リプレイ
アッシュ・シレスティアル
※アドリブ、連携歓迎
たゆんの気配を察知して参上したぜ。
勢いで乗り込んできた無計画の団体様を演技で騙しつつ排除する。
実に単純で分かりやすい、たゆん記録取りつつぱぱっと退治といこう!。
後の戦闘を踏まえて悪魔装甲を纏い、たゆライズを起動。
双刃ヴァルディールをもって【飛翔】で飛びながら現着。
無人だし建物は【建物復元】があるから大事になっても問題はないか?
とりあえず相手はアヴァタール級以外は飛べなさそうだから空から現場に突入しリーダーと遭遇、
演技しつつ大事な場所であることを匂わせて相手に暴れさせて満足してもらう方向性でいこう。
クロノヴェーダがなぜここに!?
この霧を通ってきたのか…クッソ、よりにもよってここに来るかよ。
いや、相手は一体だけだから今倒せば被害は出ない!
取り巻きを伏せていただと!?
お前に構ってられる状況じゃねぇ!
って感じでトループスの蹂躙を阻止しに向かうもセイレーンの攻撃を捌くのに手一杯で施設が蹂躙される様に見せつけられる…といった無力な復讐者プレイでダメ押ししておこう。
「たゆんの気配を察知して参上したぜ」
パラドクストレインは市街の内側でドアを開く。勢いよく飛びだしたのは、アッシュ・シレスティアル(蒼破拳・g01219)。戦闘を踏まえて『悪魔装甲』を纏い、双刃『ヴァルディール』も携えている。
だが、彼の作戦はキマイラウィッチを満足させるところからだった。
「勢いで乗り込んできた無計画の団体様を演技で騙しつつ排除する。実に単純で分かりやすいだろ」
ディアボロスの仲間たちは、少し遅れての出撃となった。
最終人類史なので残留効果は最大限。アッシュは飛翔を効かせて、外周住宅地へむかう。境界の霧のために、敵から狙い撃たれることもない。
「たゆライズを起動、たゆん記録取りつつぱぱっと退治といこう!」
兜に備えられたデバイスを起動した。
『完全視界』も手伝い、金の十字をあしらった白い法服の胸元を、すぐに発見できる。
清楚なイメージでは覆い隠せないほどのふくらみが、立ち並ぶ方形建築のあいだでゆらゆら揺れていた。いや、アヴァタール級キマイラウィッチ『白翼のセイレーン』は用心深く飛んでいたのだ。
「よしよし。あのたゆんは真実を掴めていないな。演技しつつ、大事な場所であることを匂わせ、相手に暴れさせて満足してもらう方向性でいこう」
アッシュは急行したかのように加速した。
「クロノヴェーダがなぜここに!?」
焦った大声をあげる。
セイレーンはすぐに気がついて、顔をあげた。アッシュはセリフを大げさなくらいにする。
「この霧を通ってきたのか……クッソ、よりにもよってここに来るかよ」
「ふふふ。ディアボロスどもの本拠地で間違いなかった。徹底的に破壊してやる」
キマイラウィッチは冷笑し、白い翼を広げている。
穏やかさを見せるのは、配下にだけなのだろう。向けられる憎悪に対抗し、『ヴァルディール』に魔力を流しこんだ。
「いや、相手は一体だけだから今倒せば被害は出ない!」
形成した魔力刃を押し立て、アッシュはさらに加速する。
「ふふふふっ! 白き翼は血に染まる……。だが、ディアボロスの相手をするのは、役割を果たしてからのこと」
空中で交差して避けられた。
翼から機関銃のように発射された羽根が、集合住宅を瓦礫に変えていく。
「し、しまったぁ!」
青い兜から、悔しそうな声を出しながら、アッシュが横目でみているのは、デバイスに映ったリプレイ。
交差したときに撮影した、たゆんの接写。
「みなさん、破壊活動を始めてください」
やさしい声が地上に届いた。どこか、満足げだ。
獣のたてる音も聞こえてくる。
「取り巻きを伏せていただと!? どっちに対応すればいいんだ!」
手一杯なうちに、施設が蹂躙される様を見せつけられる……といった無力な復讐者プレイでダメ押しである。
(「無人だし、『建物復元』があるから大事になっても問題はないか?」)
霧に混じって、コンクリートの粉塵がもうもうと上がってくる。
超成功🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【罪縛りの鎖】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
シアン・キャンベル
な……に……?
