リプレイ
旗楽・清政
「焼肉食べ放題と聞いて、それがし推参!」
耳川を転戦しておったそれがしは、思わずパラドクストレインに飛び乗った。
耳川は良いのか? 何、耳川を戦い抜く鋭気を養うためにも、
焼肉食べ放題は逃せないのでござる。
で、何やら哨戒活動をする必要があると…しょうかい、しょうかい
(自分で言っておいて、そのダジャレのつまらなさに精神的ダメージを受ける戦国武将45歳)
……ゴホン。それがし、後方で策を立てるなり先陣切って突撃するのは得手でござるが、
斯様な斥候の如きはあまり経験がなく、正直得意とは言えぬ。
とは言え、何事も経験。まずはやってみると致そう。
さすがに、具足はガシャガシャと五月蠅い故、外していくでござる。
そして、念動光線により【光学迷彩】の残留効果を発生させるでござる。
移動は【忍び足】で音を立てぬように、でござるな。
この辺りが、ディアボロスとしての斥候の基本でござろうか。
首尾よう、敵を発見出来ればよいでござるが――。
※この清政は、耳川で戦闘中のシリアスな清政とは少々違った、コミカル寄りモードになっています。
蹂躙戦記イスカンダル、スサからペルセポリスへ向かう道中にて。
晴天の下、見晴らしの良い谷間の道を、いま一人の復讐者が踏みしめようとしていた。
「焼肉食べ放題と聞いて、それがし推参!」
名を、旗楽・清政(知勇兼備の昼行灯・g08816)。
イスカンダルとは別ディヴィジョンの天正大戦国で獅子奮迅の働きを見せている彼が、今回の作戦に参加した理由は至ってシンプルなものであった。
――嗚呼、美味い焼肉が食いたい!
耳川を戦い抜く鋭気を養う。その為にも焼肉食べ放題は逃せない――そう決意し、ふと気付けばパラドクストレインに飛び乗っていたのだ。
腹が減っては戦が出来ぬという格言が示す通り、美味しい食事は士気を高めるもの。
故に清政は考える。この作戦は是が非でも成功に導かねばなるまい、と。
「で、何やら哨戒活動をする必要があると……しょうかい、しょうかい」
直後、自ら口にしたダジャレに「ぐふっ」と悶絶する清政。
若干ノリがおかしいことになっているが、そこは歴戦の復讐者である。直ちに気を取り直し、哨戒を開始するのであった。
今回の哨戒では、襲撃部隊である『ナイルの巨大魚使い』を探し出すことが目的だ。
魚使いたちはミウ・ウルの進路上に身を潜めており、彼らの奇襲を許せばミウ・ウルは大きなダメージを被ってしまう。
そうなれば、ペルセポリスへの到達には大きな遅れが出るだろう。断片の王たるイスカンダルが向かう都市を先んじて制圧する上で、それは絶対に避けたい事態であった。
「つまりこの哨戒、責任重大という訳でござるな。おのれ、クロノヴェーダ許すまじ!」
魚使いの攻撃でミウ・ウルが魚まみれになる光景を想像し、清政が怒りを滾らせる。
ミウ・ウルの進路上には大きな岩が散乱しており、それ以外に、隠れる場所はほとんどない。手間を惜しまず着実に進めて行けば失敗は無さそうだ。
「斯様な斥候の如きはあまり経験がなく、正直得意とは言えぬが……何事も経験。まずはやってみると致そう」
音で気配を悟られぬよう具足を外し、光学迷彩で姿を溶け込ませれば準備は完了。
かくして清政は足音を殺しつつ、ミウ・ウルの進路上で哨戒を開始するのだった。
(「さて。首尾よう、敵を発見出来ればよいでござるが――」)
ゆっくりと進むミウ・ウルを後方に従え、清政は忍び足で進んでいく。
気配は殺したまま、身を隠せそうな岩陰を丁寧に確かめる清政。
開始から数分経ち、魚使いたちの気配は未だ無い。とはいえ敵がミウ・ウルの進路上に隠れていることが確実である以上、いない範囲を特定できただけでも成功に十分寄与するものだ。
(「魚使いどもが1体2体の少数で仕掛けて来るとは思えぬ。恐らくは相応の数を用意して居る筈……」)
ミウ・ウル襲撃という目的からして、奇襲は多勢で一斉に仕掛けて来る筈。
そんな確信に近い思いを抱きながら、怪しそうな場所を着実かつ確実に、清政はひとつひとつ潰していった。
そうして――。
哨戒を更に続行すること暫し、清政は微かな異変を察知した。
「……む? この匂いは……焼肉!」
道の先から仄かに漂って来る香りに、清政はゴクリと生唾を呑み込む。
本来この時代に存在しないであろう、じっくり焼いた牛カルビの芳香。そこに微かに混じる新鮮な魚の匂い。
敵部隊の待ち伏せ場所が近いことを、清政は即座に確信した。
(「もうじきにござる。いざ参らん、各々方!」)
後続の仲間へ合図を送り、先制攻撃の準備を整えて、清政は静かに進んで行く。
念願の焼肉は目前だ。その為にも、トループスとの戦は負けられない――そんな巌の如き決意を、胸に抱きながら。
成功🔵🔵🔵🔴
効果1【光学迷彩】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
ジズ・ユルドゥルム
一刻も早くペルセポリスへ辿り着くため…
そして、断片の王に先んじるため…
全力でクロノス級決戦(ルビ:やきにく)を成し遂げなければ…!
今日はな、決戦(ルビ:たべほうだい)のために朝ごはんお茶碗半分に減らしてきた。熱意が違うぞ熱意が。
まずは偵察の基本に沿って、身を隠せる岩石地帯を主に捜索。
地面に敵の足跡やウロコなどの残置物が無いか
岩壁に付着物が無いか
周囲に魚っぽい匂いや音がしないか、地上を移動して索敵する
私自身が見つからないよう、日陰や岩陰を意識して移動しよう。
通信で仲間と連絡を取り、徐々に捜索範囲をせばめ、位置を割り出したい。
んっ??ルーシド。今、炙り…がどうこう言っていたか?
そうだな軽く炙るのもいいな魚は。(お腹がすいている!!)
襲撃部隊は焼魚やらの話で恐慌に陥るらしい。
位置を割り出せたら、先制攻撃代わりに、この腹減りを思いっきりぶつけてやるか。
あー焼魚が食べたい!煮魚もいいな!
一番食べたいのはマグロ頬肉ステーキだな!!
はっ、いかん。焼魚の口になってきた。
もちろん焼肉も食べたいぞー!!
ルーシド・アスィーム
アドリブ・連携歓迎
さあ、いざ往かん焼肉アイス食べ放題……とわくわくしていましたが、熱量がスゴい方々が既にいるう……!
どうしよう、何かちゃんと頑張らないといけない気がする。まあ探す相手はナイルマグロなる外来種の使い手ですけど……君たち、エジプトで見なくなったと思ったら新天地にいたの……
それにしてもペルセポリス、ですか。人類史では祭祀の都であったようですが、さてその実情は如何なるものですかね
自前の防具を岩色の物に変え、目立たないように留意
併せて自前の魔導ゴーグル「ナジュムの遠見」を使い、「偵察」を実施しましょう
どうやら敵は谷間に潜んでいる様子
地道に視認での索敵を目指しつつ、死角にいる敵の炙り出しに時に「風使い」「吹き飛ばし」魔術で谷間を吹く風を巻き起こし、反射の違和感や敵の声が拾えないかも試してみます
基本的には徒歩で移動しますが、足場が悪く移動に手間取るようなら低空【飛翔】でカバーする事も検討します
仲間とは緊密に連携を取り、情報交換をこまめに行っていきましょう。突出し過ぎるのは危険ですからね
襲撃部隊が潜む谷間に、ほんのり漂う焼肉の香り。
その匂いに食欲をかき立てられ、復讐者たちの食欲と戦意は最高潮に達しようとしていた。
「全力で……全力で、クロノス級決戦《やきにく》を成し遂げなければ……!」
尽きぬ食欲に目を輝かせ、ジズ・ユルドゥルム(砂上の轍・g02140)が魂の叫びを上げる。
今日の彼女はいつにも増して本気だ。なにしろカルビロウスとの決戦《たべほうだい》に備え、朝ごはんのお茶碗を半分に減らしたほどである。
美味しい焼肉の為、ペルセポリスへ辿り着く為、そして断片の王に先んじる為。索敵を仕損じる訳には行かない。
敵の潜む場所が近くにあるのはほぼ確実だ。油断せず哨戒を行っていけば、魚使いたちは直に発見できるだろう。
「こういう時こそ基本が大事だ。丹念に索敵していこう」
「そうですね。しかしナイルの巨大魚使い、まさか新天地にいたとは……」
ジズのパラドクス通信機を受け取って、ルーシド・アスィーム(轍つ祈星・g01854)は前方の道へ視線を向けた。
ミウ・ウルの進路であり、ペルセポリスへ至る道の両脇には、身を隠せそうな大岩が幾つも転がっている。敵が身を潜めるとしたら、やはりあれらの陰だろう。微かに漂ってくる匂いを吸い込んで、ルーシドは呟いた。
「……しますね。焼肉に混じって、魚の匂いが」
「ああ。微かにだが……忘れもしない、ナイルマグロの匂いだ」
次第に濃さを増すマグロの匂いが、襲撃部隊の存在を復讐者たちへ告げる。
ジズとルーシドは二手に分かれ、道の左右から哨戒を行うことにした。敵に動きを悟られぬよう、連絡にはパラドクス通信を用いることも忘れない。
(「敵は近そうです。行きましょう」)
(「ああ。もうすぐ……もうすぐだな」)
くう、とジズの胃袋が空腹を訴える。
今にも騒ぎ出そうとする腹の虫を抑え、復讐者たちは岩陰に身を潜めて進み始めた。
ミウ・ウルの進路に潜む襲撃部隊。その潜伏場所を暴く為、ルーシドとジズは気配を殺して索敵を行っていく。
地面や岩肌といった場所に敵の痕跡らしきものはないようだ。それでも、進むほどに増していく敵の気配と、そしてナイルマグロの匂いは、敵の存在が近いことを雄弁に伝えて来る。ルーシドは魔導ゴーグル『ナジュムの遠見』で周囲を視認しつつ五感を研ぎ澄ましていった。
(「ミウ・ウルへの奇襲を許す訳には行きませんからね」)
こみ上げる空腹を抑えながら、ルーシドが小声で呟く。
彼もまたジズと同じく、焼肉とアイスを楽しみに参加した復讐者の一人だ。
そんなルーシドをして、今回の作戦に参加している面々の焼肉にかける熱量には、只々圧倒されるばかり。その食欲と士気の高さが、彼には何とも心強い。
(「皆の心が焼肉で一つになる。この戦い、負ける気がしません」)
そうして――ジズと息を合わせながら岩陰を進み、索敵をさらに続行すること暫し。
ルーシドの眼が、探し求める敵の姿をついに見出した。ナジュムの遠見を介して見遣る前方、道に沿って並ぶ大岩の影から『あるモノ』がはみ出ていたのだ。即ち――ナイルマグロの巨大な尾である。
(「見つけました。前方右側の岩陰です!」)
(「ああ、此方でも確認した。間違いない」)
直後、ジズが通信機を介して連絡を返す。
二人はすぐさま潜伏ポイントを特定すると、更に注意深く岩陰を凝視した。
果たして進路右側に転がる複数の岩陰からは、ビチビチ跳ねるナイルマグロの尾と、吐き出される小魚が時折見て取れる。それも一つや二つではない。群れを為してミウ・ウルを襲撃せんと待ち構える敵部隊に間違いなかった。
(「ふむ、左側は岩の数が少ないが……」)
間を置かず、ジズが視線を道の反対側に並ぶ大岩へ移す。
そこに見えたのはマグロの尾ではなく白い蒸気であった。まさかと思いジズとルーシドが聞き耳を立てる。すると、
『ポッポー』『ポー!』
やはり、いた。
左側の岩陰に潜んでいるのは、斥候部隊の『自走式ファラリスの雄牛』たちに間違いない。
ジズとルーシドは視線を交わし合い、無言でビシッとサムズアップを送る。
(「やりましたね」)
(「ああ」)
襲撃部隊と斥候部隊の居場所を特定した以上、あとは彼らを撃破するのみだ。
急ぎ仲間を呼んで先制攻撃を――そう考えて二人が準備をしようとした、次の矢先であった。
(「こ、この香りは……っ」)
(「ああ、間違いない。牛カルビだ」)
トループス級の部隊が潜む岩陰の後方から、得も言われぬ香ばしい香りが漂って来たのである。
ただの肉が焼ける香りではない。濃厚なタレで丁寧に下味をつけたであろうカルビは、魔性の如き香ばしさを帯びながら、ルーシドとジズの脳髄を刺激し始めた。
脂たっぷりの牛カルビ。それを、少し硬めに炊いた白米に載せて頬張れば、きっと天にも昇る心地に違いない。下味つきの肉をそのまま載せるか、それともつけダレにダイブさせて頬張るか――どちらも最上の味であることは確実であろう。
もはや拷問に等しい仕打ちに、ルーシドとジズはあらん限りの怒りを滾らせていく。
(「あ……ニンニクと胡麻の香りが……」)
(「おのれ……!! 許せん、許せんぞカルビロウス……!!」)
絶叫しそうになる腹の虫を必死に宥め、ルーシドは一足先に平静を取り戻すと、状況をすぐさま整理した。
右側の岩陰には、襲撃部隊の魚使い。
左側の岩陰には、斥候部隊のファラリスの雄牛。
そして焼肉……もといカルビロウスは、二つの部隊が潜む場所のさらに奥だろう。いずれにしても襲撃部隊の排除は必須、ルーシドはすぐさま攻撃準備を開始する。
「うまく隠れたつもりでしょうが、詰めが甘かったですね。さっそく奴等を炙り出して……」
「んっ?? ルーシド。今、炙り……がどうこう言っていたか?」
「えっ」
「うんうん、そうだな。軽く炙るのもいいな魚は!」
「えっ??」
僕、そんな意味で言いましたっけ?
その一言をルーシドが返すよりも早く、ジズは次の行動を決めたようであった。
出発前に時先案内人から聞いた情報では、魚使いたちは焼魚や焼肉の話を聞くと恐慌状態に陥るらしい。
ならばとジズは思うのだ。隠れている魚使いどもに、この腹減りを思い切りぶつけてやろうと。
「あー焼魚が食べたい! 煮魚もいいなー!」
『ビチィッ!?』
魚使いの抱えるナイルマグロが一匹、悲鳴を上げて暴れ出した。
大岩の陰に隠れていた他の魚使いたちが、混乱に巻き込まれて足並みを乱す。
「一番食べたいのはマグロ頬肉ステーキだなー!!」
『ビチビチィッ!?』『お、落ち着けパク!』
ジズの言葉に怯えるように、ナイルマグロたちが更に二匹三匹と暴れ出した。
魚使いは更に足並みを乱し、マグロを宥めるだけで精一杯。だが、ジズの追撃はなおも止まらない。
「はっ、いかん。焼魚の口になってきた。もちろん焼肉も食べたいぞー!!」
『ビチビチビチィッ!!』『ビチビチィーッ!!』『ディ、ディアボロスの襲撃パク!!』
焼魚と焼肉の話に、魚使いの群れは早くも大混乱に陥っていた。
ジズはルーシドと共に後方の仲間へ合図を送り、すぐさま攻撃の準備を完了する。
足並みを乱し、統制は取れず、態勢を乱し切った今ならば、敵の撃破は赤子の手をひねるより容易であろう。
索敵の成功によって訪れた一斉攻撃の好機。
後はこの機を逃さず、敵部隊を撃破するのみだ――!
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【パラドクス通信】LV1が発生!
【飛翔】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!
【ダブル】LV1が発生!
アリア・パーハーツ
せっちゃん(g02423)と一緒に
大事なミウ・ウルに手を出そうとするなんて、悪い子たち
何より、焼肉食べる前にお腹を空かさないとね!
マグロも大好きだぞ!
山葵と醤油もちゃんと、……え、食べられないの?(しょんぼり)
大丈夫、焼肉はまだある、カルビ、ロース……あよだれでた
よし、んじゃあ用はなくなったお前達はサメの餌だ
戦場を囲う檻を召喚、中に解き放つ三体のホホジロサメたち
ボク様のかわいい子たちの腹くらいは満たせるかな
……今日も今日とて人の髪を食うんじゃない!
あっち、マグロがあるでしょ!!
せっちゃんもかじっちゃだめ!敵を食えキミ達!
…もー!鼻殴ってぇ!(他の仲間に対処法を叫ぶ)
あの鮪は食べちゃだめっ(ツナアラシじゃん!)
……せっちゃん、ボク様のサメはふかひれないよ??
仲間の方に向かっちゃう子をぺしぺし叩いて誘導
飛行する小魚を食い荒らさせる
逃した小魚の襲撃は手榴弾で対応
サメを呼んで体当たりさせたり、ディフェンスの為向かわせたり
カルビロウスに焼かれて食われるのと、サメに生噛りされるの、どっちが地獄だろう
湯上・雪華
あーちゃん(g00278)と一緒に
焼肉の前に準備運動です!
ナイルマグロは美味しいのか、確かめられてないんですよね……
折角炭火を用意してもらえてるなら、焼いて確かめたいところ
いざ、焼肉!焼魚!
ナイルマグロは可能な限り捌いて切り身を確保です
妖刀を使えばマグロの解体だってできますもん!
……え、食べられないんですか!?でも、解体の練習にはなるし、バラすだけバラしましょう!
八つ当たりじゃないですよ、八つ当たりじゃ
本体の方はパラドクスを使って焼いていきましょう
ナイルマグロも丸焼きにしても美味しいかな……
魚の焼ける美味しい匂い……食べられないのに、なんで美味しそうなの!
はっ、匂いだけでご飯食べるのもありでは?
反撃に関しては動き続け、狙いをつけづらくします
超高水圧の水鉄砲ですし、耐えるより回避です
暗器のナイフを盾替わりにして威力を殺すくらいかな
わー、サメさんだ
齧られたら困るし、後で料理をご馳走したらいいのかな?
