リプレイ
日野宮・陽菜
連携・アドリブ可
普段からあまり船に乗ったことがないので割りとテンション高めです。
帆船なんかも乗るのは初めてなのであっちこっちうろうろ探検しましょう!
大砲とか物珍しそうに見たりしちゃったり。
人力で漕ぐですか! お任せください!!
帆の操作や海路の読みなどは出来ないので肉体労働です。
元々体育会系であるし単純作業も苦ではない。
スマホからスピーカーで船乗りの歌やシーシャンティでも流しながら、適当な英語で歌いながら楽しく漕いでいきましょう!
●いざ、船上の人へ
「うわぁ、これが海賊船ですかー!」
パラドクストレインより【飛翔】するや、日野宮・陽菜(恒真式遊侠・g10615)のテンションはうなぎ上りだった。
「わわっ、床が揺れてます! あれが大砲かな……今は使えないんでしたっけ」
なにせ見るものすべてが珍しく、目新しい。
陽菜は二千年代の最終人類史生まれだ。普段からあまり船など乗った事がないし、ましてや十八世紀の帆船などよほど好き者たちが集うイベントでもなければ、お目にかかる事すら珍しい代物である。
「羅針盤やコンパスはさすがに最新ですね……これはこれで趣深いかも!」
だが潮風の匂いを堪能し、カモメだかウミネコだかに挨拶して船内へと降りれば、その様相は一変する。
一見して大航海時代そのままの風景に見える窮屈な船室だが、積み込まれた羅針盤やコンパスは二十一世紀でも最新鋭の電子機器……いや、浮いているのはそれだけではない。
「なんなんでしょうね、これ。自動で修復してるみたいですけど」
陽菜が触れた柱は金属とも木造ともつかぬ不思議な手触りだった。
調査報告では船体の重要区画は触手めいた生体部品でできているらしく、ある程度の自己修復や自動航行機能も備えているらしい。アビスローバーたちが奪還を目論む理由もここにあるのだろうか。
「と、っとと。今はそれどころではなかったですね」
だがそう考えている時間もない。船体を襲う揺れ、電子海図に敵の接近を示す光点が輝いた。どうやらアビスローバーたちはさっそく動き出したらしい。
「そうしますと……人力で漕ぐですか! お任せください!」
そろそろ揺れにも慣れてきた陽菜が小走りに向かう先は船底。十八世紀の船である以上、その動力は帆走、そして人力。体育会系の面目躍如だ。
「へいっ! へいっ! ヨーソロー!」
手足を捲り、健康的な脚を露わにすると、スマートフォンから音楽スタート。
古来より漕ぎ手たちがリズムを合わせるために口ずさんだ船乗り歌のリズムに合わせ、陽菜は力強くオールを回す。ディアボロスの力を受け、海賊船は速度を上げて迫る追撃者より逃げ出した。
成功🔵🔵🔵🔴
効果1【飛翔】LV1が発生!
効果2【命中アップ】LV1が発生!
レオアリア・フォルシオン
アドリブ連携歓迎
さて、それじゃあスーパーGPSを使って航海術でもやってみようかしら……
この時代の排斥力で排除されない調理法の保存食を齧りながら、スーパーGPSと船に関する仕事に携わる最終人類史の人から教えてもらった航海術をマニュアル化して読み進め、海流や天候に合わせて船を進めていくわ
後はわたくしが櫂を漕げばその分早く進むのよね
そう言って水分と日差し除けを用意して長時間櫂を漕げるようにして航海術で割り出したルートに従って漕いでいくわ
時折自動操縦……自動的に櫂を漕ぐ状態にして風の状況に合わせて帆を張り直し、追い風や向かい風等に対応して効率よく航海できる様に手筈を整えていくわ
……しかし大変ね
これは当時の航海士は死人が出てもおかしくないわね……
一通り仕事を終えた後、涼める場所で水分補給した後に食事をして休憩
そのまま英気を回復させた後は再び航海を進める仕事に取り組むわ
峰上・悠凪
アドリブ歓迎だよ
盗まれた船は取り返そうとするし、自分の船が攻撃されたら撤退するんだ……海賊船がクロノ・オブジェクトだからなのかな?まあ、どうでもいっか……襲ってくるなら、斬る。それだけ……
航海術はよくわからないけど、肉体労働なら得意……だから漕手として行動するよ。
櫂を漕ぐって動きはあまりしない動きだけど、もしかしたらそういう動作が剣術のヒントになるかもしれないしね。
櫂を漕げば漕ぐほど早く進めるみたいだし、気合を入れていかないとだよね。
大きな船を動かす……それだと櫂を大きく動かすように漕いだりすると良さそうな感じがあるよね……だから、意識してそういう感じで櫂を漕いでいこうと思う。
敵に襲われるまでしっかりと櫂を漕いで体をほぐしておかないとだよね。
「……しかし大変ね。これは当時の航海士は死人が出てもおかしくないわね」
