リプレイ
平良・明
旅行者として、郷に入れば郷に従えの心構えで
働くときの恰好などもしっかりと現地に合わせましょう
一応変換表も頭に入れて
食事は大切な時間です
私の好みとしてはパンだけ、とかスープだけ
とか単純なのが肌に合いますが
勢いよく砂を噛まないように気をつけて
象の御者の方
随分と派手に落ちていました、災難です
腰とか首とか痛くありませんかね
まあ、私には治すことなど出来ませんが
気になっている事。
像と象はどこから来たのでしょう
御者というには専門職ですよね
象ともなればさらに珍しい
随分と遠い所から来たのではないでしょうか
もしかして仲が良かったり?
ヒエログリフだと象は「𓃰」のようですね
あの時もすぐに落ち着いて賢い生き物です
獅子城・羽鳥
連係・アドリブ歓迎
変換表を有効活用
クロノヴェーダに媚びへつらって生け贄を捧げたり捧げられたりは真っ平ごめんだ
現地の奴隷に似た貫頭衣を着て紛れ込む
ディアボロスで成人男性ならパラドクスなしでも力仕事は大丈夫だろう
建立に駆り出された人々と愛想よく世間話して雑念を引き出すぞ
故郷の懐かしさでも愚痴でも好きな食べ物でも恋バナでも何でもありだ
作業が辛そうなら代わってやるのも手だな
別の思いで建立の邪魔か……
それじゃ吟遊詩人らしく恋の詩でも込めるか
騎士が貴婦人に捧げるプラトニックなヤツだ
もしくは敬虔な振りして(ステーキ食べたい)と祈ったりな
変換表にステーキがなければ他の肉料理で代用
ラズロル・ロンド
祈りを神から背けるよう人心掌握・誘導を目指す
連携アドリブ歓迎
奴隷と同じ服を着て
頭は布と紐で耳を隠し尻尾は腰に巻いて誤魔化そう
背に古い鞭打ち跡があり馴染みやすいだろう
適度に働き怪しまれ無いようパラドクスは使わない
仕事の合間に話しかけては共感・同調し
苦労を分かち合い仲良くなる
会話が弾めば
これが終わったら何をする?と未来の話を聞く
郷愁を誘う話に誘導し
僕はまた…友とビールを飲みたいな
と本音も交えて会話を楽しむ
特に親交深い数人には内緒話
僕等は殺される
絶対言うなよ
と噂を流し猜疑心も蔓延させたい
既に神に捧げる命と諦める者が居れば
僕は死にたくない生きて帰りたい
と思っていい事を示そう
僕は復讐の念を祈る
この偽神め
ピエダド・ロザーノ
ワタシは水運びの作業人員として紛れ込むわぁ
アプローチ相手は同じ女性をメインにするね
特に休憩中にとかは気が抜けるだろうから、気軽に皆に話しかけるわ
重いものを運搬するのは大変よねぇ
ねぇ、コレに祈ったら神の祝福の効果があるのよね
だったらさぁ、素敵な人と巡り合えますように、なぁんて祈ってみない?
ダイジョーブよ、バレやしないって!
重い壷を運んでるんだから、それぐらい役徳があってもいいでしょお?
祈りの中身は目に見えないし、自分一人だけが邪念を込めても問題ない、って論法で広めてくわ
ワタシ自身が込めるのは、当然怒りよ
…わたくしめが祈りを捧げる御方はただひとりだけ
このような愚物に差し出すものなど何一つ無い!
バースィル・アシュラフ
「ご苦労だ、民達よ」
力作業は多くの男手を必要とするからな。
疲れている男達に話しかけよう。
疲れている今なら多少思考も鈍るだろう?
我が言葉を吟味する余裕はないはずだ。
騙しているようで気が引けるが、この際置いておこうぞ。
「ここだけの話だが、神がこのオベリスク建立に怒りを持っているらしい」
「あぁ、もちろん、命じている神ではない。別の神よ…神は一柱ではなかろう?」
「上の者は隠しておる…今は大きな邪魔はないようだが、先は分からぬ…先ほども問題があったしな?」
そう、もしも神の怒りが爆発した時、逃げるように勧めておこう。
頭の片隅にその考えを潜ませておけば、その時に行動に移しやすかろう。
アドリブ歓迎
絡み歓迎
●
ヒビは入っていなかったようだ。
作業の再開を告げられた労働者たちは、ウンザリ顔で雲一つない空を仰いだ。
ディアボロスたちも腰をあげ、乾いた大地に横たわる巨大な石柱へ向かう。
平良・明(巡礼・g03461)は、ピラミッドの形を成す尖端へ向かった。オリベスクを引く象を見るチャンスなどそうあるものではない。期待に胸を膨らませて運ぶサンダル履きの足は、乾いた土で早くも白くなっていた。
途中、粘土焼の水壺を抱えたピエダド・ロザーノ(聖餐を供する者・g03960)と目が合った。軽く手をあげて挨拶する。
ピエダドは他の水運び女とともにナイル川に水汲みにいっていたようだ。すでに他の女たちと気心知れたようで、笑い声をあげながら宿舎へ歩いて行く。
(「あとでピエダドさんから水をもらって、足を洗いましょう」)
うっすらピンク色した巨石の裏から、象の鳴き声が聞こえてきた。
明は象や御者を驚かせないように、少し離れたところから声をかけた。
災難でしたね、と人のよさそうな顔で近づく。
「随分と派手に落ちていましたが、腰とか首とか痛くありませんか」
「ああ、大丈夫。落ちたのがたまたま砂の柔らかいところでよかった」
「よくあることなんですか」
ん、と御者が黒い顔を向けてくる。
明は割れた枕木を指した。
「ない。あの枕木は中が虫に食われて枯れていた。これで石にヒビでも入っていたら……」
御者は親指で首を掻っ切るしぐさをした。
明はいささか物騒な方向へ流れかけた話を、やや強引に象の話題に変える。
「あんなことがあったのに、すぐに落ち着いて賢い子です」
「そうでもないよ。こんなに図体がでかいのに、象は臆病な生き物でね」
ゆらゆらと揺れる長い鼻を目で追いながら、へえ、とのんびりした声を返す。
「ところで象はどこから来たのでしょう。随分と遠い所から来たのではないでしょうか」
「ずっと南、ヌビアからだよ。俺もヌビアの出身だ。俺の村は海の近くでね」
御者の話を明は上の空で聞いていた。
(「ええっと、ヌビアといえば……」)
頭の中に広げた地図でヌビア沙漠を探す。
