古代都市カルケドン要塞攻略戦

 ペルガモン会戦の勝利により、アナトリア半島(現在のトルコ)におけるディアボロスの優位が確定しました。
 アナトリア半島を制したディアボロスは、攻略旅団の方針により、イスタンブールからギリシャ・マケドニアの北東部を目指します。

 しかし、アナトリア半島とギリシャ方面を繋ぐ『イスタンブール』はボスポラス海峡を挟んで西岸の『ビザンチウム』と東岸の『カルケドン』に分かれている上に要塞化されており、簡単には通過できません。
 さらにペルガモン本来の統治者であるジェネラル級亜人『アッタロス』が、大軍と共にマケドニア方面から帰還し、イスタンブールに接近しています。
 イスタンブールのアナトリア側に築かれた、古代都市『カルケドン』の要塞に籠る敵軍を撃破、カルケドン制圧の為の準備を行ってください。

アッタロス

カルケドンの亜人に限定公開(作者 大丁
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#蹂躙戦記イスカンダル  #古代都市カルケドン要塞攻略戦  #イスタンブール  #アッタロス  #カルケドン 


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 亜人たちの担ぐ豪華な輿の上で、しかしジェネラル級『アッタロス』はみじめな思いを募らせていた。
「わが軍が、断頭革命グランダルメ奪還戦に加わっていれば……」
 酒の杯を握りしめ、輿の床面を叩き、胸の炎がチロチロの弱火になる。
 精鋭軍を率いて駆け付けたものの間に合わなかった。
 断片の王『イスカンダル』からはそのことで理不尽な叱責まで受けている。奪還戦後のディアドコイ評議会再編にも名前が挙がらない始末だ。
「再度、大王様の元に馳せ参じなければならん」
 挽回できるとしたら、防衛のために残してきた戦力しかない。
 アッタロスと精鋭軍は、『古代都市カルケドン要塞』へと向かっている。亜人兵を残らず集めて増強するつもりでいた。
 ふと、遅いと言われた軍の足を、省みてしまう。
 いまのジェネラル級にとって、ペルガモンの地ははるか遠くだ。

 新宿駅グランドターミナルに、『蹂躙戦記イスカンダル』行きのパラドクストレインが出現していた。
 車内では、時先案内人のファビエヌ・ラボー(サキュバスの人形遣い・g03369)が先ごろの戦果を称えているところだ。
「ペルガモンの会戦は、鮮やかな勝利を収める事が出来ましたわ。アナトリア半島におけるディアボロスの優勢は確立されたと申せましょう」
 残党は残っているだろうが、組織的な動きは出来ない筈だという。
「さて、アナトリア半島の優勢が確保された事で、攻略旅団の方針に従い、イスタンブールからギリシャ本土へと向かうこととなりました。当列車は、イスタンブールのアナトリア半島側を護る『古代都市カルケドンの要塞』に向かいます。要塞の攻略を開始してくださいませ」

 人形遣いの手技により、ぬいぐるみたちが地図や略図を車内に掲出する。
「古代都市カルケドンの要塞は、ギリシャ本土とアナトリア半島を隔てる重要な要塞であり、数キロメートルに渡る城壁を有し、多数の亜人の戦力が駐屯しているようですわ。こちらの作戦としては、小部隊単位で敵を要塞外へと誘導し、各個撃破していくことになります。要塞の防衛戦力を減らしていけば、いずれは一気に突入して制圧する機会が得られましょう」
 ただし、時間制限がある。
 大きな地図には、アッタロスのおおよその予測位置が記されていた。精鋭軍が要塞に帰還してしまえば、攻略は練り直しとのことだった。
 ファビエヌは、略図の説明に移る。
「城壁の一部分と、付近の地形を描いたものですわ。防衛部隊の誘導は、限定的なものにしなければなりません。予知でイイコトが判りまして、この岩場の上にたつと、見張り窓のひとつにだけ、こちらの姿を見せられるのです」
 サキュバスの案内人はいいことだと言ったが、イヤな予感を覚える者も。
「この見張り窓を任せれたトロル一族は、女性に飢えているご様子。岩場の上でアピールすれば、トロルは他の部隊を出し抜こうと、自分たちだけで要塞から出てきます。戦闘を行っても、ほかの見張り場所からは見られませんわ。アヴァタール級とその配下を撃破すれば、依頼は完了です」

 作戦についての簡単な打ち合わせをするうちに、発車時刻がせまってきた。
 プラットフォームに降りるファビエヌは、情報収集の可能性について付け加える。
「カルケドンの亜人達は、断頭革命グランダルメ奪還戦以降の情報は知らないようですが、ギリシャ方面にいた亜人も少なく無いようなので、海峡をわたった先の話が聞けるかもしれません。重要な機密は期待できないものの、今後の攻略方針を考えるヒントになれば、それはイイコトですわ」

 見張り場所の内側は、とある『トロル兵団』の一部族の待機部屋となっていた。
 亜人は、トループス級として一般人女性から誕生し、条件が揃えば、アヴァタール級へと成長できる。
 そうした亜人は指揮官として部族に留まり、部族単位で小部隊を編成していることも多い。
 血縁による結束は固いのだ。
 だが、このトロル兵団をまとめる『ヒュパスピスタイ』には大きな懸念があった。
「防衛任務が続くと、略奪ができない。特に女だ。どこかで調達せねば……」
 アヴァタール級自身も一般人女性は好きだが、多少の理性は働く。同族の巨兵たちはそうはいかない。
「う~。ぶっ……す~」
「うう~。……ん……げる~」
「ううう~。……とばす~」
 唸りながら、壁や柱にしがみついている。
 自軍の要塞を壊したりはしないものの、警戒任務にも支障がでてくるのではないか。
「兄弟たちはもう限界だ。いよいよ、言葉の意味も通らなくなってきているぞ……」
 待機部屋を眺めていると、せっかく獲得した知性が逆戻りさせられそうだった。


