東の要塞、総主教の遺したもの(作者 天宮朱那)
#吸血ロマノフ王朝
#シュリッセリブルク要塞制圧作戦
#シュリッセリブルク
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●西暦1917年――吸血ロマノフ王朝・シュリッセリブルク
サンクトペテルブルクの東を守護するシュリッセリブルク要塞は混乱の真っ只中であった。
『大天使討伐に向かわれたティーホン様が戻られぬとは……』
アヴァタール級ヴァンパイアノーブルの一人『遊蕩卿エドガロニカ』は主の居ない執務室で大きな溜息をついた。
『もしや、総主教様の仰っていた様に大天使共がまことに裏切り、ディアボロス達に協力をしてたとでも……?』
『解らぬ。ディアボロスのサンクトペテルブルクへの襲撃は撃退したと言う話であったのにな――』
側に侍るトループス級『ブラッドメイガス』達の言葉に、エドガロニカはゆるりと首を横に振る。真相は不明だが、この要塞の主が不在である事だけは確かな事実。そして大きな問題が幾つも浮かび上がっているのもまた事実。
『ティーホン様は各部隊への指示など、自ら全てをお一人でなさっていた。つまり、あのお方が居なければこの堅牢なる要塞も張り子の壁にしかならない』
既に指揮系統は混乱し、ディアボロス達の襲撃も何度か行われつつある。司令官のおらぬ師団など烏合の衆にすぎぬ。
『既に持ち去られた物もあるが、それでもまだ残っている機密データは多い。全てをディアボロスや大天使共に奪われる前に、可能な限り破棄せねば。ブラッドメイガス達よ、頼めるか』
その場所はティーホン自身しか知らぬものも多い。その為、心当たりのある場所など全てを当たれと遊蕩卿は告げる。
『エドガロニカ様……それは総主教様の寝室も、でしょうか』
『総主教様は寝室に部下が立ち入る事を禁じていらしたのですが…・・』
もし万が一ティーホンが帰還する様な事があれば、責められやしないかとブラッドメイガス達は恐る恐る問うも。
『その時は私が責を負おう。だが心配であればそこは後回しにして破棄作業を進めよ』
――尤も、万が一があるとは最早思えないが。エドガロニカは荒れた執務室から出て行く彼女達を見送りながら胸の中でひとりごちるのであった。
●西暦2024年7月――最終人類史・新宿島
「皆さん、おつかれさまです! 七曜の戦からもう一年近く経つんですね」
新宿駅ターミナルに集まるディアボロス達に向け、テレーズ・リヴィエール(正義の魔女っこ・g10159)は元気一杯に声をかけた。流石に季節に合わせて涼しそうなワンピース姿で尻尾を振りながら微笑んで告げる。
「暑い夏ですが、皆さんに向かって貰う吸血ロマノフ王朝はいつでも冬な感じですよね。そう、シュリッセリブルク要塞の攻略、余り時間は無いのですが出来る限りやれたらって思います!!」
かの要塞を任されていたジェネラル級ヴァンパイアノーブル『鮮血総主教ティーホン』は陽動作戦で誘き寄せる事によって要塞の外で討ち果たす事が出来た。
その為、要塞の主が不在となった今……中にいるヴァンパイアノーブル達も纏める者もおらず大きな混乱を期しているのだ。
「混乱している内がチャンスです! 力押しで短期間で制圧しちゃいましょう!!」
ここを制圧さえ出来れば、断片の王がいるサンクトペテルブルク攻略の重要拠点と出来るのだから。
「シュリッセリブルク要塞は……ラドガ湖の南端、ネヴァ川に続く河口にある島に造られた要塞なんですねー」
その歴史は相当長いらしいが今は省略。最終人類史に残る地図で場所を示し、本屋さんや図書館で調べたら面白いですよね歴史!とか言いながらもテレーズは今回の作戦の概要を話し始める。
「総主教が多くの部隊を要塞のお外に出しちゃったんで戦力が低下してる状態なんですけど、城壁の防衛は全く手を抜いていないみたいです。まずは要塞のある島に上陸しながら守りについてるトループス級を撃破して下さい!」
しかし、向こうも要塞を死守すべく、簡単に突破出来ない様にバリケードなどで守りを固めている。下手な陽動作戦も効かないので力尽くで倒して行くしか無いだろう。
「要塞の中はかなり混乱してます。トループス級はティーホンの隠した極秘資料の破棄に右往左往してるみたいですし」
そこに襲撃をかければ尚更混乱に拍車をかける事だろう。城門突破と内部の騒ぎを聞きつければ指揮官であるアヴァタール級ヴァンパイアノーブルが現れる筈なので撃破。それにより要塞の制圧がまた一歩進むと言う訳だ。
「極秘ってだけあって、資料の場所は内緒だし内容も暗号化されてるみたいですし、そこで読む時間は無いです。刑事ドラマみたいに目に付いたもの全部段ボールに入れて押収って訳にも行かないんで、ある程度目星を付けて探すと良いかも知れませんねー」
自分だったら何処に隠すか、とかそんな事を考えながら探すと良いかも知れない。
「シュリュッセルブルク(Schlüsselburg)――ドイツ語で「鍵の城」を意味するらしいです」
本来の歴史においても13世紀からずっと国家間の争いに関わってきた要塞。
ディアボロスとヴァンパイアノーブルの戦いにおいても鍵となってくれるのだろうか。
「断片の王がいるサンクトペテルブルクには軍部や大領主などの多くの強力なジェネラル級が集結していると思われますし、その守りも相当堅いから一筋縄では行かないとは思います」
でも、ティーホンが遺した機密情報の中にサンクトペテルブルクに関する情報でもあれば。潜入やジェネラル級暗殺の鍵になるものはあるかも知れないから。
