黒歌鳥の挽歌(作者 黒塚婁
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#黄金海賊船エルドラード  #ドレーク海賊船団、迎撃指令  #大西洋  #『海竜提督』フランシス・ドレーク  #1日:雑記に連絡事項を表記したのでご確認ください 

●予期せぬ空回り
 サルガッソーは己が海を見渡し、差し向けた配下達は一切戻って来ないことに嘆息した。
「やっぱり雑魚は雑魚だね。こんな簡単な任務すら成し遂げられないなんて」
 などといいつつ、元々、アヴァタール級やトループス級が、自分と同じような戦果を上げられるとは思っていない。
 むしろ、折角の獲物が、雑魚に破られてしまうのなら興ざめだ――そんなことを考えているかは、解らぬが。
 サルガッソーはふふ、と笑う。
「でも、最低限の仕事は果たしたのだから、悪くは無いよね」
 客観的に……ディアボロスらの早期脱出を足止めし、勢いを削ぐことが出来た。
 と、サルガッソーは解釈する。
 そして、雑魚を蹴散らしたならば、この海域を越えるべく、自分に挑んでくるだろうと考え――。
「さぁ、ディアボロス、調子にのって、ボクのいる場所までやってくるがいい――このサルガッソー海域の怖さを、このボクが直々に教えてあげるよ」
 そう、不敵に笑った時。
 配下のアビスローバーが、慌てて報告にやってきた。
「サルガッソー様、ディアボロスの海賊船が、海域から離脱して後退したそうです」
「…………は?」
 虚を突かれたサルガッソーは、目を丸くして、部下の顔をまじまじと見る。
「おそらく、この海域と、サルガッソー様に恐れをなしたのかと……!」
 見つめられた部下は、おずおずと告げる。
「ボクの海域を恐れて逃げたというのならば、それはそれで正しいと思うけれど……」
 しかし、サルガッソーは不機嫌なままだ。
 不本意というか、信じられないというか、振り上げた拳をどうしてくれようというか。
 別に何の約束もしてませんけどー、ひとりで盛り上がって恥ずかしい、とか思ってませんけどー。
 何故だろう……この、裏切られた感じ。
 もう、と苛立ちをぶつけるように、サルガッソーは声を荒げる。
「ディアボロスは、いったい、なにがしたいのさ!」
 心からの叫びが、粘つく海に響き渡った――。

●そして次の作戦は
「皆さん、サルガッソー海域での戦い、お疲れ様でした」
 夜嵐・真赭(閃耀・g07223)が労い、笑顔を見せる。
 ディアボロスの海賊船は、サルガッソー海域を脱した。
 さて、いつもならば、元凶たるサルガッソーを倒そうか……という道を辿るところだが、攻略旅団は慎重だった。
「はい、サルガッソー海域からアフリカ方面に進路を取って――アフリカ西海岸から帰還するジェネラル級アビスローバー『海竜提督』フランシス・ドレークの海賊船団の迎撃することになったんですね」
 なるほどなるほど、真赭は言う。
 海賊島攻略中に、ドレークが帰還する可能性を考えた選択なのだろうと。
「なんだか、大変に攻略! という感じで、私は感心しました……私は何かと、すぐにサーチアンドデストロイな発想になってしまうものですから……」
 こっそり脳筋の呟きを零しながら、にっこり笑った。

 さて、ドレークの進路であるが、これも攻略旅団の調査で予測できている。
 この一帯を哨戒すれば、ほぼ確実に敵海賊船団を発見できるだろう。
 しかしディアボロスの海賊船は、中型の海賊船一隻だ。ジェネラル級率いる海賊団と正面から戦うなど無謀に等しい。
「ですので、敵から見つからないように哨戒し、接近の際も、海中などからこっそり、一隻ずつ落としましょうという作戦になります」
 真赭は眉間に人差し指を当てて、小さく唸る。
「無事海賊船を制圧しても――敵は、ここで船を奪われないように、皆さん諸共沈めようと海賊船を破壊するようなんです。船をいただけないのは勿体ないですが、確実に敵戦力を削れるのも事実です」
 こっちがやらなくても、敵自ら完璧に沈めてくれるのだから、確実に船は減る。

「ところで、アフリカ西海岸からカリブ海に到達するまでに、妙に時間が掛かっているように思えますが……一応、ディヴィジョン境界を越えるから、と推測されています」
 霧を待たず移動出来るフライング・ダッチマン号は、かなり特別なクロノ・オブジェクトなのだろう――というのは、置いておくとして。
 真赭は、にやりと笑う。
「今までは、エルドラードの海賊達に追いかけられていましたが、この一戦は違います。何故なら、ドレークの海賊船団は、アフリカから帰還しているところで、我々の船の情報がないからです」
 つまり、慎重な哨戒を要求される今回の作戦も可能なのだ。
 だからといって、どんな風に接近してもいいわけではない。存在が把握されないわけではないのだから――。
「先程も言いましたが、我々の船に何かあってはいけませんので、くれぐれも注意深く――距離を取った哨戒と、慎重な接近をお願いしますね」
 そして、乗り込んだら、大胆にかき回し、徹底的に暴れてやりましょう――脳筋を自称する者に恥じぬ言葉で締め括り、真赭は説明を終えた。

●その、一隻
「ヨーホー、麗しきエルドラードの海よ!」
 ブラックバード・バーソロミュー・ロバーツは微笑み、高らかに歌う。
 ドレーク海賊船団の一隻を任された彼は、潮風を楽しむように目を伏せ、うんうんと肯くと、ひとりごつ。
「海賊島まであと少し――帰還したら、暫くは羽を伸ばせるだろうか」
 長旅で船は傷む割に、ゴンドワナでは、略奪も戦闘できず、フラストレーションが溜まっている。
 それは、部下どもだけではなく、バーソロミューにしても同じ事だ。
 陸を恋しいと感じるのも可笑しな話だが、息抜きは重要、彼は微笑み……色気もへったくれもない我が部下どもを見渡し、告げる。
「さあ、お前達。海賊島まで、もうひと頑張りだ! 気を抜くなよ!」
 などと鼓舞しつつ――果たして、自分達を狙う敵の存在など、この時点では全く警戒しておらぬ一行であった。


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【エアライド】
1
周囲が、ディアボロスが、空中で効果LV回までジャンプできる世界に変わる。地形に関わらず最適な移動経路を見出す事ができる。
【光学迷彩】
1
隠れたディアボロスは発見困難という世界法則を発生させる。隠れたディアボロスが環境に合った迷彩模様で覆われ、発見される確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【平穏結界】
1
ディアボロスから「効果LV×30m半径内」の空間が、外から把握されにくい空間に変化する。空間外から中の異常に気付く確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【建造物分解】
1
周囲の建造物が、ディアボロスが望めば1分間に「効果LV×1トン」まで分解され、利用可能な資源に変化するようになる。同意しない人間がいる建造物は分解されない。
【パラドクス通信】
2
周囲のディアボロス全員の元にディアボロス専用の小型通信機が現れ、「効果LV×9km半径内」にいるディアボロス同士で通信が可能となる。この通信は盗聴されない。
【アイテムポケット】
2
周囲が、ディアボロスが2m×2m×2mまでの物体を収納できる「小さなポケット」を、「効果LV個」だけ所持できる世界に変わる。
【水中適応】
2
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」が、クロノヴェーダを除く全ての生物が水中で呼吸でき、水温や水圧の影響を受けずに会話や活動を行える世界に変わる。
【防空体制】
1
周囲が、飛行する存在を察知しやすい世界に変わる。ディアボロスが屋外を飛行中の敵を発見するまでに必要な時間が、「効果LVごとに半減」する。

