🚊死の歴史を覆せ

 宿敵主、あるいは、宿敵主に意志を託してくれた過去の時代のディアボロスが、クロノス級(宿敵)に殺された時に戻り、クロノス級を撃破して死の歴史を覆します。
 なお、クロノス級を倒して死の歴史を覆しても、宿敵主のディアボロスとしての能力に悪影響が出ることはありません。

『襲われる被害者と、宿敵主が同一人物』で、『宿敵主が宿敵との戦闘の現場に現れる』と、襲われている被害者(この時代の宿敵主)が消え、その位置に宿敵主が瞬時に移動してしまいます。
 上記の現象が発生した場合、戦闘終了後に宿敵主がパラドクストレインに乗った時、被害者(この時代の宿敵主)がパラドクストレインの外に出現します。ですので、比較的安全に被害者を救出することが出来ます。
 宿敵主が同一人物では無い場合や、シナリオに参加しなかった(またはプレイングが採用されなかった)場合、この現象は発生しません。

紫の靄(作者 水上ケイ
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#宿縁邂逅  #🚊死の歴史を覆せ 


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#宿縁邂逅
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#🚊死の歴史を覆せ


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『その身を焼き、その命を我が身に捧げよ!』
 紫怨竜エンディヴァーがファギー・ルヴァン(明けぬ夜森の魔法つかい・g00880)の育った、山間部の村を襲ったのは、ファギーが10歳の時だった。
 ファギーにとっては12年前のことだと本人は言うが、もはや年数を数えるのは詮無いことかもしれない。
 この事件が起こった頃、幻想竜域キングアーサーディヴィジョンでは歴史の改ざんが最終段階に進み、クロノヴェーダ達は情け容赦なく抵抗する村を焼き払っていた。

 10歳のファギーは2歳下の弟、ディル・ルヴァンと共に命からがら逃げだした。二人を逃がしてくれた両親がどうなったか、考える余裕はなかった。
 村を手下の穿孔竜ワームに襲わせた上で、紫怨竜エンディヴァーは逃げる二人を発見し、舞い降りてきた。
「そこの娘、我が贄となれ」
 このとき自分が目をつけられたのは、その魔力をくらうためであったのだろうとファギーは述懐するが、ともかく、絶体絶命の窮地で彼女を救ったのは、幼い弟だった。
 ファギーを思い切り木立の奥へ突き飛ばして、幼い手をひろげ、とおせんぼするようにドラゴンを遮ろうとした。
「ねーちゃん、俺は大丈夫! 後から追いかけるから!」
 その言葉がファギーの記憶に悲しみとともに残る。
 時をおかず、幼い姿が竜の炎に焼かれるのをファギーは見た。


 古宮・泉美(MOMO・g03355)はとあるパラドクストレインの前で、皆を待っていた。
 そして、「いらっしゃい。これは特別なパラドクストレインなんですよ」と話し出した。

 このパラドクストレインで、クロノス級が活動していた過去の時代に向かい、クロノス級と決着をつける事が出来る。クロノス級を撃破すれば、新たなアヴァタール級の出現を抑えられる。

「このトレインは、ファギー・ルヴァン(明けぬ夜森の魔法つかい・g00880)さんの宿敵、クロノス級の紫怨竜エンディヴァーが活動する時代へ向かいます。もう奪還を終えましたが、幻想竜域キングアーサーディヴィジョンの過去で、クロノヴェーダによる歴史改ざんが最終段階を迎えたころになります」
 そう説明してから、泉美は今回の依頼の目的を告げる。
「今の歴史では紫怨竜エンディヴァーは、ファギーさんの弟のディル君を殺害してしまっていますが、どうかこれを阻止してください」
 そしてクロノス級の撃破をと、泉美は皆に話す。

 続けて泉美は、今回の事件の詳細を説明した。
「まずは、ディル君をなんとか救いだしてください。皆さんは紫怨竜エンディヴァーが襲いかかってくる直前に、介入することができます。現地で会話や相談する猶予はないと思うので、とにかく行動をお願いします」
 現地は森の中の小道で、ドラゴンは空から襲い掛かってくるようだ。
「最も、皆さんの姿を見れば、すぐに紫怨竜エンディヴァーはその力を察して優先して排除すべきと判断し、攻撃目標を変えてくるはずです。その隙に協力して、何とか逃がしてあげてください」
 その後は、どう事件を解決するかはある程度現場に委ねますと泉美は言った。
「余力があれば村を襲った穿孔竜ワームを退治するなり、あるいは、情報収集はできませんが、紫怨竜エンディヴァーに言いたいことがあれば会話も可能でしょう」
 きっちりやってほしいのはクロノス級の討伐だけだと泉美はお願いした。
「紫怨竜エンディヴァーを討伐すれば、この事件は解決します」

 それから泉美は集まった皆の顔を改めて見た。
「私からはそれだけです。このチャンスをいかしてぜひ成功させてください」
 それから思い出したようにひとつ付け加える。
「クロノス級を撃破すると、クロノス級の支配する歴史が崩壊するので、すぐに脱出する必要がありますから」
 そう念を押して、皆をパラドクストレインへと見送った。
「気を付けていってらっしゃい。望みどおりに、事件が解決するよう祈っています」


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●残留効果

 残留効果は、このシナリオに参加する全てのディアボロスが活用できます。
効果1
効果LV
解説
【飛翔】
2
周囲が、ディアボロスが飛行できる世界に変わる。飛行時は「効果LV×50m」までの高さを、最高時速「効果LV×90km」で移動できる。
※飛行中は非常に目立つ為、多数のクロノヴェーダが警戒中の地域では、集中攻撃される危険がある。
【未来予測】
2
周囲が、ディアボロスが通常の視界に加えて「効果LV×1秒」先までの未来を同時に見ることのできる世界に変わる。
【強運の加護】
1
幸運の加護により、周囲が黄金に輝きだす。運以外の要素が絡まない行動において、ディアボロスに悪い結果が出る可能性が「効果LVごとに半減」する。
【フライトドローン】
1
最高時速「効果LV×20km」で、人間大の生物1体を乗せて飛べるドローンが多数出現する。ディアボロスは、ドローンの1つに簡単な命令を出せる。
【避難勧告】
1
周囲の危険な地域に、赤い光が明滅しサイレンが鳴り響く。範囲内の一般人は、その地域から脱出を始める。効果LVが高い程、避難が素早く完了する。
【友達催眠】
1
周囲の一般人を、誰にでも友人のように接する性格に変化させる。効果LVが高いほど、昔からの大切な友達であるように行動する。
【泥濘の地】
1
周囲の地面または水面が泥濘に変わり、ディアボロスは指定した「飛行できない対象」の移動速度を「効果LV×10%」低下させられるようになる。
【熱波の支配者】
2
ディアボロスが熱波を自在に操る世界になり、「効果LV×1.4km半径内」の気温を、「効果LV×14度」まで上昇可能になる。解除すると気温は元に戻る。
【冷気の支配者】
1
ディアボロスが冷気を自在に操る世界になり、「効果LV×1km半径内」の気温を、最大で「効果LV×10度」低下可能になる(解除すると気温は元に戻る)。ディアボロスが望む場合、クロノヴェーダ種族「アルタン・ウルク」の移動速度を「効果LV×10%」低下させると共に、「アルタン・ウルク」以外の生物に気温の低下による影響を及ぼさない。
【光学迷彩】
1
隠れたディアボロスは発見困難という世界法則を発生させる。隠れたディアボロスが環境に合った迷彩模様で覆われ、発見される確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【モブオーラ】
1
ディアボロスの行動が周囲の耳目を集めないという世界法則を発生させる。注目されたり話しかけられる確率が「効果LV1ごとに半減」する。
【断末魔動画】
1
原型の残った死体の周囲に、死ぬ直前の「効果LV×1分」に死者が見た情景が動画として表示される世界になる。この映像はディアボロスだけに見える。
【植物活性】
3
周囲が、ディアボロスが指定した通常の植物が「効果LV×20倍」の速度で成長し、成長に光や水、栄養を必要としない世界に変わる。
【温熱適応】
1
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」が、クロノヴェーダを除く全ての生物が、気温摂氏80度までの暑さなら快適に過ごせる世界に変わる。
【使い魔使役】
1
周囲が、ディアボロスが「効果LV×1体」の通常の動物を使い魔にして操れる世界に変わる。使い魔が見聞きした内容を知り、指示を出す事もできる。
【書物解読】
1
周囲の書物に、執筆者の残留思念が宿り、読むディアボロスに書物の知識を伝えてくれるようになる。効果LVが高くなる程、書物に書かれていない関連知識も得られる。
【パラドクス通信】
2
周囲のディアボロス全員の元にディアボロス専用の小型通信機が現れ、「効果LV×9km半径内」にいるディアボロス同士で通信が可能となる。この通信は盗聴されない。
【寒冷適応】
2
ディアボロスから「効果LV×300m半径内」が、クロノヴェーダを除く全ての生物が、摂氏マイナス80度までの寒さならば快適に過ごせる世界に変わる。
【アイスクラフト】
1
周囲が、ディアボロスが、一辺が3mの「氷の立方体」を最大「効果LV×3個」まで組み合わせた壁を出現させられる世界に変わる。出現させた氷は通常の氷と同様に溶ける。
【防衛ライン】
1
戦場が、ディアボロスが地面や床に幅10cm、長さ「効果LV×10m」の白い直線を出現させられる世界に変わる。敵はこの直線を突破できず、上空を飛び越える場合、最低「効果LV」分を要する。直線は戦場で最初に出現した1本のみ有効。

効果2

【能力値アップ】LV4 / 【命中アップ】LV4 / 【ダメージアップ】LV4 / 【ガードアップ】LV4 / 【フィニッシュ】LV1 / 【アクティベイト】LV2 / 【先行率アップ】LV2 / 【ドレイン】LV2 / 【ダブル】LV2 / 【ロストエナジー】LV1 / 【グロリアス】LV1

●マスターより

水上ケイ
 水上ケイです。今回はファギー・ルヴァン(明けぬ夜森の魔法つかい・g00880)さんの宿縁邂逅シナリオをお届けします。
 リクエスト有難うございました。

 このシナリオには4つの選択肢があります。
 進行予定は②③ →→ ①④ です。(③①は任意です)

 以下簡単に選択肢の説明です。オープニングも合わせてごらんください。

 ②住民の避難誘導
 この選択肢でディル君を救ってください。
 宿敵主様がご参加の場合、現地の宿敵主様とシナリオ終了まで入れ替わります。
  
 ③👾護衛するトループス級『穿孔竜ワーム』
 村を襲っているトループス級を退治することができます。

 ①クロノヴェーダとの対話 
 こちらは宿敵主さん専用(宿敵主様のご希望があればお友達も可)です。
 情報収集はできませんが、会話ができます。
 必要なければ、④にプレイングをかけてください。

 ④👿クロノス級決戦『紫怨竜エンディヴァー』
 完結条件です。

●宿縁邂逅シナリオですので、宿敵主さんのプレイング提出に合わせてじっくり進行して参ります。 
 
 それではどうぞよろしくお願いいたします。
39

このシナリオは完結しました。


『相談所』のルール
 このシナリオについて相談するための掲示板です。
 既にプレイングを採用されたか、挑戦中の人だけ発言できます。
 相談所は、シナリオの完成から3日後の朝8:30まで利用できます。


発言期間は終了しました。


リプレイ


ファギー・ルヴァン
呼び方は名前+さん
シル→シルちゃん
フィーナ→シアさん

…弟の焼かれた匂いも、音も、悲鳴も…あの時から一度も忘れたことはない。ずっと、ずっと…助けられなかったことを後悔してた。
だから…また会えるって知ったとき、嬉しかった。会わせたい人がたくさんできたから。

ディル、怖い思いをさせて、ごめん。突き飛ばしてくれて、本当にありがとう。
今度は……お姉ちゃんが、助けるから!