「持ち帰った情報は最終人類史で解読される予定です。その上で何か案があったら攻略旅団で提案したら良いかもですし」
テレーズはそう告げて、シュリッセリブルク行きの列車が待つホームへと案内を始めるのであった。
●西暦1917年――吸血ロマノフ王朝・シュリッセリブルク要塞正門前
要塞の前で警備を行うのは本来この要塞に所属しているヴァンパイアノーブルではない。
軍部より要塞死守を命ぜられ派遣されてきたトループス級『血の記述者』達。彼らの周りには幾重にも鉄板を立てたバリケードが組まれ、外からは簡単に視認出来ない様に防衛に徹した準備がなされている。
『この要塞の多くの部隊はティーホン様が外に出してしまい、今や本来駐留すべき者は僅かとなっているらしい』
『故に我らが派遣されたと言う事か……シュリッセリブルクを攻略をされればサンクトペテルブルクを攻める橋頭保とされかねない――となると』
敵にとってはまたと無い好機だ。故に、死守せねばならない。
既に何度か突破されているとしても、とにかく時間を稼がねば。立て直しを図るまでの間は。
リプレイ
レイラ・イグラーナ
エカテリンブルクといい、敵の防衛線へと攻めあがることが増えてきましたね。
これまではラスプーチンとの密約もあり、手引きや共闘あっての戦いもありましたが、これからはそうはいかない……ということでしょう。
銀の針を手にシュリッセリブルク要塞の防衛ラインに攻撃を仕掛けます。
隠れる場所もなさそうですし、正面から仕掛けましょう。
……出てきませんか。時間を稼ぐつもりのようですね。
とはいえ【飛翔】まで使えば流石に狙い撃ちは避けられなさそうです。
となれば……【天上奉仕・熱狂】を使用し、革命の楽曲を響かせます。
バリケードの向こうにいる敵を楽曲の重圧で押しつぶします。
効果は落ちるかもしれませんが、見えない敵に攻撃を当てられないよりは良いでしょう。
攻撃を受け、血の記述者が反撃のためにバリケードから顔を出してきたらそのタイミングを注意深く狙い、再度の攻撃でパラドクスを直撃させます。
刻み付けられた血の文字は【グロリアス】で癒すことでカバーしましょう。
この場の戦いも、この後の戦いも、一歩ずつ進めていきましょう。
「エカテリンブルクと言い――敵の防衛線へと攻め上がることが増えてきましたね」
レイラ・イグラーナ(メイドの針仕事・g07156)は白い息を吐き出しながら湖に浮かぶ島に建つ要塞を軽く見上げた。
彼女も討伐に参加した『鮮血総主教ティーホン』が元々護りに就いていた要塞。だが主を失ったこの重要拠点はディアボロスの手に陥落するのも時間の問題であろう。
これまではラスプーチンとの密約により……その手引きによって幾多ものジェネラル級を滅ぼし、共闘態勢を築いてきたものの。決裂した今ではそうもいかない。情報は自分達の手で得なければならない。
そう、自ら攻める時が来たのだ、と。銀の針を手にしたレイラは要塞の正門――防衛ラインの前に立つ。海に囲まれたこの要塞周囲に隠れる場所なぞ無い。正面から仕掛けぬ理由は無いのだ。
『(ディアボロス達が来た)』
『(下手に出張ると各個撃破されかねん。我らの任務は絶対防衛だ)』
向こうがコソコソと言っている内容までは流石にレイラも聞き取れないが、どうやら向こうから打って出る事は無さそうだ。次の司令官となるジェネラル級が派遣されるまで少しでも時間を稼ごうとしているのは暗に理解した。
「……やはり出てきませんか」
とは言え、あの守りを無視する様に飛翔なんて真似をすればあそこに固まっているトループス級全てからの狙い打ちは避けられぬ話。地上だからこそ分厚い鉄板のバリケードが逆に全てのトループス級の視界から彼女を守っているとも言える。
強引に力尽くで突破する真似はしない。あのバリケードの向こう側には敵が潜んでいる。ならばバリケードごと、押し潰してしまえば良い話だ。レイラが銀の針を振るえば革命の熱き意思を奏でる楽曲が響き渡る。
「効果は落ちるかもしれませんが、見えない敵に攻撃を当てられないよりは良いでしょう」
天上奉仕・熱狂――まるでマエストロの如く彼女の持つ針の動きが、凍える大地を熱く震わせる様な曲のリズムを刻み、同時にバリケードの……その向こうに居る血の記述者達の胸の奥に、精神に重圧を与えればそれは彼らの身にもダメージを刻む。
『う、ぐっ……っ』
『何だ、この曲は――!』
楽曲の重圧がパラドクスによる攻撃だと血の記述者達は直感し、反撃行動の為にその姿をバリケードの左右から見せる。それこそがレイラの望むところ。
三体の血の記述者達が腰に帯びた細剣を抜く。次々とレイラに向け、超速の剣技にて血の文字を刻むも彼女はその痛みに僅かに顔を顰めるだけ。
「その程度で私を止められるとでも?」
反撃は確実に行われる。ならばその為に瞬間的にでも接近はするだろうと見越した上の事。
再び針が指揮棒の如く規則正しき弧の軌道を宙に描けば――。
「――割れた刃が眼下に迫る」
今度こそ楽曲の重圧に文字通り押し潰され地に崩れ落ちた敵を一瞥する。己の身に刻まれた血文字は楽曲と共に展開された残留効果・グロリアスが完治まで行かずとも癒してくれる事だろう。
「この場の戦いも、この後の戦いも……一歩ずつ進めていきましょう」
吸血皇帝が座す所まで、その復讐の手を伸ばす為にも。
成功🔵🔵🔵🔴
効果1【避難勧告】LV1が発生!
効果2【グロリアス】LV1が発生!