……ふかひれ用のとはまた違いますからね、間違えないようにしよっと
マグロもいっぱい……齧ろうかな
サアシャ・マルガリタ
アドリブ連携歓迎
出ましたね、ナイルのマグロ使い!
ここで会ったが百年目ーですよう!
宗教上の理由により焼き肉に参加できないサアシャがここへ来た理由はただ一つ……
そう、マグロをおいしく料理するためです!!
刺身から始めて……兜焼き、ホホ肉のステーキ、炙り焼きにレモン塩をかけたヤツ、しぐれ煮……
骨についた身をこそげ取った中落ちを、手巻き寿司にするのもいいなぁです(じゅるり)
なぁんて調理法へ思いを馳せてマグロが恐慌状態に陥ったら攻撃のチャンスです
パラドクスで、銛の形にした水の弾丸を敵へ向かってうちこむですよ
まずは得物(マグロ)を、次に本体(巨大魚使い)を叩くです!
ナイルマグロを失った巨大魚使いなど、サーフィンボードを失ったサーファーのようなもの……
マグロと一緒にその首を置いていくがいいーですよう!
え、マグロは食べられないですか。そうですか
でも……食欲をそそる香ばしい匂いが……(他所様の戦闘をちらちら見やる)
味方のマグロとサメさんはこっち来ちゃダメです!
串刺しにしちゃいますよう、めっ!(威嚇のポーズ)
ジズ・ユルドゥルム
ええ…あの雑な宣戦布告があそこまで効くのか…。
あの残酷な祭司のことだ。(焼肉の香りをかがされたのを根に持ってる)
きっと魚使い達も酷い仕打ちを受けたんだろう。
かと言って同情はしないぞ。これもミウ・ウルのため…
これから待ち受ける決戦と…ハラミとロースと白米のため…
ここで刺身になってもらう!
というわけでナイルマグロにはナイルマグロをぶつける。
「獣神模倣・鮪嵐」を起動。おいで「鮪嵐(つなあらし)」!
ナイルマグロの群れを召喚し、敵を更なる混乱に叩き落そう。
召喚した鮪嵐達には、空中を疾走して助走を付けながら力いっぱい突撃してもらい
魚使い達を轢き倒させたい。
さらにカマ焼き!バター焼き!海鮮丼!などと腹減りに任せて唱えつつ、敵を混乱させて鮪嵐達を支援しよう。
巨大さを活かした叩きつけは、単純なだけに厄介だな。
鮪嵐達自身にも飛び跳ねて敵に体当たりしてもらい、叩きつけに対抗しよう。
しかし皆、マグロへ向ける食欲がすごいな?
そんなに食べたかったのかぁ…。
…私が召喚した子達をつまみ食いしないでくれよ??
『ビチビチィィッ!!』『パクパクパクーッ!』
蜂の巣を突いたような騒ぎとは、このようなことを言うのだろう。
場所はペルセポリスへの道中、法正配下の部隊が潜む谷間。
其処は今、焼肉の香りとナイルマグロの絶叫によって、混沌極まりない戦場へと早変わりしていた。
『ビチビチィーッ!』『お、お、落ち着けパク!』
焼魚、焼肉という単語を聞かされ暴れ狂うナイルマグロの群れ。そんな彼らを宥めんと右往左往するのは、敵の襲撃部隊を務めるナイルの巨大魚使いたちだ。
復讐者の機転によって初手から奇襲に失敗した魚使いたち。
そんな彼らを撃破すべく、復讐者は一斉に攻撃を開始する。全ては――決戦《やきにく》を制する為に!
「ええ……あの雑な宣戦布告があそこまで効くのか……」
大混乱に陥った襲撃部隊を前にして、ジズ・ユルドゥルム(砂上の轍・g02140)はぽかんと口を開けていた。
彼女の前には今、信じがたい光景が広がっている。
思いつくまま魚料理を叫んだと同時、ナイルマグロたちが一斉に恐怖で暴れ出したのだ。それも一匹二匹ではない。両手で数え切れぬ程の敵が混乱に陥っているのである。
「……丸焼き! 皮はパリパリ、肉はしっとりで!」
『ビチィィッ!』
ジズが叫ぶや、更に暴れ出すナイルマグロ。
その姿を眺めるジズの心に込み上げるのは、彼らの主たる百牛犠牲祭司カルビロウスへの怒りであった。
「きっと魚使いたちも、ヤツに酷い仕打ちを受けたんだろうな……まあ、同情はしないが」
そう、いかに哀れを誘おうとも魚使いはクロノヴェーダだ。相容れぬ存在である以上、ここは鬼になるしかない。
全てはミウ・ウルを護るため。
そしてペルセポリスへ向かうため、決戦《やきにく》のため、美味しいハラミとロースと白米のため、
「残念だが、お前たちは此処で――」
『隙ありパク!』『砂上船を襲撃パク!』
「あっ、待て! 刺身にしてやる、覚悟しろ!」
油断も隙も無く、すかさずミウ・ウルへ駆け出そうとする魚使いたち。
そんな敵を残さず撃破せんと、ジズはすぐさま戦闘を開始していった。
コミカルな空気と共に幕を開けた戦闘であるが、一度始まれば魚使いの抵抗は熾烈そのものだった。
最も厄介なのは頭数の多さだ。単体は雑魚だが群れれば脅威――それを体現したかのように、ナイルマグロを抱えた魚使いが次から次へとミウ・ウルへ殺到していく。
『ディアボロスの砂上戦を襲うパク!』『焼き魚はまっぴら御免パクーッ!』
「まずい……このままでは、ミウ・ウルがナイルマグロまみれになってしまう!」
脱落魚を意に介さず魚使いたちが仕掛ける猛攻に、ジズは唇を噛んだ。
いかに混乱している敵とはいえ、頭数を武器に攻められれば、ジズ一人では分が悪い。魚使いたちはカルビロウスに受けるお仕置きの恐怖が後押ししたのか、先を争うようにミウ・ウルを魚まみれにせんと駆けて行く。このままでは後始末が大変なことになる――そう思ってジズが先頭を狙おうとした、しかし次の矢先であった。
「兜焼き、ですよう! こんがり焼いて、頬肉と眼肉ほじほじ食べるです!」
『ビチィッ!?』『ビチビチィーッ!?』
突如として戦場へ割り込んだ声に、先頭のナイルマグロたちが怯えて暴れ出す。
声の主はサアシャ・マルガリタ(えいえいお!・g05223)。ナイルマグロを美味しく料理せんと駆けつけた復讐者である。
「出ましたね、ナイルのマグロ使い! ここで会ったが百年目ーですよう!」
諸々の事情により焼肉を食べられないため、その分大暴れしようと戦意旺盛なサアシャ。
ジズはそこへ合流し、サアシャと息を揃えて準備を完了する。
「助かった、サアシャ。おかげでミウ・ウルが生臭くならずに済みそうだ」
「えへん、ですよう! それじゃ、美味しく料理してあげるのです!」
同時、二人の展開するパラドクスが攻撃開始の狼煙となった。
先行率アップの風が吹き荒れると同時、ジズの『獣神模倣・鮪嵐』が発動する。
「来たれ王朝の残滓。大河を征く強き魚達よ!」
直後、大空を泳ぎながら現れたのは巨大な魚の群れだ。それも只の魚ではない。それは、ジズがかつて獣神王朝で出会った淡水魚――そう、ナイルマグロの大群である。マグロ、マグロ、マグロ。雲霞の如き数を誇るナイルマグロたちが、圧倒的な速度と質量を武器に、標的である魚使いの群れ目掛けて一直線に突進していく――!
「行け、鮪嵐! まとめて吹き飛ばしてやれ!」
ジズの声に応えるように、ひときわ強烈な存在感を放つナイルマグロが宙を跳ねた。
鮪嵐(つなあらし)と呼ばれるその個体が導くまま、突進に巻き込まれた魚使いが、抱えるナイルマグロもろともネギトロの如きミンチへと変えられていく。
『ギョギョーッ!』『パクパクーッ!』『ビチビチィィィッ!!』
およそこの世のものとは思えない断末魔を残しながら、次々と絶命していく襲撃部隊の面々。
だが、いまだ圧倒的な頭数を誇る彼らの突撃は尚も止まらない。そんな彼らへ、サアシャは魚料理を次々と口にして足並みを乱させていく。
「ホホ肉のステーキ、じっくり焼くと歯応えがすっごく良いんですよう……」
『ビチィッ!?』
「炙り焼きにレモン塩をかけたヤツ、立ち昇る湯気の匂いを嗅いだだけで、もう辛抱堪らないです……」
『ビチチィィッ!!』『マ、マグロが暴れ……パクパクーッ!!』
恐慌状態に陥るナイルマグロ。次から次へと足並みを乱す魚使いたち。
そこへ、すかさずサアシャは狙いを定めていく。『きつねのけものみち』――任意の形状に変更した水の弾丸を撃ち出す、彼女とっておきのパラドクスで。
「マグロと一緒にその首を置いていくがいいーですよう! 放水スタート!」
銛型に変形した水の弾丸が、立て続けに敵へ直撃する。
ナイルマグロもろとも其の体を粉砕され、絶命していく魚使いたち。
サアシャとジズの美味しくも激しい猛攻によって、襲撃部隊はじわじわと数を減らし始めた。
「サアシャ、ミウ・ウルの状況は!?」
「無傷ですよう。けど……敵も、思ったよりしぶといです!」
サアシャの言う通り、魚使いの執念はいまだ衰えることを知らなかった。
同胞がネギトロと化そうとも、彼らの足が止まることはない。ネギトロか焼魚か――ミウ・ウル襲撃を成功させない限り、魚使いを待つ運命はその程度の違いしか無いのだろう。
『パクパクーッ!』『パクパクーッ!』『パクパクーッ!』
ナイルマグロを大剣のごとく振るい、迫りくる魚使いたち。
だが、ジズとサアシャの奮戦とて負けてはいない。魚料理への想いを語って足並みを乱させ、鮪嵐率いるナイルマグロが小魚たちを発射し、銛型に変えた水の弾丸をサアシャが射出し、ミウ・ウルを護る壁となって懸命に敵を押し留める。
「うぅ……あのナイルマグロたち、しつこいです!」
「厄介だな。もう一息で、こちらが攻勢に転じられそうなのだが……」
後少し。後少し、仲間の手助けがあれば。
ナイルマグロの魔手からミウ・ウルを護れそうなのだが――そう、ジズとサアシャが思った次の刹那であった。
「焼肉食べる前にお腹を空かさないとね、せっちゃん」
「ええ。いざ準備運動と行きましょう、あーちゃん!」
二人の復讐者が、魚使いたちの前を立ち塞ぐ。
アリア・パーハーツ(狂騒・g00278)と湯上・雪華(悪食も美食への道・g02423)。決戦《やきにく》に馳せ参じるべく、颯爽と駆けつけた応援であった。
心強い援軍に、ジズが目を輝かせて叫ぶ。
「来てくれたのか、二人とも!」
「もちろん! ミウ・ウルに手を出そうとする悪い子たちは、しっかり料理してあげるよ!」
「頑張って撃破しましょうね。それにしても美味しそう……ごくり」
アリアと雪華はジズに合図を返すと、すぐさま敵群を見遣った。
二人の瞳に浮かぶのはクロノヴェーダへの怒りと、それを上回る食欲だ。
獲物に食いつく肉食獣めいた笑みを浮かべ、アリアが堂々と敵へ告げる。
「さあ、料理される覚悟はいいかな! 山葵と醤油もちゃんと……」
「あ、ナイルマグロは食べられないみたいですよ」
「……え、食べられないの?」
雪華の言葉に、しょんぼりと肩を落とすアリア。
そんな彼女に、ジズと雪華はグッとサムズアップを送り、微笑む。
「決戦《やきにく》は海鮮も出せるらしいし、鮪も平気だろう。生とかナイルマグロは流石に無理だろうが」
「以前の依頼でもマグロステーキは行けましたしね。それはそれとして、敵は敵でしっかりバラしましょう!」
「本当に!? よし、んじゃあ用はなくなったお前たちはサメの餌だ」
『パクゥッ!?』
かくして。着実に数を減らす魚使いたちへ、アリアと雪華の更なる攻勢が襲い掛かる――!
心強い応援が二人も到着したことで、戦いは復讐者の優勢に傾いた。
パラドクスを駆使しながら一気呵成の攻撃を仕掛けるアリアと雪華。そこへ援護を行うのは、サアシャだ。
「骨についた身をこそげ取った中落ち、ちょっと炙って手巻き寿司にするといいなぁです……」
『ビチィッ!』
「あとあと、しぐれ煮も最高ですよう! ちょっと濃いめの味付けにして、あったか御飯と一緒に頬張ったら……!」
『ビチビチビチィィィィッ!!』
ナイルマグロが次々と恐慌に陥り、慌てふためく魚使いたち。
そこへすかさず、雪華が『地駆る獣』によって攻撃を浴びせていく。
「せめて切り身だけでも確保したいですね。というわけで……獣とは契約を守るもの!」
刹那である。ふいに雪華の影が盛り上がると同時、そこから現れたのは一頭の猟犬だ。
白金色の毛並みを有し、口にはサーベルを咥えた猟犬が、妖刀を構える雪華と息を合わせて魚使いへ鋭利な斬撃を見舞う。ダメージアップの力を帯びて放つ一閃で、たちまち二体の敵を短冊切りにして始末すると、散らばったナイルマグロの肉片を雪華はすかさずキャッチ。取り出したフライパンを手際よく熱し、ひょいと投入していった。
「ふふふ……倒した後の肉なら問題ない筈です! えいっ!」
「わああ、いい匂いです!」
戦場に立ち込める、肉の焼ける匂い。
牛肉とは明らかに質の違う、それでいて食欲をそそる香りが、湯気と共に充満する。
これはひょっとすると行けるのではないか――そうサアシャと雪華が思った、しかし次の瞬間、
「あれ? ナイルマグロのお肉が消えていくです!?」
「ちょ、ちょっと待って下さい! そんな馬鹿な!?」
熱湯に放り込まれた氷のように、ナイルマグロの肉片がたちまち消え始めたのだ。本体の魚使いが死んだ影響か、あるいは全く別の理由か。肉片は夢のように儚く失せ、空となったフライパンに雪華はガックリ肩を落とす。
「失敗ですか……でも、機会があれば次こそは!」
いつか幻のナイルマグロ肉を美味しく調理するその日まで――!
そんな一幕を挟みつつ、ミウ・ウルを巡る戦いはいよいよ終盤に差し掛かろうとしていた。
四人の復讐者による攻撃が激しさを増す。
対する魚使いたちは最早まともな反撃すらままならず、一体また一体と狩られていった。
「遠慮はいらない、鮪嵐! どんどん蹴散らしてやれ!」
ジズが駆るナイルマグロの群れは、いまだ勢いの衰えを知らない。
空中を自由自在に泳ぎ、助走をつけての突撃によって鎧袖一触に魚使いたちを轢き倒していく。中には無謀にも防御を試みようとする個体もいたが、
「させるか! にんにくバター焼きにして、熱々のところに醤油をちょっぴり垂らして頬張ってやるぞ!」
『ビチビチッ!』『パクパクーッ!!』
ジズが焼魚の料理を叫べば、たちまち取り乱したナイルマグロともども復讐者のパラドクスに葬られていく。
サアシャが放つ水の銛。雪華が猟犬と共に叩き込む斬撃。その中を、鮪嵐の率いる群れが突進し、邪魔する魚使いとマグロを一切合切ネギトロに変えていく。
次々と討たれていく魚使いたちであったが、彼らの悪夢は終わらない。
何故ならば――戦場に更なる異変が生じたからだ。戦場の四方を突如として囲んだのは、頑丈なパラドクスの檻。アリアが発動した『恐怖の水族館』であった。
「おいで、おいで。ご飯の時間だよ」
次の刹那、アリアに招かれ檻の中へ解き放たれたのは、宙を泳ぐ巨大魚が三匹。
人間の背丈を優に超える肉食魚、ホホジロザメだ。
そして、アリアが言うご飯とは言うまでもない――残り僅かとなった魚使いと、彼らが抱えるナイルマグロである。魚使いを残らず巨大檻に閉じ込めたのを確かめると、アリアはサメたちへ合図を送った。
「さあ、思う存分食べるといいよ!」
『ちょっ、ままま、待つパク!』『お助けパクーッ!!』
悲鳴を上げる魚使いたちへ、一斉にホホジロザメたちが襲い掛かる。
そこへ続くように、仲間の復讐者たちもまた、敵を全滅させるべく一斉攻撃を開始していった。
マグロ、サメ、魚使い。
魚、魚のオンパレードの中、ホホジロザメたちは空腹の赴くままに獲物へと飛び掛かる。
もっとも、中にはせっかちなサメもいたようで、
「あっこら! 今日も今日とて人の髪を食うんじゃない! あっち、マグロがあるでしょ!!」
「……わー、美味しそう……」
「せっちゃんもかじっちゃだめ! 敵を食えキミたち!」
『ちょ、うぎゃあああ!』『仇討ちパク! 思い知れパクーッ!』
仲間へ向かおうとするサメを軽く叩き、魚使いの方へと誘導するアリア。合点承知とばかり大口を開けたサメが、魚使いをナイルマグロと食い散らかす。
対する魚使いも反撃とばかり小魚を吐き出して、尚も抵抗を諦めない。
そこへトドメとばかり迫るのは、復讐者たちによる更なる猛攻だった。
「あの鮪は食べちゃだめっ、ツナアラシじゃん! 食べるのはあっち!」
「おっと……私が召喚した子たちをつまみ食いしないでくれよ??」
「味方のマグロとサメさんはこっち来ちゃダメです! 串刺しにしちゃいますよう、めっ!」
冗談めいた遣り取りを挟みつつ、復讐者の攻撃は熾烈だ。
魚料理への想いを語って敵の足並みを乱し、魚使いを手当たり次第に排除し――気づけば魚使いたちは、残り2体まで数を減らしていた。
そこへ最後の御馳走とばかり、宥めたホホジロザメたちをアリアがけしかける。
「ま、カルビロウスに焼かれて食われるよりはマシじゃない? そーれ、遠慮せず食らいつくと良いよ!」
『パクパクーッ!』『ビチビチビチィーッ!』
獰猛なホホジロザメの前に、魚使いとナイルマグロが為す術無く食い散らかされていく。
かくして襲撃部隊は残らず全滅し、戦いを制した復讐者たちを、ミウ・ウルは無傷の姿で優しく見下ろすのであった。
これで、残すは斥候部隊『自走式ファラリスの雄牛』のみ。
身を潜める雄牛たちを倒せば、いよいよ決戦《やきにく》の始まりだ!