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【水源】
1
周囲に、清らかな川の流れを出現させる。この川からは、10秒間に「効果LVトン」の飲用可能な水をくみ上げる事が出来る。
【飛翔】
1
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。【怪力無双】3LVまで併用可能。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【罪縛りの鎖】
1
周囲に生き物のように動く「鎖つきの枷」が多数出現する。枷はディアボロスが命じれば指定した通常の生物を捕らえ、「効果LV×2時間」の間、移動と行動を封じる。
【託されし願い】
1
周囲に、ディアボロスに願いを託した人々の現在の様子が映像として映し出される。「効果LV×1回」、願いの強さに応じて判定が有利になる。
【友達催眠】
1
周囲の一般人を、誰にでも友人のように接する性格に変化させる。効果LVが高いほど、昔からの大切な友達であるように行動する。
【光学迷彩】
1
隠れたディアボロスは発見困難という世界法則を発生させる。隠れたディアボロスが環境に合った迷彩模様で覆われ、発見される確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【モブオーラ】
1
ディアボロスの行動が周囲の耳目を集めないという世界法則を発生させる。注目されたり話しかけられる確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【平穏結界】
1
ディアボロスから「効果LV×30m半径内」の空間が、外から把握されにくい空間に変化する。空間外から中の異常に気付く確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【パラドクス通信】
1
周囲のディアボロス全員の元にディアボロス専用の小型通信機が現れ、「効果LV×9km半径内」にいるディアボロス同士で通信が可能となる。この通信は盗聴されない。
【寒冷適応】
2
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」が、クロノヴェーダを除く全ての生物が、摂氏マイナス80度までの寒さならば快適に過ごせる世界に変わる。
【水中適応】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」が、クロノヴェーダを除く全ての生物が水中で呼吸でき、水温や水圧の影響を受けずに会話や活動を行える世界に変わる。

効果2

【能力値アップ】LV1 / 【命中アップ】LV3 / 【ダメージアップ】LV3 / 【ガードアップ】LV1 / 【フィニッシュ】LV1 / 【反撃アップ】LV1 / 【先行率アップ】LV1 / 【ロストエナジー】LV1

●マスターより

大丁
 オープニングをお読みいただきありがとうございます。
 マスターの大丁です。

 今回は、蹂躙戦記イスカンダルにて、亜人の防衛部隊を誘導して戦うシナリオとなっております。

 最初に、要塞の中から外を見張っているはずの『トロル兵団』たちを誘惑して、岩場におびきよせます。
 次に、ディアボロスを狙うトループス級『巨兵』とアヴァタール級『ヒュパスピスタイ』と戦い、撃破すれば依頼完了です。

 戦闘のどのタイミングでも、ギリシャ方面について敵と会話を試みることができます。
 とはいえ、『巨兵』は知能が低いので期待できません。『ヒュパスピスタイ』ならば、魔術を操るほどの頭脳派なので、亜人にとっての一般的な情報なら得られるかもしれません。

 戦いに、冒険に。そして、ドキドキを。
 みなさまの素晴らしいプレイングをお待ちしております。
60

このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


クロエ・アルニティコス
グランダルメ奪還戦に間に合わぬことも理解せず精鋭を連れまわして疲弊させ、守るべき都市を離れて宿将を孤立させ、それでも尚時流の見えないような者だから再編にも名前が挙がらないのでしょう……これはアッタロスに会ったら直接伝えましょう。

さて、亜人どもを少しだけ釣りだすには……
見られるのは極めて不快ですが、仕方ありません。
時先案内人から情報のあった岩場の上にたち、こちらの姿を見せます。
あとは……まぁ、特に必要はないでしょう。
いつものローブでも遠目にこちらの性別は分かるでしょうからね。
特に亜人の方へと顔を向けることもなく、じっと立って横目で窓の向こうの見張り場所の亜人どもの様子を伺います。

「守りに入ると亜人は本領を発揮できない」とはイラン高原でも良く言われたことですが、砦や拠点の防衛にも向いた種族ではありませんね。
律することができる者がカルケドンにはいない……ということかもしれませんが。
ひとまずは皆殺しにしてから考えましょうか。


一里塚・燐寧
あは。イラン高原や奪還戦に出張ってきた精鋭連中と比べると、亜人の中でもひどい有り様だねぇ
こんな連中でもたくさん詰めてるだけでそこそこ手数を使わされるってのはめんどくさい話だよぉ
まーちゃっちゃか片付けて、さっさとアッタロスもブッ倒すよぉ!

今回は敵に姿を見せる所は決まってるから、そこまでの道にさえ気を付ければよさそうだねぇ
【光学迷彩】を発動して敵の視線が通らない道を進んていくよぉ
丘陵や草木を遮蔽物として身を隠したり、開けた所を通らざるを得ないときは姿勢を低くして進んだり工夫しよう
んー、ステルスアクション!

目的の岩場に来たら間抜けを装って姿を見せ、要塞の窓の向こうに何があるか探るように見つめるよぉ
あっれぇ、こんなとこに建物?
誰か住んでるのかなぁ
……って亜人じゃん!? わぁ、やっばいやばい。みんな、逃げなきゃ!

慌てた様子で逃げ去ろうとするけれど、敵の勢いが凄すぎて追い付かれる……って状況を演出
敵が外に集まったら臨戦態勢を取るよぉ

んふふ、猿芝居に付き合ってくれてありがとねぇ?
お礼に死をあげるよぉ!


