リプレイ
クローディア・ベネット
あいつが抜け駆けを狙って来やがるのは想定内だが、嗅ぎ付けるのが早いな
確実な戦果か、一網打尽の可能性か……実に厄介な選択だね
まぁ、取り敢えずは急場を凌ぐ所だ。下っ端連中を叩き潰すぞ!
カテリーナの手下よりオツムが弱そうだ。犬は飼い主に似るって訳かい?
余計なことをされる前に、能無しどもにはご退場願おうか!
――『野郎ども、一気に雪崩れ込むぞ!』
海賊の霊たちを召喚して乱戦に持ち込み、トループス級を切り崩していこう
常に標的1体に対して複数の海賊を当てるようにして、異なる方向から斬りかかって護りを崩した所でトドメを刺す
敵の中でも骨のある奴には私が≪船長のサーベル≫を手に襲い掛かり、確実に処理するよ
ここが船上じゃない以上、敵は地形を使って海賊殺法を使うだろうか
だがダンジョンの場所や内装は私達が選定したんだ。土地勘ならこっちの方が勝っている
掴んで高所を渡れそうな出っ張りや見えづらい接近ルートに当たりをつけ、剣で的確に防御を
急いで来た分、手下は多くないようだな
すぐにあんたも地獄に送ってやるよ。アン・ボニー!
ジェーン・コーネリアス
狙っていた魚よりも先に、別のやつがかかったか
しかも負けず劣らずの大物ときた。さてどうするか
ひとまずは逃してまた宝探しに来させるって流れになってもいいよう、僕らもダンジョンに宝探しで来たってていでいこう
宝がない?くっくっ、君らはどうやら謎解きには向いてないらしい
残った宝も苦労せずぼくらのものにできそうだ
仲良く一緒に謎解きなんてできる間柄でもないだろう?
そんなのが出会っちゃったんだ。運のなさを恨むんだね!
二丁のピストル「Badhbh」と「Nemain」を手に【葬笛の丹青】
中距離からの赤と青の弾丸の弾幕でまずは護衛の海賊半魚人たちを狙うよ
近接戦を挑む仲間がいれば援護をするように、中距離や遠距離で戦う仲間が居れば十字砲火のようにして複数の咆哮から狙う
【ダメージアップ】で一撃の威力を強化して敵の殲滅を狙おう
反撃の魚の尾による殴打は頭や胴、急所には当たらないように防ぎつつ、後ろに跳んで衝撃を緩和しよう
なるほど、船長の取り巻きの船員ってのは伊達じゃないか
けど悪いね。お宝は僕らのものだ
シューニャ・シフル
アドリブ連携歓迎
予定と違う奴が釣れたのか。まぁどっちでもいいだろ。俺は敵が来たのならそれでいい。
作戦がどうなるにしろ周りの奴らは片付けるんだ。
後ろから狙えるなら先に仕掛けるぞ。話すなら数減らしてからでもいいだろ。
アン・ボニーから離れたところにいる半魚人どもに改造した信号銃からグレネードを撃ち込む。こいつは殺傷範囲が狭い分屋内でも使いやすいからな。飛ばす場所考えりゃ洞窟を崩すこともねぇだろ。
この後どうするかは置いておいて、とりあえずジェーンの話には乗っとくか。
この洞窟はこっちが先に目をつけてたんだ。後から来た奴らにはさっさと退場してもらうぜ。
起伏の少ない平地にいれば連中も利用できるもんがなくて動きが単調になるし不意打ちはなくなるだろ。攻撃そのものは左腕に取り付けた追加装甲で防ぐ。
*敵を貶すような発言はしません。
洞窟の中へと入っていく『深海令嬢アン・ボニー』を、護衛役のトループス級たちが慌てて追っていく。そんな彼女たちの姿を、ディアボロスたちは身を隠した茂みから窺っていた。
「狙っていた魚より先に、別の奴がかかったか。しかも負けず劣らずの大物ときた」
堂々と振る舞うアン・ボニーの姿を見て、ジェーン・コーネリアス(pirate code・g10814)が呟く。本命は『深海令嬢カテリーナ』だったのだが。
「抜け駆けを狙ってくるのは想定内――だが、嗅ぎつけるのが早いな。確実な戦果を取るか、一網打尽の可能性に賭けるか。実に厄介な選択だ」
アン・ボニーが抜け駆けを仕掛けること自体は、クローディア・ベネット(黒き旗に矜持を掲げて・g10852)も予想していた。
意外だったのは、こうもあっさりとカテリーナを出し抜いたことだ。そのせいで、状況がやや複雑になっていることは否めない。
「さて、どうするかな」
ジェーンが逡巡を見せている。クローディアとしても、判断が悩ましいところである。
「へえ、予定と違う奴が釣れたのか。ま、どっちでもいいだろ。俺は敵が来たのならそれでいい」
方針に迷う二人に対して、シューニャ・シフル(廃棄個体 No00・g07807)は、何事もなかったかのように唇を吊り上げて笑い、
「それにどんな作戦を取るにしろ、周りの邪魔な奴らは片付けるだろ? 悩むのは後で出来るさ」
突き出した親指で洞窟の入り口を示した。放っておけば、アン・ボニーたちは洞窟の奥深くに入り込んでしまうだろう。
「それはそうだな。取りあえずは急場を凌ぐところだ。下っ端連中を叩き潰すぞ!」
「よし、じゃあ僕たちも、あくまで宝探しに来た体裁でいこう。宝があると思わせたままのほうが都合がいい」
シューニャの提案に、クローディアとジェーンが頷いた。
たしかに、ここで悩んでいても始まらない。
「おいおい、このダンジョンは俺たちのもんだ――ぜッ!」
洞穴の入り口を潜り抜けてすぐ、アン・ボニーに付き従って奥を目指す、海賊半魚人たちの背中が見えた。
シューニャは改造した信号銃のトリガーを引き、自作グレネードをぶっ放す。
……どぉぉぉん!
「な、なんだ、てめえらは……!」
足元で爆発したグレネードの衝撃を受けて、屈強な海賊半魚人たちが蹈鞴を踏んでいるところへ、ジェーンが赤青二色の弾幕をばら撒いて追撃。
さらに死霊と化した海賊を率いたクローディアが、先頭に立って半魚人を蹂躙していく。
唐突な背後からの奇襲で、半魚人たちは浮足立ったまま潰れていくかとも思われたが。
「――おたおたしてんじゃねぇ!」
洞穴に響きわたったアン・ボニーの叱咤が、半魚人たちの動揺を一声で鎮めた。それからアン・ボニーは一瞬だけディアボロスに目を向けて、つまらないことにかかずらっていられるかとばかりに、すぐに洞穴の奥へと視線を戻した。
かわりに海賊半魚人たちが、ディアボロスに迫ってきている。
「姐御に刃を向けたんだ、覚悟するんだな」
今しがたの失点を取り戻そうとでもいうのだろうか。彼らの凄みは尋常ではない。
だがシューニャは、何の圧力も感じていないかのように前に踏み出して言う。
「この洞窟は、こっちが先に目をつけてたんだ。後から来たお前らに渡すものなんか一つもない。さっさと退場してもらうぜ」
「ああん? もうこっちは探索を開始してるんだよ」
「だが、未だに宝を見つけられていないんだろう? 悪いが、先ほどの報告を聞いてしまった」
半魚人たちも当然引きはしないのだが、ジェーンが言葉尻を捉えて話に加わる。
「くっくっ、君らはどうやら、謎解きに向いていないようだ。この分なら、残った宝も労せず僕らのものになるな」
「こ、こいつ……!」
人の悪い笑みを浮かべたジェーンに煽られて、半魚人は青筋を浮かべるが、反論する言葉が出てこない。
「カテリーナの手下よりオツムが弱そうだ。犬は飼い主に似るって訳かい? 余計なことをされる前に、能無しどもにはご退場願おうか!」
クローディアはもうこれ以上、話に付き合ってもしょうがないと切り捨てて、高々とサーベルを掲げた。海賊の霊が再びクローディアのもとに集い、半魚人たちをも仲間に加えんと不気味に蠢く。
「ま、僕らは仲良く一緒に謎解きなんて出来る間柄でもないだろう? そんなのが出会っちゃったんだ。運のなさを恨むんだね!」
ジェーンもまた皮肉に口を歪めて、2丁のピストルを構えた。
半魚人たちはカトラスを手に距離を詰めてきた。無造作に近付いてきているだけに見えるが、いささか素直にすぎる――。
(「この洞穴とはダンジョン準備からの付き合いだ。初見のあんたらより、よほど土地勘があるんだよ」)
クローディアは唐突に斜め後ろを振り仰ぎ、サーベルを突き出した。
その先には、張り出した岩肌から跳んだ半魚人がいた。
……カンッ!
