リプレイ
リヴァル・アーク
どうやれば、虎牢関をこのような史実以上の巨大な城塞に造り上げることができるんでしょうか……明らかなイレギュラーですね。
……とはいえ、やることは単純。奇襲、そして撤退。敵は複数、とにかくなぎ倒し、この先へ進まなければいけませんね!
『ドラゴンスペル・スケーター』で『ダッシュ・突撃』し翻弄しましょう。
『観察・情報収集』し、敵を最大限視認できる位置に攻め入ったら、パラドクス【覇竜の爪断】を使用して蟲将を『貫通撃・破壊』で攻撃します!
まずは……敵の布陣を僅かでも切り崩す!
アラド・エクスヴェリア
・心情
城塞に攻め込んで、数を減らす……ねぇ?
まぁ、やることがシンプルなのはいいことだ
少しでも数が多い方がよさそうだし、俺も手を貸すよ
・戦闘
パラドクス「フェアリーコンボ」を使う
≪エアライド≫も駆使して、妖精と共に空中から攻撃すりゃまぁそれなりに戦えんだろ
【召喚】した妖精「クォーツァ」に周囲の警戒も頼んで、俺だけじゃ気づけない違和感を報告してもらえば敵が体の色を変えてくるのにも対応……できりゃいいな、うん
・その他
アドリブ等は大歓迎だ
(「どうやれば、虎牢関をこのような史実以上の巨大な城塞に造り上げることができるんでしょうか……?」)
眼前に聳える建造物は、とても関所などと呼べる代物ではなかった。
その姿はまさしく城塞と呼ぶに相応しいものであり、そして、まるでこの城塞を守るかのように配されている蟲将達の数もまた――。
「明らかなイレギュラーですね」
リヴァル・アーク(竜滅の拳・g00136)はぽつりと零し、蟲将達よりも遥か彼方に見える巨大な“虎”を見やる。
その先へ至る道を開くために、やるべきことはひとつ。
「いずれにしてもやることは単純です。奇襲、そして撤退。敵は複数、とにかく薙ぎ倒し、この先へ進まなければいけませんね!」
「城塞に攻め込んで、数を減らす……ねぇ? まぁ、やることがシンプルなのはいいことだ」
アラド・エクスヴェリア(リターナーの時間神官・g05269)は金の瞳を穏やかに細めて頷き、微動だにしない敵の群れを見やる。
「俺も手を貸すよ」
夥しい数の敵だ。こちらの手数も、少しでも多いに越したことはないだろう。
「頼もしいです。頑張りましょう!」
アラドの言葉に笑って頷き、リヴァルもまた眼前へと向き直った。
居並ぶ赤き蜂のクロノヴェーダ――この地において蟲将と呼ばれる者達は、他の蟲将と同様、槍を手にただ静かに佇んでいる。
同じ場に集う同胞達と顔を見合わせて頷きを交わし、リヴァルはドラゴンスペル・スケーター――竜の魔力を宿すガジェット式のローラースケートで一気に駆け出した。
出力を最大限まで引き上げ、瞬く間に加速するリヴァル。
そして、リヴァルと同時に飛び出したアラドは、召喚した妖精――“クォーツァ”と共に空中へと駆け上がった。
疾風の如く迫るリヴァルの気配にも、まだ、敵は動かない。
(「まずは……敵の布陣を僅かでも切り崩す!」)
赤き双眸を竜のそれへと変えたリヴァルは、敵の姿を捉えるや否や大きく息を吸い込んだ。
「――無音の爪撃、食らえ!」
それは戦いの始まりを告げる鬨の声。
リヴァルは無数の冥闇の刃を創り上げ、敵陣へと放つ。
嵐のように舞い踊る昏き刃の群れは瞬く間に鋭蜂兵達を穿ち、覇竜が振るう爪の如く空間ごと斬り裂いて。
対し、アラドはクォーツァと息を合わせて軽やかに、流れ落ちる星のように華麗に空から斬り込んでいく。
眼前と、頭上と。二方面からの奇襲に、なす術もなく崩れ落ちていく鋭蜂兵達。
敵陣は俄に騒がしくなり、他の鋭蜂兵達が動き出した――が、やはり突然のことに混乱しているのだろう、迎撃の態勢が整うまでにはまだ時間が掛かりそうだ。
――この好機を生かさぬ手はないだろう。
「クォーツァ、どうだ?」
アラドの呼ぶ声に、クォーツァは警戒を促すように頻りに翅を震わせていて。
「……さて、後はやれる所までやるだけか」
「ええ、行きましょう!」
呟くアラドに、リヴァルも大きく頷いて答える。
体の色を変えながら迫り来る鋭蜂兵達へと向き直り、アラドは剣を構え直す。
傍らに添うように舞うクォーツァも、静かに闘志を漲らせているようで。
そうして、アラドとクォーツァは再び空へと翔け上がり――。
リヴァルは迫る敵の姿を確りと見据え、暗黒の刃を踊らせた。
聳え立つ虎牢関。犇めく蟲将の群れ。
一人の力で崩せるのはほんの一角。
けれど、皆で力を合わせれば、きっと――。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【過去視の道案内】LV1が発生!