効果2

【命中アップ】LV1 / 【ガードアップ】LV2 / 【反撃アップ】LV1 / 【リザレクション】LV1 / 【先行率アップ】LV3 / 【ダブル】LV1 / 【ロストエナジー】LV1 / 【グロリアス】LV1

●マスターより

黒塚婁
どうも、黒塚です。
無事拠点に帰るまでが略奪です、を地で行く。

●シナリオ捕捉
攻略の順序は①→③→④→②となります。
のんびり書くので、これで区切られていくと思います。

①については、哨戒、接近、乗り込むまで。
「ディアボロスの海賊船を相手に見つけられてはいけない」という一点を守っていただくのが最重要です。
敵に見つからないように乗り込めたならば、戦闘開始時、有利に進みます。

●その他諸々
プレイングはいただいてから、1~2日おいて採用決定をします。
残留効果の説明もよくご確認ください。
※パラドクスのフレーバー文について拡大されたプレイングも不採用の度合いが高まります。プレイングの本筋は、ルールご参照ください。

進行必要数を多く超えたプレイングの採用は避ける方針です。
ご了承の上、ご参加いただければ幸いです。

それでは、皆様の活躍を楽しみにしております。
90

このシナリオは完結しました。



発言期間は終了しました。


リプレイ


エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎

長い航海だ。俺達の船の活躍を応援しよう
ゴンドワナ西海岸の海賊砦から、境界の霧を抜けてくる航路上の付近
案内人さんの予知も手掛かりに、よく聞いて
ドレークも、海賊島の危機を察知したのが仇となったな

仲間と手分けしつつ哨戒を行う
なるべく手前で船を停め、ドレーク達の引き返してくる方角へは、人海戦術で行きたい所だ
船は帆を下ろし、目立たない海洋迷彩柄の布を広げて覆う
偵察の移動距離を伸ばして戦場を先の方へ取りたい

水中適応と、他の残留効果をお借りして
海に馴染む色調のドライスーツを着用し、移動は海中を
海面に顔を出して、遠距離用の小型望遠鏡を用い偵察
周囲の敵影の有無を確認したらまた移動を
波立てないよう静かに索敵
海中の揺らぎはソナーで測定を

水平線に、揺らぐ帆や船影があれば見逃さぬように
海賊たちの掛け声や、波の不自然な動きも警戒

方位磁石と凡その進行距離、太陽の位置から、中型船からみた現在位置を把握しつつ地図にポイント
船から広がる方向へ索敵
仲間とパラドクス通信で情報共有し、異常のない海域を潰していこう


一角・實生
サルガッソー海域……あのねばねばから離脱できて正直ほっとしているよ
今度はこちらが仕掛ける番
気が緩み大きくなっているところを徹底的に叩きたいな

敵は海賊島へと帰航中だという
全くの無警戒ではないと思いつつ、俺達の情報がまだ伝わっていないのであれば……更に予想される進路は絞り込めるはず
本来の予測進路に加え、海賊島へ至る最短ルートを海図などに書き込み仲間と共有するよ
その海域にかからない位置にこの海賊船を停泊させるのはどうだろう
仲間の意見も交え考えていきたい

準備が済めば【水中適応】を使い海中へ
持ち込んだ防水型の双眼鏡で敵の予想進路を中心に偵察していくよ
音や振動、海面の動きにも意識を向けよう
仲間がいれば連携・手分けして捜索を
有用な残留効果があれば使わせて貰おう

奇襲はいかに相手に気取られず接近・襲撃できるかにかかっている
逸る気持ちは確実に先手を取るという決意で押し込めて

――行こうか
仲間と合図をし合い敵の海賊船へ奇襲を
お前達に追いかけられてばかりだったから、今日はこちらから来たよ


●機を先んじるには
 船体にぶつかって、白波が消えていく。
 揺れ動く海面を眺め、一角・實生(深い潭・g00995)は、純白の翼を風に任せてそっと囁く。
「サルガッソー海域……あのねばねばから離脱できて正直ほっとしているよ」
 思い出し、背中のあたりが、ぞわっとしたのか、羽の先を撫でる彼に。
「また、いずれ、あの海域に挑むことにはなるだろうが――」
 かの方角に視線を送りつつ、エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)が笑う。
 髪を浚う風が吹く。潮風の感触にも慣れてきた。
「今度はこちらが仕掛ける番だね」
 實生は告げ――エトヴァが視線を移した先へ倣い、振り返る。
「気が緩み大きくなっているところを徹底的に叩きたいな」
「それこそ、アヴァタール級は、こんな近くで待ち伏せされていると思っていないだろう」
 エトヴァは肩を竦め、錨を降ろしに掛かる。こういう仕事にかかるとき、何となく鼻歌交じりになるのは、海賊の色に染まってきたのかもしれない――などと思って、笑みを口元に浮かべる。
「ドレークも、海賊島の危機を察知したのが仇となったな」
 言って見つつ――逆に、良いタイミングで戻ったとも言えるのかもしれない。
 敵が、複数のディヴィジョン情報を同時共有しているディアボロスでさえなければ……と、他のクロノヴェーダなら言うかも知れぬ。
 錨に続き、帆も下ろし終えたら――後は、自分達の機動力で探すことになる。

 はたして――見渡す限りの海原。
 敵船を目視することも、目視されることも容易に思える。
 水中適応した二人は、呼吸や会話には苦労しない状態であるが、進むには泳がねばならない。水圧などの負荷はかからないとはいえ、敵船を見つけるなら、あまり深々潜るわけにはいかぬ。
 海面に頭半分だけ出して、防水型の双眼鏡を覗き、實生はじっと周囲を眺める。
(「全くの無警戒ではないと思うけど――俺達の情報がまだ伝わっていないのであれば……更に予想される進路は絞り込めるはず」)
 海図は頭に叩き込み――事前に、エトヴァとも大体の位置を検討している。
「できるだけ、先で掴まえたいところだが」
 エトヴァの声は、通信端末から聞こえてくる。
 彼は離れた位置で、同じく小型望遠鏡を覗いたりしながら、少しずつ泳ぎ進めている。
 タイミングを合わせて、静かに進み。
 進んだ先では、暫く海中に留まり、振動や物陰をじっくりと探す。
 耳を澄まし、海賊達の声が聞こえないか、五感で確かめる――諸諸の機器を使えば、大まかな範囲は精度を高め探れるが、最後は結局、ディアボロス個々の能力で見極める方が確実だ。
 どれほどの時間、そうして海を進んだだろうか。
 潮目の変化とはまた違う、海の変化を全身で感じ――二人は、静かに様子を窺う。
 もっとも、其処まで近づけば、遠眼鏡で影や形が見えている。後は見つからぬよう接近し、どう乗り込むか、という仕事の詰めである。
 大きなストロークで水を掻き、エトヴァは慎重に距離を詰めていく。
「ヨーホー、ヨーホー」
 遠くに、低い海賊どものかけ声が聞こえる。
 海中で捉えた声ゆえ、濁って、鈍いものであったが――櫂を漕ぐ動きに合わせ、海上は大きく揺れているらしい。
 彼らの声よりも、弾ける波が、大きな音を立てている。
 ともすれば、大胆に泳いで寄っていってもいいところだが……。
(「――確実に先手を取る」)
 急く気持ちを宥め、實生はじれったい速度で船底に向かって泳ぐ。
 さて、後は何処から、どう乗り込むか、だ。
 悩める時間は、あまり長くない。彼らの遊泳能力と海賊船の速度は異なる――海面を走れば、飛翔すれば、別だろうが、今はそれを行う用意はない。
「櫂を辿るか、船尾に取りついて登るか……だな」
 エトヴァが声を潜めて言う。
「櫂を足場に、一気に跳ぶのはどうだろう」
 この船の大きさならできるんじゃないか、と實生が答えれば、エトヴァは水中で、そっと息を吐いた。
「どちらしても、一瞬で決めないといけないかな」
 時間を掛けて登るなら、気付かれる確率は上がる。
 一瞬で登るにしても、偶然でも相手に見られていれば、先手がとれるかどうか。
 向こうの反応に関しては、一か八かに近いが――乗り込む事への迷いはない。
「――行こうか」
 實生が重く囁けば、
「行こう」
 エトヴァのはっきりとした声が返ってくる。
 そして、合図に合わせ、ともども海から飛び出す。

 翼を震わせ、宙に海水の飛沫を輝かせながら――やあ、實生は甲板に乗り上げるや、海賊らへと微笑んだ。
「お前達に追いかけられてばかりだったから、今日はこちらから来たよ」
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【パラドクス通信】LV1が発生!
【水中適応】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!
【ダブル】LV1が発生!