櫂走から帆走に移った船内で、レオアリア・フォルシオン(フォルシオン統一王朝初代皇帝『征龍帝』・g00492)は排斥力の影響を確かめつつ、保存食を片手に海図を追う。
船内はディアボロスたちが入れ替わりでいるため、電子海図の動作は問題なく【スーパーGPS】との相性も抜群だ。しかし海図に輝く点……アビスローバーの追撃者たちはこのような機材にも頼らず時代相応に追っているのだろうか? そうであるならそれは敬意に、そして脅威に値するだろう。
「そろそろ風が変わる頃ね……帆を畳んで、また手漕ぎの時間よ」
「そうなの? 航海術はよくわからないけど、肉体労働なら得意……櫂を漕ぐ、ってあまりしない動きだけど、剣術のヒントになるかもしれないしね」
帆走で自動航行する船内を立ち上がるレオアリアに、峰上・悠凪(無口な剣術少女・g00211)も不思議そうに首を傾げつつ続く。
追撃するアビスローバーの海賊船との距離はまだあるといえ、風が止めば一気に詰められるだろう。遮るもののない洋上といえ、潮の流れや日差しなど地の利は存在する。少しでも優位を取るためには動かねばならない。
「一休みさせてもらって、英気は十分養った。進路はルートの通り、いい?」
「わかった。櫂を大きく動かすように……気合を入れていかないとだよね……」
方針はレオアリアがまとめてくれている。水筒と日よけを受け取り、悠凪は漕ぎ手に集中できた。
剣とオール、どちらも体の延長ととらえれば最善の動きは自ずと見える。
「始めるね……!」
猪突撃進、空気を大きく吸うと体ほどある持ち手を力の限りに引いて、押す。抵抗として伝わってくるのは確かな手ごたえ。
肉体と得物が【水中適応】していくのが悠凪の体に感じられると共に、船窓越しに迫ってくる敵影がわずかだがその勢いを減じたように見えた。
「盗まれた船は取り返そうとするし、自分の船が攻撃されたら撤退するんだ……海賊船がクロノ・オブジェクトだからなのかな?」
「貴重品なのは待ちがないでしょうね。だから最大限に利用させてもらう」
レオアリアの呟きに、どうでもいっか、とそっけない悠凪。だが赤柄の愛刀『茜丸』を手に立ち上がる彼女の考えはレオアリアも同感だった。
襲ってくるなら、斬る。ただそれだけのこと。
「イケイケイケェーイッ!」
「ヘイラッシェエェーイ!」
敵船から飛び出す魚類めいたアビスローバーの、理解しがたい雄たけびが風に乗って聞こえてくる。
海上を泳ぎ滑るように迫る海賊たちの動きはまねできないが、残留効果は十分。上等だ。
「わたくしこそが世界の頂点……それは海でも変わりないのよ」
膨大なるを掌握する熱量の歴史がレオアリアの突きつける征竜真剣『ゲオルギウス』に赤々と燃える。
競争の時間は終わった。ここからは血と暴力のぶつかり合い、海賊らしい戦いの時間だ。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【スーパーGPS】LV1が発生!
【水中適応】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】LV1が発生!
【ガードアップ】LV1が発生!
ナイナ・ヴィラネスティズム
SPD
味方との協力・連携・アドリブ可
力仕事は苦手ですから船内でお茶を嗜んでおりましたが・・・
お客様方がお見えになられたようですからおもてなしと参りましょうかしら
海から船へ上がろうとする敵を海上にて迎撃する形を取り、
船から勢いよくジャンプして飛び出したら水面走行活用にて海上へ着地!決まり!
生憎とここから先は立ち入り禁止ですわよ。抹殺ぅ!
こちらから攻め込む場合はフェアリーフェンサー
妖精の力と氷の魔力付与を行った妖精刀による斬撃
そちらがダンスを披露されるならばこちらも剣舞でお相手しないといけませんわね
氷の魔力付与は敵の粘膜対策ですわ
そこに命中アップも込みで確実な一手を決め、披露する斬撃の中にフェイントも踏まえた連撃を交えていきましょう
敵の斬撃には刃に結界術を施した妖精刀の剣戟で防御もしくは咄嗟に投擲したマジックグレネードの爆破で相殺
回避を行う場合はエアライドで宙を蹴ったり、水中適応込みで海の中へ潜る事も視野に入れる
撃ち漏らしは甲板で戦う味方にお任せしましょう
必要あればもちろん駆けつけますけども
クローディア・ベネット
ははっ、これは刺激的な顔つきの連中が出てきたもんだ
あのウナギにはロンドンの貧民も口をつけなさそうだが、客を選り好みはしていられないね
盛大に歓迎してやろうじゃないか!
