を啜って咲く花の妖怪の種だという話だが、どう見てもいちごのアイスだというのは気にしないのがお約束だろう。何はともあれ受け取ったアイスをぺろぺろと舐めながら、英はぶらぶらと、他にも何か面白そうなものがないか見て回る。
「あ……」
 そうして、ふと。甘酸っぱさを堪能している間に溶けたアイスが口の周りや甚平にも垂れていることに気づいた英は、なるほどと頷きひとつ、暫し思考を巡らせて――。
 よたよた、ふらりと、道行く人々の元へ覚束ない足取りで近づいていく。
「……がおー!」
「きゃー!」
 血塗れ――のように見える英の姿に人々はびっくりして悲鳴をあげるけれど、すぐにもふもふなおばけちゃんの帽子を見て怖さが引っ込んだのか、すぐに楽しそうに笑ってくれた。
(「これで、更にエネルギーが摂取できるのでは?」)
 いちごであれこれべとべとになってしまったけれど、それはクリーニングの効果に期待することにして。
 英はそれから暫くの間、血塗れのおばけに扮して人々をびっくり楽しませていくのだった――。
 
超成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【パラドクス通信】がLV2になった!
効果2【命中アップ】がLV4になった!

大鉄・焔
【真秀】※3人組

がしゃどくろイメージのコスプレする

みんなでコスプレ当てっこしたい
ダイス判定等でお任せ
当たっても外れても楽し気

どどん!
どうよ、かっけぇだろ
この上腕骨とか良い出来だと思うんだがっ!
しゃれこうべカタカタさせる
触っていいぜ
俺からはお魚骨せんべいを進呈だ!

リーゼは涼し気だけどなんだろ?
ただただ可愛く見える…っ


キツネ綿あめは俺のもんだ!
久条サン、てかマダラ、なんだろ
ちゃんちゃんこ似合ってる…これ角?

よし記念撮影しよ!



提灯通り、灯が連なってんの幻想的だな
マジでどっかに迷い込んだ感じでゾワゾワする
足元気を付けてな
百鬼夜行~!



食べるぞ!
トッピングで目ん玉だんご乗せれんの?
じゃソフトクリーム目ん玉のせストロベリーソースかけで!
これはコワイ

リーゼ目ん玉食ってみる?
スプーンで掬って
あーん

リーゼのかわいい
座敷童なるほどなぁ
一口おくれ
うま


久条サンの紫なんだが!?
俺の目玉置いたらもっとヤバくなるんじゃね?と添える
地獄みてぇ!
もぐ、案外うまい

マダラ金棒持ってる!
かっけぇ
だがみるみる喰われていっているぞ!


リーゼロッテ・エカルト
【真秀】

白地の浴衣
手には番傘
髪や浴衣に紫陽花を纏い
雨女をイメージしたコスプレ

焔も統弥も凝ってるーっ
焔のは…本物?触っていいの?
統弥はマダラとペアルックだ!角も似合っちゃうね
マダラもすっごく可愛い
素敵なコスプレだなぁ
写真撮ってもいい?

ふふ。可愛い?
わっかるかな〜?
難しいと思うけど当たったら手作りクッキーをあげちゃう
狐型のわたあめ可愛いっ
骨せんべいも頑張ってゲットしなきゃ!3人のコスプレはね…

真っ暗で怖いのかと思ったけど綺麗な所だね
あ。待って置いていかないでね
近くにいる方の袖を掴もうと

わぁっ皆個性的なの買ったね?
マダラはなんか格好良いの咥えて…え。これとうもろこしなの?
統弥のは焼きそば…焼きそば?そんな色したの初めてみた…っ
ど、どんな味なのかな?
焔は怖いの持ってる!ソフトクリームなの?これお団子?
あーん、されたら恐る恐るパクリ
…!おいしい!苺ソースなんだね
私は座敷わらしのあんみつ!
リボン可愛いでしょ?
焔もどうぞっ
焔へ一口あーん

統弥たちも食べる?
くらえ?!
反射的にパクッと食べ
…以外においしい


久条・統弥
【真秀】

妖怪横丁
だったら妖怪のコスプレだ
俺とクダギツネのマダラは鬼のコスプレ

着物を着て、簡単な角
マダラはちゃんちゃんこを羽織る

もし、マダラのコスプレが当たったら、キツネ型の綿あめをプレゼント!

ふむ…焔とリーゼロッテのコスプレは…どんなのかな?

リーゼロッテのはたしかに涼し気
紫陽花がチャーミングだね

焔は…なかなかロックだね(苦笑)

妖怪横丁だけあって雰囲気もいいな
愉しい感じで怖い雰囲気なんてかんじない

俺が頼むのはシンプルに焼きそばだな
…目玉焼きがトッピングされているのはいいが、紫色はインパクトがすごいぞ。

マダラは、シンプルに焼きトウモロコシ…その、武器にみえるな

二人のも、なかなか個性的なものを買ってるね?
焔は本当に目ん玉食べてるよ、わぁ見てよマダラ、かわいいね
リーゼロッテのは座敷童のあんみつ…これもかわいらしい

食べさせあってる二人を微笑ましく眺めてるのもいいな

と、俺もか…って目玉トッピング増えたし
紫色のやきそば二人もくらえー!

なお、マダラはトウモロコシに夢中のようだ!


