ウェパルのダンスカーニバル

 南米の食料ダンジョンの探索を成功させたディアボロスは、近隣の大都市『リオ(現在のリオデジャネイロに相当)』に関する情報を得て、リオを目指して移動を開始しました。
 リオ周辺の集落では、TOKYOエゼキエル戦争から漂着したアークデーモンにより、生贄の儀式が行われているようです。
 生贄の儀式を行っているアークデーモンは、かつて、TOKYOエゼキエル戦争の境界を守っていたジェネラル級アークデーモン『泡沫のウェパル』に似た姿をしているようです。

 アークデーモンが現れた集落では、人々は恐怖に駆り立てられ、狂ったように踊り狂います。
 そして、最も優れた踊りを踊った人間が生贄として捧げられる事で、アークデーモンは最大限に高まった『畏怖』の力を取り込み、その力を増していくようです。

 この儀式『ウェパルのダンスカーニバル』を阻止し、狂気に駆られて踊らされている南米の人々を救ってあげてください。

踊り踊れや生贄のカーニバル(作者 メリーさんのアモル
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#黄金海賊船エルドラード  #ウェパルのダンスカーニバル  #リオ  #泡沫のウェパル  #ダンスカーニバル 


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●アークデーモンは踊る
 ジャングルの中、集落へ向かう何人もの影がある。人の影ではない異形。クロノヴェーダだ。
 その中央で踊るはジェネラル級アークデーモン『泡沫のウェパル』に似たアヴァタール級アークデーモン『泡沫のウェパル『幼体』』。
 それを取り囲むように踊るのはウミウシを被った女性のような姿をしたトループス級アビスローバー『デリディーナ』だ。
 彼らは踊りながら行進し、少しずつ集落へ向かっていた。
「今のところは問題なさそうですね」
 そして、その様子を距離を空けた遠くで様子を伺うクロノヴェーダの群れ。トループス級アビスローバー『コンキスタドール・フグ』だ。
「近づきすぎないように、我々まで踊らされてしまいます」
「分かっていますとも。我々の目的は何かあった場合にすぐに撤退して報告することです」
 彼らが警戒しているのは『泡沫のウェパル『幼体』』のようだが。だが、もしディアボロスが現れた場合も、彼らは撤退し報告しようとすることだろう。

●人を救うがため、踊れ
「南米の食糧ダンジョンを攻略し、住民から情報を得た事で、南米の大都市『リオ』へ向かうパラドクストレインが出現したようだねぇ」
 パラドクストレインの前で、そうディアボロスに語りかけるのは時先案内人のプリメーラ・ヴィダル(セイレーンのパイレーツ・g10812)だ。
「それから、攻略旅団の調査のおかげで、その『リオ』周辺で、TOKYOエゼキエル戦争から漂着したアークデーモンの活動が確認されているようだよ」
 確認されたのは、かつて、TOKYOエゼキエル戦争の境界を守っていたジェネラル級アークデーモン『泡沫のウェパル』の幼体とでもいうべき存在のようだ。とプリメーラは説明を続ける。
「この『ウェパル』の幼体は、リオ周辺の集落に現れ、率いているトループス級と共に、人々を狂気的な踊りを踊らせる儀式を行わせ、選ばれた生贄を喰らう事で、その力を増していくようだねぇ」
 つまり、人を犠牲にしている。ディアボロス達にとってはそれだけでも許せない理由にはなるが。
「この儀式を続けて、力を蓄えた幼体は、ジェネラル級に匹敵する強さを手に入れる可能性が高いらしい」
 ともなれば、儀式を阻止しない理由はない。

「まずはパラドクストレインで、狂気的なダンスカーニバルが行われている集落に向かってくれるかい?」
 ダンスカーニバルの最中は、敵も狂気的なダンスを行なっており、ディアボロスが紛れ込んでも気付く可能性は低いようだ。踊りながら集団に加われば気付かれることはないだろう。とプリメーラは言う。
「ディアボロスが『最も優れた踊り』を披露する事が出来れば、生贄の儀式を失敗させ、戦闘に持ち込むことが出来るはずさね。それに、ディアボロスが素晴らしいダンスで一般人を熱狂させる事ができれば、一般人の畏怖が薄れるはず。つまり、敵を弱体化させる事も可能なはずさ」
 あらゆる点で、ダンスを披露するのは重要だ。それ抜きで『ウェパル』の幼体やトループス級に攻撃を仕掛けようとすれば、その前に生贄が殺されてしまう可能性は極めて高い。とプリメーラは念を押す。
「そうそう、周囲の人達を鼓舞するためにも、取り巻きのトループス級アビスローバー『デリディーナ』との戦いでは、周りを鼓舞するような戦い方をするように頼むよ」
 例えば攻撃が実はすごく有効だったように見せたり、攻撃を効いてないように振る舞ったり、と言う感じだ。
「それから、もう一つ重要な点だが、集落の外で様子を伺ってるトループス級もいるようだね。彼らは戦闘が始まると即時撤退を開始し、我々の情報を持ち帰ろうとするはずだ。判断は任せるが、必要なら戦闘開始と同時に倒しておくべきだろうね」
 判断は任せるよ、とプリメーラはもう一度告げる。

「大都市『リオ』の周辺地域で行われている事から、この事件は『リオのカーニバル』に関連していると思われるらしい。丁度リオのカーニバルの時期に、リオに向かった事で、今回の事件を阻止するチャンスを得る事ができたのだろうね。攻略旅団のお手柄だ」
 とプリメーラはディアボロスを称える。
「ベースが『リオのカーニバル』だとすれば、一般人を熱狂させるダンスを披露したい場合は、『リオのカーニバル』のダンスを参考にするのが良いかもしれないね」
 とアドバイスも忘れない。
「『TOKYOエゼキエル戦争』の境界を守護していたジェネラル級は、ジェネラル級の中でも強い戦闘力を持っていた。その敵が、この儀式によって次々と生まれるような事があれば、恐ろしい事になるだろう。なんとしても阻止してくれ」
 そう言って、プリメーラは話を締め括った。

●熱狂的に人々は踊る
 踊れ。踊れ。踊れ。
 まるで何かに強制されているように、人々は踊る。
 集落の周囲をぐるぐると回るように、人々は踊り続ける。
 力尽き、1人の若い女性が倒れる。
 誰もそれを助けない。助ければ、踊るのをやめれば自分が犠牲になるかもしれないから。
 人々は何かに強制されているように、その倒れた人を踏みつけるようにしてダンスを続ける。
 ダンスに参加する人は多い。周囲の集落からも人が集められているようで、集落の規模に対し五倍近い人々が集まっている。
 踊れ。踊れ。踊れ。


