リプレイ
玖珂・藤丸
※アドリブ連携歓迎
呉から佐世保への密書のやりとりですか。
現状『一大反攻作戦』はほぼ阻止できたと言える状態だと考えていますが、何か企んでいるようなら止めねばなりませんね。
……しかし、呉から佐世保へ移動している部隊の捜索からとは、なかなか骨が折れそうです。
まずは捜索範囲の当たりをつけましょう。
冥海機が最短経路を通ることを想定し、呉と佐世保を直線で結んだあたりの海域で探すことにします。
部隊が佐世保を目指していることを考慮し、佐世保付近から捜索を開始しましょう。
【水中適応】を使用して海中に潜み、不自然な海流や波の動きが無いかを確認します。
不審な点が確認出来なければ、冥海機に気づかれないようにひっそりと佐世保に向かって移動し、同じように不審な点が無いか確認しましょう。
発見出来たらさっそく追いかけます。
冥海機たちの逃げる方向を予測し、先回りして確保です。
「さあ、大人しく密書とやらを渡してもらいましょうか!」
赦蜘・九朗
連携アドリブ歓迎
(大海にぼやく灰色のイルカが1匹)
あ"ーしんど…【イルカ変身】試してみたなったんやけど、馴れない体にドルフィンキック…やっけ?どうでもええけどしんど…遅くまでデスクワークしとったんがアカンかったな…(白目)
機密書簡の中身が気になるとこやけど今は追い付かな、
付け焼き刃やけど水中戦と海洋知識がワンチャン…うーん、海の事よう考えたらあんま知らんかったわ!(ドヤァ)
ま、持ち前のダッシュ力と追跡力…それと存在感の無さが有れば何とかなるやろケセラセラや!
後は幸運が味方すればええんやけどな…ええんやけどな!
野生のイルカの集団に持ち前の演技力(付け焼き刃)で紛れれば…あ、イルカは人間の聴覚の上限より10倍以上の周波数を聞けるやんそれこそワンチャン狙う価値有るかもしれへんな。
複数の機械音かスクリュー音、それか無線?…まぁ、音を頼りに行くで
…さて、今は黙って追跡に専念せなな、
必要ならウチの図体で仲間を隠して運んで、追い付いたら挟み撃ちで奇襲やな。
残念やったな…只のイルカちゃうで復讐者や!
冥海機ヤ・ウマト、呉と佐世保を繋ぐ海域。
見渡す限り一面の海原へ停車したパラドクストレインから、玖珂・藤丸(海の漢・g09877)は勢いよく海へ飛び込んだ。水中適応で呼吸を確保し、そのまま海面下へと潜行。静寂に満ちた海中をゆっくりと進んでいく。
「さて。魚もどき共の捜索を始めましょうか」
辺りの海面は静かに凪いでおり、敵の気配はいまだ感じられない。
索敵目標である伝令部隊は佐世保への機密情報を携え、今も海域のどこかを移動している筈だ。首尾よく戦闘に持ち込むためにも、目立つ行動での追跡は極力避けたいところだ。藤丸は慎重に気配を殺し、海面下に潜行した状態を保ちながら、海水をかき分ける腕に力を籠める。
「敵部隊の追跡からとは、なかなか骨が折れそうです。上手く見つかることを祈るばかりですが――む?」
と、藤丸の思考をふいに遮ったのは、後方から彼を追って来る一つの影であった。
(「ふー、ようやっと合流やな。どもども、よろしゅう頼むで」)
それは人間でも冥海機でもない、灰色のイルカだ。藤丸と共に今回の作戦に参加した復讐者、赦蜘・九朗(挿ゲ替エノ曼珠沙華・g03801)がイルカ変身で変身した姿であった。
発動中はパラドクスこそ使用できないものの、敵の追跡を行う上でイルカの能力は大きな助けとなることだろう。二人で協力して作戦にあたる合図を藤丸と交わすと、九朗は人間でいうドルフィンキックを駆使しながら、のっそり気怠そうに海中を泳いでいく。
(「あ"ーしんど……遅くまでデスクワークしとったんがアカンかったな……」)
声にならないボヤきを心中で洩らし、藤丸と共に海中を進む九朗。
イルカの体で泳ぐコツを掴むのは多少骨だったが、そこは彼も復讐者である。程なく身のこなしを体得して、イルカ変身で得た体を活用しながら索敵を開始した。
(「機密書簡の中身が気になるとこやけど……今は追い付かなな」)
「そうですね。魚もどき共がどこに居ようと、必ず探し出して見せましょう!」
静寂に包まれたヤ・ウマトの海。
そこを舞台とする戦いは、冥海機の追跡という形ですでに始まっているのだった。
直線にして三百km。それが、呉・佐世保間のおおよその距離である。
この距離をくまなく探すのはおよそ現実的ではないため、今回の作戦では藤丸の提案により、事前に当たりをつけた一帯から捜索を行うこととなった。
藤丸が選んだのは、佐世保付近の海域だ。敵が最短経路を通ることを想定し、呉・佐世保を直線で結んだ一帯をメインに探す――それが今回の方針だった。
「すでに佐世保鎮守府では、魚もどき共が呉への撤退準備を始めているとのこと。連中に時間の猶予がない以上、迂回路を悠長に通る可能性は低いと見ています」
(「せやな。後は幸運が味方すればええんやけどな……ええんやけどな!」)
イルカの姿で器用に同意を返しながら、九朗もまた同じエリア内で索敵を開始する。
人間の肉体と違い、イルカのそれは聴覚の上限がはるかに高い。ゆえに、冥海機が生み出す様々な音――スクリュー音や機械音を判別できる筈だと考えたのだ。