テレジア・ローゼンタール
【攻城戦】は合戦が始まる前の準備段階で、その趨勢のほとんどが決まると言っていい
蹂躙を旨とする亜人にとって、籠城戦は生態的に不得手な筈
精鋭に立て直される前に制圧しなければ

逸れた難民を装う
鎧や魔剣は明らかに不自然なので外しておく
岩場ならば物を隠すところはいくらでもあるでしょう
衣服は……この鮮やかな青で難民は無理がありますね
代わりに襤褸布でも纏っておきましょう
女に飢えて思考力が落ちているなら、肌の露出が増えるのはそのまま誘引効果の増加になるでしょう

命からがらに逃げようとしている風を装う
息を切らして、足を挫いて、なかなか逃げられない……という演技
逃げる獲物、というシチュエーションで狩猟者としての本能を【挑発】
その獲物が……自分で言うのもなんですが、見目麗しく裸に近い格好となれば【誘惑】効果は覿面な筈


 トルコ側の先端で下車したディアボロスたち。とくに、一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)が眺めていたのは丘陵から飛び出た岩山のような地形だった。
「今回は敵に姿を見せる所は決まってるから、そこまでの道にさえ気を付ければよさそうだねぇ」
 仲間のために、『光学迷彩』を発動し、先頭に立って岩山のへこみを進んでいく。
 カルケドン要塞の城壁は長い。
 ずっと直線とはいかないので、起伏に合わせて張り出しや引き込みもある。時先案内人が見つけてくれたポイントまでは、他の見張り所から見られないよう、ルートを選んだり、姿勢を低くしたりと工夫を重ねた。
「んー、ステルスアクション! あ、でも心配したほど敵の視線は通ってないかな。ここなんか、四方が岩場に囲まれてて目隠しになっているうえに、中は平坦で広さがあるし」
 燐寧は、屈んでいた姿勢から両膝をあげ、背を伸ばしても岩肌に城壁が隠れたままだと試してみせた。
 打ち合わせの略図のとおりの場所に出たのはそのすぐあと。岩陰から再び姿を現した要塞は、視界の中で縦に伸びていて、件の見張り窓がひとつだけ。
「あは。イラン高原や奪還戦に出張ってきた精鋭連中と比べると、亜人の中でもひどい有り様だねぇ。あんな連中でもたくさん詰めてるだけでそこそこ手数を使わされるってのはめんどくさい話だよぉ」
 窓の内側を想像し、苦笑いしている燐寧に、テレジア・ローゼンタール(魔剣の騎士・g01612)が頷き返す。
「『攻城戦』は、合戦が始まる前の準備段階で、その趨勢のほとんどが決まると言っていいでしょう。蹂躙を旨とする亜人にとって、籠城戦は生態的に不得手な筈。精鋭に立て直される前に制圧しなければ」
「その精鋭を、グランダルメ奪還戦に間に合わぬことも理解せずに連れまわして疲弊させ、守るべき都市を離れて宿将を孤立させ、それでも尚時流の見えないような者だから再編にも名前が挙がらないのでしょう……これはアッタロスに会ったら直接伝えましょう」
 クロエ・アルニティコス(妖花の魔女・g08917)がジェネラル級の名を出すと、こんどは燐寧が大きく首肯した。
「まーちゃっちゃか片付けて、さっさとアッタロスもブッ倒すよぉ!」
 すぐにでも『トロル兵団』を釣り出そうと、仲間を急かしに振り返り、ちょっと驚く。
「着替えるの、早っ!」
「衣服は……鮮やかな青で難民は無理がありますからね」
 襤褸布だけを纏ったテレジアが立っていた。
 逸れた難民を装う、ということらしい。鎧や魔剣は明らかに不自然なので外し、岩のすき間に隠してあった。
「女に飢えて思考力が落ちているなら、肌の露出が増えるのはそのまま誘引効果の増加になるでしょう」
「うん、まぁ……。そういう作戦なら、あたしは間抜けでも装ってみるよぉ」
 燐寧が、視線をずらすと、クロエが。
「……すごい」
 仲間の変装を見つめていた。
「……いえ、さきほどのテレジアのお話ですが、『守りに入ると亜人は本領を発揮できない』とはイラン高原でも良く言われていました。確かに、砦や拠点の防衛にも向いた種族ではありませんね」
 凝視は、ほんの少しの間。燐寧は、念を押す。
「へぇ~。ふぅ~ん。それで、クロエちゃんは着替えなくていいのぉ?」
「亜人に見られるのは極めて不快ですが、仕方ありません。作戦ならば、私も姿を見せましょう」
 そっぽを向いて、それから。
「あとは……まぁ、特に必要はないでしょう。この、いつものローブでも遠目にこちらの性別は分かるでしょうからね」
「了解、了解~。じゃ、はじめるよぉ!」
 ディアボロスたちは、岩棚の上へと出た。
 さっそく燐寧が、大げさな動作をつくる。
「あっれぇ、こんなとこに建物? 誰か住んでるのかなぁ」
 目の上に手をかざし、要塞の窓の向こうに何があるか探るように見つめる。その背にすがるように、テレジアはフラフラと追いかけた。布のすき間からチラチラしている。
 さすがに見張り窓からは判別できないと思いつつ、亜人のことだから覗けるかもしれない。クロエは、じっと立って横目で城壁の様子を伺う。
 結果はすぐに現れた。
 三人のうちのどれになにがとは知れないが、城壁の麓の一部がスライドし、『トロル兵団』が飛び出してくる。鉄かぶと以外は、いまのテレジアと大差ないみすぼらしさで、『巨兵』たちが続く。ひとりだけ、銀の鎧と盾を装備しているから、アヴァタール級の『ヒュパスピスタイ』だろう。
「兄弟たちよ! 私が許可するから、よそに気付かれるまえにやっちまえ!」
「うお~。……とばす~!」
 一部隊の独断専行を示すやりとりも聞こえてきた。
「律することができる者がカルケドンにはいない、ということかもしれませんが。……ひとまずは皆殺しにしてから考えましょうか!」
 クロエは、横目で見ながら亜人たちを十分に引き付け、合図を出す。燐寧は、芝居を切り替えた。
「……って亜人じゃん!? わぁ、やっばいやばい。みんな、逃げなきゃ!」
 慌てた様子で駆けだす。
 依頼説明によれば、この場で戦っても要塞から増援は来ないが、ついでに戦いやすい場所まで誘導したい。岩に囲まれた平坦な地形まで引き返す。
 遅れたテレジアの、命からがらに逃げようとしている風が、役に立った。
 息を切らして、足を挫いて、なかなか走れない……という演技。獲物を追う、というシチュエーションで狩猟者としての本能を挑発する。
「その獲物が……自分で言うのもなんですが、見目麗しく裸に近い格好となれば誘惑効果は覿面な筈」
「うお~。ぶっ……す~!」
 とぎれとぎれに、背後から迫る亜人の声は、なんだかとってもいかがわしく聞こえた。
 誘導も成功だ。
「んふふ、猿芝居に付き合ってくれてありがとねぇ? お礼に死をあげるよぉ!」
 燐寧たちが、臨戦態勢を取って立ち塞がる。
🎖️🎖️🎖️🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【平穏結界】LV1が発生!
【光学迷彩】LV1が発生!
【友達催眠】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
【先行率アップ】LV1が発生!