【水面走行】【水中適応】を仲間から借りて、上陸される前に船を護るよ
ただどうしても、迂回したり深く潜ったりして気付かれずに乗船してくる奴もいるかもしれない
そうなったらすぐ船の傍へと戻り、一瞬だけ【飛翔】して速やかに甲板に乗り上げ迎撃しよう
――『野郎ども、容赦なく斬り込め!』
≪船長のサーベル≫を振るって号令し、召喚した海賊達に敵を襲わせる
異なる方向から次々と斬りかかり、先行する攻撃で生じた隙を後続が狙うことで、効率的に敵を潰していこう
ウナギの骨は硬くて厄介だ。トドメを刺す時は、柔らかい喉や口の中を狙わせる手もあるかもしれないね
反撃の粘膜網は≪ピストルセット≫の拳銃で撃ち落としたり
【水中適応】で潜水してから、網の影響がない所で再浮上することで対処
敵の振るうカトラスとはサーベルで打ち合い、急所に当たらないよう刃を受け流すよ
●大西洋のイールガイズ
「ははっ、これは刺激的な顔つきの連中が出てきたもんだ」
うねるように水上を描けるウナギ頭の怪人を見下ろし、クローディア・ベネット(黒き旗に矜持を掲げて・g10852)はヒュウと口笛を吹く。
時と場所が違えば竜鱗兵でも通りそうな姿の『イールガイズ』だが、その身を覆うのは竜鱗ではなく艶めいた粘液。キングアーサーにも原生した懐かしい魚類の気配に、茶会を畳んだナイナ・ヴィラネスティズム(凱閃令嬢・g00383)も『妖精刀【カノー】』を携えた。
「干上がったイーリーからお引越しですこと? ともあれ、お見えになられたようですからおもてなしと参りましょうかしら」
「違いない! あのウナギにはロンドンの貧民も口をつけなさそうだが、客を選り好みはしていられないね」
【エアライド】で一回転を決めて着水、いや水面ギリギリからナイナの体はスケートめいて【飛翔】した。
イールガイズたちの吐きかける粘液がフェイントをかけられ、舷側へと外れて汚す。そこにすかさずクローディアの抜き放つ『船長のサーベル』の一閃。
「ッシャアアアアーッ!」
「あら、御器用なこと!」
だが、イールガイズたちも負けてはいない。放たれる網状の粘液はサーベルの切っ先に払われるが、そこに攻め込むナイナの剣閃に、粘液が解けるように組成を変えた。
「ネバネバの次はヌルヌルかい!」
「モライィィィーッ!」
褐色肌を濡らす飛沫をクローディアは不快げに振り払う。
引き延ばされ、滑らせる粘液で受け流し、切り返す『スリップイールストライク』。力量で劣るも隆々たる肉体で振るわれるカトラスは歴戦のディアボロスたるナイナも油断できない威力だ。
「なぁに調子のってんだ……?」
「ウナッ!?」
そこですかさずクローディアは攻め口を変えた。
手こずる前方をかわして切り込む側面のイールガイズに、『ピストルセット』の一丁を抜き打ち。粘液を放つよりも早く、開いた口内へと鉛弾を叩きこむ。
「あら、存外にだらしない」
「ウナギの骨は硬くて厄介だが、口内までは粘液もないだろうよ!」
「ごもっとも!」
御説もっともなクローディアにナイナも笑い、仕切り直した水面へと目を落とす。変化した流れに水中へと逃れたイールガイズだが、その動きは【水中適応】したディアボロスたちに追うはたやすい。
何匹か慎重に迂回した集団は船上の仲間に任せ、二人は向かってくる海賊へと意識を集中する。
「生憎とここから先は立ち入り禁止ですわよ。抹殺ぅ!」
「ナッ!?」
見切り、反撃。
背の死角を海中より奇襲しようとしたイールガイズは逆に驚かされる側となった。
粘液を放とうと開いた口へ、何の気なしに飛んできたのはナイナの逆手の『マジックグレネード』。吐き出しかけの粘液に飲み込むことも吐き出すこともできず……爆発!
「あら、小間切れになってしまいましたわ。せっかく捌いてあげようと思いましたのに」
「そいつは残念だ。だったら私が礼儀を教えてやるか」
沈んでいく不運な海賊を一瞥した海賊と令嬢は軽妙な寸劇をかわし、反撃から突撃へと移る。『野郎ども、容赦なく斬り込め!』とクローディアの剣が飛ぶ。妖精の力を剣へと変え、ナイナの斬撃が冷徹に飛ぶ。
「妖武凱閃! 妖精と斬り結ぶ剣の舞!」
「ウナナナナナナナッ!」
宮廷舞踊の如く足踏みと連携が力任せのカトラスをねじ伏せていく。
苦し紛れに吐かれた粘液網が裂かれて海へと落ちるより早く、『フェアリーフェンサー』の剣舞はウナギを一尾、捌き終えていた。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【エアライド】LV1が発生!
【飛翔】がLV2になった!
効果2【命中アップ】がLV2になった!
【ダメージアップ】LV1が発生!
レオアリア・フォルシオン
さぁ、このパラドクスを使いましょうか!