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【飛翔】
1
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【強運の加護】
1
幸運の加護により、周囲が黄金に輝きだす。運以外の要素が絡まない行動において、ディアボロスに悪い結果が出る可能性が「効果LVごとに半減」する。
【動物の友】
1
周囲の通常の動物がディアボロスになつき、意志の疎通が可能になる。効果LVが高い程、知能が高まり、友好的になる。
【熱波の支配者】
2
ディアボロスが熱波を自在に操る世界になり、「効果LV×1.4km半径内」の気温を、「効果LV×14度」まで上昇可能になる。解除すると気温は元に戻る。
【モブオーラ】
1
ディアボロスの行動が周囲の耳目を集めないという世界法則を発生させる。注目されたり話しかけられる確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【活性治癒】
1
周囲が生命力溢れる世界に変わる。通常の生物の回復に必要な時間が「効果LV1ごとに半減」し、24時間内に回復する負傷は一瞬で完治するようになる。
【書物解読】
1
周囲の書物に、執筆者の残留思念が宿り、読むディアボロスに書物の知識を伝えてくれるようになる。効果LVが高くなる程、書物に書かれていない関連知識も得られる。
【通信障害】
1
ディアボロスから「効果LV×1,800m半径内」が、ディアボロスの望まない通信(送受信)及びアルタン・ウルク個体間の遠距離情報伝達が不可能な世界に変わる。
【防衛ライン】
1
戦場が、ディアボロスが地面や床に幅10cm、長さ「効果LV×10m」の白い直線を出現させられる世界に変わる。敵はこの直線を突破できず、上空を飛び越える場合、最低「効果LV」分を要する。直線は戦場で最初に出現した1本のみ有効。

効果2

【命中アップ】LV2 / 【ダメージアップ】LV2 / 【ガードアップ】LV1 / 【反撃アップ】LV2 / 【ドレイン】LV1 / 【アヴォイド】LV1 / 【ロストエナジー】LV1

●マスターより

メリーさんのアモル
 カーニバルだ!
 こんにちは、メリーさんのアモルでございます。

 それでは選択肢について解説していきます。

●①ディアボロスのダンスカーニバル
 踊って最も優れた踊り手となってください。
 ここで住民の畏怖を取り払えるような踊りをすると、選択肢④の戦闘が有利になります。
 なお、この選択肢をクリアせずに戦闘を行おうとすると、その前に生贄が選ばれ殺されてしまいます。

●②👾民衆を鼓舞する為の戦い『デリディーナ』
 取り巻きのトループス級との戦闘です。
 住民を鼓舞するような戦いを披露して下さい。
 戦闘と関係ない演技を行うわけなので、判定自体は不利になりますが、その結果を自身に有利であるかのように振る舞うことで、民衆を鼓舞し、畏怖を弱め、判定結果を良くすることが出来るようになります。

●③👾逃走するトループス『コンキスタドール・フグ』
 選択肢②の戦闘が開始すると同時、その場を離れるトループス級の姿があります。
 彼らを逃す(この選択肢をクリアせずにシナリオを攻略する)と、皆さんの情報を持ち帰られてしまいます。
 選択肢②と同時進行で始末するのが良いでしょう。

●④👿アヴァタール級との決戦『泡沫のウェパル『幼体』』
 標準的なアヴァタール級との戦闘です。
 選択肢①で超成功が出ていると、ここでの戦闘が有利になります。

 従いまして推奨攻略順としましては、①→②・③→④となります。
 
 それでは、頑張って参りましょう!
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このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


クウ・エニシア
 リオのカーニバルって、本来は2月らしいですね。本来の時期よりはちょっと遅めです。そして、クウは残念ながら使えそうな技能があまりないので記憶術で覚えている範囲で踊りましょう。
 下調べによれば、テーマ性や表現力が大事なクリエイティブなもの、なんだとか。というわけで、クウの髪と瞳の色を強調しつつ目を引く金、銀を主としたカラーの衣装で更に『生贄』という事なので抵抗の意志が見えにくくなるようできるだけ露出を増やしたサンバ衣装で丸腰アピールしますか。
「ダンスは……苦手だな。というか経験が無いですから知識と勢いです。後は見た目で勝負しましょう、これだけ金銀で光れば目立つかと」
 露出に関しては目を引けるならそれだけ主役を狙えるし、極論一般人に代わって主役を取れるなら構わないというくらいには無頓着。
「露出? お構いなく。この程度で目を引けるならむしろお得。魅了するつもりで行くならむしろ攻めていくくらいじゃないと」
【強運の加護】他使えそうな技能や残留効果は全部使います。
 アドリブ、絡み、連携歓迎です。


「リオのカーニバルって、本来は2月らしいですね。本来の時期よりはちょっと遅めです。そして、クウは残念ながら使えそうな技能があまりないので記憶術で覚えている範囲で踊りましょう」
 そう呟きながらパラドクストレインから降り立つのは極端に白い肌に白い髪、そして何より年齢に見合わない大きな胸が目を惹くクウ・エニシア(リターナーのデーモンイーター・g06563)だ。
(「下調べによれば、テーマ性や表現力が大事なクリエイティブなもの、なんだとか。というわけで、クウの髪と瞳の色を強調しつつ目を引く金、銀を主としたカラーの衣装で更に『生贄』という事なので抵抗の意志が見えにくくなるようできるだけ露出を増やしたサンバ衣装で丸腰アピールしますか」)
 ダンスは苦手だが、その分を知識でカバーとばかりに、リオのカーニバルについては下調べは万全な様子のクウ。
 服装は金と銀を主体としたカラーのサンバ衣装。
「ダンスは……苦手だな。というか経験が無いですから知識と勢いです。後は見た目で勝負しましょう、これだけ金銀で光れば目立つかと」
 光を浴びて銀色に輝く白い髪と、同じく光を浴びて金色に輝く琥珀色の瞳、そしてそれを強調させる金と銀を主体とした露出度の高い衣装。
 それを着て、勢い任せにクウは集落の踊りに加わる。
 狂気に満ちた生きるために踊り狂う人々の群れの中で知識と勢いに任せ、情熱的に踊るクウの様子は否応なしに人々の目を惹きつける。
 情熱的な踊りもさることながら、特段に目を惹くのはやはりその露出度の高さだ。
 それは周囲の見ている人間達さえも恥ずかしくなるような極めて露出の高い服だったが、クウは、それで主役を狙えるなら何の問題もありません、とばかりに無頓着だ。
(「露出? お構いなく。この程度で目を引けるならむしろお得。魅了するつもりで行くならむしろ攻めていくくらいじゃないと」)
 露出度を理由に注目を浴びているのを理解した上で、クウはどこ吹く風と情熱的に踊り続ける。
 リオのカーニバルを意識したその情熱的な踊りは見事で、踊りながらチラチラとクウを見ている一般人達も、露出が高いから見ているのか、踊りが見事だから見ているのか区別がつかなくなるほどだった。
超成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【強運の加護】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!