●甲板
「野郎ども!」
 ブラックバード・バーソロミュー・ロバーツが突然現れたディアボロス達に驚くも、一喝すれば、タートルーパーが駆けつけてくる。
 これらは、甲板の仕事をしていた奴らである。
 今、まさに、この一瞬だけは、態勢は乱れているとも――そうでないとも言える。反撃を無条件で蹴散らせるほどには、油断は誘えなかった、か。
 どうであれ、なすべきことは決まっている。
 早々に、海賊どもを倒す――それだけだ。
一角・實生
よし、挨拶は完了
派手に敵地に乗り込むことがなかった俺にとって今回の突入法は
……うん、なかなか気持ちがいいものだね

甲板に駆け付けたトループス級の状態はさまざまだ
で、あれば。まさに今この瞬間が勝負の分かれ目となる
これ以上やつらに落ち着きも統制も不要

先に行かせて貰うよ
【パラドクス通信】で仲間へ伝え、乗り込んだ勢いのまま【先行率アップ】の効果をのせたパラドクスを発動しよう
素早く構えたグラナトゥムの最初の狙いは隙が残るトループス級
そこを起点に周辺の動揺した敵、奮い立つ敵へ狙いを移して
数の利を早めに潰してしまいたい

耐えず動き回り、マストや敵の身体を使った三角跳びなども挟んで包囲防止を
敵の配置は常に頭に入れ、グラナトゥムで反撃を受け流した後はその勢いも使って移動しよう
仲間と挟み撃ちにできる時は積極的に連携を狙っていくよ
その逆でも共助の姿勢は崩さずにいく

海賊船を軽くノックしつつアヴァタール級を見る
こんなにいい船に乗っているのに――勿体ないな
家路を急ぐあまりに生まれた油断で全てを失うなんて


●其れは軽やかに
(「よし、挨拶は完了――」)
 一角・實生(深い潭・g00995)は翼を畳んで、軽く目を伏せると、ふふ、と忍び笑いの息が零れた。
 胸の奥に、ひとつの冒険を終えた達成感が満ちる――。
(「……うん、なかなか気持ちがいいものだね」)
 ――偶には、派手に敵地に乗り込むというのも、良い。
 状況が許すならば、だけど。
 楽しむ自分と、冷静な自分の狭間に、口元だけで微笑んで、眸を開き――船上の動きを、確りと見据える。
 アビスローバーらは……闖入者に、様々な反応を見せている。
(「で、あれば。まさに今この瞬間が勝負の分かれ目となる――これ以上やつらに落ち着きも統制も不要」)
 視線を上げたまま、彼の腕がすっと自然に動くや、決して軽くも小さくもない彼の相棒――グラナトゥムをぴたりと構え。
「先に行かせて貰うよ」
 パラドクス通信を利用して、仲間に語りかけると、引鉄を引き、駆け寄るタートルーパーどもへ近いところから順に、無造作に弾丸をばら撒く。
 洗練された一連の所作は優雅に見え、実際は、かなりの早業であった。
 つまり、それらにとって、ぎょっとするタイミングで正面から弾が来る――。
「っ!」
 頑丈そうな身体を丸め、タートルーパーらは足を止め、身を守る。
 硬質な身体に、火花が散って、弾丸が抉れば血潮が吹き出す。
 もう一回――相手が手を出せぬ間に、實生は更に乱射を続ける。先頭に立つタートルーパーは集中砲火を浴びてボロボロだ。
「数の利は――早めに潰すに越したことはないからね」
 低く囁き、このまま倒しきる、そう念じて弾を放出しきる。
 刹那、實生の頭上で風が吹く。
 短くも屈強な腕、獰猛な爪の一薙ぎを、身を屈めて跳躍することで、難なく躱す。
 しかし、重たい身体であろうと、やや短い腕であろうと……逆説連鎖戦による次元を無視した動きを、パラドクスは許す――實生の肩を、浅く爪が抉って、いた。
 痛みと呼ぶほどではない熱を、彼は気に止めず。駆ける速度を緩めず、横と縦と馳せ――帆柱を蹴って跳ね上がり、立体的に敵を躱す。
 同時に、再度、タートルーパーらの配置を確認しつつ、腰撓めにグラナトゥムを構えて、撃つ。
 今度は、頭上から、放射状に弾丸が降る――。
 再び身を竦めるような態勢で、銃弾を受け止めようとするが、傷ついた肉体では、満足にはいかぬ。
 そのまま射貫かれ、動かなくなったものを、淡淡と確認した實生は。
 夥しい血を流しながら、大ぶりに爪を振るってくるタートルーパーをストックでいなし、船縁に着地すると、再び掃射し、追い縋る敵を振りきった。
「――!」
 戦力の片翼がもがれたことに、絶句したバーソロミューへ。
 こんこんと、實生は船体をノックして、微笑みかける。
「こんなにいい船に乗っているのに――勿体ないな」
 何を、と言いたげに眉をしかめた敵へ、彼は穏やかな声音で、続ける。
「家路を急ぐあまりに生まれた油断で全てを失うなんて」
「な――!」
 目の色を変えたバーソロミューへ、實生は目を逸らさず――じっと銃口を向けた。
超成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【アイテムポケット】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】がLV2になった!

水蓮寺・颯
追いついた…!
甲板に羽撃く天使の翼に気を引き締め、名前を呼ぼうと口を開く
しかし甲板の隅に降り立った途端、大きな二足歩行の亀に怯み後ずさり
な、何ですかこの亀みたいな…!じゃなくて。
助太刀に来たんです、頼れるところを見せなくちゃ!

『其は――』
とはいえ述はすぐには発動できないのが悲しいところ
仲間の立ち回りに相手が気を取られているうちに陰に隠れて古書を捲り、開いた頁を静かに読み上げる
顕現した細い絃の並びに指を添えて
『――指切れ、“金屋小鞠太夫十三絃”』

あの硬そうな鱗…斬り落とすのは難しいかもしれませんが、絡んだ絃で動きが鈍れば上々です
元よりとどめを刺すには向かない述です、連携できそうなら積極的に行いましょう

……?
今、胸の所が光っ――きゃあ!?
慌ててマストや樽の後ろに隠れます
【反撃アップ】も使い、小柄な体を活かして敵の攻撃を避けます
熱っ…船が焦げても構わないんですか…!?
いえ、それより僕たちを排除するのが先決ということでしょうか…高く見積もっていただけて光栄ですね…。


(アドリブ、連携 歓迎です)


エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎

上手く取り付けて良かった
敵の本拠で挟み撃ちは避けたいからな
ここでドレークの手先を沈める

ん、了解
實生さんからPD通信を受け、時間差で彼へ注目が集まった隙を再度突かせてもらおう

戦況を観察しつつ、敵味方の位置を把握
甲板にいる敵を手早く片付けつつ
櫂を担っていた連中が上がって来るのに備え、内部からの上り口にも狙いをつけておく
両手の銃でPD攻撃
煙幕弾を交えて、居場所を変えて船上を撹乱しつつ動き回り
攻撃の好機を掴もう

船長からの檄にも警戒
号令が耳に入れば、その動きに先んじよう

仲間とPD通信で連携を
先の交戦で消耗した敵から
狙いを合わせ、一撃で倒せる敵>消耗した敵を優先しつつ撃破
仲間の死角を補いつつ
頂いた好機は逃がさず狙い撃つ

敵の攻撃には、魔力障壁で身を護りつつ
ブレスには腕のタワーシールドを構え直撃を防ぎ
Eis-Spiegelを空間に配し高熱を相殺していく
火を噴く海獣までいるとは、海には謎が多い
ドクロマークは入れ墨みたいなものか

気を抜かずに、一気に制圧しきろう
次の相手は、船長さん、貴方かい?