トレイン到着と同時に、あの時の私と入れ替わり、コロロとともにディルの元へ駆け寄ります
多分急に大きくなった私を見て驚くと思うから、素直に『私は、12年後の未来から助けに来たお姉ちゃんだよ』って伝えます
あの時握っていた手を、もう一度握り直す。もう二度と離さないように、強く。
一緒に来てくれた仲間たちのサポートを受けながら、ひとまずはディルを安全な場所まで連れていきます。

この毛玉みたいの何って?
…私の、相棒さん。コロロっていうの。
この子と…今一緒に戦ってくれる人たちと、ずっと戦ってきたの。
あの人たちとなら大丈夫。だから、ここで待っててね。


●おねーちゃん
 時が巡る。パラドクストレインが記憶の壁を越えて突き進む――あの、時へ。

 時空の帳がファギー・ルヴァン(明けぬ夜森の魔法つかい・g00880)の中で巻き上がる。
 彼女の瞳は再び懐かしい光を感じ、気づけば、弾かれるように飛び出すコロロのあとを追っていた。
 そこには、ファギーの記憶と寸分違わぬ現実が繰り返されていた。
(「……弟の焼かれた匂いも、音も、悲鳴も……あの時から一度も忘れたことはない。ずっと、ずっと……助けられなかったことを後悔してた」)
 胸の奥でずっと消えることがなかった愛おしい存在と喪失の痛み――本当に、戻ってきたのだ、あの時、に。
(「……また会えるって知ったとき、嬉しかった。会わせたい人がたくさんできたから」)
 だけど、今はまず。
「ディル、こっち」
「えっ?」
「一緒に来て」
 ファギーはもう二度と離さないという様に、強くその手を握って駆け出した――記憶と違って、竜の炎は襲ってこない。
 その代わりに、紫怨竜エンディヴァーは巨大な冷気に動きを阻まれ、突然現れたシルと雪那に妨害されて怒声を発していた。
 歴史は変わった。
 ファギーは弟を連れて夢中で駆ける。
 仲間たちが時間を稼いでくれている間に、ディルを安全な場所まで連れていかなければ。
「だ、誰?」
 息切れに喘ぎながらディルが聞く。
「私は、12年後の未来から助けに来たお姉ちゃんだよ」

 林の奥で、この辺りまでくれば、ひとまず安全だろうと判断し、ファギーは足を止めてディルと向き合った。 
「ほ、本当におねーちゃんなの?」
 うん、と頷いてファギーはディルの瞳をまっすぐに見た。
「ディル、怖い思いをさせて、ごめん。突き飛ばしてくれて、本当にありがとう。今度は……お姉ちゃんが、助けるから!」
 ディルはまだ半信半疑といった顔だったが、こくりと頷いた。
 そしておずおずと聞いた。
「あ、あの。おねーちゃん? この毛玉みたいの何?」
「……私の、相棒さん。コロロっていうの」
 もきゅ、とコロロが挨拶して、ディルは少し笑った。
「この子と……今一緒に戦ってくれる人達と、ずっと戦ってきたの。あの人たちとなら大丈夫。ディルにも紹介したいから。だから、ここで待っててね」
「うん。きっとお迎えに来てね?」
 ファギーは大きく頷いて駆けだした。
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【植物活性】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!

フィーナ・ユグドラシア
※アドリブ、連携ok

歴史改竄の最終段階、ですか。
既に彼の領域は奪還されて最早跡形もなしですが、その記憶までは消えませんからね。
無駄とは言わせません。救える命、この先歩める命があるなら、それを未来に繫ぐまで。

村を襲う集団がどの程度進んでいるのか分かりませんが、一度注意を此方に引き付ける必要がありそうです。
ならば危険は伴いますが、村近辺までは飛翔して急行します。
敵が此方に気付いたら、地表近くに降下して迎撃、敵を村から引き離します。
戦闘中も機動力確保のため飛翔しますが、低空飛行に留めます。

戦闘では『極光の波動』で射撃を行いますが、必要なら村人達を庇いながら戦います。
精霊達やユリウスの力を借りて波動を放ち、炙り出しも兼ねて周辺の地面ごと敵を吹き飛ばしです。
その際、村人達や建物への被害は出さぬよう、村から引き離すように敵を吹き飛ばします。
最優先は村人達を襲う敵、次いで弱った敵。確実に敵の数を減らし、村への被害を抑えます。

敵の突撃には低空で身構え、無理に受け止めずに方向を逸らし、後方へ受け流します。


地鉛・要
アドリブ連携大歓迎

さて、最低限、避難誘導組が皆を避難させるまでこいつの気を引いておかねばならないな。途中で被害が出ては元も子もないし
しっかし、ツチノコみたいなビジュアルしてんな……

まずは敵を村から離さねばならんな。飛行を使って攪乱しよう
羽と輪がぴかぴか光っているからな。良い囮になると良いんだが
他に使えそうな残留効果があれば積極的に囮になるべく使っても良いかもしれないな

地中を潜って攻撃してくるのはホント面倒だな
ああ、面倒だ……だから何処に居ようと関係ない方法を使うとしよう
その太い首を、枝葉を折る様に切り落とそう【血染一輪深雪椿】

別に俺は恨みがある訳でもないし、ただ友達の為に力を貸しに来てる訳だが……
運が悪かったな。未来から俺らが来たという事実がお前らに訪れた末路だ。過去の残骸に沈んでいけ。


 時は少しだけ戻る。
 ファギー達がディルを助けに行くと同時に、トループス級に襲われた村にも仲間のディアボロス達が向かっていた。
 フィーナ・ユグドラシア(望郷の探求者・g02439)と地鉛・要(微睡む双翼・g00242)は、パラドクストレインから飛翔で急行した。
「歴史改竄の最終段階、ですか。既に彼の領域は奪還されて最早跡形もなしですが、その記憶までは消えませんからね。無駄とは言わせません。救える命、この先歩める命があるなら、それを未来に繫ぐまでです」
 フィーナの言葉は決然としていた。青い瞳は今日も、空を映したようにクリアだ。
「うむ」
 要はシンプルに頷き、相変わらずの虚ろな目を目標の村へ向けた。
「あそこだな。……最低限、避難誘導組が皆を避難させるまで敵の気を引いておかねばならないな。途中で被害が出ては元も子もないし」
 そのために、彼らはある程度の危険を承知で飛翔で乗り込むつもりだ。フィーナも同意する。
「ええ。ここで一度注意をこちらにひきつけなければ」
「やるか」
「行きます。気を付けて」
「フィーナも」
 先鋒である彼らは、少なからず敵の攻撃を引き受けることになるだろうが、その程度は想定済みである。
 二つの影はそれぞれの弧を描いて大空から村へ突入した。

●翻る歴史
 眼下に広がる村では人々が逃げまどっていた。
 穿孔竜ワーム達は村の外縁から取り囲むように現れ、人々を追い立てながら手当たり次第に破壊をはじめていた。そのうちの何匹かが首をもたげて新たな標的を認める。

(「幸い、攻撃は始まったばかりのようですね。これ以上は行かせませんよ」)
 フィーナは素早く状況を確認しながら突入し、敵の攻撃に対処しながら、逃走する村人とクロノヴェーダの間を遮るように着地する。
「ユリウス、いきますよ!」
 傍らでダンジョンペンギンのユリウスが頼もしく杖をかざす。
『精霊達よ、どうか、私に力を貸して。共に歌を紡ぎ、その想いをもって極光の導きと成し、我が敵を討ち果たせ……!』
 詠唱に続いてフィーナの美しいパラドクスが発動した。
 ――精霊達の四重奏・極光の波動!
 オーロラが輝いた。フィーナの放った初手が、村人には希望の、クロノヴェーダには絶望の光をもたらして炸裂する。
 地面が爆ぜ、削岩機のように穿孔竜が飛び出してきた。
「シンニュウシャ、ハイジョスル」
 回転する竜の唸るような声が響く。
「……そうはいきませんよ」
 フィーナは低空で身構え、これを後方へ受け流すべくしなやかに動いた。
「こんな掠り傷で怯んでいられませんから。ユリウス!」
 フィーナは地を蹴ってサーヴァントとともに低空を飛翔し、攻撃を続行する。
 この間にも、仲間のディアボロス達が次々に到着してあっという間にディアボロス側が優勢にかわる。
(「最優先は村人達を襲う敵、次いで弱った敵……。確実に敵の数を減らし、村への被害を抑えなければ」)
 再び極光が輝き、フィーナの体に癒しをもたらした。

 要も、フィーナとほぼ同時に敵前に姿を現していた。
 すかさず襲いかかってくる穿孔竜だが。
(「しっかし、ツチノコみたいなビジュアルしてんな……」)
 それが要の、敵への第一印象である。注目を集めたことについては、作戦どおりでもあった。
(「羽と輪がぴかぴか光っているからな。良い囮になったか」)
 要もやはり攻撃を引き受けることになるが、痛いのは仕方なかった。
 敵の攻撃を何とかやり過ごし、要は身を翻す。
(「地中を潜って攻撃してくるのはホント面倒だな……」)
 その背で翼が光をのせて瞬く。 
 土塊を飛ばし、長大な体を躍らせる蛇竜を要は淡々と視る。
(「ああ、面倒だ……だから何処に居ようと関係ない方法を使うとしよう」)
 赤い瞳が標的をとらえた時、要は無情に詠唱する。
 ――血染一輪深雪椿。
 パラドクスがぶつかる。
 穿孔竜が地中から踊り上がってくる。自分を狙ってくるワームの、太い首を要は狙った。首を落とす椿の花のように、呪いの斬撃を撃ち込んだ。
「その太い首を、枝葉を折る様に切り落としてやるよ」
 竜が呻く。
「ナニモノダ?」
「別に、お前に恨みはないさ」
 まざりあった時空で敵と言葉を交わす一瞬、血の花が咲く。
(「俺はただ友達の為に力を貸しに来てる訳だが……運が悪かったな。未来から俺らが来たという事実がお前らに訪れた末路だ」)
 要は屍に小さく言葉を吐く。 
「過去の残骸に沈んでいけ」
 
 そしてフィーナも要も、戦いの中で響き渡る、頼もしい味方の声を聴いていた。
 あれはほぼ同時に突入したはずの、ソラの仕事だった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【飛翔】LV1が発生!
【植物活性】がLV2になった!
効果2【グロリアス】LV1が発生!
【ドレイン】LV1が発生!

ソラ・フルーリア
※連携アドリブ歓迎します!

ファギーの宿縁があんなドラゴンだったとはね。
でも大丈夫!アタシ達はディアボロス、凄惨な過去だって塗り替えられる!
やらない訳にはいかないわよね、ファギー!

さてと、アタシは村の人達の救助ね!
村に着いたら杖兼マイクのレゾネイトで大声を出してワームの気を引こうかしら!
そこから先へは行かせないわ!
アタシ達ディアボロスがみんな倒しちゃうんだから!

相手は地中を進む竜、なら地面の様子をよく「観察」しながら戦いたいわね!
ワームが出てきた穴や盛り上がった箇所なんかは特に注意したいところ!
相手の突撃はマジックシールドで防御してダメージを抑えるわ!

そしたらこっちも攻撃よ!
【心動と先見の低音圧撃!】! 上空から奴らの出てくる地面に向けて重低音を響かせてやるわ!
熱や圧力には強いみたいだけど、音波はどうかしら!
この音はちょっと……いや、結構響くわよ!

もしワームが村民達の元に行こうとしたら、それを【未来予測】で見切ってその個体だけ集中攻撃!
行かせないって言ったはずよ!


ソラ・フルーリア(歌って踊れる銀の星・g00896)も、地上から村へと突入する。
(「ファギーの宿縁があんなドラゴンだったとはね。
 でも大丈夫! アタシ達はディアボロス、凄惨な過去だって塗り替えられる! ……やらない訳にはいかないわよね、ファギー!」)

 ファギーのために、ソラも駆けつけた。最終人類史ではすでに奪還済みのキングアーサーだが、クロノス級の棲む過去は鮮やかに息づいていた。
 目の前で、村を襲う穿孔竜ワームの気を引くために、空中からフィーナと鉛が仕掛けた。
(「さてと、アタシは村の人たちの救助ね!」)
 二人に続き、ソラは青いリボンの杖を手に思い切った策に出た。アイドル業のソラは慣れた手つきとクールなポーズで、さっと杖兼マイクのレゾネイトを構え、大音声の……美声で叫んだ。
「そこから先へは行かせないわ! アタシ達ディアボロスがみんな倒しちゃうんだから!」
 元より気をひくことにかけてはプロであるが、ワーム達の何体かは拍手のかわりに襲いかかってきた。
「来たわね……そこ!」
 ソラは地を蹴り、舞い上がる。空中から、地が盛り上がり、ドリルのように突撃してくるワームに向けてパラドクスを撃った。
『アタシの魅力に動けなくなること請け合いよ!』
 詠唱から大型スピーカーを召喚し魔力を乗せた重低音を放つ。
「熱や圧力には強いみたいだけど、音波はどうかしら! この音はちょっと……いや、結構響くわよ!」
 ソラは白銀のマジックシールドを展開して、ドラゴンの巨体と渡り合った。
「グルルルル……」
 穿孔竜の固い身体に幾筋もの亀裂が刻まれてゆく。
 体液をまき散らしながら痙攣するワームを、タイミングよく姫恋が叩きのめす。傍らでメルキディアの派手な武装も目をひいた。味方は一気にやってきた。
(「仲間が揃ったからには、もう、勝ちはいただいたわよ!」)
 ソラは次の敵を探して穴や盛り上がった地面を警戒した。
 そのうちの一つから別のワームが飛び出すのを目ざとく発見する。
「村民達の方へ行くつもり?」
 言葉よりも早く、重低音がその個体を縛り苛む。すでに手負いだったか、いずれにせよワームはひと跳ねしてダラリと伸びた。
「行かせないっていったはずよ!」
 ……もう聞こえてないか。
成功🔵​🔵​🔵​🔴​
効果1【未来予測】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】LV1が発生!

桜・姫恋
アドリブ・連携歓迎

ファギーの大切な家族や故郷を取り戻すためにも私達は全力で助けるわ!

さて、私達は村を救いましょうか……
村を襲うワームは私達が消し飛ばす!

さて、まずはワームを誘き寄せないとよね……

ねぇ、私の相手してくれないかしら?と《誘惑》するように語りかけ少しでもこちらを向いてくれたら嬉しいけどもし反応なければ仲間たちが誘き寄せてくれた奴を倒すまでよ?

私の言葉は全て刃になるわ
刃に切り刻まれて朽ち果てるといいわ!

