リプレイ
文月・雪人
敵地での調査、敵に見つからない様に注意して行動する
服装は現地の村人と近いものとし
【アイテムポケット】で現地用支援物資の食料と、双眼鏡と当時の地図を持参する
大隅国のその後については俺もずっと気になっていた
仲間と連携、或いは分担して
隠れ里、隠れ里以外の村、肝付城、他で城が建築中ならそこも巡って
地道に調査を進めたい
■村で調査
以前は人狩りが横行していたが、隠れ里は無事だろうか
隠れ里以外にも残っている村はあるのだろうか
日向国から様子を見に来た者として人々と接触
食料を渡して、大隅国と薩摩国の現状について話を聞きたい
今はどんな苛政が敷かれているのか心配だ
新たな大名や城は再建されてないか
薩摩国の大名や城の事も知らないだろうか
外にも島津がどんな動きをしているか
些細な事でも聞いておきたい
■城の調査
肝付城が破壊されたままならその残骸を調査し
クロノオブジェクトが残されていないか確認する
城や拠点が建設されている場合は
建築状況や天魔武者の出入り等を、遠方から双眼鏡で確認する
常に警戒は怠らず、無理のない範囲で調査する
改竄世界史天正大戦国、日向国。
到着したパラドクストレインから一人の復讐者が降り立つ。
彼の名は、文月・雪人(着ぐるみ探偵は陰陽師・g02850)。この天正大戦国を憂い、九州の動乱に心痛める心優しき青年であった。
日向国を下り、大隅国に抜けた雪人がまず向かったのは、復讐者達が設営した隠れ里であった。
幸い、隠れ里は上手く機能しており、島津の天魔武者に発見された様子は無い。
到着当初は誰何の声を始めとした一悶着が発生したが、雪人が復讐者だと告げた後、隠れ里の住人達も態度を軟化させていた。
「良くは判らんのですが、ディアボロスさんを歓迎するように言われていましてね……」
村人の一人が零した文言は、おそらく排斥力によっても除かれなかった根幹に由来する物だったのだろう。
「ところで、最近の島津の動きは?」
雪人の問いに、しかし、村人は首を振った。
「旅人もいませんので……」
隠れ里の性質上、行き交う旅人がいるはずも無く、故に噂話も然程入ってこない。その言葉に頷いた雪人は、新宿島から持ち込んだ食料を一部託し、隠れ里を後にする。
「お気を付けて」
静かに告げられた村人達の言葉が、彼の背をゆるりと押してくれた。
「……ふむ」
辿り着いた村は、荒れに荒れ果てていた。
田畑は破壊され、農業用途の建物は全て破壊されている。絵に描いたような島津支配の形跡が、見て取れる村であった。
(「島津が支配していた村、か」)
一通り歩き回った雪人は、それが過去形である事を再認識した。村に天魔武者の姿は無い。そして、残されたのは……。
呆けたように座る老爺の姿があった。泣き崩れる老婆の姿があった。子ども達はそんな彼らの手を引っ張り「ひもじいよぅ」と泣いていた。
彼らは動かない。否、動けない。農機具の類いは鍬一本すら残されて居らず、家に目を向ければ台所用品一つ見て取れない。
「全て、島津が、略奪して、行ったからのぅ……」
奪われたのは道具だけではない。若者の多くは島津に連行されていったと、食糧を受け取った老人は、力の無い言葉を口にした。
「それは……」
「このままでは死んでしまう。そう訴えた我らに島津はこう言ったよ。『この程度で死ぬ奴には用がない』『生き延びれば、また、圧政しに来てやる』、と」
その物言いを想像し、雪人は表情を曇らせる。
ただの人である彼らに、その残酷な言葉は何処まで響いてしまったのだろう。
老人は虚ろに笑い、そして、全てを拒絶するよう、地面に転がってしまう。
「遙か北の豊後の殿様でも良い。最近日向を取ったであぼろすでも良い。島津よりマシじゃ。儂等を圧政してくれ……」
血を吐く様な台詞が、雪人の耳朶を貫いていた。
最後に彼が向かったのは、肝付城であった。正確に言えば、取り壊された跡であったが、残されたのは瓦礫のみ。彼が望むクロノ・オブジェクトの類いは、発見に至らず、であった。
「……まぁ、村々からも略奪しているんだったらね」
空振りは判っていたと、雪人は苦笑する。
仮にこの地にクロノ・オブジェクトが残されていたとしても、島津が回収しない理由は無い。その痕跡隠しが余程上手いのか、それともそもそもそんな物が存在していないのか。雪人で出来るのは推測のみであった。
「さて。どうしようかな? このまま薩摩に向かうか。それともまだ調査を進めるか……」
此度の目的は敵の打破では無く調査だ。故に時間だけならば十二分にある。
進むべきか、それともまだ周囲を確認するべきか。
雪人はむぅっと静かに考え込むのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【アイテムポケット】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!
獅子堂・崇
アドリブ連携歓迎
隠れ里の設営に関わった身としては直接様子を見に行きたいところだが、既に確認してくれてるみたいだし俺は他の場所を見て回るか。隠れ里以外にも村はあるだろうからな。
【アイテムポケット】を借りて消化にいい食料と清潔な水を運んで村を巡る。
苦しめられている人も多いだろう。【活性治癒】で少しでも体力が戻れば食事を取ることもできるだろう。
俺は日向国から来た者だ。食料と水を持ってきた。まずはこれを食べてくれ。
食べ終わったら聞きたいことがあるんだ。ここ最近で薩摩の天魔武者たちがどこかに向かっている姿や、どこかに集まっているという話を聞いたりはしていないか?
もしくは連れていかれた皆がどっちに向かったかはわからないか?
