リプレイ
音無・サカハ
※アドリブ連携歓迎
さって、防衛ライン化したか、これはこれで厄介だな
ホントは一人の武人として正面勝負したいだが、仕方がない。
今回は大人しく策を使おう
っというわけで、コード:DAWN FALLをアズールフレイムと合体して、モードマグナムへと変形、バイクに乗って全速前進!
そして届けそうな距離に到着したら、射撃開始。
そう、これはパラドクスの攻撃ではない、ただの普通の射撃だ
普通の武器の攻撃などはクロノヴェーダ達には効かない
これは今だともう常識に近い知識だろ
だからこそ、だ
わざわざこうして仕掛けた俺に対して、こいつらはどんな反応をする?
キレる?笑う?とりあえず――煽るか
「あれ?クロノヴェーダなのに普通の射撃でも回避できないの?うける~wwwっというわけで戻りまーす~お邪魔しました~(笑)」
っというわけでUターンで戻る、さぁ、俺に着いて来い!
――よし、着いて来たな!パラドクス起動!我がメイド隊よ、蒼炎魔弾の弾幕を放て!奴らを殲滅せよ!
…久しぶり頭動いた、どうだった?俺の作戦は
●
真っ先に忍城の前に駆けつけた音無・サカハ(流星の風来坊・g10149)は、城門を塞いでいるトループス級天魔武者『上泉信綱』の群れに、感慨と困惑が綯い交ぜになった視線を向けていた。
(「さって、防衛ライン化したが、これはこれでやっかいだな」)
今、城門に立ちはだかっている天魔武者の名は、最終人類史では剣豪として知られている。
ホントは、ひとりの武人として、剣豪と正面勝負したかったのだが……。
「仕方ない。今回は大人しく策を使おう」
サカハはひとつ息をつくと、コード:DAWN FALLをアズールフレイムと合体させ、射撃戦モードの『アズールフレイム・モードマグナム』に変形させ、紅のカラーリングが特徴的なバイク『ディープクリムゾン』にまたがり、全速力で城門へ。
射撃が城門に届きそうな間合いに入るや否や、サカハはバイクをUターンさせながらモードマグナムを連射した。
(「――そう、これはパラドクスの攻撃ではない、ただの普通の射撃だ」)
普通の武器の攻撃などは、クロノヴェーダ達には効果が無い。
これは今だと、もう常識に近い知識だろう。
(「――だからこそ、だ」)
わざわざこうして仕掛けたサカハに対し、天魔武者はどんな反応をするだろう?
キレるだろうか?
それとも……笑うだろうか?
(「とりあえず――煽るか」)
サカハは相手を激昂させるべく、からかうように煽る。
「あれ? クロノヴェーダなのに普通の射撃でも回避できないの? うけ……てッ!?」
煽りの途中、サカハの目の前に突然2体の天魔武者が現れ、刀を一閃。
殺気に気づき避けようとするも間に合わず、サカハは刀に脇腹を斬り裂かれた。
――天魔武者は、キレも笑いもせず、射撃を全弾受けると同時に『反撃してきた』。
一見すると、凄まじい加速力で間合いを詰め、抜く手を見せぬほどの神速の居合で斬り捨てようとしたようにも見えるが、実際は逆説連鎖戦の原則に基づき、『普通の射撃に対し、パラドクスで反撃した』に過ぎない。
(「普通の武器の攻撃でも、パラドクスで反撃が来るのか」)
痛みに顔を顰め、脇腹を手で押さえつつ、しかしサカハは手ごたえあったと感じている。
なぜなら、多少予測と異なる形になったが、天魔武者の一部を防衛ラインから引きずり出せたからだ。
ならば、後は――パラドクスで沈めるのみ。
「深淵を従うメイド隊よ、我の元に来たれ」
サカハは即座に意識を切り替え、契約召喚獣『深淵のメイド長リリィ・アビス』と彼女が引きついている深淵メイド隊を召喚。
「我がメイド隊よ、蒼炎魔弾の弾幕を放て! 奴らを殲滅せよ!」
現れたメイド隊は、サカハの命に従い、至近距離から無数の蒼炎魔弾を発射し、2体の天魔武者を蒼炎に包み込む。
天魔武者もまた、反撃の居合でメイド隊を斬り捨てるが、絶え間なく発射される蒼炎魔弾に全身を撃ち抜かれ、頽れた。
成功🔵🔵🔵🔴
効果1【神速反応】LV1が発生!