 色とりどりの提灯の明かりが手招く、妖怪横丁の入り口。
 待ち合わせた三人と一匹は、それぞれいつもと違う装いをしていた。
「どどん! どうよ、かっけぇだろ。この上腕骨とか良い出来だと思うんだがっ!」
 黒に赤いメッシュが入った二本の大きな狐尾をもふもふと機嫌よく揺らしながら、大鉄・焔(灰塵・g00462)はしゃれこうべをカタカタと動かしてみせる。
「焔は……なかなかロックだね」
 ほんのり苦く笑いつつ、久条・統弥(夢見れぬ者・g00399)は焔の装いをまじまじと眺めやる。
 妖怪横丁ならば妖怪のコスプレだろう――と、着物姿にシンプルな角を生やした統弥の横で、ぴったりサイズのちゃんちゃんこを羽織ったクダギツネのマダラは、辺りの不思議で賑やかな雰囲気にどこかそわそわとしているようだ。
「焔も統弥も凝ってるーっ。統弥はマダラとペアルックだ! 角も似合っちゃうし、マダラもすっごく可愛い。素敵なコスプレだなぁ」
 白地の浴衣に番傘を持ち、髪や浴衣に淡くうつろう色彩の紫陽花を綻ばせるリーゼロッテ・エカルト(菓葬・g02798)は、空と海の双眸を輝かせながら二人と一匹の装いに声を弾ませる。
「焔のは……本物? 触っていいの?」
「気になるのか? 触っていいぜ」
 そわそわと尋ねるリーゼロッテに、焔は大きく頷く。そして褒められたマダラは、満更でもなさそうにゆらりと尾を揺らして得意げだ。
「ふむ、焔とリーゼロッテのコスプレは……どんなのかな? もし、マダラのコスプレが当たったら、キツネ型の綿あめをプレゼント!」
「よーし、キツネ綿あめは俺のもんだ! もし俺のも当てられたら、俺からはお魚骨せんべいを進呈だ!」
「狐型のわたあめ可愛いっ。お魚さんの骨せんべいも頑張ってゲットしなきゃ!」
 統弥の言葉に焔は不敵な笑みを浮かべるも、すぐに満面の笑みでやる気いっぱいなリーゼロッテを見やり思案顔。
「リーゼは涼し気だけどなんだろ? ただただ可愛く見える……っ」
「リーゼロッテのはたしかに涼し気。紫陽花がチャーミングだね。白い着物で雪女かなって思ったけど、紫陽花がヒントかな?」
 統弥も一緒になって考え込んでいて――そんな二人を見やり、リーゼロッテは楽しげに告げた。
「ふふ。可愛い? わっかるかな~? 難しいと思うけど、当たったら手作りクッキーをあげちゃう」
「え、リーゼの手作りなんて欲しいに決まってるだろ」
 真顔で即答しながら、真剣に考え込む焔。
「けどリーゼ可愛すぎて難しいよな……久条サン、てかマダラもちゃんちゃんこ似合ってるけど……これ角? 見たまんまで考えると鬼……だよな?」
 焔の答えに、統弥は一瞬驚いたように目を瞬かせてから頷いた。
「おっと、正解。うーん、やっぱりわかりやすかったかな」
「よっしゃ、キツネ綿あめゲット!」
「焔は骨のお化けらしいのは何となくわかるけど、なんて名前なんだろ?」
「骨の妖怪といえば、がしゃどくろかな?」
「おっ、久条サンビンゴ! そう、俺はがしゃどくろだ。なかなかイケてるだろ?」
 リーゼロッテの言葉を聞いて統弥が導き出した答えは、どうやら正解だったよう。
「ちなみに私は雨女! 統弥の言う通り、紫陽花がヒントだったんだよ」
「なるほど、雨女か……というわけで、焔……だけじゃなくリーゼロッテにも綿あめをあげよう」
 ちゃんと二人分用意していた綿あめを、統弥は二人にプレゼント。
「やったぜ!」
「私にもくれるの? ありがとう統弥!」
 全力で喜びを露わにする焔に、リーゼロッテも満面の笑顔で綿あめを受け取る。
「じゃあ私も二人とマダラにクッキーあげちゃう! 今日のお出かけ記念!」
 ならば勿論、焔も答えは同じ。
「そーだな、じゃあ俺も二人とマダラにやるよ、お魚骨せんべい!」
 こうして、持ち寄ったプレゼントを交換した後は――。
「あと、写真撮ってもいい?」
「よし記念撮影しよ!」
 そわそわと尋ねるリーゼロッテに焔は満面の笑みで答え、統弥も笑って頷いた。
「勿論。取っておきの一枚を撮ろう」

 ――そうして、三人はいよいよ妖怪横丁へと繰り出していく。
 色とりどりの提灯の明かりが混ざり合いながら通りを照らしている光景は、何とも幻想的で。
「マジでどっかに迷い込んだ感じでゾワゾワするな」
 機嫌良く尾を揺らしながら笑う焔の隣を歩む統弥も、ゆるりと頷きながら辺りを見やる。
「妖怪横丁っていうだけあって雰囲気もいいな」
 すれ違うのは、思い思いの妖怪に扮した人々。お祭りらしく、浴衣を着ている人も少なくない。遠くから聞こえてくる祭囃子と掛け声は、妖怪たちの百鬼夜行の始まりを告げているようだった。
 たくさんの人で賑わう妖怪横丁は統弥の目にはとても楽しく映っていて、不思議と怖さはない。
「真っ暗で怖いのかと思ったけど、綺麗なところだね」
 ほう、と感嘆の息をつくリーゼロッテに、焔がさりげなく呼びかける。
「足元気を付けてな」
「……あ。待って、置いていかないでね」
 そっと焔の袖を掴めば、瞬いた焔が笑みを深めて。
「置いてかねーって」
 焔の言葉に、リーゼロッテはどこか安心したように微笑んだ。
 通りを挟んで軒を連ねる屋台のそこかしこから、香ばしい匂いが漂ってくる。
「よし、食べるぞ!」
 焔が向かったのは、ソフトクリームの屋台。
「へえ、トッピングで目ん玉だんご乗せれんの? じゃソフトクリーム目ん玉のせストロベリーソースかけで!」
 焔のオーダーに、幽霊の格好をした店主は不気味に笑いながら、注文通りの品を用意してくれた。
 差し出されたのは、白玉で作った目玉が飾られたソフトクリーム。掛けられたストロベリーソースはまるで血の涙のようで、焔は思わず息を呑まずにはいられなかった。
「すげぇ。これはコワイ」
 一方、統弥が足を向けたのは、焼きそばの屋台だった。
 こういうシンプルで定番のものも良いだろうと思ってのことだが、麺が何だか毒々しい紫色に染まっているのは妖怪が作ったものだからということだろう。それでも美味しそうなソースの匂いは焼きそばのそれに間違いないし、トッピングの目玉焼きは普通の目玉焼きである。
 マダラには焼きとうもろこしを買ってあげたのだが――。
「……その、武器に見えるな」
 意気揚々と焼きとうもろこしをくわえたマダラはとても様になっていて、統弥は思わず真顔になったとか。
「わぁっ、皆個性的なの買ったね? 焔は怖いの持ってる! ソフトクリームなの? これお団子?」
 そこにリーゼロッテも戦利品を持って戻って来る。
「焔は本当に目ん玉食べてるよ、わぁ見てよマダラ、可愛いね」
「マダラ金棒持ってる! かっけぇ」
 目を輝かせる焔に、マダラはどこか得意げに尻尾を揺らしてみせた。
「マダラはなんか格好良いの咥えて……え。これとうもろこしなの? 統弥のは焼きそば……焼きそばだよね? そんな色したの初めてみた……っ。ど、どんな味なのかな?」
 マダラの焼きとうもろこしを咥えた姿に和んだのも束の間、統弥の毒々しい焼きそばにはおそるおそると言ったふうな反応を示すリーゼロッテ。そんな彼女と焔とを交互に見やりつつ、統弥は言った。
「焔もそうだけど、リーゼロッテも、可愛らしいけどなかなか個性的なものを買ってるね?」
「私は座敷わらしのあんみつ! リボン可愛いでしょ?」
 リーゼロッテが手に入れてきたのは、座敷わらしらしい少女の顔が描かれたテイクアウト用のカップにたっぷりと入れてもらった座敷わらしのあんみつだ。
「リーゼのかわいい。座敷わらしか、なるほどなぁ。リーゼ目ん玉食ってみる? あーん」
 焔はスプーンで目玉を掬い、リーゼロッテに差し出す。
 差し出された――妙にリアルな目玉を、リーゼロッテはおそるおそる――ぱくり。
「……! おいしい! 苺ソースなんだね」
 ストロベリーソースの甘酸っぱさと白玉の控えめな甘さがいい感じに混ざり合っていて、リーゼロッテはその美味しさに頬を緩めて笑う。
「俺にも一口おくれ」
「もちろん、どうぞっ」
 そしてお返しに、リーゼロッテも焔へ一口、あんみつをあーんして。
「……うま」
 もぐもぐと噛み締めてから、焔も笑みを深める。
 お互いに食べさせ合う焔とリーゼロッテを微笑ましく眺める統弥に、リーゼロッテが振り向いた。
「統弥とマダラもあんみつ食べる?」
「てか久条サンの焼きそばめっちゃ紫なんだが!? ……俺の目玉置いたらもっとヤバくなるんじゃね?」
 びっくりしつつも焔はさりげなく目玉(白玉)を添えて――それから、盛大に笑い飛ばした。
「地獄みてぇ!」
「……って目玉トッピング増えたし。紫色のやきそば二人もくらえー!」
 そう言うと、統弥はここぞとばかりに二人の口にしゅっと焼きそばを一口ずつ突っ込もうとして――。
「くらえ?!」
 繰り出された焼きそばを、反射的にぱくっと食べるリーゼロッテ。
「……あ、以外に美味しい」
「確かに、案外うまい」
 同じく焼きそば攻撃を受けた焔も、もぐもぐしながら頷いた。
 いつものように賑やかに、妖怪横丁の夜を楽しむ三人。まるで夢と現の狭間のような世界で過ぎていく今宵のひと時も、三人の心に確かな想い出として綴られてゆくことだろう。
 なお、マダラはというと――。
「久条サン! マダラの金棒、みるみる喰われていっているぞ!」
 つい吹き出してしまった焔の言葉の通り、とうもろこしを夢中で食べていたという。
 