水面走行と水中適応を使い、三次元的に海上と海中を自在に移動しながらパラドクスを起動
征竜真剣『ゲオルギウス』を膨大な水を一つの刀身に収納・凝縮し形作られた『水の聖剣』へと変換し、膨大な質量と魔力量を有した刀身に内包された大量の水を生成
無数の水の聖剣を作り操作しながら巨大な水属性の攻性魔術防壁を創り出して攻撃していくわ
命中アップ、能力値アップ、ガードアップで攻防の性能を引き上げながら『水の聖剣』のパラドクスとなったゲオルギウスを振るってアビスローバーを切り刻んでいくわ
粘膜を使って攻撃を避けるなら、ウォーターカッターでその粘膜ごと断ち切りましょう!
摩擦力が意味を成さない攻撃で敵のパラドクスを攻略し、そのまま反撃
ゲオルギウスを振るって斬滅していく
これがアロンダイトの力ね……ランスロットを撃破した力
その事に満足しながら『水の聖剣』を振るっていくのであった
峰上・悠凪
アドリブとか歓迎だよ
目的地まではまだまだ遠い…こんな所で止まれないよね。
「敵が、来たね…それじゃあ、斬ろっか…」
茜丸を抜き海賊船の甲板で敵が来るのを待ち構えて、制圧しようと海上から跳躍して飛び乗ってきたのを斬ることにするね。
なんというか、海上で戦うより船の上のほうがしっくり来るんだよね…まあ、パラドクスの効果があるから問題はないんだろうけどね。
戦闘では「我流・飛蝗撃」を使っていくよ…
敵はまず粘膜を網状にして放ってくるんだよね?
網に当たれば粘膜まみれで動きにくいし、躱しても辺り一面が粘膜で覆われたら刀を使うこっちとしてはやりづらい…
だから初手でいきなり跳躍すれば、厄介な粘膜を無視して不意打ちみたいな感じで敵を斬ることができると思うんだよね。
最初の一撃の後も、甲板の上を跳躍しながら一撃離脱で敵を襲い続けるよ。
反撃の斬撃は茜丸を構えて受け防御しようと試みてみるね。
敵は舶刀を力任せに振るう…それなら多分斬り下ろしとか袈裟斬りみたいな斬り方だと思うから、そういう動きに備えておけば対応もできるかな?
「敵が、来たね…それじゃあ、斬ろっか…」
ナイナたちの迎撃を迂回して揚陸する『イールガイズ』に甲板で迎え撃つのは峰上・悠凪(無口な剣術少女・g00211)の姿。
目的地まではまだまだ遠い。こんなところで止まっている暇はないし、なにより……。
「よーしよしよしよくやった諸君! 諸君らの貢献、勇猛果敢! 獅子奮迅! 精悍迅速、報いるともさぁ行くぞ!」
「探すまでもないのはありがたいけど、もう少し黙れないのかしら……あぁマグロだったわね」
レオアリア・フォルシオン(フォルシオン統一王朝初代皇帝『征龍帝』・g00492)も呆れる声は水中から迫る指揮官『『勧告者』ディエゴ・デ・アルマグロ』の早口。やはり喋らないと死ぬのだろうか?
サメ映画さながらにかざしたサーベルだけが覗く姿は珍妙だが、何せマグロだ。彼奴が仕掛ける隙を乱す前に、迅速に雑兵を処理しなければ船が危ない。
「なんというか、船の上のほうがしっくり来るんだよね……だから」
「ナギッ」
放たれる粘液網に意識を戻し、悠凪は跳躍で回避する。
選ぶべきは空中戦だ。船上は個体で狭い、『キャッチャーイールスラッシュ』を回避しても床に残った粘液網は罠として機能するかもしれない。
「サキィッ!」
「やっぱり、そう使うんだ」
着地するギリギリを狙う振り下ろしを横っ飛びに『エアライド』で回避。予想通り、イールガイズのカトラスは筋力を生かした袈裟斬り……縦の軌道だ。
重い斬撃は余波だけで『戦闘用道着』の裾をほつれさせるが、見切るのはたやすくどうということはない。
「油断、したね。……斬り裂くよ」
「ウマキッ!?」
切り裂かれたのは側方を包囲するイールガイズ。二度目の跳躍の勢いを使った変則的な『我流・飛蝗撃』は、切り結ぶ距離にないはずの敵兵を一瞬で両断、舷側ギリギリまで一撃離脱。
瞬間移動めいた悠凪の機動へをイールガイズたちは慌てて追うが、今度はそれが運の尽きだ。
「復元せよ、我が歴史。それは水を以て防衛を司る盾なる聖剣の歴史――」
厳かに響く詠唱。いったい何が起きている?