効果2【グロリアス】LV1が発生!
神山・刹那
くくく、上泉信綱か
剣聖とまで呼ばれた人物の名を冠した相手
いやが応にも血が激るってもんだ。剣士として最高の人物の名をもらったんだ。がっかりさせないでくれよ?
新陰流・体で此方が気付けないほどの抜刀術で仕掛けて来るのなら、勇気で斬られることを恐れず、精神集中で五感を研ぎ澄まし、相手が自分の間合いに入ったら残像を残す速さで仕掛け、相手の刀の柄に蹴りを入れて押さえ込んで抜刀させず、相手が何をされたのか理解する前に、小さく跳躍し、すれ違い様に斬り捨てる
「流石は剣聖の名をもらっただけの事はある。が、俺も剣士だが剣だけが俺の強みじゃない。殴り合いも俺の強み。それを生かさせてもらった。楽しかったぜ」
●
忍城の城門を塞ぐように立ちはだかっている、トループス級天魔武者『上泉信綱』の姿を見て、神山・刹那(梟雄・g00162)は不敵な笑いを抑えられずにいた。
「くくく、上泉信綱か」
刹那が目にしている天魔武者が冠する名は――最終人類史において、剣聖とまで呼ばれた人物の名。
斯様な存在を目にしては、嫌が応にも剣士としての血が激るってもの。
「てめぇらは剣士として最高の人物の名をもらった……いや、奪ったんだ」
がっかりさせないでくれよ? と贄の笑みを浮かべながら。
刹那は最高の仕合に興じるべく、覇龍の銘を持つ刀の柄に手をやった。
天魔武者は、此方が気づけないほどの抜刀術で仕掛けてくると聞く。
なら……勇気で斬られることを怖れなければ、道は開けるのでは?
(「残るは……2体か。なら待つか」)
刹那は精神集中で五感を研ぎ澄ましながら、相手から仕掛けてくるのを待つ。
「――参るッ!!」
刹那の構えを見て、剣士としての何かが刺激されたのか、残っていた天魔武者が2体とも城門から飛び出し、急加速で刹那に接近。
凄まじい加速力を以て距離を詰めようとするその様は、刹那の目でも捉えきれない。
だが、気配を察し、空気の動きを読めば――決して捉えられないわけでもない。
「――そこだ!!」
間合いに入ったと見切るや否や、刹那は残像を残す速さで仕掛けながら、天魔武者の刀の柄を足で盛大に蹴った。
抜く手も見せぬ神速の居合で刹那を斬り捨てようとしていた天魔武者は、刹那の足で柄を抑え込まれ、抜刀できない。
――なぜ、刹那が刀ではなく、足を出したのか。
天魔武者がその意味を知るより早く、刹那は刀の柄を蹴りながら小さく跳躍し、覇龍を抜いて大きく振りかぶっていた。
「奥義、朱雀!」
――斬ッ……!!
刀の柄を蹴られ、抜刀が遅れた天魔武者を、刹那は紅蓮の翼を持つ朱雀の如く高速で舞い、一太刀のもとに斬り捨てる。
「流石は剣聖の名を奪っただけのことはある。が、俺も剣士だが剣だけが俺の強みじゃない。殴り合いも俺の強み」
もう1体の天魔武者が瞬時に間を詰め、神速の居合を放とうとするが、刹那はあえて居合に合わせるように、振り下ろしたままの覇龍を思い切り斬り上げる。
「それを生かさせてもらった。楽しかったぜ」
最後まで贄の笑みを崩さなかった刹那の、返す一太刀で。
天魔武者は刀ごと胴を斬り裂かれ、そのままよろよろと後退し、仰向けにどうと斃れた。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【神速反応】がLV2になった!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
●天正大戦国:武蔵国――忍城、城門奥
城門に立ちはだかっていたトループス級を排除したディアボロス達は、勢いのまま城門を突破する。
そのまま天守閣まで駆け抜けようとしたその時、虚空に四丁の火縄銃ビットを展開し、両手に二振りの十字槍を携えた、紅の鎧の天魔武者が立ちはだかった。
「はっ、でぃあぼろすめ、俺様がここを通すとでも思ったか!?」
これ以上先へは進ませねぇぜ! と敵愾心を隠すことなく発散させながら。
『戦国一ノ兵・真田幸村』の名を持つアヴァタール級天魔武者は、ディアボロス達に襲い掛かった。
神山・刹那
真田幸村、日の本一の兵と言われた男
その名を奪ったんだ、つまらない相手だったら利子をつけて返してやる
ま、そうはならないだろうがな
来い、お前の馬ごと、真っ二つに斬り捨ててやる!