超成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【建造物分解】LV1が発生!
【飛翔】がLV3になった!
【操作会得】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】がLV10(最大)になった!
【能力値アップ】がLV10(最大)になった!

レジーナ・ネイサン
【彩縁筆】

夏は怖いものでひやっとして乗り切ろう!ってノリ、
暑い中でも楽しみ探しに貪欲というか逞しいというか、面白いなあ
何でって、そりゃ…なんでだろう?

貸衣装屋から雪女の衣装をお借りする
雪の結晶柄の浴衣を纏って
気分だけでも涼やかに、てね
ありがと…足?ああ、スリットみたいになってるから
ギィースは何の格好にするの
烏天狗か、いいね!和の格好も似合うんだね、貴方
…!!ブラシが猫耳に!トトは尻尾のふさふさが増量してる
なんてカワイイんだ!
スマートフォンでカメラ連写

準備できたら妖怪横丁へ
提灯が並ぶ景色は別世界への入口って感じしない?
絵か、確かにね!

よっしゃ食べよう!
どれも変わってて美味しそうで…
見てよギィース
この大判焼き、お稲荷さんの焼き印だ
トトに似てない?と、トトの顔の隣にならべて
美味しいかい?ブラシも食べる?じゃ、全員分買おうか
次はかき氷だね
おっ、みぞれがある!これにしよう
あーん?
つい口を開けた瞬間、やさしい甘味
…抹茶味?はは!すっごい揺れてる河童

次はどこへ行ってみようか
相談するのもきっと楽しいね


ギィース・エレクレ
【彩縁筆】

お化け屋敷や怪談っていいよね!!
何で怖いの聴いたりするとヒヤリってするんだろうね?
夏暑いモノ!何でもいいから涼しくしようって!でもやっぱり楽しくしないとね!

貸衣装?
雪女の衣装?わぁ!!わぁ!!可愛い!!
とっても美人さん!!足セクシー!!
俺?んー、妖怪なら鴉天狗かな?
ふふっーどう?
ブラシちゃんに耳をつけて猫又さん!
トトは…尻尾が増えてる!?九尾か!
あははっ、俺も写真撮ろ(頑張って撮ってるレジーナちゃんごと写真連写)

わぁ!幻想的な世界だね!
何というか絵の中の世界に入ったみたい

せっかくだもの!
沢山食べよー!!何にしようか!
ん?大判焼きだ!本当だ、狐でトトだね!
良かったね、トト
トトがかぷりと食べる
あっ!食べちゃた!ブラシちゃんも美味しい?

かき氷!!夏には美味しいよね!
みぞれ!珍しいね!
俺はブルーハワイかな!青鬼さんにしてもらったよ!
じゃ次は、レジーナちゃんあーん!
抹茶味の何かを彼女の口に
ふふっ、河童ちゃんムースでした!
ぷるぷる揺れる河童

