リプレイ
冰室・冷桜
ふーむ、ダンジョン作り
注意点は攻撃系だと即座に反撃で壊れちゃう、と
ちょっとわくわくする響きするよね
ま、頑張ってお仕事といきましょう
折角の自然洞窟ですし、手間も考えるとまるっと改造しちゃうよりもなるべく自然の状態を活かした方が雰囲気が出る気がするかしらね、私は
大掛かりな罠とかは他の人らに任しといて、休憩できそうな安全地帯……ってー感じなとこ作ってみますか
勿論、それだけじゃないですけど
えーと、洞窟の半ばくらいの行き止まりっぽい所に、だいふくと一緒にスコップで穴を掘りましてーの
イイ感じに深く掘れたら、水を汲んできてーの……【液体錬成】発動!
これで休める水辺って感じを出してきましょ
座ったりできそうな岩とかがあったら椅子みたいな感じで壁際に並べておくわ
んで、あとはー……来るまでの道中に足を引っ掛けて転んでしまいそうな小さな穴をいくつか掘って簡単な罠っぽいものを
掘り終えたら、葉っぱや木の枝を使って見えないように隠しておきましょ
罠に掛けること自体よりは一度気づけば存在に気づける罠みたいなーポジションで
クローディア・ベネット
今まで散々手こずらされてきたダンジョンを、今度は私達の手で作れるとは面白いじゃないか
よし。くそったれ共が地獄に迷い込んだとも気付かず楽しめる、最高の迷宮を仕上げてやろう
12ってのは人間が収まりがいいと感じる数字で、12種1組の事物は沢山あるな
その中でも今回は西洋で馴染み深い「黄道十二星座」をテーマにしよう
例えば、録音した獅子の鳴き声が轟き恐怖を煽る暗い道、泥を撒いて滑りやすくすると共に蟹が潜む沼を演出した部屋、上手く錘を使って天秤を釣り合わせると開錠できる鍵……
中には苦しい星座もあるが、仲間と協力しコンセプトに沿って12の宝がそれぞれ待つ十二宮を用意するよ
持ち込んだ資材と【トラップ生成】を駆使して必要な仕掛けを作成
……ネタが12個に足りなきゃ、最悪敵を誘導する予定の所だけ徹底的に作り込むよ
神秘的な雰囲気を出しつつ作り込み不足箇所を誤魔化すために、最終人類史のスモークマシンを密かに仕掛けたり
星空の雰囲気作りに、暗闇で光る飾りを散りばめるのもいいかもな
さて。星の世界の冒険にご案内してやろうか
「ここが例の洞窟ね」
冰室・冷桜(ヒートビート・g00730)が、山肌にぽっかりと開いた穴を覗き込む。パッと見はそんなに広く見えないのだが、洞窟は折れ曲がって奥に続いている。その先が広大な洞窟となっているのだろう。
「折角の自然洞窟ですし、まるっと改造しちゃうよりも、なるべく自然の状態を生かしたほうが雰囲気が出そうよね。全部に手を入れていたら手間もかかるし」
「ああ、いいんじゃないか。こだわり始めたらキリがない。大事にしたい部分に注力するのがいいだろうよ」
冷桜の言葉に、クローディア・ベネット(黒き旗に矜持を掲げて・g10852)が頷く。
「大がかりな罠とかは任せる。私は休憩できそうな安全地帯……ってーな感じの場所を作って見るつもり。――もちろん、単なる休憩所じゃないですけど」
「なら、ダンジョンのコンセプトは私に任せてくれ。ひとつアイデアがあるんだ」
「へえ。どんなのが出来るか、楽しみにしてるわ」
2人は洞窟の中を探索しながら改造方針を軽く打ち合わせ、それぞれの担当区域へ向かった。
「攻撃系の罠だと、即座に反撃されて壊されちゃう……と。注意点はそんなところかしら」
逆に考えると、殺意に満ち溢れたような罠を除けば、だいたいなんでもアリということだ。創意工夫がモノをいう、楽しい時間である。
「ダンジョン作りとか、ちょっとわくわくする響きだよね。だいふくも、そう思わない?」
急に尋ねられた相棒のメーラーデーモンは、きょとんとしている。
「ま、頑張ってお仕事といきましょう」
冷桜はくすりと笑って、仕事に取り掛かるのだった。
洞窟の探検にも疲れたころに、休憩に適したスペースがあったら、誰だって休みたくなるだろう。
「……んー、この辺にしましょう」
冷桜は洞窟の半ばほどを進んだところで、手頃な広さの空間を改造することに決めた。だいふくと一緒に地面を掘り下げて、適度な広さと深さの穴を掘る。汲んできた水を流し込み、【液体錬成】を発動させれば……。
「うん、いい感じの池になるんじゃない?」
少し時間はかかるが、地底湖とまではいかないまでも、涼しげな水辺になるだろう。おまけに座りやすそうな大きさの岩を並べたら。
「お手頃な休憩スポットの完成ね。んで、あとはー……。簡単な罠っぽいものを仕掛けておきましょうか」
池を作り終えた冷桜は、そこまでの道中に、踏み抜いたら躓いて転んでしまいそうな小さな穴を幾つも掘って、穴が直接見えないようにカモフラージュしていく。
「これ自体は大した罠じゃないけど、罠が仕掛けてあることに一度気付いたら、もう無視できないでしょ」
