リプレイ
ユヴィ・レリオ
◆アドリブ、合わせ歓迎です
ご飯いっぱい配るのにゃ~
おともだちとかも頼んで手伝ってもらうのにゃ
大天使様がここに来なさいって言って居ると聞いたのにゃ。
まずは、お腹いっぱい食べて元気になるのにゃ~
【口福の伝道者】で心奈萌が作った食事を食べて沢山増やし、振る舞う。
心奈萌の方が優しそうだからあとは任せ、自分は元気を振り撒く
口調
ユヴィ、相手の名前、にゃ、にゃん
佐々波・心奈萌
ユヴィ(g09587)さんと一緒に「ご飯を~
沢山作りますぅ~
二人でかついで来きたお鍋やお皿で暖かい具だくさんのポトフ作りましょぉ~
【おいしくなーれ】でほっこり美味しさ抜群のスープにパン、お米でおにぎりを作ります
「沢山食べてくださいねぇ~♪
え?何故食事をですかぁ~?
大天使様のお導きですぅ~…
(祈りを捧げる様にてを組み微笑みながら祈りのポーズをとり)
まずは、皆さんが元気になってくださればぁ~
大天使様もお喜びになってその先は、皆さんを導いてくださりますよぉ~
「そろそろですかねぇ~」
足音が二つ連なり、進んでゆく。目的地が子供でさえ探しに外に出かけようとするほどに食糧事情に切迫した村と言うことで、パラドクストレインから降りた佐々波・心奈萌(癒しの一時を・g10924)たちの背には食器やお鍋があった。
「多分あれだと思うのにゃ」
そうこうするうちに見え始めた村らしきものにユヴィ・レリオ(感情を知り真剣に生きてきた猫・g09587)はもう一息にゃと言って足を進め。
「到着しましたぁ~」
見慣れぬ人物の来訪に一部の村人が警戒した様子を見せるのにもかかわらず、到着するなり心奈萌は荷物を下ろすとマイペースに料理を始める。
「ご飯を~沢山作りますぅ~」
まずは食材の下ごしらえと具材になる野菜を切り始め。程よい大きさに切られた具材は水と共に鍋へ。火が熾されて鍋がかけられれば、村人の中に理解に及ぶ者も出た。と言うか、心奈萌自身も言っているのだ、ご飯を沢山作りますと。
「これは、どういう」
にもかかわらず説明を求めんとするのは、何のためにここで調理をしているかの理由についてまでの理解が及んでいなかったからで。
「ご飯いっぱい配るのにゃ~」
「え? あ」
同時進行で他にも何品か食べ物が作られる中、ユヴィが村人たちに振る舞う準備を見せ始めて、ようやく村人の一人が理解する。自分たちの為に料理を作っていたのだと。
「え? 何故食事をですかぁ~?」
理解が及んで当然の如く向けられた質問に心奈萌はキョトンとしたもののすぐに微笑み。
「大天使様のお導きですぅ~」
食器を置くと祈りを捧げるように手を組んで答える。
「そうにゃ、大天使様がここに来なさいって言って居たって聞いたのにゃ」
更にユヴィも頷いてちらりと心奈萌の方を見て。
「おい、どうする?」
「どうするって言ってもな……」
食べ物を差し出されて拒絶できるような状況でない村人たちからすれば、顔を見合わせた者こそ存在していたとしても結論は一つしかなかった。
「ほら、ちゃんと食べられるものなのにゃ」
とユヴィが実際食べてみせたこともある。もっともこちらは周囲を「ディアボロスが食事を摂ると、同じ食事が食器と共に沢山出現する」世界に変えたことで食べ物の数を増やそうとしてのことでもあったのだろうが。
「じゃ、じゃあ、貰ってもいいか?」
「はぁい、勿論ですよぉ~」
漂って来る匂いにも抗えなくて一人が確認すれば、心奈萌はおいしくなあれと味を向上させた料理を差し出して。
「……美味っ、何だこの料理は!?」
「そ、そんなにうまいのか!? お、俺にもくれ!」
「わ、わたしも――」
受け取った村人が一口食べて愕然としたのをきっかけに村人たちは口々に料理を求めだす。
「はいにゃ。まずは、お腹いっぱい食べて元気になるのにゃ~」
「沢山食べてくださいねぇ~♪」
ユヴィからすればもともと食べ物を振る舞いに来ていたのだから、動じることもない。スープにやパンなど増やした食べ物を次々に村人たちへ提供してゆき。
「うめぇ、うめぇよ」
「ありがてぇ、ありがてぇ……こんなに食べたのっていつぶりだ?」
幾人の村人がむせび泣く中、二人は手を止めず食べ物を提供し続け。
「こんなところかにゃ? ユヴィはこの後は村のみんなを元気づけるから」
「はぁい、お任せくださいねぇ~」
合間に言葉を交わせば、村人のほぼ全員の空腹を満たしたところで心奈萌が村人の前へ進み出る。
「お腹は一杯になりましたか~? こうして皆さんが元気になってくださればぁ~、大天使様もお喜びになりますぅ~」
「そ、そうなのか?」
「はぁい。そして、皆さんを導いてくださりますよぉ~」
お腹が減っていてはお話をするのも大変ですからねぇと再び手を組んで心奈萌は微笑んだ。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【口福の伝道者】LV1が発生!
【おいしくなあれ】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【リザレクション】LV1が発生!
「おい、どうした?」
ディアボロスを囲うようにして話を聞いていた村人の輪の中から、抜け出した一人を別の村人が呼び止めた。
「アイツを探しに行く」
足は止めずそれだけ答えた村人の腕の中には先ほど提供されたパンがあった。
「っ、そうか」
その村人の息子が食べ物を探しに行って帰ってきてないという事情を知っている呼び止めた方の村人もそれ以上かける言葉はない。もともと人探しに割く余力も村にはなかったのだから。
戌亥・辰巳
(トレインチケット)
「引き受けた。迷子の子供は見つけてみせる」
と、戌亥・辰巳(人間のデストロイヤー・g03481)が直接村人たちに請け負ったわけではない。食べ物を探しに行って戻ってきていない村の子供がいることは村人たちのやり取りを聞いて居ればわかることであったし、これとは別に村にはティーホンの巡回部隊が向かってきていることも解っていた。
「ねえとは思うがクロノヴェーダが村に来る前に見つけねえとな」
空腹で動けない場合、怪我をして動けない場合も想定して応急手当や水、食糧といった物資の準備が終われば、食料を貰ったことで口の軽くなっている村人から話を聞き、辰巳は子供の向かった方角に見当をつけて村を後にする。
「無駄足になるつもりはねえが、見つからねえとしてもこっちは捜索済みだって指標にはなるよな」
意外とあっさり見つからこともあるかもしれないが、逆になかなか見つからないこともあるとも思っているのか。いや、深く考えることより探すことに全力なのだろう。
「いねえな。子供の足でそんなに離れたとは思いにくい」
方向を変えるかと辰巳は呟いた。
善戦🔵🔵🔴🔴
効果1【操作会得】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV2になった!
朱鷺・遥
(トレインチケット)
「この状況、私の想定の内です……えへへ」
村を出て暫し、突然立ち止まり独り言を口にすると朱鷺・遥(はるかな時を越えて・g03508)は照れたように笑う。
「今の私、ちょっと軍師っぽかったですよね? それはさておき」
戦闘が得意でないかも、と自己認識する遥にとって応援に駆け付けた先で待っていたのがクロノヴェーダとの戦闘でないのは喜ばしいことであったのかもしれない。
「運動全般も苦手ですけど、今回はあくまで人探しですし、捜索に動いてるのも私だけじゃありませんから」
きっと迷子の子供は見つかると思っているのだろう。
「とは言えのんびりもしていられませんね。心細い思いをしてるかもしれませんし」
ぎゅっとこぶしを握ると他のディアボロスが探しているのとは別の方向に歩き始める。この調子で何人かのディアボロスが捜索に出ていけば捜索対象が見つかるのもおそらくは時間の問題だろう。
「子供の足ではそれほど遠くには行けてないでしょうし、足跡とか痕跡が残っていればいいんですが……こういう時こそ頭の使いようですよね? うーん」
視線を地面に落とし、時折唸ったり考えたりしつつ遥は進んでゆく。
善戦🔵🔵🔴🔴
効果1【操作会得】がLV2になった!
効果2【能力値アップ】がLV3になった!
祖母島・壱花
(トレインチケット)
立花・円
(トレインチケット)
「迷子の子供とのことですが、あの村に向かっているクロノヴェーダの隊もあるというのであれば――」
まさに時間との勝負。父親が行方不明の子供を探しに行こうとしていたほどだ、衰弱している可能性だってあるとするなら、祖母島・壱花(鬼人のデーモンイーター・g03502)の出した結論は単純明快。
「突撃あるのみです」
顔を上げると、クロノヴェーダに今から挑みかかるのかと言う勢いで走り出す、走り出して。
「あ、そうだ。探すなら他の皆さんとは違う方向ですよね」
殆ど勢いを殺さず、くいっと方向転換。村人の子供を探す壱花の突撃行はこうして始まった。
「邪魔です!」
行く手を塞ぐものがあれば特殊金属製の籠手が粉砕し、破壊跡は迷わない為のマーキングもきっと兼ねているのだろう。
「努力は結果を保証しないわ」
その背を眺めやってから、立花・円(人間のリアライズペインター・g03209)は口を開いた。
「だから、大事なのは努力のありかたと言いたいところだけど……」
件の子供を探しに向かっているのは円だけにあらず。
「楽観的な期待に基づく裏付けの無い行動は嫌いよ」
これと並んで考えの無い情や雰囲気に流される行動を何よりも嫌う円である。故に行動指針はその逆。悲観的ととるかどうかは人次第だが、最悪に近いケースを考え、感情を抜きにして向かうのは、ティーホンの巡回部隊がやって来るであろう方角。
「話の通りなら、巡回部隊の到着は村の問題を解決した後の筈」
時先案内人の情報で保障されているのはそれだけ。ならば、その内で一番最悪と言えるケースは子どもを連れ帰ってすぐ巡回部隊が到着するケースではないか。戻って来た子供に村人やディアボロスたちの注意が向く中、同じ方向から追いかけてきたかのようにティーホンの巡回部隊が到着する。
「あくまで『あって欲しくない』を突き詰めた顛末ではあるわ、それでも」
最悪のケースが外れたなら外れたで問題はない。
「……手がかりらしい手がかりは、ないわね」
歩き始めつつ時折地面なども確認して円は再び歩き出し、踏み出した足の下で食まれた地面が微かに音を立てた。
善戦🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
効果1【建造物分解】LV1が発生!
