イスカンダル軍奇襲戦~トロル兵団の精鋭(作者 彌厘)
#蹂躙戦記イスカンダル
#イラン高原、イスカンダル軍奇襲作戦
#イラン高原
#ペルセポリス
#断片の王『イスカンダル』
#イラン高原大決戦
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●イスカンダルの大軍勢
そこではオークやトロル、コボルトなど様々な種の亜人が大軍隊となっていた。軍旗も様々なものが掲げられており複数の将が集まっている事をうかがわせる。
そんな彼らが注目しているのはただ一人。重鎧を身にまとった獅子のような亜人であり断片の王であるイスカンダルだ。
「――業腹ではあるが、ペルセポリスより東の領土は放棄し、体制を立て直すしかあるまい」
苦渋の表情を浮かべていたイスカンダルだったがすぐに王たる威厳をたたえた顔に変わる。
「だが、敵がいかなる想定外の策を弄して来ようと、それら全てを倒してこそ『唯一絶対の王』足りうるというものだ。将兵たちよ、新たな蹂躙のため、我と共に進軍せよ!」
王の言葉に亜人たちは叫ぶように答え拳を突き上げるのだった。
●新宿駅グランドターミナルにて
「蹂躙戦記イスカンダルで行われていたペルセポリス電撃戦は、無事に成功した」
シェスト・ツリュクベコメン(サイボーグの殲滅機兵・g03339)は集まった復讐者たちに説明を始める。
「この結果、ペルセポリスに向かっていた断片の王イスカンダルは、ペルセポリスを見捨て更に西に向かって移動しようとしているようだ。そこで皆にはイスカンダル率いる軍勢にさらなる奇襲をかけて欲しい」
ペルセポリスへの奇襲で敵は混乱している。この機に乗じてイスカンダル軍に打撃を与える事で攻略旅団の思惑通りの情報を得る事ができるだろう。そのため今回の作戦は情報収集を行うのための支援的な作戦となる。情報収集はこの作戦が成功し次第行われるため責任重大だ。
「インド遠征軍は圧倒的な大軍ではあるが多数の亜人部族の混成軍であるため、部隊間の連携などは得意では無いようだ。亜人の軍勢は攻撃時にこそ最大の力を発揮するので、受け身に回っている間はその力を十全には発揮できないのだろう。敵陣の奥に入り込み過ぎないように、外側の部隊を叩いて混乱させつつ、敵戦力を削って撤退してくれ」
そう言いながらシェストは亜人の写真を復讐者たちに見せる。
「今回皆に奇襲してもらうのは、アヴァタール級亜人『トロル兵団』ヒュパスピスタイが率いる部隊だ。ヒュパスピスタイはトロル兵団の中でも珍しく知的で精鋭だ。ただ、その部下のトループス級亜人『オーガコンスル』は賢そうに振舞っているが実際は他のオーガと大差ない知能だ。皆ならば問題なく討てるだろう」
説明を終えた時先案内人は復讐者たちの顔を順に見て話を締めくくる。
「今回の作戦が多く成功すれば、攻略旅団の望む情報が得られるだけでなく、イスカンダル軍に従軍している多数のジェネラル級との決戦を行う事もできるかもしれない。全てを討つ事は難しいだろうが、少しでも戦力を削ぐ事ができればイスカンダルを討つ事もその分容易になるだろう。心して挑んで欲しい」
●ヒュパスピスタイ隊
「特別休暇は、お預け、ですか」
「せっかく、ここまで、急いで、来たのに……」
オーガコンスルたちは少し不満げな声を上げている。どうやらペルセポリスで特別休暇があると言われていたようだ。
「王のご命令だ、仕方ない。お前たちの賢さなら、王のご判断が正しいのはわかるだろう?」
それに対してヒュパスピスタイは眼鏡をくいっと上げながら冷静に尋ねた。
するとたちまちオーガコンスルたちは元気にうなずく。
「もちろん、わかるです!」
「ならば王をお守りしなければ。賢いお前たちなら簡単にできるだろう?」
「当然、です!」
オーガコンスルたちは従順にうなずくとヒュパスピスタイに従い行軍するのだった。
リプレイ
夏候・錬晏
※連携アドリブ歓迎
今回の一団は亜人の中では頭脳派なのだろうか?