罠を解除してみたら、無視しても構わないようなもので力が抜ける。だが、残りに凶悪な本命が隠されているかもしれないから無視もできない――。冷桜が仕掛ける罠は、ある意味、とても意地の悪い罠になりそうだ。
「今まで散々手こずらされてきたダンジョンを、今度は私達の手で作れるとは面白いじゃないか。よし。くそったれ共が地獄に迷い込んだと気付かず楽しめる、最高の迷宮を仕上げてやろう」
ダンジョンの支配人として振る舞う側に立ったクローディアは、まずはダンジョンのテーマから決めようと考える。
今までディアボロスが手に入れた『宝』は12個。12は人間が収まりがいいと感じる数字であり、12種1組の事物は沢山ある――。
クローディアは12個の『宝』に引っかけて、今回のテーマを『黄道十二星座』にしようと決めた。
「西洋で馴染み深いし、アビスローバーの海賊共も、夜の海で散々星を見てきただろうからな」
きっとテーマに気付いて、気に入ってくれるだろうと思う。
暗く細い回廊にスピーカーを仕掛け、何処からともなく轟く獅子の遠吠えで恐怖を煽ってやろう。泥濘の中を這いずる蟹の部屋は、足場が悪く滑りやすい。如何にも意味ありげに傾いた天秤と放置された大小さまざまな錘を見れば、釣り合いを取ってみたくなるはずだ。
向き合った双子を連想させる2つの像や、大きな牛の像をどうにかしないと開かない扉。――いざとなったら、正解っぽい行動を海賊たちがしたところで、タイミングよく扉を開けてやればいいだろう。
「……少々苦しいモチーフもあるが、コンセプトに沿った十二宮に12の宝を配置して待ち受けてやるさ」
新宿島から持ち込んだ資材で装飾を作りこみ、【トラップ生成】で洞窟の中を罠で埋め尽くす。
「あとはそれぞれ星座の形に、飾りを埋め込んで……周囲の星空は雰囲気だけあればいいよな」
アビスローバーの海賊たちが持ち込んだ明かりを反射して、暗闇の中で星空が輝くように仕込む。作りこみ不足なところは、スモークマシンで煙を焚いて誤魔化してしまえばいいだろう。
2人の働きでダンジョンが用意できたところで、いよいよ12の『宝』をダンジョンの中に配置することになった。
きっとカテリーナがすぐに気付いて、探索部隊へ偵察してくるように指示を下すだろう。
準備は万端。あとはカテリーナのお気に召すようなダンジョンを裏方として演出して見せるだけだ。
「さて。星の世界の冒険へご案内してやろうか」
クローディアは、翻弄される海賊たちを想像して笑みを深めた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【液体錬成】LV1が発生!
【トラップ生成】LV1が発生!
効果2【フィニッシュ】LV1が発生!
【ダメージアップ】LV1が発生!
「――お嬢が言うには、こっちの方角から宝の匂いがするんだとよ」
未だダンジョン探索を続けていたジョン・シルバーは、カテリーナからの連絡を受けて、ゴンドワナの密林をさまよっていた。待ち受けるのがディアボロスたちの罠だとも知らず――。
「あ、洞窟があるよ! ここがダンジョンかな?」
「おー、さすがだね、カテリーナ様」
洞窟を発見したポルヴィーナたちは中を覗き込み、歓声を上げた。
ジョン・シルバーは明かりをつけて慎重に洞窟の中を照らす。足元付近は普通の洞窟だが、天井を見上げるとキラキラと星空のように光るものがある。自然物では無さそうだ。
「いかにも何かある……って雰囲気だな。よし、慎重に探索するぞ」
「ごーごー!」
こうして、アビスローバーたちによる探索部隊がディアボロスダンジョンに吸い込まれていった。
さあ、用意した仕掛けの数々でアビスローバーをもてなす時間がやってきた。先に待つ結末は伏せて、今は精々楽しんでもらうとしよう。
ジェーン・コーネリアス
いいセンスだ。わくわくするね!
いつもは攻略する側だけど、こっち側も悪くない
僕はみずがめ座の間を担当しよう
【水源】で水が流れている部屋に、大きな甕と中くらいの甕と小さな甕を並べておく
そして立て札を立てて……「最も大きい甕にちょうど7の水を入れよ」「最も小さい甕には最大で3の水が入り、真ん中の水には最大で5の水が入る」
こんなものだろう
一番楽な回答は中くらいの甕で大きな甕に5を入れて、中くらいの甕から小さな甕に3を移して残った2を入れること
あの手下どもはちょっと……いや、かなり不安だけど、キャプテンはちゃんと解いてくれることを期待しよう
仕掛けたカメラで様子を見て、大きな甕に水を入れ過ぎたら遠隔でひっくり返したり、ちょうどの水が入ったら扉を開けたりしよう
くっくっ。ダンジョンを攻略している時はどうしてあんな仕掛けがあるか分からなかったけど……もしかしたら仕掛けた側もこんな気持ちだったのかな
新宿島でもやってみたくなるよ
クローディア・ベネット
その場しのぎのペテンにしちゃ上出来だろ?
