相模国、兵器工廠破壊作戦
攻略旅団の調査により、最終人類史と境界を接している『相模国』の兵器工廠で、ヒルコを利用した儀式を使い、最終人類史に向けた破壊兵器の開発が行われている事が判明しました。
破壊兵器を建造している兵器工廠に向かうパラドクストレインが出現していますので、急ぎ、現地に向かい、この兵器開発を阻止してください。
破壊兵器は、TOKYOエゼキエル戦争からもたらされた現代技術が元になっています。
ディアボロスにとっては脅威になりませんが、最終人類史で使用されれば、街や一般人に大きな被害を出してしまうでしょう。
兎最前線(作者 凪未宇)
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施設の奥で装置に繋がれたヒルコの半身が壁に埋め込まれ、ぐったりとしている。
時折繋がれた管よりエネルギーが吸い出され、大きく身体がビクリ反応し微かに唇を動かしている。
壁には最新の計器がいくつも並び、絶えず稼働しどこかへ力を送り続けている。
その傍らでは、己の身体に弾帯のように巻きつけたダイナマイトのような装置が目を引く『尼子義久』の姿があった。
「ヒルコからエネルギーを絞り尽くしてしまいなさい。代わりなどいくらでも居るのですから」
その言葉に『新宮党』の兵達は、大きな耳を揺らし「はっ」と短く答え計器へと手を伸ばす。
「あ……あぁぁぁぁぁ!!!」
強まる搾取にヒルコは身体をのけぞらし、目を見開きながら悲鳴をあげる。
「ディアボロスが護ろうとしてる一般人を殺し尽くし、彼らがどんな顔をするか見ものですね」
「しかし、この装置は……」
「分かっています。我が命など些末。卑怯なディアボロスに、天魔武者の死に様を見せてさしあげましょう」
尼子の意地を見せてやるのですと、薄く笑う義久に呼応するように周囲に控えていた新宮党の目が赤く光った。
ここでは、きっとまだ辰の年は訪れていない。
攻略旅団の提案により、最終人類史に隣接する『相模国』へのパラドクストレインが出現したようだと蒼狐・珠萌(猫狐な天使・g03640)がスケッチブックを開き説明する。
スケッチブックにはダイナマイト弾帯の絵が描かれ、七本の動線が腰のベルの装置と繋がっているのを描く。
「武蔵国の攻略が終わるまで牽制ができればという作戦だったけど、事態はとても悪いのです」
相模国では多くの兵器工廠が造られており、そこで、TOKYOエゼキエル戦争から漂着した大天使やアークデーモンから齎された技術で、爆薬やミサイルの製造計画が進められているようだ。
「この現代兵器の攻撃はパラドクスでもなく、ダメージを与えるタイプのクロノ・オブジェクトでも無いのです。だからボク達には問題ないのですが、一般人にとっては脅威なのです」
天魔武者の狙いは、ディアボロスではなく支えとなる一般人。
以前に休戦協定が結ばれた際に、天正大戦国が攻撃兵器を開発する可能性は指摘されていたが、案の定、実際に計画が進行していたということだ。
「相模国の天魔武者は、爆発物を装備した部隊で最終人類史に侵攻して、ボク達じゃ無く、一般人を爆殺しようと企んでいるのです」
それを阻止する為にも、相模国の兵器工廠の破壊に向かい、最終人類史に対するテロ行為を未然に防いでほしい。
爆発物を扱うためか、兵器工廠は人里から離れた場所に秘密裏に建設されている。
この兵器工廠の近くまでは、パラドクストレインで移動できるので、侵入までは問題ないだろう。