マティアス・シュトローマー
ネズミ一匹すら近付けないような緊張感
軍部から防衛部隊が派遣されてきたのを見るに、ここシュリッセリブルクがサンクトペテルブルク攻略における重要な鍵になるのは間違いないね
あと一息――何としてもやり遂げないと
装備したライオットシールドを構え、ダッシュでバリケードへと突撃しながらパラドクスを発動
雷撃を纏った数多の弾丸を敵陣に放ち、バリケードを破ると共に潜んでいる血の記述者を攻撃。ダメージアップの効果を乗せた弾丸で複数体の敵を同時に攻撃する事でその連携を崩していく
さらに通信障害も展開し、バリケード後方に控えた敵に戦況を掴まれないように
その後は体力の少ない個体から狙い撃ち、守りの薄くなった箇所から突入を試みよう
その物騒な武器さえ無ければ拍手の一つでもしてあげられたのに
反撃は予備動作に惑わされないよう、こちらを狙う武器の切先が切り裂く空気の流れに集中。完全回避は難しくても、致命傷になりそうな急所への攻撃に絞ってライオットシールドで往なす事で受けるダメージの軽減を図る
さあ、次に踊りを見せてくれるのは誰?
ディアボロス達の強引な突破を許す訳には行かぬ、と。一瞬崩れかけた防衛ラインの立て直しを図る敵の様子には、ネズミ一匹すら近付けぬ――と言う気迫に似た緊張感を覚えるマティアス・シュトローマー(Trickster・g00097)。
「郡部から防衛部隊が派遣されてきたのを見るに……」
ここシュリッセリブルク要塞がサンクトペテルブルク攻略に置ける重要な鍵になるのは間違い無い。
「Schlüsselburg――きっと昔から要所だったんだな」
母国語でマティアスは呟いた。ドイツ語由来のこの砦の名はまさに言い得て妙だ。あと一息――首都まで直線距離にして40kmも無い。このネヴァ川を下ればすぐに辿り着ける距離。文字通り手を届かせる為に。
「――何としてもやり遂げないと」
決意を胸に、腕にライオットシールドを構えてマティアスは思いきり地を蹴り出し、敵が守りを固めるバリケードに向かって突撃しながら、己のパラドクスを発動する。
「傘はお忘れなく、と」
それは雷雨(Gewitter)と呼ぶには激しすぎる雷撃伴った弾雨。バリケードの裏に隠れる血の記述者達に向けて放たれた弾幕の嵐はその鉄板の守りすら突き破る。
『何と、強引な
……!!』
まるで台風の様に突っ込んできたマティアスは、更に通信障害も展開する事で敵の後方に向けての伝達を阻害し、後ろに控えた敵に少しでも正確な戦況を掴まれぬ様に仕向けた。
『怯むな、立てる者は向かえ!』
細身の剣を手に、使い物にならなくなったバリケードの鉄板を放り投げてダメージを引きずりながらも反撃の剣撃がマティアスに向かって次々と襲い来る。
「その物騒な武器さえ無ければ、拍手の一つでもしてあげられたのに」
踊る様なその動きに惑わされる事は無い。集中すべきはそのレイピアの切っ先、そしてそれが斬り裂く空気の流れ。敵が狙うのが急所であれば、手にした盾で守るべき箇所も限られる。
案の定、一気に距離詰めて突いて来たのは喉元、心臓、そして腹部。完全回避は狙わない。致命傷さえ負わねば良い話。心臓と喉元に向けての突きを盾で受け流し、その動きで身を捩れば切っ先が己の身を滑り斬り裂く痛み。
「生憎、再びの死出に向かうには――俺にはまだ早すぎるんだよね」
再び放つ雷雨の名を纏った弾幕が、弱った個体から着実に撃ち抜き屠って行く。
「さあ、次に踊りを見せてくれるのは誰?」
挑発する様に敵陣に声を投げかけるも自分からは向かって来ない。時間を少しでも稼ごうと言うのが見え見えだ。
故に。マティアスは再び守りを撃ち砕く様に雷雨を、弾雨を放つのだ。彼の前ではバリケードなど、大型台風の中で差すビニル傘同然……いずれは雨に打たれるまでの気休めに過ぎぬ。
『後ろに控えてる奴を前に出せ!』
『此処を通させはせん……!』
守りの薄くなった所からの強行突破――にはまだ早いらしい。
ならば、まずは邪魔な彼らを全て排除するしかなさそうだ。
次に攻撃を仕掛ける仲間の動きを見つめつつ。マティアスは斬り裂かれた腕がグロリアスの効果で少しづつ塞がっていく確かめて、また次の攻撃をと再び向かっていくのであった。
成功🔵🔵🔵🔴
効果1【通信障害】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
百鬼・運命
さてと首都攻略の為にもここはとっとと落としておきたい所だな
厄介なのはバリケードで向こうの敵が何処にいるか見えない所か
とりあえずまずは【ベルトレーの塩】の塩素酸カリウムの粉末入り瓶を機雷原の様に足元にばらまいてから、バリケードの内側に向かって瓶の一つを放物線で投げ込んでみよう
耳を澄まして目を凝らし、誰がどこら辺から指示を出したか、あるいは迎撃してきたかなど、向こうの反応を伺ったら、ある程度敵が集中していそうな所に集中して攻撃を仕掛けていこう
また【腐食】の効果でバリケードを形成している鉄板を腐食させてしまうのもいいだろう
上手くいくようなら、視界が通って戦いやすくなるはずだ
相手の反撃はまずは間合いを詰めてくる技だそうだから、接近するのに合わせて、足元にばらまいておいた瓶を爆発させて迎撃を
さてさて、瓶のストックは十分用意してきた
要塞攻略の前祝に派手に爆発させていこうかね
仲間が次々とバリケードを強制突破し敵ごと排除していく中、百鬼・運命(ヨアケの魔法使い・g03078)もまた指の間に数本の小瓶を挟みながら眼鏡の奥より要塞の正門を見据えた。
「厄介なのは向こうの敵が何処にいるか見えない所かな……」
生憎と無鉄砲に突っ込んでいくのは運命の趣味でも無い。まずは様子見、と手にした瓶――ベルトレーの塩を使用する事とし、鉄板のバリケードの向こうに放り投げてやる。
綺麗な放物線を描いた先で聞こえる爆発音。揺らいだバリケード板。爆ぜた衝撃で二人の血の記述者が一緒に前のめりに倒れ、その周囲にいた者達が慌てて板を起こす間にもその二人は血塗れになりながら反撃の剣を抜いて運命に向かい一気に距離を詰めてきた。
『怪しげなものを投げつけおって……!』
「ただの化合物結晶なんだけどね?」
踊る様な動きを冷静に見極めながら、辛うじて急所への攻撃は免れるも。運命の腕や胴に鋭い刺突が入り、血が舞い散る。反撃は敢えて受ける。だが近付いて来たからには只では帰さない。
「ちなみに足元も注意した方が良いと思うよ?」
『は?』
二度目の爆発は足元より。先に撒いておいた瓶が反撃の為に接近を余儀なくされた敵が退こうとした所で爆ぜた。