人馬一体・烈火一閃で龍の如く突撃してくるのなら、横からの衝撃によってバランスを崩しやすくなるので、勇気で被弾を恐れず、精神集中で五感を研ぎ澄まし、肉体改造で肉体の限界値を押し上げ、体を限界まで捻り、腰のバネと反発力、刀の重さを乗せた渾身の横薙ぎを神速反応で間合いに入ったら解き放ち、真っ二つに斬り捨てる
「流石は日の本一の兵。震えが止まらない。怖かったぜ。お前の前に立った時から」
●
紅の鎧に身を包み、騎乗した状態で待ち受けている天魔武者を一目見て、神山・刹那(梟雄・g00162)は思わず口元に笑みを浮かべていた。
「真田幸村、日の本一の兵と言われた男」
「あぁ、俺のことか?」
「その名を奪ったんだ。つまらない相手だったら利子をつけて返してやる」
「俺をつまらない、と言ったな?」
「ま、そうはならないだろうがな」
刹那は贄の笑みを浮かべながら、覇龍の銘を持つ刀を正眼に構え、アヴァタール級天魔武者『戦国一ノ兵・真田幸村』を挑発する。
「来い、お前の馬ごと、真っ二つに斬り捨ててやる!!」
「言われんでも行ってやる!! 覚悟しろお!!」
挑発に乗ったか、あるいは単に気性が荒いのか。
真田幸村が二本の十文字槍を真っ直ぐ構えると、背後より緋き龍の闘気が噴き出した。
緋色の闘気を二本の十文字槍に絡みつく様に纏いつかせながら、真田幸村は機械馬と共に刹那に突撃する。
(「龍の如く突撃して来るのなら、横からの衝撃によってバランスを崩しやすくなるか?」)
刹那は勇気で恐怖をねじ伏せながら、精神を集中させ五感を研ぎ澄ませ、その一瞬を待ち受け。
「どりゃあああああああ!」
真田幸村が突撃と同時に十文字槍を勢いよく突き出した瞬間、刹那は身体を限界まで……否、限界を超えて大きく捻って十文字槍を避けた。
刹那を捕らえられなかった二本の十文字槍は、虚空に緋の線を引きながらも、苛烈で山を穿つ様な鋭い突撃で刹那の真横の空間を抉る。
突きを避けた今、刹那はすかさず反撃に移ろうとするが、限界を超えて身体を捻ったからか、あるいは龍の如き闘気に中てられたからか、真田幸村が間合いに入ったかどうか確信が持てない。
――今こそ刀で薙ぐべきか、否か。
一瞬だけ迷いを見せる刹那の目に、真田幸村の脇腹に走る一筋の光が目に入る。
なぜか、その光を辿れば、痛打が与えられるような気がした。
「薙ぎ払え! 星ごと奴を!」
即断即決、限界を超え捻った身体を、さらに限界を超える勢いで戻しながら。
刹那は腰のバネと反発力、そして刀の重さを乗せた渾身の横薙ぎを、光をなぞるように解き放った。
――斬ッ!!!!
限界を超えたバネを乗せた渾身の横薙ぎは、真田幸村の脇腹を捕らえ、深々と斬り裂く。
「ぐ、は……ッ、やるじゃねえか……!!」
真田幸村も、突然脇腹に走った激痛に、思わず馬を止めていた。
刹那もぜえぜえと肩で息をしつつ、贄の笑みを浮かべながら本音を漏らす。
「流石は日の本一の兵。震えが止まらない。怖かったぜ」
「はっ、いつからだ?」
「お前の前に立った時からさ」
そう口にした刹那の手足は、細かく震えていた。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【一刀両断】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV2になった!
音無・サカハ
※アドリブ、連携歓迎
真田幸村、前回は負けだが、今回はそう行かない!
今度こそ、勝って見せる!
前回の戦は、俺一人で戦うつもりだったが、今回は違うぜ
ちょっとした援護、サポート役も悪くない、だろ?
