リプレイ
テクトラム・ギベリオ
全く…ウサギ派だのネコ派だのと言った派閥争いは無意味である。
ウサギの柔さ、ネコの滑らかさ、どちらも甲乙付け難いと言うのに。
生きとし生ける動物全てが尊いのだ。モフみだ。モフみこそを崇めよ。
…話が逸れたか。
私たちの到着は探査側の一団が到着した約30分後であると言っていたな。
それならばある程度痕跡が残っているはず。
洞窟内はある程度明るいのだろうか?念のため【照明】で明るくし、探査団の痕跡を探しやすくしよう。
5人と一体であれば相応の足跡が残っているだろう。【精神集中】して探査団の足取りを追う。
さらにサーヴァントの毛玉を召喚し、鳴いていてもらう。
無類の猫好きならばこの鳴き声に向こうからやってくるはず。
グレン・ゲンジ
リターナー覚醒の儀式って、エンネアドになるケースもあんのか…
こんなんでも被害者にとっては死ぬかヒトやめるかの瀬戸際だ。しっかりやらなきゃな
パラドクスは【ストレングス】を使う…が、今回は念動力を耳に集中させ、聴力の強化を試すぜ
まあやった事はないんだが…やる前から諦めてる場合じゃねえ
その場に留まって墓を守ってる墓守チームより、自由に動き回る探索者チームを先に見つけて止めた方がいいよな?
で、探索者の方はネコ派だな?ご丁寧に神とネコを崇める歌を歌ってるというなら、それが聞こえる方に行けばいいぜ
うまく行こうが行くまいが、あとは耳と足で探すだけだぜ
ちなみに俺はイヌ派だ。どちらかと言えば
籠室・楓
不意打ちして優位を取りたいので、目立つような物音は立てたくありません
蝙蝠や蛇や蠍がいるならば、動物の友の出番ですね
餌付けして仲を深め、探索を助けてもらいましょう
最低限、私達を襲わないよう言い聞かせておきます
先に探索者側を見つけるため、蛇のピット器官で敵が通過した跡の熱源を探知してもらいます
砂と埃にまみれた洞窟ですから、足跡も残っているでしょう
蝙蝠には超音波で罠を探らせます
壁や天井などに罠を隠したスペースがあれば、超音波の一部が通過して判別つくかもしれません
その間、蠍には迷宮最奥のアヴァタール級の居場所を探しておいてもらいましょう
●探索者側を発見
ウサギとネコの代理戦争、もといエンネアドの陰謀が渦巻く地に、ディアボロス達もまた足を踏み入れた。
「全く……ウサギ派だのネコ派だのと……」
テクトラム・ギベリオ(砂漠の少数民族・g01318)が呆れ混じりの呟きを漏らす。そう、派閥争いなど無意味なもの。ウサギの柔さ、ネコの滑らかさ、どちらも甲乙付け難いと言うのに。
「ちなみに、どちらかというと俺はイヌ派だ」
なるほど、イヌも良い。グレン・ゲンジ(狂刃のスレイヤー・g01052)の言葉に、テクトラムはそう頷いて返した。
「生きとし生ける動物全てが尊いのだ」
大事なのは、そう、モフみだ。モフみこそを崇めるべきである。
……さて、何の話か見失いそうになってしまうが、こんなでもリターナーにとっては覚醒するかしないか――ヒトであることを失うか否かの瀬戸際である。意識を切り替えるようにして、グレンは周辺へと視線を巡らせた。
「探索者チームを先に見つけた方が良いよな?」
「ああ、優先するならそちらだろう」
敵は共にリターナーであるとはいえ、侵入者を迎撃したい『墓守』と、奥へ進みたい『探索者』。この場に居る動機の差、そしてそれに伴う「遭遇しないまま終わる」という可能性を考慮に入れれば、『探索者』を先に探すのは理に適っている。
「五人と一体……ならば、相応の痕跡はあるだろう」
照明で辺りを照らして、テクトラムは地面に残った足跡を探る。乾いた石床に跡は残りづらいが、この辺りはまだ川を上がってすぐに踏み込んだためか、砂や埃に足跡の名残を見つけることができた。これでまずは、進む方向は定まったと言えるだろう。
「彼等にも、話を聞いてみましょう」
続いて進み出た籠室・楓(人間のレジスタンス諜報員・g02213)は、岩陰に見つけた蛇へと視線を向ける。動物と意思を通わせる力で以て、友好的にさせれば、襲われることはないだろう。それにピット器官のある蛇ならば目的の者達の熱源など、痕跡も追えるかもしれない。
「手伝っていただけますか?」
同意を得られたのか、這い出してきた蛇は、ある一方向へと通路を進み始めた。
「あなた達は罠を探ってください」
可能ならば、と楓は蝙蝠達にもそう頼む。エコーロケーションを有効に使えば、罠を隠したスペースなどを認識できるだろう。使い魔ならぬただの動物に過ぎない彼等がどこまで働いてくれるかは未知数だが、少なくとも判断材料の一つにはなる。
「できれば敵を先に見つけて、不意打ちして優位を取りたいですね」
動物達がアヴァタール級の居場所まで特定してくれれば話が早いのだが。
そうして歩みを進めた彼等は、やがて十字に道の交わる場所に出た。ここは墓守の巡回ルートにも乗っているのか、痕跡は入り混じり、追うのには少々時間がかかりそうだ。
一度足を止め、グレンが瞳を閉じる。自らの能力を強化するパラドクスで以て、感覚を鋭敏に。集中して耳を澄ませて――。
「連中がここへ入り込んだのは、我々の30分前……だったか?」
時先案内人の言葉を思い出しながらテクトラムが呟く。彼の言わんとするところを、グレンも理解はしていた。彼が探しているのは敵の足音、そして何より探索者側の『歌声』だ。しかし、いくら重度の猫好きとはいえ、迷宮攻略中にそんな時間歌い続けるとか正気ではない。
――猫を讃えよ、猫を崇めよ。だが彼等の心配を他所に、その声はグレンの耳に引っ掛かってきた。
「そう遠くないな……?」
痕跡を見つけられたのは喜ばしいが、それはそれで恐ろしいことなのでは? 新たに生まれた懸念を振り払おうとするグレンの前に、テクトラムは自らのサーヴァントを喚び寄せた。
「ならば、こちらの声も届くかも知れんな?」
毛玉、というそのものみたいな名を付けられたスフィンクスが、テクトラムの命に応じて鳴き声を上げる。
眠くなるようなその声は、決して大きなものではない。しかし相手はかなり気合の入った猫好き、なので。
「ネコ!? ネコ様が近くにいらっしゃるぞ
!!!!」
「どこだ
!!!?」
それを察知し、リターナーの一団はこちらへと向かい始めたようだ。
「隠れる時間くらいはありそうですね」
溜息混じりに楓が言う。遭遇までそう時間はないが、敵の現れる方向は予測がつく。敵と相対する前に、多少の準備はできるだろう。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【照明】LV1が発生!