●其れは絢爛に
 さて、時間は少し戻り――。
 實生が海賊らの注目を集めるよう、派手に乗り込んだ時分。
「上手く取り付けて良かった――敵の本拠で挟み撃ちは避けたいからな」
 少し遅れて船に乗り込んだエトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)は、微笑み。
「ここでドレークの手先を沈める」
 懐から、二挺の拳銃を取り出し、船上へ、さっと視線を走らせる。
 海賊らは皆、實生に向かって動き出している。
 先に行かせて貰うよ、パラドクス通信端末より聞こえた声に、
「ん、了解」
 エトヴァは軽く肯いて、タイミングを計る――どれほどの海賊が、ここに集うのか。その波を見極め、ここぞ、という瞬間に、踏み切る。
 物陰から、銃口だけを敵に向け、
「――絢爛と、咲き誇れ」
 撃つのは、色鮮やかな煙幕弾……同時、通常弾も織り交ぜ、タートルーパーの横っ面を狙う。
 硬質な身体に見えるが、果たして、突然爆発した色に驚いているところを撃たれれば、守りもままならぬ。額に血を流して、咄嗟に身を伏せたのは、海賊としての経験値だろうか。
 しかし、そのままでは済まさぬのも、また海賊の流儀。
 銃弾の軌道から、エトヴァの存在に気付いたタートルーパーらは、大きく胸を開き、そのドクロマークから、炎を放つ。
 タワーシールドと、アイスシールドで、その炎から身を守りつつ……しかし、複数吹きつけられる熱量と衝撃に、一方的に押されぬよう横へと逃れる。
「火を噴く海獣までいるとは、海には謎が多い――ドクロマークは入れ墨みたいなものか……?」
 こんななりで、船内作業も立派にこなす海賊なのだから、海獣よりも驚く存在なのかもしれない、と思いながら。

「追いついた……!」
 水蓮寺・颯(灼がて白く・g08972)は、海賊船の上で躍る見慣れた白い翼を認め、澄んだ青の瞳を輝かせかけ――表情をきゅっと引き締めた。
 此所は戦場だ……だからこそ、助けになりたい――否、なるのだと。自らも船に乗り込み、到来を告げようと、その名を呼ばんと口を開きかけ。
 ぬっ、と動く影を見て、絶句した。
「な、何ですかこの亀みたいな……!」
 ヒルコの彼女からすれば、タートルーパーのおそろしい巨体……大体の敵はそうだが、概ねフォルムが亀ゆえに、下手な妖怪より不気味で、ぎょっとする。
 さっと積み荷の影に隠れて、やりすごし――それも、敵を引きつける仲間があるからだと。
「じゃなくて――助太刀に来たんです、頼れるところを見せなくちゃ!」
 船上は今、様々な動きを見せている。
 颯は身を潜め、古書を手繰る。
「其は――」
 頁をめくり、急く心を宥め――落ち着いた声音で、読み上げていく。
「今ひとたび目を醒まし、その呪禍を示し給え……」
 朗と唱えていくにつれ、書に籠められた力が、彼女の手を求める。その指先に、十三絃筝の細い絃の感触――。
「――指切れ、“金屋小鞠太夫十三絃”」
 述べるや、空気が凜と鳴る。
 タートルーパーの身体を雁字搦めにするように、絃が巻き付き、堅く絞る。
(「あの硬そうな鱗……斬り落とすのは難しいかもしれませんが……」)
 颯はそう案じるが――ぱっと肉が裂ける音がして、周囲が血霞に烟る。
 赤い雫を滴らせ声なき声で苦痛を呻くタートルーパーは、絃に捕らわれた儘、ぎろりと彼女の居所を睨んだ。
 その胸に刻まれたドクロマークが赤く怪しく輝く――。
「……? 今、胸の所が光っ――きゃあ!?」
 咄嗟に、颯は頭を抱えて、物陰に隠れる。それすら貫くほどの炎の熱に、ぎゅっと身を固めて耐えながら、
「熱っ……船が焦げても構わないんですか……!?」
 ――思わず零しながら、そっと貌を出す。
「いえ、それより僕たちを排除するのが先決ということでしょうか……高く見積もっていただけて光栄ですね……」
 囁いて――はっと気付き、再び、頭を引っ込める。
 絃を炎で焼ききり、自由になったものの――彼女が此所に辿り着いた時に見かけた状況から、敵は随分と減っていた。
 しかし、それでも、不届き者――颯へと追撃を与えるべく、ふらふら、もたもたと方向転換をしていた、その時。
 刹那の空虚を、劈く銃声。
 エトヴァの撃った煙幕が、七色の靄を描き――少し遅れて、赤い飛沫が弾ける。
 粘性のある赤色が、ぱっと甲板を染めたのを避け、エトヴァが靴底を鳴らして着地すると。
「さて……これで、片付いたようだ」
 満足げに微笑むと。
 あちらから、牽制されているバーソロミューへ、エトヴァもまた、銃口を向け――楽しげな口調で、問いかけた。
「――次の相手は、船長さん、貴方かい?」
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【建造物分解】LV1が発生!
【パラドクス通信】がLV2になった!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【先行率アップ】がLV3になった!

エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎

残るは船長さん、貴方だけのようだ
お相手してもらえるかな?

船上戦は揺れに気をつけ、立ち回ろう
マストやその辺の物品を利用し、遮蔽物や巻き込むように立ち回り
仲間と連携を取る

戦況を観察しつつ把握
仲間と連携を取り、包囲にかかろう
絵筆に宙に巨大な鯨を描き出し、PD攻撃
動きを鈍らせるよう肩口や隙のある箇所を狙い
大波を巻き起こし、鰭で殴打するよう宙を躍らせて、呑み込もう
自身に注意を引けば、仲間のほうに隙ができるように
こちらに隙があらば、逃さずに狙う

敵の攻撃には
掟が出されるなら、下手に動かず相手の出方を見て、防御に徹しよう
動くのが問題なさそうなら距離を取る
物理・精神攻撃には魔力障壁で身を護りつつ、タワーシールドを構えて防御
相手の動きや構えを観察し対処

そう、海賊島を知っていそうだな
どんな場所なのか教えてもらいたい所だけど
海賊島には帰れないぞ


水蓮寺・颯
素敵な船です。先程の船員さん方も、船を守ろうと懸命でした。貴方もきっと、良き船長なのでしょう。
……だからこそ、僕達にとって貴方は脅威となり得るのです。お覚悟を。
仲間の通信には首を傾げつつ頷いて

仲間が敵の注意を引いてくださるのなら、先程より集中して述を誦えられそうです。
お二人へと目配せし、大きく息を吸い込んで
『其は――』
海水が巻き上がり、頭上に蟠って、次第に巨大な銛を形取る。
隙は敢えて隠さずに。動かぬ僕を攻撃すれば、それが敵の明らかな隙となるでしょう。
共に戦う彼らに目を向けて笑みを浮かべる。信頼、してますからね。
っ……い、『今ひとたび目を――』
初めからそのつもりであれば、手傷を負っても詠誦を続けられます。
それに。
『――贄を供せ、“鰭切羅祥丸”』
今この場に於いて、海神の加護は我々にあります。

貴方達の海賊島とはもしや、僕達にとっての新宿島のような……
……いえ、それを聞いたとしても何が変わる訳でもありませんね。元より貴方達をかの地へ帰すつもりはないのですから。


(アドリブ、連携 歓迎です!)