話からするとナセル湖辺りから南は海になっている可能性が高い。単に御者が、紅海近くの村の出身である可能性もあるが。
新宿に戻ったら、旅団にナセル湖の調査を提言してみようか。
適当に相槌を打っていると、巨石の上から現場監督の怒鳴り声が落ちてきた。
「ほら、あんたも早く持ち場に戻んな」
その頃ピエダドは、足首に小さな額を押しつけてくる猫を反対の足でそっと押しやって、ナイルで汲んだ水を大瓶の一つに移していた。
にゃん、と甘えた声が下でする。
「はぁい、甘えん坊さん。お腹が空いているのかな」
「構っちゃダメよ、居つくから。ネズミを捕らない猫はいらないの」
「あらあら。働かざる者食うべからずってやつね。ネコちゃん、頑張ってネズミを捕っていらっしゃい。そうしたら美味しいものを食べさせてあげるわ」
猫に話しかけるピエダドを、水運びの女たちの温かい笑い声が包み込む。
「捕ったネズミが一番のご馳走だよ」
それもそうね、とピエダドも笑う。
パンパン、と手を打つ音が響いた。
「もう一度水を汲みに行くわよ」
エジプトの女は働き者だ。誰一人不平の声を零さず、瓶を抱えてきつい日差しの中に出ていく。
ピエダドは水汲み女を仕切っているらしき背の高い女に近づいた。
「重いものを運ぶのは大変よねぇ」
「そうね。私の家なんて最悪よ。近くの川まで半日もかかるの。水場の遠い家には嫁ぐなって、親のいうことを聞いておけばよかったわ」
「結婚してたのぉ。ねえ、旦那さんは?」
あそこ、と指さした先はゴトゴトと動く巨石だった。汗と土埃にまみれてロープを引く労働者の中に、彼女の夫がいるらしい。
当てが外れた。
同じ年頃の女性であれば、将来のパートナーについて話が盛り上がる。素敵な人と巡り合えますように、と祈るように誘導するつもりだったのに……。
まあ、ほかにも若い女性はいる。
「共働きな、大変ねぇ」
「この子のためにもしっかり働かないとね」
そう言って、女はまだ膨らみが目立たない腹を撫でた。
そのとき、ピンと閃いた。
「ねぇ、アレに祈ったら神の祝福の効果があるのよね」
「どうしたの、急に。そりゃ、あるに決まっているわよ」
「だったらさぁ、赤ちゃんの未来に幸あれ、なぁんて祈ってみない? ダイジョーブよ、バレやしないって! 重い壷を運んでるんだから、それぐらい役徳があってもいいでしょお?」
●
ふくらはぎが張り、肩にロープが食い込む。
ロープラズロル・ロンド(デザートフォックス・g01587)は歯を食いしばった。
重いなんてもんじゃない。象が引っ張ってくれているし、下には枕木が置かれているが、推定300トンはあるかという巨石はなかなか進まない。
(「パラドクスが使えればなぁ……」)
作業が再開してから半刻、狐耳を隠す頭巾が湿るほど汗をかいていた。喉はカラカラで、水分を失った口蓋がひりつく。
もうダメだ、と思ったところで、上から休憩の声が降ってきた。石柱の肌に背を預け、焼けた砂の上に尻をつく。
「兄ちゃん、何処から来た?」
頭をつるりと剃りあげた男が、人好きのする笑顔で水袋を差し出してきた。
ありがたく受け取る。
「その……東のほうから」
「なるほど、背中の傷は向こうでつけられたのかい。よかったな、こっちに来られて」
なにが良かったのか分からないが、男がこちらの素性をそれ以上詮索しないでいてくれるのはありがたい。
「で、何をやった?」
むせた。貴重な水を噴きだす。
「跡が残るぐらい打たれたんだ。よほどのことをして前の主人を怒らせたんだろ? 主人の女に手をだしたか」
ロープラズロルは曖昧に笑った。
男はそれを肯定の印と受け取ったようだ。太い腕を肩に回してきた。
「メンフィスに戻ったらいいところに連れてってやるよ。おまえもメンフィスだろ。オレもだ。オレと一緒で垢ぬけるからすぐわかったぜ。東の田舎女よりもずっといい女を紹介してやる」
よくしゃべる男だと苦笑いしつつ、ロープラズロルは『仕込み』を始めた。
男にぐっと顔を寄せると、声を囁き程度に落とす。
「僕等は殺される。だからメンフィスには戻れない」
「な、なんだって?」
「誰にも言わないで、オリベスクが立ったら僕等はアテン神への生贄にされる」
男は目を泳がせた。
おそらく、先に立てられたオリベスクで同じようなことが行われたに違いない。クロノヴェーダたちは死人に口なしと思っているのだろうが、数百人もの人間が帰ってこなければどう隠したところで噂になる。
この男もどこかで噂話を聞いたことがあるのだろう。そんなのは嘘だ、という声に張りはなかった。
気まずい沈黙が続く。
「ご苦労だ、民達よ」
顔をあげるとバースィル・アシュラフ(焔陽の獅子王・g02196)が立っていた。
「ねぎらいのお言葉、ありがとうございます」
どうやら男はバースィルを神官かなにかと勘違いしたらしい。
それもそのはず。バースィル身につけているは地味で簡素なものだが、布地の光沢に落ち着いた気品が感じられる。労働者たちの荒布とは大違いだ。
ロープラズロルも男に倣って平伏した。
「先ほどの話だが――」
「き、聞こえたんですかい!」
男は大げさなほど体を仰け反らせると、慌てふためきながらバースィルにすがりついた。
「コイツは疲れすぎて自分が何いってんだか分かっちゃいねえんですよ。どうか、どうか聞かなかったことにしてやってください」
バースィルは形のいい唇を、にっと持ち上げた。
左右に目をやったあと、すっと腰を落とす。
「ここだけの話だが、神がこのオベリスク建立に怒りを持っているらしい」
「は?」
「あぁ、もちろん、命じている神ではない。別の神よ……神は一柱ではなかろう?」
男は顔をロープラズロルに向けた。
バースィルの意図を察したロープラズロルは、神妙な顔で顎を引いた。
「ほんとうかよ……」
「上の者は隠しておる……今は大きな邪魔はないようだが、先は分からぬ……先ほども問題があったしな?」
先ほどの問題とは、枕木の破損のことだろう。そもそも神事に使われるものが、虫食いで脆かったなどということがありえるだろうか?
