リプレイ
死妖姫カーミラ――その名をディアボロスが知ったのは、一昨年の夏。サンクトペテルブルクはエルミタージュ美術館の探索を、強行した折。
そして、モスクワはクレムリンにて、吸血宰相『ウラジミール・ココツェフ伯爵』を撃破したのは、昨年の夏であった。
翌夏を迎える前に、ディアボロス達は再びクレムリンに踏み入る。モスクワ解放の為に、そして、エルミタージュ美術館の女主人であったヴァンパイアノーブルを討ち果たす為に。
括毘・漸
残虐極まりない行いもここまでです。
幾多の人々を手に掛け、その身に血を浴び、血を啜り、あまつさえ遺体からも尊厳を奪った。
悪逆を成し、悪政を布くのも終わりですよ。
銀のサーベルを口に咥え、二振りのナイフを両手に握る異形の三刀流を構え、敵を見据える。
最後まで仕える主に命を預け忠義を尽くすのは感心しますが、これまでの行いを見過ごす訳にはいかないんですよ。
トループス級と言えど、ジェネラル級の周りを固める親衛隊、無闇に突っ込むのではなく、周囲と攻撃のタイミングを合わせて強固な壁を打ち抜きましょうか。
そうなると、壁を打ち込む楔が必要でしょうからボクが先鋒を務めます。
なに、獲物に喰らいつくのは得意ですから問題無しです。
敵集団に駆け寄り、三振りの刃を一気に叩き込む【猟犬之斬・惨斬禍】を発動させ敵の連携を崩しにかかる。
こちらが悠長に手首を切り裂く暇を与えると思ってますか?
そんな事をさせる前に、あなた方をここで斬り伏せます。
猟犬はどこまでも獲物を追い掛けます。
それがどんなに高い壁であっても、牙を突き立てます。
レオニード・パヴリチェンコ
ん。長く続いた戦いの詰め
最後まで確実に、全力で、挑もう
ここで必ずモスクワを解放してみせる
追い詰めたとはいえ、敵も精鋭
まずは護衛から排除する
戦いは勢いや流れも大事、一直線にクレムリン舞踏室を目指し、踏み込むの同時に先制攻撃を仕掛ける
狙いは同時に突入した仲間と合わせて、初撃で与えるダメージを大きくしよう
まずは足から狙い、機動力を確実に奪う
戦闘が本格化し始めたら、傷の多い敵から狙い、着実に敵の数を減らしていこう
敵からの攻撃は腕の動きを見て、鞭の動きを予測
パラドクスを避けることはできないけれど、それでも急所を避けたり、傷を抑えることはできる
コートを盾にしながら鞭を受けつつ、一気呵成に攻めていく、よ
ここで足を止めるつもりはない
死妖姫カーミラ、ここで貴女を討つ
(「ん。長く続いた戦いの詰め。最後まで確実に、全力で、挑もう」)
クレムリンの各防衛拠点の制圧に向かうラスプーチンの部隊の侵入に乗じ、ディアボロス達は一路、舞踏室へ急ぐ。死妖姫カーミラは、其処に居る。
「ん。あそこ、かな……」
豪奢な大扉を遠目に、レオニード・パヴリチェンコ(“魔弾卿”・g07298)は一旦立ち止まり、息を整える。
「ここで必ず、モスクワを解放してみせる」
「ええ、残虐極まりない行いもここまでです」
チラと周囲を窺い、括毘・漸(影歩む野良犬・g07394)と頷き合う。小柄な少年が抱えるのは、M1891/10"Freikugel"――魔弾を装填した狙撃用ライフルだ。
「幾多の人々を手に掛け、その身に血を浴び、血を啜り、あまつさえ遺体からも尊厳を奪った……悪逆を成し、悪政を布くのも終わりですよ」
冷ややかに吐き捨てる漸が両手に握るのは、二振りのナイフ。
「そう言えば、親衛隊が死妖姫の周りを固めているんですっけ……トループス級とは言え、『壁』に打ち込む楔が必要でしょうから、ボクが先鋒を務めます」
獲物に喰らいつくのは得意ですから――軽口のついでのように、銀のサーベルを咥える。異なる三刀流を構える青年の横顔は、さながら猛犬の風情か。
――――!!
息を合わせ、大扉を蹴破らん勢いで舞踏室へ飛び込んだ。
――慚愧は戦慄の眼光となり、意志を剣と成せ。
漸の背中に、血と炎で形作られた猟犬の二首が顕現する。
斬撃連結――壱頭、弐顎、参首。左右の猟犬は銀のナイフを咥え、漸自身のサーベルに続き、合計三連の斬撃が奔る。
地の精よ、穿て――。
間髪入れず、銃声が立て続けに響いた。горный――即ち、鉱山という呼称に違わず、地の精を宿した魔弾は硬質の金属によるコーティングで、貫通力を高めている。
(「戦いは、勢いや流れも大事……」)
先制攻撃とばかりに、ブラッディサクリファイスの足を狙うレオニード。まず、親衛隊の機動力を確実に奪うべく。
「此方が悠長に、手首を切り裂く暇を与えるとでも……ッ!?」
迅速に斬り込み、敵の反撃そのものを阻止したかった漸だが、逆説連鎖戦の攻撃と反撃は同時に生じる。
ブン――ッ!
赤黒の鞭が、三方からのたくり、迫る。襲撃を認めるや、親衛隊は誰一人として躊躇せず、自身の手首を掻き切っていた。己が血を以て、最期まで麗しき女主人を護る為に。
(「最後まで仕える主に命を預け、忠義を尽くすのは感心しますが……これまでの行いを、見過ごす訳にはいかないんですよ」)
ウォーターカッターと化した血鞭に肌を裂かれながら、漸は敵を斬り払う。救うべき未来の為ならば、猟犬は牙を突き立て、どこまでも獲物を追い掛けるのだ。
軍用防刃外套を翻しながら、無論、レオニードも此処で足を止める心算はない。
「……っ」
脈動を以て操られるブラッディウィップの動きを、予測するのは中々に難い。それでも、急所を避けてダメージを抑える事は出来るだろう。
何より、レオニードのパラドクスが具える残留効果は【ガードアップ】。齎された肉体の堅固は、これからの戦闘の確たる力となる筈だ。
(「着実に、数を減らしていこう」)
親衛隊の向こうに死妖姫の姿はあるが、流石に『壁越し』は分が悪い。漸の動きに合わせ、傷の多い敵から狙撃していくレオニード。
(「死妖姫カーミラ、ここで貴女を討つ」)
断固たる決意を胸に、少年を紅の双眸を眇める。一気呵成に畳み掛ける好機を、見定めるべく。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【アイテムポケット】LV1が発生!
【使い魔使役】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎
モスクワの諸悪の根源……為政者にあるまじき行いの数々
死妖姫カーミラを打倒し、街の窮状を改善させる
貴女がたも、砕け散った剥製の少女たちと大差ないというのに
……言っても無駄なようだな
ならば望むままに、盾の忠義を見届けよう
戦況を観察しつつ敵の位置と動きを把握
仲間と声掛け連携を取ろう
舞踏室に立ち入るまま、壁を背にし対峙
親衛隊がカーミラの傍を離れぬのなら立ち位置を利用して、一角から切り崩していく
散開した場合は味方の死角を補うように立ち回る
Wandervogel・ヴァイオリンを演奏し、PD攻撃
情熱の律動を刻み、燃え上がる火焔を操り、包み込むように攻撃
美しさを好む主に、鎮魂の音色を捧げよう
少女達やその家族達の無念を、業火の中で知れ
狙いを合わせ着実に撃破
指示を出したり連携の起点になる個体を優先し
一撃で倒せる敵>消耗した敵の順に撃破
敵の攻撃には、手首を裂く動作を看破し
魔力障壁で血霧を払いながら、息を潜めつつ装備のガスマスクを閉じ軽減
弓を引く手を止めず、焔で血霧ごと蒸発させるように反撃を放つ
アンゼリカ・レンブラント
エルミタージュ美術館でカーミラと邂逅したのは去年の夏かな
次こそ決着と、友の言葉が思い出される
多くの仲間同様ずっとずっと討ちたいと思っていた相手だ
今日がその時、さぁ全力で戦い抜こう
宮殿舞踏室に仲間と踏み込み、
出来るだけ動きを合わせてパラドクスの閃光と衝撃波を叩き込むっ
反撃も盾と障壁でしっかりと受け止める
その変幻自在な血剣は見切るのも難しいけど、
体に詰まった奪還の志を両断するには勢いが足りないね!
切り込んだ後は一撃離脱して敵に囲まれるのを防ぎ、
足を使って仲間と攻撃を合わせられる位置取りを心がける
攻撃の際はできるだけ倒せそうな敵個体を巻き込むよう斬るよ!
消耗した相手を倒すと同時に他も削っていければねっ
全力全開、《光剣閃波》で切り伏せる!