逃げようとするやつには刃で《捕縛》しつつ切りつつ《殺気》を放ちより敵を惹き付けて容赦なく《薙ぎ払い》ながら片付けていく

村をこれ以上襲わせはしないわ?
村人や村に被害出そうな時は敵を無視して人命優先で動きつつ安全な場所まで誘導し、安心させるために私達は負けないから信じて欲しいことを伝え再び戦闘へと戻る

これ以上悲しい思いは繰り返して欲しくないからね。救える命は救ってこその私達ディアボロス。
悲しい歴史は繰り返しちゃダメなのよ!!!


メルキディア・セデクリエル
アドリブ・連携大歓迎
SPDパラ使用

キングアーサーは奪還済みだけど、ファギーさんの運命分岐点はそこにある。
なればこそ、その運命を塗り替える為に……友を救う為の戦いへ行きましょう!

村人たちに襲い掛かろうとする穿孔竜ワームに対して意識をこちらに向けさせる為、トレインから出撃したらすぐに海戦装閃機エスコートベッセルを展開。
両機械腕にあるチェーンガンとビームキャノンで牽制射撃しながらワームと村人たちの間に入る様にダイナミック着地するわ。

派手に着地してこっちにヘイトを向けさせたからすかさずロックテンペストによる攻撃が来ると思う。
そこで嵐の天使術式を励起させて飛んでくる土塊とかを嵐を纏った機械腕で振り払って村人達を護る様に防ぎつつ、ワームの本体が来たらエスコートベッセルでキャッチ。
出力をオーバードライブさせてフォーマクス・ハリケーンを発動。
ド派手にジャイアントスイングさせて他のワームにぶつけていったり、【泥濘の地】に放り込んだりしていくわよ!


「ファギーの大切な家族や故郷を取り戻すためにも全力で助けるわ!」
「キングアーサーは奪還済みだけど、ファギーさんの運命分岐点はそこにある。なればこそ、その運命を塗り替える為に……友を救う為の戦いへ行きましょう!」
 桜・姫恋(苺姫・g03043)とメルキディア・セデクリエル(閃機術士のエンジェリアン・g03132)もファギーの為に集った仲間だ。

●消し飛ばせ、穿孔竜!
「さて、私達は村を救いましょうか……村を襲うワームは私達が消し飛ばす!」
「まずはやつらの意識をこちらに向けさせましょう」
 村人をできるだけ救いながら戦うとしたら、有効な戦法のはずだった。
 折しも村からは、ソラの、レゾネイトにのせたアイドルらしい声が響き渡る。
「あそこね」
「仕掛けます」

 メルキディアは地を蹴る。
「試作型海戦装閃機エスコートベッセル展開」
 軽々と逃げる村人達の頭上を飛び越え、敵との間に機械腕から牽制射撃を放ちながらダイナミックに着地する。
 風をはらんで、ポニーテールにした紫の髪が勢いよく跳ね、眼鏡がキラリと光った。琥珀色の瞳に色白の肌、けれどもその身に装着するのはメルキディアが「閃機シリーズ」、大型の「魔導機械兵器」と呼ぶモノである。
 エスコートベッセルの巨大なアームが戦場で異様に映える。華々しい着地は最終人類史ならヒーロー映画を思い出す者もいただろう。
 穿孔竜ワームの気を引くにも十分だった。見るからに明らかな脅威に対して、やはり敵が向かってくる。メルキディアの想定通りの展開だ。敵の一撃を振り払い、メルキディアは攻勢に出る。多少の傷などかまう暇はない。
 ――嵐の天使術式を励起。
『アイオンコード:ザキエル、ドライブ!  熱き怒りの嵐を抱いて、正義の疾風(かぜ)よ巻き起これ!』

 一方の姫恋は即座に戦闘態勢にはいる。連携して動き、ソラの重低音スピーカでやられた手負いの一匹を、冷たい言葉で仕留めた。
「お前は死んで!」 
 そのあとは……おびき寄せる必要もないくらい、ワーム退治に励むことになった。
「ねぇ、私の相手してくれないかしら?」
 サキュバスの姫恋は愛らしいピンク色の魅力をふりまく。
「グオオオオ」
「……ウイヤツ、ダガシネ」
 地から飛び出し、問答無用で襲いかかるワームに、言葉は刃となって襲いかかる。妖しい言葉も愛しい言葉もすべて桜吹雪の刃となってドラゴンを切り刻んだ。
「私の言葉は全て刃になるわ。刃に切り刻まれて朽ち果てるといいわ!」
 優しいピンクの髪、桜や苺柄の装身具は姫恋を夢見るように彩るが、人懐こい性格でありながら、勝気なのも姫恋である。
「逃がさないわよ」
 竜のはしくれだけあって、耐久力だけはあるらしいワーム達。
 仕留めきれなかった一体に姫恋は攻撃を放つ。
「村をこれ以上襲わせはしないわ?」
 姫恋はしなやかに反撃をすり抜けながら、村人を追おうとした一体を跳び越える。
「メルキディア、お願い」
「任せて」
 巨大兵器と見紛うメルキディアの、いつもの爽やかな声音がかえってくる。
(「とにかく、村人達は守るのよ」)
 姫恋が一撃を入れた個体を、メルキディアは引き受けた。ここは村人の方へ絶対に通すわけにはいかない。
 機械の腕がワームを押しとどめるようにグウンと伸びた。土塊や岩石をまき散らして穿孔竜が襲いかかってくる。エスコートベッセルと竜の巨体がぶち当たった。
「捕まえたわよ!」
「グググ……r」
 衝撃を受け止め、刹那メルキディアは出力をオーバードライブさせる。
 ――フォーマクス・ハリケーン。
 巻き起こるパラドクスの嵐とともに固い竜の体を掴み、メルキディアは長大な竜を振り子のように振り回し、上空へとぶん投げた。
 竜の巨体は荒々しく地面に激突する。
 メルキディアは敵を威嚇するように機械の腕を広げ、ワームを追い詰めるように進んでいく。
「私達は止まらねぇぞ!」

 姫恋は一旦戦闘を抜けて、襲われかけてパニックに陥った村人を救助にいった。
「助けに来たの。大丈夫、私達は負けないから落ち着いて逃げて」
 夫婦者らしい二人は藁にも縋る思いだったろう、姫恋の堂々とした言葉に頷いて逃げてくれた。村人を安全な場所まで誘導し、姫恋は改めて戦場に戻る。
(「これ以上悲しい思いは繰り返して欲しくないからね。救える命は救ってこその私達ディアボロス。悲しい歴史は繰り返しちゃダメなのよ!!!」)

 仲間達はファギーの村のために戦った。
 村の外縁で次々に戦いが巻き起こり、救助の手が差し伸べられてゆく。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【友達催眠】LV1が発生!
【防衛ライン】LV1が発生!
効果2【先行率アップ】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!

月下部・小雪
ファギーさんの生まれ故郷を襲うなんて許せま、せん。
そ、それに未来ではドラゴンさん達は全滅、です。過去も未来もドラゴンさんの悪巧みは全部阻止してみせます!

モーラットのコダマやワーム退治にきた味方と連携して、村人の避難活動です。
コダマがワームたちの相手をしている間に、村の外まで誘導、しちゃいます。
足元から急に飛び出してくるかもしれません。地面をよく観察して、飛び出てくる兆候があれば村人さんを庇います!

避難が完了したら、ここからがコダマの本気、です!
地中にいるなら、そのまま蒸し焼きにしちゃい、ましょう。
【モーラット・コミュ・ファイア】に進化したコダマが火魔法で火を纏ったままワームが空けた穴に飛び込みます!
もきゅーと地中を縦横無尽に駆け回りワーム達を地上に追い立てていきます!

※アドリブ連携大歓迎


アルマニア・シングリッド
まさか特攻となった魔術で何度も叩いていたコイツ等と
また戦う事になるとはね
なら、被害を減らす為にも先手必勝ですね

現場に到着次第、高速詠唱で縄沼咬魚を展開
土の質をワーム達も掘り進むのが困難なくらいの硬さにしちゃって
【泥濘の地】と共に喰らぇい!
(不意打ち・地形の利用・時間稼ぎ・拠点構築・攪乱など

あ、もちろん私が召喚する魚竜種砲の大群はまったく影響を受けませんとも
理不尽?空想の勝利と言えー!
(砲撃・弾幕・破壊・粉砕・魔術知識・塹壕堀りなど

早業で検索召喚も使い
被害状況や避難誘導が必要な村人などの情報収集にも余念なくやっていきましょう
【パラドクス通信】で得た情報の共有をしつつ
私はワームの殲滅優先で動きますよ
(観察・看破・偵察など

サフェルは村人さん達の避難優先で
避難誘導してる皆のフォローをよろしくね

連続魔法で縄沼咬魚を戦場を駆けながら絶え間なく展開しつつ
臨機応変にやっていきますよ
(結界術・計略・強打など

ファギーさんとコロロさんは笑顔が一番似合うんです
その為なら前衛に出て走り回りますとも

アドリブ
連携歓迎


 サーヴァントと共に活躍する仲間もいた。

 モーラット・コミュの『コダマ』を連れた月下部・小雪(おどおどサマナーところころコダマ・g00930)と、メーラーデーモンの『サフェル』を連れたアルマニア・シングリッド(魔術センスは未だに壊滅的な元一般人兼空想召喚師・g00802)である。
「ファギーさんの生まれ故郷を襲うなんて許せま、せん。そ、それに未来ではドラゴンさん達は全滅、です。過去も未来もドラゴンさんの悪巧みは全部阻止してみせます!」
 小雪は可愛い拳を握りしめ、傍らでコダマも頬をぷっと膨らませてぷんすかふわふわ。
「もちろんです。被害を減らす為にも先手必勝ですね」
 アルマニアは幾分冷静に、今日敵にぶちかます予定の必殺技のことを考えていた。サフェルは学者肌な感じにフムフム頷く。
「連携していきましょうっ」
「了解です。サフェルは村人さん達をお願いね」

●信頼
 村は混迷を極めていたが、この二人はそれぞれサーヴァントと手分けして村人の救助と敵への対処を行うことにした。
 まずは小雪とサフェルが村人の避難誘導に向かう。
 今回ディアボロス達はいわば人海戦術にものを言わせ、村の被害を最小限にとどめることに成功していた。
 戦闘音を背に聞きながら小雪は走る。
「み、皆さん。こっちです」
 サフェルも、誘導を手伝うべく、小雪を助けて先導する。
「安全な村の外に出ましょう。それまで頑張ってください」
 村の周囲には森が広がっている。そこまで誘導すれば、なんとか被害を受けずにすむだろうと小雪は思う。
「小雪様、こちらの方もお願いします」
 途中で声をかけてきたのはクリスティーナだった。クリスティーナとリーザはモグラ叩きといわんばかりに殲滅作戦を実行していた。
「は、はいっ。こっちですよ」
 小雪はクリスティーナの手から親子連れを預かり、サフェルも彼等をかばうように連れ添った。
 仲間のディアボロス達がこれだけ集まったからには、トループス達を早期に殲滅できるはず、と小雪は確信する。
 もちろん避難誘導中は、警戒は怠らない。
(「ワームが足元から急に飛び出してくるかもしれません。兆候がないか、地面をよく観察してないと」)
 敵が飛び出してくる兆候があれば、すぐに村人をかばうつもりだ。
 小雪は村の外の安全な場所まで村人たちを逃がしたが、果たして、そのあたりには徐々に逃れた人が集まって来ていた。仲間達に助けられたり、庇われて自ら逃げてきた村人たちだろう。
 事件を解決すれば、ファギーの村はきっと救われる、と小雪は確信する。
「さあ、避難は大体完了です。あとは、コダマ、やっちゃってください!」

 村を襲う穿孔竜ワームとの戦いは続いていた。駆けつけた皆は手数にものを言わせ、村人への被害を抑えながら、有利に戦っていた。

 アルマニアにとっては、この竜は見知った敵であった。
(「まさか特攻となった魔術で何度も叩いていたコイツ等とまた戦う事になるとはね」)
 戦闘経験があるから、有効な術も知っている。
『地面の中を自由に泳げるのはモグラだけじゃないんですよ―――サモンっ!』
 アルマニアは高速詠唱から縄沼咬魚(サモン・ジュラゴ)を発動した。召喚するのは地中や泥沼を自由自在に泳ぎ回る泥濘の魚竜種砲だ。
「土の質をワーム達も掘り進むのが困難なくらいの硬さにしちゃって……【泥濘の地】と共に喰らぇい!」
 ワームは地中から踊りでてくるのを、ガッチリ砲撃する。
「エエイ、コシャクナ」
「もちろん私が召喚する魚竜種砲の大群はまったく影響を受けませんとも」
 アルマニアは敵に解説の弁をふるってやった。
「ソレハ、オカシイ」
「はぁぁー? 空想の勝利と言えー!」
 言葉とともに、アルマニアは敵にまとめて打撃を与える。
 タイミングよく突入してきたコダマが、モーラット・コミュ・ファイアで攻撃した。炎の魔法陣から燃え盛る炎を纏ってワームにぶつかってゆく。同じ標的に効果的にダメージを重ねた。
 戦いの僅かな合間には、アルマニアは素早く周囲の状況を整理する。
(「情報収集……共有。これも大事です。どうやら村人の避難誘導はかなり進んだようですね。私は引き続きワームの殲滅優先で動きますよ」)
 アルマニアは全体の状況を頭にいれつつ動き、穿孔竜ワームに対して攻撃を放った。
 地中にもぐり、堅固な体を武器に高い生命力を持つ穿孔竜ワーム達。
 だが、奴らの作戦は決して成功しないだろう。
 アルマニアは戦場を駆けながら思う。
(「ファギーさんとコロロさんは笑顔が一番似合うんです。その為なら前衛に出て走り回りますとも」)
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【熱波の支配者】LV1が発生!
【泥濘の地】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV2になった!
【アクティベイト】LV1が発生!