(「持ち前のダッシュ力と追跡力……それと存在感の無さが有れば、何とかなるやろ!」)
「実に心強いですね。では、始めましょうか」
藤丸は九朗にサムズアップを送り、共に索敵を開始した。
彼が主に探るのは、海流と波であった。冥海機が海上を動くことで発生する不自然な動きをいち早く察知すべく、慎重に周囲の異変が無いか探っていく。
「呉から佐世保への密書のやりとりですか。……魚もどき共、一体何を企んでいることやら」
いまだ目立った兆候のない中、九朗と共に索敵を続行しながら、ふと藤丸は敵の動向に思考を巡らせる。
先日のレイテ方面決戦で復讐者が勝利したことにより阻止された、冥海機勢力の大反攻作戦。奴らが今後どう出て来るか不明だが、大人しく滅びを待つような選択を取らぬであろうことは、藤丸はなかば確信していた。
「予兆によれば、天正大戦国とも接触を図っているようですが……いずれにせよ、良からぬ企みは止めなければ」
決意を新たに、海中を進む藤丸。
そうして索敵を続行することしばし、収穫のないまま時間だけが刻々と過ぎていく。これは危険を承知で、佐世保に接近を試みるべきか――そんな考えが彼の脳裏をよぎった、しかし次の刹那であった。
(「……機械音の塊がぎょうさん、呉方面から来よる! ビンゴや!」)
九朗が聞きつけたのは、水中を叩くような音の塊だった。
自然界の音とは明らかに異なる、幾重にも重なった規則的な振動。それは、音の発生源が群れで行動中であることを示すものだ。二人は敵の大まかな位置情報を共有すると、すぐさま行動を開始する。
「尻尾を掴めたようですね。では、さっそく追跡と行きましょう!」
幸いにして、音の源とは相応の距離が開いている状況であった。九朗の聴覚を頼りに進路を割り出し、二人が取ったのは敵の行く手を塞ぐ形での先回りだ。余裕をもって待ち伏せのポイントに辿り着くと、藤丸と九朗は敵へ挟み撃ちを仕掛けるべく二手に分かれ、ゆっくりと浮上を開始していく。
この頃になると、藤丸の五感にも異変は明白に感じ取れていた。
次第に近づく海面の彼方、呉方面から向かって来るのは間違いなく冥海機の一団だ。水面を切り裂くようにして進む無数の航跡は、彼らの全員が海上を移動していることを示している。
(「敵が飛行能力を持たないことは幸いでしたね。では――行きましょう」)
(「よっしゃ。奇襲やな!」)
合図を送り合い、藤丸と九朗は浮上の速度を上げた。
先んじて海上に飛び出す藤丸。果たして彼の眼前に映ったのは、トループス級『シャークマッシャー』の一団だ。藤丸の奇襲を察知した鮫型冥海機たちは、泡を食ったように彼らの指揮官である『ワシントン』へ叫ぶ。
『げえっ、ディアボロス!?』『あ、姉御、待ち伏せですぜ!』
『ちっ、佐世保まであと少しって時に……! 相手にするな、このまま突破するぞ!』
そう言ってワシントンが踵を返そうした、しかし次の矢先。
冥海機たちの逃走を阻むように、背後から大きな水柱が立ち上る。そこから現れたのは、浮上を完了した九朗であった。
「残念やったな……只のイルカちゃうで、復讐者や!」
イルカ変身を解除して、戦闘準備を整えた状態で九朗が不敵に笑う。
一方、伝令部隊を挟むかたちで向かい合った藤丸も、冥海機を戦意に満ちた眼で睨み据える。逃がしはしない。佐世保の攻略を進めるためにも、敵の機密を届けさせる訳にはいかないのだから。
「さあ、大人しく密書とやらを渡してもらいましょうか!」
呉と佐世保の秘密書簡を巡る、復讐者と冥海機の戦い。それが今、ヤ・ウマトの海を舞台に幕を開ける――!
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【水中適応】LV1が発生!
【イルカ変身】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV2が発生!
赦蜘・九朗
連携アドリブ歓迎
残留効果活用・【水面歩行】便乗
《うろ》出てきぃ、久々の獲物や
『うげぇ殆ど鉄じゃねぇか、肉はスジばってそうで食い甲斐ねぇだろ』
あの人の言葉借りるんやったら“壊せる(遊べる)だけマシ”や…おん?ワシントン…やっけ?
まさかこのまま逃げたりせぇへんな、“たった二人の復讐者にビビって部下置いて逃げました”…ってな(鼻で嗤い)
『似てきたなお前…』
何当たり前の事言うてん、はよ行くで
(《鳴烏》を腕に推し宛引く)…染まれ…紅に…(滴る血は水面を染め上げた)
玖珂さんええ感じや、ウチらも畳み掛けるで!
【行動】
水面に血を注ぎ、敵のみ沈み、強烈な呪毒と底に【CENSORED】(ワーム状の認識してはいけない何か、次から彼等と記載)達が潜む紅い領域を展開。
呪毒の沼に敵を沈め、攻撃は蠢く鋼で軌道を逸らす
ジャンプからの落下で蹴り伏せ、なるべく水面へ押し込む
うろ:地を這うトカゲ
飛べない代わり、俊敏性と飛躍力を活かした切り裂きや食い千切り、無限に再生する呪毒の骨針飛ばし
うろ・彼等と共に妨害等で他合わせる
玖珂・藤丸
※アドリブ連携歓迎
伝書部隊に追いつけましたね。
素直に密書を渡して頂きたかったのですが、そう上手くはいかないようです。
魚もどき共をぶちのめして、密書をもらうことにしましょう。
まずは配下の鮫たちからです!