【液体錬成】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【反撃アップ】LV1が発生!
田淵・あゆみ
(トレインチケット)
「おーっほっほっほ! こちらは任せなさい! 吉報を持ち返ってくるわ!」
高笑いと共に宣言してマァト・アメミー(サキュバスのデーモンイーター・g08894)が村を離れてゆく。
「向こうは任せろ、俺が探してくるから大丈夫だ」
マァトとは別の方向に歩き出しつつ田淵・あゆみ(人間のサウンドソルジャー・g06882)は視界内の他のディアボロスへ他は頼むぜと声を残してゆく。とは言え出立したばかりではあゆみの視界内に進むマァトの姿もまだあった。
「流石にこの距離で見つかるなら人手はいらないよな」
呟いて確かめたのは、スタンダードなマイク。
「視線が通らないとこに居ることもあるって考えるなら、声を張り上げて呼びながら探すってこともあるかもしれねぇよな」
おあつらえ向きだぜと口にしたあゆみにとって声で誰かに伝えるのはやり慣れていることで、嗄れてても声は通るという自信もあった。
「あの高笑い聞いてる限り、あっちもその辺は大丈夫……だよな?」
まだ聞こえている高笑いにちらりもう一度マァトの方をあゆみは見て。
「そろそろ、か」
息を吸い込んだのは、マァトの姿が見えなくなってから。
「っ、おぉーい! 誰かいるかーっ!」
声を張り上げ、反応がないか周囲を見回してからあゆみは進む。
「おぉーい!」
残念ながら返答はなかったが、それでも再び歩みは声を張り上げ。
「おーっほっほっほ! なるほど、そう言うことですのね」
響く声はマァトにも届いていたようで、得心がいった様子のマァトもわたくしも負けてはいられませんわと大きく息を吸い込んだ。
「おーっほっほっほ! どなたかいらして? わたくしが探しに参りましてよ!」
高笑いは標準装備なのか。ともあれ、両者は声をあげて捜索活動を続け。
「おぉーい! 居ないかーっ!」
「おーっほっほっほ! どなたか居ませんのー?」
交互に上がる声の片方に高笑いが混じったこの若干シュールな光景もまたしばらく続くことになる。
善戦🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
効果1【現の夢】LV1が発生!
【壁歩き】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
廿楽・歌舞伎
(トレインチケット)
「これだけの人が動いてるんだから大丈夫、きっと見つけてあげる」
そうイザベラ・フォーサイス(赫を統べる・g06666)がいまだ帰らぬ息子の居る村人へ直接言ったわけではない。イザベラもまた他のディアボロス同様既に捜索へ出ていた。
「怪我してれば手当の用意は出来てるけど、必要ないのが一番よね」
「無論ぞ。されど……ですが、まずはその人を見つけないことには」
応じて言い直す廿楽・歌舞伎(舞えぬ楽師・g04895)へイザベラもそうねと頷きを返し。
「手分けして探しているのだから、そろそろ誰か一人くらいは見つけていてもおかしくないとは思うのよね」
「そうですね、それならわたしたちのどちらかが見つけてもおかしくはないということかもしれませんが」
「他が探してない方に来ているものね」
一理あるとしつつ、お互い以外人っ子一人見かけない景色を視界に入れてイザベラは提案する。
「ここから二手に別れましょ? たまたま探していたら合流する形になったけど」
「広範囲を探すならその方がよさそうですね。ではわたしは右を」
「わたしは左ね? わかったわ」
承諾して左に逸れるようにイザベラが進むと、暫くして見えてきたのは何かに粉砕された岩。
「ついさっき砕かれたばかりのような感じではあるし、クロノヴェーダの仕業と言うよりは味方の手によるものでしょうね。と言うことは、この辺りは誰かが探した後ってことね」
そうイザベラが二度目の方向転換をした頃。
「あれは……人であるか? いや」
歌舞伎は視界の中に人影を見つけつつも捜索対象ではないと即座に断じた。ディアボロスは同じ事件に関わる他のディアボロスの位置や状況、近い未来に起きる危機の予感を感じとれるが故に。
「おそらくは同じように村の子供を探している味方ですね。せっかくですし、情報交換してみましょうか」
同じ場所を二度探すことを避けるためにもと歌舞伎はまだこちらに気づいていない味方の方へ歩き出す。こうして情報は交換され、村周辺で未捜索の場所はどんどんと減ってゆく。帰らぬ村の子どもが見つかるのはそう遠くはないと思われた。
善戦🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
効果1【防衛ライン】LV1が発生!
【神速反応】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV3になった!

今咲・栄華
(トレインチケット)
「なんか結構出張ってるみたいだし、そろそろサクッと見つかってもおかしくね?」
幾人かのディアボロスと同感であるのか、今咲・栄華(ゲットワイルド退職・g00910)がそんなことを口にしたのは村を出て捜索中に他のディアボロスと出くわしたからだった。
「そうだねっ。これだけ仲間が居れば、もう大丈夫」
「リディルちゃんにまっかせなさい! 迷子を捜せばいいのね!」
応じたアンゼリカ・レンブラント(光彩誓騎・g02672)が周囲を見回せば、リディル・ヴェント(ゲットレディ・g00550)が自信ありげに請け負う。
「応急手当が出来る用意はしてあるし、食料も持った。あとは見つけるだけよ!」
こういう時に口福の伝道者で食べ物を増やせたのは助かるわねとリディルが口にしたのは持った食料が口福の伝道者によって増やしたモノであったからだろう。
「あ、ちょっといい?」
もうそのまますぐに出発していきそうであったが、そこをアンゼリカが呼び止め。
「さーて、じゃあ出発するよー! 何かあれば連絡してねっ」
「オーケー、もしこン中の誰かが見つけたらそこに集合ってことでェ、ヨロー」
現れたディアボロス専用の小型通信機を見せるようにしてアンゼリカが呼びかけると、これに応じたのは栄華。そのままアンゼリカとリディルの二人は出発してゆき。
「で、食べもン探して帰ってこないって話だっけ?」
だったら、と栄華はある方向へ進んでゆく。
「帰ってこられないってことは、何か帰れなくなってる理由があるかもだよね?」
一方で、アンゼリカは滑り降りることは出来ても登れない斜面を見かけるとその下を覗き込み。
「ここにはいないね。滑り落ちてたら怪我してるかもだし、いなくてよかったのかもしれないけど」
すぐに斜面から離れると、暫く進んで穴があっては穴の底を覗き込み。
「こっちもはずれ……この距離ならこっちの声が聞こえてるかもだから、居たら向こうから呼びかけてきてもおかしくないし」
ある程度穴の底には居ないという予想は出来ていたのかもしれない。にもかかわらず覗き込んだのは衰弱して声が出せなかった可能性もあると見たからか。
「今のところ連絡はないわね。と言うことは、見つけるのはリディルちゃんってことかしら?」
その頃、リディルもまた村の子供を探しつつ進んでいた。進みつつ時折こうして小型通信機を確かめていたが、誰かからの連絡はまだなく。
「これは……」
遭遇したのは何者かが岩を砕いたあと。
「いつの間にか誰かが探した場所と重なったということね」
捜索範囲が被ってることに気づいたリディルはすぐに転進する。
「捜索範囲が重なったということは、まだ探していない場所がそれだけ少なくなってきているということ! なら、発見も近いわね!」
足取りは軽く、周囲を撫でる視線は物陰などを経由して、捜索は続いてゆく。
「あら?」
小型通信機が反応したのはそれから少し後のことだった。
善戦🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
効果1【パラドクス通信】LV1が発生!
【断末魔動画】LV1が発生!
【モブオーラ】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV5(最大)になった!
【能力値アップ】がLV4になった!
天野・帷
(トレインチケット)

三間・勲
(トレインチケット)
新妻・月奈
(トレインチケット)
「やあ、私がきたよ」
時間はいくらか前に遡る。応援として村の側にやって来た新妻・月奈(ゆるゆる復讐者・g04111)は居合わせた他のディアボロスへと声をかける。
「こっちがエセ外国人系ジンの小泉サンで、向こうがコワイエセ関西弁任侠系メーラーデーモンの安田サンだ」
「僕は三間・勲です、よろしくお願いします」
傍らの同伴者を流れるように紹介し、これへ一切ツッコミを入れず三間・勲(漁火・g10186)はぺこりと頭を下げた。何というか、素直なのだろう。
「圏外……」
その一方で膝を抱えてぼんやりとした表情ながらもずーんと重いオーラを背負っているのが、天野・帷(電子端末依存症・g04186)。あらゆるデジタルデバイスの収集癖があるダウナーなガジェットオタクにとって文明の利器どころか人工物のほとんど見られない村の外はある種のアウェイだった。
「さっさと終わらせよ?」
その割にはすくっと立ち上がって歩き出そうとする辺り、冷静でもあるのだと思われた。
「大丈夫、探すのは僕たちだけじゃありません。他の人も既に探し始めてくれてるみたいですし」
「そうだとも! 戦うのは面どくさ……いや、他にも為すべきことがあるのではと思っていたところでね。それなりの人数が動員されているようだからたとえ私がちょっと休憩していたところで……」
勲の言葉に同意するや肩を竦めつつフランクに何やら月奈が続けようとした時だった。
「いた! やめたまえ安田サン !突くんじゃないよ! 横暴じゃないか!」
身をよじった月奈はメーラーデーモンに抗議するも、安田サンにやめるつもりはないらしい。
「わかった、わかったから、わかったとも! だから」
こうして物理的説得で捜索任務を行うことを了承し。
「その子が村に戻ってこないということは、途中で怪我をしたとかかもしれません。安全第一で行きましょう」
「そうだね、もっともだ。だから安全と言う意味でももう突っつかないでくれよ、安田サン?」
勲の意見へしきりに頷いて月奈はメーラーデーモンを見る。しっかりと獲物を月奈に向けていた。
「待て! 落ち着きたまえ! え? 『そう言うンはエエから働かんかいワレ!』だって?」
気だるげだった顔をさっきから引きつらせていた月奈は救いを求めるように周囲を見回し。
「小泉サン、助け……『WHY? 助けなければいけないのは行方不明のBOYの方デショー?』だって? いや、それはそうかもしれないがね?!」
頼りにならないと見て再び救いの手を差し伸べてくれそうな人物を探し、目が合ったのはタブレットを抱えた帷だ。
「早く帰りたい……から」
そして端末に埋もれたいとか思っているのだろう。件の村の子供を見つけて連れ帰れば応援として駆け付けた分の仕事は終わる訳で。
「わかった。帰らぬ子供さんを見つけるべく頑張ろうじゃないかキミ達」
「あっ」
何やら悟った表情で月奈が呼びかけると、勲が声をあげた。
「皆さん、これ!」
勲が示したのは枯れ枝に引っかかった糸。衣服から解れたと思しきものだった。
善戦🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
効果1【迷宮化】LV1が発生!