巻物を持っていたり、メガネを付けていたり…持っているものは物騒だが
何にせよ油断は禁物。環境に溶け込みやすい色の外套を羽織り、見付からないギリギリまで風下から接近する
シフル殿が仕掛けるのに合わせてパラドクスを発動
黒龍偃月刀を掲げ、朱殷の闘気で形成した怒龍が天に昇れば、たちまち雨が降り始め、やがて沛雨となって『オーガコンスル』を強襲する
反撃の知恵熱とやらは、普段使わぬ頭を使うから出るのでは…?とは声に出さず、冷静に見極め<ジャンプ>や戦花護紋で凌ぎつつ
すかさず偃月刀の刃を返し、首を刎ねていく
「まあ、頭を冷やせよ」
と遠慮なく沛雨の水をぶっかけ続けることで、小隊内の立て直しを許さぬように<制圧射撃>を
仲間と挟撃するように立ち回ることで『オーガコンスル』達の狙いを定めさせず、混乱の立て直しを許さない
短時間で討ち取っていけるよう【能力値アップ】を活用
仲間にはディフェンスして消耗を最小限になるように
シューニャ・シフル
アドリブ連携歓迎
断片の王の軍勢か。まぁ、これくらいはいるだろうな。その軍勢一枚ずつ確実に剥ぎ取らせてもらうぜ。
こんな高原じゃ隠れる場所も少ないからな。双眼鏡で敵が向いていない方を確認して移動する。オーガの方は大して考えるタイプでもないから隙はあるだろ。身を低くして移動、別方向に石でも投げてそっちに反応すると同時に仕掛ける。
へぇ、知は力なのか。そんじゃあ俺と知恵比べしようじゃねぇか。片っ端から相手になってやるよ。
目についた奴からぶん殴る。知恵比べときいて頭を使おうとしてる奴がいたら優先して仕掛ける。
巻物は左腕に取り付けた追加装甲を盾にして防ぐ。なんでこいつらいちいち巻物で殴ってくるんだ?普通に殴ったほうが早いだろ。
どうやら知恵比べは俺の勝ちみたいだな。
*敵を貶すような発言はしません。
●拳と雨
イラン高原を行軍する大軍隊。
それを小高い丘から双眼鏡で観察しながらシューニャ・シフル(廃棄個体 No00・g07807)がフンと鼻を鳴らす。
「断片の王の軍勢か。まぁ、これくらいはいるだろうな。その軍勢一枚ずつ確実に剥ぎ取らせてもらうぜ」
シューニャの隣で夏候・錬晏(隻腕武人・g05657)も藍色の長髪を風になびかせながら今回の討伐対象であるヒュパスピスタイ率いる小隊を観察している。
「今回の一団は亜人の中では頭脳派なのだろうか? 巻物を持っていたり、眼鏡をかけていたり……ヒュパスピスタイが持っているものは物騒だが」
知的な様に反して指揮官は大きなとげ付き棍棒を片手で軽々と持っているのを琥珀色の瞳で確認する。知的ではあるがひ弱ではないようだ。
「どっちだってぶん殴る事に変わりはないさ」
「それもそうだ。何にせよ油断は禁物だな」
「ああ。隠れられる場所も少ないから、慎重に行こうぜ」
二人は起伏の少ない高原の砂地と同色の外套を羽織ると身を低くして風下から件の部隊にぎりぎりまで接近する。
シューニャは小石を拾うと敵が反対に注目するように自分たちとは逆方向へとそれを放り投げた。
「ん? ……なんだ、石ころ、ですか」
シューニャの狙い通りにオーガコンスルはそちらを向き何事もなかったように歩を進めようとした。
しかしヒュパスピスタイはハッとして振り返ろうとする。
「待て! 敵が近くに――」
「こいつで十分だ。かかってこいよ」
その頃には己の拳にパラドクスを宿したシューニャが赤茶の髪をなびかせ肉薄した二体の敵を殴り倒していた。
「!? 敵、です!」
それを見てようやくこちらの存在を認識したオーガは二体同時に石のように硬い巻物を振り上げ彼女を強打しようとした。
「怒りに呑まれろ」
その二体と付近にいたもう二体の頭上から突然刃のように鋭い雨が豪雨のように降りそそぐ。錬晏のパラドクスによる攻撃だ。
四体のオーガは何もできないまま地に伏した。
「うおおお! よくも、仲間をおお!」
それに激怒したオーガたちが四方から錬晏をにらみ頭部から熱線を同時に放つ。
(「これを避けるのは難しいか」)
そう判断した錬晏はアイリスの紋章にも似た魔力障壁『戦花護紋』を展開し運良く敵の攻撃を防ぎ切った。
「俺とも知恵比べしてくれよ、なあ!」
攻撃直後の敵をシューニャが容赦なく殴り飛ばす。
「こ、この……!」
「まあ、頭を冷やせよ」
錬晏が彼女に反撃しようとする敵とその付近の敵を龍が彫られた黒刃の『黒龍偃月刀』で指し示し雨を降らせて黙らせる。
二人の見事な連係でオーガコンスルたちはあっという間に全て倒れ伏した。
「どうやら知恵比べは俺の勝ちみたいだな。あとはてめぇだけだぜ?」
シューニャは不敵に笑って琥珀の瞳で敵指揮官を見る。
部下たちの惨状にアヴァタール級亜人『トロル兵団』ヒュパスピスタイは深いため息をついた。
「せっかくの扱いやすい部下だったというのに、全て倒してしまうとはな。だが、お前たちの戦いぶりは見させてもらった。私を奴らと同じとは思わない事だ」
そう言うとヒュパスピスタイは棍棒を握り油断なく構えた。
彼を討つ事ができればこの任務は成功だ。そう考えた復讐者たちも戦闘態勢を取るのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【完全視界】LV1が発生!