ハニエル・フェニックス
こんな所でアークデーモンを増やそうとしてるなんて……それも人を生贄にして。
どっちも許せないね、何とか止めなきゃ!
ダンスなら私も少しは出来るし、ここは頑張って踊ろう。
リオのカーニバルみたいな衣装で最高のダンスを!とまでは行かないけど、この白と金のスーツなら結構目立つはず。
カーニバルっぽいダンスにロッドを使ったポールダンスの要素も加えて、周り皆を誘惑するような動きを心がけるよ。
まぁ目的はクロノヴェーダをやっつけて計画を潰す事なんだけど、今だけはそれを忘れて一生懸命踊ろう。
復讐や戦いの布石の為だけのダンスじゃ、きっと皆を心から熱狂させられない。
私自身がダンスや周りから見られる事を楽しんで、情熱をさらけ出してこそ共感が得られると思うんだよね。
この後の戦いの事は考えずに、汗をかいて息が切れるほど全力で!
天使の外見と魔性のダンスのギャップで、人もクロノヴェーダも全員の視線を釘付けにする!
そんな気持ちで行こう!


「こんな所でアークデーモンを増やそうとしてるなんて……それも人を生贄にして」
 パラドクストレインから降り立ちながらそう呟くのは魅力的な唇に実はスタイルが良い金髪青眼の少女ディアボロス、ハニエル・フェニックス(第七の天使・g00897)だ。
「どっちも許せないね、何とか止めなきゃ!」
 許せない。その気持ちはディアボロスにとって極めて大事な感情だろう。
 少し歩いて、ハニエルはカーニバルが行われている集落へ辿り着く。
 踊れ。踊れ。踊れ。
 そこは狂気の如く千を越える人々が踊り狂う集落。
 集落をぐるぐる回る踊りの群れは近隣の集落からも人々が続々と加わっており、そこにハニエルが混ざるのは容易そうであった。
「ダンスなら私も少しは出来るし、ここは頑張って踊ろう」
 そう覚悟を決めて、ハニエルもまた、踊りに加わる。
(「リオのカーニバルみたいな衣装で最高のダンスを!とまでは行かないけど、この白と金のスーツなら結構目立つはず」)
 確かに、踊りの群れはそこまで潤沢なドレスやスーツを使ってはいない。白と金の目立つ配色のスーツを着たハニエルはそれだけで十分注目を浴びるに足る存在となっているだろう。
 ハニエルはカーニバルっぽいダンスを基本としながら、ファンシーな月をあしらった錫杖『ムーンロッド』を手に、ポールダンスの要素を加え、周りの人々を誘惑するかのような動きを心がける。
(「まぁ目的はクロノヴェーダをやっつけて計画を潰す事なんだけど、今だけはそれを忘れて一生懸命踊ろう」)
 復讐や戦いの布石のためのダンスでは、きっと皆を心から熱狂させられないから。そして。
(「私自身がダンスや周りから見られる事を楽しんで、情熱をさらけ出してこそ共感が得られると思うんだよね」)
 そんな想いで情熱的に踊りを続けていると、周りの人々の視線が次第にハニエルへと惹きつけられていく。
(「この後の戦いの事は考えずに、汗をかいて息が切れるほど全力で!」)
 そうして全力で振る舞われる踊りは強制され狂気に満ちた周囲の踊りの中で一際輝いて見えた。
(「天使の外見と魔性のダンスのギャップで、人もクロノヴェーダも全員の視線を釘付けにする!」)
 だから、実際に、踊りは確実に人々を元気づけ、そして、アビスローバー達の注目さえも集めてみせた。
 そして、その結果は……。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【通信障害】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!

●発覚
 最も優れた踊り手。
 その候補に2人の人間――実際にはリターナーと天使だが――が選ばれた。
 その2人のどちらがより優れているか、を見極めるため、『デリディーナ』が踊りながら、その2人へと強く強く注目する。
 そして、気付く。
「ディアボロス!」
「ディアボロスが紛れ込んでいます!」
 トループス級アビスローバー『デリディーナ』がようやくその存在に気付いた。
 ディアボロスを取り囲まんと、『デリディーナ』が動き出す。
 狂気に満ちていたとはいえ、踊っていればよかった安定と安寧が崩れ、人々が悲鳴をあげてある者は逃げ、あるものはうずくまる。
 彼らを勇気づけるために、戦え、ディアボロス。

●逃走開始
「アレの監視任務ということだったが、まさかディアボロスが現れるとは」
「急ぎ、報告に戻りましょう」
 頷き合い、トループス級アビスローバー『コンキスタドール・フグ』が戦場から離脱を始める。
 彼らの撃破は必須ではないが、逃げるのを許せば、ディアボロスの存在が、何某かにその接近が伝わるのは確実だ。
 どう対処するかはディアボロスの自由だ。
クウ・エニシア
 せっかくダンスで引きつけたので、そのままの勢いでやっていきます。締め付けに対して、あえて笑みを浮かべて効いていないアピールしてあげましょう。
「良いですねえ、このくらいじゃないと面白くありません。いや、もっときつくても良いですよ?」
「所詮この程度ですか、飽きました」
 と、余裕を見せる事で民衆を鼓舞しつつ魔骸連刃で軟体を斬り飛ばしましょう。余裕アピールも兼ねてはいますが、着替えている暇なんて当然ないのでサンバ衣装のままですし、ちょっと服は気を付けた方が良いかも……羞恥心はほぼありませんが、結果として相当露出を抑えた状況での軟体でぬめぬめ&締め付け。そこはかとなく危なげな光景でもある気がします。衣装がうっかり破れたりずれたりしようものなら謎の光さんのお世話になってしまいますので別の意味で盛り上がって本来の目的からずれかねません。一応、ダメージに関しては【活性治癒】【ドレイン】である程度フォローします。
 その他にも使用可能な技能、残留効果があれば全て使用。アドリブ、絡み、連携歓迎です


