冥海機とアビスローバーの交戦状況の調査

 攻略旅団の提案により、ハワイ方面の冥海機ヤ・ウマトと黄金海賊船エルドラードの交戦状況について調査する作戦を行います。

 ジェネラル級アビスローバー『グレートトレジャー』ヘンリー・ハドソンが、黄金海賊船エルドラードの太平洋から、冥海機ヤ・ウマトの東メラネシアから北に向かった海域に出現することが予知されました。
 ヘンリー・ハドソン本人はまともに情報収集に応じてくれませんが、護衛として連れて来ている白鯨艦隊のアビスローバーからは、何とか情報を得られそうです。
 現地に向かい、この敵と接触、情報の獲得に努めてください。
 なお、ヘンリー・ハドソンは一定時間後に黄金海賊船エルドラードに退去してしまう為、この調査作戦では撃破することはできないようです。


『グレートトレジャー』ヘンリー・ハドソン

越境者の事情(作者 離岸
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#黄金海賊船エルドラード  #冥海機とアビスローバーの交戦状況の調査  #『グレートトレジャー』ヘンリー・ハドソン 


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「今回は冥海機ヤ・ウマトのハワイ方面へ向かっていただきます」
 新宿駅に集まったディアボロスたちを前に、綾小路・桜(人間の妖精騎士・g03314)はまず一言、そんなことを告げた。
「攻略旅団の提案で、『邪神獣の浮島とヤ・ウマト側の交戦状況を確認したい』……と。そんな話が出ていたのですが、今回はそれに沿った作戦行動をご案内させていただきますね。
 黄金海賊船エルドラードのハワイ攻略拠点である『邪神獣の浮島』が、実際にどのように戦っているか等の情報が得られれば、今後の作戦の指針になるかもしれません……と、まあそんなことを私としても見込んでいたのですが」
 うーーん。渋面と共に桜は両腕を組んで考え込むようなポーズ。
「我々時先案内人の方で見えたのは、ジェネラル級アビスローバーの『グレートトレジャー』ヘンリー・ハドソン……ちょっと前に海賊船を攻撃してきたジェネラルですね。彼がヤ・ウマトへ攻め込んでいく光景だけなのですよね。
 予知の時点ではまだ状況は見えていないのですが、どうにもヘンリーは少数の護衛しか連れていないままヤ・ウマトの方に攻め入っているようですし、ある程度戦うと撤退しちゃうみたいです」
 ヘンリー自身が今回キャッチできたヤ・ウマトへの侵攻を小競り合いとしか見なしていないのか、あるいは他に何らか理由があるのか。そこは新宿島から見ただけではどうにもコメントがしにくい。
「ですので、今回はヘンリー率いるエルドラードのクロノヴェーダにちょっかいを出していただいて、彼らから情報を集めていって欲しいんです。
 ヘンリーが少数の護衛しか連れてきていない理由であるとか、ある程度の段階で撤収する理由であるとか。その辺りの理由が判れば、冥海機ヤ・ウマトと黄金海賊船エルドラードの戦闘に関する情報として価値があるかもしれません」

 場の状況についてもう少し説明しますね、と。
 桜はホワイトボードに有志が作成したエルドラードの地図を張り出し、その中でハワイの辺りをマーカーで円を描く。
「今回向かっていただくのはハワイ近辺……エルドラードとヤ・ウマトの境界ですね。
 ディヴィジョンを隔てる霧を抜けてヘンリー・ハドソンがヤ・ウマトへ進行していくポイントは割り出せているのですけれど、それが起きるタイミングまではちょっとわかっていないんです」
 申し訳ない。桜はパンと両手を合わせて謝るように頭を下げて。
「ですので、今回は早めに現地を押さえておいた上で、敵の出現を待っていただく必要があるかなと思います。
 エルドラードからクロノヴェーダが現れる瞬間には必ずディヴィジョン境界に霧が発生しますので、それまではちょっと時間を潰していただければと。
 そろそろ暑くなってきましたし、英気を養う意味でもちょっとヴァカンスなんてどうでしょう。海のど真ん中で待機となりますので色々持ち込んでいただく必要はあるかと思いますが、それでもちょっと遊ぶくらいの時間はあると思いますよ」
 そろそろ夏休みですものね……桜は道着の襟元をぱたぱた。懐かしい概念だ、と自分で言っておいて一つ苦笑を溢し、彼女は話を元へ戻すべく咳払い一つ。
「……で、改めて本題へ。
 霧が出てエルドラードからヘンリーが現れてからは、戦闘が発生することになると思います。
 皆さんには、ヘンリーの護衛として配置されているトループスたちを相手に情報を集めていただければと思います」
 エルドラードからの侵入者へ対し、本当のことを言えばヤ・ウマトの勢力が迎撃するのが筋であろうが、そこへディアボロスが介入した結果三つ巴の戦いになったとて、こちらが欲している情報を得られる保証はない。
 もっと言えば、ディアボロスが介入しすぎたことで状況が大きく変わりすぎるのも、攻略旅団の提案としては本筋から外れたものとなってしまうだろう。
「ヘンリーはある程度のダメージを与えることが出来ればエルドラードへ追い返すことが出来るみたいです。
 ここまでの彼の様子から見るに、余力がある段階では情報を引き出すのは難しいかと思いますので、情報収集はトループスたちに対して行うのが良いのではないかなと思いますね」

 つまり、現地に到着後は、しばしエルドラードからの侵攻を待ち、トループスから情報を収集。
 ある程度情報を得た後にアビスローバーをエルドラードへ追い返す、と……今回はそんなことが求められる訳だ。


 説明はこんな所です。そんな風に言葉を〆て、桜はパラドクストレインに乗り込むディアボロスたちを見遣って。
「ああ、そうそう。今回主に情報収集の相手としてトループスが良いんじゃないかと言いましたが、末端相手に聞ける情報には限界があるのは意識して頂ければと思います」
 こんなことを言っては何だが、桜の言った通りトループスは末端でしかない。そんな相手にクリティカルな情勢を尋ねたところで、そもそも知っている事などほぼ存在しないだろう。
 とはいえ、ヘンリーに随伴する戦力としてヤ・ウマトとの戦闘は何度も行っている筈だ。現場の兵士なりに知っていることはいくつか持っているだろう。邪神獣の浮島が場にいない理由であるとか、攻め入る戦力の少なさの理由であるとか、そんな所をうまく引き出せれば最上だ。
「《七曜の戦》では、ヤ・ウマトがガラパゴス諸島付近まで攻め込んでいたようですけれども、現在はハワイ付近までエルドラードが押し返しているようですね。
 この状況は、ディアボロスの介入によってヤ・ウマトがエルドラードへの防衛の余力を失っているという証左かもしれません」
 そうであれば、ディアボロスがディヴィジョンを跨いで暴れまわっている事実が二つの世界にとって好ましくない影響を与えているということにつながる訳で。

「一歩ずつでも敵を追い込んでいると、私は皆さんをお送りするたび思いますよ。ですから、今回もお気をつけて」

 よろしくお願いしますね。と。
 そう頭を下げて、桜は扉の締まるパラドクストレインを見遣った。
 過去へと遡っていく列車が、太平洋へ向けて走っていく。


「発見、発見、霧がでたよー」
 黄金海賊船エルドラード。そう呼ばれるディヴィジョンにて、ハワイ近辺の境界で周辺の見張りを続けていたトループス『ポルヴィーナ』はそんな風に声を弾ませた。
 ディヴィジョンを跨ぐ霧の出現に、トループスたちは待っていたとばかりに、白鯨の上で各々が戦闘準備を始めていって。
「ヘンリー様? ちょっと霧が薄いですけれどぉ、行きますよね?」
 そう声を向けた背後。40mを超す巨体を誇る鯨……ジェネラル『ヘンリー・ハドソン』は「無論です」、そう声を発すると共に頭部をわずかに上下させて。
「皆さんの働きにも期待していますよ」
「了解でーすっ♪ でも、最近は冥海機に会えない事も多いですよねえ」
 真面目に防衛して欲しいよねぇ、嘲るようにそう囁くトループスたちに、ヘンリーが笑ったような気配。
「向こうがその気を持たないならば、我々としても好きに暴れるだけです。皆さんも、ヤ・ウマトへ潜り込んだ後の働きには期待してますよ」
「任せてくださいよぉ♪ あ、でも何か来たらヘンリー様、追っ払ってくださいね?」
 お願いしますねー、と。
 おねだりするような声を向けるポルヴィーナたちに「無論です」もう一度言葉を返しはしたが、ヘンリーは内心で小さくため息。
 姦しい声を可愛らしいと思わなくはないが、彼女たちにはトループスとしての自覚が薄いような気がしてならない。
 ……まあ、よい。
 彼女たちが己に向ける相応の忠誠心は確かに存在する。
 であれば、最低限の仕事は間違いなく果たしてくれるだろう。
 そんなことを考えながら、報告のあった方角に発生した霧へ向けて進むよう尾びれで水面を叩き、ヘンリーはトループスたちへと呼びかけた。
「さあ、行きましょう。目指すはヤ・ウマト。心の赴くがまま、略奪なさい」
「はーーーいっ!!」


