リプレイ
●推察
時先案内人の情報を元に、まず調査に乗りだしたのはアーデルハイト・ベールケ(サイボーグの航空突撃兵・g03315)。
下総国を制圧したことで、【飛翔】して空から調査しようか悩んだものの、
「潜伏する敵に見つかって、隠れ場所を移されたら厄介よね。まずは情報を整理しようかしら」
キーワードは『印旛沼』『吉高の山桜』『横穴』だろうか?
アーデルハイトはまず、現代の印旛郡に属する地域を、最終人類史の地図で確認してみる。
「まず印旛沼は……あら、北印旛沼と西印旛沼? 二つあるのね」
現代の印旛沼は『江戸時代』から、利根川の増水を受け止める役割を担い始めており、
『戦後(近代)』の干拓事業により、北の増水時は西を経由し、東京湾へ排水するよう流出方向を変える仕組みに改良された。
つまり、最終人類史と天正大戦国では、“やや地形が異なる”のだ。
(「印旛沼だけだと的が大きいのね、じゃあ“吉高の山桜”に当たりそうなスポットは――」)
地図に載るほどのものは、ひとつだけ。北印旛沼と西印旛沼のちょうど中心。
――それは『吉高の大桜』と表記されていた。
樹齢400年を超える、孤高の一本桜。
国花として親しまれる“ヤマザクラ”が、現代にも残っているという。
「ここに“桜が咲いてる”なら……この周辺、かなりキナ臭くない?」
あとは足を使って調査しようと、アーデルハイトは地図をバッグにねじこみ、移動し始める。
初夏の陽気を涼ませる風が、下総平野を吹き抜けていく。
善戦🔵🔵🔴🔴
効果1【飛翔】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
野本・裕樹
武蔵国も下総国も徳川家康の居る下野国と最終人類史の間にある令制国、最終人類史の安全を考えるならこの地の平定を疎かには出来ませんね。
地図の表記からすると『吉高の山桜』は最終人類史の『吉高の大桜』の1582年当時の姿なのでしょうか?
まだ奪還されておらず『平安鬼妖地獄変』出身の私は実物を見たことがありませんが、いつか本物を見てみたいものですね。
この時期だと花は散って葉桜なのでしょうね、まずは地図の場所付近まで行ってみましょう。
この後のことも考えると潜伏している敵に見つかりたくありません、【光学迷彩】を使用し物陰に隠れながら慎重に周囲を探ります。
確か潜伏しているのは『横穴』でしたね、闇雲に探るより『横穴』のありそうな傾斜のある地形辺りを中心に探ってみた方が良いかもしれません。
無事に天魔武者に見つかることなく潜伏先を発見出来ると良いのですけれど。
●特定
先の調査報告を確認し、野本・裕樹(刀を識ろうとする者・g06226)も現地入りする。
(「武蔵国、下総国……そのどちらも、下野国と最終人類史に挟まる立地です」)
不穏分子を取り残したまま、戦線を拡大させてしまうと、思わぬ一撃をもらうかもしれない。
平定する重要性を再確認しながら【光学迷彩】を発動し、裕樹は“吉高の山桜”があるだろう地点へ移動していく。
季節はすでに夏に入り、大桜は淡い桜花を散らし、瑞々しい葉桜で茂っていた。
「これが1582年当時の姿、なのでしょうか? 本当に立派な桜ですね」
現代では『樹齢400年を越す』とされているが、年輪――樹木の断面――を確認しない限り、正確な樹齢は把握できない。
あるいは、歴史の改竄による“偶然の産物”かもしれない。とにかく、大きな桜は確かにある。
いつか本物の大桜を……そう思いつつ、裕樹が茂みの中から、周囲に視線を巡らせた。
(「確か『横穴』に潜伏している、ということでしたね。闇雲に探るより、横穴のできやすい地形を探ってみますか」)
鬱蒼と生い茂る木々の間を縫って進む裕樹だが、“それ”が目につくのは無理からぬことだった。
「これは、断崖……ですね」
断層がくっきり見える土の壁を遠目に見て、裕樹はいっそう周囲に気を張る。
微かな音も聞き逃さず、潜める息も聞き漏らさず……根気強く、足音を殺して探った末。ついに捉える。
「――代女様、異常は――……」
「では、偽装工作を――……」
遠巻きにあり、会話の内容はよく聞こえない。
しかし、断崖に生じた天然の穴蔵から、天魔武者の姿を現す瞬間を、裕樹は見逃さなかった。
(「ここにいましたか! 確かに、これだけ天然資源が豊富なら隠れやすいでしょう……しかし」)
見つけた以上、逃しはしない。
裕樹は安全地帯まで踵を返し、発見場所の共有を急ぐ。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【光学迷彩】LV1が発生!