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【ハウスキーパー】LV1が発生!
【狼変身】LV1が発生!
【水面走行】LV1が発生!
【水中適応】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV2になった!
【ダメージアップ】がLV2になった!
【反撃アップ】LV1が発生!
【先行率アップ】LV1が発生!
オズワルド・ヴァレンティ
連携・アドリブ歓迎
襲撃部隊の魚使い排除は仲間に任せて
僕たちは斥候部隊ファラリスの雄牛退治と行こうか
情報を持ち帰らせる訳にもいかない
宴の前に禍根は殲滅しておかなければな
――美味しい焼肉食べ放題を楽しむ為にも
哨戒によると白い蒸気を上げているらしいが…
見た目はアレに似ているような気もするな
庭先とかで焼肉する用の……バーベキューグリルという名前だったか
人間も収められるのか……そうか、
焼肉に使えないのなら壊そう
移動は【飛翔】によって高度と速度を保ち
特攻突撃への警戒と注意を向けておく
戦況全体の把握に務めて
仲間のディアボロス達とも
敵の残数や動きなどの情報を共有
声掛け等で仲間との連携を図り
孤立と死角を防ぐよう立ち回る
体力の低い敵兵から攻撃の手を集中
各個撃破を心掛ける
燃焼機関に対抗…という訳でもないが
火力には此方も最大限火力を打つけてやろうと
遠赤外線効果で食材はより旨く焼けるらしい
橙星から赤外線は多分出ないが心の持ちようだな
美味しい焼肉を食べたい気持ちを十二分に込めるとしよう
――射貫け、
谷間に立ち込める焼肉の香りが、いっそう濃密さを増していく。
そんな中、襲撃部隊の撃退から間を置かず、もう一つの戦いが幕を開けようとしていた。
戦場を監視している斥候部隊――『自走式ファラリスの雄牛』との戦闘である。
「さて、僕は雄牛退治と行こう。彼らに情報を持ち帰らせる訳にもいかないからな」
敵の隠れ潜んだ場所を凝視して、オズワルド・ヴァレンティ(砂塵の・g06743)が呟く。
否――『隠れ潜む』という表現は語弊があるだろう。
オズワルドが凝視する先、道に転がる大岩の影からは、敵の存在を示す白い蒸気がしきりに噴き出しているからだ。
『ポッポー!』『ポー!』
(「……隠れる気があるのか、あいつらは」)
思わず内心で呟かずにはいられない程、敵の潜伏は見え見えであった。
オズワルドはすぐに気を取り直し、攻撃前に戦場を俯瞰していく。
雄牛たちは全員が岩陰に潜伏しており、復讐者とミウ・ウルの情報を収集している。襲撃部隊に比べれば頭数も多くない。二、三人もいれば問題なく片付くだろう。
「心掛けるべきは各個撃破だな。着実に始末させて貰おうか」
ぐずぐずしていたら、敵は情報収集を終えて退却してしまう。
そうなる前に一体残らず撃破せねばならない。オズワルドは決意を固め、戦闘の準備を完了した。
「宴の前に禍根は絶たせて貰う――焼肉食べ放題を楽しむ為にも」
かくして、襲撃は即座に開始された。
敵陣をかき乱し、後続の仲間たちの為に少しでも戦況を有利にすべく、オズワルドは颯爽と敵の元へ駆けていく。
「一体も逃しはしない。己の不運を嘆くんだな!」
『ポポッ!?』『ポッポー!?』
突然の襲撃に態勢を乱した雄牛たちへの挨拶代わり、オズワルドが浴びせかけるのは魔力を凝縮した熱線だ。
態勢を整える猶予は与えない。速攻で攻撃を仕掛け、狙うは短期決着のみ。
対する雄牛たちも燃焼機関を稼働させると、怒り狂ったように反撃の突撃を開始する。四つの車輪をフル回転させ、地面に深い轍を刻みながらの突撃だ。オズワルドは巧みに直撃を避けながら、その機動力に舌を巻いた。
「中々やるな。愉快な見た目のくせに」
敵を凝視しながら呟くオズワルド。
そんな彼の脳裏にふと浮かぶのは、庭先で焼肉に用いる道具だ。名前はたしか、そう――。
「バーベキューグリル、だったか……あの雄牛たちは人間も収められるようだが、焼肉に使えないのなら壊そう」
後に待つ本番の為にも、雑兵相手に時間はかけていられない。
オズワルドは魔力を収束させ、パラドクスの力で十二面体の小星を生成していく。
「燃焼機関に対抗……という訳でもないが、火力には此方も最大限火力を打つけてやろう」
焼肉をはじめ、食材というのは遠赤外線効果でより旨く焼けるらしい。
このパラドクスに赤外線は多分出ないが、そこは心の持ちようだ。美味しい焼肉を食べたい気持ちを十二分に込める。
――しっかり焼いた分厚いハラミを、タレにダイブさせて一思いに噛み締める。
――口の中でほどける肉のほとばしる旨味、絡み合う脂とタレと肉汁で噛み締める御飯……さぞ絶品に違いない。
「ああ駄目だ、腹が減って来た。――射貫け」
命中アップの光に導かれた熱線が星鉱石から放射され、雄牛を捉えた。
膨大なエネルギーを秘めた『橙星』の一撃は、一度に狙える数こそ少ないが、その威力は折り紙付きだ。
直撃を浴びた雄牛が断末魔すら残さずに蒸発。オズワルドの攻撃は着実に雄牛を葬り、その頭数を減らしていく。
「一体も逃がしはしない。覚悟して貰おう」
救援機動力で応援の仲間が駆け付けてくる中、冷酷に告げるオズワルド。
かくしてカルビロウスとの決戦に迫る最後の一手が、今まさに打たれようとしていた。
成功🔵🔵🔵🔴
効果1【飛翔】がLV2になった!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
テクトラム・ギベリオ
【ヒラール】仲間との連携も歓迎
いよいよこの地の断片の王の所在も判明した
気を引き締めて取り掛かるためにも、そう、我々に必要なのはまず「腹ごしらえ」だ
食える時に食わねば戦士として動けんからな
うむ、抗えん匂いだ。腹にガツンとくる
(真面目な顔して頭の中はタレでいこうか塩でいこうかでいっぱいだったりする)
先行してくれた仲間のお陰で「雄牛」も見つかった
こいつ自身が我々を焼きに来ている。焼く気はあっても焼かれる気は微塵もない
行こうナディア
パラドクス【風魔忍法暴風地獄】で攻撃
雄牛から発射された鎖をつかみ、勢いをそのままに回転し、地形を利用して岩や地面に叩きつける
肉は叩けば柔らかくなるそうだな。まぁ、こいつに肉は期待できないが…
叩き付けて勢いを削いだ所でフルスイングしてナディアの方へパスだ
ナディア、仕上げにこんがり焼いてくれ。焼肉前のイメージトレーニングをしよう
私は中がうっすら赤いくらいが好みだが、こいつは容赦なく丸焦げにしてくれ
【パラドクス通信】でしっかり連携をとりながら対処しよう
ナディア・ベズヴィルド
【ヒラール】
焼肉司祭と再び見えることになるとは。
ふふ、腹ごしらえは必要。とっても必要!大事な事は二度言う
焼肉祭りの前に身体を動かしておかねば…って、もう既にいい匂いがするの反則!!(ぎぃぃ)
あはは、すんごい煩い。もう何処にいるか丸わかりね
よーし、張り切って解体しちゃおうねテクト
肉を焼くのはコイツも得意というわけか、ふふ…
私も肉を焼くのは得意だぞ(焼くのは焼肉ダヨ!)
貴様らの方にコロコロと車輪で転がるだけの牛とは違うのだ
その身を砕き、灼熱の炎で炙り、焼き尽くしてくれようではないか
焼肉司祭の火加減が絶妙なのは知っている
なれば私も負けぬように火加減をしっかりと見極めていくわ!
(恋人のナイスパスににっこり。よーし張り切っちゃうぞ)
タレがいいか?塩がいいか?スパイスもしっかりと効かせた方がいいか!!
ああ、焼肉の事だからね!さっきからぷんぷんいい匂いがしてくるのほんと勘弁して!
最大火力でパラドクスをお見舞いするわ(火加減とは)
私はレアが好き。だけどこいつはとてもじゃないが食べられないもんね
斥候部隊との戦闘は、早くも復讐者の優勢へ傾きつつあった。
元よりさしたる偽装も無く、頭数も多くない相手である。
いまだ抵抗を続けるファラリスの雄牛を全滅させるべく、戦場に駆けつけた復讐者は二人。ナディア・ベズヴィルド(黄昏のグランデヴィナ・g00246)とテクトラム・ギベリオ(砂漠の少数民族・g01318)であった。
「まさか、焼肉司祭と再び見えることになるとはね……」
戦場の彼方を見遣り、ナディアは感慨を込めた呟きを洩らした。
雄牛たちが暴れ回る一帯の奥からは、牛カルビの匂いが今も絶えることなく漂って来る。嗅いだ者の食欲をかき立てずにはいられない、得も言われぬ芳香が。
「ふふ、腹ごしらえは必要。とっても必要! 焼肉祭りの前に身体を動かしておかねば――」
ぐうぅ。思わず鳴り出す腹の虫に、ナディアはつい歯噛みする。こんな良い匂いを漂わせるなど反則も良いところだ。
濃厚ダレのこんがり焦げた匂い。そこに混ざるのは、滴る脂の蒸発した香りである。
今まさに食べごろに焼き上がった牛カルビを、どう食したものだろう。
温かい御飯と一緒に頬張るか、それともサンチュに巻いて噛み締めるか。それとも、いっそ両方食べ比べてみようか。焼肉の香りがもたらす誘惑に、歯噛みの勢いはいよいよ強い。
「許せないわ……カルビロウス、骨まで残さず平らげてやるから覚悟なさい!」
「うむ、抗えん匂いだ。腹にガツンとくる」
そんなナディアに、テクトラムが同意の頷きを返した。
彼にとっても、この作戦は非常に大きな意味を持つ。断片の王の所在が判明し、ペルセポリスへ向かうことが判明している以上、一連の作戦が重要であることは論を待たない。
では、そんな戦いに臨むにあたって必要なものは何か。テクトラムにとって答えは自明である。
「我々に必要なもの、それはまず『腹ごしらえ』だ。食える時に食わねば戦士として動けんからな」
うむうむと真面目に頷きつつ、テクトラムの頭の中は早くも焼肉一色に染まりつつあった。
――まずは手堅くタンに塩で、噛むたびに溢れる脂を肉と一緒に堪能しようか。
――それとも、濃い目のタレでハラミあたりを噛み締めて、弾ける肉汁とのハーモニーを楽しもうか。それとも……。
「……ふむ、迷うな」
『ポッポー!』
すっかり眼中にない扱いに憤ったように、雄牛たちが怒りの蒸気をあげる。
彼らは逃げるそぶりも見せず、挑まれた戦いを受けて立つ気らしい。
復讐者をこんがり焼いてやると言わんばかり、金属製の体から高熱の蒸気を噴き出す雄牛たち。それを前にしたナディアとテクトラムも、すぐさま攻撃の準備を完了した。
「よーし、張り切って解体しちゃおうねテクト」
「ああ、焼く気はあっても焼かれる気は微塵もない。行こうナディア」
復讐者と雄牛、両者の対峙する戦場に先行率アップの風が吹き荒れ始めた。
風に乗って焼肉の香りが立ち込めるなか、パラドクスを発動するテクトラム。そこへ迫るのは、群れを為して蛇行運転する雄牛たちの一団だ。
『ポッポー!』『ポッポッポー!』
瞬く間に距離を詰める雄牛たち。
脇腹の収納扉がひとりでに開き、そこから飛び出す鎖がテクトラムを絡め取る。
そうして――熱された体内に引き摺り込もうとする力に抵抗しながら、テクトラムのパラドクスが発動した。
「肉は叩けば柔らかくなるそうだな。まぁ、こいつに肉は期待できないが……!」
両腕に力を込めて、テクトラムの身体が宙を回転する。
敵の肉体を強引につかみ、風の魔力で叩きつける『風魔忍法暴風地獄』だ。勢いをつけた回転に振り回された雄牛が大岩に激突し、たまらず悲鳴を上げる。テクトラムは勢いをそのままに、ナディアの方へ雄牛を放り投げ、告げた。
「パスだ、ナディア。仕上げにこんがり焼いてくれ。焼肉前のイメージトレーニングをしよう!」
「ナイスパス! 火加減は?」
「丸焦げにしてくれ。私は中がうっすら赤いくらいが好みだが……無さそうだしな、中身」
「よーし、張り切っちゃうぞ!」
準備を整えたナディアが、飛んで来た雄牛を狙い定める。
パラドクス『屠殺者の守り星』。痛みを感じる程に威力を増すと言われるその一撃が、灼熱のパラドクスに変じて雄牛の体を包み込んだ。痛みに代わって注ぎ込むのは、焼肉への尽きること無い食欲と空腹。カルビロウスに負けないよう、しっかり焼いてやるとしよう。
「私はレアが好きだけど……食べられないもんね、こいつは。最大火力をお見舞いしてやるわ!」
『ポ……ポポーッ!!』
火加減の三文字はどこへやら、ナディアのパラドクスが光に変じて雄牛を包む。
金属製の身体を内部から燃やし尽くされ、哀れな雄牛は断末魔と共に爆発四散するのであった。
掴んで、投げて、焼いて。
掴んで、投げて、また焼いて。
それからもテクトラムとナディアの攻撃は一切衰えることなく、雄牛たちを着実に葬り去って行った。
敵も時折、豪炎や鎖を駆使して二人に反撃を浴びせるが、その程度で戦況が覆ることは最早ない。
「これで最後だ。任せるぞ、ナディア!」
「ふふ、タレがいいか? 塩がいいか? スパイスもしっかりと効かせた方がいいか!! ああ、焼肉の事だからね!!」
『ポポポポーッ!!』
焼き役に徹するナディアのパラドクスが、雄牛の全身を捉え込む。
たちまち金属製のボディを粉砕され、灼熱の炎で炙られ、爆発四散する雄牛。かくして斥候部隊の全排除が完了すれば――後には、ぷんぷん漂う焼肉の匂いだけが戦場に残された。
「終わったな。……いや、ここからが始まりか」
「ええ、そうね。待ってなさい、焼肉司祭!」
そして――ナディアとテクトラムは頷きを交わし合うと、迷うことなく歩きだした。
いや、二人だけではない。
この戦場に集う復讐者たちもまた、一人、また一人と頷きを交わして歩きだす。
襲撃部隊を排し、斥候部隊を排し、ミウ・ウルを無傷で守り抜き、最後の決着をつけるため。
舞台は全て整った。
邪魔するものは何もない。
今こそ、今こそ――待ち焦がれた焼肉の時、カルビロウスと決戦の始まりだ!
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【影忍び】LV1が発生!
【セルフクラフト】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
【反撃アップ】がLV2になった!
『ブッフッフ……これはこれは。丁度よい焼き加減の時に、客人か』
焼網の上でジュウジュウと音を立てる牛カルビ。
その匂いに誘われるように現れた復讐者たちを前に、指揮官の百牛犠牲祭司カルビロウスは堂々とした態度で笑った。
これより始まる焼肉で、お前たちを一人残らず焼肉死させてやろう――そんな気概に満ちた彼の全身が、次の瞬間、突如として眩い光を放ち始める。
『む!? こ、これはまさか……!?』
そう、この戦いは復讐召喚戦。
焼肉を求める復讐者の意思が時空を越えて、今、引き摺り出そうとしているのだ。
幾体ものアヴァタールを基準時間軸へと送り込んだ張本人――即ち、クロノス級の個体を。そして、
『……ブフフフ! ブーッフッフッフ!! 成程、そういうことか!』
光が収まると同時、アヴァタール級に代わって其処に居たのは、召喚されたクロノス級カルビロウスだ。
恐らくは、自分が置かれた状況を瞬時に把握したのだろう。
目の前にいるのが復讐者たちであること。そして、空腹感と食欲と、焼肉へ注ぐ熱い視線を。
『よかろう! 過去の時間軸へ戻る前に……その勝負、受けて立つ!』
トングをカチカチ鳴らして不敵に笑うカルビロウス。
いつの間にか空いた焼網の上は準備万端、すべての支度が整っていた。
牛カルビ。ロース。タン、ハラミ、レバー、ホルモン各種、更には牛以外の肉各種……全ては復讐者の望むがままだ。
タレの指定は勿論、肉の厚さも自由自在。
むろん肉だけではない。熱々の御飯、よく漬かったキムチ、ドリンク各種、そしてアイス。それらもまた思うがまま。
かくしてカルビロウスは、復讐者たちを前に堂々と告げる。この戦い、勝つのは自分ただ一人だと。
『さあ……頼むが良い、焼くが良い。思う存分食すが良い! そして全員、思い残すことなく焼肉死せよ!!』
カルビロウスのトングがカチカチと響く。
蹂躙戦記イスカンダル、ペルセポリスへ続く道。
そこを舞台に、今、熱く美味なる決戦《やきにく》が幕を開ける――!
オズワルド・ヴァレンティ
アドリブ・絡み歓迎
よし、焼肉を食べよう
じっくり焼いた牛カルビの芳香が
既に戦場には漂っていたし
新鮮な魚の匂いもしていた気もするが
アレらは綺麗に片付けてある訳だから
存分に焼肉食べ放題を満喫する事にして
…付け合わせのサラダやアイス迄の用意は
至れり尽せりと言っても良いのだろうかな?
