日向国に救いの手を(作者 天木一)
#天正大戦国
#日向国平定作戦
#日向国
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●島津の圧政に苦しむ村
「島津のもののふが出て行ったのか……これでもう怯えて暮らさなくて済む……」
「だけど、もう食べる物がねぇ。島津の奴らが畑も倉も壊しちまった」
突然圧政を敷いていた島津軍が居なくなった。けれど村はすでに生活できないほどに困窮していた。
「なにかないか探そう……」
食べ物を探して壊された倉や、荒らされた畑を探し回る。
「粟とイモが少しだけか……」
「これじゃあ雑炊にしても一人分にもならねぇ」
探し出した食料を並べてがっくりと肩を落とす。
「島津がいなくなっても食い物がなけりゃ生きていけねぇ」
「せめて坊に腹いっぱい食わせてやりたかったな」
ぼろぼろの家には弱った女子供、それにいくさに巻き込まれた怪我人もいる。
島津の苛烈な圧政といくさは人々を死の縁へと追い込んでいた……。
●新宿駅グランドターミナル
「日向国、耳川の戦いはディアボロスの勝利に終わったわ! その結果、日向国を解放することに成功したわよ! みんなの活躍のお蔭ね!」
東城・リリカ(デーモンのレジェンドウィザード・g01222)が笑顔で作戦の大成功を伝える。
「日向国を解放できたから、新たに、豊後国・肥後国の2国への移動が可能になったみたいね。今後どの国から攻略していくかは、攻略旅団で話し合う必要があるわ」
攻略可能な国が増えた。今後どう動くかは攻略旅団での話し合い次第となるだろう。
「でもその前に、解放した日向国には大きな問題が残ってるわ」
笑顔を消して神妙な顔でリリカが説明を続ける。
「大友軍と島津軍の争いで田畑が荒らされ、怪我人も出ているわ。それに島津の勢力圏の村々は苛烈と呼べるほどの圧政で、今にも餓死者が出そうなほど困窮しているの。このままでは死者が出るのは確実よ。だから迅速に食糧を中心に必要な物資を運んで、日向国の一般人を圧政から救ってあげて!」
今にも飢え死にする人々が大勢いる。このまま放っておけば村が滅ぶだろう。
「それともう一つ、大友軍と島津軍は日向国から撤退し始めてるけど、全部が素早く撤退できてるわけじゃないわ。末端の兵は指揮から外れてしまって、野党のように村を荒らして回るようなの」
撤退に取り残される落伍者のような兵達が村を襲って暴れ回るのが予知されていた。村の救援の前にまずはそれを排除しなくてはならない。
「村に襲い掛かるのは島津軍のトループス『薩魔術師』よ。まずはこれを撃退して村を守って!」
一般人からすれば圧倒的力を持っていても、落伍者であればディアボロスの敵ではない。油断せねば一蹴することができる。
「排除が終わったら、ディアボロスが両軍を追い払って助けに来たのだと交流して、物資を援助して圧政から解放するわよ!」
しっかりと交流してディアボロスのことを印象付ければ、立ち去って排斥力によって忘れられても、再び会う時に思い出してもらえる可能性が高まるだろう。
「日向国にはジェネラル級が居ないみたいだから、敗残兵を全て倒せば安全になるはずよ。大友軍と島津軍の今後の動き次第ではあるけどね」
ディアボロスに追い出された両軍がどう動くかは注視しなければならない。
「このまま北上して大友の本拠に攻め込むか、南進して島津と戦うか、それとも肥後国に向かうのか、九州は選択肢が多いわね。他にも畿内や関東の戦場もあるから、どこから攻めていくかは攻略旅団で相談して決めていくことになるわ」
天正大戦国をどう攻略していくか、それで今後の展開が変わっていくだろう。
「でもまずは目の前の苦しむ人々を助けないとね。日向国から天魔武者を追い払っても、そこに住む人々が死んでしまっては意味がないわ! 一人でも多くの人を助けるわよ!」
●島津の落ち武者
「まさか我ら島津が負けるとは、信じられん……」
「退却するなど思いもしていなかったからな。前に出すぎたわい! 完全に取り残されておるわ」
島津軍のトループス級『薩魔術師』の部隊が本陣の撤退に取り残されて悪態を吐く。
「おい、あそこに村があるぞ!」
「ん? ここらは我らが支配していた村か。ちょうどいい! 憂さ晴らしに荒らしていくとしようか!」
「そうだな。結局大友軍と当たる前にいくさが終わって肩透かしだったところだ! 敵に奪われるくらいなら皆殺しにしてやろうぞ!」
薩魔術師は暴れる言い訳を作り、飢えに苦しむ村にさらなる災厄を振り撒かんと足を向けた――。
リプレイ
エスメラルダ・リベロ
【清政'sブートキャンプ】
いくら日向に取り残されたからって、村を襲うなんて余計なことをしなければ、追撃を受けることもなく余裕で逃がしてもらえたと思うんだけどね?