【エアライド】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【命中アップ】LV1が発生!
エレナ・バークリー
新宿島で見た建物ほどもある高い城壁。この世界の技術で作られたものではありませんね。クロノヴェーダはどこまで歴史をいじくり回すつもりですか!
内心を抑え、同行する皆さんと一緒に奇襲を仕掛けます。怒りでなく「勇気」をもって。
「突撃」方向にいる蟲将を「衝撃波」で吹き飛ばし、フェアリーコンボで現れる妖精たちと一緒に「貫通撃」でとどめを刺しましょう。
「臨機応変」かつ確実に「強打」「連撃」を使いこなして、蟲将を一体ずつ討滅し、敵の数を減らしていきます。
敵の援軍が殺到し始めたら、風の精霊を「召喚」。「衝撃波」を放ちながら敵群に突っ込ませ、敵の隊列を乱します。
妖精たちも、各自の妨害手段で敵の足止めを頼みます。
柳谷・凪
絡み・アドリブ歓迎
むぅ、敵の数がおかしいぐらいに多そうなんだよ。これは虎牢関を抜くのは苦労しそうだにゃぁ。奇襲出来る内に目一杯削らないとだよ。
前哨戦、敵トループ相手に大立ち回りの無双をするのだ。
神への生命賛歌に由来する古式の奉納演舞を煽情的で妖艶に改編した演舞を行い、戦場の敵を魅了しつつ味方を鼓舞し士気を爆発的に高めるんだよ。魅了した敵は斬鋼糸【阿羅倶禰】で斬り刻んでいくんだよ。
残りHP4割まで減ったら撤退するんだよ。
「結構頑張ったけどまだまだ先は長そうだねぇ。でも頑張って必ず抜くんだよ」
「むぅ、敵の数がおかしいぐらいに多そうなんだよ。これは虎牢関を抜けるのは苦労しそうだにゃぁ」
他の復讐者達がそうであるように、柳谷・凪(お気楽極楽あーぱー娘・g00667)もこの状況をよく理解していた。
辺り一帯を埋め尽くすほどに集められた、トループス級の蟲将。
その有様はまさに――。
「……蟻の這い出る隙間もなさそうなんだよ」
とは言え、この作戦のために多くの同胞達が集まっている。
少しずつでも削っていけば、やがては城門へと至る道も開かれるはずだ。
――そう、これはまだ前哨戦。
ディアボロス達はこれより、敵トループス相手に大立ち回りの無双をする――無論、凪もその一人だ。
そして、凪の傍らに佇むエレナ・バークリー(アブソリュートウィッシュ・g00090)は、彼方に聳える虎牢関をじっと見据えていた。
それはエレナが新宿島で見た建物ほどもある高い城壁であり、明らかに在るべき世界の技術で作られたものではなく――。
(「クロノヴェーダは、どこまで歴史をいじくり回すつもりですか!」)
内心に灯る怒りを、今は勇気に変えて。
エレナは頑丈で無骨なクレイモアを両手で構えながら、果敢に斬り込んでいく。
「奇襲出来る内に出来るだけ、目一杯削らないとだよ」
エレナを始めとする同胞達が次々に敵陣へ飛び込んでいく中、凪も軽やかに地を蹴った。