親衛隊を片付けたら……
コレクションルームなら、飾られている美少女の剥製に黙とうを
その後で気合を以て死妖姫に相対しよう
貴女は以前の逢瀬の折、ディアボロスを制し撃退したと
思っているかもしれない
その時には見せられなかった力を今日はお見せしよう
さぁカーミラ、終焉の時だよ
躍るような仕草の剥製の美少女達が点在する中、ディアボロスとヴァンパイアノーブルの間を、パラドクスが交錯する。
(「モスクワの諸悪の根源……為政者にあるまじき行いの数々」)
壁を背に立ちながら、エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)は磨き上げられた床に散る『破片』に目を留める。
「貴女がたも、砕け散った剥製の少女たちと大差ないというのに」
「……」
親衛隊――ブラッディサクリファイス達の表情は一切変わらず、言っても無駄とすぐに知れた。
「ならば望むままに、盾の忠義を見届けよう――踊り、謳え、心の儘に」
『Wandervogel』と銘した、古色艶めくヴァイオリン。人の手から手へ、時代を超えて歩んできた音色が、煌めく炎を生む。
(「美しさを好む貴女がたの主に、鎮魂の音色を捧げよう……犠牲となった少女達やその家族達の無念を、業火の中で知れ」)
それは、エトヴァが内に秘めた情熱と感情の発露。律動を刻んで燃え上がる火焔が、三方に分かれて白き少女らの肢体を包む。
――――!!
悲鳴すらものびやかに響き渡る。同時、炎上しながら溢れ続けるブラッディサクリファイスらの手首の血潮が、霧状に散じる。
「く……」
急ぎ魔法障壁を巡らせ、ガスマスクを閉じるも、防ぎ切れぬのがパラドクスだ。さして吸い込んでいない筈が、ジクリと身の内から灼かれるような心地に眉根を寄せるエトヴァ。
「どんな相手でも、この光剣で叩き斬るよっ。負けるもんかーっ!」
エトヴァに狙いを定めんとした親衛隊の一角が、次の瞬間、閃光と衝撃波に薙ぎ払われた。
「私の体には、奪還の志が詰まってる。両断するには、勢いが足りないね!」
毒の血霧までも吹き飛ばし、アンゼリカ・レンブラント(光彩誓騎・g02672)は誇らかに言い放つ。変幻自在なるブラッディブレードの反撃にも、凛と顔を上げて強気の姿勢を崩さない。
(「死妖姫カーミラ……多くの仲間が、ずっとずっと討ちたいと思ってきたヴァンパイアノーブル」)
Day Braek of Leo――黄金の大剣を構え直す少女より、獅子のオーラが立ち昇る。
「さぁ、全力で戦い抜こう!」
「了解。一角から切り崩す」
その背中を頼もしく見やり、エトヴァも又、ヴァイオリンを奏で続ける。情熱の旋律が操る猛炎で、敵の得物たる血潮すら蒸発させる勢いで。
次こそは決着をつける――一撃離脱で敵の包囲を警戒しながら、アンゼリカの脳裏に友の言葉が過る。
(「カーミラ、貴女はエルミタージュ美術館の邂逅の折、ディアボロスを制し撃退したと思っているかもしれない」)
その時は見せられなかった力を、今日こそ見せよう。
――――♪
時に歯切れよく、切なげに。戦場に真剣を交るが如く、命運を賭すが如く。エトヴァの調べが巻き起こす焔の嵐は、標的を示す導。
「全力全開、切り伏せる!」
焔の軌跡を追い、アンゼリカの光剣閃波が他を巻き込んで、親衛隊に引導を渡していく。
(「黙とうは……全てが終わってから、だね」)
視界の端に剥製を認めながら――ジェネラル級を前に、隙は見せられない。
「さぁカーミラ、終焉の時だよ」
「貴女を打倒し、モスクワの窮状を改善する」
アンゼリカとエトヴァの宣戦布告に、死妖姫カーミラは可憐な唇を戦慄かせる。憤怒に染まった血色の視線は、事切れ床に崩れ落ちた親衛隊の少女らに、終ぞ向けられる事は無かった。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【水中適応】LV1が発生!
【泥濘の地】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV2になった!
【能力値アップ】LV1が発生!
「ディアボロス……よくも!」
いよいよ、舞踏室に佇むのは、ディアボロス達と幾らかの少女の剥製、そして――単身の死妖姫カーミラ。
「いつも、いつも、下賤の分際で、わたくしの邪魔をするなんて」
白皙の頬は紅潮しているものの、ヒステリーを起こして取り乱す様子はない。
あくまでも優雅な貴婦人の佇まいで――初の邂逅の時もそうだった。怒りの度が過ぎれば、激情を呑み込み、鋭利な殺意を血花と咲かせて。
――――。
死妖姫の周囲で暗赤が揺らぐ。模るは茨、禍々しき薔薇。広々としている筈の舞踏室が、鉄錆の死臭に噎せ返った。
レイラ・イグラーナ
……自らを守って死んだ配下たちに目もくれませんか。
それが彼女の愛なのか、それほどまでに怒りが心を満たしているのか。
ちらりと護衛たちを見たのち、【通信障害】を使用した上でカーミラへと語りかけます。
随分とお怒りですね。
エルミタージュ美術館からずっと、私たちにしてやられているのが腹に据えかねているのでしょうか?
それとも……身内に騙され、裏切られたことへの怒りでしょうか?
彼の計画、その全容は私たちも知りませんが、私たちにも利があるため一時的に利用しあっているだけのことです。
ですが、彼がこうして表舞台に立ったことで分かることもございます。
七曜の戦以降、貴女たちの派閥は私たちに勢力を削られ過ぎた。
現在の吸血ロマノフ王朝において、彼の力と影響はもはや無視できるものではなくなったということでしょう。
裏切りが露見しても、断片の王も直属の配下も、ラスプーチンを許さざるを得ないほどに。
そう楽観的な推測を口にすることで、カーミラから反論という形で喋らせ、ラスプーチンの生存が露見した場合の対応を予測します。
フルルズン・イスルーン
獅子身中の虫、というには断片の王のやり方が短絡的だったね。
与えられた情報量の差かは知らないけど自分の足を食うクラーケンは強大でも船を捕らえられないのだ。
では真実とブラフと嘘の時間だ。
さて、もう誰の差し金でボクらがここに居るのかは気づいてそうだけど。
敢えて言おう、ラスプーチンであると!
これは不忠でなく戦略上の懸念が大き過ぎたんだろうね。ロマノフの為のではあるだろうさ。
少なくともキミは他日和見派閥の意見は聞いてるからその辺の感触は詳しいんじゃない?
そして、かの怪僧と冬将軍とバアル・ゼブルが組んで王位の簒奪を狙ってる! 外様のバアル・ゼブルはさておき、冬将軍はロマノフへの忠義溢れる人格だったからよっぽどだったんだろうね。(嘘だけど。)
ボクらとしては内輪もめで削れるのは歓迎だ。少なくとも民の被害は少ないし、最悪戦力的にラスプーチンを倒す方が簡単だからね。(と甘く見てるフリしたら奥の手漏らさないかな?)