「今こそ鮫狩りの時です。
玖珂・藤丸、出撃します!」
逃げられる前にまずは一発喰らわせてやりましょう。
海上に飛び出した勢いのまま敵群の頭上に飛び出し、我が相棒『杭喰具』を構えて、【玖珂式模造術"真紅巨銛投擲”】です!
オーラで作り上げた、赤く巨大な銛を密書部隊を海中に押し込むように撃ち込みます。
「九朗殿、そちらはよろしく頼みます!」
以降は【水面走行】を活用して、『振掬』を持って海面で待機し、逃げようとするものは対処。
トループス級との戦闘が優先ですが、アヴァタール級が逃げないようにも意識しましょう
反撃として殴りつけてくるのであれば、『振掬』で殴り返します。
「フカ共は倒せたようですね。残りは隊長のあなたのみです!」
佐世保鎮守府を目指して機密情報を運んでいた冥海機部隊。
ワシントンが率いる同部隊はいまや前後を復讐者に塞がれ、明白な窮地に陥っていた。
『あ、姉御! 大変です!』『ディアボロスですぜ! やばいですぜ!』
『馬鹿野郎、んなこたぁ見りゃ分かんだよ! とにかく書簡だけは絶対に渡せねぇ、腹括れテメェら!』
復讐者の奇襲に右往左往するシャークマッシャーたちを、ワシントンが一喝する。
一方、そんな冥海機たちとは対照的に、玖珂・藤丸(海の漢・g09877)は早々と攻撃準備を完了。水面走行の効果を発動しつつ、隊長のワシントンを見澄ました。
「……追いつけましたね。素直に書簡を渡して頂きたかったのですが、応じる気はないということですか」
『当たり前だ馬鹿野郎! 誰がテメェらディアボロスに渡すかっつーんだよ!』
「まあ、想定できた答えですね。とはいえ、こちらも手ぶらで帰る気はありません」
言い終えるや、藤丸が相棒の『杭喰具』を手に海中へ身を躍らせた。
ざぶんと派手な音を立てて、人の背丈ほどもある巨大な銛で冥海機たちを狙い始める。標的は、ワシントンの配下であるシャークマッシャーの群れだ。
「渡す気が無いならば、ぶちのめして力ずくで奪うまで! まずは配下の鮫たちからです!」
復讐者としての戦意を露わに、冥海機との距離を詰め始める藤丸。同刻、敵を挟んだ向かい側では赦蜘・九朗(挿ゲ替エノ曼珠沙華・g03801)も息を合わせ、敵の包囲を狭めるように動き始めていた。
「うろ、出てきぃ。久々の獲物や」
合図の声で姿を現したのは、地を這うトカゲ型のミニドラゴンだ。
九朗ともども海上を足場にしたうろの眼が、獰猛な光を帯びてシャークマッシャーを見澄ます。食欲に満ちた眼の色は、しかし途端に失望に取って代わった。あんな鉄だらけの敵では食いでがない――そんな感情をありありと浮かべるうろに、九朗が肩をすくめて笑う。
「我慢しぃ、あの人の言葉借りるんやったら“壊せる(遊べる)だけマシ”や。――さて、ワシントン……やっけ?」
元よりシャークマッシャーなど眼中にないとばかり、伝令部隊の隊長に視線を投げる九朗。鮫型の冥海機たちに守られ、なおも逃走の隙を伺う彼女に向けるのは、紛れもない挑発の言葉だ。
「自分、まさか逃げたりせぇへんな? たった二人のディアボロスにビビって、部下置いて逃げました……ってな」
『ハッ、その手に乗るかよ! ついて来いシャークマッシャーども、振り切るぞ!』
『へい!』『へいっ!』
九朗の言葉に眦を吊り上げつつも、ワシントンが決断を迷うことは無かった。
挑発に乗れば儲けものだったが、流石に機密を放置して戦いを仕掛ける馬鹿ではないらしい。どことなく呆れの混じった視線を向けて来るうろに九朗は飄々と笑みを返し、攻撃準備を終える。一体たりとも逃がしはしない。逃走を試みんとする冥海機を狙いながら、二人の復讐者は合図を交わし合った。
「はよ行くで、うろ。玖珂さんも、よろしゅうな!」
「こちらこそ、九朗殿。では――今こそ鮫狩りの時です。玖珂・藤丸、出撃します!」
かくして始まるのは、前後からの挟撃。
九朗と藤丸、二人の復讐者は呼吸を合わせ、冥海機への襲撃を開始していくのであった。
「逃がしませんよ、魚もどき共! 先手必勝です!」
開幕と同時、藤丸が海中から勢いよく飛び出した。
逆説連鎖戦の力によってシャークマッシャーの頭上へ飛び、放つは杭喰具を用いた急襲だ。
パラドクス『玖珂式模造術“真紅巨銛投擲”』――藤丸の肉体から噴出した赤いオーラが、溶岩のごとき輝きを帯びて、巨大な銛へと形成する。
「この銛を……ぶち当てます!」
藤丸の膂力、そしてダメージアップを込めた一投が、眼下のシャークマッシャーの一団へと直撃。海中に押し込むような猛攻に巨大な水柱がそそり立ち、鮫型冥海機を次々に粉砕、海の藻屑へ変えていく。
『ぐおぉ!』『ぎゃあ!』
奇襲からの全力攻撃を受けて、伝令部隊はたちまち足並みを乱し始めた。
このまま復讐者の挟撃に曝され続ければ全滅は必至。何とか突破を試みようと足掻くシャークマッシャーたちだが、その必然として生じる隙を、むろん藤丸と九朗は逃がさない。
「九朗殿、そちらはよろしく頼みます!」
「玖珂さんええ感じや。うろ、ウチらも畳み掛けるで!」