これは偶然ではない、とバースィルはいう。
「お前たちのことを思って言う。もしも神の怒りが爆発した時は、迷わず逃げよ」
バースィルは細かく震えだした男の肩に手を置いた。
「このことは我らだけの秘密だ。よいな」
どうして自分たちだけに、という疑問は恐怖が染み込んだ男の頭には浮かばなかったらしい。
男は首の骨が折れたかのように、かくん、と頭を垂れた。
オベリスクが無事に完成しても生け贄として殺されるかもしれない、そうでなくても別の神の怒りをうけて殺されるかもしれない。
こんな状態で、アテン神を讃えて祈るなんてできないだろう。それに、いざというときは、脱兎のごとく逃げ出してくれるはずだ。
バースィルはロープラズロルに目配せすると、次のターゲットの元へ向かった。
●
獅子城・羽鳥(メタリックトルバドゥール・g02965)は、タンブーラの弦をかき鳴らした。四本弦で紡ぐ旋律に恋の詩を乗せる。
騎士が貴婦人にミンネを捧げる詩なのだが、内容の細かなところは理解できなくともロマンチックに感じるらしい。
羽鳥の周りにはべる女たちは目を潤ませて、ここではないどこか美しい場所で美しい男の姿を見ている。
ピエダドだけが、「さすが吟遊詩人」と感心しつつ、水差しを手にテーブルを回っていた。
「ああ、ピエダド。俺にも一杯水をくれないか? 語りすぎて喉が渇いたよ」
「いいけど。ビールがあるでしょ?」
これか、と羽鳥は陶器のジョッキを持ち上げた。
古代のビールは現代のものと全く違うものだ。灰汁の強い濁り酒である。
「浮いている麦の殻が喉に引っ掛かる。喉を傷めてしまいそうでな。今夜はまだ詠いたい詩がある」
早く聞かせて、と女たちがせがむ。
「後で。少し休憩させてくれ」
羽鳥は水の入ったカップを持って、はげ頭の男を慰めるロープラズロルのもとへ向かった。
「どうした、辛気臭い顔をして。元気が出る詩でも聞かせようか?」
男は首を横にふった。
あまりに様子が変なので、ロープラズロルをテーブルの脇に連れだして話を聞く。
「なるほど。脅しが効き過ぎたってわけか」
ちらりとバースィルへ目をやれば、件の御仁はパンを乗せた皿にタマネギの刻みとニンニクと塩を聞かせた焼かれた肉を乗せるところだった。
「あれは何の肉だ?」
象の御者と連れ立ってやって来た明が、あれはペリカンの肉だと教えてくれた。
「わりとペリカンは食べられるそうです。ハイエナも食べます」
「ハイエナ……筋が多そうだな。牛は無いのか?」
牛に限らず、古代エジプトでは肉はぜいたく品だ。肉はご馳走であって、神への捧げものとされたり、客のもてなしに出されたりするもの。ちなみに豚肉は不浄のものとして嫌われている。
この作業に出ている者たちはかなり優遇されているようだ。
(「そりゃ、こいつらの祈りが守りを固めてくれるんだからな、待遇もよくなるってもんだ。……俺はクロノヴェーダに媚びへつらって、生け贄を捧げたり捧げられたりは真っ平ごめんだが」)
羽鳥の後ろで男が呻き声をあげた。
「畜生、死ぬ前に牛をたらふく食いてぇなあ」
「じゃあ、そのことを神に願ったらどうだ? 今まで食べた中で一番美味しかった牛肉の料理をきかせてくれ。俺が詩にしてやる」
皿を持ったバースィルがやってきて、俺も手伝ってやろうと言った。
「オレも吟遊詩人だ。民のために一肌脱ごう」
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【腐食】LV1が発生!
【活性治癒】LV1が発生!
【モブオーラ】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
【エアライド】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【ドレイン】LV1が発生!
【フィニッシュ】LV1が発生!
【アヴォイド】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
●
石柱はたっぷり三日三晩かけて、ナイル川からアテン神殿の前に運ばれた。
その間、ディアボロスたちの破壊工作が密かに続けられ、労働者の大半に雑念を植えつけることに成功していた。
いよいよ、石柱が立てられる。
石柱の先端部にかけたロープを、現場監督の号令で象と数百の人間が一斉に引っ張る。
「一瞬たりとも気を抜くな! 一歩間違えば、弾みでお前たちの上に倒れてしまうぞ」
そんなことを言うと持ち上げられるものも持ちあがらないのではないか、と思いつつディアボロスたちも懸命にロープを引っ張った。
石柱は地面に深く掘られた穴を受け皿にして、ゆっくりと立ちあがっていく。
突然ロープが切れでもしたら、どの方向へ倒れるか分からない。実際、下敷きになって即死する事故も多発しているらしく、誰もがピリピリしていた。
ものすごい緊張感だ。
目に入る汗をぬぐうこともできない。
このとき、水運び女たちは水かけ女に代わっていた。ロープが緩まないように、どんどん石柱に水をかけていく。こうすると水を吸った麻の繊維が膨張して、結び目がしっかり締まるのだ。
ただ、日差しが強く空気が乾燥しているので、これが結構大変なのである。
男も女も、全身汗まみれになったころ、石柱が天を刺すようにすっくと立った。
「よくやった!」
キイキイと耳障りな声が白い砂のうえに響く。
石柱の根元を見ると、剣を携えたマミーたちに取り囲まれて、サル顔、いや直立するサルの神官がパピルスを広げて立っていた。
あれが『ヘジュ・ウル』か。
「あとはこの石にアテン神を讃えるヒエログリフを刻み込むのみ。祈りを捧げよ!」
『ヘジュ・ウル』の目が怪しく光る。
男も女も、一斉に熱い砂の上にひざまずいた。手を胸の前で合わせ、何事かぶつぶつと口にし出す。
ディアボロスたちも祈るフリをした。
ある者は旅の計画を立てる。
(「エジプトが戻ったら、ピラミッドに登ってみたいです」)
黄金色の光が空を走り、石柱の表面にヒエログリフが掘り込まれていく。
ある者はステーキを夢見る。
(「帰ったら最高級の牛肉ステーキを食べたいな」)
黄金色の光が空を走り、石柱の表面にヒエログリフが掘り込まれていく。
ある者は呪う。
(「我が眠りを妨げし愚かなるクロノヴェーダに、復活なき永遠の死を!」)
黄金色の光が空を走り、石柱の表面にヒエログリフが掘り込まれていく。
ある者は復讐を誓う。
(「この偽神め」)
黄金色の光が空を走り、石柱の表面にヒエログリフが掘り込まれていく。
ある者は怒りを込めた。
(「……わたくしめが祈りを捧げる御方はただひとりだけ。このような愚物に差し出すものなど何一つ無い!」)
黄金色の光が空を走り、石柱の表面にヒエログリフが掘り込まれる。
石柱の四面にびっしりヒエログリフが刻まれ、先端に置かれたベンベン石が太陽を受けてギラリと輝いた。
「みなのもの、工事ご苦労であった。お前たちは、この儀式を盤石にするための生贄になる資格がある。さあ、その身をアテン神にささげるがよい!」
『ヘジュ・ウル』の命令を受けて、マミーたちが一斉に人々に切りかかる。
獅子城・羽鳥
①③の人手が要る方
人命最優先
奴隷に大声で避難呼び掛け
残留効果活用
連係・アドリブ歓迎
自分のパラドクスと敵の攻撃方法の特性を考慮して戦う
可能なら味方を援護
勝利のためある程度のダメージは仕方ないが仲間を不利にする行動はしない
マミーとは初めて戦うがクロノヴェーダの犠牲者だと思うとやりきれない
だがここで退いたら更に犠牲者は増えてしまう
安らかに眠ってもらうしかない
基本は《臨機応変》《一撃離脱》のヒット&アウェイ
パラドクスは装備中の長剣「レオン=カスティリア」でぶった斬ったり《フェイント》で機械の腕で殴る
敵の反撃は飛翔や《地形の利用》でやり過ごすか《忍耐力》で耐える
オベリスクは自分や仲間が作った弱点を狙う
●
労働者たちから悲鳴がわき上がった。
ディアボロスたちはすぐに祈りのポーズを解き、必死の形相で労働者たちをマミーの凶手から遠ざけようとするが、後ろも突然のことにフリーズした人々で詰まっていて下がりようがない。
「助けてくれ」
助命の声を、別の悲鳴が塗りつぶす。
「いま行くぞ」
助けに行こうとした獅子城・羽鳥(メタリックトルバドゥール・g02965)の目の前を、一体のマミーが横切った。
目の端で、腰を抜かした男に切りかかろうとしている。
刹那、鳥羽は白い手を音もなく動かした。
『何者かは知らないが、力を借りるぞ』
戦乙女の槍の加護を宿らせた獅子の紋の長剣が、唸りを上げて弧を描く。空を不吉な真紅の半円が飛ぶ。一撃目でマミーの剣を持つ手が宙に舞った。鳥羽の長身がひるがえり、返す二撃目であっさりと首が落ちた。
(「安らかに眠れ」)
風がふいて砂埃が祈りを呟く顔をなぶる。が、鳥羽は表情を微塵も変えなかった。
マミーとてクロノヴェーダの犠牲者であることには変わりない。そう思えばやりきれないが、ここで退いたら更に犠牲者か増える。心で泣いて切るしかないのだ。
よく通る声で、あわあわと喚く男を一喝した。
「立て。動けぬ者を連れて、この場から離れろ!」
男の行動を確かめもせず、首を巡らせる。
先ほど助命の声をあげた男を、クーフィーヤを被ったドラゴニアンが助けていた。
この時代の人間ではない。新たに加わったディアボロスだろうか。オベリスクの運搬に携わっていなかったのは確かだ。
湿った風に顔をあげれば、空をバースィルが呼んだ雷雲が覆っていく。
ピエダドと明が、マミーたちの剣をかいくぐり、オベリスクに向かって駆けていった。ほかの仲間たちもどこかで戦っているだろう。
思わぬ伏兵の出現に慌てた『ヘジュ・ウル』が、キイキイ声でマミーたちを叱咤する。
「贄に構うな、神の敵を討て!」
「神の敵……ねえ。お前がそれをいうか、歴史の簒奪者よ!」
鳥羽は手にする長剣で新手のマミーを迎え撃つ。剣先でフェイントを仕掛け、相手が怯んだ隙に間合いを詰めた。足払いで転倒させる。うつ伏せに倒れる瞬間を狙い、鳥羽は機械の腕で顎を殴り上げた。
「お別れだ」
戦乙女から射す光を一本の巨大な槍に変えて、落下するマミーに投げた。
大成功🔵🔵🔵
効果1【強運の加護】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】がLV2になった!