既に一度目の爆発で立っているのがやっとの状態だった血の記述者達は宙に身を浮かせた後、地面に落ちてそのまま動かなくなった。
「――と、流石に腐食で壊れる程のバリケードでもなさそう、かな?」
警察が使う様な防弾盾ですら10kgをやや下回る重さ。だが彼らはそこそこの大きさした鉄板を地面に立てて設置していた。仲間が弾幕でぶち破って圧し折った鉄板は徐々に腐食してる分、無いよりはマシなくらいか。
「つまり搦め手はそこそこに、文字通りの正面突破するしか無いか」
残念、と苦笑いを浮かべる運命の指の間には再び幾多もの遮光瓶。耳を澄まし目を凝らし、最初の爆発時にある程度の敵の動きは、反応は読んだつもりだ。
「さてさて、瓶のストックは充分用意して来た」
敵が集中していそうなバリケード裏目掛けて再度瓶を放り込む。グロリアスの効果で流れる血も傷も僅かに塞がりつつあるし、まだまだ充分行ける。
「要塞攻略の前祝に派手に爆発させていこうかね」
首都攻略の為にも、此処はとっとと墜としておきたい所だ――そう思いながら、運命は攻撃を仕掛け、反撃を受けつつも更に仲間達と共に攻撃を仕掛けていく。
やがて楽曲も雷雨も爆音も消え――其処に残ったのは散々ぶち破られ、倒れたバリケード。
要塞の守りに就いていたトループス級全てを排除したディアボロス達は中に突入する。
主を失った此処より、残された部下達を全て排除し、遺された機密情報を得る為にも。
善戦🔵🔵🔴🔴
効果1【腐食】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎
隠密や視野の確保に、残留効果あれば活用
ティーホンは狂信的であったな
熱心な宗教家だが……
仲間が戦闘してくれている間に、可能なら、執務室から移動する資料破棄の命を帯びたブラッドメイガス達を尾行
「寝室」を探り当てる
追跡しづらい状況なら、部屋を覗いて寝室を判別する
暗色のコートで物陰を伝うようにしつつ、忍び足で移動を
通信障害を張り、連絡を遮断
バイザーやLEDライトを持ち込み、暗い場合は光源に
宗教的なシンボルのついたもの、身につけるもの、持ち運べるものを中心に
目星をつけたものは入るだけ【アイテムポケット】へ
場所はベッド周り、引き出しやクローゼットの家具の中、隠しやすい枕の下や寝具の隙間なども探す
壁に触れて、隠し部屋はないかも注意し
額の裏側など不自然な場所にあるものは勿論
宗教的なシンボルを象ったり描かれたもの、黄金や宝石のあしらわれたものも注目し確保
クーコリ、パナギア、首飾り等身につけるもの
十字架、イコン、宗教画、祭壇の一部、織物……
模様や何か記されたり刻まれているものは忘れないように
正面突破を果たしたディアボロス達は要塞の中に雪崩れ込む。この砦の奪取の他、司令官であったティーホンしか知り得ない極秘情報とやらを廃棄される前に回収せねばならない。
暗色のコートを身に纏い、エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)は通信障害が効いている事を確かめ、足音を立てぬ様に気を配りながら物陰を伝う様に中の薄暗い廊下を進む。
『あちらの部屋の物は確認なさいまして?』
『ええ、後は……』
あたふたと忙しなく動く女性達の姿。資料破棄を命ぜられたブラッドメイガス達であろう。彼女達の後をそっと尾行しつつその会話に耳を澄ませるエトヴァ。
『――この部屋……どうしましょう』
『エドガロニカ様は心配するなと申して下さいましたが……』
『でも心配なら最後でも構わない、と』
乙女達は顔を見合わせ、困った表情を作り……その内一人が意を決した様に一言発した。
『此方は後回しにして先に他の場所のそれらしいものを』
他の者は全員同意する様に頷き、ささっと向こうに行ってしまった。彼女達が見えなくなったのを確認して、エトヴァは件の部屋の扉前に移動する。
鍵部分に使われている金属を腐食させる事で施錠されている扉を開け、彼は中をそっと覗きこむ。
「ティーホンは狂信的であったな。熱心な宗教家だが……」
成る程、そこに有ったのは寝台の他にはかの総主教を思わせる様な品々が調度品と共に並んでいた。
下手に灯りを点せばトループス級が気付いて入ってくるかも知れない。LEDライトでまずはぐるりと室内を照らし見る。
「権威を持った宗教家と言う者は、これまた豪奢なベッドを使うものなんだな」
皮肉なものだと彼は呟く。聖職と言う肩書きとは言え……生憎と支配者たるジェネラル級であった以上、そんな期待は無駄であったか。天蓋付きの見事な寝台に調度品が並ぶ。
まず目星をつけたのは小さな祭壇。十字架に黄金や宝石のあしらわれた祭具、指輪や首飾りの様な身に着ける物、持ち運べる物を中心にアイテムポケットに次々と放り込む。更に机の引き出しやクローゼットを開けては中にそれらしき文書らしき紙束を見つけては確保。
寝室だと言う事を思うと寝る直前まで機密文書に目を通していた可能性を考え、隠しやすい枕の下やベッドマットの隙間などもくまなく探してみるも。
出たのは埃、そしてエトヴァのクシャミが数度。
「少なくともティーホンがこの場所に隠してたらこうも埃まみれにはならない、か」
掃除が行き届いていないな、と軽く鼻を啜りながら改めて部屋を見回す。
急いで目に付くところ全てを漁ったが為、ガサ入れと言うより空き巣に入られた後の様になってしまっていた。
「……手当たり次第、で見つかる場所にそもそも隠すだろうか」
壁に触れ、軽く小突いてみる。硬質的な音。隠し部屋、もしくはそれに類するものはないかを想定しつつ見ていくと、壁に掛けられた聖者の肖像画。もしやと額縁に手をかけ、取り外してみると。
「これ、は」
壁紙と同じ色をした小さな扉。隙間にナイフを突き入れ、無理矢理こじ開ければそこには金庫の様な隠し空間、そして暗号文が書き連ねられた文書が幾重にも重なっていた。
「恐らくこの部屋にある機密情報は得る事が出来たかな」
ブラッドメイガス達がこの部屋に先に来ていた所でこれを見つける事が出来たかどうか。いや、彼女達に信仰心が無ければ肖像画を火に焼べるくらいはしただろう。
「あとは……ここに残るヴァンパイアノーブル達を倒して行くだけだな」
既に廊下に戦闘の音が聞こえてくる。彼らの足止めもあったからこそ満遍なく探せたのだと感謝の念を胸に、エトヴァは総司教の寝室を後にしたのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【アイテムポケット】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!