海上を疾駆しながら、伝令部隊に並走する九朗。
藤丸の発動した水面走行により、敵の追跡はすでに容易なものとなっていた。
左右から挟撃する陣形を維持したまま、九朗は無造作に腕を晒すと、そこへ『鳴烏』を押し当てる。一思いに刃を引き、赤い鮮血が海を染め始めた。
それは、彼がパラドクスを発動した証。
腕から滴り落ちる血潮はたちまち海の蒼を紅色に染めて、『満タス紅』の領域となって冥海機たちへ忍び寄る。
『な、何だこりゃ、足元が
……!?』『くそが、姉御の下には行かせねぇ!』
「……染まれ……紅に……」
シャークマッシャーの群れを捉えた紅の海は、その一言をトリガーに呪毒の空間へと変貌を遂げた。
浮力を失い沈み始める冥海機たちを、水底から這い上がるワーム状の『何か』が次々と拘束、引きずり込んでいく。死にゆく敵の絶叫が、復讐者の優勢を告げるように響き渡った。
海面下からの襲撃によって幕を開けた、復讐者たちの攻撃。
これに不意を討たれた冥海機たちは劣勢を挽回できぬまま、次第に数を減らしていった。
頭上からは藤丸の投擲する銛。足元からは九朗の展開する呪毒。残留効果で火力を増したパラドクスによる挟撃が、逃走を試みる冥海機の群れを捉え、一体また一体と削り取っていく。シャークマッシャーが苦し紛れに試みるアッパーカットや高圧水流による反撃も、戦況を逆転するには到底至らない。
「逃がさんで、覚悟しいや!」
「これで、終わりです!」
うろの放つ呪毒の骨針と息を合わせ、跳躍からの斬撃を九朗が叩き込む。
藤丸はバトルアンカー『振掬』を振るいながら、なおも逃亡を図る敵を優先的に狙っていた。残る敵は片手で数えられる程に減り、もはや護衛の全滅は時間の問題だ。そして――。
『ぐ、ぐおおぉぉ!』『あ、姉御! 申し訳ありやせん!!』
九朗と藤丸、二人のパラドクスが相次いで発動し、戦いの終わりを告げるようにシャークマッシャーを残らず葬り去る。
これで、護衛の冥海機はもういない。今や戦場に孤立したワシントンを捉えながら、藤丸は杭喰具を手に堂々と告げた。
「フカ共は倒せたようですね。残りは隊長のあなたのみです!」
機密情報をもらい受けるため、冥海機はここで沈めてみせる。
確たる決意を秘めた藤丸の言葉が、ヤ・ウマトの海に高らかに響き渡るのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【温熱適応】LV1が発生!
【水面走行】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!

月見山・伊吹
(トレインチケット)
レイジ・ラージュ
(トレインチケット)
『畜生、ディアボロス! よくもオレの部下どもを……!』
海面下からの奇襲によって、護衛部隊を喪ったアヴァタール級冥海機『ワシントン』。
退路を塞がれた彼女が悪罵を投げる中、戦場に現れたのは応援の復讐者たち――レイジ・ラージュ(緋の憤怒・g05744)と月見山・伊吹(太陽の恵み、日蝕の災禍・g04125)であった。
「なるほど、あの冥海機を倒せば良いのか。目標がシンプルなのは幸甚だ」
「悪いクロノヴェーダは、太陽光の魔法で溶かすからねぇ! 逃がさないよぉ!」
佐世保鎮守府への逃走を阻止するように、挟撃の陣形を取るレイジと伊吹。
一方のワシントンも、このままでは逃げきれないことを悟ったのか両脚と背後の海戦装を展開し始めた。ハンマーヘッドシャーク型の武装から並ぶ多数の砲門――それが冥海機たる彼女の武装だ。端正な顔に浮かべた形相は鮫などよりも遥かに凶悪で、ぎらついた殺意を帯びた眼で復讐者たちを睨み据えている。
『生憎と、ここで死ぬ気はねぇ。邪魔するなら、まとめて沈めてやるよ!』
「沈むのはお前だ、冥海機。この牙で、跡形もなく噛み砕く」
レイジのコンバットナイフ『赤熱する憤怒の牙』が、クロノヴェーダへの怒りに赤く輝く。
その横で、多機能シャベルを得物に構える伊吹。
二人の復讐者は頷きを交わし合い、阿吽の呼吸でワシントンへの攻撃を開始していった。
「敵は腐ってもアヴァタール級。確実に体力を削いでいくか」
「おっけー! 多機能シャベルの性能、冥海機にたっぷり見せつけちゃうよ!」
レイジと伊吹、二人の復讐者は言葉を交わすと、先手必勝とばかり逆説連鎖戦を開始した。
戦場を満たすのは、目を奪うようにな紅蓮の輝き。それは伊吹のシャベルが、『紅焔』のパラドクスで生成された陽光の魔力を注ぎ込まれた証である。
「味方には太陽の光と治癒を、敵にはあらゆる禍を!!」
紅焔の輝きを纏う得物を、全力で投擲。
剣鉈が仕込まれたシャベルが弧を描いて回転し、鋭刃でワシントンの腕を切り裂く。敵は被弾によってますます闘争心を煽られたのか、即座に艦砲射撃をお返しとばかり浴びせ返してきた。
『ちっ……しゃらくせえ! 吹き飛べ、ディアボロス!』
戦場を轟かす、断続的な轟音。
海戦装の砲口から放たれた砲弾はパラドクスの力で軌跡を自在に変えて、頭上から背後から足元から、意表を突く猛攻となって伊吹に降り注ぎ始めた。