クロエ・アルニティコス
どちらもクロノヴェーダはクロノヴェーダ、敵でしかありませんが……断頭革命グランダルメの律された自動人形どもを見た後だと呆れが出ますね。
まぁ、亜人などこんなものでしょう。

さて……何をどうするつもりだったかは知りません。
どうせお前たちの行く先など一つです。
ウツボカズラの種を手に【カリュブディス・ネペンテス】を使用し、ギリシャ神話の怪物カリュブディスを象った植物の怪物を作り出します。
中衛にカリュブディスを配置し、孤立している敵や、仲間の範囲攻撃で弱った敵など撃破しやすいところから攻撃、的確に数を減らしながら後衛へと敵が近寄るのを防ぎます。

トロル兵団の腕や足を蔓で捕らえ、巨大な捕虫器の中へと放り込み、消化液で溶かしましょう。
もっと痩せていれば苦しみが長く続くこともなかったでしょうにね。
怠惰か贅か、何のせいかは知りませんが、自業自得というものです。

反撃の地面の抉り飛ばしは守護の青薔薇の防御結界で軽減し、直撃は防ぎます。


一里塚・燐寧
いやー、興奮してるとこ悪いけど、あたしの身体はもう売約済みでさぁ
とゆーか引き渡し済み……? まぁいいや!
何にせよ、きみ達の出る幕はないってことで。うっかり出てきたのが運の尽きぃ!

岩陰に隠していた≪DCブラスター≫を取り出し、楽しいブッ殺しタイムの始まりだよぉ
仲間やその召喚物が前線で暴れるのを後衛から射撃で支援するねぇ
後ろの方から戦場を大きく見渡すことで、仲間に攻撃しようとしてる敵を見定め、先に潰してこう

高速詠唱で迅速に怨念のエネルギーを砲身に取り込んだら、『闇雷収束咆・怨響波』をブッ放す!
大波のように押し寄せる無数のプラズマ弾で敵を焼き、脂ぎった体を大炎上させちゃうよぉ!
あはぁ、ジュージュー言ってら。ねぇねぇ。火加減は良い感じ?

反撃で飛ばしてくる地面の破片はブラスターによる射撃で迎撃
銃を向けたまま後退してにじり寄って来る敵から離れた距離を保ち、敵が疲れた所で攻勢に転じるよぉ
直接棍棒で殴ってきたら、得物の長い銃身で打ち合って対抗するねぇ

で、最後は眼鏡くんかぁ
きみは多少は頭が回りそうだねぇ?


テレジア・ローゼンタール
こんなあからさまな罠を疑いもせず、のこのこと……
まぁ、敵としては狩りやすくて結構
軍勢としての体制を立て直す前に叩かせてもらう

必死に逃げるふりをして、武装を隠していた岩陰の方へ誘き寄せる(誘惑・挑発)
魔剣を掴んで引っ張り出して反転、【破壊】の魔力(オーラ操作)を纏った切っ先を向け――【突撃】!
【滅塵の剣技】を振るい、ぶった斬る!

戦闘のポジションとしては前衛
後ろの仲間が動きやすいよう、複数攻撃のパラドクスで敵の注意を惹き付ける
棍棒の振り下ろしは力任せで【看破】しやすい
【戦闘知識】と【記憶術】で先読みし、【滅塵の剣技】で【薙ぎ払い】、棍棒ごと図体を【両断】する
味方が倒れても欲望は衰えず――いや、倒されたからこそ、その埋め合わせを産ませようという思想か?
逃げずに向かって来るなら都合がいい、片っ端から細切れにしてやる


