わらわら! ぞろぞろ!(作者 狐路ユッカ)
#大戦乱群蟲三国志
#虎牢関前哨戦
#虎牢関
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●虎牢関の前にて
虎牢関。そこは、洛陽・長安を守る巨大で強大な城塞。壁の高さはゆうに100mを超え、その横幅も1kmを超えている。
城塞は、それ自体が猛虎の姿を模していた。壁の中央には、巨大な虎の頭部。敵を待ち構えるようにどっしりと鎮座している。
異質なのは、その城塞の前に並ぶ者たちであった。その姿は様々で、どうやら三国の垣根を超えた種族が集まっているようだ。身じろぎ一つせず、直立不動で、整然と並んでいる。
静かであった。
ただ、静かに。まるでそこだけ一枚の絵のように。時が止まったかのように……。
●わらわら!
桐生・椿(あげぽよ妖狐のバウンサー・g03488)は、ぺこ、と頭を下げてから説明を開始する。
「皆さんが介入した事で、『樊城の戦い』の大戦乱を阻止する事ができたって話は結構広まってますかね?」
さっすがです、と尾を揺らす。
「援軍が来なくて、戦力やばみって思ったから、魏のジェネラル級蟲将・曹仁は、荊州の更に北側の……『宛城』まで撤退したらしいです。んで、魏軍が撤退したから洛陽・長安方面に進出することもできるようになったんだけど……」
そう簡単に通してはくれなさそう、と椿は眉間にしわを寄せる。
「私、さんごくし? そんな詳しくないけど、めっちゃ有名な城塞の『虎牢関』ってのがあるらしくて、それ突破しないと先に進めないってことらしいんですね」
虎ってつくくらいだからなんか強そー、と椿は続けた。史実でも虎牢関は強大なものである。しかし、これは実際の史実と異なる虎牢関。大戦乱群蟲三国志の虎牢関である。クロノヴェーダにより改変されたそれは、史実を上回る強大さを持つであろう。
「虎牢関の前にはドエライ数の蟲将がいるらしいから、こっそり侵入してドカーン的なことは無理です」
となれば、短期決戦で前面の敵戦力を襲い、削っていくしかないだろう。
「敵は皆さんが一定距離以上まで近づくか、攻撃を仕掛けるまでは全く動かないらしいです。フリーズしたみたいに、微動だにしないんだって……」
向こうから仕掛けてくることはない。奇襲攻撃が可能というわけだ。
「でも、気を付けないといけないのが援軍ですね。攻撃を開始すれば迎撃があるし、時間経過とともに続々とお仲間が集まってくる。時間がかかればかかるほど不利になります」
できるだけ短期に、できるだけ多く相手にダメージを与え、そして……。
「退いてほしいんです。ある程度戦って削ったら、退き際を間違えないで安全地帯まで撤退して帰還してほしいんです」
相手も深追いはしてこない。タイミングを間違えさえしなければ、逃げおおせることは可能だ。
「なんかわらわらうじゃうじゃで大変そうですけど、無事を祈っています。くれぐれも深追いはしないで……戻ってきてくださいね」
椿は、パラドクストレインへとディアボロスたちを案内すると、深く頭を下げるのであった。
リプレイ
柳谷・凪
絡み・アドリブ歓迎
むぅ、倒しても倒しても敵の数が減ってる気がしないんだよ。まだまだ攻略まで時間が掛かりそうだにゃぁ。奇襲出来る内に目一杯削って早く攻略しないとだよ。ところで、今回の敵ってチャラ男なの?
前哨戦、敵トループ相手に大立ち回りの無双をするのだ。
神への生命賛歌に由来する古式の奉納演舞を煽情的で妖艶に改編した演舞を行い、戦場の敵を魅了しつつ味方を鼓舞し士気を爆発的に高めるんだよ。魅了した敵は斬鋼糸【阿羅倶禰】で斬り刻んでいくんだよ。雑兵なんかに舞踏で負けるわけにはいかないんだよ。
残りHP3割まで減ったら撤退するんだよ。
「後どれだけ屍山血河を築けば虎牢関に届くのかなぁ」
月下部・小雪
うぅぅ、て、敵がいっぱいで怖いけど、ちょっとでも倒していきます。
将来はきっと美人さんになる素養はあるけど、今はまだまだお子様。
チャラ男達も流石に油断はしない……でしょう。ロリコンさんはきっといないっ、たぶん!