(「せっかくダンスで引きつけたので、そのままの勢いでやっていきます」)
 そう考えて、トループス級アビスローバー『デリディーナ』の包囲に相対するのは先ほど見事な踊りを披露して注目を集めたうちの片割れ、クウ・エニシア(リターナーのデーモンイーター・g06563)だ。
 先手を取ったのは『デリディーナ』。厳密にはクウが様子見を選んだので、『デリディーナ』が先を取った形。故に、『デリディーナ』は先手を取らされた、と表現するべきだろう。
「ディアボロス、大事な儀式を台無しにはさせません、覚悟」
 『デリディーナ』が一斉に攻撃を仕掛け、そのウミウシの如く軟体を利用して、クウの体を締め付ける。
「良いですねえ、このくらいじゃないと面白くありません。いや、もっときつくても良いですよ?」
 無視できないダメージのはずだが、クウは余裕そうに笑みを浮かべ、効いてないアピールをする。
「所詮この程度ですか、飽きました」
 たっぷり5秒、そのダメージを味わってそして耐えてから、クウはそう言って、反撃を開始する。
 発動するパラドクスは『魔骸連刃』。かつて喰らったクロノヴェーダの肉体から鋭利なやいばを生成し、自身にまとわりつく『デリディーナ』を一斉に切り払う。
 逆説連鎖戦は拮抗以上の場合反撃側のダメージが減衰してしまうため、本来、反撃メインで立ち回るのは不利だ。
 故に、クウが『デリディーナ』に与えたダメージも実際にはあまり多いとは言えない。
 しかし、あえて敵の攻撃を受け止めることで、民衆に「頼もしい」という感情を与える事はできた。
 それは民衆を鼓舞し、確実に今後の戦い、特に畏怖をその燃料とする『泡沫のウェパル『幼体』』との戦いで、間違いなく意味を為すことだろう。
 ところで。
(「余裕アピールも兼ねてはいますが、着替えている暇なんて当然ないのでサンバ衣装のままですし、ちょっと服は気を付けた方が良いかも……」)
 気になるのは自身の姿が露出度の高いサンバ衣装を着ているということ。
 クウは羞恥心が希薄な方で、あまり気にはならないが。
 かなりの露出度のところねヌメヌメした軟体に締め付けられたのだ、その様子は12歳の少女に形容して良いものかは分からないが、少し淫らにも見える。
(「衣装がうっかり破れたりずれたりしようものなら謎の光さんのお世話になってしまいますので別の意味で盛り上がって本来の目的からずれかねません」)
 と衣装の状態にも気を遣いつつ、クウはクロノヴェーダの肉体から生成した鋭利な刃を構え、今度は能動的に『デリディーナ』へと攻撃を仕掛けるのだった。
成功🔵​🔵​🔵​🔴​
効果1【活性治癒】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!

ハニエル・フェニックス
おっと、逃がさないよ!
私達もあんまり情報を持ち帰られると困っちゃうんだよね。
とゆー事で、ここは大人しく倒されちゃってよね!
それにここで逃がしてこんな儀式を今後も続けられたらたまんないもん。
向こうのクロノヴェーダは一旦仲間に任せて、私はこっちの方を受け持つよ!

まずは飛翔して機動力を確保。
まぁそれは戦い自体には関係ないけど、本命の目的は敵に追い付いて目立つ事!
逃げるにも追跡されながらじゃきっと落ち着かないよね。
そこをリングスラッシャーで攻撃だ!
敵の攻撃も一身に受けちゃいそうだけど……そこは我慢、逃げるのに集中されるよりはマシだからね。
私の存在をばんばんアピールして、どんどん反撃してもらっておっけー!
体力と気力の続く限り頑張るよ!
でも敵の毒は地面もどくどく状態にしちゃうんだなぁ……それってすっごく迷惑!
早い所やっつけちゃって、あまり環境を悪くしない様にしたいね!


「おっと、逃がさないよ!」
 見事な踊りを披露して注目を集めたうちの片割れが自身を包囲するトループス級アビスローバー『デリディーナ』の注意を惹いた瞬間。
 地面を蹴って、戦線を離脱し始めるのは見事な踊りを披露して注目を集めたうちのもう片割れ、ハニエル・フェニックス(第七の天使・g00897)だ。
 逃がさない、と言いつつハニエル自身が逃げているように見えるが、この言葉の対象は、『デリディーナ』ではない。
「私達もあんまり情報を持ち帰られると困っちゃうんだよね」
 そう、ハニエルの言葉がディアボロスの情報を持ち帰らんとするトループス級アビスローバー『コンキスタドール・フグ』への言葉だったのだ。
「む、ディアボロス、追ってきますか!」
「とゆー事で、ここは大人しく倒されちゃってよね! ここで逃がしてこんな儀式を今後も続けられたらたまんないもん」
 ハニエルの天使の翼が羽ばたき、回転する無数の光の輪が出現する。
 それは一斉に『コンキスタドール・フグ』に向けて放たれ、『コンキスタドール・フグ』を斬り裂いていく。
「くっ、なんとしても逃げなくては」
 『コンキスタドール・フグ』は即座に反転、フグ頭の口から猛毒の水鉄砲を放ってハニエルへ向けて攻撃する。
 それは一般人なら飛沫だけでも即死するような猛毒。
 【飛翔】も交え、自身への注目を集めるように振る舞いながら攻撃を続けるハニエルには、当然攻撃が集中する。
 攻撃を一身に受ける状況だが、ハニエルは撤退しない。
(「ここは我慢、逃げるのに集中されるよりはマシだからね」)
 無数に飛んでくる猛毒の水鉄砲を可能な限り回避しつつ、しかし、その数を前にはどうしても対処はしきれず、ハニエルの身体にダメージが蓄積していく。
「私の存在をばんばんアピールして、どんどん攻撃してもらっておっけー! 体力と気力の続く限り頑張るよ!」
 敵の能動的な猛毒の水鉄砲を受け止め、反撃に『リングスラッシャー』を放ちながら、ハニエルは元気にそう宣言する。
 だが、トループス級相手といえど、たった一人でその部隊全員から一斉攻撃を受けるような【飛翔】を行うのは、あまりに危険すぎた。
 ついにハニエルの気力と体力が限界を迎え、【飛翔】の効果が切れて墜落する。そう、『ハニエル・フェニックス(第七の天使・g00897)は重傷を負った』のだった。
 あとは新宿島に流れ着くことだろう。
 だが、ハニエルの頑張りは決して無駄ではない。ハニエルの努力の結果、『コンキスタドール・フグ』はまだ集落のすぐそばに留まっている。救援機動力でハニエルの元へ駆けつければ、ハニエルを引き継いで戦闘が可能だろう。
成功🔵​🔵​🔵​🔴​
効果1【飛翔】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!