ま、今ここで果てるキミには関係ないことか。
かくて怪僧は容易く盤面を進めるんだろうねぇ。
「随分とお怒りですね」
伏して動かぬ親衛隊の少女らを一瞥し、レイラ・イグラーナ(メイドの針仕事・g07156)は粛々と指摘する。
(「……自らを守って死んだ配下たちに、目もくれませんか」)
親衛隊の懸命も献身も、死妖姫カーミラにとっては享受して当然という事か。
(「それとも……周囲に気が回らぬまでに、怒りが心を満たしているのでしょうか」)
傲慢なるヴァンパイアノーブルの心情など、レイラには知る由もないけれど。カーミラが怒り心頭であるのは確かだろう。
「エルミタージュ美術館からずっと、私たちにしてやられているのが、腹に据えかねているのでしょうか?」
表面は静かに見えようとも、怒りは沈着を損なわせるものだ。ラスプーチン派の『耳』を警戒して残留効果【通信障害】を展開しながら、レイラはその憤激に付け込み探りを入れる。
「或いは……身内に騙され、裏切られたことへの怒りでしょうか?」
「……」
「さて、もう誰の差し金で、ボクらがここに居るのかは気づいてそうだけど」
今はまだ、カーミラも剣呑に紅眼を眇めるのみ。すかさず、芝居がかった声が響き渡る。
「敢えて言おう、ラスプーチンであると!」
大仰に両腕を広げて見せて、いっそ愉しげに口を開くフルルズン・イスルーン(ザ・ゴーレムクラフター・g00240)。
(「では、真実とブラフと嘘の時間だ」)
「彼の怪僧と冬将軍とバアル・ゼブルが組んで、王位の簒奪を狙ってるのさ!」
(「これは、嘘だけど」)
「……バアル・ゼブル?」
漸く聞き咎めたのか、眉根を寄せたカーミラは冷ややかに吐き捨てる。
「たかが、極東から落ち延びたアークデーモン風情……野心を語るのすら烏滸がましい」
明らかに、下に見ている口調だ。或いは、危険視の必要性も覚えぬ程、バアル・ゼブルについて知らないのかもしれない。
「ま、外様のバアル・ゼブルはさて置き、冬将軍はロマノフへの忠義に溢れていたから、よっぽどだったんだろうね」
「そう……冬将軍も、耄碌の演技をしていたということかしら」
死を偽装したラスプーチンに対して、冬将軍は「シベリアを失陥し力が衰えたが、何とか寒冷化を維持しようとしている」という名目だった。
「忌々しい……冬将軍がラスプーチンの味方なら、雪の女王もどう出るかわからなくなるわ」
耳を澄ませるフルルズンに聞こえてきたカーミラの呟きは、思わぬ情報を得て懸念が漏れたか。
(「よし、もう一押し」)
「でも、ラスプーチンだって不忠でなく、戦略上の懸念が大き過ぎたんだろうね。ロマノフの為のではあるだろうさ。少なくとも、キミは他日和見派閥の意見は聞いてるから、その辺の感触は詳しいんじゃない?」
まさか、知らないって事は無いよね? ――と言わんばかりに、フルルズンはニンマリと笑む。
「ええ、死んだふりをして、ディアボロスを使ってまで、ラスプーチンはわたくし達を追い落とそうとしている……それは、確かでしょう。けれど、お生憎様ね。『王位の簒奪』が戯言なのは、判っていてよ」
カーミラの声音は平静の儘だ。その両手が、ギリギリと赤薔薇の鞭の柄を握り締めていたとしても。
「あの破戒僧が、皇帝陛下を裏切るなんてあり得ない。寧ろディアボロス、用済みになって裏切られるのは貴方達の方よ!」
「彼の計画、確かにその全容は、私たちも知りません。私たちにしても、利がある間だけ、一時的に利用しあっているだけのことです」
煽るようなフルルズンと対照的に、レイラはあくまでも慇懃な言葉遣いだ。
「ですが、彼がこうして表舞台に立ったことで分かることもございます……七曜の戦以降、貴女たちの派閥は私たちに勢力を削られ過ぎた」
カーミラの表情を、仕草を、見落とさぬよう、ジッと凝視したまま、淡々と言葉を続けるレイラ。
「ま、今ここで果てるキミには関係ないことだけど。斯くて怪僧は容易く盤面を進める、って訳だねぇ」
ヒクリ、とカーミラの片頬が引き攣る。
「……まるで、ディアボロスを利用してわたくし達を一掃する為、敢えてラスプーチンは主導権を手放した、とでも言いたそうね?」
「さぁて、どうだろうねぇ? まぁ、ボクらとしては内輪もめは歓迎だ。更にぶっちゃければ、ラスプーチンの方が民の被害は少ないだろうし……戦力的にも、キミ達を倒すより簡単だからね」
「現在の吸血ロマノフ王朝において、ラスプーチンの力と影響は、もはや無視できるものではなくなったということでしょう……喩え裏切りが露見しても、断片の王も直属の配下も、許さざるを得ないほどに」
楽観的な推論を口々に――2人はつぶさにカーミラの反応を窺う。
(「甘く見てるフリしたら、奥の手漏らさないかな?」)
(「同意にしろ反論にしろ、これで、ラスプーチンの生存が露見した場合の、主流派の反応は予測出来る筈です」)
「……フフ、フフフ。それで、怪僧ラスプーチンを利用しているつもりかしら?」
果たして、カーミラは苦笑を零す。
「ディアボロスこそ、ラスプーチンに良いように使われているの間違いでは無くて?」
紅の視線に混じるのは、憐れみと嘲りか。
「力で圧倒して倒せる程度ならば、そも七曜の戦まで、わたくし達がラスプーチンの後塵を拝する事などありはしなかったわ」
ディアボロスは思い返す。怪僧との直接対決は交渉から始まった――ラスプーチンの厄介さの本質は、戦力に無いという点は既に知る所だろう。
「わたくし達の派閥が、これ以上弱体化するならば……皇帝陛下とて、ラスプーチンに乗り換えるかもしれない。ディアボロスがいつ、あの破戒僧に足元をすくわれるか、楽しみだこと!」
(「乗り換える……?」)
表情を変えぬ内で、怪訝を覚えるレイラ。吸血ロマノフ王朝の断片の王『吸血皇帝ニコライ2世』は、七曜の戦を機に、方針を転換した――『緩やかだが永久に強化を続ける』従属から、『全てを使い尽くす』従属へ。
「断片の王は……こんな短期間で、考えを二転三転させるものなのですか?」
口を突いて出たレイラの素朴な疑問に、カーミラはいっそ陶酔したように声を張る。
「何を愚かな……陛下は一貫して『権力闘争に勝利した派閥の方針』を是とされていらっしゃるわ!」
「それは、どうして?」
「フン! 下賤なディアボロス如きが、皇帝陛下の深謀遠慮を理解出来る訳がないでしょう!」
――その実、カーミラ自身も、理解は及んでいないだろう。或いは、来月にでもラスプーチンに尋ねてみる方がはっきりするかもしれない。
「ふーん……獅子身中の虫、というには、断片の王のやり方は短絡的だと思っていたけど」
やれやれと言わんばかりに、肩を竦めるフルルズン。
「自分の足を食うクラーケンは、強大でも船を捕らえられないからね。てっきり、『上』から与えられた情報量の差かと――」
ビシィッ!!
フルルズンの足元の床を、赤薔薇の鞭が抉り穿つ。
「ラスプーチンの掌上で踊りながらわたくしを侮り、あまつさえ、我が君までも愚弄するか……群れずして何も出来ぬ、矮小如きが」
(「あれ……もしかして、ガチ?」)
凍り付いたようなカーミラの表情に、遡る事約9ヶ月前の既視感を覚えるフルルズン。他愛ない軽口のつもりが、盛大に地雷を踏み抜いてしまった模様。背中に一筋、冷や汗が落ちる――。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【通信障害】LV1が発生!
【書物解読】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
オスカー・メギドューク
・心情
まぁ、ラスプーチンのことは気になるが……あれがやり手なのは前提で手を取ったんだ
手の上で踊らされていようと、君との舞台を準備してくれたことに変わりはない
そういう訳で……ダンスの相手をしてもらおうか、死妖姫カーミラ?エルミタージュ美術館から始まったこの協奏曲も、終幕にしようじゃないか
・戦闘
パラドクス『槍牙双煌』で攻撃して、カーミラのパラドクス『嗜虐性愛』を使わせるように動くよ
【オーラ操作】や【結界術】で多少は防ぐようにするが、できれば他の面々への攻撃も庇えるように動きたいね
カーミラが自身のパラドクス
で視野狭窄に陥って、他の面々が隙をつけるように立ち回れれば万々歳だ
・その他
アドリブ等は大歓迎だよ
――――!!
唸り上げるカーミラの鞭。小柄を打ち据えようとしたその軌跡を、長柄構える影が遮る。赤薔薇咲く鞭の棘は禍々しく、ディフェンス成したオスカー・メギドューク(“槍牙卿”・g07329)を容赦なく抉った。
「そろそろ……ダンスの相手をしてもらおうか、死妖姫カーミラ。エルミタージュ美術館から始まったこの協奏曲も、終幕にしようじゃないか」
激痛を堪えながらも、開戦の声は高らかに。メギドュークの槍と魔剣「ヴァルヌートゥンク」、両の手に伝来の得物を構えるオスカー。
――煌めき刻め、我が『牙』よ!!
銀光のオーラが十字を描く。“槍牙卿”と称するに相応しいパラドクスを一番槍として、死妖姫に己が怒りを刻む。
「……む」
その手応えは確と。だが、芯を捉え切れず受け流された感触にピクリと眉を跳ね上げる。
――――!!
赤薔薇の鞭の先が、ぶれた。物理法則に逆らう動作でのたくり、オスカーの懐に入り込む。咄嗟に、床を蹴り後退するのと、赤薔薇の棘が伸びたのはほぼ同時。
「あら、ダンスを申し込んでおきながら、尻込みするなんて――礼儀がなっていなくてよ」
「……っ」
「あの老獪の手は取った癖に、ディアボロスも意気地の無いこと」
カーミラの揶揄の言葉に、オスカーは芝居がかった笑みを返す。
「こちらとしても、ラスプーチンがやり手なのは承知の上……その手の上で踊らされていようと、君との舞台を準備してくれたことに変わりはない」
髪を纏めた凛々しい姿ながら、オスカーは女性だ。嗜虐性愛に眩み、カーミラが視野狭窄に陥れば万々歳。続くディアボロス達の攻撃が、その隙を突けるように。
成功🔵🔵🔵🔴
効果1【プラチナチケット】LV1が発生!