先ずはカルビから食べるとしよう
自分は焼き加減を気にせず
食べたいモノを口にするだけで良いのは
部位ごとな味の違いも存分に知れるというもの
美味しいカルビとロースで焼き加減の
テクニックを味わった後には
ひと通り部位の肉質と
味の特徴も確認しておこう
タンは独特の歯ごたえがあり
牛肉ならではの風味が楽しめるのが良いな
そのままで味わうのも良し、
薄くスライスしたタンに
野菜や御飯を巻きつけるのもあると聞いたな
ワサビや醤油もあれば尚良しとのこと
あと僕はハラミも食べたい
脂身の甘みと赤身の旨みが調和した
バランスの取れた味わいを楽しむとしよう
食べ放題という時間は未だまだ続くのだから
牛一頭を味わい尽くすような勢いを以て
丸ごと解体したい探究心を満たそうか
立ち込める焼肉の匂い。嗅いだ者を幸福感で染め上げる脂の香り。
網の上で炙られる牛カルビはどれも食べ頃で、胃袋に収まる時を待つようにジュウジュウと音を立てている。
これ以上なく食欲を誘う光景に、オズワルド・ヴァレンティ(砂塵の・g06743)はゴクリと唾を呑み込んだ。
「よし、先ずはカルビからだ」
『ブーッフッフ! 良かろう!』
熱された焼網を挟んで、カルビロウスが不敵に笑う。
復讐者の意思によって基準時間軸へ引きずり出されたクロノス級――であるらしいが、それは焼肉という席において余りに些細な問題だ。
「ああ……いい匂いだ。ふっ」
牛カルビの芳香に鼻孔をくすぐられ、オズワルドはつい含み笑いを漏らした。
パンチの効いた脂と、タレが醸すニンニクの匂い。それらが絡み合い、これ以上なく食欲を刺激してくる。
ババン! と効果音を伴ったように現れる牛カルビ。温かい御飯もスタンバイを終えて、後は頬張るのみである。堂々たる佇まいの肉に恭しく手を合わせ、箸を取った。
「いただきます」
そうして――噛み締める味わいに、オズワルドは感動で言葉を失った。
タレの染みた肉を噛み締める度、肉汁と共にジュワリと滲む濃厚な脂。ガツンと強烈で、且つくどさの無い其れを、硬めに炊いた米が余さずに受け止める。
肉と米は正義。その格言をこれ以上なく実感しながら、無言で箸を動かすのみだ。
「…………うまい……」
早くもカルビの皿を空にしたオズワルドは、催促するように橙星の熱線を放ちつつ、次なる注文にロースを選ぶ。
程なくして二杯目の御飯と共に現れたのは、びっしりとサシが入ったロースだ。
良い具合に焼かれた其れを、これまた御飯と一緒に頬張るオズワルド。噛み締める度、肉汁と一緒に溢れて来る濃厚にして上品な脂は、感動を通り越して微かな惧れを覚えるほどだ。それでいて、肉自身もけして脇役ではない。旨味と脂と香辛料、その全てが繋がり合い、オズワルドの脳内に美味の二文字を刻み込む。
「……ああ、最高だ……」
漏れるのは、ただ感嘆の吐息ばかりであった。
一口一口を愛しむようにロースを味わった後はチョレギサラダをつついて一休み。
瑞々しい味わいで胃を休ませ、ほっと一息ついたオズワルドの食欲はいよいよ留まるところを知らなかった。
「次はタンにしよう。厚さは薄切り、ワサビと醤油も一緒に」
『中々に健啖だな、青年。ならば根元の方が良かろう!』
分厚いタンの根本、脂たっぷりの芯を薄くスライスした其れが、オズワルドに供される。
最高の火加減で焼き上げられた牛タンは、カルビ等と違い下味は付けていないようだ。注文通り差し出されたワサビと醤油で好みの味をつけて食するのだろう。
独特の歯ごたえと共に滲む脂がワサビの刺激を程よく中和し、無二の美味となって彼の脳髄を揺さぶった。
醤油を垂らしたタンを御飯に巻きつけ、食す。顎に少し力を込めるたび滲む脂と、溢れる旨味。一緒に白米を噛み締めれば感動で暫し息を忘れた。
「くっ……次はハラミを……!」
流石はクロノス級、手ごわい相手だ――そんな戦慄を覚えつつ、タンを平らげたオズワルドの元へ更なる一皿が届く。
下味がついた熱々のハラミ、その濃密で甘い脂はカルビにも負けていない。噛むたびに溢れる肉汁を、もう何杯目か数えるのも忘れた御飯と一緒に味わい尽くしていく。
『ブッフッフ! どうした、もう終わりか!』
「まさか、牛一頭だって味わい尽くすさ。ああ、決戦《やきにく》はここからだとも!」
ニヤリと笑うカルビロウス。
そんな彼を食欲の漲る眼で見据え、オズワルドが次なる一皿を所望する。
宴は始まったばかり。牛を丸ごと解体したい探究心を燃え立たせ、彼の焼肉はまだまだ続くのだ――。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【飛翔】がLV3になった!
効果2【命中アップ】がLV2になった!
カルメン・リコリスラディアタ
アドリブOK
味方と一般人の呼称:(名前)ちゃん
NG:飲酒
焼肉食べ放題ってマジ?!やったー!
今日はチートデーだし欲張っちゃう
春に向けて栄養つけたいから焼肉をたらふく食うぜ♪
炭火焼きでじゅーじゅー焼いたお肉特有の食欲をそそる芳醇で美味そうな匂い…お腹空いたぜ…
しかもお肉だけでなくデザートまであるの凄くね?
あ、焼き加減は全部ウェルダンな!
まずはピーマンとか人参に南瓜などのお野菜を食べてからの
牛のカルビ、ロース、ハラミ、ランプ肉、フィレ頂きまーす♪
んにゃーどれも超美味えーー!
鶏のももやささみもラム肉も
超高級と謳われるシャトーブリアンも食べちゃお♪
焼肉のタレだけじゃなくてポン酢とチーズソースと岩塩も寄越せ
おめぇごちゃごちゃもーもーうるせえんだよ、過激派マナー講師か!
焼肉を美味しくガツガツ頂きながらも、敵が罵倒しやがった度に
『曼珠沙華の日蝕砲』で焼き尽くすぞ
焼肉死するのはカルビロウスだけだぜ!
〆にアイス盛り合わせ(林檎味バナナ味マンゴー味レモン味ミルク味ベリー味)食べたーい!
チートデー。
ダイエットの最中、食事制限なしに好きなものを食べる日のことをそう呼ぶ。
カルメン・リコリスラディアタ(彼岸花の女・g08648)にとって、今回の焼肉が正にその日であった。
「やっほー! 春に向けて栄養つけたいから焼肉をたらふく食うぜ♪」
今日はとことん食う。食って、食って、食って、食って、食って、食いまくる。
迷いを振り切った心で駆けつけるなり、カルメンは空いていた席に滑り込んだ。
既にあちこちで漂う焼肉の芳醇な香りが、食欲をこれ以上なく刺激する。しかもタダで食べ放題と来ては、参加しない理由など在る筈がなかった。
「オーダーよろしくー♪ あ、焼き加減は全部ウェルダンな!」
『ブッフッフ! 生きの良いディアボロスが来たではないか!』
飢えた獣の眼で言い放つカルメン。受けて立つカルビロウス。
両者の熱気が満ちる中、注文された品々が焼網でジュウジュウと音を立て始めるのだった。
熟れた野菜の爽やかな香りが、白い湯気に乗って立ち込めていく。
艶々のピーマン。甘いニンジン。そして栄養たっぷりの南瓜。焼網を埋め尽くさんばかりの其れらが丁度良い火加減で皿へ盛られ、カルメンへと供される。
「ふふ……ふっふっふ……」
優しい香りをほくほくと放つ焼き野菜へ箸を向け、カルメンの頬がゆるりと緩む。
ダイエットの最中は、何かと食欲を我慢することも多かった。しかし、しかしだ。今日この日はそんな我慢を忘れると彼女は決めていた。
そんな日にいきなり重い肉に挑む蛮勇を彼女は犯さない。
ビーマンの食感で、ニンジンの甘味で、カボチャのぽっくりした滋味で、まずは胃袋を温める。
そうして全細胞が『本番』の準備を整えれば――そこから先は、怒涛の肉、肉、肉。絢爛なる肉の宴が幕を開けた。
「カルビ、ロース、ハラミ、ランプ肉、フィレ頂きまーす♪」
『ブッフッフ! そう来なくてはな!』
堰を切ったように注文を飛ばすカルメン。
そこへ、一秒たりとも無駄には待たせぬとばかり、最上のタイミングで次々と焼肉が運ばれてくる。カルビロウスの慣れた手つきで焼かれた其れらは一つとして手抜きが無い。
脂を纏って輝くカルビ。タレにダイブさせて頬張ったひと口は、チートデーと知ってなお背徳の味がした。
次に箸を向けたロースは、溢れる脂と肉の旨味が洪水のごとく、味蕾を蹂躙するようだ。
分厚いハラミは軽く噛んでやるだけで肉の繊維がホロリと解け、肉汁と脂のハーモニーに思わず嬉しい悲鳴が漏れた。
「んにゃーどれも超美味えーー!」
『ぬうっ、何という食欲……やるではないか!』
感激のあまりカルビロウスへ『曼珠沙華の日蝕砲』を発射しながら、カルメンの食欲はいよいよ勢いを増していった。
ランプの赤身を堪能し、鶏のモモとササミを平らげ、骨まで食べる勢いでラムチョップをしゃぶり尽くし。
そうして最後にカルメンが挑んだのは、超高級と謳われる希少部位『シャトーブリアン』であった。
ウェルダンで焼かれ、暫し休ませた厚切りの肉塊を箸がそっと掴む。下手に力を込めれば崩れてしまいそうな其れを、彼女は硝子細工でも扱うような手つきで口へ運び――噛み締めた。
「…… ……美味え……あ、ヤバ……」
どこまでも純粋で、凝縮された旨味。
肉汁に乗ってカルメンが感じたのがそれだ。更には歯応え、風味――全ての面で他の部位と一線を画す其れを、カルメンは余さず脳裏に刻んで、感触と共に満足の吐息をほっと洩らす。
「よし! 〆にアイス盛り合わせ、食べたーい!」
『ブフフフ! 無論用意は出来ておる!』
林檎、バナナ、マンゴー、檸檬。
そしてミルクにベリーにチョコレート。
チートデーを締めくくる七色の氷菓を、カルメンは高らかな舌鼓と共に堪能するのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【クリーニング】LV1が発生!
効果2【ドレイン】LV1が発生!
旗楽・清政
それがしらを焼肉死させると? ふふふ、やれるものならやってみるが良い。
それがしは、家臣団を召喚して共に焼肉を食らい尽くすでござるよ。
「これだけの人数を前にしても、食材の用意は十分と言えるでござるか? カルビロウス――!」
そう啖呵を切ったならば、「かかれぇー! 食らい尽くせぇー!」の
号令と共に、決戦(焼肉食べ放題)に挑むでござるよ。
まずはカルビ! ロース! ハラミ! おお、豚トロや鶏も良いでござるな。
そして焼肉と言えば、やはり良く冷えた生ビールは欠かせぬでござろう。
うむ、肉→ビール→肉→ビールの連鎖がたまらぬ。
そして、厚切りの歯応えがあるタンに、口の中で脂が蕩けてゆくホルモン。
はぁ……至福の一時にござる。
医食同源、と言うわけではなかろうが、肉を食らえば筋肉に、内臓を食らえば臓腑に力が漲る気がするでござるよ。
最後は、肉たっぷりの焼肉丼で〆ると致そう。
焼肉が終わった後は、本来の歴史を取り戻し元の時代に戻った暁には
必ずや斯様な宴を本物の家臣や領民達とも楽しむと固く決意しつつ、耳川に戻るでござる。
矢と槍と刀、そしてパラドクスを交えクロノヴェーダを討つ場。
復讐者としての旗楽・清政(知勇兼備の昼行灯・g08816)にとって、戦場とは概ねそのようなものだ。
「うむ。良き香りにござる」
しかし、今回のそれは少々――いや、大きく趣向が違っていた。
まず漂って来たのは、肉の焼ける匂い。
そこへ、タレのこんかり焦げた香ばしい匂いも加わる。しっとり脂を含んだ煙からして、焼いているのはカルビだろうか。ニンニクをたっぷり効かせたタレには、隠し味で鷹の爪も加えてあるようだ――。
「成程、成程……これは強敵にござるな」
『ブッフフ! 心置きなく焼肉死せよ、ディアボロス!』
「それがしらを焼肉死させると? ふふふ、やれるものならやってみるが良い!」
そうして開幕と同時、彼が召喚したのは家臣団の武者たちだ。
団体客と形容することさえ烏滸がましい大勢の武者は、たとえ幻影と言えどもクロノヴェーダを討つ力を持つ。
カルビロウスのパラドクスを介した焼肉とて美味しく食せよう――清政はそう確信する。
「これだけの人数を前にしても、食材の用意は十分と言えるでござるか? カルビロウス――!」
『ブフフ、無論よ! 百牛犠牲祭司の力、思い知れ!』
こんがり焼けた牛の丸焼きを切り分け始めるカルビロウス。
焼網の上でジュウジュウと焼ける牛カルビ。負けじと清政が、戦の火蓋を切るように号令を下す。
「かかれぇー! 食らい尽くせぇー!」
『ブッフフフ、来い! 存分に食らうが良い!』
鬨の声が響く中、清政の決戦《やきにく》が幕を開けた。
注文は、カルビとロースとハラミ。
焼肉におけるいわば鉄板の面子だが、これだけではまだ足りない。
ひとつ――そう、ひとつだけ。最終人類史の復讐者となって清政が知った禁断の味が、そこには欠けている。
「良く冷えた生ビール。これは欠かせぬでござろう!」
間を置かず、大ジョッキに注がれたビールが当然のように運ばれて来た。
カルビを喰らい、ビールを呷る。ロースを食み、もう一杯。ハラミを噛み締め、さらに一杯。
どこからどう見ても立派な逆説連鎖戦、けして寛いでいる訳では無い。無いと言ったら無い。
「豚トロや鶏も良いでござるな。それと、厚切りのタン元に、脂たっぷりのホルモンを!」
『ブッフフ、承知した!』
かくして焼肉は第二幕へと突入していく。
キンキンに冷えた、お代わりのビール大ジョッキと共に。
豚トロと鶏を堪能し、いよいよ焼き上がったタン元が供される。
その形状、その重さ。金の大判を思わせる極上のタンを、清政は恭しく口へと運んだ。
『ブッフフ! 良い頃合いであるぞ!』
「では……いただくでござる」
一思いに噛み締めると同時、弾けるように迸る肉汁が口中を満たす。
濃厚かつくどさの無い脂と凝縮された旨味。どの部位に似ている、ではなくタンでしか味わえない無二の風味だ。
そうして至福の心地でタンを喰らい尽くせば、お次はギアラ――牛の第四胃である。弾力のある其れは脂の乗りも最高で、火を通しても全く縮むことがない。歯応えと滲む脂、そしてタレのハーモニーを楽しむ度、ビールもぐいぐいと進んでいく。
「はぁ……至福の一時にござる」
肉を喰らえば筋肉に、内臓を喰らえば臓腑に。
肉片の細胞一つまでも血肉に取り込むように清政は焼肉の悉くを喰い尽くし、
「さて。最後はこれで〆ると致そう!」
大盛りの白飯に焼肉を敷き詰めた『焼肉丼』を豪快にかっこみ、パシンと両手を合わせて完食を告げるのだった。
「美味にござった。さて、耳川の戦も勝利せねば!」
決戦の勝利を確信し、清政は新たな戦場へ向かって行く。
いつの日か奪われた歴史を取り戻し、このような宴を家臣や領民たちと楽しもう。そんな決意を胸に抱きながら――。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【防衛ライン】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV3になった!
湯上・雪華
アドリブ、連携歓迎
焼肉のお時間です!!
一杯食べたいですねぇ、どれから行こうかな……
各種カルビにロース、トントロに豚バラ、鶏肉はせせりにぼんじりを
あ、忘れちゃいけない厚切りタンにホルモン!
濃厚な脂の甘さを堪能したいところ
順番に焼いて食べていくんですけど、お肉のお供は海苔を乗せたご飯です!
サンチュに巻いて食べるのもいいですね
ナムルとキムチで箸休めしたら海鮮いきましょう!
食べそこなったマグロから、赤身のステーキってお肉に勝るとも劣らないと思うんですよ
あと、頬肉の塩焼き、脂がのってて美味しいんですよね
エビにホタテも。バター醤油でいただくのが美味しいんです
後ろの牛の丸焼きも食べていいです?
〆は冷麺です
あっさりさっぱり出来ますから
〆の後はデザートです!
アイスがあるならパフェみたいに盛り付けていただきましょう!
フルーツや一口アイス大福もあればそれものせればパフェに見えるはず、たぶん
あ、攻撃しておかないと
注文の合間に妖刀でちくちく刺せばいいかな?