くそったれ共が真相に気付くほど冷静になる瞬間があるとしたら、興醒めした時だ
宝を手に入れるその瞬間までは夢中になってもらおう
私は発案者として全体の様子を見つつ、主担当はいて座の間ってことにしておこう
人馬の小像と弓矢が置かれた部屋に、沢山の「的」と文字が刻まれた粘土板を用意してやる
粘土板には「全ての的を撃ち抜けば、射手の宝に辿り着く」とでも書いておこう
「的」はそのまんま弓術の標的の形をしているもの以外にも、不自然に色を塗られた壁の一か所だったり、細い穴の先に隠されているものもある
【フライトドローン】をスモークマシンの煙や洞窟の構造を利用して見えづらいように操り、動く的を作るのもいい
アビスローバーがそこそこ苦労して十数個目の的を射抜いた辺りで、高い所に置いていた宝箱を隠れたドローンをぶつけて落とし、目の前に置いてやろう
仕掛けた側、ね
実際にゴンドワナのダンジョンを用意したのは誰なんだろうな、キングゴンドワナか?
だとしたら、あいつも意外と遊び心のある野郎だな
アビスローバーの海賊たちがダンジョン攻略を開始したとき、ディアボロス一同はダンジョンの片隅に作られた隠し部屋に詰めて、海賊たちの様子を観察していた。
ジェーン・コーネリアス(pirate code・g10814)はダンジョンの準備にこそ参加していないものの、海賊たちがダンジョンに侵入する前に予め、クローディア・ベネット(黒き旗に矜持を掲げて・g10852)たちが準備した仕掛けの数々の確認を終えていて、準備は万端だ。
「いいセンスだ。わくわくするね!」
「その場しのぎのペテンにしちゃ、上出来だろ?」
『黄道十二星座』に対するジェーンの率直な誉め言葉に対し、クローディアが親指を立てて応える。
「くそったれ共が真相に気付くほど冷静になる瞬間があるとしたら、ダンジョンの仕掛けに興醒めしたときだろうさ。宝を手に入れる直前までは、夢中になっていてもらおう」
「悔しさをスパイスに、仕掛けを突破したときの高揚感でハイにさせるってわけだ。いつもは攻略する側だけど、仕掛けを用意する側も悪くない」
隠しカメラからの映像には、ダンジョンを進む海賊たちの背中が映っている。2人は彼らの様子を眺めながら、仕掛けを動かすタイミングを手ぐすね引いて待ち構えるのだった。
「『最も大きい甕にちょうど7の水を入れよ』と。で、『最も小さい甕には最大で3の水が入り、真ん中の甕には最大で5の水が入る』ってか。――なるほど、みずがめ座に掛けているわけだな」
「この甕いっぱいに水を満たせばいいんでしょ? かんたん、かんたん」
「……。まあ、好きにやってみろや」
海賊たちが辿り着いたのは、みずがめ座の間である。大中小と三つ並んだ甕が、いかにも怪しい。
ジョン・シルバーは何か思うところがある様子だが、まずは部下たちに任せるようにしたようだ。
「よい、っしょ!」
ポルヴィーナたちが中甕で、部屋を横切って流れる水を汲み上げて、大甕に注ぐ。そして、さらに中甕でもう一杯、さらに一杯……。
「はい失敗っと」
隠し部屋で監視していたジェーンは、大甕から水が溢れそうになったところで仕掛けを作動させた。バランスを崩した大甕が、ぐるんぐるんと回りながら中に溜まった水を周囲に撒き散らして、ポルヴィーナたちがずぶ濡れになる。
『……うわっ、びしょびしょだよ~』
『入れすぎちゃダメってことかー。じゃあ、次はもっと加減して――』
ポルヴィーナたちは、さっそく大甕を起こし、果敢に再チャレンジを始めた。だが、問題の意味がちっともわかっていない。
「ちゃんと問題を解いてくれるかな……。ちょっと、いや、かなり不安だけど」
正直なところ、ポルヴィーナには期待できないとジェーンは思う。あとは、彼女たちを束ねるジョン・シルバーがちゃんと解いてくれると祈るしかない。
「頼むよ、キャプテン」
頼みの指揮官は、部下たちを放置して立札の文章を眺めている――。
「また、だめだ。この立札、嘘なんじゃないの?」
めげずにチャレンジを繰り返していたポルヴィーナが、うっぷんを存分に貯めて立て札を小突きだしたころ。
「――おまえら、物に当たるなよ? ダンジョンを破壊なんてしたら、お嬢に怒られるのは俺なんだぜ?」
「そんなこと言ったってさー」
「いいから交代だ。ようやくわかった。ったく、こういうの考えるのは苦手なんだよ」
ようやくジョン・シルバーが動き出す。
「ようは、2を作ってやればいい。最初は中くらいの奴で……」
まずは中甕に並々と汲んだ水を大甕に。さらにもう一度、中甕に水を汲み、小甕が満ちるまで注いでいく……。
「で、この甕にはいくつ水が残ってる?」
「3!」
「……2だよ。ほい、これで終わりだ」
ジョン・シルバーは中甕に残った水を大甕に注いだ。
すると少しの間の後、部屋の奥の扉が唸りを上げて重々しく開いていく――。