クィト・メリトモナカアイス
だいなみっくえんとりー。
救援機動力で逃走するトループスの方へ参戦。
ちょっと出遅れはしたけれど。足を止めていてくれたので今なら間に合うはず。

逃げるトループス級に立ち塞がったり、ある程度距離を詰められたら黄金猫拳打棒を地面へと突き立てて【防衛ライン】を逃走方向に敷く。
10mじゃ完全に道を塞ぐとはいかぬけど。ぐるっと回り道をさせるくらいはできる。
でもって我はそんな隙は見逃さぬ。えらい。

突き立てた黄金猫拳打棒から放つは「ディバインゲイザー」。守護の信念のエネルギー波で変な顔の魚を飲み込む。逃げられぬように殲滅速度重視。反撃も増えるけど大勢を巻き込める攻撃をしよう。
なんかこう……エジプトからだいぶ遠くに来た感は強い。とても強いけど。
我は民の守護者。どこにいようとそれは変わらぬ。
略奪者を逃すことはなし。

反撃の毒液攻撃はディバインゲイザーのエネルギーの奔流をぶつけて相殺、できるかぎり我に当たるのを減らし、【ガードアップ】でダメージを抑えよう……あれ、これもしかして唾液なのでは……? ばっちぃ。


「撃墜完了。ディアボロス、思ったよりあっけなかったですね」
「えぇ、報告を急ぎましょう」
 先のディアボロスを倒したことで、トループス級アビスローバー『コンキスタドール・フグ』は油断しきっていた。
「だいなみっくえんとりー」
 そういって、先を急がんと歩き出した『コンキスタドール・フグ』の真正面に立ち塞がるのは、救援機動力で駆けつけてきた茶色の肌に銀髪が映える無表情のディアボロス、クィト・メリトモナカアイス(モナカアイスに愛されし守護者・g00885)だ。
(「ちょっと出遅れはしたけれど。足を止めていてくれたので今なら間に合うはず」)
 先のディアボロスが足止めしてくれたおかげで、『コンキスタドール・フグ』はまだ集落のすぐそばにいる。余裕で間に合う状況だった。
「なっ、ディアボロス!? もう増援がやってきたのか? どこから……」
 クィトは立ちふさがった状況のまま、先端が肉球の形をした純金製の棒『黄金猫拳打棒』を地面に突き立て、【防衛ライン】を設置する。
 ここは道なき道。【防衛ライン】は10mしかなく、いくらでも迂回が出来る。けれども……。
(「10mじゃ完全に道を塞ぐとはいかぬけど。ぐるっと回り道をさせるくらいはできる。でもって我はそんな隙は見逃さぬ。えらい」)
 クィトの目的は『コンキスタドール・フグ』を回り道させること。それによりほんの僅かだが、隙を作ることにあった。
 回り道をするため側面を向けた『コンキスタドール・フグ』に向け、地面に突き立てた『黄金猫拳打棒』からパラドクス『ディバインゲイザー』が放たれる。
 守護の信念が具現化したエネルギーの奔流が噴出し、クィトが「変な顔の魚」と思っているアビスローバー『コンキスタドール・フグ』を飲み込んでいく。
 浮足立ったところを狙われた『コンキスタドール・フグ』は咄嗟に反撃を放ち、フグ頭の口から一般人なら飛沫だけで即死するような猛毒の水鉄砲をクィトに向けて放つ。
 対するクィトはそれに『ディバインゲイザー』の守護の信念が具現化したエネルギーの奔流をぶつける。パラドクス同士がぶつかり合い、時空が軋みを上げる。
 浮足立った『コンキスタドール・フグ』の散発的な反撃が、敵の隙を狙ったクィトのパラドクスに対し打ち勝てるはずもない。
 結果はクィトのパラドクスの圧勝であり、クィトには僅かなダメージにならないほどの飛沫が付着するに留まった。
「……あれ、これもしかして唾液なのでは……? ばっちぃ」
 と、クィトはマイペースに服と肌の汚れを気にする。
「なんかこう……エジプトからだいぶ遠くに来た感は強い。とても強いけど」
 クィトは『黄金猫拳打棒』を構え、次の攻撃に備える。
「我は民の守護者。どこにいようとそれは変わらぬ。略奪者を逃すことはなし」
 クィトはそれからも殲滅速度重視で攻撃を繰り返し、先のディアボロスの反撃によって弱っていた『コンキスタドール・フグ』は確実に殲滅されていったのであった。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【防衛ライン】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV1が発生!

風見・茜
乱入失礼!
立てば鉄棒、座れば鉄塊、歩く姿はスクラップ!サイボーグ風見の初陣だ!よろしくお願いします!
※胡乱な言動ですが全体の勝利の為に最善を尽くします

味方の活躍で熱気が高まっている、最高だ
更に盛り上げられるよう私も一肌脱ごう!
あっ私はフルフェイスマスクだし中身ほぼ機械で実際には脱げないんだ……ごめんね……

気を取り直し、次は私の番だ~!と大声で威勢よく躍り出る
カーニバルと言ったら炎だよね?違う?
うおおお唸れ私の魂 メタリック!プロミネーンス!
情熱的なパラドクスの火炎で舞台を演出し、敵にダメージを与える
当然民衆に当てないようにね
超クールな武装じゃん!
炎で共に戦う味方の姿も鮮やかに照らそう
敵の反撃を受ける時は受け身の見栄えを意識する
ヒーローがピンチから立ち上がる姿もまた美しい!

拳に、両足に炎を纏わせ力強く
殴るように舞う、舞うように殴る!
たまに戦隊ものめいたカッコイイポーズも取ってみる

余裕があれば観衆に手拍子を催促
最後は福丸に背中の砲台から花火でも打ち上げてもらおう
皆が楽しんでくれるといいな!