効果2【ダブル】LV1が発生!
七田・ナナ
(トレインチケット)
●奇襲
七田・ナナ(エンジョイガール・g05125)は自然環境に馴染むべく、派手なピンク髪をフードに隠し、茂みの中へ身を潜めていた。
(「ウチも“先輩”達をお手伝いするッスよ!」)
天魔武者・伊賀忍者は、望月千代女の指示を受け、なにやら隠れ処に細工していたらしい。
そのため『身を潜める横穴から出入りしている』と報告書にある。
(「スニーキング・ミッション、ッスね。一体ずつ、確実に仕留めるッス」)
手勢が少ないこともあり、千代女は偽装工作を急がせているようだ。
伊賀忍者を二手に分かれて行動させ、資材集めを優先している――ナナは一方を尾行し、完全に別れるまでの機を窺う。
「蔓や草葉、笹も土台に使えよう」
「落ち葉も集めろ、とのことだが……何に使われるのだろうな?」
すでに関知されているとも知らずに、伊賀忍者が資材を集め始める。
(「今ッス!」)
その機に乗じて、ナナは《リアライズグラフィティ》を発動し、アメコミ風のサムライを宙に描きあげた。
『SLAAASHH!!』『Break!』と効果音や集中線も加えて、音もなく飛びだしたサムライが、伊賀忍者へ豪快に斬りかかる。
「ぐぁ!? よもや、ディアボロスか!?」
不意の一撃をまともに食らうが、もう一体の伊賀忍者が大量の霧を発生させて、隠れるナナの視界を封じながら一撃。
物陰から飛びだし、ナナは弱った伊賀忍者にトドメを刺して、残るもう一体に新たなアートを披露する。
「先輩らの目からは逃げられないッスよ!」
善戦🔵🔵🔴🔴
効果1【液体錬成】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
野本・裕樹
無事に潜伏場所を発見出来ましたね、恐らく天魔武者にはまだ気付かれていない筈。
隙を突くならば今でしょうか。
会話の内容はよく聞き取れませんでしたが、天魔武者の立場になり考えれば次は横穴を発見しにくくするために入口の偽装工作を行うでしょうか。
警戒が緩む瞬間を狙って奇襲を仕掛ける方針でいきましょう。
【光学迷彩】で隠れて奇襲の機会を探ります、偽装工作の途中で休憩など気の緩みそうな瞬間を狙い目としたいです。
使う刀は《妖刀『鐵喰』》です、妖刀の斬撃にて発生させた竜巻を放って攻撃します。
思い切りよく、一度仕掛けると決めたなら【先行率アップ】で『伊賀忍者』たちの迎撃態勢が整う前に奇襲で一気に仕留めましょう。
反撃の目くらましからは《散風刃・金雀枝》の竜巻で霧を吹き飛ばすか断崖を背にすることで攻撃してくる方向を限定させての対応を試み、妖刀で受けて刀の勢いを殺そうとします。
逃がしはしません、貴方方が何を企んでいようと此処で阻止します。
●機先
野本・裕樹(刀を識ろうとする者・g06226)も【光学迷彩】を使用し、自然環境に溶け込みつつ、別れた伊賀忍者を尾行しているところ。
「今は青々と生い茂った緑も多い、秋頃には自然な枯れ葉に姿を変えよう」
「ディアボロスには辛酸を嘗めさせられているが、望月殿の御言葉も尤も。今は身を隠す支度を急がねば」
……という話をしているが、すでにディアボロスに居場所を特定されている。
(「あの様子ではまだ気付かれていませんね。合流される前に、この場で仕留めましょう」)
おそらく望月千代女の狙いは、『横穴を発見されにくくする為の偽装工作を行い、時間稼ぎをすること』だ。
裕樹があちらの立場なら、そうしていると考えた。
しばし様子見していた裕樹だが、千代女に急かされているのか、休憩する気配がない。
代わりに“資材集めに集中している”状態だ、つまり周囲への警戒心が薄くもある。
(「さすがに都合よく事は運びませんか、これでは時間を費やす一方ですね」)
時間を費やすほど、ディアボロスの痕跡に気付く可能性が増していく。
気付かれたが最後。再び隠れ場所を変えてしまう――であれば、仕掛け時は“今”だろう。
妖刀『鐵喰(かねばみ)』の柄に手を伸ばし、裕樹はその場で勢いよく抜刀。
刃を抜くと同時に《散風刃・金雀枝(サンフウジン・エニシダ)》を発動。
十字の疾風が竜巻に変貌し、伊賀忍者らに襲いかかる。