バースィル・アシュラフ
「命が惜しい者は疾く逃げよ!振り向くな、殿は我が護るゆえ!」
民に声をかけつつ、とにかく我が民を逃がすために敵を倒そうぞ。
我が民の危機なれば、出し惜しみはなしだ。
【蛇竜雲雨】で辺りに毒雨を降らそう。
うまくいけば敵の視界の邪魔となり、民を逃がしやすくなるやもしれぬ。
「…ふん、そのような呪詛、民を虐げられた我が怒りに比べれば塵に等しい」
飛翔とエアライドで弾を避けようぞ。
もちろん、その先に我が民がいるならばこの身をもって止めよう。
我は遍く民の庇護者なれば。
「ここは決して通さぬ。通りたくば、我を倒すがいい…出来るものならな?」
挑発的に笑って、王手ずから相手をしてやろうぞ。
アドリブ歓迎
絡み歓迎
モロク・アルデバラン
おのれ、本当にやるとは。悪魔め
アレらは吾輩らが引き受ける。ええい、皆早く逃げるのだ!
【砂使い】と【風使い】の秘術による渦でアレらを【捕縛】し皆の退避の【時間稼ぎ】に努める
【飛翔】により素早く展開して被弾を抑えたい
あの弾は呪詛の類いか?まずい、流れ弾が労働者たちへ飛びかねない
『サンドリオン』を高速完全詠唱し、砂像群を彼らの盾にする
さぁ大事である。噛むなよ、吾輩
この間、我輩は無防備に見えアレらの的になりやすい
そこでサンドリオンの一つを砂中に潜ませカウンターを狙う
取って置きだ、取っておけ
汝らもまた、あの鬼畜の捨て駒であることは理解しておる
アレは吾輩らが滅す。安心して砂塵に眠るのだ
アドリブ共闘・大歓迎
●
バースィル・アシュラフ(焔陽の獅子王・g02196)は澄んだ空に声を響かせた。
「命が惜しい者は疾く逃げよ! 振り向くな、殿は我が護るゆえ!」
その声に応じるかのように、翼を翻したピエダドがオベリスクを攻撃。右側面の上で、燃える石の花火が咲く。
明が腐食の霧をひろげて、落下する燃える石から人々を守った。
ここに至ってようやく、大多数が正気を取り戻したようだ。
騙されていたことに気づいて、あるいは、なおも信じる神の怒りを恐れて走り出す。
「に、逃げろー」
アテン神殿前はたちまちのうちに阿鼻叫喚の様相を呈した。
バースィルは、恐ろしさのあまり気絶した小男が踏み潰されないように体を盾にした。
「ここは決して通さぬ。通りたくば、我を倒すがいい……出来るものならな?」
シャムシールを振るって二体のマミーを相手どる。
剣と剣が打ちあわされ、火花が散った。
手首を回して剣を受け流し、一体の腹に蹴りを入れて尻もちをつかせる。返した剣でもう一体の首を刎ねた。
首を失ったマミーは、両腕を前に出してあらぬ方向へ歩いていく。
平手打ちの音がして、首を横向けた。
クーフィーヤを被ったドラゴニアンの男性が、棒のような男の肩をつかんでいた。
モロク・アルデバラン(誇り高き砂暮らし・g01160)だ。
「しっかりせよ。アレらは吾輩らが引き受ける。ええい、皆早く逃げるのだ!」
バースィルはクーフィーヤを被った男に警告を飛ばした。
「後ろ!」
モロクは声に反応するや、素早く身体を回した。カンドゥーラの裾が純白の弧を描いて翻る。
魔石が埋め込まれた杖で近づいてきていたマミーを打ち据えて、棒のような男が逃げる時間を作った。
「感謝する」
バースィルは起き上がった小男の背を押してナイル川へ逃がした。
「復讐者か?」
「モロク・アルデバランだ。以後、見知りおき願う」
「バースィル。向こうにいるのは鳥羽、オベリスクを攻撃しているのがピエダドと明だ。ここからは見えないが他にも仲間がいる」
敵の気が逸れている今が好機だと思ったか、別のマミーが二人の間を一気に抜けた。
這って逃げる年老いた男と距離を詰め、日に焼けた背に剣を振り降ろす。
二人が振り向いたときには、斬りつけられた男が痛みに悲鳴をあげながら地に伏せるところだった。
●
肉体から剥離した霊体が、引っ張られるようにしてオベリスクへ飛んでいく。
霊体を吸収したオベリスクの表面が発光し、波打った。
安全な場所でマミー兵団を指揮しているヘジュ・ウルが手を叩いて喜ぶ。
「よくも我が民を!」
「おのれ、本当にやるとは。悪魔め」
バースィルは怒りを呪いに変えて、人々とマミー兵団の間にマタル・アスプの楔を打ち込む。
『雨よ。恵の雨よ。厄災の雨よ。今此処に姿を現さん。其は二面を持つモノなり』
エジプトの空を震わせて雷鳴がとどろき、降り出したパラドクスの雨が泥しぶきをあげた。幻の大蛇が、全身を大きく揺らしながら空を這う。突然の雨に視界を遮られ、戸惑うマミーたちを嗤っているのだ。
大蛇が裂口を開けて、ねばついた毒の息を吐きだした。
毒雨に打たれて黒く変色した包帯が崩れ、溶けだした中身が砂に染み込んだ。
ヘジュ・ウルの甲高い声が、雨の中で影絵のようにうごめく薄墨色のマミーらを叱咤する。
「なにをグスグズしておる。粉砕覚悟で敵を討て!!」
直後、黒くけぶるアテン神殿の上に偽りの赤い月が昇った。
マミー兵団が捨て身になって襲いかかってくる。
「……ふん、そのような呪詛、民を虐げられた我が怒りに比べれば塵に等しい」
バースィルは高く跳んで、第一波をやり過ごした。
モロクが杖を高く掲げる。
(「さぁ大事である。噛むなよ、吾輩」)
不意にもうもうたる砂けむりが、アテン神殿一帯に立ちのぼった。風に流されて集まった砂が人の手足をかたどり、逃げる人々の背の前に立ちあがる。全身に氷の刃を纏って。
とっさのことに勢いを落とせないマミーが、次々と氷の刃を帯びたサンドリオンに突っ込んでは体を切り刻まれていく。
モロクの砂像をかろうじて避けたマミーを、鳥羽とバースィルが追撃する。が、マミー兵団のほうが数で上回っていたため、数人が犠牲になった。
その度にオベリスクに魂が吸い取られ、ディアボロス排斥の力が一瞬解放されて、破壊に当たっているピエダドと明の体を弾く。
砂と風の使い手であるモロクは、秘術を用いて渦のように動く砂の流れを作りだしてマミー兵団の足を止めた。
「もう一度、黒き雨を!」
叫ぶモロクに、赤い月の光を受けた剣が振り降ろされる。
モロクの前にサンドリオンが現れた。
「取って置きだ、取っておけ」
前のめりになって襲ってきたマミーを、氷の刃を埋めた砂の体が抱きとめる。
「……汝らもまた、あの鬼畜の捨て駒であることは理解しておる。アレは吾輩らが滅す。安心して砂塵に眠るのだ」
抱き合う二体を、降り出した黒い雨が溶かした。
残ったのは血の浸み込んだ砂だけ。あとは砂漠の風に任せておけばいい。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【水源】LV1が発生!