今まで戦った島津の連中を考えると大人しくしているとは思えないし、なにか動きがつかめればいいんだが。
(「隠れ里の設営に関わった身としては直接様子を見に行きたいところだったがなぁ……」)
大隅国を歩く傍ら、獅子堂・崇(破界拳・g06749)はむぅと唸る。
隠れ里には既に仲間が向かったと聞いている。ならば、自分はその他の村に聞き込みに行くべきだろう。そんな思考を紡ぎ、崇は行動を開始した。
幸い、新宿島から持ってきた食料や清潔な水は【アイテムポケット】の中に沢山ある。自身の【活性治癒】と併用すれば、多くの人々を救えるだろうか。
「ともあれ、まずは村探しだな」
先の島津の圧政から、どれ程の村が生き延びたのだろう。多くの村は既に復讐者達の庇護下に入り、隠れ里へと移り住んでいる。だが、庇護下に入れなかった村も、未だ何処かに存在する筈だ。
「村を見つけたら、それとなく移住を勧めた方が良いかもしれんな」
南九州の熱い日差しを受け、崇はぽつりと呟いた。
幸いと言うべきか。それとも、存在そのものが不幸にして、と言うべきか。
大隅国の主要街道を逸れ、少し立ち入った先に、その村はあった。
「やぁ。俺は日向国から来た者だ。……色々困っているって聞いてな。いても立ってもいられず、来ちまったんだ」
村に入って直ぐに出会った村人に、崇は告げる。大隅国の悲惨さは風の噂でも聞き及んでいる。だからこそ、この村に訪れたのだ、と。
「……日向の……方……?」
「水も持ってきた。食料もある。村人を呼んでくれないか? 皆を助けたい」
痩せ細った少女は瞬きと共に崇を見詰め、そして、脱力したかのように泣き崩れていった。
それから少しだけ、ひと悶着あった。
泣き崩れた少女を助けると駆け寄ってくる男児と、それを止めようとする老爺の姿があった。老爺は男児を庇うと、杖のような棒を振り上げ、崇を追い出そうと威嚇の声を上げる。
その全てがなんだか、悲しかった。
誤解は直ぐ解けた。泣き止んだ少女が男児と老爺に全てを説明してくれたのだ。
「先程、彼女に言った通り、水も食料も持ってきた。それをみんなで食ったら……移住しよう。皆で暮らせる場所が少し歩いた先にある。……俺が、連れて行く」
それが彼らにとって、救いになるのだろうか。
崇には判らない。だが、それを為さなければこの先、地獄しかない。その事だけは強く思うのだ。
一頻り見回った村の様子は、悲惨の一言に尽きた。
田畑は荒らされ、様々な物が打ち壊されている。この村もまた、島津の支配権だったと言う事なのだろう。破壊を通じての圧政が、島津のお家芸である事は、崇だけでなく、他の復讐者も知る所だ。
「島津の天魔武者は引き上げたって話だったが、何処に向かったか判るか?」
「……西の方に行った、と思う」
共に連れて行かれたのは、何れも働き盛りの若者や中年男性だと言う。残されたのは女子供、そして老人達と言った処。残されたと言うより捨てられたのだ、と少女は自虐的な独白を零していた。
「そうか」
少女の言葉に、崇はふむと、考え込む。
気になるのは、連れて行かれた人間と、捨て置いた人間を区別したところだ。当然ながら、圧政を敷く――感情エネルギーを搾取するならば、年齢に拘る理由は無い。全てを拉致した方が、エネルギー量は多い筈なのだ。
(「つまり、何かをさせるために連れて帰った……のか?」)
彼奴ら天魔武者は、仮にも歴史侵略者だ。人智を超越した存在である彼らが一般人を連行する理由は何があるのだろう。
思考を巡らせ、しかし崇は首を振る。想像出来る事は多く、しかし、何れも決定的な証拠はない。
人々が連行されたと言う西方を見据え、崇はぎりりと歯噛みした。
その解は国境にあるのだろうか。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【活性治癒】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
獅子堂・崇
アドリブ連携歓迎
西か。順当に考えると薩摩国に連れていってなにかしているんだろうな。この調査でそのなにかがつかめればいいんだけどな。
急いては事を仕損じるとも言うし、焦らずに見つからないことを重視して進もう。薩摩に向けて移動しながら双眼鏡を使って薩摩方面の確認を密にする。
敵の姿そのものでなくても痕跡があればルートを変えて歩き続ける。
大隅国では天魔武者の姿がなかったが、国境がどうなっているかはわからないからな。警戒はするに越したことはないだろう。
もし人に出会うようであれば、周囲を警戒して問題がなければさっきと同じように水と食料を渡して話をしよう。
生きている人がいてよかった。俺は日向国から支援のために来たんだ。水と食料を持っている。
食べ終わったら改めて話を切り出す。
この辺りに住んでいるのか?
今の薩摩国で島津がなにをしているか見たり聞いたりしたことはないか?
「西、か」
残された村人達を近くの隠れ里に送り届け、獅子堂・崇(破界拳・g06749)はふむ、頷く。
西。大隅国から西と言えば、当然ながら桜島、そして薩摩国である。順当に考えれば、連れ去られた若者達は薩摩国で何かをさせられている……となるのだろうか。
「ともあれ、急いては事をし損じる、とも言うしな」
悲しいかな。隠密行動向きの残留効果は今、この場に無い。
ならば、何かあれば可能な限り距離を置きながら調査すべきだと、崇は思案する。
何かあれば直ぐに対処出来るよう、周囲を充分に警戒しつつ、彼は西へと歩を進めた。
大隅国を横断し、理解したことはいくつかあった。
まず、大隅国内に天魔武者の姿は無かった。これは村人達から聞いた情報と一致していた。どれ程、大隅国を進んで行っても、天魔武者は疎か、他の歴史侵略者が回歴や彷徨している影、或いはその痕跡を見つける事が出来なかった。
そして、何とか生き残った村々には多大な破壊の跡があり、遭遇できた住人は老人や女子供のみ。若者や働き盛りの男性の姿は一人も見受けられなかった。全て、連行されていったと言う。
「今の薩摩国で島津がなにをしているか見たり聞いたりしたことはないか?」
「……何やら、国境が騒がしい話を聞きます。それと……国境沿いにも、島津の天魔武者の姿を見なくなっている、と」
崇の問いを反芻した老人は、ゆるりと言葉を紡いでいた。
「そうか。ありがとうな」
礼と共に食料を渡し、崇は歩を進める。
(「国境沿いからも島津の天魔武者を見なくなっている、か」)
薩摩国内に引きこもっているのか、或いは、別の場所に移動してしまったのか。南の琉球は封じられている筈。当然、大隅・日向方面で無いのならば、肥後――熊本方面に移動している、と言う可能性もあるだろうか。
そこまで考え、崇は微苦笑を浮かべた。
可能性なら何だって言える。もしかしたら、凄いクロノ・オブジェクトで空間転移も可能としているかもしれない。いや、如何に島津とは言え、それはないだろう。……無い筈だ。
ともあれ、今は推測を重ねても仕方ない。推測の更に斜め上を破壊して突っ切るのが島津、と言う話も何処かで聞いた気がする。
国境へ向かい、情報を得よう。
彼はそう思い直し、歩を進める。
――異変に気付いたのは、その一歩手前であった。