半魚人が振り下ろす刃を、刃で弾きながら横に跳び、落ちてくる重そうな身体を躱す。
「――『野郎ども、一気に雪崩れ込むぞ!』」
クローディアの体勢も崩れたが、かわりにカトラスを振り上げた海賊の霊たちが入れ替わりに雪崩れ込んでいく。
シューニャもクローディアと同時に攻撃を受けていたが、広い空間に陣取っていたのが幸いし、ほとんど真っ向勝負の様相になった。
「船長にいいところを見せようと必死だな。いいぜ、相手になってやる」
斬るというよりも、太い腕で殴りつけるように振り下ろされたカトラスに、シューニャは分厚い装甲を叩きつける。
外見上の体格差は大きいが、シューニャは半魚人の剛腕を揺るぐことなく受け止めた。逆にカトラスを跳ね上げて、他の敵へと押し返し、
「ほら、こいつをくれてやるよ」
と、まとめてグレネードを叩き込む。
乱戦になりつつある戦場で、ジェーンは一歩引いた場所から銃弾を繰り返し叩き込んでいく。仲間に仕掛けようという敵がいれば、その勢いを削ぐように赤青の弾幕を張り、吹き飛ばされた敵がいれば、トドメの一撃を叩き込んだ。
「後ろでちょこまかしやがって……!」
猛り狂う敵に的にされたなら、叩きつけられた尾の衝撃に逆らわず、自ら後ろへ跳ぶ。その軌道は、打撃の衝撃とジェーンの跳躍力が合わさって、天井スレスレの弧を描いた。
「なるほど、船長が精鋭として連れてきたってのは伊達じゃないか。けど悪いね。お宝は僕らのものだ」
ジェーンは半回転して着地し、2丁の銃を隙なく構える。
急襲された当初こそ乱れたものの、海賊半魚人たちはアン・ボニーに叱咤された後は実によく戦った。だが、ディアボロスを相手にするには如何せん数が足りていない。
護衛たちはすべて倒されて、アン・ボニーが1人残された。
ここに来て、ついにアン・ボニーがディアボロスたちをじろりと睨みつける。その落ち着いた態度には、強者の余裕が満ちている。
「急いで来た分、手下は多くないようだな。すぐにあんたも地獄に送ってやるよ。アン・ボニー!」
クローディアはアン・ボニーの視線を堂々と受け止めて、そう言い放った。その台詞の裏で、思考が加速していく。
この先で、大きな決断が求められているのだから。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【未来予測】LV1が発生!
【水中適応】LV1が発生!
【建造物分解】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
【ダブル】LV1が発生!
アン・ボニーは洞穴内に視線を巡らせて、ふたたびディアボロスたちに視線を戻した。
「おい、いきなり大した挨拶じゃねぇか。こんな舐めた真似しやがって、ただで済むと思ってねぇよな?」
声色から窺える機嫌は最悪だ。
「奇襲を成功させていい気になるなら今のうちだぜ。どうせ、すぐに青ざめた顔を晒すことになるんだからよぉ!」
ダンジョン探索を妨害されて、アン・ボニーは明らかに激怒している。この様子では、何を問いかけたところでまともな返事は期待できない。
探りを入れたいなら、上手く調子に乗せる必要があるだろう。そして上手くいったとしても、チャンスは1度だけだ。
だが、どんな選択をするにせよ、まずはアン・ボニーと刃を交えねばならない。
ジェーン・コーネリアス
会話希望・アン・ボニーを調子に乗らせるようにまずは様子見
ちらりと目くばせをして戦闘開始
あぁ、こいつを逃がすにせよここで仕留めるにせよ、この軽い口を利用しない手はない
まずは手筈通りにいこう
二丁のピストルをしまい、カトラス「Macha」を手に戦闘開始
『真赤の女神』で高熱を纏うカトラスを振るって戦おう
うかつに近寄らずまずは様子見、敵の使う剣術、銃、尾びれの一撃、間合い……そんなのを分析して次に備える
ジェネラル級を相手に様子見なんてしてれば苦戦は免れないだろうけど、それも含めて作戦のうちだ
反撃の人魚の一撃に対してはこっちもカトラスによる攻撃を当てて相殺して防御しよう
痛た……いや、悪いね。君を倒した後の宝の使い道を考えてたんだよ
くっくっ、そんなことを言って、君も僕を殺せていないじゃないか。まだまだ勝負はここからだ
苦戦しつつもそんな負け惜しみのような言葉を発しておこう
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎・会話希望
(会話要件達成時の採否はお任せします)
アンの怒り任せの攻撃が決まって、形勢逆転を演出
手筈が狂ったように、劣勢の演技をして調子にのせる
相手はジェネラル級、見た目は手を抜かない
待て。まだ仲間はいるぞ!
伏兵らしく現場に駆け付け、PD攻撃を仕掛け
Harpe des Artsに魔力の矢を番え、天井へ向け射出
漆黒のエネルギーを降り注がせる
矢雨で仲間を援護したように見せるが、一撃の威力は貧弱
アンなら難なく上手を取り、反撃を返すだろう
最初は凌ぎ、怯えた様子で後ずさりながら再度弓を引く
まさか、効いていないのか……!?
話が違うじゃないか! と仲間割れ
クソ、不味いぞ。強すぎる……!
来るな、化け物め!