美味しいご飯をありがとうございましたですよ
湯上・雪華(悪食も美食への道・g02423)は常々考える。焼肉の美味しさとは、肉の味だけでは決まらないと。
その要素とは一体何か。仲間と一緒に過ごす楽しい時間、そう答える者もいるだろう。雪華もそこに異論を挟む気はない。
だが、今回彼が問題にするのはもっと別の要素。すなわち『量』と『種類』であった。
「各種カルビにロース、トントロに豚バラ、鶏肉はせせりにぼんじりを!」
『ブッフッフ、良いだろう!』
「あ、忘れちゃいけない厚切りタンにホルモンも!」
『ブフッ!? まだ頼む気か!?』
「海苔を乗せたご飯! それから、サンチュとナムルとキムチも下さい!」
『ぬぬぬっ! 何という奴だ、だが受けて立とう!』
そんなやり取りから数分を待たず、雪華の周りには注文した品がずらりと揃っていた。
彼の三方を囲む卓には、カルビロウスの揃えらた肉が今まさに食べ頃の状態で供されている。
無論、付け合わせの品々にも欠けは一切ない。ここで手など抜いては百牛犠牲祭司の名折れである。
『ブッフッフ、全て揃っておるぞ!』
「嗚呼、嬉しいですねぇ……では、いただきます!」
妥協なく揃えられた料理に目を輝かせ、雪華はさっそく箸を取った。
彼が最初に堪能するのは濃厚な脂の甘さである。セオリーとも言うべきタンから始めようかとも思ったが、まずは牛と豚の食べ比べ、それもカルビとロースからだ。
用意された焼網は二つ。そこへ肉を敷いて雪華は次々と焼いていく。扱うトングは一つではない、何と二刀流である。
「おっ、焼けましたね。まずは牛カルビと豚カルビを……くーっ、美味しい!」
こうして、雪華の豪華な宴は幕を開けた。
焼いて、取って、載せて、食べて。最高の肉を思うがまま食する雪華の全身からは今や幸福のオーラが輝くばかりに溢れ、カルビロウスさえも絶句させる程であった。
『き、貴様! この食欲、一体何者――』
「すみません、焼網交換お願いします! 御飯と海苔のお代わりも!」
『ぬぬぬぬっ! しばし待つが良い!』
そんなやり取りを挟みつつ、大量の肉はみるみる胃袋へ収まっていく。
肉片の一つも粗末にせず、その全てを愛おしむように。雪華の焼肉はなおも続いて行った。
そうして肉を平らげた雪華は、箸休めにナムルとキムチを数人前ほど食べ尽くすと、次なる品へ食指を伸ばす。
そう、海鮮である。
「んんんー! これは凄い、ありがたく全部いただきます!」
目玉はマグロの赤身ステーキだ。真っ赤なインゴットめいたそれを恭しく焼網に載せると、お次は周りを侍るらせるように頬肉をずらりと焼いていく。
タレで下味をつけた牛肉や豚肉とは違い、使う調味料はシンプルに塩のみ。
もう片方の空いた焼網に並べるのは海老とホタテ。こちらはバター醤油で濃厚な味わいを楽しむのだ。
「ふふふ……涎が止まりませんね! そうだ祭司さん、これは御飯のお礼です!」
妖刀でカルビロウスを突いていると、さっそく海鮮が食べ頃を迎え始めたようだった。
刀をトングに持ち替え、すぐさま食事に戻る雪華。
トングに箸に茶碗にと止まらず動き続け、山のような海鮮を頬張る彼の瞳は、今や感動で光り輝いている。量も美味しさと言うならば、それは極上の美味を約束する光景であったろう。肉の山と同じように瞬く間に減っていく海鮮の山。雪華はそれを僅かな名残惜しさと共に平らげ、ふうっと達成の吐息を吐く。
「美味しかったです。そろそろ〆ですね!」
かくして、〆の超大盛冷麺を当然のように空にすると、雪華の元へ運ばれて来たのはデザートのアイスであった。
パフェのように盛り付けられた、色取り取りのアイス。
天辺のバニラへ大匙を突き入れ、一口。宴の余韻を味わうように、雪華は満面の笑みを浮かべるのだった。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【腐食】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV4になった!
エスメラルダ・リベロ
焼肉食べ放題…嗚呼、何て素敵な響きなの!?
新宿島に来て間もない私だけど、まさかこんな機会に巡り会おうとは思わなかったわ!
お肉をいくらでも食べられるなんて、理想郷はここに在ったのね!
海賊王の威風《(文字通りの意味での)肉食女子のオーラ》を纏って、私、参上よ!
焼肉死なんてしないわよ。
ここでお肉をいっぱい食べて、それをエネルギーにして、
これからも私は生きていくの!
まずはカルビにロースにハラミね♪ ほらほら、どんどん頂戴♪
焼き上がった側からガンガン食べていくわよ。
途中でコーラを挟んで、舌をリフレッシュして喉を潤すわ。
タン、レバー、ホルモンもいいわよね。タンは厚切りでお願い♪
豚や鶏や海鮮も素敵ね。
こんなにお肉をお腹いっぱいになるまで食べることなんて、
今までの人生で一度もなかったような気がするの。
私に過去の記憶はないけど、何故かそんな確信はあるのよね。
だから、今日は食べて食べて食べまくるわよ!
最後は、杏仁豆腐とバニラアイスで〆ようかしら。
甘いものは別腹、って本当よね。
嗚呼…素敵な時間だったわ♪
人の心を震わせる言葉というものが、この世には確かに存在する。
エスメラルダ・リベロ(蒼海に輝く翠緑・g10981)という少女にとっても、無論それは例外ではない。
新宿島に来て間もないエスメラルダは、今、復讐者としてイスカンダルの地に立っていた。彼女の心を震わせ、此の地へと導いた言葉。それは――。
「焼肉食べ放題……! 嗚呼、何て素敵な響きなの!?」
健啖家である自分にとって、この依頼はまさにうってつけ。
そう判断した次の瞬間には、己が理想郷を見出した場所にエスメラルダは立っていた。焼肉死などする気などは更々ない。肉食女子のオーラを全開にカルビロウスへ決戦を申し込む。
「お肉をいっぱい食べて、それをエネルギーにして……これからも私は生きていくの!」
『ブッフッフ! 活きの良い者が来たではないか!』
オーラを帯びた海賊王の威風、カルビロウスの焼肉トング。
両者が醸す焼肉オーラがせめぎ合う中、熱き戦が幕を開ける――!
「まずはカルビにロースにハラミね♪ ほらほら、どんどん頂戴♪」
『ブフフッ! 暫し待つが良い!』
熱された焼網の上で、三種の肉が景気の良い音を立てて焼かれ始めた。
食べ頃を告げるように、肉を覆った甘ダレがジリジリと焦げる。漂うのは香ばしいキャラメリゼの香りだ。狐色の焼き目が付いたカルビは脂でキラリと輝いて、見ているだけで食欲をそそる。
「んん、美味しい……!」
『どんどん行くぞ! つけダレも好みで使うが良い!』
頬張る肉の旨さに、目を見開くエスメラルダ。
泡の弾ける炭酸飲料で喉を潤し、続いてはロースとハラミである。
サシの入ったロースは大量の脂を孕んでなお、くどさの一切ない味わい。分厚いハラミはギュッと噛むたびに、迸るように脂と肉汁が溢れた。それらを際立たせるのはカルビロウスが勧めたつけダレである。単体では濃い味だが、脂と肉汁の混ざることで其れは最高の味へ変わった。
焼肉を食すたび、食欲はますます高まっていく。三種の肉を平らげて、エスメラルダはご機嫌で注文を飛ばした。
「タンとレバー、ホルモンも頂戴。タンは厚切りでね♪」
芯までこってり甘いレバーと、プリッと肉厚なギアラを堪能していると、ふいに焼網でタンが騒ぎだした。
直火に炙られた表面にほんのり白い蒸気が漂う。肉に閉じ込められた余計な水分が蒸発を始めたようだ。
表面の汗がシュワシュワと十分に音を立てたのを計らい、程なくしてエスメラルダの前に分厚いタンが供される。
「いただきます……!」
思わず居住まいを正し、タンを噛み締めた。
顎に力を込めると同時、サクリと軽い歯応えと共に溢れるのは濃密な脂と肉汁だ。カルビやロースとは質を異にする、独特の風味を伴った圧倒的旨味。其れを前に、ただ感嘆の吐息を零すばかりであった。
『ブッフッフ! もう終わりか?』
「ふふ。まさか♪」
勝ち誇ったように笑うカルビロウスへ、エスメラルダが余裕の笑みを返す。
「今日は食べて食べて食べまくるわよ! どんどん持って来て!」
それから暫くして。
心地よい満腹感を覚えながら、完食したエスメラルダに〆の甘味が供された。
杏仁豆腐とバニラアイス。最高の宴を締めくくるにあたり、彼女が選んだスイーツだ。
「甘いものは別腹、って本当よね」
満たされた思いと共に、エスメラルダが呟く。
こんなに美味しい肉を、それもお腹一杯食べる経験は、今までの人生で一度もなかった。過去の記憶を持たず、しかし何故か確信として在る其れを、彼女は愛おしく抱き締める。
そう――過去は変えられずとも、未来は変えられるのだから。
「嗚呼……素敵な時間だったわ♪」
復讐者として臨む最初の戦い。
その成果は最高の甘い記憶と共に、彼女の一歩として確かに刻まれた。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【士気高揚】LV1が発生!
効果2【グロリアス】LV1が発生!
龍胆・茜
アドリブ・連携歓迎
焼肉食べ放題なんて贅沢じゃない? サイドメニューもあるなんて贅沢すぎない?
今から向かっても間に合うかな?
焼肉のお供と言えば熱々のご飯! 異論は認める!
ツヤツヤの真っ白いご飯とタレに絡めて香ばしく焼き上げたお肉達。
焼きあがったお肉をご飯と共に食べた時の満足感。
まさに至高と言っても過言ではないね!
うっ…。想像したらお腹空いてきた。早速お肉焼かないと!
まずはタンから。厚みのある牛タンも良いけど薄くてサッパリした豚タンも美味しい! レモン汁をかけると更にサッパリしてお口直しにも最適。
次は軟骨。このコリコリとした感じが良いんだよね。塩だれも良いけど味噌も中々に乙。
メインはカルビ! ジューシーな肉汁したたるカルビとご飯は本当に最高だよね。
サンチュで巻いて食べても美味しいし!
お肉の脂の分解は温かい黒烏龍茶に任せた!
体重が増える? ダイエット? そんなの気にしない!
祭司さん。その手に持っている牛の丸焼き食べたいので切り分けて下さいな。
あっ、デザートにチョコミントアイスは絶対に食べるよ。
膨らむ期待に胸を弾ませ、パラドクストレインに揺られること暫し。
龍胆・茜(祈りのペンタス・g10438)が駆け付けた先では、焼肉食べ放題という名の熾烈な決戦が繰り広げられていた。
「やった、間に合った……!」
そして今、彼女の目の前に在るのは煌めくばかりの食材の数々である。
牛タン、豚タン、軟骨、カルビ――新宿島では結構なお値段であろう品々も、ここでは全て食べ放題だ。
忘れてはならないのがツヤツヤの御飯。少し硬めに炊いた米は、タレに絡めて香ばしく焼き上げた肉をしっかり受け止めてくれるだろう。
「うっ……お腹空いてきた。早速焼かないと!」
『ブッフフ! 火が弱ければいつでも言うが良い!』
もう敵なのか焼肉屋の店員さんなのか分からない台詞で哄笑するカルビロウス。
かくして空腹の衝動に突き動かされるまま、美味なる戦いは幕を開けた。
「まずはタンの食べ比べからだね!」
焼網に並べられた牛タンと豚タンが、シュウシュウと音を立てる。
先に焼け始めたのは薄切りの豚タンであった。
焦げてしまっては台無しとばかり熱々のタンを皿に取る茜。立ち込める濃密な肉の香りがこれ以上なく食欲をかき立てる。レモン汁を垂らした其れらを、早速パクリと頬張った。
「美味しい……!」
タンの旨味とレモンの酸味、噛み締める程に口内を満たす幸せに目尻が下がる。
そうこうするうち、今度は牛タンが食べ頃を告げた。表面に滲む水分がジリジリと音を立てて踊り始めたのだ。
どうやら食べ頃らしい。タン元を厚切りにした其れをサクサクッと噛み締める度、迸るのは濃密な脂である。
「ほあぁ……」
食べ比べに舌鼓を打つ茜。漏れるのは、歓喜の溜息以外に有り得なかった。
気づけばタンをペロリと平らげていた茜は、更なるお楽しみへトングを向ける。
「次は軟骨。このコリコリとした感じが良いんだよね!」
こんがり焼いた軟骨は芯まで熱く、歯応えの妙が心地よい。
塩と味噌のタレを塗した其れを交互に楽しみつつ胃袋が整って来れば、いよいよ挑むはメインのカルビだ。
「ジューシーな肉汁したたるカルビ……これがないと始まらないよね!」
ジュワッ、と。
刺激的な音を立てながら立ち昇る肉の香りが、茜の鼻孔をくすぐった。
脂を含んでしっとりした湯気に、たまらず腹の虫が抗議の声をあげる。
(「体重が増える? ダイエット? そんなの気にしない!」)
かくしてカルビをタレに塗し、真っ白な御飯へダイブ。お行儀の悪さは承知で、ぱくりと大口で頬張った。
「あー……最高!」
止め処なく溢れる肉汁。そこへタレと脂が絡み、白米と共に噛み締めれば天にも昇る心地だ。
御飯と共に頬張り、黒烏龍茶で喉を潤し、サンチュで巻いてまた頬張って、忘れないよう祭司へ棘のパラドクスを浴びせ。
そうしてカルビロウスが切り分けてきた丸焼きの部位は――何と、サーロインであった。
『ブッフフ。我が反撃、食らうが良い!』
否、サーロインだけではない。気づけば茜の皿には狐色に焼けたパンが置かれていた。
細長く掌で掴めそうなホットドッグサイズのそれ、長い切れ目に薄切りのサーロインがどっさり挟まれていく。輪切りにしたピクルスとピーマンも一緒に。
そうして最後、丸焼きの肉汁で仕込んだタレにドップリ浸せば完成だ。
「いただきまーす! んー、幸せっ……!!」
目の覚めるような美味に空を仰ぐ茜。程なく、カルビロウスの一品も余さず胃袋へと収まれば、最後に運ばれて来たのは〆のチョコミントアイスであった。
かくして――甘く冷たい、清涼感のある味わいで食事を締めくくり、茜は静かに手を合わせる。
満たされた幸福と口福。決戦《やきにく》で対峙したカルビロウスへ、最大限の敬意を込めて。
――ごちそうさまでした!
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【罪縛りの鎖】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】がLV2になった!
エトヴァ・ヒンメルグリッツァ
アドリブ絡み歓迎
PD通信で注文を受けよう
尊敬する戦友の宿縁……そして焼肉の祝宴
これが焼かずにおられるか
大王も焼肉しに来るのか?
カルビロウス……その焼肉愛、天晴だ
さあ、決戦(焼肉)といこう
だが俺は海鮮を焼くぞ
エビ。カニ。サザエ
ムール貝まで揃えているとはやるな
醤油とバターでじゅーーっと
サラダもいいよな、このごはんも美味しい……お茶で一息つこう
お、アイスもあるのか
なんとなく焦らす
ちゃんと肉も焼くとも
カルビをじゅー
タレにつけたら、はっふ、美味し
あ、テールスープもください
焼肉ってそんなに馴染みがなくて……今日は楽しむ
この部位どんな味がするんだろう? どんどん焼こう
美味いなー……日頃の疲れが癒されるようだ
ソースの繊細で複雑な旨味に絡まるのも、塩で引き締まって蕩けるのもいい
あ、お代わり
司祭さんも焼いてばっかいないで食べなよー、美味いんだから
あれかな? 焼肉奉行ってやつ?
司祭を焼肉団欒に誘い込みペースを乱そう
俺実は食べ専なのであとよろしく
でも突っ込んでいい?
貴方も牛の亜人では………美味いの?
攻撃しておく
戦場に、鮮烈な磯の香りが立ち込める。
何者の食欲をも呼び覚ます馥郁たる芳香である。
そこで海の幸に黙々と舌鼓を打つのは、エトヴァ・ヒンメルグリッツァ(韜晦のヘレーティカ・g05705)その人であった。
「さあ決戦といこう、カルビロウス――まずは海鮮でな」
そんな宣戦布告と共に戦いが始まったのが数分前のこと。
そして今、焼網の上には新鮮な海鮮がずらりと並び、食べられる時を今か今かと待っていた。
身の詰まったエビとカニ、大粒のサザエ、丸々と太ったムール貝。熱されたバターと醤油と共に、えも言われぬ芳香を立てる海鮮の数々は、本来であれば旬が異なるもの。だがカルビロウスにとって、その程度はさしたる障害ではない。如何なる方法を用いたか、用意した海鮮はどれもが最上のものばかりだ。
『ブフフ! そろそろ頃合いであろう!』
「ああ、良い香りだ。では――いただきます」
お供はサラダと御飯、そして温かいお茶。
焼き上がった極上の海鮮へ、エトヴァは箸を向けた。
壺焼きにしたサザエの無骨な貝殻の中、汁がふつふつと煮え立つ。
醤油を垂らした貝のエキスがぽたりと滴れば、香り立つのは微かに焦がした磯の匂い。色濃いモスグリーンの肝は、醤油との相性も抜群だ。歯応えの良い身と、肝の濃厚な味わいに舌鼓を打つ。
「うん、美味い。牛肉以外も手抜かりはないか……流石と言っておくべきかな」
お次はエビとカニだ。
薄く塩を振って焼いた一口サイズのエビを齧り、ずっしりと重いカニの身をほじり、ぷっくり膨らんだムール貝を平らげていく。衰えること無きエトヴァの食欲の前に、見る間に姿を消していく海鮮の数々。だが、これは彼にとって言わば準備運動に過ぎない。
お茶で喉を潤し、サラダを突き、程なくして海鮮を食べ尽くせば――いよいよ挑むはメインの肉である。
「牛カルビを、ゴマ風味のつけダレで。あとテールスープも」
『良かろう! 追加注文があれば言うが良い!』
「ありがとう、必要な時はそうするよ」
丸きり焼肉店での会話だなと内心で苦笑すれば、程なくカルビが焼き上がる。
タレと一緒に供された熱々のそれへ、エトヴァの箸は早くも伸びていた。
「美味いな。日頃の疲れが癒されるようだ」
心底満たされた思いで、エトヴァがふっと吐息を漏らす。
牛肉の中では脂の強いカルビだが、主張の強さをゴマ風味のタレが良い具合に中和し、脂濃さはまるで感じない。これは、御飯が欲しくなる味だ――そんなことを考えつつ、温かいテールスープを啜る。
骨周りにへばりついた肉を箸で器用に剝がし、しっとり脂の滲むテールを食すエトヴァ。そこでふと、彼はカルビロウスへ視線を向けて言う。
「司祭さんは食べないのかー。残念だなー。よし、とびきり美味しそうな絵をかいてあげよう」
『な、何だと!?』
そうしてエトヴァがリアライズペイントで描き出したのは熱々ご飯に乗った牛カルビ。
お代がわりに描き上げた其れが、狙いを過たずガンと音を立ててぶつかる。
『ブフーッ!?』
お釣りは結構とばかり降り注いだそれに、カルビロウスは悶絶の悲鳴を漏らすのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵
効果1【液体錬成】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV3になった!