マグロの長を警戒していたはずのレオアリアが深紅の剣を、『征竜真剣『ゲオルギウス』』を掲げている。海が逆立ち、潮の流れを外れて波が渦を巻く。
「その復元を以て我は水の巨壁を剣とし、攻防一体で敵を斬滅しよう」
「イィーッ!」
何かがまずい。何体かのイールガイズが粘液をサーフボードに『スリップイールストライク』で抵抗するが、立ち上がる巨大な水属性の攻性魔術防壁……海そのものには抗えない。抗えるはずがない。
『聖なる流れは、剣の中に湖畔の如く内包されている』
それはレオアリアの新たな力。愛剣である征竜真剣『ゲオルギウス』は膨大な水を一つの刀身に収納・凝縮し、水の聖剣へと変わる。
「この『世界』に、摩擦力は意味を成さない」
無慈悲な宣告は無数の水の聖剣へと変わり、船上へと到達する。粘液の盾ごと貫かれたイールガイズがわずかな生き残りと共に一目散に逃げだしていく。
「これがアロンダイトの力ね……ランスロットを撃破した力」
「船上の敵は片付け終わった。後は……」
初にして一仕事を終えて満足げなレオアリアに告げる悠凪。
その目に映るは迫るマグロの脅威。二人は再び再び愛剣を構え、水面下へと向き直った。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【水面走行】LV1が発生!
【飛翔】がLV3になった!
効果2【反撃アップ】LV2が発生!
クローディア・ベネット
ははん、アルマグロだからマグロ……って、スペイン人を元にして日本語の洒落なのはおかしいだろ?
まったく、見た目はふざけてるが、ああも活きのいい野郎は厄介だね
私達の船に手を出した落とし前をきっちり付けさせてもらおう
今のアルマグロは私達の船と甲板上の復讐者に注目している所と見た!
ならば【水中適応】で潜水し、海中に身を隠して接近しよう
静かに泳いで敵を視界に捉えたら『命奪いの不意打ち』を叩き込むよ
背後から敵の首を狙い、鰓蓋の内側に≪船長のサーベル≫の切っ先を突っ込んでやる
たっぷりと血の廻った柔らかい部分を刃で貫き、かき回し、深い傷を負わせるよ
あんたが本物のマグロだったら、もう少し丁寧に血を抜いてやったんだがね!
演説に対して水中に留まり、身体の側面を向け片耳を塞ぐことで耐えるよ
敵に向けない方の手は油断なくサーベルを握り続け、凌いだらすぐ再度の攻撃に移れるように
人間の声が発する高周波は水中では聞こえづらく、現代の水中通信機は低周波帯を使う……らしい
パラドクスとはいえ、多少は聞こえなくなりゃ儲けものだね
一里塚・燐寧
わーお。マグロのクロノヴェーダってエルドラードにもいたんだ?
エジプトには、ナイル河が縄張りなのにマグロ出してくる変な奴がいたんだよねぇ
いやー、忘れられない思い出だよぉ
……あいつらみたいに、あのマグロも思い出にしてあげなきゃねぇ
【水面走行】状態で船から飛び出してマグロくんと戦うよぉ
≪テンペスト・レイザー≫を構え、身を低くした姿勢からの爆発的踏み込みで肉薄して放つは『呪式:粉骨砕神』!
回転斬りで強かに叩きつけた分厚い刀身で敵の鎧を砕き、その内側に回転鋸刃を届かせるよぉ
ギャリギャリ削り斬って、マグロくんをぶった斬ってあげちゃおう
あははぁ!寄ってらっしゃい見てらっしゃい、楽しいマグロ解体ショーの始まりだよぉ!
相手の技で浮き上がってくる宝は、得物を巨大なラケットのように振るって打ち返しちゃおう
対応しきれずに衝突が避けられない分は≪拒絶の呪力≫で勢いを弱め、ダメージを軽減するよぉ
ねぇ、大事な宝物を武器にしちゃうって海賊としてどうなのぉ?
あ。名前的にはコンキスタドールだっけ?
「ふはははははは! 遅い!遅い! いや早すぎる! 船明け渡すなら今のうちィ!」
「わーお……マグロのクロノヴェーダってエルドラードにもいたんだ?」
イールガイズたちが船上拠りけり出されるまさに最中、怪音めいた早口を上げる『『勧告者』ディエゴ・デ・アルマグロ』に一里塚・燐寧(粉骨砕身リビングデッド・g04979)は困惑と呆れ半分でクローディア・ベネット(黒き旗に矜持を掲げて・g10852)と顔を見合わせていた。
「他所にもいんのかよ、マグロ……って、スペイン人を元にして日本語の洒落なのはおかしいだろ? アルマグロだからマグロって!」
「エジプトには、ナイル河が縄張りなのにマグロ出してくる変な奴がいたんだよねぇ。いやー、忘れられない思い出だよぉ……あいつらみたいに、あのマグロも思い出にしてあげなきゃねぇ」
懐かしいとは言い難い顔で十字剣『テンペスト・レイザー』を起動する燐寧の心中を察してか否か、早口は勢いを増して飛び込んでくる。いや『超速降伏勧告』だけではない。
「そう! マグロ! マグロ! 我こそアルマグロ! コンキスタドールなり!」
「おい、なんか浮上してきたぞ!? 宝箱!?」
声とともに浮き上がってくるのは幾つもの宝箱、余りの異様さにクローディアも身構えた瞬間、それはミミックが如く勝手に口を開け、財宝を叩きつけてくる!