とっても楽しいね!
つぎは何しようか?
わくわく


「お化け屋敷や怪談っていいよね!! 何で怖いの聴いたりするとヒヤリってするんだろうね?」
「何でって、そりゃ……なんでだろう?」
 にこにことご機嫌な様子でいつものようにハイテンションなギィース・エレクレ(誘惑の道化師・g02447)に、レジーナ・ネイサン(灰色キャンバス・g00801)はつい考え込んでしまっていた。
「まあ、夏は怖いものでひやっとして乗り切ろう!ってノリ、暑い中でも楽しみ探しに貪欲というか逞しいというか、面白いとは思うかな」
 少し思考を泳がせてから、そう答えるレジーナ。彼女の答えにうんうんと頷くギィースが、疑問こそあれど正解を求めているわけではないのは、きっといつものこと。
「夏暑いモノ! 何でもいいから涼しくしようって! ――でも、やっぱり楽しくしないとね!」
 妖怪横丁へと向かう――その前に。二人はまず貸衣装屋へと足を運んだ。今宵のお祭りに合わせ、様々な妖怪の衣装や色とりどりの浴衣がずらりと揃っている様は、文字通り圧巻の一言に尽きる。
 雪の結晶を散りばめた涼しげな浴衣で、レジーナが扮するのは雪女。ほんのりと白粉を塗った肌に寒色のアイラインを引いて、よりそれっぽい雰囲気に仕上げれば、ギィースのテンションが更に上がっていく。
「気分だけでも涼やかに、てね。……どう、似合ってる?」
「わぁ!!わぁ!! ――可愛い!!似合ってる!!とっても美人さん!!足セクシー!!」
 雪女なレジーナの姿に大喜びのギィースは、夏の暑さもすっかりどこかに吹き飛んでしまったかのようで。
「ありがと……足? ああ、スリットみたいになってるからか。……ギィースは何の格好にするの?」
「俺? んー、妖怪なら烏天狗かな? すぐに着替えてくるから待っててね!」
 そうして、いそいそと着替えに向かったギィースを待つこと暫し。
「じゃーん! ふふっ、どう?」
 黒を基調とした山伏の衣装で烏天狗へと変身したギィースの姿に、レジーナは思わず感嘆の息をついた。
「いいね! 和の格好も似合うんだね、ギィース」
「格好いいでしょ? そして更に! ブラシちゃんに耳をつけて猫又さん!」
 そう言うと、ギィースはモーラット・コミュのブラシにすちゃっとふわふわの猫耳をつける。
「もきゅっ!」
「……!! ブラシが猫耳に!」
「トトは……あれっ、尻尾が増えてる!? 九尾か!」
 一方クダギツネのトトは、ギィースが何かをする前に何故か尻尾がもふっと増えていた。何食わぬ顔で大人しくしているように見えるトトだが、どこか得意げな気配が伝わってくる。
「ふたりともなんてカワイイんだ……!」
 興奮冷めやらぬ様子でスマートフォンを構え、更に可愛さを増したブラシとトトの写真をここぞとばかりに撮りまくるレジーナ。
「あははっ、俺も写真撮ろー!」
 頑張ってスマホのカメラを連射するレジーナと勢いよく響くシャッター音に笑みを深めながら、ギィースもまた、スマホを構えるレジーナごとたっぷりと写真に収めていたという。

 ――夜風に揺れる色とりどりの光が、レジーナの瞳に様々な彩を燈す。
 連なる提灯の明かりは、まるで宵闇に隠された妖怪横丁の姿を浮かび上がらせているようだった。
「提灯が並ぶ景色は、何だか別世界への入口って感じしない?」
 そわそわと弾む心のまま楽しげに紡ぐレジーナに、ギィースもうんうんと頷き、にっこり笑う。
「幻想的な景色だね! 何というか、絵の中の世界に入ったみたいだね!」
「……なるほど、絵か。確かにね!」
 けれど。絵画のような世界でも、目の前に広がる景色と――そしてどこからともなく漂ってくる香ばしい匂いは、紛れもなく本物だ。
「よっしゃ、食べようか!」
「せっかくだもの!沢山食べよー!! 何にしようか!」
 意気揚々と屋台通りへ繰り出す頃には、ちょうど小腹の虫も鳴き始めていたことだろう。
 屋台に並ぶ品々はみな、一般的なものとは少し変わった見た目をしているけれど、どれも美味しそうで――。
「見てよギィース。この大判焼き、お稲荷さんの焼き印だ。トトに似てない?」
「ん? 本当だ、狐でトトな大判焼きだね! 良かったね、トト……あっ」
 レジーナが見つけたのは、可愛いお稲荷さん印の大判焼き。出来立てのそれをトトの顔の隣に並べてみれば、ふわりと鼻腔をくすぐる甘い香りにトトはすん、と鼻を動かしてから、かぷりと喰らいついた。
「食べちゃった!」
「美味しいかい、トト?」
 ゆらゆらと尻尾を揺らしながら大判焼きをもぐもぐするトトに、笑みを深めるレジーナ。すると、それを見ていたブラシが、もきゅっとレジーナの浴衣の袖を引っ張った。
「もきゅ~……」
「ブラシも食べる? じゃ、全員分買おうか」
「もきゅー!」
 そうして大判焼きを全員分、焼き立ての甘さを並んで堪能すれば、笑みが溢れるばかり。
「ブラシちゃんも美味しい?」
「もきゅっ」
 ギィースの言葉に頷いたブラシも、大判焼きを両手で大事そうに抱え、もきゅもきゅと幸せそうな表情で噛み締めていた。
 そして、大判焼きの次は――かき氷。
 夏祭りと言えば定番の甘味に、レジーナとギィースだけでなく、ブラシとトトも興味津々だ。
「……おっ、みぞれがある! 私はこれにしよう」
「みぞれ!珍しいね! 俺はブルーハワイかな!青鬼さんにしてもらったよ!」
 ほら、とギィースは満面の笑みで、青鬼印のブルーハワイなかき氷を示す。
 けれど、ギィースのかき氷はそれだけでなく――。
「レジーナちゃん、あーん!」
「あーん?」
 つい口を開けたレジーナが感じるのは、優しい甘み。
 少し遅れてついてきたほのかな苦味と風味に、レジーナは二色の双眸を瞬かせる。
「これは……抹茶味?」
「ふふっ、河童ちゃんムースでした!」
 かき氷に添えられた抹茶味の河童のムースが、ぷるぷる揺れる。
「はは!すっごい揺れてる河童!」
「もきゅ、もきゅ~」
「ふふ、ブラシちゃんとトトにも、はい!」
 興味津々のブラシとトトも、抹茶のムースに嬉しそうに尻尾を揺らしていたとか。
 ――ふと耳を澄ませば、祭囃子の音色と楽しげな声がどこからともなく聞こえてくる。
「とっても楽しいね、レジーナちゃん! 次は何しようか?」
 わくわくと、まるでトトみたいなふわふわの――見えない尻尾をぶんぶん振っているように声も笑顔も弾ませるギィースに、レジーナも自然と笑顔になりながら、頷いてみせる。
「そうだね、じゃあ、次は――」
 夜はまだまだ長いから、だから次にどこに行くか、何をするか――こうして相談する時間だってとても楽しくて。
 二人が紡いだ今宵のひと時もまた色鮮やかな想い出となって、記憶のカンバスに描かれていくことだろう。
 
超成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【アイテムポケット】がLV3になった!
【友達催眠】がLV5になった!
効果2【ラストリベンジ】LV1が発生!