効果2【リザレクション】LV1が発生!
アドル・ユグドラシア
※アドリブ、連携ok
俺達やロマノフの中枢がラスプーチンにどういうアクションを掛けるか分からんが、今後に余計な茶々を入れられるのも面倒だし、相手に主導権を取られる訳にもいかん。
悪いが、伝令は全て潰させて貰う。
連中、宮殿からは離脱したようだが、まだ市内に居ると。
ラスプーチン派からも逃げているなら、ギリギリまで監視が付き易い大通りは使わんかね。
裏路地や横道に注意しつつ、サンクトペテルブルク方面の外周を探ってみるか。
敵を見付けたら、行き先を塞いでから通信障害を発動し強襲する。
戦闘では蛇毒を発動し、戦場に簡易陣地を構築、また泥濘の地と毒霧の仕掛けを起動する。
敵の側で陣地構築し、無理矢理敵を此方の領域に引き摺り込み、敵の足止めをしながら確実に仕留めるぞ。
基本は敵の懐に突っ込んで二振りの剣の一撃をお見舞いし、その序でに腐食の毒霧を浴びせて毒を流し込む。
最優先で狙うべきは逃走を試みる敵、次いで弱った敵。
誰1人として逃がす気はない。
敵の突撃は、両手の剣で受け流して直撃を防ぎつつ、馬の足を反撃で斬り付ける。
――死妖姫カーミラの決戦開始と時を同じくして。
(「俺達にしろ、ロマノフの中枢にしろ、これからラスプーチンにどういうアクションを掛けるかは分からんが……余計な茶々を入れられるのも面倒だ。それに、敵に主導権を取られる訳にもいかん」)
権謀術数犇めくディヴィジョンであれば尚の事、情報統制は重要と判断したアドル・ユグドラシア(我道の求道者・g08396)は、モスクワ市内を駆け抜ける。
(「連中、宮殿からは離脱したようだが……」)
時先案内人が、クレムリンからの逃亡を示唆したのは、トループス級ヴァンパイアノーブル『エリート吸血騎馬兵』の小隊。その名の通り、馬に乗っている。モスクワを脱出されては面倒だ。
(「ラスプーチン派からも逃げているなら、ギリギリまで大通りは使わんかね」)
裏路地や横道に注意を払い、アドルはサンクトペテルブルクの方向から重点的に警戒する。
「急げ! 何としても陛下にお知らせするのだ!」
果たして――馬の足音も慌ただしく、路地を抜けんと駈足する騎馬隊の影が。
「単身だからと言って、別に搦め手が使えない訳ではないぞ?」
まずは【通信障害】を発動。エリート吸血騎馬兵の行く手を塞ぐように立ち、迎撃態勢を取るアドル。パラドクスを以て簡易陣地を構築するや、先頭の騎馬目掛けて急襲の一撃を叩き込む。
「が、は……!?」
落馬こそ回避したものの、俄かに立ち込める毒霧に立ち往生するヴァンパイアノーブル。
「悪いが、潰させて貰う」
「まさか……ディアボロス!?」
逆説連鎖戦が――黒と赤の二振りの長剣と、血のサーベルが交錯する。
「待伏せとは卑怯な!」
「生憎、逃がす気は無いからな」
次いで、【泥濘の地】で騎馬の移動速度を損ないながら、駄目押しとばかりに馬の脚を斬り付けた。
ヒヒーンッ!
ドウと倒れた赤馬が忽然と掻き消えれば、ヴァンパイアノーブルの方も動かなくなる。
「チィッ!」
アドルが最初の1体を仕留める間に、後続が慌てて馬首を返す。
無論、アドルも追い掛けるが――鬼神の構え・蛇毒は、単体対象のパラドクスだ。逃走する敵が各個撃破を悠長に待ってくれる筈もなく、流石に全ては討ち果たせなかった。
「やれやれ……」
独り路地に立ち、小さく溜息を吐くアドル。数はそこそこ減らす事は出来た。だが、エリート吸血騎馬兵が1体でもサンクトペテルブルクに逃げ込んでしまえば、ラスプーチンの生存が露見する。騎馬の足を止める策を練るにしろ、人海戦術を採るにしろ、更なる手を打たねばなるまい。
一方で、敢えて逃がすという策もあり得る――カーミラとの決着がつくまでに、ディアボロスは決断しなければならない。奪還への手筈を、より優位に整える為に。
成功🔵🔵🔵🔴
効果1【腐食】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV2になった!
百鬼・運命
◆心情
さてともう少し主流派とラスプーチン派で削り合わせたい所だけど、これはラスプーチンの生存が主流派に知れ渡るか否かにかかわらず、ここからは派閥への取り込みで、武力による潰し合いは収束していく流れかな?
ならラスプーチンの生存を漏らした方が敵のモスクワ攻めの抑止力になりそうだ
逃げ出す敵は無視して首魁のカーミラを叩いてしまおう
◆行動
余裕があれば、アイテムポケットで少女たちの遺体を回収しておこう
流石にこれ以上破壊するのは忍びない
カーミラへの挑発にもなるかもな
挑発しながら不知火乃太刀による気配の分身で敵の攻撃をかわしつつ、距離を詰めて攻撃して行こう
先の会話で激高しているし、カーミラのPOWパラドクスは自信を視野狭窄にさせる
フェイントは通じやすくなるだろう
攻撃時は他参加者との連携を意識
他メンバーが攻撃に合わせて逆方向から同時攻撃やメンバーの攻撃に合わせて気配の攻撃で注意を逸らし隙を作ろう
まったく美少女を剥製にするだなんてもったいないことを
生きている人間の必要がないならば、人形遊びでもすればいい
(「……さてと、もう少し主流派とラスプーチン派で削り合わせたい所だけど、ここからは派閥への取り込みで、武力による潰し合いは収束していく流れかな?」)
市街地より戻って、クレムリン舞踏室――百鬼・運命(ヨアケの魔法使い・g03078)は思案する。
(「ラスプーチンの生存を漏らした方が、敵のモスクワ攻めの抑止力になりそうだ」)
それで、カーミラを叩く方を選択したが、方針ひとつとっても一枚岩とならないのがディアボロスだ。
尤も、ラスプーチンの生存情報がサンクトペテルブルクに伝わろうが、遮断されようが、やりようはあるだろう。
要は――広大なるロシアの大地が全て、何れ奪還に至れば、それで良い。
チラリと、周囲を窺う運命。
(「流石に、これ以上破壊されるのは忍びないな……」)
少女の剝製の事だ。容量が増えた【アイテムポケット】に回収は――。
(「……あ、まずい」)
舞踏室を花苑に変えた血薔薇が揺れる。血茨がざわめく。カーミラ自身、運命を一顧だにしない。だが、既に臨戦態勢のジェネラル級を前に、余所事を為すのは流石に危うい。
(「もう、視野狭窄、ではなさそうだ」)
逆説連鎖戦は、パラドクスの交錯の繰り返しだ。パラドクスによる攻撃が一区切りする度、その効果も一旦は終了する。死妖姫の嗜虐性愛による『視野狭窄』にしても同様だろう。
(「実際、怒り狂っているんだろうけど……」)
思わず、眉根を寄せる運命。カーミラの激怒は、ヒステリックに当たり散らす段階をとっくに越えている。生半可なフェイントでは、返り討ちにすらされそうだ――否、逆説連鎖戦の性質上、『攻撃する振り』であろうと、確実に殴り返される。
「……まったく。美少女を剥製にするだなんてもったいないことを」
ならば、フェイントも織り込み済みのパラドクスを以て、全力攻撃するのみ。敢えて声を張りながら、運命は神経を尖らせる。
「生きている人間の必要がないならば、人形遊びでもすればいい」
殺気を操り、己が気配と実際の動きをずらす。その時間差を以て隙を作り、両断の概念を付与した一撃を叩き込むのだ。
我ガ太刀、映ラズ――即ち、不知火乃太刀也。
「……っ」
手応えが、粘る。あたかも重油に一撃を突き入れたかのように。と思う間も無く、血の茨がのたくり、運命の腕に絡み付く。肌を引き裂かれて飛沫いた血が、更なる薔薇を咲かせる。
「わたくしの『人形』に色目を使っておいて、何という言い草かしら」
やはり、見す見す大事なコレクションに手を出されるのを許す程、死妖姫カーミラは寛容で無かったし、その高慢に相応しいジェネラル級を前に、運命の思案は悠長に過ぎた。
それでも――カーミラの背後から迫る影を認め、青年は激痛を堪えて黒の双眸を眇める。
連携を旨とし、強きに多で相手取る事こそが、ディアボロスの戦い方であれば――。
善戦🔵🔵🔴🔴
効果1【友達催眠】LV1が発生!