佇む鋭蜂兵の群れへ、まずはエレナの横薙ぎの一閃。
風圧がそのまま衝撃波となって叩きつけられると同時、エレナは召喚した妖精達と共に更なる強襲を仕掛けた。
華麗に舞う妖精に合わせ、鋭蜂兵達を次々に斬り伏せていくエレナ。
「神様だって虜にしちゃうんだよ」
一方の凪が披露するのは、神への生命賛歌に由来する古式の奉納演舞――を、改編したものだ。
輝く風を纏い、美しく鍛え上げられたしなやかな肢体を惜しみなく用いて舞い踊る凪は、煽情的かつ妖艶に――鋭蜂兵を瞬く間に魅了し虜にしながらも、同時に味方を鼓舞し、士気を高めていく。
風に靡いて翻る羽衣の軌跡は蒼天を煌めかせるように美しく、エレナもまた力が湧いてくるのを感じながら、凪の演舞に魅了された鋭蜂兵達を妖精と共に一体ずつ討滅していく。
鋭蜂兵が放つ一撃を演舞の動きで躱しつつ、一心不乱に踊り続ける凪。
――やがて、彼方に迫る軍勢の気配を捉えた時、凪はようやく最後のステップを踏んだ。
「そろそろ頃合いでしょうか」
迫る鋭蜂兵達目掛け衝撃波を伴う風を放ちながら、呟くエレナ。
「結構頑張ったけどまだまだ先は長そうだねぇ。でも頑張って必ず抜けるんだよ」
凪は決意を込めて頷き、そうして二人はパラドクストレインへと引き返していった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【エアライド】がLV2になった!
【士気高揚】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV2になった!
【ダメージアップ】がLV2になった!
ラルム・グリシーヌ
【白花】
さあ、ニイナ。共に派手に仕掛けようか
全ては次に繋げる為
彼らの戦力、たくさん削ってあげようね
ふふ、頼りにしてるよ?
竪琴を爪弾き、紅葩を詠う
旋律も聲も隣の刃へ重ね、視線一つを合図に
爆ぜる暁の花を戦場に鮮やかに咲かせよう
弱った個体を優先的に攻撃して
確実に数を減らしてくよ
熱いのは好きじゃないんだ
その翅、凍らせてもらうね
可能なら武器も氷雪で包んで捕縛を狙い
魔力から氷槍の誘導弾を生み出して彼らの頭上に降らせる
突槍は吹き飛ばしで軌道を逸らして受け捌いたり、飛翔で回避に努め
毒を受けた仲間がいたら浄化で解毒を試みるよ
連携重視
自分と仲間が突出して孤立せぬよう留意
援軍に注意を払い
退路確保が危うくなる前に撤退
篝・ニイナ
【白花】
間抜け面かましてるやっこさんを奇襲で荒らしに行くってのは
単純で分かりやすくていいねぇ
ラルムクン、随分逞しいじゃん
詩人様の仰せの通りに
槍ってのはリーチがあるし確かに直線上の相手には有利かもしれねぇが
耐久力に欠けるし、柄も長ぇし、集団戦には向かねーんだわ
動きにくくねーか?
なんならそれ、折ってやろうか
【鬼神変】で巨大化した拳で武器ごと圧し潰す
毒食らったらまあそん時はそん時よ!