【怪力無双】LV1が発生!
【動物の友】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
小鳥遊・英
ねこたんもうさぎさんも可愛いし尊い
それは同意でござる
しかしそれはそれ!これはこれ!!
拙者たちは1人ではござらんゆえ
さあ、パラドクス通信機ですぞ
みなさまキリキリ働くでござるぅ!
わたしはパラドクス通信機から聞こえる状況を整理し
物陰に隠れて敵に会わないように奥を目指しましょう
戦いとうないでござる。痛いのは嫌でござる!
もふもふに貴賤なし
全てが素晴らしい
そうだよね
ねっ!回線安定丸!
モーラットをもふもふすると
機嫌の悪いモーラットはあるじにであろうとパチっとします
冬場のドアノブくらい
「モギュウウ!」
●連絡役
「ははあ、ネコ派――もとい探索側の部隊を発見、ですな。すばらしいですぞー」
パラドクス通信で得たテクトラムやグレン、そして楓の情報に、小鳥遊・英(Code name/Falcon・g00772)は称賛の声を上げた。幸いながら、今回の探索行も単独ではない。状況をまとめて共有するのも大事な仕事である。物陰に隠れて、極力敵と遭遇しないように歩を進めながら、彼女はそんなことを考える。
そう、適材適所的なアレだ。本音のところでは戦いとうないでござるとか、痛いのは嫌でござるとか、とてもお聞かせできない言葉が出てきそうなのだが。
「それではみなさま、その調子でキリキリ働いてくだされ! 拙者も頑張りますゆえ!」
何を頑張るとは言わない。でも万が一敵と遭遇したらどうしよう。ネコ派もウサギ派もそんな可愛いムーブはしてくれないだろう、ねこたんもうさぎたんもこんなに可愛いし尊いのに。
流れるように現実から視線を逸らして、英は傍らのモーラットコミュを抱き上げた。
「もふもふに貴賤なし……全てが素晴らしい……」
はあ、と溜息が漏れる。柔らかな感触、きっとこれには精神安定剤的な効果も認められるだろう。みんながこんな気持ちになってくれれば、世界は平和になるのに。
「ねっ! 回線安定丸!」
もふもふと毛並みを堪能しながら同意を求める英に、回線安定丸は愛らしく鳴いて答えた。ついでに、冬場のドアノブかセーターくらいの刺激を添えて。
「モギュウウ!」
バチッ!!
成功🔵🔵🔴
効果1【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV2になった!
樹・春一
猫派です
断じて猫派です
しかしあえて言うなら神派でありそれ以上に姉派!
そして姉は言うでしょう! 全部殴り倒せば勝ち!!!
唯一勝利のために! この場においては異教徒を折り畳んでいきましょう!
というわけでまっすぐダッシュで進みます!
直進です! 扉! 粉砕! 罠! 粉砕!
何も考えていないわけではありません。急げばリターナーの皆さんはクロノヴェーダにならずにすむとか
であればのんびりしている理由はひとつもなし!
見つかるリスクどんとこいです! 向こうから会いにくるなら寧ろ歓迎!
では大きな声で挑発などひとつ!
……
猫も兎も悪口が言いにくい!
えーっとえーっと猫にも兎にも刺さる何か
毛皮を剥いでマフラーにするぞー!
●突き進む方
通信機越しに火花が弾けるような音がして、「痛ッ!?」みたいな悲鳴が聞こえたが、樹・春一(だいたいかみさまのいうとおり・g00319)はとりあえずそれをスルーした。大事なのはその前に聞いた、仲間の進行状況である。素晴らしい事に、猫派の一派を発見したという。
同じ猫派としてそっちはそっちで気になる。いやしかし、今の自分は神派であり、あとどっちかと言うと姉派の立場を貫くべきだ。他ならぬ彼女ならばこう言うだろう、「全部殴り倒せば勝ちです」と。
「ならば僕も負けていられませんね!」
ばーん、と威勢の良い音を立てて、春一は目の前の扉を開いた。
進行ルートの基本は直線である。鍵のかかった扉も簡素な罠も殴って壊して突破し、直進。脳筋の極みのようなルート取りだが、今回の場合はリターナーを覚醒させる儀式が進行中という状況もあり、スピードにはそれだけの価値がある。
ここまで堂々と進んでは、当然敵に見つかるリスクもあるが、それはそれで好都合でもある。大体、影に潜んで闇討ちしようが、正面から殴り倒そうが、最終的な結果は一緒なのだし。
「こんにちは! お邪魔しますね!!」
いくつめかの扉を開けば、別れ道。他に比べていくらか開けたその広間で、春一は両側の扉を確認する。
どちらかを選ぶよりは、向こうから来てもらおう。そう思い至った彼は、挑発の言葉を――。
「えーっと……?」
難しい。猫も兎も悪口言いにくいなとしばらく考えて、声を張り上げた。
「どなたか、ネコかウサギを見かけたら教えてください! 毛皮を剥いでマフラーにしますので!!!」
「は!? そんなことは赦されんが
!?!?」
「ウサギ様に仇為す敵!!! 生かしては帰さんぞ
!!!!!」
どうやら付近にいたらしい墓守達が、戦意に満ちた様子で春一の居る場所へと迫る。
大成功🔵🔵🔵
効果1【活性治癒】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
エーブリム・ボウマン
オレは猫もウサギも好きだぜ
でも、その好きって、小動物を愛でる好きなんだよな
庇護欲とかも含めた的な?