【使い魔使役】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
平良・明
最近は息をするように残留効果を使っていたのでなかなか新鮮でした
さて、復讐者の仕事の時間です、まずは恰好を元に戻さなくては
いつもの作業着、いつもの帽子、いつもの呼吸、これが大事です
【腐蝕】で敵側の視界を遮るように霧を生み出しながら、一般人の方が逃れやすいように援護
【治癒活性】で慌てて転んだ時のサポートも万全です
【完全視界】で味方の視覚支援も行いましょう
立派な建造物とはいえ、後世に残してはいろいろとまずいものもあります
このオベリスクが遺構として残る未来への時の流れを変えて
早々と由緒正しきダイナマイト発掘の再現をしてやしましょう
では、よく観察して、弱点を見つけて、香炉を一振り
ピエダド・ロザーノ
神が僭称することも、それに首を垂れる人々もまあ許容するけど、
明らかな愚行までは看過しないからねぇ?
このディヴィジョン、ワタシ的には完全にアウトよぉ?
それじゃ、首魁を叩く前にとっととぶっ壊しましょうね
翼で空を飛んでオベリスクに接近
みんなのパラドクスの射線とか攻撃範囲に巻き込まれないぐらいの位置に陣取っちゃうわ
全力で燧石を連射してくわよぉ
ふ~ん、弱点が見えるってのはこんな感じなのねぇ
反撃されない的だから、やたらと乱射せずに、見える弱点の場所をきっちり狙ってくわ
そ~ら、…爆ぜ砕けよ! 偽りの信仰と栄光と共に!
●
ピエダド・ロザーノ(聖餐を供する者・g03960)の目の前で、まだ若い男が逞しい足をもつれさせて倒れた。
格好の獲物と若者に襲いかかったマミーの頭に、持っていた水瓶を叩きつけて割る。
「ぐへぇ……」
マミーが喉の奥で潰れたような声を出して、顔に幼さが残る若者の上に倒れ込んだ。
「どいて。彼、嫌がっているじゃない」
ピエダドはマミーを蹴り転がした。
体を折って若者に手を差し伸べる。
「これで解ったぁ? このディヴィジョン、ワタシ的には完全にアウトよぉ? アナタもそう思うわよねぇ」
若者は少しためらったあと、ピエダドの手を掴んで立ちあがった。背を向けて脱兎のごとく逃げる。
「うふ、若いわねぇ」
風が強く吹き、シナモン色の砂塵が一瞬、風景をかき消した。
「あらん? どっちだったかしら、オベリスク……それにしてもいい匂いねぇ」
「乳香ですよ」
砂埃の紗の向こうから、平良・明(巡礼・g03461)が現れた。
「各種の宗教儀式に神聖な香りを燻らせるとき、使われるものです。この三日間、夜こっそりアテン神殿を見学させてもらった時に見つけて、少し拝借しました。まがい物を壊す時に使うと、皮肉がきいていいんじゃないかって思いまして」
明は香炉を振って、嘘の願いのヒエログリフが刻まれた弱点を叩くという。
「あら、いいじゃない。それじゃ、首魁を叩く前にとっととぶっ壊しましょうね」
ピエダドは翼を広げて砂埃を西へ流す風を捕えると、空へふありと浮上がった。
「私はマミーを適当に叩きながら、正面をやります」
「あら、じゃあ、向こう側と裏面は?」
「さっき、ラズロルさんがオベリスクの右に回りました。裏側には白いサルの神官……ヘジュ・ウルが近くにいて危険なので、最後にみんなでやりましょう」
●
陽光を受けてきらめくナイルを視野に入れると、自然と戦場全体を見渡すことができる。
ピエダドは微笑んだ。
まだわが身に何が起ころうとしているのか理解していない人々の間を、さっき助けた若者が老人を背負って逃げている。
見知らぬドラゴニアン(モロクという名であることを後で知る)が杖で殴り倒したマミーの横を、水運び女たちを纏めていた女性と肩の筋肉が盛り上がった男性と手を繋いで走って逃げていく。
(「……元気なベビーを産んでねぇ。お幸せに」)
ピエダドは指を幸福の形に結んだ。
「さて、お仕事にかかりましょう。私たちが念じて刻んだ――。ふ~ん、弱点が見えるってのはこんな感じなのねぇ」
ピエダドのヒエログリフは、磨き上げられたオベリスクの表面でめらめらと燃え上がり、怨嗟に身をよじらせていた。
もちろん、そんな風に見えるのはディアボロスだけで、一般人やクロノヴェーダ―にはただのヒエログリフとしか見えていない。
「そ~ら、……爆ぜ砕けよ! 偽りの信仰と栄光と共に!」
空中で旋回したピエダドから散弾のように放たれた燧石の礫が、オベリスクを穿ち、蜂の巣のような穴をあけていく。
ガガガガ、と岩が削られる音とともに赤く熱した石の欠片が花火のように飛び散り、人々が悲鳴をあげた。
明が腐食の霧を発生させて、落ちてくる石の欠片と近くにいるマミーたちの武具を溶かした。いくらか人々を守る助けになっただろう。
「あとはバースィルさんたちにお任せです。さて、復讐者の仕事の時間です、まずは恰好を元に戻さなくては」
いつもの作業着、いつもの帽子……現地民の服装を捨てて、いつもの着慣れた服に変えた。すう、と深呼吸ひとつ。
「いつもの呼吸、これが大事です」
では、といって目を見開き、前のオベリスクをよく観察した。
「……なんですかね。このヒエログリフは」
顎を心持ちあげたところに、独特のリズムで腰を振るかのような動きをするヒエログリフがあった。
「ブラジルの……サン……バ、でしょうか? これはたぶん、私が念じて彫らせたものですね。南米でサッカーの試合が見たいと願ったのですが……」
少々、戸惑いを覚えつつ、明は左手に作りだした気体爆薬を香炉の種火に送り入れ、鎖いっぱい大きく後ろへ振った。
右上からはピエダドが断続して落とす燃える石片が、左側面からはラズロルが石を叩く音が聞こえてくる。
「立派な建造物とはいえ、後世に残してはいろいろとまずいものもあります。このオベリスクが遺構として残る未来への時の流れを変えて、由緒正しきダイナマイト発掘の再現をしてやしましょう」
明が腕を振った。
『想い流れ、願いは祈り』
ぎらつく陽光に負けじと炎をあふれさせた香炉が、なんとも名状しがたい唸りを上げて、サンバを踊るヒエログリフにぶち当たる。
爆発で賑やかに飛び散った無数の岩石片が、明を目がけてまっすぐに飛んできた。迫力が凄まじいが、事前に発生させていた腐食の霧が被弾するのを防いでくれた。
一拍置いて、オベリスクが前傾する。
「あは。いい感じねぇ。みんな大体逃げたみたいだし、明、さっさと裏に回って仕上げちゃいましょう」
「了解です」
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【完全視界】LV1が発生!