→クリア済み選択肢の詳細を見る


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【一刀両断】
1
意志が刃として具現化する世界となり、ディアボロスが24時間に「効果LV×1回」だけ、建造物の薄い壁や扉などの斬りやすい部分を、一撃で切断できるようになる。
【フライトドローン】
2
最高時速「効果LV×20km」で、人間大の生物1体を乗せて飛べるドローンが多数出現する。ディアボロスは、ドローンの1つに簡単な命令を出せる。
【迷宮化】
1
洞窟や家屋、砦などの内部を迷宮に変化させる。迷宮化により、敵は探索や突破に必要な時間が「効果LV倍」される。
【冷気の支配者】
3
ディアボロスが冷気を自在に操る世界になり、「効果LV×1km半径内」の気温を、最大で「効果LV×10度」低下可能になる(解除すると気温は元に戻る)。ディアボロスが望む場合、クロノヴェーダ種族「アルタン・ウルク」の移動速度を「効果LV×10%」低下させると共に、「アルタン・ウルク」以外の生物に気温の低下による影響を及ぼさない。
【液体錬成】
1
周囲の通常の液体が、ディアボロスが望めば、8時間冷暗所で安置すると「効果LV×10倍」の量に増殖するようになる。
【水面走行】
3
周囲の水面が凪ぎ、ディアボロスが地上と同様に走行や戦闘を行えるようになる。ディアボロスと手をつないだ「効果LV×3人」までの一般人も同行可能。
【水中適応】
2
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」が、クロノヴェーダを除く全ての生物が水中で呼吸でき、水温や水圧の影響を受けずに会話や活動を行える世界に変わる。
【狼変身】
1
周囲が、ディアボロスが狼に変身できる世界に変わる。変身した狼の咆哮は「効果LV×10m」以内の指定した通常の生物を怯えさせ、「効果LV」分の間、行動不能にするが、変身中はパラドクスは使用できない。

効果2

【能力値アップ】LV2 / 【命中アップ】LV1 / 【ダメージアップ】LV6 / 【ガードアップ】LV2 / 【反撃アップ】LV2 / 【ロストエナジー】LV1

●マスターより

離岸
 離岸です。
 今回は黄金海賊船エルドラード、および冥海機ヤ・ウマトの境界からお送りします。
 ヤ・ウマトに侵入してきたエルドラードからの戦力へ向けて情報収集を行うシナリオとなります。

 以下、補足です。
 シナリオ選択肢は②→①・③・④を想定しています。
 ②以降、残った選択肢は常時受け付けとします+頂いたプレイングに応じて色々状況は変わるかと思います。

 ②について:
 ヴァカンスです。
 エルドラードからの敵が乗り込んでくるポイントは分かっていますが、それが何時になるかは分かっていません。
 事前に敵が現れるポイントは特定できているので、待ち構えている間ちょっと遊んでいましょう、という選択肢です。
 敵が現れるタイミングになれば霧が現れます。ディアボロスがそれを見逃すことは無いと判定しますので、この選択肢に限れば警戒等せず純粋に遊んでいて構いません。わずかな間ですが英気を養いましょう。
 なお、パラドクストレインが到着するのは海のど真ん中です。周辺に特に島などないと認識したうえでお遊びの種を考えていただければ幸いです。
 ボートで周囲を漕ぎまわる、釣りをする、トレイン上で日焼けしてみる……など色々遊ぶ種はあるかと思いますので、夏をお楽しみください。

 ①・③について:
 トループスたちとの戦闘、および情報収集選択肢です。
 ジェネラル級『ヘンリー・ハドソン』の能力によって生み出された白鯨の背に乗ってヤ・ウマトへ乗り込んできたトループスたちとの戦闘、および会話を行います。
 トループス故に時勢に深くかかわる情報は恐らく持っていませんが、ヘンリー・ハドソンの随伴戦力として幾度か戦闘を行ってきた存在相応に知っていることはあるでしょう。
 なお、①はトループスへの情報収集のための選択肢となります。③をクリアして以降は採用できませんので、ご了承ください。

 ④について:
 ジェネラル級『ヘンリー・ハドソン』との対峙用の選択肢です。
 本選択肢に限り、相応に判定の難易度も上がるとご認識ください。
 ある程度のダメージを受けた時点で撤退を選ぶようなので、このシナリオでの撃破は不可能となります。
 また、ディアボロスからの問いかけへ対して有益な情報を漏らすようなことはないようです。
 彼が撤退することでエルドラードの勢力もすべて撤収し、このシナリオは完結します。

 それでは、皆さんのご参加をお待ちしております。
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このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


アオイ・ダイアログ
【ヨアケ】から!
アドリブ歓迎

海だー!
最近やたら暑いですし、ここらで海水浴はとってもいいですよね🎵
水着は……去年のでいっか、ミントカラーで爽やかです🎵
ハワイって謎の憧れがありますけど、こうして見ると常夏感が素敵ですね!

ガンガン日は照ってるのに冷気の支配者で気温は快適なの、頭バグりそうですね
でも日焼けはしそうなので日焼け止めは丁寧に塗っとかないとですねぇ

バルーンを膨らませつつ海に飛び込みますよー
泳ぎはそれなりに経験してますからね、クラゲとかいなけりゃ余裕です!
気持ちいいですよー、皆さんも泳ぎましょー🎵

おっと、水のかけ合いとはお約束ですね
なら私もお返しです!
あれ、立ち泳ぎしながらはなかなか大変ですね!?

休憩タイミングでは私はチョコミントアイスを食べますよー
ギラついて突き刺す日差しの中冷えたチョコミントアイスを戴く……これが答え……!

この後も作戦があるのは分かってますが、こうやってただ遊ぶだけの時間も得難いものですね🎵


三苫・麻緒
【ヨアケ】
夏だー!海だー!ハワイだーっ!
わりと敵地寄りの場所だとしても、テンションが上がるのは止められないよっ!
オンとオフの切り替えが大事って言うし、のんびりできるうちはたーっぷり満喫しないと損だよね

トレインの中で水着に着替えるよ
せっかくだからプチ休憩用にフロートタイプの浮き輪も準備しちゃおーっと
紐でボートと繋いでおけば流される心配もないよね

準備が終わったら海にダイブ!
プールじゃなかなか許されない所業も海でなら多分大丈夫
飛び込んだら一緒にきた同旅団の友だちと水遊び
プールと違って足はつかないし波もあるけど、まあ、それはそれで楽しい
ボートまわりをちゃぷちゃぷ泳いだり、手の水鉄砲で怒られない程度に水をかけにいったりしたいな
【水中適応】をお借りしてゆるーく海の中に潜って、新宿島では見れない景色を見るのもありかも

ある程度遊んで体が冷えてきたら、浮き輪かボートの上で小休止
水分補給としてちゃんとスポドリ飲んで、完全に気分だけでメロンソーダも持ってきちゃった…!
海のど真ん中で夏を満喫
いやぁ、贅沢贅沢ぅ


フィーナ・ユグドラシア
※アドリブ、絡みok
【ヨアケ】同行

海水浴中、青色基調のワンピース水着を着用。

太平洋の真っ只中で海水浴というのも、珍しいシチュで楽しそうですね。
現地がヤ・ウマトとエルドラードの係争地、というのは気になりますが、マッタリと出来る機会があるなら楽しまねば損というものです。
事態が動くまでは、のんびりさせて頂きましょう。

現地に着いたら、最初に水中適応を発動し、万一海中に落ちても問題ないようにしておきます。
後は新宿島からゴムボートを用意して、休憩所兼車体が退避した後の受け皿にしましょう。

それにしても、本当に陸地も何もないですね。周りを気にする事もなく目一杯泳いだり出来そうです。
とはいえ、あまり車体やボートから離れすぎるのもダメですし、周辺を仲間と一緒に泳ぎながら海水浴を満喫しましょう。
もし泳ぎ疲れたら、ボートに上がって一休みしても良いですし、海面にプカプカ浮かんで空を眺めるのも気持ち良さそうです。

そういえば、この辺り、お魚さん達は居るのでしょうか?
時間があれば、海中散策をしても良いかも知れませんね。


百鬼・運命
【ヨアケ】で参加

さてここのところ忙しかったし、アルタン・ウルク対策の【冷気の支配者】強化もかねてヴァカンスでもしてゆっくりしようかな?

というわけで【ヨアケ】の仲間と水遊びだが、流石にハワイは暑いな
せっかく【冷気の支配者】を強化しているし、イイ感じで周囲の気温を下げておくとしよう

さてあとは服装だが…ハワイと言ったらアロハシャツだよな
どうやら一緒に来ている女性陣は水着のようだが、パラドクストレイン内で着替えるようだ
此方は先に降車して先にヴァカンスの用意をしておこう

浮き輪を膨らませて、パラソルを立てて、飲食物を持ちこんだクーラーボックスを設置したらこれでヴァカンススタイルは完成かな

しかし…やれやれ皆水着姿がよく似合っているだけに眼福だが、なかなかに目の毒だな。日差しもきついし、サングラスもしておこうか

あとはフロートマットでのんびりと海に浮かんで波に揺られながら、ジュースを片手に日光浴でもしようかな?
あー、最近寒いロマノフにばかり行っていたから、暖かいと眠気が…あ、波…(ブクブクブク)



 先に行って準備しているよ。締め切られた車両の扉をノックしてそう告げた百鬼・運命(ヨアケの魔法使い・g03078)に三様の声を返し、アオイ・ダイアログ(響き合う言霊の繰り手・g02687)、三苫・麻緒(ミント☆ソウル・g01206)、フィーナ・ユグドラシア(望郷の探求者・g02439)らは手早く車窓のカーテンを下ろした。
「それじゃあ着替えて、早く遊びに行こう! オンとオフの切り替えが大事って言うし、のんびりできるうちはたーっぷり満喫しないと損だよね」
 行きの衣服の中にすでに着込んでいたのか、手早く水着姿になりつつフロートタイプの浮き輪を膨らませていく麻緒の声に、アオイとフィーナもまた弾んだ声を返して。
「最近やたら暑いですし、ここらで海水浴はとってもいいですよね♪」
「はい。マッタリと出来る機会があるなら楽しまねば損というものです。事態が動くまでは、のんびりさせて頂きましょう」

