コトリン島、大陽動作戦
攻略旅団の提案に従い、コトリン島を護るジェネラル級ヴァンパイアノーブル『黒翼卿・ウピル』の暗殺作戦を決行します。
『黒翼卿・ウピル』の暗殺を実行するには、コトリン島の戦力を迎撃の為に出陣させた上で、ウピル自身が指揮をとる為に前線に出て来るように仕向けなければなりません。
その為、「ディアボロスが総力戦でコトリン島を攻略しにきた」とウピルが判断する程の大陽動作戦を、短期間に実行する必要があるでしょう。
※特殊ルール
この事件は『最終人類史のバレンタインデー2024』の効果、および攻略旅団での提案による攻略期限延長の対象外となります。
黒翼卿・ウピル
孤島は革命のうねりに揺れる(作者 朝下万理)
#吸血ロマノフ王朝
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「このたびはお集まりいただき、ありがとうございます」
新宿駅のプラットホームに停車しているパラドクストレインの傍。愛らしいオラトリオを連れたロジオン・リヴィンスキー(奇蹟使い・g07163)は、集うディアボロスたちに恭しく頭を下げた。そして頭を上げると手元のタブレット端末で情報を確認しながら、ディアボロスたちに告げる。
「コトリン島近海水中戦の成果により、島を護るジェネラル級ヴァンパイアノーブル『黒翼卿・ウピル』を撃破するチャンスを得ることが出来ました」
攻略旅団の作戦の概要によれば。
大規模な陽動作戦を仕掛け、『黒翼卿・ウピル』が前線に出てきたところを精鋭部隊で奇襲して暗殺するという作戦だ。
そのため、指揮官であるジェネラル級を前線に誘い出す為には、大規模の陽動が必要となるだろう。
「ですので皆様は、コトリン島を正面から突破する為の大攻勢であるように見せかけて、攻撃を行っていただきたいと思います」
なお、この作戦は陽動作戦。派手に戦ったのち前衛の敵の一部を撃破したあとは、次の敵が来る前に速やかに撤退を行なって欲しい旨と、もう一点。
「残留効果の件ですが、【飛翔】を使用しますと撃ち落とされる可能性が高いと思われますが……【水面走行】を使って攻め寄せるのが一番無難かもしれませんね」
と、ロジオンは説明し、タブレットを胸に抱いた。
「攻略旅団の方針は『黒翼卿・ウピル』の撃破です。断片の王の拠点であるサンクトペテルブルク。そこを護る防衛ラインの指揮官が撃破されれば、敵の心胆を寒からしめる事が出来るでしょう」
ジェネラル級を撃破する事で敵の重要戦力を削る事は出来る。しかし、コトリン島方面の防衛が更に強化される事になるので、作戦成功後は、別方面からのアプローチに切り替えるのも良いかもしれない。
ロジオンはそう続けて、さらに言葉を重ねる。
「サンクトペテルブルクの敵が本拠地の防衛に戦力を集中させれば……その分、他の方面が手薄になると予測されます。ですので、状況をうまく利用した作戦を練る必要がありそうですが。……皆様のお力で、この好機をモノにしていただければ幸いです」
そう願うとロジオンは、ディアボロスの勝利と無事を祈り、胸の前で手を組むとそっと目を伏せた。
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コトリン島の海岸で。
ディアボロスの接近を察知したトループス級ヴァンパイアノーブル『血影猟兵』は、禍々しく燃える赤い影を増幅させた。
抜剣した剣に宿るのは、闇の魔力で満ちた血。
それは即ち、この島の土地をディアボロスが踏もうとするのであれば、全て斬り捨てるという決意の表れであった。
リプレイ
マティアス・シュトローマー
コトリン島を訪れるのはフィンランド湾での作戦以来
これまで敵戦力を削るために尽力してくれた仲間達には頭が上がらないな
俺も頑張らないと!