奴等、何故此処が重要な拠点だと判ったのだ
まずい。此処を破壊されると様々な箇所に悪影響が……
仕方がない。本来私は前線で戦うのを得意としていないのだが
連中を止める為に命を賭けねば……!
くっ……! 其処の貴様、まさか其処まで執拗な復讐心を有しているとは想定外だった。最早、我々も背水の陣、何が何でも死守させてもらう。糞……ッ! 此方は爆発物すら、火刑すらも出来ないとは如何様な不利か。かくなる上は肉薄する他なし……。一匹でも多く道連れにしてくれる
嗚呼……畜生。せめてもう少し味方がいれば時間稼ぎくらいは出来たと謂うのに……人員が少ない時を狙うとは流石は魔女、悪辣だ
……良いだろう。私の血と肉を以て僅かな『稼ぎ』とする
こんな場所で死にたくはなかったが、ああ、嫌だが……
私は復讐者として、ディアボロスとして悉くを全うするのみ
この程度の肉の壁で拠点を守れるとは思えないが、
私は私に出来る限りの事をしておいたぞ……
『重要拠点を守れと任されていたが手薄なところを突かれて犬死する』演技と謂うやつだ
白へ溶かした灰色を、もがくような仕草で払いながら、漆黒の髪の女性がよろめき出た。メイド服の従者に肩を貸されている。
「な……に……?」
黒髪女性は霧と塵を透かし見て、そのさきにあったキマイラウィッチたちの姿に愕然となった。
「奴等、何故此処が重要な拠点だと判ったのだ。まずい。此処を破壊されると様々な箇所に悪影響が……」
いかにも施設から出てきたというそぶりだが、もちろん演技である。
女性の正体は、シアン・キャンベル(ルログ・g01143)。メイド服はオラトリオの『隣人』だ。
空から先行したアッシュとタイミングが合うように、地上から住宅地に侵入していたのだ。トループス級『マンティコアウィッチ』が壊した箇所に、あとから紛れ込んだというわけである。
「仕方がない。本来私は前線で戦うのを得意としていないのだが、連中を止める為に命を賭けねば……!」
計略は得意だ。
顔は青ざめ、目はぐるぐると定まらず。
トループス級たちはニヤニヤと笑いながら近づいてきた。
鳥が翼を休める時のように、傾いた柱のひとつに留まったアヴァタール級も、満足げで冷酷な表情をみせている。
シアンはその、『白翼のセイレーン』を指差す。
「くっ……! 其処の貴様、まさか其処まで執拗な復讐心を有しているとは想定外だった。最早、我々も背水の陣、何が何でも死守させてもらう。糞……ッ! 此方は爆発物すら、火刑すらも出来ないとは如何様な不利か。かくなる上は肉薄する他なし……。一匹でも多く道連れにしてくれる」
ふみだそうとしてまたよろめき、『隣人』に支えられている始末。
「嗚呼……畜生。せめてもう少し味方がいれば時間稼ぎくらいは出来たと謂うのに……人員が少ない時を狙うとは流石は魔女、悪辣だ」
かなり長いセリフだったが、そのひとつひとつを聞くたびに、アヴァタール級の口角は持ち上がっていく。
「オマエたちがいかに戦おうとも、わが、『火刑戦旗ラ・ピュセル』の勝利は揺るがない。さぁ、マンティコアのみなさん、トドメを刺してあげましょう」
「ハイ! 『白翼のセイレーン』さま!」
キマイラウィッチたちは心底、嬉しそうだった。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【友達催眠】LV1が発生!
効果2【アクティベイト】LV1が発生!