「ふっふーん。このくらいで、負けたりしないよ!」
激しい砲撃に曝されながら、伊吹が胸を張って告げる。
この戦い、勝つのは復讐者だ――そんな彼女の想いに応えるように、次に仕掛けたのはレイジであった。
「本来なら隠密行動が身の上ではあるが……逃走阻止からの撃破となれば別だ。正々堂々、叩き潰させて貰おうか」
そう告げると同時、湧き出る怒りを氷雪に変換したレイジは、間を置かずに冥海機への攻撃へ移った。
「吹き荒べ、我が怒り」
パラドクス『吹き止まぬ氷雪』。詠唱完了と同時、殺気を纏う怒りは海域を覆う吹雪をもたらし、ワシントンの全身から体力を奪い去っていく。
憤怒の牙を媒介に攻撃を行う間も、レイジは伊吹と並行して海上を疾走、巧妙に退路を塞ぎ続けていた。派手さこそない立ち回りだが、二人の動きは着実に冥海機を追い詰めるものだ。
「諦めろ。もう逃げ場はない」
『ちっ、ウロチョロと……! 上等だ、まとめて沈めてやるよ!』
そんなレイジの言葉に痺れを切らしたように、ワシントンの更なる砲撃が彼を襲う。
吹雪を吹き飛ばさんばかりの猛烈な砲撃が、衝撃となってレイジの全身に傷を刻んだ。しかし――この程度で倒れる程、彼は柔ではない。体を動かすたびに走る激痛に耐えながら、その頭脳はどこまでもクリアに戦いの流れを俯瞰する。
「戦いは未だ五分と五分といったところか。しかし……」
「うん。勝負はここからだよ!」
レイジの言葉を継いで、太陽のように明るい笑顔を浮かべる伊吹。
ワシントンの砲撃がいまだ降り注ぎ続ける中、戦いはいよいよ佳境に向かって動き出そうとしていた。
善戦🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
効果1【活性治癒】LV1が発生!
【使い魔使役】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
麗・まほろば
呼ばれてないけど、じゃんっじゃじゃーん!
超々々々弩級戦艦まほろば! 参上だよ!
文字通り“お・邪・魔”しまーすっ! 覚悟するべし、クロノヴェーダ!
まほろばがやるべきは堂々と立ち構えること!
「遅れてきたくせにアイツはなんか脅威だ」って思わせることで引き付けて、少しでも長くこの戦場に立つことこそが仲間が攻撃しやすい隙をつくるチャンスにもきっとなる!
全門開花!
目標! アヴァタール級クロノヴェーダ! 照準、あわーせー!
まほろばから目を離すだなんて許さないよ? だってまほろばはかわいいからねっ☆
砲撃開始ィーッ!!
敵の砲撃には【15.5センチまほろば砲】や【51センチまほろば砲】を盾にして致命傷をなるだけ避ける
大見え切って着底だなんてかーっこ悪いからね?
さぁ、大人しく沈んじゃうんだよぉ!
戦いは、一進一退の状況が続いていた。
クロノ・オブジェクト『機密書簡』を秘匿するワシントンと、その奪取を目論む復讐者たち。
幾度となく逆説連鎖戦が繰り広げられる中、互いの身体には着実に傷が刻まれ、赤い血が海を染める。そんな戦場に今、新たに駆け付けた復讐者がひとり。
麗・まほろば(まほろばは超々々々弩級戦艦ですっ!・g09815)であった。
「呼ばれてないけど、じゃんっじゃじゃーん! 超々々々弩級戦艦まほろば! 参上だよ!」
小さな体で腕を組み、戦場にエントリーを果たすまほろば。ワシントンを前に堂々と立ち構えるその姿は、復讐者として実に堂に入ったものだ。
「文字通り“お・邪・魔”しまーすっ! 覚悟するべし、クロノヴェーダ!」
『新手か……! だが関係ねぇ、まとめて吹き飛ばしてやるぜ!』
対するワシントンも、いまだ戦意は旺盛である。
傷を負った顔に浮かべるのは、牙を剥いた鮫を思わせる凶悪な形相。殺気を帯びた視線に怯むことなく、まほろばもまた攻撃準備を完了する。
今は言葉でなく力で語る時。対峙する両者のパラドクスが、輝きを帯びて海域へと展開され始めた。
「全門開花! 目標! アヴァタール級クロノヴェーダ! 照準、あわーせー!」
開幕と同時、まほろばの声が高らかに戦場に響く。
それは彼女の十八番、『吾妻はや』の発動完了を告げる合図であった。
パラドクスによって背後に生成した空間から、巨鯨さながらにせり出す巨大戦艦の艦首。その先端が突如として花開き、出現した超大口径の砲塔が黒い輝きを湛え始める。
「まほろばから目を離すだなんて許さないよ? だってまほろばはかわいいからねっ☆」
『ちっ。何だよありゃ、ふざけやがって……!』
対するワシントンは舌打ちを洩らしながら海上を旋回、全身の砲門を展開し始めた。
復讐者との連戦で彼女はすでに手負いである。直撃を浴びれば無事ではすまないことは、無論承知の上だった。しかし、同時に彼女は理解している。並の方法で戦っていても、このまま磨り潰されて自分は敗北することを。
ならばどうする? 知れたこと。全力を以て撃ち返し、力ずくでねじ伏せるのみだ――!