あのデカさはノーセンキュゥ
小動物系動画をスマホに入れて挑むか
今回の目的は映画素材の撮影と財宝かな
探索は奥に進むことがメインだな
基本的にスニーキング重視
扉とかは破壊し進むが破壊前に聞き耳を立てて奥の様子を伺ってから、だな
ウサギは縄張り主張が強いし匂いでアピールするらしいな
その挙動が同じなら匂いや毛でルートを…人間の鼻じゃ厳しいかな
敵が居ても襲いかからず聞き耳を立てるぜ
オレの説得が通用しそうか(大きさに違和感があるか等)チェック
無理そうなら戻って別ルートを模索するぜ
これは完全に運かな…
●潜み進む方
猫もウサギも好きだけれど、それは小動物を愛でる方向なんだよな。今回の問題について、エーブリム・ボウマン(人間の映画俳優・g01569)はそう考える。庇護欲とか、そういうのも含めたものであって、エンネアドのようなサイズ感では話が違う。
リターナー達はエンネアド達を見てなお狂信者のような振る舞いを見せているようなので、この調子では分かり合えないのかもしれない。
そう思考しながら、通路の先の扉に向かう。こちらは足音を立てぬよう慎重に。鍵を破壊するにしても、敵が居ないのを確認してからだ。扉に耳を寄せ、部屋の中の様子を窺ってみると――。
「――!」
足音が近づいてくるのがわかる。扉が開けられるまで間がないのを察し、彼は咄嗟に身を翻した。
隠れるような物陰はない。しかし前にアクションシーンでやった、両手両足を突っ張って天井の角部分に身を潜めるアレをやれば――。
「声がしたのはこっちか!?」
「侵入者、殺す……」」
リターナーが三名、エーブリムの下を駆け抜けていく。長くはもたないから早く行ってくれ、という願いが通じたのか、先頭のリターナーは脇目も降らずに走っていく。すると。
「なあ、あいつこの間から変じゃないか?」
「ああ、仕事の熱心さに拍車がかかったって言うか……」
後続の二名が不安げな声で言葉を交わしているのが耳に入った。
「全財産貢いだから、後は身体で払うってことか……?」
「なるほどな……」
聞き取れたのはそこまで。地面に降りたエーブリムは、さらに後続が来ないことを確認して、溜息を吐いた。
今ならあの後を追えば、その後背を突けるだろうか。それにしても。
「相当きつい搾取をされてるみたいだな……」
どうやらここのエンネアドはかなり強欲な部類に入るらしい。説得の切り口にもできるだろうか。
得られた情報を頭の中でまとめて、エーブリムは通信機を手に取った。
大成功🔵🔵🔵
効果1【強運の加護】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!
●各ディアボロスへ通達
「入電、入電! 墓守の居場所も判明しましたぞ!」
通信機から、仲間のディアボロスの声が聞こえる。
「僭越ながら、拙者が状況を整理いたしましょう!」
敵の探索者グループは、テクトラムとグレン、楓の居る十字路に向かって移動中。ある程度経路は予測できるので、身を隠せば不意打ちも可能だろう。そして墓守グループは、先頭の三名が春一の居る三叉路に向けて移動中。エーブリムの居る位置から後背を突くことが可能だ。ただし、敵がバラけて配置していたこともあり、以降は増援がやってくる可能性が高い。
なお、アヴァタール級の居る儀式の間についてはほとんど情報が得られていない。今のところアクセスは難しいが、敵兵を全部倒せば自由に探索できるのであまり悩む必要はないだろう。
「以上、皆の奮戦を期待しますぞー」
オーバー。と言う声を最後に、通信機は静かになった。
テクトラム・ギベリオ
歌っていたにも関わらず鳴き声は聞きつける、さすが重度の猫好きだ。
『猫の為なら死んでも良い』の精神であるか…。それを他の動物の魅力に気づかせるのは…いや、待て。
スフィンクスは鳥の羽が生えていたな。毛玉、羽は少しの間隠せるか?
毛玉に引き続き鳴くよう指示。物陰に潜みながら探査団の様子を伺う。
ある程度好きにさせ、油断した所で毛玉に飛んで貰う。
「君たちがまさに猫撫で声でかまっていたそいつは私のスフィンクス。つまり正しくは猫では無い。」
「ご覧の通り羽があり飛んでいる。つまりどちらかと言うと『鳥』に近いのだ。」
「随分猫好きを語っていたようだが、君たちは鳥好きであったのだな?」
アドリブ連携歓迎
グレン・ゲンジ
テクトラムのサーヴァントと接触した探索者に話しかける
可愛いだろ、その鳥?俺の仲間の友達でさ、毛玉って言うんだ
ちっちゃいのにボリュームがあって、つぶらな瞳にふにふにの手足…可愛いよな?な?
やっぱアレだよ、動物は小さいから愛くるしいんだぜ
守ってあげたいっていうかさ、一緒にいてあげたいっていうかさ…な、わかるだろ?
あ?んだよデカ猫(※雌獅子神のこと)、文句あんのかコラ
人々がこんなに幸せそう〜にしてるのを邪魔するのが神様のする事か、エエッ?
これは『お話』が必要だな…
【ストレングス】で肉体を強化しておき、雌獅子神を瞬時に誘拐する。信者に見えない場所で首締めからの首折りで仕留めるぞ。
●改宗?
「ネコ様の声! どこにおられるのですか!?」
などというリターナー達の声が近づいてくるのを察して、テクトラム・ギベリオ(砂漠の少数民族・g01318)は感心したように息を吐く。
「さすが、重度の猫好きなどと評されることはある」
歌っていたにも関わらず鳴き声を聞きつけるとは。しかしそこまで深刻、もとい篤い信仰心となると、それを他の動物に向けさせるのは難しいのでは?
そこまで思考したところで、テクトラムは毛玉の様子を改めて見つめる。その声で敵を釣ることに成功したわけだが、飽くまでこれもまた猫の部類に入るためで……。
「……いや、待て」
少し思いついたことを試してみようと、テクトラムは毛玉にいくつか命令を伝え、グレン・ゲンジ(狂刃のスレイヤー・g01052)と共に部屋の影へと身を隠した。
命令通り、部屋の真ん中でにゃーにゃーと鳴き声を上げていた毛玉は、やがて探索者側のリターナー達に発見された。
「ご無事ですかネコ様!」
「いったいどこから迷い込んだのでしょう……」
ここには背信者も居れば罠も仕掛けられています。危険ですよ、などと猫撫で声で言いながら、彼等は相好を崩して毛玉を撫でたり顎の下を掻いたりしはじめた。あ、おやつもありますよ、食べます?