「ねぇ、大事な宝物を武器にしちゃうって海賊としてどうなのぉ?」
「回収すれば、ヨシッ!」
「よくねぇよ! おわっ!」
『テンペスト・レイザー』を巨大なラケットのように振るって打ち返す燐寧だが、アルマグロが突っ込むほどに共に数を増す。金塊がクローディアを跳ね飛ばして沈んでいく。
巨大な螺旋を描いて浮上しながら詰めてくるアビスローバーはディアボロスたちを飲み込む渦潮だ。
「いやそも、名前的にはコンキスタドールだよねぇ?!」
「そうだったかな! いやさて似たようなものであろうとも!」
核心を突く失礼な言説に燐寧は食いしばり、爆発的な踏み込みで応じた。
低く構えた真上を宝石や王冠、アクセサリがビュンビュンとかすめていくが、リターナーの少女は揺るがない。
「これで、決まりだよぉっ!!」
「ツナァァァァァーッ!?」
波を切って振り抜くは『呪式:粉骨砕神』。たとえ【水上歩行】が支える海上だろうと、火薬が爆ぜるような縮地の音は変わらず叫ぶ。
踏み込みの遠心力を乗せた竜殺しの回転蹴りは水中の抵抗をものともせず、螺旋を描くアルマグロを打ち上げた。
「あんたが本物のマグロだったら、もう少し丁寧に血を抜いてやったんだがね……!」
「トロッ! ナナナナナ、何がどうしてどうなってる!?」
裂けた甲冑から胸ヒレを露わに飛んでいくアルマグロ。宙を逃れることでチェーンソーの解体を逃れたクロノヴェーダだが、それも想定内。
既に砕かれた鎧の下柔肉には、クローディアが『船長のサーベル』を突き立てられていたのだから。
「あんたと同じだよ。私達の船と甲板上の復讐者じゃないかい? やかましい早口も水中ならまぁ、大したことなかったね」
派手なばかりが海賊のやり方ではない。一撃を食らいながらもクローディアは『水中適正』を生かして身を潜らせ、絶好の機会に『命奪いの不意打ち』を叩きこんだのだ。
「オーダーは切り身か? ネギトロか? どちらにしろ……固い鰓蓋は抜いてやらんとなぁ!」
「あははぁ! 寄ってらっしゃい見てらっしゃい、楽しいマグロ解体ショーの始まりだよぉ!」
グリグリとねじ込まれ悲鳴をあげるアルマグロへと燐寧が楽しそうににじり寄る。
ディアボロスたちの反撃は今、始まった。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【防衛ライン】LV1が発生!
【セルフクラフト】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV3になった!
【反撃アップ】がLV3になった!
峰上・悠凪
アドリブ歓迎だよ
ウナギのトールプスはいなくなったかな……?
じゃあ、残るは指揮官のマグロだけ……アヴァタール級だし剣の腕も相当みたい……油断なく斬らないとだね……
敵は一人になったし、ここからは【水面走行】を借りて海上に降りてで戦っていくよ。
海上では茜丸を構え接近し、【透徹流・鉄甲断】を使った斬撃を放つね。
指揮官だけあって豪華な鎧を着てみたいだけど、問題はないよ……
精神を集中し一刀で鎧を着た武者だろうと両断するからこその鉄甲断。体を守る甲冑ごと斬り裂くよ……
敵の連撃に対しては脇差しの波断を抜いて二刀流で防御するよ。
敵の素早い斬撃に対処するなら、打刀よりは小回りの効く脇差しを組み合わせたほうが効果ありそうだもんね……
舶刀での連撃……刀身は短いけどその分斬撃の軌道は変幻自在。惑わされないように集中しなくちゃだね……
受けきれなさそうの攻撃は「ガードアップ」を使いつつできるだけダメージを抑えるようにして凌いでいくよ。
ナイナ・ヴィラネスティズム
SPD
味方との協力・連携・アドリブ可
ネメシスモード「覆面ドライバー717号」発動!
水上・水中戦では水中適応・水面歩行を使用
覆面の上に天狗面、ドレスを宙に放り投げ下に着ていたボディスーツを露わに、そしてネメシスモードの力で発現した赤いマフラーをたなびかせて高所から敵に向かって口上
フハハハハ!
地獄から来た使者『覆面ドライバー』とでも名乗らせていただきますわ
今からお刺身にして差し上げますわね!
基本はヴィラネストアーツによる拳撃と蹴撃を臨機応変に使い分けた白兵戦
身に纏う胸甲を拳の貫通撃で凹ませ、
拳撃を見舞うと見せかけた蹴撃(逆も然り)といったフェイントを交えながら徒手空拳の連撃を加えていく(ダメージアップ活用)
必殺の一撃と反撃時にはジャンプからの顔面に三発食らわせる正拳突きをお見舞い
『ヴィラネスト・爆弾パンチ!』
敵からの斬撃にはガードアップ込みでの妖精刀による防御で受け流すか、エアライド活用で宙を飛んでのジャンプ回避からのマジックグレネード投擲爆破による相殺
●マグロを振り切れ
「ウナギのトールプスはいなくなったかな……? じゃあ、残るは指揮官のマグロだけ……」
駆け付ける峰上・悠凪(無口な剣術少女・g00211)は言葉を切り、『水面走行』で降り立った洋上を二度見した。
「フハハハハ! 今からお刺身にして差し上げますわ!」
「誰だお前は!?」
「地獄からきた使者、覆面ドライバー717号見参!」
ピチピチとはねる『『勧告者』ディエゴ・デ・アルマグロ』の前に降り立つのは、覆面の上に天狗面。
宙を舞うドレスの下には露わなボディスーツ。ネメシスモードの力で発現した赤いマフラーをたなびかせた姿……ナイナ・ヴィラネスティズム(凱閃令嬢・g00383)のネメシス形態だ!