 今年の水着はどうする? であるとか、日焼け止めは丁寧に塗っておかないと、であるとか。しばしの間華やかな会話を交わし合いながらアオイもフィーナも着替えを含めて諸々の準備を済ませると、三人は我先にとパラドクストレインの扉を開く。
「お。綺麗所が来たな」
 パラドクストレインを降りた先。遮るもののない視界の先の水平線。
 その手前でゴムボート上にパラソルを立てながら、アロハシャツ姿の運命が三人を出迎える。
 場がハワイ近辺ともなれば相応に暑いのは確かだ。とはいえ、周囲は海の真っただ中、かつヤ・ウマトの年代である。流石に刻逆が起きる前の日本のような、命の危険を感じるほどの暑さではない。
 冷気の支配者で周囲の気温を下げる準備も出来ているが、ヴァカンスにおいてはこの暑さも必要な要素であろう。気温を下げる行為はいざとなってからでも遅くはない。

「夏だー! 海だー! ハワイだーっ!」

 楽し気な声と共に海の中へと飛び込んでいった麻緒と、そして彼女を追って次々と飛び込んでいくアオイとフィーナを目で追いかけ、運命はまだ作り終えていない浮き輪を膨らませる作業へ戻っていった。
 いくらここしばらくの多忙を癒すべく足を運んだヴァカンスであっても、黒一点の身にやることはいくらでもあるのだ。


 そんな男の子を他所にダイブした三人は、身体を包む水温の心地よさに自然と頬を緩めてしまう。
 青のワンピース水着を纏うフィーナが発動させた水中適応によっていつまででも潜っていられる水の中。差し込む陽光がエメラルドグリーンを輝かせる海中では、突如現れた巨大な質量に驚いた魚たちがおっかなびっくりこちらを観察しているような気配。
 伝わるかはさておき遠方の魚群へすまないとばかりにアオイが右手で詫びの姿勢を見せ、ミントカラーの衣装に身を包んだ身体は一度水面から顔を出した。
 クラゲの類はエメラルドグリーンの中には見られない。であれば、足のつかない沖合であろうと、遊ぶに不自由はしないだろう。
(「本当に陸地も何もないですね。周りを気にする事もなく目一杯泳いだり出来そうです」)
 フィーナもアオイを追いかけるように水面から顔を出し、周囲を見渡しそんな感想を抱く。
 運命が乗っているゴムボートから離れすぎるのは流石にまずいだろうが、逆に言えばそこにさえ気を付ければ海水浴は満喫できそうだ……と。その思考に割り込むように、不意に空気を押しつぶすわずかな音と共に水の塊が飛んできて、フィーナもアオイも思わず両眼を閉じてしまう。
「二人とも、油断大敵だよ!」
 その声で、何が起きたかを察する。指先で軽く目の周りの海水をぬぐえば、麻緒が手を水鉄砲の形にしたまま悪戯っぽい笑みを浮かべているのが目に入る。
「水のかけ合いとはお約束ですね。なら私もお返しです!」
「わ、やったね! こっちだって!」
 すかさずアオイも手の中に収めた水で反撃に出た。狙いも何もつけない、ただただ緩く円弧を描くような軌跡で飛んできた海水を麻緒はお約束のように頭で受けて、更にお返しだと両手を跳ね上げるようにして水しぶきをアオイへ向けた。
 今度は当たりませんよ、と言わんばかりにアオイは飛沫から逃れようとするが……
「……あれ、立ち泳ぎしながらはなかなか大変ですね!?」
 やはり常に足がつかない場は少しばかり勝手が違うのか、左へ逃げようとするも間に合わず、再び顔面に海水を浴びてしまった。

「フィーナさん。いつまでも立ち泳ぎを続けるのも大変だろうし、使うといい」
 水を掛け合いながらはしゃぐ二人の様子を目を細めて見守るフィーナへ、運命が膨らませた浮き輪を投げてよこした。
 ありがとうございます、とフィーナはそれに掴まり海上に身体を投げ出すと、そのままぼんやりと空を見上げる。
「……百鬼さんは遊ばないのですか?」
「ああ、このフロートマットだけ膨らませれば仕事は終わりだから、そうしたらゆっくりさせてもらうかな」
 ありがとうございます。もう一度言葉を投げて、フィーナは浮き輪を腹に抱いた姿勢のままゆっくりと足をばたつかせ、空の青を横切る鳥の影を追いかける。
 その動きに気づいたアオイと麻緒が、一人だけ浮き輪を使ってズルい、と言わんばかりにフィーナへとじゃれ付いた。
 茶色と青色、二人がかりの襲撃にバランスを崩したフィーナが浮き輪をどこかへ弾き飛ばした結果、三人はバランスを崩しもつれるように再び海中へ沈んでいくのであった。


 その後しばしの海中遊泳を楽しんだ三人は、少し体が冷えてきた、と一度ボートへ上がって小休止。
「いやぁ、贅沢贅沢ぅ」
「ギラついて突き刺す日差しの中冷えたチョコミントアイスを戴く……これが答え……!」
 曰く気分だけで持ってきたいうメロンソーダを幸せそうな表情で口にする麻緒と、チョコミン党員を自称するアオイがアイスを頬張る姿の隣でフィーナも楽し気に微笑んでいる。
(「しかし……やれやれ」)
 一しきりの仕事を終え、ボートに係留されたフロートマット上でジュース片手に日光浴を楽しんでいた運命であるが、笑いあう三人の姿をちらと見遣り、かけていたサングラスをわずかに直す仕草を見せた。
 見目麗しい女性陣の水着姿が嬉しくない男などいる筈もないが、翻せばその光景は中々に目の毒であるとも言える。
 あまりじろじろ見るのも気が引ける……と彼はジュースを飲み干しごろりとマットの上に横たわる。
 常夏の日差しはやはり強いものであるが、ここしばらくの間は極寒のロマノフに出ずっぱりであった運命にとっては心地良いものであるのかもしれない。
 見上げる空の先。ゆっくりと流れていく雲を視線が追いかけていく内に、彼の身体は次第に眠気を訴えだした。
 平時において、その誘惑に耐えられる者などいるはずもない。ウトウトと瞼が落ちていくに逆らわず、アロハシャツがごろりと寝返りを一つ打って――……
 
(「あ、波……」)

 どぷん、と水音が一つ周囲に響いた。
 談笑の最中それに気づいた女性陣が視線を向ければ、そこにはフロートマットがひっくり返っている光景、そして数秒後に海面を割って海から生えてきた運命の頭。
 何やってるんですか。そう三人は小さく笑うと、運命を引き上げるべくボートを彼の近くへ寄せた。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【冷気の支配者】LV3が発生!
【水中適応】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV2が発生!
【ロストエナジー】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!

リベル・エストレーラ
嫁のアーニャこと、アンドリーニャ(g10892)と海バカンスを楽しもうか

へぇ、ここがヤ・ウマトの海で、もうすぐ霧が出てエルドラードと繋がるんだな
見渡し故郷のエルドラードの海と比べ、悪かねぇなと、いい顔しつつ
無邪気に遊び始めるワンコオジサンだ

ボートか、いいじゃねぇか!
アーニャの後ろに乗って、先ずはオールで漕ぐ!
次はフライトドローンに引かせてみたり
結構楽しいぞ
調子に乗って立ち上がれば、バランスを崩してドボーン
泳ぎはまぁまぁ泳げるが…ここは狼変身で犬かきのが泳ぎやすかったりしてな!
【狼変身】で大型の黒狼になると
バシャバシャ犬かきでアーニャの所へじゃれる
普段は獰猛な黒狼も嫁の前じゃ形無しだ

狼姿でも一通り遊べば、ボートの上に戻ってブルブル水飛ばし
スッキリだぜ

ボートの上で黒狼が寝そべれば、アーニャも寄ってきて微睡む良い雰囲気
オレの狼毛並みも寝心地良いだろうとも
……ちょっと出来心で、人の姿に戻れば、腕枕の中にアーニャの顔
パサリーニョ…と愛称で呼び、振り向く愛しい人の唇に、そっと口付けを
愛してるぜ


アンドリーニャ・エストレーラ
旦那のリベル(g10891)と海のバカンスと行こう

ヤ・ウマトの海は初めてだね……ここがエルドラードとの境界ってわけだ
ああ、穏やかな海を見ていると、落ち着くもんだね

ボート持ってきたよ
小さな船だけどね
黄色いボートに空気を入れて、大洋に浮かべれば、悪くない乗り心地だ
リベルに漕いでもらうのも心地いいね

【フライトドローン】に引っ張らせてみようかい?
スピードが出て、滑るように進むね
潮風や波を楽しんでいよう

あ、何やってるの、リベル
海に落っこちた夫の姿に、驚き笑って
ボートをドローンに係留させて、海へ飛び込むよ
犬かき狼と、じゃれて遊ぼう
それじゃ、一緒に泳ごうか
黒狼の手をとって、泳いで無邪気に水かけあって
太陽の下、輝く海で二人戯れよう

ボートに戻れば、毛並みに水滴の光る狼の姿に添い寝
濡れた毛並みに顔を埋めれば、陽に温もって気持ちいい
……うん、いい匂いがする
微睡んで瞼が落ちそうになって、気づけばリベルの腕の中
なんだい、と振り向けば重なる唇に、頬を赤らめてしまうね
愛してるよ、旦那様



 パラドクストレインを挟んで喧騒の反対側。
 膨らませた黄色いボートの上で、リベル・エストレーラ(黒狼のトレジャーハンター・g10891)とアンドリーニャ・エストレーラ(碧海のセイレーン・g10892)は水平線を眺めていた。
「へぇ、ここがヤ・ウマトの海で、もうすぐ霧が出てエルドラードと繋がるんだな」
 ディヴィジョンの年代から来る海の違いを確かめるようにリベルは海水に右手を浸し、悪かねぇな、そう呟く。
「ああ、穏やかな海を見ていると、落ち着くもんだね」
 もうしばしの時間が過ぎて霧が出れば、ねじれた空間はエルドラードをここに呼び込む。
 故郷たるその場所が現れることを二人がどう思っているのか。それは定かではないが――……