「兵器工廠は、鍛冶や鍛造といった戦国時代レベルの技術で、大天使・アークデーモンがもたらした21世紀の兵器を強引に作り出そうとしていて、とってもいびつな施設になっているようなのです」
未来の技術を、過去の技能で再現しようというのだから、本来であれば相応の科学知識が必要だ。
「でも、実現不可能な技術はヒルコからエネルギーを絞り出して、魔導技術で無理やり実現しているようなのです」
そのため、何人ものヒルコが、まるで、部品のように兵器工廠の製造設備の一部として組み込まれているらしい。
皆さんには、兵器工廠を破壊しながら敵を撃破し、試作品の自爆装置を装備したアヴァタール級の撃破を行って欲しい。
「既にこの施設を指揮している尼子義久は自爆装置を装備しているのです」
義久を撃破すれば装置は起動し爆発するが、当然ディアボロスには無害だ。だがこの爆発に巻き込まれると、工廠に繋がれているヒルコの命は助からない。
「できれば自爆装置を解除してから義久を撃破し、ヒルコ達も助けてあげて欲しいのです」
攻略旅団による先見の明により、敵のテロ作戦を事前に察知できたのは素晴らしい。
「最終人類史の一般人を狙うテロも、ヒルコを使い潰すような行為も、見過ごせないのです」
救出したヒルコは、放置すれば再びに危険に見舞われるので、ディアボロスの皆で隠れ里を作って匿ってあげて欲しいと付け足し珠萌はスケッチブックを閉じた。
「あの装置から三本のラインを斬れば、装置は止まるんだ」
誰かに伝えなければとヒルコは思った。
だが装置には七本の色の違うラインがあり、正解を斬らなければ即爆発してしまうかもしれない。
赤、橙、黄色、緑、青、藍、紫。その中から正解の三本だけを斬る必要がある。
「伝えないと……」
せめて他のヒルコにと彼が口を開こうとした時、無情にも兵器工廠の出力があげられる。
「あ……あぁぁぁぁぁ!!!」
エネルギーを無理矢理搾り取られ、その苦しみにヒルコ達は悲鳴をあげた。
下半身と両手を装置の中に埋め込まれ、動く自由もない。ただ苦しみを叫ぶしかない。
ヒルコは力なく項垂れ、呂律の回らなくなった口で必死で誰かに伝えなければと声を振り絞る。
「ああ……いいお……いおい……」
必死に何度も同じ言葉を繰り返すのであった。
「……ああ……いいお…………いおい……」
リプレイ
伊藤・真九郎
アドリブ、連携歓迎致す。
罪無き民を爆殺せんとするクロノヴェーダ共。見逃す訳にはいかぬ。
ましてや、ヒルコ達の命をその火種としようとは。最早慈悲の余地は無し。
外道働きに相応しい末路をくれてやろう。
到着後、敵の見張りを警戒しつつ施設へ向かう。
仲間と機を合わせ奇襲を仕掛ける。
【鉄風迅雷法】使用。
鉄鞘に納めた太刀を中心に、砂鉄の嵐を巻き起こし、周辺にある設備を削り壊しながら敵軍を薙ぎ払ってくれよう。
囚われのヒルコ達に被害を出してはならない。無差別に攻撃はせず、重要そうな箇所のみを破壊する。
向かってくる兎共には遠慮はいらない。「砂使い」の技能で荒れ狂う鉄砂を制御し「蹂躙」する。討ち漏らしなく仕留めてゆこう。
反撃は、鞘に収めた太刀による受け流しで捌き、武者鎧で受け止めて被害を最小限に抑える。【ガードアップ】の効果で強化された武具で急所を守り耐え抜こう。
群がる敵を迎撃しつつ、忌まわしき工場を完膚無きまでに打ち壊す也。
ソラス・マルファス
弱いヤツらを喰いものにして、やることは大量殺戮か。ふざけんじゃねぇぞ。絶対に、阻止してやる。
兄貴がヒルコを助ける間、敵の目をこちらに向けておきたい。この胸糞悪い施設も壊さねぇといけねぇしな。最優先はヒルコの安全だが、敵の狙いを考えると、悟られると余計に狙われる可能性が高い。巻き込まねぇようにだけ気を付けつつ、防衛は兄貴に任せよう。