「こんなあからさまな罠を疑いもせず、のこのこと……」
 必死に逃げるふりをしてきたテレジア・ローゼンタール(魔剣の騎士・g01612)は、武装を隠しておいた岩陰の方へとトロル兵団を誘き寄せる。
 ディアボロス全体で回れ右したので、前後も逆になった形だ。
 魔剣を掴んで引っ張り出すと、最前線に転じて切っ先を差し向けた。魔力を纏って突撃する。
 トロルの巨兵といえば、先頭の一団こそテレジアの複数攻撃のパラドクスに巻き込まれて驚愕していたものの、続く同族たちは女性に追いついたと勘違いしたまま。
「ぶぉ~!」
「うおー!」
「オレ、もう、……とばすッ!」
 自分たちにもまわせと催促している始末だ。
「いやー、興奮してるとこ悪いけど、あたしの身体はもう売約済みでさぁ。とゆーか引き渡し済み……? まぁいいや!」
 一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)は、隊列の反転した後衛からニヤリと笑う。
「何にせよ、きみ達の出る幕はないってことで。うっかり出てきたのが運の尽きぃ! 楽しいブッ殺しタイムの始まりだよぉ」
 彼女も隠していた『DCブラスター』を取りだして構えると、岩場に侵入する敵を次々と撃つ。
「まぁ、亜人などこんなものでしょう」
 クロエ・アルニティコス(妖花の魔女・g08917)はふと、先の奪還戦を思い出した。
「どちらもクロノヴェーダはクロノヴェーダ、敵でしかありませんが……断頭革命グランダルメの律された自動人形どもを見た後だと呆れが出ますね」
「狩りやすくて結構。軍勢としての体制を立て直す前に叩かせてもらう」
 仲間が動きやすいよう、テレジアがトロルの注意を惹き付けている。クロエは召喚の準備をすすめた。燐寧は、さらにその後ろから、戦場を大きく見渡す。
 カルケドン要塞でムラムラを募らせた亜人も、さすがに相手がディアボロスと気がついたようだ。
 太くて長い棍棒を振り回し、周囲の地面を抉り飛ばして反撃してきた。
「……何をどうするつもりだったかは知りません。どうせお前たちの行く先など一つです」
 クロエの手の中でウツボカズラの種が、魔力と感情を蓄える。
「種子に宿るは我が悲嘆、芽吹け『カリュブディス・ネペンテス』!」
 急成長した植物が、巨兵を飲み込めるほどの捕虫器を備えた怪物となる。ギリシャ神話の『カリュブディス』を象っており、クロエはそれを中衛に配置する。
 仲間の範囲攻撃で弱った敵など撃破しやすいところから攻撃、的確に数を減らしながら後衛へと敵が近寄るのを防ぐ。こうして、敵誘導からの反転攻勢、陣形の配置が完成した。
「うお~! ぶっとばす!」
 巨兵の棍棒が、土くれをすくい上げた。
 『守護の青薔薇』の防御結界で軽減し、直撃を防ぐクロエ。浮いた破片は、燐寧がブラスターで撃ち落す。平坦だった地形も掘られて穴だらけになってきたが、棍棒を握る腕を蔓で捕らえると、カリュブディスは巨兵を捕虫器の中へと放り込んだ。
 植物の袋の内部には、強力な消化液を湛える。
「もっと痩せていれば苦しみが長く続くこともなかったでしょうにね。怠惰か贅か、何のせいかは知りませんが、自業自得というものです」
 クロエは、袋の表面がもごもごと動いているのを、カルケドンの城壁にしたように横目でみる。
 敵の数も減り、防御を固める必要もなくなってくると、燐寧も前へと出た。どうやら、敵側の指揮官は戦場からあぶれてしまったようで、岩塊に阻まれ、態勢を立て直す指示が通らなくなっている。
 テレジアの眼前には、単調な攻撃を繰り返すトロルが順番に押し出されてきていた。
「味方が倒れても欲望は衰えず――いや、倒されたからこそ、その埋め合わせを産ませようという思想か? 逃げずに向かって来るなら都合がいい、片っ端から細切れにしてやる」
「怨み募りし魂よ、群がり集いて荒れ狂え。汝ら、寄る磯なき細波にあらず。津波と化して仇を呑まん……な~んてね、ダババーっていくよぉ!」
 燐寧は、前衛につくまでに怨念のエネルギーを、高速詠唱で迅速に砲身へと取り込ませた。
 『闇雷収束咆・怨響波(プラズマ・ダーク・ハウリング・ウェイブ)』をぶっ放す。
 トロル巨兵の技は、あいかわらず。
「ぶっつぶす!」
「力任せで看破しやすい」
 テレジアが避けたところに、大波のように押し寄せる、燐寧の放った無数のプラズマ弾。
 トロル巨兵を押し戻し、脂ぎった肉体を大炎上させる。
「あはぁ、ジュージュー言ってら。ねぇねぇ。火加減は良い感じ?」
「死に絶えろ――!」
 残った敵に対し、テレジアが『滅塵の剣技(クリティカル・アーツ)』を繰り出す。
 獄炎の如き憤怒を、冷徹な殺意で制御する。戦闘知識と先読みで裏打ちし、より確実な死を馳走せんがため。
「ぶっ、ぶっ……。うぅ~」
 ぶっとばして、ぶっつぶしてきたトループス級『トロル兵団』の巨兵たちは、ぶっ放され、ぶった斬られた。
 あと、捕虫器に消化されたものも。
 最後の一体は、テレジアの魔剣に棍棒ごと両断される。
 分かたれた肉塊のすき間から、ようやく事態を把握するアヴァタール級の顔が見えた。
「兄弟たちよ、私の失策だ。女を与えてやれば、理性も回復するかと……」
「で、あとは眼鏡くんかぁ。きみは多少、頭が回りそうだねぇ?」
 燐寧がまたニヤリとする。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【水源】LV1が発生!
【罪縛りの鎖】LV1が発生!
【水中適応】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!