効果2【フィニッシュ】LV1が発生!
アタランテ・フォードブルー
成程な…怪僧め、やってくれる
どちらでも良いわけか…カーミラを排除さえ出来れば
だが、どちらにせよ…貴様はここで殺す
パラドクスを使いアイスソードを生成
そのまま能力値アップ、命中アップ、ダメージアップでパラドクスの威力と精度を上昇
カーミラの攻撃にはガードアップと反撃アップで対応するぞ
アイスソードで攻撃を受け止めるのも有効だろう
それと闇に潜んで攻撃すると言うならば…泥濘の地を使用して動きを鈍らせた上で開けた場所で動き続けていれば少しは狙い難くなるはず
カーミラの攻撃を少ないダメージで抑えられたら反撃としてアイスソードでその衣装諸共袈裟斬りに
これが罪無き市民を貪った報いだ
その命、永劫に凍てつく寒さに震えながら…凍結すると良い
周囲のディアボロスと連携してカーミラを追い詰めながら言葉をぶつける
どれだけ踊らされようと関係ない
ヴァンパイアノーブルの末路は一つ…復讐執行だ
トドメにカーミラの胸にアイスソードを突き立て、そこからゆっくりと全身を凍結させてトドメを刺す
イシュア・アルミゴス
侮り?おいおい、君の評価としては正当だろ?
ラスプーチンに踊らされてる?はっ!だったらそれをも踏みつぶす!
教えてくれてありがとう!でも一番踊らされたのは君だろうね。
さあ、血に濡れるのは好きだろ?この地で流れる最後の血、君のもので終わらせよう!
アヌビスの守護で体の周囲を保護し、セルケトテイルを静かに構え
被害を減らし槍で鞭を弾き、完全回避は難しくてもガードアップで耐えて接近。
悪趣味な技だね。ここは一つ派手に逝ってくれ。
パラドクスを発動し全身に電撃を纏わせ、火力を高めた槍を
勢いよく繰り出しカーミラを串刺し。雷撃で焼きながら横に振るい追い詰める。
僕らが君を侮っていたように、君も僕らを侮っていた。それが全てだ。
お気に入りとダリヤは最期に君を想っていたよ。君は誰を想うかな?
そいつもすぐ、送ってあげるよ。宛先は地獄でいいだろう?
さて、彼女たちの弔いをやっていこうか。ラスプーチンがこの地を
どう統治するか分からないけど。君達の様な悲劇は起こさせない。
アヌビスの守護を以て身を護り、対物貫通生体槍尾『セルケトテイル』を静かに構える。
「侮り? おいおい、君の評価としては正当だろ?」
逆説連鎖戦のパラドクスの交錯は瞬時であれば、わざわざ先手を進呈する利は少ない。全身に電撃を纏うや、勢いよく床を蹴るイシュア・アルミゴス(守護星蟲・g00954)。
「氷聖たる我が絶対の零へと告げる――形成され想像されし氷の剣よ、汝の一閃は真世界の為に振るわれる事こそが汝の方程式である」
更に、アタランテ・フォードブルー(氷理騎士団総長『氷聖』・g07418)が畳み掛ける。剣能を以て生成した氷剣を、勢いよく袈裟切りに振り下ろした。
「これが罪無き市民を貪った報いだ。その命、永劫に凍てつく寒さに震えながら……凍結すると良い」
「血に濡れるのは好きだろ? この地で流れる最後の血、君のもので終わらせよう!」
ディアボロス達の挟撃に、忌々しげにドレスの裾を翻した華奢が、俄かに立ち込めた闇にゆらりと溶ける。気配が失せる。
「おっと……!」
次の瞬間、閃いたのは鞭ならぬ繊手。黒手袋を外した白魚のような両の指先、鋭い爪が血色に染まる。
「悪趣味な技だね」
流石に躱しきれず、フィールドバリアをも貫いた一撃がザクリとイシュアを抉る。
反撃を警戒したアタランテは、先んじて【泥濘の地】を広げていたが……その効果は移動速度の低下であり、パラドクスに影響はない。生身である筈のカーミラの爪はギュルリとアイスソードと擦れて弾き、総長礼服諸共にアタランテを斬り裂いた。
「……っ」
槍の突撃には突きで、剣の斬撃には斬り裂きで――等価の反撃に、カーミラの余裕が窺える。
(「これまでに積み上げた、全ての残留効果を駆使して、これか……」)
死妖姫カーミラは、傲慢なヴァンパイアノーブルだ。格下と侮れば、己が嗜虐心を充たさんと増長する。
だが、最初の邂逅で『してやられた』カーミラは、ディアボロス相手に手加減はしない。刹那の昂ぶりに、目が眩む事はあろうとも。
「……成程な」
恐らく、ラスプーチンはお見通しだったのだろう。カーミラの悪逆にディアボロスの義憤が募る事も、プライドを傷付けたディアボロスをカーミラが憎悪する事も。
(「ディアボロスに直截斃されようが、失態を重ねた末に断片の王に見限られようが、どちらでも良いわけか……カーミラを排除さえ出来れば」)
「怪僧め、やってくれる」
アタランテの呟きに、ニィとカーミラの唇が歪む。漸く理解したかと言わんばかりの嘲笑を――イシュアこそ、一笑に付してのけた。
「ラスプーチンに踊らされてる、ってやつかい? はっ! 改めて、教えてくれてありがとう! 1番踊らされたのは君だろうけどね」
容赦なく死妖姫にあてつけるイシュアの思考は明快そのもの。どれ程謀を巡らされようと、諸共に踏み潰すまでだ。
「ああ、我らがどれだけ踊らされようと関係ない。ヴァンパイアノーブルの末路は1つ……貴様はここで殺す」
アタランテはもっと明確に、復讐執行の意志を言い放つ。
「激しくいくよ」
イシュアの得物、対物貫通生体槍尾『セルケトテイル』がバチバチと爆ぜる。
「ここは1つ、派手に逝ってくれ」
勢いよく長柄を繰り出し、カーミラを貫く。同時、雷撃で焼きながら横薙ぎに細腰を抉り裂く。すかさず、氷剣をカーミラの胸に突き立てるアタランテ。
(「やったか……否、浅い!」)
咄嗟に飛び退くイシュアに、アタランテに、踊るように反撃を繰り出しながら。カーミラは自らの鮮血に塗れ、立つ。
「嗚呼……このデザイン、気に入っているというのに」
斬り裂かれたドレスに散る大きな血の染みを撫で、カーミラはディアボロス達を睨め付ける。
「僕らが君を侮っていたように、君も僕らを侮っていた。それが全てだ」
饒舌なイシュアと対照的に、唇を引き結ぶアタランテ。殺意も露に次々とアイスソードを生成しては、斬り付ける。隙あらば、死妖姫の全身を凍結させ、トドメを刺さんと。
「お気に入りのダリヤは最期に君を想っていたよ」
尚も槍を振いながら、煽るように言葉を重ねるイシュア。だが、側近の名前を聞きながら、カーミラの貴婦人然とした様相は変わらない。
「君は誰を想うかな? そいつもすぐ、送ってあげるよ。宛先は地獄でいいだろう?」
「フフ、フフフ……わたくしすら仕留めきれない癖に。大言壮語も、実力が伴わなければ滑稽でしかなくてよ」
イシュアの言葉に失笑したカーミラは、果たして、誰を脳裏に浮かべたのか――。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【冷気の支配者】LV1が発生!
【操作会得】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV2が発生!
アンゼリカ・レンブラント
初の邂逅の時も貴女はそうだったね
怒っても追い詰められても
優雅な貴婦人の佇まいで――敵ながら美しいひとだ
でも敢えて言うよ
そんなの、くそったれだ!
ネメシス形態、戦乙女風の姿となり挑むよ
勇気を胸に前へ出る
仲間と攻撃の機を合わせ近づき
繰り出すは光の剣撃
と見せかけて、迫り至近距離からのパラドクスの砲撃!
叩き込んで障壁を反動に離れて反撃を凌ぐよ
以前の邂逅の折カーミラのも、今配下を倒したのも剣撃だったから、
記憶が残っていれば意表を突けるかな
そうでなくても命中アップ等の恩恵を受け力いっぱい砲撃を当て
足を使って仲間と挟み込む位置取りを狙いつつ攻撃するよ
カーミラからの赤薔薇の鞭は盾と障壁で凌ぐ
止めきれず己が身を打てば悲鳴は上げちゃうかもしれないけど
すかさず気合いの叫びに変える、喜ばせるもんか!
偽りの名で生きる私だから知っている
ひとの美しさは、内側から出てくるんだってこと
素敵なひとは、剥製にして飾るものじゃない
ありのままを尊重し、慈しみ、愛するものだ!
《終光収束砲》、死妖姫が齎す全ての悲劇を、打ち砕けぇーっ!