「正解してくれてよかった。一時はどうなるかと思わされたな」
扉を操作し終えたジェーンは、歓声を上げて扉を抜けるポルヴィーナたちの映像を見ながら、ほっと息をついた。
――なるほど、これが仕掛ける側ってわけか。
「くっくっ。ダンジョンを攻略しているときは、どうしてあんな仕掛けがあるか分からなかったけど……もしかしたら仕掛けた側もこんな気持ちだったのかな」
解かれない仕掛けに価値はない。用意した仕掛けが解かれるかどうか、見守っていた奴がいたのかもしれない。
「新宿島でもやってみたくなるよ」
こうしてジェーンは仕掛ける側の楽しみも覚えたのだった。
それからも海賊たちは仕掛けに苦労しながらダンジョンを進み、いくつもの間を通り抜け、また新たな間に辿り着く。
「ようやく来やがった」
クローディアはカメラに映った彼らの姿を見て、ニヤリと笑った。今までも仕掛け全体の様子を見ていたが、この間こそ、宝箱を出そうと予定している部屋だ。いよいよオーラス、最後まで気は抜けない。
「――今度はいて座の間か」
弓に矢を番える人馬の小像と弓矢が置かれた部屋の中央を見て、ジョン・シルバーが呟く。
部屋の周囲には沢山の『的』と書かれた粘土板。人馬の小像の横にも、『すべての的を撃ち抜けば、射手の宝に辿り着く』と記された粘土板が置かれていた。
実にわかりやすい。わかりやすいだけに――裏がありそうだ。周囲には煙が立ち込めている部分もあり、自然洞窟であるだけに、死角も多い。
などとジョン・シルバーが考えている横で、ポルヴィーナたちは弓矢を手に取り、見える的を狙い始めていた。
「これなら、うちらもやれるよ! 名誉返上だー!」
「はいはい、頑張りな」
まずはこれまで通り、好きにやらせてみる。うまく行けばそれで構わないのだが。
「まだ宝が出てこないなー。残っている的はどれ?」
「え、撃ってない的はもうないよ?」
案の定だ。見えている的が全てではないということか。
「どうせ分かりにくいところに置いてあるんだろ。今までだって性格の悪い仕掛けはあったが、嘘は無かった」
「よし、探すぞ!」
ポルヴィーナたちは意気消沈しかけていたが、ジョン・シルバーの言葉でまた元気に動き出す。
いて座の間を見下ろすカメラは今、手分けして部屋を探索するポルヴィーナたちを映し出している。
洞窟の壁に分かりづらく塗りこめられた的や、焚かれた煙の先にある的。
突き出した岩の影にこっそりと置かれた的や、撃ち抜こうとすると動いて逃げる的……。
「そうそう、頑張って探してくれよ。適当なところで宝を出してやるからさ」
彼女たちが苦労して探索する様子を、クローディアは神の視点で見下ろしていた。
ひょっとして、今まで攻略したダンジョンでも、こんな風に誰かが見ていたのだろうか。少なくとも、仕掛けた奴はいるはずだ。
「実際にゴンドワナダンジョンを用意したのは誰なんだろうな。キングゴンドワナか? だとしたら、あいつも意外と遊び心のある野郎だな」
キングゴンドワナがチマチマと作業する様子を思い浮かべ、クローディアはくつくつと笑う。
「さて、そろそろいい頃合いか」
ポルヴィーナたちの頑張りにより、用意した的はほぼ全て撃ち抜かれたようだった。
天井付近に仕込んで置いた宝箱をフライトドローンで押し出して、人馬の小像の近くに落としてやる。
「存分にぬか喜びしてくれよ」
歓声を上げて宝箱に駆け寄る海賊たちを見て、クローディアは立ち上がった。
――おもてなしの時間はここまでだ。楽しいダンジョンアタックの想い出を胸に、壊走してもらうとしよう。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【水源】LV1が発生!
【フライトドローン】LV1が発生!
効果2【フィニッシュ】がLV2になった!
【反撃アップ】LV1が発生!
ジェーン・コーネリアス
今ダンジョンを抜けてきて追いついた、という体でアビスローバーどもと相対しよう
おっと、悪いがここまでだ
それは僕らも目を付けてた宝でね。他の宝もまだ残っちゃいるが、君たちに渡す宝は一つもない
大人しく置いて行ってもらおうか
さりげなく「このダンジョンにはまだ宝がある」ことを教えつつポルヴィーナと戦闘
「Macha」を手に振るう『真赤の女神』で宝箱の近くにいる敵を優先して狙い、果敢に敵陣に踏み込もう
宝を欲しがっている行動としては自然だし、何より僕らが部屋の入口に居たらポルヴィーナたちは逃げるに逃げられないからね
戦闘に集中しているように見せてアヴァタール級が指示を出したりトループス級が逃げたりするのは気付かないフリだ
真っ赤に熱を持つ刃でこちらを殴りつけようと伸ばすタコの触手を切り裂き、発火させることで怯ませてその間に接近、ポルヴィーナを切り裂こう
一体ずつ地道に倒せば逃げる隙もあるだろうさ
命が惜しかったら宝を捨てて逃げだすんだね!