見える場所に敵がいないなら、敵が控えているであろう場所とヒルコたちの間、出来ればヒルコたちが敵から死角になる場所に位置取ろう。
ヒルコに被害を出さねぇよう気を付けながら、機械を怪力無双で引っこ抜いては他の機械に投げつけるぜ。
敵が出てきたら、戦闘に集中だ。大剣に風を纏い、思い切り薙ぎ払う。一斉攻撃は可能なら味方と連携し、無理なら機械を振り回したり盾にして凌ぐぜ。
●非道な兵器
秘密裏に作られた兵器工廠は、ヒルコの命を奪いながら大量の自爆装置を作り上げようとしていた。
今はまだアヴァタール級天魔武者である尼子義久の分しか出来ていないが、これがこの施設内に集まっている大量の『新宮党』に行き渡るだけ製造されたらどうだろうか。
きっと膨大な数の特攻部隊によるテロが実現していたであろう。
敵の見張りはと警戒しながら侵入するソラス・マルファス(呪詛大剣・g00968)も伊藤・真九郎(剣客・g08505)も、その胸のうちは怒りに溢れていた。
「弱いヤツらを喰いものにして、やることは大量殺戮か。ふざけんじゃねぇぞ。絶対に、阻止してやる」
「罪無き民を爆殺せんとするクロノヴェーダ共。見逃す訳にはいかぬ。ましてや、ヒルコ達の命をその火種としようとは。最早慈悲の余地は無し」
その通りだと、ラウムも強く頷く。
まずは中にいる新宮党の注意を引き、その間にラウムが義久の所へ辿り着きやすいよう注意を引くこと。
「兄貴がヒルコを助ける間、敵の目をこちらに向けておかねぇと。この胸糞悪い施設も壊さねぇといけねぇしな」
そう目についた壁の装置や配線を、怪力無双で剥がし引っこ抜き派手に音を響かせる。
「敵襲、敵襲」
「侵入者だ。装置を護れ!」
わらわらと異常の起きた装置を確認するように、新宮党が集まってくる。
通路に長い耳を立てながら兎の姿をした天魔武者の彼らが駆け付ければ、真九郎は〈鉄鞘〉を掲げた。
「地霊土尊御助力御願い奉る!」
まるで磁場か何かに操られるように、鉄鞘に納めた太刀を中心に渦巻く砂鉄の嵐が巻き起こり、通路へと広がっていく。
「外道働きに相応しい末路をくれてやろう」
激しい砂鉄の嵐は壁を削り、設備を壊し。迫る新宮党を『鉄風迅擂法(テップウジンライホウ)』に呑み込む。
すると新宮党は、何とか嵐に抵抗し突破口を開こうとしたのだろう。
嵐に飛ばされまいと、互いに身体を寄せ合い一つの塊のように数に物を言わせ一斉に飛び掛かって来た。
だが新宮党の勢いは、途中で急激に落ちていく。
「風纏い、旋風!」
踏み込みながら薙ぎ払うソラスの大剣が、旋風を巻き起こし新たな風の渦を巻き起こし。
二つの渦が通路で混ざり、ぶつかり風を更に複雑に乱す。
「くっ、これ以上装置が傷ついては……」
施設が一瞬で崩れない程度に、だが装置の機能は奪うように目のついたところから壊して。
ヒルコの方はどうだろうと、チラリとソラスはラウムの様子を伺った。
丁度、こちらに対し義久が新宮党に怒鳴り散らしている所だ。
この様子なら隙をつくことも出来るだろう。
壁のヒルコ達への防衛も兄貴に任せようと信じ、ソラスは更に大剣を振るい壁に突き立てた。
装置は既に火花を飛ばし、妙な煙が漏れ始めている。
「群がっても所詮は兎。忌まわしき工場を完膚無きまでに打ち壊す也」
新宮党も兵器工廠も全てと、真九郎も砂鉄嵐に一体残らず呑み込んでいくのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【建物復元】LV1が発生!