【修復加速】LV1が発生!
【避難勧告】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV3になった!
【ダメージアップ】がLV2になった!
佐々波・心奈萌
ユヴィ(g09587)さんと一緒
「お腹空いているのにぃ…食料を探しにですかぁ~。
急がないとですねぇ~…其なら私も先にぃ、探しに行きますぅ~。
【過去視の道案内】を使い追跡
持ち物の水筒にスープをついで、パンとおにぎりを持っていく
あとはユヴィさんから【パラドクス通信】で連絡して貰い、見つけ次第なるべく急ぎ村へ帰ります。
スープは歩きながらだと危ないので先に飲ませて、パンやおにぎりは帰りながら食べて貰います。
必要ならおんぶしてでも走ります。
歩きで問題ない場合。
「歩きながらでごめんなさいですぅ~。
でもぉ村の皆さん心配してましたからぁ急いで帰りましょぉ?
急がないといけない場合。
「体力には少し自信がありますぅ~。だからぁ大人しくおんぶされてください?
背中でゆっくり食べると良いですよぉ~♪
ユヴィ・レリオ
◆アドリブ、連携歓迎
今は取り敢えず人探しにゃね。
あと他に困ってあることはないにゃ?
何でも解決しちゃうのにゃ~♪
明るく、村人達を少しでも和ませるようにわざとおどけて、どや顔で少しでも大きく見える様に爪先立ちの仁王立ちで胸を張り転んで見せたりする。
人探しに行くときは心奈萌の【過去視の道案内】を借りる。
【パラドクス通信】で周囲の状況を判断し仲間と情報を共有する。
他にも困っていることがあっ場合共有し、優先順位の高い方から敵が来る前に片付ける
口調
普段は
ユヴィ、相手の名前、にゃ、にゃん
戦闘中は無機質な殺戮兵器
私、呼び捨て、言い捨て
「お腹空いているのにぃ……食料を探しにですかぁ~」
未だ村に帰らぬ子供が村の外に出た理由を口にし、佐々波・心奈萌(癒しの一時を・g10924)はちらり一度だけ村の方を振り返った。
「今は取り敢えず人探しにゃね」
隣に居るのは、ユヴィ・レリオ(感情を知り真剣に生きてきた猫・g09587)だ。二人が村を出てきたのはつい先ほどのこと。
「あと他に困ってあることはないにゃ?」
先ほど村の人々に食べ物を振る舞ったこともあって、そう出発前に村人を和ませるようおどけつつ情報収集をユヴィは行った。
「ユヴィたちが何でも解決しちゃうのにゃ~♪ うにゃっ?!」
どや顔をし、少しでも大きく見える様に胸を張り爪先立ちした結果ひっくり返って転んでしまいもしたが、これも和ませる為に敢えてしたことで。
「困ってることですか」
「うーん……急に言われてもなぁ」
子供が一人で食べ物を探しに行ってしまう程追い込まれていた食糧事情が解決したことで村人たちもすぐに困ったことは思い至らなかったらしい。
「アイツが、アイツが村の外に出たまま戻ってきていないんだ!」
ただ一人、件の子供の父親だけが例外だった。
「腹は膨れた。だから――」
「其なら私も先にぃ、探しに行きますぅ~」
とは言え探しに行った父親まで遭難してしまう可能性もある。すぐにでも子供を探しに行こうとする父親を制し、心奈萌たちは村を後にし、今に至る訳だ。
「急がないとですねぇ~」
水筒にはスープを入れ、パンなど食べ物と飲み物をきちんと用意して子供が見つかった時の備えも心奈萌はしっかりとしていた。
「うにゃ?」
加えて、村を出たところでユヴィの小型通信機が鳴り始め。
「……手がかりが見つかったみたいにゃ」
既に捜索に動いているディアボロスたちがそこを目指し集まってきていることもユヴィは心奈萌に伝えて。
「ひょっとしたら、もう見つかっているかもしれませんねぇ~」
「そうにゃね。探してる人も沢山居るみたいにゃし、あるかもしれないにゃ」
心奈萌の言葉に頷くユヴィの前に影が現れて、二人の道案内を始めた。捜索対象をあちらにこちらにと探し回る必要もない最短ルートだ。ある意味至れり尽くせりの行程をただただ進むだけ。
「あ、誰かいますねぇ」
やがて視界の中にチラホラ人の姿が見え始め心奈萌が声をあげたが、すぐに容姿や性別で自分たち同様に通信機で手がかり発見の報を聞いて集まって来たディアボロスであると判明し。
「ではこの辺りにいるのではぁ、と?」
「ユヴィたちも探すのにゃ」
集まっていた仲間から話を聞いて探し始めること数分。
「居ました」
誰かがそう声をあげて。
「お姉ちゃんたち……だれ?」
「私たちはぁ」
心奈萌は村に帰らぬ子どもを探しに来た者であると話した上で水筒から注いだスープを差し出すと。
「あ、ありがとう……飲んでもいいんだよね?」
「大丈夫ですぅ。ところで歩けますかぁ~?」
スープと自身の顔を交互に見る少年へ心奈萌は肯定してから尋ね。
「あ、うん。ゆっくりなら……何とか」
「でしたらぁ~」
ゆっくりと立ち上がろうとするのを見ると少年の前に背を向けてしゃがみ込む。
「体力には少し自信がありますぅ~。だからぁ大人しくおんぶされてください?」
「え、でも」
「村の皆さん心配してましたからぁ」
言外に急いで帰った方がいいと言えば少年も拒むことは出来なかった。寄ってきた少年に心奈萌は持っていたパンを渡すと。
「背中でゆっくり食べると良いですよぉ~♪」
そう言ってから少年を背に乗せ、村への道を引き返し始めた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【過去視の道案内】LV1が発生!
【パラドクス通信】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
【能力値アップ】がLV5になった!
「父さん、ごめん」
少年がディアボロスに背負われる形で帰還を果たしたのは、発見から数十分ほど後のこと。
「っ、心配かけやがって――」
少年の身体を受け取った父親が涙声で抱きしめたり、暫くして我に返ってディアボロスたちに礼を言うことになるのだが、これで一件落着とはいかない。ディアボロスたちにはまだすることがあったのだから。

山田・菜々
(トレインチケット)
ブレロー・ヴェール
(トレインチケット)
「情報の通りなら、間もなくやって来る」
ただじっとブレロー・ヴェール(Misère tue à l'abattoir・g05009)は前を見ていた。傍らに立つのは人形遣いとしての武器である蟷螂乙女。
「そろそろ、か」
まなざしを緋月・リィンシュタート(紅蓮迅雷・g01772)がやる先も同じ方向で、巡回部隊と言うだけあり、複数の人影が固まって進んで来るのが見て取れた。
「現れたようだな」
「さあ蟷螂乙女、贖罪の時間だよ」
リィンシュタートの声にただ首を縦にだけ振ってブレローは操り人形に呼びかけた。リィンシュタートも腰に佩いた量産型無刃機構刀『椋鳥』に手をかけ身体を傾ける。
「うん? なんだ、あ」
やって来た巡回部隊のクロノヴェーダ、ヴァンパイアヴァイキング突撃兵らにとってこの歓迎は青天の霹靂に違いない。
「この一刀に想いを懸けて……紅雷・一閃!」
自らの赤い雷を宿した身体で飛び出せば、同じ雷を帯びた椋鳥に形成された半透明の刃が驚愕を表情に貼り付けた先頭のヴァンパイアヴァイキング突撃兵を両断する。
「てっ、敵しゅ」
「さあ暴れ回れ、蟷螂乙女」
ワンテンポ遅れて状況を理解した別のヴァンパイアヴァイキング突撃兵が叫ぼうとしたところでブレローは敵の中へ蟷螂乙女を突っ込ませる。
「ぐああっ」
「ぎゃああっ」
爪の様に鋭く翼の様に舞う操り人形の脚技に刈られ何体かのヴァンパイアヴァイキング突撃兵らは悲鳴を上げ。
「おのれっ、よくも」
「助太刀に来たっす」
空間を歪ませ反撃に出ようとしたところで、聞き覚えのない声を耳にする。
「な」
「丸見えっす!」
弾かれた様に振り返ったところで目にしたのは、山田・菜々(正義の味方の味方・g02130)とエネルギーで出来た1/72スケールの爆撃機。迫りくる小さな爆撃機を反射的に目で追えば、それはヴァンパイアヴァイキング突撃兵らの頭上に来たところで形状に偽りなく爆撃を開始した。
「うぎゃーっ」
爆発に悲鳴と共に傷ついたヴァンパイアヴァイキング突撃兵が呑まれた。
「こっ、この……」
燻りながら倒れ伏したヴァンパイアヴァイキング突撃兵の一体が身を起こそうとするも、そこに影が差す。
「あ」
上げたヴァンパイアヴァイキング突撃兵の顔が縦に割れた。半透明の刃が帯びる雷が尾の様になびいて、斬り捨てたリィンシュタートは更に前へ跳ぶように進み。
「く、くそ」
「頭の上、無警戒っすよ」
「しま」
自分に迫るリィンシュタートへ構えたヴァンパイアヴァイキング突撃兵は横合いからの声で失敗を悟るも、菜々の射出する爆撃機型のエネルギーは無慈悲だった。爆撃がヴァンパイアヴァイキング突撃兵の上半身を襲い。
「ゆけ、蟷螂乙女」
耐えきったところで今度はブレローの操り人形が襲い掛かかった。
「ぐはっ」
「ちくしょう、こんな」
ばたばたとヴァンパイアヴァイキング突撃兵らは倒れ伏し。
「うおおおっ!」
辛うじて踏みとどまった満身創痍のヴァンパイアヴァイキング突撃兵が一矢報いんと血を思わせる紅いオーラを纏わせ突撃するもその背を追いかげる人影ひとつ。
「……紅雷・一閃!」
「が、あ」
高速の斬撃に追いつかれたヴァンパイアヴァイキング突撃兵は真っ二つに切り裂かれた。
善戦🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
効果1【一刀両断】LV1が発生!
【パラドクス通信】がLV3になった!
【迷宮化】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】がLV4になった!
【反撃アップ】がLV4になった!