「……ん?」
手近な大木の背後に隠れ、崇は双眼鏡を取り出す。
次いで、太陽の位置も確認。枝葉の陰に入り込むことで、万が一の光反射を防ぎながら、双眼鏡を覗き込む。
国境沿いに何かが見えた気がした。だが、未だそこまでには距離がある。双眼鏡の補助を得ても、自身の感じた『何か』を把握することは難しかった。
『少し危険が伴いますが、この調査は『敵に発見されるギリギリ』まで行うことが必須です』
時先案内人の言葉が脳裏に蘇り、崇はむぅっと呻いた。
安全だけを考えれば、今まで得た情報を持って帰れば済む話だ。ここまでの情報もそれなりの価値があることは、崇も認めるところだった。
だがその一方で、それでいいのか、と自分の内の何かが囁いてくるのも事実だ。
天佑自助、との言葉がある。天は努力する者に力を貸してくれる、と言う例え話だ。この調査は攻略旅団の後押しもある。おそらくもう一歩踏み出せば、更に多くの情報を得ることも出来るだろう。或いは公も言い換えられる。虎穴に入らずんば虎児を得ず、と。
伸るか反るか。
今、正に決断の時であった。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【エアライド】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
文月・雪人
大隅国に島津の天魔武者の姿は無しか
彼らが欲するのは領地ではなくあくまでも人であるらしい
連れ去られた若者達は今どうしているのだろう
心配は尽きないよ
国境を越えて薩摩国の様子を直接この目で確かめるべく
【光学迷彩】を使って行けるところまで行ってみよう
崇に倣い、先ずは遠距離から双眼鏡で国境の状況を確認する
国境沿いに島津の天魔武者の姿を見なくなっているとの話だが
敵がいなくとも油断は禁物だ
崇は『国境沿いに何かが見えた』と言っていた
先ずはそれを目指して進んでいこう
岩影や草木に身を寄せて【光学迷彩】で隠れ潜みつつ
潜伏可能な場所を縫うようにして、敵に見つからないよう細心の注意を払って移動する
敵に違和を感じさせないよう音の発生にも注意する
『何か』とは何なのか、何かの施設があるのだろうか
島津の苛政とは関係ないか
人々やヒルコ達が何かさせられてはいないだろうか
島津側の警戒体制はどんなものなのか
敵や人や特異なものを見つけたら慎重にその様子を観察する
少しでも多くの情報を得るべく
潜む場所を選びつつ慎重に調査を進めていこう
伸るか反るか。
復讐者の決断は是であった。
それは崇の思い浮かべた通りである。虎穴に入らずんば虎児を得ず。我が身惜しさに引き返す臆病者など、ここには居ない。
進むことを決断した文月・雪人(着ぐるみ探偵は陰陽師・g02850)もその一人であった。
(「大隅国に島津の天魔武者の姿は無し、か」)
彼奴らの狙いは土地では無く、人と言う事か。
(「それでは、集められた若者達は何処へ?」)
答えはおそらく、この先にある筈なのだ。
――さて。残留効果【光学迷彩】の話をしよう。
その効果は『隠れたディアボロスは発見困難という世界法則を発生させる』『発見される確率が「効果LV1ごとに半減」する』である。
たとえば50%の確率で発見できる状況で、【光学迷彩】LV1用いた復讐者を索敵する場合、その発見確率は25%となる。100%発見ならば、50%発見まで下げられるのだ。
だが、復讐者は知っている。絶対が数字上で100%となるのは、一般的な常識なのだ、と。
歴史侵略者や復讐者と言った超人らは常識そのものを覆し、100%と言う上限を易々と突破する――。
故に、雪人は細心の注意を払いながら、歩を進める。現段階で【光学迷彩】はLV1。たとえ敵の発見確率が100%だとしても、50%にまで落ちている筈だ。しかし、その敵が歴史侵略者であれば、己の推測が正しい保証は無い。
岩陰、草木と言ったあらゆる地形を利用しながら隠れ潜み進む彼は、まるで忍者そのものであった。
(「まさか、以前の経験が役に立つなんてね」)
過去の作戦を思い出し、僅かに笑ってしまう。
だが、その破顔も刹那だった。岩陰に潜み、取り出した双眼鏡でその先を見やる。
双眼鏡が捉えた光景に――雪人は、息を飲む。飲まざる得なかった。
(「あれは……城壁?」)
飲み込んだ驚愕を反芻し、首を振る。新宿島で学んだ歴史の中、薩摩国と大隅国の間に城壁――長城が築かれていなかった筈だ。
ならば、目の前のそれは島津の天魔武者達の所業、と言う訳だろうか。
「あれが、若者を連れ去った理由か」
城壁の下、打ち棄てられた遺体が雄弁に語っていた。死ぬまで酷使し、死ねば廃棄する。まさしく圧政そのものだった。
そして、雪人の眼を引くのは、それだけではなかった。
(「まさか、本当にヒルコの姿もあるなんて……」)
遙か彼方の城壁の上、険しい警戒態勢の中にヒルコと思わしき小柄な影もあった。周囲に展開する術士を見る限り、彼らは何らかの儀式の生贄に捧げられている公算が高いように思えた。
では、それは何の儀式だろう。
(「答えは一つしかないよね」)
長城のクロノ・オブジェクト化だ。長城をより強固な物にする為、彼奴らはヒルコを生贄に捧げているのだ。
「……いや、だけど」
更に疑問が募る。
確かに島津は日向国で敗北した。だが、そんな僅かな敗北で長城を築き、専守防衛に回ることを良しとするだろうか。
「もしも、日向から撤退したのが、彼奴らなりの策ならば」
島津が日向国から撤退すれば、復讐者の矛先は何処に向くか。当然、近場の大友に向くと考えるのが自然だろう。現に、日向国で復讐者達は島津のみならず大友を討っている。結果、大友側も復讐者達を目こぼしすることはないだろう。
大友と復讐者を争わせ、その隙に防御を固め、そして――。
「肥後に向かう可能性もある、のか」
それも先に崇が浮かべた推測をなぞる発言だったが、しかし、大いにあり得る話だ。正史に於いて耳川の戦いを契機に興隆した覇者の存在を、雪人は知っていた。
「今後の九州情勢は流動的な物になるだろうね」
己が口にした感想に、雪人は深い嘆息を零した。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【光学迷彩】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
「誰だ!」
誰何の声が響く。
おそらく哨戒していたのだろうか。振り返った先に立つのはトループス級天魔武者『薩摩術士』、そしてアヴァタール級妖怪『大蝦蟇』の姿であった。
「ディアボロスか! 月並みな台詞だが、見られたからには生かしておけん!」
一目で正体を看過した歴史侵略者達は、思い思いの得物を引き抜き、復讐者へ襲い掛かってくる。
ここで見た情報を持ち帰る為、ここは勝ち抜かなければ。
覚悟を決めた復讐者達もまた得物を抜き、そしてパラドクスを起動させる――。
風祭・天
ちゃけば、この略奪は激おこ案件なんだけれども…今は抑えて、っと。
皆がゲットした情報を持ち帰って貰う為に、天さん来てるんだしさ☆ 用心棒のセンセイな美少女のお出ましだーって言ったら、テンアゲせん?