【怪力無双】LV1が発生!
効果2【ガードアップ】LV1が発生!
【能力値アップ】LV1が発生!
ラウム・マルファス
ヒルコの人たちのエネルギーって何なんダロ。苦しそうだし、何であれ続けさせるわけにはいかないネ。急いで助け出そウ。
ドローンで光学迷彩を使い、コッソリ工房へ侵入するヨ。可能ならヒルコに影響ない範囲で、怪力無双で周辺の機械を引っこ抜いて山積みにし、瓦礫で死角を作っておこウ。不自然にならないように、周辺以外も壊して瓦礫の山を作っておくヨ。
ソラ(g00968)や他の人が敵と戦っている内に、ヒルコを助け出していこウ。
「赤、黄色、緑だネ。大丈夫、ちゃんとわかるカラ。もう喋らなくていいヨ」
周辺で色々してるから、光学迷彩使ってても気づいてくれてるとは思うケド、声を掛けて存在を知らせておこウ。ナノマシンをニッパー型に変えて、ラインを切断するヨ。
救出に成功したヒルコは薬品で手当てするヨ。流石に衰弱はどうしようもないから、経口補水液を飲ませて出来るだけ安全な場所に寝ていてもらウ。脱出やヒルコの里まで移動する体力を、回復させておかないとネ。
もし戦闘の流れ弾とか敵の攻撃が飛んで来たら、身を挺して庇うヨ。
●自爆装置
時を同じくして、侵入したラウム・マルファス(研究者にして発明家・g00862)は、ソラスと真九郎が戦闘を始めたのをきっかけに光学迷彩で姿を隠し身を潜めていた。
(「ヒルコの人たちのエネルギーって何なんダロ。苦しそうだし、何であれ続けさせるわけにはいかないネ」)
騒ぎに紛れ密かに入った場所では、壁に埋め込まれたような状態で活かされているヒルコ達が、弱々しく呻いている。
(「急いで助け出そウ」)
機材などの物陰を移動しながら、ラウムはまずはヒルコの側へ。
言葉を効く余裕が残っているか分からないが、そっと声をかける。
「赤、黄色、緑だネ。大丈夫、ちゃんとわかるカラ。もう喋らなくていいヨ」
騒ぎの音に紛れるように、微かに囁きせめて安心してもらえるように。
助けに気付いて貰えたらと、願いを込め声をかけ、経口補水液を飲ませておく。
流石に衰弱はどうしようもないが、せめて事前に出来る手当をと、動かずにはいられなかった。
出来れば早くこの壁から解放してやりたいが、ここはあまりにも敵の眼が多すぎる。
さて、問題の配線は……。
新宮党を叱咤し怒鳴る義久の腰あたり。
「もう少し待っていてネ」
チャンスは一度きりだと、物陰でナノマシンをニッパーに変え、狙いを定めると新宮党が蹴散らされた爆音に合わせラウムは飛び出した。
色はさっきヒルコに確認も兼ね、口にした赤、黄色、緑の3色。
疲弊したヒルコは子音の発音が出来ない程、疲弊していたのだ。
手を伸ばし線を立ちながら、ラウムに気付いた義久が振り返るより早く、その機体をこの部屋から追い出すように押し出す。
そのまま2本目、3本目と断ち切って。装置を無効化したとこで、ラウムの身体は義久に振り払われた。
壁に衝突した勢いで一瞬息が詰まるが、ヒルコ達のことを思えば些細な事。
新宮党も片付き、装置も無効化し、義久をヒルコから充分に引き離した。
後は、この目の前の天魔武者を片付け、ヒルコ達を自由にするだけ――。
🎖️🎖️🎖️🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【光学迷彩】LV1が発生!
効果2【アヴォイド】LV1が発生!