マティアス・シュトローマー
今回の作戦で一番の懸念点だったバリケードは突破。城内の指揮系統は乱れていて、残された敵も烏合の衆
これはイケる!
――なんて思ってしまっているのは事実だけど、最後まで気を抜かずに自分の仕事をこなしていきたいね
軍部から派遣された部隊がアレじゃ、この要塞は見捨てられたも同然
陥落も時間の問題かな
データの奪取に向かった仲間に邪魔が入らないよう、現れた敵を挑発してパラドクスを発動。雷撃を纏った弾丸を連続で放ち、回避しようとする敵を寝室へのルートから離れた地点へ誘導。同時に麻痺を伴うダメージを与える
さらに通路を防ぐように防衛ラインを引き、僅かな間でも時間を稼ぎたい
こう細いと針の軌道を目で追うだけでも一苦労だね…っと!
城内の戦闘であることを活かし、反撃として放たれた針は調度品や柱を盾にする事でやり過ごしたい。防ぎ切れないものは構えたライオットシールドで受け、視界と銃を持つ手元だけは死守
ここを耐え切り反撃アップの効果を乗せた弾丸をお見舞いしよう
通れるものなら通ってみなよ
一度言ってみたかったんだ、このセリフ!
レイラ・イグラーナ
えぇ、防衛ラインは抜けましたが未だ敵陣中であるのは確か。地の利は敵にあります。油断せずに参りましょう。
それではあちらはお任せし……邪魔が入らぬよう、派手に参りましょう。
要塞へと侵入をしたら、なるべく大きな通路や広間を目指し、まずは目立ちつつ敵の発見を重視。
戦闘開始後は敵の視線を広い通路や広間から外すように通路へと入り込みます。【パラドクス通信】で共に戦う仲間や機密の奪取へ向かった仲間とも連絡を取り、殲滅と情報収集、両方の作戦が上手く動く様に。
雷の魔術を込めた針を手に【既成奉仕・雷】を使用。
針の投擲で敵を突き刺すと同時に感電させていきます。
ティーホンが戻ることはございません。
サンクトペテルブルク攻撃の足掛かりとするためにも……お覚悟を。
反撃の吸血コウモリは撃ち落として数を減らし、こちらへ向かってくる数を減らしつつ、吸血コウモリの防壁が薄くなればブラッドメイガスへも針を投擲、敵の数を減らします。
もし機密データ破棄のために離脱する敵がいれば、積極的に撃破を。
(「これは……イケる?」)
マティアス・シュトローマー(Trickster・g00097)は要塞内に進みながら思うのも無理は無い。今回の作戦で一番の懸念点だったのはバリケードによる入口の防衛であったが、それも何とか突破出来た。要塞の指揮系統は乱れていると聞いている。となれば残された敵も烏合の衆に過ぎないのだ。
「最後まで気を抜かずに自分の仕事をこなしていきたいね」
「えぇ、防衛ラインは抜けましたが未だ敵陣中であるのは確か」
共に入口を突破したレイラ・イグラーナ(メイドの針仕事・g07156)は冷静な表情で頷きを返した。
「地の利は敵にあります。油断せずに参りましょう」
「とは言え……軍部から派遣された部隊がアレじゃ、この要塞は見捨てられたも同然――陥落も時間の問題かな」
マティアスは思わずほくそ笑む。勿論防衛の為に寄越された部隊だったのは解っているし突破も簡単では無かったが、そう言い放つだけの心の余裕を持って彼はこの先の戦いに臨もうとしているのだろう。
「それでは、あちらはお任せし……」
データ奪取の為にエトヴァが総主教の寝室らしき部屋に侵入したのを確認したレイラは、邪魔が入らぬ様にと奥に向かったブラッドメイガス達をマティアスと共に大きな通路を進み待ち構える。目立つように、派手に。敵の意識が仲間のいる寝室に向かわぬ様に。
然程時間も経たぬうちに。手に色々抱えたブラッドメイガス達は向こうから戻って来るなり、通路の真ん中に堂々と姿を晒す侵入者の姿を発見せざるを得なかった。
『あれ、は。もしやディアボロス!? 』
『表の防衛隊は何をしているのですか
……!?』
驚きながらも手にしていた諸々の書物やら何やらの物品をその辺に放り出し、トループス級達は戦闘態勢に入る。
「残念ながら子供達を相手にするより簡単な相手だったよ。君達も――そうだと良いけど?」
そんな挑発の言葉を吐きながらマティアスは敵に銃口を向ける。
Blitzschlag――落雷の如き稲光が閃光が、引き金を連続で絞る事で続け様に放たれていき、それを身に受けたブラッドメイガス達は電撃による麻痺を身に受けながらその場に崩れ落ちる。
『この
……!!』
「ふふ、此方ですよ」
レイラは彼女達を寝室に近づけぬ様、そしてマティアスと共に挑発する様に敢えて不敵に笑みを作って見せながら、横合いの通路へとトループス級達を引き付ける。同時にパラドクス通信にて寝室にて機密資料の捜索に当たる仲間に状況を知らせた。
(「現在、要塞内のトループス級と交戦中。そちらには向かわせない様に致します」)
返ってきた応答は、どうやら上手く隠されていた機密文書の発見報告、そして敵司令官と戦う前には向かうとの連絡。
レイラとマティアスは軽く視線を交わす。向こうが首尾良くいったのであれば、此方は目の前の敵を殲滅するのみ。