クロエ・アルニティコス
まぁ、頭が回るとは言っても「亜人にしては」という枕詞はつく可能性もありますが。
元々規律・統率の取れた軍を率いている種族と比べれば果たしてどうか。
そういえばアッタロスにも置いて行かれたのでしたか。あれに連れて行かれることが幸運か不運かはさておき、お前の評価などそんなもの、十把一絡の亜人に過ぎないということです。
結局のところ、大した指揮権もなく、本土側のビザンチウムではなくカルケドンに配置されているのですから。

気になるのは対岸、「ビザンチウム」の様子ですね。その状況によってアッタロスをどう迎え撃つかが変わってきます。
城塞化され、こちらへの防衛を行うつもりなのか、アッタロスによって連れていかれたか、あるいはマケドニアに兵を集められているか……

相手を侮るような口調で反論を誘い、ビザンチウムについての情報を少しでも多く集めましょう。


一里塚・燐寧
アッタロスがはるばるカルケドン・ペルガモンまで戻ろうとする辺り、ギリシャとアナトリア半島の間に、あいつが好きに使える兵力は他にないんだろねぇ
でも、イスカンダル全体で見たらどうだろ?
ビザンチウムからブルガリアやギリシャの方面に広がる、歴史的に「トラキア」と呼ばれる地域
史実のディアドコイ戦争時は「リュシマコス」……グランダルメに来てた「リシュマコス」と名前が似た人の領地だった所
そこには、亜人兵力や支配するジェネラル級はいないのかなぁ?
確定情報じゃないハッタリ交じりに探ってみよっか

いやー、きみ達カルケドンの亜人は災難だったねぇ
すぐ隣のトラキアの連中は戦争に連れてってもらえたのに、ちょっと離れただけで明暗が分かれるなんてさ
きみ達もアッタロスなんて小物じゃなくて、リシュマコスみたいな強者に仕えてたら運命が変わったのかなぁ?
ま、そもそもあいつの手下に選んでもらえなかったから、ギリシャ方面からここまで流されてきたんだろうけどねぇ

初めの内は同情、終わり際には嘲りを見せて心を揺さぶり敵の反応を観察するよぉ


 『トロル兵団』所属のヒュパスピスタイと対話する流れになりそうだ。
 武器の構えを維持しつつ、ディアボロスたちは仲間内で目配せしあった。クロエ・アルニティコス(妖花の魔女・g08917)も、やや引いた位置から成り行きを見守っている。
(「まぁ、頭が回るとは言っても『亜人にしては』という枕詞はつく可能性もありますが」)
 元々規律・統率の取れた軍を率いている種族と比べれば果たしてどうであろう。などと、半信半疑なところもある。
 一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)は、すぐには話を切りださなかった。
(「アッタロスがはるばるカルケドン・ペルガモンまで戻ろうとする辺り、ギリシャとアナトリア半島の間に、あいつが好きに使える兵力は他にないんだろねぇ」)
 目の前にいる、カルケドンのアヴァタール級が知っていそうな情報とはなんだろう。
 少なくとも、『断頭革命グランダルメ奪還戦』後の戦力配置は知らないはずだ。
(「イスカンダル全体で見たらどうだろ? ビザンチウムからブルガリアやギリシャの方面に広がる、歴史的に『トラキア』と呼ばれる地域、史実のディアドコイ戦争時は『リュシマコス』……グランダルメに来てた『リシュマコス』と名前が似た人の領地だった所。そこには、亜人兵力や支配するジェネラル級はいないのかなぁ?」)
 もう一押し、きっかけが欲しいと考えていると、クロエが前に出てきた。
(「私としても、気になるのは対岸、『ビザンチウム』の様子ですね。その状況によってアッタロスをどう迎え撃つかが変わってきます。城塞化され、こちらへの防衛を行うつもりなのか、アッタロスによって連れていかれたか、あるいはマケドニアに兵を集められているか……」)
 結局、クロエがさきに挑発にかかる。
「そういえばアッタロスにも置いて行かれたのでしたか。あれに連れて行かれることが幸運か不運かはさておき、お前の評価などそんなもの、十把一絡の亜人に過ぎないということです」
「むむ、おまえは……」
 ヒュパスピスタイは、妖狐のレジェンドウィザードに対して遠慮なく視線を向けた。
「そのローブ姿、兄弟たちにまわしてやろうと思ったのが、はじまりだった……。無念、ディアボロスとは見抜けなかったぞ」
 悔しがっているのに、目つきはいやらしい。
 やはり亜人だ。ゾッとするのに耐えて、クロエは挑発を続ける。
「でしょうね。結局のところ、大した指揮権もなく、本土側のビザンチウムではなくカルケドンに配置されているのですから」
「いや、それは違う」
 消沈しているのは、兵団の配下を失ったからで、クロエの侮りにプライドが傷ついたわけではないらしい。平静を保ったままで、しかし聞きたいことはしっかり漏らしてくれた。
「ディアボロスへの防御はカルケドンで行うのだ。重要な任務を任されているのだから、アッタロス様に置いて行かれた、などということはない。兄弟たちの万全を期していれば、いずれは防御役を交代して前線につれていけたものを」
 話が本当ならば、ビザンチウムは手薄ということになる。
「こうなったら、おまえには私の部族を作らせてやるとしよう。兄弟たちのように、色仕掛けの隙はないと思え」
 食虫植物を差し向けたのが色仕掛けとは心外だ。
 などと、クロエは反応しないが、ここで燐寧が話に入ってきた。
「いやー、あたしが言うのもなんだけどさぁ。きみ達カルケドンの亜人は災難だったねぇ」
 確定情報ではない、ハッタリ交じりで探ってみる。
「すぐ隣のトラキアの連中は戦争に連れてってもらえたのに、ちょっと離れただけで明暗が分かれるなんてさ。待っている間にこの悲劇だ。きみ達もアッタロスなんて小物じゃなくて、『リシュマコス』みたいな強者に仕えてたら運命が変わったのかなぁ?」
「ん、いきなり将軍の名を出したが、何を言っている。『勇猛なるリシュマコス』様ならたしかに『トラキア方面』を支配されているが……」
 ハッタリのつもりが予測は正しかったらしい。
 史実の人物とのつながりはわからないが、奪還戦で撃破にはいたらなかったジェネラル級その人で、支配地域はトラキアだった。
 ディアドコイ評議会の再編には名前は上がっておらず、進退は察知できていない。
(「トラキアに戻ったかもしれないけど、コイツのさっきからの反応を見ていると、早合点は禁物だねぇ。アッタロスの現状も知らないわけだから。攻略の参考になるほどのトラキアの兵力の規模、ジェネラル級の有無なんて手に入らないかなぁ」)
 燐寧は、同情っぽい口調から、嘲りに変えて揺さぶってみる。
「ま、そもそもあいつの手下に選んでもらえなかったから、ギリシャ方面からここまで流されてきたんだろうけどねぇ」
「だから、それも違う」
 冷静に訂正してくるところが、亜人の中でも頭脳派ということか。
 ヒュパスピスタイ、いわく。
「カルケドン防衛は、ヘラクレス王子が派遣している。さっきからアッタロス様を侮辱しているようだが、まったく同意できん。産んでくれた私の子に、ちゃんとした教育を施してやるから安心なさい」
 対話は、気持ちの悪いところで終わった。
 ディアボロスの面々は、辟易しながらも、武器を構え直す。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【パラドクス通信】LV1が発生!
【寒冷適応】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!
【命中アップ】がLV2になった!