注目を集めるのは大好きなんだ
俺を見失わないようちゃんと見ててね
パラドクスを発動。陽動として敵の視線を引き付けるため、【水面歩行】で海上をダッシュ。続いてその勢いを利用してパラドクスで具現化した氷の柱達を足場に高く跳躍。見通しの良い高所から、前衛としてコトリン島を守る敵に数多の氷柱を放ち攻撃していくよ
狙うのは急所である頭部や動きを封じるのに有効な関節部分。ダブルの効果も合わせてより多くの敵を効率良く撃破出来るよう立ち回ろう
刀身がここまで伸びてくるなんて……!
攻撃後もダッシュでの移動を続ける事で狙いを定めさせず、反撃の刃が致命傷にならないよう注意を払う。躱し切れないものは、手にしたナックルダスターで敢えて受けるのも有効だろうか
俺達先鋒隊だけでこの有り様じゃあ、コトリン島の陥落もそう遠くは無いね
敵戦力を十分に削ったら、本隊が控えている事を匂わせ撤退しよう
バルト海に吹く風は冷たく、波立つ海面は小さなコトリン島を飲み込まんとしているようだった。
コトリン島の対岸に停車したパラドクストレインから下車したマティアス・シュトローマー(Trickster・g00097)は、瑞々しいタンジェリン色の髪を靡かせながら灰色の海に揺れる島を臨む。
この景色はフィンランド湾での作戦以来である。
そしてここまでたどり着いたのも、今まで敵戦力を削るために尽力してくれた仲間達のお陰。
「本当にみんなには頭が上がらないな……俺も頑張らないと!」
マティアスは自信満々にニッと笑むと、コトリン島へと駆け出した。
土だった足元はいつしか灰色の海へと変わり、【水面走行】を纏わせた足は水飛沫を跳ね上げて島を目指す。
敵の視線を引きつけるためには、ただ走るだけではダメだ。
マティアスはもっともっと派手に水飛沫を跳ね上げながら海の上を駆ける。すると、マティアスに気づいた『血影猟兵』が抜剣したのは、禍々しく血に濡れた剣。
やっと相手が自分を認識してくれた。マティアスはグレーの瞳を細めて笑うと、
「注目を集めるのは大好きなんだ。俺を見失わないようちゃんと見ててね」
と、海上できゅっと足を止めた。
その拍子に跳ね上がった水飛沫を味方に、銃に見立ててピッと立てた人差し指を自分の足元へと向けた。
すると、バリバリと音を立てて競り上がるのは、海水の氷柱。
それらを足場に高く跳躍すれば、あっという間に『血影猟兵』の頭上をとった。
ここからなら、コトリン島を守る猟兵に氷柱を降り注がせることができる。
マティアスは再び口角を上げて笑うと、立てた人差し指を『血影猟兵』たちへと向けた。
すると指先から生み出されるのは、数多の氷柱。
「狙いは、急所!」
特に頭部や動きを封じることが期待できる関節部分――肩なんて絶好の的じゃないか。
なおさらキンと凍る空気を味方に、狙いを定めて打ち出した氷柱たちは、ダイヤモンドダストの尾を引きながら、迷いなく『血影猟兵』へと降り注がせた。
氷柱が『血影猟兵』と地面を穿つ鈍い衝撃音が轟くと同時に、氷柱が砕ける軽やかで鋭い音も響く。その中で、砕けた氷柱と共に舞うのは『血影猟兵』のマントの切れ端と、赤黒い血のような液体か。
「……あれは、血……?」
と、目を細めた刹那、どす黒いものが自分目掛けて飛んでくるのを見つけてマティアスは咄嗟に氷柱から飛び降りた。すると頭上を走り氷柱を穿ったのは、呪われた黒き血の伸縮自在の刀身。
「……っ、ここまで伸びてくるなんて……!」
敵の能力に驚きつつマティアスは海面に着地すると、すぐさま体制を立て直して海面を駆け出した。敵に狙いを定めさせず的になるのを防ぐためだ。
だが、相手の気迫がマティアスの俊足を上回ることもある。
そんな時はガントレット『ナックルダスター』を装着した手に力を込めて、力づくで殴り返した拍子に後ろへ飛べば、『血影猟兵』をじっくり伺う好機。
マティアスが見据えてば、その衣服はズタボロに破れ、所々に血が滲み。鎧や盾にも既に大きな傷が走る。
「……先鋒隊の俺だけでこの有り様じゃあ、コトリン島の陥落もそう遠くは無いね」
そう強気に笑んで見せたマティアスは、ガントレットで血の刃を殴って逸らした際に付着した、どす黒い血をぶんと払い落とした。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【水面走行】LV1が発生!