エリシア・ランヴェルト
アドリブ、連携ともに◯
敵の本拠地に繋がってると分かった上でこの程度の数で突っ込んでくるなんて勝算のがあるのか、それともただの考えなしなのか。
…通信で聞いた感じのちょろさなら後者っぽいですけど。
現着しました、これより援護に入ります。
【パラドクス通信】で以上のことを伝えたら
【光学迷彩】なども使いつつ相手の不意がつけるようビルの高層階へ。
先発隊の迫真の演技のおかげもあってガラ空きになった背中を【完全視界】も用いてビル中から視認、相手に見られていない状態で魔導銃を用いてパラドクスを使用しましょう。
ヒット後はすぐにその場を離れて隣のビルなどに移動して追撃を避けつつ、可能な限り相手に姿をさらさないことで人数を特定させないようにしましょう。
相手からの反撃が来た場合は魔力障壁で勢いを殺した上で装備で受け流して、足を止めないようにする。
反撃できるようならそのまま魔導銃からパラドクスを放って反撃します。
見られてしまった以上、あなたから倒していきますね。
『パラドクス通信』は良好だ。
エリシア・ランヴェルト(エルフのガジェッティア・g10107)は、先行のアッシュたちから情報を得る。
「敵の本拠地に繋がってると分かった上でこの程度の数で突っ込んでくるなんて勝算があるのか、それともただの考えなしなのか。……通信で聞いた感じのちょろさなら後者っぽいですけど」
意見を述べると、端末のさきからも肯定の返事が得られた。エリシアは、集合住宅の上層階へと昇っている。
「現着しました、これより援護に入ります」
魔導銃を構えて、照準を合わせる。
トループス級の『マンティコアウィッチ』が、地上を横切った。
獅子の胴体と、サソリの尾。女性の上半身を持つキマイラウィッチだが、顔はよく見えない。こちらに背を向けている。
「先発隊の迫真の演技のおかげ、ですね」
どうやら、『重要拠点』を破壊する命令を受け、散開した一体らしい。
平凡なコンクリート壁を、パラドクスを込めたサソリ尾でもって突き崩そうとしている。境界の霧のせいで、遠方まで見渡せないのはディアボロスも同じだが、『完全視界』のぶんだけ有利なのと、上限いっぱいの『光学迷彩』が、エリシアの姿を隠していた。
つまり、敵の背中はいま、ガラ空きなのだ。
もちろん、攻撃を仕掛ければ気付かれ、反撃をくらうこともあるだろう。備えとして、魔力障壁を展開してある。
「『バレットコーティング:エレクトリック
』……!」
雷属性の魔力をおびた弾丸を発射した。
相手は、悲鳴もなく崩れ落ちる。ヒットを確認すると、エリシアはすぐにその場を離れ、となりの建物へと移動する。姿をさらさなければ、人数も特定されない。ここのディアボロスは『手薄』という触れ込みだ。
反撃はなかった。
最初の一撃は幸運にも、あの個体を仕留めることに成功した。
「きっと、重要拠点と信じたまま死んだでしょう……」
そのぶん、復讐の心も残らなかったと期待できる。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【パラドクス通信】LV1が発生!
効果2【ダブル】LV1が発生!
アッシュ・シレスティアル
※アドリブ、連携歓迎
見つかったら一直線に来るかと思ったが、施設破壊の方が優先されるとはな。
とは言え足止めしてこないなら好都合、アヴァタール級は後回しにしてまずは下の取り巻きどもから排除してやるぜ!
双刃ヴァルディールにパラドクスによって生成された雷を纏わせるともに地上へと急降下。
既に交戦は始まっているのなら敢えてど真ん中に降り立ってヘイトを稼ぐ事によって、短時間で片付けられるし質の良い戦闘記録が手に入るってもんだ。
という事でおまえらにはヴァルディールが纏う雷の餌食になってもらうぜ!
飛びかかってきての攻撃は装備でしっかり受け止めてからパラドクスを纏わせたヴァルディールで斬り返させてもらうぜ。
良質な戦闘記録を提供すべく、わざわざ飛びかかってくれるとは感謝してもし足りないな!