 視点は戻ってトループス級アビスローバー『デリディーナ』。
 先のディアボロスとの交戦の中、声をかける女性が一人。
「乱入失礼!」
 そう言って姿を現すのは勿論、救援機動力で駆けつけたディアボロス。
「立てば鉄棒、座れば鉄塊、歩く姿はスクラップ! サイボーグ風見の初陣だ! よろしくお願いします!」
 そう言って周囲の民衆に元気に声をかけるのは、黒髪に赤い瞳のサイボーグ、風見・茜(サイボーグのバウンサー・g10800)だ。
「味方の活躍で熱気が高まっている、最高だ。更に盛り上げられるよう私も一肌脱ごう!」
 そう言って、拳を握り、『デリディーナ』に向き直る。
 と言いつつ、茜はほぼ肌を露出しない見た目をしているが……?
「あっ私はフルフェイスマスクだし中身ほぼ機械で実際には脱げないんだ……ごめんね…」
 そう言って、頭をかく。敵を前にそんな軽口を叩くこともまた、ある意味民衆を鼓舞するのに貢献しているのだろう。
「さぁ、次は私の番だ~!」
 気を取り直し、大声で威勢よく。茜が『デリディーナ』の前に躍り出る。
「おしゃべりなディアボロスですね」
「おしゃべりでは私たちには勝てませんよ」
 『デリディーナ』もまた、軟体をくねらせながら、茜へと向き直る。
 そうは言いつつも『デリディーナ』は油断なく茜の出方を伺っている。
「カーニバルと言ったら炎だよね? 違う? うおおお唸れ私の魂 メタリック! プロミネーンス!」
 発動するパラドクスは宣言の通り『メタリックプロミネンス』。
 改造された茜の肉体に埋め込まれし動力炉から高熱の火炎が放たれ、周囲を火炎の舞台で彩っていく。
「超クールな武装じゃん!」
 自身のパラドクスに気を良くしながら、茜はヒーローの如くポーズを決める。
 対する攻撃を受けた『デリディーナ』は当然の如く反撃を敢行する。
 軟体をうねらせ、茜の体に絡みつき、その動きを封じる。
 茜はそれも見栄えを意識して、ダメージを負いつつ、そして、立ち上がる。
「ヒーローがピンチから立ち上がる姿もまた美しい!」
 かくして、『デリディーナ』と茜との交戦が本格化する。
 茜は民衆に手拍子を催促し、空気を盛り上げていく。
 放った火炎を拳や両足に纏わせ、殴る蹴るで攻撃する。殴るように舞い、舞うように殴る。
 舞うのは無駄な動きなので戦いには不利だが、民衆を鼓舞する意味では何も間違っていない。
 間にカッコイイポーズを決めるのも、勿論忘れない。
「皆が楽しんでくれるといいな!」
 茜は確実に民衆を鼓舞しながら、戦闘を継続したのだった。
成功🔵​🔵​🔵​🔴​
効果1【熱波の支配者】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!

クィト・メリトモナカアイス
んむ、よござんす。
んでは次。やーるぞー。
はっ、これはかっこよく変身すべきなのでは……?
こうしてはおられぬ。「モナアーマー」装着!

水陸両用のユニット・モナアーマーを着て、黄金猫拳打棒をメイン武装で戦闘。
搭載武装を使わないのにモナアーマーを着る理由はかっこよさ。我はいつもかっこいいけど。
樹や地形を利用してぴょーんと勢いよく戦場に跳び込みつつ、「災いたれ守護の血河」。黄金猫拳打棒でデリディーナをぶん殴る。
殴るって割と地味……?
んむ、我もなるだけ派手にやろう。攻撃をする時には豪快に大ぶりでデリディーナたちを殴り飛ばして吹き飛ばす。とりゃー。

反撃の液体弾で動きづらくても余裕を見せながらこっそりねちょねちょを振り払い、効いていないと周囲にはあぴーるしよう。
ふんむ。おぉう、ねばねば……けれども。
汝らねばねばするもの。汝らのねばねばでは我は止められぬし倒せぬ。

んむ、我らは狂気にも負けぬし、暴力にも負けぬ。
我らは強いし、我らは勝つ。
汝らもせっかくなのでそこで見ていくと良き。
民にも言葉をかけ余裕を見せる。


「んむ、よござんす。んでは次。やーるぞー」
 トループス級アビスローバー『コンキスタドール・フグ』を殲滅したクィト・メリトモナカアイス(モナカアイスに愛されし守護者・g00885)は、先のディアボロスがかっこよくポーズを決めているところに合流してくる。
「はっ、これはかっこよく変身すべきなのでは……? こうしてはおられぬ。『モナアーマー』装着!」
 そう言って、クィトは『フロートユニット「モナアーマー」』を装着し、『黄金猫拳打棒』をメイン武装として構え、トループス級アビスローバー『デリディーナ』への攻撃に備える。
 海上でもないし、搭載武装を使う予定もないのに、モナアーマーを装着する、それはデッドウェイトを装備するだけのように思えるが……?
(「搭載武装を使わないのにモナアーマーを着る理由はかっこよさ。我はいつもかっこいいけど」)
 と言うことで、要はこれも民衆を鼓舞するためだ。
 そのまま周囲の木々や建物を利用して、戦場に飛び込み、パラドクスを発動。
 『黄金猫拳打棒』で殴打を敢行する。
 そこで、クィトはこの戦い方の問題点に気付く。
「殴るって割と地味……?」
 クィト達ディアボロスはこの戦いの中で、民衆を鼓舞するように戦わなければならない。
 だが、周囲のディアボロスに比べて、自分の戦法は鼓舞目的としてはいささか地味なのではないか、とクィトは感じてしまった。
「んむ、我もなるだけ派手にやろう」
 飛び上がって空中でそう思いなおし、次なる攻撃は、豪快に大ぶりで振るわれた。
「とりゃー」
 それは当然、隙も大きくリスクも大きいのだが、何も知らない民衆には頼もしく映る。
「ディアボロス、どんどんやってきますね」
「何人やってこようと倒すまでです」
 『デリディーナ』は粘着性の液体弾を放ち、クィトに反撃を開始する。
 それはただダメージを与えるに留まらず、動きを封じる恐るべし攻撃。
「ふんむ。おぉう、ねばねば……けれども」
 クィトはその粘着性液体をこっそりと振り払いつつも、言葉を紡ぐ。
「汝らねばねばするもの。汝らのねばねばでは我は止められぬし倒せぬ」
 当然、実際にはダメージを受けているのだが、クィトの余裕そうな様子からはそんなことは全く伺えない。
「んむ、我らは狂気にも負けぬし、暴力にも負けぬ」
 一回の逆説連鎖戦を終え、睨み合いになったところでクィトが民衆に向けて言葉を発する。
「我らは強いし、我らは勝つ。汝らもせっかくなのでそこで見ていくと良き」
 その言葉は確実に民衆を勇気付け、『泡沫のウェパル』に集まる畏怖を確実に減らしたことだろう。
 民衆の様子を見て自分達の鼓舞がうまく行ったことを確信したディアボロス達はそこから一気に攻勢に打って出て、見事『デリディーナ』を殲滅したのであった。
成功🔵​🔵​🔵​🔴​
効果1【書物解読】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!