一角・實生
仲間の合流に密かに安堵の息を漏らすよ
グラナトゥムを構えた姿勢は崩さずにいよう

そう。これからお前が失うのは『全て』だ
そう言いつつパラドクス通信で仲間へ小声で連絡
戦闘中の俺の言うこと、真に受けなくていいからね

剣術に銃撃、刺撃とは多才だな
海賊とはそれだけ状況に応じて戦う術が必要なのだろう
しかしこちらには頼もしい仲間の存在がある、幾らでも覆すよ
仲間が生み出した敵の隙を突く、もしくは攻撃後の隙を埋めるようにパラドクスを発動
一気に距離を詰め、夥しい数の銃弾を奴へお見舞いするよ
狙撃銃だからといって、距離をとる戦い方だけでもないんだ

反撃は忘れじの徽章が展開する障壁をグラナトゥムに纏わせ受け止める
読めない動きは脅威ではあるけれど、致命傷だけは防ぐよう守る部位を絞ることで凌ごう
……それに、俺にかかりきりだと危ないよ

船自体や備品を巻き込む仲間の姿に苦笑しつつ呼びかける
先の通信で伝えたことを実行するよ

ふたりとも、船を巻き込むのは程々にね
あまり派手に壊すのは勿体ない

俺が船を気に入り始めている演技、伝わっているかな


●此所で生き、そして死す
「残るは船長さん、貴方だけのようだ――お相手してもらえるかな?」
 エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)が微笑みを向けると、
「逃す気など無いだろう、お互いに――!」
 ブラックバード・バーソロミュー・ロバーツは睨めつける。
 彼はすぐさま腰に佩いたカトラスと、拳銃をそれぞれ構える――敵越しに、視線を仲間に送って、エトヴァは素早く得物を変える。
「――躍りたまえ」
 彼が大きく振るった腕が掴むは、青水晶の柄の絵筆――ぱっと宙に散った絵の具は、雄大な鯨を描き出す。
 その巨体は見合う重量を伴う突進と、大きく撓らせた尾を叩きつけることで、幻想の大波を呼ぶ――バーソロミューは襲いかかってくる鯨に、舌打ちした。
 鯨は、其の肩を狙って鼻先を突っ込んでくる――バーソロミューは、そこにカトラスを叩きつけることで、無理矢理に自分を積み荷の隙間を滑るように大きく跳び退く。
 めきめきと、嫌な音がする。露骨にマストが折れるというようなことはなかったが、先の戦闘で傷ついていた甲板の一部が、堪えきれずに崩れる。
「クソッ」
 忌々しげにバーソロミューは被害を睨む――とはいえ、荒事には慣れている。自分を標的にした攻撃の流れで、沈むような船ではない……。
「俺の船を傷つけた報いを、受けるがいい」
 素早く回り込み、エトヴァに向け、カトラスを振り下ろす――因みに、バーソロミューの定めた掟は、船長に逆らうべからず――海賊としては鉄の掟ではある。
 身体に負荷が掛かり、首根を狙う刃が加速するような感覚に襲われながら、エトヴァは身を庇う――盾で凌ぎ、重い身体を叱咤して、突き出された銃口の軌道から逃れる。
「この船……大事になさっているんですね」
 そうバーソロミューの背に声を掛けたのは、水蓮寺・颯(灼がて白く・g08972)であった。敢えて、その姿を見せて、話しかける。
「素敵な船です。先程の船員さん方も、船を守ろうと懸命でした。貴方もきっと、良き船長なのでしょう」
 彼女の言葉に、同意したものかどうか考えたようなバーソロミューは、沈黙と、強い眼差しで応えた。
 怪物に睨まれるような怖さはない。
 だが、そこに含まれる明確な殺意と敵意へ、颯は負けじと見つめ返して、告げる。
「……だからこそ、僕達にとって貴方は脅威となり得るのです。お覚悟を」
「そう。これからお前が失うのは『全て』だ」
 彼女の宣言を引き取って、一角・實生(深い潭・g00995)がバーソロミューを煽る。
 片や――「戦闘中の俺の言うこと、真に受けなくていいからね」と端末に囁きかけていた。颯はその意を掴みきれず、首を傾いだが――すぐに敵に悟られぬような、小さな首肯で応える。
 今のところ、変なことは言っていないと思うけれど、と思いつつ。
 實生の挑発を受けた、バーソロミューは訝しげに彼を睨み付けている。
「それじゃ、いくよ」
 言葉は軽やかに、實生の身体捌きもまた、軽やかに。
 一瞬にして敵に肉薄すると、銃を突きつける――彼の相棒と呼ぶべき、狙撃銃。
 はっ、とバーソローミューは目を瞠る。
 ディアボロスとアビスローバーの戦いに常識はないが――明らかに狙撃に適したその銃で、零距離射撃を仕掛けてくるなどと。
「狙撃銃だからといって、距離をとる戦い方だけでもないんだ」
 翠の双眸が、柔らかく笑った瞬間。
 ズダダダ、小気味良い音と重い手応え。撃ちながら、實生は慣れたように銃を抱え、立ち尽くさぬよう動く。
 バーソロミューとて、驚いたまま、ただ的となるわけにはいかぬ。
 カトラスによる防御で、凄まじい銃撃を何割かはじき返し――血の濃密な匂いを漂わせながらも、折角近づいている實生を逃がすまいと甲板を蹴る。
 短い気合いと同時、左手に握るカトラスを上から斬り下ろす。
 同時、腕を交差して、銃を撃つ。
 バーソロミューの動きは舞踏にように優雅で、無駄がない。
 もっとも、それが實生に充分に届いたかといえば、懐に抱えた銃で、悉く弾き返している。その際、身体に伝わる衝撃をダメージというなら、無傷ではないかもしれないが。
「剣術に銃撃、刺撃とは多才だな――海賊とはそれだけ状況に応じて戦う術が必要なのだろう」
 そう論じる余裕を前に、バーソロミューは眉間に皺を寄せた。
「俺を茶化す気か?」
「まさか。こっちも必死だよ」
 實生は、困ったように目尻を下げた――。
「……それに、俺にかかりきりだと危ないよ」
「其は――」
 涼やかな声が響く。
 声の主――颯は、書を手繰り詠み上げる間、高まる力が海水を動かす。意思を持つ生物のように浮き上がった海水は、宙に漂い、収束していく。
 彼女の頭上で、巨大な銛に。
 目立つそれを目印に、バーソロミューが躍り掛かってくる――否、そのために、わざと姿を晒したのだ。
(「信頼、してますからね」)
 その隙をついて、實生や、エトヴァが仕掛けることを。
 そして、同じように信頼して貰えるように――怯まず、敵を見る。
 カトラスの躍る剣戟。何処を斬りつけてくるか解らないなら、徒に身をよじっても仕方が無い。
 むしろ、逃げ出さなかったことにバーソロミューが驚いたのか、大ぶりに斬り上げる鋒は、彼女の腕を斜めに斬りつけ、銃弾は彼女の耳の傍を高く鳴いて飛び去った。
「っ……い、『今ひとたび目を――』」
 刹那に走った熱に、声が途切れそうになる。
 だが、初めから、覚悟しての策。
 その御業を成し給え、凜と詠誦し、鯨銛の御業を完成させる――。
「!」
「――贄を供せ、“鰭切羅祥丸”」
 海の匂いが、した。
 颯の頭上から碧く閃いた銛の一射ちが、甲板を容易く割りながら、漸とバーソロミューの身を貫く。
「ぐっ――」
「今この場に於いて、海神の加護は我々にあります」
 鯨銛に穿たれたまま咄嗟に跳び退いて、一段崩れた甲板から逃れた敵は、洞の胸を押さえて喘ぐ。
 だが、まだまだ戦意に満ちた目で、ディアボロスらを睨む――そこには、船の損傷に怒る色もあるように見える。
 よし、と心の裡で呟き、實生が、一歩前に出る。
「ふたりとも、船を巻き込むのは程々にね。あまり派手に壊すのは勿体ない」
 彼は苦笑を湛え、二人を制する。
「……ああ、悪い――それもそうだな」
 エトヴァはすぐさま頷き、低く笑ってみせたが――颯はややあって、あっ、と目を大きくした。
 先程端末で先程きいた、『戯れ言』とは――。
「そうですね、素敵な船ですから」
 颯は咄嗟にそう肯く。
 まあ、大事なのは、バーソロミューを始めとした、この船に乗り込んだアビスローバーを欺くこと。
(「俺が船を気に入り始めている演技、伝わっているかな」)
 唇だけで笑って、敵を見れば。
 バーソロミューは深刻な表情で、ディアボロス達を睨み付けている。
「この船は俺達の誇り――それだけは絶対に許さない!」
 言うや、躍り掛かってくる。
 ほう、と息を吐き出して、颯は次の詠誦を開始すると、敵と彼女の間に、實生が立ち塞がる。
 エトヴァが絵筆を走らせる。
 色鮮やかに描かれた大鯨が、優雅に空を泳いでバーソロミューのもとに跳び込むと、實生が即座に距離を詰めて来る。
「くそ、こんな場所で……!」
 死んでたまるかという意思は、銃砲で掻き消える。
 バーソロミューの放った連撃と、實生の掃射がぶつかり合い、二人の間に火花と黒煙が立ちこめる。
 そこへ、海水で形作られた鯨銛が走る。
 傷だらけの海賊は、包囲を解くべく、剣を振るいながら、船尾へと駆ける。迫り来る銛を剣で迎えるも、力は彼の身体を通過して、傷つけていく。
「あと少しで海賊島だと言うのに……」
 悔しそうな表情は、血まみれで。
 その凄惨さに同情したわけではないが、
「貴方達の海賊島とはもしや、僕達にとっての新宿島のような……」
 颯は、そっと囁き――頭を振る。
「……いえ、それを聞いたとしても何が変わる訳でもありませんね。元より貴方達をかの地へ帰すつもりはないのですから」
 ああ、と肯いて、ゆっくりと鯨の輪郭を描き始めながら。
「海賊島が、どんなところか興味はあるが――」
 エトヴァは空の色を映したような眼差しで、ひたと敵を見据える。
「海賊島には帰れないぞ」
「――!」
 バーソロミューは、二人の言葉に奮起したように、強い殺意を宿して銃を構えた。
 先に、エトヴァの描いた鯨が、海水を打って船を激しく揺らす。
 巨体の突進に吹き飛ばされながらも、海賊は銃撃を続け、鮮やかな足取りで、實生へと刃を振るった。
「諦めない、か。悪くないと思うよ」
 だけど、それは俺達のほうが上だ――と囁きながら、銃身でカトラスを上へと弾いてボロボロの胸元へ銃口を突きつけた。
 彼の頭上、やや後ろに。大きな銛が、光を受けてきらりと輝く。
 無数の銃弾が炸裂する音と同時、空を真っ直ぐ駆けた鯨銛が――バーソロミューの身体を船へと縫い止めたのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【アイテムポケット】がLV2になった!
【水中適応】がLV2になった!
【防空体制】LV1が発生!
効果2【グロリアス】LV1が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!