クローディア・ベネット
おや、既に謎を解いているとは。あんた達は中々優秀なくそったれだな
他の宝は攻めあぐねてた所でね
あの厄介な仕掛けと比べりゃ、あんた達から奪う方がまだ楽そうだ!
今回の作戦はカテリーナ自身の出撃を誘発する必要がある
海賊砦を何度も襲撃して逃げおおせた復讐者でも厄介に感じる仕掛けがある、と伝えておけば、配下に任せず自ら解きに来るつもりになるんじゃないかい?
ここでビビる奴もいるから難しい所なんだが、あいつはたぶん功名心や欲望に突き動かされちまうタイプだろ
さて、奴らを全員活かす必要はない。ほどほどに痛め付けよう
――『野郎ども、一気に雪崩れ込むぞ!』
宝の部屋に突如として海賊の霊たちを召喚し、乱戦状態を意図的に作り出そう
こうして敵味方が入り乱れれば、何人か見逃した言い訳も立つからな
取り囲みながら次々とカトラスで斬り突けたり、拳銃で十字砲火を行う
私自身も海賊の攻撃で隙が出来た相手を狙い、《船長のサーベル》や《ピストルセット》で地獄に送ってやろう
反撃の触手は《聖遺の護符》の力を纏わせたサーベルで打ち合って弾くよ
「おたから、げっとー!」
「まてまて、油断大敵だぜ。慎重に開けろよ」
「わかってるって!」
宝箱に群がるポルヴィーナたちの後ろで、ジョン・シルバーが苦笑している。
だが、突如響いた足音を聞き咎め、海賊たちの浮ついた表情が途端に厳しくなった。
「――誰っ!?」
「……チッ。そこにいるんだろ。出てきやがれ」
海賊たちの催促に応じて、2人の女が悠々と部屋の入り口に姿を見せた。ジェーン・コーネリアス(pirate code・g10814)と、クローディア・ベネット(黒き旗に矜持を掲げて・g10852)の2人だ。
クローディアは宝箱に視線を向けて、いかにも今知ったとばかりに目を見開いた。
「おや、既に謎を解いているとは。あんた達は中々優秀なくそったれだな」
ポルヴィーナたちは宝箱の前に立ちはだかり、その小さな背に隠そうとする。また一部は、急いで宝箱を開けて中身を回収しようとしているが……。
「おっと、悪いがここまでだ。それは僕らも目をつけてた宝でね。他の宝も、まだ残っちゃいるだろうが、君たちに渡す宝は一つもない。おとなしく、そのまま置いて行ってもらおうか」
ジェーンに低い声で脅されて、ビクッと手を止めた。
「おいおいおい、それはあんまりだろ! 他に宝があるんなら、これは俺たちにくれよ。仲良く山分けと行こうぜ」
一方、ジョン・シルバーはまったく圧を感じていないかのような気安さで、肩をすくめてニヤニヤと笑う。もっとも、背を向けた瞬間に斬りつけてくるのだろうと思わせるほどに、彼の眼は剣呑な光を放っていた。
ただ、ここで大事なことは、他にも宝があると海賊たちに認識させたことだ。
「あいにく他の宝は攻めあぐねてたところでね。あの厄介な仕掛けと比べりゃ、あんた達から奪うほうがまだ楽そうだ!」
さらにもう一押し。クローディアは『解けなかった仕掛け』があるのだと言外に匂わせた。
(「海賊砦の襲撃を何度も成功させて、逃げおおせた復讐者。そんな奴らが苦戦する仕掛けがあるってんなら、カテリーナの奴も興味を示すんじゃないか? 自ら乗り込んでくるくらいにな」)
問題は、復讐者との抗争が予見されるダンジョンにやってくる胆力があるかどうかだ。
(「こういうとき、ビビる奴もいるさ。だが、あいつはそんなタマじゃないだろ。功名心や欲望に突き動かされるタイプと見たね」)
そんな打算を胸中に抱え、けれど表面上はあくまでアビスローバーたちの成果を掠め取ろうという体で振る舞う。
「ハッハッハ! てめえらも海賊稼業ってわけかい。いいぜ、相手をしてやろうじゃねえか。後悔しても遅いぜ!」
「やるぞー、みなごろしだ!」
「ざ~こ♪ ざ~こ♪」
アビスローバーたちは、クローディアの思惑になど気付いてもいない。挑発の言葉に乗って、己が武器を構えるのだった。
(「さて、少しかき乱してやろうか」)
ここでアビスローバーを全滅させてしまっては目的から外れる。だが、あえて見逃されたと思われても困る。だからクローディアは、更なる闖入者を呼び込んで乱戦模様にすることにした。
「――『野郎ども、一気に雪崩れ込むぞ!』」
クローディアのパラドクスによって、洞穴の暗がりから海賊の死霊たちがむくりと起き上がり、近くにいたポルヴィーナを手にしたカトラスで斬りつける。
「あいつらに見せつけてやれ! 私達の恐ろしさをな!」
クローディア自らも呼び出した死霊たちの先頭に立って、鋭いサーベルを大きく振り払いながらポルヴィーナたちの集団に斬り込んだ。