リターナー達が十分に毛玉と戯れるのを見守ってから、テクトラムとグレンはおもむろに彼等の前へ歩み出た。
「随分と堪能していたようだが……」
「可愛いだろ、そいつ俺の仲間の友達でさ、毛玉って言うんだ」
グレンの言葉を証明するように、毛玉はテクトラムの足元へとすり寄っていく。
「ちっちゃいのにボリュームがあって、つぶらな瞳にふにふにの手足……可愛いよな? な?」
やっぱアレだよ、動物は小さいから愛くるしいんだぜ、などと語るグレンへ、リターナー達は警戒の眼差しを向ける。しかし言っていることには頷ける部分もあるのか、『同好の士』として若干気配は和らいでいた。そして、それを見計らってテクトラムが口を開く。
「ちなみに、君たちがまさに猫撫で声でかまっていたそいつは私のスフィンクス。つまり正しくは猫では無い」
命令に従い、毛並みの中にたたまれていた翼が広がる。ついでにぱたぱたと飛んで見せて、毛玉はテクトラムの方に着地した。
「ご覧の通り羽があり飛んでいる。つまりどちらかと言うと『鳥』に近いのだ」
「!?」
一行に衝撃が走る。割と無茶な話をしているように聞こえるが、散々毛玉をかわいがった後だけに、その足元を崩す効果はあったらしい。
「随分猫好きを語っていたようだが、君たちは鳥好きであったのだな?」
「そんな……まさか……」
「我々は……鳥を……?」
「いやいや、そんなわけないでしょ」
動揺するリターナー達を、同行していたエンネアドが窘める。
「アンタ達だってスフィンクス像には見覚えあるでしょ? あれを鳥だって言われて信じるの?」
「あ? んだよデカ猫、文句あんのかコラ」
すかさずグレンがそれを黙らせにかかるが。
「人がこんなに幸せそう~にしてるのを邪魔するのが神様のする事か、エエッ?」
「はー? 難癖付けるのやめてくれる?」
グレンの脅しに牙を剥いて答え、エンネアドは信者達へと号令を下した。そもそもの目的を忘れるな、背信者に相対したなら、戦うのみ。さあ、神へと捧げる狩りを歌え。
――鳥を讃えよ、鳥を崇めよ。
「あーっ、混乱してる
!!!!?」
「ふむ、話が通じてないのはそちらだけか?」
「まあ、こっちで少し話そうじゃねえか」
敵の攻撃は不発に終わったようだ。それを見たテクトラムの声に応え、パラドクスで肉体を強化したグレンが、雌獅子神を裏へと引きずっていった。
成功🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【飛翔】LV1が発生!
【怪力無双】がLV2になった!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV2になった!
籠室・楓
猫を讃えるあまり、歌声で自分達の居場所を教えてしまうのは不用心過ぎるのでは?
十字路で角待ちして不意打ち
説得を邪魔されたくないので雌獅子神から排除
・説得
実はこれは神がリターナー達へ与えた試練だと騙し
死ねば猫を愛でることができないと自覚させる
見事な戦いぶりでした
神に選ばれし者として命を捧げる覚悟があるか測らせてもらいましたが
きっと神もお喜びになるでしょう
雌獅子神様はどこかって?
おそらく次の被験者をお連れする為に引き返したのでしょう(すっとぼけ)
神に全てを捧げれば、当然皆さんの意識も失われます
丁度その人のように(半覚醒したリターナーを指す)
勿論猫を愛でることもできなくなりますが些細な問題ですよね
●説得
敵の信仰心を揺らがせ、エンネアドをその場から誘拐することに成功したディアボロス達だが、それでリターナー達が大人しく負けてくれるわけではない。特に半覚醒状態にある個体はパラドクス相当の攻撃を行ってくるため、あまり油断しても居られないというのが現実だ。テクトラムが毛玉と共にそれらを相手取り始めたところで、死角から籠室・楓(人間のレジスタンス諜報員・g02213)が仕掛けた。
リターナーからエンネアド……獅子神への変貌を遂げかけていた者を地に伏せさせて、彼女は未だ健在のリターナー達へと声をかける。
「見事な戦いぶりでした」
ねぎらいの言葉を送り、敵意の無いことを示して様子を窺う。突然の事態に戸惑う彼等へ、楓は神妙に言葉を続けた。
「神に選ばれし者として命を捧げる覚悟があるか測らせてもらいましたが、きっと神もお喜びになるでしょう」
「なに……?」
神の御使い、のような立場を装えば、少なくともすぐには手を出してこないだろう。雌獅子神はどこかと問われれば、「次の信心者を連れに引き返したのでしょう」と返す。幸い先程グレンが裏で腕を振るったおかげで、それを訂正する者は現れない。
「神に全てを捧げれば、当然皆さんの意識も失われます」
一部を除けば概ね真実を語っているため、リターナー達もそれを頭から否定はできない。「そういうお前は誰だ」という当然の問いが発される前に、彼女はとりあえず揺さぶる材料を伝えきった。
「その人のように勿論猫を愛でることもできなくなりますが、些細な問題ですよね?」
実際些細かどうかは際どい所だろう。しかし献身の対象が揺らいでいた彼等には、その脅しはよく効いたようだ。
「おのれ、神を騙り勝手な事を――」
怒りを露に剣を振るう彼等を、楓は溜息混じりに迎え撃った。真に神を騙っているのはどちらか、などと言いたくもなるが。
とにかく、これまでの言葉が上手く伝わっていれば、事態を収めた後にリターナーとして救出できるだろう。
成功🔵🔵🔴
効果1【モブオーラ】LV1が発生!
効果2【フィニッシュ】LV1が発生!
エーブリム・ボウマン
おっと、動くなよ
その赤い点は狙いの印。動けば頭が弾けるぜ
…安心しな、オレは見てもらいたいだけさ
頼むぜ、ファルコン!