二度目も無駄とアンに防がれ
矢を放ったまま呆然とし
弓と腕で頭部と喉元を庇うようにし、慌てて反撃を防ぐ構えで胴に隙を作り狙わせる
敵の動きを観察、カトラスの一閃には魔力障壁で防ぐと同時に飛び下がり、コートで負傷を軽減
斬り結ばれたように転がり、動かなくなる
防御は密やかに確実に。徒に深手を負わぬよう
少なくとも、状況を主導しているのは、間違いなくディアボロスの側だ。アン・ボニーはディアボロスを蹴散らさなければ、この洞穴から脱出することもできない。
(「あぁ、こいつを逃がすにせよ、ここで仕留めるにせよ、よく回る軽い口を利用しない手はない。まずは手筈通りに」)
ジェーン・コーネリアス(pirate code・g10814)は仲間たちに目配せを送り、先手を取って動き出した。
アンを追い込んでいるこの状況を、最大限有効に活用する。たとえ、一時的に不利になったとしても。それがディアボロスたちの方針だ。
ジェーンは2丁のピストルをホルダーに収めて、代わりに赤いカトラスを抜いた。
「まずはてめぇか? いいぜ、来な!」
アンは野性的な笑みを浮かべ、ジェーンを手招く。だがジェーンは間合いを保ったまま、一向に仕掛けようとしない。
アンが一歩間合いを詰めれば、ジェーンが一歩引く。そんなじりじりとしたやり取りが続く……ことはなく、すぐにアンが飛び出した。
「……チッ、怖気づいたか? なら、こっちから行くぜぇ!」
つまらなそうな舌打ちを一つ残し、ジェーンに向かって、一直線に距離を詰めてきた。地面を繰り返し跳ね飛んで、勢いがついたところで大きく跳び、尾をしならせる――。
迫りくる赤く太い尾は躱せそうにない。ジェーンはカトラスを胸元に引き寄せて身を固め、反撃を狙う。
だがアンは、赤く輝くカトラスが高熱を纏って待ち構えていようとも構わずに、尾を振り抜いた。しなやかな一撃がジェーンに炸裂し、防御ごと吹き飛ばす!
(「……後手を引くのはキツイな」)
尾を受けた瞬間、ジェーンはカトラスの刃を走らせて尾を切り裂いていたけれど、今のやり合いは分が悪かった。様子見に徹していた分、相手に好きに動かれている。ただ、それは想定のうちだ。
それでも少なからず手傷を負わせたはずだが、アンは余裕の笑みを浮かべて見下ろしてきた。
「なんだ、よそ見でもしてたのか?」
「痛た……。いや、悪いね。君を倒した後の宝の使い道を考えてたんだよ」
「へぇ。なら好きなだけ夢を見てな。その間にぶっ殺してやるからよぉ!」
「くっくっ、そんなことを言って、本当に君は僕を殺せるのかい? 勝負はまだまだここからだ」
ジェーンは起き上がりつつ、不敵に微笑んで見せる。こんな状況で吐く言葉は負け惜しみに聞こえただろうか。一層調子に乗ってくれれば、それに越したことはないのだが。
「そうかい。口だけじゃないことを期待してるぜぇ」
アンは追撃を掛けようというのだろう、身体を沈めて力を貯めている。
「待て、まだ仲間はいるぞ!」
そこへ、エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)が割り込んだ。
振り向いたアンの突き刺さるような視線を感じながら、漆黒のロングボウに番えた魔力の矢を引き絞り、天井に向けて放つ。矢はアンの頭上付近で漆黒のエネルギーに姿を変えて、雨のように降り注いだ。
本来ならば多数を相手取るためのパラドクスだ。それをあえて、単独でも強力なジェネラル級に使っている。
(「アンなら難なく反撃を返すだろう」)
案の定、アンはダメージを気にせずに即座にカトラスを構えた。降り注ぐエネルギー塊の中を駆け抜けて、エトヴァとの間合いを瞬時に詰め、煌めく刃を一閃させる。
「ぬるいシャワーだぜ」
防御まで手を抜く気はない。それでも、怒りに任せた苛烈な一撃がエトヴァを斬り裂いた。
(「やられた演技の必要もないな
……!」)
受けた傷を庇いながら後ずさり、
「まさか、効いていないのか……!? 話が違うじゃないか!」
わめきながら、再度矢を放つ。
「そんなのが本気かよ?」
情けない態度は演技、アンに蔑まれるのも狙い通り。あとはダメージを抑えてこの場を切り抜けたいところだが――。
降りしきる黒きエネルギーの中、アンは今度はじっくりと距離を詰めてきた。
「クソ、不味いぞ。強すぎる……! 来るな、化け物め!」
呆然とした表情を浮かべ、ロングボウを慌てて突き出す。そんな素振りの裏側で、振るわれる刃からは目をそらさず、じっくりと軌道を見定めた。
無様な演技の中でも、急所の防御だけはしっかり固めて、攻撃を胴に誘う。引けた腰で自ら飛び退り、刃の切っ先で深く斬り裂かれることは避けた。
そのまま地面を転がってアンから距離を取り、洞穴の隅に伏せる。
もし追撃を掛けてくるようなら逃げなければならないが、アンは幸いにして、別のディアボロスが仕掛けた攻撃に反応したようだ。
(「……布石はこれでいい。仕込みを回収したら、こちらの本気を見せてやるさ」)
エトヴァは縦横無尽に暴れまわるアンの背中を見つめ、じっくりとタイミングを窺う。
苦戦🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
シューニャ・シフル
アドリブ連携歓迎
会話希望
目くばせに視線だけ向ける。
ああ、わかってるわかってる。調子に乗らせればいいんだろ。それはともかく様子見だけじゃあいつも疑い始めるだろ。
俺は全力でぶん殴って殴り返されて来るぜ。中途半端はつまんねぇからな。
なに言ってやがる。てめぇがこっちの挨拶無視したからこうなったんだろうが。文句なら自分の判断に言えよな。
弾の切れたグレネードは捨てて素手でやり合う。アン・ボニーの攻撃は左腕の追加装甲を使って防ぐ。大して持たねぇだろうがそれでいい。装甲はひしゃげようが砕けようが構わねぇ。
何度もやりあってちゃこっちが持たねぇからな。追加装甲が駄目になったら大人しく吹っ飛ばされて壁の隅にでも転がっておく。
むかつく相手を黙らせたんだ。今は精々溜飲を下げとけよ。後で青ざめた面晒させてやるよ。
*敵を貶すような発言はしません。
(「ああ、わかってるわかってる。調子に乗らせればいいんだろ」)
送られた目配せに、シューニャ・シフル(廃棄個体 No00・g07807)は視線だけで応えた。
だが、あからさまに手を抜いては疑われてしまうだろう。だからシューニャは、真っ向からの全力での殴り合いを挑むことにした。
(「中途半端はつまんねぇからな」)
自分の性からしても、そっちのほうが向いている。
アン・ボニーのボルテージは、ディアボロス2人を相手に存分に立ち回ったことで、少し落ち着いてきたように見える。
「何言ってやがる。てめぇがこっちの挨拶を無視したからこうなったんだろうが。文句を言うなら、まずは自分の判断に言えよな」
「はっ、言うじゃねぇか。どこまでその態度が続くか、見ものだぜ」
シューニャとは互いに不敵な笑みを浮かべたまま、言葉を交わした。好戦的という一点において通じ合うものがあるのも、理由ではあるだろう。
手元の擲弾発射機は既に弾切れだ。シューニャは発射機を投げ捨てて、二つの拳を打ち付けた。
「俺にはこいつで十分だ。かかってこいよ」
「私に正面から喧嘩を売るってか。後悔するんじゃねぇぞ」
挑発に乗ったアンが面白れぇと笑い、飛び掛かってくる。器用に放たれる尾の一撃を、シューニャは左腕の追加装甲をかざして受けた。
骨身に響く、重い一撃だ。
(「こりゃ、大して持ちそうにねぇな」)
すでに装甲がひしゃげた感触がある。だが、一発でお釈迦にならずに、何発か受けられれば、それで十分。
アンが地面に着地した瞬間を狙い、左の拳を軽く突き出した。続けざまに強く握りしめた右の拳をリズムよく振って、アンの身体を鋭く撃ち抜く。
「上等ぅ!」
攻撃を受けたというのに、アンはますます唇を吊り上げて不敵に笑った。今度はこちらの番だとばかりに、強烈な尾の一撃で返す。
意地を張り合うような応酬が数合続いた。
最初に根を上げたのは、やはりシューニャの追加装甲だった。受けられるのは、ここまで。次はバラバラになりそうだと、己の経験が訴えている。
シューニャはそのタイミングで、アンの打撃に逆らわずに、おとなしく壁際まで吹き飛んだ。
(「むかつく相手を黙らせたんだ。今は精々溜飲を下げとけよ」)
アンは、どうだと言わんばかりの視線を投げかけてきている。シューニャはその顔を、壁にもたれかかって見返した。
(「後で、青ざめた面を晒してやるがな」)
善戦🔵🔵🔴🔴
効果1【悲劇感知】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
クローディア・ベネット
会話希望
ジェーンの目配せの意図を即座に理解し、アンが調子に乗るように戦おう
はっ。別にただで済むなんて考えちゃいないさ
飢えた野良犬みたいに仲間を嗅ぎ回って、おこぼれに与る奴に負けるとも思ってないけどな!