「さあ、英気を養うためにも今は海のバカンスと行こう。このボートだって小さい船だけど、悪くない乗り心地だ」
「おう、先ずは俺が漕ぐ!」

 けれど、今は夫婦でバカンスを楽しむことの方が先決だ。
 アンドリーニャの後ろに陣取るリベルが左右の縁に通したオールをぐんと漕げば、黄色いボートは海上を進み始めた。
 トレジャーハントには少しばかり心もとない船ではあるが、遊びで使うだけならば性能は十分すぎる。金の髪を潮風になびかせながら心地よさそうな表情を浮かべた妻の横顔にそんなことを考えながら、リベルはボートを漕ぐ力をさらに強めた。


 少し変わるよ、とアンドリーニャがオールを握ると、ボートの動きは波に逆らわない穏やかなものに変化した。
 勢いに任せた速度重視の風を浴びるのも心地よいが、こうやって波に合わせて揺られるがままを楽しむのも悪くはない。
「波が高すぎたりしないかい?」
「ああ、結構楽しいぞ」
 どこまでも見渡せそうだ! と少しばかり気分が昂揚したのか、リベルはそこでやおら立ち上がる。
「あ、何やってるの、リベル」
 小さなボートでそんなことをしたら……と目を丸くするアンドリーニャが注意するよりも早く、立ち上がったことでバランスを崩してしまったリベルは上手く体勢を立て直すことが出来ないまま、ドボンと音を立て海の中へ転げ落ちていってしまう。
 立ち昇った大きな水しぶきから顔をかばいつつアンドリーニャが視線を海へと向ければ、水中にいたのはワイルドな外見の男……ではなく、大型の黒狼の姿であった。
 それが残留効果を使って姿を変えたリベルであることはすぐにわかった。
 けれど、陸上であれば一つ唸るだけで見る物を威圧する狼であろうと、犬かきでゆるりと船を追いかけてくる姿は温厚な大型犬にしか見えない。
 そんな気の抜けた姿に思わずくすりと笑ってしまう。
 フライトドローンを展開し、ボートの先端に結わえたロープで係留。少し離れた場所にあるパラドクストレインを見失わないこの場所をキープするように指示を出すと、そのまま彼女も海の中へと飛び込んで。
「それじゃ、一緒に泳ごうか」
 黒狼の背を一つ撫でてセイレーンが泳ぎ出せば、黒狼が犬かきで隣を並走する。
 海水の温度を楽しみながら競争したり、無邪気に水をかけ合ってみたり。
 降りしきる陽光の下、輝く海の中でその後も二人はしばし戯れを続けるのであった。


 しばらく遊んだ後にボートに這い上がった黒狼姿のリベルは、一度全身を振るわせて毛並みにまとわりついた水滴を盛大に飛ばした。
「スッキリしたかい?」
 呼びかけるアンドリーニャに満足げな表情を返すと、「そうかい」、優しい笑みで頭を一つ撫でられた。
 普段は荒くれで通す己もやはり人の子ということか。愛しい人の掌の心地よさが生む幸福感の前では、獰猛な黒狼も形無しである。
 それを口にするのが気恥しいのか、黒狼の姿のままリベルがボートの中央でごろりと寝そべると、アンドリーニャもまた寄り添うように黒狼の隣で体を横たえた。
「……うん、いい匂いがする」
 濡れた黒狼の毛並みに顔を埋め、無意識の内にそんな言葉が口をつく。
 夏の日差しを浴びて温まった狼の毛並みは海水で冷えた体には心地が良い。隣にリベルがいる、その事実も相まってアンドリーニャは眠気が忍び寄ってきたことを自覚する。

「……パサリーニョ」

 このまま眠ってしまおうか。
 落ちかける瞼を前にそんなことを思っていた矢先、アンドリーニャの耳朶を、不意に聞き覚えのある声が打った。
「……なんだい?」
 いつの間に元の姿に戻っていたのだろう。隣にいたはずの黒狼は姿を消しており、気が付けば夫の姿は人間のものに戻っていた。
 抱かれた腕の中、少しばかり首を動かしリベルの表情を見遣る。
 ずっと隣にいたアンドリーニャだからわかる、出来心だと主張する優しい表情。
 視線が絡まった時間はほんのわずか。優しい表情をしたままのリベルの顔が徐々に近くなっていき……やがて、二つの影が重なった。
「愛してるぜ」
「……私もだよ、旦那様」
 周囲に誰もいないこの場所であっても流石に気恥しさがあったのだろう。
 リベルの腕に抱かれるアンドリーニャの頬は褐色の肌の上からでも分かるほど紅潮していたけれど。

 それでも、蚊の鳴くような声で返された言葉は確かに、リベルの耳に残ったのだった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【狼変身】LV1が発生!
【フライトドローン】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV2が発生!


 ディアボロスたちが各々の夏を過ごすことしばし。
 太陽が午後に傾いていくある瞬間、不意に水平線の向こうに霧が生じるのを誰もが知覚した。
 それが何を意味しているのか、素早く察した一同はお遊びの気配を蹴り出し各々の武器を持ち直す。
 その剣呑な気配にパラドクストレインが一度姿を隠し、一同が油断なく観察する霧の向こうから、どこか緊張感のない声と共に、いくつかの人影が濃くなっていく――……

「あれ、冥海機? 見たことないタイプっぽいけど」
 エルドラードからの侵入者たるアビスローパー『ポルヴィーナ』は霧を抜けたヤ・ウマトの海に佇む何人かの人型を認識すると、小さく小首を傾げた。
 ディヴィジョンの境を渡った先で起こるだろうことはヤ・ウマト勢力との遭遇だとばかり思っていた彼女たちにとって、あらかじめこの場に張っていたディアボロスたちを冥海機と認識するのも無理もないことであろう。
「ま、新型だったとしてもとりあえず壊しちゃえばいいじゃん」
 けれども。別の個体が発した気楽な言葉に、最初に疑問を発した個体は「それもそっか」、単純にそう納得して。
「そんじゃ、白鯨艦隊』、いっくよー! 冥海機を分からせてヘンリー様に褒めてもらえるように頑張るぞー!」
 おー!! と。可愛らしい声をそろえ士気を高めながら、ポルヴィーナたちの乗る白鯨は徐々にそのスピードを増していく。

 この場の交戦が始まるまで、あとほんの僅か……!
鳩目・サンダー
ぎゃはっ、また会ったな鯨の旦那。
それとお供はの連中はお初か、あたしは鳩目・サンダー、ディアボロスさ。

……ふーん、粘膜まで青いタイプなのね……ああいやこっちの話。

進軍方向からしてヤ・ウマトだろう?だったらもっと大所帯で行って貰った方が、こっちとしては共倒れが狙えて助かるんだがね。

つーかその頭数で勝てると思ってんのか?連中も海戦のプロだってことはあんたらもよーくご存じだろう?
そりゃ『デカブツ』様がついてりゃ怖いもんはないかもだけどさあ。

あたしらの体感じゃあトループス級ちゃんよ、あんたらを無傷で返してくれるほど、冥海機の連中は甘い相手じゃないぜ?



……ってな挑発的な言葉で、敵の考える『勝算』なんかを引き出せればグッドだ。

言葉だけじゃなく、反応や表情もじっくりねっとり観察 偵察。

しかしそうか、粘膜が触手と同じ青色の小柄な人外女子……こりゃフルカラー同人誌がはかどりそうな……。

アドリブ、連携歓迎です。


ジェーン・コーネリアス
やぁ、しばらくぶりだね
くっくっ、冥海機じゃなくて残念だったね?
倒すと褒めてもらえるって意味じゃ間違ってはいないか

いきなり襲い掛かられちゃ話もできない
【水面走行】で海面に立ち、のんびりとした態度でポルヴィーナを迎えよう
ここで待ってれば噂に聞く「邪神獣の浮島」が来てくれるかと思ってたけど……やれやれ、そっちはそっちでちょっかいをかけすぎたかな?
見知った顔が来るとはね

しかし、ひのふの……ハワイといえば冥海機の一大拠点だ。君たちも知らないわけじゃないだろう?
いくらヘンリー・ハドソンが率いる精鋭だといってもちょっと人数が少なすぎやしないかい?
ヘンリー・ハドソンや彼の部隊であるポルヴィーナたちを精鋭だと煽て、口を軽くさせよう
聞きたいのは今回こんな少数で来ている理由だ
それを知れればヤ・ウマト側からのエルドラードへの対応や、上手くいけばヘンリー・ハドソンとの対峙にも役立てられるかもしれない



「やぁ、しばらくぶりだね」
 徐々に大きくなっていく白鯨の背に乗るトループスたちは、自身らを出迎えるように悠然と海面に立つジェーン・コーネリアス(pirate code・g10814)に「誰?」とばかりに首を傾げて。
「何? お姉さん。冥海機だってなら命乞いでもしに来た?」
「冥海機だってのも命乞いも、どっちも外れだなぁ。鯨の旦那のお供連中はお初か、あたしは鳩目・サンダー、ディアボロスさ」
 ジェーンに追いつくように現れた鳩目・サンダー(ハッカーインターナショナル同人絵描き・g05441)の名乗り。ディアボロス、その単語にポルヴィーナたちは思わず互いの顔を見合わせた。
「何でこんなところにディアボロスが?」
「こっちにはこっちの思惑があるってことよ……それにしても、ふーん、粘膜まで青いタイプなのね……」
「……何かよく分かんないけど、今すぐヘンリー様呼んできた方がいい?」
「アッ待った待ったこっちの話。切った張ったの前にちょっと用事があるのは確かなんだよ」
 フルカラー同人誌がはかどりそうだ……ポルヴィーナを前に抱いたそんな邪な思惑を見透かされたのか、今だ霧の奥にいるであろうジェネラル級へ向けて声を張り上げるような仕草を見せるトループスたちをサンダーは慌てて制止。いつの時代も悪い大人は幼女の通報仕草に弱いのだ。
 ともあれ。