血薔薇の苑に立ちながら、礼装も損なわれ、己が血に塗れる死妖姫カーミラの劣勢は明らかだ。
(「だけど……初の邂逅の時も、貴女はそうだったね」)
アンゼリカ・レンブラント(光彩誓騎・g02672)は、昨夏を思い返す。
怒りに震え、追い詰められようとも。カーミラの佇まいは、優雅な貴婦人そのもの――敵ながら、美しいと思った。
だからこそ、敢えて口にする。
「そんなの、くそったれだ!」
アンゼリカの姿が変わる――復讐誓う、戦乙女に。
構えるのは、黄金麗々しい大剣。獅子のオーラを背に、床を蹴って踏み込む。
カーミラは覚えているだろうか。かつての、アンゼリカとの唯一の邂逅を。
(「以前も、今配下を倒したのも、剣撃の技だったけど」)
記憶に残っていれば、良い。そうであれば……意表を突ける。
「裁きの光と共に輝け、六芒星に集いた精霊よ!」
至近距離まで迫り、繰り出すのは光の剣撃、ならぬ終光収束砲――双翼たる虹色の魔砲使いより学び、編み出した光の砲撃。
「私は知っている……ひとの美しさは、内側から出てくるんだってこと」
カーミラの向こうに儚い影を認め、射角を修正する。
「素敵なひとは、剥製にして飾るものじゃない。ありのままを尊重し、慈しみ、愛するものだ!」
赤薔薇の鞭がのたくり奔ったのは、光の障壁を巡らせたのとほぼ同時。
バシィッ!
鞭の棘も禍々しく、障壁ごしの衝撃は凛々しくとも少女であるアンゼリカに容赦ない。
「う、く……」
鞭の勢いを殺し切れず、距離を置く。激痛に全身が強張る。悲鳴が震える唇から漏れる。
(「よ、喜ばせるもんか!」)
ウ、ウワァァァッ!
傷みも何もかも振り切るように、気合の叫びを上げた。踏ん張り、顔を上げ、確とカーミラを見据えるアンゼリカ。
大丈夫――収束させていた魔力は、散じていない!
仲間の攻撃がカーミラへ殺到する中、狙い澄ます。
「死妖姫が齎す全ての悲劇を、打ち砕けぇーっ!」
光の奔流が、赤黒の影を呑み込んだ。
成功🔵🔵🔵🔴
効果1【隔離眼】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV3になった!
フルルズン・イスルーン
これは怒ったカーミラが怖いのではない。ないのだ。未来に向かっての転進なのだ!
ということで逃走者を吹き飛ばす!
停止させよ! アイス・ゴーレム!
正直これが正しいかは悩ましいんだけど、革命軍=ディアボロスの絵図を引いたラスプーチンはリヴォリャーツィヤを邪魔だと思うハズらしい。
つまり『ディアボロスを扱えるラスプーチン』という肩書を抱えた復権は計画の一端だろうという予測を元に、その成就の先延ばしを行う!
ボクこういう推論当てた試しないんだけど!!! その肩書そんなにおいしい?!
この言葉にしきれないヤキモキと崖に身を投げる気分すべてゴーレムくんに託しての!
吸血騎馬兵にブリザードだゴーレムくん!
聞き耳立ててたキミ達! 誠に勝手ながら倒れてもらおう!
氷塊の拳は残念ながら止まる理を得られなかった!
元より戦場だ。生きることもあれば死ぬこともあるのだ!
打ちのめせゴーレム! サンクトペテルブルクへ至る報を握り潰せ!
血薔薇は未だ枯れず。鉄錆の臭い噎せ返る苑にパラドクス飛び交う中――舞踏室から離れる小柄な影が1つ。
「これは怒ったカーミラが怖いのではない。ないのだ。未来に向かっての転進なのだ!」
という訳で、フルルズン・イスルーン(ザ・ゴーレムクラフター・g00240)はモスクワ市内を目指して駆ける。
(「正直……これが正しいかは悩ましいんだけど」)
ラスプーチンの復権に、1番邪魔であった(と当人が主張した)リヴォリャーツィヤは既に亡い。ならば、『革命軍=ディアボロス』の絵図を引いたラスプーチンは、『ディアボロスを扱える』という肩書で以て、再起を計画しているのだろうか。
(「復権計画の一端だろうという予測を元に、その成就の先延ばしを行う!」)
……まあ、この類を推論を、当てた試しは無いのだけど。
(「『ディアボロスを扱える』とか、そんなにおいしい肩書なのかな?」)
何とも言えず、ヤキモキする。だが、フルルズンは崖に身を投げる気分で、行動する方を選択した。
救援機動力を以て、迅速に移動する。
「逃走者を吹き飛ばすのだ! 停止させよ! アイス・ゴーレム!」
果たして、遠目に騎馬の小隊を認めるや、生来に宿る氷結魔法を構築、"野蛮なる 氷の 友"――氷雪のゴーレムを物質化した。
「諸々すべてゴーレムくんに託しての! 吸血騎馬兵にブリザードだ、ゴーレムくん!」
早速冷気を放ち、敵の動きを鈍化させながら斬り込むゴーレム。
「な、何だと!?」
「聞き耳立ててたキミ達! 誠に勝手ながら倒れてもらおう!」
纏めて4体、馬諸共に薙ぎ倒された。
――――!!
ゴーレムはパラドクスの産物であれば、敵の反撃は全て、フルルズン自身が被る事になる。こちらに突っ込んで来る騎馬を前にしても、彼女の舌鋒は鋭い。
「氷塊の拳は残念ながら止まる理を得られなかった! 元より戦場だ。生きることもあれば死ぬこともあるのだ!」
「黙れ!」
「黙らないのだ――打ちのめせ、ゴーレム! サンクトペテルブルクへ至る報を握り潰せ!」
――斯くて、クレムリンから逃走を図ったヴァンパイアノーブルを全て倒し、『ラスプーチン生存』との情報漏洩は抑えた。
残るは、クレムリン2度目の決戦、死妖姫カーミラとの決着を付けるのみ。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【使い魔使役】がLV2になった!
効果2【能力値アップ】がLV2になった!
音羽・華楠
正直、あなたに断片の王への忠義なんてものがあったことに吃驚なんですが、死妖姫。
……そういう正の感情を、もっと一般人や配下に向けなさい――とは口にしません。
言っても無駄と解ってますし。
とにかく――
――私が知る限り、この改竄世界史で最も邪悪な吸血鬼に終焉を!
《雷幻想・瞬動》発動。
雷速の反応と体動を得て、その速さを以って死妖姫へ肉迫します。
文字通りの電光石火の速度で駆け回り、その勢いを乗せた『フェアリーレイピア・ティンカーベル』で死妖姫へ斬り付けますよ!
死妖姫の反撃の鞭は、戦闘継続に支障が無い限りは敢えて受けます。
このパラドクスには、死妖姫を視野狭窄にする明確な弱点がある……!
それが復讐者側を有利にするなら、利用しない手はないでしょう。
私自身も、死妖姫の視野が狭まり、私を『剣士』と思い込んだだろう頃合いで、『下駄型式神・右近/左近』を履いた足で思い切り死妖姫を蹴り飛ばします。
……可能なら顔面を!
今まで散々一般人や配下を足蹴にしてきたんでしょう?
最期くらい、自分が足蹴にされてみなさいな!!
光の砲撃が刹那、舞踏室を白く染め上げ――死妖姫カーミラは、まだ膝突く事無く傲然と顔を上げる。
「あら、わたくし、いつだってちゃんと愛して、慈しんでいてよ……こんなに愛らしくて美しいモノが、瞬く間に醜く老いさらばえるなんて。本当に、憐れで可哀想だもの」
私欲を虚飾の言葉で包み、カーミラは傷み果てたドレスを血薔薇で飾り立てる。傍らの美少女の剥製の頬を撫でる手は、あくまでも優しい。
「……嗚呼、そもそも、このわたくしがディアボロスと……愚かにも皇帝陛下に抗い、1度は滅ぼされたモノと『愛』を語り合うなど。滑稽を通り越して、虫唾が走るわ」
此処は吸血ロマノフ王朝。断片の王『吸血皇帝ニコライ2世』に従属してこそ、漸く息する事を許されるというのに!
「死妖姫……正直、あなたに断片の王への忠義なんてものがあったことに吃驚なんですが」
更に言葉を連ねようか迷い、音羽・華楠(赫雷の荼枳尼天女・g02883)は結局口を噤む。その真っ当な感情をもっと市井の人々や配下に向けろとなど――言うだけ無駄だ。
今、宣言すべきは唯1つ。
――私が知る限り、この改竄世界史で最も邪悪な吸血鬼に終焉を!
「疾きこと風の如く、動くこと雷霆の如し! 雷天大壮――急急如律令!!」
雷幻想・瞬動――雷速の反応と体動を得て、華楠は疾く死妖姫へ肉迫する。
ビシィッ!