詠が聞こえる度に敵が爆ぜていくのは
気分がいい
さあ、次は俺の番だ
仲間と連携取るのを忘れずに
有象無象の軍とは違うっての見せてやれよ
ま、さすがに多勢に無勢ってやつよな
援軍や形勢不利が見えたら指示通り潔く撤退だ
――石像のようにずらりと並ぶ、蟲将の群れ。
こちらの接近にもまるで気づく様子がなく、微動だにしないその姿に、篝・ニイナ(篝火・g01085)はにやりと口の端を吊り上げる。
「間抜け面かましてるなあ、オイ」
だが、それを奇襲で荒らしに行くというのは、何ともシンプルでわかりやすい。
「全ては次に繋げる為。……彼らの戦力、たくさん削ってあげようね」
さらりとそう紡ぐラルム・グリシーヌ(ラメント・g01224)は、にっこりと、常と変わらぬ穏やかな笑みを浮かべていて。
傍らで溢れた零れた音に、ニイナはほんの少し意外そうに瞬きながらも、楽しげに笑みを深めた。
「ラルムクン、随分逞しいじゃん」
「そうかな? ……さあ、ニイナ。共に派手に仕掛けようか」
「――詩人様の仰せの通りに」
「ふふ、頼りにしてるよ?」
そして、二人は居並ぶ赤き蜂の兵へと向き直る。
白い藤の花が咲き零れる珪化木の竪琴を爪弾き、ラルムが奏でるは紅葩。
踊るように爪弾く指先は幾つもの旋律を重ね合わせて、音の花を綻ばせるよう。
「紅葩に導かれ、永き夢の涯てに――」
響く歌声に心地よさそうに耳を傾けながらも、ニイナは確りと眼前を見据えて。
けれども不意に二人の視線が交わったなら、それが、始まりの合図。
おやすみと囁くようにラルムが紡げば暁色の焔が踊り、爆ぜる暁の燈を宿す竜胆の花が、戦場に鮮やかに咲いた。
刹那、力強く地を蹴ったニイナは、巡らせた鬼の血を両腕に集めて巨大化させる。
そして、突然の敵襲に動揺している鋭蜂兵を捕えて圧し潰した。
ニイナが注目したのは、鋭蜂兵達の得物である槍だ。
「……槍ってのはリーチがあるし、確かに直線上の相手には有利かもしれねぇが。耐久力に欠けるし、柄も長ぇし、集団戦には向かねーんだわ」
ラルムの旋律に導かれ、続け様に爆ぜる耀きの花弁。
それを眩しげに見やりつつ、ニイナは鬼の拳を構える。
――その姿、まさに鬼神の如く。
「動きにくくねーか? なんならそれ、折ってやろうか」
そうして拳を振るえば、凄まじい膂力で得物ごと鋭蜂兵が砕け散った。
旋律も声も、隣の刃に重ねて響かせて。
幾度目か、竪琴の音色に合わせて暁の燈が幾重にも綻び咲いて、鮮やかに爆ぜては鋭蜂兵達を呑み込んでいく。
爆風の中から放たれた光熱の業炎を、ラルムは空へ翔けることで躱し。
「熱いのは好きじゃないんだ。その翅、凍らせてもらうね」
魔力を編み上げ、氷槍の誘導弾を空から降り注がせた。
凍りついた翅をどこか煩わしそうに震わせた一体を、ニイナがすかさず異形の腕で握り潰す。
――詠が聞こえるたびに敵が爆ぜていくのが心地良い。
脇腹を掠めた穂先が齎す毒も、ラルムが奏でる旋律のお陰か、あるいは戦いの高揚感からか、何らニイナを惑わすものではなく。
「さあ、次は俺の番だ。有象無象の軍とは違うっての見せてやるよ」
そうして振るわれる鬼神の腕が、蜂の頭を叩き割る。
弱った個体を優先的に攻撃し、二人は確実にその数を減らしていく。
だが、敵もただやられているばかりではなく。時間が経つにつれて態勢を立て直し、反撃とばかりに襲い掛かってきた。
やがて、彼方に援軍の影も見え始めた頃――。
「……そろそろ時間切れ、かな?」
「ま、さすがに多勢に無勢ってやつよな」
元より深入りしすぎるつもりはなかった。ゆえに、撤退の判断も迅速なもの。
ラルムとニイナは互いに顔を見合わせて頷き、最後にもう一度耀きの花弁を咲かせ、剛腕を振るい――それを餞別として。
他のディアボロス達とほぼ時を同じくして、二人は速やかに戦線を離脱した。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】LV1が発生!
【怪力無双】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
ラファレ・リロード
【星夜】
三国志なるほど
それは有名な話ですね
今回は相手を減らし闘うのみ
簡単で良い
相手は蜂でしょうか??
殺虫剤で殺すのがはや……
いえ、なんでもありませんとにこっと笑って
おやおや?
私にレベッカさんを護らせて頂けないと?
それは哀しいですね…私に生きる意味を奪うとは
ある意味魔女様…シクシクと泣き真似をしつつ
レベッカさんに一針でもチクリとしようモノなら許しませんけど
双翼魔弾
で避けならが攻撃をして、こっそり彼女を護りつつ
魔弾に火【火炎使い】毒【毒使い】を混ぜた殺虫剤の弾を撃ち抜く
悪い虫は減らさないといけませんからね?