濡羽・霊
(トレインチケット)
真崎・冬弥
(トレインチケット)
真宮寺・鏡火
(トレインチケット)
「敵襲? 不甲斐ない部下どもよ」
配下が襲われていることはすぐに巡回部隊を率いていたヴァンパイアヴァイキング・ザンギエルの知るところとなった。
「仕方な」
「さて、本当に部下が不甲斐ないだけかの~?」
ただ、前方の部下の元へ赴こうとするも、能わない。
「な」
「では、やろうかの☆」
自身の声へ振り返ろうとしたザンギエルを濡羽・霊(跪け、儂に。・g06581)は魔術で起こした凍てつく吹雪に包み込んだ。
「お~お~寒そうじゃの~」
「貴様っ、ふざけた真似をッ」
煽るような霊の様子に激昂しつつザンギエルは吹雪の中で激高しつつ両腕を広げてコマのように横回転し始める。反撃に転じるつもりなのだろう、ただ。
「視界を妨げられたぐらいで気づかんとはな、不甲斐ないのはお前も同じなんだよ」
「な、おのれ!」
視界が不十分な中、聞こえた真崎・冬弥(妖魔五剣・g02934)の嘲る声の方へ反射的にザンギエルは腕を振るう、おそらくは牽制の為。
「その技の返し方なら、妖刀が知っている」
まさかこの牽制に冬弥が合わせてくるなど露とも思わず。
「がああっ」
反撃の刃は容赦なくザンギエルの腕を斬り裂く。
「思い出せ。ディアボロスが来たぞ」
苦痛の声を漏らすザンギエルには、畏れを集めるようその名がクロノヴェーダにとっての脅威である事を示し。
「いや~援護ご苦労さんじゃ☆」
「指揮官を向こうと合流させるわけにもいかない、手助けさせて貰おうかな」
仲間には緩く頭を振ってそう告げる。冬弥にとって自身の怒りの為だけに戦う事は赦されないことだった。一度だけ、僅かにもう一つの戦いが起きているであろう方向に視線をやり、先ほど振るった刃をザンギエルの反撃に備え即座に構えて。
「そいやー」
「うおっ」
コマの様に回ったまま空間を歪ませて突撃してくるかに思われたザンギエルを襲ったのは、空から降って来た真宮寺・鏡火(鬼変化・g04914)が炸裂させるかかと落としではなく、痴面に炸裂したそれの余波。
「がおおおーん」
「ぐおおおおおっ?!」
粉々に粉砕しながら周囲のものを巻き上げる衝撃に巻き込まれてたたらを踏んだところで闘気を纏った鏡火のおたけびがザンギエルを空中に吹き飛ばす。
「ぐあーっ」
突然のことに受け身をとれずビタアァァァンと落下したザンギエルは地面に叩きつけられ。
「……あたしも加勢するね」
空中回転ジャンプで戦場へと現れた鏡火は居合わせた二人に告げた、その直後。
「こ、の、ふざけた真似をォォォ!」
地に伏したまま、起き上がるよりも早く吠えたザンギエルが空間を歪める。距離が空いていようとも関係なく跳ね起きるや否や再び回転を始め、突撃する。
「これぞ! 紅い! 竜巻だー!」
紅い竜巻或いは紅い渦潮の如き高速回転を伴うザンギエルの肉体が鏡火を襲う、かに思われた。
「まさか、こちらが反撃を想定していないなんて思わねえよな?」
「な」
いつの間にか鏡火の前に立っていた冬弥はこの突撃にも合わせる。
「ぐおおおおっ?!」
刃の軌跡に血の花が残った。
善戦🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
効果1【使い魔使役】LV1が発生!
【平穏結界】LV1が発生!
【強運の加護】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV6になった!
【ガードアップ】LV1が発生!
【リザレクション】がLV2になった!
ヴィハニール・アリャン
(トレインチケット)
南井・未希
(トレインチケット)
「なんかもうガチでやりあってんですケド?」
あたし間に合った、と南井・未希(超アゲアゲ↑全力ガール・g03256)は隣に居たヴィハニール・アリャン(綴り手・g03389)を見る。
「どうやら指揮官と配下のクロノヴェーダを分断してるようですね」
「あー、それで合流しないように攻めてる感じ?」
じゃあウチら十分間に合ってるねと口にして未希は視線を前へ。
「そうですね、間に合った以上は皆様の支援に回らな」
「めぇ!」
「め、メリーちゃん?! いえ、これは別に――」
頷いたヴィハニールが言葉の途中でメーラーデーモンのメリーちゃんの一鳴きにあたふたし出すが、こう、尻の下に敷かれていたりするのだろうか。ふわふわとヴィハニールから離れていったメリーちゃんはハート形の鞄から便箋を取り出すとこれを口元に運び咀嚼し出す。
「それで、始めちゃっても良かったりする?」
「は、はい」
首を傾げた未希はヴィハニールが首を縦に振るのを見ると、血を流す腕を押さえたヴァンパイアヴァイキング・ザンギエルへ翳すように手を向ける。ビリビリとした何かが未希の掌で火花を散らし。
「とりま圏外とかありえないっしょ!」
「ぐあああああっ」
不満と共に飛ばされた電波のようなモノに打たれザンギエルが絶叫する。
「おのれ、新でっ」
空間を歪ませ、振り向きかけたところでザンギエルの顔面に命中したのは、ヴィハニールが復讐の意思を具現化した武器。槍の形をとったのは普段メーラーデーモンとお揃いの、電気を帯びた槍を武器としてヴィハニールが使うから。
「めぇ?」
戦闘に加わる前のメリーちゃんとのやり取りがどうとかそう言うところは一切関係ないと思われる。メリーちゃんはメリーちゃんでもしゃもしゃ手紙を食べつつ観戦中の様であるし、おそらく。
「よくもやりおったな!」
怒りの形相でザンギエルは全身に血を思わせる紅いオーラを纏わせ空間を歪めた。戦いはまだ終わりそうにない。
善戦🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
効果1【操作会得】がLV3になった!
【パラドクス通信】がLV4になった!
効果2【能力値アップ】がLV7になった!
姫宮・ノエル
(トレインチケット)
「ちくしょう、どうなってんだ……」
悪態を口にしたヴァンパイアヴァイキング突撃兵が険しい顔で前を見やる。ヴァンパイアヴァイキング・ザンギエルが応援に駆け付けたディアボロスらに抑え込まれ配下との合流を果たせない中、配下であるヴァンパイアヴァイキング突撃兵らとディアボロスたちの戦いも続いていた。
「君たちにとっては窮地であるのは間違いないな」
「うるせぇ! んなことはわかってるんだよッ!」
冷静に事実の一端をヴィクター・リントヴルム(ドラゴニアンのレジェンドウィザード・g01290)が告げれば悪態をついたヴァンパイアヴァイキング突撃兵が激昂する。だが、ヴィクターにその憤りへ付き合う義理はなく。
「さて、私の魔術がどこまで通用するかな」
おもむろに膨大な魔力を宿した魔法使いの杖へ取り付けるのは、凍結弾精製装置。
「は?」
怒っていたのも忘れてヴァンパイアヴァイキング突撃兵は目を見開き。
「おま、それ……それ絶対に魔術じゃねえだろ!!」
「ふむ、貴重な意見に感謝する。だが、手心を加える理由にはならない」
自身を指さしつつ叫ぶ敵の姿に唸りはしたものの無情に告げ。
「だああッ、そうじゃねェェェッ!」
「別れの時が来たようだ」
兜があって頭を掻きむしれず地面を強く踏みつけて地団太するヴァンパイアヴァイキング突撃兵へ冷気を封じたミサイルは放たれた。
「「ぎゃああ」」
着弾、炸裂したミサイルの冷気が近くのヴァンパイアヴァイキング突撃兵らも巻き込んで被害をもたらし。
「てめぇ、よくも」
即座に空間を歪ませて反撃せんとするところで、ヴィクターは言う。
「別れの時が来た、と言った筈だが」
「なに」
何を、と言おうとしたのだろうか。
「大切な始まり。始まりは進む事。みんなに祝福の歌を……!」
「唐突に何なんだこの歌は!?」
いきなり周囲へ流れ始めた歌声に周囲を見回したヴァンパイアヴァイキング突撃兵が見つけたのは、アーリア・ティスティリア(微笑みを絶やさぬ少女・g03232)と傍らでともに歌うスフィンクスのサナキ。
「くそ、やめ……ぐはっ」
アーリアらが歌うのは、多くの人達に元気を与える歌。聴衆に元気を与え前進を促し、祝福を願う歌。ヴァンパイアヴァイキング突撃兵はアーリアの方へ手を伸ばしたまま崩れ落ち。
「お、おい」
倒れた仲間に別のヴァンパイアヴァイキング突撃兵が愕然と動揺する中で。
「ノエルも手伝いますね」
「な、新手がまだ――」
上がった自身の声に弾かれた様に振り返ろうとしたヴァンパイアヴァイキング突撃兵を姫宮・ノエル(空想トロイメライ・g03234)は見下ろす。その身体は背の悪魔の翼で空にあり、目の前には魔力の弾丸が放つ直前の状態で浮かんでいる。
「う、上」
「行きます!」
仲間への忠告か声をあげたヴァンパイアヴァイキング突撃兵も居た。
「うおおッ」
声に従い顔を上げながら体の一部が凍り付いたヴァンパイアヴァイキング突撃兵らが地面を蹴って跳んだが、ノエルの放った魔力の弾丸はこれを追尾する。
「「ち、ちくしょおおおおッ!」」
絶叫するヴァンパイアヴァイキング突撃兵らを魔力の弾丸が貫いてトドメを刺し、指揮官と合流を果たせぬままに数を減らしたヴァンパイアヴァイキング突撃兵らは更に追い込まれてゆくこととなる。
善戦🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
効果1【飛翔】LV1が発生!
【冷気の支配者】LV1が発生!
【口福の伝道者】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】がLV5になった!
【ロストエナジー】がLV2になった!
【凌駕率アップ】LV1が発生!