「ここで待ってれば噂に聞く『邪神獣の浮島』が来てくれるかと思ってたけど……やれやれ、そっちはそっちでちょっかいをかけすぎたかな?」
 話が横道に逸れすぎる前に、ジェーンが軌道修正。
 不意に出てきた単語にポルヴィーナは何度か目をぱちくり。次いで、嘲るような視線と共にべえ、そうやって舌を出して見せて。
「残念でしたーっ、大体、邪神獣の浮島様はコッチには来れないよ。大きすぎるもん」
「ね。ヘンリー様も大きいけど、邪神獣の浮島様にはかなわないよね」
「……おや。それは残念」
 出てきた名詞に敬称が付く意味は何が考えられるだろうか。
 その辺りの話をもう少し突いてみたい気持ちを押さえつつ、当てが外れたな、とばかりにジェーンは帽子越しに頭を一つかく。
 そして、ポルヴィーナたちを指さし数える仕草を交え、解せないと言わんばかりに首を傾げてみせた。
「しかし、いくら君たちがヘンリー・ハドソンの率いる精鋭だといってもちょっと人数が少なすぎやしないかい?」
 ハワイといえば冥海機の一大拠点だ……指摘するその声に、精鋭と言われたのがよほど嬉しかったのかポルヴィーナはドヤ顔と共に薄い胸を張って返す。
「お姉さんだって精鋭だって言ったでしょ。私たちは冥海機なんかに負けないもん!」
「そうそう。霧が小さかったから私たちくらいしか来れなかったけど、ヤ・ウマトの連中なんて私たちでじゅーぶん!」
 ねー、と。互いを見合って笑う幼女風貌へ向けて、そこまで黙っていたサンダーが口を挟んだ。
「そうかあ? その頭数で勝てると思ってんのか? 連中も海戦のプロだってことはあんたらもよーくご存じだろう?
 あたしらの体感じゃあトループス級ちゃんよ、あんたらを無傷で返してくれるほど、冥海機の連中は甘い相手じゃないぜ?」
 ジェーンとは打って変わってこちらを馬鹿にするような態度に、ポルヴィーナの口は自然とへの字を作る。
「そんなの知ってるよ。でもたっくさん冥海機を撃破すれば、排斥力が弱まって、もっと多くの戦力を長い間派遣できるって、モビィ・ディック様が言ってたわ。そうすれば数なんてすぐ揃っちゃう!」
「そりゃいい。もっと大所帯で行って貰った方が、こっちとしては共倒れが狙えて助かるんだがね」
「あんたに言われるまでもないし、勝つのは私たちだもん! だから私たちは、毎日霧を探しているんじゃない。何より、霧が見つかったらヘンリー様とお出かけできるもんね」
「ほぉーん。まあ、まだ来てない『デカブツ』がついてりゃ怖いもんはないかもだけどさあ」
 私たちだって強いんだよ! そんな風にきゃんきゃんと喚くポルヴィーナを適当にあしらうようにしっしと手を振りながら、サンダーは目の前のトループスの言葉を、そして仕草や表情を反芻。
 わずかなやり取りからでも察することが出来るが、少なくとも隠し事が出来るタイプの性格ではないだろう。故に彼女たちの発言を正と見なすのならば――……

(「……なるほど、排斥力」)

 そこに思い至ると。サンダーも、そして隣で一通りの話を聞いていたジェーンも、そんなことを考えた。
 ディヴィジョンの境を越える霧が小さかったから、ヘンリーは僅かな手勢のみでヤ・ウマトへ乗り込んだ……正確には、僅かな手勢しか連れ出すことが出来なかった。
 そして彼が早々に撤収する、という話も排斥力が由来と考えていいだろう。
 考えてみれば、確かにディアボロスとて事件が終わればすぐに新宿島に戻るのだ。侵攻先に長期滞在出来ぬ事情は何処も変わらないはずだ。
 けれど、乗り込んだ先で暴れ回り、ヤ・ウマトの排斥力を落とすことが出来れば、おそらく規模の大きな霧が発生する頻度も高くなる。結果、侵攻先に送り込める戦力規模や活動時間が大きくなれば、それだけヤ・ウマトで出来ることも増えていく。
 エルドラード側はそれを狙い、小規模の霧でも構わず侵攻を続けている……と。
 ハワイ近辺におけるエルドラードとヤ・ウマトの交戦状況を纏めるのならば、そんな風に結論付けるのが妥当であろう。


「……あれ。なんか……余計なこと言っちゃったかな?」
「かもしれない……ディアボロスはずる賢いってよく言うし」
 どうしよう。何やら納得したような気配を見せるディアボロスたちを前に、ポルヴィーナたちは互いに顔を見合わせて。
 余計なことを言ったのがバレてヘンリーに怒られるのも嫌だしなあ……そんなことを考えるポルヴィーナたちが考えること数秒。そこで下した結論は、その幼稚な感情に逆らわない単純なものだった。

「へ、ヘンリー様が追いついてきてない今ならまだ誤魔化せるよね?」
「だよね、だよね!? それに冥海機がいなくたってディアボロスをやっつければヘンリー様も褒めてくれるでしょ!」

 すなわち……死人に口なし!
 いつの間にか速度を緩めていた白鯨の尾が、ポルヴィーナたちの戦意の高まりを受けて再度水面を叩いた。
 状況は改めて待ったなし。
 最早話は聞いてやらないと。ぎらりと獰猛に輝く幼女風貌の瞳がそう告げていた。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【水面走行】LV2が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV4になった!

鳩目・サンダー
アドリブ、連携歓迎です。

わかってねえなあお嬢ちゃんたち。あたしらは、万一鯨の旦那とやり合う事になっても多少は耐えられる自信があるから、ここに来てるんだ。
そっちこそ覚悟は完了してるだろうな?

『オルタナティヴファクト』。
さあヤ・ウマトの前哨戦だ、あたしが見た冥界機の連中を元にした二次創作を見てもらおう。

名の知れたジェネラル級、よく見るアヴァタール級にトループス級が隊列組んで格好良く出陣するシーンだ。

冥界機は甘い相手じゃない、とさっきも言ったよな。根拠はある。あたしの頭の中に、ちゃあんとな。

手加減する理由は無し。仲間の位置関係から大きく敵を包囲する陣形を敷き、内へ内へと押しつぶしていく。
多対一にさえならなければ、あたしらがトループス級に後れを取ることは無い。空間を潰し、退路を断ち、追い込んで狩りつくす。

後に大物が控えてるんだ。焦ったり急いだりして手傷を負わされる訳にはいかない。確実に叩く。


にしても「モビィ・ディック様」ねぇ……ククク、鯨の旦那、どうもキャラが被った同僚がいるみたいだなあ!


 相対する敵の小生意気な表情を見遣り、水上に立つ鳩目・サンダー(ハッカーインターナショナル同人絵描き・g05441)はそこでせせら笑うように声を漏らす。
「わかってねえなあお嬢ちゃんたち。あたしらは、万一鯨の旦那とやり合う事になっても多少は耐えられる自信があるから、ここに来てるんだ」
 そっちこそ覚悟は完了してるんだろうな? サンダーが突きつけた圧の込められた声に、けれどポルヴィーナたちも怯まない。
「覚悟? そんなのが必要な相手なんか、目の前にいないみたいだけどぉ?」
「そんじゃ、お嬢ちゃんたち本来のお目当てが相手ならどうだい」
 剣の代わりにペンを抜き放つ。その挙動をスイッチに、ヤ・ウマトの海がイメージに飲み込まれていく。
 サンダーのペンが宙に線を引いた。
 それが何を意味するのかまではまだポルヴィーナたちには分からない。けれども何か脅威が生まれるとは直感的に判断できたか、何体かのポルヴィーナは迷わずサンダーへピストルを向け、即座に発砲。
 顔面目掛けて飛来する弾丸へサンダーが何か反応を示すよりも早く、弾丸は彼女の目の前で炸裂。中に詰め込まれたタコスミがサンダーの視界を一瞬で黒に塗りつぶしたが、けれど絵描きの指先は止まることを知らない。
「もう、何のつもりか知らないけど、止まりなさいよ……!」
 未だ宙に絵筆を走らせるサンダーを、ならば物理的に止めてやろうとポルヴィーナは白鯨の背を蹴った。
 一瞬のうちに距離が詰まる。斧のように振り下ろされたポルヴィーナの踵はしっかとサンダーの頭部に突き刺さり、けれどうめき声を漏らしながらも、サンダーは握りしめたペンを止めることはしなかった。
「っ」
 飛んでくるであろう反撃に対応すべく、ポルヴィーナは一度後退。白鯨の背に戻り状況を再確認し……そして目を見開いた。
 何故か。気付けばサンダーの隣に、冥界機に似たシルエットの兵士たちが幾人も現れていたからだ。サンダーがずっと描いていたのはこれか……状況からそう確信したポルヴィーナたちは警戒態勢を取る。
「さあヤ・ウマトの前哨戦だ、あたしが見た冥界機の連中を元にした二次創作を見てもらおう」
 ぐい、と目元をぬぐい、そこでサンダーはようやく筆を止めた。
 己の作品を現実世界に展開する。それがサンダーのパラドクス。この場で描き上げた作品は、ヤ・ウマトでの交戦経験を元に生み出された冥界機を模した兵隊たちが理路整然と整列する姿だ。
「冥界機は甘い相手じゃない、とさっきも言ったよな。根拠はある。あたしの頭の中に、ちゃあんとな」
 行きな。その命令に呼応するように、サンダーの生みだした兵士たちが扇状に展開。半円を描くように白鯨上のポルヴィーナたちを包囲したかと思えば、彼女たちが退く判断を下すよりも早く突撃していく。
「何なのよ、もう! 迎撃ーっ!」
 いつの間にか数の上でも有利を取られていたポルヴィーナたちとしては、舌打ちの一つもしたくなる光景だろう。
 次々と殺到するイラストたちに対抗すべく各々の武器を振るうポルヴィーナたちの様子を見遣り、まあ頑張りな、サンダーはそう呟いた。
 乱戦の中、ポルヴィーナたちはよく粘っている。互いが上手く連携し合うことで落としたイラストも一つや二つではない。
 けれど、数に任せたイラストたちの攻勢によって、彼女たちが劣勢に陥っていくのもまた早い。トループス級にこの数的不利を覆せと命じるのが酷だと、それだけの話だ。

「にしても『モビィ・ディック様』ねぇ……ククク、鯨の旦那、どうもキャラが被った同僚がいるみたいだなあ!」

 油断なく状況を観察しつつ、ぽろりとこぼれた敵の言葉を反芻し、サンダーは愉快気に喉から声を漏らした。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【迷宮化】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!