パラドクス起動!邪神君を召喚!幸村に全力をぶつけるぞ!
あの技が竜の一撃なら、こっちは深淵からの一手だ!
『ふう、今回はサポート役か…気が合わないが仕方がない、今回だけだ。』
やれやれ、邪神君も相変わらずツンデレだな…さすが俺のダークサイド
くぅ、さすがに強いな、幸村、例え俺が知っている幸村でも、強いんだな
けど――お前は忘れたじゃないか?俺はーー一人じゃない
「仕方がない、ラストアタックはお前に譲ってやるよ!ミスったらあとで晩御飯、おごってくれ!」
隙は俺たちが作った、さあ、行けよ
伏見・萬
(連携アドリブ歓迎)(仲間は苗字呼び)
(松平信康には以前遭遇しており、痛い目にあった)
通してもらえるなんて思ってねェよ
むしろ「通してやるから見逃してくれ」って言われたとしても、きっちり喰い尽くしてから進んだだろうよ
だってよぉ…食べこぼしとか、行儀悪ィだろ?
周囲の仲間と声を掛け合い連携、互いの隙や死角をできるだけ減らす立ち位置と動きを心掛ける
立ち位置は前衛。愛用のナイフと【貪食】(体から生える青黒い鉱石の刃)で敵の槍と打ち合いつつ、【飢え渇く影】使用。相手の影に重ねて潜ませる呪詛の靄が、本命の攻撃
敵の死角を突き、【ダメージアップ】も乗せて効率よくダメージを与える
凌がれても「どこから攻撃が来るかわからない」と思わせることができれば上々
相手の警戒する事柄や方向を増やす事で、味方の攻撃を通りやすくする
【グロリアス】の力を借りて消耗を抑えるが、基本的には自分の負傷はさほど気にしないタチ
防御姿勢よりは攻撃を優先し、できるだけ手早い撃破を狙う
時間稼ぎなんざさせねェよ
奴の喉笛喰い千切るまでは、突っ走るさ
●
先陣を切り痛打を与えた刹那に続いたのは、音無・サカハ(流星の風来坊・g10149)と、救援機動力で駆けつけた伏見・萬(錆びた鉄格子・g07071)のふたり。
(「真田幸村、前回は負けだが、今回はそう行かない!」)
「今度こそ、勝って見せる!」
以前、別所で遭遇したアヴァタール級との再戦に燃えるサカハに対し、萬はゆらりと前に足を踏み出しながら、目前の紅鎧の天魔武者……ではなく、奥の忍城を見据える。
(「そういやァ、ここの城主の松平信康とは、以前《七曜の戦》防衛戦で遭遇したなァ」)
あの時は痛い目にあったから、今回も簡単に通してもらえるなんて思ってないのだけど。
「むしろ『通してやるから見逃してくれ』って言われたとしても、きっちり喰い尽くしてから進んだだろうよ」
「倒す、じゃなく喰い尽くす、だと?」
「だってよぉ……食べこぼしとか、行儀悪いだろ?」
愛用のナイフを手に、体から青黒い鉱石の刃を生やしながら、萬はあえてサカハの前に出る。
その背は幽鬼のように不気味に映るが、一方でサカハには頼もしくも見えた。
前回の戦は、サカハ一人で戦うつもりだったが、今回は違う。
駆けつけてくれた萬がやる気十分だし、何より――。
「――ちょっとした援護、サポート役も悪くない――だろ?」
互いの隙や死角をできるだけ減らすよう、あえて前に出た萬を見て、サカハは契約獣『アプコントゥ・覇・コキュートス』を召喚。
「パラドクス起動!『深淵の中で、永遠に眠れ』――邪神君を召喚!」
現れたコキュートスを目にしていると徐々に正気が失われるような気がするが、サカハは全く意に介せず、コキュートスに命令……というより頼み込む。
「コキュートス、サポートを頼む」
『ふう、今回はサポート役か……』
どこか気乗りしない様子のコキュートスだが、サカハの覚悟や決意を受け取ったか、大きく息を吐きながら、腕に闇の魔力を集め始めた。
『気が合わないが仕方ない、今回だけだ』