「見つかったら一直線に来るかと思ったが、施設破壊の方が優先されるとはな」
芝居の反響が思いのほか大きくて、アッシュ・シレスティアル(蒼破拳・g01219)は自分で驚いていた。
「とはいえ、足止めしてこないなら好都合、アヴァタール級は後回しにしてまずは下の取り巻きどもから排除してやるぜ!」
双刃ヴァルディールに雷を纏わせ、霧と塵が充満する地上へと急降下する。
すでに、トループス級『マンティコアウィッチ』との戦闘は始まっていた。
ディアボロス側には、タイミングを合わせて潜入した者や、パラドクス通信に反応した者などがいるらしい。アッシュは、敢えて交戦のど真ん中に降り立つ。
すぐそばで四つ足の下半身が、ひょいと避けるような仕草をみせる。
いったん距離をとったキマイラウィッチだが、上半身の女性型はすぐに優越的になり、囲んだアッシュへとニヤニヤ顔を向けてきた。
「死に足りないディアボロスがまだいたようデスネ♪」
「角ばった拠点の下敷きにでもなってれば良かったと思いマス」
「みなさま、イッセイで狩りますよ!」
『人食い獅子の狩猟』だ。
爪を立てた前脚で、次々と飛び掛かってくる。上についた女性型はバランスをとるために、前後に大きく振れた。
アッシュも兜のなかでほくそ笑む。
(「ますます好都合。ヘイトを稼ぐ事によって、短時間で片付けられるし質の良い戦闘記録が手に入るってもんだ」)
それを隠した青い悪魔装甲は、無機質な冷たさと、戦闘狂的な怖さを印象として与えてくる。
引っ掻き攻撃からも着用者を守った。
「という事でおまえらには雷の餌食になってもらうぜ。『ライトニングテンペスト』!」
獅子の前脚をしっかり受け止めてから、パラドクスを纏わせたヴァルディールで斬り返す。
トループス級が壊滅するまで。
あるいは、お互いが納得するまで続き、アヴァタール級『白翼のセイレーン』が気付いたときには、『重要拠点』を破壊するキマイラウィッチは彼女ひとりになっていた。
兜内のデバイスに、サムネイルが並ぶ。
「良質な戦闘記録を提供すべく、わざわざ飛びかかってくれるとは感謝してもし足りないな!」
どの画像も、武器である獅子よりもっと上の部位にフォーカスされているが。
いまは、揺れも動きもしないトループス級を見下ろしつつ、しかしセイレーンは優しい顔つきをしていた。
「危険な任務によくついてきてくださいました。みなさまには感謝しかありません」
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【通信障害】LV1が発生!
効果2【グロリアス】LV1が発生!
アッシュ・シレスティアル
※アドリブ、連携歓迎
キマイラウィッチは皆復讐相手を見つけたら作戦より復讐を優先するものだと思っていたが、そうじゃ無い奴もいたんだな。
…にしても相変わらず上から見下ろしやがる。
まぁ俺としては下から見上げる事でより大きさが強調されるのもあっていうほど悪い感じはしないんだけれども。
今度は双刃ヴァルディールの刀身に破壊の魔力による魔力刃を形成し、【飛翔】で飛び上がり接近戦を試みる。
もちろんたゆライズによる戦闘記録収集も怠らない。
敵陣で散々暴れ回ったんだ、生きて帰れるなんて思ってないよなぁ!
相手の羽による攻撃は魔力刃を纏った双刃ヴァルディールをクルクル回して迎撃しつつ切り落とせなかったまのは装甲越しにしっかり受ける。
そして打ち止めになったところで【飛翔】で一気に詰めてパラドクスで反撃。
この程度の弾幕じゃ、たゆんスレイヤーを仕留めるどころか足止めすらできないぜ?