ジェーン・コーネリアス
要はまだ本格的に攻めることはできないってことか。ヤ・ウマトでも仲間たちが大暴れしてるからこれからどうなるかは分からないけど、少なくとも今の状況は頭に入れておこう

それより邪神獣の浮島「様」か
普通に考えて船やら島やらを様付けで呼ぶなんてことはない
本命の情報収集じゃなかったが確信に近い情報を得られた。「邪神獣の浮島」は太平洋を泳ぐバカでかいアビスローバー。そう考えるのが一番しっくりくるね

くっくっ、そうだね
ヘンリー・ハドソンとはやりあって痛み分けに終わった仲だ
僕らの首を獲ったとくればあいつも喜ぶだろう
できればの話だけどね!

右手に「Macha」左手に「Mórrígan」、二振りのカトラスを手に戦闘しよう
前の時と同じで、白鯨に乗った敵部隊か
【水面走行】で水面に立ち、『輝剣薙ぎ』でこっちに突撃してくるポルヴィーナを切り裂き。迎撃しよう
積み重ねた【ダメージアップ】で短期決戦だ。宝箱から生えてこっちを殴打しようとする触手も魔力の刃で切り裂くよ

今回の侵攻はたまたま僕らとカチあった
ま、運がなかったと思うんだね


 その辺のトループスであれば、サンダーが攻勢に出た時点で総崩れになっていただろう。
 けれども、ポルヴィーナたちも根性を見せた。霧の向こうからヘンリーが来るまで耐え凌ぐことが出来れば事態は好転する……そう信じているのだろう。
「気合入れなさいよ! ここを乗り切れば、絶対ヘンリー様が褒めてくれるわよ!」
「くっくっ、そうだね」
 けれど、この場にはもう一人ディアボロスがいた。場の結論を言えば、それが全てだ。
 サンダーの生み出した兵隊たちと共に攻め入るジェーン・コーネリアス(pirate code・g10814)が、両手に携える青と赤のカトラスをギラリと輝かせながら戦場を駆ける。
 まずは牽制と振るわれた右手の青をポルヴィーナは手に持つピストルで受け止め、そのまましばしの睨み合い。
「頑張りたまえよ。ヘンリー・ハドソンとはやりあって痛み分けに終わった仲だ……僕らの首を獲ったとくればあいつも喜ぶだろう」
 できればの話だけどね! 至近距離で獰猛な笑みを見せるジェーンへ、ポルヴィーナが返す表情もまた獰猛なもの。
 やってやろうじゃないか――そんな決意と共にポルヴィーナはいつの間にか足元に転がっていた宝箱を足で小突く。
 その刺激に呼応し開いた宝箱の隙間からにゅるりとタコを思わせる青い触手が何本も現れ、それらはポルヴィーナを守るようにジェーンへと敵意を向ける。
「おっと、」
 迫る触手に殴打されるよりも早く、ジェーンはピストルを押し出すように弾いて鍔競り合いを強引に中断。後ずさるポルヴィーナに代わるように飛来してくる触手たちを両手のカトラスで切って捨てた。
「このっ、触手はまだ何本だってあるのよ!」
 二の矢を継ごうと再び宝箱を小突くポルヴィーナ。その姿にジェーンの口元が苦笑のような形を作る。
「後ろで武器を操る状況でも気を抜いてはいけないよ」
 何せ、戦場に安全なところなどあるはずがない。嗜めるような言葉と共に、ジェーンの持つ二本のカトラスが突如その刀身を伸ばした。
 カトラスに帯びた魔力を凝縮させることでリーチを伸ばした……目の前で起きた現象にポルヴィーナはそう推測するのだが、自身に届く刀身を前に、青髪の娘の動きはワンテンポ遅れた。
 そしてジェーンにとっては、その一瞬があれば十分だ。
 二刀が水平に流れる。赤と青の輝剣はその輝きを空間に刻み、その進路上のポルヴィーナを容赦なく捉えると、そのまま彼女の身体を三つに断ち切った。
「あ……」
 言葉も残せぬままポルヴィーナの体が海へ落ちていくのを確認し、ジェーンは一度ディヴィジョンの境たる霧の方へ視線を向ける。
(「要はまだ本格的に攻めることはできないってことか」)
 今回の戦力規模の小ささはそう断定していいだろう、と改めて思う。
 ヤ・ウマト側も他のディアボロスの活動が続いている以上、今後の状況は読み切れない所があるが、現状を頭の中に置いておいても損はあるまい。
(「それより邪神獣の浮島『様』か」)
 本命の情報からは外れた要素ではあったが、ポルヴィーナたちとの会話から得られた単語も気になる所だ。
 普通に考えて船やら島やらを様付けで呼ぶなんてことはない。
 であれば、邪神獣の浮島とやらは何らかの人物……太平洋を泳ぐ巨大なアビスローパーであると。そう考えるのが一番しっくりくる。

 そんなことを考えている最中、視界の端で蠢く何かが飛んでくるのをジェーンは察知。
 カトラスを盾にそれを受け止めれば、残っていたポルヴィーナは舌打ち一つ、仲間の仇だと言わんばかりにジェーンを狙う触手の数を増やした。
「ま、運がなかったと思うんだね」
 その光景を前に一言そう吐き捨て、ジェーンは敵を迎撃すべく更なる攻勢に出るのであった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【水面走行】がLV3になった!
効果2【ダメージアップ】がLV5になった!


「……予想外の大物が釣れたようですね」
 霧を抜けてヤ・ウマトの海に乗り込んだ『ヘンリー・ハドソン』が最初に零した感想は、それであった。
 彼の目に映ったのは、奮戦空しく最後のポルヴィーナがディアボロスに貫かれ、海へ落下していく光景だ。
 少しばかり自分たちで頑張ることを覚えてもらおうとあえてゆっくりヤ・ウマトへ乗り込んだのだが、どうやらそれは完全に裏目に出たようだ。
 以前の襲撃も結果的には乗り切られた訳だ。ディアボロスの力量は、どうやら本物のようだと。それを認めない訳にはいかないだろう。
「……やれ。トループスの替えは効きますが、それなりの練度まで仕立て上げるのは中々骨なのですよ。どう落とし前を付けてくれるのですか?」

 愚痴交じりの声と共に、敵意の塊たる視線がディアボロスへ向く。
「あまり長居はできませんが、少しだけ仕返しをさせていただきますよ、ディアボロス」
鳩目・サンダー
眠たい事言ってんじゃないよ旦那。
こっちはあんたに艦隊をぶち壊されそうになったの忘れちゃいない。
今度はあんたがこっちの網にかかったから、ぶち壊しに来ただけだ。

しかしなるほどねえ、霧が小さいと出入りも不自由する、か覚えておこう。それにヤ・ウマトもそれなりに搾り上げた筈なんだが、あんたを拒絶出来るぐらいにはまだ排斥力があるってことも。

……余力を残しての撤退って事か。超大和め、結構な狸爺だな……。

……倒せると思っちゃいない、と言いたいところだが。
『供回りが貧弱な大幹部』なんてチャンスがこれから何度もあるとは思わん。
どうせ手加減なんぞ出来る余裕はない、ここで沈めるつもりでやる。そのぐらいしないと実力は測れねえ。

リアライズペイント。分かりやすくこっちは黒塗りにしようか。略してG.T.Bだ。

曲がりなりにもマッコウ勝負してくれるんだ、一挙手一投足見逃さないぞ。
観察し、偵察し、より精度高くより強力な化身をアウトプットする。何度でもな。

アドリブ、連携歓迎です。


「眠たい事言ってんじゃないよ旦那」
 突きつけたペンの先に剣呑を宿し、鳩目・サンダー(ハッカーインターナショナル同人絵描き・g05441)が向けた言葉に、ヘンリーは「ほう」、そう一言漏らして。
「こっちはあんたに艦隊をぶち壊されそうになったの忘れちゃいない。今度はあんたがこっちの網にかかったから、ぶち壊しに来ただけだ」
「成程……けれどあなた方の事情など知りませんよ、小さなディアボロス。
 一度負けたものが頑張っている、その気概は認めて差し上げますが、だからと言ってこちらの損失を飲み込めと?」
 嘲る声と共にヘンリーは一度ヤ・ウマトの海に沈んだ。水音すら立てない、一瞬でも目をそらしていたら消えたと錯覚してしまうような速さの挙動。
(「……しかしなるほどねえ、霧が小さいと出入りも不自由する、か。覚えておこう」)
 対抗すべくサンダーは中空に絵筆を走らせながら、すぐに生じるだろう攻防の前に、一瞬だけ思いを巡らせる。
 ポルヴィーナたちは侵攻の指針と為した霧が小さいと語っていた。それはまだヤ・ウマトというディヴィジョンが力を持っている証左であろう。それこそ、今相対している大鯨を拒絶できる余力がある程度には、だ。
(「……余力を残しての撤退って事か。超大和め、結構な狸爺だな……」)