とりま、今回は敵集団に突貫してからの伍式抜刀で斬り捲るぜ☆ 引き際を探ってるとバレて嵩にかかられても厄介だし、攻め気マシマシで☆
戦闘の思考としては、中盤くらいまでは損耗を与えることを優先して動ける戦力をガチ減らしして、ある程度戦力が減って私の攻撃行動にマジ余裕が出て来たら、トドメを刺して行く風に切り替えるね☆ 基本、薩摩相手にゃ守勢に回るよりも攻勢に回って攻め潰すんが王道っしょー☆
勿論、敵中にて四面楚歌はぱおんだし、仲間と行動のタイミングが合えば一緒にゴー☆ 序でに連携もしちゃったりするやつだよー☆
てか、その台詞さー…それ言われると、「余の顔を見忘れたか!!」的な台詞で返したくなるんだけど、天魔武者、天さんの顔知らないだろうしー。やばばに悩むし、ぴえん。
文月・雪人
※アドリブ連携歓迎
やあやあ遂に見つかってしまったね、かくれんぼもここまでか。
そろそろお暇するのでお構いなく……って言ってもまあ、聞いてはくれないよね。(苦笑
という事で、押し通らせて貰うよ!
【先行率アップ】で可能な限り先手を取って
竜笛を吹き鳴らし、『幽玄の霧』のパラドクスを使用
笛の音と幻により敵の狙いを惑わせつつ、するりと死角に回り込み
パラドクスの力を込めた【命中率アップ】な斬撃で敵を薙ぎ払う
敵の薩魔術の猿叫も笛の音で打ち消すように対抗し
吹き飛ばされる程のチェストの勢いも
幻と刀で受け流しつつ【ガードアップ】で凌ぐ
でもって、凄腕剣士の用心棒の到着はめっちゃ頼もしいね♪
天センセイ、どうぞやっちゃってください……ってのは、あれ?悪役側のセリフっぽい??
何て軽口を織り交ぜつつも、勿論油断は禁物だ
ここは敵地、時間をかけ過ぎれば敵の増援も来るかもしれない
駆けつけてくれた仲間と【パラドクス通信】で連携し
なるべく攻撃対象を合わせる形で敵個体に大ダメージを与え
早急に敵数を減らしていき、敵陣突破への道を開こう
獅子堂・崇
アドリブ連携歓迎
ここまで来れば巡回もいるか。つまりこれが奴らにとって見られたくなかったものということだな。増援を呼ばれる前に手早く片をつけて帰還しよう。しかし、肥後に向かう可能性か。歴史だけ見れば十分に考えられるな。
仲間と連携を取りながら戦闘する。積極的に前に出て薩摩の武士(今回は魔術師か?)相手に後手に回るわけにはいかないからな。
最初から全力で攻めさせてもらう。突っ込んで拳と肘を使った連撃を食らわせる。防御の隙は与えないし、距離も取らせない。
反撃で吹き飛ばしや平衡感覚を狂わせて来るなら両足で地面を踏みしめて耐える。このために足技は使わなかったんだ。
反撃のための準備でなく防御を固めているのは正直意外ではあったな。
……言っても詮無いことなんだが、お前たちは薩摩をなんだと思ってるんだ?
「ディアボロスか! 月並みな台詞だが、見られたからには生かしておけん!」
トループス級天魔武者『薩摩術師』の咆哮が響く。身構える彼らの瞳に宿る感情は、ただ、殺意の文字のみであった。
だが。
「余の顔を見忘れたか!!」
ばーんっ。
胸を張り、叱咤の勢いで声が飛び出す。
声の主こそ復讐者が一人、風祭・天(逢佛殺佛・g08672)であった。
仁王立ちし、所謂ドヤ顔を向け、睥睨を薩摩術師達に叩き付ける。傾く美貌には、無礼千万と描かれていた。
「げ、げこぉ」
「な、何っ?!」
「なんだか凄ー偉そうですよっ?! もしかして上様とかじゃ……」
「いや、上様は男だろう? ちげーよ。ええっとっ」
「じゃ、じゃあ、安土様とか市様とかだったらヤバくね?!」
なんだか騒然とし始めた。
だが。
「げこげこ」
「そ。そうだ。上様や近しい人達がこんな場所にいるはずも無い。斬れ。斬ってしまえっ!」
流石は島津旗下。ノリは良かった。ノリノリだった。
(「うはぁ」)
どういう感情でそれに向き合えば良いのか。天は少しだけ悩み、二尺八寸の日本刀を構える。ともあれ、やることはシンプルだ。彼奴等を倒し、情報を持ち帰る。その為に、彼女はこの大隅と薩摩の国境にやって来たのだ。
「天センセイ、どうぞやっちゃってください」
そんな彼女の決意を支えるよう、文月・雪人(着ぐるみ探偵は陰陽師・g02850)が彼女に向けたそれは笑顔であった。見た物を朗らかにする笑顔の筈が、台詞も相俟って黒い物のように感じる。具体的に言うと、悪事を見咎められた悪代官風だ。うん。これは宜しく無い。
「つまり、これがお前達にとって見られたくなかったものって訳だな」
拳を構え、獅子堂・崇(破界拳・g06749)が二人に追随する。だが、その心境は複雑であった。
(「いや、別に道を封鎖したとか、隠していたわけじゃないしな」)
先程行われた天の会話を考えるに、「見られたからには」の台詞も、とりあえず言っただけな気がする。いや、言っていることは真っ当なのだが、違和感を抱かざる得ない。
そもそも、島津が防御を固めるのか? 反撃の準備とかではないのか?