「……剣の腕も相当みたい。油断なく斬らないとだね……」
「もっという事ないアルない!?」
そっと視線を外した悠凪は『茜丸』を構え直し、精神を集中することにした。いや実際、アルマグロの『激流剣』は油断のならない相手なのだ。何か向こうも同じ方に視線を外したような気がするけれど、それはそれ。
「受けよ攻めよ切り裂け激流! キエェェェェーッ!」
「早い……!」
矢継ぎ早に繰り出される強烈な連斬を【ガードアップ】された『剣士の籠手』で受けるも、流し切れぬ威力が深々と切り裂く。なおも滑るカトラスは道着を切り裂き『さらし&ふんどし』へと弾けた水染みを残すほど。
「でしたら! 拳に込めるは怒りの打擲!」
「グロワーッ!?」
しかし負けてはいない。危機に割り込むは覆面ドラ……ナイナの『ヴィラネストアーツ』。
姿からは全く想像もつかない強烈な貫通撃が【ダメージアップ】を乗せ、アルマグロの胸甲を無残に凹ませていく。
「指揮官だけあって豪華な鎧を着てるみたいだけど……問題はないね」
流れに押し流されそうなのを踏ん張って、今度は悠凪が反撃を変わる。衝撃から立ち直った逆手で抜くのは脇差『波断ち』。その鞘から柄に描けて塗られた藍色が尾を引いて伸びる。
「小回りの効くこれなら……!」
「なんと猪口才! 小細工などとっ!」
器用に鼻で笑うアルマグロだが、変幻自在に切り上げる激流剣に藍色の殺気は確かに追いついた。
水上を、空を羽ながら火花を散らす三振りの刀。二刀流と海賊剣の激突は、鍔迫り合いから悠凪の十字受けをもって膠着する。
「ナイナ!」
「隙ありっ!」
動きを止めた瞬間が勝機。
狙いすましたナイナの回し蹴りが二人に割り込む。カミソリめいた軌道の足がカトラスを空高く跳ね飛ばす。
「シマッ……」
「斬撃、一閃……行くね」
八相に構えた悠凪の剣は勝機を逃さない。カトラスへと伸ばされたアルマグロの腕に『波断ち』を突き立てて妨害。空いた手を戻すや振り上げた『茜丸』を上段から両手持ち、袈裟に切り裂く『透徹流・鉄甲断』
「マッ、マグ……」
精神を研ぎ澄まして放つ斬撃は鎧武者すら両断するという透徹流、その剣技を穴の開いた鎧が耐えられるはずもない。
残心をとる悠凪とナイナの前、能力の切れたマグロの切り身は海へと没していく。
「これにて一件落着……と言いたいところですけれど」
「まだ一つ、切り残してる」
戦いの最中も勢いを止めぬ海賊船は目と鼻の先。
逃げ出したイールガイズか、あるいは船に残ったアビスローバーがまだいるのか? どちらにせよ、さっさと追い払うがよさそうだ。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【一刀両断】LV1が発生!
【託されし願い】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV4になった!
【ダメージアップ】がLV2になった!
クローディア・ベネット
ふう、全員捌いてやったな
この海域は晴れてサメの大宴会場に決定だ!(波間を漂う切り身に目をやる)
敵の船は……まだ狙える位置だね
よし、もう一仕事と行くよ
舐めてかかってきた連中には、私達を相手取る恐ろしさをたっぷり教育してやらなきゃね
パイレーツとして培った経験と知識を活かして、仲間が攻撃する間は舵輪を握って操船を行う(もしくは手伝う)よ
敵の船を見失わない程よい距離を維持
船が攻撃を食らった時は損傷箇所をすぐ把握し、浸水や出火があれば手が空いている者で(状況によっては自分で)応急処置するよ
当世風に言う所のダメージコントロールってやつだね
自分の攻撃時は盛大に砲撃を仕掛けていこうか
――『野郎ども、全ての砲門を開け!』
召喚した海賊の霊と大砲を甲板上にずらりと並べ、敵船にぶどう弾の雨あられをお見舞いしてやるよ
飛び散る無数の弾でマストや索具にダメージを与え、甲板を削ってやろう
反撃してくるのはウナギ野郎か?