――『野郎ども、大騒ぎの時間だ!』
海賊の霊達を召喚して次々とカトラスで斬り込ませた上で、仕上げに私が≪船長のサーベル≫を手に襲いかかる
違うパラドクスだが起きる現象はだいたいさっき使った技と同じさ
動きも敢えて先ほどから殆ど変えず、護衛の戦いを見ていたなら先読みして対処できるように
これで「さっき上手くいった戦い方が今度は芳しくない」状況を演出し、自然と劣勢に追い込まれる
一度見た技(厳密には違うが)を見切る体験は奴を調子に乗らせるのにも役立つかもな
反撃は≪聖遺の護符≫で多少なりとも勢いを弱めつつ、それでも景気よく吹き飛ばされよう
咄嗟に身をそらして当たり所をずらしたり、接地時に受け身を取ることで大ダメージは避けたい
……ちっ。ハイエナ女の癖に、中々どうしてやりやがる
これが海賊砦のジェネラル級の実力か!
クローディア・ベネット(黒き旗に矜持を掲げて・g10852)も、仲間が送ってきた目配せの意図は即座に理解した。
「ハッ。別にただで済むなんて考えちゃいないさ。飢えた野良犬みたいに仲間を嗅ぎまわって、おこぼれに与る奴に負けるとも思ってないけどな!」
「良く回る舌だ! 気に入ったぜ、引っこ抜いて飾ってやるよ!」
アン・ボニーを調子に乗せる目的を果たすべく、口先でやり合いながら、脳を高速で回転させてプランを構築していく……。
半魚人たちとの戦闘が仕込みになるだろう。きっとアンも見ていたはずだ。
「――『野郎ども、大騒ぎの時間だ!』」
クローディアの召喚に応じて、無念を抱く海賊たちが死霊となってカトラスを手に現れ、アンに向けて斬り込んでいく。クローディア自身のサーベルによる一撃が仕上げとなるところに差異はあるにしろ、大筋は変わらない。
攻撃の組み立て方も、あえて似通らせて仕掛けた。
(「どうだい、デジャヴを感じるだろ」)
攻撃自体に手を抜くわけではない。ただ、少しのアドバンテージを与えるだけだ。それだけでも、ジェネラル級相手には天秤が傾く。
「たいした芸だ。だが、見飽きたぜぇ!」
やはり戦闘を抜け目なく見ていたのだろう。アンはクローディアの指揮を先読みして、海賊の霊たちによる攻撃を捌いた。それも前例を鵜呑みにせず、変化に対応できる間合いでだ。
アンは老獪さすら感じさせる動きでカトラスをすり抜け、クローディアを周囲にいる海賊の霊たちごとまとめて、よくしなる尾で薙ぎ払ってきた。
(「せいぜい見た目だけは景気よく吹き飛ばされてやるとするか」)
クローディアは身を捻り、衝突の衝撃を逸らしながら、逆らうことなく自ら吹き飛ぶことを選ぶ。ダメージは避けえないが、少しでも緩和することを狙った。着地は敢えて倒れ込んだが、受け身を取っている。
「……ちっ。ハイエナ女の癖に、中々どうしてやりやがる。これが海賊砦のジェネラル級の実力か!」
クローディアは起き上がりながら、声を震わせた。
「よっぽど死にてぇらしいな? しかし――」
アンはクローディアを睨みつけたものの、すぐに表情が和らぐ。鬱憤を晴らし、だいぶ機嫌が上向いたようである。
「てめぇら、結局その程度か? その程度で私の首を取ろうなんざ、舐められたもんだ。そろそろどんな最期がいいか、考えておきな! サメの餌あたりがおススメだぜ」
――いまならば、情報を引き出せる可能性がありそうだ。
苦戦🔵🔴🔴🔴
ジェーン・コーネリアス
首尾は上々。皆名演技だね
さて、アン・ボニーはエルドラードの攻略が始まった時……キングアーサー奪還戦の直後からゴンドワナに来ているんだろう。とすると最近の海賊島の状況は知らない
一般的なことよりも、アン・ボニー自身の自慢話の方が聞きやすそうか
言ってくれるじゃないか……!
だけど確かに言うだけはある。ここや七曜の戦で戦ったカテリーナやフライング・ダッチマンよりも格上か……?
フライング・ダッチマン号はエルドラードの海賊船でも二つとないであろう能力を持ったいい船だった。あんな船を持ってたんだ、フライング・ダッチマンがこのディヴィジョンでもかなり上位だと思ってたんだけどね
と、そんな感じで船の話題を出しつつ「フライング・ダッチマン号の方がアン・ボニーの海賊船より上だと思っている」風を出そう
もしアン・ボニーの船や他のジェネラル級の船にも特殊な能力があるなら、調子に乗って上から目線で教えてくれたりしないかな
(「首尾は上々。皆、名演技だったね」)
アン・ボニーの余裕ありげな態度を見て、ジェーン・コーネリアス(pirate code・g10814)は内心でほくそ笑んだ。この調子なら、気分よく口を滑らせてくれそうだ。
(「だが、何を聞く? アン・ボニーは幻想竜域キングアーサー奪還戦の直後からゴンドワナに来ているんだろう。とすると、最近の海賊島の状況には詳しくない。そうだな、一般的なことよりも、アン・ボニー自身の自慢話のほうが聞きやすそうか」)
ちょうどアンが強さを見せつけてきたところだ。自然な流れで目的の話に出来るだろう。
「その程度とは、言ってくれるじゃないか……!」
ジェーンは悔しそうに声を絞り出してから、ふと考え込むような表情を見せた。
「だけど、確かに言うだけのことはある。ここゴンドワナで戦ったカテリーナや、七曜の戦で戦ったフライング・ダッチマンよりも格上か……?」
「いまさら何を言ってやがる。カテリーナより私のほうが格上だなんて、当然すぎるぜ」
アンはカテリーナに関しては、ジェーンの評価をただの事実であるかのように受け入れた。アンの中では当たり前のことすぎて、響かなかったようだ。
ただ、ダッチマンの名に対する反応が、ジェーンには意外だった。
「だがな、ダッチマンの旦那より上は言い過ぎだ……」
そう言って、アンは遠い目になり、神妙な表情を浮かべたのだ。ここまで不敵に暴れまわっていたアン・ボニーが、ダッチマンのほうが格上だと素直に認めるとは!