ソラス・マルファス
コイツが此処の親玉か。最終人類史への侵攻なんざさせるかよ。何としても仕留めさせてもらうぜ。
敵に向けて油断なく大剣を構える。
味方と連携して攻撃するぜ。技量は相手の方が上だろう。多少の無理は仕方ない。瓦礫を投げつけて気を引き、空輝石で風を渦巻かせて煙で視界を妨害する。
完全視界で見通して、小さな隙や、味方に対応している間にパラドクスを発動。一瞬でも、吹き下ろす風で地面に縫い付けてやろう。
ラウム・マルファス
ヒルコたちと距離が離れている今がチャンスだネ。人質を取られたら厄介だ、一気に畳みかけよウ。
とはいえ仕切り直しの得意な相手のようだし、なるべく相手の動きを観察しておこウ。仕切り直すということは、整った形での動きが多くなるはずだからネ。
ソラ(g00968)の攻撃で敵の動きが止まった瞬間を狙ってパラドクス発動。核となる部分を空気に変換するヨ。抵抗されたり、仕切り直されたら無理に継続せず、反撃に備えて身構えるヨ。
戦闘が終わったら、ヒルコの様子を確認するヨ。もし怪我をしているようなら薬品で治療しよウ。
伊藤・真九郎
自爆装置は無効化出来たようだな。御見事な手際でござる。
ならば容赦なく敵将の素っ首を落とすのみ。
鞘に納めた太刀に手を添え、抜刀術の構えで対峙する。
念の為、身に巻いた爆弾を避けて攻撃しておくか。
【鳳の瞬き】のパラドクスを使用する。初動を掴ませぬ足さばきにて、一瞬で間合いを詰め、急所を斬り裂く奥義也。
敵の受けの死角に潜り込み、抜き打ちの斬撃で弾帯の隙間を狙い「両断」せしめよう。
抜いた太刀を即座に構え防御姿勢を取り、反撃に備える。
攻撃を太刀受けにて捌き、躱しきれなければ武者鎧で受け流して被害を最小限に抑えよう。
命を主に捧げるその忠義は認めよう。だが、罪無き民々の命を道連れにせんとする所業、看過は出来ん。その命、部下諸共意味無く果てるがいい。
●残された顛末
部下も倒されたと気付いた『尼子義久』は、動揺し声をあげ震える。
「な、何という事を。私の可愛い部下を!?」
許しませんと、ディアボロス達を一睨みした義久は、何やらスイッチを入れたらしくカチッと小さな音を上げた。
シーーーン……。
室内に恐ろしいほどの静寂が広がる。
カチッ、カチッと何度も何かのスイッチを押すが反応はない。
「どういうことだ……あー!」
やっと配線が切られていることに気付いた義久は、絵に描いたようなまぬけな悲鳴を上げた。
これが生物であれば、あんぐりと顎が外れていたかもしれないが、彼は天魔武者。
声は動揺していても、ガチャガチャと間抜けな音を立ておもちゃのように動くだけ。
「コイツが此処の親玉か」
「ヒルコたちと距離が離れている今がチャンスだネ。人質を取られたら厄介だ、一気に畳みかけよウ」
「最終人類史への侵攻なんざさせるかよ。何としても仕留めさせてもらうぜ」
ラウム・マルファス(研究者にして発明家・g00862)が装置を無効化したと知ったソラス・マルファス(呪詛大剣・g00968)が、〈呪詛の大剣〉を構え向ける。
その様子に伊藤・真九郎(剣客・g08505)も腰を落とし〈無銘の刀〉の柄に手を掛ける。
「御見事な手際でござる、ラウム殿。ならば、後は容赦なく敵将の素っ首を落とすのみ」
ジリリと3人に囲まれ、義久の怒りは更に沸騰した。
武将としての死に様の矜持を奪われ、あまつさえアヴァタール級である自分を倒そうとしている者が目の前に居るのだ。