(「やれやれ、邪神君も相変わらずツンデレだな……さすが俺のダークサイド」)
そんなやり取りを耳にしつつも、萬は意に介することなく、ただ目前の真田幸村だけを見据えながら、愛用のナイフと体から生える青黒い鉱石の刃を構え、来いよ、と唇だけを動かす。
「覚悟は決まっているようだなあ!」
それを挑発と受け取ったか、真田幸村は緋き龍の闘気を二本の十文字槍に絡みつくよう纏わせ、機械馬と共に萬に突撃。
燃え盛る炎の如く闘気が揺らめく十文字槍を、炎のように苛烈に、山を穿つように萬の全身を串刺しにせんと突き出すが、萬も十文字槍の突きに合わせるように愛用のナイフと青黒い鉱石の刃で打ち合いながら逸らし、簡単には貫かれない。
ナイフと刃、そして十文字槍が激しく打ち合わされ、甲高い音を立て続ける。
戦場全体に響き渡る音に紛れるかのように、真田幸村の影が揺らめくが、幸村本人は気づかない。
萬の唇が、微かに動いた。
「――ほら、影が狙ってるぜ」
「何っ!?」
真田幸村が驚く間に、影は異様に膨れ上がり、死角から天魔武者の紅の鎧を貫く。
予想外の一撃を受けた真田幸村は、十文字槍を引き機械馬を後退させた。
膨れ上がった影の正体は――萬がパラドクスで相手の影に忍ばせた呪詛の靄。
(「実は本命の攻撃はこっちなんだなァ」)
もし、靄の攻撃が凌がれても『どこから攻撃が来るかわからない』と思わせることができれば上々だろう。
相手の警戒する事柄や方向を増やせれば、サカハの召喚したコキュートスも動きやすくなるのだから。
「あの業が竜の一撃なら、こっちは深淵からの一手だ! ――コキュートス!!」
その意をくみ取ったサカハは、即座にコキュートスに命令。
召喚主の意を受けたコキュートスは、超高速で真田幸村に肉薄し、闇と氷の魔力を籠めた右手を突き出し両腕を凍り付かせた。
十文字槍を持つ両手が凍りつかされながらも、真田幸村は同時に燃え盛る炎のような二振りの十文字槍をコキュートスに突き出し、右腕をズタズタに引き裂きながら魔力を闘気で削り取った。
コキュートスを通じて痛みが伝わったのか、サカハが顔を顰めつつ、腕を押さえてふらり、と後退する。
「くぅ、さすがに強いな、幸村」
けど、と痛みをこらえ、真っ直ぐ真田幸村を見据えながら、サカハは続ける。
「お前は忘れたじゃないか? 俺は――一人じゃない」
――サカハの言の通り、真田幸村は、たったひとりでディアボロスに挑んでいる。
一方、サカハには、先陣を切ってくれた刹那もいるし、駆けつけてくれた萬もいる。
何より、仲間が積み重ねてきた残留効果が、サカハの力を高め、背を押してくれるのだ。
だが、今回サカハは、サポート役に回ると決めた。
故に、サカハが次に起こす行動は――萬の背を押すこと。
「仕方ない、ラストアタックはお前に譲ってやるよ! ミスったらあとで晩御飯、おごってくれ!!」
サカハは再度コキュートスに命じ、腕に籠めた闇のエネルギーを真田幸村に叩き込ませる。
真田幸村も反撃で二振りの十字槍を突き出し、闇のエネルギーを削り取るが、一時であれ闇に視界を奪われたことで、僅かな隙を晒した。
その隙を狙い、萬がもう1度真田幸村の影を異様に膨れ上がらせ、正面と死角から同時に攻撃した。
「なァに、時間稼ぎなんざさせねェよ」
――奴の喉笛喰い千切るまでは、突っ走るさ。
ナイフを牙に、影を咢に見立て、口端に獰猛な笑みを浮かべながら。
萬は真田幸村の槍捌きをナイフで捌きつつ、牙と咢で食い散らかすように斬り続けた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【影忍び】LV2が発生!
効果2【ダメージアップ】LV2が発生!