完全に、清政クンの逆鱗に触れちゃったじゃない……アタシ、知~らないっと。え? 初陣の相手にはこの程度が相応しい? だからついて来い?
いや、確かにアタシ、新宿島に来てから焼肉や下町散歩を楽しむばかりで、まともに戦ったことはないけどさぁ。
(敵を目の前にしてモードチェンジ)
わかった。まずは私から、奴等に仕掛ければ良いのだな?
「そこな者共よ! 罪なき民草を襲い、鏖にしようなど許せぬ!
この重装型戦艦級海戦装『肥後』の砲火にて、斃れるがよい!
一番砲塔、二番砲塔、一斉射!」
絶海砲戦のパラドクスを発動して、肥後の左右に備え付けられた試製大口径三連装砲から一斉射撃だ。
計六門の大口径砲による砲火の威力、思い知れ!
逆説連鎖戦では、反撃も同時に発生するのだったな。
『肥後』の装甲と緑の大盾で守りを固め、敵からのチェストは防ぎ止めるとしよう。
旗楽・清政
【清政'sブートキャンプ】
ほう? 耳川での逃げ遅れが日向の村を襲わんとしておると?
余計なことをせねば、寿命が今少し延びておったやも知れぬがのう。
所詮、天魔武者は天魔武者か。鏖にするしかあるまいて。
丁度良い、エスメラルダ。初陣の相手にはこの程度が相応しかろう。ついて参れ。
では、まずはエスメラルダから仕掛けよ。そうでなければ、初陣の意味がないでござるからな。
なお、此度はエスメラルダをディフェンスしておくでござるよ。
まだこの後も働いてもらわねばならぬ故、此処で深手を負われても困る。
(エスメラルダの豹変を目の当たりにして)
うむ、よもや斯様に豹変するとは思わなんだ(と、驚いて)
さて、エスメラルダの砲撃で全滅させられておればよいが、少々厳しかろう。
それがしは家臣団突撃のパラドクスを発動し、残りを数で圧し潰すでござるよ。
エスメラルダをディフェンスする際も、直接の反撃を受ける際も、
ビームシールド、五枚胴具足、全身の闘気の3つの守りによって、
敵のチェストを防いでダメージを軽減するでござる。
●島津の落伍者
「ほう? 耳川での逃げ遅れが日向の村を襲わんとしておると? 余計なことをせねば、寿命が今少し延びておったやも知れぬがのう」
情報を聞いた旗楽・清政(知勇兼備の昼行灯・g08816)が見た目は平静を装いながらも、その内に怒りを燃え上がらせていた。
「いくら日向に取り残されたからって、村を襲うなんて余計なことをしなければ、追撃を受けることもなく余裕で逃がしてもらえたと思うんだけどね?」
そんな清政の様子を見たエスメラルダ・リベロ(蒼海に輝く翠緑・g10981)は、自殺行為をしようとしている島津の武者に呆れる。
「完全に、清政クンの逆鱗に触れちゃったじゃない……アタシ、知~らないっと」
「所詮、天魔武者は天魔武者か。鏖にするしかあるまいて。丁度良い、エスメラルダ。初陣の相手にはこの程度が相応しかろう。ついて参れ」
他人事のように巻き込まれる前に去ろうとしたエスメラルダがぐいっと肩を引っ張られる。
「え? 初陣の相手にはこの程度が相応しい? だからついて来い?」
有無を言わさず清政はエスメラルダを引き連れてパラドクストレインの乗り込み出発した。
「いや、確かにアタシ、新宿島に来てから焼肉や下町散歩を楽しむばかりで、まともに戦ったことはないけどさぁ」
この後食事に行こうと思っていたのにと愚痴っていると、あっという間に村の傍に到着していた……。
「さあ、皆殺しだ! 村人であろうと敵に渡るくらいなら壊したほうがましというもの!」
「せいぜい泣き喚いて我らを楽しませるがいい!」
島津軍の落伍者であるトループス級『薩魔術師』の部隊が鬱憤を晴らすべく村へ襲撃しようと近付く。それを清政とエスメラルダが迎え撃つ。
「では、まずはエスメラルダから仕掛けよ。そうでなければ、初陣の意味がないでござるからな」
向かって来る敵を確認した清政が指示を出す。
「わかった。まずは私から、奴等に仕掛ければ良いのだな?」
敵を目の前にして軍人へとモードチェンジしたエスメラルダがきびきびと返事をし、〈重装型戦艦級海戦装『肥後』〉を装着すると堂々と前に出て呼びかけた。
「そこな者共よ! 罪なき民草を襲い、鏖にしようなど許せぬ! この重装型戦艦級海戦装『肥後』の砲火にて、斃れるがよい! 一番砲塔、二番砲塔、一斉射!」
名乗りと共にパラドクス『絶海砲戦』を発動し、肥後の左右に備え付けられた試製大口径三連装砲から一斉射撃を開始する!