それは、大いに義久のプライドを傷つけた。
「許さない。許しませんよ、あなた達」
そうギロリと睨む顔は、般若のように険しく。戦闘態勢に移った義久は、高く跳んだ。
「好きにはさせないぜ。地に落ちろ! 天狗風!」
相手の自由にはさせないと、ソラスは〈空輝石〉を義久に向かって思いっきり投げた。
石を中心に巻き起こる風が、突如重くなった旋風が義久を墜落させるように吹き降ろす。
上空に居た義久は風に抵抗する術もなく、一気に地に叩きつけられる。
身体を起こそうとするも、風に圧され義久の身体はまるで地面に縫いつけられたかのようだ。
「ぐっ、こんな風、如きで……」
力任せに身体を起こせば、それは無防備も同然。敵に正面を晒すようなもの。
ラウムは事象を書き換え変換する力が宿ったという悪魔のメガネ〈Rewriter〉で義久を見つめ、『万物解析(バンブツカイセキ)』を仕掛ける。
部下が兎だっただけはあり、やはり跳躍には自身があるか。
幾つかの内部機関をライムが書き換えれば、すぐさま義久は『雲芸和議』で呼吸を整え、気を練り反撃してくる。
「なるほどネ。仕切り直しは得意なようだネ。しかし、大体の動きは読めたヨ」
ここに入ってから、装置の無効化をする為、ラウムは充分過ぎる程義久の動きは観察している。
「仕切り直すということは、整った形での動きが多くなるはずだからネ」
つまり、次に取る手が分かりやすいということだ。
義久が一歩踏み出すより早く。
「奥義にて仕る」
一瞬で真九郎は間合いを詰めると共に、抜刀し。正しく『鳳の瞬き(ホウオウノマタタキ)』のうちに狙い定めた場所へ刃を通す。
義久が身体に巻き付けていた爆弾は、自爆装置としての威力は劣るかもしれないが、爆発物であることに変わりない。
針の穴を通すようにその隙間を塗った一閃は、弾帯ベルトを断ち、義久の身体を斬りつける。
バラバラと転がる爆弾を蹴散らし、すぐさま真九郎は身体を反転させ再び刀を鞘へ。
即座に『拾壱國造』を仕掛け、鋭い蹴りと拳の応酬で義久は押し返してくるも遅い。
再び吹き荒れるソラスの起こした風は、義久の動きを奪い。ラウムによって書き換えられた体内が身体を支え切れず軋み、崩れるように膝をつく。
「命を主に捧げるその忠義は認めよう。だが、罪無き民々の命を道連れにせんとする所業、看過は出来ん。その命、部下諸共意味無く果てるがいい」
刹那、真九郎の刃は覆うものを失った義久の身体を袈裟に斬り上げる。
「ば、ばかな……私が、こんな……」
噴き出す油のような液体がドロリと降り注ぎ、辺りを黒く染め。
驚愕と屈辱を呻きながら、義久は倒れた。
これでもうこの施設に天魔武者は居ない。
ディアボロス達は手早くヒルコを救い出し、ラウムが応急処置を施していく。
後は救出した彼らが充分に身を隠し休める里を用意するだけだが、この辺りは中途半端に開拓されかけ放置された小規模のボロ小屋の村落跡があるぐらいだ。
その場所を補修し使えるようにするのが、一番早いが畑も備蓄もないので当面の備えも必要かもしれない。
まずは現地に向かってみようと、一同はこの場を徹底的に破壊し後にするのであった。
大成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
効果1【完全視界】LV1が発生!
【無鍵空間】LV1が発生!
【一刀両断】LV1が発生!
効果2【ロストエナジー】LV1が発生!
【能力値アップ】がLV2になった!
【反撃アップ】LV1が発生!