なら≪ピストルセット≫の一丁で粘膜網を撃ち落とし、カトラスはまた≪船長のサーベル≫で受け止め弾いてやるよ
峰上・悠凪
アドリブ歓迎だよ
後は敵の海賊船をどうにかしなきゃだね……
船……斬ったことはないけど、とりあえずやってみるよ。
構造とかはあんまり詳しくないんだけど。重要そうな部分とかを攻撃したらダメージありそうだよね。
船なら方向を変えるための舵が付いてるはずだし、そういう所を重点的に斬ってみるね……
完全に破壊することができなくても損傷を与えれば修理にための時間が必要になりそうだしね。他にいい案も思い浮かばないしとりあえずやってみようかな……
まずは【水中適応】を使って海中から海賊船に接近して、舵がついている部分を探すね。
舵を見つけたら静かに近づいて【透徹流・鬼力充満】を発動して茜丸を使って舵の部分を攻撃してみるよ。
敵の船はまだ動いてるし、時間をかけ過ぎたら反撃がある……だから、いつもより力を発揮できるようになる鬼力充満を使って一撃に賭けるっていうやり方が良さそうだと思うんだよね……
本当なら、船体を真っ二つに斬ってみたいけど、まだまだ未熟で到底無理……残念。
いつかやってみたいな……
●海賊船との戦い
「ふう、全員捌いてやったな……この海域は晴れてサメの大宴会場に決定だ!」
「後は敵の海賊船をどうにかしなきゃだね……」
からからと笑うクローディア・ベネット(黒き旗に矜持を掲げて・g10852)の後を継いだ峰上・悠凪(無口な剣術少女・g00211)が指し示すのは残る強敵、海賊船。
揚陸部隊のアビスローバーは撃破したといえ敵の母船である海賊船は素早く、健在。このまま追撃戦を続ければ血染めの海域を波が洗い流すが如く第二第三のマグロ……かはわからないが、刺客が差し向けられるだけだろう。
「船……斬ったことはないけど、とりあえずやってみるよ」
「まぁ待ちな。サシミの切り方のように、ものにはやりようって奴がある」
ここでディアボロスは担当を二手に分ける事にした。
返す刀で海賊船まで切り込む悠凪、砲撃戦に備えて船の舵を取るクローディア。二人は手短に作戦を打ち合わせ、水中と水上、両面作戦を開始する。
「敵の船は……まだ狙える位置だね。よし、もう一仕事と行くよ」
陽光に輝く肌と同色の海賊旗を掲げ、クローディアは舵輪をにぎる。普通の船舶とは感覚が違うが、エルドラード出身でパイレーツとして経験と知識を培った彼女にはさしたる問題ではない。
仲間たちの奮戦もあって現在のところは船舶に損傷なし。速度では未だ負けているも、それは悠凪が解決してくれるはずだ。
「舐めてかかってきた連中には、私達を相手取る恐ろしさをたっぷり教育してやらなきゃね。始めるよ!」
クローディアが語り掛けるのは操る船と仲間だけではない。
確かにそこにいる、英霊たちの魂にだ。
『野郎ども、全ての砲門を開け!』
死の気配が揺らめけば、甲板にずらりと並ぶ半透明の砲台たち。クローディアのパラドクスが呼び起こした道半ばで倒れた海賊砲手たちの魂だ。
「戦利品が残らなくたっていい。後腐れなく消し飛ばせ!」
「あれほどの火力を用意したのか!? 応戦しろ!」
炸裂する轟音。砲撃戦の応酬は、海中を進む悠凪の耳にも届くほどだ。
「はじまった。後部に舵板、だったよね……今のうちに」
クローディアからレクチャーされた帆船の構造を思い出し、【水中適応】で悠凪は潜む。
アビスローバーたちも立て続けの攻撃で忙しいのだろう。砲弾が飛び込む海へとわざわざ迎撃にくる気配はない……それこそが二人の真の狙い。
「見つけた」
斬るべきは船体から長く伸びた操舵のための整流板。クロノオブジェクトと推される海賊船でも、可動する小さなこの部位ならば。
「豪力で、一気に行くよ……!」
心に浮かべるは鬼の如き力強さ。悠凪は携えた『茜丸』を一気に抜き放ち、体中に巡らせた気を両腕へ、そして刀へと伝達させて、切る。
『透徹流・鬼力充満』
大岩すらも両断する一閃が舵板を打つ。きしませ、歪め、切り開く。
「よし……やったね、悠凪! 野郎ども、全速前進!」
巨大な船体にはあまりに小さい傷跡なれど、追撃戦では致命の一打。如実にふらつき、船側を失っていくアビスローバーの海賊船を笑い、クローディアは労いの声を海面越しに悠凪へとかけた。
これでしばらく……舵板の修理が済むまでは敵も追いつけはしないだろう。
「本当なら、船体を真っ二つに斬ってみたいけど、まだまだ未熟で到底無理……残念」
ただ悠凪としてはまだ不満の戦果。
いつかは一刀両断……改めて目標を呟きながら、無口な剣術少女はすっかりきれいになった海から飛び出していった。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
効果1【動物の友】LV1が発生!
【怪力無双】LV1が発生!
効果2【命中アップ】がLV5(最大)になった!
【能力値アップ】がLV2になった!