東雲・椿樹 (トレインチケット)



一角・實生 (トレインチケット)



「あー、ほらな。何とかなるって言ったろ?」
 東雲・椿樹(デーモンのレジスタンス諜報員・g06911)は、ディアボロスの女性陣が健在なのを、同行者に示した。
「俺の目的は、前線の支援だ。心配なんかしてないよ」
 一角・實生(深い潭・g00995)は短く返す。
 余念なく大口径セミオート式狙撃銃の調整をしているふうだ。ふたりは戦場を囲む岩陰に潜伏し、高所から窪地の成り行きを見守っていた。
「いやいや、ファビエヌさんが女性をつかった誘導策をイイコトってよんだとき、イヤな予感がするってカオしてたぜ。なぁ、『毛玉』?」
「もきゅっ!」
 モーラット・コミュにまで同意を求める。
「そうだったかな。自分じゃ見えないしね」
 實生は観念した。椿樹さんこそ、居てもたってもいられなかったですよね、などと野暮は言わずに済ます。むしろ、仲間思いなところに好感が持て、喋らせている感じだ。
 くぼ地では、アヴァタール級との対話も終わり、いよいよ決戦がはじまりそうだ。
「さて、やるか」
 デーモンのレジスタンス諜報員は、毛玉を連れて岩伝いに降りて行った。うまく隠密を維持したまま。
 残った實生は、狙撃銃『グラナトゥム』を設置する。
「行くよ。……底から汲み上げた熱と痛みだ」
 己が持つちからを紺青色の炎状に可視・物質化させて纏った。トリガーを引くと、羽根のような弾丸となって飛び出す。
 アヴァタール級『ヒュパスピスタイ』に命中したそれは、やつの装備した『聖銀の武具』を燃え上がらせる。
「ぐゥ、あんなところに伏兵を!」
 ヒュパスピスタイは炎を払うと、呪文を唱えた。超高熱の閃光を銀の盾から放つ。
 亜人の魔法は、實生の隠れた岩場を焼く。色も属性も違うが、炎熱攻撃が飛び交う遠距離戦。
「問題ないよ。逆説連鎖戦において距離は意味を持たないけれど、元来の己の戦い方にあってるしね。あとは……」
 仲間の突破口になれればそれでいい。
 燐寧たちは戦闘準備を整えている。そして、椿樹と毛玉が接近する時間も十分に稼げた。
 頭脳派を気取るヒュパスピスタイは、『銀輝焼却』を使いながらもまだペラペラと語っていた。
「確かにこの区域はカルケドン要塞からも死角になっている。兄弟たちが不調なせいで偵察が滞っていた。ディアボロスよ、うまく誘導したものだ。しかし、私の魔力と知力はこれ以上の策を……」
「そんだけ判ってて、なんで不意打ちを喰らうかね?」
 椿樹の『アサシネイトキリング』が決まった。
 暗所から飛び出したなにかが、銀の盾を弾き飛ばす。
「うぐぐ、私の魔術武具が……!」
 痛めた腕をかばい、アヴァタール級はうめいた。
「助けは、不要だったかな? さぁ、決着をつけようぜ」
「もっきゅー!」
 女性陣に声をかける椿樹と、その懐に跳ね戻ってくるモーラット・コミュ。
 繰り出された致命的な一撃とは、『毛玉』の投擲であった。
善戦🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​
効果1【モブオーラ】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
効果2【フィニッシュ】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV3になった!

クロエ・アルニティコス
こいつの言うことが事実なら、ビザンチウムは手薄……アッタロスが入城し、拠点とされる前に私たちの手で制圧し、そこでアッタロスを迎え撃つのが上策でしょうか。
聞いた性格だと誘い出すのも不可能ではなさそうですが、敵が愚かであることに過度な期待をするのもまた愚かなことです。

女と見れば同じことしか頭に浮かばない、お前たちにも通じるよう返答をさせてもらいましょう。
お前はここで殺します。
【ラードーン・ローザ】を使用し、ラードーンを象った植物の怪物を作り出します。
防衛を得意とする百の頭を模した茨と【反撃アップ】でヒュパスピスタイが振り回す棍棒を受け止めさせます。
受け止めさせたなら棍棒を伝うようにして茨の首を伸ばし、腕、肩、胴、そして首と巻き付き、締め上げましょう。

「魔女と魔術比べをしてはいけない」一つ学べましたね。
それを活かす機会はもう二度と訪れることはありませんが。


一里塚・燐寧
なるほど~。やっぱりリシュマコスがトラキアの支配者だったワケだぁ?
んふふ。こっちが知ってると早合点して喋っちゃったねぇ。情報いっただきぃ~
知らないこと教えてくれたお礼に……死をあげるよぉ!