伊藤・真九郎
一先ず、敵は排除し当面の危機は払った。だが、救出したヒルコ達の今後の生活を支援するまでが任務。まだ帰還する訳にはいかん。
先ずは改めてヒルコ達に声をかけ、安心させよう。
「最早何も案ずる事はない。敵は倒し、爆弾も無効化した。これも諸氏の助言のお陰、礼を言う。」
近くに村落跡が在る事を告げ、当面の間はそこに身を潜める様に勧める。
壊れた住居を修繕し住める様にし、荒れた田畑を整え自給自足出来る様にしよう。力仕事には【怪力無双】の効果を使用する。
新宿から持ち込んだ工具や支援物資も活用し、出来るだけ不便無く過ごせる様に村を整える。保存食を【口福の伝道者】で増やし、作物が育つまでの食料として貰おう。
いずれ天魔武者共は我等が滅ぼしてくれようぞ。それまでの辛抱でござる。
ソラス・マルファス
余裕があれば、破壊した施設から使えそうな金属片を回収しておくぜ。鍬の先端とか、補強しておきたい場所も出てくるだろう。終わったら、怪我をしたヒルコは背負うか抱えるかして、ヒルコの隠れ里まで移動しよう。
村落後に着いたらざっと見回って、直して使うための頑丈そうな建物と、壊した方が良い崩れそうな建物のあたりをつけるぜ。
兄貴(g00862)と畑の場所を話し合ったら、手持ちの工具を使って、ボロい建物は解体しよう。多少は怪力無双で力づくも致し方ない。
板切れで住む家の修繕をし、残った資材の使えそうなもで、道具や家具を作ってやろう。ある程度回復したヒルコがいたら意見を聞きながら、住みやすいように整えるぜ。布や毛皮があれば、洗って縫えば寝具や防寒ぐらいにはなりそうか。残りの木材は薪代わりになるよう整えておこう。
当面は畑で食いつなぐことになるだろうからな、水桶や畑道具、荷車や背負子なんかは、出来れば畑の近くに小屋を作って置いておきたい。
ラウム・マルファス
ヒルコが育てて食べれる物って何ダロ。芋とか豆とか麦とか……葉っぱ類も欲しいよネ。ってわけで、村に着いたらボクは畑の準備をするヨ。
畑の跡地があればそこを、無ければソラ(g00968)と相談して場所を決めて、パラドクスを使おウ。Rewriterの物質変換で、地面を耕した状態の畑に変換するヨ。育てる予定の作物に合わせて、肥料代わりに土中の栄養素も増やしておこウ。動けそうなヒルコの人がいたら、道具の使い心地を確認して貰いながら、一緒に畑に作物を植えるヨ。冬からでも育つ作物を持ってきたつもりだけど、ちゃんと育つとイイナ。
畑が終わったら村の中を散策がてら、手が足りなければ手伝おウ。力仕事は怪力無双を使えば何とかなるし、細かい作業ならナノマシンを工具に変えれば多分対応できるハズ。
ひと段落ついたら、ボクも保存食分けて貰って口福の伝道者で増やしておこウ。ガーゼや包帯に使う綿布を敷物代わりにして食事を摂ったら、一緒に増えないカナ。複数枚あれば防寒具や服の足しにはなると思うんダ。
●隠れ里作り
近隣に残っていた村落跡へと、ディアボロス達は助け出したヒルコと共に足を運んだ。
一先ず、敵は排除し当面の危機は払った。だが、救出したヒルコ達の今後の生活を支援するまでが任務。
まだ帰還する訳にはいかんと、伊藤・真九郎(剣客・g08505)は気を引き締める。
「敵は倒し、爆弾も無効化した。これも諸氏の助言のお陰、礼を言う」
ヒルコ達の手当をしながら、真九郎は感謝を口にする。
彼らが自分達の力でつくられた命を奪うような兵器を止めようと、辛い眼にあいながらも必死に伝えてくれたおかげだ。
あの助言がなければ、きっと兵器を無効化することは出来なかっただろう。
「本当にボロボロだな」
破壊した施設から使えそうな端材を拝借してきていたソラス・マルファス(呪詛大剣・g00968)がそれらを下ろすと、ヒョコっと背中からヒルコが「着いたの?」顔を覗かせた。