【飛翔】がLV2になった!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV2になった!
●
「お、お、おお……っ。馬鹿な、そんな馬鹿な……」
ヘジュ・ウルはおののき声をあげ、後ずさりした。
高く澄んだ空をベンベン石が輝く先端でひっかけるようにして、巨大なオベリスクがゆっくりと倒れていく。
大型爆弾が落ちたかのような激震が起こり、大地が大波を打った。凄まじい土砂噴煙が天を隠すほど吹きあがり、辺りが暗くなる。
茶色い太陽の光が弱々しく照らす乾いた大地には、砕け散ったオベリスクが四散していた。
ディアボロスたちが、ヘジュ・ウルを取り囲む。
かの偽神官を守るマミーたちはもういない。
怒りで顔を真っ赤にしたヘジュ・ウルの肩が小刻みに震える。
「か、かくなる上は、お前たちを生贄にしてアテン神に捧げてくれるわ!」
平良・明
それにしてもアテン神、なぜクフ王の治世にアテン神なんでしょう
そこらへんが流行ったのは18王朝のあたりだった気がします
歴史侵略者の都合がよかったと考えるのが自然で、ヌビアも侵略されている様子
そこらへんの歴史をまぜこぜにしただけなような気もしますが
そうすると前14から16王朝のヒクソス人の扱いが気になります
ヒクソスとは野蛮な侵略者。
復讐者、あるいは他ディヴィジョンの歴史侵略者?
排斥のオベリスクなるものが存在している時点でなかなか怪しいので
調べてみるのが良さそうです
折角覚えた対応表もあるのでオベリスクを読み解いてみましょう
気分はシャンポリオン
解らなかったら腹いせにパイルバンカーぶち込みましょう
●
ヘジュ・ウルがバサッと音をたてて巻物を広げた。パピルスに記されたヒエログリフが、青白い光を発する。
「我と我が神の前にひれ伏せ」
小さな金の目を光らせて、身構えたディアボロスたちを睨みながら、旗を翻すように巻物を振るいあげた。
――!?
岩が砕ける音がして、以前より神殿の前に建っていたオベリスクが倒れた。衝撃が地面と技を繰り出そうとしていたヘジュ・ウルを揺るがす。細かく砕けた岩が空中高く舞い上がり、呆然と見つめるディアボロスたちの目の前を雨のごとく落ちていく。
「き、貴様! 何をするっ」
土煙立つその向こうに、ぽりぽりと頬を掻く平良・明(巡礼・g03461)がいた。
「え? あ、ああこれですか。折角、対応表でヒエログリフを覚えましたので、オベリスクを読み解いてみようかなと思いまして。このディヴィジョンの歴史観が分かれば、調査の手助けになるかと」
ヘジュ・ウルが震える指先を明に突きつける。
「そ、それでなぜ……オベリスクを砕いた?」
明は苦笑いした。
シャンポリオンよろしく解読に挑んだのはいいが、まったく内容が分からなかったのだ。
「読めましたが、意味が分かりません。シャンポリオンは『プトレマイオス』の名の分析からはじめて、ヒエログリフを完全解読するまでに十四年もかかったそうです。その間に、エジプトの文化と歴史を吸収し、理解を深めたのでしょう。いや、素人でした」
「答えになっておらん!」
「なぜ倒したか、ですか? 腹いせですよ、腹いせ」
まったく悪びれない物言いに、ヘジュ・ウルは口をパクパクさせた。
「物に当たるのはよくないことですが、どう見てもヒエログリフの彫りが新しいし……これもあなたたちが作った物なら、ついでに壊してしまってもいいと思ったんです」
明は何事もなかったかのように、すました顔で服についた土埃を手で払った。
「それにしてもアテン神、なぜクフ王の治世にアテン神なんでしょう。あなたたちが歴史改ざんに都合がいいように、そこらへんの歴史をまぜこぜにしただけのような気もしますが」
いまにも怒鳴り散らそうとしていたヘジュ・ウルを、ラッパのようなアフリカゾウの鳴き声が再び固まらせる。
ど、ど、ど、と地響きの音がしてシナモン色の地平線へ目を凝らせば、アフリカゾウを先頭に逃げたはずの人々が槌を手に駆けてくるところだった。
「みなさん……」
大成功🔵🔵🔵
効果1【罪縛りの鎖】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】がLV2になった!
●
アフリカゾウの背に立った象使いが、明とディアボロスたちに手を振る。
「オベリスクは俺たちで粉々にする。お前たちは、復活できない形で俺たちを生け贄にしようとした、そのとんでもない偽神官を倒してくれ!」
ディアボロスたちが新宿島に帰還すれば、この数日間の記憶は胸の奥底に沈んでしまう。自分たちの歴史を奪って支配するクロノヴェーダの存在に気づき、いまディアボロスとともに戦おうとしていることもすべて。
それでも――。
「嬉しいな」
ディアボロスたちの胸に希望の光が溢れ出す。それはヘジュ・ウル、いや、エジプトを支配するすべてのクロノヴェーダを倒す力となる。
怒り狂うヘジュ・ウルは全身の毛という毛を逆立たせ、一回りほど体を大きくなってみえた。
「愚か者どもめ、自ら贄となりに来たか。望み通り、その魂、オベリスクに吸わせてくれる!」
獅子城・羽鳥
命どころか魂まで縛り付けられるとか、本気で御免だ
特にお前等クロノヴェーダという偽神にはな!