『呪式:凄射必誅』を発動し、≪DCブラスター≫の銃口から怨念の宿った誘導弾を発射
相手に体力や余裕が残ってる内は盾で防がれちゃうかもだけど、それはそれでオッケイ
盾に突き刺さった弾が起こす爆発でガードの姿勢を崩し、仲間の技がクリーンヒットしやすい状況を作ろう
逆に相手がもう隙だらけだったら、狙い通り丸出しの顔面に弾をブチ当てちゃおう
そのオーパーツ眼鏡ごと、いけすかない顔をブッ壊したげるよぉ!

反撃の棍棒に対してはブラスターを大型の槍のように振り回し、二枚の回転鋸刃で打ち合って防御
刃に纏わせた≪拒絶の呪力≫の弾き飛ばし効果も合わせて、どうにか巨大化した棍棒と渡り合い、直撃を避けよう
あはっ、眼鏡はオーパーツなくせに棍棒はめっちゃ原始的でウケるぅ~

ふーっ、カノジョ持ちにダル絡みしてくる野郎をブッ殺せてスッキリしたよぉ


 ひしゃげた盾が拾われるあいだ、一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)は合点のいく顔をしていた。
「なるほど~。やっぱりリシュマコスがトラキアの支配者だったワケだぁ?」
「こいつの言うことが事実なら、ビザンチウムは手薄……アッタロスが入城し、拠点とされる前に私たちの手で制圧し、そこでアッタロスを迎え撃つのが上策でしょうか」
 クロエ・アルニティコス(妖花の魔女・g08917)も、得た情報を反芻するが。
「聞いた性格だと誘い出すのも不可能ではなく。しかし、敵が愚かであることに過度な期待をするのもまた愚かなことです」
 ビザンチウム攻略からアッタロス決戦まで一足飛びにした意識を、カルケドンへと引き戻した。
 燐寧は、煽りながらもDCブラスターを差し向けている。
「んふふ。こっちが知ってると早合点して喋っちゃったねぇ。情報いっただきぃ~。知らないこと教えてくれたお礼に……死をあげるよぉ!」
「そうですね。女と見れば同じことしか頭に浮かばない、お前たちにも通じるよう返答をさせてもらいましょう」
 赤バラの種を握る、クロエ。
「お前はここで殺します」
 次なる植物の怪物は、100の首を模した茨『ラードーン・ローザ』だ。
「ディアボロスめ。勝手な感謝も、行為の了解も求めておらん。わが魔術、『銀智圧潰』を喰らいたまえ!」
 『トロル兵団』ヒュパスピスタイは呪文を唱える。
 亜人がデカくしたのは、棍棒だった。実にトロルらしい武器だが、アヴァタール級の言によれば、そういう魔術なのだそうだ。
「どうだ、卓越した棍棒さばき!」
「ふっ……」
 茨が、棍棒を受け止めた。
 クロエのローブは少しも乱れていない。『ラードーン・ローザ』の茨は、棍棒を伝うようにして首を伸ばし、亜人の腕、肩、胴と巻き付き、しまいには喉元も締め上げる。
「うぎゅぎゅ、ぐふぅ」
「この怪物の100の首は、もともと高い防御能力を誇りますが、お前を苦しめるには十分でしょう」
 茨に埋もれそうになりながら、しかしその隙間から銀の武具の輝きが洩れてくる。
 眉をひそめたクロエは、すぐに数歩と身を引いた。
「うぎゅぎ、ぎゅるぎゅる」
 意味は通らないが詠唱はできるらしい。
 棍棒がさらに巨大化した。捕縛された格好のまま、トロルは身体ごと回転し、棍棒の振り回しを徐々に水平にもっていく。
「ぐぎぃ、うがうが!」
 およそ知性的とは言い難い表情で、なにかを叫んでいた。
「あはっ、眼鏡はオーパーツなくせに棍棒はめっちゃ原始的でウケるぅ~」
 燐寧は笑いながら『DC(ダブルチェーンソー)ブラスター』を立てて使った。銃身を槍のかわりにし、二枚の回転鋸刃で棍棒と打ち合う。
 刃には、拒絶の呪力を纏わせ、ぶつかると同時に、亜人側だけを弾きだす。
「あとは任せます、燐寧」
 クロエが、『ラードーン・ローザ』を解除した。
 茨の拘束に支えられていたので、解放されたヒュパスピスタイの身体は、自分の巨大化棍棒に引っ張られるようにして吹き飛んでいった。
「盾で防がれちゃうかもとか思ってたからさぁ。モーラット・コミュくんの体当たりに感謝だよぉ」
 空中で隙だらけの相手。
 DCブラスターを傾け、銃口を丸出しの顔面へと合わせる。
「そのオーパーツ眼鏡ごと、いけすかない顔をブッ壊したげるよぉ!」
 『呪式:凄射必誅(ヘクスアーツ・ゲットザポイント)』を発動した。怨念の宿った誘導弾が発射される。
「うわああッ! こんなことなら兄弟たちへの調達など考えず、私ひとりで女を……ッ!」
 アヴァタール級亜人、『トロル兵団』ヒュパスピスタイの語りは途中で絶える。
 派手に爆発して散った。
 砦側からは察知されないと、事前に確かめてある。燐寧は息をついた。
「ふーっ、カノジョ持ちにダル絡みしてくる野郎をブッ殺せてスッキリしたよぉ。……て、着替えるの、早っ!」
 青い装備一式を身に纏い、テレジアが立っていた。
 椿樹がそっぽを向いて、『毛玉』を撫でているのが印象的だ。
「『魔女と魔術比べをしてはいけない』、一つ学べましたね。それを活かす機会はもう二度と訪れることはありませんが」
 歪曲した言い回しで、胸中をあかすクロエ。
 増援のディアボロスが岩陰から手をふるので、すぐに合流・撤退をはじめる。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【託されし願い】LV1が発生!
【寒冷適応】がLV2になった!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【命中アップ】がLV3になった!

最終結果:成功

完成日2024年06月24日