さらに調子に乗ってくるようなら、「だが海賊船はフライング・ダッチマン号のほうが上だろう」と軽く煽っていくつもりだったけれど、微修正が必要そうだ。
「へぇ、フライング・ダッチマンのことは認めるんだな。フライング・ダッチマン号はエルドラードの海賊船の中でも、2つとないだろう能力を持ったいい船だった。君の海賊船は、それ以上かとも思ってたんだけどね」
ダッチマンに対する反応を考慮して、ジェーンは慎重に言葉を選ぶ。
「ハハッ、そんなに期待させちまったか? わりぃな、私の船は特別ってほどじゃねえ。フライング・ダッチマン号とは比べられねぇよ」
もはやアンの態度は調子に乗っているという雰囲気ではない。謙遜すらしてみせるアンの姿は、偉大な先達のことを偲んでいるように見えた。
「島ごと動くような非常識な奴もいやがるしな。そいつらに比べたら、私の船なんてかわいいもんさ」
韜晦して煙に巻こうとしているわけでもないだろう。おそらく、本心でそう考えている。
ここでアンは小さく首をかしげた。敵と呑気に会話していることに疑問を抱いたか、
「だが私の船は、特別ではなくともいい船だぜ。ここで朽ち果てるてめぇらには、見せられねぇのが残念だがな!」
気を取り直して吠える。その瞳には、再び闘争心が宿っていた。
どうやら会話はここまでのようだ。
成功🔵🔵🔵🔴
効果1【水面走行】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎
ダッチマンは大物だったか
アンも、誰にでも敵愾心を持つわけじゃないんだな……
せっかく演技したので、まぐれ当たり感を出していこうかな
戦況を観察しつつ把握
会話の終わりを見て取る
未来予測し、こちらを侮り油断している、その時を好機に
洞穴の隅から、PDの初撃を引き絞り、ロングボウの早業で狙い撃つ
静かに不意を打つ
すぐ起き上がり戦闘態勢、反撃に備える
いたたた、やってくれるな……
こう見えて、頑丈さが取り柄だ
連携時は仲間を援護しつつ、回り込み、死角を狙っていく
ロングボウで狙いをつけて撃ち、PD攻撃
油断したまま、何故かわからないが重い攻撃を受けて頂こう
いけない、矢を間違えてた
船長に叱られる……
もうヘマはしないぞ!
敵の動きを縫い止めるよう連射
無防備な箇所や肩や尾を縫い留めて、隙を看破し深手を狙う
アンの攻撃には、予備動作からカトラスの軌道を観察
飛び退きつつ腕のタワーシールドを構えて防ぎ、受け流す
踏み込みには魔力障壁で対応
こちとら、諦めも悪いんだ
宝は渡さない……
まだ勝負はついていないさ、化け物さん!

白石・明日香
アドリブ連携可
それじゃ、ひとまずやるとしますか!
【未来予測】で相手の動きを予測しながら残像で攪乱しダッシュで接近。相手の動きを上回る早業でもって懐に入り込み呪詛を込めて武器を切れ味とリーチ延長に武器改造し捨て身の一撃で解体してあげる!
相手の体の一撃は動きを見切って躱すことに専念してダンジョンの地形とかも使いながら回避。
この後どういう手を取るにせよまずが追い込まないとね。
(「アンの話しぶりからすると、ダッチマンは大物だったようだな。アンのほうも、誰にでも手当たり次第に敵愾心を抱くわけではないんだな……」)
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)は洞穴の地面に伏せたままの姿で、アンとの会話に耳を傾けていた。
アンの会話には殊勝なところも垣間見える。少々人物像を修正しながら、仕掛ける機を待つ。会話が途切れたところが狙い目だろう。ディアボロスを侮り油断している間に、一撃をくれてやろう。
エトヴァは静かにロングボウを引き絞り……、
「――残念だがな!」
アンが吠えたのに合わせ、蒼く輝く魔力の矢を放った。矢は青い光芒を曳いて、戦場を切り裂き飛んでいく。
エトヴァは放った矢がアンを捉える瞬間に目を向けながら、地面から跳ね起きた。
(「……痛っ、やってくれるな」)
大きく動くと、斬り裂かれた傷が存在を主張する。だが、こう見えて頑丈さが取り柄だと痛みに耐えて、アンの反撃に備えるために体勢を整えた。
「チッ、狡く狙いやがって」
アンはすでに抜き身のカトラスを手にして、目前まで間合いを詰めてきている。
無造作に振るわれる、だが鋭いカトラスの一撃。その軌道に何とか銀色の盾を差し入れて受けたが、襲い来る衝撃に蹈鞴を踏んだ。
「もう一発いくぜ――」
「ワタシを無視しないでね!」
アンはさらに追撃を仕掛けようとカトラスを振り上げる。だがエトヴァとの間に、白石・明日香(弔いの狩人・g02194)が全身のバネを使って飛び込んだ。
明日香は、右手に握った赤い刃を振るう。振るった先にはアンの身体ではなく、己の左腕がある。
明日香は躊躇することなく、刃で左腕を斬り裂いた。自らを傷つけて吹き出た血が、地面に零れることなく刃に絡みつく。己が血を纏わせて武器を強化するパラドクス、『血の盟約』の発動だ。
明日香は自らを斬り裂いた刃を振り抜いて、今度こそアンを狙った。赤い刃に纏わりついた血が新たな刃となり、刃が宙を走る間にもその切っ先を伸ばしていき、
「捨て身の一撃で解体してあげる!」
「……新手かッ」
面倒そうに眉を顰めるアンに、一文字の傷を負わせた。
その間にエトヴァはアンの側面へと回り込みながら、次の矢を番えている。
(「せっかく演技をしたところだし、まぐれ当たり感をだしてみようか」)
少々の茶目っ気を発揮しつつ、二の矢を放った。
「いけない、矢を間違えていた。こんな体たらくじゃ船長に叱られる……。もうヘマはしないぞ!」
「そうかよ。ふざけた野郎だ――」
撃たれたアンは、強烈な凄みのある視線でエトヴァを一瞥してから、
「テメェもな!」
距離を取ろうとする明日香の身体を、しならせた尾で弾き飛ばした。
明日香は空中で体勢を立て直して着地、追撃を警戒して岩の裏に回り込む。
「ったく、しつこい奴らだぜ」
アンは周囲に点在するディアボロスたちを睨みまわし、呆れたように息をついた。
「こちとら、諦めも悪いんだ。宝は渡さない……。なにより、まだ勝負はついていないさ、化け物さん!」
その言葉を聞きとがめ、エトヴァはにっこりと笑う。
アンにはまだまだ余裕がありそうだが、反撃は始まったばかり。
(「この後、どんな選択をするにせよ、まずは追い込まないとね」)
明日香は障害物となる地形を渡って姿を隠しながら、アンに仕掛ける隙を窺っている……。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【防衛ライン】LV1が発生!
【断末魔動画】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!
【ドレイン】LV1が発生!
クローディア・ベネット
話を聞くにあんたは意外と謙虚な所があるな
自分の実力を知るからこそ、横取りのチャンスも逃さずに飛び付いたって訳か
最強のジェネラル級じゃあない……だが、思い上がりに頭をやられてないだけ厄介だ
攻め方を考え直さないとな!