「なっ!!」
「ぐぁあああああああああああ!!!」
直撃を受けた薩魔術師が大爆発を起こし情けない悲鳴を上げて吹き飛ぶ。
「計六門の大口径砲による砲火の威力、思い知れ!」
容赦なく連続する砲撃は薩魔術師を爆散させた。
「うむ、よもや斯様に豹変するとは思わなんだ」
清政はエスメラルダの豹変を目の当たりにして驚きながらも、冷静に戦況を観察する。
「さて、エスメラルダの砲撃で全滅させられておればよいが、少々厳しかろう。まだこの後も働いてもらわねばならぬ故、此処で深手を負われても困る」
いつでも護れるようにと清政は戦いの趨勢を見極める。
「ディアボロスか!!」
「もうこんな村まで支配下に置いているのか!」
薩魔術師が仕込み杖を抜き放つと、薩魔術で自らを強化して突撃する。
「チェストォオオオオオ!!!」
「逆説連鎖戦では、反撃も同時に発生するのだったな」
エスメラルダは『肥後』の装甲と〈緑の大盾〉で守りを固め、振り下ろされる斬撃を受け止める。
「ええぃ! 一斉にかかれ!!」
一体が止められると薩魔術師達が次々と斬り掛かっていく。二人三人となるとエスメラルダが押されて体勢が崩れた。
「行けっ! このままぐちゃぐちゃに押しきれ!!」
「これ以上は厳しいか――」
頃合いだと清政が割って入り斬撃を〈緑玉の片鎌槍〉で受け止め、パラドクス『家臣団突撃』を発動し旗楽家の家臣達の幻影を呼び出した。
「掛かれ」
一言命じると、一斉に家臣団が槍を振るい薩魔術師達を薙ぎ倒す!
「ぐぎゃああっ!!」
「馬鹿な! 我らは島津だぞ! それがこんな村を襲って負けるなど!!」
薩魔術師は仕込み杖を振るって抵抗するが、数に押されて四方八方から槍を身体に突き入れられて爆発した。
「くそっ! こんなところで死んでたまるか!!」
いくさ場ですらない辺鄙な村で死ぬのは御免だと、戦意を失った薩魔術師が身を翻す。
「民草を襲うような無法者を逃がすと思ったか! ここで跡形もなく消え去れ!」
そこへエスメラルダが砲撃を浴びせて粉砕し、残った敵は家臣団が仕留めていった……。
「うむ、初陣にしては上出来でござる」
決着がつくと清政はエスメラルダの戦い振りに満足し、そして天魔武者を蹴散らすと今回の主目的である困窮した村へと視線を向けた。
「ひぃっ!!」
「な、なにが起きてるんだ!?」
「し、島津のもののふが帰ってきたのか!!」
村人達は突然の戦闘音に怯え、村の外の様子を窺う。
その誰も彼もがやせ細った姿は、島津の圧政を物語っている。
今にも飢えで死んでしまいそうな人々に救いの手を伸ばすべく、清政とエスメラルダは怯える村人の元に向かった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【水面走行】LV1が発生!