レイア・パーガトリー
(トレインチケット)
マヤ・フレイア
(トレインチケット)
「はぁ、はぁ、はぁ」
息も絶え絶えにヴァンパイアヴァイキング突撃兵が片膝を地面に着く。
「く、そ……」
よろめきながらもなんとか立ち上がろうとするヴァンパイアヴァイキング突撃兵の視線の先にあるのは仲間、そして。
「絶対に負けませんよ、いざ、勝負です!」
今にもその仲間へ挑みかからんとするマヤ・フレイア(自然の旋律・g01024)の姿だ。
「ふん、女子供とて容赦はせんぞ! こい!」
吠えてマヤと対峙していたヴァンパイアヴァイキング突撃兵は手招きし。
「それ、私も混ぜて貰っていい?」
自身の跨る無双馬のリンバスを操り踊り込んで来るのは、レイア・パーガトリー(竜胆・g01200)。
「逃がすわけにもいかないものね。お手伝いするわ」
マヤが何か言うよりも早くリンバスを寄せて来たレイアはヴァンパイアヴァイキング突撃兵を一瞥してから告げ。
「ぐぬぅ、誰が逃げるか!! 二人がかりでも構わん! かかって来るがいい!!」
「だ、そうよ」
激昂する敵の言にレイアはリンバスの鞍上でマヤをちらりと見る。
「あちらが良いというのでしたら僕たちがどうこう言うことでもありません。頑張りましょうね」
「そうね」
頷き応じたレイアは馬首をヴァンパイアヴァイキング突撃兵の方へ向け。
「来るか――」
「行きます!」
ヴァンパイアヴァイキング突撃兵は身構えるも、地を蹴ったのはマヤの方だった。伝承詩を元とした楽曲を歌いあげながら歌中の人物の様に駆け。
「しま」
「たあっ!」
「ぎゃあっ」
柄部分に竪琴を組み合わせた剣が閃くと失敗を察し引きつった表情のヴァンパイアヴァイキング突撃兵がすれ違い、傾ぐ。
「おの」
「……あ……す」
それでも地面に手をついて倒れるのを免れようとしたところで、レイアが何かしら呟けば、因果律が歪められ倒れず堪えたはずだったヴァンパイアヴァイキング突撃兵は近くのヴァンパイアヴァイキング突撃兵を巻き込んで爆発する。
「ちく、しょう……」
また一人味方が討たれた様を息も絶え絶えだったヴァンパイアヴァイキング突撃兵は見ているしかなく。
「辛そうだね」
「お、お前はっ?!」
そんな状況故に側まで来ていたストロベリー・メイプルホイップ(デンジャラスデカメロン・g01346)の存在に声を知覚するまで気づかず。
「人型、もしくは大きいぐらいの敵との戦闘は楽しいよね!」
「は? 何を言って……」
顔を上げただけ、そのままの姿勢でストロベリーの自論にヴァンパイアヴァイキング突撃兵は唖然とする。
「紳士的なのも良いけど、ちょっと暴力的なのも魅力的だし!」
「いや、何を言って」
まだ、理解していないのだろう。それとも理解がしたくないだけか。
「気持ちよく昇天させちゃうよ!」
「っ、舐めるなぁ!」
漸く自分を殺すつもりであることに気づいて激高したところからすると前者だったのだろう。
「ぐうああああっ、ん゛」
歯を食いしばり身を起こそうとするヴァンパイアヴァイキング突撃兵だったがいきなりストロベリーに口づけをされて抑え込まれ、下になってもがくも消耗した身ではストロベリーを跳ねのけることなどできず。
「おのれ、仲間の仇を」
「とれるかしら? その前に、爆発させてあげる」
他のヴァンパイアヴァイキング突撃兵はレイアとマヤの相手で手一杯。
「ん゛ー」
口を塞がれていたこともあって断末魔さえ上げられず、仲間に気づかれることもなく息絶えることとなったのだった。
善戦🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
効果1【液体錬成】がLV2になった!
【友達催眠】LV1が発生!
【勝利の凱歌】LV1が発生!
効果2【フィニッシュ】LV1が発生!
【先行率アップ】LV1が発生!
【ガードアップ】がLV2になった!
春原・春雨
(トレインチケット)
「さて、仕置きの時間と参りましょうか」
次々と現れる新手のディアボロス、討ち取られ数を減らしてゆく仲間、ヴァンパイアヴァイキング突撃兵にとってプターハ・カデューシアス(招福龍・g03560)の宣言へ凄みを感じたとしてもおかしくはなかった。
「もはや残敵掃討と言って過言のなさそうな状況ではありますが」
呟きつつもプターハは周囲を見回す。見つけるべきは、この状況下にありながらトループス級の同胞を隊としての瓦解から防ごうと動くような個体だ、ただ。
「おい、お前たち、平せ」
「かかってこい! 正々堂々、勝負だ!」
そのつもりであっても、状況が許すかは別問題らしい。周囲の仲間へ声をかけようとしていたヴァンパイアヴァイキング突撃兵が横合いからの春原・春雨(記憶喪失の王子様・g01554)
の声に動きを止める。
「くそっ」
敵として見られている以上、放置も出来なかったのだろう。
「いいだろう。先ほどの言、せいぜい後か」
「地の神よ、鉄壁の守りを与えよ」
「おそべっ?! ぐおっ?!」
そのまま春雨の方に向き直ろうとしたヴァンパイアヴァイキング突撃兵は突然地面から出てきた巨大な土竜に突き上げを喰らうと、吹き飛ぶことも許されずガッシリ足を捕まれる。
「待、待てなにべっ?!」
流れるようにヴァンパイアヴァイキング突撃兵の身体を叩きつけると何やらその場に壁を構築、満足そうに巨大土竜は地中に帰ってゆき。
「ええと……どうやらボクが戦うまでもない相手だったようだね」
不意を突かれて反撃も出来ぬままにこと切れてもう動かないヴァンパイアヴァイキング突撃兵をチラチラ見てからそう結論付け、春雨は次に挑むべき相手を探すことになるのだが。
「この様子なら、残敵を掃討していれば良さそうだな」
プターハと近い見解に至った両手に銃を持つディアボロスが一人。エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)は冷静に戦場を観察していた。
「あ」
片方は敵を探して、片方は敵だけでなく味方の援護も考えて戦場全体を観察していた訳だが、両者が視線を巡らせていれば偶然目が合っても不自然はなく。
「随分敵も減ってきているからな。向こうに生き残りが居る」
エトヴァは戦場の一方を示す。
「ありがとう。行ってみるよ」
春雨も礼を返して示された方に進もうとし。
「俺も行こう」
エトヴァは呼び止めて動向を申し出る。元より味方の支援も行動指針に入れていたのだ、ある意味予定通りの行動であり。
「くそ、次から次……うげ」
進むうちに二人に気づいたらしいヴァンパイアヴァイキング突撃兵が此方を見て顔を引きつらせても、エトヴァは顔色一つ変えず。
「――踊り明かせ」
両手の銃が火を噴いた。放たれた弾丸は縦横無尽に跳ねながら顔をひきつらせたヴァンパイアヴァイキング突撃兵目掛けて突き進み。
「ぎゃああっ」
収束する弾丸が命中し、断末魔を上げてヴァンパイアヴァイキング突撃兵は崩れ落ちる。
「水がボクたちを助けてくれるよ。行こう!」
春雨が目指すは傾ぎ倒れゆくヴァンパイアヴァイキング突撃兵の更に向こう、奥に居た別のヴァンパイアヴァイキング突撃兵で。
「勝負だ!」
水の妖精ウンディーネの力を借りて振りかぶった美しい岸の剣から圧縮した水の斬撃を放ち。
「うおおおっ」
狙われたヴァンパイアヴァイキング突撃兵は後ろに飛んで躱そうとするも、斬撃の軌跡が曲がる。
「んな、ぐああああっ」
絶叫があがり、傷から血を噴出させてヴァンパイアヴァイキング突撃兵は崩れ落ちた。
善戦🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
効果1【防衛ライン】がLV3になった!
【水面走行】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV5(最大)になった!

捌碁・秋果
(トレインチケット)
「間に合ったようだな」
ポツリ零し赤の双眸でいくつもの躯が転がる戦場をサーヴァ・メシチェリャコフ(羅刹卿・g07175)は撫でた。
「さあ、狩りを始めようではないか」
恐らく同意を求めてでも許可を求めてのことでもない。ただ獲物たる者らに告げただけで靴のヒールが鳴る。
「嘘、だろ」
ただでさえ追い込まれているヴァンパイアヴァイキング突撃兵らには新手の存在は悪夢でしかない。だが、サーヴァは止まらない。
「降り注げ」
止まらぬまま、手を空に翳すようにして命じれば、天空に展開した魔法陣から大量に血の武器が召喚される。パッと目に付くのは剣に槍だが形状は様々だ。もっとも、ヴァンパイアヴァイキング突撃兵らに形状を確認する余裕などなかっただろうが。
「ぎゃああ」
「ぐわーっ」
空に現れた武器は重力に引かれるかのように降り注いだのだから。運悪く命中したヴァンパイアヴァイキング突撃兵が血の武器で串刺しにされて悲鳴を上げた。
「なんだかすごいことになってるなぁ」
そこに現れたのは、捌碁・秋果(見果てぬ秋・g06403)。
「こういう絵画、どこかで見たことが……あ、そんなこと考えてる場合じゃないよね」
目の前にあるのは現在進行形で戦いが繰り広げられる戦場だ。
「この戦いも美術館を取り戻す一歩!」
薄い金属に細かい装飾を施したトランプ一式を手に上空に舞い上がれば、上からは秋果にも確かに見えた。
「お、のれ……」
地に倒れ伏しながらも最後の力を振り絞り、血を思わせる紅いオーラを纏を纏い空間を歪めて反撃に出ようとするヴァンパイアヴァイキング突撃兵が。
「がっ」
その生命を狙って投じた金属のトランプが断った。正確無比に眉間を割られたヴァンパイアヴァイキング突撃兵はもう起き上がらない。
「当たってくれた、けど回収しないとなあ」
まだ空の上で躯の頭部に刺さったトランプを秋果は見下ろして。トランプを拾おうと降下する前、同じ上空からの視界の中では別の戦いも起こっていた。
善戦🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
効果1【平穏結界】がLV2になった!
【飛翔】がLV2になった!
効果2【グロリアス】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV8になった!