妖気を纏う刃旋風は、無防備な伊賀忍者らに無数の傷をつけ、その一撃を受けた伊賀忍者らは明らかに動揺している。
「ディアボロスだと!? もう我らの所在を明らかにしたとは!」
「彼奴ら、真に千里を見通す眼を持っているのか!?」
慌てふためく様子を前にしても、裕樹が手を緩める理由はない。
「逃がしはしません、貴方方が何を企んでいようと――此処で阻止します」
再度、竜巻は樹林を巻き込みながら、伊賀忍者らを激しく斬りつける。
清潔――正しく、清らかな世に不穏分子は不要。
反撃する隙も与えることなく、不浄を祓う風に伊賀忍者らは一掃され、集めていた資材もその場に散乱する。
「……これで手下はいなくなりましたが、“最後の一人”は彼らより警戒しています」
望月千代女。
手勢の戻りが遅ければ、彼女は“原因”に気付くだろう。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【クリーニング】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!
●歩き巫女
ディアボロスが件の隠れ処まで、息を潜めて接近していく。
だが、望月千代女も“非常事態”に気付いたようだ。
「疾く集め、疾く戻れ――そう指示した者が誰一人、戻らぬ。私の指示に背くなど有り得ぬこと」
穴蔵から姿を現し、望月千代女は手にする鈴をシャンと鳴らす。
「気取られた以上、この場は放棄せざるを得まい。……もう何処ぞに潜んでおるのだろう、ディアボロス?」
眼球型のドローン群が、千代女の周囲を飛び始める。
閉ざした瞼の代わりに見通す。あれこそ、望月千代女の“天眼通”というべきカラクリ。
「今度は、我が眼で見抜いてくれる。もはや好き勝手にできると思うでないぞ」
野本・裕樹
警戒する『望月千代女』はディアボロスの存在には気付いているでしょうが、その正確な位置まではまだ把握していないはず。
眼球型のドローンにこちらの位置を特定される前に仕掛けましょう。
【光学迷彩】に【平穏結界】で仕掛けるその瞬間まで発見されないように努めます。
使う刀は《飛妖刀『霊花』》、パラドクスで分裂した回転する刃を放ちましょう。
『霊花』に加わり私自身も接近して攻撃を、ドローンによる警戒に対して同時多方向からの攻めで『望月千代女』を崩すことを狙います。
ドローンのおかげで見えるが故に反応させ、察知した攻撃への対応を強いることが出来るでしょうか。
その目の良さを利用させてもらいます。
ドローンによる包囲攻撃は接近戦を仕掛けることで『望月千代女』を魔力熱線からの遮蔽とします。
少なくとも『望月千代女』に命中するような方向からの攻撃は減らせるはず、完全な包囲攻撃でなければ凌げる余地もきっとあるでしょう。
●強襲
(「望月千代女は、ディアボロスの存在に気付いたようですね。ですが、正確な位置まではまだ把握していないでしょう」)
茂みに隠れ、【光学迷彩】【平穏結界】で厳重に身を隠しながら、野本・裕樹(刀を識ろうとする者・g06226)は得物を握ったまま動向を窺っている。
あちらに特定される前に――そう思っていると、千代女も森林帯へ足を踏みこんでいく。
元々、機を見てディアボロスの後背を突き、強襲しようと動いていたのだ。
他に潜伏する天魔武者と合流し、態勢を立て直すつもりか。
(「天然資源が豊富な森に入られては、こちらの視界も狭まる……30mも離れては見失いかねません」)
半径30m――それは【平穏結界】が、外から察知されにくくなる範囲。
だが、空間内に入られれば、異常に気付かれる確率が元に戻ってしまう。
離脱を図る千代女はすぐにこの場を離れようと、足音を殺して木々に紛れながら、立ち去ろうとしている。
熟考している余裕はなかった。裕樹は数瞬、思案を巡らせ――。
「……攻撃した時点で、私の位置は気取られます。ならば」
補助エフェクトは、あくまで補助的な効果。戦術的な優位性は皆無。
ならば、“その一度で”どれだけ被害を与えるか? 裕樹はそこに焦点を当てた。
飛妖刀『霊花(れいばな)』の鯉口を斬り、パラドクスを発動――剣技《飛妖刀隠ノ型・三角草》。
本体から分裂した妖刀は三方に別れ、木々の隙間を縫って千代女に襲いかかる!