【防衛ライン】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
旗楽・清政
「それがし、この日向より島津と大友の天魔武者を退けしディアボロス、旗楽・清政と申す! 島津の落ち武者共が貴殿等の村を襲わんとしておった故、貴殿等を守りに参った!」
警戒する村人等に対しては、村人達を助けに来た味方であることをアピールすべく村の外より【大声】で【演説】し、村の中に入れてもらうよう要請。
村の中に入れば、まずは村人等が痩せ細っておる姿に、大いに驚いて見せるでござる。
時先案内人殿から話自体は聞いておるが、此処は敢えて芝居がかった様子で【演技】致す。
「おお! おお! 何と言うこと! 皆、斯様に痩せ細りて……島津の治政は、かくも酷いものでござったか!」
そして大仰に同情を示し、彼らの境遇に心を痛めていると示すでござる。
「辛かったでござろう、苦しかったでござろう。されど、もう貴殿等を斯様な目に遭わせたりはせぬ!」
この時代の民等の姿には、消滅した旗楽領の民等を重ねてしまうでござるでなぁ。
すぐにでも食糧を運んでくる旨を告げ、あと少しだけ気を強く持ち待っていて欲しいと【激励】するでござるよ。
●救い主
「誰かきた!」
「もののふ、島津が帰ってきたのか……」
戦闘音が鳴り止むと、村人が不安そうな顔を村の入り口に向ける。
そこに姿を見せたのは島津ではなく、ディアボロスの旗楽・清政(知勇兼備の昼行灯・g08816)だった。
「それがし、この日向より島津と大友の天魔武者を退けしディアボロス、旗楽・清政と申す! 島津の落ち武者共が貴殿等の村を襲わんとしておった故、貴殿等を守りに参った!」
村に入る前に、人々の不安を吹き飛ばすよう清政が村中に響く声で名乗った。
「ディアボロス……島津じゃないのか」
「島津を倒したって、そういや噂になってるもののふ達のことじゃないか?」
何者かが島津を撃退しているという話は、噂となって近隣に伝わっていた。
「あの島津を追い払ったってのは本当なのか」
「島津武者に勝ったなんて信じられないが、だけども島津がいなくなったのは確かだ……とにかく迎え入れよう。逆らっちゃ駄目だ。いいな」
「ああ、そもそも逆らう元気もねぇよ」
半信半疑ながらも村人は清政を信じる方へと傾き、村へと招き入れた。
「おお! おお! 何と言うこと! 皆、斯様に痩せ細りて……島津の治政は、かくも酷いものでござったか!」
人々の痩せ細っている姿に、知ってはいたが敢えて芝居がかった様子で清政は大仰に同情を示す。
「辛かったでござろう、苦しかったでござろう。されど、もう貴殿等を斯様な目に遭わせたりはせぬ!」
彼らの境遇に心を痛めていると大袈裟に伝え、もう大丈夫だと安心させる。
「ほ、本当に! 助けてくださるのですか……!」
「もう、無意味に殴られなくてもいいのか」
「それに育てた畑を踏み荒らされないなら、食べ物も作れる!」
生きることすら困難な、あまりにも酷い境遇だった村人達が清政の温かな言葉に絆され、安堵して泣き始めた。
(「この時代の民等の姿には、消滅した旗楽領の民等を重ねてしまうでござるでなぁ」)
そんな民草を見て、清政は故郷の民を重ね、演技ではなく心から守らねばという気持ちが湧き上がる。
「あの、お願いします。どうか食糧を分けてもらえませんか」
「食べる物がなにもないんです。子供らの分だけでもお願いします」
痩せた村人達が土下座して頼み込む。そのまま倒れてしまいそうなほど体力を失っていた。
「顔を上げよ。安心するがいい、すぐにでも食糧を運んでくる。あと少しだけ気を強く持ち待っておれ!」
安心した気の緩みで今にも倒れそうな人々を激励し、清政はすぐにでも食糧を用意しようと、民を救うべく動き出した――。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【アイテムポケット】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
旗楽・清政
一度急ぎ新宿島に戻り、2レベル分の【アイテムポケット】に積める限りの玄米と、幾ばくかの水、大人数用の鍋を用意し、再度日向に急行。
「待たせたでござるな」
まず、粥を作って食わせるでござるよ。一人に食わせる量は、少なめに制限するでござる。史実での鳥取城攻めの後の悲劇を、聞いておる故に。