【悲劇感知】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
夏候・錬晏
※連携アドリブ歓迎
手下がやられても冷静だな
まあ取り乱す亜人も見たことはないが
「安心しろ、お前には特別なのをくれてやる」
目を細めて不敵に笑えば、<殺気>が高まり朱殷の闘気が怒龍を形成
黒龍偃月刀を構え、腰を軽く落とし、足を大地に踏みしめて、いつでも動ける臨戦態勢に
軽い足取りで<ダッシュ>し肉薄
まずはあいさつ代わりと偃月刀を<薙ぎ払い>、盾の防御を誘ってできた死角から、朱殷の怒龍を襲わせ意識を<撹乱>
一瞬意識が逸れた隙を逃さず【能力値アップ】を付与した一閃を叩き込む
反撃の火球は【ガードアップ】と戦花護紋で耐えつつ、棍棒の追撃を<看破>し偃月刀でいなすことで、損傷を最小限に
怯まず、すかさず攻勢に出て、立て直す間を与えないように立ち回り、仲間の攻撃に繋げよう
その盾も棍棒も、偃月刀の刃の前には無意味だとしれ
シューニャ・シフル
アドリブ連携歓迎
素手でやりあってるところ見たからどうだって言うんだよ。こっちには武器だっていくらでもあるんだぜ。ありったけ持っていきな。
ククリを左手に、M92FS-Cを右手にそれぞれ構える。先手必勝だ。考えさせる前に速攻で仕掛ける。銃弾は一瞬でもあいつの気が逸らせればいい。本命は近接戦だ。
武器は折れても構わねぇ。折れたらもう一本を使えばいいだけだ。
打ち合いながら足を振り上げずにできる最低限の動作でブーツの仕込みナイフを使ってヒュパスピスタイの足首に突き刺す。
武器はいくらでもあるって言っておいただろ。油断するなよな。
最後に右手の武器を手放して右腕を刃に変えて首を狙う。至近距離から不意打ちの連続だ。かわせるもんじゃねぇだろ。
戦闘ってのはこうでないとな。楽しかったぜ。
*敵を貶すような発言はしません。
エイレーネ・エピケフィシア
部下の性質を見抜いて的確に制御していたあなたは、蛮勇を誇るばかりの者とは異なるようです
しかし、愚かであろうと賢くあろうと、亜人が人々の命と幸福を脅かすことに何ら違いはありません
イスカンダルの軍勢を切り崩し、その矛先が向く先の災禍を止めるため――ここであなたを討ちます!
既に参戦している仲間が近接戦で痛撃を見舞うようですから、わたしは少し退いた距離より支援し敵の隙を作ります
≪神護の長槍≫のリーチを活かして敵との距離を保ちながら、『邪悪を穿つ彗星の猛打』を発動
連続の突きに伴って放たれる光弾を次々と当て、敵に対処を迫りましょう
盾と棍棒を用いて応戦することはできるかもしれません
ですが、この物量に圧されてその対処ばかりに躍起になれば、仲間の猛撃に晒されることになるでしょう
反撃の火球は槍の穂先で打って叩き落とし、その後の棍棒は≪神護の輝盾≫で防御しダメージを最小限に抑えます
敵が武器を振るい終えて着地する瞬間の隙を狙って、再び攻勢に転じましょう
知恵の女神にお仕えする神官として、邪智の輩に容赦はしません!