テクトラム・ギベリオ
――焼肉。
正に書いて字の如く、古来より続く単純かつ合理的な調理法
我々は何故こんなにも肉を焼く行為に心躍り惹かれるのか…
(肘を机について組んだ手に口を当てた某ポーズで肉が焼けるのを待つ)
しばし焼肉につて哲学的思考に飛んでいたが、ナディアの「あーん」を聞いて現実に戻る
あー…がふッッ(あつい)
はふっ待ってくれそんなに一気には食べれんッ
ナディアも焼いてばかりでなくちゃんと食べたまえ(程よく冷ましてあーんをする)
定番から希少部位、そしてA5ランク。箸休めのキムチやサンチュも忘れずにはさんでさらに焼く
店員(カルビロウス)、あそこのテーブルに白米が無いようだ
それと美味かったのであちらの机にもこれと同じ肉を。あぁそれと網をそろそろ替えてくれ
ヤキニクシはよく分からんが旨い肉に罪はない
むしろ仲間と美味い肉を囲めば活力が湧くというもの
うむ。旨いなナディア。よく戦い、よく食べ、よく語らう。なにより恋人の表情プライスレス
最後は柑橘シャーベットですっきりさっぱり
む、いつの間にかカルビロウスが消えている…?
ナディア・ベズヴィルド
待たせたな焼肉司祭!
此処で会ったが百年目…いやほんのちょっと前に初めて会ったばかりだけども細かい事なんて気にしない
全く、何なんだあの雄牛は。焼肉死させるといいながら食べる部分じゃ何一つなかったではないか
この詐欺師!嘘つき!
侘びに美味しい焼肉をたくさん食べさせろ(適当な事ぶっちゃげ、トングと皿を構えて焼台の前に)
さっき運動したからたくさん食べれそうね、テクト
はいあーん(あっつあつをグイグイ)
次から次へと程よく焼けて来たわよ
脂っぽいのを先に食べましょうね
カルビに肩ロース、イチボ、ミスジ、ハツにホルモン!
ラムチョップ、ラムレバーも!
お肉に白米ってどうしてこうも美味しいのかしら
最強の組み合わせ(彼からのあーんもパクリ。別な意味であっつあつを披露してやる)
こんな所にウーロン茶が。これもも~らいっと
口直しした事だし麦酒もくださーい
はいはい、ご指導はいいからさっさと次の肉を焼く。じゃないと私がお前を焼くぞ
あ~美味しい~幸せ(ほわほわ)
最後にシャーベットを食べたら…あら?焼肉司祭がいないんですけど
決戦場の谷間、高らかに響く音が三つある。
焼網の上でジュウジュウと炙られる牛肉の音。そして、トングの鳴る音が大小二つ。
トングを握るのは、カルビロウスとナディア・ベズヴィルド(黄昏のグランデヴィナ・g00246)。焼き台を挟んで対峙する亜人と復讐者は、今まさに熾烈な決戦に臨もうとしていた。
「待たせたな焼肉司祭! 此処で会ったが百年目……いやほんのちょっと前に初めて会ったばかりだけど!」
『ブッフッフッ、成程な。貴様、我が分身と戦った者であったか!』
大小のトングがカチカチと牽制の響きを帯びる中、両者の視線が火花を散らす。
カルビロウスの大トングがカルビを焼網に並べていく一方、ナディアの小トングはご機嫌斜めの様子だ。カチカチと絶え間なく鳴る音は、飢獣が打ち鳴らす牙の響きにも似る。
「あいつも焼肉死させるとか言ったけど、食べる部分じゃ何一つなかったわ! 侘びに――美味しい焼肉を食べさせろ!」
『これはこれは、分身がとんだ粗相をしたようだ……! 良かろう、存分に食っていけ!』
それが誇張でないことを示すように、焼網に並ぶのはナディアが注文した肉の数々であった。
カルビ、肩ロース、イチボ、ミスジにホルモン。
輝くような肉が焼き台の火に炙られ、濛々と白い湯気が立ち込めていく。染み込んだタレのこんがり焦げる香りと、溶けて蒸発する牛脂と肉汁の匂い。そして何より脳髄へ直に注ぎ込まれるような『肉』の焼ける芳香。
その空気を深呼吸と共に吸い込むと、テクトラム・ギベリオ(砂漠の少数民族・g01318)は哲人めいた重々しい声で呟く。肘を机について組んだ手に口を当てたポーズで、神妙に。
「――焼肉、か。いいものだ」
焼肉。
文字にしてたった二文字に過ぎぬそれは、しかし古来より人の心を惹きつけてやまない魅惑の料理だ。
単純かつ合理的、肉を焼くという行為に、人々は何故こうも心躍り惹かれるのか――ジュウジュウぱちぱちと音を立てる肉を前に、テクトラムはそう思う。
(「まずはカルビから……いや、趣向を変えてホルモンから行くのもアリか……?」)
「わー美味しそう! さっき運動したからたくさん食べれそうね!」
肉を前に思索を巡らせる傍らで、ナディアは小さなトングを手にすっかりご機嫌だ。
脂をまとって輝くカルビを皿に載せると、さっそく箸を差し向けて、掴んだそれをテクトラムの口元へ運ぶ。
「はいテクト、あーん」
「あー……がふッッ!?」
半ば力ずくで意識を現実に引き戻されるテクトラム。
目を白黒させて牛カルビを咀嚼する彼を、ナディアは微笑ましそうに見つめ――その箸には、早くも新手が掴まれていた。サシのたっぷり入ったミスジ、それも一枚ではない。三枚である。
「どんどん焼けて来たわよ。遠慮しないでね!」
「はふっ待ってくれナディア、そんなに一気には食べれんッ!」
『む、肉が多すぎたか? キツければ減らしても構わんが――』
「口出し無用よ。――『屠殺者の守り星』」
『ブフフフーッ!?』
「焼肉司祭は自分のハツでも焼いてなさい。はいテクト、次はロースよ!」
「わ、分かった! 分かったから少し待ってくれ!」
ナディアの一撃でカルビロウスが悶絶する傍ら、テクトラムは漸く調子を取り戻した。
最初こそ意表を突かれて狼狽えたが、ナディアが焼いた肉に不味いものなどある筈もない。歯応え抜群の新鮮なホルモン、肉の香りと脂の甘みが絶品の霜降りイチボ――それらを噛み締める度、肉の美味さと、何よりもナディアの心遣いが沁みた。彼女は彼女で白米をお供に焼肉を楽しんでいるのだが、それでも少々バツの悪さは否めない。
「どう、テクト。美味しい?」
「ああ、美味しいとも。だが……ナディアばかり焼くのは些か不公平だな」
注文した肉を平らげ、箸休めのキムチで一息つくと、テクトラムはパラドクス『黒角衝』を発動した。
狙うのは、何食わぬ顔で戻ってきたカルビロウスの鼻面である。
「さあ司祭、肉を切り分けて貰おうか。私が所望するのは希少部位、シャトーブリアンだ!」
『ブフフッ!? ひと使いの荒い奴等めが!』
突進を受けた反撃とばかり、カルビロウスが牛の丸焼きを串ごと掴み取る。
そして――逆説連鎖戦の力でシャトーブリアンだけが器用に切り分けられ、テクトラムの前に並べられていった。
それは、美しく分厚い肉であった。
ヒレの一部であり、俗に幻の部位とも呼ばれるほどの希少部位、シャトーブリアン。
大理石の柱を思わせる立派なそれが今、高貴な佇まいを保ったまま、焼網の上に鎮座していた。それも一つではなく二つ。運よく発動したダブルで確保した結果である。
「さあ、今度は私の番だな」
切り分けられた希少部位が、テクトラムの手で焼かれていく。
生まれたての赤ん坊を扱うような慎重さで肉を丁寧に焼き固め、しばし休ませれば完成だ。
そして――テクトラムが用意したナイフの刃が、肉の表面をなぞるように走る。スッと露わになる薄紅色の断面、そこから立ち昇る濃密な香気にナディアは言葉も忘れて魅入った。
「良い塩梅だな。さあナディアも食べたまえ、あーん」
「……あーん……」
恍惚の余韻に浸ったまま、ナディアはシャトーブリアンを頬張った。
顎に僅かな力を入れるだけで肉の繊維はホロリと解け、柔らかな食感と共に旨味が溢れる。雑味など一切無い最高の味。
それをテクトラムと食べる幸せと共に、ナディアはじっくりと肉を噛み締めていく。
「あ~ほんと美味しい~。幸せ~~!!」
「うむ。美味いなナディア」
目尻を下げて微笑むナディアに、テクトラムもまた笑顔を浮かべる。
よく戦い、よく食べ、よく語らい――何よりプライスレスなのは、恋人のこの表情だ。
過ごす時間の幸せぶりを物語るように、肉を食べ終えるまでの時間は二人にとってあまりに短かった。ナディアは烏龍茶で口直しすると、名残を惜しむには早いとばかり新たな注文を飛ばすのだった。
「ラムチョップとラムレバー! あと麦酒もくださーい!」
「では私もラムチョップを。それと温かい烏龍茶を貰おうか」
『フフフ。良かろう!』
程なくして炙ったラムレバーを肴に飲み始める二人の前で、ラムチョップがジリジリと音を立てて焼かれ始めた。
骨周りに肉と脂がたっぷりついた、それは立派な一品である。
丹念に焼かれる羊肉から背脂が滴り、立ち昇るのはラムの芳しい香り。そこへ香草とオリーブオイルの匂いが、追いかけるようにふんわりと漂ってくる。これは確実に美味しい――そんな確信を深める二人の前へ、こんがりと焼けたラムチョップが供された。
骨を手に取り、噛み締める。
中が淡い薔薇色に焼き上がったラムの肉汁。そして程よく脂っ気を落としたカリカリの背脂。その味わいを、二人は幸せな時間と共に共有しながら、ほうと吐息を漏らす。
「……嗚呼、美味いな。ナディア」
「ええ。テクト。ほんと最高……!」
思う存分、肉を食べた。思う存分、素敵な時間を過ごした。
胃も心も満たされた最高の満足感、それを締めくくるように、最後のデザートが供される。
それは、硝子の器に盛られた柑橘シャーベット。ひんやり冷たくも甘酸っぱい味を、一匙一匙愛しむように楽しんで、二人は静かに満足の笑みを浮かべた。
「もうすぐね。……頑張りましょう、テクト」
「そうだな。勝ってみせよう、ナディア」
賑やかに響く談笑。その景色を眺めながら二人は微笑みを交わし合う。
この賑わいが、いつかペルセポリスと全ての街で見られるように――そう願いながら。
超成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【エアライド】LV1が発生!
【セルフクラフト】がLV2になった!
効果2【ダメージアップ】がLV5になった!
【反撃アップ】がLV4になった!
不知火・紘希
アレンジ・連携は歓迎だよ
この決戦(焼肉)のために焼きピーマンで乗り越えたんだ!
鮮やかな赤身が艶めく肉茶色に変わる様子、カラフルなお野菜や真っ白なごはん。そう、やきにくは味だけじゃなくて色のお祭り!
やきにくの幸せ色、僕が教えてあげるよ……!
僕がおすすめするのは炭火の焼き肉!
炭の墨色に熱された部分が緋色に煌めく感じ、置かれた鉄板の上で朱色のカルビやロース、タン塩が焼けて赤丹色になっていくのが最高。
よく焼けばおいしそうな赤丹に油の艶が映えるし。赤みをあえて残して、赤と肉色のグラデーションを楽しむレアの焼き方も食欲をそそるよね。
乳白色の艶ごはんにお肉のコントラストもいい!
みずみずしいレタスの色に包まれるお肉…キムチとかもやしと合わせるのもアリ。魚介類の透き通った色合いが濃い色になるのもステキ!
変化球ならとろとろ黄色の卵ごはんと一緒に、とかどう?
何より見て、幸せそうなみんなの顔!
(ふとルーシドさんと目が合って笑顔になる)
おしつけじゃなく、自分の幸せ色を見つけられる。
それがほんとのやきにくだよ!
ルーシド・アスィーム
アドリブ、連携歓迎
哨戒任務も無事に終わり、気が付けば敵は貴方だけですね……焼肉亭カルビロウス!
え?祭司?いや教義の為に敵に無料でお肉食わせるの豪勢過ぎません?え、大王にも焼肉食べさせるんですか……接待かな……??
まァタダで食べられるならヨシ!
という事で「火炎使い」「氷雪使い」魔術をフル活用、此方側も【アイテムポケット】から飯盒とお米を取り出し炊飯しましょう。ご飯はいくら炊いても良いですからね……というか足りるんでしょうかこの人数……(蒸らし炊きをしながら)
しかし焼肉は最高の贅沢っすよねぇ……焼き加減はミディアムレアが好き。わたゆきも食べやすそうですし
とりま最初はカルビですよね!うーん美味しい、旨味が口の中に広がるゥ。(紘希くんと目があってにこにこしながら主従でもりもり食べる)
店員さーん、カルビとロースと牛タン追加で…あ、店員ではない。祭司(2回目)
〆のスイーツでも盛り上がってますねえ、え、パフェ?この場で作るのすごくないっすか!?
楽しんだら最後はお掃除!はーい突然の魚雷爆発オチですよ!
焼肉の香りに乗って、復讐者たちの賑わいで満ちる戦場。
そこへ哨戒を終えて駆けつけたルーシド・アスィーム(轍つ祈星・g01854)は、眼前の敵をビシッと指さした。
「残るは貴方だけですね……覚悟して貰います、焼肉亭カルビロウス!」
『ブフーッ! 誰が焼肉亭だ! 祭司の我に無礼であろう!』
焼網を前にトングを鳴らし、カルビロウスが激昂する。
本来ならばパラドクスの応酬が在って然るべき場所で、彼が今行っているのは紛れもない焼肉であった。
恐らくは、これが今回の決戦スタイルなのだろう――そう理解しつつ、ルーシドは恐る恐るといった風情で尋ねる。
「え、祭司? 無料でお肉食わせてくれるの? 豪勢過ぎません?」
『ブッフフフ。遠慮など無用、存分に楽しむが良い! 席の希望はあるか!』
「あ、お任せで……」
どう考えても決戦の其れとは思えない会話を交わしつつ、パラドクスで現れたテーブルに着こうとするルーシド。
と、そこへ、
「はいはーい! 1人追加でお願いしまーす!」
これまた焼肉屋そのままのノリで、新たな復讐者が駆け付ける。
不知火・紘希(幸福のリアライズペインター・g04512)。この日に備えて万端の準備を整えて来た少年が。
「決戦《やきにく》のために焼きピーマンで乗り越えたんだ! やきにくの幸せ色、僕が教えてあげるよ!」
願うのは、幸せを表現すること。
リアライズペインターである紘希が告げる宣戦布告に、カルビロウスはニヤリと笑う。
その勝負、受けて立つ――そう無言のうちに告げるように。
『ブッフッフ、面白い! 二名様、席へどうぞ!』
「……あの。本当に決戦ですよね、これ?」
まァ、タダで食べられるならヨシ!