九条・雅
真田幸村、ね。本名は信繁らしいがこの方が認知度が高い。豊臣の拠点の守将として強さと実績においてこれほど確かな武人はいない。それほどのやつだ。
だから、たとえ偽りの存在だろうと剣士として一度相対して見たかった。まあ、その名を冠するにふさわしいか。お手なみ拝見。
大分ボロボロみたいだが、天魔武者は往生際が悪いので、命尽きるまで動いてくる可能性あるね。でも、ここにいる戦友もそうだが、この世界に特化したアンタに比べ、色々修羅場を体験してきた経験に賭ける。
確かに槍のリーチで手数が多く、動きが早いのは驚異だが、動きが鈍っているのは隙がつける。小回りがきく太刀を抜き、攻撃を捌き、回避しながら刀が届く範囲まで疾走。
実は槍で手数多いタイプは何度か相対したことあってね。致命傷は外なる観測者で回避すればその勢いで切り掛かるだけだけだ。
ふん、所詮名ばかりの存在だね。アンタは強すぎることに固執しすぎて発展性がない。一度消えて出直しな!!
●
紅の鎧を纏い、自ら『真田幸村』を名乗るアヴァタール級天魔武者を前に、九条・雅(赫焉のパシオン・g03417)は複雑な想いを抱いていた。
「真田幸村、ね。本名は信繁らしいが、この方が認知度が高い」
――『豊臣の』拠点の守将として、強さと実績においてこれほど確かな武人はいない。
それほどの武人が『徳川の』拠点に繋がる城を守っているのは、ここがディヴィジョン――改竄された世界だからだろう。
「たとえ偽りの存在だろうと、剣士として一度相対して見たかった」
ここまでの戦いぶりを見ていると、その名を冠するにふさわしいようにも見えるが、一方で聊か暴れん坊な所作を見せるのが、雅には引っかかる。
「さて、お手なみ拝見」
先陣を切ったディアボロスの奮戦で、真田幸村が纏う紅の鎧には複数の傷痕が穿たれ、動きも些か精細を欠いているようにも見える。
(「大分ボロボロみたいだが、天魔武者は往生際が悪いので、命尽きるまで動いてくる可能性ある」)
……でも。
「ここにいる戦友もそうだが、アタシもこの世界に特化したアンタに比べ、色々修羅場を体験してきた」
だから、ここは……数々のディヴィジョンを渡り歩いてきた経験に賭ける。
雅は愛用の太刀を握り締めながら、じっと真田幸村の出方を、出だしを観察する。
確かに真田幸村は、槍のリーチで手数が多く、動きが早いだろう。
それ自体は驚異だが、動きが鈍っているのは隙がつけるはずだ。
「おおりゃああああああ!!」
猛き二本の十字槍を迅雷の如く振るい、連続突きを繰り出す真田幸村に対し、雅はあえて小回りがきく太刀を抜いて対抗。
空間を埋めるような連続攻撃を捌き、回避しながら、刀が届く範囲まで疾走した。
「場慣れしてやがんなあ! それが修羅場を体験してきたってことか!」
「槍で手数多いタイプは何度か相対したことあってね」
雅の言を遮るかの如く、絶え間なく突き出される十文字槍が、一際大きく、力強く突き出される。
その大振り、かつ致命的な一撃を避けるべく、雅は太刀を穂先に合わせながら受け流した。
「ぬっ……!?」
痛打となり得る一撃をパラドクスで見切り、受け流され、真田幸村の姿勢が大きく崩れる。
致命傷となり得る一撃は、回避した。
後は――その勢いで切り掛かるだけ。
「ふん、所詮名ばかりの存在だね」
雅は太刀の柄を強く握りしめながら、回避の勢いのまま懐に飛び込み、紅の兜と面頬に覆われた頭を睨みつける。
「アンタは強すぎることに固執しすぎて発展性がない。一度消えて出直しな!!」
――斬ッ!!
力ある眼差しを向け、『真田幸村』の存在を否定しながら。
雅は太刀を逆袈裟に振り上げ、その胴を深く、深く切り裂いた。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【完全視界】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
霧宮・悠希
・SPD
「この時代風に言うと「助太刀御免」、でしょうか。
まあ、ともかく──狩りの時間だ」
城門を突破した他のディアボロスに続いて攻城戦に参加する。
こちらを迎え撃つのは、真田幸村を名乗る天魔武者。
なるほど。……なら、その名前の通りにしてやる。
勇敢に戦った、「しかし結局、負けて討ち取られた」。そんな最期に。
もちろん油断なんかしない。命がけの戦いでそんなことは出来ない。
使える残留効果は全て使わせてもらう。強敵との戦いとなれば【神速反応】が役に立つはずだ。
構えを取る。前のめりに低く構えた姿勢。長剣は両手持ち、肩に担いで立てるように。
機関砲も投射装置も短剣も、今回は使わない。
こちらからは向かわない。視線で真田幸村を挑発する。
かかって来い。その騎馬が、槍が、闘気が、こけおどしじゃないのなら。
向かってくるのなら……それに合わせて跳び上がる。
その槍が身体を抉ろうと、【神速反応】で重傷は負わないよう身を捩って躱しつつ、長剣を上段から全力で叩き込む。
『執行の一撃』。武者も騎馬も、一撃でブチ抜いて叩き切る!