生贄にされた者達、生き埋めにされてそのまま死んだり、マミーとして死後の安息まで奪われた者達の無念を思い知れ
残留効果活用
連係・アドリブ歓迎
自分のパラドクスと敵の攻撃方法の特性を考慮して戦う
可能なら味方を援護
勝利のためある程度のダメージは仕方ないが仲間を不利にする行動はしない
常に《臨機応変・幸運》
飛翔と《一撃離脱》のヒット&アウェイがメイン
《フェイント》からの《不意打ち》を狙う
機械腕や長剣、内蔵火器全て活用
敵の反撃は飛翔や《地形の利用》でやり過ごすか《忍耐力》で耐える
お前等を地獄で裁くのは一体どんな神だろうな
平良・明
仕事の後、砂漠に飲むあったか~い缶コーヒーは激熱でしょうね
皆さんの姿にそれを想うと元気がたまりそうです
さて猿、と言えば殴りです、月に吠えるこの鉄拳、受けて頂きます
なんとなく偽の月を砕いた方がいい気もしますが、まずは突撃しましょう
この拳は世の不条理を超えていくパラドクス、いつもの呼吸です
ついでにこっそり【クリーニング】を垂れ流して元奴隷の方々にお礼を差し上げましょう。
いい旅になりました、お世話になりました。
※連携、アドリブ歓迎
ピエダド・ロザーノ
あら怖いわねぇ、そんなに怒っちゃダメよ
所詮は不徳にして滅ぶ定めの罪深き存在だけど、無様を晒さずに気高く散るだけの慈悲は与えるわよぉ?
もちろんバカにしてるんだけどねぇ
周囲の皆には警告を出しておくわ、ある程度の範囲ごと完全に焼くから
動きを抑えられようが関係はないわよぉ
たかが月を呼べるなんて程度で、何を恐れることがあるのやら
ワタシの……いえ、わたくしの神への祈りが止められるはずもない!
真に貴き力の前に消えるがよい!
とまあ、それでもトドメまでは刺せないでしょうねぇ
でも、地下からまた来るかもって牽制にもなるでしょお?
実際イケそうなら仕掛けるしね
●
ピエダド・ロザーノ(聖餐を供する者・g03960)は細い腰に左手を当てると、陳腐な脅し文句を弾けたような高笑いで遮った。
「あら怖いわねぇ、そんなに怒っちゃダメよ。所詮は不徳にして滅ぶ定めの罪深き存在だけど、無様を晒さずに気高く散るだけの慈悲は与えるわよぉ?」
「なっ……」
ヘジュ・ウルは言葉を詰まらせた。
あまりの屈辱に喉だけではなく体全体が激しく震えて、上手くしゃべれなくなったようだ。
顔を真っ赤にして、開いた口から牙を見せている。
ピエダドはおどけたしぐさであざけるように、右手をさっと振った。
「どうしちゃったの、おサルさん。固まっちゃって。ワタシたちの魂をオベリスクに吸わせるんじゃなかったのぉ。早くしないと、大事な大事なオベリスクが全部壊されちゃうわよ」
「お、おおお前……やる。こ、殺して……やる」
獅子城・羽鳥(メタリックトルバドゥール・g02965)は、ヘジュ・ウルを馬鹿にしたようにふんと鼻を鳴らした。
「命どころか魂まで縛り付けられるとか、本気で御免だ。特にお前等、クロノヴェーダという偽神にはな!」
羽鳥の言葉は、明らかに目の前の相手を見下している感情がむき出しになっていた。
ヘジュ・ウルからは獣じみた低い唸り声しか返ってこない。
平良・明(巡礼・g03461)は憐みの目を向けた。
「もはや人の言葉を発することすらできなくなってしまったようですね。早く終わらせてしまいましょう」
この○○○○○に缶コーヒーは無いだろうが、一仕事終えた後はみんなで笑いながらビールを飲みたい。
「月に吠えるこの鉄拳、受けて頂きます」
明はグッと拳を握り、疾風のようにヘジュ・ウルに向かって走りだした。
砂を蹴って、風を巻き起こし、応援の声をあげる人々の間をすっとばす。
通り過ぎた後、清らかな風が人々の腰布から汚れを落としていくのは余禄だ。
ヘジュ・ウルに迫ると、気合の声とともに体を仰け反らせ、サル面に渾身のグーパンチを叩き込んだ。
「プライスレスッ、パアアアアアンチイイイイッ!」
ぶっ飛んだヘジュ・ウルが、落ちた先で砂煙を立てた。
砂塵が空を覆い、大地が陰る。
呪いを帯びた偽りの赤い月が昇り、ディアボロスたちを照らした。
羽鳥は飛翔用の翼を展開した。
「やれやれ、やっと本気を出してきたか。いまさら遅いがな」
踵のブースターを利用して飛翔すると、よたよたと鼻血を拳で拭きとりながら立ち上がったヘジュ・ウルの上空で、赤い月を切るように急旋回する。
「生贄にされた者達、生き埋めにされてそのまま死んだり、マミーとして死後の安息まで奪われた者達の無念を思い知れ」
銀の翼を煌めかせ、猛禽属の急降下攻撃を仕掛けた。
狙いは偽神の頭部。
ヘジュ・ウルが神の拳を振りあげて迎撃する。
唸る剛腕の下を、翼を畳んだ羽鳥は高速で潜っていく。
「うがぁぁぁ!」
羽鳥の一撃は、偽神の小さな耳を飛ばし、頬を削ぎ、肩を深く切った。
激しい痛みに錯乱したヘジュ・ウルが、巻物を滅多に振り回して局地的な砂嵐を起こす。
ピエダドは口の横に手をあてて、オリベスクを壊している人々に警告した。
「みなさーん、もっと下がってくださる? ある程度の範囲ごと完全に焼くから」
「遠慮なくやるといい。人々は我々が守る!」
巻き添えにならないように、バースィルとモロク、そしてラズロルが、ヘジュ・ウルと人々の間に立って庇う。
「ありがとう、じゃあ本気でやっちゃうわね」
ヘジュ・ウルの小さな目が、ピエダドに焦点を当てた。
何かとんでもない攻撃を仕掛けられようとしているのが分かったのか、黄砂にけぶる空に再び偽りの月をあげた。
「たかが月を呼べるなんて程度で、何を恐れることがあるのやら。ワタシの……いえ、わたくしの神への祈りが止められるはずもない!」
毛深い足の下が赤く揺らいだかと思うと、円形に広がった。
「なんだ、これは!?」
『貴なる御方よ、由々しき威光の一端をこの場に現し給え』
神に出す聖餐はこのサル、時空の簒奪者であるクロノヴェーダ―だ。
あとでちゃんとしたものをお出しいたしますから、と呟いて、ピエダドは腕を振り上げた。
「真に貴き力の前に消えるがよい!」
燃え滾るマグマが噴出してヘジュ・ウルを焼き、偽の月を溶かした。
「やりましたね」、と明。
「いや、まだだ。まだやつは倒れていない」
羽鳥の言葉を裏付けるように、真っ赤なマグマのカーテンの向こうから、全身の毛を失った黒いヘジュ・ウルが姿を現した。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】がLV3になった!