「飢えておった直後故に、腹一杯食いたいのは、分かる。されど、同じように飢えておった者等が腹一杯食ったら次々死んだという話が、因幡の方にござってな」
村人等に生きてもらうための制限であることを懇々と説きつつ、身体が力を取り戻してくれば、それに応じて粥から普通のご飯にしたり量も増やしたりしていくことも合わせて伝え、【激励】致そう。
さて、ある程度村人達の身体に力が戻ってきたらば、村の復興に向けて必要な物資の調査を開始。
まずは、倉を再建するための木材でござろうか。
生憎、日向に運んで来れる資材は質量共に限界はある。
村の隅々まで見て回り、村人等の話をしかと聞いた上で、次に此処に運んでくる物資の優先順位や配分を判断すると致そう。
●復興への一歩
「本当に食糧を分けてくださるのかな……」
「あんな親身になって話を聞いてくださったお侍さまは初めてだ。オレは信じられると思う……」
「そうだな。なら戻ってくるまで倒れるわけにはいかねぇ。頑張って生き残らねぇとな」
腹を空かせた村人達は、清政がきっと戻って来ると信じてじっと待っていた。
「待たせたでござるな」
そこへ颯爽と新宿島に戻っていた旗楽・清政(知勇兼備の昼行灯・g08816)が現れ、重ねて強化した【アイテムポケット】に入った積める限りの大量の玄米の一部と大鍋を取り出して村人に見せた。
「おおっ! お侍様が帰ってらっしゃったぞ!!」
「ありゃ玄米だ!」
村人達の顔に活力が蘇り、笑顔となって清政を出迎える。
「では竈を借りるでござる」
「あ、へいっ! それなら火はあっしがつけます!」
近くの比較的大きな民家に向かおうとした清政に、何人かの村人が慌ててついていき、薪を竈に入れて火種から火を移して薪がパチパチと燃え始める。
「では粥を作るでござるよ」
清政は竈に置いた大鍋に玄米と持ち込んだ水を入れ、蓋をして水分を多く含んで粥になるように調整する。
「暫くはこのままでござる。皆には村人を集め、人数分の椀を用意してもらいたいでござる」
「へいっ! すぐにかき集めてきやす!」
「子供らにも教えてやるんだ!」
急ぎ村人達は村中に散って椀と人々を集めてきた。湯気の上がる民家の前では、多くの村人が食べ物の匂いに腹を鳴らしていた……。
「うむ、柔らかく炊けたでござるな」
時間が経ち清政が大鍋から匙で一口味見をして、出来上がりを確認した。
「では椀を持って並ぶでござる!」
呼びかけると村人が並び、その手に持つ椀に清政が少量ずつ入れていく。
(「一人に食わせる量は、少なめに制限するでござる。史実での鳥取城攻めの後の悲劇を、聞いておる故に」)
あまりにも悲惨な史実を思い出し、一気に食べさせぬように気を付けていた。
「メシだ!!」
「うめぇ! でももっと腹いっぱい食いてえなぁ……」
受けっ取った村人はすぐに口に入れるが、粥は水分が多くて緩く量も少なく物足りなかった。
「飢えておった直後故に、腹一杯食いたいのは、分かる。されど、同じように飢えておった者等が腹一杯食ったら次々死んだという話が、因幡の方にござってな」
清政はもっと食いたいと思う気持ちを理解しながらも、危険性を懇々と説く。
「なに、身体が力を取り戻してくれば、それに応じて粥から普通のご飯が食えるようになるでござる」
「す、すいません!」
清政の言葉に思わず文句を言ってしまった村人が申し訳なさそうに頭を下げた。
「こうやってあったかいもんを食えるだけでも幸せだろうが」
「ああ、そうだな。今までに比べたら極楽みたいなもんだ」
人々は一口一口味わうように粥を食べ、生き返ったように笑顔を見せた。
「さて、では村の復興に向けて必要な物資の調査を始めるでござる」
人々に活力が戻ると清政が聞き込みを始め、持ち込んだ玄米の残りを仕舞う為の壊れた倉を見る。
「まずは、倉を再建するための木材でござろうか。生憎、日向に運んで来れる資材は質量共に限界はある」
「へい、木はいくらでも生えてるんですが、伐採するための斧がなくって……」
「畑もしっかり耕したいんですが、鍬なんかの道具が壊されちまって」
そうして清政は村人から足りない物が何かを調べていった……。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【アイテムポケット】がLV2になった!
効果2【ロストエナジー】がLV2になった!