「残念ながらティーホンが戻る事はございません」
雷の魔術籠めた針がレイラの指先に光る。横薙ぎに投擲したそれは次々とブラッドメイガス達を刺し貫き、その僅かな傷より注ぎ込まれる魔力の雷が彼女達の身を灼いて絶命に至らせる。
『おのれ……!』
攻撃から免れていたブラッドメイガスはマティアスに向けてブラッディニードル――細い針状に固めし闇の魔力を鮮血の無数なる針に変えて放つ。だが彼は室内にあった調度品や柱を盾に身を隠し、構えた盾にて凌ぎきる。少なくとも視界と銃持つ利き手だけは死守したかった。
「そんなに君もコイツが欲しかったのかな?」
反撃の力を増した銃弾が、マティアスを狙ったブラッドメイガスを貫く。駆け抜けた電撃は雷に撃たれたかの様に相手を仕留めて行く。
そしてレイラを狙う敵の攻撃も血の色したオーラで作り出されし無数の吸血コウモリ達として放たれる。が、反撃の針で撃ち落としながら、その隙間を通す様な一投が彼女を狙ったブラッドメイガスを感電死させる。
「サンクトペテルブルク攻撃の足掛かりとするためにも……お覚悟を」
『こいつら、手強い……!』
『相手している場合じゃないわ……! 急ぎ機密データの破棄を……!』
『そうだ、寝室――まさか、お前達
……!!』
戦っても敵わないと察したトループス級達は、要塞が陥落した時の危惧を無くす為に戦闘から離脱すべく場を離れようとするも。駆け出すトループス級に容赦無くレイラの針が突き刺さり魔力の電撃が迸れば敢え無くその場で仕留められる。
「一人足りとも逃がす気はありません。残念ですが」
更にマティアスは自分達の前に防衛ラインを引き、容易な強行突破すら不可能な状態を作り上げた。
「通れるものなら通ってみなよ――!」
誰しも一度は言ってみたセリフを放ちながら、彼はブラッドメイガス達の前に立ち塞がり銃口を向け引き金を絞った。
――そして。
全てのブラッドメイガスを殲滅させた二人は再び大きな通路に出る。
間も無く、機密データを入手した仲間も駆けつけて来るだろうか。
そこに、向こうからコツリコツリと響く足音。
仲間のものでは決して違う気配。
『随分と騒がしい事だが――』
彼女達を取り仕切るアヴァタール級ヴァンパイアノーブル『遊蕩卿エドガロニカ』が近付いて来ていた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【防衛ライン】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
ピオニア・フィングストローゼ
助太刀致します
ここを制圧する事が、ロマノフ王朝の首に繋がるのですね
ブラッドメイガス達が混乱し騒げば、指揮官が現れるようです
私は戦闘の間、指揮官を、物陰で待ち伏せます
指揮官が内部の惨状に気づいた隙を狙い、速やかにダッシュし【ルナティックファング】で飛び掛かり、≪流麗銀爪≫を喰らわせます
【ダメージアップ】で連撃し一気に攻め立てます
攻撃したら一旦離れ、一撃離脱を繰り返します
味方と連携し、複数の方向から同時や交互に仕掛ける事で援護します
反撃の爛れ蕩けた膚に咲く黒薔薇には、≪ウェアウルフコート≫で瘴気を防ぎながら、意識を死角へ集中させて身体を揺らし、仕込み杖で突かれる時に急所を逸らします
血を流しても構いませんが、あなたにも報いは受けて頂きます
私も反撃の機を逃しません
エドガロニカ様と呼ばれていましたか
舌を噛みそうなお名前ですね
混乱する要塞の指揮官とは気の毒ですが
私も手を抜く訳には参りません
まだ歩みの先ですが、いずれ
ロマノフ王朝という獲物を、仕留めに参りましょう
連携、アドリブ歓迎します
何やら要塞の中が騒がしい、とブラッドメイガス達を呼べど何も返事が来ない事に、遊蕩卿エドガロニカは訝しんで執務室より大廊下へと向かう通路を進む。
この吸血貴族は気が付いてはいない――ピオニア・フィングストローゼ(一凛華・g11346)が物陰に身を潜めて指揮官たる男が通りかかるのを待ち伏せしていると言う事に。
(「ここを制圧する事が、ロマノフ王朝の首に繋がるのですね」)
仲間のディアボロス達がブラッドメイガスと戦闘している間も彼女は息を潜めていた。彼らなら難無くあの女性ヴァンパイアノーブルどもを退けるであろうと信じている。だからこそ、ピオニアは指揮官への最初の一撃を深く当てる事による支援をするとしたのだ。
『……!? 要塞内で戦闘……まさか!?』
足音の間隔が突然早まった。異常を察し、駆け出したエドガロニカ。状況確認に思考の全てを傾けたアヴァタール級の背中は隙だらけ。仲間達が戦う大廊下に彼が出て行くそこに追いすがる様に素早くピオニアも床を蹴りだした。
「――――!!」
声は発さず、代わりに両手に備えた流麗銀爪が獣の如き咆吼を上げる。ルナティックファング――ウェアウルフとしての獣性を解放し、銀の爪に月の魔力を纏ってピオニアは連続攻撃をエドガロニカの背に浴びせる!