リーザ・シェナンドア
アドリブ・連携描写歓迎です。

なんとっ、ファギーちゃんにそんな過去があったとは。
友として、この状況を見過ごすわけには参りません。
我が力もお貸ししましょうっ!!

私は村を襲う敵の殲滅チームです。
大手裏剣メッサ―グランツも義の為に煌めいておりますよ。

「さぁさぁそこなる竜擬き共よ、友誼の力で無へと還れっ」

五十連星驚天刃でもって、多重分身攻撃を仕掛けます。
ははは土竜ども、どれが本物かわかるまいて。
このままゲームのように叩き潰してあげましょう。

「いいですねぇクリス。あとで狩った数比べといきましょう」

スピードと身軽さを武器に戦場を駆け抜けます。
とはいえ戦闘自体は冷静に。基本は味方との連携を重視しつつ、
巻き込まれそうな村人がいたら救助&避難をさせますね。

そこにいるみんなを助けるのが、一番格好いいじゃないですか。


クリスティーナ・アストロイア
「…ファギー様にあの時の借り、お返ししませんとね」
自身の宿縁を想起しつつ、星器『星槍』を手に村へと向かう

「…さて、土竜狩り…。いえ、土竜叩きと行きましょうか。リーザ様」
同じ戦場に立つ友人に声をかけつつ、戦闘に入ると同時にパラドクスを詠唱して使用。
梟の姿をした悪魔を召喚し契約。魔術を強化して魔法攻撃を行う。
火炎・氷雪・電撃・風・水・砂・毒・闇・光…あらゆる魔法を高速詠唱。
星貨を触媒にしつつ連続魔法にて矢継ぎ早に放つ。
「…邪魔はさせませんよ。手数には自信がありますので…どうぞお付き合いを」

もし逃げ遅れている人がいれば救助優先。
機動力のある人に協力を仰いだり、自身で誘導して救援を行う。
残った人が失った人を数えないで済むように…誰の命も失わせない。

「…さぁ、土竜叩きは早めに終わらせて…本命へと向かいませんとね」

アドリブ・共闘歓迎


 この日、ファギーの故郷の村へ救援に現れた友は多かった。
「なんとっ、ファギーちゃんにそんな過去があったとは。友として、この状況を見過ごすわけには参りません」
 我が力もお貸ししましょうっ!!、とリーザ・シェナンドア(アイゼンヴァルト・g08729)が。
「……ファギー様にあの時の借り、お返ししませんとね」
 また、クリスティーナ・アストロイア(星視の魔女・g03092)は、自分の宿縁邂逅を想起しながら、星器『星槍』を握る手に力をこめる。

●モグラたたき
「行きますよ、穿孔竜ワーム! 大手裏剣メッサ―グランツも義の為に煌めいておりますよ」
 リーザが美しい姿態に似合わぬ大型手裏剣をギラギラと取りまわして意欲をみせた。傍らでクリスティーナが、冷静沈着に少々凄みのある声を発する。
「……さて、土竜狩り……。いえ、土竜叩きと行きましょうか。リーザ様」
 確かに、穿孔竜ワームは土の竜そのものである。
 リーザも大手裏剣をもてあそぶ手を止めて頷いた。
「いいですねぇクリス。あとで狩った数比べといきましょう」
 打ち合わせ終わり。
 二人は散開し、多くの仲間たちとともに土竜退治に腕をふるった。

「さぁさぁそこなる竜擬き共よ、友誼の力で無へと還れっ」
 リーザが五十連星驚天刃を発動し、ビックリアタックを仕掛ける。何がびっくりといっても、リーザのこのパラドクスは幻影体を生み出すのだ。
 すなわち、美貌と可憐さを誇るリーザがまぶしくも50体ばかり出現し、ワームを惑わせながら攻撃をぶち当てるというもの。
 おそらく土竜も美女好みのはず。いやそうでなくても、本物がどれかわからないはず!
「ははは土竜ども、どれが本物かわかるまいて。このままゲームのように叩き潰してあげましょう!
「GRRRR!」
 ワームは体をふるわせ、土塊をぶち当ててくる。幻影リーザがひとつぽしゅん、ふたつしゅわんと消滅するが、まだまだ幻影はいるのだ。
 リーザは絡みついてくる竜の、長大な体の威力に負けない様に鍛えぬいたボディをしならせる。そしてテンション高くポーズを決めつつ、メッサ―グランツで切り裂いた。
「痛み分けですか? ……いやいや私のほうが優勢ですね」
 軽く地に降り立てば銀髪が揺れる。
「さてクリスは……」

 クリスティーナは戦場に向き直るとすぐさま詠唱にはいった。
『……出でたる悪魔も使い様。ただし、己を巣食われぬように。』
 ――ArcanaCode:The Devil
 パラドクスで梟の姿をした悪魔を召喚し、契約することで魔術を強化する。クリスティーナは星貨を取り出し、魔法を放ち始めた。
「星貨を触媒にした連続魔法……」
 火炎・氷雪・電撃・風・水・砂・毒・闇・光……ワーム達にむかって矢継ぎ早に魔法が放たれる。竜たちは燃え、凍り、雷に撃たれ、半ば憑かれたように放たれるクリスティーナの術に翻弄された。
「……邪魔はさせませんよ。手数には自信がありますので……どうぞお付き合いを」
 幾重にも手厚く敷かれたディアボロス達の攻撃の壁に、穿孔竜ワームは行く手を阻まれて倒れてゆく。
 しかしそれでも、執拗にクロノス級の命令を思い出した個体もいた。
 今更戦場付近の家の戸口から親子連れが走り出てくる。ワームの一匹が首をもたげてこれを狙ってきた。
「そこ! させませんよ!」
 クリスティーナは素早く行動した。
 親子連れをかばうように移動して魔法を撃つ。回転しながら地を飛び出す竜の横面に星槍から放たれた雷撃が炸裂した。
 女の子の悲鳴があがる。
「クリス、手伝います」 
 リーザがのけぞった竜の懐に飛び込み、メッサ―グランツを閃かせた。
 穿孔竜は力のない反撃を残してちぎれ飛ぶ。
 クリスティーナは親子連れを助け起こした。幸い子供は泣いているだけで大した怪我はない。母親を元気づけながら、ふと視線をあげると避難誘導の仲間に気づいた。
「小雪様、こちらの方もお願いします」
 サフェルと共に避難誘導にあたっていた小雪が、急いで駆けてくる。
「はい、お預かり、します、ね」
 親子連れは小雪が誘導し、ほかの村人とともに避難させてくれるだろう。
「これで、あの親子は大丈夫ですね」
 リーザがほっとした様に言う。
「ええ。残った人が失った人を数えないで済むように……誰の命も失わせたくありませんからね」
「それに、ここにいるみんなを助けるのが、一番格好いいですし……ね?」
 村の戦場はかなり静かになってきた。
 10人のディアボロスは手数にものを言わせ、クロノス級の作戦をほぼ崩壊させたのだ。残るワームはわずかである。
「……さぁ、土竜叩きは早めに終わらせて……本命へと向かいませんとね」
「ええ。もうひと働きです」
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【光学迷彩】LV1が発生!
【使い魔使役】LV1が発生!
効果2【アクティベイト】がLV2になった!
【能力値アップ】がLV2になった!

一ノ瀬・綾音
誰かを救うためにも、敵を潰す役割(ロール)は必要……だったらうん、今は綾音ちゃんがその役割を担おう!救助作戦は他の方に任せた!

もう大丈夫だ、綾音ちゃん達ディアボロスが来たからにはね!
と、まずは声を出して焦ってるだろう村人達やディル君の心を安心させよう。
詳細な避難などは他の方に任せるとして。

せっかくだし相手が地中から出てくるのなら常時動き回って相手の動きに注意しながら【極星滅龍斬】で出たところをたたっきるのを狙うか。万が一先にぶっ込まれて空に飛ばされたら巨大魔導狙撃銃・零式を撃ってその勢いで調整する。
気分はまさにもぐら叩きってわけ!この敵でこれ、一度やってみたかったんだよね!

なるべく相手が単独でいそうなところを狙うけど、一般人に被害を加えそうな動きが見えたらそいつを優先的に狙っていく。
とにかくもぐら叩きのように遊撃しながら片っ端から倒していく感じで!

エンディヴァーとかいうのが空ならこいつは地の竜ってか。
ならある程度倒せばエンディヴァーも出てくるかな?


●完全勝利
(「誰かを救うためにも、敵を潰す役割(ロール)は必要……だったらうん、今は綾音ちゃんがその役割を担おう! 救助作戦は他の方に任せた!」)
 一ノ瀬・綾音(星影の描き手・g00868)は最初から飛ばしていた。
「もう大丈夫だ、綾音ちゃん達ディアボロスが来たからにはね!」
 村人達に向かって……なんならディルにも届けと大きな声を出す。
 同時に、それはクロノヴェーダへの宣戦布告も意味した。穿孔竜ワームは綾音にも襲いかかってきた。
 綾音は、避難はきっぱりとほかのディアボロスに任せて戦いに集中する。

 最初の段階では敵も多かった。
 綾音は足を止めることなく戦場を駆け、一匹を狙って仕掛ける。地を蹴れば緑髪が大きく揺れる。
 ――極星滅龍斬。
 これは、綾音が龍を倒すために編み出したパラドクスなのだ。地中から飛び出した穿孔竜ワームと空中で激突する。ワームの下方からの突撃に対抗するために、綾音は巨大魔導狙撃銃・零式を発射して勢いを調整しようと試みた。
 綾音も得物もパラドクスの力を得て魔力の輝きに満ち、敵の反撃に耐えながらその脳天に斬撃を放つ。
 命中の瞬間、土の竜が醜く吼えた。
(「気分はまさにもぐら叩きってわけ! この敵でこれ、一度やってみたかったんだよね!」)
 この日は土竜叩きが人気だったようだが……とにかく綾音も、自信を持って敵に挑んでゆく。
 綾音にとって『もぐら叩き』作戦が意味するところは遊撃だった。
 単独で行動する敵、はぐれた敵を狙って片っ端から倒していくことにする。
(「もちろん、一般人に被害を加えそうな動きが見えたら、そいつを優先的に狙っていくけどね」)
 ディアボロスとして人助けはおろそかにしたくない気持ちはある。だがこの日は多くの仲間が参加していたから、綾音は敵を潰すことに専念できた。
 最後の一匹がのたうち土と岩をばらまく。綾音は狙いを定めて、勇者のように光輝く一撃でこれを屠った。
「終わり、かな」
(「終わってみれば、綾音ちゃん達の完全勝利だね」)
 長く感じられた戦いだったが、素晴らしい戦果である。
 村の一部は破壊されてしまったが、人はほぼ無事のはずだ。
 (「エンディヴァーとかいうのが空なら、こいつは地の竜ってか」)
 綾音は早くも次の敵のことを考えた。
 
 紫怨竜エンディヴァー。この事件の首魁である。
成功🔵​🔵​🔵​🔴​
効果1【避難勧告】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】がLV2になった!

シル・ウィンディア
ファギーおねーちゃんの大切な人を救うためにも…。
わたしはわたしにできることを全力でやるよっ!

トレインが到着したら、全速力の飛翔でファギーおねーちゃんとディルさんの所へっ!
世界樹の翼type.Bからの誘導弾を、エンディヴァーに当てないように注意しつつ連射で撃っていくよ。
もし反撃をもらってもここは我慢。
ファギーおねーちゃんとディルさんが退避するまでの時間稼ぎだから。
着地したら、エンディヴァーとファギーおねーちゃん達の間に立ち、世界樹の翼を突き付けるよ。

時空を超えた姉弟の感動の再会だね。
それを邪魔しないでくれるかな?
邪魔をするなら馬にけられてしまうからね?。
馬が蹴らなくても、わたし達がぶっ飛ばすからっ!!
そう言ってエンディヴァーの気を惹くよ。
その間に、ディルさんを連れて行ってもらうようにパラドクス通信で伝達。

パラドクス通信で村の様子を確認しつつ…。
村のワームを撃破完了した連絡が入ればこういうよ。

あなたの配下は倒したって。
それじゃ…。
覚悟決めてもらおうかっ!
今日のわたしはちょっと過激に行くよっ!


凍雲・雪那
……ん。
貴様が、ファギーさんから奪った物。
故郷、過去、そして弟さんの命。全て返して貰おうか、クロノヴェーダ。

トレインが到着したら、全速力でファギーさん達のところに。
凍結のパラドクスでファギーさん達とエンディヴァーの間に巨大な氷の壁を作って、攻撃を挫くよ。
序に、これだけの規模の魔術を見れば、エンディヴァーもボク達を警戒して、ファギーさん達を意識から外してくれないかなーって、狙いも込みで。
氷の防壁の前で、時間稼ぎをしてくれたシルさんと一緒に。
堂々とエンディヴァーに宣言してやる。

……貴様らドラゴンに、キングアーサーに。例えどれほどの正当なる理由と、崇高なる理念があったとしても。
無辜の民を焼き、その住処を滅ぼし。
そして、ボクの友である、ファギーさんを悲しませ、そのかけがえのない、弟の命まで奪い去った!
万死どころか、億万回屠っても、まだ足りぬと思え!紫怨の竜……!
その命、この歪んだ偽りの歴史と共に、消え去る時だ!