兎崇拝連中にスナイパーライフルを構えて動きを止め…
うさもふ動画を見せる
画面拡大してじっくり見せつけてやってくれ!
オレも兎は好きさ
飯とスキンシップしか求めない可愛い奴らだし
winwinの関係だ
それに引き換え
お前達の使えるウサギ様は…命を尽くして仕える価値があるのか?
要求多いくせにスキンシップなさそうだし
あとデカすぎるし
戦闘は現代史に存在する精神攻撃可能な『武器』
等身大うさちゃん人形を投げつけ攻撃
以降進む際は
シスターなブラザーは…大丈夫だろうし放置しつつ
ファルコンのディフェンスにも回る
クゥ・チコット
ネコさんもウサギさんも可愛いのでどっちが優れているとかはないと思うのですー。
きっとリターナーさん達は根本的な所は一緒……可愛いもふもふが好きだと思うのです!
なのでウサギ派の皆さんにはあえてこのパラドクスで説得です!
守護霊・ケットシーを召喚し(数はお任せ)リターナーさん達を説得です!
そのなんか黒くて強そうな攻撃をこの子達にできますか?(うるうる瞳を潤ませて怯えるケットシー)
……できないですよね?
ほら、ご自分の可愛いもふもふ好きな心のままに撫でたり抱っこしたりしてあげてください。
ねこじゃらしとか猫が喜ぶ玩具も持ってきたので皆で遊びましょうですー。
※説得失敗したら皆でにゃーにゃーにくきゅう猫パンチ。
樹・春一
姉派としては姉を布教しなければなりませんが、姉さんはあれで結構シャイ
そこがいいのですが……勝手に布教したら後で怒られてしまうかもしれません
そこもいいのですが! やっぱり姉さんが一番です!
ところで信仰を深めるのに必要なものが何だかわかりますか
貢物! 奉仕! 愛!
なるほどどれも大切なものです! しかしもっと必要なものがありますよ!
意識です!(鳩尾パンチ)
意識のない者は神を崇めることはできません。祈ることも貢ぐことも!
よって意識を頂きます!
安心してください! 死にはしないと思います!
暴れるのだって策のうちです。僕が派手にやることによって後ろから殴りやすくなるでしょうからね
そうですよねエーブリムさん!
小鳥遊・英
わーお、かっくいー
流石銀幕スターですね
あい、任されましたよっと
ホログラムウィンドウを大きく展開
もふもふ愛くるしいウサギさん動画(超厳選)を映し出します
おっと、目をそらしても無駄ですよ
視線の先にさらにウィンドウを展開します
ああ~~💕かわいいですねぇ~~~💕
くりくりのおめめ、てちてちとしか歩けない短いあんよ!
可愛いが過ぎます!
シスコンシスターブラザーはブレないのが流石です
つくづく味方で良かった
みなさんに倒れてもらうわけにはいきませんので魔法陣を敷きます
えっ、ちょっギャッ!拙者装甲は紙だと何度言えば!
え、エーブリムさん!神が居た…
わたしの目の前に神が居る……
●揺れるウサギ派
侵入者を追う墓守側の一団の足元が、エーブリム・ボウマン(人間の映画俳優・g01569)の銃弾によって爆ぜる。
「おっと、動くなよ」
敵襲に備える彼等の足を止めるようにそう告げて、彼はスナイパーライフルの銃口を敵の頭部へと向けた。銃から伸びるポインタの光が、彼等の身体の上を滑り、額に留まる。
「その赤い点は狙いの印。動けば頭が弾けるぜ」
「わーお、かっくいー」
流石銀幕スターですね、と小鳥遊・英(Code name/Falcon・g00772)が上げた歓声に、彼はフッとカッコつけた笑みを浮かべてみせた。
「安心しな、オレは――」
「侵入者、殺す……」
「わっ、無視されてませんか銀幕スター!?」
先程見かけた中でも先頭を走っていた一人、ほぼマミーとして覚醒してしまっているリターナーは、身の危険よりも使命を優先して動く。毒に濡れた刃を構え、今までとまるで変わらぬ歩幅でエーブリムへと迫るが。
「仕方ないな、頼むぜファルコン!」
「あい、任されましたよっと」
声に応えた英がキーを叩き、空間にホログラムウインドウを描き出す。行く手を遮るように広げたそれに、用意していた動画を拡大表示で映し出せば――。
「こ、これは……!」
「ウサギ様! ウサギ様のお姿が!!!」
「ああ~~💕かわいいですねぇ~~~💕」
揃って彼等の足が止まる。ほぼマミーと化していた個体も戸惑うような様子を見せて、ついでに言うなら最後に英の歓声も上がった。
「くりくりのおめめ、てちてちとしか歩けない短いあんよ! 可愛いが過ぎます!」
堪能できているようで何よりだ、と頷いて、エーブリムもそれに同意する。
「オレも兎は好きさ。飯とスキンシップしか求めない可愛い奴らだし、win-winの関係だ」
だが、と言及する先を彼等の信仰対象へと移す。
「それに引き換え、お前達の仕えるウサギ様は……命を尽くして仕える価値があるのか?」
「貴様、何を言う!」
「要求多いくせにスキンシップなさそうだし、あとデカすぎるし……」
「大きさなど大した問題にはならん! まあ、確かに要求は多いが
……!!」
「貢物のノルマもキツイが……」
態度も大きいがそれは神だし……うーん。
そう言いながらも頭を悩ませ始めた彼等に、クゥ・チコット(ポンコツドラゴニアン・g02239)が別のアプローチを仕掛ける。
「まあまあ、どうあれリターナーさん達も根本的な所は一緒……可愛いもふもふが好きだと思うのです!」
そこで皆さんに提供するのはこちら。空を走る絵筆が、ネコの群れを描き出す。
カラフルな猫模様はすぐに形を得て、守護霊・ケットシーがうじゃうじゃとその場に現れた。
「これは……ネコ!?」
「貴様まさか……ネコ派か!」
「そんなことはないのです。ネコさんもウサギさんも可愛いのでどっちが優れているとかはないと思うのですがー」
敵の前にも押し出される格好になった猫達は、武器を構えたリターナー達に潤んだ目を向けている。