効果2【ダブル】LV1が発生!
シル・ウィンディア
イツカさん(g02834)と共闘ですっ!
コトリン島の陽動も頑張ってきたんだし、ここもしっかりやっていかないとね。
ばっちり大きく立ち回っていくよっ!
敵を視認した瞬間に高速詠唱で隙を減らした水星の嵐撃!
闇の魔力ごと押し流してあげるからっ!!
敵パラドクスは、血の猟犬を左手の創世の光剣で切り払うようにして防御を。致命箇所さえ避けれたらそれでいいから。
体が動くなら問題ないっ!
ディフェンスはイツカさんを指定。
通すつもりはないよ、その血の犬さん。ここでストップだよっ!
初撃後は、水面を走り回って気を惹きつつパラドクス攻撃を仕掛けていくよ。
行けるなら、イツカさんと挟撃ができるような位置取りを心掛けての移動攻撃だね。
無理に挟撃を仕掛けるのじゃなく、敵からみたら、どちらから攻撃が来るかと惑わせるのが意図だね。
イツカさん、そっちの方よろしくっ!
攻撃対象は、味方と合わせて少しでも早く敵を倒せるようにして動くよ。
一通り終わったら離脱だね。
さ、ひと暴れしたし離脱しよっか。
あとは、スイーツ食べに行こーっ♪
イツカ・ユメ
シルちゃん(g01415)と一緒に頑張るよ!
皆が少しずつ頑張ってきたおかげで、漸くチャンスがきたんだもの。
しっかりばっちり陽動して、大物を釣り上げちゃうよ!
【水面走行】のご加護をお借りして水上に一歩踏み出せば、ここはもうわたし達のステージ!
キラキラの【照明】で未来を照らして、派手に行くよ!
華麗なダンスと大声の歌唱で、皆を応援しながら敵陣に斬り込むね。
大勢に囲まれたり、孤立しないように気を付けて。
シルちゃんをディフェンスしつつ、可能ならシルちゃんの動きに合わせて挟撃っぽく仕掛けてみるのも良いね。
相手が一瞬でも迷ってくれたら、隙を逃さず一気に畳み掛けるよ!
オッケー!シルちゃん、こっちは任せて!
血の猟犬は、動きをしっかり見て回避できたらいいけど……無理そうなら致命傷になりそうなところだけ武器で防いで。
多少の怪我にも怯まず全力で立ち向かうよ!
この身体が動く限り、この唇から歌を奪われない限り、わたしは戦えるもの!
イイカンジに暴れたら、タイミングを合わせ撤収!
いいね、勝利のスイーツ食べ放題しちゃう?