エリシア・ランヴェルト
アドリブ、連携ともに◯
敵陣で1人孤立って状況にもかかわらずあの余裕を感じる振る舞い、私たちの活動拠点を潰すことが出来たって功績が彼女の中で自信となって外に現れているのでしょう。
決して伝える事はないけれど、この破壊活動が無意味だと知ったらどうなってしまうのでしょうね。
相手にバレるまでは引き続き【光学迷彩】【完全視界】を用いてステルスしながら相手の隙を伺い、ガラ空きになったところに魔導銃からパラドクスによる射撃を行います。
あなた方が散々施設を破壊してくれたおかげで遮蔽物が多くて助かりますよ。
呪詛による精神攻撃はどのような効果が現れるかわからないため、装備で自傷をしてでも正気に戻ることを優先して相手の口を閉ざすようパラドクスで反撃を行います。
よほど作戦がうまくいったからなのか、戦闘中にもかかわらず口がよく回りますね。
最後まで真実を知る事なく、偽りの満足を抱いたまま終わりを迎えられたでしょうか。
マリアラーラ・シルヴァ
共闘アドリブ歓迎
ウィッチベーダには役割があるみたい
そうだよね
彼女達の視点から見れば
どんな場所か分からない復讐者本拠地への突撃
片道切符の必死の作戦
辿り着いた瞬間に怨敵に囲まれ復讐を成す事も出来ず無駄死にするかもしれない
だからこその役割
それを成し遂げれば復讐は遂げられたとする目標が必要だった
そして言動から予測するとウィッチの復讐(目標)は
ラピュセルの勝利…ひいては復讐者の重要施設を破壊して勝利に貢献する事
つまり今まで皆が演技して与えた印象を保てばいいの
・マリア達は重要拠点を攻撃され甚大な被害を受けてしまった
・この場は復讐者が勝つけどラピュセル戦線は後退せざるを得ない
・敵とはいえ見事に成し遂げたと認める
・賛辞として廃墟となったこの地を巻き込むほどの大技を披露してあげる
悔しそうに派手なパラドクスで攻撃すれば
きっとウィッチは復讐は果たされたって達成感を抱くの
だってナポレオンは言ってたよ
復讐者が全てのベーダを倒したら復讐心を失い弱体化するって
つまり「達成感」を与えれば「復讐の念」は消えちゃうはずなの
アッシュ・シレスティアル(蒼破拳・g01219)はフォルダを閉じる。
(「キマイラウィッチは皆、復讐相手を見つけたら作戦より復讐を優先するものだと思っていたが、そうじゃ無い奴もいたんだな」)
アヴァタール用に新しいファイルを立ち上げた。
(「……にしても相変わらず上から見下ろしやがる。まぁ、俺としては下から見上げる事でより大きさが強調されるのもあっていうほど悪い感じはしないんだけれども」)
『白翼のセイレーン』の胸元は、もはや純白ではない。
塵や灰をうけてくすんでいた。エリシア・ランヴェルト(エルフのガジェッティア・g10107)も、構えた魔導銃の照準越しにそれを睨む。
(「敵陣で1人孤立って状況にもかかわらずあの余裕を感じる振る舞い、私たちの活動拠点を潰すことが出来たって功績が彼女の中で自信となって外に現れているのでしょう。決して伝える事はないけれど、この破壊活動が無意味だと知ったらどうなってしまうのでしょうね」)
(「そうだよ、彼女達の視点から見れば、どんな場所か分からない復讐者本拠地への突撃。片道切符の必死の作戦……」)
パラドクス通信であっても、心の声が伝わるわけではない。
だが、アッシュやエリシアが抱いた疑問への答えが、マリアラーラ・シルヴァ(コキュバス・g02935)なりに浮かんだ。
(「ウィッチベーダには役割があるみたい」)
地上のディアボロスたちは、それぞれが居場所をかえた。
瓦礫だらけになった住宅地を駆けまわり、アヴァタール級との決戦に挑む。エリシアは引き続き、光学迷彩と完全視界を用いてステルスしながら相手の隙を伺う。
バレるまでは。
(「あなた方が散々施設を破壊してくれたおかげで遮蔽物が多くて助かりますよ」)
弾丸が銃口を通るタイミングで銀をコーティングし、破邪の力を上乗せして撃ち出す。
『バレットコーティング:シルバー』は、正確にセイレーンの胸を撃ち抜いた。プッと赤い飛沫が、金の十字にかかる。布地の一部も破かれた。
しかし、アヴァタール級は呻くでも、屈むでもなく、堂々と両手の翼を広げ、高らかに『恩讐の聖句』を紡ぎ出す。
聞いた者の精神を、狂気で蝕む言葉のパラドクスだ。
射線を読まれたのか、エリシアの鼓膜にも届く。