思考がぐるぐる巡り始め、そして、崇は思わず声を上げていた。
「……言っても詮無いことなんだが、お前たちは薩摩を何だと思ってるんだ?」
「いや、お前達こそ何だと思ってるんだよ?」
「げこげこ」
「日向を奪い、大隅で好き勝手した奴らに備えるのは当然だろ? まさか島津が内政も出来ないただの戦馬鹿とか思っているんじゃ無いだろうな?」
「もしかして、ディアボロスちゃん達、何も考えず暴れ回っていただけなんでちゅかー?」
「げこげこ」
散々な言い分であった。
「ともかくっ!」
場に漂いかけた微妙な空気を払拭すべく、天は声を上げた。少し怖かった。
「とりま、この用心棒のセンセイ的な美少女のお出ましだー! やーってやんよっ。テンアゲして掛かってきなっ☆」
「うおおおおっ。死に晒せェ。ディアボロスゥゥゥゥ!」
半ば自棄気味な吶喊の声が薩摩術師達から響き、そして。
「……そうだね。とりあえず、押し通らせて貰うよ!」
竜笛を構えた雪人の言葉が、戦場に響き渡っていった。
「かくれんぼもここまでっ。見つけられた以上、キミ達もただで済むとは思わないで欲しいな」
薩摩術師達の猿叫を掻き消すような竜笛の響きは、霧を呼び、その精神をも侵蝕していく。幽玄の霧に囚われ、動きを止める術師も一体や二体処ではなかった。
「ちゃけば、天さん、この略奪は激おこ案件なんだけど……」
そこに煌めくのは、天の放つ抜刀術――ではなく、体術だった。霧に紛れ、術師を組み伏せ、そしてそのまま喉を掻き斬る。剣術と柔術の合いの子のような妙技は、輝かんばかりの動きで敵を打ち倒していった。
「これを受けてみろ!」
体術なら後れを取らないと、崇もまたパラドクスを振るう。砲撃の如く放たれる拳と肘鉄は薩摩術師の躯体を砕き、拉げさせていった。
この戦いを勝ち抜き、無事に帰り着く。
そう告げんばかりに放たれる殴打は、常に全力全身。拳を振るう都度、肘打ちを放つ都度、薩摩術師達の野太い悲鳴が響き渡った。
「はんっ。薩摩の武士……いや、術師か? お前達相手に後手に回るわけにはいかないんだよっ」
「成る程。貴様も名のあるもののふと、言った処か」
迸るは悲鳴では無く、空を裂くような咆哮。それがまるで殴打の如く崇を捉え、殴り抜けてくる。
「いや、僕らは武士とかではないけどね」
竜笛を吹きながら共に紡がれる言葉は雪人の物であった。
そう、雪人は武士では無い。どちらかと言うと陰陽師だ。今となっては探偵と言っても良い。つまりは、武士では無かった。
「大丈夫。大丈夫。天さんは武者だよっ☆」
傾奇が着くけれどね、との言葉を飲み込み、再度、柔術と剣術を――そう彩るパラドクスを振るう。少女の関節技を、流れるように紡がれる斬撃を受け、また一体と、薩摩術師達の遺体が積み上がっていく。
立ち回る美少女センセイ曰く。
「基本、薩摩相手にゃ守勢に回るよりも攻勢に回って攻め潰すんが王道っしょー☆」
とのことだった。
「ま。間違ってないよね」
ここは敵地。速攻で敵を倒し、速攻で敵陣突破し離脱する。パラドクスの霧を放ちながら、雪人は天の言葉を肯定する。自分たちは帰還せねばならぬのだ。大隅国の現状を、そして、薩摩の築城を仲間達に伝える為に。
「生かしておけんは、お前達に向ける台詞だったな」
決意に重なる崇の声は、力強く、そして重く響いた。
威圧に耐えかねたのか、猿叫を発しながら、薩摩術師達は復讐者達へと殺到する。そして、復讐者達のパラドクスはそんな彼らの勢いすら飲み込み、薙ぎ倒していった――。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【照明】LV1が発生!
【パラドクス通信】LV1が発生!
【水面走行】LV1が発生!
効果2【ダブル】LV2が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
「後は貴方だけですね」
薩摩術師達を撃ち倒し、クリスティーナ・アストロイア(星視の魔女・g03092)は右手に手挟んだタロットカードをアヴァタール級妖怪『大蝦蟇』へと突き付ける。
タロットカードに描かれた絵柄は『教皇』。正位置となれば慈悲や教示を示し、逆位置となれば虚栄や不道徳を示すアルカナだ。
「果たして貴方はどちらでしょう――」
「げこぅ!!」
クリスティーナの言葉を遮るかのように、飛び出した舌が彼女の身体を強襲する。
ジェット機の数倍に相当すると言われる殴打は、しかし、その到来を予期していたクリスティーナの身体を掠ることすらない。跳躍した彼女の足場を砕き、そして、刹那の内に大蝦蟇の口腔内へと戻っていく。
「げこげこ!」
「ああ、成る程。会話は無用、と言う訳ですか」
己の周囲に漂う毒霧に、整った顔立ちを歪めながら、クリスティーナは独白する。
妖怪の中には容姿に反して、言葉が通じる者もいた。目の前の大蝦蟇ですら、クリスティーナの言葉を理解する脳はあるだろう。だが、会話そのものを拒絶している。それは何故か。
「其れが貴方の強み。そして、貴方の隙ですか」
アルカナの導きのまま、星杖を振るい、魔術を行使するクリスティーナが紡いだ台詞は、むしろ感心の色に染まっていた。
彼奴は哨戒兵と言う任務そのものに真っ当で、故に彼女の言葉を全て無視し、攻撃を叩き込んでいる。殴打も毒霧も、そして片鎌槍による刺突や体当たりも、その一環だ。それら全て、島津にこの一体の守備を任されるだけはあると断じられた。
即ち、重く、鋭く、早い――。
(「情報を得ようとすれば返り討ちに遭う。――そうですね。番犬としては相応の配置なのでしょう」
戦うだけしか能が無ければ、どれだけ与し易かったか。
毒霧混じりの殴打を星杖で捌き、クリスティーナは麗しいばかりの嘆息を零すのだった。
善戦🔵🔵🔴🔴
効果1【平穏結界】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV2になった!