旗楽・清政
なるほど、道具が無くば生業が成り立たぬは道理。
「圧政」の手法としては、なかなかの手管でござるな。
感心もするが、その分怒りも激しくなろうというもの。
ともあれ、今一度新宿島に戻り、斧やら鋤やら、村人等が必要としておる道具を調達致そう。
無論、排斥力の影響を受けるかどうかについては、入念に注意するでござるよ。
2つ使えるアイテムポケットのうち、1つにはそうして集めた道具をこれでもかと積み込むと致そう。
もう1つには、追加の玄米、肉類(豚、魚、鶏)、野菜(大豆、里芋、大根、茄子)の種子や苗を積み込むでござるよ。
これで、食料庫の再建や田畑の復旧などをはじめ、村の復興は果たせよう。
なおそれがし、小規模で良い故急ぎ燻製所を造ってもらうと致そう。
そして、肉類を1日ほどしっかり燻して燻製と為したならば、次々と食っていくでござる。
されば、【口福の伝道者】によって、長期保存の利く燻製が400人分に増えると言う寸法よ。
「もう、この村は大丈夫でござろう。それがしはこの燻製を置き土産にする故、大事に食べるのでござるぞ?」
「なるほど、道具が無くば生業が成り立たぬは道理。「圧政」の手法としては、なかなかの手管でござるな」
旗楽・清政(知勇兼備の昼行灯・g08816)は持って来た玄米を一先ず空き家に置き、村を出て一度新宿島に帰りながら、村に足りぬものに納得するも眉間にしわを寄せた。
「感心もするが、その分怒りも激しくなろうというもの……」
民から働くことすらも奪う島津の所業を赦せぬとふつふつと怒りを燃やした。
「ともあれ、今一度新宿島に戻り、斧やら鋤やら、村人等が必要としておる道具を調達致そう」
新宿島に戻ると、排斥力の影響を受けないように入念に確認しながら、当時も使われていた道具を集めていった……。
「戻ったでござる」
「おお! お帰りなさいませ!」
清政が戻ると、元気を取り戻した村人達が笑顔で出迎えた。
「では持って来たものを出すでござる」
さっそく清政は2つの【アイテムポケット】のうち、1つから集めた道具を出してこれでもかと並べた。
「おおっ!!」
「ぴかぴかだ!」
真新しい樵や畑仕事、それに木の加工に使う道具に男衆が喜びの声を上げた。
「こっちは食べ物よ! これなら作物ができるまで食べ繋げられそうよ!」
もう1つは追加の玄米や、肉類(豚、魚、鶏)、野菜(大豆、里芋、大根、茄子)の種子や苗がたっぷりと山積みされ、女衆が歓声を上げた。
「こんなものを本当にもらっちまっていいんですかい?」
「構わんでござる。これで、食料庫の再建や田畑の復旧などをはじめ、村の復興は果たせよう」
簡単には手に入らない道具を与えられ、心配そうな顔で窺う村人に、清政は大様に頷いた。
「それじゃあ木材を切り出しにいこう!」
「ああっ! 腕が鳴るぜ!」
男衆が道具を手にあれをしようこれをしようと、今までやりたくても出来なかった仕事に取り掛かる。
「ああ、一つ頼みがあるでござる」
「へいっ、なんなりと!」
清政が声をかけると、近くの男衆がすぐさまやって来て膝をついた。
「小規模で良い故、急ぎ燻製所を造ってもらいたい」
「燻製所……小屋を作るとなると……」
「なあ、あのぼろ屋を使えるんじゃないか?」
清政の頼みに男衆が考え込み、アイデアを出す。
「ぼろ屋……そうか、囲炉裏のある部屋だけ直しちまえばどうにでもなるか!」
決めると男衆はすぐに動き出し、ぼろ屋の使わない材木を再利用し、囲炉裏のある部屋を補修して燻製ができるようにする……。
「うむ、見事な出来栄えでござる。では肉類を1日ほどしっかり燻して燻製と為すと致そう」
清政は男衆の働きを褒め、囲炉裏の上に肉類を吊るして火を点け燻製にする作業を始めた。
そうして村の人々の働きを手伝いながら寝食を共に過ごし、皆がまた玄米粥を食べているところで、清政は完成した燻製を手に取る。
「では頂くでござる」
【口福の伝道者】を使って色々な肉を食べられるだけ食べ、400人分増やしていった。
「これで長期保存の利く燻製が400人分に増えると言う寸法よ」
「肉がこんなに!」
「これだけの食糧があれば生きていけるぞ!」
精のつく肉まであれば、畑の作物ができるまで十分に生活できると村人は安堵して笑い合った。
「もう、この村は大丈夫でござろう。それがしはこの燻製を置き土産にする故、大事に食べるのでござるぞ?」
「ほんとうに何から何まで、ありがとうございます!」
「この御恩は決して忘れません!!」
「達者に暮らすでござる」
去っていく清政に村人は膝をついて頭を地面につけ、見えなくなっても心からの感謝の気持ちを示し続けた。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【口福の伝道者】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】がLV2になった!