『がっ
……!?』
不意打ちに驚愕の表情を浮かべながら遊蕩卿は振り返る。だが八つ裂きにした直後にピオニアは大きく後ろに跳躍して距離を置き、反撃に備え身構えていた。
『――ディアボロス。私の部下を……愛しく美しい娘をよくも』
視線を大廊下に向ければ仲間のディアボロス達に屠られた女ヴァンパイアノーブルの亡骸が横たわっているのが見える。エドガロニカは唇を噛み、背に受けたダメージに顔を歪めながら呟く。
『惜しい事をした。いや、そんな事を言っている場合では無いな。軍から来た者は壁にもならなかった……と』
素早く杖を横に持ち、マントを翻して遊蕩卿は闇の魔力をピオニアに向けて放つ。
「ぐっ……!」
噎せ返る様な香気と瘴気が襲い掛かる。身に纏ったコートでそれを吸わぬ様に身を防ぎ、敵の動きに注視する。が、瞬間移動で後ろに現れたエドガロニカが素早く杖を抜けば、細身の剣が鋼の輝き放ってピオニアの身を貫いた。
『私が受けた傷はそのままお返ししよう、お嬢さん。ディアボロスでなくば手元に置きたい所だが』
「――……血を流しても構いませんが、あなたにも報いは受けて頂きます」
『何?』
急所は辛うじて逸らした。臓器に深刻な損傷は無い。どうもこの言い草だとこの男は女たらしの様だ。『遊蕩卿』とはそう言う事か。その分油断してくれたならその好機を逃す手は無い。
剣から抜け出す様に一歩大きく踏み出るなり、ピオニアは身を反転させて両腕を開き、爪を掲げた。
「エドガロニカ様と呼ばれていましたか――舌を噛みそうなお名前ですね」
やられたらやり返す。それこそが復讐と言うもの、ディアボロス(復讐者)と言う者。
再び月の光が彼女を覆い、吸血貴族に銀の爪痕をこれでもかと刻みつける。
『グガッ
……!!』
「混乱する要塞の指揮官とは気の毒ですが――私も手を抜く訳には参りません。まだ歩みの先ですが――いずれ」
ピオニアは冷酷なまでに男に告げた。憐れみなぞ欠片もあろうものか。
「ロマノフ王朝という獲物を、仕留めに参りましょう」
その為に、まずはこの獲物を狩る。それだけの事。
成功🔵🔵🔵🔴
効果1【狼変身】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎
怪しいものが見つかってしまった
帰ったらシャワー浴びよう
だが、その前に
サンクトペテルブルク攻略に繋がるように
東の要塞、陥落させてもらおう
淫魔のような攻撃手段を使うものだな
吸血貴族には珍しいが、こちらには散々耐性がある
仲間とPD通信を併用して連携
戦場を観察しつつ把握
絵筆で宙に漆黒の巨狼を描き、パラドクス攻撃
狼を操り、牙や爪で喰らいつかせる
駆け回って注意を撹乱し、仲間と囲い込んで
仲間と共に乱れ打つように攻撃を仕掛ける
負傷箇所を狙ったり、死角から飛び掛かり
ガウンを噛んで引きずり倒す
装備のガスマスクを着用し、そもそも顔を合わせないように
顔も見えない相手を誘惑しづらかろう
敵の攻撃には、魔力障壁で身を包むようにして緩和
エドガロニカには触れないように、迷彩柄のコートで距離感を惑わし
甘美で享楽的な幻には
ラスプーチンの顔でも思い浮かべて、戦う気持ちを奮おう
蝕みには忍耐を
その程度で怯むような道程ではなかった
今のロマノフ王朝に、考える事は山積だけど
サンクトペテルブルクへ仕掛ける好機となればいい
マティアス・シュトローマー
随分と早いお出ましで
こちらの用事は済んだから、このまま帰――らせてくれる訳が無いよなー
知ってた!
それじゃあ最後に一曲だけ
奇襲を仕掛ける仲間やデータ奪取後駆け付けてくれるエトヴァが動き易いよう、挑発を交えてパラドクスを発動。具現化した見えない壁を足場にアクロバットな蹴りの連続攻撃を仕掛ける
足を掬うのはもちろん、ブレイクダンスの動きを応用してその綺麗な顔も狙いたい
先行率アップの効果も纏い、否が応でもこちらに注目して貰おう
貴族なら流行のダンスくらい嗜んでおかないと
その後はパラドクス通信を介した連携で敵を取り囲み、波状攻撃で間髪を入れずに消耗させていく
それに、生憎と紳士の手を取る趣味は無いんだ
敵の放つ瘴気と魔力に触れないよう、仕込み杖は構えたライオットシールドで往なす。急所狙いだとわかれば対策もし易い
防ぎ切れなかった場合もその杖を掴み、至近距離から反撃アップの効果を乗せたカウンター攻撃を喰らわせよう
仲間が手に入れてくれたお宝がサンクトペテルブルクの強固な守りを崩す、文字通り『鍵』である事を祈るよ
ティーホンの寝室だと言う部屋を出たエトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)は鼻のむず痒さを抑えながら、戦闘が行われている大廊下に向かっていた。
「怪しいものが見つかってしまったな……帰ったらシャワー浴びよう」
本格的に埃塗れになる前に目当ての機密データが見つかったのは僥倖と言えよう。だが、帰るのはまだ後だ。その前に彼には成すべき事がある。
ツンと感じる血の臭い。大廊下には既にアヴァタール級ヴァンパイアノーブル『遊蕩卿エドガロニカ』と対峙するマティアス・シュトローマー(Trickster・g00097)の姿が見えた。
「随分と早いお出ましで」
マティアスのその言葉は遊蕩卿へと向けられたもの。騒がしさにやってきた所で隠れ潜んだディアボロスの不意打ちを受け、その背中から血を滴らせていたアヴァタール級はギリと奥歯を噛み締めて彼を睨み付けていた。