自傷してでも正気を保とうと、彼女は光波ブレードを短めに形成した。マリアラーラは、内ハネの髪の上から両耳を押さえたが、苦痛よりも確信めいた表情をみせる。
(「キマイラウィッチたちは、辿り着いた瞬間に怨敵に囲まれ復讐を成す事も出来ず無駄死にするかもしれない。だからこその役割。それを成し遂げれば復讐は遂げられたとする目標が必要だった」)
(「よほど作戦がうまくいったからなのか、戦闘中にもかかわらずセイレーンは口がよく回りますね」)
エリシアは、呪詛の内容に悪態をつきながらも、自分に刃を突き立てるほどではないと気付く。
精神攻撃でどのような影響が現れるかはわからなかったものの、事前に聞いた敵のデータによれば、ディアボロスに対する復讐心が高まるほど、攻撃の激しさを増すはずだ。
いまは逆に、『恩讐の聖句』の威力は減じているらしい。
マリアラーラの確信はここにある。
(「言動から予測するとウィッチの復讐、目標はラピュセルの勝利……ひいては復讐者の重要施設を破壊して勝利に貢献する事。つまり今まで皆が演技して与えた印象を保てばいいの」)
耳から手を離すと、小さな体で動きまわり、より広くて開けた場所を探した。思考もまわる。
(「マリア達は重要拠点を攻撃され甚大な被害を受けてしまった。この場は復讐者が勝つけどラピュセル戦線は後退せざるを得ない。敵とはいえ見事に成し遂げたと認める。賛辞として廃墟となったこの地を巻き込むほどの大技を披露してあげる……」)
心の声は大人び、それでいて要点を挙げるときは子供らしくちっちゃな手で指折り数えた。
「悔しそうに派手なパラドクスで攻撃すれば、きっとウィッチは復讐が果たされたって達成感を抱くの!」
「よし、面と向き合う役目は任せとけ!」
結論と返事だけが、通信で行き交う。
アッシュは、双刃ヴァルディールをクルクル回して、飛翔を発動させた。
援護と、派手さのお膳立てに、マリアラーラは霧で煙る天を仰ぐ。
「星の瞬きは小さな歌って知ってる? ――『銀河魔法陣(サテライトスターナイト)』!」
銀河の星々の囁きと配置を利用した無限重複詠唱により 超強化された夢の魔法を解き放つ、プラネタリウムパラドクス。
天球は巨大な魔法陣であり、セイレーンをその中央へと放り出した。
「敵陣で散々暴れ回ったんだ、生きて帰れるなんて思ってないよなぁ!」
刀身に破壊の魔力による魔力刃を形成し、アッシュが上昇してくる。
たゆライズによる戦闘記録には、星空のなかでたゆたう、はだけそうなふくらみが写っていた。エリシアにうけた傷から血のすじが流れだし、それでも胸は開いて翼を広げる。
「ああ、ディアボロスの本拠地が崩れ去り、無の空間へと消えていく。わたしの白き翼は血に染まり、もはや残すものなどありません」
羽根の連射が、むかってくるアッシュへと放たれる。
「この程度の弾幕じゃ、たゆんスレイヤーを仕留めるどころか足止めすらできないぜ?」
双刃ヴァルディールの回転が、アヴァタール級の最後の攻撃を切り払い、両者は接近していく。その光景を、残った建物や路地から仲間たちは見上げた。
「だってナポレオンは言ってたよ。復讐者が全てのベーダを倒したら復讐心を失い弱体化するって。つまり『達成感』を与えれば『復讐の念』は消えちゃうはずなの」
マリアラーラの言葉のとおり、白い羽根は打ち止めになった。アッシュの叫びが、負け惜しみに聞こえているらしいのは、セイレーンが浮かべる笑顔でわかる。
「汝の力を認め、我が力の一端を開示する――『破壊刃(デストラクションエッジ)』!」
真正面からの一刀両断。
刃から水色の光が洩れ、ふたつになったキマイラウィッチの身体のどちらをも、完全に破壊した。
「最後まで真実を知る事なく、偽りの満足を抱いたまま終わりを迎えられたでしょうか」
星空も、境界の霧も薄れていくなかで、エリシアは呟く。
超成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【罪縛りの鎖】がLV2になった!
【寒冷適応】LV1が発生!
【修復加速】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!
【命中アップ】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!