橘樹・六華
(トレインチケット)
ユメ・キリハナ
(トレインチケット)
「道を遮るのなら押しとおるのみ! けど、これは……」
まばらに散った生き残りのヴァンパイアヴァイキング突撃兵、橘樹・六華(常葉雪片・g03430)が対峙しているのはそんな相手だった。
「くそっ、何だってんだ……」
仲間はディアボロスたちに次々討ち取られ、自身の前にも六華が居る。自分も地に倒れ伏す仲間と同じ運命を迎えると察したヴァンパイアヴァイキング突撃兵は落ち着きなく周囲を見回すが。
「殲滅せねばならないなら、同じことかな」
「っ」
手にした刃は柔らかな光を放ち、動き出す六華を見ればヴァンパイアヴァイキング突撃兵もただ視線を彷徨わせるままではいられない。おそらく自身を襲うことになるであろう六華の七支刀を注視し。
「がはっ」
その胸に七支刀以外の武器が生えていた。
「な、ん」
自分の命を奪うことになったのが六華の復讐の意思を具現化したものであることに気づいたかどうか。武器を投じるのに使った手で六華は天帝の剣の柄を握る。
「うおおおっ」
「っと」
血を思わせる紅いオーラを纏わせ、肩に倒れた仲間同様に武器を生やしたヴァンパイアヴァイキング突撃兵の突撃を両手持ちした天帝の剣で六華は受け止め。
「なんだ、助けるまでもなかったか」
ぼそりユーゼスト・タウルスカイ(仕えるものなき破戒執事・g07140)が零した場所は空中。
「そらよっ」
「ごっ」
強靭な四肢と翅で跳躍し空にあったユーゼストの渾身の蹴りが突撃を受け止められたヴァンパイアヴァイキング突撃兵の首をへし折る。もんどりを打ちながらヴァンパイアヴァイキング突撃兵だったモノは転がり地面に幾度か跳ねて。
「随分数も減ってるようだしな、もうこの辺には居ないか」
倒れたはずみで恨めし気に視線を向けてくるヴァンパイアヴァイキング突撃兵の骸には一瞥もせず、着地するやユーゼストは周囲を見回し。
「いや」
視界の端に捉えたのは、ユメ・キリハナ(緋月花・g09938)と満身創痍のヴァンパイアヴァイキング突撃兵の姿。
「どのような命であれ、想いというものほど尊ぶべきものはありません」
明らかに消耗し、今にも倒れそうでありながらも立ち続ける敵を前にユメは口を開き、言葉を続ける。
「喜怒哀楽、どれに関しても貴賤はなく、胸の奥で脈打つものが私たちを動かすというもの。……ですから、敵対するあなたの思いもまた否定はしません」
黙ったままのヴァンパイアヴァイキング突撃兵の傷口から滴った血が地面を汚した。
「ただ認められないから、刃を握って向け合うだけ。……刃を持たずとも拳を握り固めて戦う方も居られるようですが」
目的が同じならば武器の使用不使用、種別などは大差ないことなのであろう。
「どちらかが花のように落ちて散るとしても、だとしても――そう抱く思いもまた、切実で大事なものでしょう?」
「……話は、終わりかよ?」
ヴァンパイアヴァイキング突撃兵が無言で居たのは、少しでも体を休めるためであったのか。
「……そうですね」
ユメは見ていた、後のない状況に置かれたヴァンパイアヴァイキング突撃兵が身構えるのを。
「吐息のような刃は、さながら詠うように」
決着はあっという間だった。一息ですぐ前に至ったユメが踏み込みながら振るう剣技をヴァンパイアヴァイキング突撃兵に防ぐ術などなく。
「ぐああああっ」
途絶えることなく幾度も翻る剣閃に刻まれた身体は地に倒れ伏して二度と動かず。躯の下からは赤が広がり出していた。
善戦🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
効果1【落下耐性】LV1が発生!
【操作会得】がLV4になった!
【一刀両断】がLV2になった!
効果2【能力値アップ】がLV10(最大)になった!
風見・茜
(トレインチケット)
藍染・瑠璃
(トレインチケット)
イオナ・ガルバローゼ
(トレインチケット)
「行くぞ福丸、敵の殲滅だ~!」
声とともに視線を投げた先に風見・茜(サイボーグのバウンサー・g10800)はパンツァーハウンドである福丸が一鳴きして応える姿を見た。敵は味方によって次々討たれ数を減じている。殲滅と言うのも決して大言壮語の類ではないだろう。
「歴史をめちゃくちゃにする敵さんはやっつけちゃおうね」
「ぐ」
フルフェイスマスク越しに見られたヴァンパイアヴァイキング突撃兵が怯むのは、茜の口にした殲滅という単語と福丸とともに自身へ向けた視線から自分が討たれる未来を少しでも頭によぎらせてしまったか。
「やってやる! こんなところで――」
「よーし福丸、左!」
自身を奮い立たせる為にヴァンパイアヴァイキング突撃兵が吠える途中で茜が指示を出せば、答えるように鳴いた福丸は茜から離れ、ヴァンパイアヴァイキング突撃兵の右側へ回り込み。
「うぐっ、挟み撃」
「援護は任せた!」
挟撃を察して自身と福丸を交互に見るヴァンパイアヴァイキング突撃兵を視界に入れたまま、敵の向こうの福丸に声をかけた茜が仕掛ける。
「しま」
福丸の方に注意が逸れたタイミング、慌てて振り返ろうとするヴァンパイアヴァイキング突撃兵が見たのは、自分へ迫りくる高熱の火炎。
「うぎゃあああっ」
「ぐぎゃああっ」
火炎は勢いのままに他のヴァンパイアヴァイキング突撃兵まで焼き。
「ぐ、う…… ウラーッ!」
炎に包まれたまま生き残った片方が全速力で走り出す。
「ああ、まだ敵さん残ってたのね。なら」
その様子を見ていた藍染・瑠璃(妖狐のデストロイヤー・g04183)は正しき歴史と共に消えた砲兵達の幻影を引き連れ、一応尋ねた。
「あたしがやっちゃうよー?」
「お願いしちゃってもいい?」
茜からしても味方の加勢を拒む理由なんてない。茜が頷いた瞬間、瑠璃の引き連れていた幻影は一斉に砲撃を開始した。
「っぎゃあああ」
火炎に焼かれて相当に消耗していたのだろう、ひとたまりもなかった。手負いのヴァンパイアヴァイキング突撃兵はあっさり消し飛ばされ。
「殲滅させねばならない以上、戦いは避けられませんか」
同様にディアボロスが未だ生き残っているヴァンパイアヴァイキング突撃兵を討つ戦いの一つにイオナ・ガルバローゼ(空染めの一輪・g07485)は居た。
「わたくしの属する血盟の為にも、仕えるご主人様の為にも、ここで討たせていただきます」
「ぐぅ、俺は……他の奴とは違う! 殺られて――」
たまるかとヴァンパイアヴァイキング突撃兵へ叫んで駆けだすと、イオナもまた走り出す、互いが互いに向かって走る形だった。
「うおおおおっ」
両者が近づいているのだから互いの距離がほぼゼロになるまでもあっという間のこと。イオナの手の表面が凍てつく闇を帯び、ヴァンパイアヴァイキング突撃兵はやや前傾姿勢で助走によって勢いをつけ。
「何故真っすぐ、こいつも突げ」
似通ったことを考えていたのかと見たヴァンパイアヴァイキング突撃兵はその思い違いへすぐに気づかされることとなった。
「ぐわぁっ」
イオナは自分の被害も鑑みず、確実に敵に触れたかっただけで、悲鳴を上げるヴァンパイアヴァイキング突撃兵の身体はイオナの手に触れたところから凍てつく闇に包み込まれてゆく。
「ウラーッ!」
「かふっ」
凍てつく闇に覆われ体温と生命力を奪われつつも殺されぬ勢いのままにヴァンパイアヴァイキング突撃兵がイオナの身体を跳ね飛ばすも、そこまでだった。
「さむ、い……お、れ」
数歩更に進んで倒れ伏したヴァンパイアヴァイキング突撃兵はもう動かなかった。
善戦🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
効果1【熱波の支配者】LV1が発生!
【隔離眼】LV1が発生!
【寒冷適応】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】がLV4になった!
【先行率アップ】がLV2になった!
桃代・萩一郎
(トレインチケット)
岩社・リン
(トレインチケット)
「戦うのは得意ではないけども――」
そんな桃代・萩一郎(口福もふもふキムンカムイ・g02703)の目から見ても敵の劣勢は明らかだった。かといって一体とて逃がすわけにはいかない状況下だ。
「食べられそうな相手だったらよかったのになぁ」
美味しいものに目のない萩一郎ではあるが、完全に人型のヴァンパイアヴァイキング突撃兵はただ倒す相手でしかない。
「働いた後のご飯は美味しいって聞くし」
むしろ帰還してから何か食べようと考えることで戦いに向けてモチベーションを上げた萩一郎は未だ戦う味方の援護へと動き出す。
「出遅れたかしら? 解体できそうな相手もあんまり残って居なさそうね」
残念だわと言うセレスティン・ウィンディア(蒼穹のステラ・g06011)の独白を聞いてしまったヴァンパイアヴァイキング突撃兵の心境はどのようなものか。
「じょ、冗談じゃねぇ!」
周りを見回しても動く仲間が視界に入ってこないヴァンパイアヴァイキング突撃兵は顔をこわばらせる。表情には解体なんて御免だと書いてあるようで。
「あ、居た居た」
「っ」
自分に向けられたセレスティンの声に肩を大きく跳ねさせた。
「畜生! こうなったらやってやらあ!」
「活きがいいじゃない」
観念した、訳ではないだろう。もはや自分を見つけたセレスティンを倒さなくては活路がないと見たヴァンパイアヴァイキング突撃兵が己を奮い立たせ拳を握り締め。
「その力、お借りします」
「は?」
後ろから聞こえた声に思わず振り返る。そこに居たのは、萩一郎。取り出した熊の毛皮をかぶった萩一郎であったはずだ。動作の度に体を軋ませ、凄まじい威圧感を伴っていたが。
「ぎじっ」
ただの一撃、ただの一撃でヴァンパイアヴァイキング突撃兵は地に叩き伏せられた。
「先を越されてしまったわね」
なんてセレスティンの声を地面にめり込みながら聞いたヴァンパイアヴァイキング突撃兵は土に爪を立て。
「うおおおっ」
軋む身体を無理させながら跳ね起きる。
「な」
開けた視界に映ったのは、予想外のものを武器としてこちらに向かってくる途中だった、セレスティン。
「お、おま」
予想外と言うよりも、予想したくないモノであったのかもしれない。
「他の人が倒したものに手をつけるのはどうかと思ったけど、こちらならもうあちこちにあるものね」
敵かっすると仲間だったモノの一部を手に血まみれのセレスティンは距離を詰める。自身の武器が何であるかに気づいて硬直したヴァンパイアヴァイキング突撃兵はまだ動き出せておらず。
「ぐええええっ」
それも、断末魔があがったのと同じ戦場でのこと。
「覚悟は良いか?」
パワードスーツ型ガジェットウェポンに身を包んだ岩社・リン(人間のガジェッティア・g08357)は携行式の機関砲を片腕を力なく垂れさせたヴァンパイアヴァイキング突撃兵へ向けていた。
「ふん、一矢報いる覚悟ならなぁ!」
垂れていない方の腕一つで身構えすぐに飛び出せるように身体を前へ傾ける。顔を露出しないパワードスーツ型ガジェットウェポンのヘルメット越しにリンもヴァンパイアヴァイキング突撃兵を見据え。
(やります)
両者ともに静の時間は長く続かない。向けていた携行式の機関砲が火を噴いたその時、ガジェットアーマーに内蔵していたマイクロミサイルの発射口と散弾砲が露出し、一斉に発射されたのだ。
「ウラーッ!」
片腕が使えずこれだけの攻撃を捌くのは無謀だった。着弾から生じる爆発に呑まれながらヴァンパイアヴァイキング突撃兵は吠える。命を落とそうが一撃を叩き込むという気魄で爆発に消えて。
「食ら」
「そこまでよ」
「ごっ」
空間を歪ませてリンの前に現れた片腕と片足がないヴァンパイアヴァイキング突撃兵は予想もしない方向から飛んできた仲間の骸と激突、崩れ落ちた。
善戦🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
効果1【強運の加護】がLV2になった!