エイレーネ・エピケフィシア
愛するクロエ様(g08917)と共に
去年の秋に仕立てた浴衣を着て、二人で妖怪横丁を巡ります

亜人どもとの決戦を前に、憩いの時間を作ってよいものかと悩んでいましたが……
地獄変の力を早急に蓄えねばならなくなった以上、迷いは要りませんね
都市と人々を救うために全力を尽くして楽しみましょう!

クロエ様と一緒にあんみつを口にして、その豊かな甘さに舌鼓を打ちます
しつこさがなく、さりとて淡白すぎもしない……幾らでも食べられそうですね
わたし達の時代には砂糖がなく、甘味は蜂蜜頼りで、遠方まで新鮮な果物を運ぶのも困難でした
あの頃の食生活に戻れと言われたら、きっとひどく苦労してしまいますね

……そうなのですか?(魔女の恋人になってから早半年、戦場で過ごしてばかりの神官きょとんとする)
配膳や酌をするというわけではなく、わたしが食器を持ってクロエ様に食べさせるのですよね?
……承知しました。挑戦してみましょう!
(緊張からかガバッと多めに掬う。あと自分が使ってたスプーンでやってる)
どうぞクロエ様。あーん、と口を開いて下さい!


クロエ・アルニティコス
恋人のエイレーネ(g08936)とともに

浴衣着用

ハロウィンはもっと雑多な……賑やかな雰囲気でしたが、統一された種類や落ち着いた明かりのこんな雰囲気もいいですね。
大きな戦いの前ですが恋人らしく、共にお祭りを回ります。

どれも美味しそうですね……お勧めはありますか?
お勧めらしい座敷わらしのあんみつを買い、カフェで涼みながら頂きます。
色合いもカラフルで……目でも楽しめる、というのは豊かな時代ですね。
味のほうも……柔らかな甘さが美味しいです。

……ところでエイレーネ。
この時代の恋人同士は、その……料理を食べさせあう、というようなことをするらしいのですが。
んんっ(勢いに押され気味魔女。もちろんこちらも戦場で過ごしてばかりなので付け焼刃の知識である)
は、はい。頂きます……あむ。
緊張で顔を赤くし、味が分からなくなりながらも次は自分のスプーンでエイレーネの方へ。
で、では次は私が……あーん。


 ――蹂躙戦記イスカンダル。
 忌まわしき亜人たちに奪われた故郷の奪還は、クロエ・アルニティコス(妖花の魔女・g08917)とエイレーネ・エピケフィシア(都市国家の守護者・g08936)にとっての揺るぎない使命であり、悲願であった。
 そして、いよいよかの世界の奪還戦を目前に控えた――今。
 来たる決戦の時を前に、二人で憩う時間を許して良いものかとエイレーネが悩んだのもまた事実だ。
「……今は楽しみましょう、エイレーネ」
 迷うエイレーネの背を押してくれたのは、他の誰でもないクロエだった。
 最終人類史で行われることになった今回の催し。その主たる目的は奪還戦に備え、地獄変のエネルギーを蓄えることにあるのは違いないけれど――。
 妖怪横丁と名付けられた、妖怪に因んだお祭りの舞台を用意してくれたのは、最終人類史の人々だ。
 ならば彼らの想いに応えるためにも、ディアボロスとして、全力を尽くして楽しむしかないだろう。
「ハロウィンはもっと雑多な……賑やかな雰囲気でしたが、統一された種類や落ち着いた明かりのこんな雰囲気もいいですね」
 黒に灰縞を重ねた地に、赤と白の曼珠沙華が咲き誇る浴衣を纏うクロエは、目の前に広がる光景に思わず感嘆の息をつく。
 色とりどりの提灯が連なる世界は、まるで現実ではないような――それこそ、本当に妖怪たちの世界に迷い込んでしまったような心地さえする。
 エイレーネもまた、涼しげな水色の地に赤と白の花が咲く浴衣に身を包んで、妖しくも楽しげな雰囲気に心が弾むのを感じていた。
 祭囃子に楽しげな声を重ねて響かせながら練り歩く百鬼夜行とすれ違い、通りを挟んでずらりと軒を連ねる妖怪たちの不思議な屋台を眺めつつ、二人は横丁の一角にあるレトロな外観のカフェへと足を運んだ。
 常よりも照明が控えめな、薄暗い店内。奥まった席に通された二人は、早速可愛らしい妖怪の絵が描かれたメニューを覗き込む。
「どれも美味しそうですね……お勧めはありますか?」
 迷った末に、クロエは店員にそう尋ねて――そして、おすすめだという座敷わらしのあんみつを二人分、頼むことにした。
 やがてあたたかいお茶と共に運ばれてきたあんみつは見た目がとても可愛らしくて――透き通る寒天と散りばめられたカラフルなフルーツたちが織り成す宝石箱のようだった。
「色合いもカラフルで……目でも楽しめる、というのは豊かな時代ですね」
 クロエは早速、あんみつを一口。
 黒蜜が絡んだ寒天は、上品な甘さと共に口の中でほどけていくようで――。
「味のほうも……柔らかな甘さが美味しいです」
 ほっと表情を和らげるクロエに、つられるように笑みを深めつつ。
 エイレーネもまたあんみつを口にして、その豊かな甘さに思わず舌鼓を打った。
「しつこさがなく、さりとて淡白すぎもしない……幾らでも食べられそうですね」
 二人が生きた時代には砂糖がなく、甘味と言えば蜂蜜頼りで、遠方まで新鮮な果物を運ぶのも困難だった。
 けれど最終人類史に辿り着き、現代の豊かさに触れ、様々な味を知ってしまった“今”を思えば――エイレーネはつい、小さく眉を下げてしまう。
「あの頃の食生活に戻れと言われたら、きっとひどく苦労してしまいますね」
「ええ、本当に。……ところで」
 エイレーネ、と恋人を呼ぶクロエの声音は真剣なもの。
「はい、クロエ様、どうかしましたか?」
 暫しの間、時を止めたように見つめ合った後――クロエはやがて、意を決したように言った。
「この時代の恋人同士は、その……料理を食べさせあう、というようなことをするらしいのですが」
「……そうなのですか?」
 魔女の恋人となってから、約半年。戦場で過ごしてばかりの神官にはそういった慣習は馴染みのないもので、エイレーネはクロエの言葉に一瞬きょとんとするけれど――。
「配膳や酌をするというわけではなく、わたしが食器を持ってクロエ様に食べさせるのですよね? ……承知しました。クロエ様がお望みならば、挑戦してみましょう!」
 緊張からか、勢いよくがばっと――エイレーネは、自分が使っていたスプーンで一口というには若干多めに掬ったあんみつを、ずいっとクロエに差し出した。
「どうぞクロエ様。あーん、と口を開いて下さい!」
「んんっ」
 エイレーネの勢いに押され気味のクロエもまた、戦場に身を置いてばかりなので付け焼き刃の知識であったのはここだけの話だ。
「は、はい。頂きます……あむっ……」
 ――味がわからないのは、きっと緊張しているせい。
 白い頬を赤く染め上げながらも、エイレーネからの一匙をゆっくりと噛み締めたクロエは、お返しとばかりに自分のスプーンで掬ったあんみつをおずおずとエイレーネへ差し出した。
「で、では次は私が……あーん」
 ――互いに自分のスプーンで交換したことに気づくのは、さて、いつになるだろう。
 今はただ穏やかに過ぎていくこの甘いひと時を、そして、かけがえのない幸せを分かち合う。
 