攻撃はモーラットのコダマにお願いして、敵の群れに突撃してもらって、
【ワイファイスパーク】でびりびりとアタック、です。
蝶々みたいに飛び回るとか言ってますが、まとめてびりびりさせちゃえば大丈夫なはず、です!
飛んでくる矢は「念動力」で逸らしたり、「魔力障壁」で弾いたりして防御、です。
撤退時には敵の中に突っ込ませたコダマを召喚解除、手元に再召喚して一緒に逃げ出しますね。
※アドリブや連携も大歓迎
雪代・シア
集団戦!がんばろ〜!
歌唱と誘惑での競り合いにはちょっぴり自信ありかも〜!
アトラクトライトでガードアップをみんなにかけつつ攻撃するよ〜!
後は…シア、カワイイでしょ?手加減してくれる〜?
穂村・夏輝
「できるだけ協力させてもらうよ。迅速に可能な限り倒せばいいって訳かな?」
戦闘では、前に出て天晶剣で斬り込んでゆく。
「乱戦に持ち込めば、飛び道具は使いづらくなるんじゃないかな?」
美人には弱いみたいだけど、俺は男だから、そういう作戦は使えそうにないな。いや、これで油断されてもそれはそれで凹むけど。勘違いされた時は、涙を飲んであえて訂正はしない
「アンジェ、攻撃は任せるよ」
こちらで攻撃を引きつけておき、パラドクスはサーヴァントのアンジェローザの【聖花降臨】で広範囲に攻撃する。
一応、パラドクス通信等で味方と連絡取りつつ連携し、囲まれそうになる前には撤退するよ
結島・蘭杏那
さて虎牢関を落とす為にもトループス級の蟲将を倒しまくるわよ!チャラ男に色目を使う気はサラサラないけど、勝手に油断するならその隙きを突かせてもらうわ!!
奇襲を効率的に行う為、【パラドクス通信】を使って他の人達と連絡を取り合って攻撃するタイミングを合わせるわ。
攻撃が開始されたらもうあとには引けないわ!敵陣に突入して【ジャンプ】【残像】【ダンス】で敵を掻き乱し、近距離で刃を召喚し、密集してる所にバラ撒くわ。
撤退するタイミングは敵に囲まれ始めたらかしらね。完全に包囲される前に【エアライド】で撤退するのに適切な移動経路を見出して突撃し包囲を抜けたら素早く撤退するわ。
終夜・香宵
虎牢関と敵の大群のこの光景も三度目となるともはや見慣れたものですね。
少しは数も減ってきているはずですので、今回も今後のために削っていきましょう。
他にも味方がいるようですので、【殺気】 を抑えて敵の様子を伺い、味方の攻撃に合わせて訃闇の歌を歌い攻撃します。
一人でも多く殺すために一度歌いはじめたら退却するまでは歌い続けましょう。
歌いながら葬楽咒鈴を鳴らし、時々【残像】がでるような移動をして撹乱もして少しでも敵の攻撃も鈍らせたいですね。
四体同時に反撃されて耐えられない位まで消耗したら退却します。
か弱い女性のような悲鳴でもあげながら逃げれば良さそうなのでしょうか?