レベッカ・ブルーゾイス
【星夜】
この場所はニホンに比べ殺伐とした印象ね
肌を撫ぜる空気の中
刺すような闘気を感じるわ
傍らの彼へ
今日はわたしの事より
攻めに専念してください
守られてばかりでは
魔女の名が廃るというもの
此方への攻撃を舞うが如くひらり逃れ
歩みで紡ぐ星の結界
✧ラファレさんをディフェンスする✧
…偶にはわたしにも守らせて頂戴
聖なる荊が悪意の漣を阻む
皮肉なものね
堕天した身だと云うのに
天から与えられたチカラは褪せず留まり
…構わないわ、使えるモノは利用すべきよ
ラファレさんの施す毒焔を
精霊風で煽り広め
出逢って日も浅い
生きる意味だなんて…大袈裟
けれど嘘偽りとも捉えていないわたしがいる
魔力と体力の枯渇を感じたなら
渋らず撤退しましょう
「三国志とはなるほど、有名な話ですね」
とは言え、この地は歴史が改竄された――史実とは異なる三国志。
もっとも、ラファレ・リロード(デーモンのデーモンイーター・g03117)にとっては然程興味のない話でもあった。
「この場所は、ニホンに比べて殺伐とした印象ね」
肌を撫ぜる空気の中に感じるのは、刺すような闘気。
レベッカ・ブルーゾイス(嫉みの星魔女・g02252)が零した音に、そうですねぇとどこかのんびり頷くラファレは、傍らのレベッカから眼前の戦場へと視線を移す。
ラファレの瞳に映るのは、石像のように並ぶ蟲将の群れ。
これを倒せるだけ倒すというのが、今回の仕事だ。
数を減らすべく、ひたすら闘うのみ。
実に簡単で良い――そう、ラファレは思う。
遠慮も手加減も一切必要ないのであれば、尚更のこと。
「相手は蜂でしょうか?? 殺虫剤で殺すのがはや……こほん。いえ、なんでもありません」
と、誤魔化すような咳払いと共に微笑むラファレ。
レベッカは殺虫剤?と首を傾げるものの、すぐに――星涙宿す双眸に、ほんの少しばかり悪戯めいたいろを宿し、囁くように紡いだ。
「……構わないわ、使えるモノは利用すべきよ。あと、ラファレさん。今日はわたしのことより、攻めに専念してください」
守られてばかりでは、魔女の名が廃るというもの。
「偶には、……わたしにも守らせて頂戴」
レベッカは微笑んで、宵穹に染め上げられた翼を羽ばたかせる。
蝶の如く、ふわりと。舞い上がれば、空には見えざる足場がつくられて。
軽やかに弾む爪先が辿る軌跡には星輝の波紋が広がり――聖なる荊棘の光が動かぬ蟲達へと降り注いだ。
「おやおや? 私にレベッカさんを護らせて頂けないと?」
動き出した蟲達へすかさず魔弾を放ちながら、けれどレベッカの言葉もあってか、ラファレは今ばかりは彼女より突出することはなく。
「それは哀しいですね……私から生きる意味を奪うとはある意味魔女様……」
大袈裟に泣き真似をしつつも、蟲達の動きには密かに確りと目を光らせているのがラファレという男である。
ラファレへと繰り出された悪意の漣を代わりに引き受けたレベッカは、舞うが如くひらりと逃れながら聖なる荊の烙印を刻む。
(「……皮肉なものね」)
空を翔けながら、レベッカは僅かに眉を下げ、どこか自嘲めいた微笑みを浮かべていた。
――主に叛き、天より堕とされた身だというのに。
天から与えられたチカラは褪せず裡に留まり、今この瞬間も人類の敵――クロノヴェーダを葬る確かな力となっている。
憂いを帯びた瞳が、悪魔である“彼”の姿を映す。
まだ、出逢って日も浅い。
互いのことを、深く知っているわけでもない。
踏み込んで良いのかさえ、解らない。
(「なのにわたしが生きる意味だなんて……大袈裟よ」)
けれど、ラファレは嘘を言わない。
その心に偽りはないと、レベッカは何故だか、そう思えた。
一方のラファレはというと――レベッカの動きを阻まぬように空を舞いながら、やはり、こっそりと、さりげなく――レベッカを護るように立ち回っていた。
(「……まぁ、レベッカさんに一針でもチクリとしようモノなら許しませんけど」)
という想いは胸の裡に秘めたままだが、聡い彼女には気づかれていたかもしれない。
悪魔の翼で飛翔しながら笑顔で放つ弾丸には、あたかも殺虫剤のように火と毒を含ませて。
「――悪い虫は、減らさないといけませんからね?」
二足歩行の蟲達をどこまでも追いかける、火毒の魔弾。
ラファレが施す毒の焔を、レベッカは精霊の風で煽り、広めてゆく。
次々に貫かれた虫達が、おそらく痛みとは違うだろう何かに苦しみ悶えながら崩れ落ちていったのは――たぶん、気の所為ではないだろう。
そうして、魔力と体力の枯渇を感じる頃には、彼方より軍勢が迫りつつあり。
「そろそろ時間みたい、ね。戻りましょう、ラファレさん」
ラファレは少し、戦い足りない様子ではあったけれど――レベッカの言葉に素直に従い、二人揃って戦線を離れていった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】がLV3になった!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
【ガードアップ】がLV2になった!