 ともあれ。そこでサンダーは敵の対処に意識を回す。
 倒せるなどとは思っていない……とでも言えば格好も付くのかもしれないが、大幹部の周囲に配下がいないこのチャンスが今後転がってくるとは思わない。
 今ここで沈めてやる、その気概を持ってやらねば実力を測ることすら出来ない筈だ。
 故に。
「凄ぇ!! G.T.B.!! ――なんてな」
 中空に描かれた黒塗りの大鯨が、己の存在を誇示するように強く高く吠える。
 行きな。サンダーの呼び声に応えるように、描かれた黒鯨は海中に潜むヘンリーを追うように水中へと潜っていった。


 成程面白い。
 海中に潜む己を追ってきた、己を模したような黒い鯨を前にヘンリーが思ったことは、それである。
 パラドクスで描くならばヘンリーと同等サイズの再現を行うことは確かに可能だろう。
「ですが、」
 愚直に獰猛にぶつかり合いを挑んでくる黒鯨に対抗するように、ヘンリーもまた尾びれで水中を蹴り、加速。
 ゴ。水中でなお高く響く衝突音……一瞬の拮抗の後、インキを水に溶かしたように海中に溶けていったのは、サンダーの描いた黒鯨の方であった。
 攻勢に満ちた意志は相手がトループスくらいの物であればそのまま呑み込んでしまえるのかもしれないが、今回はジェネラル級という存在が相手である。耐久力にせよ攻撃力にせよ、普段相手取る存在とはまた異なるアプローチが必要になってくる。
 真正面からのぶつかり合いによって生まれたダメージは決してゼロではない。けれど、まだヘンリーという存在にとっては許容範囲内の物。
 故にこの場はヘンリーの地力が押し出される形となる。
 身じろぎしたジェネラルの体表から剥がれ落ちた皮膚片が次々と宝石の輝きを持つ物質へ変質していく。
 次々に海上へ吹き上がっていくそれらに対し、避けるか防ぐか、サンダーの判断は一瞬遅れ、そしてそれはこの場において致命的と言って良いほどの隙となった。
「っち!」
 ばら撒かれる宝石の弾幕の展開速度は一瞬。
 その一瞬で全身を撃ち抜かれたサンダーはたまらず倒れ込むように海へその身体を身体を投げ出していって。

 けれど。

(「……覚えた」)
 同人絵描きの口元が笑みに歪む。この一撃すらクリエイターにとっては芸の肥やし。
 観察し、偵察し、より精度の高い一撃を。
 次のアウトプットはこうはいかない――そんなことを思いながら、サンダーの視界に水が満ちていった。
善戦🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【液体錬成】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV2になった!

アンドリーニャ・エストレーラ
おお、怖い怖い
それじゃ、こっちもヴァカンスの邪魔をされた腹いせを少しだけね
大物ってのはディアボロスの事かい?
あんたに大きく見られるとは、ディアボロスも株を上げたもんだ

気を抜いてやりあえる敵じゃないのはわかってるよ
私達を襲ったアビスローバーに、憎まれ口の一つくらいね
味方から離れすぎないように【水面走行】で戦おうか
【フライトドローン】も低空に大量に出して足場に使う

ダメージアップと反撃アップで手堅くやりあおう
「ラブラドルの荒波」でハドソンが海中に潜ったら、ドローンに上がって居場所を隠して
上から巨体の影の動きや波立ちの変化をみて、宝石状の物体を避ける
残りは≪El Dorado≫で弾く
海から宝石を噴射する揺らぎを見逃さない
海中に敵影を見つけるか、巨体を晒したら≪テレキネスシュート≫でカトラスを飛ばして突き立てる
背中にある山や目玉でも狙おうか

エルドラードの海へ帰りな
今度は逃げも隠れもしないから
決着はそっちでつけるまで、お預けだね

教えないけど、ヤ・ウマトの海で再戦だと笑えないね
アドリブや連携は歓迎だね


(「まだ海上をうろついている者がいますか」)

 海中を自在に泳ぎ回りながら、ヘンリーはディアボロスの敵意がまだ止んでいないことを察し、再度身震いを一つ。
 剥がれ落ちる表皮が次々に攻勢の意を込めた宝石に変わっていくのを確かめ、クン、と大鯨は顎をしゃくるような挙動。
 その仕草に合わせて、海上のディアボロスを撃ち貫くべく数多の宝石たちが海を昇っていって――……


 翻って海上。視覚ではなく感覚で狙われていると。そう察したアンドリーニャ・エストレーラ(碧海のセイレーン・g10892)は残留効果によって生み出されたいくつものドローンの内一つに飛び乗ると、その緑色の眼で海面を静かに凝視する。
 大物、と。海中に潜む大鯨はこちらを捕まえてそう言った。あれほどの相手にそう評されるとは、ディアボロスも随分と株を上げたものだ。
 そんなことを考えながら飛来する攻撃への備えを進めるアンドリーニャであるが、遮蔽物も何もない海上では少しばかり心もとないのもまた事実か。
 居場所を隠し狙いを逸らしたい意図はあれど、ドローンに乗った程度ではこの海上で姿を隠したことにはならない。
 それを示すように、コンマ一秒ごとに大きくなっていく水中から迫る何かは正確に自分の乗っているドローンの周囲を包囲するようにその圧を増していく。
「おお、怖い怖い」
 その一言で覚悟を固め、周辺に満ちる想いの残滓を取り込み力とする。

 ――来る。

 ギラリと陽光を受けて輝く水中にそんな思考が頭をよぎるよりも早くドローンを蹴る。その挙動でアンドリーニャは即座にその場を離脱……しようと試みたが、それにすらも鋭く反応した数多の宝石たちが、散弾銃の如き勢いで次々にセイレーンの浅黒い肌を貫いていく。
「やってくれるじゃないかい」
 遅れてやってきた一つ二つを黄金のナイフではじきつつ、気付けのように言葉を漏らす。己の意志で声を出せればまだ動けると。その意思に従うように右手のカトラスを握る力は緩まない。
 体中に開いた穴から零れる血に構わず、碧海の瞳は鋭く海へ視線を注ぎながら、手元のカトラスを振りかぶる姿勢。
 ヘンリーの攻勢によって波立つ海。エルドラードを生きてきたセイレーンはその荒れた潮目を正確に読み切り……投擲。
 刺し貫く。その一念と共に投げ込まれたカトラスは水の抵抗を物ともせず……むしろ刃自身が泳いでいるように、海中で更なる加速を続けながらヘンリーの姿を捉えた。
「ほう……!」
 海中で、思わずヘンリーが唸る。
 飛来するカトラスは複雑怪奇な軌跡を描きながら大鯨へ飛来すると、その背にそびえる山の麓へ深々と突き立てられた。
 それは生まれた痛みへの驚きと言って正しいだろう。その一撃を受けたことで、ヘンリーの口元から漏れ出る気泡の数が増した。

 時間にして数秒後、その場から一度距離を取ったアンドリーニャは、大波を巻き起こしながら海上へ姿を現したヘンリーを前にからりと笑みを漏らした。
「痛かったかい? こっちもヴァカンスの邪魔をされた腹いせを少しだけね……さ、気が済んだらエルドラードの海へ帰りな。
 今度は逃げも隠れもしないから、決着はそっちでつけるまで、お預けだね」
「痛さの度合いで言えば、あなたも大概だとは思いますけれどもね」
 対するヘンリー。ディアボロスへ向ける敵意はまだ緩まない。数多の宝石に撃ち抜かれ全身から血を溢す女の姿に何を余裕ぶっているのだと笑うような気配を見せて。
「何より。私が引き上げるか否かは少なくとも、あなた方の都合ではない」
 私としてもまだまだ暴れ足りていませんからね……そう言ってのけるヘンリーが次なる攻撃の気配を見せるに応じて、アンドリーニャもまた再度身構えた。
善戦🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【フライトドローン】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】がLV6になった!

ジェーン・コーネリアス
くっくっ、「そうだ」といったらどうするんだい?
海賊の流儀なんてそんなものだろう
服従か死か。その二択に相手への配慮なんてあるわけがない
損失を呑み込めないっていうなら仕方ないさ
君の首もここに置いていってもらうだけだ!

片手にカトラス「Macha」、もう片方の手にピストル「Nemain」を持ち【水面走行】で海上に立って戦闘を行おう
艦砲による制圧射撃を避けながら海を駆ける
【ガードアップ】と【反撃アップ】で傷を減らし、致命的な攻撃を受けて行動を止められないようにしよう
あの砲も船と同じ搭載のされ方みたいだね、そうなると構造上正面に撃てるようにはできていないはずだ
あの巨体の正面に出ることにはなるが、いい度胸試しだ
ヘンリー・ハドソンの正面に回り込むようにして正面衝突するようにして接敵
すれ違いに【ダメージアップ】を重ねた『海嵐の極み』によるカトラスとピストルのコンビネーションを叩きこもう
そっちもその気なら話が早い
強い方が弱い方から全て奪う、分かりやすいね!


リューロボロス・リンドラゴ
やる気満々だの、ジェーンよ。
ぬし程の者が痛み分けであったと語るヘンリー・ハドソン。
成程、相手にとって不足なしよ!
我は龍、我こそはドラゴン。リューロボロス・リンドラゴ也!
少しの仕返しとやらの代金は安からぬものと知れ!
【水面走行】&【水中適応】で海戦よ!
龍が泳ぐは空だけではない、海もまた征するのだ!

――幼子よ、健やかに育て。未来護るは竜である。

左右の砲からの制圧射撃にカウンターの登竜門を合わせようぞ。
激しき滝を登る鯉のように、砲弾の嵐を遡ってくれるわ!
よもやよもや自らが撃つその方向から飛び込んでくるとは思うまいよ!
無論我とてただではすまぬであろうが、我が龍鱗と護りの加護(ガードアップ)で見事乗り切ってくれるわ!
くはははははははは!
全身が痛かろうが笑い飛ばそうぞ!
そのまま砲口が開きっぱなしの砲門に飛び込み貫いてやれば、堅牢なるヘンリー・ハドソンにもダメージを与えてやれるのではないか?
他の部位よりは脆かろうよ!
何にせよ今回は仕留めきれぬのは承知の上よ。
精々エルドラードにて首を洗って待っておれ!