超成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【防空体制】LV1が発生!
【罪縛りの鎖】がLV2になった!
効果2【反撃アップ】がLV4になった!

雪白・硝子
紬さま(g01055)と

淡青色の雪華の浴衣でかろく歩み
浅草の風情はつねより好ましくも
妖と染まるさまには胸の跳ねるよう
屋台を過ぎればいっそう賑やかだこと

ね。――紬さま?
わたくし、喫茶へいきたいの
この手を引いてくださるかしら
ま。わたくしの乙女心というもの
そろそろおわかりになって?

ころころ笑って、うそぶいて
引く手が喫茶に導いたなら
わたくしは雪女のつくる氷菓に苺練乳を
ふふ。なんだか、この身に馴染むよう
紬さまの餡蜜もすこうし縁近いかしら

座敷に住みつくのは同じでしょう?
いいえ、紬さまを座敷童とするには
年かさを重ねすぎているのかしら
それに、酒精に銭を費やすあなたなら
むしろ富を遠ざけてしまいそう――

なんて、ささやかなからかいに
負けるばかりのあなたにしては
めずらしい反論、瞬きは三度ほど

――ま。お可愛らしい反論だこと
であれば、凍らせてしまいましょう

薄ら笑って、氷菓をひとすくい
えいとあなたの口に添えてやり
鳴る玩具のよなさまにわらう
わらべのよな戯れも楽しいものね

幸であれば招いているのかしら
賛辞は裡に秘めるけれど


織乃・紬
雪白ちゃん(g01203)と

臙脂色に七宝柄の浴衣で下駄鳴らし
隣ゆく少女のお守りの身ではあるが
浮かれた心地で携帯に映える景収め
誤魔化すように少女に焦点合わせて

ハイッ!何で御座いましょう!
しッかと見守ッておりますよ――ッてえ
イイけどさ、手を引くのは必須なわけ?
ホラアレ、要らん事案招きそ~ッてか!

出た乙女心!と拙い顔にはなれど
乙女に恋われりゃ弱いもので
素直に手をとれば喫茶に御案内
俺は普通に喰いてエから、餡蜜!
キュート過ぎて似合わねエけどな

縁近い? 過ぎてるキュートなトコが?
いやソレ普通に悪口じゃね!?!
普通に真実でもあッから反論し難い、が!
ソレ言うンだッたら雪白ちゃんだッて
見目に限らず雪女に近いトコあるぜ
おッかないトコ、時折背筋凍るもん

大人として偶にゃ言い返さねば
そんな意趣返しであったけれども
暫し黙る相手に不安満ちて覗えば

キャ!!!つめたあい!!!