花鶴・景臣
思う存分暴れて良いんだろ?
――だったら、俺の得意分野だ
先手必勝とばかりに鉄パイプで渾身の一撃
敵が活動状態になった後は、敢えて身を低くして
死角に潜り込んでから不意打ちを狙う
乱戦必至だからこそこっちも死角、不意打ちに注意
可能なら他の復讐者とも死角を補いつつ戦うのが良さそうだ
刃の一撃は勿論だが、柄で突かれても痛えし隙が出来ちまう
リーチの長さも考えると…いっそ刀で斬っとくか?
残骸はフェイントや武器受けにも使えそうだしな
周囲の観察は確とするに越した事ない
行動を制限されない事を第一に
時には悪運を味方に、臨機応変に行動
撤退は極力他に合わせる
俺の炎を使えば牽制になるんじゃねえか?
其処を狙って、退路を確保するぞ
アンダルシア・ノォヴェント
あらあら?
また良い知識が得られそうなお話ですね?
奇襲であるならば最初から最大火力が定石ですね?
以前のような強力な魔法は失われましたが、
新たな力を試すには良い機会ですね?
さて、今の私がどれ程のものか、期待と不安を込めて参りましょう?
先ずは一撃ちですね?
それからは他の方々と協力しましょうね?
これからは単機と組織、
両方の戦い方を身に付けていかねばなりませんからね?
前に出るのは苦手ですので、
後方からの支援をアピールしますね?
あらあら?
炎同士の対決ですか?
負けてられませんね?
とか言って、私はマトモにぶつかり合う気はありませんが?
それは魔女の戦い方ではありませんので?
さて、そろそろ逃げましょうね?
「思う存分暴れて良いんだろ? だったら、俺の得意分野だ」
「奇襲であるならば、最初から最大火力が定石ですね?」
元よりそのつもりで来たのだし、この瞬間に乗じる他ないだろう。
微かに口の端を吊り上げて、花鶴・景臣(灰に帰すまで・g04686)は地を蹴った。
その背を見送ったアンダルシア・ノォヴェント(アンダルシアの魔女・g05231)は、どこか楽しげに微笑みながら、可愛らしいリボンがふんだんに散りばめられた魔女の帽子を深く被り直す。
無造作に鉄パイプを振るい、整然と並ぶ列に先手必勝とばかりに渾身の一撃を叩き込む景臣。
突然の奇襲に慌てふためく蟲達へ、景臣は間髪をいれずに畳み掛けていく。
「新たな力を試すには良い機会ですね? さて、今の私がどれ程のものか、期待と不安を込めて参りましょう?」
アンダルシアは微笑みを深め、そっと息を吸い込んだ。
師から継承した知識や魔法は刻逆によって奪われ、今のアンダルシアの中からは失われている。
だが、ディアボロスとして覚醒してから得た、新たな力――パラドクスがある。
「炎よ炎よ、回り回って爆ぜなさい――」
詠唱と共に生み出された拳大の炎の塊が、混乱のさなかに景臣を狙おうとする鋭蜂兵の元へ飛んでゆく。
炎はまるで子犬のように楽しげに、あるいは踊るようにくるくると回り――ぽん、ぽんと小気味好い音を立てながら、花火のように鮮やかに爆ぜた。
「助かる」
「いえいえ? お役に立てたようで何よりです?」
体勢を崩した蟲を叩き潰しながら告げる景臣に、微笑み答えるアンダルシア。
先ずは一撃ち。
このような戦いも、これから乗り越えていかなければならないだろう。
どのような場面にあっても、臨機応変に対応できるよう――単機と組織、両方の戦い方を身に付けていかなければならない。アンダルシアはそう感じていた。