●
救援機動力で駆けつけた霧宮・悠希(小さき復讐者・g02383)は、城門を突破した他のディアボロスに続き、攻城戦に参加していた。
「この時代風に言うと『助太刀御免』、でしょうか」
目の前の紅鎧の天魔武者が『真田幸村』と名乗ったのを見て、悠希の瞳に昏い光が宿る。
「なるほど。……なら、その名前の通りにしてやる」
年代物の長剣を手にしながら、悠希は紅鎧の天魔武者を睨みつけた。
最終人類史の真田幸村と同じような末路を、目の前の天魔武者に辿らせるために。
――勇敢に戦い、『しかし結局、負けて討ち取られた』。そんな最期にすべく。
先んじた仲間は、1対1、ないしは2対1で挑んでいる。
なら、油断なんかしないし、命がけの戦いでそんなことはできない。
――勝つためなら、使えるものは全て使う。
戦場に満ちる残留効果も、ここまでの交戦で得た情報も……全て。
悠希は長剣を両手で持ち、肩に担いで立てるようにしながら、前のめりに低く構える。
機関砲も投射装置も短剣も、今回は使わない。
使うのは――今、手にしている長剣だけだ。
先んじた剣士に逆袈裟に斬られ、怯んだ一瞬で、悠希は真田幸村に話しかける。
「かかって来い、真田幸村。その騎馬が、槍が、闘気が、こけおどしじゃないのなら」
話しかける声音は静かに。
だが、向ける視線は……挑発するように敵意を、憎悪を籠めて。
「何だその目は!?」
狙った通り、挑発されたと思い込んだ真田幸村が、その背より出でし緋き龍の闘気を二本の十文字槍に絡みつく様に纏わせる。
十文字槍が燃え盛る炎の如き紅に染まり切っても、悠希は動かない。
機械馬と共に突撃してくるのを、姿勢を低くし、じっと待ち受ける。
「どりゃあああああああ!!」
最後のいのちを燃やすかのように、真田幸村は雄叫びを上げながら、真っ直ぐ悠希に突撃。
炎の様な苛烈で山を穿つ様な鋭い突撃を繰り出し、悠希をハチの巣にしようとふたふりの十文字槍を突き出した――刹那。
「はっ!!」
短い気合と共に、悠希は地面を勢いよく蹴り、上空へ飛び上がった。
十文字槍の穂先が胴を穿つ寸前、悠希は身を捩り回避しつつ、長剣を大上段に振り上げた。
目前には、悠希の長剣を導くかのように、真田幸村の頭上まで細い光の筋が落ちている。
その光の筋を真っ直ぐ断ち割るように、悠希は長剣を勢いよく振り下ろしながら、落下した。
――斬ッ!!!
『執行人』の名を冠した長剣が真田幸村の頭に叩き込まれ、そのまま地面まで真っ直ぐ振り下ろされる。
武者も騎馬も一撃でブチ抜いて叩き切るつもりで、敵意と破壊の意志を込めた一撃でクロノヴェーダを仕留めるために負傷も厭わず全力で振り下ろした長剣は、真田幸村の身体を機械馬ごと両断していた。
「はっ、俺の槍を、見切り……やがった……」
両断された真田幸村は、茫然としたまま事切れる。
暴れん坊気質ながら、勇敢に戦った天魔武者は――忍の地で散った。
●
悠希は『執行人』を鞘に納めながら姿勢を正し、天魔武者の気配が消えた城門前を見回す。
どうやら、他の戦場でも制圧まで至ったようで、城外で交戦している気配はない。
今頃、天守閣では、他のディアボロスが3体のジェネラル級天魔武者との決戦に挑んでいるのだろう。
彼らの武運を祈りながら、悠希たちディアボロスは、パラドクストレインに乗り新宿島へと帰還した。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【一刀両断】がLV2になった!
効果2【命中アップ】がLV3になった!