 民衆を鼓舞しながら戦うディアボロスの様子を静かに踊りながら見つめる影が一つ。
 静かに踊り続けるそれは、アヴァタール級アークデーモン『泡沫のウェパル『幼体』』。
 しかし、民衆が鼓舞され、少しずつ希望を取り戻すほどに、その踊りは激しくなっていく。
 その内部に秘められた感情は……怒り。
 言葉なく『泡沫のウェパル『幼体』』は踊りのままに怒りを露わにする。
 よくも我らの畏怖を。
 よくも我らの養分を。
 『泡沫のウェパル『幼体』』がパラドクス発動の体制を取る。
 生贄が殺されるのを防ぎ、民衆の畏怖を打ち砕き、そして今、『泡沫のウェパル『幼体』』の前に立っている。
 今こそ、『泡沫のウェパル『幼体』』を倒し、陰謀を終わらせる時だ。
クィト・メリトモナカアイス
なに見てんだー、やんのかー、がおー。
おぉう、やる気。
んむ、問題なし。
ここに汝を畏れるものはおらず、汝に捧げられる贄もなし。

黄金猫拳打棒に火を灯し、「北より至れ月冠す火」。
炎の肉球パンチでウェパル幼体を殴り倒す。
反撃の大嵐や溢れる海水に押し流されたり飛ばされたりは【飛翔】で空中でも動き、無防備に攻撃を受けることがないように。もう敵も1体しかおらぬし安心。黄金猫拳打棒を掲げ、火が消えぬこと、我が無事なことを民にアピールしよう。
嵐に負けず接近し、燃える肉球のアッパーカット。ウェパルをノックアウトしつつ、燃え移る炎で焼こう。

個人的に。これは我の好き嫌いのお話なのだけれど。
我は生贄を求めるやつが好きくない。
汝の名は語られず、刻まれず。
畏れとともに水底へと沈むべし。
汝に陽が当たることはなし。

んむ、こんなところまで来ても相変わらずとんでもない奴ら。
どこにいるかは分からぬけれど、本体も見つけてしばき倒すべし。


一里塚・燐寧
はぁ~、ほっとくとポコポコ増えるジェネラル級がいたなんてねぇ。めんどくさぁ~
じゃあ逆に、なんでTOKYO時代には増えてなかったの、って思うんだけどさ
アビスローバーが後付けした能力だったりするのかなぁ?

何はともあれ今やることはひとつだねぇ
さーて、きみにはお魚さんのすり身になってもらうよぉ

≪テンペスト・レイザー≫を怨念に形を与えるパラドクスで巨大化させ、『絶技:界を絶つ巨剣』を発動!
でっかい刀身を叩きつけて敵を地面に押し倒し、そのまま回転鋸刃を起動
幾重もの刃が廻り続けて体内まで深く切り込んでいく斬撃によって、ぐちゃぐちゃに解体しちゃうよぉ!
ねぇねぇ、かまぼこになりたい? それともちくわ? あ、実は魚肉ソーセージ派?
子供向けに復讐者シール付きのソーセージを売り出すのもアリかもなぁ、んふふ……

反撃の泡は得物を振り回して叩き落としたり、≪否定の呪力≫をぶつけて押しやることで対処
あちゃー、毒入りかぁ。こりゃ商品化できそうにないや

ふー、とんだ迷惑キッズだったねぇ
今度親御さんに文句言いに行かなきゃだよぉ


風見・茜
よしよし、あとは皆と敵さんの親玉を殴ればいいんだね?
犬笛でパンツァーハウンドの福丸に指示を出して連携するよ
一緒に戦う皆との連携もOKです!

やいやい、お前さんなんか怖くないぞ!畏怖だか何だか知らないけども!
バールのようなものを振り上げて、正面からウェパルの幼体に殴りかかるよ
ついでに大声でも出して気を引いてみようかな?
お覚悟~!!とか言って
本気で殴ってどうにかする訳じゃない、あくまでも気を引くだけ
パラドクス技じゃないとダメージは入らないだろうからね、でもそれで良い
別方向から飛び出してきた福丸に敵さんのお腹に風穴空けてもらうのが狙いだ
本命の「ハウンドキャノン」をお見舞いするよ
福丸、ドカンと砲撃やっちゃって!

反撃の歌声って福丸にめちゃくちゃ吠えてもらったらかき消せないかな?
福丸、私がおかしくなった時は私諸共一思いにいてててて!!
一切の躊躇なく噛みついたなあ!……でも目が覚めたよ、ありがとう!