紘希と共に着席しながら、ルーシドは密かに心で呟くのだった。
「店員さん! カルビとロースと牛タン、二人前で!」
『祭司だと言っておろうが! いま焼くゆえ、しばし待て!』
丁々発止のやり取りと共に焼き上がっていく肉たち。
焼網でじゅわじゅわと音を立てながら美味しそうな茶色に変じていく其れを前に、紘希は『幸せペイント箱』の道具を手に取ると、広げたスケッチブックに絵を描き始めた。
焼網の下、墨色から緋色に変じて煌めく炭。火が通るにつれ、朱色から赤丹色に変じていくカルビやロース、タン塩。
それらが紙の上で紘希によって描き出され、命を吹き込まれていく。程なくして、滴り落ちたカルビの脂で立ち昇る炎が、焼けた肉を赤々と照らしたところで一枚目の絵は完成した。
『ブフフ、さあ焼けたぞ!』
「いただきましょう、紘希くん!」
「うん、良い匂い……!」
タレと脂を孕んだ芳香が、湯気に乗って充満する。
しっかりと焼き上がったカルビが皿の上でキラキラと光を帯びて輝いた。比喩や例えではない、肉の纏った脂がそう見せているのだ。用意されたタレにダイブさせ、御飯と共に頬張れば、あまりの美味さに暫し言葉を忘れるばかりである。
「美味しい……旨味が口の中に広がるゥ……!」
「あっ本当だ……とっても、とっても美味しい!」
感極まったように吐息を漏らすルーシド。その隣では、御相伴に預かるダンジョンペンギン『わたゆき』も御機嫌だ。
舌鼓を打つ紘希と目が合えば、互いに微笑みを交わし合いながら肉をもりもり食していく。
「ミディアムレアのカルビ、食べ放題だなんて……最高の贅沢っすよねぇ……!」
「ふぅ、カルビ美味しかった。牛タンも凄く良い色……描いちゃおうっと!」
感激の色褪せぬうちにと、紘希はスケッチブックをめくった。
描くのはレアのタン塩である。赤と肉色のグラデーションと、それを楽しむように頬張るルーシドの姿。そこへ色を添えるのはキムチとナムルだ。
白菜、キュウリ、ほうれん草、もやし、人参にゼンマイ――程なくして描き上がった絵は、色鮮やかで温かい、まさに幸せを象徴するような作品であった。出来栄えに満足の笑みを浮かべ、紘希の手は再び箸を握った。
「冷めちゃう前に、僕も貰おうっと。いただきまーす!」
そんなこんなで決戦が進み、次なる肉はロースである。
ここでカルビと同様に、カルビロウスが出そうとしたつけダレへ、ふいに紘希が待ったをかけた。
「タレと一緒に欲しい物があるんだ。……小鉢をひとつ。この生卵が入りそうなやつを」
「紘希くん?」
『ブフフッ。成程、そう来るか……!』
ニヤリと笑うカルビロウス。
一方の紘希の意図を掴みかねるように首を傾げるルーシドへ、紘希は自信満々に頷きを返す。
新宿島から持って来た、採れたて生卵パックを掲げながら。
「ロースって、すき焼きにも使うよね。だったらさ……焼肉のロースも、卵と合うんじゃないかな?」
「あっ」
「とろとろ黄色の卵ごはんと一緒に、とかどう? 何なら、焼肉のタレも絡めちゃってさ。きっと美味しいと思う!」
「ぼ、僕もそれ……是非! ていうかソレ、カルビでも行けるんじゃ!?」
「いいかも。すみませーん、カルビお代わり下さい!」
「あ、二人前で!」
カルビロウスと紘希を交互に見遣りながら、裏返った声で注文を出すルーシド。
そして――ロースと卵と温か御飯、更には焼きたてカルビが揃い、二人は恭しく箸を取った。
「うん、美味しい! これは、三枚目の絵も決まりだね!」
「……やばい……やばくてやばすぎ、この美味さ……」
思わず大空を仰ぎ、深呼吸するルーシド。
息をするたび、味わった美味の熱が、風味が、残り香のように口内を満たし、駆け巡る。
まだ胃袋には余裕がある。まだ食べられる。その事実が、たまらなく幸せで嬉しかった。
そうして、注文した焼肉を紘希と揃って綺麗に平らげると、ふとルーシドは一つのことを思い出した。
紘希の生卵と同じように、彼もまた新宿島から持って来たものがあったのだ。
「御飯! 哨戒の後に飯盒で炊いておいたやつ!」
何という幸運だろう、程よく蒸れた白飯は今が食べ頃だ。それを見て何を頼もうか思案するルーシドにカルビロウスが悪魔の囁きめいて呟く。
『ブッフフフ、敵ながら天晴れな炊き加減。ならばどうだ、テールスープに投入してクッパ風というのは……!』
「そ……そんな美味そうな選択肢が!?」
「あ、僕も貰っていい?」
「勿論! じゃあ二人前お願いします。〆のスイーツにパフェも!」
『良かろう。スープが終わる頃に持つゆえ暫し待て!』
「何ですかこの至れり尽くせり!? ……え、紘希くんも? すみませんパフェ二人前で!」
程なくして運ばれて来たテールスープは、大きなテールがゴロリと入った立派な一品だった。
しつこくない程度に脂が乗り、刻みネギの風味がついた温かいスープと一緒に、煮込んだテールを骨ごと齧る二人。御飯を投入して啜る一口は、もはや筆舌に尽くし難い美味である。
「やー……美味かったですねえ……幸せですねえ……」
「うん。僕も今、すごく幸せ!」
空になった器を前に、ルーシドが満足の吐息を漏らす。
運ばれて来たパフェで食事を終えて、紘希が描き上げたのは最後の絵。
そこに描かれたのは、ルーシドと、そして同じ戦場で舌鼓を打つ仲間たちの笑顔であった。
「幸せそうな皆の顔。これが僕の幸せ色だよ!」
「ちょっと照れくさい気もしますけど……最後の仕上げと行きましょうか!」
紘希の絵が、リアライズペイントとなって具現化。
同時、魚雷型のエネルギーを出現させるルーシド。
熱くも激しい決戦《やきにく》を締めくくるように、二人はパラドクスをカルビロウスに叩きつけた。美味しい料理への、ありったけの感謝と共に。
「「ご馳走様でしたーっ!」」
超成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【液体錬成】がLV2になった!
【アイテムポケット】LV1が発生!
効果2【反撃アップ】がLV5(最大)になった!
【グロリアス】がLV2になった!
クーガ・ゾハル
【タン塩】
超・すごい・グレート・やきにく……!
この日のために14日、肉ガマンしたんだからな
背中からは、ホネまできれるうるさいチェーンソー剣
フトコロからはドンブリとハシ
アリア、おれにもまっしろゴハン、たのむ
ツヤツヤでバッチリのたきかげんだ
むこうのチームも、もりあがってるケハイ
ハラミとカイノミ、ハツにカルビ
ちくわかじったつらい断肉のキオクついでに
ドレイ時代のこともよぎってハラペコマシマシ
おっと
こぼれそうになったヨダレをひっこめる
おう、ガマンしたらうまいってきいたからな
ゼキは酒を……のんでたけどヨシ
追い酒おれがそそいでやる、ぐぐーっといけ
今日はスジ肉ひとかけだって、のこさずカレーにしてやるぞ
じゅわっととけるアブラ
やわらかさとパワーのある肉
ピリッとしたタレと、たきたてゴハン
いつのまにかもってたウーロン茶は、おごそかにいく
わかる、わかるぞ、おれ、今すごくいきてる
うるさいぞシサイ、いま肉なのに
そういえば、まだウシのマルヤキたべたことないな
パラドクスでクシざしにすれば
どデカBBQのかんせいだ
アリア・パーハーツ
【タン塩】
白米を詰め込んだお櫃を小脇に抱え、もう片手にはしゃもじを持って仁王立ち
食い物の恨み、いざ晴らさん!
マグロ食えなかったから肉いっぱい食うぞ!
えいやーっと気合たっぷりで突撃
えぇい、トングをカチカチするんじゃねぇ、カルビロウス!行儀悪い!あと五月蠅い!
カルビを焼いて食べてる間に次のカルビを焼いて、その間にホルモンを仕込んでおく
ハラミもうまい、でもカルビが一番好きぃ
牛タンも好きだぞ(カルビロウスを見ながら)
……14日間も我慢したのクーガ君…嘘でしょ…いっぱいお食べ!!
みんな米も食えー黄金コンビだぞ
御飯は硬めに炊いた白米
欲しい人にはどんどん盛る、空いてたらすぐ盛る、言う前に盛る
さあ食え、いっぱい食え
頬いっぱいにもぐもぐしつつ包丁を避けたり、フォークで弾いたり
飛行装置で安全な空中で山盛りご飯と肉に集中したりもする
なんなら上から焼肉のタレをまき散らしたり(零した)もする
…ウーロン茶どっかいった…誰か取ったぁ?!
いいもん、まだあるもーん
あ、ゼキさんいいなービールわけてぇ!ワインと交換してー!
ゼキ・レヴニ
【タン塩】
全てが揃ってやがる、ここが…理想郷…!?
くっ、やるじゃねえか…!
だが見てみろ怖えぐらい腹ペコな復讐者達を
あいつらに焼肉を挑もうなんて自分から焼網に飛び込むようなモンだぜ
かくいうおれも嘗て鉄の胃袋と言われた漢
焼肉(いくさ)で負ける訳にはいかねえんだよ…!
…しかし懐痛めずに食べ放題とか最高だなオイ!?
厚切りタンに希少部位、お高いやつをこれでもかと焼き
謎に一杯区切りがあるタレ皿に全種のタレ用意、味変で長期戦を耐え抜くぜ
酒か米かの二択なんて甘え…おれはどっちも大盛りだ
片手に白米の女神アリアから貰った米、もう片手にクーガに注いで貰ったビール
これで肉→白米→肉→酒の無限三角機関が完成するって訳だ
ハハハどうだいこの協力プレーは、もう誰もこの箸を止める事はできねえぜ!
なっ、クーガの奴14日も我慢を…痛ましい…!
ホラどんどん焼いてやるから食え食え
ワインもあんのかアリア、交換して乾杯だ!
特上丸焼打は大盾で食い止め、勢い利用し敵を焼き網に押し潰す
コラァ、焼肉の邪魔すんなっつか食いもんで遊ぶな!!
魚使いの襲撃を無傷で凌いだミウ・ウルが見下ろす谷間。
そこに漂う魅惑の香りに、ゼキ・レヴニ(Debaser・g04279)は思わずたじろいだ。
「全てが揃ってやがる、ここが……理想郷……!?」
彼の目の前に在るのは、そう――焼肉である。
濃密な脂の香りを漂わせるカルビ。肉と脂とタレの匂いが絡み合うハラミ。丁寧に磨かれた厚切りのタンは既に裏返された状態で、今が食べ頃だと告げるように、表面に浮き出る脂をシュンシュンと躍らせ始めている。
それだけではない。彩豊かなサイドメニューと、更には甘く冷たいアイスまでも。望むならば牛以外の肉でさえも。それら全てが懐を痛めずに食べ放題だと言うのである。
これは紛うことなき強敵だ。ゼキは俄かに暴れ出す腹の虫を鎮め、焼網で肉を焼くカルビロウスを見遣る。
「くっ、やるじゃねえか百牛犠牲祭司……!」
『ブッフッフ! 我が焼肉の前に、ディアボロスなど無力!』
勝ち誇った顔で笑うカルビロウス。
その自信が虚勢でないことは、戦場に漂う焼肉の匂いからも明らかだ。
しかし、復讐者とて生半可な覚悟でこの場に臨んでいる訳では無い。ゼキと、そして彼の仲間たち――クーガ・ゾハル(墓守・g05079)とアリア・パーハーツ(狂騒・g00278)がそうであるように。
「超・すごい・グレート・やきにく……!」
早くも語彙が色々ヤバみになりつつあるのは、琥珀色の目を爛々と輝かせるクーガだ。
その懐から取り出した空の丼は、タレの染みた焼肉をダイブさせる白米をよそるため。
続けて取り出した箸は、目についた肉を片っ端から取り尽くし、己が口へと運ぶために。
その五体、その覚悟、今の彼は全てが決戦《やきにく》のために存在する。いや、クーガだけではない。焼肉へ懸ける想いはアリアもまた同じであった。
「食い物の恨み、いざ晴らさん! マグロ食えなかったから肉いっぱい食うぞ、えいやーっ!」
仁王立ちする彼女の小脇にはホカホカの白米を詰め込んだお櫃。そしてもう片手には湿らせたしゃもじ。戦う準備は万端、気合たっぷりに雄叫びを挙げて空いている席へ突撃する。
そして――アリアとクーガと共に着席し、ゼキがカルビロウスへ笑う。覚悟を決めた男の顔であった。
「焼肉《いくさ》で負ける訳にはいかねえ。嘗て鉄の胃袋と言われた漢《おとこ》の名に懸けてな……!」
『ブーッフフフ、面白い! さあ注文を寄越すのだ!』
カチカチと高らかに鳴り響くトング。
ゼキとアリア、そしてクーガの戦いがいま幕を開ける。
開幕と同時、アリアが先手を打って注文したのはカルビとホルモンであった。
カルビロウスが焼いた肉は、早くもゼキとクーガの胃に収まりつつある。新たな肉が焼けるまでの間、そんな彼らへアリアは御飯を振舞い始めた。
「ほらー米も食えー黄金コンビだぞ!」
「嬉しいねえ、いただきます! ……くー、このタン元の厚切り……美味え……!」
タンを齧り、白米をガバリと頬張り、ゼキが感涙にむせぶ。
噛み締めるたび、タンからは弾けるように脂が溢れた。アリアの炊いた硬めの白米が、それを丁度よい塩梅に受け止める。あとはただ、無我夢中で肉と飯を頬張るだけだ。
ここは味変も楽しまねば損と、用意したのは幾つも区切りを設けたタレ皿であった。そこにタレ全種を用意し、一口一口を愛おしみながらゼキはタンを噛み締める。甘ダレ、ゴマダレ、味噌ダレ、醤油と山葵、などなど。新しい味を試すたびに目尻がゆるりと下がっていく。圧倒的幸福――彼の心境はまさにそれだ。
「くっ……美味い! しかも懐痛めず食べ放題とか最高だなオイ!?」
「アリア、おれにもまっしろゴハン、たのむ。ツヤツヤでバッチリのたきかげんだ」
丼をスッと差し出して、クーガが重々しい声で言った。
その目線は先程から、焼網のカルビとハラミを睨んだまま微動だにせず。その気配に尋常ならざるものを感じつつ丼を受け取ったアリアへ、クーガは言う。
「……14日。この日のために、肉ガマンした」
何気なく告げた一言に、その場の全員が絶句する。
アリアはもちろん、ゼキも、そしてカルビロウスまでもが。
『ブフーッ! なななっ、何だと!?』
「嘘でしょ……クーガ君、いっぱいお食べ!!」
「クーガの奴、痛ましい……! どんどん焼いてやるから食え食え!」
「おう、ガマンしたらうまいってきいたからな。ふたりとも、ありがとう」
そうして、ずっしりと白米の盛られた丼にカルビとハラミを載せて、クーガはガシガシと頬張り始めた。
言葉は一言も発さない。視線も呼吸も意識も、持てる全てを『食べる』という行為一つに注ぎ込む。米の一粒、肉の一欠片までも味わい尽くすように、じっくり噛み締める。
そんな彼の皿へ、ゼキが新たな肉を取り分けてくれた。焼き上がったばかりのカイノミとハツであった。
「遠慮するな。ほら、もっと食え!」
「うれしい、ウマそう。……おっと」
零れそうになる涎を呑み込んで、ふとクーガの脳裏に過去の記憶がよぎる。
ちくわを齧って凌いだ14日間に及ぶ断肉と、そして更に昔――飢えが日常だった奴隷時代のそれが。
「ハラペコマシマシ。たくさん食う」
肉厚のあっさりしたカイノミを、そして歯応えの良いハツを、クーガは黙々と食していく。自身の血肉に取り込むように、琥珀色の目を歓喜にキラキラと輝かせながら。
「うまい。すごくうまい」
今は只、食うことに全て捧げるのみ。
果たして皿と丼の肉をクーガが喰い尽くすのに、それから左程の時間は必要なかった。
程なくして。
入れ替わるように焼き上がったのは、アリアが仕込んだカルビとホルモンであった。
追加しておいたハラミの焼き具合も十分だ。ゼキやクーガと同じほど沢山の御飯をよそり、アリアもまた白米と焼肉の黄金コンボを堪能していく。
「ハラミもうまい、でもカルビが一番好きぃ!」
炊いた御飯は会心の出来栄えだ。そこへ極上のカルビが加わるのである、美味くない訳が無い。
こんもり盛られた御飯の上、熱々のカルビが脂をまとってキラリと輝く。
濃厚で、それでいて米を汚すことのない透き通った脂。タレでしっかりと下味を染み込ませたそれへと、アリアは微かに先の震える箸を向けた。
「……!!」
ぱくり。一口頬張ったアリアの眼が感激に煌めいた。
ハグリ。さらに頬張れば、肉と米の活力が全身に漲っていく。
一口、一口、さらに一口。大盛りの茶碗と皿は瞬く間に空となり、アリアは感動のあまりカルビロウスへ叫んだ。
「Mi dispiace!」
『暴風雨』のパラドクスで空中へ舞い上がるアリア。
飛行装置で大空を舞いながら新たな山盛り御飯と一緒に頬張るのは、祭司からかすめた二皿目のカルビだ。天にも昇る心地とは正にこのことを言うのだろう。程なくして当然のようにお代わりも食べ尽くしたアリアは地上へ戻ると、ゼキとクーガの茶碗と丼へ、ふたたび白米を盛っていった。
「あー美味すぎて空飛んじゃった。さー二人とも、もっと白米食え!」
「分かるぜ、美味いよな……あ、サンキュ」
「やまもり、うれしい。ぜんぶくう」
「よし食え、いっぱい食え! さーて次は何にしようか……牛タンがいいかな?」
『ブフーッ!?』
飢えた獣の眼光でカルビロウスを射抜くアリア。
そんな一幕を挟みつつ、再びジュウジュウと音を立て始めた新たな肉を前に、復讐者たちはゴクリと唾を吞んだ。
熱々のカルビを頬張れば、溢れ出る脂の香りが鼻腔を抜ける。
柔らかくも軟弱さとは程遠い肉の旨味とコクは、タレとの相性抜群だ。
味の濃いピリ辛のタレは、パンチが効いたカルビの味わいを一切損なわず、肉と脂の旨味を見事に際立たせる。それを御飯と一緒に噛み締めれば、漏れるのは感嘆の吐息以外にない。
極楽――そんな二文字に相応しい、満ち足りた時間をクーガら三人は堪能していた。
「わかる、わかるぞ、おれ、今すごくいきてる」
そう言って目を輝かせるクーガの食欲は、いまだ衰えを知らない。
のんびり啜る烏龍茶は温かく、口内の脂を綺麗に洗い流してくれる。注文していないのに気づけば手中にあったことなど、些事に過ぎない。ほうっと吐息を漏らし、クーガはしみじみと呟く。
「うん、いい。……すごくいい」
「あれ? ウーロン茶、誰か取ったぁ?!」
隣で上がるアリアの悲鳴も、クーガの耳には入らない。
アリアは仕方ないとばかり、ゼキともども酒盛りモードに入りつつあった。
「いいもん、まだあるもーん。あ、ゼキさんいいなービールわけてぇ! ワインと交換してー!」
「ワインもあんのかアリア、交換して乾杯だ!」
互いの酒を交換し、焼き上がった牛タンを肴に飲み始めるゼキとアリア。
一方でカルビを平らげたクーガは食べ足りないとばかり、カルビロウスへ新たな肉をねだる。次なる狙いは祭壇で炙られる巨大な牛の丸焼きであった。
「シサイ、ウシのマルヤキ。どデカBBQ欲しい」
「お、いいな。おれにもくれ!」
『ぐぬぬっ、何たる食欲……! だが、ここで引き下がっては祭司の名折れよ!』
硬質化させた指先で、カルビロウスをぷすぷす突き刺すクーガ。
ロースターめいた鋼板を生成し、ガンガン叩きつけるゼキ。
対するカルビロウスも、丸焼きから切り分けた肉を負けじと振る舞って来た。部位は肩バラ肉だろうか、幾重にも塗されたスパイスとソースがたまらなく食欲をそそる。クーガとゼキは頷きを交わし合うと、さっそく肉を頬張ってみた。柔らかい肉の繊維に、トロリと蕩ける脂。その味わいに二人の眼がキラキラと輝く。
「おお……ウマい。ホロホロのトロトロ」
「ヤバいな、一瞬でワインが消えちまった。焼肉の方も追加だ、希少部位もどんどん行くぜ!」
『ふ……後悔しても知らぬぞ!』
そうして肉を焼き始めたカルビロウスにゼキは向かい合い、無言で両腕を掲げてみせた。
左手にはジョッキ、右手には茶碗。そこへ左右から寄るのはビール瓶を手にしたクーガと、しゃもじを握るアリアだ。
「追い酒、ぐぐーっといけ。おれがそそいでやる」
「御飯のおかわりね? どんどん食べなさい!」
『な、何をする気だ貴様ら!?』
狼狽えるカルビロウスを前に、ゼキは笑って答える。
大盛りの御飯、そしてなみなみ注がれたビールジョッキを、勝ち誇ったように掲げながら。
「酒か米かの二択なんて甘え……おれはどっちも大盛りだ。さあカルビロウス! 肉を寄越せええぇぇぇぇ!!」
『ぐ、ぐぬおおおおぉぉ!』
響き渡るカルビロウスの悲鳴。
希少部位の肉が、ゼキ(と、アリアとクーガ)に怒涛のごとく振る舞われる。
旨味とコクと脂、それらが完璧に調和するイチボ。赤身の香りと脂の甘みが至高のハーモニーを奏でるミスジ。そして――柔らかくも金剛石のように旨味が凝縮されたシャトーブリアン。それら全てをゼキは食す。食し続ける。肉から白米、白米から肉、肉から酒のサイクルで、さながらメビウスの輪のように。
「ハハハどうだいこの協力プレーは、もう誰もこの箸を止めることはできねえぜ!」
「あ、タン塩おかわりー! タン元厚切りで!」
「カイノミ。あとトウガラシ。にく、いっぱい齧らせろ」
『ぐぐぐぐっ、ぐぬうううぅぅ!!』
焼いては食べ、食べては飲み、飲んでは焼いて。
復讐者たちの熱くも美味しい戦いは、いよいよ最高潮を迎えようとしていた。
超成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【怪力無双】LV1が発生!