【怪力無双】LV1が発生!
【建造物分解】がLV2になった!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!
【ダメージアップ】がLV6になった!
橙・夕晴
(トレインチケット)

雪定・千草
(トレインチケット)
「雨は……降らないかな」
この場に駆け付ける途中で橙・夕晴(レイニーキャット・g10607)はちらり空を見上げそう呟いていた。むせかえる血の臭いがした、と言う程ではない。だが、たどり着いた先では敵の骸の周りに血だまりが出来ているものも見受けられ。夕晴の両耳は微妙にへにょんと伏せているようで。
「うん、やることをやろうか」
視界の中にまだ立つ敵の姿を認めれば、先ほど空に向けた意識も前方へ。
「あ、新手だと!?」
両手の指先に鉤爪状のオーラを宿しようやく自身を見つけて驚きの声をあげたヴァンパイアヴァイキング突撃兵へ近づく。近づきながら目で居た光景にはもう一人、居て。ヴァンパイアヴァイキング突撃兵が驚いたのは、先にそちらの人物と戦っていたのかもしれない。
「そちらだけ見ていていいのですか?」
ただ、もう一人こと雪定・千草(霞籠・g03137)の投げた言葉は、おそらくヴァンパイアヴァイキング突撃兵を思ってのものでもなかった。
「っ」
千草の存在を思い出して反射的にヴァンパイアヴァイキング突撃兵は振り向きかける。それが大きな隙を作った。
「がっ」
夕晴の腕が振るわれ、鉤爪状のオーラが無防備なヴァンパイアヴァイキング突撃兵の背を引き裂く。
「っと」
返り血を避けるようなバックステップで夕晴はそのまま距離を取るも、敵の反撃に備えてではない。間合いを取ろうと空間を歪ませ反撃を行えるのが、逆説連鎖戦。故に敵と距離を置いたのは別に理由があって。
「もう好き勝手には、させない」
翳した手から千草が氷の花を放つ。
「しま」
無防備なところを引き裂かれよろめいたヴァンパイアヴァイキング突撃兵はこれを躱せず、その身に命中した氷の花は触れた場所からヴァンパイアヴァイキング突撃兵の身体を凍てつかせ、血を吸い上げて紅蓮に染まってゆく。
「ぐ、う」
二人分のパラドクスに耐えきれず、大きく揺れたヴァンパイアヴァイキング突撃兵は崩れ落ち、下敷きにされた氷の花が砕けて割れた。
善戦🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
効果1【猫変身】LV1が発生!
【冷気の支配者】がLV2になった!
効果2【ダブル】LV1が発生!

珠々院・アンジュ
(トレインチケット)
「敵ですね。敵である以上殺しましょう。楽に死ねると思うなよ」
無表情の珠々院・アンジュ(エントゾルグングフルーフ・g05860)が口を開き淡々と喋り出した時、ヴァンパイアヴァイキング突撃兵は顔をひきつらせた。
「ふ、ふざけんな!」
なんで自分だけがと言外に語っているようにも見えるのは、楽にかどうかはさておき、既に死んだ仲間の骸が散見される状況だったからかもしれない。
「ちくしょう、ただじゃあ死なねぇ! 来いよ! てめぇも道連」
「甘いですね、チョコレートケーキに練乳ぶちまけるくらいスウィートですね」
壮絶な笑みを作って吠えようとしたヴァンパイアヴァイキング突撃兵へ変わらぬ無表情のまま言うや高速抜刀術でなまくらで刃こぼれしたなまくらをアンジュは振るう。
「おぶっ?!」
『斬る』というより『抉る』一撃はヴァンパイアヴァイキング突撃兵の両ひざを地面につかせるには十分すぎた。
「ぐ」
苦痛に歪んだ顔でそれでも倒れ伏すとまで行かないヴァンパイアヴァイキング突撃兵を見つめるアンジュは変わらず無表情のまま。
「いや、良かったです。存外楽に死なせてしまうのではとも思ったのですが、そんなこともないようですね」
血を思わせる紅いオーラを纏わせ、ヴァンパイアヴァイキング突撃兵がすぐさま反撃に出ようとしているのが見えてもアンジュの危惧は別の所にあるようだった。
善戦🔵🔵🔴🔴
効果1【腐食】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV7になった!
ユヴィ・レリオ
◆アドリブ、合わせ歓迎です
ネメシス形態で純白の翼を背に生やし、口角を上げアバタール級にも聞こえるくらいのおおごえで
「大天使様の使いに何をする…この輝く翼が見えないのか?」
っと声をあげて走り抜ける。
武器は[hidden]を人工では製剤出来ないがコレなら可能なので純銀製の刀の双剣に変え
【クリーナースプラッシュ】で
清水の弾丸を無数に撃ち出し敵に当てながら、双剣を振るう
「一匹も逃さない…浄化してやる…」
仲間の位置は常に把握撃のタイミング等を合わせる
感情が欠落しているので何の迷いもなく自分の怪我にも一切厭わず積極的に行動し攻撃する
口調
戦闘中は無機質な殺戮兵器
私、呼び捨て、言い捨て
「あ、あいつら」
気が付けば、味方は何処にもいない。いや、躯となったものは地に転がって散見されたか。怯えた様子のヴァンパイアヴァイキング突撃兵の身体に傷があるのは、ディアボロスと刃を交えたのであろう。
「……どこにゆく?」
口角を上げてユヴィ・レリオ(感情を知り真剣に生きてきた猫・g09587)は問うた。
「お、おま」
大声を上げて戦場を走る様をどこかで目撃した居たのかもしれない。後ずさりするヴァンパイアヴァイキング突撃兵を視界に入れたまま、ユヴィはその身を彩るアクセサリーを双剣に変化させると死体転がる戦場の土を蹴った。
「ちくしょーっ!」
そのまま斬りかかって来ると思ったのであろう、軌跡から逃れるべくヴァンパイアヴァイキング突撃兵の目はユヴィの両手にある銀色の刃を追おうとしたが。
「べっ」
顔面に直撃したのは、浄化の力を帯びた清水の弾丸。
「一匹も逃さない……浄化してやる……」
事実、無数に撃ち出された清水の弾丸は着弾がまだのものだけでもヴァンパイアヴァイキング突撃兵の退路を断っていた。
「うおおおっ」
血を思わせる紅いオーラを纏わせ、ヴァンパイアヴァイキング突撃兵が吠えた。残る清水の弾丸を喰らってもただでは終わらないとばかりに走り出す。
「ぶばっ」
だが、包囲網を抜けること能わず。一発、二発と弾丸を受けるたびに失速し、空間を歪ませユヴィへと一気に距離を詰めたがもはや突撃の態を為していない。
「ぐ……は」
足を縺れさせてずぶ濡れのまま倒れ込んだヴァンパイアヴァイキング突撃兵のまわりに血だまりが広がり始め。
「次だ」
死体一つ残して歩き出したユヴィが向かった先。
「これが最後らしいな」
「う、……うぅ」
抉られたような傷跡を見せるヴァンパイアヴァイキング突撃兵が仰向けで倒れ込み、呻いていた。もはや戦う力もない様で、それでいて敢えてトドメを刺さずに残してあるようだった。とは言え、息絶えるのも時間の問題に見られ。
「ここがお前たちの終着点だ」
何の迷いもなく一撃を見舞い。
「後はこれらを率いていた者だけか」
もはや命を刈り取った相手を見ることもなく、ユヴィは歩き出すのだった。
成功🔵🔵🔵🔴
効果1【クリーニング】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】がLV2になった!