突如の極寒に口を押さえる叫びは
怪談で放つものとイイ勝負だろう
矢張り勝てない――と静かに涙し

とは云え暑い日々だもの
彼女の傍で涼をとるのもまた良し、か


 臙脂の彩に七宝柄の浴衣でからころと、機嫌よく下駄の音響かせながら、織乃・紬(翌る紐・g01055)は携帯を構え、“映える”景色を切り取っていく。
 今宵の紬は、隣をゆく少女のお守りの身。とはいえ常と異なる光景を目にしたならば、どうしたって浮かれてしまうのは致し方ないだろう。
 淡青色の雪華の浴衣を纏い、軽やかに傍らを歩む雪白・硝子(ななつのやくそく・g01203)は、そんな紬をちらりと横目で見やった。
 ――ぎくり。
 なんて、何故か悪戯がばれたような心地になったのは一瞬。
「雪白ちゃん、ハイ!チーズ!!」
 躍る心を誤魔化すように、紬はすぐに少女に焦点を合わせるけれど――きっと、この少女ならばお見通しだ。
 ――とは言え、下町情緒溢れる浅草の風情を常より好ましく思っていた硝子も、見慣れた景色が妖と染まるさまにはいつになく胸が跳ねるような心地を覚えずにはいられなかったのもまた事実。
 色とりどりの提灯のひかりが誘うように揺れる中、屋台が連なる通りを過ぎれば辺りはいっそう賑やかさを増していく。
 祭囃子を奏でながら練り歩く、妖怪に扮した人々。どこまでも続きそうな百鬼夜行は、もしかしたら本物の妖怪が紛れているかもしれないと思えるほど。――否、きっと本当に紛れていたって、今宵は誰も気づかない。
「ね。――紬さま?」
 何気なく傍らへと呼びかければ、びくりと大袈裟なまでに跳ねる肩。
「ハイッ! 何で御座いましょう雪白ちゃ、いや雪白サマ!! しッかと見守ッておりますよ――」
 何故かあからさまに動揺している紬に、硝子はすう、と双眸を――どこか楽しげに細めながら、やんわりと告げた。
「わたくし、喫茶へいきたいの。……この手を引いてくださるかしら」
 紡がれた言葉と差し伸べられた嫋やかな手に、紬は一瞬きょとんとしてから、ほっと安堵にも似た息をひとつ。
 鈴を転がすような少女の声は、真意はどうあれ時折ひどく大人びて響くから。
 紬にしてみれば、色々な意味で心臓がいくつあっても足りないような――そんな心地になりもするのだ。
「……ッてえ、イイけどさ、手を引くのは必須なわけ? ホラアレ、要らん事案招きそ~ッてか!」
 しどろもどろに続ける紬に硝子はふと瞬いてから、ころころ笑って嘯いた。
「ま。わたくしの乙女心というもの、……そろそろおわかりになって?」
「出た乙女心!」
 拙い顔にこそなれど、乙女に乞われれば弱いもの。
 素直に少女の手を取って、紬は横丁の片隅にある、レトロな外観の喫茶店へと足を向ける。
 扉を潜った瞬間に、まるで外の世界と隔てられたような不思議な感覚に襲われる。けれど、それは決して不快なものではなく、どちらかと言えば心がそわそわと弾むようなものだった。
 店内は薄暗く、声を潜めて談笑する客の顔もはっきりとは見えない。だから先程すれ違った百鬼夜行のように、本物の妖怪がどこかで甘味を味わっていたとしても、きっと誰も知らないまま。
「わたくしは雪女のつくる氷菓に苺練乳を。紬さまは?」
「俺は普通に喰いてエから、餡蜜! キュート過ぎて似合わねエけどな」
 やがて運ばれてきたのは、ふわふわの氷に艷やかな果肉入りの苺のシロップがたっぷりとかけられ、さらにたっぷりの練乳が添えられたかき氷に、透明な寒天の合間から色とりどりのフルーツが覗く様が何とも愛らしい、これまたたっぷりの黒蜜が添えられたあんみつだ。
 早速ひとくち掬った紬は口の中に広がる黒蜜の上品な甘さに舌鼓。硝子もひと匙食んで、舌の上で瞬く間にとけていく練乳のまろやかな甘さと苺の仄かな酸味に笑みを綻ばせる。
「ふふ。なんだか、この身に馴染むよう。紬さまの餡蜜も、すこうし縁近いかしら」
「――縁近い? 過ぎてるキュートなトコが?」
 それはもう、弾けるような笑みを浮かべる紬に、硝子はさらりと続けた。
「座敷に住みつくのは同じでしょう?」
「アー、そういう……?」
 紬の視線がぎこちなく逸れるのに、硝子はくすくすと笑みを零す。
「いいえ、紬さまを座敷童とするには、年かさを重ねすぎているのかしら」
「……いやソレ普通に悪口じゃね!?!」
「それに、酒精に銭を費やすあなたなら、むしろ富を遠ざけてしまいそう――」
「普通に真実でもあッから反論し難い、が……!」
 満面の笑みが一転、思わずテーブルに突っ伏しながらも紬はちらり、と澄ました顔で微笑う硝子を見やる。
「ソレ言うンだッたら雪白ちゃんだッて、見目に限らず雪女に近いトコあるぜ。……おッかないトコ、時折背筋凍るもん」
 硝子にしてみれば、いつものささやかな“からかい”で――紬がそれに負けるのも、いつものことと言えばそうであった。
 だから珍しく反論が返ってきたことに、硝子はつい瞬き三度ほどの間黙り込んでしまう。
 大人としては偶には言い返さなければなんて、単なる意趣返しに過ぎなかったのだけれど――思いもよらぬ束の間の沈黙に、紬は瞬く間に満ちていく不安に駆られるようにそろりと覗い、そして。
「――ま。お可愛らしい反論だこと。……であれば、凍らせてしまいましょう」
 薄っすらと笑んで、艶めく氷菓をひと掬い。そのまま紬の口元へ――。
「えい」
「キャ!!!つめたあい!!!」
 突然の極寒に口元抑えて跳ね上がった紬の悲鳴じみた叫びはきっと、怪談のお供といい勝負だろう。
「わらべのよな戯れも、偶には楽しいものね」
 まるで音の鳴る玩具のような紬の様子にころころとわらう硝子に、紬は静かに涙せずにはいられなかった。
(「矢張り勝てない……」)
 ――とはいえ、外はまだ暑い日々。
 ならば、彼女の傍で涼を取るのもまた良しということだろう。
 そんな紬を見やりつつ、硝子はふと思う。
 座敷童と呼ぶには年かさを重ねすぎている彼だけれど、こうして共に過ごす何気ない時間が快いことに違いはない。ならば――。
(「……幸であれば、招いているのかしら」)
 もし、そうだったとしても――賛辞は裡に秘めたまま、硝子は再び氷菓に匙を伸ばすのだった。
 
超成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【罪縛りの鎖】がLV3になった!
【植物活性】がLV2になった!
効果2【ロストエナジー】がLV5になった!
【ガードアップ】がLV4になった!

朔・彗藍
《星唱》

今日は特別、妖怪の仲間入りなのです
二本の尻尾をゆらゆら
薄桃地に白牡丹咲いた浴衣を纏う猫又さんに
えへへ、ルリラとお揃い!
とっても可愛いですねえ
双子コーデが嬉しくて動きもぴょんぴょん身軽に猫らしく

さてさて、早速スイーツ巡りに繰り出す二匹ですにゃん!
えっと、語尾はその…雰囲気は大事かと思って……!
ルリラも……(期待の眼差し)

本当に色々あって悩んじゃいますね
やっぱり此処は冷たいものでひんやりと
ふわふわかき氷が気になりますね…苺練乳をたっぷりとかけて
でも河童さん抹茶ジェラートも……
名案です、わけっこ作戦!
ルリラ、はい、かき氷あーんですう
同じ格好でこうして遊んでると姉妹になったみたいで
つい口許へ差し出してしまう
ぱくり、お返しも倖せいっぱい口に含んで

締めスイーツは勿論あんみつ
ルリラは和菓子も好きです?
たい焼きもですが和スイーツが大好きでして!
ぷるりとした寒天、餡子、フルーツに舌鼓
おいしい…!
あ、おまけでしょうか
トッピングに猫の形の抹茶チョコ

ふふー、まだお腹は余裕ですっ
次は何処へ行きましょう


ルリラ・ラプソディア
《星唱》

妖怪さんになって…楽しくお祭り参加、なの
ゆらゆら好奇心に揺れる二本の尻尾
白地に薄桃色牡丹が咲いた浴衣の猫又さん姿
双子コーデ…ね
ふふ、彗藍さん、とっても可愛い
猫さんのように身軽に動く彼女にほっこりと

…!
…ふんいき、だいじ
それじゃあ…、スイーツ巡りれっつごーなのにゃん(えいえいおー)

妖怪スイーツさん、どれもかわいい
彗藍さんは、何が気になる…かな?
たくさんあって悩んじゃうの
かっぱさんの抹茶ジェラートに…ふわふわかき氷…
わけっこ、してみるのも…いいかな?
口許に差し出されるひと口にほんわり微笑
双子の姉妹みたいだと嬉しくなりながら
あーん…ぱくっ
…ふわふわお口で溶けて、おいしい
彗藍さんも…抹茶ジェラート、あーん