●ヒュパスピスタイとの決戦
ヒュパスピスタイの様子を琥珀の瞳で見た夏候・錬晏(隻腕武人・g05657)は『黒龍偃月刀』を油断なく構えた。
(「手下がやられても冷静だな。まあ取り乱す亜人も見たことはないが」)
そう考えつつ不敵に笑って見せる。
「安心しろ、お前には特別なのをくれてやる」
一方シューニャ・シフル(廃棄個体 No00・g07807)はフンと鼻を鳴らした。
「素手でやりあってるところ見たからどうだって言うんだよ。こっちには武器だっていくらでもあるんだぜ。ありったけ持っていきな」
さらに後から銀髪をなびかせ駆け付けたエイレーネ・エピケフィシア(都市国家の守護者・g08936)も敵将をにらみ据える。
「部下の性質を見抜いて的確に制御していたあなたは、蛮勇を誇るばかりの者とは異なるようです。しかし、愚かであろうと賢くあろうと、亜人が人々の命と幸福を脅かすことに何ら違いはありません」
エイレーネはイスカンダル出身であるためことさらに彼らの行いが許せなかった。魔術で任意に伸縮する『神護の長槍』を構えて高らかに宣言する。
「イスカンダルの軍勢を切り崩し、その矛先が向く先の災禍を止めるため――ここであなたを討ちます!」
「よかろう。何人たりともイスカンダル王の邪魔はさせん、かかって来い」
敵将の言葉を合図に決戦が始まった。
シューニャが赤茶の髪を揺らし全長四十センチメートル程のナイフ『ククリ』を手にコンバットブーツ『仕込みブーツ』で大地を駆ける。
その隣を赤い闘気『朱殷闘刀』をまとった錬晏が一般的な布靴より底が厚く強化された『中華布靴』で並走しヒュパスピスタイに迫る。
そして二人の間をエイレーネの槍から放たれた光の弾丸が走りヒュパスピスタイを襲った。
「知恵の女神にお仕えする神官として、邪智の輩に容赦はしません!」
ヒュパスピスタイは右腕に装備した盾で弾丸を防ごうとする。しかしそれは槍の目にも止まらぬ素早い連撃から発生した弾幕攻撃であったため防ぎ切れなかった。
「くっ……!」
エイレーネの怒りがパラドクスの力を増幅させ敵に大きなダメージを与えられた。それにより相手の反撃の手が遅れる。
その隙にシューニャがククリで刃が折れる事もいとわず敵に切りかかる。そして続け様に死角からブーツの仕込みナイフを突き刺した。
「武器はいくらでもあるって言っておいただろ。油断するなよな」
ククリの攻撃は盾で防いだヒュパスピスタイ。しかし死角からの仕込みナイフは防ぐ事ができなかった。わずかに顔をゆがめながらもすぐに反撃に出る。
「お前が接近戦を挑むだろう事は予想していた」
魔術で飛翔し次のシューニャの攻撃を避けると火球を放ちながらトゲ付き棍棒で殴りかかる。
「がっ!」
防御を考えていなかったシューニャは攻撃をまともに食らいふらつく。しかし血を吐きながらもニヤリと笑った。
「戦闘ってのはこうでないとな」
戦闘狂である彼女は傷を負ってもなお楽しそうだった。
そして攻撃直後の敵を【能力値アップ】した錬晏がパラドクスの力を込めた黒龍偃月刀でなぎ払う。
隙を逃さない風のようなその一閃を防ぐ事はできないと悟ったのだろう。ヒュパスピスタイは体で受けた。
「――このままでは、部下に顔向けできぬ!」
腹部を切り裂かれながらもヒュパスピスタイは正確に錬晏へと火球を放ち棍棒で殴りかかる。
錬晏は反撃の速さに対応しきれず火球をその身に受けた。棍棒の一撃は『戦花護紋』の魔力障壁で受けたがその一撃の重さで体が地面に沈んだ。
「っ……この程度!」
怯まず追撃を与えようと身構えたその時。
ドサリとヒュパスピスタイの体が砂に倒れた。錬晏に与えられた傷が致命傷だったのだ。彼が動く事はもうなかった。
「瀕死であの攻撃の威力だったのか……」
錬晏は肝を冷やしながらも無事討伐できた事に安堵のため息をつく。
「楽しかったぜ、ヒュパスピスタイ」
手向けにそう言ってシューニャは笑った。
エイレーネは周囲を警戒しながら生真面目に言う。
「他の部隊の攻撃を受ける前に撤退しましょう」
二人はそれにうなずき目立たぬよう再び外套を羽織る。そして足早にイラン高原を後にした。
こうして復讐者たちはイスカンダルの大軍隊の一部であるヒュパスピスタイの部隊を殲滅する事ができた。他の部隊への奇襲も成功し有益な情報収集が行われると信じて彼らは新宿島へと帰還したのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【士気高揚】LV1が発生!
【建物復元】LV1が発生!
【過去視の道案内】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV2になった!
【ダメージアップ】LV1が発生!
【命中アップ】がLV2になった!