【クリーニング】LV1が発生!
【おいしくなあれ】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV2になった!
【先行率アップ】LV1が発生!
【リザレクション】LV1が発生!
メルサンク・トトメス
アドリブ、連携歓迎
「アテン神はほら、唯一神として他の神様を排除しようとしたことがあるから。海を割ってエジプトを出たモーゼさんたちが参考にしたって話もあるらしいよ。これも未来の話だけどね」
もっと早くここに来ていれば良かったよ。
そうすれば、千年後に作られるはずのカルナク神殿がどうしてここにあるのか(【歴史知識】)とか、いろいろ聞き出せたのにさ。
ヘジュ・ウルさん、冥土の土産にでも教えてくれないかなあ(チラッチラッ)
一番有効な攻撃は『ヘジュ・ウル』のゴッドフィストかな?(【戦闘知識】)
𓅝𓇤𓏭𓀯(トート)の加護の元、リピートベインで模して攻撃します。
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
平良・明
よし、最後くらいはビシッときめましょう
虫の息とはいえ油断せず
小型拳銃を構えて近づいて
引導を渡しましょう
今ならなんと墓標もプライスレス……
ただし、送りのタマ代はしっかり払ってもらいます
墓荒らしの心配もありません、粉々にするので
眠らせる地がピラミッドでも洞窟墳墓でもなく本当に申し訳ないですが
私も一介の旅行者、そろそろ新たな土地へ向かわなくてはいけません
さて、このボヒョウグリフにはこう書かれています
「Requiescat in pace~やすらかに眠れ~」
では、左様なら。
●
ディアボロスたちの背後で、ガッガッガッと、人々が排斥のオベリスクを砕く音が絶え間なく響いている。
平良・明(巡礼・g03461)は銃口をヘジュ・ウルに向けた。
「みなさんの信頼にこたえるためにも、相手が虫の息とはいえ油断せず、引導を渡しましょう」
明の声が聞こえたか、ヘジュ・ウルが低い唸り声を発してぴょこぴょこと跳ねだした。
狙い定めた一発をくらえば終わりだ、という肉感的な恐怖を感じたのかもしれない。
(「……何か企んでいるのでしょうか?」)
ヘジュ・ウルから、何か大きなものが立ちはだかるかのような風を感じた。
ザッと砂を蹴る音がして砂の柱が細く立ち、前方から敵の姿が消えた。
あぶない、とピエダドが叫ぶ。
「――っ!!」
明は瞬時にパラドクスを発動させ、自分の周りに無数の石板を出現させてトーチカを築く。
だが、ヘジュ・ウルの方がコンマゼロ秒早かった。驚くべき跳躍で明が気づいたトーチカの中に入り込む。
「キーッ!!」
「この――!」
明は引き金をひいた。
ヘジュ・ウルの腹を狙った銃口に炎の花が咲き、凄まじい音が石板で共鳴する。
次の瞬間、明は肩に痛烈な一撃を食らった。
降ってきた血が目に入る。
仲間たちが叫び、背後で攻撃の音がした。
明は目を閉じたまま肩の激痛を堪えて転がり、次の攻撃に備えて中腰になった。
目を瞬かせて血を払う。
「え、いない?」
羽鳥が駆け寄って来て、立たせてくれた。
「大丈夫か?」
「はい、おかげさまで。確かに手応えはあったのですが……あの偽のサル神官はいずこに? みなさんで倒してしまったとか」
それが、と羽鳥は眉を曇らせた。
「消えちゃったのよ、跡形もなく」、とピエダド。
明に撃たれながらも肩に人にすさまじい破壊力を持った蹴りを入れたヘジュ・ウルは、そのまま明の背後へ跳び、砂の上に砂埃をたてて着地した。
それを見ていた仲間たちが、シナモン色の砂カーテンの中に攻撃を撃ち込んだのだが……。
バースィルもモロク、ラズロルが、ヘジュ・ウルの着地した場所の周りを必死に辺りを探している。
「イヤな気配がまだ残っていますね。まさか――」
明はオベリスクを砕く人々の方へ顔を向けた。
途端、人々の口からギャーと悲鳴が上がった。
人々が襲われている。
ヘジュ・ウルは着地するや猛烈なスピードで砂を掘って潜り、ディアボロスたちを回避したのだ。
「しまった!」
人々を助けようとするディアボロスたちを、偽りの月が発する赤い光が抑制する。
あわや、サルの牙が逃げ遅れた人の首を食いちぎらんとしたその時。
神官装束の少女がアンク杖を突きだして、ヘジュ・ウルの口に噛ませた。
「噛んだね」
「ア?」
黒焦げの顔から赤い目が少女を睨む。
「アンクを噛んだね。たったいまヘジュ・ウルさんはアテン神を屈辱したんだよ。ほら、アテン神って、光線の一つに生命の象徴アンクを握っているだろ?」
少女は杖を振って、ヘジュ・ウルを砂の上に転がした。
毛を失った脇腹の銃創から血が流れ出し、砂に染みて黒くする。
「という訳で、これから神罰が下ります。アテン神はほら、唯一神として他の神様を排除しようとしたことがあるから。海を割ってエジプトを出たモーゼさんたちが参考にしたって話もあるらしいよ。これも未来の話だけどね」
アテン神を屈辱したというくだりにヘジュ・ウルは激しい動揺を見せた。
明たちがやってきて、今度こそ人々に危害が加えられないよう壁を作る。
「気をつけてください。手負い『獣』ほど恐ろしいものはありません。……で、どちら様ですか?」
「あ、御免ごめん。みんな、急に現れたボクのこと誰って思っているよね。ボクの名前はメルサンク・トトメス(𓌸𓋴𓋹𓁐𓅝𓄠𓋴・g03837)。みんなと同じ、ディアボロスだよ。もっと早くここに来ていれば良かったんだけどね。そうしたらヘジュ・ウルにいろんなことを聞けたのに、残念」
牙を剥いて立ち上がるヘジュ・ウルを横目に、メルサンクは余裕綽々で言葉を繋ぐ。
「千年後に作られるはずのカルナク神殿がどうしてこの時代にあるのかとか、冥土の土産にでも教えてくれないかなあ」
ヘジュ・ウルは答えない。
代わりに明を襲ったときと同じように跳躍した。
メルサンクが構えたアンク杖の先から轟音とともにパラドクスの弾が発射され、ヘジュ・ウルの心臓を吹き飛ばした。
「これに墓碑を刻みましょう。ええっと、光さんに頂いたヒエログリフの対応表は……」
明はポケットというポケットを叩いて何かを探し出した。
「必要ないよ」、とメルサンク。
「ヒエログリフならボクが解る。というか、使っていたし」
二度と蘇ってくるな、という念を込めて、明たちは排斥のオベリスクの欠片にヘジュ・ウルの名と墓碑をヒエログリフで彫り込んだ。
「じゃあ、みんなでこれを砕いてしまいにしましょう。向こうでビールと焼きたてのパンを用意して人々が待っています」
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【過去視の道案内】LV1が発生!
【セルフクラフト】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
【ガードアップ】LV1が発生!