「砲撃開始ィーッ!!」
『消し飛べ、ディアボロス!!』
まほろばの召喚した戦艦が、黒い濁流の如きビームを放射する。
ほぼ同時、ワシントンの海戦装から展開された砲門が、負けじと一斉砲撃を開始した。
漆黒のビームと砲弾の嵐が、パラドクスを帯びて海上を蹂躙する。
まほろばの一撃を浴びて、ワシントンの全身がブスブスと音を立てて焼け焦げ始めた。負ったダメージを物語るように、冥海機の表情が苦悶に歪む。
『ぐ、ぐあぁ……っ!!』
「大見え切って着底だなんてかーっこ悪いからね? さぁ、大人しく沈んじゃうんだよぉ!」
そう高らかに笑うまほろばの周囲にも、ワシントンの砲弾が絶え間なく降り注ぐ。
アヴァタール級たる敵の火力は並ではない規模だが、それをまほろばは『51センチまほろば砲』を盾に、ガードアップで硬化した肉体を駆使して耐え続ける。
「佐世保も、呉も、そしてヤ・ウマトの海も。ぜーんぶ、まほろばたちが取り戻すからね!」
やがて――拮抗を保っていた逆説連鎖戦に、ひとつの変化が現れた。
ワシントンの砲撃が、まほろばのビーム砲に圧倒され始めたのだ。
ゆっくりと、しかし着実に。それはまさに、戦況が復讐者の優位へと傾いた瞬間であった。
『……っ!!』
「ふふーん! さあ、今こそチャンス! 後は任せたよ!」
黒い光の濁流が、勢いを帯びてワシントンを押し流す。
それは戦いの終着が近いを告げるように、高らかに海に響き渡った。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【修復加速】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
赦蜘・九朗
連携アドリブ歓迎
残留効果活用
鮫狩りも終盤やなぁ(染々)
取り巻きは全滅、味方の援護もあったようやし援軍も来た…後はワシントン、あんたをどついてシバキ倒せば終いや…
『鉄屑共は歯応えが無かったぞ』(ニヤ)
少しは楽しませてくれるんやない?(ゲス顔)
ほな、始めよか
【行動】
パラドクス:禁断遊戯誤リ
環境によって擬態する《鋼》(有刺鉄線型寄生体)の分身を周囲にばらまき盾や攻撃、敵の行動妨害にしつつ、《うろ》や《鋼》と共に《マスターキー》(斧)で戦う【ガードアップ】での防御重視戦法。
弾丸や砲撃は《蠢く鋼》か《マスターキー》でなるべく軌道を逸らすか弾く
うろ:地を這うトカゲ
飛べない代わり、俊敏性と飛躍力を活かした切り裂きや食い千切り、無限に再生する呪毒の骨針飛ばし
連携が取れそうなら合わせる
なるべく罵声や煽りで目立ち、攻撃を自身にも向けさせ負担を分散
必要なら味方を庇う
っは~、終わったー(背伸び)
次はお待ちかねのパック剥k…機密データの開封やな、今回こそは自信有るんやで…今回こそは!(常に謎の自信だけは有るー☆)
玖珂・藤丸
※アドリブ連携歓迎
逃げずに立ち向かってくるとは、魚もどきにしては良い度胸です。
目的の密書を手に入れるまではこちらも引き下がりませんよ!
【水面走行】を使用して、戦場には居続けましょう。
我が相棒『杭喰具』を構えて、戦闘するアヴァタール級を狙い、【玖珂式銛術"セントエルモの祝福"】です!
雷のように輝く『杭喰具』を力の限り《投擲》します!
こちらの隙をついての砲撃による反撃ですか。
“海の漢”は魚もどきの砲弾では倒れません!
遠距離から反撃するようであれば、砲弾を受けながらでも【玖珂式銛術"セントエルモの祝福"】を再使用し攻撃。
近距離に来るのであれば、『振掬』で思い切りぶん殴ってやりましょう!
「冥海機1頭、仕留めたり!」
戦場に、砲撃の轟音が響き渡る。
絶え間なく空気を揺さぶり続けるワシントンのそれは、今や明白に勢いが衰えつつあった。
復讐者たちの攻撃によって、彼女は敗北の瀬戸際に追い詰められつつあるのだ。
「さぁて、鮫狩りも終盤やなぁ」
赦蜘・九朗(挿ゲ替エノ曼珠沙華・g03801)は不吉な笑みを浮かべ、うろと共にワシントンを見遣る。
冥海機の形相が鮫ならば、九朗のそれはさしずめ大蛇と言うべきか。全ての護衛を失い、満身創痍となった敵へ、今こそ彼は引導を渡そうとしていた。
「後はワシントン、あんたをどついてシバキ倒せば終いや……」
『ちっ、うるせぇ……こんなところで死んでたまるかよ!!』
嚙みつかんばかりの形相で吼えるワシントンの視線を、うろは涼しい顔で受け流す。
歯応えの無い先程の鉄屑どもより、多少は楽しませてくれるんだろうな――そう言わんばかりの表情に、九朗もまた笑顔
で返した。どこからどう見ても、悪党そのものの笑顔であった。
「少しは楽しませてくれるんやない?」
『…………っ!!』
余裕を露わにする九朗に、ワシントンの顔が怒りと屈辱で歪む。
そんな歯ぎしりの音が今にも聞こえそうな表情を前にして、玖珂・藤丸(海の漢・g09877)は告げる。
「逃げずに立ち向かってくるとは、魚もどきにしては良い度胸です。ですが……目的の密書を手に入れるまでは、こちらも引き下がりませんよ!」
杭喰具を構えて海上に立つ藤丸の姿は、既に彼が攻撃準備を完了したことを示している。
準備は万端、いつでも行ける――そう無言で示す彼に、九朗は頷きを一つ。
ふてぶてしい笑みをワシントンに向けたまま、有刺鉄線型寄生体の《鋼》をばら撒き始めた。飄々とした振舞いとは裏腹に、その眼は一秒たりとも冥海機から逸れることは無い。
「――ほな、始めよか」
後はただ、この戦いに終止符を打つのみ。
かくして準備完了と同時、二人はワシントンとの戦闘を開始するのであった。