「『こちらの損失を飲み込めと?』、そう言ったね、君」
 手負いのアンドリーニャへ向けてヘンリーが更なる攻勢に出る直前、横合いからジェーン・コーネリアス(pirate code・g10814)の声が響く。
 選手交代を告げるその声に、ヘンリーは視線と意識をそちらへ。「くっくっ」、視線の先、海賊風貌の女は帽子を押さえる仕草と共に喉奥で笑い声を漏らして。
「『そうだ』と言ったらどうするんだい? 服従か死か。その二択に相手への配慮なんてあるわけがない。海賊の流儀なんてそんなものだろう」
「……違いありませんね」
 挑発的なその声に、ヘンリーもまた笑みを以て返した。良く吠えた、そう称えるような、命知らずを嘲笑うような、そんな声色。
「ですが、私はこうも言いましたよディアボロス。あなた方の事情など知りませんよ、と。手を出したのはそちらでしょう……ならば私が力を振るう理由は十分では?」
「それも違いない話だね。ま、君が損失を飲み込めないって言うなら仕方ないさ」
「ええ、あなたが落とし前を付けるつもりがないというのもまた仕方がない」

「「君(あなた)の首もここに置いていってもらうだけだ!」」

 交錯する視線が孕む互いの害意が、その瞬間、弾けた。


「やる気満々だの、ジェーンよ」
 ジェーンの背後からかかる声。振り返らずともわかる。幼き女の姿をした竜……リューロボロス・リンドラゴ(ただ一匹の竜・g00654)。
 彼女はジェーンの背中越しに大鯨の姿を見遣り、フンと鼻で息を漏らす。ジェーンほどの者が痛み分けに終わったと語るクロノヴェーダが目の前にいる。
 成程、相手にとって不足なし。
「我は龍、我こそはドラゴン。リューロボロス・リンドラゴ也!
 少しの仕返しとやらの代金は安からぬものと知れ!」

 ヤ・ウマトの海に朗々と響き渡るその宣戦布告に返ってきた物は、ジェネラル級の大鯨による熾烈な砲撃であった。
 問答無用とばかりにヘンリーはディアボロスへ側面を向け、艦砲から次々に砲弾を吐き出していく。
「さて、どうする? ジェーン」
「正面を押さえるよ。あの砲も船と同じ搭載のされ方みたいだ。そうなると、構造上正面に撃てるようにはできていない筈だ」
 数多の砲撃によって巻き上がる波と衝撃を残留効果によって凌ぎながら、二人のディアボロスは水上を駆けるように移動を始める。
 逆説連鎖戦において射線を切った所で完全に攻撃を防げる訳でもない。その気になれば撃った砲弾の軌道を捻じ曲げるくらいはやってくるだろうが、それでも通常の使い方が出来ない状況を作れば付け入る隙も増えるというものだ。
 しかしヘンリーとてそこは承知の上か。回り込むような動きを見せるディアボロスに追従するように海を泳ぎ回りながら砲撃の手を緩める気配はなく、中々正面を押さえることが出来ないでいる。

「……ちとやり方を変えるか」
 そこでリューロボロスは正面を取ろうと移動を続けるジェーンと別れ、未だ続く圧倒的な量の砲撃を遡上するようにヘンリーの側面へ向けて突撃していく。
(「成程。一人を囮にもう片方の攻撃だけでも通そうと?」)
 次々に撃ち込まれる砲撃によって巻き上がる荒波をぶち破るように最短距離をひた走るリューロボロスに対してヘンリーは内心で嘲笑いながら、小さき竜の娘へ向かう砲撃の勢いを強めていく。
「くはははははははは!」
 対する登竜、徐々に大鯨との距離を詰めながら呵々と笑った。
 砲撃を避けられている訳ではない。そして彼女を覆う竜鱗の硬度があれど効いていない訳ではない。
「――幼子よ、健やかに育て。未来護るは竜である」
 それでも、滝を昇る鯉のように。
 砲撃によって目の前に生じた爆炎へ、小さな竜は自分から飛び込んでいく。焔が身体を焼いていく痛みすらも口元を歪め笑い飛ばし、そのまま彼女は宙を蹴ってさらに加速。
「ここは他の部位よりは脆かろうよ!」
 全身を焼け爛れさせながら踏み込んだ相手の懐……すなわち、砲撃を繰り返し開きっぱなしになった砲門からヘンリーの体内に潜り込み、リューロボロスは全力で握りこんだ拳を砲内へ叩きつけた。

「――ッッ!!?」

 ゴ。と。周囲の海域に響き渡る、鈍く大きな音。
 ヘンリーからすれば、堅牢な皮膚を介さず体内の肉を直接ぶん殴られたようなものである。
 その一瞬、声にならない悲鳴と共に大鯨の動きが確かに止まった。
 が……
「……全く。ディアボロスという存在には頭のネジが外れたような者しかいないのですか?」
 それでも、そこで痛みに悶えるだけの輩はジェネラルなんて名乗ることはできない。
 動揺を呆れでコートしたような声と共にリューロボロスが潜り込んだ砲の中で何処からともなく次弾が装填される気配。
 砲から脱出する暇などある筈がなかった。砲内で何か動きを見せるよりも早く、焔が爆ぜる気配。
 超至近距離でジェネラルの力の塊を浴びたリューロボロスが全身を焼き焦がしながら弾丸と共に外へ排出され、そのまま海へ沈んでいく。

 けれど、リューロボロスの手によって、確かに一瞬砲撃は止まった。
 繰り返そう。通常の使い方を塞いだところで逆説連鎖戦において攻撃が止むことは無いけれど、それでも付け入る隙は増える筈だ。
「頭のネジが外れたやつしかいない……その評価に対しても『そうだ』と言ったらどうするんだい?」
 それまでさんざ砲撃による足止めを食らい正面に回り込めないでいたジェーンが、気付けば己の鼻先から少し離れた場所に立っている。
「君の正面に立つことにはなるが、いい度胸試しだ」
「……度胸試しで命を散らしても何にもなりませんよ、ディアボロス!」
 だが、そこに立てたとて何も変わることは無いと。ヘンリーは眼前の小さな存在の動きを酔狂の類と笑うしかない。
 それまでの制圧砲撃によってあちらこちらに傷を負う女を曳きつぶすべく、ヘンリーは尾びれで波を蹴り猛進を駆ける。
 対するジェーンは赤のカトラスと白のピストルを携え水面を蹴って、真正面からの突撃。特攻じみたその動きを受け、ヘンリーの脳裏にリューロボロスの度し難い行動がチラついた。

 結果論ではあるが、それすらも取り込むべき勝機の一つだ。

 それは互いに気付かぬくらいの変化でしかなかった。けれど、小さな竜の動きが頭をよぎった大鯨の突撃速度が、ほんの僅かに鈍ったのは事実だ。
 大鯨の側面に備え付けられた砲門がその砲口を可能な限りこちらへ向けているのが見える。それが曲射を以て己を捉えるよりも早く右側面へ跳ぶ。
 すれ違うように監視者と大鯨は交錯……するよりも早く、血色の魔力を帯びたカトラスの刃が大鯨の古傷目掛けて突きこまれた。
 しゃらくさいとばかりにヘンリーは大きく身震い。物理的にジェーンを弾き飛ばそうとするが、それよりも早く女は突き立てられたカトラスの柄を蹴って自らその場から離脱。
「剣と弾、好きな方で斃れていきなよ!」
 コンマ一秒の合間に、六つの銃声が重なる。構えられたピストルの高速連射はヘンリーの肉体に吸い込まれるように消えていき、叩きこまれた衝撃を前に、大鯨は苛立たし気に身体を振り回し周囲に大波を巻き起こす。
 突き刺さったいくつもの弾丸もまた、大鯨の命へ至るまでは届かない。
 それでも手応えはあった。
 積み重ねていけば、いつか必ず捕鯨は成る。その確信をピストル越しに得たジェーンの口元は、知らずの内に獰猛な笑みを形作っていた。

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『リューロボロス・リンドラゴ(ただ一匹の竜・g00654)は重傷を負った』
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成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【一刀両断】LV1が発生!
【水中適応】がLV2になった!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
【ガードアップ】がLV2になった!


「……はは、お見事。そう評させていただきましょう」
 もう一度全身を震わせることで身体に突き刺さった幾本かの刃を振り落とし、ヘンリーはそう笑った。
 この程度ではまだ終わらないと。もっと己を楽しませてみせろと。そんなことを言いたげな気配。
「ですが、この程度ではまだまだ――……」
 戦いの中で生まれた高揚感を交えた声は、けれどそこで、不意に小さくなっていく。

 何故か。
 ヤ・ウマトの海に満ちる霧が、不意に濃くなり始めたからだ。
 霧を超えてエルドラードの勢力はヤ・ウマトの海に乗り込んだ。
 ならば、エルドラードへの帰還を知らせる事象もまた、ディヴィジョンの境に生まれる霧なのだろう。
「……やれ。ここからが楽しい所だというのに。残念ながら時間切れのようですね」
 瞬く間に霧に呑まれ、徐々にそのシルエットを失っていく大鯨は、最後に視線を直前まで刃を交えていたジェーンから外し、少し離れた海面へ向ける。
 そこには、ヘンリーとの攻防で海に沈んだリューロボロスやサンダーを抱えて浮上するアンドリーニャの姿がある。
「そこの彼女ではありませんが。いずれまた、エルドラードでお会いしましょう」
 その時が決着となれば良いのですが……そんな言葉を残し、霧の中に呑まれていった鯨の姿は、今度こそ完全に姿を消していった。

 ヤ・ウマトの海が夏の日差しを取り戻したのは、そのしばし後、霧が晴れてのことであった。

最終結果:成功

完成日2024年08月01日