そして、ポルヴィーナたちが浮足立ったところへ。
「その宝は僕らのものだ。そこから退いてもらおうか!」
赤々とした魔力を纏うカトラスを手にしたジェーンが、宝箱に向けて真っ向から切り込んだ。薄暗いダンジョンの空間を、赤熱した刃が奔る。
「わたすわけないじゃんッ」
ポルヴィーナは蛸の触手を伸ばしジェーンを殴りつけようとしたが、ジェーンの刃は触手を真っ二つに斬り裂いて、余勢を駆った一撃でさらにポルヴィーナの1体を袈裟懸けに斬り下ろした。
勢いに押された敵が後ずさるのを尻目に、ジェーンは真っすぐに歩を進め、宝箱の上に片足を乗せた。
「渡さないんだろう? なら、奪い返しなよ」
そのままジェーンはぐるりと切っ先を突きつけながら、周囲の敵を睥睨する。
……敵の後方で、ジョン・シルバーが手下に何事か言い含めているのが見えたが、それには気付かないフリ。
「それとも命が惜しいかい? だったら宝を諦めて、とっとと逃げ出すんだね!」
部屋の真ん中で大立ち回りを演じて、逃げる隙を敢えて作り出す。
宝箱を中心としてジェーンが暴れ回り、さらにその周囲では死霊を率いるクローディアが、入り乱れて乱戦になりながらポルヴィーナたちを薙ぎ倒していく。
そんな戦いから身を隠しながら、数体のポルヴィーナが隅を通って部屋から抜け出していった。
クローディアはその姿を横目に見て、ほくそ笑む。ジョン・シルバーに指示を受けていた奴らだろう。カテリーナへ報告に向かったに違いない。
(「行ったか。なら、残った奴らを生かす必要はない。あとは残らず地獄に送ってやるさ」)
もう乱戦を維持する必要もないだろう。弱ったポルヴィーナを確実に倒し、状況を収束させるほうに舵を切る。
死霊を統率して敵を取り囲み、拳銃の弾丸を四方八方から浴びせた。うねる触手を斬り払い、逆の手に握ったピストルで眉間を撃ち抜く。
ジェーンも戦闘に集中していると見せて、ポルヴィーナを1体ずつ着実に屠り続けていた。
そしてついに、ジェーンが部屋に残った最後の1体を斬り伏せて、1人残ったジョン・シルバーへと視線を向ける。
「ジョン・シルバー、あとは君だけだ。お祈りは済ませたかい?」
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【一刀両断】LV1が発生!
【未来予測】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!
【先行率アップ】LV1が発生!
ディアボロスの活躍により、この部屋にポルヴィーナは残っていない。
ただ、全てのポルヴィーナが倒れたわけではなかった。ジョン・シルバーに指示された数体のポルヴィーナが、この部屋を抜け出していた。今頃は、カテリーナに報告するべくダンジョン内を走り抜けていることだろう。
「へっ、やるじゃねえか。だが、お嬢に向けて伝令が飛んでったぜ。もう追いつけやしねえ。てめえらもこのダンジョンは独占できないってわけだ」
――それこそがディアボロスの狙いなのだとは知らず、ジョン・シルバーはニヤリと笑う。
「ま、負けてやる気もないがね。お嬢の手を煩わせることもなく、ここでくたばりやがれ」
クローディア・ベネット
おっと、「ここからは真面目にやろう」って入ってくるんじゃないんだな
分かったよ。こうなったら最後まで演りきろう
やぁ新入り。あんたも他の所のふざけた謎が解けなくて、頭が煮立っちまったクチかい?
生憎、宝は相棒と半分こって決めてるもんでね。今更あんたと約束はできないが……
先にくそったれのカニ野郎を潰すってのは賛成だ
お互い、せいぜい背中には気を付けような
ジェーンが真っ向から撃ち合うなら、敵が応じている隙に死角から攻めてやろう
元々焚いていたスモークやエトヴァの弾による迷彩を利用して姿を隠し、借りた【光学迷彩】を発動
感知される前に、仲間とやり合う敵の背後や側面に回り込んで『命奪いの不意打ち』を仕掛ける
自分から煙の中に入ると遠くから銃の狙いが付けづらいから、≪船長のサーベル≫で斬りかかろう
敵が剣同士で打ち合って防御して来るなら、その時は至近距離で≪ピストルセット≫の弾を撃ち込むがね
反撃の鳥は≪聖遺の護符≫の力を纏った剣で受け流すよ
さて、これで主賓を迎える準備は万端だ
最高のサプライズパーティーにしてやるよ
ジェーン・コーネリアス
くっくっ、もう残るは1人
演技をしなきゃならない理由はないってのに傾くもんだ
面白い、乗ろうじゃないか
見知った友人の海賊姿に付き合おう
は、随分と荒っぽい取引のお誘いじゃないか、ジェントルマン
けど、やることには賛成だ
流れ弾には注意するんだね!