目の前の村落跡は、数件ある建物も作り途中なのかそれとも壊れたのか。剥き出しの土台が見えたり、壁のない物もある。
畑も一度は誰かが開拓しようとしたのだろう。形跡が残ったまま放置され、草が伸び放題だ。
だがこれならば、直ぐに整えて彼らが暮らし凌げるようにできると、ラウム・マルファス(研究者にして発明家・g00862)は畑の開拓から始めた。
「ヒルコが育てて食べれる物って何ダロ。芋とか豆とか麦とか……葉っぱ類も欲しいよネ」
大規模な畑ではなく、家庭菜園の豪華版ぐらいなら。この季節であれば、ホウレンソウにカブや玉ねぎだろうか。
目立つような大きな畑は作れないが、ヒルコ達が暮らしていけるだけの食糧と考えれば、そこまで大きくなくても大丈夫だ。
土壌改良を畑に、悪魔の魔法が宿ったメガネ〈Rewriter〉で見通し、土を作り変え豊かな土へと変えて。
さすがに種や小さな苗から始めると時間がかかってしまうので、新宿島からある程度育った苗をラウムは植えていく。
こうしておけば、保存食が無くなった頃には直ぐに収穫できる状態になっているはずだ。
その間、ソラスは村落跡を歩き回り、まずは修復が困難な建物を怪力無双と工具を使って解体していく。
「多少は力づくでも致し方ないな。新しい建物に使わせてもらおう」
そうして集まった端材などを使いながら、真九郎は一番状態の良かった住居の修復にあたっていく。
基礎となる柱が残っていたのは、とても助かった。
おかげで建物を修復するのは、そこまで難しくない。大工の心得がない真九郎もソラスも、壁を屋根をと直していく。
雨風を防げるよう塞ぎ、周囲の枝葉で建物をある程度覆えば、天魔武者が近くに来ても簡単には見つかることはないだろう。
ここは木々に覆われた、元々隠れた目立たない場所だ。
「出来るだけ、不便無く過ごせるように整えてやらないとな」
建物自体は小さいが、ヒルコ達の身体では皆で暮らしたとしても丁度良い大きさだろう。
「布や毛皮があればと思ったが、さすがにそこまで都合よくはないか」
村落跡が最近まで誰かが暮らしていたのなら、ソラスが思ったような物も残っていたかもしれない。
その辺りは、新宿島からの持ち込みで補うのが早いだろう。冬を越せるようにと、毛布などで温かく。
「当面は畑で食いつなぐことになるだろうからな」
水桶に畑道具、荷車や背負子など。畑作業などに便利なものを、いくつかソラスは作り上げていく。
何せヒルコは身体が小さい。大きな農具などでは、上手く扱えないだろう。
マイ鍬を手に入れたヒルコは、何だか伝説の武器を手にした子供のように目をキラキラとさせた。
「残りの木材は、薪代わりになるよう整えておこう」
そう不要な木材で薪にし、冬を越せるよう充分に用意し。
ある程度建物の修復が終われば、真九郎は保存食料理を作り口福の伝道者で増やす。
作物が育つまでの食料にはなるだろう。
「最早何も案ずる事はない。いずれ天魔武者共は我等が滅ぼしてくれようぞ。それまでの辛抱でござる」
「冬からでも育つ作物を持ってきたつもりだけど、ちゃんと育つとイイナ」
ヒルコ達は自分達のサイズに合う道具を手に取り、ラウムに使い方を真剣に聞くと、頼もしく構えて見せた。
その様子は、小さな子供がお手伝いをするような何だか微笑ましさがある。
「ありがとう! ボク達頑張るね!」
ちょっと重さによろめき頼りないが、きっと彼らは彼ら同士で協力し合い頑張っていくだろう。
成功🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
効果1【口福の伝道者】LV1が発生!
【怪力無双】がLV2になった!
【土壌改良】LV1が発生!
効果2【能力値アップ】がLV4になった!
【ロストエナジー】がLV2になった!