「そのなんか黒くて強そうな攻撃をこの子達にできますか?」
できないですよね? 彼等の罪悪感を刺激しながら、クゥは自由に振る舞っていいんですよと言葉を続けた。
「ほら、ご自分の可愛いもふもふ好きな心のままに撫でたり抱っこしたりしてあげてください」
「くっ……そのような誘惑に屈する我等ではない。我が身は全てウサギ様に……!」
「ねこじゃらしとかもありますよ?」
「ぐあーッ」
そもそもアルナヴェトへの信頼が揺らぎつつあったところ、この光景は改宗を思わせるほどに刺激的だ。しかしいくら何でも、よりにもよって攻めてきているネコ派に鞍替えするのはちょっと、という意思が働いたのか、彼等は目を瞑って攻撃に動いた。
「ええい、無闇にかわいいがこの聖地を侵す者どもに容赦はできん!」
「ああ、それは残念ですねー」
でしたら、とクゥの号令に従って、ケットシーたちは猫パンチで応戦し始めた。一旦戦闘が始まれば、他のメンバーもそれから逃れることはできないため。
「えっ、ちょっギャッ! 拙者装甲は紙なのですが!?」
「わかったわかった」
悲鳴を上げる英の前にエーブリムが進み出て、後ろに回れと指で示す。
「え、どういうこと……わたしの目の前に神が居る……」
「ははァ、おだてるのが上手いな?」
サポートのための魔法陣を描き出す英の前で、両手に具現化したうさちゃん人形を手にし、エーブリムは敵のメンタルを削る攻撃に取り掛かった。
そして一方、向かってくる敵の一団を前に、樹・春一(だいたいかみさまのいうとおり・g00319)は自らの信仰を鑑みていた。
ウサギの次はネコ攻めが決まった。そうなると次は姉派として姉を布教するべきなのでは。しかし当の姉はあれで結構シャイなので――まあそこが良いのですが――勝手に布教などしては後で怒られてしまうかもしれない。最近の情勢的にはキングアーサー辺りで布教するのが正しいような気もするし。
まあ怒られたら怒られたでそれもまた良いのですが、と全肯定の思考を進め、「やっぱり姉さんが一番」という揺るがぬ結論に辿り着いた彼は、迷える子羊達へと向き直った。
「貢物! 奉仕! 愛! なるほどどれも大切なものです! しかし、信仰にはもっと必要なものがありますよ!」
何だか分かりますか? そう問いかけて、同時に固く拳を握る。
「侵入者に、死を――」
迫り来る墓守、ウサギを信奉する彼等の中でも過激派、というかマミーと化したリターナーが剣を振り上げるのに合わせて。
「それは! 意識です!!」
鳩尾に拳を叩き込み、答えを示した。
『神槌』。信仰を込めたその拳は、彼の意志に応えるようにぴかーっと光を放っている。後光が差しているだとか、そんな風にはとても見えないが。何にせよパラドクスによる鋭い一撃を受け、マミーは力尽きるようにその場に膝をついた。
「意識のない者は神を崇めることはできません。祈ることも貢ぐことも!」
身を捧げる意識までなくして、そこに信仰はあるのだろうか。その問題提起は、未だマミー化を免れているリターナー達の目を開かせる切っ掛けとなり――。
「よって! 意識を頂きます!!!」
え?
「切り替えが早いな……」
「流石、ブレませんなあ」
エーブリムと英からそんな感想が漏れる。実際問題、説得が有効であれ、リターナーを含めて敵を無力化する必要はあるので行為として間違ってはいない。
「安心してください! 死にはしないと思います!」
迷いのない信仰の光が、今日も眩しい。
途中援護に駆け付けた墓守達をも打ち倒し、ディアボロス等は見事ウサギ派を平定した。あれこれと言い含めた甲斐もあり、リターナー達の『覚醒』も最低限で終わらせることができたと言えるだろう。
残す所は、首魁のアルナヴェトのみである。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【操作会得】LV1が発生!
【ハウスキーパー】LV1が発生!
【活性治癒】がLV2になった!
【強運の加護】がLV2になった!
効果2【能力値アップ】がLV3になった!
【ダブル】LV1が発生!
【ドレイン】がLV2になった!
【リザレクション】LV1が発生!
●最後の扉
探索者側と墓守側、双方のリターナーを倒したディアボロス達は、ついに迷宮の最奥、儀式の間へと続く大扉を開いた。
扉が開くにつれて広がる光。宝物庫を兼ねた、煌びやかな部屋の真ん中では、エンネアドが儀式に勤しんでいた。
「あら、意外と早かったわね」
扉の開く音に気付いたか、エンネアド――アルナヴェトは舞を中断して、ゆっくりと振り返る。
彼女にしてみれば、この扉の開く音は、探索者と墓守の死闘が終わった合図である。儀式によって、果たして何人が生き残り、覚醒したのか。もちろんウサギ派は勝利したんでしょうね。まあ覚醒しちゃったらどっちも変わらないけれど。
そんな風に、今回の企みの成果を確かめようとして。
「――えッ!!! 誰よアンタ達
!?!?!!?」
樹・春一
わかっております姉さん! こういうときはこうですよね!
はじめまして! 天に召されよ! アーメン!!!
敵が動揺している間に殴れるだけ殴る! 先手必勝ってやつです!
遅かれ早かれ殴ることになるのです! であれば早いに越したことなし!
いっそここで仕留めるくらいの気概でいけと! まったくもって合理的! さすが姉さんです!
……罠とかありませんよね?
天井の高さがあれば飛翔にて距離を取り反撃を警戒。引き際が肝心とも言っておりましたし!
地形を変え壁を作ったところでお耳が見えていればそこは射程圏内です!
射撃の内側にいざ! お邪魔しますよ!
見えないとこに籠られると困るんで、その時はどなたかよろしくお願いします!
エーブリム・ボウマン
誰って?
オレだよ、オレ
皆も知っての通りの俳優さ!
…盗られた宝を取り返すシーン、アクション!