【飛翔】がLV4になった!
【トラップ生成】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV6になった!
【ガードアップ】LV1が発生!
ジズ・ユルドゥルム
【ハラミ】
現れたな、百牛犠牲祭司!
貴様らのせいで…
カルビやらマグロやらハラミやらタンやらが食べたくなって…大変だったんだからな!!
焼肉死するのは…貴様の方だッ!(もうトング持ってる)
初手から全力だ、負傷(=胃もたれ)は顧みない!
カルビとハラミとロースを召喚
脂身が多い肉を食べたりして負傷した仲間を【グロリアス】で回復。この戦い…長くなるぞ!
はぁ〜、お肉おいしいなぁ。
お腹すかせてきて良かった〜(もぐもぐ)
ケペシュはもう大人だもんなぁ。お酒飲めるなぁ。
…これ帰りに酔っ払い二人トレインに引きずってく羽目になるのでは??
私が自制しないと…(使命感)
でも乾杯はする。かんぱーい。
ほらタオ。野菜も食べるんだ。肉ばっかりで野菜食べないと胸焼け起こすぞ、おじいちゃん。
ご飯も召喚。もちろん硬めに炊いたやつで!
海鮮もいいなぁ。プリップリのエビと帆立たくさん食べよう。
普通の店なら頼むの躊躇するような、すっごい厚くて大きい肉も頼んじゃおう。
え、一応これ逆説連鎖戦?今忙しいんだが…。
とりあえず斧投げておくか。
ケペシュ・ナージャ
【ハラミ】
待っていましたよこの時を
待ちすぎて用意しておいた白米も危うく干からびるところでした
しかも茶碗一杯分だから全く足りる気がしない
後でおかわりもお願いします、ナントカロウス
さすがジズ、既にトングを構えているとは
食事……いや、戦いにかける意気込みを感じる
出されたものは残さず食べなさいと母に躾けられましたからね
さぁ、カルビでもロースでもなんでも来い
焼き加減はレアでお願いします
はっはっは、聞いて驚け
ここにいる俺は今までの俺とは一味違うんですよ
なんと、酒が飲めます
というわけで生ビール一つ
酒が無ければそれっぽい飲み物で
こ、これが酒と共に嗜む大人の焼肉の味…!
美味い、美味すぎる
ジズもタオ殿も乾杯しましょう
ほらほら、タオ殿もたくさん食べて栄養つけましょうね
何食べます?ビビンバ美味いですよ、石焼のやつ
戦いの最中に酒盛りするなって?
何言ってんですか、これも戦略の内です
酔拳っていうのもあるじゃないですか
俺の場合は拳じゃなく剣の方ですが
ほら食らえ、パラドクスで肉を食べやすくスライスして差し上げます
タオタオ・ザラ
【ハラミ】
なんだこれ…なに…?
………なに!?
思考が追いつかない
だって肉の焼けるにおいがすごい(語彙力ゼロ)
…………とりあえず肉喰うのに集中していい?
えっ、酒も飲んでいいの?!やったー!(がっつぽーず)
カルビロウスと戦闘は、行って来い謎の獣っぽい何か
適当にどつきまわしてきてくれ、タオは喰う
よーし呑め呑めケペシュ!ぶっ倒れないように気を付けろよ!
そんなわけで、わーいよっしゃーかんぱーい
にゃはー、働かないで喰う肉と酒は格別だよにゃあ
他人の奢り(?)だからなお美味い
まァ、タオ舌肥えてねえしだいたい何喰っても美味いんだけど
うん、ちょっと申し訳ないとは思ってる
ごめんな残さずは喰うから許してくれ、という訳で追加頼む
んえ、やだ待ってくれジズ
野菜はやだあ、肉ばっか喰ってたいんだタオは!
たらふく喰ったしそろそろ終いに――待って、アイスがまだだ!!
アイス邪道!? 許される!?
肉汁迸るロース。旨味と脂たっぷりのカルビ。
丁寧に磨いたタンの根元だけを厚切りにした一品は、噛み締めた者が揃って美味に青空を仰ぐほど。
生卵をかけて黄金色に輝くところへ、タレが染みた熱々の焼肉を載せて頬張れば、まさに天国だろう。
『ブッフッフ……ブーッフッフ!』
「許せん……許゛せ゛ん゛……!」
無論、他の面子も負けてはいない。
背脂でこんがり焼けたラムチョップは、一口齧れば薔薇色の肉から濃密な肉のジュースが溢れ出す。
サザエは歯応えの良い身に濃厚な肝が絡み、噛み締めるたびに頬を緩めずにはいられない――。
「私の前で、肉を美味そうに焼いて! 絶対に許せん……っ!」
そんな光景を前に、ジズ・ユルドゥルム(砂上の轍・g02140)が呻く。
哨戒に戦闘にと任務を遂行する最中、空きっ腹を苦しめた焼肉の匂い。その源に彼女は今立っていた。
眼前には美味そうな肉と、それを焼くカルビロウスの姿。手中のトングを鳴らしつつ、ジズが飢えた獣の目つきで言う。
「焼肉死するのは……貴様の方だッ!!」
『ブフッ、笑止! 貴様など、せいぜいカルビ半人前平らげるのが関の山であろう!』
「おやおや。俺たちの食欲を侮って貰っては困りますね、ナントカロウス」
そう言って御飯茶碗を手に現れたのは、ケペシュ・ナージャ(砂蠍・g06831)である。
彼が高々と掲げた茶碗には、こんもりと盛り付けられた白米の山。
持ち込んだのは一杯分だが、お代わりはカルビロウスがキッチリ準備してくれている。御飯が尽きる心配は杞憂に終わってくれそうだ。ケペシュはグッと親指を立て、ジズに笑みを送った。
「お供します。食らい尽くしてやりましょう」
程なくしてケペシュを含めた三名が席に着くと、焼網の肉がジュワジュワと焼かれ始めた。
「もうすぐ食べ頃ですね。ジズ、タオ殿、準備は良いですか?」
「勿論だとも。いつでも……ん、どうしたタオ?」
ケペシュとジズが視線を向けた先、タオタオ・ザラ(大喰らい・g05073)がぶるぶると体を震わせる。
「なんだこれ……なに……? ………なに!?」
眼前の光景に思考が追い付かない。焼肉が食べ放題、しかもタダで。
感動の余り、彼の語彙は早くもおかしなことになりつつあるようだ。
「肉の焼けるにおいがすごい。とりあえず肉喰うのに集中していい?」
「タオ殿。お酒も飲めるようですよ」
「飲んでいいの?! やったー! え、本当!? これ夢じゃない!?」
思わず自分の頬をつねるタオタオだが、ジズもケペシュも、同じ戦場にいる他の仲間たちも一人として消えはしなかった。無論、焼網で焼けていく肉も同様だ。
思わず歓喜の声を上げるタオタオ。一方のジズは覚悟完了した顔つきでカルビロウスへ告げる。
「初手から全力だ、胃もたれは顧みない! カルビもロースも、じゃんじゃん持って来いっ!」
『ブーッフッフ、身の程知らずめ! 焼肉地獄に落としてくれるわ!』
肉が炙られ、脂の爆ぜる音が響く。
百牛犠牲祭司との熱き戦い、その最後の一幕がいま開けた。
開始と同時、三人の箸が争うように牛カルビへと殺到する。
表面に走る狐色の焼き目、表面に纏う脂の照り。見ただけでも食欲を誘う最高の一品だ。
だが何にも増して素晴らしいのはその形状であろう。厚すぎず薄すぎない短冊状のカット、そこに秘められた意図にジズは気づいた。――気づいて、しまった。
「まさか……御飯に巻いて……?」
『ブッフッフ、いかにも!』
自信満々でカルビロウスが答える。
そうと聞いては黙っていられず、ジズはカルビをタレにダイブ。硬めに炊いた御飯を優しく包み、スッと箸で持ち上げた。タレと脂が染みたツヤツヤの白米がまぶしい。これを肉と共に頬張ったらどうなってしまうのだろう――そんな戦慄が一瞬、ジズの背を駆け抜ける。
「皆……私に力を!」
グロリアスの祝福を背に受けながら、ジズは箸を震わせ、カルビを頬張った。
無言。そして暫しの間。
肉と米をもぐもぐと静かに堪能し、口から漏れるのは長い長い感動の溜息だ。
「はぁ~~~~~~、おいしいなぁ。お腹すかせてきて良かった……」
カルビ御飯は美味かった。今までの我慢が報われた、そう感じる程に。
一方、ケペシュはカルビを平らげると、卵かけご飯へロースを載せて食べるところだった。ルーシドたちが舌鼓を打った、あの一品である。レアに焼いて貰った肉の旨味、そして甘辛のタレ、濃厚な卵と煌めく白米。それを纏めてパクリと頬張る。美味さの余り、暫し言葉が出なかった。
「ああ…… ……素晴らしい。頬が落ちる美味という表現は、こんな時に使うのでしょうか」
ロースも、カルビも、そして勿論白米も、全てが最高に美味い。
だが、彼にとっての焼肉はここからが本番だ。
ジズとタオタオを交互に見遣り、ケペシュは自慢げな顔で笑った。
「はっはっは、聞いて驚け。ここにいる俺は今までの俺とは一味違うんですよ。――なんと、酒が飲めます」
「そうか、もう二十歳だもんなぁ。飲めるなぁ」
「おー呑むかあ! ぶっ倒れないように気を付けろよ!」
かくして三人の前に、キンと冷やした生ビールが供された。
黄金色の液体を塞ぐ、白く柔らかな泡。ほんの半年ほど前までは飲むことの出来なかったそれが、ケペシュの前でキラキラと輝きを放っている。
音頭を取ってジョッキを掲げるケペシュ。ジズとタオタオがそこへ倣う。
「それではジズ、タオ殿。乾杯!」
「「乾杯!」」
焼肉に生ビール――かつて焦がれた大人の味を、いま青年は知ろうとしていた。
『ブッフッフ。貴様等の食欲、侮っておったわ! 追加の肉であるぞ!』
程なくして三人の皿に、新たな面子が加わった。
厚切りのタンである。
丹念に焼き上がったそれ、ふんわり湯気を立てるタンを齧りながら、ビールで喉を潤した。
麦酒のほろ苦い味わいが鼻孔を抜け、絹のように滑らかな喉越しと共に体へ染みわたっていく。濃い脂を洗い流してくれる爽やかさに、杯は瞬く間に空となった。
「これが大人の焼肉……! 最高ですね!」
「にゃはー、働かないで喰う肉と酒は格別だよにゃあ」
「むむ……これ、帰りに酔っ払い二人トレインに引きずってく羽目になるのでは?」
感激に目を輝かせるケペシュ。その横で二枚目のタンを齧りながら、タオタオがご機嫌で笑顔を浮かべる。
一方ジズはビールを控えめに、カルビとタンを難なく平らげた。この程度、彼女にとっては準備運動と変わらない。
「次は趣向を変えて海鮮がいいなぁ。エビと帆立、サザエも頼む。あと烏龍茶も」
「俺は石焼ビビンバを貰いましょう。ビールお代わりで」
「にゃはー、ラム肉も欲しいな。塊ごとラムラックでくれ!」
『ぬ、ぬぬ、ぬぬぬぬっ! 暫し待つが良い!』
海鮮とラムを焼網に並べ、熱々のビビンバに続いて運ばれてくる冷たい飲み物。
なみなみと注がれた杯を鳴らし、ケペシュとタオタオ、そしてジズは更なる至福の時間を満喫するのだった。
ぷりぷりのエビを愛しむように食んでいると、焼網の上で帆立がふつふつと音を立て始めた。
下拵えをした貝に酒を加え、程良く煮えたら醤油を垂らす。そうして立ち昇る香りの豊かさに思わずジズの目尻が緩んだ。
「あ~美味しそうだなぁ。いただきます……!」
肝の甘さを堪能しつつ、噛み締める貝柱はふっくらと厚い。烏龍茶をお供に熱々の帆立貝を食んで、サザエとの食べ比べに舌鼓を打つジズ。一方タオタオはと言えば、ラムラックから切り分けられたラムチョップを早くも喰い尽くす勢いである。
「んにゃ~~~、美味い!!」
余分な脂を焼き切って、丁寧に火を通した羊肉は仄かに甘く、歯触りも良い。
恐らくはマリネで下味をつけてあるのだろう、薄紅色の肉を噛み締めるたび、肉汁に乗った香草とレモンの爽やかな風味がタオタオを襲う。舌は肥えておらず、何を喰っても美味く感じるとは本人の弁であるが、そんな彼をして歓喜の悲鳴を上げるほどに美味な羊肉であった。
「ジズ、ケペシュ! 二人も食ってみろ!」
「どれ。……おお、柔らかくて良い香りだ」
「これは良い、ビールとも合いますね。折角ですしタオ殿も栄養つけましょう、ビビンバとかどうですか?」
「ビ、ビビンバ? でも野菜とか苦手だな~……」
早くも石焼きのお代わりを注文するケペシュに、タオタオがたじろいだ。
ゼンマイ、人参、もやし……色鮮やかな野菜は彼の好みから少々外れるらしい。そんな彼にずいと顔を寄せてジズが言う。
「好き嫌い言わずに食べるんだ。胸焼け起こすぞ、おじいちゃん」
「んえ、やだあ! 肉ばっか喰ってたいんだタオは!」
一瞬追い詰められたかに見えたタオタオの思考は、しかし、すぐさま逃げ道を見出した。
自分たちは今、カルビロウスとの決戦に臨んでいるのだ。ならば戦いで肉を貰うのは当然のことではないか。
「行って来い謎の獣っぽい何か! 祭司、丸焼き沢山切ってくれ!」
「それなら皆で分け合うか。私はサーロインがいいな、ケレイも食うか?」
「俺も是非。スライスはお任せを」
『ブフーッ!? 底なしか、貴様等の胃袋は!』
「あははー、やりー! ……って泥人形待て! お前は食うな、身代わりいらない!」
丸焼きを構えるカルビロウス。キメポーズで爆発する泥人形。
ドカッと切られたサーロインを、ケペシュの光刃が祭司を巻き込みつつ丁寧に切り分けていった。
程なくすれば、供されたのは分厚く大きな三切れのサーロインだ。
これぞ牛肉と言わんばかりの立派な佇まいに息を呑みつつ、思い思いに肉を頬張る三人。
香ばしく焼き上げられ、中までしっかり火の通ったそれに、山葵を乗せて醤油を垂らす。豊かな香りと共に口の中を満たすのは脂とコク、そして溢れんばかりの旨味の奔流である。
肉も、米も、酒と茶も。
全てを満遍なく堪能し、最後の一切れを惜しむように頬張って、復讐者たちはそろって満足の吐息を漏らした。
「美味かったにゃー。〆はアイスで!」
「いいですね。俺も貰いましょう」
「そうだな、キンと冷えたやつがいい」
『ぐぐっ、何たる食欲……む!?』
と、そのとき。
二人の仲間と共にアイスを食すジズの全身が、ふいに眩く輝き始めた。
彼女が使役する鷹のジン、ケレイが憑依して放つ『人鷹一体』の輝き。
カルビとロースとタンと御飯、エビと帆立とサザエ。更にはラムチョップにサーロイン、ビールにお茶にアイス。
その全てを喰い尽くして得た生命エネルギーが、裁きの光となってカルビロウスを照らす!
「美味かった。ごちそうさま」
『ぬ……ぬおおぉぉぉぉーっ!』
匙をおいたジズが両手を合わせると、光を浴びたカルビロウスが真っ白な灰となって燃え尽きる。
そうして――肉体の残滓は跡形もなく吹き飛ばされ、後には焼肉の香りだけが余韻となって残された。
「あー食べた食べた。腹一杯だ」
「ええ。ビールと焼肉、最高でしたね」
「やー、満腹! タオも満足!」
かくして戦いを終えたジズら三人は、帰りのパラドクストレインに遅れぬよう仲間たちと戦場を後にする。
無傷で護られたミウ・ウルが目的地へと辿り着くのも、そう先のことではないだろう。その日が一日も早く訪れることを、今は祈るばかりであった。
ペルセポリスへの道中に現れたカルビロウスとの死闘。
その決戦《やきにく》は、ここに復讐者の勝利で幕を下ろしたのである――!
超成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【士気高揚】がLV2になった!
【アイテムポケット】がLV2になった!
【照明】LV1が発生!
効果2【グロリアス】がLV3になった!
【ガードアップ】がLV2になった!
最終結果:成功 |
完成日 | 2024年02月15日 |
宿敵 |
『百牛犠牲祭司カルビロウス』を撃破!
|