●船団の後始末
 甲板に縫い止められる形で戦闘を終え――ブラックバード・バーソロミュー・ロバーツは二度と動かなかった。
 さて、改めてだが、この船はドレークの海賊船団の一隻である。
 つまり周辺に、同じような船が存在する。
 ゆえにこのように影ながら接近して、制圧する作戦をとったわけだが――ここまで来ると、周囲の船も同胞の船がおかしいことに気付くのも時間の問題だ。
 漕ぎ手がいなくとも、ゆっくりと海を渡る海賊船だが、当然、速度の違いは露骨に出る。
 それに気付いた時、襲撃された船が、ディアボロスに奪われぬように――周囲の船団は、この一隻を撃沈させるべく、攻撃してくることだろう。
 それを確実にするために……最後の仕上げと、脱出の手筈を整えねばならない。
一角・實生
よし。後は……
敵にこの船を沈めて貰うだけだね

仲間が持ち込んだディアボロスの旗を揚げる手伝いを
代わりに降ろした海賊旗は引き裂いたり踏みつけて遠目からでも分かるまで損傷させ、撃破したアヴァタール級のそばへ

逃げながらの案には頷くよ
四方を囲まれたり乗り込まれてしまえば脱出は困難になるものな
無事な帆に追い風を受けさせ速度を上げつつ
近付くなとばかりに敵船やその乗組員すれすれを銃撃し敵意と挑発を込める
そう、拿捕など微塵も考えなくていい
この船を沈めてくれ

敵船が横に並べば本格的な砲撃が始まるだろう
【ガードアップ】を使い、且つ身を遮蔽物に隠しながらこちらも大砲で応戦
船が本格的に破壊され始めれば敵の死角側や船内へ移動

次の攻撃と同時に海へ飛び込むよ
【パラドクス通信】で仲間へ連絡し、上がる煙や破片と共に損傷部位から海へ
敵に姿を見られぬよう最適な位置へ【エアライド】のひと蹴りと共に飛び込む
そのまま【水中適応】で海の中を移動していくよ

沈む船の姿と音を背に仲間と合流
……これでまずは一隻
さあ、俺達を待つ船へ戻ろう


水蓮寺・颯
…終わり、ですね。お二人共、庇ってくださってありがとうございました。
甲板へと縫い留めた敵を観察して、古書を閉じる。嘆息と同時に腕の痛みが強くなったように感じて、少々笑みが引き攣った
やはり誇りを以て戦う者は強く、恐ろしい
まずは僕達の勝利を周囲に示さないと。旗を変えるのは良い案ですね。
だからこそ誇りを穢される事は、何よりの挑発になるだろう

仲間が外を受け持ってくれるなら、僕はその間に船内へ。
海図等脱出に役立つものがあれば得ておきたいですし…海賊島のことが分かるものあれば、と
単に僕が、彼にとって海賊島が何なのかを知りたいだけ。通信があれば、急いで仲間の元へと戻ります

漸く気付いたようですね。
ならば…仲間の手で墓標と成していただきましょう。
『其は――』
囲まれぬよう、仲間と連携して周囲の船のうち数隻を集中的に狙い撹乱します

『目眩ませ、金青天水鉢』
敵の攻撃に合わせて、光の魚に紛れるようにお二人とともに海へ
【水中適応】と【光学迷彩】を使用し撤退しつつ、振り返り海賊船に一瞬の黙祷を


アドリブ、連携 歓迎です


エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎

さあ、あと一仕事だな

仲間とパラドクス通信で連携を取り
うまく手分けできるといい

ディアボロスが乗っ取ったと示すように、黄色の旗を掲げよう
針路は転進、戦域離脱へ
周囲の状況は観測しつつ伝え合う

旗印はなんでもいいが、持ち込んだのは黄色の旗
目立つものでこの船は制圧したと示し
海域を即座に離脱するよう転進に舵を取り、その過程で攻撃を誘引
針路は攻撃を逃れるように少しふらつかせ
船で逃げるようにみせかける
舵は、自分たちの脱出方向とは別に向けておいて追わせるように