二丁のピストル、「Badhbh」と「Nemain」を手に戦闘を行おう
敵の牽制に対してこっちもピストルで牽制。パラドクスじゃなきゃダメージにはならないし、反撃されないように当てはしない、あくまでパラドクスを上手く当てるためのつなぎとして使おう
クローディアとはしっかり連携してジョン・シルバーの攻防一体の剣術に隙を作るようにし、エトヴァともきっちり攻撃のタイミングを合わせてジョン・シルバーを追い込む
牽制のピストルを凌げるタイミングで振るうカトラスを恐れず果敢に踏み込み、紙一重で避けながら接近して『祈弾迫撃』
さっき確認はしたし、もう祈りは済んだろう?さよならだ
いやー、楽しかったね!
報告を受けたカテリーナや負けじと追ってきたアン・ボニーが来るのも待ち遠しいね
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎
今日は陸の海賊で行く!
宝探しに興じるアビスローバーは呑気な連中で、嫌いじゃない
海の気質なんだろうか
楽しそうだな。演技続行で混ぜてもらおう
救援機動力で件の間に合流
宝箱(小道具)を脇に抱えて、新手の海賊として乱入
仲間の顔をみて
おっと、出遅れたか!
お嬢さん達、その宝をこっちに寄越しな……
と言いたい所だが、そっちの野郎の面が気に食わないな
先にそいつをやっちまおうか
その後でお宝の争奪戦と行こうぜ!
三つ巴と見せかけて、シルバーの油断を誘い(たぶん)
さりげなく仲間と連携し、PD攻撃で畳みかけよう
Ondaで塗料弾で射撃
攻撃しつつ、周囲を迷彩に塗り潰していく
薄暗さとスモークに紛れ光学迷彩も発動、消えないまでも姿を見えづらくしつつ
ジェーンさん、クローデイアさんと挟撃・包囲の位置取りへ
敵の動きを観察し
死角から撃ち込んだり、自分に惹きつけて仲間の方へ隙を作る
敵の攻撃には、気を確かに持ち
魔力障壁でエネルギーを防ぎつつ、吹き飛ばされぬよう忍耐
わあ意外と料理人
さて、カテリーナ嬢に紅茶を用意しておこうか
ジョン・シルバーと、クローディア・ベネット(黒き旗に矜持を掲げて・g10852)、ジェーン・コーネリアス(pirate code・g10814)の3者が、いよいよ最後の勝負を決するべく向き合う。
そんな一触即発の空気が満ちた空間に、新たな海賊が突如乱入した。
小道具の宝箱を小脇に抱えた、エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)だ。エトヴァは部屋にいた3人の海賊と、ジェーンの足元の宝箱を順繰りに見やり、
「おっと、出遅れたか! ……いや、まだ宝を奪い合っているところだな」
などと、いかにもたった今、状況を把握したかのように白々しく言う。
(「楽しそうだったからな。演技続行で混ぜてもらうとしよう」)
そんなノリで飛び込んできたエトヴァは、服装も海賊風に固めてばっちりだ。
クローディアとジェーンはその姿と言動を見て、彼が意図するところを察した。
(「ここからは真面目にやろう、って入ってくるんじゃないんだな」)
(「くっくっ、もう残るは1人。演技をしなきゃならない理由もないってのに傾くもんだ」)
すでにカテリーナに流したい情報は持って帰らせた。目前に立つジョン・シルバーは、最低限うまく立ち回ったと考えているように見えるが、なんなら種明かしをして悔しがらせたっていい。
そんな状況ではあるものの――。
「お嬢さんたち、その宝をこっちに寄越しな……。と、言いたいところだが、そっちの野郎の面が気にくわないな。先にそいつをやっちまおうか」
「あ? 俺をやったあと、2対1で戦うってのかよ? 悪いことは言わねえ、俺と組みな」
ジョン・シルバーと何やら言い合っている海賊姿の友人を見て、ジェーンは彼の演出に全力で乗ってやることにした。
「随分と荒っぽい取引のお誘いじゃないか、ジェントルマン。けど、アイツをやることには賛成だ」
何より、面白そうじゃないか。台詞にあわせてニヤリと笑う。
(「わかったよ。こうなったら最後まで演りきろう」)
クローディアも、イキイキと演じる2人に付き合うことを決めた。そしてひとたび演ると決めたなら、中途半端に演っていてはつまらない。
「やぁ新入り。あんたも他の所に仕掛けられた、ふざけた謎が解けなくて、頭が煮立っちまったクチかい? 生憎、宝は相棒と半分こって決めてるもんでね。今更あんたと約束はできないが……。先にくそったれのカニ野郎を潰すってのには乗ろうじゃないか」
クローディアは大仰な身振りでの長台詞に続けて、
「――お互い、せいぜい背中には気を付けような」
いかにも意味ありげに笑ってみせる。
「まったくだ、流れ弾には注意するんだね!」
「乗ってくれてありがとう。なに、そんな不幸は起きないと信じているよ」