「――!」
飛来した凶刃に、千代女は一瞬、反応が遅れた。
装甲に裂傷をつけられたものの、眼球型ドローン群は時差なく動作し、無数の刃に対応し始める。
千代女自身も周囲の気配を探り、。
「目敏いな……だが、今の一撃で捉えた」
一般法則を破壊しながら肉薄する裕樹めがけ、ドローン群がギョロリと睨めつける。
(「懐に潜りこんでしまえば、迂闊に魔力熱線は放てないハズ」)
霊花本体を振りかぶって、大きく踏みこむ勢いを一振りに乗せる。
「我が眼から逃れること能わず」
千代女は鈴をシャンと一鳴らし。
高速移動するドローン群は、千代女を至近距離に収めようと、迫り続ける裕樹を四方八方から照射していく。
彼女と同期している無人機らは、手足同然と言えよう。
手足が本体に害なす挙動をとるハズがなく、また“パラドクスという埒外の異能”が後押しして、裕樹の目算を崩す。
「降りかかる火の粉を払わねばならぬ、な」
「火のない所に煙は立たぬ、とも言います。下総で“不審火を立てる”前に鎮圧します」
成功🔵🔵🔵🔴
効果1【平穏結界】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!

桃辻・珊瑚
(トレインチケット)
清原・小雛
(トレインチケット)
●増援
戦闘音を聞きつけ、一本遅れのパラドクストレインから、ディアボロスの一団が駆けつけたる。
眼球型ドローン群が飛び交う様子に、桃辻・珊瑚(ロジィメイプル・g02483)が「うっひゃ~!」と前髪で隠れた目を丸くさせる。
「メカメカしい巫女さん天魔武者もいるのか、マジで色んな形状のヤツがいるな」
「所詮、あれも落ち延びた機械人形……ここでスクラップにしようか」
ブレロー・ヴェール(Misère tue à l'abattoir・g05009)の言葉に、清原・小雛(人間の妖怪博士・g01264)は、
「はわわ……と、とにかく、お手伝いしますっ」
冷や汗をかきながら妖怪伝承書を広げていく。
小雛の《青龍水計》が天然資源に恵まれた森林帯に流れ込み、千代女のドローン一機がそれを感知。
「やはり隠れ処は気取られていた様子。……使い物にはならぬ以上、もはや惜しむ必要はあるまい」
千代女は鈴を鳴らし《口寄せ・機神ミジャグジ様》を発動、巨大な絡繰りカエルを召喚する。
激流の中で大きく跳躍し、腔内から鉄輪を射出すると、生い茂る木々ごと小雛を斬り刻みにかかる。
その間に、珊瑚とブレローは、召喚者である千代女本体めがけて驀進し、
(「さすがに年下の前で情けない格好はできねぇからな」)
「ブレローさん、お先!」
まず仕掛けたのは珊瑚。
《リアライズペイント》で、モーラット・コミュの神田川を模した絵を実体化させ、直接攻撃に打って出る。
千代女も増援がたった一人であるか、とは思ったようだ。
「この望月千代女、ただでは転ばぬ」
神楽舞で魔力を増幅し、強化された眼球型ドローン群の《絡繰神楽》が珊瑚を瞳孔で捉え、射出される魔力熱線が木々を掠ると焼け跡を残し、そのまま珊瑚を撃ち続ける。
「あの目玉の群れ、何かに似ていると思ったら……納豆ね。小粒で粘着質なところとか、特にそう」
納豆嫌いなブレローは顔をしかめるや、瞬時に間合いを詰めた。
千代女の細い首めがけ、周囲の木を踏み台に跳躍。足を首に絡みつかせ、《絞叉纏(トリアングル・ド・アビム)》をかける。
「嫌なモノ見せてくれちゃってさぁ……このまま縊れて、折れろ……!」
「……よき、的ぞ」
絞り潰そうとしたブレローだが、向き直った眼球型ドローン群の一斉射が降り注ぎ、やむなく足を離して距離をとった。
それでも、絞めあげられた影響で、可動域が狭まったのか。
千代女が首を動かそうとすると『ギギギ……』と音を立てる。
「さもしい根性と誹られようと、死する瞬間が訪れるまで……戦を続けようぞ」
能面じみた表情に歪みはなく。紅を差した唇を噛みしめた訳でもない。
だが、救援も望めぬ現状に――歯痒さを覚えている声音だった。
(「一人で野垂れ死に、ってのは俺もイヤだけど」)
「ふふ……じゃあ、僕の人形にでもなる? そうすれば生き存えられるかもよ」
珊瑚の同情する視線と、ブレローのシニカルな物言いに、ついに千代女は眉根を寄せた。
「断る。これ以上の屈辱を受ける気は、毛頭にない」
壊れかけた機体に活を入れ、千代女は最後の抵抗をみせる。
善戦🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
効果1【液体錬成】がLV2になった!