彼ら、船を奪われるのを掟のように厭っていたな
気付かれたあとは、船自体に注意を引き
応戦は必要に応じて離脱優先
船が破損したとみせ煙幕を焚く

ボロボロの衣服や黄色の布地を甲板に投げ出しておき、船が沈めば水面に浮かぶように
船と共にディアボロスも倒したと見せ注意を逸らす支度

轟沈する前には、煙幕や戦闘の余波に紛れて死角から海中へ脱出
平穏結界を展開し、海中に紛れる潜水スーツに光学迷彩で、静かに水中適応で海中を遠ざかろう

さて、ドレークはどう出るだろうかな


●すべては海の泡沫に
 戦闘が終わり、戦場は一瞬凪ぐ――もう馴染んだ、船をゆっくりと揺さぶる波の振動。船底に打ちつける波の音。
「……終わり、ですね。お二人共、庇ってくださってありがとうございました」
 水蓮寺・颯(灼がて白く・g08972)は崩れた甲板をじっと見つめてから、仲間へと振り返る。
 穏やかな微笑みで、一角・實生(深い潭・g00995)は彼女に頷き返し、
「よし。後は……敵にこの船を沈めて貰うだけだね」
 そう少し悪ぶった声音で言えば、
「さあ、あと一仕事だな」
 エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)が泰然と応じる。
 そんな二人に向け、颯は笑みを浮かべ、古書を閉じようと――瞬間、強い痛みを感じて、頬が引き攣った。
 ぎりぎり、笑みは保てただろうか――。
(「やはり誇りを以て戦う者は強く、恐ろしい」)
 つきんと腕が痺れるような痛みに、敵の執念を感じ……古書を確り閉ざしながら、溜息で、振り払った。
「まずは僕達の勝利を周囲に示さないと」
「じゃあ、まずは旗を降ろそう」
 颯の眼差しに、頷いた實生は、無造作に海賊旗を撃ち抜く。
 銃弾が蒼天に突き抜けて、黒い海賊旗が三人の足元に落ちてくる。
「ヒンメルグリッツァさん――」
「ああ、俺達の旗を掲げよう」
 エトヴァは用意した黄色の旗をひらりと振って、任せてくれと請け負う。
 そんなやりとりを目を細めて見つめる颯が、
「旗を変えるのは良い案ですね」
 海賊になったような気分――そう、囁く。
(「だからこそ誇りを穢される事は、何よりの挑発になるだろう」)
 再び腕が疼いたような気がして――振りきるように、彼女は船内へと向かって歩き出した。

 黄色の旗を掲げた海賊船は、転進しようと、ぎこちなく動き出した。
 本当に盗み出すための動きとしてはありえないほど段取りが悪いが――ようは、本来進むべき海路を外れればいいだけのこと。同時に、自分達の船とは反対の方角へ。
「四方を囲まれたり乗り込まれてしまえば脱出は困難になるものな」
 警戒されすぎるのもよくないのは、乗り込む時と同じだ――實生はエトヴァが舵に細工しているのを見、甲板の目立つ場所を歩く。
 エトヴァが黄色の旗を用意したのも、目立たせるため以外の理由はない。
 元の海賊旗は、實生がズタズタに裂いて、目立つ場所に――本来は、バーソロミューの近くに置いておこうと思ったが、僅かな時間でその亡骸が消えてしまったので――わざと置いておいた。
 これもまた、明確な挑発のため、である。
「彼ら、船を奪われるのを掟のように厭っていたな」
 エトヴァが愉快げに言う――。
 実際、速度が急激に低下したこの船に、他の船がぐんぐんと迫っていた。
 最初は「漕ぎ手が全員サボり出したか」みたいな感覚で観察しただろうが、甲板などが見るも無惨に破壊されていること、そもそも見慣れぬ旗を掲げていることに気付いたアビスローバーらが、ざわざわと集まってくる様子が、二人からも見えた。
 エトヴァが追っ手の方角を確かめて、舵を固定する。
(「そう、拿捕など微塵も考えなくていい――この船を沈めてくれ」)
 思いながら、實生は叫ぶ。
「敵が来たぞ!」
 愛銃ではなく、船に備わる大砲を――といっても、これも飾りのようなもののようだが――を撃って、海賊船の接近を阻もうと試みる。
 無論、相手を煽るため。功を奏し――ぐんと速度を増した海賊船が横に並ぶ。
「ディアボロスだ!」
「殺せ!」
「否、それ以上に、船を奪わせるな!」
 やいのやいのという声が飛んでくる。
 ふっ、とエトヴァは笑うような息を吐いた。こんな状況であっても、何処か面白い――相手を欺きつつ、船を挟んだ駆け引きが、面白く感じられ――同時、思う儘に、アビスローバーらが躍ってくれることに、小気味良い気分になっていた。

 颯は船内に入って、船長室を探っていた――脱出に役立つ救命道具類がないかという捜索でもあったが、アビスローバー達にそれらは不要……彼女は、自分は違うものを見つけたがっているのだと気付いて、ひそりと笑う。
 海賊島に関わる海図やら、絵画やら……あれば一目みたいという気持ち――。
(「彼にとって海賊島が何なのかを知りたいだけ――」)
 感傷だと解っていても。
 そう思いながら、空の酒瓶ばかりの棚を探っていた時――ずん、と船に衝撃が走り、端末から、實生の声がした。
『攻撃が始まった。上がってくるかい?』
 彼の言葉には、そのまま船が破壊されるまで脱出の準備を整えるのも良いというニュアンスがあったが。
「すぐ行きます」
 毅然と答え、颯は甲板へ駆け戻る。
 既に船の半分が大きく吹き飛んでいる。
 あちらの攻撃――パラドクスが飛んできて、順調に、クロノ・オブジェクトの船を破壊している。
 苦戦を強いられて悔しそうな雰囲気で、無事な物陰に實生が潜み。
 エトヴァは煙幕の準備をしている――先に聴いていた、脱出の段取りとしては最終盤といったところだ。
 颯は、ふぅ、と深呼吸して、向こうの海賊船を見据える。
「漸く気付いたようですね。ならば……仲間の手で墓標と成していただきましょう」
 告げ――書を手繰る。
「其は――」
 三度の災火を逃れし邸の魚鉢、唱う声に淀みはなく。張りのあるそれに迷いはない。
 颯の――船の周囲に、きらきらと光が集い出す。集まる光の魚を背に、彼女は攻撃対象を凜と見つめ、詠誦する。
「目眩ませ、金青天水鉢」
 カッ、と幾筋もの光条が走る――船を覆い尽くす光が、あちらのアビスローバーを射貫き……しかし、彼女の力をも突き破る、方々からの攻撃が返ってくる。
 圧倒的な数の破壊力から、半壊していた海賊船は粉砕される――その直前に三人は船から飛び降りて、深く、遠く、残留効果も使って泳ぎ逃れる。
 凄まじい振動が、海中にも伝わってくる。
 視界を埋め尽くす白泡と激しい海流に押し流されて――それに抗って泳ぐこともできたが、そうする理由もない――ぽんと遠くまで投げ出されるように、逃れて。