フェアリーレイピア・ティンカーベルの鈴の音を掻き消すように、赤薔薇の鞭が唸る。
「く……っ」
レイピアの切先がカーミラを斬り裂くと同時、鞭の棘に肌を抉り裂く激痛に、思わず歯を食い縛る華楠。
(「大丈夫……まだ戦える」)
【ガードアップ】の効果もまだ1段であれば、立て続けにカーミラの鞭に打ち据えられるのは危険だ。それでも、敢えて華楠が赤薔薇の鞭に身を晒すのは。
(「このパラドクスには、死妖姫を視野狭窄にする明確な弱点がある……!」)
その実、逆説連鎖戦が一区切りする度、パラドクスも一旦は終了する。死妖姫の嗜虐性愛による『視野狭窄』にしても同様ではあるが。
(「私達に利するなら、利用しない手はないでしょう」)
チャンスは、興奮状態のカーミラが、華楠の『剣撃』に慣れた時――レイピアより先に、雷気帯びる少女の足が勢いよく振り抜かれる。
「今まで散々、人々や配下を足蹴にしてきたんでしょう?」
ドガァッ!
カーミラの顔面を、思い切り蹴り飛ばした。重い衝撃が足裏に響く。
「最期くらい、自分が足蹴にされて……っ!?」
だが、そのまま飛び退かんとした華楠は、思わぬ剛力に足を取られ、床の上に引き落とされる。
「……よくも、わたくしの顔を」
鼻と口を隠すように掌で抑え、華楠を見下ろすカーミラの視線は射殺さんばかり。ギリギリと、華楠の足に絡み付く赤薔薇の鞭を引き絞る。
「あ、ぐ……」
実際、カーミラは先んじて、『剣撃』と見せ掛けた『砲撃』で攻撃されていた。強打は与えられたとはいえ、立て続けに騙されたままでいる程、ジェネラル級は甘くない。
「このわたくしを、同じ手で謀ろうなんて……!」
華楠の足を紅に染めながら、尚も赤薔薇の鞭がしなり唸る。血色の双眸を爛々と輝かせ、カーミラが更に打ち据えようとした時。
――――!!
華楠より更に小柄な影が、鞭の軌道を遮った。
善戦🔵🔵🔴🔴
効果1【エイティーン】LV1が発生!
効果2【リザレクション】がLV2になった!
ルィツァーリ・ペルーンスィン
アレンジ連携歓迎
心情
其のやり口、人々を虐げる行い
本当に気に入らないし何度も退けられてきた身としては思う所はあるが其の忠誠は本物か
だが、其れでも俺は奴も、この地の人々を踏み躙るノーヴル共も認める事は出来んが、な
ああ、あんな行い……認められるものか!
味方との連携を重視し攻撃のタイミングを合わせる、POW攻撃は可能なら庇う等し戦う
敵の攻撃に対して自身がヴォーロスの帯、蛇腹剣を扱う時に敵をどう◯捕獲するか、敵の心を折る◯精神攻撃をする際に何処を狙うかを考えカーミラの攻撃の起動を予測
◯念動力で軌道を逸らし急所を避ける等対応
全身全霊を込めた◯ペルーン神の焔矢をカーミラにぶちかます!
貴様らの理屈は判りたくはないが判った
貴様らの理屈だと俺達はラスプーチンに踏み躙られた愚者なんだろうよ
その上で言ってやる
だからどうした!
奴が此方を利用するなら利用しかえす迄
其の策ごとぶち破り皇帝も討つだけの事!
非道な実験の末に異形に変えられ死を望む人が、我が子を傷付ける事を強制させられる親が、踏み躙られる人がもう出ない為に!
バシィッ!
魔力衝撃越しにも、急所を狙う赤薔薇の鞭の打擲は鋭く重い。その一撃から仲間を庇ったルィツァーリ・ペルーンスィン(騎士道少年・g00996)は、キッと死妖姫カーミラを睨み付ける。
「其のやり口、人々を虐げる行い……本当に気に入らない」
エルミタージュ美術館に足を踏み入れたのは1度ばかりではなく、カーミラとの最初の邂逅では妹を甚振られた。
「喩え、貴様の断片の王への忠誠が本物であっても……この地の人々を踏み躙る、ヴァンパイアノーブル共を認める事は出来ん」
非道な実験の末に異形に変えられ死を望む人がいた。我が子を傷付ける事を強制させられる親がいた。数多の人々が、非道な従属を強いられてきた。
「ああ、あんな行い……認められるものか!」
息巻く少年を見返すカーミラの表情が、嘲りを帯びる。
「非道な実験……創造伯アレクセイかしら。それとも、ルスヴン卿? 子供を虐めるのが大好きなのは、ウーストレルね……わたくしは、綺麗なモノを愛でているだけ。十把一絡げなんて、迷惑だこと」
ルィツァーリと言葉を交わす間にも、ディアボロスの攻撃は絶え間なく。その尽くに傷付き、尚も反撃を突き返しながら、カーミラは冷ややかにに言い放つ。
「そんな大雑把な視点だから、まんまと怪僧の手玉に取られるのよ」
「貴様の理屈は、判りたくはないが判った」
カーミラにしてみれば、所詮、ディアボロスもラスプーチンに踏み躙られる愚か者なのだろう。
「その上で言ってやる。だからどうした!」
ルィツァーリの得物に、『ヴォ―ロスの帯』と銘した蛇腹剣がある。その曲線的な軌道を思い返し、カーミラの鞭捌きに目を凝らす。パラドクス故に、完全な回避は難い。それでも、技能を尽くしてカーミラの鞭に対抗せんとした少年の努力は、確かに実を結んだ。
「奴が此方を利用するなら、利用しかえす迄。其の策ごとぶち破り、皇帝も討つだけの事!」
満を持して、少年の傍らに巨大な大砲が顕れる。
――空駆けし天空の神よ、偉大なる雷神よ! 我が敵を討つ為に御身の焔矢を降らせたまえ!
スラヴ神話の主神であり、雷神ペルーン。雷と稲妻を武器とし、敵を屠るのに炎の矢を降らせる。
――――!!
神話を準えた焔矢は、命中するまで追尾する。唯々、死妖姫カーミラを滅する為に――全身全霊を込めて、ぶちかました。
成功🔵🔵🔵🔴
効果1【動物の友】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV4になった!
括毘・漸
下賤、矮小と全てを下に見ていますが、その下に見る者たちが集い、小さな歩みを一步一步進み続け、僅かな影響を一つ一つ積み重ねた結果が今の状況でしょう?
貴女の思惑を打ち破り、貴女の配下を討ち倒し、そして貴女のすぐ側にまで刃が届こうとしている。
それが誰かの手のひらで踊らされていようとも、目の前の悪を見逃す理由にはならないんですよ。
猟犬の姿となるネメシス形態に姿を変貌させ、銀のサーベルを口に咥え猟犬の四肢を床につける。
何の思惑があろうとも、人に仇を成し、悪逆を働く者に刃を振るう。
それは、変わらんのです。
床につけた四肢を折り曲げ、一気に力を放出させ駆け抜ける。
駆け抜けた勢いを咥えたサーベルに乗せ【猟犬壱頭・冥界猛犬】を発動させて、首目掛けて銀の一閃で斬り込む。
闇に消え、気配を消すか…ですけどね、貴女に染み付いた血の匂いと殺気は消えませんよ。
貴女がやってきた悪行の数々が血の匂いとなりボクに教えてくれる。
カーミラが気配を消しても血の匂いを辿り、その姿を捕捉する。
貴女の悪行もここまでです。
「……ッ、あ……」
パラドクスの直撃で、爆風が逆巻く。カーミラの傷んだドレスを覆う血薔薇をも吹き飛ばす勢いで。
「……く……」
その爆心に在って、膝を突くのを良しとせぬのか。翼を広げてバランスを取るカーミラは、左手で乱れる銀髪を抑え、鞭を握る右の拳を震わせる。
「その目……下賤、矮小と全てを下に見ていますがね」
この期に及んで変わらぬ高慢な態度に、いっそ見上げたものだとも、括毘・漸(影歩む野良犬・g07394)は思う。
「けど、その下に見る者たちが集い、小さな歩みを一步一步進み続け、僅かな影響を一つ一つ積み重ねた結果が今の状況でしょう?」
死妖姫の思惑を打ち破り、配下を討ち倒し――そして今、その喉元に刃が届こうとしている。
「ボク達ディアボロスが誰かの手のひらの上で踊らされていようとも、目の前の悪を見逃す理由にはならないんですよ」
「……黙れ……」
「何の思惑があろうとも、人に仇を成し、悪逆を働く者に刃を振るう。それは、変わらんのです」
「お黙り! 塵芥にも等しい野良犬風情が!」
初めて、カーミラの金切声が響く。柳眉を逆立て、切れた唇から牙剥く形相に、ひび割れたプライドを見る。
「おや、よくご存知で」
いっそ飄然と肩を竦め、漸は銀のサーベルを咥え直す――四肢を床に付けたその姿は、正しく猟犬。その姿こそが、漸のネメシス形態。
猟犬の壱――斬り裂け。
身をたわめ、全身のバネを使って一気に駆け抜ける。
断てよ御首、我らは憤怒を以て進むのみ――。
ギィィンッ!