『邪魔すんなら、吹き飛ばしてやるよ!』
戦場にワシントンの雄叫びが響く。
死に瀕した彼女のそれは、海戦装の砲撃がもたらす轟音よりも一層強烈だ。残る命の一欠片までも注ぎ込むような猛攻を前に、対する復讐者は冷静な動きでワシントンを追い詰めていく。
「息もつかせぬ砲撃の抵抗、まさに圧巻ですね。……しかし!」
杭喰具を構えた藤丸が、水面走行で海上を駆ける。
相棒の銛を渾身の力で握りしめ、発動するは『玖珂式銛術"セントエルモの祝福"』。パラドクスの力で光を帯びた杭喰具が藤丸の膂力を込めて投擲され、海面を割るように超高速で射出される。
「光り輝く一撃です!」
藤丸が駆使するその技は、実のところ、彼自身も原理をよく把握していない。
ただひとつ明らかなのは、その技が誇るバカげた威力のみだ。
ミサイルめいた速度の銛がワシントンの脇腹をぶち抜き、風穴を開ける。衝撃で海上へと叩きつけられたワシントンは、しかしなおも倒れない。血反吐を吐きながらパラドクスを発動し、発射した砲弾の軌跡を変えて藤丸へ叩き込んでいく。
「この程度! “海の漢”は魚もどきの砲弾では倒れません!」
絶え間なく飛来する砲弾をガードアップで防ぎ、なおも銛を射出する藤丸。
砲弾と銛、互いの武器がパラドクスを帯びて飛び交うたび、ワシントンには深い傷が次々に刻まれていった。
攻撃に集中しようとするワシントンだが、それを九朗は許さない。うろと共に彼女の周囲を旋回し、マスターキー(斧)で牽制を繰り返しながら投げつけるは挑発の言葉である。
「おぉん? 自分、もう終いかぁ?」
『ぐ……うるせええぇぇぇっ!!』
「おぉ、怖。ほれほれ、うろも笑ろとるで!」
九朗が指で示す先、海面をくるくると転げ回るうろ。
藤丸のパラドクスと、九朗の精神攻撃――二人の息を合わせた攻撃を前に、ワシントンは蟻地獄に嵌まった蟻さながら、逃れ得ぬ死に向かって転げ落ちようとしていた。
藤丸の銛が一層激しく降り注ぐ。九朗の鋼がパラドクスを介して蠢く。
全身に傷を負ったワシントンは、もはや虫の息だ。とめど無く溢れる血で海を汚す冥海機へ最後の一撃を浴びせるべく、九朗は『禁断遊戯誤リ』を発動。自らの血肉を練って紡いだ鋼の分身を、戦場にばら撒いた。
「ずいぶん足掻きよったけど、これで終いや。切り刻んで蒲鉾にしたるわ!」
『畜生……このオレが、こんなところで……っ!』
なおも足掻かんと、ワシントンが全砲門を九朗に向けようとした、しかし次の矢先。
彼女の足元から飛び出た鋼の分身たちが有刺鉄線に変じ、ワシントンを瞬時に拘束する。どれだけ足掻こうとも、逃れることは叶わない。そして、
『……っ!!』
「………やれ《鋼》、幕引きや……」
指を鳴らした九朗の合図と同時、鉄線が一斉に絞られた。
その一撃をとどめに、ワシントンは全身を刻まれ爆散。赤黒い爆炎から飛び出した一枚の紙片が、ひらりと舞い降りる。
クロノ・オブジェクト『秘密書簡』――冥海機の機密情報を記したそれを、天へ伸ばした藤丸の手が確りと掴み取った。
「冥海機1頭、仕留めたり!」
「っは~、終わったー!」
達成感を露わに大きく背伸びする九朗。
後はこの場で、制限時間以内に暗号を解けば機密情報の奪取は完了だ。二人がさっそく書簡の表面に眼を落とすと、そこに記されているのは下記の一文であった。
――雪と雷にあって雲には無く、春と秋と冬にあって夏には無い。この生物は何か。
「おっしゃ、次は書簡の開封やな。今回こそは自信有るんやで……今回こそは!」
「いよいよ最後ですね。さて……始めましょうか」
簡素な構造のクロノ・オブジェクトを隅々まで見渡して、九朗と藤丸が頷きを交わし合う。
書簡には解除用の欄が設けられており、そこに文の解答を記せば封印が解かれるようだ。
ここから先は知恵を絞り、書簡が消滅する前に解除を完了せねばならない。限られた時間の中、機密情報を新宿島に持ち換えるため、復讐者の最後の挑戦が始まろうとしていた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【トラップ生成】LV1が発生!
【活性治癒】がLV2になった!
効果2【ガードアップ】がLV2になった!
【ドレイン】がLV2になった!
赦蜘・九朗
連携アドリブ歓迎
答えは…《魚》や。
詳しく説明するんなら、
《ある》の方は全部《魚へんが付くと魚の名前になる漢字》なんよ。
雪+魚=鱈(たら)/雷+魚=鱩(はたはた)
春+魚=鰆(さわら)/秋+魚=鰍(かじか)/冬+魚=鮗(このしろ)
…ざっとこんな感じや。
っちゅー事で!どや!ウチの灰色の脳細胞が冴え渡ったやろ!(正解ならドヤァ)
ウチがこんなん持っとっても宝の持ち腐れやし玖珂さーん!ほれ、中身パスや
ちな、雲魚は雲の形状やから生きもんちゃうし、夏魚はおらん。
居るっちゃ居る…ブリのいっちゃん若い頃の若子(わかし)を魚夏って書いとったり、河豚(ふぐ)を夏魚っちゅう読み方も有るらしいねんけど、検索・変換には出てけぇへんし魚へんにならんから×っちゅー事や。
いやー、漢字はホンマムズいわぁ…、
ウチが食通かつ生物学噛っとらんかったら積んどったウチが(別の依頼の暗号解読で苦戦した挙げ句答えられなかった黒歴史と、雪で最初に思い付いた海牛を苦手ながら確認する作業で於曾けが止まらなかった事を思い出して白目を向いた)
玖珂・藤丸
魚もどき共も倒せましたので、あとはプロテクトの謎の解読ですね。
さてこの文章からどう動物の名前を導きだしたものか……。
あれ? 九朗殿もう解けたのですか?