ずらり、眼前に並ぶ無数の兵。月下部・小雪(デーモンのデジタルサマナー・g00930)は、少し身震いをした。
「うぅぅ、て、敵がいっぱいで怖いけど、ちょっとでも倒していきます」
「虎牢関と敵の大群のこの光景も三度目となるともはや見慣れたものですね」
終夜・香宵(闇夜・g00869)はというと、この状況でもさほど動じてはいない。
「少しは数も減ってきているはずですので、今回も今後のために削っていきましょう」
皆で足並みをそろえて攻撃を開始するために殺気は抑え、敵の様子をじっと伺う。
「できるだけ協力させてもらうよ。迅速に可能な限り倒せばいいって訳かな?」
なるべく敵方の戦力を削り、危なくなったら撤退だと言っていたよね? と、穂村・夏輝(天使喰らいの復讐者・g02109)は確認する。
「そうですね、声を掛け合って行きましょう」
「うん、よろしく頼むよ」
「むぅ、倒しても倒しても敵の数が減ってる気がしないんだよ」
腕を組んで、柳谷・凪(お気楽極楽あーぱー娘・g00667)は唸った。瞼を伏せてじっと待機している兵たちを見て、ハッと思い出す。
「ところで、今回の敵ってチャラ男なの?」
「そうらしいわね」
結島・蘭杏那(剣の舞姫・g01039)は、並んでいる呉軍弓奏兵を見てふん、と鼻で笑った。
「チャラ男に色目を使う気はサラサラないけど、勝手に油断するならその隙きを突かせてもらうわ!!」
そのいきやよし、とばかりに、雪代・シア(白金糸雀・g03654)は拳を突き上げる。
「集団戦! がんばろ~!」
声と共に、ディアボロスたちは一斉に敵陣に切り込んでいく。
「神様だって虜にしちゃうんだよ!」
凪は、本来は神への生命賛歌に由来する古式の奉納演武のステップを踏む。しかしそれは妖艶に改編された演舞。ひらりと身をかえすたび、しゃらりしゃらりと装具が鳴る。
「ヒュゥ」
敵兵が下品な口笛を吹いた。
「俺と踊ろう、お嬢さん!」
ひらひらと蝶の羽根をはためかせ、呉軍弓奏兵は舞う。
「いーや、彼女と踊るのは俺だ」
「いやいや、俺だね!」
凪を取り合うように、三体の兵が弓を放つ。
「っとと」
演舞のステップの流れで、凪はそれをひょいひょいと躱すも、最後の一本だけが脚を掠めた。
「っ、雑兵なんかに舞踏で負けるわけにはいかないんだよ」
その痛みさえものともせず、彼女は舞う。戦場の仲間たちを鼓舞するためにも、その動きを止めることはない。
「かかったね」
凪の手から伸びる斬鋼糸【阿羅倶禰】が、敵兵を拘束し、切り刻んでいく。
「おわわ!?」
敵兵がバランスを崩したところへ飛び込んできたのは蘭杏那だ。凪の色香にわらわらと集まっていた男ども目掛け、ありったけの刃を召喚し、ばら撒いてやる。
「来い、刃よ!そして、舞乱れ切り刻め!!」
そのまま敵の群れの中で舞うように刃を操る。
「う、うわああ!」
「情熱的なお嬢さんじゃないか、嫌いじゃないぜ!」
呉軍弓奏兵も弓を引く。刃と弓矢の応酬、乱れ舞うディアボロスの乙女二人と呉軍弓奏兵。
「コダマ、お願い……!」
小雪が命ずると、モーラット・コミュのコダマはその乱舞の中に臆せず飛び込んでいく。
「ワイファイスパークです!」
ぱちぱち、と火花がとぶほどの強烈な電撃。ダンスを楽しもうとしていた男どもが、たちまち感電していく。
「あばばばばば」
「なん、だ!?」
「あの小さな淑女がやったらしいぜ」
こげこげのぷすぷすになった呉軍弓奏兵が、小雪に視線をやる。
「ほぉ……これは……」
「うん……まだ幼いがこれは将来化けるぜ……殺すには惜しいなあ」
品定めするようにじろじろと見ながら弓を引き絞る。その視線に、小雪はびくりと肩を震わせた。
「いや……! 見ないで、来ないでっ!」
一斉に放たれた弓。小雪の肌に、傷をつけていく。
「ぁう!」
「小雪ちゃん!」
シアが、それ以上は攻撃させまいとばかりに小雪に矢を放った男たちの元へ飛び掛かっていく。
「歌唱なら……!」