オレは敵の意識を逸らすべく
銃で牽制しつつ地形を盾にしながら…周りの財宝を続々かっ攫っていくぜ
で、それを元来た道の方へ投げる
「返しとくぜ!コレでホントの猫やウサギを飼うんだな
このムーブは半分相手を挑発するための演技さ
ホントに元信者さんがいたら持って帰って欲しいのも本音
怒って神罰を放つ瞬間が狙い目だな
光が此方を狙うなら、銃の射線も当然通る
兎への愛情を偽信仰として踏みにじられた人の思いを乗せた弾丸、喰らいな!
オレは容赦なく宝を盾にして相手の気を逸らすぜ
倒した後は持ち主不明の財宝を何か持って帰る
記念のお土産にしよ
小鳥遊・英
うわー、皆さま殺意が高くていらっしゃる
まぁ殺られる前に殺らなきゃいけませんしね
とは言いましても!先ほども申し上げた通り!
拙者の装甲は紙ゆえ……
姿を隠しますぞ。みんながんばれ。
エーブリムさんのように格好良くはないかもしれませんが
ライフル型の魔法銃を取り出して撃ち出します
認めましょう、あなたは確かにもふもふで可愛い
うさたんは素晴らしいものです
でもね!やっぱり考えがダメなんですよ!
もうそれは悪なのですよ
そうなったら正義側としては討伐せざるを!得ない!
まぁなにが正義で何が悪かって話もありますけれど
今回はなーー!倫理的になーーー!!
●ウサギ狩り
儀式の間に入ってきたのが想定外の侵入者だとわかり、アルナヴェトが狼狽した声を上げる。誰よアンタ達、という問いかけに最初に答えたのは、樹・春一(だいたいかみさまのいうとおり・g00319)だった。
「はじめまして! 天に召されよ! アーメン!!!」
「ぎゃーっ!?」
『神速』、パラドクス使用で急加速した春一の拳がウサギの顔面に突き刺さる。悲鳴を上げながら奥の祭壇方向へ吹っ飛んでいったアルナヴェトは、頬を押さえながらよろよろと身を起こした。
「な、何なのアンタ
……!?」
「何って……神のしもべですけど」
よし、まだ動揺しているな。遅かれ早かれ戦闘にはなるなら、早いに越したことはない。敵が体勢を整える前に仕留めてしまえれば言う事なし。先手必勝、という敬愛する姉の教えに従って、春一は止まることなく間合いを詰めにかかる。
やってることは完全に鉄砲弾だが、神のしもべとは多分そういうものである。
「ああもう、顔は止めなさいよ! 顔は!!」
躊躇無く振るわれた拳を躱して、アルナヴェトは周囲の財宝へと掌を向ける。信者からの貢ぎ物であるそれら財宝は、信仰の主たる彼女の意のままに動く。指輪やネックレス、宝石類を弾丸のように飛ばし、春一を狙うが。
「こういう時はあれです! やりそこなったら素直に引け、でしたね!」
わかっております、姉さん。引き際が肝心ってやつでしょう? 先程の前のめりな姿勢から一転、翼を広げ、春一は飛翔効果で反撃から逃れる。アルナヴェトは逃がすものかとさらなる宝石を射出してそれを追うが、何やら飛んでいく弾丸の数が思ったより少ないような。疑問に思ったアルナヴェトが、宝物庫の財宝置き場の方へ眼を遣れば、二名のディアボロス――小鳥遊・英(Code name/Falcon・g00772)とエーブリム・ボウマン(人間の映画俳優・g01569)が、宝物の中でも浮かび上がりかけた物を優先的に捕まえ、せっせと室外に放り投げていた。
「うさたんに貢ぎたい気持ちはわかるんですけどなー! 一旦お返ししますぞー!」
「返しとくぜ! コレでホントの猫やウサギを飼うんだな!」
「ちょっと!! そっちはそっちで何なのよ!!!」
なに、と聞かれたら答えざるを得ないだろう。財宝回収の手を止めて、エーブリムは円盤のパッケージに使われそうな笑顔で応じてみせる。
「オレだよ、オレ! 皆も知っての通りの俳優さ!」
「知らないけど!?」
どうやらお金大好きなタイプらしいエンネアドは、追っていたはずの春一から視線を切ってエーブリムに向かう。怒りを誘い、注意を引くという意味では十分に上手くいったか。
「私の魅力と! かわいさで! ここまで貯めた財宝を!!」
「はー、そういうとこですぞ!」
露にされた怒りとその形相に、英が物陰に隠れようとしながら指摘にかかる。
「あなたは確かにもふもふで可愛い、それは認めましょう!」
うさたんは素晴らしいもの、という事実は揺らがない。そう彼女は頷くが。
「でもね! やっぱり考えがダメなんですよ!」
信者に金品を貢がせた上に、その人間の命を、尊厳までも奪い手駒にしようなどと、見過ごせるものではない。
「何が正義で何が悪とか小難しい話はしたくないんですが! それは悪です! 正義側としては討伐せざるを! 得ない!!」
「んー、その台詞、オレが言いたかったなぁ」
断罪のシーンが終わってしまった、と頭を掻くエーブリムの様子に、英が言い過ぎたかと我に返った。「好き放題いってくれるな」とアルナヴェトが睨んできているところからして、明らかにヘイトを集めすぎたとわかる。
「あ!! でも拙者装甲は紙ですゆえ狙うのは止めていただけませぬか!?」
まあ、そんなわけにはいかないだろう。けれど概ね、流れは事前に描いていた通りだと、エーブリムが動く。
――守銭奴な悪役との宝物庫での対決シーン、アクション。
英の肩を引いて、積まれた財宝の影に身を隠れさせる。飛び来る宝石の弾丸が別の宝飾品とぶつかり、煌びやかな火花を散らす中、彼は入れ替わりに姿を晒した。
飛び出してきた獲物に食い付く様に、アルナヴェトの放つ光線が彼を狙い――その光線のために開いた射線をそのまま利用し、エーブリムは素早くそこへ照準を向けた。
「兎への愛情を偽信仰として踏みにじられた人の思いを乗せた弾丸、喰らいな!」
光がエーブリムを掠めると同時に、交錯した銃弾がアルナヴェトを貫く。体勢を崩し、よろめいたそのタイミングで。
「そこです!」
上空で攻め時を窺っていた春一が再度急接近し、追撃の拳を構えて急襲。彼の能力ならば、姿さえ確認できれば一気に懐まで飛び込むことも可能だ。
「顔は止めなさいって言ってるでしょ!?」
「右の頬の次は左の頬ですよ!」
「また殺意が高くていらっしゃる……」
揉み合いになりながら飛び出してきた両者に、感心するような呆れるような声が出る。何にせよ前線はしっかり担ってくれたようで何よりである。自動照準のコードを仕込んだ銃で転がり出た敵を追い、銃口の導くまま、英はその引き金を引いた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【落下耐性】LV1が発生!