 ――その首魁の元で。

 再び場面は戻る。
(「ファギーおねーちゃんの大切な人を救うためにも……。
 わたしはわたしにできることを全力でやるよっ! 」)
(「……ん。
 ファギーさんから奪った物。故郷、過去、そして弟さんの命。
 全て返して貰おうか、クロノヴェーダ。」)
 友への思いを抱いて、二人は時空を越えていた。

●友情
 シル・ウィンディア(虹を翔ける精霊術師・g01415)と凍雲・雪那(報仇雪恨の皓巫姫・g07783)はディルを救い、ファギーを援護するために、村を救援する仲間達とは別行動をとっていた。
 クロノス級の時空でディルが焼かれる直前に、ディアボロス達は介入を果たす。

 突入の瞬間、シルと雪那は、紫怨竜エンディヴァー、そしてファギーとディルを視認した。パラドクストレインがクロノス級の時間に突入した瞬間、ファギーはこの時代の本人といれかわり、シルと雪那は救援機動力で追いかけたのだ。
「そこの――ん?!」
 ドラゴンは言いかけた言葉を失う。目の前に二人が現れた瞬間、おそらく紫怨竜エンディヴァーは新たな脅威を感じ、ファギーとディルから意識をそらした。
 間髪をいれず、雪那はドラゴンへとパラドクスを放つ。
『freeze,crush,erosion,――Glacial Zero』
  凍結のパラドクスで全身から極低温の冷気を爆発的に放出 する。
 またシルは青い風のように周囲を飛び、世界樹の翼type.B と呼ぶ白銀の銃から誘導弾を連射した。
「どこから現れた、ディアボロス!」
 ドラゴンの反撃とともに怒声が響き渡る。
 この時、二人に言葉を交わす時間はなかったが、考えていたことは同じだった。
(「これだけの規模の魔術を見れば、エンディヴァーもボク達を警戒して、ファギーさん達を意識から外してくれないかなーって」)
(「ファギーおねーちゃんとディルさんが退避するまでの時間を稼ぐよ」)
 そしてこの作戦はディルを連れて逃げるファギーにも確かに伝わっていた。逃げてゆく姉弟をかばうように、シルと雪那はエンディヴァーとの間を遮るように立った。
 状況は一触即発。ドラゴンは攻撃の機会をうかがいつつも、疑念を募らせ警戒している様子。
 そして、二人は自分たちのやるべき事をよくわかっていた。
 雪那が堂々と、ドラゴンに宣言する。
「……貴様らドラゴンに、キングアーサーに。例えどれほどの正当なる理由と、崇高なる理念があったとしても。無辜の民を焼き、その住処を滅ぼし。
 そして、ボクの友である、ファギーさんを悲しませ、そのかけがえのない、弟の命まで奪い去った! 万死どころか、億万回屠っても、まだ足りぬと思え! 紫怨の竜……!
 その命、この歪んだ偽りの歴史と共に、消え去る時だ!」
「貴様は、何を言っているのだ!」
 二人は、紫怨竜エンディヴァーに言葉をぶつけ、気をそらすことに集中する。
 戸惑い、怒る紫怨竜エンディヴァーに、シルがさらに言葉をぶつける。
「時空を超えた姉弟の感動の再会だね。それを邪魔しないでくれるかな?
 邪魔をするなら馬にけられてしまうからね? 馬が蹴らなくても、わたし達がぶっ飛ばすからっ!!」
「貴様達、よくわからぬことをわめいて、愚弄すると許さんぞ」
 どうやらクロノヴェーダは全く状況を理解していないらしい。あるいは理解したくないのか。
 だが自分の作戦のことならどうか。
 シルはパラドクス通信で村の様子を確認すると、あらためて紫怨竜エンディヴァーを睨み、煽った。
「村を襲ったあなたの配下は倒したって」
 ドラゴンははじめて狼狽をみせる。
「何だと?! 穿孔竜ワームの村殲滅部隊を? ありえん」
 雪那があっさりと頷いてみせた。
「だから、すべて返してもらうと言っただろう」
 紫怨竜エンディヴァーは慌てて村の方向をうかがうそぶりを見せたが、二人は押しとどめるように動き、言い放った。
「今更むかっても無駄、命を縮めるだけだ」
「そのとおりだよ。村には多くの仲間が向かっているからね」
「慌てなくても、すでにこっちに向かっているだろう」
「貴様らの仲間だと……」
 紫怨竜エンディヴァーはディアボロス達に脅威を感じ、シルと雪那の言葉を反芻しているようだった。
「どういうことだ……? どうなっている?!」
 困惑をみせるクロノヴェーダにシルが言い放つ。
「それじゃ……。覚悟決めてもらおうかっ! 今日のわたしはちょっと過激に行くよっ!」
 クロノス級は怒りをにじませて視線をさまよわせる。

 最後に紫怨竜エンディヴァーが強い視線を留めたのは、ディルの救出を終えて姿を現したファギーだった。
成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​
効果1【パラドクス通信】LV1が発生!
【寒冷適応】LV1が発生!
効果2【ダメージアップ】がLV3になった!
【ガードアップ】がLV3になった!

シル・ウィンディア
ファギーおねーちゃん大丈夫かな。
大切なものを奪った存在は、確かに巨大で怖い。
でも…。

ファギーおねーちゃんの震えている様子を見たら、そっと手を握ってみるよ。
…大丈夫。ここにはわたしもいる。
そして、みんなも、ディルさんもいる。
だから、あなたはいつものあなたでいて。

エンディヴァー、あなたはファギーおねーちゃんが倒すから、覚悟しててね。
まぁ、その前に…。
わたしからも一言言わせてもらうよ。

…大切な人を奪われる悲しみは知っている。
そして、それを取り戻したときの喜びも知っている。
だから、ここはハッピーエンドで締めさせてもらうよ。
そう、あなたを倒して、姉弟の感動の再会でねっ!

エンディヴァーに啖呵を切ったら、ファギーおねーちゃんの方に振り向いて、にっこり微笑んでから伝えるよ。
心配はしてないよ。あれだけ激しい戦いを潜り抜けてきたんだから。
でも、それでも不安なら…。
みんなを頼って。甘えて。
それに、わたしは…
ファギーおねーちゃんの新宿島での義妹だから。
あなたの為の剣にも盾にもなるっ!
だから、露払いは任せてっ!


ファギー・ルヴァン
紫怨竜、エンディヴァー。それが、貴方の名前。
突然、家族や友達…故郷まで全部を奪われてから、貴方の名前を知るまでにたくさんの時間がかかりました。

…正直、こうやって立ち向かうのは、まだ怖い。
あの時を思い出して…手が震えて、杖もランタンも落としてしまいそう。
でも…
コロロと出会って、取り戻そうって決めて、新宿島に流れてきて、たくさんの人に出会って…戦い続けて、やっと、ここまで来れた。

(手を握ってくれる義妹に安心して)
……ありがとう、シルちゃん。
私、新宿島でこんなに素敵な妹ができて、とっても嬉しい。
…なんて言ったら、あとでディルがヤキモチを焼いちゃうかな?

ディルの時とは違い、優しく手を握り返し、
もう一度、竜の瞳をしっかり見つめます。

エンディヴァー、どうか私の名前も覚えてください。
私は、明けぬ夜森を照らし未来へ導く者ーーファギー・ルヴァン!
今から、貴方に奪われたすべてを取り戻します。
苦しかった過去も、悲しかった記憶も変えて、新しい未来へと歩くって決めた!
……ここにいるみんなと一緒にっ!!


●縁
「紫怨竜、エンディヴァー」
 ファギー・ルヴァン(明けぬ夜森の魔法つかい・g00880)は静かにクロノヴェーダの名を呼んだ。
「貴様は……」   
 竜は身じろぎもせず、赤い目をギロリと動かした。
 その視線がファギーに突き刺さる。
「それが、貴方の名前。突然、家族や友達……故郷まで全部を奪われてから、貴方の名前を知るまでにたくさんの時間がかかりました」
 怨敵を前にして、ファギーは図らずも、自分の内なる記憶と対峙することになる。
(「……正直、こうやって立ち向かうのは、まだ怖い」)
 記憶の中の過去は、いわばファギーの魂に恐怖を刻みこんでいた。蘇る強い感情に手が震え、ともすれば杖もランタンも落としてしまいそうだった。
 それでもファギーの視線は竜をとらえて離さない。
(「でも……コロロと出会って、取り戻そうって決めて、新宿島に流れてきて、たくさんの人に出会って……戦い続けて、やっと、ここまで来れた」)
 そう思ったとき、今を生きている自分の心の音がきこえた。そして励ますように自分の手に触れる温かい手を感じた。

 ファギーが震えているのに気が付いて、傍らに寄り添うように立っていたシル・ウィンディア(虹を翔ける精霊術師・g01415)はそっとその手を握った。
(「ファギーおねーちゃん大丈夫かな。大切なものを奪った存在は、確かに巨大で怖い。でも……」)
 はっとしたように、ファギーの視線が降りてくる。
 シルは決然とその瞳を受け止め、小さくほほ笑んで「……大丈夫」と頷いた。

 ここにはわたしもいる。
 そして、みんなも、ディルさんもいる。
 だから、あなたはいつものあなたでいて。

 不思議なことだが、心は伝わるものだ。ファギーはシルの温かな手に触れて、自分の心も体も、思い出したように一層力強く脈打つのを感じた。

 シルは、ファギーに頷くと、紫怨竜エンディヴァーにきっぱりと向き直った。
「エンディヴァー、あなたはファギーおねーちゃんが倒すから、覚悟しててね。まぁ、その前に……。わたしからも一言言わせてもらうよ」
「ふむ。我の威光の前に竦んでまともな言葉もでぬのかと思ったが。聞いてやろう」
「……大切な人を奪われる悲しみは知っている。そして、それを取り戻したときの喜びも知っている。
だから、ここはハッピーエンドで締めさせてもらうよ。そう、あなたを倒して、姉弟の感動の再会でねっ!」
「貴様らのたわごとは聞き飽きたが、我を倒しに来たというのか」
 エンディヴァーは鼻先でせせら笑った。
 だがそんなことは気にせず、シルはファギーに向き直り、にっこりと微笑んだ。
「心配はしてないよ。あれだけ激しい戦いを潜り抜けてきたんだから。
 でも、それでも不安なら……みんなを頼って。甘えて。
 それに、わたしは……ファギーおねーちゃんの新宿島での義妹だから。
 あなたの為の剣にも盾にもなるっ! ……だから、露払いは任せてっ! 」
 シルは挑むようにドラゴンを見る。
「威勢のいいことだな。貴様らだけで我を倒すというのか、愚か者め」
 竜は猛るが――気にせず、ファギーはシルに感謝した。
「……ありがとう、シルちゃん」
 ディルの手は強く握りしめたけど、シルの手は優しく握り返す。
「私、新宿島でこんなに素敵な妹ができて、とっても嬉しい」
 言葉にもいつもの調子が戻ってくる。
(「……なんて言ったら、あとでディルがヤキモチを焼いちゃうかな?」)
 そんなことを考える気持ちの余裕もできた。
 ここはエンディヴァーが統べる過去の世界だが、ファギーは新宿島を生きる今の自分を取り戻した――目の前のこの竜を恐れる必要のない自分を。
 そして、紫怨竜の瞳をしっかりと見つめ返した。
「ム……」
 その一瞬、ファギーの静かな気迫に竜は何かを感じとったらしい。
「エンディヴァー、どうか私の名前も覚えてください。
 私は、明けぬ夜森を照らし未来へ導く者――ファギー・ルヴァン!」
「……」
「今から、貴方に奪われたすべてを取り戻します。
 苦しかった過去も、悲しかった記憶も変えて、新しい未来へと歩くって決めた!」
「うぬ……」
 手元でランタンが揺れる。愛用の杖を握る手にも力をこめて、ファギーは宣言した。
「……ここにいるみんなと一緒にっ!!」

 ディアボロス達は再びファギーのために集う。
 紫怨竜エンディヴァーは赤い瞳に怒りを滲ませて咆哮した。
「いいだろう。明けぬ夜森の魔法つかい、ファギー・ルヴァン、勝負だ! 八つ裂きにしてくれる!」
大成功🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
効果1【飛翔】がLV2になった!
【パラドクス通信】がLV2になった!
効果2【命中アップ】LV2が発生!

ファギー・ルヴァン
きりっとした目で相棒が見ている…そうだ、君があの時、失くしたはずの心を灯してくれた。
あれが、私のはじまりだったんだ。
言いたいこと、分かるよ。やろう。一緒に!

【パラドクス通信】は常に発動
先にコロロに撹乱行動をしてもらいます
その間に私は【高速詠唱】でパラドクス準備
傷ついても焼かれても大丈夫。今の私には、私を信じてくれるみんながいる。
攻撃のチャンスが生まれたら【植物活性】と、【火炎使い】【全力魔法】で一気に!