 だから、ディアボロス達は、先程まで乗っていた船の末路は、見届けられなかったが――。
 海賊船は見事に破壊され、残骸だけが海に浮かんでいた。
 そして、木片に引っかかった、切れ切れの服だったもののようなボロ布と、黄色の布――わざとらしい痕跡は、アビスローバーらにとって、ディアボロス達からの嘲りのようにも見えて……彼らは忌々しげに、舌打ちした。

 一生懸命に泳いで、凪いだ海。
 結果、一番最後に船から飛び降りた颯が、海の中で二人に合流すると――實生はミッション達成といったような表情で「……これでまずは一隻」と微笑む。
 海中でもゆるく羽を揺らして、安定をとりながら……エトヴァは薄く陽が透ける天を仰ぐ。
「さて、ドレークはどう出るだろうかな」
 その囁きに、颯は少し目を伏せた。
(「あの誇り高い海賊達の首領。ジェネラル級――」)
 きっと、手強いのだろう。そして、大事な船を沈めさせたディアボロスを許すまい――。
「そうだね――だけど、今は」
 實生が二人に、朗らかな声で呼びかける。
「さあ、俺達を待つ船へ戻ろう」
 彼の白い翼も、海水の中で碧く輝いて。
 身を翻す動きに、羽先に集まった泡が震えて、弾けていった――。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【エアライド】LV1が発生!
【光学迷彩】LV1が発生!
【平穏結界】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV2が発生!
【リザレクション】LV1が発生!

最終結果:成功

完成日2024年09月07日

ドレーク海賊船団、迎撃指令

 サルガッソー海域の戦いに勝利して沈没の危機を脱した『ディアボロスの海賊船』は、攻略旅団の方針に従い、サルガッソー海域から離脱、アフリカ方面に舵を切る事となりました。
 攻略旅団の調査により、『海竜提督』フランシス・ドレークの海賊船団の進路を予測する事が出来たので、その進路上に向かい、敵海賊船団の迎撃を行ってください。

 ですが、ディアボロスが大西洋で運用している船は、中型海賊船1隻しかありません。
 まともにドレーク海賊船団とぶつかれば、あっという間に撃沈されてしまいます。
 ディアボロスの船からかなり先行して哨戒活動を行ない、ドレーク海賊船団と接触、奇襲を仕掛けてください。
 ドレーク海賊船団は、ディアボロスに海賊船を奪われる事を許さない為、海賊船に乗り込んで制圧すれば、周囲の海賊船の総攻撃によって、敵の手で海賊船を沈没させる事が可能です。
 敵の手で海賊船を沈めさせていき、ドレークが搭乗する旗艦『ゴールデン・ハインド号』に肉薄できる段階まで、敵船を減らしてください。


『海竜提督』フランシス・ドレーク

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#黄金海賊船エルドラード
🔒
#ドレーク海賊船団、迎撃指令
🔒
#大西洋
🔒
#『海竜提督』フランシス・ドレーク
#1日:雑記に連絡事項を表記したのでご確認ください


30




選択肢『敵部隊哨戒任務(エルドラード)』のルール

 拠点となる海賊船から出撃し、海賊船周辺の敵部隊の哨戒任務を実行します。
 海賊船の位置を敵に悟られないように工夫しつつ、周囲を移動する敵海賊船などを警戒し、敵に発見されるよりも早く、その位置を見つけ出してください。
 広い海洋で、敵を発見するのには時間がかかる場合もあるので、根気も必要になるでしょう。
 一方的に敵を発見した場合は、直後の戦闘を有利に戦うことが出来ます。
 逆に、一方的に敵に発見された場合は、不利な戦闘を強いられるかもしれません。
 周囲の状況や、近づいてくる敵部隊に関する情報などは、オープニング及びリプレイを参照してください。

 また、この哨戒任務中に【水中適応】【水面走行】のパラドクス効果を準備しておくと、なお良いでしょう。

 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、450文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★1個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は600文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 🎖🎖🎖 🔵🔵🔵🔵🔵
 超成功 🔵🔵🔵🔵🔵
 大成功 🔵🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔵🔴
 善戦 🔵🔵🔴🔴
 苦戦 🔵🔴🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『【🔑】この選択肢の🔵が👑に達しない限り、マスターは他の選択肢のリプレイを執筆できない。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢『海賊船の撃沈と沈む海賊船からの脱出』のルール

 ドレーク及び配下の海賊達は、ディアボロスに、海賊船を奪われる場合は撃沈してでもそれを阻止しようとします。
 ディアボロスが制圧した海賊船で海域を脱出しようとしても、まず確実に、海賊船を撃沈されてしまう為、不可能となります。
 逆に言うと、ディアボロスが海賊船を制圧して脱出しようとしている事を示せば、敵の攻撃で、海賊船を沈める事が出来るという事でもあります。
 敵海賊船の数を減らすのは、今後の戦いで重要となりますので、ディアボロスが海賊船を制圧した事を周囲に示した上で、攻撃を誘引、海賊船を敵の手で撃沈させた上で、脱出を行ってください。
 詳しくは、オープニングやリプレイを確認してください。


 オープニングやマスターよりに書かれた内容を参考にしつつ、450文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★1個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は600文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 🎖🎖🎖 🔵🔵🔵🔵🔵
 超成功 🔵🔵🔵🔵🔵
 大成功 🔵🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔵🔴
 善戦 🔵🔵🔴🔴
 苦戦 🔵🔴🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『【完結条件】この選択肢の🔵が👑に達すると、シナリオは成功で完結する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👾ディアボロスを狙うトループス『タートルーパー』のルール

 ディアボロスを発見した途端に、ディアボロスを狙って攻撃して来るトループス級クロノヴェーダ(👾)と戦闘を行います。
 ディアボロスに攻撃を仕掛けてくれるので、敵の捜索を行ったり、周囲の被害を減らす為の行動などは必要ありませんが、戦意が高い傾向にある為、油断は禁物でしょう。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 記載された敵が「沢山」出現します(現れる敵の数は、オープニングの情報やリプレイの記述で提示されます)。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、450文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★1個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は600文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 🎖🎖🎖 🔵🔵🔵🔵🔵
 超成功 🔵🔵🔵🔵🔵
 大成功 🔵🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔵🔴
 善戦 🔵🔵🔴🔴
 苦戦 🔵🔴🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 また、この選択肢には、
『この選択肢の🔵が👑に達すると、この敵集団を倒す。完結までにクリアしていない場合、この敵集団は撤退する。』
 という特殊ルールがあります。よく確認して、行動を決めてください。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


選択肢👿アヴァタール級との戦闘『ブラックバード・バーソロミュー・ロバーツ』のルール

 事件解決の為に、アヴァタール級クロノヴェーダ(👿)と戦います。
 👿を撃破するだけでは事件を解決できないので、戦闘終了後、必要な行動を行ってください。
 詳細は、オープニング及びリプレイで確認してください。

 記載された敵が「1体」出現します。敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」のパラドクスで反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、450文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★1個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は600文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 🎖🎖🎖 🔵🔵🔵🔵🔵
 超成功 🔵🔵🔵🔵🔵
 大成功 🔵🔵🔵🔵
 成功 🔵🔵🔵🔴
 善戦 🔵🔵🔴🔴
 苦戦 🔵🔴🔴🔴
 失敗 🔴🔴🔴🔴
 大失敗 [評価なし]

 👑の数だけ🔵をゲットしたら、選択肢は攻略完了です。
 なお、この選択肢には、特殊ルールはありません。
※このボスの宿敵主は「孫・リア」です。
※クロノヴェーダには、同じ外見を持つ複数の個体が存在しますが、それぞれ別々のクロノヴェーダで、他の個体の記憶などは持っておらず、個体ごとに性格なども異なっています。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。