――戦場は、瞬く間に敵味方入り乱れての混戦状態へと突入していた。
アンダルシアが放つ炎が舞う中、景臣は敵に死角を取られぬよう、また不意を打たれぬように動き回りながらも、激しい剣戟の音に紛れて襲い来る気配を決して逃さない。
隊列が乱れ、より一層耳障りな響きを帯びた蟲達の羽音がこだまする。
崩れ落ちる鋭蜂兵ごと貫かんばかりの勢いで繰り出される槍を、景臣は身を低くして躱し――すぐさま死角に潜り込んで、不意の一撃を繰り出した。
蜂の針のように鋭い穂先は、呪いのような毒を帯びれば尚更、掠めるだけでも致命傷になりかねないだろう。
死の淵から一度蘇った身であるとはいえ、痛いものは痛い。
周囲の状況と、そして鋭蜂兵達の様子を冷静に見定めながら、思案を巡らせる景臣。
(「リーチの長さも考えると……いっそ刀で斬っとくか?」)
試しに刀を抜いてみるものの、すぐに思い直す。
それよりは“蜂”そのものを潰したほうが手っ取り早いような気もして。
――その時、不意に背後に感じた殺気に景臣は素早く跳び上がった。
鋭く風を穿つ音を聞きながら空中を蹴って宙返り。
そのまま、まさに今己を貫こうとしたばかりの槍の柄にとんと着地した景臣は、流れるように無銘の刀で鋭蜂兵の首を刎ね飛ばした。
「……悪運が強いのは、俺の方だったな?」
動かなくなった鋭蜂兵の身体を蹴って、景臣はすぐさま別の個体へ斬り込んでいく。
前に出るのが不得手なアンダルシアは、後方から戦況を見定めて。
景臣が存分に力を振るえるよう、彼に迫る蟲を的確に狙って炎を踊らせていた。
一方の景臣も、アンダルシアが狙いを定めやすくなるよう、敵を纏めて引きつけるように立ち回り。
互いに死角を補い合いながら、一体ずつ着実に、蟲達を沈めてゆく。
そうこうしている内に、態勢を立て直した鋭蜂兵が透き通る翅を擦り合わせ始めた。
耳障りな羽音が生むのは光熱の炎。
その気配に、アンダルシアは薄っすらと微笑んで。
「あらあら? 炎同士の対決ですか? 負けてられませんね?」
とは言え、まともにぶつかり合うのは“魔女”の戦い方ではないから。アンダルシアは氷雪を招き、放たれた炎の威力を和らげる。
やがて、彼方から迫る軍勢の足音が二人の耳にも届き始めた頃――。
「さて、そろそろ逃げましょうね?」
撤退の機を見出したアンダルシアは、箒に乗ってふわり、空へと舞い上がった。
景臣は後方へ飛んで距離を取り、鋭蜂兵達へ向けて紅き炎を放つ。
「あらあら? 足止めですか?」
意図を察したアンダルシアが更に炎を重ねれば、牙を剥くように勢いを増した熱の壁に、蟲達がほんの一瞬足を止める。
「じゃあな」
すかさず踵を返した景臣に、アンダルシアも続いて。
二人は背後に迫る軍勢と、彼方に聳える虎牢関に別れを告げた。
こうして、虎牢関を守護する大軍勢の一角を崩したディアボロス達。
奪われた歴史を取り戻すための、小さな一手。
けれどそれは確実に大きな力の一つとなって、堅牢なる守りの壁へと刻まれた。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【強運の加護】LV1が発生!
【フライトドローン】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!
【命中アップ】がLV3になった!