宵星・影晃
(トレインチケット)
ヴィオレット・プリュネ
(トレインチケット)
陳・修賢
(トレインチケット)

宮尾川・ライラ
(トレインチケット)
「部下どもと分断すれば勝てると思ったか? この程度の傷で倒れはせんぞ!」
吠えるヴァンパイアヴァイキング・ザンギエルはこの時点ではまだ気づかなかった、部下の壊滅も壊滅した部下たちに充てられたディアボロスが何名であったのかも。
「お前たちを返り討ちにし部下どもと合流すれば、それまでだ! この程度の敵戦力など容易く突」
「そう思い通りに行くでしょうか」
突破して見せると言おうとしたザンギエルの言に宵星・影晃(人間の陰陽師・g03235)は被せるように口を開き。
「新手? ふん、たがが一人増えたところで――」
「独力にては大業成らず。私一人ではありませんよ」
鼻を鳴らしたザンギエルに頭を振ってみせた。それを肯定する科の如く、馬蹄が地を刻む音が連なって。
「な」
驚きの声を漏らしつつも振り返ったザンギエルの顔を無双馬である疾風号の鞍上で陳・修賢(人間の特級厨師・g03221)は見ることとなる。
「間に合ったようだな」
「うぐっ」
まだザンギエルとの間には距離があったが、騎馬の足ならすぐに肉薄できる程度であり、顔を歪めたザンギエルの視線は修賢の装備した馬上槍へと向く。馬上の人物が騎乗戦闘を想定した武器を持つのだ、意識がそちらに行くのは当然だろう、だが修賢は疾風号を駆けさせつつも馬上槍をザンギエルに向ける様子は一切なく。
「戦闘? ……もちろんできるさ。主として『疾風号』が、だがな。さて」
「は?」
疑問の色を帯びた訝しむ様な視線を浴びた修賢が乗騎を示すとザンギエルはぽかんと口を開け唖然とする。無理もないと言えば無理もない、しかも修賢はただ乗っているだけでなく鞍上の上で料理まで始める始末。
「ふざ」
「はむ」
ふざけているように見えはしたかもしれないだが、馬上での料理は瞬時に完成し、出来立ての料理を一口食べた修賢の身体からは高まった闘気が溢れ出て。
「美味いぞぉぉおおお!」
「なん」
理解が追い付かないザンギエルに美味三昧砲として撃ち出された闘気が直撃する。
「ごはああっ?!」
想定外の間合い、予想もしなかった一撃にザンギエルは吹っ飛ばされ空へと投げ出された。
「今です!」
過去より伝えられた知識と優れた観察眼にこの機を逃すなと訴えられて影晃は護符の束をばらして投じる。空中を舞う最中では避けることも能わず、護符はザンギエルの剥き出しの上半身に張り付いて。
「ぎゃああっ」
「さあ、追撃を!」
追い打ちをかけられる形だが、促すように影晃が声を発したのもありディアボロスらの攻勢は止まらない。
「ごっ」
「負けられないのよ――かつての仲間達の、人々の怒りがある限り! どんな手を使ってでも、復讐するって決めたんだからッ!」
故に敵が起き上がるどころか背中から地面に叩きつけられた直後であっても宮尾川・ライラ(蛇姫・g03335)に容赦するつもりなどなかった。赤く輝く右目に残光の尾を引かせながら地を蹴って肉薄すると、異常発達した金色の髪が蠢きながら無数の刃を形成し。
「メッタ斬りにしてあげるわ!」
「がっ、ご、ごあっ、がああっ」
一つ目が、二つ目が、三つ目が。髪の刃は次々にザンギエルへ襲い掛かり切り刻んでゆく。傷から飛び散る血は地面を汚し。
「ぐ、おおおっ! この……ん?」
痛みに歯を食いしばり、空間を歪めて反撃に出ようとしたザンギエルは聞く。どこかから響くリコーダーの音色を。
「私の愛、受け取っていただけますか?」
吹いていたリコーダーからヴィオレット・プリュネ(サキュバスのリコーダー使い・g03579)が口を離したのは、そう問いを発した短い間だけ。再びリコーダーを吹き始めれば、僅かなりとも音色に意識を取られたザンギエルへ桃色の風を放つ。
「うぎゃああっ」
風に乗るリコーダーの音色が帯びるのは失った仲間への愛であり、クロノヴェーダにとっては呪詛そのもの。魅了の魔力と化したソレは傷を負ったザンギエルの精神を蝕み始め、ザンギエルは地面の上でのたうった。
善戦🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
効果1【書物解読】LV1が発生!
【現の夢】がLV2になった!
【口福の伝道者】がLV3になった!
【活性治癒】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】がLV5になった!
【ガードアップ】がLV3になった!
【ドレイン】LV1が発生!
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎
少年が無事に見つかって良かった……
吸血貴族と大天使の内輪揉めなら大歓迎だが
まずはティーホンを誘き出さないとな
配下を倒したので、指揮官のほうへ合流しよう
満身創痍のようだが、油断せずに行こう
仲間がいればPD通信して連携、包囲の位置取りへ
ザンギエルの動きを観察しつつ把握
絵筆でその姿を宙に描き出し、分身を操ってPD攻撃
効果2をのせダメージ、命中、ガードアップ等を活用し攻防
体術が得意そうなので、分身と本体を取っ組み合わせよう
プロレス技が得意なようだが、露出した腹に一撃膝蹴りなど
敵からの回転しながらの突撃は、突撃の軌道をよく観察し
魔力障壁を張り、オーラの竜巻から身を護りつつ
後退しながらタワーシールドを構えて突撃を受けとめ、勢いを受け流す
紅い竜巻とは言ったものだなあ
その衣裳といい、赤にこだわりがあるんだろうか……
ところでヴァイキングさん……
その恰好では寒くないのかな?
素朴な疑問はさておき
隙を看破しザンギエフの分身に止めの一撃を打たせる
さて……ティーホンはどう出るか
作戦が上手くいくといい
アンゼリカ・レンブラント
少年を父親のもとに届けて、
クロノヴェーダも着実に追い詰めているね
それじゃ、張り切って幕引きだ!
ネメシス!戦乙女風姿となって真向から挑むよっ
【パラドクス通信】で連絡を密に、
共に戦う友に援護を、あるいは挟み込むことをお願いし
協力して攻めるね
最大まで高まる【能力値アップ】等を頼みに
パラドクスの肉弾戦で近接戦を挑む、格闘戦っ
ネメシス形態では筋肉はないけどね
身につまる奪還の志は十分に補い体格を凌駕するのさ!
POWで積極的に共に戦う友にディフェンスを行う
そして反撃の機を得てさらに痛打を浴びせるよ!
拳に蹴りに、相手の投げから逃れて逆に投げたりと
パラドクスの格闘攻撃も変化を意識し攻めるよ
仲間との時間差攻撃など、連携することでの変化も勿論ね
追い込んでいても油断せず最後まで確実にダメージを重ね
フィニッシュは全力全開っ!
《光獅子闘拳》の一撃で粉砕を狙うよ
私達の心の光、最大まで輝けぇっ!
決着し時間あればネメシス形態のままで村人に接触、
(羽があるし大天使と言っても通じたら嬉しいね)
もう大丈夫とお話できるといいかな
「少年が無事に見つかって良かった……」
無事に行方不明だった子供が村へと戻ったことを思い出しつつエトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)は次の戦場へ向かっていた。
「少年を父親のもとに届けて、クロノヴェーダも着実に追い詰めているね」
「ああ」
同行するアンゼリカ・レンブラント(光彩誓騎・g02672)の言葉に頷きで応じ。
(吸血貴族と大天使の内輪揉めなら大歓迎だが、まずはティーホンを誘き出さないとな)
胸中で呟きながらも進めば、標的の元へたどり着くまではあっという間だった。もともと配下との間を分断しただけで距離としては離れていなかったこともある。救援機動力を用いずともたいして時間は掛からぬ距離で。
「それじゃ、張り切って幕引きだ!」
視界の中に地面でのたうつヴァンパイアヴァイキング・ザンギエルの姿を認め、声をあげたアンゼリカが戦乙女風の姿へと変わりながら真っ先に突っ込んでゆき。
「満身創痍のようだが、油断せずに行こうか」
どうしかけるかを打ち合わせていたエトヴァはアンゼリカを援護すべくザンギエルの姿を観察しながらその後背へと回り込む。
「おのれ、また新手か」
声が聞こえてか近づいてきたからか地面に転がっていたザンギエルが身を起こそうとする様も見えていて、絵筆を手にその有様を宙へと描き出す。
「はああっ」
黄金獅子状のオーラを帯びたアンゼリカが手甲に包まれた拳を握り締め、振りかぶって殴りかかる。格闘戦を挑んできたようにザンギエルには見えたことだろう。事実アンゼリカもそのつまりで騙す意図はない。ただ、ザンギエルには気づいていないことがあっただけだ。
「ふん、その程ごっ」
応戦しようとしたザンギエルの腹へと突き刺さる膝蹴りはエトヴァが描いたザンギエル当人のイラストのもの。
「ぐ、う」
予期せぬ襲撃にたたらを踏んだのは二歩。膝をつくのをこらえ、顔を上げ。
「これぞ! 紅い! 竜巻だー!」
叫びながら両腕をラリアットの形で広げ、コマのように回り出す。イラストを嗾けたエトヴァとザンギエルの間には距離があったが、空間を歪ませて反撃が可能な逆説連鎖戦において両者の間の空間は欠片も安全を保障してはくれなかった、ただし。
「そうはさせないよっ!」
一瞬のうちに距離をゼロに伴ったオーラの色によって紅い竜巻の如き姿となったザンギエルの突撃がタワーシールドを構えて後退するエトヴァに届くまさに寸前、アンゼリカが割り込んだのだ。
「っ」
流石にこの近さとタイミングでは軌道修正など不可能で、アンゼリカとザンギエル、両者はぶつかり合う。
「くぅっ」
「ぬぐっ」
アンゼリカを粉砕とならなかったのはここまでで痛手を負っていたのとアンゼリカが割り込んできたことによる目測のズレも原因か。
「紅い竜巻とは言ったものだなあ。その衣裳といい、赤にこだわりがあるんだろうか……」
どことなく感心した態の声がアンゼリカの向こうからかけられて。
「ところでヴァイキングさん……その恰好では寒くないのかな?」
「やかましいわぁぁぁぁっ!」
素朴な疑問を投げかけられたところでザンギエルの怒りは爆発する。反撃の突撃をとめられた段階で腹に据えかねるところがあったのかもしれない。加えてぶつかった当事者でないエトヴァからアンゼリカ越しに何か言われたのだから激昂しても無理がないとまではいかなくとも、仕方ないのかなぐらいには思えるところもあったかもしれない。
「ただね、目の前の相手を忘れるのはいけないよっ」
「はばっ」
怒声を発してエトヴァに注意が逸れていたザンギエルはアンゼリカの拳を防ぐことも避けることも出来なかった。
「ぐえっ」
そうして殴ったかと思えば蹴りを見舞い、よろめいて視線がブレたザンギエルが目にしたのは腕を組んで出番を待つイラストのザンギエル自身。
「この」
アンゼリカをどうこうできてもすぐに描かれた自分が襲って来るであろうということは理解しながらも反撃すべくザンギエルはアンゼリカへ掴みかかりに腕を伸ばし。
「そう来ると思ってたよっ」
「しま」
弾かれた腕を逆に捕まえられたザンギエルの身体が宙に舞う。
「がっ」
逆に投げ飛ばしたザンギエルを地面に叩きつけるとアンゼリカはザンギエルの腕から離した手を握り締め、油断は一切せずに追撃する。
「さぁ受けてみろ、黄金獅子の一撃をっ! 私達の心の光、最大まで輝けぇっ!」
「ぐああああっ」
全力全開の拳がザンギエルへ突き刺さり、絶叫を上げながらもザンギエルは腕を伸ばし。
「この位置なら逃が、さん! 今度こ」
一矢報いんとアンゼリカの腕をつかみかけたままザンギエルは吹っ飛んだ。エトヴァが描き紅い竜巻の如く回転しながら突っ込んで来た自身の絵に跳ね飛ばされて。
「……終わったようだ」
短い浮遊の後でぐしゃり地に落ちたザンギエルはもう動かず。
「さて……ティーホンはどう出るか。作戦が上手くいくといい」
巡回部隊を壊滅させたことでこの後のことにエトヴァが思いを馳せる一方。
「もう大丈夫とお話できるといいかな」
ちらりアンゼリカは村の方を見る。こうして一つの村がディアボロスらによって救われ、村に向かっていた巡回部隊は一人の生存者を残すこともなく、村にたどり着くこともなく壊滅したのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【液体錬成】がLV3になった!
【怪力無双】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】がLV8になった!