黒白園・真雪
(トレインチケット)
一ノ瀬・綾音
(トレインチケット)
姫宮・ノエル
(トレインチケット)
斬撃。刺突。殴打。
その何れもが速く、鋭く、重い。
流石はアヴァタール級。伊達に哨戒任務を任されていないと言う事か。
「だけどなぁ。オレもそれなりに力にゃ自信があってな!」
飛び出した黒白園・真雪(怒りの天使-Ulliel-・g09418)は、握った拳をそのまま大蝦蟇の顔面に叩き付ける。ぐしゃりと鈍い音と嫌な感触、それと共にげこぉっと言う悲しげな悲鳴が迸った。
一体その細い身体の何処にそんな膂力があったのか。殴るままに指を突き立てた真雪は、そのまま引き裂くが如く腕を振り抜く。大蝦蟇の皮膚は、そしてその下の肉は爪牙に捕まったかのように斬り裂かれていった。
「焦熱の炎、極寒の氷、激流の水、烈震の土、浄化の光、堕落の闇……世界に溢れし6つの力よ、今こそ一つに集い、彼の者を滅する極光となれ!」
そこに続くのは激しい魔術の砲撃――否、魔砲であった。炎・氷・水・土・光・闇の6属性を束ねた一ノ瀬・綾音(星影の描き手・g00868)は、星の光と化した砲撃を圧唱。圧唱。圧唱。数度に亘って放たれた砲撃は、狙い違わず真雪の残した傷痕を抉り、焼き尽くしていく。
「それでも倒れないのが、アヴァタール級の厄介なところ!」
「それでも、パラドクスを重ねるしかありません」
敵の頑強さに呻いた綾音に、静かな声が重なる。
冷凍弾を打ち続ける姫宮・ノエル(空想トロイメライ・g03234)の言葉であった。
ただ愚直に。ただ真っ直ぐに。
二人のパラドクスに重ねるよう、ノエルもまた、パラドクスを撃ち続けていく。
そこに響いたのは、激しい金属音と殴打の音であった。
「――真雪くん?!」
「真雪さん?!」
「大丈夫だ。この程度、どうってことはねぇ」
振り払われた片鎌槍を腕と翼、そして全身で受け止めた真雪はその勢いを殺しきれず、足から着地。足が地面を削る音を聞きながらも、再び体勢を整える。
そこに零れたのは「げこぉ……」との鳴き声だった。人間であれば歯噛みしていた、と言う辺りか。
「気を抜くな! そっちにも来るぞ!!」
体勢を整えた真雪から叱咤の声が飛ぶ。
同時に放たれたのは殴打の舌。そして、片鎌槍による刺突であった。
これは逆説連鎖戦。距離、空間、そして世界法則すら書き換え、歴史侵略者と復讐者は衝突する。三人同時に反撃することなど、むしろ当然の所業であった。
「――ッ!」
警告の声に反射的に身動ぎしたのだろう。肩口と羽根のみを斬り裂かれ、ノエルが短い吐息を零す。零れ出でた鮮血がぱっと、赤い華のように広がっていた。
「と言うか、女の子に涎とか毒霧とか、無いんじゃないかなぁ!」
殴打そのものは交わし、しかし纏わり付く毒霧を浴びた綾音は抗議の声を上げる。
だが大蝦蟇はそれを無視。ただ、げこぉと知らぬ存ぜぬの表情を形成していた。
――もっとも、綾音がその顔色を読み取れたというわけではないが。
とは言え、何となく判る。
(「――コイツは、綾音ちゃんを――」)
馬鹿にしている!
「ええいっ。とっておきだぁ。持っていけぇぇぇっ!!」
羽根ペンを動かし、多層の魔法陣を描画。そのまま全てに6属性を重ね、連鎖によって幾多の魔法陣を積み重ねていく。
「逃がしません」
距離を置こうとした大蝦蟇の足は、しかし、即座に放たれたノエルお凍結弾が束縛。バキリと氷の拘束の音のみが、その場に響き渡った。
「ってことだ。思う存分くらっていけ!」
それでもなお、と身体を動かす大蝦蟇の腹に、真雪の指拳が叩き込まれる。肉そのものを鷲掴みにし、斬り裂く彼は、何処か猛禽を思わせる笑みを浮かべていた。
そして、光が溢れ出る。
綾音の放つそれは極光。
幾多の星の光を束ねても尚届かない光が、魔術によって集束。そのまま一条の光と化し、大蝦蟇そのものを貫いた。
「――ッ!」
だが、次の瞬間、零れたのは真雪の舌打ちだった。
「アレを耐えるのか!」
光に貫かれた筈の大蝦蟇は、しかし、未だに健在だ。身体からプスプスと煙を上げ、蛋白質が焦げる臭気を振りまいている。零れる血や身体のあちこちに見える凍傷から、無傷と言うことは無いが、しかし、その動きに翳りは見えない。戦闘継続は可能と言わんばかりに、げこげこと笑いを向けてきた。
「仕方ない! 姿形はあんなんでも、アイツもクロノヴェーダだよ。まぁ、でも!」
「……このまま、押し切ります。私じゃなくても、私達が――」
歴史侵略者を討つのは、復讐者全ての役目だ。復讐者とは群れとして戦う者。個の力はあれど、チームの優位こそが復讐者としての力量の根源だ。
綾音の明るい声に、ノエルの静かな誓いが重なり、そして。
「ああっ。オレ達の怒りが、アイツをぶっ飛ばす!」
口だけではない。この拳が全てを打ち砕くと、真雪が不敵な笑みを零すのだった。
善戦🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
効果1【水中適応】LV1が発生!
【クリーニング】LV1が発生!
【冷気の支配者】LV1が発生!
効果2【フィニッシュ】LV1が発生!
【ドレイン】がLV2になった!
【ロストエナジー】LV1が発生!