――『野郎ども、全ての砲門を開け!』
再び海賊の霊達への号令。だか今度は前線に出すんじゃなく、洞窟の壁沿いに敵を包囲するように召喚する
海賊達と同時に現れた何門もの大砲から一斉にぶどう弾をぶちまけてやろう
狭い洞窟の中に無数の散弾を撒き散らして隙間ない弾幕を展開するよ
現代の銃砲と比べれば精度は低いが、【命中アップ】の導きがあれば良い所に当たって深く傷をつける弾も出てくるだろうさ
この砲撃で敵の逃げ場を潰した所で、仲間に畳み掛けて貰おうじゃないか
反撃は今度は《聖遺の護符》の力を纏わせた《船長のサーベル》で弾き、しっかり直撃を防ごう
一度見た技だから多少は勝手が分かったはずだし、敵を逃がすことになっても演技に支障はないと見た!
潮流が変わってきたのが分かるだろ
さぁ、地獄に出航する準備はいいかい?
ジェーン・コーネリアス
くっくっ、そう言わないで欲しいな
フライング・ダッチマン号みたいな特別な能力はなかろうと、そんなにいい船だって言うならさ――その船、欲しくなってきた
見せるつもりがなくてもいいさ。君を倒して頂戴していこう!
左手でピストル「Nemain」を抜き、右手の「Macha」と合わせて片手にカトラス、片手にピストルのアン・ボニーと同じ構えに
さっきまでとは打って変わって『海嵐の極み』でこちらから積極的に攻撃を仕掛けていく
ピストルで牽制しながら近づき、カトラスとピストルを組み合わせた連続攻撃で果敢に攻める
本気になったところであっちの方が格上なのは間違いないが、【先行率アップ】に【命中アップ】で少しでも先手で攻撃を当てていきたいね
動きが変わった理由? さてね、やる気の問題じゃないかい?
他に近接戦闘を挑む復讐者がいれば左右や前後から挟むように、遠距離攻撃を行う復讐者がいれば支援を受けながらの戦闘を意識しよう
反撃のマスケット銃に対しては直撃の回避を優先
いくらでも撃ちまくれる?あぁ、確かに一対一ならそうかもね
「くっくっ、そうつれないことを言わないで欲しいな」
アン・ボニーが自らの船のことを特別というほどではないなどと謙遜するものだから、ジェーン・コーネリアス(pirate code・g10814)は声を押し殺して笑った。
「フライング・ダッチマン号みたいな特別な能力がなかろうと、そんなにいい船だって自慢されたらさ――その船、欲しくなってくるじゃないか」
アンが自らの船に愛着を抱いていることは、手に取るようにわかる。相手が大事にしているものほど欲しくなってしまうのは、海賊としての性か。
「見せるつもりがなかろうが構わない。君を倒して頂戴していこう!」
ジェーンは右手の赤いカトラスに加えて、左手で白い銃身を持つピストルを抜いた。その姿はアンの装備と相似形である。
「ハッ、言うじゃねぇか! てめぇじゃ力不足だぜ!」
思い上がりだと鼻で笑うアンに対して、様子見に徹していた先ほどまでとは打って変わって、ジェーンが能動的に仕掛けた。左手のピストルを乱射してアンの動きを牽制しつつ、彼我の距離を詰めていく。
アンも同じように左手の銃を突き出して、尽きることのない乱れ撃ちで弾丸を振りまいた。ジェーンは撃つ手を止めぬままジグザグに走り、弾丸の雨を潜り抜け、右手のカトラスを振り抜いた。
――キィン!
アンが己のカトラスで一撃を受け止めて、高い音が響く。
鍔迫り合いになった。
「なんだ、覚悟でも決めたか? 動きが段違いじゃねぇか」
「さてね、やる気の問題じゃないかい?」
「今更かよ。だが、そっちのが好みだぜぇ」
力比べではさすがに不利とみたジェーンは、アンが押し込んでくる力を利用して飛び退りながら、左手のピストルで銃撃を浴びせた。
「……ん?」
アンは反撃しようと銃を持ち上げたところで、己を囲ってこちらに砲口を向ける、大砲群が現れかけていることに気付く。
それら大砲群の指揮者は、抜き身のサーベルをぶら下げたクローディア・ベネット(黒き旗に矜持を掲げて・g10852)だ。
「先ほどの話を聞くに、あんたは意外と謙虚なところがあるな。自分の実力を知るからこそ、横取りのチャンスを逃さずに飛びついたって訳か」
「ふん、あの娘が悔しがる顔が見てぇだけだぜ」
警戒を露わにして、アンが動きを止めている。クローディアは目を細めて、すっとサーベルを持ち上げた。
(「アンは別に最強のジェネラル級ってわけじゃあない。……だが、思い上がりに頭を侵されてないだけ厄介か」)
調子に乗って前のめりに仕掛けてくるような無鉄砲なタイプなら、強かろうとも逆に御しやすい。けれどアンは、調子に乗りつつも分を弁えているタイプのようだ。
(「なら攻め方を考え直さないとな!」)
クローディアは先ほどまでとは趣きを変えて、手厚く構築した攻めを発動させる。
「――『野郎ども、全ての砲門を開け!』」
号令とともにサーベルの切っ先でアンを指し示せば、海賊砲手の霊たちが一斉に砲弾を撃ちだした。同時に1点を狙って放たれたぶどう弾が、アンを押しつぶすべく降り注ぐ!
ぶどう弾の砲撃に精度なんて微塵も期待できないし、それぞれの小弾はただの鉄塊にすぎず、爆発するわけでもない。だが、まとめて降り注ぐ大量の鉄という圧倒的な暴力は、そうそう躱し切れるものではないのだ。
「……ちっ」
アンは舌打ち一つ残して、躱せないならば突っ切るだけだと、砲弾が降りしきる中をクローディア目掛けて突撃した。
先ほどと同じように、しなる尾が唸りを立てて振るわれる。けれど、今回は飛ばされるつもりなんてない。
「そいつはさっきも見たぜ!」
クローディアは護符の力を込めたサーベルをかざして尾を弾き、叩きつけられた衝撃をいなした。
着地したアンはさらにクローディアの姿を追うが、クローディアはアンの肩越しにカトラスを振り上げるジェーンの姿を見た。
「さあ、お次は剣を味わってもらおうか!」
アンの背中から斬りかかったジェーンと入れ替わって、クローディアは間合いを取りながら海賊砲手たちを再召喚する。
ジェーンが離れたところに再度、ぶどう弾の雨を叩き込むために。
「潮流が変わってきたのが分かるだろ。さぁ、地獄に出航する準備はいいかい?」
クローディアがうそぶく。
――だが事実、天秤はディアボロスのほうへと傾きだしていた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【動物の友】LV1が発生!
【一刀両断】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV3になった!
海賊令嬢アン・ボニーを相手に、敢えて苦戦を演じて見せたディアボロスたち。
だが、その不利はすでになく、アン・ボニーの撃破が、現実的なものとなっている。
その一方、ここでアン・ボニーを逃がすという選択肢もある。カテリーナの撃破をも狙う策だが、ジェネラル級2体を同時に相手取るという困難な道だ。
ここで確実に成果を刈り取るか、賭けに打って出るか。
今、ディアボロスたちは選択を迫られている。
園田・詠美
ここは堅実に戦果を狙う方向でいきましょう
博打は避ける方針です、社会人ですので!