ちょっぴり自信ありかも~! と、海に輝く導きの歌を歌いあげる。味方を鼓舞し、敵を魅了するその歌声。呉軍弓奏兵は、シアの歌声に弓を引き絞る手を思わず止めてしまった。
「……シア、カワイイでしょ?」
ずずい、とその男にシアは顔を近づけてやった。
「う」
「手加減してくれる~?」
うるんだ瞳で上目遣いしてやれば、呉軍弓奏兵はびろんびろんに鼻の下を伸ばして、
「うん!」
なんて言ってしまった。
「いやおいお前さすがにそれはおい」
仲間の突っ込みも間に合わず。
「ふふ、ありがとぉ~」
紡ぐ歌が呉軍弓奏兵の耳を侵す。そのまま、どさりと地に倒れ伏したどうしようもない男に、シアは小さくごめんねぇ、と呟いて次の敵をその瞳に捉えたのだった。
「確かこのような……ららら〜♪」
乱戦の最中響き渡るのは香宵が歌う訃闇の歌。聞くものの不安をあおり、じわじわと命を削り取っていく奇怪な旋律だ。
「ぐ、う、なんだこの歌は!」
胸をざわざわと擽る不安に、呉軍弓奏兵は思わず耳をふさぎたくなる。
「おい、負けるな俺たちも歌うぞ」
声を合わせ、呉軍弓奏兵も歴代王朝の伝承詩を歌いあげる。その合間合間に、弓を放ち、華麗に歌い、踊る。その最中に飛び込んだのは夏輝であった。手にした天晶剣を操り、斬りかかる。
(「乱戦に持ち込めば、飛び道具は使いづらくなるんじゃないかな?」)
しかし、これはパラドクスによる攻撃ではない。あくまでも敵を引き付けるのみ。
「これまたきれいなお姉さんが来たもんだな~、今日は大当たりだな」
呉軍弓奏兵は、さらりとそんなことを言った。
「……」
また……間違われた……。夏輝はひそかに凹んでいた。けれどそれで向こうが勝手に油断してくれるのなら、訂正する必要もないだろう。涙を呑んで、にこりとほほ笑む。
「そのきれいな肌に傷をつけるのは憚られるけどな!」
弓をつがえる男の視線を確認し、夏輝はオラトリオに告げた。
「アンジェ、攻撃は任せるよ」
オラトリオのアンジェローザは、聖なる光の花をふわりふわりと上空から降らせる。
「う、うわあああ!」
「っていうか今の声」
男だったんか~! 呉軍弓奏兵の悲しい叫びは空に吸い込まれるようにして消え、その命は潰えたのであった。
傷を負いながら、香宵はつぶやく。
「……そろそろ、撤退でしょうか」
こちらも複数体を狙って攻撃しているため、反撃の数に耐えられなくなってきた。肩で息をしながら、凪が頷く。
「そう、だね!」
「了解!」
蘭杏那は目の前にいた敵兵の背を蹴って飛び上がると、エアライドでそのまま撤退路を確認し、その道へ続く場所を開けるために敵兵の元へ急降下した。
「行くわよ、一気に突破するわ!」
目的は倒すことではない。安全に退くこと。まだ完全に囲まれてはいない。ここさえ抜けてしまえば。
「き、きゃああぁ~!」
いちかばちかやってみようとばかりに、と香宵はか弱い女性のような悲鳴をあげる。まあ、先刻までバリバリに不穏な不安のお歌を歌っていたのでさほどか弱くもないといえばないのだが、チャラ男にはわりと効いたらしく……。
「今です!!」
駆け抜けていくディアボロスたち。
「コダマ、帰りますよ!」
小雪もコダマの召喚を一度解除し、手元に再召喚して抱きかかえ走る。遠く背に虎牢関と倒れ伏す呉軍弓奏兵らを残し走り去る一行、凪はぽつりと零した。
「後どれだけ屍山血河を築けば虎牢関に届くのかなぁ」
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【士気高揚】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
【勝利の凱歌】LV1が発生!
【植物活性】LV1が発生!
【エアライド】LV1が発生!
【強運の加護】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【命中アップ】LV2が発生!
【ガードアップ】LV2が発生!
【リザレクション】LV1が発生!