時に首を断つ一閃は、猛犬が駆けた跡のように真っ直ぐであり――最後の最後に、火花を散らす。
(「これでも、仕留めきれませんか……まあ、左手はもう使えないでしょうけど」)
カーミラが闇に消えゆく刹那。その左手の五指があらぬ方向に曲がっているのが見えた。喉を掻き切る刃ともなる左手の爪を犠牲にして、漸の斬首を凌いだのだろう。
スンと、鼻をひくつかせる。
(「気配を消したところで、貴女に染み付いた血の臭いと殺気は消えません」)
その実、舞踏室に咲き乱れる血薔薇の鉄錆びた臭気は噎せ返るばかり。それでも、漸の表情に焦りはない。
(「貴女がやってきた悪行の数々は、殊更に臭うんですよ」)
とぷりと、闇が粘る。ひたりと忍び寄る影を、戦慄の眼光が見切る。
――――!!
銀閃が闇を散らす。漸の肩部とカーミラのデコルテから血飛沫が上がるのは、同時。
「!?」
サーベルを床に落とし、猟犬は獰猛に嗤う。歪と化した左手で胸元を庇うカーミラを前にして。
「貴女の悪行もここまでです」
成功🔵🔵🔵🔴
効果1【無鍵空間】LV1が発生!
効果2【ラストリベンジ】LV1が発生!
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
連携アドリブ歓迎
победаの御守を懐に
PD通信で仲間達と連携し戦闘、レイラさん(g07156)を援護
物のように愛で、物のように破壊した少女の尊厳と魂の重み
その一人ごとに集う想いと願いの結晶を
貴女が顧みることはないのだろうな
市民の叫びに耳を貸す所か、奪うだけ。傲慢も甚だしい
死妖姫カーミラ、モスクワから退場頂こう
戦況を観察し、敵の動きを把握
味方と多方向から攻撃できる立ち位置を取り
PDの銃撃で縫い留め、引き付け、隙を作って、至近へ接近する仲間を全力援護
味方の攻防の合間に変則的に射撃、判断の間や息をつかせず
狙いは肩口や胴に加え、積極的に顔を狙い
動きの隙を看破し、狙いをスライドしていく
ダメージアップで十字を穿ち、こちらへ気を惹こう
血の薔薇と茨には、魔力障壁で弾き身を護りつつ、増える薔薇の広がりをタワーシールドで受けとめ防御し
仲間への隙を作り出す
従属を強いられた人々を思えば、何ほどの痛みか
長い混迷にも、一筋の光を
厳冬の大地に、従属を強いられる人々へ、希望を拓くため
俺達は、明日のために勝利を掴み取る
レイラ・イグラーナ
エトヴァ様(g05705)の援護を受け戦闘
仰る通り、私たちは矮小な存在です。
ですが、私たちはこうして生きており、私たちを侮り虐げる者に対して怒り、抵抗する意思がある。
全ての人民の奉仕者として……人民を無為に苦しめ、死に至らしめ、あまつさえ晒し者にする貴女の罪咎、野放しにはできません。
吸血貴族、死妖姫カーミラ。お覚悟を。
銀の針を手に戦闘。
魔術強化繊維のコート「Chat Noir」を纏って身を防護、闇に溶け込み、己の爪や牙を武器に強襲をしてくるカーミラの攻撃の瞬間に殺気や音で反応して身を捩り、直撃を回避いたします。
エトヴァ様と攻撃のタイミングは合わせ、援護を受け至近距離まで接近し、死妖姫カーミラの繰り出す爪や牙による反撃を紙一重で避けつつ【手製奉仕・縫】。静かに、早く、確実に。その胸に置くようにして、心臓にそっと銀の針を突き立てます。
長く続いた貴女との因縁も、これにて終焉です。
貴女は強かった。ですが強者であっても……そして強大な王朝であっても、滅びの時は来る。私たちはそれを示し続けます。
逆説連鎖戦の度、交錯するパラドクス。流血の都度、舞踏室に血の茨が繁茂し、血薔薇が咲き乱れていくよう。
徐々に濃密となってくる臭いに顔を顰めながらも、エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)は、室内を駆け巡る。
逆説連鎖戦に彼我の距離は関係ない。だが、エトヴァの得物は銃だ。距離を置く間合いを得手とすれば、自然と戦場を俯瞰出来る立ち位置となる。
――結束を力と成せ。
急所を辿って十字を描く連続射撃。両肩、鳩尾、心臓、そして、顔を狙う。刹那なりとも、怯めば重畳。一度、カーミラが足を止めれば、間髪入れず、ディアボロスらのパラドクスが殺到する。
「!」
的確なる反撃は、無論、エトヴァにも。四方より迫る茨の鋭利を、魔力障壁を巡らせ弾く。雪崩れ落ちる血薔薇の奔流は、タワーシールドを翳して凌いだ。
(「この程度……従属を強いられた人々を思えば、何ほどの痛みか」)
好みの少女を嬲り尽くし、その死後には剥製とする。『愛する』と嘯きながら、物のように愛で、物のように破壊する死妖姫カーミラは、弄んだ少女の尊厳と魂の重み、その1人1人に集う結晶のように煌めく想いや願いなど、顧みる事はないのだろう。
「市民の叫びに耳を貸す所か、奪うだけ。傲慢も甚だしい」
怒りの呟きが聞こえたか、カーミラの視線がエトヴァに流れ――フッと唇が歪む。それがどうした、と言わんばかりに。
死妖姫カーミラに在るのは、身の程知らずにも、己がプライドを傷付けた有象無象への怒り。そこに、悔悟の情など欠片もない。
サンクトペテルブルクでは、社交界の華たるエルミタージュ美術館の女主人として。モスクワでは、断片の王に采配を任された主流派の重鎮として。権勢を恣にしてきたジェネラル級ヴァンパイアノーブルに、己が『悪』である自覚すらないだろう。
「……仰る通り、私たちは矮小な存在です」
光にも闇にも溶け込むような、魔術強化繊維のコートをしなやかに翻し、レイラ・イグラーナ(メイドの針仕事・g07156)は、真っ向からカーミラを見据える。
「ですが、私たちはこうして生きており、私たちを侮り虐げる者に対して怒り、抵抗する意思がある」
人民を無為に苦しめ、死に至らしめ、あまつさえ晒し者にする――死妖姫カーミラの罪咎を、全ての人民の奉仕者と自認するレイラは、けして看過出来ない。
「これ以上、野放しにはできません。ヴァンパイアノーブル、死妖姫カーミラ。お覚悟を」
「今、この時を以てモスクワから退場頂こう」
断罪の宣言に、銃声が重なる。エトヴァの狙い澄ました射撃が的確に死妖姫を穿つのを起点に、砲撃が浴びせられ、至近距離から斬撃や打撃が殺到する。
その光景を、レイラはつぶさに観察する――滲む一滴、擦れる凩。銀の野薔薇が狭間を透かす。
(「死妖姫カーミラ、貴女は強かった」)
軽やかに床を蹴る。俄かに立ち込める闇に、この戦いで幾度切り裂かれただろう。だが、それも、この一撃で――この銀の針で、引導を渡す為。
「長く続いた貴女との因縁も、これにて終焉です」
「何、を……」
あたかも胸に置くように、静かに、早く、確実に。レイラは、銀の針を薔薇のコサージュの下に息づく心の臓に突き立てる。
「喩え強者であっても……そして強大な王朝であっても、滅びの時は来る。私たちはそれを示し続けます」
盤石と信じてやまぬ吸血ロマノフ王朝の崩壊をも宣告され、愕然と双眸を見開くカーミラ。
「嘘、嘘よ……」
血に汚れる銀髪が広がり、仰向けに倒れる。華奢を受け止めた紅薔薇の褥は、忽ち脆くも崩れ、生臭い血溜りが白皙の肌を浸していく。
「これで……」
各防衛拠点の戦騒も、ここまでは届かない。激闘の後の静寂の中、エトヴァは窓から射し込む淡い陽光に目を細める。
長い混迷にも、一筋の光を――ディアボロス達は、勝利を掴み取る。
厳冬の大地に、従属を強いられる人々へ、希望を拓く為。明日の為に。
🎖️🎖️🎖️🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【パラドクス通信】LV1が発生!
【託されし願い】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
最終結果:成功 |
| 完成日 | 2024年04月20日 |
| 宿敵 |
『死妖姫カーミラ』を撃破!
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