【水源】LV1が発生!
【怪力無双】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV3になった!
【ダメージアップ】がLV2になった!
野本・裕樹
さもしい等とは思いません、貴女も望む未来の為に戦っているのでしょうから。
死する瞬間まで戦を続けるというのなら受けて立つまでです。
使う刀は《妖刀『鐵喰』》を変化した《巨刀『曼殊沙華』》です。
刀身が特殊な形状であった『霊花』とは違い『曼殊沙華』はただただ重く巨大な刀、先程とは威力が一味も二味も違います。
ここに至って小細工は不要、全身全霊の一太刀で勝負しましょう。
刀身の腹を盾に強引に突撃し『望月千代女』に肉薄、真っ向勝負の唐竹割りを放ちます。
潜伏しようとした貴女の狙いが何であれ、この周辺に暮らす人々にとっては良い事でない事は間違いないのでしょう。
ですから討ちます、『望月千代女』、貴女に勝利は譲れません。
●命懸け
望月千代女は自らの抵抗を“見苦しい”“卑しい”と批判されるものだと思ったのだろう。
だが、
「さもしい等とは思いません」
野本・裕樹(刀を識ろうとする者・g06226)は否定する。
「貴女も望む未来の為に戦っているのでしょう? 死する瞬間まで戦を続ける、その心意気やよし――受けて立つまでです」
逃げること能わず、真っ向勝負に打って出た千代女に、裕樹は次なる得物を抜く。
妖刀『鐵喰(かねばみ)』を抜刀し、すぐさまパラドクスを発動。
直後、鐵喰は姿を変え――巨刀『曼珠沙華』と成り、一時的に裕樹も最適な身の丈へと変じた。
「事ここに至って小細工は不要。全身全霊の一太刀で勝負しましょう――いざ」
「よかろう、抗おうとも。死する一瞬まで」
ガチリと柄を握り締め、裕樹は前のめりに踏みこむと、千代女も眼球型ドローン群を集結させて神楽舞を踊りだす。
膨大な魔力を注ぎ込まれたドローン群は、木々の間を飛び交い、裕樹に焦点を絞って魔力熱線を連射しはじめた。
裕樹は巨大化した刀身で受ける一方、すり抜けた熱線に肌を焼かれながらも、駆ける脚を止めない。
強引に飛びこんだ裕樹は、巨刀を最上段まで振りかぶり、
「復讐者の背後を狙う以上、周辺の民草へ“圧政”を強いらねば存命できないでしょう……それは私達が阻止すべきものです。ですから、この場で討ちます!」
《妖刀覚醒・鉄蝕閃(テッショクセン)》を放った。
ドローン一機が割り込んだところで、その鉄塊のごとき重い太刀は防げなかっただろう。
「が、ァ……っ」
最上段から振り下ろされた刀身が、首が脆くなっていた千代女の頭部を捉え、超重量に堪えきれず首がへし折れる。
本体が機能停止したことで、ドローン群も地べたを跳ね転がり、再び浮かび上がることはなかった。
パラドクスの発動時間が途切れ、裕樹は元の姿へと戻っていく。
「貴女達に勝利は譲れません。譲れないからこそ、私達は刃を向け合っているのですから――」
成功🔵🔵🔵🔴
効果1【エイティーン】LV1が発生!
効果2【リザレクション】LV1が発生!