「なに見てんだー、やんのかー、がおー」
 トループス級との戦闘を終え、アヴァタール級アークデーモン『泡沫のウェパル『幼体』』の視線に気付き、そう言って威嚇するのはクィト・メリトモナカアイス(モナカアイスに愛されし守護者・g00885)だ。
 対する『泡沫のウェパル『幼体』』の踊りに込められた感情は、怒り。
 よくも我らの畏怖を。
 よくも我らの養分を。
 と猛り狂う。
「おぉう、やる気」
 その感情を感じ取ったか、クィトも『黄金猫拳打棒』を構え直す。
「よしよし、あとは皆と敵さんの親玉を殴ればいいんだね?」
 同じくトループス級との戦闘を終えた風見・茜(サイボーグのバウンサー・g10800)もそのやりとりに気づき、連れているパンツァーハウンド『福丸』に指示を出すための『犬笛』を取り出す。
「はぁ~、ほっとくとポコポコ増えるジェネラル級がいたなんてねぇ。めんどくさぁ~」
 そしてその場に救援機動力で駆けつけてくるのはピンクの髪をサイドテールにまとめた軽薄な顔のディアボロス、一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)だ。
「じゃあ逆に、なんでTOKYO時代には増えてなかったの、って思うんだけどさ。アビスローバーが後付けした能力だったりするのかなぁ?」
 そんな疑問を口にしつつも、言葉を発する様子のない『泡沫のウェパル『幼体』』からは答えを聞ける気配はない。
「何はともあれ今やることはひとつだねぇ。さーて、きみにはお魚さんのすり身になってもらうよぉ」
 そう言って、燐寧はチェーンソーの刃を持つ大剣、『テンペスト・レイザー』を構える。
「んむ、問題なし」
 仲間は3人と1匹。アヴァタール級相手であれば戦えないことはないメンバーだ、とクィトが頷く。
 そして何より。
「ここに汝を畏れるものはおらず、汝に捧げられる贄もなし」
 『泡沫のウェパル『幼体』』を強化するための陰謀はその全てをディアボロスによって打ち砕かれている。
 故に、今の『泡沫のウェパル『幼体』』に負ける道理はない。
「今日の黄金猫拳打棒は真っ赤に燃えている」
「1ミリでも削れるなら……」
 まず動いたのはクィトと燐寧。
 2人はほぼ同時にパラドクスを発動する。
 クィトの『黄金猫拳打棒』は、炎を纏い、先端の肉球が高熱で真っ赤に光り初め、燐寧の『テンペスト・レイザー』は、クロノヴェーダの犠牲者達の怨念を集積し、具現化させ、超巨大な鎖鋸剣へと変化していく。
 それぞれ、パラドクス『北より至れ月冠す火』とパラドクス『絶技:界を絶つ巨剣』だ。
 まずは身軽なクィトが先手を取る。
 炎の肉球パンチが『泡沫のウェパル『幼体』』に迫る。
 対する『泡沫のウェパル『幼体』』は激しく踊りながら、反撃として大嵐を呼び出す。
 同時、溢れ出す大量の海水はクィトを押し流さんと迫る。
 クィトはこれを地面を蹴って飛び上がり対抗する。
 炎を纏った『黄金猫拳打棒』と押し流さんと迫る海水が空中でぶつかり合い、時空が軋みをあげる。
 だが、カーニバルで民衆の注目を大きく集め、戦いで民衆を鼓舞してきたディアボロスの前に、『泡沫のウェパル『幼体』』が集められた畏怖のエネルギーは多くない。。
 クィトが拮抗の中で『黄金猫拳打棒』を掲げ、火が消えてないことをアピールすると、民衆はさらに鼓舞され、『泡沫のウェパル『幼体』』は怒りにまかせて激しく踊る。
 精神的有利を確保したクィトが勝ったことは疑うべくもない。
 迫り来る大量の海水を引き裂いて、クィトは『泡沫のウェパル『幼体』』に対し、燃える肉球のアッパーカットを決める。
 そして、その攻撃を受けて、よろめいた隙を見逃さず、今度は燐寧が迫る。
「そこから世界だってブッた斬る――これがチェーンソーの神髄だよぉ!」
 よろめいた『泡沫のウェパル『幼体』』に向けて、超巨大鎖鋸剣が襲いかかる。
 巨大な刀身が『泡沫のウェパル『幼体』』に叩きつけられ、そのまま回転鋸刃が稼働、『泡沫のウェパル『幼体』』の解体が始まる。
「ねぇねぇ、かまぼこになりたい? それともちくわ? あ、実は魚肉ソーセージ派? 子供向けに復讐者シール付きのソーセージを売り出すのもアリかもなぁ、んふふ……」
 軽薄な顔で笑う燐寧に、『泡沫のウェパル『幼体』』はなんとか咄嗟に毒の泡を放つ。
 燐寧は後ろに飛び下がって超巨大鎖鋸剣を振り回して叩き落としたり、『否定の呪力』で相殺することで、攻撃を受け止める。
「あちゃー、毒入りかぁ。こりゃ商品化できそうにないや」
 そう頭を掻く燐寧の視界の中で、『泡沫のウェパル『幼体』』が立ち上がる。
「やいやい、お前さんなんか怖くないぞ! 畏怖だか何だか知らないけども!」
 怒りに燃える『泡沫のウェパル『幼体』』に対し、次に躍り出るのは茜。
「お覚悟~!!」
 などと大声をあげて、『バールのようなもの』を振りかぶる。
 パラドクスならぬその攻撃はクロノヴェーダたる『泡沫のウェパル『幼体』』にダメージを与えられない。
 そんなことは茜とて分かっている。だから、『泡沫のウェパル『幼体』』がノーダメージで反撃として美しい旋律の歌声を響かせ初めても慌てることはなかった。
 直後、死角に潜り込んでいた『福丸』によるパラドクス『ハウンドキャノン』が放たれ、『泡沫のウェパル『幼体』』を正確に撃ち抜いたのだ。
 普段の『泡沫のウェパル『幼体』』ならこの程度の揺動に引っかかることはなかっただろう。
 だが、得られるはずだった畏怖のエネルギーを取り上げられ、二度にわたるディアボロスの攻撃で頭に血を上らせていた『泡沫のウェパル『幼体』』には気付けなかった。
 『福丸』はそのまま、パラドクスの効果で自傷に走りそうになっている茜に飛びつき、噛みついた。
「いてててて!! 一切の躊躇なく噛みついたなあ!……でも目が覚めたよ、ありがとう!」
 事前に、地震がおかしくなった時は諸共に攻撃するように頼んであったのだ。
 攻撃を中断させられ怒りに燃える『泡沫のウェパル『幼体』』はそのまま、三人の連携攻撃の前に為す術なく負傷を重ね、やがて、倒れた。
「個人的に。これは我の好き嫌いのお話なのだけれど」
 倒れゆく『泡沫のウェパル『幼体』』にクィトが声をかける。
「我は生贄を求めるやつが好きくない。汝の名は語られず、刻まれず。畏れとともに水底へと沈むべし。汝に陽が当たることはなし」
 その言葉はもはや『泡沫のウェパル『幼体』』に届くことはない。
「ふー、とんだ迷惑キッズだったねぇ。今度親御さんに文句言いに行かなきゃだよぉ」
 『泡沫のウェパル『幼体』』が倒れたのを見て、燐寧がそう呟く。
「んむ、こんなところまで来ても相変わらずとんでもない奴ら。どこにいるかは分からぬけれど、本体も見つけてしばき倒すべし」
 その言葉にクィトも、そして茜も頷く。
 だが、今のところはまだ本体の居場所も分からない。
 今はただ、最終人類史に戻り、次の戦いに備えるだけだ。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【熱波の支配者】がLV2になった!
【モブオーラ】LV1が発生!
【動物の友】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV2になった!
【命中アップ】LV2が発生!

最終結果:成功

完成日2024年04月02日