風祭・天
ふふーん。この悪の親玉だけ残ったよきよきな感じに王道感☆
年貢の納め時ってヤツだね☆ 観念せいやー☆
そう言えば、「げこげこ」なのに他の天魔武者とは意思疎通できるんだ…あれかな、実は心に語り掛けてるとか? あれ? 違うん? ぱおん。
いや、だって、絶妙に気になるしさー?
んで、薩摩術師と戦った流れ的にも、引き続きカッコ良く決めんとねー☆
他の人たちとも協力しながら追いつめて、必殺のパラドクスでズバッと決めてテンアゲしたい感☆ 私は、陸式抜刀で華麗に征くぜぃ☆
さて、この流れ…最後はこの台詞で〆るしかないっしょー☆
…成敗!!
さ、情報持って帰ろーぜぃ☆
きっとTVとかなら、ここでいい感じの声で〆てくれる感☆ 男性ズ、期待してんよー☆ ってね☆
獅子堂・崇
アドリブ連携歓迎
あの口振りからするとちゃんと考えた上で防衛を選んだわけか。それならあの長城は時間稼ぎで今頃別の手を用意していると考えるべきだろうな。
皆のお陰でやつは既にぼろぼろみたいだな。こっちと話すつもりもないようだし、今得られる情報はもうないだろう。一気にケリをつけさせてもらうぞ。
蛙なだけあって足には自信があるのかもしれないが、踏み込みの速さなら負ける気はない。大蝦蟇の踏み込みに合わせつつ奴よりも速く槍の間合いの内側に飛び込んで一撃を食らわせる。
踏み込む時に気を付けるべきは片鎌槍の鎌の部分か。
今回手に入ったの情報はしっかり役立てないとな。取れる手はそう多くはないと思うんだが。
ん、いい感じの締めか?
そうだな、これにて一件落着!
こんな感じでいいのか?
文月・雪人
※アドリブ連携歓迎
残るはアマガエルが一匹か。
いや、ウシガエル?トノサマガエル?まあいいや。
仲間の活躍のお陰であと一押しだ、
シルシュもきっと首を長くして待ってるだろうしね。
ソラさん、タカさん、ここはどーんと倒して帰るとしよう。
そうそうガマガエルと言えば、
最終人類史では筑波山のお土産のガマの油売りの大道芸が有名らしいね。
こんな感じで白い半紙を刀で切って切って、
一枚が二枚、二枚が四枚、四枚が八枚、八枚が……あらあら不思議、無数の紙吹雪に♪
引き続き仲間と連携しつつ、
『式神吹雪』のパラドクスを使用。
【先行率アップ】で式神を放って敵を攪乱、
吹雪の様に舞う式神で視界を塞ぐようにして敵の舌鋒突きの狙いを邪魔しつつ、
攻撃を【ガードアップ】で凌ぎながら相手の動きを誘導し、
【命中アップ】で狙い澄まして、パラドクスの力を宿した刀で斬る。
折角だし、皆で合わせての合体技なんてのもいいかも?
(何となく、日曜朝の番組なんかを思い浮かべつつ
ふうむ、〆の言葉とな?
皆の力でカエルを倒して無事カエル、なんてね♪
皆お疲れ様!
「ふふーん。この悪の親玉だけ残ったよきよきな感じに王道感☆」
そして、砂利を食む靴の音と、そして、絶対無敵な天真の声が響き渡る。
復讐者の一人、風祭・天(逢佛殺佛・g08672)であった。
「年貢の納め時ってヤツだね☆ 観念せいやー☆」
鞘に収まったままの日本刀を突き付け、にふりと笑う。それが葬送の言葉と言わんばかりの態度に、大蝦蟇はげこげこと声を荒げた。
それが大笑いなのか、それとも憤慨なのか、天には判らなかったけれども。
(「そう言えば、『げこげこ』なのに他の天魔武者とは意思疎通できるんだ……」)
実は心に語り掛けているとか? 或いは復讐者の持つ言語把握能力を超えた把握能力を歴史侵略者達が持っている、とか? もしかしたら、「げこげこ」言っているのは本当で、ちゃんと意思疎通する際は普通に喋っているとか?
疑問は尽きない。絶妙に気になる。
「残るはアマガエルが一匹か」
文月・雪人(着ぐるみ探偵は陰陽師・g02850)が口にするそれも、挑発の言葉だった。
げこげこ鳴く大蝦蟇を見据え、彼は更なる言葉を紡いだ。
「いや、ウシガエル? それともトノサマガエル? まあいいや」
彼奴は敵で、そして、今まで重ねた仲間達の攻撃で傷付いている。後一押しと言った処ならば、その一押しをするまでだ。
「結構時間食っちゃったしね。シルシュもきっと首を長くして待っているだろう」
「そのままドラゴンになっちゃわないだろうな」
その語源はシュメール語で「恐ろしい蛇」の意では無かっただろうか、と獅子堂・崇(破界拳・g06749)が軽口を叩く。何処かで似たような名前を聞いたな、と思ったがまぁ気にしない。彼女の口調を借りれば「致し方ない」と言ったところ。名前被りなどよくある話だ。
ともあれ。
コホンと空咳をした雪人は、にふりと笑って、その文言を叩き付けた。
「ソラさん、タカさん、ここはどーんと倒して帰るとしよう」
「おう」
「あいさー☆」
斯くして、大隅国、そして薩摩国境を巡る調査の最後の戦いが始まろうとしていた。
「おおっとっ?!」
大蝦蟇の体当たりを躱し、続く片鎌槍による刺突を回避した天は、驚愕の言葉と共に距離を置く。
流石は哨戒任務を任されたアヴァタール級と言うべきか。頑強さも然る事ながら、その攻撃は速い。地面が、そしてそこいらの岩がまるで発泡スチロールの如く簡単に破壊されている様を見るに、攻撃そのものも重いのだろう。
「いやー、まともに当たりたくないもんだぜぃ☆」
それらを紙一重で躱す天の肌は斬り裂かれ、周囲には特殊軍装の切れ端が舞っている。普通の刃物では切り裂くことなんぞ、叶わないんだぞコレ、と内心で感心やら悪態やらが零れていた。
流石は歴史侵略者。非常識この上なかった。
「……あの口振りからするとちゃんと考えた上で防衛を選んだわけか。それならあの長城は時間稼ぎで今頃別の手を用意していると考えるべきだろうな」
刺突を拳で弾きながら、崇は独り言ちる。