『軍部からわざわざ寄越して来た部隊も全く役に立たなかったと言う事か……』
「まぁそれなりに突破は苦労したけど、ね。彼らも頑張ったって褒めてあげてよ」
挑発する様に告げるマティアスに対し、エドガロニカは羽織ったマントに手を掛ける。攻撃体勢に入らんとしているのは明らかだった。
『生憎だが。私の手を煩わせる結果を導いた者共にかける言葉など、持ち合わせておらぬのでな』
「うわ、辛辣。……ねぇ、こちらの用事は済んだから、このまま帰――らせてくれる訳が無いよなー」
『――戯れ言を』
「はは、知ってた。それじゃあ最後に一曲だけ――Eins,」
一つ、と数えるドイツ語のカウントと同時に彼は軽快に床を蹴る。
「――zwei,」
宙にて二歩目となる蹴りを有り得ぬ位置の見えぬ壁に入れて更に高く跳躍し、
「drei!!」
三歩目の代わりにアクロバティックな動きより繰り出された蹴りが遊蕩卿に襲い掛かる。
『がっ!?』
マティアスのZauberSchuh(魔法の靴)は既に相手の背に抉られていた傷痕に痛烈な打撃を与え、床に手を着くとそのまま身をブレイクダンスの様に回転させて足払いを掛けて敵の姿勢を揺るがした。
「貴族なら流行のダンスくらい嗜んでおかないと、ね?」
『其れが舞踏と? はっ、笑止』
流石に時代が百年も早いものは遊蕩卿のお眼鏡には適わぬらしい。小馬鹿にした表情でマントを翻し、溶解させる瘴気と薔薇の香気たる闇がばら撒かれる。
『踊りたくば手を取るものだ。相手が淑女に限るがな』
「生憎と俺も紳士の手を取る趣味は無いんだ」
瘴気に触れぬ様にバックステップで離れながらライオットシールドを構えたマティアス。その瞬間、目の前に居た筈の遊蕩卿の姿が瞬時に消える。
(「マティアスさん、背後だ!!」)
パラドクス通信でエトヴァの声が耳に届く。大廊下の入口より戦場の様子を窺っていた彼は遊蕩卿の瞬間移動先を見逃さなかった。またマティアスが挑発で敵の注意を惹き付けつつ先制攻撃を仕掛けていたお陰でエドガロニカはまだエトヴァが来ている事に気付いていない……!
「っと……!」
仕込み杖から抜かれた鋭利な刃がマティアスの心臓を貫かんとするも、彼は冷静に振り返り様にその刀身を鷲掴みにして刺突を阻止した。
『何っ!?』
「Danke!!」
距離を空ける為に至近距離からの蹴りを叩き込み、その反動で遊蕩卿から離れるマティアス。
そして彼が礼を述べた相手は既に敵への攻撃準備を整えていた。
エトヴァの手にした絵筆が宙を踊る様に動き、描かれるは漆黒の巨狼。
「――迸れ、闇の申し子よ」
黄金の鎖で繋がれし魔獣は彼の囁く様な声に応じて実体化し解き放たれる!
『アオオォォォンンッッ!!』
咆吼を上げながら、黒狼はエドガロニカに真っ直ぐ襲い掛かるとその鋭き牙や爪にてその身を引き裂く。野生溢るるその動きに、さしものアヴァタール級も動きを捉えきれずに歯牙の餌食になる。
「男相手に使いたくは無いが……!」
遊蕩卿は魔力のフェロモンを解き放つ。だがその時既にエトヴァはガスマスクでその端麗な顔を覆い、魔力障壁を展開しつつその魔力を防ぐ様に相手の顔より視線を外す。
「淫魔のような攻撃手段を使うものだな――吸血貴族には珍しいが、こちらには散々耐性がある」
流石に毒ガスを防ぐ様に完全に魔力を吸わずには済まなかったが。月下香が見せる甘美で享楽的な幻に対し、エトヴァは意思の力のみで耐える。
(「過去を……此処までの道程を、思い出せ
……!!」)
まだ自分に安寧は程遠い。享楽の誘いを断ち切る様に己を奮い立たせながら、エトヴァは再び絵筆を握る。
彼の内なる猛獣を表現するかの様に、黒狼がエドガロニカの背後に回って飛び掛かる。そのガウンの、マントの裾に齧り付き引き吊り倒さんとし。
「これで終いにしようか……!」
囲む様にマティアスが狼よりも尚早き動きにて連続した蹴りを見舞い、他の仲間も追随する。
「サンクトペテルブルク攻略に繋がるように、この東の要塞――陥落させてもらおう!」
エトヴァのその宣言と同時に一斉攻撃が叩き込まれ――。
『おのれ、ディアボロス風情が……』
マティアスの蹴りに内腑を潰され、エトヴァの狼に喉笛を噛み砕かれながら。この要塞を守るヴァンパイアノーブルは声にならぬ声を漏らしながら息絶えたのだった。
「今のロマノフ王朝に、考える事は山積だけど――サンクトペテルブルクへ仕掛ける好機となればいい」
エトヴァは息を整えた後に、主を失った要塞の中を改めて見回した。窓の外にはネヴァ川の流れが見える。川を下ればそこには吸血ロマノフ王朝の首都――断片の王の座する地。
「エトヴァが、そして皆がここまで要塞攻略で手に入れて来たお宝が……首都の強固な守りを崩す、文字通りの『鍵』である事を祈るよ――」
シュリュッセルブルクの名の通り、この要塞の制圧が攻略の鍵となり得るか。いや、そうなる事をマティアスは願いながら、仲間達と共に最終人類史へ帰還するのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【パラドクス通信】がLV2になった!
【壁歩き】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV2になった!
【先行率アップ】LV1が発生!