人生で一番声を張り上げる

エンディヴァー!
この炎は、貴方の炎よりずっと熱い
悪夢のような絶望の後、幾千の出会いと戦いから生まれた、私の願いと覚悟の証!
この熱さを、この強さを、その夜深き身体に刻み込みなさい!
ーー私は、もう、ひとりぼっちじゃないんだ!!!

崩壊する空間の中、ディルと話す
ディル大丈夫?怪我はしてない?…よかった
…あのね、ディル。
…一緒に、『夢』を叶えない?
怖いとは思うけど、貴方を守るって誓う
それに貴方に紹介したい人、たくさんいるの…素敵な人たちばかりだよ…
…一緒に、生きたいよ、ディル


凍雲・雪那
ファギーさんをディフェンス指定

八つ裂き、ね。
……さて。それじゃあ、ボクは援護に回ろうかな。
それに、どの道ここは消え去る歴史。なら、全力を出しても、構うまい。
――さァ、目には目を、歯には歯を。
ならば竜には、竜を以て対抗すべし。

ネメシス形態、氷嵐竜に変化。
鼓動する心臓、魔力炉心、臨界駆動。
生憎、空を駆る特権は、お前だけのものじゃないんだ。紫怨竜……!

翼を羽撃かせ、飛翔。コロロ君に動きを合わせ、エンディヴァーを攪乱する。
咆哮と共にパラドクス発動。解き放った零下の吐息を竜と化し、エンディヴァーに嚙みつかせて、動きを封じるよ。
ボクはあくまで、敵の攪乱や動きの妨害に徹し、時には身体そのものを盾にして、隙を創り出す。
大丈夫。痛いのは慣れてるし、ファギーさんの味わった苦痛に比べれば、こんなもの鼻で笑えるくらい。

さあ、ファギーさん。
最後は貴女が。どうかこの偽りの歴史に、終止符を。


シル・ウィンディア
エンディヴァー、あなたはファギーおねーちゃんがきっと倒す。
だから、覚悟してね。
わたしのおねーちゃんはとっても強いから。
あなたには絶対に負けない心を持っているからね。

コロロさんが攪乱をするなら、わたしも攪乱をお手伝い。
飛翔で目の前を横切るように飛ぶよ。
流石に目の前横切られたらいやでしょっ!!

ディフェンスはファギーおねーちゃんを指定
…言ったでしょ?剣にも盾にもなるって。
そう簡単にあなたの攻撃を通すと思ったら大間違いっ!
まずはわたしをどうにかしてからにするんだねっ!!

敵の攻撃はパラドクス使用時に発現する光の翼で体を覆い防御。

使う魔法は十芒星精霊収束砲。
虹の光が、貴女の未来を照らす道標になるように…
さぁ、わたしの全力全開、遠慮せずにもってけーーーっ!!

チャンスは作った。
ファギーおねーちゃん今こそ決着をっ!

倒したことをしっかり見届けた後は、そっとファギーおねーちゃんの背中を押して…。
あとは見守るだけ、だね。
流石に姉弟の時間を邪魔するのは野暮だし。
…ほんと、よかった。奪われたものを取り戻せたのが。


桜・姫恋
連携・アドリブ歓迎
ネメシス使用
ネメシス後は少し高貴な話し方へ

DFはファギーへ。

ファギー、ここまで来ればあと一息ですよ。
あの時と違って今はこんなにも仲間がいるのです。信じて思う存分エンディヴァーを倒してください。

撹乱要員は十分でしょう。
ならば、私はファギーが攻撃しやすいように援護しましょうか

ファギーの準備が整うまではあくまでも時間稼ぎで【飛翔】し、【未来予測】の効果にて敵の攻撃を予測し【終怒波】にて総裁する。

常に【パラドクス通信】は発動させ仲間との連携を密に。

ファギーの準備ができたら特大の【終怒波】を放ち隙を作る

ファギー今です。あなたの怒りを存分にエンディヴァーにぶつけて倒してください。

エンディヴァーを倒したのを見届けたらネメシスを解除しファギーと弟が会話を始めたらそっと離れ被害にあった村を少しでも片付けたりしながら静かに見守る。

帰ったらお祝いしないとね?でも今はようやく再会出来た2人の時間を大切にしてもらわないとね。


ソラ・フルーリア
※連携アドリブ歓迎します!

良い目してるじゃない、ファギー!
これならあのドラゴンにも負けないわね!
さぁ、覚悟は良いかしらエンディヴァー!
ディアボロスライブ、本番の開演と行きましょ!
(四肢を赤く染めるネメシス形態に変化!)

ファギーは大技の準備って感じね!
ならアタシもコロロと同じく、「撹乱」に回ろうかしら!
【飛翔】してエンディヴァーの周りを飛び回りつつ、パラドクスで攻撃していくわ!
ふふん、アイドルだもの!敵の目を引く役割は朝飯前よ!

敵の炎のブレスはマジックシールドで防御して、準備してるファギーに当たりそうなら身を挺してでもディフェンス!
あら、こんなんじゃ靄には出来ないわよ!って強気に笑って見せるわ!

ファギーの準備が出来たら、アタシも【情熱と氷結の清洌旋風!】よ!
コレで敵を氷漬けにして、当てやすくできれば幸い!
さぁ、行くのよファギー!
アナタと、アナタの大事な人の未来のために!


一ノ瀬・綾音
心を灯したのは確かにコロロかもしれない。
燃やしたのはあのエンディヴァーかもしれない。
だけど、もっと燃え上がらせるのは君が紡いだ綾音ちゃん達という縁。
……そうでしょ?

ファギーが覚悟を決めて究極の魔法を放てるように綾音ちゃんは支援に回るかな。
敵の動きをじっくりと観察し、相手が動きを止めそうなところを先読みして飛翔で一気に近づいてからの【希望導く解放の剣】。闇の魔力で縛り付けて剣で斬りつけるよ。可能なら翼を斬って空を飛びにくいようにしていく。この類は空を飛べなくなると大きくイニシアチブを失うものだ。そしてプライドが高い分、イニシアチブを失うと余裕も失いやすいものだ。

あとはパラドクス通信で他の仲間、そしてファギーに連絡。
盤面は整えた……さあ、君の手でゲームを終わらせるんだ!

ファギーが弟と対話し始めたらそっと見守りつつ基本はノータッチで。
縁を結びに行くのもいいけど、今だけは。今だけは、2人だけの時間を、楽しませてあげよう。
――騒がしくするのは、それからでも遅くはない。


地鉛・要
アドリブ連携大歓迎
使用可能なエフェクト等は可能な限り使用

恐怖の対象だっただっろうに、良い啖呵を切るものだ。
ならその啖呵に見合った援護をせねばな。
さあ行くぞ火吹きトカゲ。

ファギーをディフェンス対象に指定
近くで錯乱している人達がさせないとは思うが……攻撃が当たりそうなら身を挺して守ろう。

【パラドクス通信】は常に発動。
皆は突撃してるな。あまり大人数が接近すると逆に互いの攻撃の邪魔になるかもしれないな……。
なら、俺は少し遠くからちくちくと嫌がらせをしよう。

ファギーが一撃を入れる為の隙を作ればいいんだな?
おーけーおーけー、なら全力で動きを止めよう。
【多面展開灼眼写】その羽を、尾を、四肢を灰にしてやろう。
ほら、「笑って笑って」……お前の死に場所だぞ。

笑えよ


メルキディア・セデクリエル
アドリブ・連携大歓迎
ファギーさんをディフェンス

ファギーさんの大切な人達は助けられた。
後はファギーさんの悪縁を断ち切る為に……エンドステージの幕は上がったわ!
そう言ってエスコートベッセルをパージしつつジェストと一体化し、〝赤き鋼の竜〟の鎧を纏ったネメシス形態へ移行。

一気に【飛翔】して左籠手からイオスラッガーを引き抜き、ウリエルの天使術式を籠めることでイオスラッガーに爆炎の粒子を浸透させる。
そうすることで爆炎攻撃を付与したイオスラッガーの【斬撃】を浴びせてあげるわ!

ヒット&アウェイで切りつけ、反撃のフィーレヘルブレスも術式を込めた爆炎の斬撃で切り払って相殺つつ…
ファギーさんが最後の〆を決められるように、タイミングを合わせて此方も本命パラドクスで相手を抑える…!

イオスラッガーを横一線に振り貫き、爆炎の粒子を光波として飛ばす。
爆炎の大鳥となりて喰らいつけ―――エクスプロード・デトネイターッ!!

ファギーさん、貴女はもう…どんなときでもひとりじゃない!
私達との縁と絆も、貴女の未来を照らす光にするッ!


クリスティーナ・アストロイア
「…決意を無駄にはさせない。行きます…!」
戦場へ駆けつけ、そっと悪魔との契約を履行。ネメシス形態『太陽』へ。
サディステックな雰囲気を纏い、微笑む。
「…さて、貴方に災いを見せてあげましょう」

【ネメシス後、他者の呼び方が全て呼び捨てになります】

戦闘開始と共にパラドクスを発動。
「…死は遠いものではなく、いつでも傍に。出でよ我が騎士…ペイルライダー」
青白い馬に乗った骸骨の死神を召喚し、攻撃を行わせる。
自身は通常魔法を当てないように周囲に攪乱で放ち、惑わせる。
「…この死神は貴方の首をいつでも狙っています。打ち克てますか…?」

「…この戦いに示されたる運命は『死』。エンディヴァー、貴方には終焉を示し…そしてファギー、貴方には転機を示す。」
「…さぁ、あとは乗り越えるだけ。貴方の悲しき運命を殺し、因果を裏返して決着を。行きなさい、魔法使い」
最後の一撃を譲りつつ、送り出すような言葉を投げかける

決着後は一人、遠巻きに見守る

アドリブ・連携歓迎
使用可能なエフェクト等は可能な限り使用


月下部・小雪
怖いのに立ち向かうファギーさんを援護、です。
が、頑張るファギーさんは負けま、せん!

コダマもファギーさんのコロロをお手伝いして攪乱、させてください。
【疾風迅雷型モーラット・コミュ】になったコダマが縦横無尽に戦場を駆けまわり、ます!
エンディヴァーの攻撃は「魔力障壁」を張って身を守りつつ、ファギーさんやコロロに向かう攻撃はディフェンスで肩代わり、です。
お、お前のトドメはファギーさんがすごい魔法で決めてくれるはず、です!

戦いの後、ファギーさんとディルくんが二人でお話しているのを遠くから見守り、ます。
き、きっと、これが最後じゃないはず、です。

※アドリブ連携大歓迎


フィーナ・ユグドラシア
※アドリブ、連携ok
※ネメシス形態使用

ファギーさんに残る憂いは消えたようですね。
それに、救える命も全て救えました。
後は、最後に残る障害を取り除くのみ、ですね。

戦闘方針は『氷槍』での遠近両用の攻撃。
精霊達の力を具現化した氷の槍で、敵を討ちます。
また、雪の衣を纏い、紫の靄や敵の吐く炎のブレスに備えます。

初手は接敵前に氷槍を投擲し、先手を狙います。その際、他に敵に接近する味方が居れば、其方に誤射せぬよう注意。
投擲の際、ブレスを吐こうとする口元を狙い、ブレス阻害を試みます。

投擲後は、再度『氷槍』を手元に具現化しつつ突撃し刺突の一撃、そのまま接近戦に移行。
突撃時や接近戦の際には、飛翔して頭上を抑えるように位置取り、動きを阻害します。

敵の操る紫の靄や炎のブレスには、雪の衣や魔力障壁で防御して勢いを軽減。
また、敵の懐で飛び回ることで狙い難くします。
自分を巻き込んでも無傷でしょうが、その状況で攻撃に専念出来ますかね?