《魚へんがつくと魚の名前になる漢字》?
…………なるほど! 確かに条件には合致しますね!
おや、機密データを受け取って良いのですか?
最終人類史への持ち帰りを依頼頂けるのであれば、しっかりと遂行しましょう。
水中から移動した方が周りに気づかれないとは思いますが、データを濡らして壊れたりしても困るので、【水面走行】を使用して、海上から移動します。
ある程度の距離までは注意しながら移動、時折止まって周囲を観察し、冥海機たちがいないかを確認してから、再度動きましょう。
ひとまずはパラドクストレインのあるところを目指して、行けば良いでしょうか。
列車を見つけて乗り込めたら一安心です。
あとは新宿島で専門家の方に引き渡しましょう。
「魚もどき共が運んでいた伝書には何が書かれているのでしょうか。
これからのヤ・ウマト攻略に影響するかもしれないので、気になるところですね」
冥海機が一掃された海上を、俄かに緊迫した空気が包む。
指揮官ワシントンから奪取した機密書簡の解除に、いま復讐者たちは挑もうとしていた。
その場からは離れられず、解答は制限時間つき。失敗すれば、機密情報は書簡もろとも消えてしまうだろう。
――雪と雷にあって雲には無く、春と秋と冬にあって夏には無い。この生物は何か。
これは、失敗の許されない一発勝負。
冥海機が遺した最後の難関に、玖珂・藤丸(海の漢・g09877)と赦蜘・九朗(挿ゲ替エノ曼珠沙華・g03801)はゴクリと緊張に唾を呑みこんだ――。
「魚もどき共も倒せましたので、あとはプロテクトの解読ですね。さて、どう導きだしたものか……」
手にした書簡に眼を落とし、思案に暮れる藤丸。
そんな彼とは対照的に、九朗は何やら口の端を吊り上げると、懐からペンを取り出した。
「あー……なるほどなぁ。コレは、たぶんアレやなぁ」
「あれ? 九朗殿もう解けたのですか?」
「モチのロンやで。ま、時間もないしパパッと書かなな。てなワケで、ちょい借りるで」
藤丸から受け取った書簡の解答欄に、九朗は悪戯っぽい笑みを浮かべながら、ささっとペンを走らせる。そこに書かれた一文字は、そう――。
「答えは……《魚》や!」
解答を記した機密書簡を指して、九朗は根拠を説明した。
すなわち、問題文に記された漢字は、魚編の部首をつけると全て『魚の名前になる漢字』であることを。
「雪+魚=鱈(たら)。雷+魚=鱩(はたはた)。春は鰆で、秋は鰍、冬は鮗……ざっとこんな感じや」
出世魚であるブリの最も若い若子(わかし)や河豚について夏魚と読み書きするケースもある。
だが、これらは部首を用いたものでなく、検索・変換にも出てこない。従って夏魚はおらず、雲魚は雲の形状である故、これも除外される――。
「っちゅーことで、QED! どや! ウチの灰色の脳細胞が冴え渡ったやろ!」
「…………なるほど、確かに条件には合致しますね! ……おや、書簡が……?」
果たして次の瞬間、機密書簡の封がひとりでに開き、中から一枚の紙片が現れた。
それは、まさに書簡の封印が解除され、作戦が成功に終わった証。
九朗は喜びも露わにガッツポーズを取ると、流れるような動きで機密書類を藤丸へと渡る。
「よっしゃー! ビンゴやビンゴ! あ、玖珂さーん! ほれ、中身パスや」
「おや、良いのですか? では、しっかりと遂行しましょう」
万一の破損や損壊を防ぐため、書類を厳重に保管して仕舞い込む藤丸。かくして作戦を成功に導いた復讐者たちは、戦場を後に帰路を急いだ。
復讐者たちを待つパラドクストレインが水平線に見えたのは、海上を進んで程なくのことであった。
万一の敵襲に備えた周囲の警戒が杞憂に終わり、藤丸が安堵の吐息を洩らす。乗車を終えて座席に腰を下ろすと、達成感に自然と笑みが浮かんだ。
「これで、ひとまずは安心ですね。あとは新宿島で専門家の方に引き渡しましょう」
「いやー、漢字はホンマムズいわぁ……ま、終わり良ければ総て良し、ってヤツやな!」
一方の九朗はというと、何やら封印したい過去の記憶を思い出したのか、微かに身震いする。
だがそれも一瞬のこと、共に作戦を乗り越えた藤丸とねぎらいの言葉を交わし、ふうっと満足の息を洩らした。
佐世保攻略を巡る戦いは、これで更に進んだことになる。ゆっくりと発進していく車窓からヤ・ウマトの海を眺めつつ、藤丸は次なる戦いに想いを巡らせ始めた。
「魚もどき共が運んでいた伝書には何が書かれているのでしょうか。気になるところですね」
新宿島での解読が完了するには、いま暫しの時間が必要となるだろう。
その情報が、ヤ・ウマト攻略にいかなる影響をもたらすのか。その答えを知る者は、まだ誰も居ない――。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【植物活性】LV1が発生!
【水面走行】がLV2になった!
効果2【ドレイン】がLV3になった!
【命中アップ】LV1が発生!