しめのスイーツ、あんみつも気になってたの
ん。和菓子、すきよ
だいふく、とか…モナカ…とかいっぱい好き
わ…猫さんチョコ…
座敷童さんの幸せプレゼント、ね
…ふふ、黒みつと絡んでおいしい

スイーツめぐりは始まったばかり
つぎは…赤鬼、青鬼さんの飲みものにいくにゃん
楽しそうに笑って、屋台を指さした


 ――誰もがみな妖怪になれる、特別なお祭りの夜。
 白の牡丹が爛漫と咲く薄桃色の浴衣に、ゆらゆらと好奇心のままに揺れる二本の尻尾。
 今宵の朔・彗藍(ベガ・g00192)とルリラ・ラプソディア(Ⅻの子守歌・g00784)は、お揃いコーデで双子の猫又さんだ。
「えへへ、ルリラとお揃い! とっても可愛いですねえ」
 お揃いが嬉しくて、軽やかに弾む足取りも、指先の仕草ひとつとってもどこか本物の猫らしく見える彗藍に、ほっこりと微笑みながらルリラが答える。
「ふふ、彗藍さんも、とっても可愛い。お揃いの双子コーデも……嬉しいの」
 色とりどりの提灯の明かりに照らされながら、二人は微笑みを交わし合う。
「さてさて、早速スイーツ巡りに繰り出す二匹ですにゃん!」
「にゃん?」
 招き猫みたいにきゅっと握った手を掲げながら、張り切った声で宣言する彗藍に、ルリラは一瞬きょとんとする。
 そんなルリラの様子に、彗藍ははっとしてからちょっぴりあわあわして、それからどこか気恥ずかしそうに続けた。
「えっと、語尾はその……雰囲気は大事かと思って……! ルリラも……」
「……! ……ふんいき、確かにだいじ」
 きらきらと期待に輝く薄紫の眼差しに、ルリラもはっとする。
「それじゃあ……、スイーツ巡りれっつごー、なのにゃん」
 ほんのり照れている様子のルリラが、それはもう可愛かったのもあるけれど。
 期待に応えてくれたことが何よりも嬉しくて、彗藍は双眸だけでなく笑顔も輝かせながら、一緒に手を掲げた。
「えい、えい、おー!」
 気合いも新たに、彗藍とルリラは妖怪に扮した人々に紛れるように妖怪横丁へと繰り出していく。
 夜の闇にゆらゆら揺れる提灯の光は、まるで二人を別世界へと誘っているかのよう。
「妖怪スイーツさん、どれもかわいい……」
「本当に色々あって、悩んじゃいますね」
 様々な妖怪に扮した人々が手掛ける屋台には、普通の縁日で良く見るものとは少し違う、妖怪のモチーフを随所に取り入れた様々な料理やスイーツが並んでいる。そのどれもが目を引くものばかりで、ついつい目移りしながら二人は通りを歩いていく。
「たくさんあって悩んじゃうの。彗藍さんは、何が気になる……かな?」
 そっと首を傾げるルリラに、彗藍はとても真面目な思案顔。
「やっぱり此処は……冷たいものでひんやりと、でしょうか。ふわふわかき氷が気になりますね……苺練乳をたっぷりとかけて……でも河童さん抹茶ジェラートも……」
 まるでお出かけの時のお洋服に悩む時みたいに考え込む彗藍の気持ちは、ルリラもよくわかるものだった。
「かっぱさんの抹茶ジェラートに……ふわふわかき氷……わけっこ、してみるのも……いいかな?」
 ――悩むくらいならいっそのこと、両方楽しんでしまえば良い。
「名案です、わけっこ作戦!」
 ルリラの“名案”に、彗藍も大賛成。
 そうして、かき氷とジェラートを無事に手に入れることが出来たなら。
「ルリラ、はい、かき氷あーんですう」
 同じ格好でいるからだろうか、本当の姉妹になったみたいで、彗藍はつい当たり前のようにルリラの口許へ差し出してしまう。
 口許に差し出されるつめたくて甘いひと口に、ほんわりと微笑みながら、ルリラはあーん、と口を開ける。
「……ふわふわお口で溶けて、おいしい。彗藍さんも……抹茶ジェラート、あーん」
 双子の姉妹みたいで嬉しい気持ちが溢れてくるのは、ルリラも同じ。
 ルリラがお返しに差し出したひと口を、彗藍もぱくりと口に含んで、ふわりと広がる濃厚な抹茶の風味に幸せいっぱいの笑みを綻ばせた。
 かき氷とジェラートを堪能したら、締めのスイーツは勿論――これも気になっていたあんみつで。
「ルリラは和菓子も好きです? 私はたい焼きもですが和スイーツが大好きでして!」
「ん。和菓子、すきよ。だいふく、とか……モナカ……とかいっぱい好き」
「では、近いうちに和スイーツ巡りの旅などいかがでしょう……!」
 こういうところでまた新たな“お揃い”が見つかるのもまた、嬉しいもの。
 新しい約束をひとつ紡ぎながら、早速あんみつに舌鼓。
「おいしい……!」
「……ふふ、黒みつと絡んで、とってもおいしい」
 ぷるりとした寒天にたっぷりとのせられた餡子、それから宝石みたいに散りばめられた色とりどりのフルーツ――どこから掬っても美味しくて、幸せが広がっていくばかり。
「……あ、こちらの猫さんは、おまけでしょうか」
 ふと気づいたのは、フルーツに隠れてそっと顔を覗かせる、猫の形の抹茶チョコ。
「わ……猫さんチョコ……座敷童さんの幸せプレゼント、ね」
「幸せプレゼント……ふふ、嬉しいですね!」
 重ねる幸せをもうひとつ、ふたりの顔に、ふわりと笑みが咲いた。

「ふふー、まだお腹は余裕ですにゃんっ。さて、次は何処へ行きましょう?」
 ――不思議な妖怪横丁の、不思議なスイーツ巡りはまだ始まったばかり。
「つぎは……赤鬼、青鬼さんの飲みものにいくにゃん」
 更なる冒険に心をときめかせる彗藍の言葉に、ルリラは楽しげに笑いながら、赤鬼と青鬼が手招く屋台をそっと指さした。
 
超成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【口福の伝道者】がLV2になった!
【強運の加護】がLV4になった!
効果2【凌駕率アップ】がLV2になった!
【リザレクション】がLV3(最大)になった!

最終結果:成功

完成日2024年08月25日