さて、私が出来るお膳立てはここまで。
後はファギーさん、貴方の想いの全てをぶつけましょう。


アルマニア・シングリッド
おっと、そう問屋を卸させはしませんよ
ファギーさんにぶっ飛ばされるのがお似合いです、駄竜

高速詠唱で検索召喚を使用
獅子座の星座衣装にサフェル共々衣替えしつつ
紫怨竜の両翼を穿たんばかりの流星群の弾幕をお見舞いしますよ

ファギーさんの準備が整うまで
派手に立ち回ってヘイトを買いましょう
サフェルはコロロさんのフォローをお願い

使える残留効果も使っていきます

溺め手は空想召喚師の十八番
物騒なブレスを吐くその口ごと、一旦地面に埋もれなさい!
早業と連続魔法で検索召喚を再使用
虚空から捕縛の魔力の縄を不意打ちで放ち
紫怨竜の身体を雁字搦めにしましょう

顔は特に厳重にぐるぐる巻きにして地中に長い首ごと引き摺りこみ
結界術でホールド&地中で爆発をプレゼント

空想魔術で自然へのダメージは最小限ですのでご安心を
(計略・浄化・攪乱など

理不尽?
それはファギーさんの故郷を蹂躙しようとしているそっちのことでしょう
因果応報ですよ


野次馬は野暮ってものです
ファギーさんと弟さんから離れつつ
時間が来るまでは村の状況を確認しますね


アドリブ
連携歓迎


●紫の靄
 紫怨竜エンディヴァー。
 記憶の中に住まい、ずっと自分を苦しめてきた宿敵は今、ファギー・ルヴァン(明けぬ夜森の魔法つかい・g00880)の眼前にいた。
「あの時」から、新宿島にたどり着き、ディアボロスとして生きる中で見つけた大切な仲間や相棒を信じてやっとここまで来た。
 ファギーは視線を感じる。
 モーラット・コミュのコロロが、いつになくきりっとした目でファギーを見ていた。コロロはずっと、復讐者としてのファギーの相棒だったのだ。
『……そうだ、君があの時、失くしたはずの心を灯してくれた。あれが、私のはじまりだったんだ』
 ファギーはコロロにうなずく。サーヴァントは自分の一部、自分の心を映す鏡のようなものだから。
『言いたいこと、分かるよ。やろう。一緒に!』

 あのクロノス級は力を得るために、紫の靄へと成すために、この時空の人々を喰らってきた。
 けれどもそれも、ついに今日で終わるはず。

 戦いのはじめ、主人の命に従い、サーヴァント達が攪乱のために突入した。コロロをフォローするようにアルマニアのサーヴァント、サフェルが続き、小雪のモーラット・コミュのコダマは猛然とクロノス級に突進する。
(「怖いのに立ち向かうファギーさんを援護、です。が、頑張るファギーさんは負けま、せん!」)
 月下部・小雪(おどおどサマナーところころコダマ・g00930)が、拳を握りしめ、自分のサーヴァントに声をあげる。
「コダマもファギーさんのコロロをお手伝いして攪乱、させてください」
 小雪は続けてパラドクスを発動する。
『雷さんを纏ってパワーアップ、です。これが、しっぷうじんらいのコダマ、です!』
 ――疾風迅雷型モーラット・コミュ。
 小雪の赤い瞳が輝き、色白の頬は仄かに上気した。
 小雪はコダマで、コダマは小雪。二人は心を一つにしてエンディヴァーに先手を放つ。
 疾風が耳元でうなりを上げる。
 忽ちコダマは変化し、雷を纏って、電撃エネルギーが場を切り裂くように轟いた。
 紫怨竜エンディヴァーが咆哮する。
「おのれ、ちょろちょろと小癪な! この程度踏みつぶしてくれる!」
 反撃が発動して紫の靄が火球を生んで術者である小雪に襲い掛かるが、小雪はしっかりと足を踏みしめて揺らがなかった。そして負けずに言葉を返す。
「お、お前のトドメはファギーさんがすごい魔法で決めてくれるはず、です!」
 その言葉に嘘はない。小雪に心には信念があった。
 仲間達はファギーのために集い、連携し、エンディヴァーを制するために向かってゆく。

「……決意を無駄にはさせない。行きます……!」
 クリスティーナ・アストロイア(星視の魔女・g03092)は戦場に駆けつけ、ネメシス形態『太陽』へと姿を変えた。
 変わったのは姿だけではない。ネメシス形態へと変貌したクリスティーナは、星を視る、平穏を見守る普段の姿からはガラリと雰囲気を変えていた。
 キリリと結んだ口元。
 青い瞳は強い輝きを放ち、クリスティーナはサディスティックな表情をみせて微笑む。
「……さて、貴方に災いを見せてあげましょう」
「貴様も魔女か。仲間だな」
 神秘を纏う声はクロノヴェーダの唸るような声に対して天鵞絨の様に優雅だ。
 そしてクリスティーナの冷たい唇から詠唱がこぼれる。
「……死は遠いものではなく、いつでも傍に。出でよ我が騎士……ペイルライダー」
 ――ArcanaCode:DEATH。
 召喚した青白い馬に乗った骸骨の死神を操り、クリスティーナは竜を攻撃する。エンディヴァーは紫の靄を火球に変化させて反撃した。
 パラドクスの発動によって交錯する時空で、火炎を貫き、ペイルライダーが疾走する。
「……この死神は貴方の首をいつでも狙っています。打ち克てますか……?」
「我はすべてを喰らい糧とする者だ、恐れぬぞ」
「……この戦いに示されたる運命は『死』。エンディヴァー、貴方には終焉を」
「黙れぃっ!」
 
 ディアボロス達とドラゴンが放つパラドクスが戦場に休みなく明滅する。 

 ソラ・フルーリア(歌って踊れる銀の星・g00896)も銀色の彗星のように戦場に突入した。
 空を翔ければ銀髪ポニーテールが鮮やかに風に流れる。
 その視線はファギーを気遣うように動き、ソラは内心大きく頷いた。
(「良い目してるじゃない、ファギー! これならあのドラゴンにも負けないわね! 今は大技の準備中って感じね……それなら!」)
 まずはエンディヴァーの目をこちらに向けなきゃ、と、ソラは威勢よくエンディヴァーに挑戦する。
「さぁ、覚悟は良いかしらエンディヴァー! ディアボロスライブ、本番の開演と行きましょ!」
 ソラはネメシス形態を発動し、四肢を赤く染める。
 まるでライブの呼吸で、ソラはエンディヴァーの目を引き付けた。
(「ふふん、アイドルだもの! 敵の目を引く役割は朝飯前よ!」)
 元より、コロロに続いての敵の攪乱も意図にある。
 だが、当然戦場で目立てば危険もあった。敏捷に動きながらソラは詠唱する。
『もっとアツく行くためにアナタの熱も頂いちゃうわ! クールにもなれて一石二鳥よね!』
 ――情熱と氷結の清洌旋風!(パッションステージ・ツインフリーザー)
 彼我のパラドクスがぶつかる。
 ライブのステージは混迷する時空の中だ。観客はひとり、紫怨竜エンディヴァー。 
「氷漬けになってちょうだい!」
「うるさい! 次から次へと……」
「余裕がだんだんなくなってきたかしら?」
「……」
 紫の靄が炎となって荒れ狂う。
 ソラは白銀のマジックシールド、イクシード・オーラを展開して飛んだ。
 多少の傷ではアイドルはステージを下りないのだ。
 ソラは敵の反撃技、フィーレヘルブレスを揶揄してやった。
「あら、こんなんじゃ靄には出来ないわよ!」

 竜は猛る。
「我は全てを喰らい糧とし、力としてきた! 我にできぬことはない!」
 その言葉にはおそらく迷いがあった。恐怖が芽生えたといってもよい。
 これまでエンディヴァーは大した障害もなく自分の使命を果たしてきた。自分のテリトリーで一般人を喰らい、我が糧として分身を時の彼方へと送ってきた。
 忠誠を誓った王が倒れたことなど、クロノス級には知る術もない。

 青い矢のごとく、フィーナ・ユグドラシア(望郷の探求者・g02439)は駆けて、隙を逃さず吼える竜に氷槍を投擲する――。
 彼女も戦闘開始と同時にネメシス形態へと変化していた。
(「ファギーさんに残る憂いは消えたようですね)
 ファギーはきっと大丈夫。それに戦果もすでに手にしている。
(「……それに、救える命も全て救えました。後は、最後に残る障害を取り除くのみ、ですね」)
 村のトループスも討ち果たし、これであとは、クロノス級を討つだけだ。
 気合は充分。
 青い瞳をきりりと見開き、速やかに攻撃態勢に移行する。
『氷の精霊達、雪の精霊達、白雪姫の誓いの下、我と共に悪意を祓う力とならんことを……!』
 ――白雪の氷槍・氷雪の騎士!
 フィーナの魔力が集い、その身には雪の衣、手には氷の槍が具現化する。攪乱する仲間達の向こうに敵がいる。光が、フィーナを標的へと導いた。
(「可能なら口元を狙いたいところですが……」)
 大きくあいたドラゴンの口元からそれでもブレスが漏れる。火炎の中でフィーナは雪の衣を纏って耐え、レーベンヴァントを展開して、そのまま身を翻してドラゴンへと迫った。
 狙いは敵の懐である。フィーナには、竜は焦っているようにみえた。
「自分を巻き込んでも無傷でしょうが、その状況で攻撃に専念出来ますかね?」
「煩い……五月蠅い!」
 半ば憐れむような目でフィーナは竜を見る。
 状況はかなり良い。クロノヴェーダは反撃を放ち徐々に消耗していくはずだと、フィーナは確信していた。
(「私ができるお膳立ては目いっぱいやります。あとは――」)
 
 メルキディア・セデクリエル(閃機術士のエンジェリアン・g03132)も仲間と連携して動く。
(「ファギーさんの大切な人達は助けられた。そして、ファギーさんにも攻撃は通さないわよ」)
 仲間が集まり、村が救えたことは嬉しかった。
 残るはあと1戦、ファギーに思い残すことなく戦ってもらうためにも、彼女への攻撃は身を挺して防ぐつもりだった。
 実際、メルキディアばかりでなく、今日のファギーは多くの仲間達から守護されていた。
 目標達成への彼らの思いは強く、そのための十分な力が集ってもいた。
「後はファギーさんの悪縁を断ち切る為に……エンドステージの幕は上がったわ!」
 メルキディアは、アツく紫怨竜エンディヴァーに言葉をぶつけると、エスコートベッセルをパージし、ミニドラゴンを呼んだ。
「ジェスト!」
 瞬く間にジェストは消え、メルキディアは『赤き鋼の竜』を纏うネメシス形態へと変貌していた。
 そのままメルキディアは一気に地を蹴った。空中で左籠手からイオスラッガーを抜き放って詠唱する。紫の髪が踊った。
『アイオンコード:ウリエル、スタンバイ……! 来たれ、煉獄の爆炎ッ!』
 イオスラッガーが光を孕む。
「爆炎攻撃を付与したイオスラッガーの斬撃、味わいなさい!」
 メルキディアはイオスラッガーを横一線に振り貫きながら、吼えた。
「爆炎の大鳥となりて喰らいつけ―――エクスプロード・デトネイターッ!!」
 反撃のフィーレヘルブレスを切り裂き、メルキディアはエンディヴァーへ爆進した。
 光と火炎が眩しく戦場を灼く。

 紫怨竜エンディヴァーには休む暇はなかった。 

 パラドクスの輝きがさめやらぬうちに、アルマニア・シングリッド(魔術センスは未だに壊滅的な元一般人兼空想召喚師・g00802)が飛び出す。 
「おっと、八つ裂きなどと、そうは問屋が卸しませんよ。まあ今のところ、無理無理って感じですけどね」
 とち狂った竜の啖呵に対するアルマニアの物言いは、自信にあふれたものだった。
「ファギーさんにぶっ飛ばされるのがお似合いです、駄竜」
 現にディアボロス達はクロノス級をしっかりと抑え込んでいる。
 アルマニアも皆に続くべく高速詠唱から流れるように攻撃を発動する。
『《接続》、《解析》確認。コード「古書目録」、承認完了。私たちに知らないことなんかないんだよ~? サモンっ!』
 今や獅子座の星座衣装に身を包んだアルマニアは、検索召喚からとっておきの魔術を呼び出し、派手に立ち回ることにした。
 流星群の弾幕が竜の翼も穿てと降り注ぐ。
「物騒なブレスを吐くその口ごと、一旦地面に埋もれなさい!」
 敵の反撃のブレスと渡り合い、激しい攻防の末に爆発音が響く。
 アルマニアにしても考えは同じ……ファギーさんの準備が整うまでは派手にヘイトを買ってやる。
 味方は押している。クロノス級を抑えこむ為の戦力は十分だった。
「溺め手は空想召喚師の十八番なんですよ。自然へのダメージは最小限ですのでご安心を!」
「ク……ウゥ。我にこのようなッ」
 重なるダメージに苛まれ始めたか、竜はただ呻く。
 アルマニアは冷たく突き放す。
「理不尽? それはファギーさんの故郷を蹂躙しようとしたそっちのことでしょう。因果応報ですよ」
 
 戦いは加速する。
 地鉛・要(微睡む双翼・g00242)はいつになく、結構アツくなっていた。
 きっとファギーの言葉を聞いたからだ。
(「恐怖の対象だっただろうに、ファギーは良い啖呵を切るものだ。ならその啖呵に見合った援護をせねばな……さあ行くぞ、火吹きトカゲ」)
 まずは要は、手早く戦場と仲間の戦術を観察した。
(「皆は突撃してるな。あまり大人数が接近すると逆に互いの攻撃の邪魔になるかもしれないな……。
なら、俺は少し遠くからちくちくと嫌がらせをしよう」)
 戦場を冷静に俯瞰し、何事もバランスが大切だろうと彼は判断する。
(「あと、ファギーはディフェンスだ」)
 攪乱している仲間がやらせないだろうが、もしもの時は体を張って守るつもりだった。
(「ファギーが一撃を入れる為の隙を作ればいいんだな? おーけーおーけー、なら全力で動きを止めよう」)
 これが彼女の為の戦いなら、俺は自分の役目を果たす。
 要は感情を見せず、淡々と羽に手を伸ばす。
『笑って笑って……灰、チーズ!』
 パラドクスを発動すれば時間と空間は意味をなくす。
 ――多面展開灼眼写(ヨリドリミドリ)。
 独特のユニークな詠唱をこぼして、要はクロノス級を手繰り寄せる。
 光る天使の羽が掌の中でスパークした。
「その羽を、尾を、四肢を灰にしてやろう」
 握りつぶした羽が炎の眼球をエンディヴァーの周囲に作り出す。同時に反撃の竜の紫の鉤爪が殺気を放って繰り出される。
 それでも要は平気な顔で竜に言った。
「ほら、『笑って笑って』……お前の死に場所だぞ」
 クロノヴェーダは咆哮で要の揶揄に応える。雑言を返す余裕はなくなってきたか。
 一人ひとりの攻撃が、着実にクロノヴェーダを追い詰めているのだ――今、この時も。
 要はぼやいた。
「笑えよ」
 竜は笑わなかった。