これは全く油断ならない即席の同盟だとジェーンも言外に言うが、エトヴァは飄々と受け流し、
「さあ、まずはそいつだ。のちほど1人目の脱落者が出たところで、改めてお宝の争奪戦と行こうぜ!」
古めかしい、いかにも海賊然とした銃をジョン・シルバーに突きつけた。
ジョン・シルバーは呆れたように肩をすくめ、
「チッ、水に落ちた犬を打て、ってか? まァ仕方ねえ。海賊稼業ってのは理不尽なもんさ――」
そう吐き捨てると、間を空けず、左手に構えたピストルを乱射しながら部屋の中を駆け出した。彼の片足は義足だが、動きに遜色は全くない。
「そりゃ、日頃の行いが悪いせいさ!」
ジェーンは黒白2丁のピストルの銃口でジョン・シルバーの姿を追い、交互に連射して弾を撒き散らす。さらにエトヴァが銃撃に加わった。
「さっさと観念するんだな」
牽制にすぎないジェーンの銃撃とは違い、エトヴァは着実にジョン・シルバーを狙って弾丸を撃ち込んでいく。そのうち当たることなく逸れた弾丸が、洞穴で弾けるたびに岩肌を奇妙な色で迷彩柄に塗り直していった。
散々に撃たれたジョン・シルバーはピストルを降ろして、代わりに何処からともなく取り出した大皿料理の数々を並べだした。
「ずいぶんたっぷり弾丸をご馳走してくれたもんだ。こんなクソまずいものじゃなく、本当の饗応ってもんを俺が教えてやるぜ!」
たっぷりと盛られた料理は荒々しい見た目だが、漂うかぐわしい香りが鼻孔をくすぐり、溢れ出る肉汁が卓越した火加減で作られたのだと目に訴えかけてくる。
それらの料理に秘められた美味しさがエネルギーとなって放出され、ディアボロスたちを圧倒する――。
(「わあ、意外と本格的な料理人……」)
それがエトヴァの率直な感想だった。こんな場面でもなければ味見をしたいところだが、ぐっと気合を入れて耐える。
「我慢する必要はないんだぜ?」
ジョン・シルバーは、料理の数々でさらに畳みかけようとした。
だが、洞穴の暗がり、立ち込めるスモーク、迷彩柄に塗られた岩壁。そういったものを利用して身を隠したクローディアが、間近まで迫っていることに、彼は気付いていない。
「おいおい、とっとと足を洗って、お嬢とやらの料理人でもしてたほうが向いてたんじゃないか? 今更、遅いがね」
立ち込めるスモークの中にあっても狙いを外さないように、クローディアはきっちり間合いを詰めて、抜き放ったサーベルで斬りかかった。
「せっかく美味いもんを食わせてやろうってのによぉ……」
ジョン・シルバーはバッサリと斬られながらも身を翻して、オウムを止まらせた腕を突き出した。
オウムは炎を纏いながら大きく羽ばたき、いまにも飛び立とうとしている。
「遠慮しておくよ!」
クローディアはサーベルとは逆の手による、4丁のピストルを手品のように持ち替えながらの4連射でジョン・シルバーを追撃、弾丸と突進するオウムが間近ですれ違い、飛び交った。
クローディアを掠めて飛んでいったオウムの代わりに、ジョン・シルバーは再びピストルを持ち上げた。だが、引鉄を引くよりも早く、ジェーンが距離を詰め、懐へと潜り込む。ジョン・シルバーはピストルを諦めて、カトラスを振り下ろそうとしたものの、すでにジェーンが握りしめる黒白ふたつの銃口が、胸元に強く押し付けられている。
「さっき確認はしたし、もう祈りは済んだろう? ――さよならだ」
間髪入れず、ジェーンは引鉄を引き絞った。銃声はひとつ、放たれた弾丸はふたつ。
「ったく、お嬢に合わせる顔がねえ……」
至近距離から急所を穿たれて、ジョン・シルバーは散ったのだった。
「いやー、楽しかったね!」
ジョン・シルバーの最期を見届けて、素に戻ったジェーンが歓声を上げる。
「そのうち報告を受けたカテリーナや、負けじと後を追うアン・ボニーもやってくるだろう。待ち遠しいね」
「ああ。主賓を迎える準備は万端だ。最高のサプライズパーティーにしてやろう」
準備は滞りなく、すべて完了。あとは脱出したポルヴィーナが、このダンジョンの魅力を余すところなくカテリーナに伝えてくれることだろう。
カテリーナたちがダンジョンを訪れるときを想像して、クローディアがほくそ笑む。
「カテリーナ嬢には紅茶を用意しておこうか」
エトヴァはそう言って微笑むが、カテリーナとの遭遇は、はたしてどんな具合になるのだろうか。
今はただ、カテリーナに招待状が無事届くのを待つばかりだ――。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【防衛ライン】LV1が発生!
【コウモリ変身】LV1が発生!
【光学迷彩】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV3になった!
【反撃アップ】がLV2になった!