先行した皆さんの攻勢で戦いの流れはこちらにできています
流れが途切れないよう、一気呵成に攻撃を仕掛けますよ!
【命中率アップ】で敵の隙を狙い、【ダメージアップ】で威力の高まった魔法をお見舞いしてあげます!
格上のジェネラル級相手とはいえ、あの下半身を見るに本来は海上や水中が一番動きやすい手合いの筈……地上ならば必ず隙もあります!
カトラスは【魔力障壁プログラム:"Leyak"】を展開して受け止め、直撃して大きなダメージを受けないよう立ち回ります
完全に防ぎ切る事はできずとも、受け止めて抑えるくらいならば……!
貴女の船旅はここでお終いです!
最後の船旅の成果として私の魔法をどうぞ!
業務、執行ーーーーー!!
「ちっ、増援かよ」
新たに現れたディアボロス、園田・詠美(社畜(元)系魔法少女・g05827)の顔を見て、アン・ボニーが面倒そうに顔をしかめる。
(「ここは堅実に戦果を狙う方向でいきましょう。博打は避ける方針です。社会人ですので!」)
詠美には、ここでアンを逃がす気はない。
(「先行した皆さんの攻勢で、戦いの流れはこちらに来ています。流れが途切れないよう、一気呵成に攻撃を仕掛けますよ!」)
ディアボロスたちは、それが演技含みであったにせよ、1度は陥った苦戦から五分以上、いや相手を追い込むところまで持ち直しているのだ。詠美もまた勢いに乗り、さらに勢いを強めるべく、全力で仕掛けた。
「浄化魔法、プログラム1番展開」
普段よりずっとスムーズに、展開した魔法陣の中に魔力が浸透していく。ここまでの戦いで積み重なった残留効果が、詠美が使うパラドクスの力を底上げしてくれている。
「喰らいやがれ!」
アンが振るうカトラスが、唸りを上げて迫る。アレをまともに受けたら、如何にもタダではすまなそうだが――。
「目標指定、出力選択……」
詠美は強気で詠唱を継続した。迫るカトラスに対しては、仕込んでおいた自作プログラムが自動で魔力障壁を構築・展開する。
「おらよッ!」
「……っ」
カトラスが魔力障壁の上から叩きつけられた。両断こそされなかったものの、障壁がねじ曲がり、衝撃が詠美まで突き抜けてくる。
だが、それで十分だ。アンは格上のジェネラル級、無傷で切り抜けられるなんて、最初から考えてない。もし、海上や水中が戦場だったら、こんなものでは済まなかったかもしれないけれど、イフを気にしても仕方がない。
「貴方の船旅はここでお終いです! 最後の船旅の成果として私の魔法をどうぞ!」
アンの足元に広がった魔法陣が、力強く輝きだした。展開完了だ。
「業務、執行――!!」
高らかな詠美の宣言とともに、魔法陣から白い光が溢れ出て、アンを包み込んでいく。
詠美は渾身の魔法で、アンをまた一歩追い込んだのである。
成功🔵🔵🔵🔴
効果1【クリーニング】LV1が発生!
効果2【ドレイン】がLV2になった!
シューニャ・シフル
アドリブ連携歓迎
まだやれるだろ。俺とも付き合えよ。戦場ってのはここからが楽しいんだろ。
これ以上寝てちゃもったいないからな。行かせてもらうぜ。
逃がすつもりはねぇ。ここで仕留める。性格から考えてもカネリーナよりアン・ボニーとやりあうほうが楽しいからな。
左腕は……まだ動くな。動かない振りしとくか。右手にカトラスを構えて突っ込む。
散々腕を使った攻撃を見せて来たんだ。そっちを警戒してるだろ。間合いに入ったらカトラスを捨てて更に間合いの内側に飛び込んで、組み付いてから膝蹴りを叩き込む。
さっきのお返しだ。
数発やりあったんだ。癖はなんとなくわかる。反撃には左のカトラスを引き抜いて盾にする。どうせ壊れるから持たせる必要はねぇ。致命傷さえ避ければそれでいい。
*敵を貶すような発言はしません。
(「これ以上寝てちゃ、勿体ねぇな」)
シューニャ・シフル(廃棄個体 No00・g07807)は、洞窟の壁に預けていた身体を起こした。
どんな決断が下されるにせよ、終わりの時は近付いている。そして、シューニャはここでアン・ボニーと決着をつけることを望んでいた。
(「逃がすつもりはねぇ。ここで仕留める。性格から考えても、カテリーナよりアン・ボニーとやり合うほうが楽しいだろうからな」)
こんなに真っ向からジェネラル級とやり合う機会はそうないだろう。まして、性格が噛み合う相手となれば、なおさらだ。
「なんだ、くたばってなかったのかよ」
起き上がってきたシューニャに気付いたアンが言う。
そう揶揄するアンこそ、大分ダメージを受けているのが見て取れる状態だ。
「てめぇもまだやれるだろ。俺とも付き合えよ。戦場ってのは、ここからが楽しいんだろ」
シューニャは野性味のある笑みで応じた。
「はっ、今度こそ立ち上がれなくしてやるぜ」
傷ついた獣が2匹、互いに一歩も引かずに牙を剥く。
(「左腕は……、まだ動くな」)
先ほど散々に痛めつけられてはいたが、ボロボロにされた追加装甲が守ってくれたおかげでまだ無事だ。だが、外観からはわからないだろう。
シューニャは左腕を隠し玉にすることにして、左腕をだらんとぶら下げたまま、右手でククリを抜いて突っ込んだ。
「懲りない奴だぜぇ」
対するアンは以前と同様に、しならせた尾で打ってくる。シューニャが左腕を動かせないとみて、その死角へ叩き込むように尾を振るった。
シューニャは尾が当たる直前、左の逆手でもう1本のククリを引き抜く。
(「――数発やりあったんだ、癖は身体が覚えてるぜ」)
ドンピシャのタイミングで尾の一撃を刃の腹で受け、自らはさらにアンの懐へ潜り込む。
握りしめていた右手を開いて、ククリを足元に落とした。
「……!」
アンは拳の一撃を警戒しただろう。だが、シューニャは右腕を振りかぶることなく、指先をアンの首筋へと伸ばして組み付く。
左手のククリも捨てて、首筋の右手に逆側から左手を添えた。
そしてアンの頭を引き寄せながら、突っ込んだ勢いのままに膝を高く打ち上げた。ただの膝蹴りではない。シューニャの膝あてには、指向性爆弾が仕込まれている――!
爆発を間近でまともに食らったアンが吹き飛んだ。
「さっきのお返しだ」
反動で自らも空中に投げ出される中、シューニャは満足げに笑っていた。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【怪力無双】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
「クソっ、こんなところでやられてたまるかよ!」
そう吠えるアン・ボニーからは、すでに余裕が微塵も感じられない。
それでもジェネラル級としての迫力に陰りはなく、油断すれば手酷く反撃を受けるだろう。
アン・ボニーとの決戦が、いよいよ最終局面を迎えている。
アドル・ユグドラシア
※アドリブ、連携ok
まぁ、抜け駆けすること自体は否定せん。
だが仲間との連携をおざなりにしたツケは払うべきだろうよ。
冥府の先にはその財を置いて身一つで行くのだな。
という訳で此方も横入りさせて貰うぞ。
遠慮無く俺の一撃も馳走になるが良い。
戦闘では蛇毒を発動。
構築する簡易陣地や毒霧の罠は、敵の退路や防衛ラインを穴埋めする形で張って、敵の足止めを狙う形になるな。
逃げようとした所を狙えば上手く嵌まるだろう。
基本は敵の懐に突っ込んで二振りの剣の一撃をお見舞いし、その序でに腐食の毒霧を浴びせて毒を流し込む。
簡易陣地は敵の懐に斬り込む時にも構築、毒霧の罠も強制発動して、無理矢理周辺を此方の領域とし、戦場での味方の優位を分捕るというのもありか。
まさか海賊が毒使いを卑怯とは言うまい?