 仲間達はファギーの目的を達する為に力を尽くした。
 縁で結ばれた仲間の手が新たな未来を切り開く。

 一ノ瀬・綾音(星影の描き手・g00868)はファギーのために戦いながら、こんな事を思っていた。 
(「心を灯したのは確かにコロロかもしれない。燃やしたのはあのエンディヴァーかもしれない。
 だけど、もっと燃え上がらせるのは君が紡いだ綾音ちゃん達という縁。
 ……そうでしょ?」)
 ファギーが覚悟を決めて究極の魔法を放てるようにと、綾音も考えた。
(「綾音ちゃんも支援に回るよ。敵の動きをじっくり観察……先を読むんだ」)
 相手の動きの隙をつこうと、綾音は飛翔する。これまで地道に努力してきた事がきっと役に立つはずだ。
 狙いをつけたタイミングでグンと接近し、綾音はパラドクスを発動する。
『この剣は君の魂もこの世界の存在も解放する希望の剣!』
 ――希望導く解放の剣(フォーチュン・リベレーション)!
 綾音は闇の魔力を解放する。そして手にした魔力の剣で敵を薙いだ。光の軌跡が走る。
(「できれば翼を斬ってやりたいどころだけど。この類は空を飛べなくなると大きくイニシアチブを失うものだ。そしてプライドが高い分、そうなれば余裕も失いやすいものだ」)
 分析し、思考しながら敵を追い込む。
 部位を狙うことは通常では難しいのだが、狙いは間違っていないと綾音は感じる。
 いずれこの竜は墜ちる……綾音ちゃん達がそう導いてみせる。
 そして幕をひく役割をファギーに渡すのだ。

 エンディヴァーに対抗するように、戦場には2体の竜形も現れる。
 ネメシス形態を発動した、凍雲・雪那(報仇雪恨の皓巫姫・g07783)と桜・姫恋(苺姫・g03043)である。

(「八つ裂き、ね」)
 雪那はクロノス級の言い種を心の中で繰り返した。
(「……さて。それじゃあ、ボクはコロロ君に動きを合わせ、攪乱と援護に回ろうかな」)
 どの道ここは消え去る歴史。なら、全力を出しても構うまいと、雪那は思う。余り表情は変えないが、氷雪を操る雪那の心には熱が眠る。
 ――さァ、目には目を、歯には歯を。ならば竜には、竜を以て対抗すべし。
 ネメシス形態を発動する。
 氷嵐竜に変化する時、雪那は自分の中で沸き上がる力を感じた。
(「鼓動する心臓、魔力炉心、臨界駆動」)
 氷嵐竜に姿を変えて、雪那は力強く羽撃く。そのまま風に乗って大きく舞い上がり、エンディヴァーに迫った。
「生憎、空を駆る特権は、お前だけのものじゃないんだ。紫怨竜……!」
「……」
 黒い竜も飛ぶが、雪那はクロノヴェーダを狙って咆哮とともにパラドクスを放った。
『breath,dominate,silence,banish,glaciate,――Leviathan』
 氷嵐の吐息と、エンディヴァーの反撃の火球がぶつかる。
 冷気と炎のブレスを吐きながら、2頭の竜が戦う。
 雪那は巨体を自在に操って紫怨竜と鬩ぎ合った。
(「必要ならこの巨体も盾にして、きっと隙を作りだす」)
 吐息は小さな氷竜となり、エンディヴァーの熱を奪い取り激しく苛む。
 雪那はそれでも届いた火球の熱に煽られるが、黙って耐えた。
(「大丈夫。痛いのは慣れてるし、ファギーさんの味わった苦痛に比べれば、こんなもの鼻で笑えるくらい」)

 もう一方の竜は華の色。ひときわ艶やかな竜の姿が目をひいた。どことなく本来の姿を想像させる桜色のドラゴンはネメシスを発動した姫恋だ。
 竜と化した姫恋は、話し方も少々高貴に変化した。
「ファギー、ここまで来ればあと一息ですよ。あの時と違って今はこんなにも仲間がいるのです。信じて思う存分エンディヴァーを倒してください」
 高貴な桜色の竜はファギーに言葉を届ける。
 姫恋の励ましの言葉は同時にゆるぎない事実でもあった。
(「攪乱要員は十分でしょう。ならば、私はファギーが攻撃しやすいように援護しましょうか。もしエンディヴァーがファギーを攻撃しようとすれば、庇いますよ」)
 姫恋も、クロノヴェーダに、ファギーを傷つけさせるつもりはなかった。
 姫恋はパラドクス通信を展開し、時間稼ぎを行いつつ、タイミングを計る。
(「皆の攻撃で、大分消耗しましたね。これならば、機会は直に訪れるはず」)
 この戦いのために姫恋が選んだパラドクスは【終怒波】。
『この怒り受けてみなさい』
 詠唱とともに怒りの波がドラゴンと化した姫恋のピンクの鱗をふるわせる。それに伴って魔力も増幅されていった。
 姫恋は特大の【終怒波】を最適のタイミングで放つつもりだった。
 味方の攻撃が次々に炸裂し、黒い竜に傷が増えるのを見守り――。

 攪乱組の一人、シル・ウィンディア(虹を翔ける精霊術師・g01415)はしぶとく反撃するエンディヴァーの眼前をわざと横切って飛んだ――。
(「流石に目の前横切られたらいやでしょっ!!」)

 エンディヴァー、あなたはファギーおねーちゃんがきっと倒す。
 だから、覚悟してね。
 わたしのおねーちゃんはとっても強いから。
 あなたには絶対に負けない心を持っているからね。

 シルは風を切り、攪乱組とともに飛び回るが、深く傷ついていたエンディヴァーはとうとう吼えた。
「仲間を集め、我を倒そうなどと、許さぬ。ファギー・ルヴァン!」
 紫怨竜エンディヴァーは赤い目でファギーを見据え、攻撃を放った……が、紫怨竜は、ファギーに痛みを与えることさえできなかった。
 シルが猛然とファギーを庇ったのだ。
「……おのれっ! 邪魔ばかりしおって」
「そう簡単にあなたの攻撃を通すと思ったら大間違いっ! まずはわたしをどうにかしてからにするんだねっ!!」
 シルは堂々と言い募る。剣にも盾にもなると、義姉にも自分にも誓ったのだから。
『世界を司る六界の精霊達よ、宇宙に集いし天体の守護者達よ、過去と未来を繋ぐ時よ、集いて力となり全てを撃ち抜きし虹光となれっ!』
 間髪を入れず、詠唱とともに戦場に魔法陣が咲き誇る。
 シルは背に現れた光の翼をはばたかせ、紫怨竜エンディヴァーを撃った。
「虹の光が、貴女の未来を照らす道標になるように……さぁ、わたしの全力全開、遠慮せずにもってけーーーっ!!」

 刹那、パラドクス通信が展開した。
 姫恋はシルに合わせて【終怒波】を放ち、ファギーに伝える。
「ファギー今です。あなたの怒りを存分にエンディヴァーにぶつけて倒してください」
 桜色の竜は風に乗って身を翻す。
 優しく眩しい光が揺蕩うようだった。

 ファギーには仲間達の声が次々に届いていた。
「盤面は整えた……さあ、君の手でゲームを終わらせるんだ!」、綾音の声はパラドクス通信から。

 また、戦闘しながら、仲間達はエールを送り続けた。
 フィーナはさらに動こうとしたエンディヴァーを抑えるように飛ぶ。周囲に展開した魔力の障壁が揺らめいた。
 私たちは精一杯、支えますから。
「あとは――ファギーさん、貴方の想いの全てをぶつけましょう」

 クリスティーナは神秘的に微笑み、ファギーの背を押す言葉を贈る。
「この戦いに示されたる運命は竜には死を……そしてファギー、貴方には転機を示す……」
 とどめを刺すのは貴方の役割だと、クリスティーナは心をくだいた。
「あとは乗り越えるだけ。貴方の悲しき運命を殺し、因果を裏返して決着を。行きなさい、魔法使い」
 星視の魔女が、明けぬ夜森の魔法つかいを言祝ぐ。

「さぁ、行くのよファギー! アナタと、アナタの大事な人の未来のために!」
 アイドルらしく華々しい声はソラのものだ。
 エンディヴァーへの道を示し、応援する。
 
 要はパラドクス通信からあふれる仲間の声を聴いて、思わず自分も短く叫んだ。
「ファギー、行け!」

 メルキディアは、赤き鋼の竜の鎧も鮮やかにイオスラッガーを振りぬき、ファギーに言葉を伝える。
「ファギーさん、貴女はもう……どんなときでもひとりじゃない!
 私達との縁と絆も、貴女の未来を照らす光にするッ!」

 そして氷嵐竜と化した雪那は大きく躍動し、ファギーに時が来たと告げ、応援の言葉を伝える。
「さあ、ファギーさん。
 最後は貴女が。どうかこの偽りの歴史に、終止符を」

「ファギーおねーちゃん今こそ決着をっ!」
 シルの声も届いた。
 今のファギーは落ち着いていた。
(「傷ついても焼かれても大丈夫。今の私には、私を信じてくれるみんながいる」)
 凪いだ心で、ファギーは目の前の宿敵を見つめ、これまでの人生で一番の声を張り上げた。
「エンディヴァー!
 この炎は、貴方の炎よりずっと熱い
 悪夢のような絶望の後、幾千の出会いと戦いから生まれた、私の願いと覚悟の証!
 この熱さを、この強さを、その夜深き身体に刻み込みなさい!」
 ファギーの放った植物の槍が竜を貫いた。導火線のように炎の花が咲き乱れ、紫怨竜エンディヴァーを包み込む。
「――私は、もう、ひとりぼっちじゃないんだ!!!」
「グ……なぜこうなっ、た」
 ファギーが叫んだ時、竜は無念の声を発して頽れた。断末魔のフィーレヘルブレスは力なくしぼみ、紫の靄は霧散する。

 それっきり、紫怨竜エンディヴァーは地に伏してもう動かない。
 ディアボロス達の、ファギーの、圧倒的勝利だった。

●未来
「よし、倒したね!」
 シルがクロノヴェーダをツンツン確認する。
「ええ、やったわね」
 姫恋がネメシスを解除して元の姿に戻った。
 クロノス級が墜ちれば、この時空もじきに崩壊するだろうが、綾音が、「ファギー」と声をかける。
 待ちきれなかったのか、ディルがおずおずと隠れていた森から出てきたのだ。
「ディル!」
「おねーちゃん。ドラゴン倒したんだね、すごいよ……」

 再会した二人を仲間達は見守った。
 クリスティーナは一人、ただ遠巻きに二人を眺める。
 小雪とコダマも少し離れたところにいた。
「き、きっと、これが最後じゃないはず、です」
 そう呟くと、コダマが「もきゅ」と同意する表情をみせた。
 その少し向こうでは、
「野次馬は野暮ってものですね」
 アルマニアがぽそりと呟く。
「村の状況を確認したいけど、もうこの時空は崩壊が始まっていますからね……」
 ここにいられるのはもうほんの一時だろうと、アルマニアは思う。
 ――だからこそ。
「今だけは、2人だけの時間を、楽しませてあげよう」
 綾音が言った。
「今はそっと見守る。綾音ちゃんは今はノータッチだね――騒がしくするのは、あとからでも遅くはないからね」
 どちらにしてもここに長くは滞在することはできず、ファギーもそれを知っているはずだ。
 姫恋も、二人からそっと離れていたのだが、綾音の言葉に同意した。
「帰ったらお祝いしないとね? でも今はようやく再会出来た2人の時間を大切にしてもらわないとね」
 シルが頷いて、ぽつりとこぼす。
「……ほんと、よかった。奪われたものを取り戻せたのが」

 ファギーは急いで弟に駆け寄って声をかけた。
「ディル大丈夫? 怪我はしてない?」
「うん」
「……よかった」、頷くファギーに、ディルは心配そうな目をして聞いた。
「あのね。……お姉ちゃん、行っちゃうの?」
 ファギーはハッと弟を見た。自分の望みを伝えなければ。
 迷う時間はなかった。
「ディル。……一緒に、『夢』を叶えない?」
「えっ? 一緒に行ってもいいの? だけど……どこへ?」
 崩壊の音が迫ってくる。小さな弟が不安の色を浮かべるのは仕方がないし、短い時間で全てを話すのは無理だろう。
 ファギーは懸命に言った。
「怖いとは思うけど、貴方を守るって誓う」
「うん」
「それに貴方に紹介したい人、たくさんいるの……素敵な人たちばかりだよ……。
 ……一緒に、生きたいよ、ディル」
「うん……おねーちゃん」
 小さな手がのびて、ファギーの手に触れた。
 過去は崩壊してゆく。
 姉弟は再び手をとりあって、未来を探した。
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【命中アップ】がLV4になった!

最終結果:成功

完成日2024年02月04日
宿敵 『紫怨竜エンディヴァー』を撃破!