【友達催眠】LV1が発生!
【水面歩行】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV4になった!
【アクティベイト】LV1が発生!
【反撃アップ】がLV2になった!
グレン・ゲンジ
こんな儀式で人殺す奴は、ネコでもウサギでもねえ。ブタ野郎って言うんだよ!
【ヒートグレイブ】のお披露目だ!思い切りやるぜ!
さて、このパラドクスは2体に当たる。一発目を叩き込むのはもちろんアルナヴェト。灼熱の氷で敵のほぼ全身を包むぜ!
俺の氷は熱で凍るぞ!エジプト本来の熱気に熱波の支配者も合わせて、一歩も逃げられなくしてやるぜ!
もう一発を当てる相手は?俺だ!正確には俺の右腕だ!俺の右手を真っ赤に凍らせて、強靭な武器にするぜ!
信者の攻撃を受けながらで構わねえ!残ったウサギ面に氷の塊パンチをぶち込んでやるぜーっ!
ま、デカい動物も嫌いじゃねえよ。だが人殺しの支配者はタイプじゃねえぜ!
テクトラム・ギベリオ
ウサギ型のクロノヴェーダか。白く良いモフみだが全く心惹かれん。
だがラビットファーは柔らかいと聞く
。………………剥げるだろうか。
ウサギはよく跳ねる。まずはその脚を拘束し、正面から行く者の足掛かりとなろう。
【砂使い】【罠使い】でトラップを生成し、アルナヴェトの行動を妨害。熱狂的信者も私の砂で拘束しよう。
毛玉と共に【飛翔】しながら、曲刀にピラミッドの力を纏わせ斬りかかる。
さぁ毛玉。本物のモフみ力を見せつけるのだ。
アドリブ連携歓迎
●決着
出会い頭、正面からの奇襲に近い攻防で、アルナヴェトは浅くない傷を負って後退する。迷宮最奥であるこの部屋から逃れる術はないようだが――。
「このままじゃやられる……! 皆、寝てる場合じゃないわよ!」
「ウサギ様がお呼びだ……!」
「侵入者、殺す……」
先程倒されたはずのウサギ派リターナーが、マミーへと覚醒した者達を先頭に部屋へと乗り込んできた。
「熱心な事だな……」
感心半分、飽きれ半分に言いながら、テクトラム・ギベリオ(砂漠の少数民族・g01318)は曲刀を引き抜く。なるほどあのウサギも白く良いモフみだが、不思議と全く心惹かれんな、と冷めた目で敵を睨んで。
「………………剥げるだろうか」
「は!?」
ラビットファーは柔らかいものらしいし、というその思考を察して、アルナヴェトがさらに数歩下がった。
「身の危険を感じるわ! 皆、私の盾になりなさい!!」
既に一度戦い限界であるとしても、彼女が命じさえすれば、彼等は命を捨てて従うだろう。捨て駒にする気しかない命令に、グレン・ゲンジ(狂刃のスレイヤー・g01052)が表情を歪ませる。
「やり口が汚ねえな、そういうのはネコでもウサギでもねえ。ブタ野郎って言うんだよ!」
「ブタでも野郎でもないけど!?」
怒声で応えたアルナヴェトは、安全位置から自らの信者達をけしかけていくが。
「こちらで動きを止めておく
仲間に短くそう伝えて、テクトラムが砂を操り、敵陣の足元を乱す。纏わりつく砂の罠に、動きが鈍ったところをグレンが突破し、秘めた怒りを解き放った。
「お披露目だ! 思い切りやるぜ!」
『ヒートグレイブ』、念動力は緋色の氷へと形を変えて、アルナヴェトを包み込む。
「なにこれ、熱い!?」
色と同様、冷気ではなく熱気を纏う氷は、敵のみを焼くと同時にその身体を拘束。とはいえ全身を固めてそれで終わり、というわけにはいかず、エンネアドはその力で以って氷を砕き、脱する。そうして反撃に出ようとする敵の前に。
「さぁ毛玉。本物のモフみ力を見せつけるのだ」
ぼふっと白い毛玉が飛びついた。柔らかいお腹の毛に埋まって、アルナヴェトが幸福感に思考を持っていかれたように足を止める。
「やれ」
テクトラムの命に従って、毛玉がそこに爪を立てた。
「痛ったい!?」
顔面を引っ掻かれて仰け反るアルナヴェトに、テクトラムはピラミッドの力を込めた斬撃を見舞う。血しぶきがウサギの毛皮を染めた、そこに。
「ま、デカい動物も嫌いじゃねえよ。だが人殺しの支配者はタイプじゃねえぜ!」
グレンが右腕を振り上げる。先程と同じ緋色の氷を纏わせたその腕は、熱気と共に輝きを放つ。
最後の一撃もまた、拳によるもの。灼熱の槌の如く仕上がったそれを、グレンは敵の顔面に振り下ろした。
●正義は成された
事態を主導していたエンネアドを討伐し、ディアボロス達は彼等の企みを挫くことに成功した。道中で倒したネコ派も、限界を超えて働いたウサギ派も、説得が功を奏したのか、完全な覚醒は免れたようだ。
「まだ事態を受け止めきれていないのですが……助けていただいたんですよね?」
「ありがとうございます……」
今後は自意識を飛ばさないよう、節度を持って動物を愛でて欲しいが、それはともかく。
我を失いかけていたリターナー達は、信奉する神を亡くしたのと同じくらいに、事の裏で動いていた思惑にショックを受けていたようだ。
こうして生まれた信仰の揺らぎは、いつか積み重なり、このディヴィジョンを崩す力となるに違いない。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【熱波の支配者】LV1が発生!
【トラップ生成】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
【ガードアップ】がLV2になった!