とはいえ、敵も無抵抗な訳はあるまい。斬り合うというなら受けて立つが、此方は力押しだけではない。
カトラスは真正面からは受け止めず、双剣を添える形でその軌道を逸らして直撃を防ぎ、振り抜いた後の隙を狙って反撃の一撃をお返しするとしよう。
クローディア・ベネット
「こんなところ」でくたばるのは、抜け駆けを急ぐあまりに準備不足だったあんた自身の責任だ
命を懸けた一攫千金か、堅実な稼ぎか……
全く、海賊ってのはつくづく誘惑に満ちた稼業だね
追い詰めた敵を見据えながら、自らにも問う
二体のジェネラル級を始末する大戦果か、確実な勝利か
――答えは決まった
疲弊した敵に脱出の隙を与えまいと、容赦なく《船長のサーベル》で斬りかかる
斬撃が綺麗に入って敵を怯ませるにしろ、打ち合って止めてくるにしろ、その分の隙はできるだろう
間髪入れずにもう片方の手に持った《ピストルセット》の一丁で銃撃
頭を狙い撃ち『素晴らしき終焉』を与えてやるよ
相手の反撃は二度見た技。そろそろ捌き方は分かっている
個人が持ちうる技の多様性は、復讐者がクロノヴェーダに明確に勝っている点の一つだな
とはいえ、向こうも自分の癖を自覚したフェイントを使う頃合いかもしれない
動きをよく見て、油断なく《聖遺の護符》の力を纏ったサーベルで反撃を防ごう
じゃあな、アン・ボニー
あんたの真っ直ぐな貪欲さは、中々どうして嫌いじゃなかったよ
「『こんなところ』でくたばるのは、抜け駆けを急ぐあまりに準備不足だった、あんた自身の所為だ」
執念深く吠えるアン・ボニーに、クローディア・ベネット(黒き旗に矜持を掲げて・g10852)が冷淡な言葉を返した。
「命を懸けた一攫千金か、堅実な稼ぎか……。まったく、海賊ってのはつくづく誘惑に満ちた稼業だね」
だがクローディアが続けた言葉は、アンに対する揶揄というよりも自嘲の響きが強い。
(「2体のジェネラル級を始末する大戦果か、確実な勝利か」)
クローディアも最後まで迷っていたのだ。それは現時点では正解のない2択。それどころか、すべてが終わった後ですら、どちらが正しかったかなんて判りようがない2択だ。
だからこそ。
(「――答えは決まった」)
クローディアは決断を下し、アンに向き合う。
「まぁ、抜け駆け自体を否定はせん」
アドル・ユグドラシア(我道の求道者・g08396)は、洞窟の入り口へと続く道に立ちふさがって、万が一にも逃がさない構えだ。
「だが仲間との連携がおざなりになったツケは払うべきだろうよ。冥府の先には、その財を置いて身一つで行くのだな」
仮にアンが他のジェネラル級と協力して、堅実にダンジョン攻略に当たっていたならば、撃破までの道のりはずっと険しいものになっていただろう。そうならずに孤軍奮闘しているのが、今のアンの姿である。
アドルはパラドクスを発動して退路上に簡易陣地を構築、敵の突破に備えた上で、
「遠慮なく、俺の一撃も馳走になるが良い」
自らアンとの距離を詰め、赤黒2本の長剣を引っ提げて積極的に仕掛けた。
「念の入ったことだぜ。そんなに私を逃がしたくないかよ」
右の長剣で斬りかかった一撃はアンのカトラスに弾かれて、すかさず反撃の刃が伸びてくる。左の長剣を引き寄せて受けに使い、直撃を避けた。
(「力比べでは押されるかもしれないが――、此方は力押しだけではない」)
アドルへさらにもう一撃浴びせるべく踏み込んでくるアンの前に、腐食の毒霧を噴出させる。
「こんなものッ」
アンは怯まずに突っ込んでくるが、待ち受けていたアドルは左右の長剣で連続した斬撃を見舞う。
「まさか海賊が毒使いを卑怯とは言うまい?」
「同程度の下衆と勝手に名乗るのを止めはしねぇよ」
まともに一撃を受けて更に追い込まれても、アンの減らず口は止まらない。
仕込みを発動させたアドルは、いったん間合いをとって仕切り直した。だが疲弊した敵に休む暇は与えないと、クローディアが入れ替わりにアンを攻め立てる。
右手に刃、左手に銃。実に海賊らしく似通った戦闘スタイルの2人だが――、ここまでの戦いでクローディアは多彩な技の数々を振るってきた。
一方、アン・ボニーが尾を振るって放つ一撃を見るのは、自分が直に受けた分ですらこれで3度目だ。
(「個人が持ちうる技の多様性は、復讐者がクロノヴェーダに対して明確に勝っている点の一つだな」)
さすがに見慣れてきた技だが、とはいえアンも変化をつけてフェイントを入れるくらいはするだろう。
アンからの攻撃は予断を排除して捌き、こちらの攻撃の手は緩めない。再び攻勢に出たアドルと2人で、息をつかせぬ攻撃で畳みかける。
「……ちっ」
そして、アンが2人からの圧力に押されて後ずさった瞬間に、クローディアは勝負を掛けた。
アンが退いた以上の踏み込みで懐に深く潜り込み、右手のサーベルを鋭く振り下ろす。必殺にもなりかねない一撃だったが、アンは辛うじてカトラスで受けた。
クローディアはすかさずピストルを握った左手を伸ばし、わずかな硬直の隙を縫って、銃口をアンの頭に突きつけた。
「――これがあんたの『素晴らしき終焉』だ」
トリガーを引く。
乾いた破裂音が洞窟に響き、最後までふてぶてしく戦い抜いたアンが床に崩れ落ちていった。
仰向けになったアンの眼は、洞窟の天井よりずっと先の、どこか遠くの光景を見ているようだ。
「このアン・ボニーが、こんな異郷で果てるとは……」
最期にそんな悪態を一つ残して、アンの夢はこの地で潰えることになった。実に海賊らしい海賊だったアンにとって、似合いの最期ではあるのだろう。
「じゃあな、アン・ボニー。あんたの真っすぐな貪欲さは、中々どうして嫌いじゃなかったよ」
死にゆくアンを見下ろして、クローディアが万感の思いを込めて呟く。
こうしてディアボロスが仕掛けた罠は当初の想定からは外れつつも、逃げ足の速い『海賊令嬢アン・ボニー』を討ち取るという大成果を上げたのだった。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【腐食】LV1が発生!
【モブオーラ】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV4になった!
【ダメージアップ】がLV4になった!
最終結果:成功 |
完成日 | 2024年06月12日 |
宿敵 |
『海賊令嬢アン・ボニー』を撃破!
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