シル・ウィンディア(虹を翔ける精霊術師・g01415)とイツカ・ユメ(いつかかなうゆめ・g02834)も、パラドクストレインから駆け降り、海が見える場所まで進み出ると、もうコトリン島前は戦場と化していた。
氷柱が海面の至る所から聳え立ち、マティアスが相手取っているのは間違いなくクロノヴェーダ。
一度海岸線で立ち止まったシルとイツカ、そしてイツカのモーラット・コミュ『キット』はお互いに顔を見合わせる。
「皆が少しずつ頑張ってきたおかげで、漸くチャンスがきたんだもの。しっかりばっちり陽動して、大物を釣り上げちゃうよ! シルちゃん!」
黄緑色の髪を海風に靡かせながらイツカがシルを見据えれば。
「そうだね、イツカちゃん。コトリン島の陽動も頑張ってきたんだし、ここもしっかりやっていかないとね。ばっちり大きく立ち回っていくよっ!」
シルの青い瞳も凛々しくイツカと頷き合い。二人と一匹はバルトの海面を水飛沫をあげて走り出した。
フィンランド湾をコトリン島へと進んでいけば、くっきり見えてくる敵の輪郭。
シルは走りながら足元に手のひらをかざすと、足の下の海面に浮かび上がるのは、水色に光り輝く魔法陣。
心の中で精霊に願えば、バルトの海に住まう精霊がシルに応じて味方する。
ここはフィンランド湾。寒風吹き荒ぶ場所とはいえ、外海に比べたら波はまだ穏やかな方。
だけどシルを中心に波がうねる。沸き立つ。騒ぎ出す。
「闇の魔力ごと押し流してあげるからっ!!――水の精霊達よ、激しき怒りの波動にて我が前の敵を飲み込めっ!」
命令とともに指させば、波はまるで自由意志を持った生命体の如く、あの血に濡れた猟兵たちに襲いかかり押し流した。
が、『血影猟兵』たちも反撃に出る。自身のどす黒い血液を無数の黒き猟犬の形にすると、シルを見据えるなり犬を嗾けた。
血の犬たちは海など物ともせず、次々とシルに襲いかかる。
「っ、数が、多いっ!」
シルは効き手の左手に構えた愛刀『創世の光剣』で次々と犬たちを斬り払う。だが、全て斬りかわすことは叶わない。
だったらせめて後々でもしっかり動き続けられるように、ぐっと力を込めた右腕を盾に愛刀を振い続け、血の猟犬を払った。
「シルちゃん!」
庇おうと思ったけど、攻撃してしまった方が、早い。
イツカが軽快な足取りで海面をタンとタップすると、踏んだ側から海面がぽっと光り出す。
その光に導かれるように可憐に華麗にステップを踏めば、リズムに乗ったキットもペンライトを灯らせる。
今だけここは、イツカのステージ。
「いつか叶う、夢はきっと叶う」
このコトリン島を護る『黒翼卿・ウピル』を釣り出し、撃破し、断片の王の拠点であるサンクトペテルブルクへ続く道を切り開くんだ。
それが。
「わたしたちのキラキラの未来!」
大きな声で力強く歌えば『血影猟兵』たちが呻き声をあげて悶え苦しみ始め、吹き出す血液から猟犬を作り出すと、イツカにも嗾けた。
イツカはソードハーブ『smile song』を構えると、刀から溢れる花びらを散らしながら猟犬たちを斬り払う。
全てを払うのは無理だが、多少の傷なら厭わない。
「体が動くなら、問題ないっ」
シルが自分に絡む最後の猟犬を切り捨てれば、イツカも。
「っ、この身体が動く限り、この唇から歌を奪われない限り、わたしは戦えるもの!」
気迫でソードハーブを振り続けた。
ディアボロスたちは互いに連携しながら挟撃や遊撃を駆使し、時にはお互いに庇いあって『血影猟兵』を倒していく。
そして見事、第一陣の撃破に成功した。
バルト海の波の向こう、コトリン島の岸に積み重なるのは『血影猟兵』の屍で、耳をそばだてれば屍の向こうから聞こえてくるのは援軍の足音だ。
もうこれ以上の長居は無用。
「イツカちゃん、ひと暴れしたし離脱しよっか。あとは、スイーツ食べに行こーっ♪」
「いいね、勝利のスイーツ食べ放題しちゃう?」
戦いの後、最終人類史で食べるスイーツ食べ放題は最高のご褒美。
行くお店はパラドクストレインの中で決めるとして。
シルとイツカは、援軍が来る前にパラドクストレインが停車している陸地へと走り出すのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【水面走行】がLV2になった!
【照明】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】LV2が発生!