攻撃は重く、鋭く、速い。だが、要はタイミングだ。踏み込みに合わせて自身も踏み込み、タイミングをずらす。それだけで攻撃の芯をずらすことは出来る。
――ずらせるのは芯だけで、刃そのものは崇の身体を僅かに斬り裂くが、それは無視する事にした。
「とすると、もしかしたら、俺達が長城を攻めると……?」
「それこそ島津の掌の上、という奴やもしれん」
雪人の言葉に、むむっと唸る。
島津と言うと、戦功名や戦闘狂のイメージが強いが、正史では700年以上も存続している大名だ。まして、鎌倉時代から存在し、近世大名として残存できた家は僅かで、江戸期にまで守護の地に踏みとどまった大名を数えれば、ごく僅か、片手で数えられることすら可能だ。そんな大名家の名を奪った存在が、今の天魔武者、島津達だ。知略を甘く見れば痛い目を見るのは、復讐者達の方だろう。
「……いやー。そうだとしても、私達、今まで物凄い数のディヴィジョン倒してきたし、大丈夫っしょ☆」
「そう考えて足下を掬われた、は洒落にならないよ」
雪人の反論に、天はペロリと舌を出す。
戯けた様相に、敢えてその文言を口にしたんだろうなぁ、と雪人は微苦笑してしまった。
そう。ここまでの戦歴など、付加価値でしか無い。復讐者は数多の歴史侵略者を討った。中には知謀に長けた敵もいて、それも倒した。だが、それはただの事実でしかない。今後、敗北しない理由にはならないし、なる筈も無いのだ。それでも武功に縋り、思考停止するのであれば、それはただの愚者だ。復讐者達が導かれる状況は千差万別で、同じ攻略法が通じる場面など一つたりともない。それを皆、理解している筈なのに。
「ま、今まで通りだな。『油断せず、その場その場で全力を尽くす』だ」
「ふふ。天さん達が口だけじゃないってとこ、見せちゃうよ☆」
雪人がばら撒く紙吹雪を背景に、崇は雄々と吼え、天は人好きする笑顔を浮かべた。
「げこぉ!」
「と言う訳で、ここで終わらせよう。蝦蟇と言えば、筑波山のお土産『ガマの油売りの大道芸』が有名だけど」
懐から取り出した白い半紙を刀で切って切って切りまくり、再度、無数の紙吹雪を形成する。
それらはただの紙吹雪では無い。雪人の式神――即ち、パラドクスだ。大蝦蟇の視界を封じ、撹乱にと渦巻くそれは、彼奴の動きそのものを封じていく。
「げこげこっ!!」
「げこげこ五月蠅い。こっちと話すつもりもないようだしな。一気にケリをつけさせてもらうぞ!」
どごぉと地面が抉れる音が響く。
崇の踏み込みは地面を砕き、その拳は大蝦蟇の身体を穿った。まるで砲撃のような殴打に、大蝦蟇の身体そのものが拉げ、野太い悲鳴が響き渡った。
「そうだね。情報を持ち帰る。敵を倒す。両方ともやんなきゃいけないっしょや☆」
この天正大戦国は大隅地方と薩摩地方の境界に築城されたクロノ・オブジェクトの情報を、島津達の動きを、そしてその推察を新宿島に持ち帰る。それを願う仲間を連れて帰らなければならない。
用心棒のセンセイな美少女は案外、忙しいのだ。
「げこぉッ!!」
再度放たれた舌突きを躱し、主殿司宗光の柄に触れる。僅かに半身を引き、そして、天は地を蹴った。
光が奔る。地面が、風景が、全てが後方へ置いて行かれる。その神速こそ、まさしく縮地であった。左親指で鍔を、そして鎺を押し上げ、そのまま鞘走りと共に柄を握る右手を振り抜く。
「電光影裏に春風を斬る――!!」
そして、訪れたのは静寂だった。
大蝦蟇の脇を駆け抜けた天は、吐息と共に納刀。チンッ……と澄んだ音のみが響き渡った。
そう。それだけだった。肉を、骨を、全てを断った感触が手に残っている。チラリと後方――大蝦蟇を一瞥した天は、それらを拭い去るように声を上げた。
「……成敗!!」
声は聞こえない。
ただ、どさりと半分に斬り裂かれた大蝦蟇が、地面へ倒れゆく音のみが、天の耳朶を打っていた。
「さ、情報持って帰ろーぜぃ☆」
「……だな。築城、そして不審な動き。その全てを持って帰るぞ」
「その後のことは、まあ、攻略旅団かな?」
ニカリと笑う天に、崇と雪人はふむ、と頷く。
持ち帰る情報は驚愕のものであったが、しかし、復讐者達がどう調理するかは別の話だ。
(「他の戦いのこともあるしね」)
大隅国の惨状や島津の動きは理解せれど、かと言って摂津国、美濃国、そして武蔵国。そこに住まう民を見捨てることも復讐者達に出来る筈も無い。命は等しく重く、奪還の使命もある。その中での順位付けなど傲慢そのものと心痛める者もいる。
全てを救いたい想いとそれでも取捨選択せざる得ない実態。その矛盾に苦しむ者が居ることを、何よりもここに居る天や雪人、崇達が理解していた。
「って言う風ないい感じのナレーションで〆るってどうかな☆」
「えー。折角だし、俺、『皆の力でカエルを倒して無事カエル、なんてね♪』って言おうと思ってたのに?」
「あ、そう言うの好きな人なのか」
和気藹々と笑顔と冗句が飛び交うのは、無事、全てが終わったが故か。戦い終わり、疲弊塗れの笑顔は、それでも、華やかで爛漫に美しかった。
「良い感じの〆か。これにて一件落着! ってのはどうだ?」
「にゃは☆ そうね。それもいいかも」
「ともあれ、皆、お疲れ様!」
雪人の労いに呼応し、天が片手を上げる。意図を察した崇が鍛え抜いた利き腕を挙げ、そして、雪人もまた狩衣に包まれた手を掲げた。
刹那、その全てが重なる。パンと、景気の良い音が復讐者達の行く末を祝福するよう、周囲へと響き渡っていった。
🎖️🎖️🎖️🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【プラチナチケット】LV1が発生!
【浮遊】LV1が発生!
【悲劇感知】LV1が発生!
効果2【フィニッシュ】がLV2になった!
【ダメージアップ】LV1が発生!
【命中アップ】がLV2になった!